JP2000029244A - トナー - Google Patents

トナー

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JP2000029244A
JP2000029244A JP20062998A JP20062998A JP2000029244A JP 2000029244 A JP2000029244 A JP 2000029244A JP 20062998 A JP20062998 A JP 20062998A JP 20062998 A JP20062998 A JP 20062998A JP 2000029244 A JP2000029244 A JP 2000029244A
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JP
Japan
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toner
resin
vinyl polymer
ppm
temperature
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JP20062998A
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Toshiharu Furukawa
敏治 古川
Takashi Kamiyama
隆司 上山
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画質(鮮明さ)に優れ、長期にわたって鮮
明で安定した画像が得られるトナーを提供する。画質
(鮮明さ)に優れ、しかも使用中に臭気がなく、長期に
わたって鮮明で安定した画像が得られるトナーを提供す
る。 【解決手段】 ビニル系重合体を主成分とするトナー
用樹脂を用いたトナーであって、水分が200〜800
ppmであり、且つ動的粘弾性の測定において損失正接
(tanδ)のピーク温度が65℃以上であることを特
徴とするトナー。 ビニル系重合体を主成分とするトナー用樹脂を用いた
トナーであって、水分が200〜800ppm、残存ビ
ニル系モノマー及び有機溶剤が合わせて800ppm以
下、重合開始剤の分解残滓が1000ppm以下であ
り、且つ動的粘弾性の測定において、損失正接(tan
δ)のピーク温度が65℃以上であることを特徴とする
トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真等に使用
するトナーに関し、さらに詳しくいえば、静電荷像を現
像する方法において乾式現像方式に使用するトナーに関
する。
【0002】
【従来の技術】電子写真等において、静電荷像を現像す
る方法として、乾式現像方式が多用されている。この乾
式現像方式では、通常、トナーはキャリアーと呼ばれる
鉄粉やガラスビーズ等との摩擦によって帯電し、これが
感光体上の静電潜像に電気的に付着し、次に用紙上に転
写され、トナーに対して離型性を有する熱圧ローラーで
定着する熱圧ローラー定着法が多用されている。
【0003】この熱圧ローラー定着法においては、小型
化や高速化などに対応するため、低温定着性(低温で定
着可能で用紙に強固に付着すること)、耐オフセット性
(トナーの一部が熱圧ローラーの表面に移行し、次に送
られてくる用紙に再び移行して画像を汚さないこと)及
び保存性(トナーが保存中に凝集しないこと)の優れた
トナーが要求される。
【0004】また、近年、小型の複写機やプリンター
が、オフィスのみならず一般家庭の狭い部屋で使用され
るようになり、上記トナー性能に加えて、さらに画質
(細かい文字などが鮮明であること)が優れ、しかも臭
気の少ないトナーが要求されている。
【0005】ところで、特開昭64−70765号公報
には、残存モノマーが200ppm以下であるトナー用
樹脂を用いることにより、使用中に臭気がなく、しかも
耐ブロッキング性(保存性)に優れたトナーを得ること
が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記提案のトナー用樹
脂を用いたトナーは、臭気及び耐ブロッキング性が改善
されるが、さらに、画質(鮮明さ)や臭気を改善し、小
型化や高速化及び一般家庭での使用に十分に対応するこ
とができるようにするのが望ましい。
【0007】本発明の第1の目的は、画質(鮮明さ)に
優れ、長期にわたって鮮明で安定した画像が得られるト
ナーを提供することにある。本発明の第2の目的は、画
質(鮮明さ)に優れ、しかも使用中に臭気がなく、長期
にわたって鮮明で安定した画像が得られるトナーを提供
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的は、ビニ
ル系重合体を主成分とするトナー用樹脂を用いたトナー
であって、水分が200〜800ppmであり、且つ動
的粘弾性の測定において損失正接(tanδ)のピーク
温度が65℃以上であることを特徴とするトナーによっ
て達成することができる。
【0009】また、上記第2の目的は、ビニル系重合体
を主成分とするトナー用樹脂を用いたトナーであって、
水分が200〜800ppm、残存ビニル系モノマー及
び有機溶剤が合わせて800ppm以下、重合開始剤の
分解残滓が1000ppm以下であり、且つ動的粘弾性
の測定において、損失正接(tanδ)のピーク温度が
65℃以上であることを特徴とするトナーによって達成
することができる。
【0010】本発明に用いるビニル系重合体としては、
通常、スチレン系単量体を主成分とするビニル系重合
体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を主成分とす
るビニル系重合体、或いはスチレン系単量体と(メタ)
アクリル酸エステル系単量体とを主成分とするビニル系
重合体が用いられる。
【0011】特に、低温定着性や耐オフセット性の観点
から、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル
系単量体とを主成分とするビニル系重合体であって、ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定
した分子量分布において、少なくとも分子量5,000
〜20,000の領域と分子量500,000以上の領
域に極大ピークを有するものを用いるのが好ましい。
【0012】上記ビニル系共重合体の分子量分布におい
て、分子量5,000未満の領域に極大ピークを有する
ものは、樹脂強度が弱くなる。また、分子量20,00
0以下の領域に極大ピークがなく、分子量20,000
を越える領域にのみ極大ピークがあると、定着性に悪影
響がある。また、分子量500,000を越える領域に
極大ピークがなく、分子量500,000未満の領域に
のみ極大ピークがあると、耐オフセット性に悪影響があ
る。
【0013】さらに、上記ビニル系重合体において、ス
チレン系単量体の含有率が60〜95重量%、(メタ)
アクリル酸エステル系単量体の含有率が40〜5重量%
のものが好ましい。スチレン系単量体の含有率が少なく
なると、トナーの耐オフセット性や耐ブロッキング性が
低下する傾向があり、逆にスチレン系単量体の含有率が
多くなると、トナーの定着性が低下する傾向がある。
【0014】なお、上記ビニル系重合体は、トナーの保
存性(凝集防止)の点から、ガラス転移点(Tg)が5
5℃以上であるものが好ましい。このガラス転移点は、
示差走査熱量計(DSC)によって測定される。また、
トナーの低温定着性の点から、フロー温度が135℃以
下(トナーのフロー温度で135℃以下)のものが好ま
しい。このフロー温度は、高化式フローテスターによっ
て測定される。
【0015】ここで、スチレン系単量体としては、スチ
レンのほかに、o−メチルスチレン、m−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エ
チルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブ
チルスチレン、p−ter−ブチルスチレン、p−n−
ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n
−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェ
ニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロル
スチレン等を挙げることができる。
【0016】また、(メタ)アクリル酸エステル系単量
体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸
イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデ
シル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステ
アリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタク
リル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタク
リル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル等のアクリル
酸又はメタクリル酸のアルキルエステルを挙げることが
できる。
【0017】特に、アクリル酸エチル、アクリル酸プロ
ピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブ
チルが好適である。
【0018】さらに、アクリル酸2−クロルエチル、ア
クリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタ
クリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸
2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、ビス
グリシジルメタクリレート、ポリエチレングリコールモ
ノメタクリレート、メタクリロキシエチルホスフェート
等を挙げることができる。
【0019】上記のスチレン系単量体及び(メタ)アク
リル酸エステル系単量体のほか、アクリル酸、メタクリ
ル酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン
酸などの不飽和カルボン酸、コハク酸モノアクロイルオ
キシエチルエステル、コハク酸モノメタクロイルオキシ
エチルエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、アクリルアミド、その他、ジビニルベンゼン、エチ
レングリコールジアクリリレート、トリメチロールプロ
パントリアクリレート、トリアリルイソシアヌレート等
の架橋性モノマーを併用することができる。
【0020】このようなビニル系重合体は、懸濁重合、
乳化重合、溶液重合、塊状重合等の公知のビニル重合方
法により製造することができる。この場合、一部のビニ
ル系重合体(高分子量のビニル系重合体)の存在下で、
残りのビニル系重合体(低分子量のビニル系重合体)を
構成するビニル系単量体を溶液重合して製造する方法が
好ましい。その他、少なくとも二種のビニル系重合体
(高分子量のビニル系重合体と低分子量のビニル系重合
体)を溶融混練するか或いは溶剤に溶解混合した後脱溶
剤することにより製造することもできる。
【0021】上記ビニル系重合体を用いてトナー用樹脂
及びトナを製造するには、例えば、上記ビニル系重合体
に、必要に応じて、着色剤、荷電制御剤、ワックス、磁
性粉等の従来公知のトナー用添加剤を配合し、リボンブ
レンダー、ヘンセルミキサー等で混合し、これをロール
ミル、ニーダー、押出機等を用いて溶融混練した後、冷
却して粉砕、分級する方法が採用される。こうして、本
発明に用いるトナー用樹脂及びトナーが得られる。
【0022】着色剤としては、白黒画像を得るためのト
ナーには、主にカーボンブラック、アニリンブラック、
ランプブラック等が使用されるが、カラー画像を得るた
めのカラートナーを得ることもできる。カラートナー用
の着色剤としては、例えばC.I.ソルベントレッド、
C.I.ピグメントレッド、C.I.ディスパーレッ
ド、C.I.ピグメントバイオレッド、C.I.ソルベ
ントイエロー、C.I.ピグメントイエロー、C.I.
ディスパーイエロー、C.I.ソルベントブルー、C.
I.ピグメントブルー等が使用される。これ等の着色剤
は、一般に1〜10重量%の範囲で配合される。
【0023】荷電制御剤としては、正帯電用と負帯電用
とがあり、正帯電用としては、ニグロシン染料、4級ア
ンモニウム塩、ピリジニウム塩、アジン等が挙げられ、
負帯電用としては、スピロンブラック(保土谷化学社
製)、ジ−t−ブチルサリチル酸のクロム錯体、鉄錯体
等が挙げられる。これ等の荷電制御剤は、一般に0.1
〜10重量%の範囲で配合される。
【0024】また、磁性トナーを得るための磁性粉とし
ては、マグネタイト、フェライト、ヘマタイト等の鉄、
亜鉛、コバルト、ニッケル、マンガンなどの強磁性を示
す合金又は化合物の粉末が配合される。
【0025】また、離型作用のある低分子量ポリプロピ
レンワックスや低分子量ポリエチレンワックスなどのワ
ックスを配合することができる。さらに、トナー粒子の
流動性を上げるために、疎水性シリカ等がトナーに後添
加(外添)される。
【0026】本発明のトナーにおいて、水分は200〜
800ppmに調節される。水分の含有量が200pp
m未満では、トナーの粒子同士が付着しやすくなって画
質(細かい文字などが鮮明であること)が低下する。逆
に、水分の含有量が800ppmを越えると、帯電量が
変化して画像濃度が変化して画質が低下し、また水が架
橋点となってトナーの粒子同士が付着してトナーの保存
性が悪くなる。
【0027】ここで、トナー中の水分を200〜800
ppmに調節するには、トナー用樹脂及び/又はトナー
の乾燥条件を変更することによって行うことができる
が、ビニル系重合体の重合方法やビニル系重合体を構成
するモノマー成分を変更することによっても行うことが
できる。例えば、水性懸濁重合法で得られるビニル系重
合体は、溶液重合法や塊状重合法で得られるビニル系重
合体よりも水分が多く含有されるので、これ等の重合法
を適当に組み合わせる。また、ビニル系重合体として、
スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体を用い
る場合は、これ等の成分量によって水分の含有量が変わ
るので、その成分量を適当に調節する。
【0028】また、本発明のトナーにおいて、残存ビニ
ル系モノマー及び有機溶剤は合わせて800ppm以
下、重合開始剤の分解残滓は1000ppm以下に調節
される。残存ビニル系モノマー及び有機溶剤の含有量が
合わせて800ppmを越えると、特に狭い部屋で複写
画像を得る際にトナーによる臭気が気になるようにな
る。また、重合開始剤の分解残滓が1000ppmを越
えると、水分を呼び込みやすくなり、画質(鮮明さ)が
低下することがある。
【0029】ここで、トナー中の残存ビニル系モノマー
及び有機溶剤を合わせて800ppm以下、重合開始剤
の分解残滓を1000ppm以下とするには、使用する
ビニル系重合体の重合の最終段階で、ビニル系重合体の
分散液或いは溶液を加熱昇温しながら真空ポンプで強く
吸引減圧する方法が好適に採用される。
【0030】このようにトナー中の水分や残存ビニル系
モノマー、有機溶剤及び重合開始剤の分解残滓の含有
量、特にトナー中の残存ビニル系モノマー及び有機溶剤
の含有量を少なくすると、トナーの基本性能である低温
定着性や保存性が変わる。すなわち、残存ビニル系モノ
マー及び有機溶剤の含有量を少なくすると、樹脂の可塑
化効果が小さくなって、トナーの保存性は良くなるが低
温定着性は低下する。
【0031】トナーの定着は、熱圧ローラーでトナー粒
子が溶融変形して紙との接触面積を増大させることによ
り行われ、トナーの低温定着性はトナー用樹脂やトナー
の変形しやすさと関係があり、また、トナーのオフセッ
トは溶融したトナーの凝集力がトナーと熱圧ローラーと
の接着力よりも小さい場合に発生し、これ等の性能はト
ナーの動的粘弾性を示す貯蔵弾性率(G′)及び損失弾
性率(G″)と密接な関係がある。そこで、G″/G′
で表される損失正接(tanδ)のピーク温度が65℃
以上であれば、トナーの低温定着性、耐オフセット性及
び保存性が良好に保持されることがわかった。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関する実験例を示
す。 (実験例1) <トナー用樹脂の製造>セパラブルフラスコに、スチレ
ン−アクリル酸n−ブチル共重合体(スチレン成分含有
量75重量%、重量平均分子量約120万)30重量部
とトルエン100重量部を投入して溶解した。
【0033】次いで、セパラブルフラスコ内の気相を窒
素ガスで置換した後、トルエンの沸点まで加熱し、トル
エンの還流が起きた状態で攪拌しながら、これにスチレ
ン81重量部、アクリル酸n−ブチル19重量部及びベ
ンゾイルパーオキサイド(重合開始剤)5重量部を溶解
した混合溶液を、3時間かけて滴下しながら溶液重合を
行った。
【0034】上記混合溶液の滴下終了後、さらにトルエ
ンの還流下で攪拌しながら1時間かけて熟成を行った。
その後、180℃まで徐々に昇温しながら真空ポンプで
内圧が5mmHgになるまで吸引減圧し、この減圧下で
3時間放置してトルエン、残存モノマー、重合開始剤の
分解残滓(安息香酸)を除去して、トナー用樹脂を得
た。このトナー用樹脂(ビニル系重合体)はゲルパーミ
エーションクロマトグラフィ(GPC)による分子量分
布において、分子量1万と分子量80万に極大ピークを
有するものであった。
【0035】<トナーの製造>上記トナー用樹脂100
重量部に、カーボンブラック(MA−100:三菱化学
社製)6.5重量部及びスピロンブラックTRH(保土
谷化学社製)1.5重量部を混合し、これをコンティニ
アスニーダーで150℃で溶融混練し、冷却後コーヒー
ミルで粗粉砕し、さらにジェットミルで微粉砕し分級機
で分級して、平均粒径約10μmのトナー粉末を得た。
このトナー粉末100重量部に、疎水性シリカ粉末(R
−972:日本アエロジル社製)0.3重量部を添加混
合(外添)してトナーを作製した。トナーは密閉容器に
保存した。
【0036】(実験例2)実験例1において、滴下する
混合溶液を、スチレン81.9重量部、アクリル酸n−
ブチル18重量部、ジビニルベンゼン0.1及びベンゾ
イルパーオキサイド(重合開始剤)5重量部を溶解した
混合溶液に変更した。それ以外は実験例1と同様に行っ
て、トナー用樹脂及びトナーを製造した。なお、得られ
たトナー用樹脂は、GPCによる分子量分布において、
分子量1.3万と分子量82万に極大ピークを有するも
のであった。
【0037】(実験例3)実験例1において、真空ポン
プによる吸引減圧を、内圧が15mmHgになるまで吸
引減圧することに変更した。それ以外は実験例1と同様
に行って、トナー用樹脂及びトナーを製造した。
【0038】(実験例4)実験例1において、真空ポン
プによる吸引減圧を、内圧が80mmHgになるまで吸
引減圧することに変更した。それ以外は実験例1と同様
に行って、トナー用樹脂及びトナーを製造した。
【0039】(実験例5)実験例1において、滴下する
混合溶液を、スチレン81重量部、アクリル酸n−ブチ
ル18重量部、ジビニルベンゼン1重量部及びベンゾイ
ルパーオキサイド(重合開始剤)7重量部を溶解した混
合溶液に変更した。それ以外は実験例1と同様に行っ
て、トナー用樹脂及びトナーを製造した。
【0040】(実験例6)実験例1において、滴下する
混合溶液を、スチレン78重量部、アクリル酸n−ブチ
ル22重量部及びベンゾイルパーオキサイド(重合開始
剤)5重量部を溶解した混合溶液に変更した。それ以外
は実験例1と同様に行って、トナー用樹脂及びトナーを
製造した。
【0041】(実験例7)5リットルのオートクレーブ
に蒸留水2000mlとポリビニルアルコール(PVA
−220(クラレ社製)2gを溶解し、これにスチレン
280g、アクリル酸n−ブチル70g及びベンゾイル
パーオキサイド0.35を加え、70℃で18時間反応
させ、さらにスチレン800g、アクリル酸n−ブチル
200g及びベンゾイルパーオキサイド45gを追加
し、95℃で2時間反応させた後、加圧下で120℃で
2時間反応させた。
【0042】その後、固形分(トナー用樹脂)を取り出
し、真空乾燥機で50℃、内圧20mmHgの減圧下で
8時間かけて乾燥して、トナー用樹脂を得た。得られた
トナー用樹脂は、GPCによる分子量分布において、分
子量1万と分子量50万に極大ピークを有するものであ
った。このトナー用樹脂を用いること以外は実験例1と
同様に行って、トナーを製造した。
【0043】上記各実験例で得られたトナー用樹脂0.
05gをテトラヒドロフラン20gに溶解し(1時間攪
拌し、その後23時間放置)、これを0.45μmのフ
ィルターで濾過してゲル分(フィルター詰まり)が生じ
るか否かについて調べた。その結果、実験例6のみにゲ
ル分(フィルター詰まり)が生じ、それ以外の実験例で
はゲル分(フィルター詰まり)が生じなかった。
【0044】上記各実験例で得られたトナー用樹脂及び
トナーについて、下記の方法によりその物性を測定し、
さらに上記各実験例で得られたトナーについて、下記の
方法によりその性能を評価した。その結果を表1及び表
2にまとめて示す。
【0045】<トナー用樹脂及びトナーの物性評価> (1)トナー用樹脂のゲル分 上記各実験例で得られたトナー用樹脂0.05gをテト
ラヒドロフラン20gに溶解し(1時間攪拌し、その後
23時間放置)、これを0.45μmのフィルターで濾
過してゲル分(フィルター詰まり)が生じるか否かにつ
いて調べた。その結果、実験例6のみにゲル分(フィル
ター詰まり)が生じ、それ以外の全ての実験例ではゲル
分(フィルター詰まり)が生じなかった。
【0046】(2)ガラス転移温度(Tg) 示差走査熱量計(DSC)として、セイコー電子工業社
製のDSC−220を用い、ガラス転移温度(Tg)を
測定した。
【0047】(3)フロー温度(Tf)の測定 高化式フローテスター(島津製作所社製のCFT−50
0D)を用い、試料1gを荷重20kg/cm2 、昇温
速度6℃/分の条件で、オリフィス(1mmΦ×1m
m)の細孔より押出し、プランジャー降下距離(mm)
と温度との関係を示す流れ曲線を作成し、プランジャー
降下距離が全ストロークの50%となる時の温度を測定
し、これをフロー温度(Tf)とした。
【0048】(4)損失正接(tanδ)のピーク温度
の測定 粘弾性スペクトロメーター(レオメトリック サイエン
ティフィックスFE社製のRMS−800)を用い、治
具:7.8mmΦ平行円板、歪み振幅:0.1%、角周
波数:1rad/sec、昇温速度2℃/minの条件
で、貯蔵弾性率(G′)及び損失弾性率(G″)を測定
し、損失正接(tanδ)=G″/G′がピークを示す
温度を測定した。
【0049】(5)水分の測定 カールフィシャー法により測定した。水分測定装置(三
菱化成社製のCA−06型)及び水分気化装置(三菱化
成社製のVA−06型)を用い、水分気化装置の温度を
250℃、終点検出レベルを0.1μg/秒として測定
した。
【0050】(6)残存ビニル系モノマー、有機溶剤、
重合開始剤の分解残滓の測定 ガスクロマトグラフィーにより測定した。なお、極性基
を持たない化合物については、カラムの充填剤としてポ
リエチレングリコールを用い、極性基を有する化合物に
ついては、カラムの充填剤としてGasukropack56 80/100
(ジ−エルサイエンス社製)及びKOCL-DST+H3P04 5+
1% (柳本商事社製)を用いて測定した。
【0051】<トナーの性能評価>上記各実施例及び各
比較例で得られたトナーについて、次のようにして保存
性を評価した。また、上記各実施例及び各比較例で得ら
れたトナー6.5重量部を、平均粒径50〜80μmの
鉄粉キャリアー93.5重量部と混合して現像剤を作
り、この現像剤を用いて、次のようにして定着温度範
囲、定着強度、画質及び臭気を評価した。その結果をま
とめて表1に示す。なお、使用した電子写真複写機は、
コニカ社製のU−BIX4160AFを熱圧ローラーの
温度が最大210℃まで変えられるように改造したもの
である。
【0052】(1)トナーの保存性 上記トナー20gを150mlのサンプル瓶に採り、5
0℃の恒温槽中に48時間放置した後、トナーのケーキ
ング状況を目視により次のように評価した。◎(塊がな
く良好)、○(少し塊があるが、ゆすると崩れる)、△
(少し塊があり、ゆすっても崩れない)、×(塊が多
い)。
【0053】(2)トナーの定着温度範囲 上記電子写真複写機の熱圧ローラーの設定温度を段階的
に変えて紙に複写を行い複写画像を得た。この時、余白
部分にトナー汚れ(オフセット)が生じるか否かの観察
を行い、トナー汚れが生じない温度領域を定着温度範囲
とした。なお、定着温度210℃以上は測定できないの
で、210℃↑で示した。
【0054】(3)トナーの定着強度 上記電子写真複写機の熱圧ローラーの温度を150℃及
び170℃に設定し、紙に複写を行い複写画像を得た。
そして、この複写画像に綿パッドで摺擦を施し、定着強
度(%)=(摺擦後の画像濃度/摺擦前の画像濃度)×
100の式により求めた。なお、画像濃度は、マクベス
社製の反射濃度計RD−914を使用した。
【0055】(4)複写画像の画質 上記電子写真複写機の熱圧ローラーの温度を150℃及
び170℃に設定し、紙に複写を行い複写画像を得た。
100枚目の複写画像の画質を目視により次のように評
価した。◎(細かい文字などが非常に鮮明)○(細かい
文字などが鮮明)、△(細かい文字などがやや不鮮
明)、×(細かい文字などが不鮮明)。
【0056】(5)トナーの臭気 縦6m×横4m×高さ2.5mの密閉された部屋におい
て、上記電子写真複写機の熱圧ローラーの温度を150
℃及び170℃に設定し、紙に複写を100枚連続して
行い複写画像を得た。この場合、複写機の周辺で10人
に臭いをかいでもらい、臭いを感じない(人/10人
中)、少し臭うが、気にならない(人/10人中)、臭
う(人/10人中)について、その人数により評価し
た。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【発明の効果】上述の通り、請求項1に係る発明のトナ
ーは、ビニル系重合体を主成分とするトナー用樹脂を用
いたトナーであって、水分が200〜800ppmであ
り、且つ動的粘弾性の測定において、損失正接(tan
δ)のピーク温度が65℃以上であり、それにより画質
(鮮明さ)に優れ、長期にわたって鮮明で安定した画像
が得られる。また、低温定着性、耐オフセット性及び保
存性等の基本性能も優れている。
【0060】また、請求項2に係る発明のトナーは、ビ
ニル系重合体を主成分とするトナー用樹脂を用いたトナ
ーであって、水分が200〜800ppm、残存ビニル
系モノマー及び有機溶剤が合わせて800ppm以下、
重合開始剤の分解残滓が1000ppm以下であり、且
つ動的粘弾性の測定において、損失正接(tanδ)の
ピーク温度が65℃以上であり、それにより画質(鮮明
さ)に優れ、しかも使用中に臭気がなく、長期にわたっ
て鮮明で安定した画像が得られる。また、低温定着性、
耐オフセット性及び保存性等の基本性能も優れている。
【0061】したがって、本発明のトナーは、オフィス
のみならず一般家庭の狭い部屋で使用される複写機やプ
リンターに好適に使用される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル系重合体を主成分とするトナー用
    樹脂を用いたトナーであって、水分が200〜800p
    pmであり、且つ動的粘弾性の測定において、損失正接
    (tanδ)のピーク温度が65℃以上であることを特
    徴とするトナー。
  2. 【請求項2】 ビニル系重合体を主成分とするトナー用
    樹脂を用いたトナーであって、水分が200〜800p
    pm、残存ビニル系モノマー及び有機溶剤が合わせて8
    00ppm以下、重合開始剤の分解残滓が1000pp
    m以下であり、且つ動的粘弾性の測定において、損失正
    接(tanδ)のピーク温度が65℃以上であることを
    特徴とするトナー。
JP20062998A 1998-07-15 1998-07-15 トナー Withdrawn JP2000029244A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100465949B1 (ko) * 2000-10-31 2005-01-13 캐논 가부시끼가이샤 토너, 화상 형성 방법 및 프로세스-카트리지
JP2020204686A (ja) * 2019-06-17 2020-12-24 コニカミノルタ株式会社 静電荷像現像用トナー

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