JP2000015051A - 排煙脱硫装置の吸収塔ブリード液流量制御方法 - Google Patents

排煙脱硫装置の吸収塔ブリード液流量制御方法

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JP2000015051A
JP2000015051A JP10190145A JP19014598A JP2000015051A JP 2000015051 A JP2000015051 A JP 2000015051A JP 10190145 A JP10190145 A JP 10190145A JP 19014598 A JP19014598 A JP 19014598A JP 2000015051 A JP2000015051 A JP 2000015051A
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absorption tower
flow rate
gypsum
liquid flow
bleed liquid
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JP10190145A
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Kiyohito Otsubo
清仁 大坪
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IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 石膏シックナのオーバフロー水中に含まれる
懸濁物質の濃度上昇を抑制することができ、脱水性能の
低下を回避し得、且つ排水処理装置側での負担を軽減し
て運転費用削減を図り得る排煙脱硫装置の吸収塔ブリー
ド液流量制御方法を提供する。 【解決手段】 石膏シックナ単位断面積当りの煤塵流入
量73を吸収塔内煤塵濃度74で割り、その商75を出
力する除算器76と、該除算器76から出力される商7
5に対し石膏シックナ断面積77を掛けることにより、
吸収塔ブリード液流量上限設定値64’を求めて低選択
器66へ出力する乗算器78とを制御器41内に追加装
備し、前記吸収塔ブリード液流量上限設定値64’を越
えないように実際の吸収塔ブリード液流量29を制御す
るよう構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排煙脱硫装置の吸
収塔ブリード液流量制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、発電所等においては、石炭焚ボ
イラ等から排出される排ガスからSO 2(硫黄酸化物)
を吸収除去するために、吸収剤として炭酸カルシウム
(CaCO3)を用いた排煙脱硫装置が設けられるが、
該排煙脱硫装置は、通常、図3に示されるように、下部
に吸収液1の液溜部1aが形成され且つ上部に多数のス
プレーノズル2が配設された吸収塔3と、該吸収塔3の
液溜部1aの吸収液1を汲み上げ前記スプレーノズル2
から噴霧させて循環させる複数台の循環ポンプ4と、前
記吸収塔3の液溜部1aに酸化空気を供給する酸化空気
ブロワ5と、前記吸収塔3の液溜部1aから抜き出され
る吸収塔ブリード液1’より石膏6を回収する石膏回収
装置7とを備えてなる構成を有している。
【0003】前記石膏回収装置7は、吸収塔3の液溜部
1aから抜出ライン8を介して抜き出される吸収塔ブリ
ード液1’に、中和剤供給ライン9を介して供給される
苛性ソーダ(NaOH)等の中和剤を添加する中和タン
ク10と、該中和タンク10で中和された吸収塔ブリー
ド液11が中和吸収液ライン12を介して導入され、該
吸収塔ブリード液11中の固形分を沈降させ且つ上澄み
のオーバフロー水13を排水ライン14を介して排水処
理装置15へ導く石膏シックナ16と、該石膏シックナ
16で沈降させた固形分を含むスラリー17がスラリー
ライン18を介して導入され、該スラリー17を脱水し
て石膏6と濾液19に分離し且つ該石膏6と分離された
濾液19を濾液ライン20を介して前記石膏シックナ1
6へ導く石膏脱水機21とを備えている。尚、前記スラ
リーライン18の途中には、前記石膏シックナ16から
石膏脱水機21へ導入されるスラリー17が一時的に貯
留される石膏脱水機供給タンク22を設け、前記濾液ラ
イン20の途中には、前記石膏脱水機21から石膏シッ
クナ16へ戻される濾液19が一時的に貯留される石膏
脱水機排水ピット23を設け、前記排水ライン14の途
中には、前記石膏シックナ16から排水処理装置15へ
排出されるオーバフロー水13が一時的に貯留されるオ
ーバフロー水タンク24を設けてある。又、前記中和剤
供給ライン9の途中には、前記中和タンク10へ供給さ
れる中和剤の流量を調整する流量調整弁25を設け、前
記中和タンク10には、該中和タンク10内の吸収塔ブ
リード液11のpHを検出し且つ該pHが予め設定され
たpH設定値(通常は7.0)となるよう前記流量調整
弁25に開度指令26を出力するpH指示調節計27を
設けてある。
【0004】前述の如き排煙脱硫装置の場合、吸収液1
が循環ポンプ4の作動によりスプレーノズル2から噴霧
されつつ循環しており、図示していない石炭焚ボイラ等
から吸収塔3に送り込まれた排ガスは、前記スプレーノ
ズル2から噴霧される吸収液1と接触することにより、
SO2(硫黄酸化物)が吸収除去された後、外部へ排出
される。
【0005】一方、前記排ガスからSO2を吸収した吸
収液1は、液溜部1aに滴下し、酸化空気ブロワ5の作
動によって液溜部1a内へ供給される酸化空気により強
制的に酸化され、石膏(硫酸カルシウム(CaS
4))が生成され、該石膏を含む液溜部1a内の吸収
液1の一部は吸収塔ブリード液1’として、抜出ライン
8を介して前記石膏回収装置7の中和タンク10へ抜き
出され、該中和タンク10において、中和剤供給ライン
9を介して供給される苛性ソーダ(NaOH)等の中和
剤により中和され、該中和タンク10で中和された吸収
塔ブリード液11は、中和吸収液ライン12を介して石
膏シックナ16へ導入され、該石膏シックナ16におい
て前記吸収塔ブリード液11中の固形分が沈降し、該固
形分を含むスラリー17は、スラリーライン18と石膏
脱水機供給タンク22を介して石膏脱水機21へ導入さ
れ、該石膏脱水機21において前記スラリー17が脱水
されて石膏6と濾液19に分離され、該石膏6と分離さ
れた濾液19は、濾液ライン20と石膏脱水機排水ピッ
ト23を介して前記石膏シックナ16へ戻され、該石膏
シックナ16における上澄みのオーバフロー水13は、
排水ライン14とオーバフロー水タンク24を介して排
水処理装置15へ導かれ、該排水処理装置15において
硝化菌の作用により有害な窒素化合物が分解され、且つ
COD(化学的酸素要求量)で表わされる還元性物質が
高分子材料からなる吸着樹脂により吸着された後、外部
へ排出される。
【0006】又、前記吸収塔3には、必要に応じて適
宜、所要量の吸収剤スラリーが吸収剤スラリー供給ライ
ン28から供給されるようになっている。
【0007】ところで、前述の如き排煙脱硫装置におい
ては、吸収塔3の液溜部1aから石膏回収装置7の中和
タンク10へ抜き出される吸収塔ブリード液1’の流量
は、抜出ライン8途中に設けた吸収塔ブリード液流量調
整弁39の開度を調整することによって制御されるよう
になっているが、その制御系は、吸収塔3の液溜部1a
から石膏回収装置7の中和タンク10へ抜き出される吸
収塔ブリード液流量29を検出する吸収塔ブリード液流
量計30と、脱硫ガス流量31を検出する脱硫ガス流量
計32と、吸収塔入口SO2濃度33を検出する吸収塔
入口SO2濃度計34と、抜出ライン8途中から分岐し
吸収塔ブリード液1’の一部を吸収塔3へ戻すための戻
しライン8’途中に設けられ、吸収塔ブリード液1’の
スラリー濃度35を検出するスラリー濃度計36と、吸
収塔3の液溜部1aのレベル37を検出するレベル計3
8と、前記吸収塔ブリード液流量計30で検出された吸
収塔ブリード液流量29と、前記脱硫ガス流量計32で
検出された脱硫ガス流量31と、前記吸収塔入口SO 2
濃度計34で検出された吸収塔入口SO2濃度33と、
前記スラリー濃度計36で検出されたスラリー濃度35
と、前記レベル計38で検出されたレベル37とが入力
され、前記吸収塔ブリード液流量調整弁39へ開度指令
40を出力する制御器41とを備えてなる構成を有して
いる。
【0008】前記制御器41は、図4に示される如く、
前記吸収塔入口SO2濃度計34で検出された吸収塔入
口SO2濃度33に対して設定脱硫率42(例えば90
[%])を掛けることにより、脱硫SO2濃度43を求
めて出力する乗算器44と、前記脱硫ガス流量計32で
検出された脱硫ガス流量31に対して前記乗算器44か
ら出力される脱硫SO2濃度43を掛けることにより、
排ガス中から吸収すべきSO2量45を求めて出力する
乗算器46と、前記乗算器46から出力される吸収すべ
きSO2量45に対して所望の換算係数47を掛けるこ
とにより、吸収塔ブリード液流量設定値48を出力する
乗算器49と、前記スラリー濃度計36で検出されたス
ラリー濃度35とスラリー濃度設定値50(例えば、1
5[wt%])との差を求め、スラリー濃度偏差51を
出力する減算器52と、該減算器52から出力されるス
ラリー濃度偏差51を比例積分処理して該スラリー濃度
偏差51をなくすために必要となる吸収塔ブリード液流
量換算補正値53を出力する比例積分調節器54と、前
記乗算器49から出力される吸収塔ブリード液流量設定
値48に対して前記比例積分調節器54から出力される
吸収塔ブリード液流量換算補正値53を加えることによ
り、吸収塔ブリード液流量補正設定値55を求めて出力
する加算器56と、前記レベル計38で検出された吸収
塔3の液溜部1aのレベル37とレベル設定値57(例
えば、9.5[m])との差を求め、レベル偏差58を
出力する減算器59と、該減算器59から出力されるレ
ベル偏差58を比例積分処理して該レベル偏差58をな
くすために必要となる吸収塔ブリード液流量設定値60
を出力する比例積分調節器61と、前記加算器56から
出力される吸収塔ブリード液流量補正設定値55と前記
比例積分調節器61から出力される吸収塔ブリード液流
量設定値60とのうち高い方を選択し、吸収塔ブリード
液流量設定値62として出力する高選択器63と、該高
選択器63から出力される吸収塔ブリード液流量設定値
62と吸収塔ブリード液流量上限設定値64とのうち低
い方を選択し、吸収塔ブリード液流量設定値65として
出力する低選択器66と、該低選択器66から出力され
る吸収塔ブリード液流量設定値65と吸収塔ブリード液
流量下限設定値67とのうち高い方を選択し、吸収塔ブ
リード液流量設定値68として出力する高選択器69
と、該高選択器69から出力される吸収塔ブリード液流
量設定値68と前記吸収塔ブリード液流量計30から出
力される吸収塔ブリード液流量29との差を求め、吸収
塔ブリード液流量偏差70を出力する減算器71と、該
減算器71から出力される吸収塔ブリード液流量偏差7
0を比例積分処理して該吸収塔ブリード液流量偏差70
をなくすための開度指令40を吸収塔ブリード液流量調
整弁39へ出力する比例積分調節器72とを備えてなる
構成を有している。
【0009】前記排煙脱硫装置の運転時には、前記吸収
塔ブリード液流量計30で検出された吸収塔ブリード液
流量29と、前記脱硫ガス流量計32で検出された脱硫
ガス流量31と、前記吸収塔入口SO2濃度計34で検
出された吸収塔入口SO2濃度33と、前記スラリー濃
度計36で検出されたスラリー濃度35と、前記レベル
計38で検出されたレベル37とが制御器41へ入力さ
れ、該制御器41の乗算器44において前記吸収塔入口
SO2濃度計34で検出された吸収塔入口SO2濃度33
に対して設定脱硫率42を掛けることにより、脱硫SO
2濃度43が求められて乗算器46へ出力され、該乗算
器46において前記脱硫ガス流量計32で検出された脱
硫ガス流量31に対して前記乗算器44から出力される
脱硫SO2濃度43を掛けることにより、排ガス中から
吸収すべきSO2量45が求められて乗算器49へ出力
され、該乗算器49において前記乗算器46から出力さ
れるSO2量45に対して換算係数47を掛けることに
より、吸収塔ブリード液流量設定値48が加算器56へ
出力される。
【0010】又、前記制御器41の減算器52において
は、前記スラリー濃度計36で検出されたスラリー濃度
35とスラリー濃度設定値50との差が求められ、スラ
リー濃度偏差51が比例積分調節器54へ出力され、該
比例積分調節器54において、前記減算器52から出力
されるスラリー濃度偏差51が比例積分処理されて該ス
ラリー濃度偏差51をなくすために必要となる吸収塔ブ
リード液流量換算補正値53が前記加算器56へ出力さ
れ、該加算器56において、前記乗算器49から出力さ
れる吸収塔ブリード液流量設定値48に対して前記比例
積分調節器54から出力される吸収塔ブリード液流量換
算補正値53を加えることにより、吸収塔ブリード液流
量補正設定値55が求められて高選択器63へ出力され
る。
【0011】更に又、前記制御器41の減算器59にお
いては、前記レベル計38で検出された吸収塔3の液溜
部1aのレベル37とレベル設定値57との差が求めら
れ、レベル偏差58が比例積分調節器61へ出力され、
該比例積分調節器61において、前記減算器59から出
力されるレベル偏差58が比例積分処理されて該レベル
偏差58をなくすために必要となる吸収塔ブリード液流
量設定値60が前記高選択器63へ出力され、該高選択
器63において、前記加算器56から出力される吸収塔
ブリード液流量補正設定値55と前記比例積分調節器6
1から出力される吸収塔ブリード液流量設定値60との
うち高い方が選択され、吸収塔ブリード液流量設定値6
2として低選択器66へ出力され、該低選択器66にお
いて、前記高選択器63から出力される吸収塔ブリード
液流量設定値62と吸収塔ブリード液流量上限設定値6
4とのうち低い方が選択され、吸収塔ブリード液流量設
定値65として高選択器69へ出力され、該高選択器6
9において、前記低選択器66から出力される吸収塔ブ
リード液流量設定値65と吸収塔ブリード液流量下限設
定値67とのうち高い方が選択され、吸収塔ブリード液
流量設定値68として減算器71へ出力され、該減算器
71において、前記高選択器69から出力される吸収塔
ブリード液流量設定値68と前記吸収塔ブリード液流量
計30から出力される吸収塔ブリード液流量29との差
が求められ、吸収塔ブリード液流量偏差70が比例積分
調節器72へ出力され、該比例積分調節器72におい
て、前記減算器71から出力される吸収塔ブリード液流
量偏差70が比例積分処理されて該吸収塔ブリード液流
量偏差70をなくすための開度指令40が吸収塔ブリー
ド液流量調整弁39へ出力され、該吸収塔ブリード液流
量調整弁39の開度が調節され、吸収塔3の液溜部1a
から石膏回収装置7の中和タンク10へ抜き出される吸
収塔ブリード液流量29が吸収塔ブリード液流量設定値
68と等しくなるよう制御が行われる。
【0012】即ち、前記吸収塔3の液溜部1aから石膏
回収装置7の中和タンク10へ抜き出される吸収塔ブリ
ード液流量29は、基本的には、石膏6の品質を確保す
るために、吸収すべきSO2量45に換算係数47を掛
けて得られる吸収塔ブリード液流量設定値48に対し、
吸収塔ブリード液1’のスラリー濃度35をスラリー濃
度設定値50に保持する修正を加えてなる吸収塔ブリー
ド液流量補正設定値55に基づいて制御され、これによ
り、例えば、前記スラリー濃度35が低くなった場合に
は、吸収塔ブリード液流量調整弁39の開度が絞られ、
吸収塔ブリード液流量29が減少するよう修正動作が行
われる。
【0013】又、吸収塔3の液溜部1aのレベル37が
オーバフローレベルに近づいた場合には、吸収塔ブリー
ド液流量調整弁39の開度が広げられ、吸収塔ブリード
液流量29が増加するよう修正動作が行われる。
【0014】更に又、前記吸収塔ブリード液流量29が
極端に増大すると、石膏シックナ16の処理能力を越え
てしまうことがあり、これを避ける必要があると共に、
系全体の液バランスの関係上、石膏シックナ16のオー
バフロー水13を最低限確保する必要があるため、前記
吸収塔ブリード液流量29は、予め設定された吸収塔ブ
リード液流量上限設定値64を越えずに且つ吸収塔ブリ
ード液流量下限設定値67を下回ることがないようにな
っている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
如き排煙脱硫装置の場合、吸収塔3の上流側における図
示していない石炭焚ボイラでの燃焼条件や投入される石
炭の炭種、或いは電気集塵機の運転状態によっては、不
純物としての煤塵が吸収塔3内に多量に流入し、石膏シ
ックナ16のオーバフロー水13中に含まれる懸濁物質
の濃度が上昇してしまうことがあり、このように、石膏
シックナ16のオーバフロー水13中に含まれる懸濁物
質の濃度が上昇すると、図5に示される如く、石膏シッ
クナ16での固形分の沈降速度が低下し、脱水性能の低
下を招く虞れがある一方、懸濁物質を多く含むオーバフ
ロー水13が排水処理装置15へ導入されることから、
排水処理装置15での凝集沈殿剤の使用量が増加すると
共に、汚泥も大量に発生し、排水処理装置15側での負
担が大きくなって運転費用の大幅なアップにつながると
いう欠点を有していた。
【0016】本発明は、斯かる実情に鑑み、石膏シック
ナのオーバフロー水中に含まれる懸濁物質の濃度上昇を
抑制することができ、脱水性能の低下を回避し得、且つ
排水処理装置側での負担を軽減して運転費用削減を図り
得る排煙脱硫装置の吸収塔ブリード液流量制御方法を提
供しようとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、吸収剤として
石灰を用いた吸収液を液溜部から汲み上げて噴霧しつつ
循環せしめ、排ガスと接触せしめて排ガス中のSO2
吸収除去する吸収塔と、該吸収塔の液溜部から抜き出さ
れる吸収塔ブリード液に中和剤を添加する中和タンク
と、該中和タンクで中和された吸収塔ブリード液中の固
形分を沈降させ且つ上澄みのオーバフロー水を排水処理
装置へ導く石膏シックナと、該石膏シックナで沈降させ
た固形分を含むスラリーを脱水して石膏と濾液に分離し
且つ該石膏と分離された濾液を前記石膏シックナへ導く
石膏脱水機とを有する石膏回収装置とを備えた排煙脱硫
装置の吸収塔ブリード液流量制御方法において、石膏シ
ックナのオーバフロー水中における懸濁物質濃度を計画
値内に収めるために許容される石膏シックナ単位断面積
当りの煤塵流入量を求め、該石膏シックナ単位断面積当
りの煤塵流入量を吸収塔内煤塵濃度で割り、その値に石
膏シックナ断面積を掛けることにより、吸収塔ブリード
液流量上限設定値を求め、該吸収塔ブリード液流量上限
設定値を越えないように実際の吸収塔ブリード液流量を
制御することを特徴とする排煙脱硫装置の吸収塔ブリー
ド液流量制御方法にかかるものである。
【0018】上記手段によれば、以下のような作用が得
られる。
【0019】排煙脱硫装置の運転時には、石膏シックナ
のオーバフロー水中における懸濁物質濃度を計画値内に
収めるために許容される石膏シックナ単位断面積当りの
煤塵流入量が求められ、該石膏シックナ単位断面積当り
の煤塵流入量を吸収塔内煤塵濃度で割り、その値に石膏
シックナ断面積を掛けることにより、吸収塔ブリード液
流量上限設定値が求められ、該吸収塔ブリード液流量上
限設定値を越えないように実際の吸収塔ブリード液流量
が制御される。
【0020】この結果、吸収塔の上流側における石炭焚
ボイラでの燃焼条件や投入される石炭の炭種、或いは電
気集塵機の運転状態によって、不純物としての煤塵が吸
収塔内に多量に流入したとしても、石膏シックナのオー
バフロー水中に含まれる懸濁物質の濃度が過度に上昇し
てしまうことはなくなるため、石膏シックナでの固形分
の沈降速度が低下せず、脱水性能の低下が回避される一
方、懸濁物質を多く含むオーバフロー水が排水処理装置
へ導入されなくなることから、排水処理装置での凝集沈
殿剤の使用量が増加しなくなると共に、汚泥も大量に発
生せず、排水処理装置側での負担が小さくなって運転費
用の削減が可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図示
例と共に説明する。
【0022】図1は本発明を実施する形態の一例であっ
て、図中、図3及び図4と同一の符号を付した部分は同
一物を表わしており、基本的な構成は図3及び図4に示
す従来のものと同様であるが、本図示例の特徴とすると
ころは、図1に示す如く、石膏シックナ単位断面積当り
の煤塵流入量73を吸収塔内煤塵濃度74で割り、その
商75を出力する除算器76と、該除算器76から出力
される商75に対し石膏シックナ断面積77を掛けるこ
とにより、吸収塔ブリード液流量上限設定値64’を求
めて低選択器66へ出力する乗算器78とを制御器41
内に追加装備し、前記吸収塔ブリード液流量上限設定値
64’を越えないように実際の吸収塔ブリード液流量2
9を制御するよう構成した点にある。
【0023】前記石膏シックナ単位断面積当りの煤塵流
入量73については、図2に示すような線図に基づき、
石膏シックナ16のオーバフロー水13中における懸濁
物質濃度を計画値内に収めるために許容される値として
求めるようにしてあるが、前記図2に示すような、石膏
シックナ単位断面積当りの煤塵流入量73と石膏シック
ナ16のオーバフロー水13中における懸濁物質濃度と
の関係を表わす線図は、運転時に得られたデータに基づ
いて、制御器41内に予め記憶されている。
【0024】又、前記吸収塔内煤塵濃度74は、吸収塔
3の液溜部1a内の吸収液1中に溶け込んでいる煤塵の
濃度であって、これは、吸収剤スラリーの吸収塔3に対
する供給量や吸収塔3へ導入される排ガスの流量等を含
む、運転時における各種データに基づいて逐次演算して
求められるようになっている。
【0025】次に、上記図示例の作動を説明する。
【0026】排煙脱硫装置の運転時には、図2に示す線
図に基づいて、石膏シックナ16のオーバフロー水13
中における懸濁物質濃度を計画値内に収めるために許容
される石膏シックナ単位断面積当りの煤塵流入量73が
求められ、該石膏シックナ単位断面積当りの煤塵流入量
73を除算器76において吸収塔内煤塵濃度74で割
り、その商75に対し石膏シックナ断面積77を乗算器
78において掛けることにより、吸収塔ブリード液流量
上限設定値64’が求められ低選択器66へ出力され
る。
【0027】前記低選択器66においては、高選択器6
3から出力される吸収塔ブリード液流量設定値62と吸
収塔ブリード液流量上限設定値64’とのうち低い方が
選択され、吸収塔ブリード液流量設定値65として高選
択器69へ出力され、該高選択器69において、前記低
選択器66から出力される吸収塔ブリード液流量設定値
65と吸収塔ブリード液流量下限設定値67とのうち高
い方が選択され、吸収塔ブリード液流量設定値68とし
て減算器71へ出力され、該減算器71において、前記
高選択器69から出力される吸収塔ブリード液流量設定
値68と前記吸収塔ブリード液流量計30から出力され
る吸収塔ブリード液流量29との差が求められ、吸収塔
ブリード液流量偏差70が比例積分調節器72へ出力さ
れ、該比例積分調節器72において、前記減算器71か
ら出力される吸収塔ブリード液流量偏差70が比例積分
処理されて該吸収塔ブリード液流量偏差70をなくすた
めの開度指令40が吸収塔ブリード液流量調整弁39へ
出力され、該吸収塔ブリード液流量調整弁39の開度が
調節され、吸収塔3の液溜部1aから石膏回収装置7の
中和タンク10へ抜き出される吸収塔ブリード液流量2
9が吸収塔ブリード液流量設定値68と等しくなるよう
制御が行われる。
【0028】この結果、実際の吸収塔ブリード液流量2
9は前記吸収塔ブリード液流量上限設定値64’を越え
ないように制御される形となるため、吸収塔3の上流側
における石炭焚ボイラでの燃焼条件や投入される石炭の
炭種、或いは電気集塵機の運転状態によって、不純物と
しての煤塵が吸収塔3内に多量に流入したとしても、石
膏シックナ16のオーバフロー水13中に含まれる懸濁
物質の濃度が過度に上昇してしまうことはなくなるた
め、石膏シックナ16での固形分の沈降速度が低下せ
ず、脱水性能の低下が回避される一方、懸濁物質を多く
含むオーバフロー水13が排水処理装置15へ導入され
なくなることから、排水処理装置15での凝集沈殿剤の
使用量が増加しなくなると共に、汚泥も大量に発生せ
ず、排水処理装置15側での負担が小さくなって運転費
用の削減が可能となる。
【0029】こうして、石膏シックナ16のオーバフロ
ー水13中に含まれる懸濁物質の濃度上昇を抑制するこ
とができ、脱水性能の低下を回避し得、且つ排水処理装
置15側での負担を軽減して運転費用削減を図り得る。
【0030】尚、本発明の排煙脱硫装置の吸収塔ブリー
ド液流量制御方法は、上述の図示例にのみ限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において
種々変更を加え得ることは勿論である。
【0031】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の排煙脱硫
装置の吸収塔ブリード液流量制御方法によれば、石膏シ
ックナのオーバフロー水中に含まれる懸濁物質の濃度上
昇を抑制することができ、脱水性能の低下を回避し得、
且つ排水処理装置側での負担を軽減して運転費用削減を
図り得るという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例における制御器の
制御ブロック図である。
【図2】石膏シックナ単位断面積当りの煤塵流入量と石
膏シックナオーバフロー水中懸濁物質濃度との関係を表
わす線図である。
【図3】従来例の全体概要構成図である。
【図4】従来例における制御器の制御ブロック図であ
る。
【図5】石膏シックナオーバフロー水中懸濁物質濃度と
沈降速度との関係を表わす線図である。
【符号の説明】
1 吸収液 1’ 吸収塔ブリード液 1a 液溜部 3 吸収塔 6 石膏 7 石膏回収装置 10 中和タンク 11 吸収塔ブリード液 13 オーバフロー水 15 排水処理装置 16 石膏シックナ 17 スラリー 19 濾液 21 石膏脱水機 29 吸収塔ブリード液流量 31 脱硫ガス流量 39 吸収塔ブリード液流量調整弁 40 開度指令 41 制御器 62 吸収塔ブリード液流量設定値 64’ 吸収塔ブリード液流量上限設定値 65 吸収塔ブリード液流量設定値 66 低選択器 73 石膏シックナ単位断面積当りの煤塵流入量 74 吸収塔内煤塵濃度 76 除算器 77 石膏シックナ断面積 78 乗算器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸収剤として石灰を用いた吸収液を液溜
    部から汲み上げて噴霧しつつ循環せしめ、排ガスと接触
    せしめて排ガス中のSO2を吸収除去する吸収塔と、 該吸収塔の液溜部から抜き出される吸収塔ブリード液に
    中和剤を添加する中和タンクと、該中和タンクで中和さ
    れた吸収塔ブリード液中の固形分を沈降させ且つ上澄み
    のオーバフロー水を排水処理装置へ導く石膏シックナ
    と、該石膏シックナで沈降させた固形分を含むスラリー
    を脱水して石膏と濾液に分離し且つ該石膏と分離された
    濾液を前記石膏シックナへ導く石膏脱水機とを有する石
    膏回収装置とを備えた排煙脱硫装置の吸収塔ブリード液
    流量制御方法において、 石膏シックナのオーバフロー水中における懸濁物質濃度
    を計画値内に収めるために許容される石膏シックナ単位
    断面積当りの煤塵流入量を求め、該石膏シックナ単位断
    面積当りの煤塵流入量を吸収塔内煤塵濃度で割り、その
    値に石膏シックナ断面積を掛けることにより、吸収塔ブ
    リード液流量上限設定値を求め、該吸収塔ブリード液流
    量上限設定値を越えないように実際の吸収塔ブリード液
    流量を制御することを特徴とする排煙脱硫装置の吸収塔
    ブリード液流量制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6880981B2 (en) 2001-05-31 2005-04-19 Sharp Kabushiki Kaisha Optical coupling apparatus and method for manufacturing the same
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CN114867544A (zh) * 2020-07-15 2022-08-05 富士电机株式会社 废气处理装置

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