JP2000009788A - ケーブルの劣化診断方法 - Google Patents
ケーブルの劣化診断方法Info
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Abstract
の診断に最適な方法を提供する。 【解決手段】 交流電源Eより交流電圧をケーブル1に
印加し、バンドパスフィルタ7の通過帯域を電源Eの周
波数(基本周波数)に合わせ、このフィルタ7から出力
される交流電源の周波数成分を可変抵抗R1の抵抗値調
整と可変コンデンサC1の容量調整とによってキャンセ
ルし、最小になるように調整する。そのときに放出され
る電流の基本周波数に対する高調波電流の大きさを測定
する。この高調波電流値の測定を電圧値が異なる交流電
圧について行い、各電圧値の印加において検出された高
調波電流値の比率によってケーブルの劣化度合を判定す
る。高調波電流値の比率とケーブルの破壊電圧には相関
関係があり、ケーブルの劣化程度を診断することができ
る。
Description
ブルの絶縁劣化を診断するための方法に関するものであ
る。
化診断方法としては、特開平9‐184866号公報に記載の
ものが知られている。これは、交流電源電圧が印加され
ているケーブルの導体と接地との間に抵抗とコンデンサ
及びケーブル絶縁体からなるブリッジ回路を設け、さら
にブリッジ中性点間の電位差を取り出す回路を用いる方
法である。劣化診断の際、前記抵抗の抵抗値調整とコン
デンサの容量調整とを行い、電位差を取り出す回路のバ
ンドパスフイルタを通って出力される前記交流電源の周
波数成分をキャンセルしてゼロにする。そして、この状
態で前記バンドパスフィルタから取り出す他周波数成分
の出力の大きさから絶縁劣化の度合を判定する。
合、6kVのCVケーブルでは単一電圧を印加した際の高調
波電流の大きさで劣化を診断できる。これは、6kVのCV
ケーブルでは水トリーの長さと発生頻度が高調波電流値
と比例しており、単に一つの印加電圧における高調波電
流値でも劣化状態と相関関係があるからである。しか
し、22kVのCVケーブルでは、水トリーの長さと発生
頻度は高調波電流値と相関がないため、一つの印加電圧
における高調波電流では絶縁劣化を診断することは困難
である。
力ケーブルにおける絶縁劣化の診断に最適な方法を提供
することにある。
め、本発明においては、単一の交流電圧印加による測定
ではなく、電圧値の異なる複数の交流電圧を印加して高
調波電流の測定を行い、各電圧の印加における高調波電
流値の比率によって劣化状態の診断を行う。
圧をケーブルに印加し、ケーブルに流れる電流の基本周
波数成分が最小になるように調整して、そのときに放出
される電流の基本周波数に対する高調波電流の大きさを
測定するケーブルの劣化診断方法において、前記交流電
圧は電圧値が異なる複数種を用い、各電圧値の印加にお
いて検出された高調波電流値の比率によってケーブルの
劣化度合を判定することを特徴とする。
得られた高調波電流値の比率を求め、この比率の大きさ
と劣化度合との関係を予め求めておき、そのデータと実
際に得られた比率の大きさを照らし合わせて判断すれは
よい。
特開平9‐184866号公報に記載の発明と同様の方法で行
う。まず、ケーブルに流れる電流の基本周波数(交流電
源の周波数と同一周波数)成分が最小になるように調整
するには、交流電圧が印加されるケーブルの導体と接地
との間に抵抗とコンデンサおよびケーブル絶縁体からな
るブリッジ回路を形成し、さらにバンドパスフイルタを
介してブリッジ中性点間の電位差を取り出す回路を用い
ることが好適である。この抵抗の抵抗値調整およびコン
デンサの容量調整によりブリッジの平衡をとり、充電電
流分を打ち消して、バンドパスフイルタを通って出力さ
れる電流の基本周波数成分を最小にする。
でバンドパスフィルタから取り出される高調波電流にお
ける他周波数成分の大きさを測定すればよい。これによ
り、ケーブルの容量成分、抵抗成分および交流電源波形
がキャンセルされる。よって、交流電源に高調波成分が
含まれていてもそのほとんどがキャンセルされる。
で抵抗成分の電流−電圧特性が直線であるなら出力電圧
はゼロになるはずである。しかし、ケーブルが水トリー
劣化していて電流−電圧特性が非直線であれば、それに
よって発生する電流による電圧のみが出力される。
した後、バンドパスフィルタを他周波数に切替えてケー
ブルの抵抗成分に含まれる他周波成分を検出している。
そのため、キャンセル後にバンドパスフィルタから出力
される電流はケーブル絶縁体の劣化によって生じる電流
のみとなっており、交流電源に含まれる高調波成分の影
響を排除することができる。
後にバンドパスフィルタから取り出す他周波数成分は、
キャンセルした交流電源の周波数の奇数倍であることが
好ましい。バンドパスフィルタから取り出す他周波数成
分が交流電源の周波数の奇数倍であると、水トリー劣化
したケーブルから検出される抵抗成分には、交流電源の
周波数の奇数倍となる高調波成分が多く含まれるため、
安定した出力が得られる。例えば、交流電源の周波数が
60Hzであれば、他周波数を180Hzなどとすれば良
い。
流値の測定を行い、得られた電流値の比率を求めて劣化
診断を行う。水トリーにより劣化しているケーブルの破
壊電圧は最大長の水トリーで決まる。異なる印加電圧下
での高調波電流の比率は、水トリーの長さが長いほど大
きくなる。そのため、高調波電流の比率とケーブルの破
壊電圧が相関関係を持ち、ケーブルの劣化程度を検出す
ることができる。
する。図1は本発明方法に用いる劣化診断装置の回路図
である。
との間における絶縁抵抗および絶縁容量を等価回路で示
すと、抵抗成分rxおよび容量成分Cxの並列接続として表
わされる。本装置は負荷側端子2と接地端子3を有する
交流電源Eを有している。この電源Eは電圧値の異なる複
数の電圧を印加できるよう構成され、その負荷側端子2
はケーブルの導体に接続される。また、ケーブル1の導
体には標準コンデンサCoを接続し、さらに、第一接続
点4を介して標準コンデンサCoを並列配置の可変抵抗R
1と可変コンデンサC1とに接続して接地する。
点5を介して抵抗Rを接続する。そして、第一接続点4
と第二接続点5間の電位差を差動アンプ6で増幅し、バ
ンドパスフィルタ7に通して取り出す回路を設ける。
ルタ7の通過帯域を交流電源Eの周波数に合わせ、この
フィルタ7から出力される交流電源の周波数成分を可変
抵抗R1の抵抗値調整と可変コンデンサC1の容量調整と
によってキャンセルし、最小(ゼロ)にする。
ときで、そのときバンドパスフィルタ7の出力から交流
電源の基本周波数成分が除かれる。 C1・R・R1+Cx・rx・R=Co・rx・R1 ω2・C1・Cx・R1・rx=1 ただし ω=2πf f:電
源周波数
たこの状態で、バンドパスフィルタの通過帯域を他周波
数(好ましくは、キャンセルした電源周波数の奇数倍の
周波数)に合わせると、ケーブル絶縁体の劣化によって
生じる電流による電圧の周波数成分のみが出力される。
このような高調波電流測定を交流電源の電圧を変えて行
い、各電圧値における測定電流値の比率を求める。そし
て、この比率の大きさを、事前に求めておいた比率と絶
縁劣化の度合のと関係を示すデータと照らし合わせ、劣
化の程度を判定する
ブルとして、単一の電圧値による第三高調波電流値と遮
断電圧との関係を調べてみた(比較例)。交流電源の印
加電圧は12.7kVである。その結果を図2に示す。
このグラフから明らかなように、第三高調波電流値と遮
断電圧との間には相関関係が見られず、劣化診断ができ
ないことがわかる。
0kVの交流電圧を印加し、各電圧値における第三高調
波電流値の測定を行い、同電流値の比率を求めて遮断電
圧との関係を調べてみた( 実施例)。その結果を図3に
示す。このグラフから明らかなように、異なる電圧を印
加した場合の第三高調波電流値の比率は遮断電圧と相関
関係が認められ、ケーブルの劣化診断が可能なことがわ
かった。
方法によれば、高電圧のケーブルにおいても、異なる電
圧を印加した場合の高調波電流値の比率を利用すること
で確実に絶縁劣化状態を診断することができる。また、
ケーブルにつなぐ電源に高調波が重畳していても、その
高調波による悪影響が排除されるため、ケーブルの劣化
の程度を正確に判定でき、使用中のケーブルの交換時期
を適正化したり、開発中のケーブルから信頼性の高い評
価データを収集することなどに役立つ。
と遮断電圧との関係を示すグラフである。
値の比率と遮断電圧との関係を示すグラフである。
一接続点 5.第二接続点 6.差動アンプ 7.バンドパスフィ
ルタ
Claims (2)
- 【請求項1】 交流電圧をケーブルに印加し、ケーブル
に流れる電流の基本周波数成分が最小になるように調整
して、そのときに放出される電流の基本周波数に対する
高調波電流の大きさを測定するケーブルの劣化診断方法
において、 前記交流電圧は電圧値が異なる複数種を用い、 各電圧値の印加において検出された高調波電流値の比率
によってケーブルの劣化度合を判定するケーブルの劣化
診断方法。 - 【請求項2】 交流電圧が印加されるケーブルの導体と
接地との間に抵抗とコンデンサおよびケーブル絶縁体か
らなるブリッジ回路を形成し、 さらにバンドパスフイルタを介してブリッジ中性点間の
電位差を取り出す回路を設け、 前記抵抗の抵抗値調整およびコンデンサの容量調整によ
り、バンドパスフイルタを通って出力される電流の基本
周波数成分を最小にし、 この状態で前記バンドパスフィルタから取り出される高
調波電流における他周波数成分の大きさを測定すること
を特徴とする請求項1記載のケーブルの劣化診断方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10192485A JP2000009788A (ja) | 1998-06-22 | 1998-06-22 | ケーブルの劣化診断方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10192485A JP2000009788A (ja) | 1998-06-22 | 1998-06-22 | ケーブルの劣化診断方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000009788A true JP2000009788A (ja) | 2000-01-14 |
Family
ID=16292091
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10192485A Pending JP2000009788A (ja) | 1998-06-22 | 1998-06-22 | ケーブルの劣化診断方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000009788A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100449275B1 (ko) * | 2002-03-11 | 2004-09-22 | 학교법인 성균관대학 | 고조파를 이용한 전력케이블의 상태감시방법 및 시스템 |
WO2012061979A1 (en) | 2010-11-09 | 2012-05-18 | Abb Research Ltd. | Cable fatigue monitor and method thereof |
CN111044860A (zh) * | 2019-12-19 | 2020-04-21 | 国网北京市电力公司 | 分析电缆本体绝缘缺陷的方法及装置、存储介质及处理器 |
-
1998
- 1998-06-22 JP JP10192485A patent/JP2000009788A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100449275B1 (ko) * | 2002-03-11 | 2004-09-22 | 학교법인 성균관대학 | 고조파를 이용한 전력케이블의 상태감시방법 및 시스템 |
WO2012061979A1 (en) | 2010-11-09 | 2012-05-18 | Abb Research Ltd. | Cable fatigue monitor and method thereof |
EP2641099A4 (en) * | 2010-11-09 | 2017-12-20 | ABB Research Ltd. | Cable fatigue monitor and method thereof |
CN111044860A (zh) * | 2019-12-19 | 2020-04-21 | 国网北京市电力公司 | 分析电缆本体绝缘缺陷的方法及装置、存储介质及处理器 |
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