JP2000025173A - 積層ポリプロピレン系フイルム - Google Patents

積層ポリプロピレン系フイルム

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JP2000025173A
JP2000025173A JP10193439A JP19343998A JP2000025173A JP 2000025173 A JP2000025173 A JP 2000025173A JP 10193439 A JP10193439 A JP 10193439A JP 19343998 A JP19343998 A JP 19343998A JP 2000025173 A JP2000025173 A JP 2000025173A
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resin
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polypropylene
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JP10193439A
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English (en)
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Yoshiaki Enami
吉章 榎並
Junya Sato
淳也 佐藤
Takeshi Kurokawa
健 黒川
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】手切れ性、機械的強度、層間接着力、外観性い
ずれも優れた積層フイルムを提供すること。 【解決手段】基層に二軸配向ポリプロピレン系樹脂を、
中間層に結晶融解熱量が低めのポリプロピレン系樹脂
を、表層に一軸配向ポリプロピレン系樹脂を積層する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として包装材料
用の積層ポリプロピレン系フイルムに関し、さらに詳し
くは、手切れ性に優れているのみならず、層間接着力お
よび外観にも優れた積層ポリプロピレン系フイルムに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】二軸配向ポリプロピレンフィルムは、優
れた防湿性、強度、透明性、表面光沢により包装用フィ
ルムとしてのみならず、粘着テープ用途等に広く用いら
れている。しかし二軸配向ポリプロピレンフィルムはそ
の強靱性を有する反面、手では容易に切断できない(手
切れ性が良くない)という問題点を有していた。
【0003】一方、一軸配向のポリプロピレンフイルム
は延伸方向には容易に切断できる特性を有するものの、
延伸方向と直行する方向の強度、ヤング率等の機械的特
性が劣るため、単独では包装材料等に用いることはでき
ない。
【0004】そこで、二軸配向ポリプロピレンフイルム
と一軸配向ポリプロピレンフイルムを積層することで、
両者の問題点を補い合い、適度な強靱さを有し、容易に
手で切断しうる積層フイルムが見出され(実開昭49−
57567号公報、特開昭51−19080号公報、特
開昭57−25953号公報等)、これらの技術により
手切れ性に優れた実用的な包装用あるいは粘着テープ用
の積層フイルムが供給されてきた。
【0005】しかしながら、これらの従来技術では手切
れ性、積層フイルムの機械的特性については問題ないも
のの、二軸配向ポリプロピレンフイルムと一軸配向ポリ
プロピレンフイルムの層間における接着力が必ずしも十
分でない場合や、層間へのエアの噛みこみによるいわゆ
るキラキラ(エアーにより散乱光が発生するため)が生
じて、外観が満足できないということがあり、この層間
接着力等について、一層の改善が要望されており、特に
層間接着強度が120g/cm以上のものはなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決し、従来技術では達成できなかった優れた手切れ性
と機械的特性を有し、かつ層間接着力に優れ、キラキラ
がない(外観に優れた)積層ポリプロピレンフイルムを
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明者らは、
手切れ性の優れた積層ポリプロピレン系フイルムにおい
て、層間接着力等が樹脂の結晶融解熱量に起因すること
を見出し、層間部に一定範囲の結晶融解熱量を有する樹
脂を積層することに思い至り、層間接着強度が120g
/cm以上の本発明を成し遂げたものである。
【0008】本発明は、二軸配向ポリプロピレン系樹脂
からなる基層の少なくとも片面に、ポリプロピレン系樹
脂からなる中間層が積層され、該中間層上に一軸配向ポ
リプロピレン系樹脂からなる表層が積層された少なくと
も3層からなる積層ポリプロピレン系フイルムであっ
て、二軸配向層と一軸配向層の層間接着強度が120g
/cm以上であることを特徴とする積層ポリプロピレン
系フイルム、である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の基層を形成する樹脂は、
二軸配向されたポリプロピレン系樹脂であることが必要
である。二軸配向することで、本発明の積層フイルムを
包装材料等に使用する場合に、十分な機械的強度を付与
することができる。
【0010】基層の樹脂は二軸配向されたポリプロピレ
ン系樹脂であれば特に限定はされないが、好ましくは結
晶性のアイソタクチックポリプロピレン樹脂である。該
アイソタクチックポリプロピレン樹脂のメソペンタッド
分率は88%以上が好ましい。メソペンタッド分率と
は、アイソタクチック立体構造の全体に占める割合であ
り、13C−NMRで測定される。メソペンタッド分率が
88%未満であると、二軸配向ポリプロピレンフィルム
の剛性が低くなり、加工性に劣る場合がある。より好ま
しくはメソペンタッド分率は90%以上である。
【0011】また基層のアイソタクチックポリプロピレ
ン樹脂のアイソタクチック度は85%以上であることが
好ましい。アイソタクチック度とは沸騰n−ヘプタンで
抽出した際の非溶解分の重量割合である。アイソタクチ
ック度が85%未満であると、キシレンやn−ヘキサン
などの溶媒による溶出分が多くなりすぎ、包装用フイル
ムとして不適となる場合がある。基層のアイソタクチッ
クポリプロピレン樹脂のアイソタクチック度は88%以
上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。ま
た、該ポリプロピレン樹脂のメルトフローインデックス
(MFI)は、1〜10g/10分であることが、製膜
性の観点から好ましく、2.5〜6g/10分がより好
ましい。
【0012】該基層の樹脂としてはアイソタクチックポ
リプロピレン樹脂単独が好ましいが、プロピレン以外の
第2成分、例えばエチレン、ブテン、ヘキセン等を少量
(3モル%以下)ランダムに共重合したものでも良く、
また該基層に目的に応じポリプロピレン系共重合樹脂な
どが積層される場合があり、これら共重合樹脂が該基層
に回収される場合、特性上許される範囲で他の共重合樹
脂が含有されても良い。また、ポリプロピレンに添加す
ることが知られている各種の添加剤、例えば安定剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤、ブロッ
キング防止剤、有機滑剤、顔料、着色剤、造核剤などを
必要量(通常0.01〜2重量%程度)添加しても良
い。滑り性を付与し作業性や巻き取り性を向上させるた
めの、有機架橋性粒子には、架橋シリコーンや架橋ポリ
メチルメタクリレート粒子などが挙げられ、無機粒子に
はゼオライトや炭酸カルシウム、酸化ケイ素、リン酸カ
ルシウムなどを例示することができる。
【0013】該基層の厚みは好ましくは3〜15μm、
より好ましくは5〜13μmである。
【0014】十分な強度を確保する観点から、3μm以
上とするが好ましく、手切れ性をより優れたものとする
観点から、15μm以下が好ましい。
【0015】該基層の少なくとも片面に積層される中間
層のポリプロピレン系樹脂は、層間接着強度120g/
cm以上を達成するために、結晶融解熱量が20〜90
J/gであることが好ましい。
【0016】通常のアイソタクチックポリプロピレン樹
脂の結晶融解熱量が100J/g以上であるのに対し、
本発明の中間層樹脂として好ましく使用されるポリプロ
ピレン系樹脂の結晶融解熱量は小さいことがポイントで
ある。結晶融解熱量が大きすぎると、層間の接着性に劣
り、エアの噛みこみによるキラキラの発生も生じやす
い。結晶融解熱量を小さくすることで、層間の接着力を
向上し、エアーの噛み込みを排除することが可能とな
る。一方、結晶融解熱量が小さすぎると加工時の耐熱性
に劣る。本発明の中間層のポリプロピレン系樹脂の結晶
融解熱量は30〜85J/gがより好ましく、40〜8
5J/gがさらに好ましい。
【0017】中間層のポリプロピレン系樹脂は結晶融解
に伴う吸熱の主ピークが155〜163℃にあることが
好ましい。中間層のポリプロピレン系樹脂の結晶融解に
伴う吸熱のピーク温度が比較的高いことにより、加工時
の耐熱性に問題が生じることがない。この場合の主ピー
クとは単一の吸熱ピークのみ観察される場合はその単一
ピークそのものを、複数の吸熱ピークが観測される場合
はピーク面積全体の2/3以上を占めるものを指す。結
晶融解に伴う吸熱のピーク温度の上限はポリプロピレン
固有の特性値として規定されるが、結晶融解に伴うピー
ク温度の下限は、積層ポリプロピレンフィルムの耐熱性
に影響し、結晶融解に伴うピーク温度が低すぎると加工
時の耐熱性に問題が生じる場合がある。また、製膜時に
縦延伸ロールに粘着するなどの製膜上の制約が生じる場
合もある。
【0018】本発明の中間層のポリプロピレン系樹脂の
結晶融解に伴う吸熱の主ピークは、157〜162℃に
あることがより好ましく、158〜162℃にあること
がさらに好ましい。副ピークが155℃未満に観察され
る場合は、そのピークが140℃以上にあることが好ま
しい。
【0019】さらに、本発明の中間層のポリプロピレン
系樹脂の結晶融解に伴う吸熱のすべてのピークが155
〜163℃にあることが、製膜性と、加工時の耐熱性の
ために好ましい。
【0020】中間層のポリプロピレン系樹脂としては、
例えばメソペンタッド分率が60〜88%であるアイソ
タクチックポリプロピレン樹脂を主体としたものや、エ
チレン・プロピレン・ランダム共重合体や、プロピレン
・ブテン共重合体や、エチレン・プロピレン・ブテン三
元共重合体が挙げられる。
【0021】本発明において、中間層樹脂として好まし
いものは、メソペンタッド分率が60〜88%であるア
イソタクチックポリプロピレン樹脂を主体としたもので
ある。メソペンタッド分率60〜88%であるアイソタ
クチックポリプロピレン樹脂に、結晶融解に伴う吸熱の
ピークが140〜163℃にあるポリプロピレン系共重
合樹脂が重量割合で1/3を上限に混合されたものも好
ましく使用できる。さらに本発明において好ましい中間
層樹脂としては、メソペンタッド分率が60〜88%で
あるアイソタクチックポリプロピレン樹脂と結晶融解に
伴う吸熱のピークが155〜163℃にあるポリプロピ
レン系共重合樹脂の混合物である。最も好ましいのは、
メソペンタッド分率が60〜88%であるアイソタクチ
ックポリプロピレン単独である。
【0022】メソペンタッド分率が60%未満では、樹
脂のゴム成分が増大するためか、加工時の耐熱性に劣る
ことで取扱いが困難になる場合がある。一方、層間接着
性の観点からメソペンタッド分率は88%以下が好まし
い。本発明の表層樹脂のアイソタクチックポリプロピレ
ンのメソペンタッド分率は65〜85%がより好まし
く、68〜83%が最も好ましい。メソペンタッド分率
をかかる値とするには、本発明のメソペンタッド分率を
有するアイソタクチックポリプロピレンを選定するか、
異なったメソペンタッド分率の2種以上のアイソタクチ
ックポリプロピレン樹脂を混合することで達成できる。
【0023】これにより、中間層樹脂を結晶融解熱量が
比較的小さく、かつ、結晶融解に伴う吸熱の主ピークは
通常のアイソタクチックポリプロピレン樹脂と同様のも
のとすることができる。
【0024】本発明の中間層樹脂として用いるポリプロ
ピレン系樹脂のMFIは1〜20g/10分であること
が、基層との積層性のため好ましい。
【0025】該中間層の厚みは好ましくは0.2〜2μ
m、より好ましくは0.5〜1.0μmである。層間接
着力の観点から0.2μm以上とすることが好ましく、
経済性の観点から、2μm以下が好ましい。
【0026】本発明の積層ポリプロピレン系フイルム
は、上記中間層上に表層として一軸配向されたポリプロ
ピレン系樹脂が積層される。該表層樹脂は一軸配向され
ていることが必要である。これにより、本発明の積層フ
イルムに対し、方向性を付与し、手切れ性を与えること
ができる。
【0027】該表層にについては一軸配向されたポリプ
ロピレン系樹脂であればよいが、好ましい樹脂や添加剤
等については基層樹脂と同様である。他の樹脂を多く共
重合することで、表層部分が軟化し、積層フイルムの手
切れ性に影響を与える場合があるため、特に手切れ性の
観点から、アイソタクチックポリプロピレン樹脂単独が
より好ましい。また、生産性や経済性等を考えると基層
と同一の樹脂を用いることが好ましいが、必ずしもそれ
に限定されるものではない。
【0028】該表層の厚みは手切れ性および経済性の観
点から、10〜40μmが好ましく、より好ましくは1
5〜30μmである。
【0029】そして、二軸配向層と一軸配向層の厚みの
比の関係は、手切れ性および実用強度の観点から、1:
4〜1:1の範囲にあることが好ましく、1:3〜2:
3がより好ましい。
【0030】さらに本発明の積層フイルムの全厚みは1
5〜50μmが好ましく、20〜40μmがより好まし
い。包装用途では経済性の観点から、20〜30μmが
好ましく、粘着テープ用途では、実用強度の観点から、
30〜40μmが好ましい。
【0031】本発明の積層ポリプロピレン系フイルム
は、基層の少なくとも片面に上述の中間層樹脂、表層樹
脂が積層されるが、反対の面には必要に応じ、第4の層
が積層されても良い。第4の層の樹脂としては、例え
ば、接着性確保のために中間層樹脂と同様の樹脂が積層
されても良い。また、滑り性を付与するには、ポリプロ
ピレン系樹脂に有機架橋粒子あるいは無機粒子が添加さ
れたものや、エチレン−プロピレンブロック共重合体、
エチレン−プロピレンブロック共重合体と高密度ポリエ
チレンの混合物などが積層されることが好ましい。これ
ら反対面の第3の層表面は必要に応じ、コロナ放電処理
などで活性化することが行われる。
【0032】以下に、本発明の積層ポリプロピレンフイ
ルムの製造方法の一例について説明するが、本発明は下
記製造方法により制約を受けるものではない。
【0033】本発明の基層のアイソタクチックポリプロ
ピレン樹脂および中間層のポリプロピレン系樹脂を準備
し、これらを別々の押出機に供給して230〜290℃
の温度で融解させ、濾過フィルターを経た後、短管ある
いは口金内で合流せしめ、目的とするそれぞれの積層厚
みでスリット状口金から押し出し、金属ドラムに巻き付
けてシート状に冷却固化せしめ未延伸積層フィルムとす
る。この場合冷却用ドラムの温度は20〜50℃としフ
ィルムを結晶化させることが好ましい。
【0034】この未延伸積層フィルムをを115〜14
5℃の温度に加熱し、長手方向に4〜7倍に延伸した
後、その中間層上に、230〜290℃の温度で融解さ
せた表層のアイソタクチックポリプロピレン樹脂を所定
の積層厚みでスリット状口金から押し出し、ラミネート
し、金属ドラムに巻き付けてシート状に冷却固化せしめ
3層積層フィルムとする。次いでテンター式延伸機に導
入し140〜170℃で幅方向に7〜11倍に延伸した
後、100〜160℃で弛緩熱処理し冷却する。さら
に、必要に応じ、空気あるいは窒素あるいは炭酸ガスと
窒素の混合雰囲気中で、コロナ放電処理した後、巻き取
る。
【0035】
【特性値の測定法】本発明の特性値は以下の方法で測定
した。
【0036】(1)アイソタクチック度(%) 樹脂を60℃以下の温度のn−ヘプタンで2時間抽出
し、ポリプロピレンへの添加物を除去する。その後13
0℃で2時間真空乾燥する。これから重量W(mg)の
試料を取り、ソックスレー抽出器に入れ沸騰n−ヘプタ
ンで12時間抽出する。次に、この試料を取り出しアセ
トンで十分洗浄した後、130℃で6時間真空乾燥しそ
の後常温まで冷却し、重量W’(mg)を測定し、次式
で求めた。
【0037】アイソタクチック度=(W’/W)×10
0(%)
【0038】(2)メルトフローインデックス(MF
I:g/10分) ASTM−D−1238に準じて230℃、2.16k
gの条件で測定した。
【0039】(3)結晶融解吸熱のピーク温度(℃)と
結晶融解熱量(J/g) Seiko Instruments社製熱分析装置R
DC220型に、5mgの中間層樹脂をアルミニウムパ
ンに封入して装填し、20℃/分の速度で昇温し、結晶
融解吸熱のピーク温度を求めた。また、吸熱ピークの面
積により、同社製熱分析システムSSC5200の内蔵
プログラムを用い結晶融解熱量を算出した。2種以上の
樹脂の混合物で吸熱ピークが複数の場合は、それぞれの
結晶融解熱量の和を結晶融解熱量とした。
【0040】(4)メソペンタッド分率(%) 各層の樹脂をo−ジクロロベンゼン/ベンゼン−D6に
溶解させ、JEOL製JNM−GX270装置を用い、
共鳴周波数67.93MHzで13C−NMRを測定し
た。得られたスペクトルの帰属およびメソペンタッド分
率の計算については、T.Hayashiらが行った方
法(Polymer、29、138〜143(198
8))に基づき、メチル基由来のスペクトルについて、
mmmmmmピークを21.855ppmとして各ピー
クの帰属を行い、ピーク面積を求めてメチル基由来全ピ
ーク面積に対する比率を百分率で表示した。詳細な測定
条件は以下のとおりである。
【0041】 測定濃度:15〜20wt% 測定溶媒:o−ジクロロベンゼン(90wt%)/ベン
ゼン−D6(10wt%)測定温度:120〜130℃ 共鳴周波数:67.93MHz パルス幅:10μ秒(45°パルス) パルス繰り返し時間:7.091秒 データ点:32K 積算回数:8168 測定モード:ノイズデカップリング
【0042】(5)手切れ性 フィルムの端部を親指と人差指で、左右の親指と左右の
人差指同士が接するようにして持つ。フィルムを横手方
向にひねるように急速な力を加える。このテストを10
回繰り返し、以下の区分をする。
【0043】 ○、△を本発明では合格とする。
【0044】(6)層間接着強度 一軸配向層と二軸配向層を剥がして測定口を設ける。フ
ィルムの両面にJISZ1522に適合する24mm幅
のセロハン粘着テープを張り付け、横手方向に15mm
の幅に裁断する。記録計付きの引っ張り試験器を使用
し、200mm/分の速度で、90度の角度で引っ張
り、剥離力を測定する。測定単位はg/cmである。
【0045】(7)外観性 本発明の積層フイルムの限度見本サンプルを基準に目視
により観察し、以下の区分をする。
【0046】 キラキラが見えない ○ キラキラが少し見える △ キラキラが良く見える × ○、△を本発明では合格とする。
【0047】
【実施例】本発明を実施例により説明する。
【0048】実施例1 本発明の基層および表層の樹脂として、アイソタクチッ
クポリプロピレン(アイソタクチック度:96%、MF
I:2.5g/10分、メソペンタッド分率:92%)
のものを準備し、中間層樹脂として、アイソタクチック
ポリプロピレン(アイソタクチック度:86%、MF
I:2.8g/10分、メソペンタッド分率:74%、
結晶融解に伴う吸熱のピーク温度:161℃、結晶融解
熱量:77J/g)のものを準備し、これらを別々の押
出機に供給して250℃の温度で融解させ、濾過フィル
ターをを経た後、口金内で合流後、スリット状口金から
押し出し、30℃にコントロールした金属ドラムで成形
し、未延伸積層フィルムを得た。この未延伸積層フィル
ムを140℃の温度に予熱し、長手方向に4.5倍に延
伸した後、その中間層上に、250℃の温度で融解した
アイソタクチックポリプロピレン(アイソタクチック
度:96%、MFI:2.5g/10分、メソペンタッ
ド分率:92%)を押し出し、ラミネートし、20℃に
コントロールした金属ドラムで成形し、3層積層フィル
ムを得た。次いでテンター式延伸機で160℃で横手方
向に10倍延伸し、コロナ放電処理後巻き取った。
【0049】また、各層の厚みは、二軸配向の表層が7
μm、中間層は1μm、一軸配向層は17μmで積層フ
ィルムの総厚みは25μmであった。尚、各層の厚みは
押し出し機特性に準じて、押し出し機の回転数より算出
した。
【0050】実施例2、3 中間層樹脂を、表1に示すようなメソペンタッド分率、
結晶融解熱量を有するアイソタクチックポリプロピレン
とした以外は、実施例1と同じ条件で製膜し、評価し
た。
【0051】実施例4、5 中間層樹脂を、表1に示すように、実施例1で使用した
アイソタクチックポリプロピレンに他の樹脂を混合して
使用した以外は実施例1と同じ条件で製膜し、評価し
た。
【0052】実施例6、7、8 中間層樹脂を、表1に示すような他の樹脂を使用した以
外は、実施例1と同じ条件で製膜し、評価した。
【0053】実施例9〜13 各層の厚みを表2に示すように変更したこと以外は、実
施例1と同じ条件で製膜し、評価した。
【0054】表1および2に示すように、本発明の積層
ポリプロピレンフイルムは、手切れ性に優れ、かつ層間
接着力および外観についても優れた結果が得られた。
【0055】また、二軸配向層と一軸配向層の厚み比が
2:2.9(実施例10)になると、実用上問題ないも
のの手切れ性が若干低下している。また、厚み比が1:
4になると(実施例11)実用上の問題はやはりないも
のの、加工中のフィルム破断が発生したものが一部であ
った。一方、中間層の厚みが、0.2μmの場合(実施
例13)は実用上十分なものの、より厚いものと比較す
ると層間接着力が低下したことがわかる。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】比較例1 中間層の樹脂を表3に示すアイソタクチックポリプロピ
レンに変更した以外は実施例1と同じ条件で製膜したも
のを比較例1とした。
【0059】比較例2、3 中間層の樹脂を表3に示すようように、比較例1で使用
した樹脂と他の樹脂を混合したこと以外は実施例1と同
じ条件で製膜したものを比較例2、3とした。
【0060】比較例4 中間層をもうけなかった以外は実施例1と同様な条件で
製膜し、2層の積層フイルムを得た。
【0061】これら比較例の特性を表3にまとめた。表
3に示すように、これらの比較例では、層間接着力およ
び外観性(キラキラ)のいずれも不合格であった。
【0062】すなわち、比較例1では、中間層の樹脂の
結晶融解熱量が101J/gと高いため、また比較例4
では中間層がないため、層間接着力が低く、外観も悪く
なった。比較例2、3では、低結晶融解熱量を持つ成分
を混合したため、層間接着力が若干改善されたが、外観
含めて合格レベルまでには至らなかった。
【0063】
【表3】
【0064】
【発明の効果】本発明の積層ポリプロピレン系フイルム
は、基層に二軸配向ポリプロピレン系樹脂を、中間層に
結晶融解熱量が20〜90J/gであるポリプロピレン
系樹脂を、表層に一軸配向ポリプロピレン系樹脂を積層
することで、手切れ性、機械的強度、層間接着力(層間
接着強度120g/cm以上)、外観性いずれも優れた
ものとすることができ、各種包装材料や粘着テープ等に
最適な積層フイルムである。
フロントページの続き Fターム(参考) 3E086 AA23 AD01 BA04 BA15 BB61 BB85 BB90 4F100 AK07A AK07B AK07C AK07D BA03 BA05 BA10B BA10C BA10D BA14 BA15 BA24 EJ37D EJ38A GB15 GB23 GB90 HB00 JA11B JA11C JK01 JK03 JK06 YY00 YY00B YY00C 4J004 AB01 CA04 CC02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二軸配向ポリプロピレン系樹脂からなる基
    層の少なくとも片面に、ポリプロピレン系樹脂からなる
    中間層が積層され、該中間層上に一軸配向ポリプロピレ
    ン系樹脂からなる表層が積層された少なくとも3層から
    なる積層ポリプロピレン系フイルムであって、二軸配向
    層と一軸配向層の層間接着強度が120g/cm以上で
    あることを特徴とする積層ポリプロピレン系フイルム。
  2. 【請求項2】中間層が結晶融解熱量が20〜90J/g
    のポリプロピレン系樹脂であることを特徴とする請求項
    1記載の積層ポリプロピレン系フイルム。
  3. 【請求項3】中間層のポリプロピレン系樹脂が、結晶融
    解に伴う吸熱の主ピークが155〜163℃であること
    を特徴とする請求項2記載の積層ポリプロピレン系フイ
    ルム。
  4. 【請求項4】中間層のポリプロピレン系樹脂が、メソペ
    ンタッド分率が60〜88%のアイソタクチックポリプ
    ロピレンを主体とした樹脂であることを特徴とする請求
    項2または3記載の積層ポリプロピレン系フイルム。
  5. 【請求項5】中間層のポリプロピレン系樹脂が、メソペ
    ンタッド分率が60〜88%のアイソタクチックポリプ
    ロピレンであることを特徴とする請求項2または3記載
    の積層ポリプロピレン系フイルム。
  6. 【請求項6】基層および表層のポリプロピレン系樹脂が
    アイソタクチックポリプロピレンであり、かつそのメソ
    ペンタッド分率が88%以上であることを特徴とする請
    求項1〜5いずれかに記載の積層ポリプロピレン系フイ
    ルム。
  7. 【請求項7】中間層の厚みが0.2〜2μmであり、か
    つ二軸配向層と一軸配向層の厚みの比が1:4〜1:1
    の範囲であることを特徴とする請求項1〜6いずれかに
    記載の積層ポリプロピレン系フイルム。
  8. 【請求項8】二軸配向層と一軸配向層の厚みの比が1:
    3〜2:3の範囲であることを特徴とする請求項7記載
    の積層ポリプロピレン系フイルム。
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