JP2000009907A - 反射防止膜および画像表示装置 - Google Patents

反射防止膜および画像表示装置

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JP2000009907A
JP2000009907A JP10188229A JP18822998A JP2000009907A JP 2000009907 A JP2000009907 A JP 2000009907A JP 10188229 A JP10188229 A JP 10188229A JP 18822998 A JP18822998 A JP 18822998A JP 2000009907 A JP2000009907 A JP 2000009907A
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low refractive
fine particles
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JP10188229A
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Kazuhiro Nakamura
和浩 中村
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低屈折率層の表面を汚れから保護し、かつ耐
傷性も改善する。 【解決手段】 透明支持体および透明支持体の屈折率よ
りも低い屈折率と3乃至50体積%の空隙率とを有する
低屈折率層が積層されている反射防止膜において、低屈
折率層の上に含フッ素化合物を含むオーバーコート層を
さらに積層する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明支持体、低屈
折率層およびオーバーコート層が、この順で積層されて
いる反射防止膜およびそれを用いた画像表示装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】反射防止膜は、液晶表示装置(LC
D)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレク
トロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表
示装置(CRT)のような様々な画像表示装置に設けら
れている。反射防止膜としては、金属酸化物の透明薄膜
を積層させた多層膜が従来から普通に用いられている。
複数の透明薄膜を用いるのは、様々な波長の光の反射を
防止するためである。金属酸化物の透明薄膜は、化学蒸
着(CVD)法や物理蒸着(PVD)法、特に物理蒸着
法の一種である真空蒸着法により形成されている。金属
酸化物の透明薄膜は、反射防止膜として優れた光学的性
質を有しているが、蒸着による形成方法は、生産性が低
く大量生産に適していない。蒸着法に代えて、透明支持
体上に光学的機能層を塗布により形成して反射防止膜を
製造する方法も提案されている。
【0003】反射防止機能のためには、透明支持体の屈
折率よりも低い屈折率を有する層(低屈折率層)を設け
る必要がある。透明支持体上に複数の光学的機能層を設
ける場合、低屈折率層は透明支持体から最も遠い側に設
けられる。塗布層の屈折率を低下させるためには、低屈
折率層内に空隙を導入する方法が有効である。空気の屈
折率は1.00であって、空隙中に空気を含む層は、非
常に低い屈折率を有する。低屈折率層に微粒子を含ま
せ、微粒子間または微粒子内に空隙を形成する方法が提
案されている。特公昭60−59250号公報は、微細
空孔と微粒子状無機物とを有する反射防止層を開示して
いる。反射防止層は、塗布により形成される。微細空孔
は、層の塗布後に活性化ガス処理を行ない、ガスが層か
ら離脱することによって形成される。
【0004】特開平2−245702号公報は、二種類
以上の超微粒子(例えば、MgF2とSiO2 )を混在
させて、膜厚方向にその混合比を変化させた反射防止膜
を開示している。混合比を変化させることにより屈折率
を変化させ、高屈折率層と低屈折率層を設けた反射防止
膜と同様の光学的性質を得ている。超微粒子は、エチル
シリケートの熱分解で生じたSiO2 により接着してい
る。エチルシリケートの熱分解では、エチル部分の燃焼
によって、二酸化炭素と水蒸気も発生する。同公報の第
1図に示されているように、二酸化炭素と水蒸気が層か
ら離脱することにより、超微粒子の間に間隙が生じてい
る。特開平7−48527号公報は、多孔質シリカより
なる無機微粉末とバインダーとを含有する反射防止膜を
開示している。特開平9−288201号公報は、含フ
ッ素ポリマーからなる微粒子を二個以上積み重ねること
により、微粒子間に空隙を形成した低屈折率層を有する
反射防止膜を開示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】空隙を有する低屈折率
層は、空隙中の空気によって非常に低い屈折率が得られ
るとの特徴がある。一方、低屈折率層は、低屈折率層は
透明支持体から最も遠い側、すなわち反射防止膜の表面
側に設けられる。そのため、低屈折率層の表面は汚れや
すく、傷も付きやすい。汚れや傷により、低屈折率層の
反射防止機能が低下する。表面側の層を汚れから保護
し、耐傷性を向上させるためには、含フッ素化合物を含
むオーバーコート層を表面側の層の上に設ける対策が、
一般に良く知られている。しかし、空隙を有する低屈折
率層の上に、含フッ素化合物を含むオーバーコート層を
設けようとすると、オーバーコート層の塗布液が低屈折
率層の空隙に浸入して、低屈折率層の屈折率が上昇する
可能性がある。本発明の目的は、低屈折率層の表面が汚
れから保護され、かつ耐傷性も改善されている反射防止
膜を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(5)の反射防止膜および下記(6)の画像表
示装置により達成された。 (1)透明支持体および透明支持体の屈折率よりも低い
屈折率と3乃至50体積%の空隙率とを有する低屈折率
層が積層されている反射防止膜であって、低屈折率層の
上に含フッ素化合物を含むオーバーコート層がさらに形
成されていることを特徴とする反射防止膜。 (2)オーバーコート層の材料が低屈折率層の空隙を占
有している割合が70体積%以上である(1)に記載の
反射防止膜。
【0007】(3)含フッ素化合物が含フッ素ポリマー
であり、含フッ素ポリマーがオーバーコート層の形成後
に架橋している(1)に記載の反射防止膜。 (4)低屈折率層が微粒子を含み、微粒子間または微粒
子内に空隙が形成されている(1)に記載の反射防止
膜。 (5)透明支持体の屈折率よりも高い屈折率を有する高
屈折率層が透明支持体と低屈折率層との間に設けられて
いる(1)に記載の反射防止膜。 (6)画像表示面上に、透明支持体および透明支持体の
屈折率よりも低い屈折率と3乃至50体積%の空隙率と
を有する低屈折率層がこの順に積層されている画像表示
装置であって、低屈折率層の上に含フッ素化合物を含む
オーバーコート層がさらに形成されていることを特徴と
する画像表示装置。 本明細書において、低屈折率層の空隙と空隙率は、オー
バーコート層の材料が占有している部分を含めた空隙と
その割合を意味する。
【0008】
【発明の効果】本発明者の研究により、空隙を有する低
屈折率層の上に含フッ素化合物を含むオーバーコート層
を設けても、低屈折率層の屈折率はそれほど上昇しない
ことが判明した。オーバーコート層の塗布液が低屈折率
層の空隙に浸入すると、低屈折率層の空隙率が低下する
が、含フッ素化合物は比較的屈折率の低い物質であるた
め、低屈折率層の屈折率は低い値に保たれる。オーバー
コート層の材料が低屈折率層の空隙を占有している割合
が70体積%以上であると、低屈折率層の強度が強化さ
れるとの効果も得られる。オーバーコート層を設けたこ
とで、本発明の反射防止膜では、低屈折率層の表面が汚
れから保護され、耐傷性も改善されている。このような
反射防止膜を用いることで、画像表示装置の画像表示面
における光の反射を有効に防止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の反射防止膜の基本的な構
成を図面を引用しながら説明する。図1は、反射防止膜
の主な層構成を示す断面模式図である。図1の(a)に
示す態様は、透明支持体(1)、ハードコート層
(2)、低屈折率層(3)、そしてオーバーコート層
(4)の順序の層構成を有する。透明支持体(1)と低
屈折率層(3)は、以下の関係を満足する屈折率を有す
る。低屈折率層の屈折率<透明支持体の屈折率図1の
(b)に示す態様は、透明支持体(1)、ハードコート
層(2)、高屈折率層(5)、低屈折率層(3)、そし
てオーバーコート層(4)の順序の層構成を有する。透
明支持体(1)、高屈折率層(5)および低屈折率層
(3)は、以下の関係を満足する屈折率を有する。低屈
折率層の屈折率<透明支持体の屈折率<高屈折率層の屈
折率図1の(c)に示す態様は、透明支持体(1)、ハ
ードコート層(2)、中屈折率層(6)、高屈折率層
(5)、低屈折率層(3)、そしてオーバーコート層
(4)の順序の層構成を有する。透明支持体(1)、中
屈折率層(6)、高屈折率層(5)および低屈折率層
(3)は、以下の関係を満足する屈折率を有する。低屈
折率層の屈折率<透明支持体の屈折率<中屈折率層の屈
折率<高屈折率層の屈折率
【0010】図2は、本発明の好ましい態様における低
屈折率層とオーバーコート層の断面模式図である。図2
に示す低屈折率層(3)は、微粒子(31)およびバイ
ンダー(32)を含む。そして、微粒子(31)間に空
隙(33)が形成されている。空隙は、微粒子の内部に
存在していてもよい。オーバーコート層(4)の材料の
一部(41)は、低屈折率層(3)の空隙(33)を占
有している。
【0011】[透明支持体]透明支持体としては、プラ
スチックフイルムを用いることが好ましい。プラスチッ
クフイルムを形成するポリマーの例には、セルロースエ
ステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセル
ロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロー
ス、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロー
ス)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル
(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテ
レフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエ
タン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテ
レフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタクチッ
クポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエー
テルイミド、ポリメチルメタクリレートおよびポリエー
テルケトンが含まれる。トリアセチルセルロース、ポリ
カーボネートおよびポリエチレンテレフタレートが好ま
しい。透明支持体の光透過率は、80%以上であること
が好ましく、86%以上であることがさらに好ましい。
透明支持体のヘイズは、2.0%以下であることが好ま
しく、1.0%以下であることがさらに好ましい。透明
支持体の屈折率は、1.4乃至1.7であることが好ま
しい。
【0012】[ハードコート層]透明支持体に耐傷性を
付与するために、ハードコート層を支持体表面に設ける
ことが好ましい。ハードコート層は、架橋しているポリ
マーを含むことが好ましい。架橋しているポリマーを含
むハードコート層は、多官能モノマーと重合開始剤を含
む塗布液を透明支持体上に塗布し、多官能モノマーを重
合させることにより形成できる。多官能モノマーは、多
価アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエス
テルであることが好ましい。多価アルコールの例には、
エチレングリコール、1,4−シクロヘキサノール、ペ
ンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメ
チロールエタン、ジペンタエリスリトール、1,2,4
−シクロヘキサノール、ポリウレタンポリオールおよび
ポリエステルポリオールが含まれる。トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトー
ルおよびポリウレタンポリオールが好ましい。二種類以
上の多官能モノマーを併用してもよい。多官能モノマー
の重合反応には、光重合開始剤を用いることが好まし
い。光重合開始剤の例には、アセトフェノン類、ベンゾ
フェノン類、ミヒラーのベンゾイルベンゾエート、α−
アミロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサル
ファイドおよびチオキサントン類が含まれる。光重合開
始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。光増感剤の例
には、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n
−ブチルホスフィン、ミヒラーのケトンおよびチオキサ
ントンが含まれる。
【0013】光重合開始剤は、多官能モノマー100重
量部に対して、0.1乃至15重量部の範囲で使用する
ことが好ましく、1乃至10重量部の範囲で使用するこ
とがさらに好ましい。光重合反応は、ハードコート層の
塗布および乾燥後、紫外線照射により実施することが好
ましい。ハードコート層には、充填剤を添加することが
好ましい。充填剤はハードコート層の硬度を高くし、多
官能モノマーの硬化収縮を抑える機能がある。充填剤と
しては、無機微粒子または有機微粒子を用いることが好
ましい。無機微粒子の例には、二酸化ケイ素粒子、二酸
チタン粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化錫粒子、炭酸
カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子、タルク、カオリン
および硫酸カルシウム粒子が含まれる。有機微粒子の例
には、メタクリル酸−メチルアクリレートコポリマー粉
末、シリコン樹脂粉末、ポリスチレン粉末、ポリカーボ
ネート粉末、アクリル酸−スチレンコポリマー粉末、ベ
ンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン樹脂粉末、ポリオレ
フィン粉末、ポリエステル粉末、ポリアミド粉末、ポリ
イミド粉末およびポリフッ化エチレン粉末が含まれる。
充填剤として使用する微粒子の平均粒子径は、0.01
乃至2μmであることが好ましく、0.02乃至0.5
μmであることがさらに好ましい。ハードコート層また
はその塗布液には、さらに、着色剤(顔料、染料)、消
泡剤、増粘剤、レベリング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、
酸化防止剤や改質用樹脂を添加してもよい。ハードコー
ト層の厚さは、1乃至15μmであることが好ましい。
【0014】[高屈折率層および中屈折率層]図1の
(b)に示すように、透明支持体と低屈折率層との間
に、高屈折率層を設けてもよい。また、図1の(c)に
示すように、透明支持体と高屈折率層との間に中屈折率
層を設けてもよい。高屈折率層の屈折率は、1.65乃
至2.40であることが好ましく、1.70乃至2.2
0であることがさらに好ましい。中屈折率層の屈折率
は、透明支持体の屈折率と高屈折率層の屈折率との中間
の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、
1.55乃至1.70であることが好ましい。高屈折率
層および中屈折率層の厚さは、5nm乃至100μmで
あることが好ましく、10nm乃至10μmであること
がさらに好ましく、30nm乃至1μmであることが最
も好ましい。高屈折率層および中屈折率層のヘイズは、
5%以下であることが好ましく、3%以下であることが
さらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。
高屈折率層および中屈折率層の強度は、1kg荷重の鉛
筆硬度でH以上であることが好ましく、2H以上である
ことがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ま
しい。高屈折率層および中屈折率層は、無機微粒子とポ
リマーとを含むことが好ましい。
【0015】高屈折率層および中屈折率層に用いる無機
微粒子は、屈折率が1.80乃至2.80であることが
好ましく、1.90乃至2.80であることがさらに好
ましい。無機微粒子の一次粒子の重量平均径は、1乃至
150nmであることが好ましく、1乃至100nmで
あることがさらに好ましく、1乃至80nmであること
が最も好ましい。塗布層中の無機微粒子の重量平均径
は、1乃至200nmであるることが好ましく、5乃至
150nmであることがより好ましく、10乃至100
nmであることがさらに好ましく、10乃至80nmで
あることが最も好ましい。無機微粒子の比表面積は、1
0乃至400m2 /gであることが好ましく、20乃至
200m2 /gであることがさらに好ましく、30乃至
150m2 /gであることが最も好ましい。
【0016】無機微粒子は、金属の酸化物または硫化物
から形成することが好ましい。金属の酸化物または硫化
物の例には、二酸化チタン(例、ルチル、ルチル/アナ
ターゼの混晶、アナターゼ、アモルファス構造)、酸化
錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムおよ
び硫化亜鉛が含まれる。酸化チタン、酸化錫および酸化
インジウムが特に好ましい。無機微粒子は、これらの金
属の酸化物または硫化物を主成分とし、さらに他の元素
を含むことができる。主成分とは、粒子を構成する成分
の中で最も含有量(重量%)が多い成分を意味する。他
の元素の例には、Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、F
e、Mn、Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、A
l、Mg、Si、PおよびSが含まれる。無機微粒子を
表面処理してもよい。表面処理は、無機化合物または有
機化合物を用いて実施する。表面処理に用いる無機化合
物の例には、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウムおよ
び酸化鉄が含まれる。アルミナおよびシリカが好まし
い。表面処理に用いる有機化合物の例には、ポリオー
ル、アルカノールアミン、ステアリン酸、シランカップ
リング剤およびチタネートカップリング剤が含まれる。
シランカップリング剤が最も好ましい。二種類以上の表
面処理を組み合わせて実施してもよい。以上を組み合わ
せて処理されていても構わない。無機微粒子の形状は、
米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状あるいは不定形状
であることが好ましい。二種類以上の無機微粒子を高屈
折率層および中屈折率層内で併用してもよい。
【0017】高屈折率層および中屈折率層中の無機微粒
子の割合は、5乃至65体積%である。無機微粒子の割
合は、10乃至60体積%であることが好ましく、20
乃至55体積%であることがさらに好ましい。無機微粒
子は、分散物の状態で高屈折率層および中屈折率層の形
成に使用する。高屈折率層および中屈折率層の無機微粒
子の分散媒体は、沸点が60乃至170℃の液体を用い
ることが好ましい。分散媒体の例には、水、アルコール
(例、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブ
タノール、ベンジルアルコール)、ケトン(例、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エ
チル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル)、脂肪族炭化水素
(例、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水
素(例、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭
素)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシ
レン)、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル
(例、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラハイドロ
フラン)、エーテルアルコール(例、1−メトキシ−2
−プロパノール)が含まれる。トルエン、キシレン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノンおよびブタノールが特に好ましい。無機微粒子
は、分散機を用いて媒体中に分散できる。分散機の例に
は、サンドグラインダーミル(例、ピン付きビーズミ
ル)、高速インペラーミル、ペッブルミル、ローラーミ
ル、アトライターおよびコロイドミルが含まれる。サン
ドグラインダーミルおよび高速インペラーミルが特に好
ましい。また、予備分散処理を実施してもよい。予備分
散処理に用いる分散機の例には、ボールミル、三本ロー
ルミル、ニーダーおよびエクストルーダーが含まれる。
【0018】中屈折率層および高屈折率層には、比較的
屈折率が高いポリマーを用いることが好ましい。屈折率
が高いポリマーの例には、ポリスチレン、スチレン共重
合体、ポリカーボネート、メラミン樹脂、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂および環状(脂環式または芳香族)イ
ソシアネートとポリオールとの反応で得られるポリウレ
タンが含まれる。その他の環状(芳香族、複素環式、脂
環式)基を有するポリマーや、フッ素以外のハロゲン原
子を置換基として有するポリマーも、屈折率が高い。二
重結合を導入してラジカル硬化を可能にしたモノマーの
重合反応によりポリマーを形成してもよい。
【0019】[低屈折率層]低屈折率層の屈折率は、
1.20乃至1.55であることが好ましく、1.30
乃至1.55であることがさらに好ましい。低屈折率層
の厚さは、50乃至400nmであることが好ましく、
50乃至200nmであることがさらに好ましい。低屈
折率層は、オーバーコート層の形成前に、3乃至50体
積%の空隙率を有する層として形成する。オーバーコー
ト層の形成前の低屈折率層の空隙率は、5乃至35体積
%であることがさらに好ましい。低屈折率層の空隙は、
微粒子を用いて微粒子間または微粒子内のミクロボイド
として形成することができる。微粒子の平均粒径は、
0.5乃至200mmであることが好ましく、1乃至1
00nmであることがより好ましく、3乃至70nmで
あることがさらに好ましく、5乃至40nmの範囲であ
ることが最も好ましい。微粒子の粒径は、なるべく均一
(単分散)であることが好ましい。無機微粒子あるいは
有機微粒子を低屈折率層に用いることができる。
【0020】無機微粒子は、非晶質であることが好まし
い。無機微粒子は、金属の酸化物、窒化物、硫化物また
はハロゲン化物からなることが好ましく、金属酸化物ま
たは金属ハロゲン化物からなることがさらに好ましく、
金属酸化物または金属フッ化物からなることが最も好ま
しい。金属原子としては、Na、K、Mg、Ca、B
a、Al、Zn、Fe、Cu、Ti、Sn、In、W、
Y、Sb、Mn、Ga、V、Nb、Ta、Ag、Si、
B、Bi、Mo、Ce、Cd、Be、PbおよびNiが
好ましく、Mg、Ca、BおよびSiがさらに好まし
い。二種類の金属を含む無機化合物を用いてもよい。特
に好ましい無機化合物は、二酸化ケイ素、すなわちシリ
カである。
【0021】無機微粒子内ミクロボイドは、例えば、粒
子を形成するシリカの分子を架橋させることにより形成
することができる。シリカの分子を架橋させると体積が
縮小し、粒子が多孔質になる。ミクロボイドを有する
(多孔質)無機微粒子は、ゾル−ゲル法(特開昭53−
112732号、特公昭57−9051号の各公報記
載)または析出法(APPLIED OPTICS、27、3356頁(198
8)記載)により、分散物として直接合成することがで
きる。また、乾燥・沈澱法で得られた粉体を、機械的に
粉砕して分散物を得ることもできる。市販の多孔質無機
微粒子(例えば、二酸化ケイ素ゾル)を用いてもよい。
ミクロボイドを有する無機微粒子は、低屈折率層の形成
のため、適当な媒体に分散した状態で使用することが好
ましい。分散媒としては、水、アルコール(例、メタノ
ール、エタノール、イソプロピルアルコール)およびケ
トン(例、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン)が好ましい。
【0022】有機微粒子も、非晶質であることが好まし
い。有機微粒子は、モノマーの重合反応(例えば乳化重
合法)により合成されるポリマー微粒子であることが好
ましい。有機微粒子のポリマーはフッ素原子を含むこと
が好ましい。ポリマー中のフッ素原子の割合は、35乃
至80重量%であることが好ましく、45乃至75重量
%であることがさらに好ましい。含フッ素ポリマーを合
成するために用いるフッ素原子を含むモノマーの例に
は、フルオロオレフィン類(例、フルオロエチレン、ビ
ニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキ
サフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチ
ル−1,3−ジオキソール)、アクリル酸またはメタク
リル酸のフッ素化アルキルエステル類およびフッ素化ビ
ニルエーテル類が含まれる。フッ素原子を含むモノマー
とフッ素原子を含まないモノマーとのコポリマーを用い
てもよい。フッ素原子を含まないモノマーの例には、オ
レフィン類(例、エチレン、プロピレン、イソプレン、
塩化ビニル、塩化ビニリデン)、アクリル酸エステル類
(例、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル類
(例、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル)、スチレン類(例、スチレン、ビニル
トルエン、α−メチルスチレン)、ビニルエーテル類
(例、メチルビニルエーテル)、ビニルエステル類
(例、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル)、アクリルア
ミド類(例、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−シ
クロヘキシルアクリルアミド)、メタクリルアミド類お
よびアクリルニトリル類が含まれる。
【0023】有機微粒子内ミクロボイドは、例えば、粒
子を形成するポリマーを架橋させることにより形成する
ことができる。ポリマーを架橋させると体積が縮小し、
粒子が多孔質になる。粒子を形成するポリマーを架橋さ
せるためには、ポリマーを合成するためのモノマーの2
0モル%以上を多官能モノマーとすることが好ましい。
多官能モノマーの割合は、30乃至80モル%であるこ
とがさらに好ましく、35乃至50モル%であることが
最も好ましい。多官能モノマーの例には、ジエン類
(例、ブタジエン、ペンタジエン)、多価アルコールと
アクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジア
クリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)、多価ア
ルコールとメタクリル酸とのエステル(例、エチレング
リコールジメタクリレート、1,2,4−シクロヘキサ
ンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
メタクリレート)、ジビニル化合物(例、ジビニルシク
ロヘキサン、1,4−ジビニルベンゼン)、ジビニルス
ルホン、ビスアクリルアミド類(例、メチレンビスアク
リルアミド)およびビスメタクリルアミド類が含まれ
る。粒子間のミクロボイドは、微粒子を少なくとも2個
以上積み重ねることにより形成することができる。な
お、粒径が等しい(完全な単分散の)球状微粒子を最密
充填すると、26体積%の空隙率の微粒子間ミクロボイ
ドが形成される。粒径が等しい球状微粒子を単純立方充
填すると、48体積%の空隙率の微粒子間ミクロボイド
が形成される。実際の低屈折率層では、微粒子の粒径の
分布や粒子内ミクロボイドが存在するため、空隙率は上
記の理論値からかなり変動する。
【0024】低屈折率層は、5乃至50重量%の量のポ
リマーを含むことが好ましい。ポリマーは、微粒子を接
着し、空隙を含む低屈折率層の構造を維持する機能を有
する。ポリマーの使用量は、空隙を充填することなく低
屈折率層の強度を維持できるように調整する。ポリマー
の量は、低屈折率層の全量の10乃至30重量%である
ことが好ましい。ポリマーで微粒子を接着するために
は、(1)微粒子の表面処理剤にポリマーを結合させる
か、(2)微粒子をコアとして、その周囲にポリマーシ
ェルを形成するか、あるいは(3)微粒子間のバインダ
ーとして、ポリマーを使用することが好ましい。(1)
の表面処理剤に結合させるポリマーは、(2)のシェル
ポリマーまたは(3)のバインダーポリマーであること
が好ましい。(2)のポリマーは、低屈折率層の塗布液
の調製前に、微粒子の周囲に重合反応により形成するこ
とが好ましい。(3)のポリマーは、低屈折率層の塗布
液にモノマーを添加し、低屈折率層の塗布と同時または
塗布後に、重合反応により形成することが好ましい。
(1)〜(3)を二種類または三種類組み合わせて、実
施することが好ましく、(1)と(3)の二種類の組み
合わせ、または(1)〜(3)の三種類の組み合わせで
実施することが特に好ましい。(1)表面処理、(2)
シェルおよび(3)バインダーについて、順次説明す
る。
【0025】(1)表面処理 微粒子(特に無機微粒子)には、表面処理を実施して、
ポリマーとの親和性を改善することが好ましい。表面処
理は、プラズマ放電処理やコロナ放電処理のような物理
的表面処理と、カップリング剤を使用する化学的表面処
理に分類できる。化学的表面処理のみ、または物理的表
面処理と化学的表面処理の組み合わせで実施することが
好ましい。カップリング剤としては、オルガノアルコキ
シメタル化合物(例、チタンカップリング剤、シランカ
ップリング剤)が好ましく用いられる。微粒子が二酸化
ケイ素からなる場合は、シランカップリング剤による表
面処理が特に有効に実施できる。シランカップリング剤
の例には、オルトケイ酸のアルキルエステル(例、オル
トケイ酸メチル、オルトケイ酸エチル、オルトケイ酸n
−プロピル、オルトケイ酸i−プロピル、オルトケイ酸
n−ブチル、オルトケイ酸sec-ブチル、オルトケイ酸t
−ブチル)およびその加水分解物が含まれる。カップリ
ング剤による表面処理は、微粒子の分散物に、カップリ
ング剤を加え、室温から60℃までの温度で、数時間か
ら10日間分散物を放置することにより実施できる。表
面処理反応を促進するため、無機酸(例、硫酸、塩酸、
硝酸、クロム酸、次亜塩素酸、ホウ酸、オルトケイ酸、
リン酸、炭酸)、有機酸(例、酢酸、ポリアクリル酸、
ベンゼンスルホン酸、フェノール、ポリグルタミン
酸)、またはこれらの塩(例、金属塩、アンモニウム
塩)を、分散物に添加してもよい。
【0026】(2)シェル シェルを形成するポリマーは、飽和炭化水素を主鎖とし
て有するポリマーであることが好ましい。フッ素原子を
主鎖または側鎖に含むポリマーが好ましく、フッ素原子
を側鎖に含むポリマーがさらに好ましい。ポリアクリル
酸エステルまたはポリメタクリル酸エステルが好まし
く、フッ素置換アルコールとポリアクリル酸またはポリ
メタクリル酸とのエステルが最も好ましい。シェルポリ
マーの屈折率は、ポリマー中のフッ素原子の含有量の増
加に伴い低下する。低屈折率層の屈折率を低下させるた
め、シェルポリマーは35乃至80重量%のフッ素原子
を含むことが好ましく、45乃至75重量%のフッ素原
子を含むことがさらに好ましい。フッ素原子を含むポリ
マーは、フッ素原子を含むエチレン性不飽和モノマーの
重合反応により合成することが好ましい。フッ素原子を
含むエチレン性不飽和モノマーの例には、フルオロオレ
フィン(例、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライ
ド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレ
ン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキ
ソール)、フッ素化ビニルエーテルおよびフッ素置換ア
ルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエステル
が含まれる。
【0027】シェルを形成するポリマーは、フッ素原子
を含む繰り返し単位とフッ素原子を含まない繰り返し単
位からなるコポリマーであってもよい。フッ素原子を含
まない繰り返し単位は、フッ素原子を含まないエチレン
性不飽和モノマーの重合反応により得ることが好まし
い。フッ素原子を含まないエチレン性不飽和モノマーの
例には、オレフィン(例、エチレン、プロピレン、イソ
プレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン)、アクリル酸エ
ステル(例、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル
(例、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、エチレングリコールジメタクリレー
ト)、スチレンおよびその誘導体(例、スチレン、ジビ
ニルベンゼン、ビニルトルエン、α−メチルスチレ
ン)、ビニルエーテル(例、メチルビニルエーテル)、
ビニルエステル(例、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、桂皮酸ビニル)、アクリルアミド(例、N−tertブ
チルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミ
ド)、メタクリルアミドおよびアクリロニトリルが含ま
れる。
【0028】後述する(3)のバインダーポリマーを併
用する場合は、シェルポリマーに架橋性官能基を導入し
て、シェルポリマーとバインダーポリマーとを架橋によ
り化学的に結合させてもよい。シェルポリマーは、結晶
性を有していてもよい。シェルポリマーのガラス転移温
度(Tg)が低屈折率層の形成時の温度よりも高いと、
低屈折率層内のミクロボイドの維持が容易である。ただ
し、Tgが低屈折率層の形成時の温度よりも高いと、微
粒子が融着せず、低屈折率層が連続層として形成されな
い(その結果、強度が低下する)場合がある。その場合
は、後述する(3)のバインダーポリマーを併用し、バ
インダーポリマーにより低屈折率層を連続層として形成
することが望ましい。微粒子の周囲にポリマーシェルを
形成して、コアシェル微粒子が得られる。コアシェル微
粒子中に無機微粒子からなるコアが5乃至90体積%含
まれていることが好ましく、15乃至80体積%含まれ
ていることがさらに好ましい。ポリマーシェルは、ラジ
カル重合法により形成することが好ましい。ラジカル重
合法については、大津隆行・木下雅悦共著、高分子合成
の実験法、化学同人(1972)および大津隆行、講座重合反
応論1ラジカル重合(I)、化学同人(1971)に記載があ
る。ラジカル重合法は、具体的には、乳化重合法または
分散重合により実施することが好ましい。乳化重合につ
いては、室井宗一、高分子ラテックスの化学、高分子刊
行会(1970)に記載がある。分散重合法については、Barr
ett, Keih E.J.、Dispersion Polymerization in Organ
ic Media、JOHN WILLEY & SONS(1975)に記載がある。
【0029】乳化重合法に使用する熱重合開始剤の例に
は、無機過酸化物(例、過硫酸カリウム、過硫酸アンモ
ニウム)、アゾニトリル化合物(例、アゾビスシアノ吉
草酸ナトリウム)、アゾアミジン化合物(例、2,2’
−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)塩酸塩)、
環状アゾアミジン化合物(例、2,2’−アゾビス〔2
−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパ
ン塩酸塩)、アゾアミド化合物(例、2,2’−アゾビ
ス{2−メチル−N−〔1,1’−ビス(ヒドロキシメ
チル)−2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド)が
含まれる。無機過酸化物が好ましく、過硫酸カリウムお
よび過硫酸アンモニウムが特に好ましい。分散重合法に
使用する熱重合開始剤の例には、アゾ化合物(例、2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−
2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジ
メチル−2,2’−アゾビスイソブチレート)および有
機過酸化物(例、ラウリルパーオキシド、ベンゾイルパ
ーオキシド、tert−ブチルパーオクトエート)が含まれ
る。
【0030】分散重合法では、表面処理された微粒子に
ポリマー分散剤を加え、モノマーと重合開始剤を溶解
し、生成するポリマーは不溶である重合媒体中で重合反
応を実施することが好ましい。重合媒体の例には、水、
アルコール(例、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、2−メトキシ−1−プロパノー
ル、ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ネオ
ペンタノール、シクロヘキサノール、1−メトキシ−2
−プロパノール)、メチルエチルケトン、アセトニトリ
ル、テトラヒドロフラン、酢酸エチルが含まれる。水、
メタノール、エタノールおよびイソプロパノールが好ま
しい。二種類以上の重合媒体を併用してもよい。乳化重
合法または分散重合法において、連鎖移動剤を使用して
もよい。連鎖移動剤の例には、ハロゲン化炭化水素
(例、四塩化炭素、四臭化炭素、二臭化酢酸エチル、三
臭化酢酸エチル、二臭化エチルベンゼン、二臭化エタ
ン、二塩化エタン)、炭化水素(例、ベンゼン、エチル
ベンゼン、イソプロピルベンゼン)、チオエーテル
(例、ジアゾチオエーテル)、メルカプタン(例、t−
ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、ヘ
キサデシルメルカプタン、n−オクタデシルメルカプタ
ン、チオグリセロール),ジスルフィド(例、ジイソプ
ロピルザントゲンジスルフィド)、チオグリコール酸お
よびその誘導体(例、チオグリコール酸、チオグリコー
ル酸2−エチルヘキシル、チオグリコール酸ブチル、チ
オグリコール酸メトキシブチル、トリメチロールプロパ
ントリス(チオグリコレート))が含まれる。二種類以
上のコアシェル微粒子を併用してもよい。また、シェル
のない無機微粒子とコアシェル粒子とを併用してもよ
い。
【0031】(3)バインダー バインダーポリマーは、飽和炭化水素またはポリエーテ
ルを主鎖として有するポリマーであることが好ましく、
飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーであることが
さらに好ましい。バインダーポリマーは架橋しているこ
とが好ましい。飽和炭化水素を主鎖として有するポリマ
ーは、エチレン性不飽和モノマーの重合反応により得る
ことが好ましい。架橋しているバインダーポリマーを得
るためには、二以上のエチレン性不飽和基を有するモノ
マーを用いることが好ましい。二以上のエチレン性不飽
和基を有するモノマーの例には、多価アルコールと(メ
タ)アクリル酸とのエステル(例、エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、1,4−ジクロヘキサンジア
クリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アク
リレート)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレー
ト、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリ
アクリレート)、ビニルベンゼンおよびその誘導体
(例、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸
−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニル
シクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例、ジビニルス
ルホン)、アクリルアミド(例、メチレンビスアクリル
アミド)およびメタクリルアミドが含まれる。ポリエー
テルを主鎖として有するポリマーは、多官能エポシキ化
合物の開環重合反応により合成することが好ましい。
【0032】二以上のエチレン性不飽和基を有するモノ
マーの代わりまたはそれに加えて、架橋性基の反応によ
り、架橋構造をバインダーポリマーに導入してもよい。
架橋性官能基の例には、イソシアナート基、エポキシ
基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カ
ルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロー
ル基および活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン
酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、
エーテル化メチロール、エステルおよびウレタンも、架
橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブ
ロックイソシアナート基のように、分解反応の結果とし
て架橋性を示す官能基を用いてもよい。また、本発明に
おいて架橋基とは、上記化合物に限らず上記官能基が分
解した結果反応性を示すものであってもよい。バインダ
ーポリマーの重合反応および架橋反応に使用する重合開
始剤は、(2)シェルポリマーの合成に用いる熱重合開
始剤よりも、光重合開始剤の方が好ましい。光重合開始
剤の例には、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾ
フェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アン
トラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化
物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィ
ド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニ
ウム類がある。アセトフェノン類の例には、2,2−ジ
エトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノ
ン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4
−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノンおよ
び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モル
フォリノフェニル)−ブタノンが含まれる。ベンゾイン
類の例には、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエ
チルエーテルおよびベンゾインイソプロピルエーテルが
含まれる。ベンゾフェノン類の例には、ベンゾフェノ
ン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロ
ロベンゾフェノンおよびp−クロロベンゾフェノンが含
まれる。ホスフィンオキシド類の例には、2,4,6−
トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド
が含まれる。
【0033】前記(2)のシェルポリマーと併用する場
合、バインダーポリマーのガラス転移温度(Tg)は、
シェルポリマーのTgよりも低いことが好ましい。バイ
ンダーポリマーのTgとシェルポリマーのTgとの温度
差は、5℃以上であることが好ましく、20℃以上であ
ることがさらに好ましい。バインダーポリマーは、低屈
折率層の塗布液にモノマーを添加し、低屈折率層の塗布
と同時または塗布後に重合反応(必要ならばさらに架橋
反応)により形成することが好ましい。低屈折率層の塗
布液に、少量のポリマー(例、ポリビニルアルコール、
ポリオキシエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ
メチルアクリレート、ジアセチルセルロース、トリアセ
チルセルロース、ニトロセルロース、ポリエステル、ア
ルキド樹脂)を添加してもよい。
【0034】[オーバーコート層]オーバーコート層
は、含フッ素化合物を含む塗布液を、低屈折率層の上に
塗布して形成する。本発明では、オーバーコート層の材
料が低屈折率層の空隙を占有している割合を70体積%
以上とすることが好ましい。オーバーコート層の材料が
低屈折率層の空隙を占有している割合は、75体積%以
上であることが好ましく、80体積%以上であることが
より好ましく、85体積%以上であることがさらに好ま
しく、90体積%以上であることが最も好ましい。オー
バーコート層に用いる含フッ素化合物は、フッ素原子を
35乃至80重量%の範囲で含むことが好ましく、45
乃至75重量%の範囲で含むことがさらに好ましい。含
フッ素化合物としては、含フッ素界面活性剤、含フッ素
ポリマー、含フッ素エーテルや含フッ素シラン化合物が
好ましく用いられる。
【0035】含フッ素界面活性剤の親水性部分は、アニ
オン性、カチオン性、ノニオン性および両性のいずれで
もよい。含フッ素界面活性剤では、疎水性部分を構成す
る炭化水素の水素原子の一部または全部がフッ素原子に
より置換されている。含フッ素ポリマーは、フッ素原子
を含むエチレン性不飽和モノマーの重合反応により合成
することが好ましい。フッ素原子を含むエチレン性不飽
和モノマーの例には、フルオロオレフィン(例、フルオ
ロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロ
エチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−
2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、フッ素化
ビニルエーテルおよびフッ素置換アルコールとアクリル
酸またはメタクリル酸とのエステルが含まれる。フッ素
原子を含む繰り返し単位とフッ素原子を含まない繰り返
し単位からなるコポリマーを、含フッ素ポリマーとして
用いてもよい。フッ素原子を含まない繰り返し単位は、
フッ素原子を含まないエチレン性不飽和モノマーの重合
反応により得ることが好ましい。フッ素原子を含まない
エチレン性不飽和モノマーの例には、オレフィン(例、
エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化
ビニリデン)、アクリル酸エステル(例、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル)、メタクリル酸エステル(例、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エチレ
ングリコールジメタクリレート)、スチレンおよびその
誘導体(例、スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトル
エン、α−メチルスチレン)、ビニルエーテル(例、メ
チルビニルエーテル)、ビニルエステル(例、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル)、アクリルア
ミド(例、N−tertブチルアクリルアミド、N−シクロ
ヘキシルアクリルアミド)、メタクリルアミドおよびア
クリロニトリルが含まれる。
【0036】含フッ素エーテルは、一般に潤滑剤として
使用されている化合物である。含フッ素エーテルの例に
は、パーフルオロポリエーテルが含まれる。含フッ素シ
ラン化合物の例には、パーフルオロアルキル基を含むシ
ラン化合物(例、(ヘプタデカフルオロ−1,2,2,
2−テトラデシル)トリエトキシシラン)が含まれる。
オーバーコート層には、含フッ素ポリマーを用いること
が特に好ましい。含フッ素ポリマーは、さらに架橋性基
を有することが好ましい。架橋性基は、含フッ素ポリマ
ーに側鎖として導入する。架橋性基は、光(好ましくは
紫外線)の照射、電子ビーム(EB)照射あるいは加熱
により反応して含フッ素ポリマーを架橋させる官能基で
あることが好ましい。架橋性基の例には、アクリロイ
ル、メタクリロイル、イソシアナート、エポキシ、アジ
リジン、オキサゾリン、アルデヒド、カルボニル、ヒド
ラジン、カルボキシル、メチロールおよび活性メチレン
基が含まれる。架橋性フッ素ポリマーとして、市販品を
用いてもよい。含フッ素ポリマーの架橋反応(光照射、
電子ビーム照射や加熱)は、オーバーコート層の形成後
に実施することが好ましい。含フッ素化合物を微粒子と
して使用してもよい。オーバーコート層の塗布量は、オ
ーバーコート層の形成前の低屈折率層の空隙の85体積
%以上であることが好ましく、90体積%以上であるこ
とがさらに好ましく、100体積%以上であることが最
も好ましい。オーバーコート層の塗布量は、一般に10
0mg/m2 以下である。オーバーコート層の厚さは、
20nm以下であることが好ましく、2乃至20nmで
あることがより好ましく、3乃至20nmであることが
さらに好ましく、5乃至10nmであることが最も好ま
しい。
【0037】[反射防止膜]反射防止膜には、以上述べ
た以外の層を設けてもよい。例えば、透明支持体の上に
は、ハードコート層に加えて、接着層、シールド層、滑
り層や帯電防止層を設けてもよい。シールド層は、電磁
波や赤外線を遮蔽するために設けられる。反射防止膜
は、外光を散乱させるアンチグレア機能を有していても
よい。アンチグレア機能は、反射防止膜の表面に凹凸を
形成することにより得られる。反射防止膜のヘイズは、
3乃至30%であることが好ましく、5乃至20%であ
ることがさらに好ましく、7乃至20%であることが最
も好ましい。反射防止膜は、液晶表示装置(LCD)、
プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロル
ミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置
(CRT)のような画像表示装置に適用する。反射防止
膜の透明支持体側を画像表示装置の画像表示面に接着す
る。
【0038】
【実施例】[実施例1] (ハードコート層用塗布液の調製)ジペンタエリスリト
ールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキ
サアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)
製)125gおよびウレタンアクリレートオリゴマー
(UV−6300B、日本合成化学工業(株)製)12
5gを、439gの工業用変性エタノールに溶解した。
得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、
チバガイギー社製)7.5gおよび光増感剤(カヤキュ
アーDETX、日本化薬(株)製)5.0gを49gの
メチルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。混合物を
攪拌した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルター
で濾過してハードコート層の塗布液を調製した。
【0039】(二酸化チタン分散物の調製)二酸化チタ
ン(一次粒子重量平均粒径:50nm、屈折率:2.7
0)30重量部、アニオン性ジアクリレートモノマー
(PM21、日本化薬(株)製)4.5重量部、カチオ
ン性メタクリレートモノマー(DMAEA、興人(株)
製)0.3重量部およびメチルエチルケトン65.2重
量部を、サンドグラインダーにより分散し、二酸化チタ
ン分散物を調製した。
【0040】(中屈折率層用塗布液の調製)シクロヘキ
サノン151.9gおよびメチルエチルケトン37.0
gに、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギ
ー社製)0.14gおよび光増感剤(カヤキュアーDE
TX、日本化薬(株)製)0.04gを溶解した。さら
に、上記の二酸化チタン分散物6.1gおよびジペンタ
エリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化
薬(株)製)2.4gを加え、室温で30分間攪拌した
後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過し
て、中屈折率層用塗布液を調製した。
【0041】(高屈折率層用塗布液の調製)シクロヘキ
サノン1152.8gおよびメチルエチルケトン37.
2gに、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイ
ギー社製)0.06gおよび光増感剤(カヤキュアーD
ETX、日本化薬(株)製)0.02gを溶解した。さ
らに、上記の二酸化チタン分散物13.13gおよびジ
ペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエ
リスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、
日本化薬(株)製)0.76gを加え、室温で30分間
攪拌した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルター
で濾過して、高屈折率層用塗布液を調製した。
【0042】(低屈折率層用塗布液の調製)平均粒径が
15nmのシリカ微粒子のメタノール分散液(メタノー
ルシリカゾル、日産化学(株)製)200gに、シラン
カップリング剤(KBM−503、信越シリコーン
(株)製)3gおよび1N塩酸2gを加え、室温で5時
間攪拌した後、3日間放置して、シランカップリング処
理したシリカ微粒子分散液を調製した。上記分散液3
5.04gに、イソプロピルアルコール58.35gお
よびジアセトンアルコール39.34gを加えた。光重
合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)
1.02gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日
本化薬(株)製)0.51gをイソプロピルアルコール
772.85gに溶解し、さらにジペンタエリスリトー
ルペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)
25.6gを加えて溶解した。得られた溶液67.23
gを、上記分散液、イソプロピルアルコールおよびジア
セトンアルコールの混合液に添加した。混合物を20分
間室温で各何下後、孔径1μmのポリプロピレン製フィ
ルターで濾過して、低屈折率層用塗布液を調製した。
【0043】(オーバーコート層用塗布液の調製)熱架
橋性含フッ素ポリマー(JN−7214、日本合成ゴム
(株)製)をメチルイソブチルケトンに溶解して、0.
6重量%溶液を調製し、オーバーコート層用塗布液とし
た。
【0044】(反射防止膜の作成)80μmの厚さのト
リアセチルセルロースフイルム(TAC−TD80U、
富士写真フイルム(株)製)上に、ゼラチン下塗り層を
設けた。ゼラチン下塗り層の上に、上記のハードコート
層用塗布液を、バーコーターを用いて塗布し、120℃
で乾燥した後、紫外線を照射して、塗布層を硬化させ、
厚さ7.5μmのハードコート層を形成した。ハードコ
ート層の上に、上記中屈折率層用塗布液をバーコーター
を用いて塗布し、120℃で乾燥した後、紫外線を照射
して塗布層を硬化させ、中屈折率層(屈折率:1.7
2、厚さ:0.081μm)を形成した。中屈折率層の
上に、上記高屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて
塗布し、120℃で乾燥した後、紫外線を照射して塗布
層を硬化させ、高屈折率層(屈折率:1.92、厚さ:
0.053μm)を形成した。高屈折率層の上に、上記
低屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、1
20℃で乾燥した後、紫外線を照射して塗布層を硬化さ
せ、低屈折率層(屈折率:1.40、厚さ:0.072
μm)を形成した。形成した低屈折率層の空隙率は、1
6体積%であった。低屈折率層の上に、上記オーバーコ
ート層用塗布液を#3のワイヤーバーを用いて固形分で
24.5mg/cm2 の塗布量で塗布し、120℃で加
熱して含フッ素ポリマーを架橋させ、オーバーコート層
(厚さ:0.005μm)を形成した。オーバーコート
層の材料は、低屈折率層の空隙の85体積%を占有して
いた。
【0045】(反射防止膜の評価)得られた反射防止膜
について、分光光度径(日本分光(株)製)を用いて、
380〜780nmの波長領域において、入射角5゜に
おける分光反射率を測定した。反射防止性能は広い波長
領域において反射率が小さいほど良好であるため、測定
結果から450〜650nmにおける平均反射率を求め
たところ、0.5%未満であった。また、反射防止膜を
温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した
後、水に対する接触角を測定したところ100〜110
゜であった。さらに、反射防止膜を温度25℃、相対湿
度60%の条件で2時間調湿した後、動摩擦測定機(H
EIDON−14)で、直径5mmのステンレス剛球を
用い、荷重100g、速度60cm/分にて動摩擦係数
を測定したところ0.20であった。さらにまた、反射
防止膜を温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調
湿した後、JIS−S−6006が規定する試験用鉛筆
を用いて、JIS−K−5400が規定する鉛筆硬度評
価方法に従い、1kgの加重にて傷が全く認められない
硬度を測定したところ、3Hの硬度まで、傷が全く認め
られなかった。最後に、反射防止膜の表面を#0000
のスチールウールで擦ったところ、表面に傷は認められ
なかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】反射防止膜の主な層構成を示す断面模式図であ
る。
【図2】本発明の好ましい態様における低屈折率層とオ
ーバーコート層の断面模式図である。
【符号の説明】
1 透明支持体 2 ハードコート層 3 低屈折率層 4 オーバーコート層 5 高屈折率層 6 中屈折率層 31 低屈折率層の微粒子 32 低屈折率層のバインダー 33 低屈折率層の空隙 41 空隙を占有しているオーバーコート層の材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H091 FA37X FB02 FB06 FB12 FB13 FC21 FC25 FD06 GA16 KA01 LA02 2K009 AA00 AA02 AA15 BB11 BB28 CC09 CC26 DD02 DD05 DD06 4F100 AA20B AJ06A AJ09A AK17C AK25A AK25B AR00B AT00A AT00C BA03 BA07 BA10A BA10C DE01B EJ05C EJ54 GB48 JA13B JK12 JN01A JN06 JN18A JN18B YY00C

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体および透明支持体の屈折率よ
    りも低い屈折率と3乃至50体積%の空隙率とを有する
    低屈折率層が積層されている反射防止膜であって、低屈
    折率層の上に含フッ素化合物を含むオーバーコート層が
    さらに形成されていることを特徴とする反射防止膜。
  2. 【請求項2】 オーバーコート層の材料が低屈折率層の
    空隙を占有している割合が70体積%以上である請求項
    1に記載の反射防止膜。
  3. 【請求項3】 含フッ素化合物が含フッ素ポリマーであ
    り、含フッ素ポリマーがオーバーコート層の形成後に架
    橋している請求項1に記載の反射防止膜。
  4. 【請求項4】 低屈折率層が微粒子を含み、微粒子間ま
    たは微粒子内に空隙が形成されている請求項1に記載の
    反射防止膜。
  5. 【請求項5】 透明支持体の屈折率よりも高い屈折率を
    有する高屈折率層が透明支持体と低屈折率層との間に設
    けられている請求項1に記載の反射防止膜。
  6. 【請求項6】 画像表示面上に、透明支持体および透明
    支持体の屈折率よりも低い屈折率と3乃至50体積%の
    空隙率とを有する低屈折率層がこの順に積層されている
    画像表示装置であって、低屈折率層の上に含フッ素化合
    物を含むオーバーコート層がさらに形成されていること
    を特徴とする画像表示装置。
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