JP2000032690A - 回転電機用固定子鉄心及び回転電機用固定子の製造方法並びに磁石回転子型電動機 - Google Patents
回転電機用固定子鉄心及び回転電機用固定子の製造方法並びに磁石回転子型電動機Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 占積率を上げることができて、しかも容易に
組み立てることができる回転電機用固定子を提供する。 【解決手段】 複数の磁極５…の磁極片部４…を隣接す
る他の磁極５の磁極片部４と電磁鋼板により形成された
連結部６…を介して連結し、複数の磁極５…と複数の連
結部６…とからなる磁極集合体７を構成する。磁極集合
体７の複数の磁極５…に単位巻線９を巻装する。単位巻
線９を巻装した磁極集合体７を一つのユニットとして環
状の継鉄２の内部に挿入し、各磁極５…の鉄心部３…に
設けた凸部８を継鉄２の内周部に設けた溝部２ｃに同時
に嵌合する。
組み立てることができる回転電機用固定子を提供する。 【解決手段】 複数の磁極５…の磁極片部４…を隣接す
る他の磁極５の磁極片部４と電磁鋼板により形成された
連結部６…を介して連結し、複数の磁極５…と複数の連
結部６…とからなる磁極集合体７を構成する。磁極集合
体７の複数の磁極５…に単位巻線９を巻装する。単位巻
線９を巻装した磁極集合体７を一つのユニットとして環
状の継鉄２の内部に挿入し、各磁極５…の鉄心部３…に
設けた凸部８を継鉄２の内周部に設けた溝部２ｃに同時
に嵌合する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転子が固定子の
内部で回転するインナーロータ型の回転電機に使用され
る回転電機用固定子鉄心及び回転電機用固定子並びに回
転電機用固定子の製造方法に関するものである。
内部で回転するインナーロータ型の回転電機に使用され
る回転電機用固定子鉄心及び回転電機用固定子並びに回
転電機用固定子の製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】ＡＣサーボモータ等の従来の回転電機で
用いられている回転電機用固定子では、環状の継鉄の内
周部に複数の磁極が周方向に所定の間隔をあけた状態で
配置された固定子鉄心を用いる。固定子鉄心の各磁極
は、巻線が巻装される鉄心部とこの鉄心部の一方の端部
に形成された磁極片部とを備えている。一般的な固定子
鉄心では、継鉄と複数の磁極が一体に形成されている。
しかしながら複数の磁極の鉄心部の他方の端部に嵌合用
凸部を設け、継鉄の内周部に複数の嵌合溝を設けて、磁
極の嵌合用凸部を継鉄の嵌合溝に嵌合させて磁極と継鉄
とを連結した回転電機用鉄心もある。
用いられている回転電機用固定子では、環状の継鉄の内
周部に複数の磁極が周方向に所定の間隔をあけた状態で
配置された固定子鉄心を用いる。固定子鉄心の各磁極
は、巻線が巻装される鉄心部とこの鉄心部の一方の端部
に形成された磁極片部とを備えている。一般的な固定子
鉄心では、継鉄と複数の磁極が一体に形成されている。
しかしながら複数の磁極の鉄心部の他方の端部に嵌合用
凸部を設け、継鉄の内周部に複数の嵌合溝を設けて、磁
極の嵌合用凸部を継鉄の嵌合溝に嵌合させて磁極と継鉄
とを連結した回転電機用鉄心もある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】前者の固定子鉄心で
は、磁極間に形成されたスロットに巻線導体を挿入して
磁極の鉄心部に巻線を巻装する必要があるために巻線作
業が面倒である上、スロット内における巻線導体の占積
率を上げることが難しい問題がある。これに対して後者
の固定子鉄心では、占積率を上げることはできるものの
各磁極を個別に継鉄に固定する作業が必要になるため、
磁極の数が多くなると固定子鉄心の組み立て作業が面倒
になる。
は、磁極間に形成されたスロットに巻線導体を挿入して
磁極の鉄心部に巻線を巻装する必要があるために巻線作
業が面倒である上、スロット内における巻線導体の占積
率を上げることが難しい問題がある。これに対して後者
の固定子鉄心では、占積率を上げることはできるものの
各磁極を個別に継鉄に固定する作業が必要になるため、
磁極の数が多くなると固定子鉄心の組み立て作業が面倒
になる。
【０００４】本発明の目的は、占積率を上げることがで
きて、しかも容易に組み立てることができる回転電機用
固定子鉄心及び回転電機用固定子を提供することにあ
る。
きて、しかも容易に組み立てることができる回転電機用
固定子鉄心及び回転電機用固定子を提供することにあ
る。
【０００５】本発明の他の目的は、巻線と端子との接続
が容易な回転電機用固定子を提供することにある。
が容易な回転電機用固定子を提供することにある。
【０００６】本発明の他の目的は、磁極を継鉄に固定す
る作業を容易に行える回転電機用固定子の製造方法を提
供することにある。
る作業を容易に行える回転電機用固定子の製造方法を提
供することにある。
【０００７】本発明の他の目的は、組み立てが容易で固
定子巻線の占積率が高い磁石回転子型電動機を提供する
ことにある。
定子巻線の占積率が高い磁石回転子型電動機を提供する
ことにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明が改良の対象とす
る回転電機用固定子鉄心は、環状の継鉄と巻線が巻装さ
れる鉄心部及びこの鉄心部の一方の端部に形成された磁
極片部を備えた複数の磁極とを具備している。そして環
状の継鉄及び複数の磁極はそれぞれ電磁鋼板が積層され
て構成されている。また複数の磁極の鉄心部の他方の端
部に設けた嵌合部を継鉄の内周部に形成した複数の被嵌
合部にそれぞれ嵌合している。このような固定子鉄心を
用いた回転電機用固定子では、複数の磁極の鉄心部に固
定子巻線が巻装されている。
る回転電機用固定子鉄心は、環状の継鉄と巻線が巻装さ
れる鉄心部及びこの鉄心部の一方の端部に形成された磁
極片部を備えた複数の磁極とを具備している。そして環
状の継鉄及び複数の磁極はそれぞれ電磁鋼板が積層され
て構成されている。また複数の磁極の鉄心部の他方の端
部に設けた嵌合部を継鉄の内周部に形成した複数の被嵌
合部にそれぞれ嵌合している。このような固定子鉄心を
用いた回転電機用固定子では、複数の磁極の鉄心部に固
定子巻線が巻装されている。
【０００９】本発明では、複数の磁極の磁極片部を隣接
する他の磁極の磁極片部と電磁鋼板により形成された連
結部を介して連結して、複数の磁極と複数の連結部とか
らなる磁極集合体を構成する。このような磁極集合体を
用いると、環状の継鉄とこの磁極集合体とを組み合わせ
る前に、磁極の鉄心部に巻線を巻装できるので、磁極間
に形成されるスロットにおける巻線の占積率を高めるこ
とができる。また磁極集合体を一つのユニットとして環
状の継鉄の内部に挿入することができ、しかも各磁極の
鉄心部の嵌合部を継鉄の内周部に設けた被嵌合部に同時
に嵌合することができるため、複数の磁極を継鉄に対し
て取付ける作業を１回の作業で行うことができ、組み立
て作業が非常に簡単になる。
する他の磁極の磁極片部と電磁鋼板により形成された連
結部を介して連結して、複数の磁極と複数の連結部とか
らなる磁極集合体を構成する。このような磁極集合体を
用いると、環状の継鉄とこの磁極集合体とを組み合わせ
る前に、磁極の鉄心部に巻線を巻装できるので、磁極間
に形成されるスロットにおける巻線の占積率を高めるこ
とができる。また磁極集合体を一つのユニットとして環
状の継鉄の内部に挿入することができ、しかも各磁極の
鉄心部の嵌合部を継鉄の内周部に設けた被嵌合部に同時
に嵌合することができるため、複数の磁極を継鉄に対し
て取付ける作業を１回の作業で行うことができ、組み立
て作業が非常に簡単になる。
【００１０】各磁極の磁極片部が連結部により相互に連
結されていても、回転電機の性能に著しく大きな影響は
生じない。特に、通称ＩＰＭモータと呼ばれるタイプの
磁石回転子型電動機では、このような固定子鉄心を用い
ても、殆ど性能には影響がない。このタイプの磁石回転
子型電動機で用いる回転子では、電磁鋼板が積層されて
構成された回転子鉄心の内部に周方向に間隔をあけて形
成された複数の永久磁石挿入用スロットを有している。
そしてこれらの永久磁石挿入用スロットには、それぞれ
回転子磁極を構成する永久磁石が挿入されている。
結されていても、回転電機の性能に著しく大きな影響は
生じない。特に、通称ＩＰＭモータと呼ばれるタイプの
磁石回転子型電動機では、このような固定子鉄心を用い
ても、殆ど性能には影響がない。このタイプの磁石回転
子型電動機で用いる回転子では、電磁鋼板が積層されて
構成された回転子鉄心の内部に周方向に間隔をあけて形
成された複数の永久磁石挿入用スロットを有している。
そしてこれらの永久磁石挿入用スロットには、それぞれ
回転子磁極を構成する永久磁石が挿入されている。
【００１１】なお各磁極の磁極片部が連結部により相互
に連結されていると多少性能に影響がある場合には、磁
極集合体を継鉄と組み合わせた後に、連結部を切断また
は除去するか若しくは連結部の径方向の寸法（厚み）を
薄くすればよい。各連結部の切断または除去作業若しく
は厚みを薄くする作業は、複数の磁極を個別に継鉄に個
別に固定する作業と比べれば、はるかに容易な作業であ
り、回転電機用固定子及び磁石回転子型電動機の製造が
簡単になる。
に連結されていると多少性能に影響がある場合には、磁
極集合体を継鉄と組み合わせた後に、連結部を切断また
は除去するか若しくは連結部の径方向の寸法（厚み）を
薄くすればよい。各連結部の切断または除去作業若しく
は厚みを薄くする作業は、複数の磁極を個別に継鉄に個
別に固定する作業と比べれば、はるかに容易な作業であ
り、回転電機用固定子及び磁石回転子型電動機の製造が
簡単になる。
【００１２】磁極集合体は、複数の磁極を構成する部分
と複数の連結部を構成する部分とが交互に並ぶように環
状に形成された環状の電磁鋼板を積層することにより簡
単に且つ安価に製造することができる。
と複数の連結部を構成する部分とが交互に並ぶように環
状に形成された環状の電磁鋼板を積層することにより簡
単に且つ安価に製造することができる。
【００１３】連結部の径方向の厚み寸法は、磁極の磁極
片部の径方向の最小厚み寸法よりも小さいほうがよいの
は勿論である。この厚み寸法が小さくなればなるほど、
隣接する磁極片部間が空隙になっている既存の固定子鉄
心と磁気的な特性が近付くことは理解できるであろう。
但し、あまりこの厚み寸法が小さくなると、磁極集合体
の機械的強度が低下して、組み立て作業がやりずらくな
る問題が発生するため、極端にこの厚み寸法を小さくす
ることは好ましくない。
片部の径方向の最小厚み寸法よりも小さいほうがよいの
は勿論である。この厚み寸法が小さくなればなるほど、
隣接する磁極片部間が空隙になっている既存の固定子鉄
心と磁気的な特性が近付くことは理解できるであろう。
但し、あまりこの厚み寸法が小さくなると、磁極集合体
の機械的強度が低下して、組み立て作業がやりずらくな
る問題が発生するため、極端にこの厚み寸法を小さくす
ることは好ましくない。
【００１４】本発明の固定子鉄心を用いて固定子を構成
する場合には、ボビンに集中巻きした単位巻線を磁極集
合体の複数の磁極の鉄心部にそれぞれ嵌装して固定子巻
線を構成するのが好ましい。なぜならば磁極集合体は環
状をなしているため、各磁極に巻線を直接巻装するため
の、特別な巻線機を用意しなければならないからであ
る。したがって、製造コストの点を考慮すると、前述の
通りボビンに集中巻きした単位巻線を磁極集合体の複数
の磁極の鉄心部にそれぞれ嵌装するのが好ましい。
する場合には、ボビンに集中巻きした単位巻線を磁極集
合体の複数の磁極の鉄心部にそれぞれ嵌装して固定子巻
線を構成するのが好ましい。なぜならば磁極集合体は環
状をなしているため、各磁極に巻線を直接巻装するため
の、特別な巻線機を用意しなければならないからであ
る。したがって、製造コストの点を考慮すると、前述の
通りボビンに集中巻きした単位巻線を磁極集合体の複数
の磁極の鉄心部にそれぞれ嵌装するのが好ましい。
【００１５】しかしながらこのような単位巻線を用いる
と、各単位巻線と端子とを電気的に接続する場合に、巻
線の引き出し線を端子まで引き回す作業が必要になる。
例えば、電気自動車の駆動用電動機のように大電流を必
要とする用途に用いられる電動機では、比較的太い巻線
導体を用いるために、引き出し線の数が多くなると引き
回し作業はかなり大変なものとなる。このような問題を
解決するためには、固定子巻線の引き出し線が接続され
る複数の端子と複数の端子が固定される絶縁材料からな
る端子固定台とからなる端子台を用いる。そして端子固
定台には、複数の磁極に対応した位置に配置されて対応
する磁極に巻装された単位巻線の引き出し線が接続され
る複数対の接続用端子部とこれら複数対の接続用端子部
と複数の端子とを電気的に接続する配線部とを固定す
る。そして複数の端子と、複数の接続用端子部と配線部
を、１つの端子と、この１つの端子に電気的接続される
複数の接続用端子部と１つの端子と複数の接続用端子部
とを電気的に接続する配線部分とを金属板により一体に
形成してなる複数の端子配線構造体として構成する。こ
のような端子配線構造体を備えた端子台を用いると、各
巻線の引き出し線に近い位置にそれぞれ配置された接続
用端子部に引き出し線を接続すればよいため、各巻線の
引き出し線を引き回す作業が不要になって作業性が大幅
に向上するだけでなく、製造の自動化も容易になる。特
に金属板によって端子、配線部分及び接続用端子部を一
体にした端子配線構造体を用いると、端子台の製造が容
易になるだけでなく、端子台の機械的強度及び電気的絶
縁性を高めることができる。
と、各単位巻線と端子とを電気的に接続する場合に、巻
線の引き出し線を端子まで引き回す作業が必要になる。
例えば、電気自動車の駆動用電動機のように大電流を必
要とする用途に用いられる電動機では、比較的太い巻線
導体を用いるために、引き出し線の数が多くなると引き
回し作業はかなり大変なものとなる。このような問題を
解決するためには、固定子巻線の引き出し線が接続され
る複数の端子と複数の端子が固定される絶縁材料からな
る端子固定台とからなる端子台を用いる。そして端子固
定台には、複数の磁極に対応した位置に配置されて対応
する磁極に巻装された単位巻線の引き出し線が接続され
る複数対の接続用端子部とこれら複数対の接続用端子部
と複数の端子とを電気的に接続する配線部とを固定す
る。そして複数の端子と、複数の接続用端子部と配線部
を、１つの端子と、この１つの端子に電気的接続される
複数の接続用端子部と１つの端子と複数の接続用端子部
とを電気的に接続する配線部分とを金属板により一体に
形成してなる複数の端子配線構造体として構成する。こ
のような端子配線構造体を備えた端子台を用いると、各
巻線の引き出し線に近い位置にそれぞれ配置された接続
用端子部に引き出し線を接続すればよいため、各巻線の
引き出し線を引き回す作業が不要になって作業性が大幅
に向上するだけでなく、製造の自動化も容易になる。特
に金属板によって端子、配線部分及び接続用端子部を一
体にした端子配線構造体を用いると、端子台の製造が容
易になるだけでなく、端子台の機械的強度及び電気的絶
縁性を高めることができる。
【００１６】なお固定子巻線が中性点を有する結線方式
で構成される場合には、中性点に接続される複数の接続
用端子部とこれらの接続用端子部を相互に接続する配線
部分とを金属板により一体に形成した端子配線構造体を
用意し、これを端子固定台に固定すればよい。
で構成される場合には、中性点に接続される複数の接続
用端子部とこれらの接続用端子部を相互に接続する配線
部分とを金属板により一体に形成した端子配線構造体を
用意し、これを端子固定台に固定すればよい。
【００１７】本発明の回転電機用固定子を製造する場合
には、まず複数の磁極の磁極片部と隣接する他の磁極の
磁極片部とが電磁鋼板により形成された連結部を介して
連結された磁極集合体を作っておく。そして磁極集合体
の複数の磁極の鉄心部に固定子巻線を巻装する。その後
磁極集合体を継鉄の内部に挿入して、磁極集合体に含ま
れる複数の磁極の嵌合部を継鉄の対応する複数の被嵌合
部に同時に嵌合する。磁極集合体を構成するための電磁
鋼板を、継鉄を構成するための電磁鋼板を打ち抜く際に
その内側に位置する部分から打ち抜けば、電磁鋼板材料
を無駄なく使用できる。またこの場合に、回転子の回転
子鉄心を構成するための電磁鋼板を磁極集合体を構成す
るための電磁鋼板を打ち抜く際にその内側に位置する部
分から打ち抜いてもよいのは勿論である。また継鉄を構
成するための電磁鋼板を打ち抜く際に複数の被嵌合部を
同時に形成してもよいのは勿論である。
には、まず複数の磁極の磁極片部と隣接する他の磁極の
磁極片部とが電磁鋼板により形成された連結部を介して
連結された磁極集合体を作っておく。そして磁極集合体
の複数の磁極の鉄心部に固定子巻線を巻装する。その後
磁極集合体を継鉄の内部に挿入して、磁極集合体に含ま
れる複数の磁極の嵌合部を継鉄の対応する複数の被嵌合
部に同時に嵌合する。磁極集合体を構成するための電磁
鋼板を、継鉄を構成するための電磁鋼板を打ち抜く際に
その内側に位置する部分から打ち抜けば、電磁鋼板材料
を無駄なく使用できる。またこの場合に、回転子の回転
子鉄心を構成するための電磁鋼板を磁極集合体を構成す
るための電磁鋼板を打ち抜く際にその内側に位置する部
分から打ち抜いてもよいのは勿論である。また継鉄を構
成するための電磁鋼板を打ち抜く際に複数の被嵌合部を
同時に形成してもよいのは勿論である。
【００１８】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態の一例を詳細に説明する。図１は、本発明を通称
ＩＰＭ型電動機と呼ばれる磁石回転子型電動機の一種で
ある三相ＡＣサーボモータに適用した実施の形態の一例
の主要部の概略構成を示す図である。図１において、１
は固定子鉄心であり、この固定子鉄心１は、環状の継鉄
２と後述する固定子巻線が巻装される鉄心部３及びこの
鉄心部３の一方の端部に形成された磁極片部４を備えた
１２個の磁極５…とを具備している。継鉄２には９０度
間隔で径方向外側に向かって突出する突出部２ａ…が一
体に形成されており、これらの突出部２ａには貫通孔２
ｂ…が形成されている。なおこれらの貫通孔２ａ…に
は、継鉄２の軸線方向（回転子が固定される回転軸の軸
線方向）の両側に固定される一対のエンドブラケットと
継鉄２とを組み合わせる際に使用されるボルトが挿入さ
れる。環状の継鉄２及び磁極５…はそれぞれ電磁鋼板が
積層されて構成されている。
の形態の一例を詳細に説明する。図１は、本発明を通称
ＩＰＭ型電動機と呼ばれる磁石回転子型電動機の一種で
ある三相ＡＣサーボモータに適用した実施の形態の一例
の主要部の概略構成を示す図である。図１において、１
は固定子鉄心であり、この固定子鉄心１は、環状の継鉄
２と後述する固定子巻線が巻装される鉄心部３及びこの
鉄心部３の一方の端部に形成された磁極片部４を備えた
１２個の磁極５…とを具備している。継鉄２には９０度
間隔で径方向外側に向かって突出する突出部２ａ…が一
体に形成されており、これらの突出部２ａには貫通孔２
ｂ…が形成されている。なおこれらの貫通孔２ａ…に
は、継鉄２の軸線方向（回転子が固定される回転軸の軸
線方向）の両側に固定される一対のエンドブラケットと
継鉄２とを組み合わせる際に使用されるボルトが挿入さ
れる。環状の継鉄２及び磁極５…はそれぞれ電磁鋼板が
積層されて構成されている。
【００１９】各磁極５…の磁極片部４…は隣接する他の
磁極５の磁極片部４と電磁鋼板により形成された連結部
６…を介して連結されており、この例では周方向に交互
に配置された１２個の磁極５…と１２個の連結部６…と
から磁極集合体７が構成されている。なお連結部６…に
ついては、図３に明瞭に示されている。各磁極５…の鉄
心部３…の他方の端部（磁極片部４と反対側の端部）に
は、嵌合部を構成する凸部８…が一体に設けられてい
る。これらの凸部８…は、軸線方向または電磁鋼板の積
層方向に連続して延びている。また継鉄２の内周部に
は、凸部８…が嵌合される被嵌合部を構成する溝部２ｃ
…が周方向に間隔をあけて形成されている。この溝部２
ｃ…も軸線方向または電磁鋼板の積層方向に連続して延
びている。なお溝部２ｃ…の形状寸法即ち径方向寸法及
び周方向の寸法は、凸部８…のそれらの寸法よりも若干
大きくなっており、凸部８…が溝部２ｃ…比較的容易に
に嵌合される。そして凸部８…と溝部２ｃが嵌合された
後に、レーザ溶接等の適宜の接合技術を用いて磁極５…
と継鉄２とは相互に強固に結合される。
磁極５の磁極片部４と電磁鋼板により形成された連結部
６…を介して連結されており、この例では周方向に交互
に配置された１２個の磁極５…と１２個の連結部６…と
から磁極集合体７が構成されている。なお連結部６…に
ついては、図３に明瞭に示されている。各磁極５…の鉄
心部３…の他方の端部（磁極片部４と反対側の端部）に
は、嵌合部を構成する凸部８…が一体に設けられてい
る。これらの凸部８…は、軸線方向または電磁鋼板の積
層方向に連続して延びている。また継鉄２の内周部に
は、凸部８…が嵌合される被嵌合部を構成する溝部２ｃ
…が周方向に間隔をあけて形成されている。この溝部２
ｃ…も軸線方向または電磁鋼板の積層方向に連続して延
びている。なお溝部２ｃ…の形状寸法即ち径方向寸法及
び周方向の寸法は、凸部８…のそれらの寸法よりも若干
大きくなっており、凸部８…が溝部２ｃ…比較的容易に
に嵌合される。そして凸部８…と溝部２ｃが嵌合された
後に、レーザ溶接等の適宜の接合技術を用いて磁極５…
と継鉄２とは相互に強固に結合される。
【００２０】磁極集合体７の各磁極５…の鉄心部３…に
は、ボビン９ａに巻線導体が集中巻きされて構成された
単位巻線９…がそれぞれ嵌合されている。この単位巻線
は、隣接する２つの磁極５，５の間に形成されるスロッ
トに配置される巻線導体の占積率を高めるために、継鉄
２に近付くに従って巻回数が多くなって外形寸法が大き
くなる形状を有している。巻線導体の形状は任意である
が、占積率を高めるためには、横断面形状が矩形状をな
すいわゆる角形巻線導体を用いるのが好ましい。この例
では三相パラレルスター結線を構成するように各単位巻
線９…は電気的に接続される。また各単位巻線９…と端
子との接続関係については、後に詳しく説明する。なお
この例では符号１〜９の部材により、回転電機用固定子
１０が構成されている。
は、ボビン９ａに巻線導体が集中巻きされて構成された
単位巻線９…がそれぞれ嵌合されている。この単位巻線
は、隣接する２つの磁極５，５の間に形成されるスロッ
トに配置される巻線導体の占積率を高めるために、継鉄
２に近付くに従って巻回数が多くなって外形寸法が大き
くなる形状を有している。巻線導体の形状は任意である
が、占積率を高めるためには、横断面形状が矩形状をな
すいわゆる角形巻線導体を用いるのが好ましい。この例
では三相パラレルスター結線を構成するように各単位巻
線９…は電気的に接続される。また各単位巻線９…と端
子との接続関係については、後に詳しく説明する。なお
この例では符号１〜９の部材により、回転電機用固定子
１０が構成されている。
【００２１】１４は回転軸を省略した永久磁石内蔵型の
回転子であり、この回転子１４は電磁鋼板を積層して構
成した回転子鉄心１１の内部に周方向に間隔をあけて形
成された８個の永久磁石挿入用スロット１２を有してい
る。そしてこれらの永久磁石挿入用スロット１２には、
それぞれ回転子磁極を構成する永久磁石１３がそれぞれ
挿入されている。なおこの回転子の構造に関しては公知
であるため詳しい説明は省略する。
回転子であり、この回転子１４は電磁鋼板を積層して構
成した回転子鉄心１１の内部に周方向に間隔をあけて形
成された８個の永久磁石挿入用スロット１２を有してい
る。そしてこれらの永久磁石挿入用スロット１２には、
それぞれ回転子磁極を構成する永久磁石１３がそれぞれ
挿入されている。なおこの回転子の構造に関しては公知
であるため詳しい説明は省略する。
【００２２】次に回転電機用固定子１０の製造方法を具
体的に説明する。図２は、電磁鋼板を積層して構成した
継鉄２の拡大図である。継鉄２の内周部には、形状の異
なる２種類の１２個の溝部２ｃ…と１２個の溝部２ｄ…
とが周方向に交互に並ぶように形成されている。本発明
の例では、継鉄２を構成するための電磁鋼板を電磁鋼板
材料から打ち抜く際に、その内側に位置する部分から磁
極集合体７を構成する電磁鋼板を打ち抜くようにしてい
る。したがって継鉄２の内周部に形成された溝部２ｄ…
は、磁極集合体７を構成する電磁鋼板を打ち抜いたとき
に、磁極５の凸部８…の抜き跡として形成されたもので
ある。これに対して溝部２ｃ…は、磁極５の凸部８…が
嵌合可能な寸法形状に、継鉄２を構成するための電磁鋼
板を打ち抜く際に一緒に打ち抜いたものである。継鉄２
を構成するための電磁鋼板はいわゆる回し積みによって
積層されて一体化されている。
体的に説明する。図２は、電磁鋼板を積層して構成した
継鉄２の拡大図である。継鉄２の内周部には、形状の異
なる２種類の１２個の溝部２ｃ…と１２個の溝部２ｄ…
とが周方向に交互に並ぶように形成されている。本発明
の例では、継鉄２を構成するための電磁鋼板を電磁鋼板
材料から打ち抜く際に、その内側に位置する部分から磁
極集合体７を構成する電磁鋼板を打ち抜くようにしてい
る。したがって継鉄２の内周部に形成された溝部２ｄ…
は、磁極集合体７を構成する電磁鋼板を打ち抜いたとき
に、磁極５の凸部８…の抜き跡として形成されたもので
ある。これに対して溝部２ｃ…は、磁極５の凸部８…が
嵌合可能な寸法形状に、継鉄２を構成するための電磁鋼
板を打ち抜く際に一緒に打ち抜いたものである。継鉄２
を構成するための電磁鋼板はいわゆる回し積みによって
積層されて一体化されている。
【００２３】図３に示すように継鉄２の内部に挿入する
磁極集合体７は、継鉄２を構成するための電磁鋼板を電
磁鋼板材料から打ち抜く際に、その内側に位置する部分
から打ち抜いた磁極集合体７を構成する複数枚の電磁鋼
板を回し積みして製造する。磁極集合体７を構成する電
磁鋼板は、磁極５…を構成する部分と連結部６…を構成
する部分とが周方向に交互に並ぶように環状に形成され
た形状を有している。複数枚の電磁鋼板により形成され
る連結部６の径方向の厚み寸法は、磁極５…の磁極片部
４…の径方向の最小厚み寸法よりも小さい。この厚み寸
法が小さくなればなるほど、隣接する磁極片部間が空隙
になっている既存の固定子鉄心と磁気的な特性が近付く
ことになる。但し、あまりこの厚み寸法が小さくなる
と、磁極集合体の機械的強度が低下して、組み立て作業
がやりずらくなる問題が発生するため、極端にこの厚み
寸法を小さくすることは好ましくない。
磁極集合体７は、継鉄２を構成するための電磁鋼板を電
磁鋼板材料から打ち抜く際に、その内側に位置する部分
から打ち抜いた磁極集合体７を構成する複数枚の電磁鋼
板を回し積みして製造する。磁極集合体７を構成する電
磁鋼板は、磁極５…を構成する部分と連結部６…を構成
する部分とが周方向に交互に並ぶように環状に形成され
た形状を有している。複数枚の電磁鋼板により形成され
る連結部６の径方向の厚み寸法は、磁極５…の磁極片部
４…の径方向の最小厚み寸法よりも小さい。この厚み寸
法が小さくなればなるほど、隣接する磁極片部間が空隙
になっている既存の固定子鉄心と磁気的な特性が近付く
ことになる。但し、あまりこの厚み寸法が小さくなる
と、磁極集合体の機械的強度が低下して、組み立て作業
がやりずらくなる問題が発生するため、極端にこの厚み
寸法を小さくすることは好ましくない。
【００２４】本発明では、図４に示すように、ボビン９
ａに巻線導体を集中巻きした単位巻線９…を磁極集合体
７の磁極５…の鉄心部３…にそれぞれ嵌装する。その後
この磁極集合体７を継鉄２の内部に挿入して、磁極集合
体７に含まれる磁極５…の凸部８…を継鉄２の対応する
溝部２ｃ…に同時に嵌合させる。そして嵌合作業が終了
した後に、レーザを磁極５…と継鉄２の接合部に照射し
て両者を接合する。
ａに巻線導体を集中巻きした単位巻線９…を磁極集合体
７の磁極５…の鉄心部３…にそれぞれ嵌装する。その後
この磁極集合体７を継鉄２の内部に挿入して、磁極集合
体７に含まれる磁極５…の凸部８…を継鉄２の対応する
溝部２ｃ…に同時に嵌合させる。そして嵌合作業が終了
した後に、レーザを磁極５…と継鉄２の接合部に照射し
て両者を接合する。
【００２５】このようにして製造した固定子１０に対し
ては、図６に示すような端子台１５を取付ける。端子台
１５は、絶縁樹脂製の端子固定台１６と、この端子固定
台１６に固定された４種類の端子配線構造体１７〜２０
とから構成されている。端子固定台１６の中央には、回
転子１４の挿入と回転を阻害しない貫通孔１６ａが形成
されている。端子固定台１６の環状台座１６ｂの外周部
には、図面の紙面の後方側に延びる筒状の周壁部１６ｃ
が一体に設けられている。そしてこの筒状の周壁部１６
の端面が継鉄２の軸線方向の一方の側面と接触している
（図７参照）。端子配線構造体１７〜２０は、それぞれ
金属板を機械加工して一体に形成したものである。端子
配線構造体１７〜１９は、それぞれ端子１７ａ〜１９ａ
と、単位巻線９…の引き出し線が接続される接続用端子
部１７ｂ1 〜１７ｂ4 ，１８ｂ1〜１８ｂ4 及び１９ｂ1
〜１９ｂ4 とこれらの端子と接続用端子部とを接続す
る配線部分１７ｃ〜１９ｃとを一体に有している。そし
て各端子及び接続用端子部には、それぞれ貫通孔ｈが形
成されている。また端子配線構造体２０は、中性点用の
端子配線構造体であり、環状の配線部分２０ａに周方向
に所定の間隔をあけて設けられた１２個の接続用端子部
２０ｂ1 〜２０ｂ12が一体に設けられた構造を有してい
る。なお端子固定台１６の環状台座１６ｂには、各接続
用端子部に設けた貫通孔ｈに対応して単位巻線からの引
き出し線を通す貫通孔が形成されている。図７に示すよ
うに、磁極５ａに巻装された単位巻線９の一対の引き出
し線は、磁極５ａに隣接して設けられた一対の接続用端
子部２０ｂ1 及び１７ｂ1 に接続され、磁極５ｂに巻装
された単位巻線９の一対の引き出し線は、磁極５ｂに隣
接して設けられた一対の接続用端子部２０ｂ2 及び１９
ｂ2 に接続され、磁極５ｃに巻装された単位巻線９の一
対の引き出し線は、磁極５ｃに隣接して設けられた一対
の接続用端子部２０ｂ3 及び１８ｂ2 に接続され、磁極
５ｄに巻装された単位巻線９の一対の引き出し線は、磁
極５ｄに隣接して設けられた一対の接続用端子部２０ｂ
4 及び１７ｂ2 に接続され、以下図に示すように各磁極
の両側に位置する一対の接続用端子部に各単位巻線９の
一対の引き出し線が接続される。
ては、図６に示すような端子台１５を取付ける。端子台
１５は、絶縁樹脂製の端子固定台１６と、この端子固定
台１６に固定された４種類の端子配線構造体１７〜２０
とから構成されている。端子固定台１６の中央には、回
転子１４の挿入と回転を阻害しない貫通孔１６ａが形成
されている。端子固定台１６の環状台座１６ｂの外周部
には、図面の紙面の後方側に延びる筒状の周壁部１６ｃ
が一体に設けられている。そしてこの筒状の周壁部１６
の端面が継鉄２の軸線方向の一方の側面と接触している
（図７参照）。端子配線構造体１７〜２０は、それぞれ
金属板を機械加工して一体に形成したものである。端子
配線構造体１７〜１９は、それぞれ端子１７ａ〜１９ａ
と、単位巻線９…の引き出し線が接続される接続用端子
部１７ｂ1 〜１７ｂ4 ，１８ｂ1〜１８ｂ4 及び１９ｂ1
〜１９ｂ4 とこれらの端子と接続用端子部とを接続す
る配線部分１７ｃ〜１９ｃとを一体に有している。そし
て各端子及び接続用端子部には、それぞれ貫通孔ｈが形
成されている。また端子配線構造体２０は、中性点用の
端子配線構造体であり、環状の配線部分２０ａに周方向
に所定の間隔をあけて設けられた１２個の接続用端子部
２０ｂ1 〜２０ｂ12が一体に設けられた構造を有してい
る。なお端子固定台１６の環状台座１６ｂには、各接続
用端子部に設けた貫通孔ｈに対応して単位巻線からの引
き出し線を通す貫通孔が形成されている。図７に示すよ
うに、磁極５ａに巻装された単位巻線９の一対の引き出
し線は、磁極５ａに隣接して設けられた一対の接続用端
子部２０ｂ1 及び１７ｂ1 に接続され、磁極５ｂに巻装
された単位巻線９の一対の引き出し線は、磁極５ｂに隣
接して設けられた一対の接続用端子部２０ｂ2 及び１９
ｂ2 に接続され、磁極５ｃに巻装された単位巻線９の一
対の引き出し線は、磁極５ｃに隣接して設けられた一対
の接続用端子部２０ｂ3 及び１８ｂ2 に接続され、磁極
５ｄに巻装された単位巻線９の一対の引き出し線は、磁
極５ｄに隣接して設けられた一対の接続用端子部２０ｂ
4 及び１７ｂ2 に接続され、以下図に示すように各磁極
の両側に位置する一対の接続用端子部に各単位巻線９の
一対の引き出し線が接続される。
【００２６】この例では端子配線構造体２０が、端子固
定台１６側に最も近い位置に配置されており、その上に
端子配線構造体１７〜１９が順番に相互に間隔をあけて
重ねられている。各端子配線構造体１７〜２０の間は互
いに接触しないように図示しない絶縁スペーサにより分
離されている。各接続用端子部への引き出し線の接続が
終了した後は、端子１７ａ〜１９ａを除いて各端子配線
構造体１７〜２０を絶縁樹脂でモールドする。このよう
な端子台１５を用いると、各単位巻線の引き出し線に近
い位置にそれぞれ配置された接続用端子部に引き出し線
を接続すればよいため、各単位巻線の引き出し線を引き
回す作業が不要になって作業性が大幅に向上するだけで
なく、製造の自動化も容易になる。
定台１６側に最も近い位置に配置されており、その上に
端子配線構造体１７〜１９が順番に相互に間隔をあけて
重ねられている。各端子配線構造体１７〜２０の間は互
いに接触しないように図示しない絶縁スペーサにより分
離されている。各接続用端子部への引き出し線の接続が
終了した後は、端子１７ａ〜１９ａを除いて各端子配線
構造体１７〜２０を絶縁樹脂でモールドする。このよう
な端子台１５を用いると、各単位巻線の引き出し線に近
い位置にそれぞれ配置された接続用端子部に引き出し線
を接続すればよいため、各単位巻線の引き出し線を引き
回す作業が不要になって作業性が大幅に向上するだけで
なく、製造の自動化も容易になる。
【００２７】上記例のように通称ＩＰＭモータと呼ばれ
るタイプの磁石回転子型電動機では、各磁極の磁極片部
４…が連結部６…により相互に連結されていても、サー
ボモータの性能には著しく大きな影響はない。
るタイプの磁石回転子型電動機では、各磁極の磁極片部
４…が連結部６…により相互に連結されていても、サー
ボモータの性能には著しく大きな影響はない。
【００２８】なお各磁極の磁極片部が連結部により相互
に連結されていると多少性能に影響がある場合には、磁
極集合体７を継鉄２と組み合わせた後に、連結部６をレ
ーザカッタ等により切断したり、磁極集合体７の内周部
を連結部６…が無くなるまで全体的に切削して連結部６
…を除去するようにしてもよい。各連結部６…の切断作
業または除去作業は、磁極５…を個別に継鉄２に固定す
る作業と比べれば、はるかに容易な作業であり、回転電
機用固定子及び磁石回転子型電動機の製造が簡単にな
る。また連結部６…を切断したり除去したりせずに、そ
の径方向の厚みを薄くする加工を施して、連結部６…の
影響を少なくするようにしてもよい。
に連結されていると多少性能に影響がある場合には、磁
極集合体７を継鉄２と組み合わせた後に、連結部６をレ
ーザカッタ等により切断したり、磁極集合体７の内周部
を連結部６…が無くなるまで全体的に切削して連結部６
…を除去するようにしてもよい。各連結部６…の切断作
業または除去作業は、磁極５…を個別に継鉄２に固定す
る作業と比べれば、はるかに容易な作業であり、回転電
機用固定子及び磁石回転子型電動機の製造が簡単にな
る。また連結部６…を切断したり除去したりせずに、そ
の径方向の厚みを薄くする加工を施して、連結部６…の
影響を少なくするようにしてもよい。
【００２９】
【発明の効果】本発明によれば、複数の磁極の磁極片部
を隣接する他の磁極の磁極片部と電磁鋼板により形成さ
れた連結部を介して連結して磁極集合体を構成するた
め、環状の継鉄とこの磁極集合体とを組み合わせる前
に、磁極の鉄心部に巻線を巻装することができ、巻線の
占積率を高めることができる。また磁極集合体を一つの
ユニットとして環状の継鉄の内部に挿入して、各磁極の
鉄心部の嵌合部を継鉄の内周部に設けた被嵌合部に同時
に嵌合することができるため、複数の磁極を継鉄に対し
て取付ける作業を１回の作業で行うことができて、組み
立て作業が非常に簡単になる利点がある。
を隣接する他の磁極の磁極片部と電磁鋼板により形成さ
れた連結部を介して連結して磁極集合体を構成するた
め、環状の継鉄とこの磁極集合体とを組み合わせる前
に、磁極の鉄心部に巻線を巻装することができ、巻線の
占積率を高めることができる。また磁極集合体を一つの
ユニットとして環状の継鉄の内部に挿入して、各磁極の
鉄心部の嵌合部を継鉄の内周部に設けた被嵌合部に同時
に嵌合することができるため、複数の磁極を継鉄に対し
て取付ける作業を１回の作業で行うことができて、組み
立て作業が非常に簡単になる利点がある。
【図１】本発明を通称ＩＰＭ型電動機と呼ばれる磁石回
転子型電動機の一種である三相ＡＣサーボモータに適用
した実施の形態の一例の主要部の概略構成を示す図であ
る。
転子型電動機の一種である三相ＡＣサーボモータに適用
した実施の形態の一例の主要部の概略構成を示す図であ
る。
【図２】図１の例で用いる継鉄の平面図である。
【図３】図１の例で用いる磁極集合体の平面図である。
【図４】図１の例で用いる巻線が巻装された磁極集合体
の平面図である。
の平面図である。
【図５】図１の例で用いる固定子の平面図である。
【図６】端子台の一例を示す平面図である。
【図７】端子台と固定子の位置関係を示す図である。
１ 固定子鉄心 ２ 継鉄 ２ｃ 溝部（被嵌合部） ３ 鉄心部 ４ 磁極片部 ５ 磁極 ６ 連結部 ７ 磁極集合体 ８ 凸部（嵌合部） ９ 単位巻線 １０ 回転電機用固定子 １１ 固定子鉄心 １２ 永久磁石挿入用スロット １３ 永久磁石 １４ 回転子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 信二 東京都豊島区北大塚一丁目十五番一号 山 洋電気株式会社内 (72)発明者 小野寺 悟 東京都豊島区北大塚一丁目十五番一号 山 洋電気株式会社内 (72)発明者 竹内 豊 東京都豊島区北大塚一丁目十五番一号 山 洋電気株式会社内 (72)発明者 宮下 利仁 東京都豊島区北大塚一丁目十五番一号 山 洋電気株式会社内 Ｆターム(参考） 5H002 AB05 AB06 AE08 5H615 AA01 BB01 BB05 PP01 PP06 PP28 QQ26 5H621 GA04 GA14 JK01
Claims (10)
- 【請求項１】 環状の継鉄と巻線が巻装される鉄心部及
び前記鉄心部の一方の端部に形成された磁極片部を備え
た複数の磁極とを具備し、 前記継鉄及び前記複数の磁極はそれぞれ電磁鋼板が積層
されて構成され、 前記複数の磁極の前記鉄心部の他方の端部に設けた嵌合
部が前記継鉄の内周部に形成された複数の被嵌合部にそ
れぞれ嵌合されている回転電機用固定子鉄心であって、 前記複数の磁極の前記磁極片部が隣接する他の前記磁極
の前記磁極片部と前記電磁鋼板により形成された連結部
を介して連結されて、前記複数の磁極と複数の前記連結
部とからなる磁極集合体が構成されていることを特徴と
する回転電機用固定子鉄心。 - 【請求項２】 前記磁極集合体は、前記複数の磁極を構
成する部分と前記複数の連結部を構成する部分とが交互
に並ぶように環状に形成された環状の前記電磁鋼板が積
層されて構成されている請求項１に記載の回転電機用固
定子鉄心。 - 【請求項３】 前記連結部の径方向の厚み寸法は、前記
磁極の前記磁極片部の前記径方向の最小厚み寸法よりも
小さいことを特徴とする請求項１または２に記載の回転
電機用固定子鉄心。 - 【請求項４】 環状の継鉄と鉄心部及び前記鉄心部の一
方の端部に形成された磁極片部を備えた複数の磁極とを
備えてなる回転電機用固定子鉄心と前記複数の磁極の前
記鉄心部に巻装された固定子巻線とからなり、 前記継鉄及び前記複数の磁極はそれぞれ電磁鋼板が積層
されて構成され、 前記複数の磁極の前記鉄心部の他方の端部に設けた嵌合
部が前記継鉄の内周部に形成された複数の被嵌合部にそ
れぞれ嵌合されている回転電機用固定子であって、 前記複数の磁極の前記磁極片部が隣接する他の前記磁極
の前記磁極片部と前記電磁鋼板により形成された連結部
を介して連結されて、前記複数の磁極と複数の前記連結
部とからなる磁極集合体が構成されていることを特徴と
する回転電機用固定子。 - 【請求項５】 前記複数の磁極の前記鉄心部にはボビン
に集中巻きされた単位巻線がそれぞれ嵌装されており、 前記固定子巻線の引き出し線が接続される複数の端子と
前記複数の端子が固定される絶縁材料からなる端子固定
台とからなる端子台を更に備えており、 前記端子固定台には前記複数の磁極に対応した位置に配
置されて対応する前記磁極に巻装された前記単位巻線の
引き出し線が接続される複数対の接続用端子部とこれら
複数対のが接続用端子部と前記複数の端子とを電気的に
接続する配線部とが固定されており、 前記複数の端子、前記複数の接続用端子部及び前記配線
部は、１つの前記端子と、該１つの端子に電気的接続さ
れる複数の前記接続用端子部と前記１つの端子と前記複
数の接続用端子部とを電気的に接続し且つ前記配線部の
一部を構成する配線部分とが金属板により一体に形成さ
れてなる複数の端子配線構造体として前記端子固定台に
固定されていることを特徴とする請求項４に記載の回転
電機用固定子。 - 【請求項６】 中性点に接続される複数の前記接続用端
子部とこれらの接続用端子部を相互に接続する配線部分
とが、金属板により一体に形成された端子配線構造体と
して前記端子固定台に固定されている請求項５に記載の
回転電機用固定子。 - 【請求項７】 環状の継鉄と鉄心部及び前記鉄心部の一
方の端部に形成された磁極片部を備えた複数の磁極とを
備えてなる回転電機用固定子鉄心と前記複数の磁極の前
記鉄心部に巻装された固定子巻線とかなり、 前記継鉄及び前記複数の磁極はそれぞれ電磁鋼板が積層
されて構成され、 前記複数の磁極の前記鉄心部の他方の端部に設けた嵌合
部が前記継鉄の内周部に形成された複数の被嵌合部にそ
れぞれ嵌合されている回転電機用固定子の製造方法であ
って、 前記複数の磁極の前記磁極片部と隣接する他の前記磁極
の前記磁極片部とが前記電磁鋼板により形成された連結
部を介して連結された磁極集合体を作り、 前記磁極集合体の前記複数の磁極の前記鉄心部に前記固
定子巻線を巻装し、 その後前記磁極集合体を前記継鉄の内部に挿入して、前
記磁極集合体に含まれる前記複数の磁極の前記嵌合部を
前記継鉄の対応する前記複数の被嵌合部に同時に嵌合す
ることを特徴とする回転電機用固定子の製造方法。 - 【請求項８】 前記磁極集合体と前記継鉄とを組み合わ
せた後に、前記連結部を切断または除去して隣接する２
つの前記磁極片部間を分離するか、前記連結部の径方向
の厚み寸法を薄くすることを特徴とする請求項７に記載
の回転電機用固定子の製造方法。 - 【請求項９】 前記磁極集合体を構成するための電磁鋼
板を、前記継鉄を構成するための電磁鋼板を電磁鋼板材
料から打ち抜く際にその内側に位置する部分から打ち抜
き、 前記継鉄を構成するための電磁鋼板を打ち抜く際に前記
複数の被嵌合部を同時に形成することを特徴とする請求
項７または８に記載の回転電機用固定子の製造方法。 - 【請求項１０】 環状の継鉄と鉄心部及び前記鉄心部の
一方の端部に形成された磁極片部を備えた複数の磁極と
を備えてなる回転電機用固定子鉄心と前記複数の磁極の
前記鉄心部に巻装された固定子巻線とからなり、前記継
鉄及び前記複数の磁極はそれぞれ電磁鋼板が積層されて
構成され、前記複数の磁極の前記鉄心部の他方の端部に
設けた嵌合部が前記継鉄の内周部に形成された複数の被
嵌合部にそれぞれ嵌合されている固定子と、 電磁鋼板が積層されて構成されて前記固定子の内側に配
置された回転子鉄心と、前記回転子鉄心の内部に周方向
に間隔をあけて複数の永久磁石挿入用スロットが形成さ
れ、前記複数の永久磁石挿入用スロットにそれぞれ回転
子磁極を構成する永久磁石が挿入されて構成された永久
磁石内蔵型の回転子とを有する磁石回転子型電動機であ
って、 前記複数の磁極の前記磁極片部が隣接する他の前記磁極
の前記磁極片部と前記電磁鋼板により形成された連結部
を介して連結されて、前記複数の磁極と複数の前記連結
部とからなる磁極集合体が構成されていることを特徴と
する磁石回転子型電動機。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10192527A JP2000032690A (ja) | 1998-07-08 | 1998-07-08 | 回転電機用固定子鉄心及び回転電機用固定子の製造方法並びに磁石回転子型電動機 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10192527A JP2000032690A (ja) | 1998-07-08 | 1998-07-08 | 回転電機用固定子鉄心及び回転電機用固定子の製造方法並びに磁石回転子型電動機 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000032690A true JP2000032690A (ja) | 2000-01-28 |
Family
ID=16292773
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10192527A Pending JP2000032690A (ja) | 1998-07-08 | 1998-07-08 | 回転電機用固定子鉄心及び回転電機用固定子の製造方法並びに磁石回転子型電動機 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000032690A (ja) |
Cited By (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1139548A2 (en) * | 2000-03-31 | 2001-10-04 | Sanyo Denki Co., Ltd. | Interior permanent magnet synchronous motor |
| EP1168570A2 (en) * | 2000-06-02 | 2002-01-02 | Kabushiki Kaisha Moric | Coil winding for DC machine |
| JP2002165394A (ja) * | 2000-09-13 | 2002-06-07 | Sanyo Denki Co Ltd | 永久磁石内蔵型同期モータ |
| WO2003043164A1 (en) * | 2001-11-16 | 2003-05-22 | Kabushiki Kaisha Yaskawa Denki | Dynamo-electric machine |
| EP1770847A2 (en) | 2005-09-20 | 2007-04-04 | Sanyo Denki Co., Ltd. | Permanent magnet rotary motor |
| US7276832B2 (en) * | 2004-08-17 | 2007-10-02 | Sanyo Denki Co., Ltd. | Permanent magnet rotary motor |
| JP2009100635A (ja) * | 2007-01-11 | 2009-05-07 | Yaskawa Electric Corp | 球面モータの製造方法 |
| US7560844B2 (en) | 2005-03-25 | 2009-07-14 | Sanyo Denki Co., Ltd. | Permanent magnet rotary motor |
| KR101155938B1 (ko) | 2004-10-05 | 2012-06-15 | 알스톰 트랜스포트 에스에이 | 전동기용 회전자 및 그에 따른 전동기 |
| CN106385147A (zh) * | 2016-10-27 | 2017-02-08 | 佛山市三水日彩电器有限公司 | 一种低频静音高效直流电机外绕线组绕线工艺 |
| CN110829643A (zh) * | 2018-08-10 | 2020-02-21 | 广东威灵电机制造有限公司 | 径向磁通电机 |
-
1998
- 1998-07-08 JP JP10192527A patent/JP2000032690A/ja active Pending
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|---|---|---|---|---|
| EP1139548A3 (en) * | 2000-03-31 | 2003-12-10 | Sanyo Denki Co., Ltd. | Interior permanent magnet synchronous motor |
| EP1139548A2 (en) * | 2000-03-31 | 2001-10-04 | Sanyo Denki Co., Ltd. | Interior permanent magnet synchronous motor |
| EP1168570A2 (en) * | 2000-06-02 | 2002-01-02 | Kabushiki Kaisha Moric | Coil winding for DC machine |
| EP1168570A3 (en) * | 2000-06-02 | 2004-03-17 | Kabushiki Kaisha Moric | Coil winding for DC machine |
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