JPH1124307A - トナー用樹脂組成物及びトナー - Google Patents

トナー用樹脂組成物及びトナー

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JPH1124307A
JPH1124307A JP17696697A JP17696697A JPH1124307A JP H1124307 A JPH1124307 A JP H1124307A JP 17696697 A JP17696697 A JP 17696697A JP 17696697 A JP17696697 A JP 17696697A JP H1124307 A JPH1124307 A JP H1124307A
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JP
Japan
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molecular weight
toner
amount
high molecular
resin
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP17696697A
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English (en)
Inventor
Kiyokazu Suzuki
喜予和 鈴木
Takashi Kamiyama
隆司 上山
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐オフセット性、定着性、安定性を損なわ
ず、表面平滑性、透明性、樹脂強度に優れ、フィルミン
グを生じることなくモノカラーを含めた高解像フルカラ
ートナーとして好適に使用できるトナー用樹脂組成物及
びトナーを提供する。 【解決手段】 スチレン系単量体及び(メタ)アクリル
酸エステル系単量体からなり、GPCによる分子量ピー
クが3×103 〜3×104 であり、分子量分布で、5
万未満の低分子量体の量を100としたときの5万以上
の高分子量体の量Bと、高分子量体の分子量ピーク×1
-4のAとが、下記式(1); −4B+110≧A≧−4B+60 (1) で表される関係を充たすビニル系共重合体に、1分子中
に10以上の炭素原子を有する架橋剤を0.1〜10重
量%含有させて架橋してなる樹脂からなるトナー用樹脂
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電荷像を現像す
るのに用いる電子写真複写機等に使用するトナー用樹脂
組成物及びトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】乾式現像方式においては、通常、トナー
はキャリアーと呼ばれる鉄分、ガラスビーズ等との摩擦
によって帯電し、これが感光体上の静電潜像に電気的引
力によって付着し、次に用紙上に転写され、熱ロール等
によって定着されて永久可視像とされる。
【0003】定着の方法としては、トナーに対して離型
性を有する材料で表面を形成した加熱ローラの表面に、
被定着シートのトナー像画を圧接触させながら通過させ
ることにより行う加熱ローラ法が多用されている。この
方法によれば、加熱ローラ表面と被定着シートのトナー
像とが加圧下で接触するので、トナー像を被定着シート
上に融着する際の熱効率が極めて良好であり、迅速に定
着を行うことができ、高速度電子写真複写機において非
常に有効である。
【0004】しかし、加熱ローラ表面とトナー像とが溶
融状態かつ加圧下で接触することにより、トナー像の一
部が定着ローラ表面に付着・転移し、これが次の被定着
シートに再転移して、いわゆるオフセット現象を生じ、
被定着シートを汚すことがある。
【0005】特開昭57−56850号公報には、官能
基を有するワックス、スチレンモノマー及びエチレンア
クリル系誘導体又はエチレン酢酸ビニル共重合体を混合
して重合してなる樹脂を含有する現像用トナーにより、
加熱ローラとの離型性を高める技術が開示されている
が、ワックスは、定着性に関与しないために、添加量を
増加すると感光体へのフィルミング等に悪影響を及ぼ
す。
【0006】また、樹脂を架橋させてオフセット現象を
防止する方法も用いられているが、架橋度を上げると樹
脂の粉砕性が悪くなり、トナー粒子として粉砕分級する
ことが困難になり、カーボン等の色剤の分散が悪くなる
等の問題がある。
【0007】特開昭56−158340号公報には、低
分子量重合体及び高分子量重合体からなり、スチレン系
重合体、アクリル系重合体及びスチレン−アクリル系重
合体よりなる群より選択された少なくとも1種であっ
て、ガラス転移温度の範囲が特定された樹脂からなるト
ナーにより、オフセットを防止する技術が開示されてい
るが、高分子量重合体を多くすると定着性が低下する等
の問題があった。これらの問題から、従来は、耐オフセ
ット性、定着性等のバランスをとってトナーが作製され
ていた。
【0008】しかし、近年のフルカラー化及び高解像度
化に伴い、従来より使用されているトナーでは多くの問
題点が生じてきた。フルカラー化においては、定着した
トナーが光に対して乱反射して色の再現性を損なうこと
がないようにしなければならないが、従来のような樹脂
を架橋したものや、高分子量樹脂等を使用すると、定着
面に凹凸ができ、乱反射が起こる等の問題がある。
【0009】しかしながら、単純に樹脂の架橋、高分子
量樹脂の使用等をやめると、今度はオフセット現象が発
生し、定着面に凹凸ができるばかりでなく、被定着シー
トを汚す等の欠点が生じるようになった。
【0010】また、フルカラートナーは、異なった色調
のトナーを重ねることにより中間色を出しているので、
透明性が必要とされる。従って、オフセット現象を防止
するために多量のワックスを添加すると透明性が損なわ
れ、フルカラートナーとしての使用が困難になる等の欠
点が生じる。更に、ワックスの低融点成分の影響によ
り、保存性が悪くなり、ブロッキングが起こる等の問題
が生じている。
【0011】一方、トナー粒子は、従来、粒径が約10
μmのものが用いられていたが、高解像度化に伴い、粒
径が約8μmであるものが要求されるようになり、トナ
ー粒子の強度が求められるようになった。樹脂の架橋、
高分子量樹脂等の使用は、トナー粒子の強度を高めるの
に有効であるが、充分な強度を付与しようとすると粉砕
性の悪化が起こる場合がある。逆に、強度が弱いと微粉
が多く発生し、帯電不良、カブリと呼ばれる被定着シー
トの白地汚れが発生する等の問題が発生する。
【0012】更に、粒径が小さくなることにより、樹脂
中の架橋部分が多くなる問題や、添加したワックスの分
散が悪いことにより、架橋部分又はワックスだけのトナ
ー粒子ができてしまい、質の劣化が起こる等の問題等が
ある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、耐オフセット性、定着性を損なわず、表面平滑性、
透明性、樹脂強度に優れ、フィルミングを生じることな
くモノカラーを含めた高解像フルカラートナーとして好
適に使用できるトナー用樹脂組成物及びトナーを提供す
ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明1は、スチレン系
単量体及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体からな
り、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分
子量ピークが3×10 3 〜3×104 であり、分子量分
布で、5万未満の低分子量体の量を100としたときの
5万以上の高分子量体の量と、高分子量体の分子量ピー
クとが、下記式(1); −4B+110≧A≧−4B+60 (1) (式中、Aは、高分子量体の分子量ピーク×10-4を表
す。Bは、5万未満の低分子量体の量を100としたと
きの5万以上の高分子量体の量を表す。ただし、Bは、
正の数である。)で表される関係を充たすビニル系共重
合体に、1分子中に10以上の炭素原子を有する架橋剤
を0.1〜10重量%含有させて架橋してなる樹脂から
なるトナー用樹脂組成物である。
【0015】本発明2は、スチレン系単量体及び(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体からなり、ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィーによる分子量ピークが3
×10 3 〜3×104 であり、分子量分布で、5万未満
の低分子量体の量を100としたときの5万以上の高分
子量体の量と、高分子量体の分子量ピークとが、下記式
(1); −4B+110≧A≧−4B+60 (1) (式中、Aは、高分子量体の分子量ピーク×10-4を表
す。Bは、5万未満の低分子量体の量を100としたと
きの5万以上の高分子量体の量を表す。ただし、Bは、
正の数である。)で表される関係を充たすビニル系共重
合体100重量部に対して、重量平均分子量が100〜
10000であるワックスを0.1〜15重量部添加し
てなるトナー用樹脂組成物である。
【0016】本発明3は、スチレン系単量体及び(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体からなり、ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィーによる分子量ピークが3
×10 3 〜3×104 であり、分子量分布で、5万未満
の低分子量体の量を100としたときの5万以上の高分
子量体の量と、高分子量体の分子量ピークとが、下記式
(1); −4B+110≧A≧−4B+60 (1) (式中、Aは、高分子量体の分子量ピーク×10-4を表
す。Bは、5万未満の低分子量体の量を100としたと
きの5万以上の高分子量体の量を表す。ただし、Bは、
正の数である。)で表される関係を充たすビニル系共重
合体からなるトナー用樹脂組成物であって、上記ビニル
系共重合体は、極性基を含有するビニル系共重合性単量
体を0.01〜10重量%共重合させてなるものである
トナー用樹脂組成物である。
【0017】以下、本発明1について詳述する。本発明
1のトナー用樹脂組成物は、スチレン系単量体及び(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体からなるビニル系共重
合体に、1分子中に10以上の炭素原子を有する架橋剤
を0.1〜10重量%含有させて架橋してなる樹脂から
なるものである。
【0018】本発明1で使用されるビニル系共重合体
は、スチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸エステル
系単量体からなる。上記スチレン系単量体としては特に
限定されず、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、
m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチル
スチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチ
レン、p−n−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレ
ン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチ
レン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレ
ン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、3,
4−ジクロロスチレン等が挙げられる。
【0019】上記(メタ)アクリル酸エステル系単量体
としては特に限定されず、例えば、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n
−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オク
チル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル
酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸
n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ス
テアリル等のアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエ
ステル;アクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸フェ
ニル、α−クロロアクリル酸メチル、メタクリル酸フェ
ニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル
酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、メタクリル酸グリシジル、ビスグリシジルメタ
クリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、メタクリロキシエチルホスフェート等が挙げられ
る。なかでも、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピ
ル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸
n−ブチル等が好ましい。
【0020】上記ビニル系共重合体は、その他のビニル
系単量体を共重合していてもよい。上記その他のビニル
系単量体としては特に限定されず、例えば、アクリル
酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸
等のアクリル酸又はそのα−アルキル誘導体若しくはβ
−アルキル誘導体;フマル酸、マレイン酸、シトラコン
酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はそのモノエ
ステル誘導体若しくはジエステル誘導体;コハク酸モノ
アクリロイルオキシエチルエステル、コハク酸モノメタ
クリロイルオキシエチルエステル、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル、アクリルアミド等が挙げられる。
【0021】上記ビニル系共重合体は、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC)による分子量ピー
クが3×103 〜3×104 である。3×103 未満で
あると、保存性に問題が生じるおそれがあり、3×10
4 を超えると、定着性が悪化するおそれがあるばかりで
なく、定着後の定着表面平滑性が悪くなるおそれがある
ので、上記範囲に限定される。好ましくは、5×103
〜1.5×104 である。
【0022】上記ビニル系共重合体は、GPCで測定さ
れた分子量分布において、5万未満の低分子量体の量を
100としたときの5万以上の高分子量体の量と、高分
子量体の分子量ピークとが、下記式(a)、下記式
(b)の関係を充たすものである。 A≦−4B+110 (a) A≧−4B+60 (b) 式中、Aは、高分子量体の分子量ピーク×10-4を表
す。Bは、5万未満の低分子量体の量を100としたと
きの5万以上の高分子量体の量を表す。ただし、Bは、
正の数である。
【0023】上記Aが、上記式(a)の範囲外である
と、高分子量体の溶融粘度の差から表面平滑性(光沢)
が損なわれ、フルカラーにおいて思い通りの発色性が出
せないおそれがある。また、上記式(b)の範囲外であ
ると、樹脂の耐久性が弱く、長期評価の際に、樹脂の劣
化によってかぶり等が発生しやすくなるため、上記範囲
に限定される。好ましくは、下記式(2)で表される範
囲である。 −4B+100≧A≧−4B+70 (2)
【0024】上記ビニル系共重合体は、ガラス転移点
(Tg)が50℃以上であることが好ましい。50℃未
満であると、凝集性が悪くなることがある。上記ビニル
系共重合体のGPCで測定された分子量分布において、
複数のピークや肩が存在してもよい。
【0025】上記ビニル系共重合体の合成は、例えば、
懸濁重合、乳化重合、溶液重合、塊状重合等を使用する
ことができるが、ポリオレフィン等の分散性を向上させ
るために、溶液重合で行うことが好ましい。上記ビニル
系共重合体の分子量分布において2つ以上のピークが存
在する場合、低分子量の重合体成分及び高分子量の重合
体成分は、熱溶融ブレンドされてもよいが、より均質分
散させるために、溶剤に分散したうえで脱溶剤すること
が好ましい。更に、上記高分子量の重合体成分の存在下
で上記低分子量の重合体成分を重合することが好まし
い。
【0026】本発明1のトナー用樹脂組成物において
は、上記ビニル系共重合体に、架橋剤を0.1〜10重
量%含有させて架橋させる。上記架橋剤の含有量が0.
1重量%未満であると、得られるトナー用樹脂組成物の
樹脂強度が弱くなり、10重量%を超えると、架橋し過
ぎるので、ゲル分が発生し易くなり、トナーとしての粉
砕性が悪化し、カーボン等の分散性も悪くなるので、上
記範囲に限定される。好ましくは、1〜7重量%であ
る。
【0027】上記架橋剤は、1分子中に10以上の炭素
原子を有するものである。10未満であると、樹脂強度
が若干弱く、フルカラー高解像度用の小粒径トナーとし
て使用するのが困難となるので、上記範囲に限定され
る。好ましくは、12〜30である。
【0028】上記架橋剤としては、構造的には、芳香族
系、脂肪族系等の一般の架橋剤を使用することができる
が、直鎖状のもの、1分子内に芳香環が2つ以上あるも
のが好ましい。
【0029】上記架橋剤としては、重合性の二重結合を
2個以上含有する化合物が好ましく、例えば、ジビニル
ベンゼン、ジビニルナフタレン、これらの誘導体等の芳
香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレ
ート、トリメチロールプロパントリアクリレート等のジ
(メタ)アクリレート又はトリ(メタ)アクリレート;
ジエチレン性カルボン酸エステル等が挙げられる。
【0030】本発明1のトナー用樹脂組成物において
は、本発明の目的を達成し得る範囲内で、上記スチレン
系共重合体に、酢酸ビニル、塩化ビニル、エチレン等を
共重合してもよく、また、これらモノマーの重合体をブ
レンドしてもよい。
【0031】本発明1のトナー用樹脂組成物には、ポリ
エステル樹脂、エポキシ樹脂、脂肪族アミド、ビス脂肪
族アミド、金属石鹸、パラフィン等を混合してもよい。
本発明1のトナー用樹脂組成物は、帯電制御剤として、
ニグロシン、スピロンブラック(保土谷化学社製)等の
染料;その他フタロシアニン系の顔料等を添加してもよ
い。
【0032】本発明1のトナー用樹脂組成物には、着色
材として、カーボンブラック、クロームイエロー、アニ
リンブルー等を用いることができる。本発明1のトナー
用樹脂組成物には、離型剤として、低分子ポリエチレン
ワックス、ポリプロピレンワックス等を添加してもよ
く、流動性を高めるために、疎水性シリカ等を添加して
もよい。また、本発明1のトナー用樹脂組成物は、磁性
粉を混合して、磁性トナーとして使用してもよい。
【0033】本発明2のトナー用樹脂組成物は、スチレ
ン系単量体及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体か
らなるビニル系共重合体に、ビニル系共重合体100重
量部に対して、重量平均分子量が100〜10000で
あるワックスを0.1〜15重量部添加してなる樹脂か
らなるものである。
【0034】上記スチレン系単量体としては特に限定さ
れず、例えば、本発明1の説明中で例示したもの等が挙
げられる。上記(メタ)アクリル酸エステル系単量体と
しては特に限定されず、例えば、本発明1の説明中で例
示したもの等が挙げられる。上記ビニル系共重合体は、
その他のビニル系単量体を共重合していてもよく、例え
ば、本発明1の説明中で例示したもの等が挙げられ
る。。
【0035】上記ビニル系共重合体は、本発明1と同様
にゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
による分子量ピークが3×103 〜3×104 である。
3×103 未満であると、保存性に問題が生じるおそれ
があり、3×104 を超えると、定着性が悪化するおそ
れがあるばかりでなく、定着後の定着表面平滑性が悪く
なるおそれがあるので、上記範囲に限定される。好まし
くは、5×103 〜1.5×104 である。
【0036】上記ビニル系共重合体は、本発明1と同様
にGPCで測定された分子量分布において、5万未満の
低分子量体の量を100としたときの5万以上の高分子
量体の量と、高分子量体の分子量ピークとが、下記式
(a)、下記式(b)の関係にある。 A≦−4B+110 (a) A≧−4B+60 (b) 式中、Aは、高分子量体の分子量ピーク×10-4を表
す。Bは、5万未満の低分子量体の量を100としたと
きの5万以上の高分子量体の量を表す。ただし、Bは、
正の数である。
【0037】上記Aが、上記式(a)の範囲外である
と、高分子量体の溶融粘度の差から表面平滑性(光沢)
が損なわれ、フルカラーにおいて思い通りの発色性が出
せないおそれがある。また、上記式(b)の範囲外であ
ると、樹脂の耐久性が弱く、長期評価の際に、樹脂の劣
化によってかぶり等が発生しやすくなるため、上記範囲
に限定される。好ましくは、下記式(2)で表される範
囲である。 −4B+100≧A≧−4B+70 (2)
【0038】上記ビニル系共重合体は、本発明1と同様
にTgが50℃以上であることが好ましい。50℃未満
であると、凝集性が悪くなることがある。上記ビニル系
共重合体は、本発明1と同様にGPCで測定された分子
量分布において、複数のピークや肩が存在してもよい。
【0039】上記ビニル系共重合体の合成は、例えば、
本発明1の説明中で例示した方法等により行うことがで
きる。
【0040】本発明2のトナー用樹脂組成物は、本発明
1で説明したものと同様のビニル系共重合体100重量
部に対して、重量平均分子量が100〜10000であ
るワックスを0.1〜15重量部添加してなる。上記ワ
ックスは、主に光沢を出すための光沢助剤である。上記
ワックスは、重量平均分子量が100〜10000であ
る。100未満であると、保存性に問題が生じ、100
00を超えると、定着ロールとの離型性が悪く、オフセ
ットが発生しやすくなるので、上記範囲に限定される。
好ましくは、200〜6000である。より好ましく
は、400〜1000である。
【0041】上記ワックスの分子量分布は、狭い方が良
く、分散度は、10以下が好ましく、より好ましくは、
3未満である。これは、樹脂の透明性、保存性を維持す
るために有効であり、ワックスの重量平均分子量分布が
高ければ高いほど樹脂の透明性は損なわれるようにな
る。また、分子量分布は広ければ広いほど重量平均分子
量100未満の成分が増加するため、保存性に悪影響を
与えるおそれがある。
【0042】上記ワックスの添加量が0.1重量部未満
であると、ワックス添加の効果が現れず、定着面の光沢
が維持できなくなり、オフセットが発生しやすくなり、
15重量部を超えると、感光体へのフィルミングが起こ
りやすくなり、樹脂の透明性が悪くなるためにフルカラ
ートナーとしては使用できなくなるおそれがあるため、
上記範囲に限定される。好ましくは、0.2〜10重量
部である。
【0043】上記ワックスとしては特に限定されず、例
えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス
等の合成ワックス;パラフィンワックス、動植物ワック
ス等の天然ワックス等が用いられるが、分子量及び分散
度に限定があるので、加工のしやすいパラフィンワック
ス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等
が好適に使用される。
【0044】本発明2のトナー用樹脂組成物の合成は、
例えば、上記ビニル系共重合体を合成した後に、ワック
スを添加して合成してもよいし、ワックスを分散した中
で上記ビニル系共重合体を共重合してもよい。この場
合、予めポリオレフィン等を分散してから重合を行う
と、ポリオレフィン等の分散が非常に良好になり、トナ
ー物性が非常に良好となるので、より好ましい。
【0045】本発明2のトナー用樹脂組成物は、本発明
の目的を達成し得る範囲内で、上記スチレン系共重合体
に、酢酸ビニル、塩化ビニル、エチレン等を共重合して
もよく、また、これらモノマーの重合体をブレンドして
もよい。
【0046】また、本発明2のトナー用樹脂組成物は、
本発明1のトナー用樹脂組成物と同様に、ポリエステル
樹脂、エポキシ樹脂、脂肪族アミド、ビス脂肪族アミ
ド、金属石鹸、パラフィン等を混合してもよく、帯電制
御剤として、ニグロシン、スピロンブラック等の染料;
その他フタロシアニン系の顔料等を添加してもよく、着
色材として、カーボンブラック、クロームイエロー、ア
ニリンブルー等を添加してもよく、離型剤として、低分
子ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等を
添加してもよく、流動性を高めるために、疎水性シリカ
等を添加してもよい。更に、本発明2のトナー用樹脂組
成物は、本発明1のトナー用樹脂組成物と同様に、磁性
粉を混合して、磁性トナーとして使用してもよい。
【0047】本発明3のトナー用樹脂組成物は、スチレ
ン系単量体及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体
に、更に、極性基を含有するビニル系共重合性単量体を
0.01〜10重量%共重合させてなる。
【0048】上記スチレン系単量体としては特に限定さ
れず、例えば、本発明1の説明中で例示したもの等が挙
げられる。上記(メタ)アクリル酸エステル系単量体と
しては特に限定されず、例えば、本発明1の説明中で例
示したもの等が挙げられる。
【0049】上記極性基を含有するビニル系共重合性単
量体は、本発明3のトナー用樹脂組成物をトナー化する
際に、CCA等の添加物の分散を良好に行うために共重
合される。上記極性基を含有するビニル系共重合性単量
体の含有率は、上記ビニル系共重合体中、0.01〜1
0重量%である。0.01重量%未満であると、上記C
CA等の添加物の分散性向上の効果が得られず、10重
量%を超えると、吸湿性が増すために環境安定性が悪く
なり、帯電不良が生じるおそれがあるので、上記範囲に
限定される。好ましくは、0.1〜5重量%である。
【0050】上記極性基としては特に限定されず、例え
ば、ハロゲン類、水酸基、アミノ基、ニトロ基、カルボ
キシル基、ホルミル基、アルコキシ基、ニトリル基、
(メタ)アクリル酸エステルのものを除いたエステル基
等が挙げられるが、臭気や極性の点から、酸基であるこ
とが好ましい。上記酸基を含む酸成分としては特に限定
されず、例えば、安息香酸等のカルボキシル基を含有す
るもの;ベンゼンスルホン酸等のスルホン酸基を含有す
るもの等が挙げられる。なかでも、カルボキシル基を含
有するものが好ましい。
【0051】上記カルボキシル基を含有するビニル系共
重合性単量体としては特に限定されず、例えば、アクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のアクリル酸又はそ
のα−アルキル誘導体若しくはβ−アルキル誘導体;マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン
酸又はそのモノエステル誘導体等が挙げられる。これら
は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0052】上記ビニル系共重合体は、本発明1と同様
にゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
による分子量ピークが3×103 〜3×104 である。
3×103 未満であると、保存性に問題が生じるおそれ
があり、3×104 を超えると、定着性が悪化するおそ
れがあるばかりでなく、定着後の定着表面平滑性が悪く
なるおそれがあるので、上記範囲に限定される。好まし
くは、5×103 〜1.5×104 である。
【0053】上記ビニル系共重合体は、本発明1と同様
にGPCで測定された分子量分布において、5万未満の
低分子量体の量を100としたときの5万以上の高分子
量体の量と、高分子量体の分子量ピークとが、下記式
(a)、下記式(b)の関係を充たすものである。 A≦−4B+110 (a) A≧−4B+60 (b)
【0054】上記Aが、上記式(a)の範囲外である
と、高分子量体の溶融粘度の差から表面平滑性(光沢)
が損なわれ、フルカラーにおいて思い通りの発色性が出
せないおそれがある。また、上記式(b)の範囲外であ
ると、樹脂の耐久性が弱く、長期評価の際に、樹脂の劣
化によってかぶり等が発生しやすくなるため、上記範囲
に限定される。好ましくは、下記式(2)で表される範
囲である。 −4B+100≧A≧−4B+70 (2)
【0055】上記ビニル系共重合体は、その他のビニル
系単量体を共重合していてもよい。上記その他のビニル
系単量体としては特に限定されず、例えば、フマル酸、
マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等のジエステル
誘導体;コハク酸モノアクリロイルオキシエチルエステ
ル、コハク酸モノメタクリロイルオキシエチルエステ
ル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
アミド、酢酸ビニル、塩化ビニル、エチレン等が挙げら
れる。
【0056】上記ビニル系共重合体は、本発明1と同様
にTgが50℃以上であることが好ましい。50℃未満
であると、凝集性が悪くなることがある。上記ビニル系
共重合体は、本発明1と同様にGPCで測定された分子
量分布において、複数のピークや肩が存在してもよい。
【0057】上記ビニル系共重合体の合成は、例えば、
本発明1の説明中で例示した方法等により行うことがで
きる。
【0058】また、本発明3のトナー用樹脂組成物は、
本発明1のトナー用樹脂組成物と同様に、ポリエステル
樹脂、エポキシ樹脂、脂肪族アミド、ビス脂肪族アミ
ド、金属石鹸、パラフィン等を混合してもよく、帯電制
御剤として、ニグロシン、スピロンブラック等の染料;
その他フタロシアニン系の顔料等を添加してもよく、着
色材として、カーボンブラック、クロームイエロー、ア
ニリンブルー等を添加してもよく、離型剤として、低分
子ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等を
添加してもよく、流動性を高めるために、疎水性シリカ
等を添加してもよい。更に、本発明3のトナー用樹脂組
成物は、本発明1のトナー用樹脂組成物と同様に、磁性
粉を混合して、磁性トナーとして使用してもよい。
【0059】本発明3のトナー用樹脂組成物は、極性基
を含有するビニル系共重合性単量体を含有したビニル系
共重合体を使用しているので、キャリアーやCCA等の
分散性を向上させ、フルカラーとしての発色性の向上が
可能となる。
【0060】本発明1、本発明2及び本発明3のトナー
用樹脂組成物は、トナーに用いることが好ましく、特
に、フルカラートナーに好適に使用することができる。
このようなトナーもまた、本発明の一つである。
【0061】本発明のトナーは、上記トナー用樹脂組成
物に、着色材、電荷制御剤等を含有させ、更に必要に応
じて、磁性粉等を分散混合し、熱熔融、混練及び粉砕し
て製造される。
【0062】本発明1、本発明2及び本発明3のトナー
用樹脂組成物は、GPCによる分子量ピークが3×10
3 〜3×104 であり、その分子量分布において、5万
未満の低分子量体の量を100としたときの5万以上の
高分子量体の量と、高分子量体の分子量ピークとが、下
記式(1); −4B+110≧A≧−4B+60 (1) (式中、Aは、高分子量体の分子量ピーク×10-4を表
す。Bは、5万未満の低分子量体の量を100としたと
きの5万以上の高分子量体の量を表す。ただし、Bは、
正の数である。)で表される関係を充たすビニル系共重
合体を使用しているので、透明性を損なうことなくオフ
セットを防止し、長期評価でも劣化がおこらない樹脂の
作製を可能にした。
【0063】また、本発明1のトナー用樹脂組成物は、
このビニル系共重合体に1分子中に10以上の炭素原子
を有する架橋剤を0.1〜10重量%含有させて架橋し
た樹脂を使用しているので、定着後の定着面の光沢を損
なうことなく、樹脂強度を向上させることができた。
【0064】本発明2のトナー用樹脂組成物は、重量平
均分子量が100〜10000であるワックスをビニル
系共重合体100重量部に対して、0.1〜15重量部
添加しているので、フルカラートナー用樹脂としての透
明性や保存安定性を損なうことなく、オフセットを防止
し、定着面の表面平滑性(光沢)を向上させることがで
きた。
【0065】本発明3のトナー用樹脂組成物は、スチレ
ン系単量体及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体
に、極性基を含有するビニル系共重合性単量体を共重合
させることにより、樹脂の透明性、定着面の表面平滑性
(光沢)を損なうことなく樹脂の耐久性や定着強度を強
化し、長期評価でも劣化がおこらない樹脂の作製を可能
にした。
【0066】
【発明の実施の形態】
(実施例)以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0067】実施例1 3Lセパラブルフラスコにトルエン900g、スチレン
85%、アクリル酸n−ブチル15%で分子量が30万
の高分子量体を130g入れて攪拌し、気相を窒素ガス
にて置換した後、この系をトルエンの沸点まで加温し
た。トルエンの還流が起きた状態で攪拌しながら、スチ
レン810g、アクリル酸n−ブチル130g、メタク
リル酸メチル35g、架橋剤としてポリエチレングリコ
ールジメタクリレート(新中村化学工業社製、NKエス
テル9G、炭素数26、直鎖炭素数24)25g及び重
合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIB
N)50gを溶解した混合物を、3時間かけて滴下しな
がら、溶液重合を行った。滴下終了後、更にトルエンの
沸騰する温度にて攪拌しながら、1時間熟成した。その
後、系の温度を200℃まで徐々に上げながら、減圧下
にトルエンを脱溶剤して樹脂を得た。この樹脂を冷却
し、粉砕して、トナー用樹脂組成物Aを得た。トナー用
樹脂組成物Aは、分子量分布の1万に極大値があり、T
gは、58℃であった。分子量分布で、5万未満の低分
子量体の量を100としたときの5万以上の高分子量体
の量は、13であり、高分子量体の分子量ピークは、2
8万であった。
【0068】このトナー用樹脂組成物A100重量部に
カーボンブラック(三菱化学社製、MA−100)6重
量部、ワックス(三洋化成工業社製、ビスコール660
P)4重量部、荷電制御剤(保土谷化学工業社製、TP
−302)3重量部をコンティニアスニーダー(栗本鉄
鋼所社製)によってメルトブレンドし、冷却後、コーヒ
ーミル(松下電器産業社製、CARIOCA−MIL
L)で粗粉砕し、更に、ジェットミル(日本ニューマチ
ック工業社製、ラボジェット)で微粉砕し、分級機(日
本ニューマチック工業社製、MDS−2)で約8ミクロ
ンの50%平均粒度を有するトナー粉末を作製した。
【0069】外添剤としてシリカ(日本アエロジル社
製、アエロジルR972D)を0.5重量部添加して充
分攪拌し、トナーを得た。カラートナーに関しては、イ
エローにはジスアゾイエロー、マゼンタにはカーミン6
B、シアンには銅フタロシアニンをカーボンブラックの
代わりに使用して同様に作製した。
【0070】また、このトナー6重量部を50〜80ミ
クロンの平均粒径を有するフェライトキャリアー94重
量部と混合して現像剤を作り、この現像剤を用いて複写
物を得た。使用した電子写真複写機は、リコー社製のプ
リテール550を改造したものであった。
【0071】評価方法 オフセット、定着表面平滑性(光沢)については、電子
写真複写機の加熱ローラの設定温度を180℃とし、そ
のときのオフセットと定着表面平滑性(光沢)を見た。
オフセットが発生しなかったものを○、オフセットが多
少発生したものを△、オフセットが発生したものを×と
した。定着表面平滑性(光沢)については、光沢度計
(米国ガードナー社製、グロスガード、入射角60度)
を用い、グロス50以上を良好(○)、グロス45〜5
0をやや不良(△)、グロス45未満を不良(×)とし
た。
【0072】樹脂強度は、粉砕機で粉砕したときの微粉
の発生量で見た。微粉が発生せずに非常に良好なものを
◎、良好なものを○、微粉が多少発生して若干弱いもの
を△、微粉が発生して弱いものを×とした。ランニング
は、温度30℃湿度50%の部屋で1万枚のランニング
テストを行い、そのときの画像の劣化を見た。画像が鮮
明なものを○、画像に若干乱れのあるものを△、画像に
乱れのあるものを×とした。
【0073】結果 トナー用樹脂組成物Aを使ったトナーについて評価した
結果、オフセットは発生しておらず、光沢度は全色がグ
ロス50以上と良好であり、樹脂強度は、非常に良好で
あった。この現像剤を使用して、温度30℃湿度50%
の部屋で1万枚のランニングテストを行ったところ、画
像は鮮明であり、画像の劣化はほとんど起きていなかっ
た。
【0074】実施例2 3Lセパラブルフラスコにキシレン900g、スチレン
75%、アクリル酸n−ブチル25%で分子量が80万
の高分子量体を30g入れて攪拌し、気相を窒素ガスに
て置換した後、この系をキシレンの沸点まで加温した。
キシレンの還流が起きた状態で、攪拌しながら、スチレ
ン780g、アクリル酸n−ブチル140g、メタクリ
ル酸メチル30g、架橋剤として2,2−ビス[4−
(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン(新
中村化学工業社製NKエステルA−BPE−4・芳香環
2つ含有)を15g及び重合開始剤としてベンゾイルパ
ーオキサイド(BPO)50gを溶解した混合物を、4
時間かけて滴下しながら、溶液重合を行った。滴下終了
後、更に、キシレンの沸騰する温度にて攪拌しながら、
1時間熟成した。その後、系の温度を200℃まで徐々
に上げながら、減圧下にキシレンを脱溶剤して樹脂を得
た。この樹脂を冷却し、粉砕して、トナー用樹脂組成物
Bを得た。このトナー用樹脂組成物Bは、分子量分布の
1.2万に極大値があり、Tgは、57℃であった。分
子量分布で、5万未満の低分子量体の量を100とした
ときの5万以上の高分子量体の量は、0.03であり、
高分子量体の分子量ピークは、63万であった。
【0075】トナー用樹脂組成物Aの代わりにトナー用
樹脂組成物Bを用いたこと以外は実施例1と同様にして
現像剤を作製し、テストを行った結果、オフセットは発
生しておらず、光沢度も全色がグロス50以上と良好で
あり、樹脂強度は、非常に良好であった。また、この現
像剤を使用して温度30℃湿度50%の部屋で1万枚の
ランニングテストを行ったところ、画像は鮮明であり、
トナー劣化はほとんど起きていなかった。
【0076】実施例3 ポリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学
工業社製、NKエステル9G、炭素数26、直鎖炭素数
24)に代えて、ジエチレングリコールジメタクリレー
ト(共栄社油脂化学工業社製、ライトエステル2EG、
炭素数14、直鎖炭素数10)を用いたこと以外は実施
例1と同様にして現像剤を作製し、テストを行った結
果、オフセットは発生しておらず、光沢度も全色がグロ
ス50以上と良好であり、樹脂強度は、良好であった。
また、この現像剤を使用して温度30℃湿度50%の部
屋で1万枚のランニングテストを行ったところ、画像は
鮮明であり、画像の劣化はほとんど起きていなかった。
【0077】比較例1 高分子量体を250gとし、分子量分布で、5万未満の
低分子量体の量を100としたときの5万以上の高分子
量体の量は、25であり、高分子量体の分子量ピークが
28万のトナー用樹脂組成物を用いたこと以外は実施例
1と同様にして現像剤を作製し、テストを行った結果、
オフセットは発生しておらず、光沢度は全色がグロス3
0以下と悪化した。樹脂強度は良好であった。また、こ
の現像剤を使用して温度30℃湿度50%の部屋で1万
枚のランニングテストを行ったところ、画像は鮮明であ
り、画像の劣化はほとんど起きていなかった。
【0078】比較例2 高分子量体を60gとし、分子量分布で、5万未満の低
分子量体の量を100としたときの5万以上の高分子量
体の量は、6であり、高分子量体の分子量ピークが28
万のトナー用樹脂組成物を用いたこと以外は実施例1と
同様にして現像剤を作製し、テストを行った結果、オフ
セットが発生していた。光沢度は全色がグロス50以上
と良好であった。樹脂強度は、若干弱く、微粉が多少発
生していた。また、この現像剤を使用して温度30℃湿
度50%の部屋で1万枚のランニングテストを行ったと
ころ、画像は若干乱れ、画像の劣化が起こっていた。
【0079】比較例3 ポリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学
工業社製、NKエステル9G、炭素数26、直鎖炭素数
24)に代えて、エチレングリコールジアクリレート
(共栄社油脂化学工業社製、EG−A、炭素数8)を用
いたこと以外は実施例1と同様にして現像剤を作製し、
テストを行った結果、オフセットは発生しておらず、光
沢度は全色がグロス50以上と良好であった。樹脂強度
は、若干弱く、微粉が多少発生していた。また、この現
像剤を使用して温度30℃湿度50%の部屋で1万枚の
ランニングテストを行ったところ、画像は若干乱れ、画
像の劣化が起こっていた。
【0080】比較例4 架橋剤を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして
現像剤を作製し、テストを行った結果、オフセットが発
生し、光沢度は全色がグロス50以上と良好であった。
樹脂強度は弱く、微粉が発生していた。また、この現像
剤を使用して温度30℃湿度50%の部屋で1万枚のラ
ンニングテストを行ったところ、画像が乱れ、画像の劣
化が起きていた。
【0081】比較例5 架橋剤を110gとしたこと以外は実施例2と同様にし
て現像剤を作製し、テストを行った結果、樹脂がゲル化
してしまい、評価することができなかった。
【0082】実施例1〜3及び比較例1〜5の結果をま
とめて表1に示した。なお、表中の−は、評価できなか
ったことを意味する。
【0083】
【表1】
【0084】実施例4 3Lセパラブルフラスコに、トルエン900g、スチレ
ン60%、アクリル酸n−ブチル17%、メタクリル酸
メチル23%で分子量ピークが40万の高分子量体を1
00g及び中国精油社製、THERMOLETS SF
6099(重量平均分子量848)を33gを入れて攪
拌し、気相を窒素ガスにて置換したのち、この系をトル
エンの沸点まで加温した。トルエンの還流が起きた状態
で、攪拌しながら、スチレン870g、アクリル酸n−
ブチル130g、重合開始剤としてAIBN50gを溶
解した混合物を、4時間かけて滴下しながら、溶液重合
を行った。滴下終了後、更にトルエンの沸騰する温度に
て攪拌しながら、1時間熟成した。その後、系の温度を
180℃まで徐々に上げながら、減圧下にトルエンを脱
溶剤して樹脂を得た。この樹脂を冷却し、粉砕して、ト
ナー用樹脂組成物Cを得た。トナー用樹脂組成物Cは、
分子量分布の6×103 に極大植があり、Tgは58℃
であった。分子量分布で、5万未満の低分子量体の量を
100としたときの5万以上の高分子量体の量は、10
であり、高分子量体の分子量ピークは、37万であっ
た。
【0085】このトナー用樹脂組成物C100重量部
に、カーボンブラック(三菱化学社製、MA−100)
6重量部、荷電制御剤(オリエント化学工業、ボントロ
ンS−34)3重量部をコンティニアスニーダー(栗本
鉄鋼所社製)によってメルトブレンドし、冷却後、コー
ヒーミル(松下電器産業社製、CARIOCA−MIL
L)で粗粉砕し、更にジェットミル(日本ニューマチッ
ク工業社製、ラボジェット)で微粉砕し、分級機(日本
ニューマチック工業社製、MDS−2)で約9.3ミク
ロンの50%平均粒度を有するトナー粉末を作製した。
外添剤としてシリカ(日本アエロジル社製、アエロジル
R972D)を0.5重量部添加して充分攪拌し、トナ
ーを得た。
【0086】カラートナーにおいては、イエローにはジ
スアゾイエロー、マゼンタにはカーミン6B、シアンに
は銅フタロシアニンを、カーボンブラックの代わりに使
用して同様に作製した。このトナー6重量部を50〜8
0ミクロンの平均粒径を有するフェライトキャリアー9
4重量部と混合して現像剤を作り、この現像剤を用いて
複写物を得た。使用した電子写真複写機は富士ゼロック
ス社製のAcolor636を改造したものであった。
定着温度は、電子写真複写機の加熱ローラの設定温度を
種々変えて複写物をタイプライター用砂消しゴムで摩擦
したとき、複写画の濃度が変化する時の設定温度とし
た。
【0087】評価方法 オフセット及び定着表面平滑性(光沢)は、電子写真複
写機の加熱ローラの設定温度を190℃としたこと以外
は実施例1と同様にして評価した。
【0088】フィルミング及び耐久性は、温度30℃湿
度50%の部屋で1万枚のランニングテストを行い、そ
のときの感光体へのワックスの付着と画像の劣化により
評価した。フィルミングは、起こらなかったものを○、
起こったものを×とした。また、画像が鮮明なものを
○、画像が若干不鮮明なものを△、画像が不鮮明なもの
を×とした。透明性は、定着後のハーフトーン部の色合
いを目視で評価し、ハーフトーンを再現できたものを
○、再現できなかったものを×とした。
【0089】結果 トナー用樹脂組成物Cを使ったトナーについて評価した
結果、オフセットは発生しておらず、光沢度は全色がグ
ロス50以上と良好であった。この現像剤を使用したラ
ンニングテストの結果、フィルミングもなく、画像は鮮
明でり、感光体へのフィルミングも見られなかった。ま
た、ハーフトーンもきれいに再現することができた。
【0090】実施例5 3Lセパラブルフラスコに、キシレン900g、スチレ
ン85%、アクリル酸n−ブチル15%で分子量ピーク
が80万の高分子量体を40gと、中国製油社製、NO
PALETS MP−85(重量平均分子量608)を
90g入れて攪拌し、気相を窒素ガスにて置換したの
ち、この系をキシレンの沸点まで加温した。キシレンの
還流が起きた状態で、攪拌しながら、スチレン740
g、アクリル酸n−ブチル160g、メタクリル酸メチ
ル100g及び重合開始剤とBPO60gとを溶解した
混合物を、2時間かけて滴下しながら、溶液重合を行っ
た。滴下終了後、更にキシレンの沸騰する温度にて攪拌
しながら、2時間熟成した。その後、系の温度を200
℃まで徐々に上げながら、減圧下にキシレンを脱溶剤し
て樹脂を得た。この樹脂を冷却し、粉砕して、トナー用
樹脂組成物Dを得た。トナー用樹脂組成物Dは、分子量
分布の8×103 に極大値があり、Tgは59℃であっ
た。分子量分布で、5万未満の低分子量体の量を100
としたときの5万以上の高分子量体の量は、4であり、
高分子量体の分子量ピークは、60万であった。
【0091】トナー用樹脂組成物Cの代わりにトナー用
樹脂組成物Dを用いたこと以外は実施例4と同様に現像
剤を作製し、テストを行った結果、オフセットは発生し
ておらず、光沢度は全色がグロス50以上と良好であっ
た。この現像剤を使用したランニングテストの結果、フ
ィルミングもなく、画像も鮮明であった。また、ハーフ
トーンもきれいに再現することができた。
【0092】比較例6 高分子量体を140gとし、分子量分布で、5万未満の
低分子量体の量を100としたときの5万以上の高分子
量体の量は、14であり、高分子量体の分子量ピークが
60万のトナー用樹脂組成物を用いたこと以外は実施例
5と同様にして現像剤を作製し、テストを行った結果、
オフセットは発生していなかったが、光沢度は全色がグ
ロス30以下と悪化した。この現像剤を使用したランニ
ングテストの結果、感光体へのフィルミングは見られ
ず、画像も鮮明であった。また、ハーフトーンもきれい
に再現することができた。
【0093】比較例7 高分子量体を10gとし、分子量分布で、5万未満の低
分子量体の量を100としたときの5万以上の高分子量
体の量は、1であり、高分子量体の分子量ピークが37
万のトナー用樹脂組成物を用いたこと以外は実施例4と
同様にして現像剤を作製し、テストを行った結果、オフ
セットが発生していた。しかし、光沢度は全色がグロス
50以上と良好であった。この現像剤を使用したランニ
ングテストの結果、感光体へのフィルミングは見られな
かったが、画像は若干不鮮明であった。しかし、ハーフ
トーンはきれいに再現することができた。
【0094】比較例8 THERMOLETS SF6099の添加量を200
gとしたこと以外は実施例4と同様にして現像剤を作製
し、テストを行った結果、オフセットは発生せず、光沢
度も全色がグロス50以上と良好であった。この現像剤
を使用したランニングテストの結果、フィルミングがひ
どく、画像は若干不鮮明であった。また、ハーフトーン
もきれいに再現することができなかった。
【0095】比較例9 NOPALETS MP−85の添加量を10gにした
こと以外は実施例5と同様にして現像剤を作製し、テス
トを行った結果、オフセットが発生していた。しかし、
光沢度は全色がグロス50以上と良好であった。この現
像剤を使用したランニングテストの結果、フィルミング
もなく、画像も鮮明であった。また、ハーフトーンもき
れいに再現することができた。
【0096】比較例10 実施例5において、NOPALETS MP−85に代
えて三洋化成工業社製ビスコール330P(数平均分子
量15000)を用いたこと以外は同様に現像剤を作製
し、テストを行った結果、オフセットが若干発生してい
た。しかし、光沢度は全色がグロス50以上と良好であ
った。この現像剤を使用して温度30℃湿度50%の部
屋で1万枚のランニングテストを行ったところ、フィル
ミングもなく、画像も鮮明であった。また、ハーフトー
ンもきれいに再現することができた。
【0097】実施例4〜5及び比較例6〜10の結果を
まとめて表2に示した。
【0098】
【表2】
【0099】実施例6 3Lセパラブルフラスコにキシレン900g、スチレン
80%、アクリル酸n−ブチル20%で分子量ピークが
40万の高分子量体を150g入れて攪拌し、気相を窒
素ガスにて置換した後、この系をキシレンの沸点まで加
温した。キシレンの還流が起きた状態で攪拌しながら、
スチレン800g、アクリル酸n−ブチル150g、ア
クリル酸50g及び重合開始剤としてBPO50gを溶
解した混合物を、3時間かけて滴下しながら、溶液重合
を行った。滴下終了後、更にキシレンの沸騰する温度に
て攪拌しながら、1時間熟成した。その後、系の温度を
200℃まで徐々に上げながら、減圧下にキシレンを脱
溶剤して樹脂を得た。この樹脂を冷却し、粉砕して、ト
ナー用樹脂組成物Eを得た。トナー用樹脂組成物Eは、
分子量分布の1万に極大値があり、Tgは、58℃であ
った。分子量分布で、5万未満の低分子量体の量を10
0としたときの5万以上の高分子量体の量は、15であ
り、高分子量体の分子量ピークは、34万であった。
【0100】得られたトナー用樹脂組成物E100重量
部にカーボンブラック(三菱化学社製、MA−100)
6重量部、ワックス(三洋化成工業社製、ビスコール5
50P)4重量部、荷電制御剤(保土谷化学工業社製、
TP−302)3重量部をコンティニアスニーダー(栗
本鉄鋼所社製)によってメルトブレンドし、冷却後、コ
ーヒーミル(松下電器産業社製、CARIOCA−MI
LL)で粗粉砕し、更にジェットミル(日本ニューマチ
ック工業社製、ラボジェット)で微粉砕し、分級機(日
本ニューマチック工業社製、MDS−2)で約9ミクロ
ンの50%平均粒度を有するトナー粉末を作製した。
【0101】外添剤としてシリカ(日本アエロジル社
製、アエロジルR972D)を0.5重量部添加して充
分攪拌し、トナーを得た。カラートナーに関しては、イ
エローにはジスアゾイエロー、マゼンタにはカーミン6
B、シアンには銅フタロシアニンをカーボンブラックの
代わりに使用して同様に作製した。また、このトナー6
重量部を50〜80ミクロンの平均粒径を有するフェラ
イトキャリアー94重量部と混合して現像剤を作り、こ
の現像剤を用いて複写物を得た。使用した電子写真複写
機は、リコー社製のプリテール550を改造したもので
あった。
【0102】評価方法 オフセット、定着表面平滑性(光沢)については、実施
例4と同様にして評価した。樹脂強度及び環境安定性
は、温度30度、湿度50%の部屋で1万枚のランニン
グテストを行い、そのときの画像の劣化、吸湿による帯
電量低下により評価した。トナーの劣化が起きていない
ものを○、トナーの劣化が少しだけ起きたものを△、ト
ナーの劣化が少しだけ起きたものを×とした。
【0103】環境安定性については、濃度変化が20%
未満で良好なものを○、濃度変化が20%以上で悪かっ
たものを×とした。また、顔料やCCA等の分散性に関
しては、TEM写真の観察により分散度合を確認した。
分散度合が良好であったものを○、やや良好であったも
のを△、不良であったものを×とした。
【0104】結果 トナー用樹脂組成物Eを用いたトナーについて評価した
結果、オフセットは発生しておらず、光沢度は全色がグ
ロス50以上と良好であった。また、この現像剤を使用
して、温度30℃湿度50%の部屋で1万枚のランニン
グテストを行ったところ、画像は鮮明であり、トナーの
劣化はほとんど起きていなかった。環境安定性は良好で
あり、分散性も非常に良好であった。
【0105】実施例7 3Lセパラブルフラスコにキシレン900g、スチレン
75%、アクリル酸n−ブチル25%で分子量ピークが
70万の高分子量体を80g入れて攪拌し、気相を窒素
ガスにて置換した後、この系をキシレンの沸点まで加温
した。キシレンの還流が起きた状態で、攪拌しながら、
スチレン760g、アクリル酸n−ブチル130g、メ
タクリル酸メチル100g、メタクリル酸10g及び重
合開始剤としてBPO40gを溶解した混合物を、4時
間かけて滴下しながら、溶液重合を行った。滴下終了
後、更にキシレンの沸騰する温度にて攪拌しながら、1
時間熟成した。その後、系の温度を200℃まで徐々に
上げながら、減圧下にキシレンを脱溶剤して樹脂を得
た。この樹脂を冷却し、粉砕して、トナー用樹脂組成物
Fを得た。トナー用樹脂組成物Fは、分子量分布の1.
5万に極大値があり、Tgは、63℃であった。分子量
分布で、5万未満の低分子量体の量を100としたとき
の5万以上の高分子量体の量は、8であり、高分子量体
の分子量ピークは、56万であった。
【0106】トナー用樹脂組成物Eの代わりにトナー用
樹脂組成物Fを用いたこと以外は実施例6と同様にして
現像剤を作製し、テストを行った結果、オフセットは発
生しておらず、光沢度も全色がグロス50以上と良好で
あった。また、この現像剤を使用して温度30℃湿度5
0%の部屋で1万枚のランニングテストを行ったとこ
ろ、画像は鮮明であり、トナーの劣化はほとんど起きて
いなかった。また、環境安定性も良好であり、分散性も
非常に良好であった。
【0107】比較例11 アクリル酸を130g用いたこと以外は実施例6と同様
にして現像剤を作製し、テストを行った結果、オフセッ
トは発生しておらず、光沢度も50以上と良好であっ
た。また、この現像剤を使用して温度30℃湿度50%
の部屋で1万枚のランニングテストを行ったところ、ト
ナーの劣化はほとんど起きていなかった。しかし、環境
安定性は非常に悪く、かぶりが発生していた。しかし、
分散性は非常に良好であった。
【0108】比較例12 メタクリル酸を用いなかったこと以外は実施例7と同様
にして現像剤を作製し、テストを行った結果、オフセッ
トは発生しておらず、光沢度も50以上と良好であっ
た。また、この現像剤を使用して温度30℃湿度50%
の部屋で1万枚のランニングテストを行ったところ、ト
ナーの劣化はほとんど起きていなかった。また、環境安
定性も非常に良好であった。しかし、分散性は悪化し、
発色性が劣っていた。
【0109】比較例13 高分子量体を200gとし、分子量分布で、5万未満の
低分子量体の量を100としたときの5万以上の高分子
量体の量は、20であり、高分子量体の分子量ピークが
34万のトナー用樹脂組成物を用いたこと以外は実施例
6と同様にして現像剤を作製し、テストを行った結果、
オフセットは発生しておらず、光沢度は全色がグロス3
0以下と悪化した。また、この現像剤を使用して温度3
0℃湿度50%の部屋で1万枚のランニングテストを行
ったところ、トナーの劣化はほとんど起きていなかっ
た。また、環境安定性も非常に良好であり、分散性も非
常に良好であった。
【0110】比較例14 高分子量体を用いなかったこと以外は実施例7と同様に
して現像剤を作製し、テストを行った結果、オフセット
が発生した。しかし、光沢度は全色がグロス50以上と
良好であった。また、この現像剤を使用して温度30℃
湿度50%の部屋で1万枚のランニングテストを行った
ところ、トナーの劣化が少しだけ起きていた。しかし、
環境安定性は常に良好で、分散性も良好であった。
【0111】実施例6〜7及び比較例11〜14の結果
をまとめて表3に示した。
【0112】
【表3】
【0113】
【発明の効果】本発明トナー用樹脂組成物及びトナー
は、上述の構成よりなるので、定着性及び定着後の表面
平滑性を良好にすることが可能である。また、定着後の
表面平滑性を損なうことなく、樹脂剛性を高め、かつ、
キャリアーやCCA等の分散を良好に行うことができ、
発色性が良好であり、小粒径化が可能であるので、高解
像フルカラートナーとして好適に使用することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 220:12 220:04) (C08L 25/14 91:06)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系単量体及び(メタ)アクリル
    酸エステル系単量体からなり、ゲルパーミエーションク
    ロマトグラフィーによる分子量ピークが3×103 〜3
    ×104 であり、分子量分布で、5万未満の低分子量体
    の量を100としたときの5万以上の高分子量体の量
    と、高分子量体の分子量ピークとが、下記式(1); −4B+110≧A≧−4B+60 (1) (式中、Aは、高分子量体の分子量ピーク×10-4を表
    す。Bは、5万未満の低分子量体の量を100としたと
    きの5万以上の高分子量体の量を表す。ただし、Bは、
    正の数である。)で表される関係を充たすビニル系共重
    合体に、1分子中に10以上の炭素原子を有する架橋剤
    を0.1〜10重量%含有させて架橋してなる樹脂から
    なることを特徴とするトナー用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 スチレン系単量体及び(メタ)アクリル
    酸エステル系単量体からなり、ゲルパーミエーションク
    ロマトグラフィーによる分子量ピークが3×103 〜3
    ×104 であり、分子量分布で、5万未満の低分子量体
    の量を100としたときの5万以上の高分子量体の量
    と、高分子量体の分子量ピークとが、下記式(1); −4B+110≧A≧−4B+60 (1) (式中、Aは、高分子量体の分子量ピーク×10-4を表
    す。Bは、5万未満の低分子量体の量を100としたと
    きの5万以上の高分子量体の量を表す。ただし、Bは、
    正の数である。)で表される関係を充たすビニル系共重
    合体100重量部に対して、重量平均分子量が100〜
    10000であるワックスを0.1〜15重量部添加し
    てなることを特徴とするトナー用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 スチレン系単量体及び(メタ)アクリル
    酸エステル系単量体からなり、ゲルパーミエーションク
    ロマトグラフィーによる分子量ピークが3×103 〜3
    ×104 であり、分子量分布で、5万未満の低分子量体
    の量を100としたときの5万以上の高分子量体の量
    と、高分子量体の分子量ピークとが、下記式(1); −4B+110≧A≧−4B+60 (1) (式中、Aは、高分子量体の分子量ピーク×10-4を表
    す。Bは、5万未満の低分子量体の量を100としたと
    きの5万以上の高分子量体の量を表す。ただし、Bは、
    正の数である。)で表される関係を充たすビニル系共重
    合体からなるトナー用樹脂組成物であって、上記ビニル
    系共重合体は、極性基を含有するビニル系共重合性単量
    体を0.01〜10重量%共重合させてなるものである
    ことを特徴とするトナー用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載のトナー用樹脂
    組成物が用いられていることを特徴とするトナー。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7306889B2 (en) 2004-02-20 2007-12-11 Canon Kabushiki Kaisha Process for producing toner, and toner
JP2010097000A (ja) * 2008-10-17 2010-04-30 Konica Minolta Business Technologies Inc 静電荷像現像用トナー

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7306889B2 (en) 2004-02-20 2007-12-11 Canon Kabushiki Kaisha Process for producing toner, and toner
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