JP2000017226A - ウレタン塗料組成物 - Google Patents

ウレタン塗料組成物

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JP2000017226A
JP2000017226A JP10189089A JP18908998A JP2000017226A JP 2000017226 A JP2000017226 A JP 2000017226A JP 10189089 A JP10189089 A JP 10189089A JP 18908998 A JP18908998 A JP 18908998A JP 2000017226 A JP2000017226 A JP 2000017226A
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dispersion
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Akihito Nukita
亮人 拔田
Toshio Yamamoto
登司男 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】芳香族炭化水素系溶剤に起因する臭気や、旧塗
膜に対するリフティングなどの影響が少なく、塗膜性能
及び硬化性能に優れるウレタン塗料組成物を提供する。 【解決手段】(A)特定の分散安定アクリル樹脂と特定
の粒子成分アクリル樹脂からなる水酸基価20〜10
0、Tg−20〜60℃及び平均粒子径100〜3,0
00nmの非水分散体粒子、(B)ミネラルスピリット
希釈性が5以上のポリイソシアネート化合物及び(C)
溶解性パラメータ9.2以下、Tg−20〜50℃、水
酸基価20〜100mgKOH/g及び重量平均分子量1,0
00〜100,000のアクリル樹脂を必須成分として
含有するウレタン塗料組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウレタン塗料組成
物に関し、さらに詳しくは、粒子の分散安定性に優れて
いるとともに、低温硬化性に優れ、かつ耐候性、化学的
性能及び物理的性能などに優れる硬化塗膜を与え、建築
物の内外装用途として好適なウレタン塗料組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】アクリルウレタン系塗料は、一般に塗膜
性能が優れていることから、各種の用途に幅広く用いら
れているが、塗り替えなどの際に、旧塗膜(既設塗膜)
や、下塗り(下地塗膜)などが、ラッカー塗膜のように
耐溶剤性に劣るものである場合には、ウレタン系の上塗
りを重ね塗りすることにより、リフティングを起こすこ
とが知られている。このような欠陥を改善するための技
術として、非極性有機溶剤に可溶なアクリルポリオール
と、ポリイソシアネートとを組み合わせた塗料が知られ
ている。しかしながら、このような塗料系では、用いら
れる非極性有機溶剤中の芳香族炭化水素系溶剤の含有量
をある程度多くしないと、該ポリオールが溶剤に溶解せ
ず、あまり効果的な方法とはいえない。また、近年、環
境問題に対する意識の高まりや、悪臭防止法の改正と共
に、有機溶剤や未反応モノマー類などに起因する臭気に
対する苦情が増大化する傾向にあり、こうした問題につ
いてもその対策が急務となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、芳香族炭化水素系溶剤に起因する臭気
や、旧塗膜に対するリフティングなどの影響が少なく、
塗膜性能も従来の溶剤類を用いたものと変わらず、しか
も硬化性能にも優れる極めて実用性の高いウレタン塗料
組成物を提供することを目的としてなされたものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の優
れた性能を有するウレタン塗料組成物を開発すべく鋭意
研究を重ねた結果、特定の非水分散体粒子と、低極性有
機溶剤に対する溶解性に優れるポリイソシアネート化合
物と、特定のアクリル樹脂を必須成分として含有するウ
レタン組成物が、その目的に適合しうることを見出し、
この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、次の各項よりなる。 (1)(A)(イ)ヒドロキシル基含有α,β−不飽和
単量体単位5〜20重量%と他のα,β−不飽和単量体
単位95〜80重量%とからなる溶解性パラメータ9.
2以下及びガラス転移温度(Tg)50℃以下の分散安
定アクリル樹脂と、(ロ)ヒドロキシル基含有α,β−
不飽和単量体単位5〜20重量%と他のα,β−不飽和
単量体単位95〜80重量%とからなる溶解性パラメー
タ10.2以上の粒子成分アクリル樹脂との重量比2
0:80ないし80:20の複合体であって、水酸基価
20〜100mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)−2
0〜60℃及び平均粒子径100〜3,000nmの非
水分散体粒子、(B)ミネラルスピリットで希釈した
際、ミネラルスピリット希釈性[白濁時の溶剤量(g)
/試験試料量(g)]が5以上であるポリイソシアネー
ト化合物、及び(C)ヒドロキシル基含有α,β−不飽
和単量体単位5〜20重量%と他のα,β−不飽和単量
体単位95〜80重量%からなる溶解性パラメータ9.
2以下、ガラス転移温度(Tg)−20〜50℃、水酸
基価20〜100mgKOH/g及び重量平均分子量1,00
0〜100,000のアクリル樹脂を必須成分として含
有することを特徴とするウレタン塗料組成物。 (2)さらに、(D)成分として、酸化アルミニウム、
酸化ケイ素、酸化ジルコニウム及び酸化アンチモンの中
から選ばれた少なくとも1種の無機酸化物ゾルの分散体
を含有する第(1)項記載のウレタン塗料組成物。本発明
の望ましい実施態様として次の各項がある。 (3)(A)成分の分散安定アクリル樹脂及び粒子成分
アクリル樹脂並びに(C)成分のアクリル樹脂における
他のα,β−不飽和単量体単位が、α,β−不飽和カルボ
ン酸、そのエステル及びスチレン類の中から選ばれた少
なくとも1種の単量体から形成されるものである第
(1)、(2)項記載のウレタン塗料組成物。 (4)(A)成分と(C)成分とを、重量比30:70
ないし90:10の割合で含有する第(1)、(2)及び
(3)項記載のウレタン塗料組成物。 (5)(A)成分と(C)成分の水酸基1モルに対し、
イソシアネート基が0.2〜2.0モルになるように
(B)成分を含有させる第(1)、(2)、(3)及び(4)項
記載のウレタン塗料組成物。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のウレタン塗料組成物にお
いては、(A)成分として非水分散体粒子が用いられ
る。この非水分散体粒子は、(イ)ヒドロキシル基含有
α,β−不飽和単量体単位5〜20重量%と他のα,β−
不飽和単量体単位95〜80重量%とからなる溶解性パ
ラメータ9.2以下及びガラス転移温度(Tg)50℃
以下の分散安定アクリル樹脂と、(ロ)ヒドロキシル基
含有α,β−不飽和単量体単位5〜20重量%と他のα,
β−不飽和単量体単位95〜80重量%とからなる溶解
性パラメータ10.2以上の粒子成分アクリル樹脂との
重量比20:80ないし80:20の複合体である。そ
して、この非水分散粒子は、水酸基価が20〜100mg
KOH/gの範囲にあって、ガラス転移温度(Tg)が−
20〜60℃の範囲にあり、かつ平均粒子径が100〜
3,000nmの範囲にある。ここで、溶解性パラメー
タ(以下、Sp値ともいう)について、説明する。この
溶解性パラメータは、δ=(ΔE/V)1/2(だだし
δ:溶解性パラメータ、ΔE:モル当たりの凝集エネル
ギー、V:モル体積)によって定義される数値であっ
て、この値が近似している化合物同士は、相溶性が良好
であることを示す。アクリル樹脂のSp値は、各単量体
(モノマー)のSp値に重量基準で加成性が成立するも
のと仮定し、そして、それぞれのモノマーのSp値を、
ケイ・エル・ホイ(K.L.Hoy)著の、「ジャーナ
ル・オブ・ペイント・テクノロジー(Journal
of Paint Technology)」第42
巻、第541号、76ページ(1970)などの文献に
記載されている値を採用して計算する。例えば各モノマ
ーのSp値は、スチレン9.35、メチルメタクリレー
ト9.23、エチルアクリレート8.81、n−ブチルア
クリレート8.25、イソブチルメタクリレート8.5、
2−エチルヘキシルアクリレート7.87、2−ヒドロ
キシエチルアクリレート9.90である。また、文献値
の存在しないモノマーに対しては、上記文献に記載され
ているホイ(Hoy)の方法によって求められる計算値
(ただし、密度は1.0g/cm3と仮定して計算する)を
採用する。本発明において、(A)成分の非水分散体粒
子を構成する(イ)成分の分散安定アクリル樹脂のSp
値が9.2を超えたり、Tgが50℃を超えると非水分
散体粒子の分散安定性が低下する。この分散安定アクリ
ル樹脂において、ヒドロキシル基含有α,β−不飽和単
量体単位の含有量が5重量%未満の場合は最終生成物で
ある非水分散体粒子において所望する相溶性の改良効果
が不十分となり、また20重量%を超える場合は非水分
散体粒子の分散安定性が低下する。非水分散体粒子の相
溶性の改良効果及び分散安定性などを考慮すると、好ま
しいヒドロキシル基含有α,β−不飽和単量体単位の含
有量は、10〜15重量%の範囲である。
【0007】一方、該非水分散体粒子を構成するもう一
つの成分である(ロ)成分の粒子成分アクリル樹脂のS
p値が10.2未満では非水分散体粒子の安定性が低下
する。また、この粒子成分アクリル樹脂において、ヒド
ロキシル基含有α,β−不飽和単量体単位の含有量が5
重量%未満では所望する相溶性の改良効果が不十分であ
るし、20重量%を超えると非水分散体粒子の分散安定
性が低下する。非水分散体粒子の相溶性の改良効果及び
分散安定性などを考慮すると、好ましいヒドロキシル基
含有α,β−不飽和単量体単位の含有量は10〜15重
量%の範囲である。本発明においては、(A)成分の非
水分散体粒子は、(イ)成分の分散安定アクリル樹脂と
(ロ)成分の粒子成分アクリル樹脂との重量比が20:
80ないし80:20の範囲にあることが必要であり、
(イ)成分が前記範囲より少ないと非極性溶剤中の芳香
族炭化水素系溶剤の含有量をある程度まで大きくしない
と溶剤に溶解しにくくなる。逆に、(イ)成分が前記範
囲より多いと非水分散体粒子の分散安定性が低下する。
非水分散体粒子の分散安定性及び溶解性などを考慮する
と、(イ)成分と(ロ)成分の好ましい割合は30:7
0ないし60:40の範囲である。また、この非水分散
体粒子は、水酸基価が20〜100mgKOH/g、好まし
くは30〜80mgKOH/gの範囲である。この水酸基価
が20mgKOH/g未満では十分な架橋密度が得られず耐
薬品性などの塗膜性能が低下するし、100mgKOH/g
を超えると過剰に緻密な塗膜となり耐衝撃性等の塗膜性
能が低下する。また、Tgが−20〜60℃、好ましく
は0〜30℃の範囲である。このTgが−20℃未満で
は生成した塗膜が柔軟になり十分な硬度が得られない等
の塗膜性能が低下するし、60℃を超えると生成した塗
膜が剛直になり耐衝撃性等の塗膜性能が低下する。さら
に、平均粒子径が100〜3,000nm、好ましくは
200〜2,000nmの範囲である。この平均粒子径
が100nm未満では粘度が高くなりすぎるおそれがあ
るし、3,000nmを超えると分散安定性が低下す
る。
【0008】前記(イ)成分の分散安定アクリル樹脂及
び(ロ)成分の粒子成分アクリル樹脂において、ヒドロ
キシル基含有α,β−不飽和単量体単位を形成する単量
体としては、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメ
タクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、
3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキ
シブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリ
レート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒド
ロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルア
クリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート等が
挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上
を組み合わせて用いてもよい。一方、該(イ)成分の分
散安定アクリル樹脂及び(ロ)成分の粒子成分アクリル
樹脂において、他のα,β−不飽和単量体単位を形成す
る単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、
イタコン酸、メサコン酸、マレイン酸、フマル酸などの
α,β−不飽カルボン酸、メチルアクリレート、エチル
アクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピ
ルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチル
アクリレート、sec−ブチルアクリレート、シクロヘ
キシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、ステアリルアクリレート、メチルメタクリレート、
エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、
イソプロピルメタクリレート、sec−プロピルメタク
リレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタ
クリレート、sec−ブチルメタクリレート、シクロヘ
キシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレ
ート、ステアリルメタクリレート、2,2,2−トリフル
オロメチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロメチ
ルメタクリレートなどのα,β−不飽和カルボン酸エス
テル、スチレン、α−メチルスチレン、p−ビニルトル
エンなどのスチレン類などが好ましく挙げられる。ま
た、アクリロニトリルやメタクリロニトリルなども用い
ることができる。これらは、単独で用いてもよいし、2
種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0009】本発明における(A)成分の非水分散体粒
子には、有機溶剤として例えばn−ヘキサン、シクロヘ
キサン、メチルシクロヘキサノン、エチルシクロヘキサ
ノン、n−ヘプタン、n−オクタン、ターペン等の脂肪
族系炭化水素系溶剤が用いられる。また、一般には“ミ
ネラルスピリット”として通称されているような、芳香
族炭化水素系溶剤を30重量%程度含むような、例え
ば、LAWS[シェル社製]、A−ソルベント[商品
名、日本石油(株)製]、昭石ソルベント[商品名、昭和
石油(株)製]等や、芳香族炭化水素系溶剤を50重量%
以上含むような、例えば、スワゾール310[商品名、
丸善石油化学(株)製]、エクソン・ナフサNo.5[商
品名、エクソン(株)製]等も用いることができる。ま
た、必要に応じてベンゼン、トルエン、キシレン、エチ
ルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、酢酸メチル、酢
酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
等の酢酸エステル類、およびメタノール、エタノール、
プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブ
タノール等のアルコール類を少量加えてもよい。非水分
散体粒子はこれらの有機溶剤に(イ)成分の分散安定ア
クリル樹脂を溶解した後、得られた溶液中で粒子の原料
となるヒドロキシル基含有α,β−不飽和単量体と他の
α,β−不飽和単量体を、通常のラジカル重合法によっ
て、60〜180℃程度の温度で共重合させることによ
り、製造することができる。このようにして、得られた
非水分散体粒子液の不揮発分濃度は、30〜70重量%
程度が有利である。
【0010】本発明のウレタン塗料組成物においては、
(B)成分のポリイソシアネート化合物として、ミネラ
ルスピリットで希釈した際、ミネラルスピリット希釈性
が5以上であるものが用いられる。なお、ここでいうミ
ネラルスピリット希釈性とは、ポリイソシアネート化合
物を、ソルベッソ♯100[エクソン化学(株)製、混合
アニリン点13.5℃]で固形分濃度75重量%に希釈
した試料溶液を、白濁するまでミネラルスピリットで希
釈し、白濁時の溶剤量(g)/試験試料量(g)の値で
示したものである。このミネラルスピリット希釈性の値
が大きければ大きいほどミネラルスピリットに対する溶
解性が高いということが言える。逆に、この値が小さい
ほどミネラルスピリットに対する溶解性が低いというこ
とが言える。ここで、ミネラルスピリット希釈性が5未
満ではミネラルスピリットに対する溶解性が低く、ポリ
イソシアネート化合物が析出する。ミネラルスピリット
希釈性が5以上のポリイソシアネート化合物としては、
例えばテトラメチレンジイソシアネート、トリメチルヘ
キサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシア
ネートの変性体や、トリレンジイソシアネート、ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネ
ートなどの芳香族ジイソシアネートの変性体、イソホロ
ンジイソシアネート、4,4'−メチレンビス(シクロヘ
キシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,
4−ジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネートの
変性体などの各種ジイソシアネート化合物、及びこれら
のジイソシアネート化合物に水、エチレングリコール、
プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリ
メチロールプロパン、ヒマシ油等の低分子活性水素含有
化合物を反応させて得られる末端イソシアネート含有化
合物や上記のジイソシアネート化合物の重合体、ビュー
レット体等が挙げられる。
【0011】また、脂肪族炭化水素溶剤等のいわゆる低
極性溶剤への溶解性に優れるという点で、デュラネート
TSA−100、デュラネートTSE−100、デュラ
ネートTSS−100[商品名、いずれも旭化成工業
(株)製]や、バーノックDN−990、バーノックDN
−992、バーノックDN−995[商品名、いずれも
大日本インキ化学工業(株)]などが好ましく挙げられ
る。本発明においては、これらのポリイソシアネート化
合物は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用
いてもよい。本発明のウレタン塗料組成物においては、
(C)成分として、ヒドロキシル基含有α,β−不飽和
単量体単位5〜20重量%と他のα,β−不飽和単量体
単位95〜80重量%からなるSp値9.2以下及びガ
ラス転移温度(Tg)−20〜50℃、水酸基価20〜
100mgKOH/g及び重量平均分子量1,000〜10
0,000のアクリル樹脂が用いられる。このアクリル
樹脂のSp値が9.2を超えると低極性有機溶剤への溶
解性が低下する。また、水酸基価が20mgKOH/g未満
では十分な架橋密度が得られず、耐薬品性などの塗膜性
能が低下するし、100mgKOH/gを超えると過剰に緻
密な塗膜となり、耐衝撃性などの塗膜性能が低下する。
これらの点から、好ましい水酸基価は30〜80mgKOH
/gの範囲である。また、Tgが−20℃未満では生成
した塗膜が柔軟になり十分な硬度が得られない等の塗膜
性能が低下するし、50℃を超えると生成した塗膜が剛
直になり耐衝撃性等の塗膜性能が低下する。さらに、重
量平均分子量が1,000未満では十分な架橋密度が得
られず耐薬品性などの塗膜性能が低下するし、100,
000を超えると塗料の固形分濃度が低下し、排出有機
溶剤量が増加する。好ましい重量平均分子量は10,0
00〜80,000の範囲である。なお、この重量平均
分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法
(GPC法)により測定したスチレン換算の値である。
このアクリル樹脂において、ヒドロキシル基含有α,β
−不飽和単量体単位の含有量が、前記範囲を逸脱すると
所望の水酸基価のものが得られない。該(C)成分のア
クリル樹脂において、ヒドロキシル基含有α,β−不飽
和単量体単位及び他のα,β−不飽和単量体単位を形成
する単量体としては、それぞれ前記(A)成分の非水分
散体粒子の説明において、例示したものと同じものを挙
げることができる。
【0012】本発明のウレタン塗料組成物における各成
分の配合割合については、前記(A)成分と(C)成分
の配合割合は、通常重量比で30:70ないし90:1
0、好ましくは40:60ないし80:20の範囲で選
ばれる。ここで、(A)成分と(C)成分の配合割合が
30:70未満である場合、生成した塗膜が柔軟になり
十分な硬度が得られない等の塗膜性能が低下する。ま
た、90:10を超える場合は、塗装時の塗料の流動性
が悪くなり、鮮映性が低下する。また、(B)成分は、
前記(A)成分と(C)成分中の水酸基1モルに対し、
イソシアネート基が0.2〜2.0モルになるように用い
るのが好ましく、特に0.5〜1.5モルになるように用
いるのが好ましい。イソシアネート基の量が0.2モル
未満では所望の塗膜性能が得られにくいし、2.0モル
を超えると塗膜の形成時で発泡したり、乾燥性が低下す
るおそれがある。本発明のウレタン塗料組成物において
は、リコート性、低臭性、低毒性に優れるが、耐汚染
性、汚染除去性を付与する目的で、さらに、(D)成分
として酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウ
ムおよび酸化アンチモンの中から選ばれた少なくとも1
種類の無機酸化物ゾルの分散体を含有させることができ
る。かかる無機酸化物ゾルの分散体は固形分として、塗
料組成物の固形分量に基づき、0.1〜40.0重量%の
割合で含有させることが好ましい。これら無機酸化物ゾ
ルの中で好ましいものは酸化ケイ素ゾルである。酸化ケ
イ素ゾルの分散体は、四ハロゲン化ケイ素を水中に加え
る、ケイ酸ナトリウム水溶液に酸を加える等の方法で得
ることができる。また、市販品としては、例えば、水系
分散体として、スノーテックス−O[商品名、日産化学
工業(株)製]やスノーテックス−N[商品名、日産化学
工業(株)製]などが、有機分散体としては、スノーテッ
クスMIBK−ST[商品名、日産化学工業(株)製]等
が挙げられる。ここで、(D)成分の無機酸化物ゾルの
分散体が塗料固形分に対して0.1重量%未満である場
合は、所望の塗膜性能が得られにくく、逆に40重量%
を超える場合は、過剰に緻密な塗膜となり、耐衝撃性等
の塗膜性能が低下するため好ましくない。
【0013】無機酸化物ゾルの分散体は、シランカップ
リング剤で表面処理したものが好適であり、特に酸化ケ
イ素ゾルの分散体をシランカップリング剤で表面処理し
たものが好ましい。この表面処理された無機酸化物ゾル
の分散体は、その粒子表面に種々の官能基を導入するこ
とができるため、本発明のウレタン塗料組成物において
使用する際、アクリル樹脂やポリイソシアネート化合物
等の有機成分と化学的に結合することが容易になる。こ
のように化学的に結合した場合は、化学的に結合しない
場合に比べて塗膜の架橋が強固になり、耐汚染性、汚染
除去性、耐候性等が向上する。シランカップリング剤と
しては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン
等が挙げられ、好ましくは、メチルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランで
あり、特に好ましくはメチルトリメトキシシラン、ジメ
チルジメトキシシランである。また、市販品としては、
A−162、A−163、AZ−6122[いずれも商
品名、日本ユニカー(株)製]等が挙げられる。これらの
シランカップリング剤は、1種又は2種以上を組み合わ
せて用いることができる。シランカップリング剤で表面
処理する場合、シランカップリング剤の配合量は、無機
酸化物ゾルの不揮発分に対して1〜40重量%が好まし
く、5〜30重量%がより好ましい。本発明のウレタン
塗料組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、
所望により、従来公知の塗料用添加物、例えば顔料、溶
剤、添加剤、反応促進剤などを含有させることができ
る。本発明のウレタン塗料組成物を塗布する基材として
は、特に限定されるものではなく、種々の基材を用いる
ことができ、例えば、木、ガラス、金属、布、プラステ
ィック、発泡体、弾性体、紙、セラミック、コンクリー
ト、石膏ボード等の有機素材や無機素材等が挙げられ
る。これらの基材は、予め表面処理されたものでもよい
し、予め表面に塗膜が形成されたものでもよい。本発明
のウレタン塗料組成物を塗布することにより得られる塗
装物品としては、例えば、建築物、構造物、木製品、金
属製品、プラスティック製品、ゴム製品、加工紙、セラ
ミック製品、ガラス製品等が挙げられる。
【0014】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。なお、実施例及び比較例における
塗膜性能は次のようにして求めた。 (1)乾燥性 塗装直後に試験板を温度20℃、湿度75%RHの恒温
恒湿室に静置し、静置8時間後、及び16時間後の塗膜
表面にガーゼを8枚重ねたものをのせ、その上に200
gのおもりを1分間のせ、その直後のガーゼ跡を目視観
察により次の基準に従い評価した。 ○:ガーゼの跡が全くない △:ガーゼの跡が少しある ×:ガーゼの跡が著しく残る (2)鉛筆硬度 試験板を温度20℃、湿度75%RHの恒温恒湿室にて
7日間放置後、同温度において鉛筆引っかき試験を行
い、塗膜に傷がつく鉛筆の硬さを調べた。 (3)付着性 JIS K-5400(1990)8.5.1碁盤目法に準
じて付着試験を行い、点数で評価した。10点満点で、
点数が高いほど、付着性が良いことを示す。 (4)耐湿性 試験片を相対湿度95%以上で、40±1℃の条件下に
て240時間曝した後、取り出し2時間後の試験片の表
面状態を目視観察し、次の規準に従い評価した。 ○:原状試験片と比較して、ツヤ、表面状態に変化がな
い △:原状試験片と比較して、ツヤの変化、ふくれ(ブリ
スター)が少しある ×:原状試験片と比較して、ツヤの変化、ふくれ(ブリ
スター)が顕著にある (5)耐酸・耐アルカリ性 0.2Nの硫酸水溶液、又は0.2Nの水酸化ナトリウム
水溶液を0.2mlスポットし、20℃で24時間後の塗
膜表面の異常を目視判定した。 ○:異常なし ×:異常有り (6)耐溶剤性 ラビングテスターを用いた。キシレンにて2kgの荷重を
かけ100往復ラビングを行い、塗膜の表面を目視にて
判定した。 ○:異常なし ×:異常有り (7)耐衝撃性 JIS K-5400(1990)8.3.2に準じ、デュ
ポン衝撃試験機を用いて撃心1/2インチ、荷重500
gの条件下で試験を行い、塗膜損傷を生じない最大高さ
(cm)で示した。 (8)促進耐候性 サンシャインカーボンアーク灯式(JIS K-5400
(1990)9.8.1)を用いて、1,000時間又は
3,000時間曝露後の、塗膜の60度光沢度値(JI
S K-5400(1990)7.6 鏡面光沢度)を測
定し、塗膜の異常を目視にて判定、又は未曝露時の光沢
度値と比較した。 ○:塗膜に変化がなく、光沢保持率が80%を超える △:塗膜にツヤがなくなり、光沢保持率が40〜80% ×:塗膜にワレ等が発生し、光沢保持率が40%未満 (9)鮮映性 目視観察により、次の規準に従い評価した。 ○:塗膜に蛍光灯を映すと、蛍光灯が鮮明に映る △:塗膜に蛍光灯を映すと、蛍光灯の周囲(輪郭)がやや
ぼやける ×:塗膜に蛍光灯を映すと、蛍光灯の周囲(輪郭)が顕著
にぼやける (10)臭気性 5名による官能テストの結果。 ○:臭気なし △:僅かに臭気あり ×:臭気あり (11)リコート性 旧塗膜に対するリコート性は、1年間の天然曝露後の旧
塗膜(既設塗膜)の上に、それぞれの塗料を、各別に塗
装した後の塗膜の状態を目視により判定。 ○:異常なし △:ある程度のリフティング現象が認められる ×:著しくリフティング現象が認められる (12)耐油性マーカー汚染性 油性マーカーで試験片の塗膜上に線を引き、80℃で5
時間加熱した後、キシレンを染み込ませたネルによりそ
の線を拭き取った後の表面状態の変化を目視観察し、次
の基準に従い油性マーカー汚染性を評価した。 ○:試験片の油性マーカーの線が完全に拭き取られ痕跡
が残っていない △:試験片の油性マーカーの線の痕跡が僅かに残る ×:試験片の油性マーカーの線の痕跡がはっきり残る
【0015】製造例1 (A)成分の非水分散体粒子A−1溶液の製造 [1]分散安定アクリル樹脂A−(イ)−1溶液の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた四つ
口フラスコに、ミネラルスピリット1,800.0g及び
「ソルベッソ100」190.0gを仕込み、撹拌下で
加熱し140℃を保った。次に140℃の温度で、下記
組成の混合物を一定の速度で2時間かけて滴下し、さら
に2時間保持することにより、不揮発分60重量%で、
Tgが10℃、Sp値が8.95である分散安定アクリ
ル樹脂A−(イ)−1溶液を得た。 アクリル酸 12.0g 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 315.0g スチレン 900.0g イソブチルメタクリレート 150.0g 2−エチルヘキシルメタクリレート 1,260.0g 2−エチルヘキシルアクリレート 363.0g t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキソエート 10.0g [2]非水分散体粒子A−1液の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた四つ
口フラスコに、前記[1]の分散安定剤アクリル樹脂A
−(イ)−1溶液500.0g及びミネラルスピリット
192.0gを仕込み、撹拌下で加熱して95℃に保持
した。次に95℃の温度で下記組成の混合物を一定の速
度で2時間かけて滴下し、さらに2時間保持することに
よって不揮発分60重量%で、分散安定アクリル樹脂/
粒子成分アクリル樹脂重量比50/50からなる非水分
散体粒子A−1を含有する、不揮発分60重量%、25
℃における粘度0.3ポイズの乳白色液(非水分散体粒
子A−1液)を得た。 アクリル酸 1.2g 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 34.8g メチルメタクリレート 141.0g ブチルアクリレート 78.0g スチレン 45.0g t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキソエート 8.0g 製造例2 (A)成分の非水分散体粒子A−2液の製造 [1]分散安定アクリル樹脂A−(イ)−2溶液の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた四つ
口フラスコに、ミネラルスピリット1,800.0g、及
び「ソルベッソ100」190.0gを仕込み、撹拌下
で加熱し140℃を保った。次に140℃の温度で下記
組成の混合物を一定の速度で2時間かけて滴下し、さら
に2時間保持することにより、不揮発分60重量%でT
gが10℃、Sp値が8.15である分散安定アクリル
樹脂A−(イ)−2溶液を得た。 アクリル酸 12.0g 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 315.0g スチレン 750.0g イソブチルメタクリレート 258.0g 2−エチルヘキシルメタクリレート 795.0g 2−エチルヘキシルアクリレート 420.0g ブチルメタクリレート 450.0g t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキソエート 10.0g [2]非水分散体粒子A−2液の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた四つ
口フラスコに、前記[1]の分散安定剤溶液A−(イ)
−2溶液500.0g及びミネラルスピリット192.0
gを仕込み、撹拌下で加熱して95℃に保持した。次に
95℃の温度で下記組成の混合物を一定の速度で2時間
かけて滴下し、さらに2時間保持することによって不揮
発分60重量%で、25℃における粘度が0.3ポイズ
である乳白色の非水分散体粒子A−2液を得た。 アクリル酸 1.2g 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 34.8g メチルメタクリレート 157.0g ブチルアクリレート 77.7g スチレン 30.0g t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキソエート 8.0g
【0016】製造例3 (A)成分の非水分散体粒子A−3液の製造 [1]非水分散体粒子A−3液の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた四つ
口フラスコに、製造例1[1]で得られた分散安定アク
リル樹脂A−(イ)−1溶液500.0g及びミネラル
スピリット192.0gを仕込み、撹拌下で加熱して9
5℃に保持した。次に95℃の温度で、製造例2[2]
で用いたモノマー混合物と同一液を一定の速度で2時間
かけて滴下し、さらに2時間保持することによって不揮
発分60重量%で、25℃における粘度が0.3ポイズ
である乳白色の非水分散体A−3液を得た。 製造例4 (A)成分の非水分散体粒子A−4液の製造 [1]非水分散体粒子A−4液の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた四つ
口フラスコに、製造例1[1]で得られた分散安定アク
リル樹脂A−(イ)−1溶液500.0g及びミネラル
スピリット192.0gを仕込み、撹拌下で加熱して9
5℃に保持した。次に、95℃の温度で下記組成の混合
物を一定の速度で2時間かけて滴下し、さらに2時間保
持することによって、不揮発分60重量%で、25℃に
おける粘度が0.3ポイズである乳白色の非水分散体粒
子A−4液を得た。 アクリル酸 1.2g 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 34.8g メチルメタクリレート 216.0g ブチルアクリレート 48.0g t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキソエート 8.0g 製造例5 (A)成分の非水分散体粒子A−5液の製造 [1]分散安定剤溶液A−(イ)−3溶液の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた四つ
口フラスコに、ミネラルスピリット1,800.0g及び
「ソルベッソ100」190.0gを仕込み、撹拌下で
加熱し140℃を保った。次に140℃の温度で、下記
組成の混合物を一定の速度で2時間かけて滴下し、さら
に2時間保持することにより、不揮発分60重量%で、
Tgが10℃、Sp値が9.18である分散安定剤溶液
A−(イ)−3を得た。 アクリル酸 12.0g 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 315.0g スチレン 600.0g イソブチルメタクリレート 438.0g 2−エチルヘキシルメタクリレート 780.0g 2−エチルヘキシルアクリレート 405.0g ブチルメタクリレート 450.0g t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキソエート 10.0g [2]非水分散体粒子A−5液の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた四つ
口フラスコに、前記[1]の分散安定アクリル樹脂A−
(イ)−3溶液500.0g、及びミネラルスピリット
192.0gを仕込み、撹拌下で加熱し95℃を保持し
た。次に95℃の温度で下記組成の混合物を一定の速度
で2時間かけて滴下し、更に2時間保持することによっ
て不揮発分60重量%で、25℃における粘度が0.3
ポイズである乳白色の非水分散粒子A−5液を得た。 アクリル酸 1.2g 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 34.8g メチルメタクリレート 166.0g ブチルアクリレート 78.0g スチレン 20.0g t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキソエート 8.0g 以上、製造例1〜5の分散安定アクリル樹脂および粒子
成分アクリル樹脂の配合並びに各特性値を第1表に示
す。
【0017】
【表1】
【0018】[注] AA:アクリル酸 HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート St:スチレン IBMA:イソブチルメタクリレート EHMA:2−エチルヘキシルメタクリレート EHA:2−エチルヘキシルアクリレート BMA:ブチルメタクリレート MMA:メチルメタクリレート BA:ブチルアクリレート
【0019】製造例6〜8 (C)成分のアクリル樹脂C−1、C−2、およびC−
3溶液の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた四つ
口フラスコに、それぞれ初期仕込み溶剤(キシレン)を
仕込み、撹拌下で加熱し、140℃に保持した。つぎに
140℃の温度で、第2表記載の組成の単量体及び重合
開始剤混合物(滴下成分)を2時間かけて滴下ロートよ
り等速滴下した。滴下終了後、100℃の温度を1時間
保持し、第2表記載の組成の重合開始剤溶液(追加触
媒)を添加し、さらに100℃の温度を2時間保持した
ところで反応を終了し、それぞれ第2表記載の特性を有
する化合物C−1、C−2、及びC−3溶液を得た。
【0020】
【表2】
【0021】実施例1〜6 (1)塗料の製造 第3表−1記載の成分のうち、(C)成分、および他の
成分である二酸化チタンを混合し、サンドミルに仕込ん
だ。粒度が10μm以下になるまで分散させて得られた
分散体に、第2表記載の(A)成分、及び(B)成分加
えて混合し、生塗料とした。次いで、この生塗料をミネ
ラルスピリットで塗装粘度(フォードカップNo.4、
20℃で20秒)に希釈して塗料を製造した。 (2)試験片の作成及び塗膜性能の評価 ボンデ鋼板に下塗り塗料エピコマリンプライマー赤錆
[商品名、日本油脂(株)製]を乾燥膜厚40μmとなる
ようにエアースプレー塗装し、温度20℃、湿度75%
RHの恒温恒湿室にて24時間放置した。次に、中塗り
塗料エピコマリン中塗り白[商品名、日本油脂(株)製]
を乾燥膜厚40μmとなるようにエアースプレー塗装
し、温度20℃、湿度75%RHの恒温恒湿室にて24
時間放置したものを試験片とした。さらに、(1)で作
成した希釈塗料を乾燥膜厚30μmとなるようにエアー
スプレー塗装し、温度20℃、湿度75%RHの恒温恒
湿室にて168時間放置(乾燥性試験用試験片は8時
間、及び16時間放置)して試験片を作成し塗膜性能を
評価した。第3表−1に実施例1〜6の塗料配合を示
す。塗膜性能を第4表−1に示すが、いずれの場合も均
一でツヤのある塗膜が得られ、優れた乾燥性、付着性、
耐湿性、耐衝撃性、耐酸・耐アルカリ性、促進耐候性を
示した。
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】[注] 1)商品名、旭化成工業(株)製 2)商品名、大日本インキ化学工業(株)製 3)二酸化チタンJR−602:商品名、帝国化工(株)
製、ルチル型二酸化チタン 4)無機酸化物ゾル スノーテックスMIBK−ST:
商品名、日産化学工業(株)製
【0025】
【表5】
【0026】
【表6】
【0027】実施例7〜10 (1)塗料の製造 第3表−1記載の成分のうち、(C)成分、および他の
成分である二酸化チタンを混合し、サンドミルに仕込ん
だ。粒度が10μm以下になるまで分散させて得られた
分散体に、第3表記載の(A)成分、(B)成分に
(D)成分を加えて混合し、生塗料とした。次いで、こ
の生塗料をミネラルスピリットで塗装粘度(フォードカ
ップNo.4、20℃で20秒)に希釈して塗料を製造
した。 (2)試験片の作成及び塗膜性能の評価 試験片の作成は、実施例1〜6と同様の方法によるもの
とし、第3表−2に実施例7〜10の塗料配合、第4表
−2に塗料性能を示す。いずれの場合も均一でツヤのあ
る塗膜が得られ、優れた乾燥性、付着性、耐湿性、耐衝
撃性、耐酸・耐アルカリ性、促進耐候性、低汚染性を示
した。 比較製造例1 (1)分散安定アクリル樹脂A−(イ)−4溶液の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた四つ
口フラスコに、ミネラルスピリット1,800.0g、及
び「ソルベッソ100」190.0gを仕込み、撹拌下
で加熱し140℃を保持した。次に140℃の温度で下
記組成の混合物を一定の速度で2時間かけて滴下し、更
に2時間保持することによって不揮発分60重量%でT
gが10℃、Sp値が8.95である分散安定アクリル
樹脂A−(イ)−4溶液を得た。 アクリル酸 12.0g スチレン 900.0g イソブチルメタクリレート 195.0g 2−エチルヘキシルメタクリレート 411.0g 2−エチルヘキシルアクリレート 486.0g ブチルメタクリレート 996.0g t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキソエート 10.0g (2)非水分散体粒子A−6液の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた四つ
口フラスコに、前記(1)で得られた分散安定剤溶液A
−(イ)−6溶液500.0g、及びミネラルスピリッ
ト192.0gを仕込み、撹拌下で加熱し95℃に保持
した。次に95℃の温度で下記組成の混合物を一定の速
度で2時間かけて滴下し、さらに2時間保持することに
よって不揮発分60重量%で、25℃における粘度が
0.3ポイズである乳白色の非水分散体粒子A−6液を
得た。 メチルメタクリレート 37.5g ブチルアクリレート 165.0g エチルアクリレート 54.0g アクリロニトリル 43.5g t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキソエート 8.0g 比較製造例2 (1)非水分散体粒子A−7液の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた四つ
口フラスコに、製造例1[1]で得られた分散安定剤溶
液A−(イ)−1溶液500.0g、およびミネラルス
ピリット192.0gを仕込み、撹拌下で加熱し95℃
に保持した。次に95℃の温度で下記組成の混合物を一
定の添加速度で2時間かけて滴下し、さらに2時間保持
することによって不揮発分60重量%で、25℃におけ
る粘度が0.3ポイズである乳白色の非水分散体粒子A
−7液を得た。 アクリル酸 1.2g 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 83.7g メチルメタクリレート 150.0g ブチルアクリレート 65.1g t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキソエート 8.0g
【0028】
【表7】
【0029】[注] EA:エチルアクリレート AN:アクリロニトリル その他の記号は、第1表の脚注と同じである。
【0030】比較例1〜3 (1)塗料の製造 第6表に記載の成分のうち、(C)成分、およびその他
の成分である二酸化チタンを混合し、サンドミルに仕込
んだ。粒度が10μm以下になるまで分散させて得られ
た分散体に、(B)成分、及び(A)成分を加えて混合
し、生塗料とした。次いで、この生塗料をミネラルスピ
リットで塗装粘度(フォードカップNo.4、20℃で
20秒)に希釈して塗料を製造した。 (2)試験片の作成及び塗膜性能の検討 ボンデ鋼板に下塗り塗料エピコマリンプライマー赤錆
[商品名、日本油脂(株)製]を乾燥膜厚40μmとなる
ようにエアースプレー塗装し、温度20℃、湿度75%
RHの恒温恒湿室にて24時間放置した。次に、中塗り
塗料エピコマリン中塗り白[商品名、日本油脂(株)製]
を乾燥膜厚40μmとなるようにエアースプレー塗装
し、温度20℃、湿度75%RHの恒温恒湿室にて24
時間放置したものを試験片とした。さらに、(1)で作
成した希釈塗料を乾燥膜厚30μmとなるようにエアー
スプレー塗装し、温度20℃、湿度75%RHの恒温恒
湿室にて168時間放置(乾燥性試験用試験片は8時
間、及び16時間放置)して試験片を作成した。第6表
に比較例1〜3の塗料配合を示す。塗膜性能を第7表に
示すが、いずれの場合も均一でツヤのある塗膜が得られ
たが、満足するような塗膜性能を得ることができなかっ
た。
【0031】
【表8】
【0032】[注] 1)商品名、旭化成工業(株)製 2)商品名、大日本インキ化学工業(株)製 3)二酸化チタンJR−602:商品名、帝国化工(株)
製、ルチル型二酸化チタン
【0033】
【表9】
【0034】
【発明の効果】本発明のウレタン塗料組成物は、低温硬
化性に優れ、耐候性、化学性能、物理性能に優れる硬化
物を与えると共に、粒子の分散安定性に優れている。ま
た、本発明に用いられる非水系重合体分散液は、幅広い
極性範囲の樹脂と相溶することから塗料設計の自由度が
増し、極めて多種多様な分野への応用が可能である。特
に上塗り塗料として用いた場合は、優れた仕上がり外観
を有すると共に、脂肪族炭化水素系溶剤を用いることに
より低毒性、低臭性、リコート性、耐汚染性、汚染除去
性を有することができることから、建築外装・内装分野
において極めて有用である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J034 BA07 CA04 CA05 CB03 CB04 CB07 CC03 CE01 DA01 DB03 DB07 DD07 DP03 DP04 DP13 DP18 EA12 HA01 HA02 HA07 HB08 HC03 HC12 HC17 HC22 HC46 HC52 HC61 HC64 HC67 HC71 HC73 JA03 JA14 JA19 JA30 MA03 MA04 QA02 QA05 QB03 QB19 QC05 RA07 4J038 DG191 DG261 DG271 DG281 DG321 GA03 HA216 HA446 KA06 MA13 MA14 MA16 NA23 NA25 NA27

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(イ)ヒドロキシル基含有α,β−
    不飽和単量体単位5〜20重量%と他のα,β−不飽和
    単量体単位95〜80重量%とからなる溶解性パラメー
    タ9.2以下及びガラス転移温度(Tg)50℃以下の
    分散安定アクリル樹脂と、(ロ)ヒドロキシル基含有
    α,β−不飽和単量体単位5〜20重量%と他のα,β−
    不飽和単量体単位95〜80重量%とからなる溶解性パ
    ラメータ10.2以上の粒子成分アクリル樹脂との重量
    比20:80ないし80:20の複合体であって、水酸
    基価20〜100mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)
    −20〜60℃及び平均粒子径100〜3,000nm
    の非水分散体粒子、(B)ミネラルスピリットで希釈し
    た際、ミネラルスピリット希釈性[白濁時の溶剤量
    (g)/試験試料量(g)]が5以上であるポリイソシ
    アネート化合物、及び(C)ヒドロキシル基含有α,β
    −不飽和単量体単位5〜20重量%と他のα,β−不飽
    和単量体単位95〜80重量%からなる溶解性パラメー
    タ9.2以下、ガラス転移温度(Tg)−20〜50
    ℃、水酸基価20〜100mgKOH/g及び重量平均分子
    量1,000〜100,000のアクリル樹脂を必須成分
    として含有することを特徴とするウレタン塗料組成物。
  2. 【請求項2】さらに、(D)成分として、酸化アルミニ
    ウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム及び酸化アンチモ
    ンの中から選ばれた少なくとも1種の無機酸化物ゾルの
    分散体を含有する請求項1記載のウレタン塗料組成物。
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