JP2000009094A - 羽根車 - Google Patents

羽根車

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JP2000009094A
JP2000009094A JP10181846A JP18184698A JP2000009094A JP 2000009094 A JP2000009094 A JP 2000009094A JP 10181846 A JP10181846 A JP 10181846A JP 18184698 A JP18184698 A JP 18184698A JP 2000009094 A JP2000009094 A JP 2000009094A
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blade
blades
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thickness distribution
maximum
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Teruhiko Tomohiro
輝彦 友広
Tsuneo Akutsu
統雄 垰
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は多翼送風機の翼間に生じる剥離流れ
によって送風効率の低下や騒音が増大するということを
課題とするものである。 【解決手段】 本発明の羽根車は、主板上に複数の羽根
20を円環状に配設し、羽根の他端を連結する副板を備
え、羽根20は回転軸に垂直な面で切った断面における
羽根形状が、反り線21に上下対称な厚さ分布を付加し
た閉曲線で構成されており、反り線21は最大反り位置
が翼弦の中央以外の位置、たとえば、前縁から70%の
位置にある構成をとなっている。このため、前縁から最
大反り位置までの反りが緩やかになるので、この部分で
の剥離を生じ難くするとともに、後縁付近での剥離域を
小さし、翼間の有効流路を広く保つという効果が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は家庭用の空調機器な
どに用いられる多翼送風機で、特に、樹脂成形された羽
根車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の多翼送風機は,図6に示
すように、渦巻き状のケーシング1の中に羽根車2を収
納した構成になっている。羽根車2は、図7に示すよう
に、主板3に羽根4を環状に配設し、他端を副板5で保
持した構造である。副板5の形状は羽根車の一体成形の
ためにリング状になっていることが多い。主板3の中央
部にはボス部6が設けられており、モータ7の駆動軸8
と連結されている。羽根車2の副板5と対抗するケーシ
ング面には吸込口9が設けられ、空気が滑らかに流入す
るようにベルマウス10が形成されている。また、ケー
シング1の端には吐出口11が形成されている。
【0003】このような構成において、モータを用いて
羽根車を矢印12の方向に回転させることによって、吸
込口9から吸引した空気を、羽根車2から遠心方向に吹
き出し、その流れをケーシング1内で一方向にまとめ
て、吐出口11から吹き出す動作を行なっている。
【0004】この羽根車2の羽根4は、図8に示すよう
に何らかの厚み分布を持った翼型が使われていることが
多い。13は流れが流入する側の端で前縁と呼ばれ、1
4は流れが流出する側の端で後縁と呼ばれる。前縁13
と後縁14を結ぶ直線の長さLは羽根の長さを表し、翼
弦と呼ばれる。翼型にはNACAの翼型など有名なもの
がいろいろあるが、多翼送風機にもっとも普通に使われ
る翼型は、図8および図9に示すように前縁13の円弧
と後縁14の円弧を凸面側15と凹面側16でそれぞれ
円弧でつないだ、いわゆる簡易翼型である。この翼型は
基準となる円弧17の両側に上下対称な厚み分布を設け
たものであり、この円弧17は反り線と呼ばれる。上下
対称な厚み分布の場合、図9に示すように反り線の上に
中心を持つ円を並べ、その包絡線により翼型が構成され
る。つまり、翼弦に沿った前縁13からの距離がLpで
ある点Pでは、点Pに中心を持つ円19の半径Rpが羽
根の厚みとなり、反り線17の両面に付加される。
【0005】このように、反り線17上に並べる円の大
きさやその並べ方と反り線そのものの形状によって、上
下対称な厚み分布を持った種々の翼型を定義、構成する
ことができる。ここで、前縁13、後縁14を形成する
円弧の半径は、特に、前縁半径および後縁半径と呼ばれ
る。
【0006】図8の簡易翼型の場合は翼の中央部でもっ
とも厚みがあり、両端で薄くなっているので、厚み分布
としても中央に極大点を持つ分布となる。また、翼弦と
反り線17の距離Hを反り高さと呼び、簡易翼型の場合
は翼弦の中央、つまり、前縁から50%の位置で反り高
さがもっとも大きくなる。さらに、翼弦から羽根凸面ま
での距離Hbを羽根高さと呼ぶ。簡易翼型の場合は羽根
高さも翼弦中央で最大となる。
【0007】また、図8に示したように、前縁13にお
いて反り線17と周方向がなす角度β1を入口角、後縁
14において反り線17と周方向がなす角度β2を出口
角と呼ぶ。通常のこの種の多翼送風機では、入口角β1
は80〜90度、出口角β2は160〜170度に設定
されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の多翼送風機では,流れが十分に羽根に沿わず、大きな
剥離を生じることによって送風効率の低下や騒音が増大
するという課題があった。すなわち、図8に示すように
羽根4の凸面側15は大きく湾曲しているが、流れは羽
根4に沿いきれずに、反り高さHがもっとも大きくなる
翼弦の中央付近で剥離してしまい、大きな剥離域18を
形成している。羽根車の翼間の流れは、理想的にはすべ
て羽根表面に沿って流れることを期待しているが、実際
には、このような剥離を生じている。どこに、どのよう
な剥離域が生じるかは、羽根の形状や送風機の動作点に
よって異なり一概には決められないが、前縁13におけ
る流入流れと入口角β1とのずれが大きいことや羽根の
湾曲がきついことが剥離の大きな要因になる。すなわ
ち、入口角β1は80〜90度に設定されているので、
流入流れの相対速度がほぼ半径方向に向いていれば、羽
根に沿って滑らかに流入することになる。しかしながら
この種の多翼送風機の場合、流入流れの角度は入口角β
1よりも小さくなることが多いので、流れは羽根4の凹
面側16に押し付けられるようになり、図8に示したよ
うに羽根凸面側15に剥離が生じる。これは、翼弦Lが
短く、羽根4の湾曲がきついほど顕著である。
【0009】剥離域18は乱れが強く、渦が集中した領
域であり、騒音の原因となるとともに、翼間の有効流路
を狭め、通路抵抗を増加させるので送風機の風量特性を
低下させる要因となっている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の多翼送風機は上
記課題を解決するため、主板上に複数の羽根を円環状に
配設し、前記羽根の他端を連結する副板を備え、前記羽
根は回転軸に垂直な面で切った断面における羽根形状
が、反り線に上下対称な厚さ分布を付加した閉曲線で構
成されており、前記反り線は最大反り位置が翼弦の中央
以外の位置、たとえば、前縁から70%の位置にある構
成となっている。
【0011】上記発明によれば最大反り位置を70%と
いう後縁側に寄せたことにより、前縁から最大反り位置
までの湾曲が緩やかになるので、この部分での剥離を生
じ難くすることができる。さらに、最大反り位置から後
縁までの距離が短いために、この部分で剥離が生じても
大きな剥離域として成長する前に羽根外部へ流出してし
まうので、翼間の有効流路を狭める影響も小さくなる。
【0012】このように、翼面からの流れの剥離を小さ
くすることによって、広い動作点に渡って、高い性能を
維持することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1にかかる羽根車
は、主板上に複数の羽根を円環状に配設し、前記羽根の
他端を連結する副板を備え、前記羽根は回転軸に垂直な
面で切った断面における羽根形状が、反り線に上下対称
な厚み分布を付加した閉曲線で構成されており、前記反
り線は最大反り位置が翼弦の中央以外の位置にある構成
をとっている。
【0014】上記構成によると、反り線の最大反り位置
を翼弦の中央からずらしたことにより、一般に、羽根の
厚みがもっとも厚くなる翼弦中央付近の反り高さが低く
なるので、反り高さと羽根の厚みを加えた羽根高さの最
大値も低くなる。つまり、入口角や出口角、反り線の高
さなどを変えずに、羽根高さを低く抑えることができる
ので、羽根全体の湾曲が小さくなり、翼間流路の湾曲も
少なくすることができる。したがって、翼間流路内での
剥離を起こしにくくなり、低騒音化の効果が得られる。
【0015】本発明の請求項2にかかる羽根車は、羽根
の反り線の最大反り位置が前縁から60〜70%の位置
にある請求項1に記載のものである。
【0016】本発明の請求項3にかかる羽根車は、羽根
の反り線の最大反り位置が前縁から30〜40%の位置
にある請求項1に記載のものである。
【0017】本発明の請求項4にかかる羽根車は、主板
上に複数の羽根を円環状に配設し、前記羽根の他端を連
結する副板を備え、前記羽根は主板側の内径が副板側よ
りも小さく、回転軸に垂直な面で切った断面における羽
根形状が、反り線に上下対称な厚み分布を付加した閉曲
線で構成されており、前記反り線は主板側ほど最大反り
位置が後縁寄りにある構成をとっている。
【0018】上記構成によると、主板側ほど羽根の翼弦
が長い、いわゆるテーパー型の羽根になる。テーパー型
の羽根は、吸い込み口となる副板側は短い翼弦で開口部
を広く取り、流れの主流となる主板側は翼弦の長い羽根
で効率よく送風を行なう効果がある。この主板側と副板
側で最大反り位置を変えることによって、樹脂の一体成
形が容易な羽根形状が可能になる。したがって、最大反
り位置を後縁側に寄せた低騒音化の効果とテーパー型の
羽根の効果の両方を活かすことができる。
【0019】本発明の請求項5にかかる羽根車は、羽根
の反り線が2つの三次曲線により構成される請求項1か
ら請求項4のいずれかに記載のものである。
【0020】本発明の請求項6にかかる羽根車は、主板
上に複数の羽根を円環状に配設し、前記羽根の他端を連
結する副板を備え、前記羽根は回転軸に垂直な面で切っ
た断面における羽根形状が、円弧状の反り線に上下対称
な厚み分布を付加した閉曲線で構成されており、前記厚
さ分布は前縁から30%付近と70%付近の2ヵ所に極
大点を持つ構成をとっている。
【0021】上記構成によると、前縁から30%付近と
70%付近に極大点を持つ上下対称な厚み分布と円弧状
の反り線の組み合わせにより、翼弦の中央付近の凸面側
が平坦な形状となる。そのため、翼間の流路が広がるの
で、風量性能を向上させることができるだけでなく、羽
根凸面側の後縁側で剥離が生じ難くなる。また、生じた
場合にもその領域が小さくなるので、性能低下を少なく
することができる。
【0022】本発明の請求項7にかかる羽根車は、主板
上に複数の羽根を円環状に配設し、前記羽根の他端を連
結する副板を備え、前記羽根は回転軸に垂直な面で切っ
た断面における羽根形状が、円弧状の反り線の上下に非
対称な厚み分布を付加した閉曲線で構成されており、凸
面側の厚み分布は翼弦の後縁よりに極大点を持ち、凹面
側の厚み分布は翼弦の中央付近に極大点を持つ構成をと
っている。
【0023】上記構成によると、羽根の凸面側は、後縁
側に極大点を持つ厚み分布と円弧状の反り線の組み合わ
せにより、前縁から厚みが極大となる位置までの反りが
緩やかになるので、この部分での剥離を生じ難くするこ
とができる。さらに、厚みが極大の位置から後縁までの
距離が短いために、この部分で剥離が生じても大きな剥
離域として成長する前に羽根外部へ流出してしまうの
で、翼間の有効流路を狭める影響も小さくなる。
【0024】このように、翼面からの流れの剥離を小さ
くすることによって、広い動作点に渡って、高い性能を
維持することができる。
【0025】本発明の請求項8にかかる羽根車は、主板
上に複数の羽根を円環状に配設し、前記羽根の他端を連
結する副板を備え、前記羽根は回転軸に垂直な面で切っ
た断面における羽根形状が、円弧状の反り線の上下に非
対称な厚み分布を付加した閉曲線で構成されており、凸
面側の厚み分布は前縁から30%付近と70%付近の2
ヵ所に極大点を持ち、凹面側の厚み分布は中央付近に極
大点を1つ持つ構成をとっている。
【0026】上記構成によると、羽根の凸面側は、前縁
から30%付近と70%付近に極大点を持つ厚み分布と
円弧状の反り線の組み合わせにより、翼弦の中央付近が
比較的平坦な形状となる。そのため、翼間の流路が広が
るので、風量性能を向上させることができるだけでな
く、羽根凸面側の後縁側で剥離が生じ難くなる。また、
生じた場合にもその領域が小さくなるので、性能低下を
少なくすることができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。
【0028】(実施例1)図1は本発明の実施例1の羽
根車の羽根の拡大図である。従来例と同じく、渦巻き状
のケーシングに収められた羽根車の羽根20は主板上に
円環状に配設されており、他端を副板で支持した構造に
なっている。ここで羽根20は、反り線21の最大反り
位置が翼弦の中央よりも後縁寄りにある。具体的には、
翼弦の長さLに対して、前縁からの距離がLhのところ
に最大反り位置があり、Lh/Lの値としては0.6〜
0.7程度、つまり前縁から60〜70%の位置が適当
である。この反り線21に対して、上下に対称な厚み分
布を付加することによって翼型を形成している。
【0029】一般的な翼型の厚み分布は、前縁と後縁で
は厚みが薄く、翼弦の中央付近で最大の厚みとなるもの
が多い。したがって、最大反り位置を後縁側にずらした
この翼型は、翼弦中央付近の羽根高さは反りが低くなっ
た分だけ低くなるとともに、最大反り位置では厚みが減
った分だけ高さが低くなっている。つまり、羽根の入口
角や出口角、反り高さを変えることなく、羽根高さを低
くした翼型になっている。
【0030】この羽根20の周りの気流の流れを説明す
る。図1に示すように、前縁22から流入する流れは、
羽根20の凸面側24と凹面側25に分かれて流れ、後
縁23から流出する。このとき、羽根20に流入する角
度は流れの絶対速度と羽根車の回転速度から決まるが、
一般的には、羽根20の凹面側25から凸面側24に向
かう角度になることが多い。普通、羽根20の入口角は
この流入角度を考慮して、大きく外れることのないよう
な値に設定する。羽根20の凹面側25の流れは羽根車
の回転により羽根20に押し付けられることになるの
で、剥離が生じることは少ない。一方、凸面側24の流
れは、羽根4の湾曲に沿って流れるので湾曲がきついと
沿いきれずに剥離してしまう。本発明の構成では、最大
反り位置が後縁側にずれたことと、羽根高さが低くなっ
たことによって、前縁22から最大反り位置までの湾曲
は緩やかになっている。そのため、この間での流れの剥
離は非常に少なくなる。
【0031】いっぽう、最大反り位置から、後縁までの
間は前半部分よりも湾曲がきつくなるが、羽根高さが低
くなっていることと、後縁23に近いことにより、剥離
が生じても翼間で大きな剥離域を形成することはなく、
すぐに、羽根車の外へ流出してしまう。したがって、翼
間の有効流路を狭めることもなく、高性能が実現でき
る。
【0032】また、反り線21の最大反り位置を前縁か
ら30〜40%のところにもってきた場合には、凸面側
24の前縁22から最大反り位置までの湾曲はややきつ
くなるが、最大反り位置から後縁23までの圧力回復領
域は緩やかな湾曲になるので剥離はほとんど生じない。
したがって、入口角を適切に設定すれば前半部分での剥
離もなし、あるいは、小さく抑えることが可能であるの
で、全体として剥離の少ない良好な流れを実現すること
ができる。
【0033】なお、反り線21の形状は任意の曲線を用
いてあらわすことも可能であるが、入口角、出口角、最
大反り位置の3つをパラメータとする場合、前縁から最
大反り位置までと最大反り位置から後縁までをそれぞれ
三次曲線で表現すると一意的に反り線を決定することが
できる。
【0034】(実施例2)図2は本発明の実施例2の羽
根車の羽根の拡大図である。羽根車の構造は実施例1と
同じく、羽根26が主板上に円環状に配設されており、
他端を副板で支持した構造になっている。本羽根車は、
羽根26の主板側の内径が副板側よりも小さい、いわゆ
る、テーパー型の羽根である。つまり、羽根26の内径
を主板側でRh、副板側でRsとすると、Rs>Rhと
なっている。したがって、主板側の前縁を27とする
と、副板側の前縁は28となり、その中間の前縁は29
であらわされる。ここで、主板側から副板側まで反り線
21は一定であり、主板側では実施例1で示したものと
同じく、最大反り位置が翼弦中央よりも後縁よりに設定
されている。このような主板側と副板側で羽根内径が異
なるテーパー型の羽根は、流入口となる副板側を広げる
ことによって流入抵抗を減らすとともに、流れの主流と
なる主板側で長い翼弦を活かして有効に送風作用を行な
う。
【0035】反り線21を共通として、主板側では最大
反り位置を後縁寄りに設定し、副板側では翼弦のほぼ中
央付近に持ってくるように連続的に最大反り位置を変化
させることによって、主板側から副板側までのスパン方
向にねじれのない羽根形状となり、樹脂の一体成形が容
易になる。
【0036】したがって、テーパー型の羽根の効率の良
さと最大反り位置を後縁側に寄せた剥離抑制の効果を併
せ持ち、かつ、樹脂の一体成形が容易に行なえる羽根が
実現できるというメリットがある。
【0037】なお、反り線21を表す曲線は実施例1と
同じく三次曲線をはじめとする、任意の曲線が利用可能
である。
【0038】(実施例3)図3は本発明の実施例3の羽
根車の羽根の拡大図である。羽根車の構造は実施例1と
同じく、羽根31が主板上に円環状に配設されており、
他端を副板で支持した構造になっている。羽根31は、
円弧状の反り線32に上下対称な厚み分布を付加した形
状である。この厚み分布は前縁22から30%付近と7
0%付近の2ヵ所で極大値をとるような分布形状であ
る。図3に示した前縁からの距離L1とL2の点におけ
る羽根31の厚みD1とD2が厚み分布の極大値であ
る。
【0039】上記の構成において、二つの極大点の間の
厚みは、当然、極大点よりは小さいわけであるから、円
弧状の反り線32と組み合わさることにより、凸面側2
4の形状は中央付近がほぼ平坦な形になり、凹面側25
は中央部分の湾曲がきつくなる。羽根31の凸面側24
の膨らみが小さくなり、翼間の流路が広がるので、風量
性能を向上させることができるだけでなく、羽根凸面側
24の後縁23側で剥離が生じ難くなる。また、生じた
場合にもその剥離領域が小さくなるので、騒音の増加な
どを抑えることができる。
【0040】いっぽう、凹面側25は、多少、湾曲がき
つくなっても、流れが羽根31に押し付けられる方向に
作用するので、大きな剥離は生じない。
【0041】(実施例4)図4は本発明の実施例4の羽
根車の羽根の拡大図である。羽根車の構造は実施例1と
同じく、羽根33が主板上に円環状に配設されており、
他端を副板で支持した構造になっている。羽根33は、
円弧状の反り線32の上下に非対称な厚み分布を付加し
た閉曲線で構成されており、凸面側24の厚み分布は翼
弦の後縁よりに極大点を持ち、凹面側25の厚み分布は
翼弦の中央付近に極大点を持つ構成となっている。図4
に示した前縁からの距離L3の点が最大厚み位置であ
り、この点における羽根33の凸面側24の厚みT3が
極大値である。
【0042】上記の構成において、凸面側24の最大厚
み位置が後縁側にずれたこととによって、前縁22から
最大厚み位置までの湾曲は緩やかになっている。そのた
め、この間での流れの剥離は非常に少なくなる。
【0043】いっぽう、最大厚み位置から、後縁23ま
での間は前半部分よりも湾曲がきつくなるが、後縁23
に近いことにより、剥離が生じても翼間で大きな剥離域
を形成することはなく、すぐに、羽根車の外へ流出して
しまう。したがって、翼間の有効流路を狭めることもな
く、大風量が実現できるという効果がある。
【0044】また、凹面側25の形状は円弧状の反り線
に従来からの簡易翼型と同じ厚み分布が利用できるの
で、凸面側24の厚み分布を変えるだけで翼間の剥離の
少ない羽根を簡単に作ることができる。
【0045】(実施例5)図5は本発明の実施例5の羽
根車の羽根の拡大図である。羽根車の構造は実施例1と
同じく、羽根34が主板上に円環状に配設されており、
他端を副板で支持した構造になっている。羽根34は、
円弧状の反り線32の上下に非対称な厚み分布を付加し
た形状である。この非対称な厚み分布の凸面側24は前
縁から30%付近と70%付近の2ヵ所に極大点を持っ
ている。また、凹面側25の厚み分布は中央付近に極大
点を1つ持っている。図5に示した前縁からの距離L4
とL5の点における羽根34の凸面側24の厚みT4と
T5が極大値である。
【0046】上記の構成において、凸面側24の二つの
極大点の間の厚みは、当然、極大点よりは小さいわけで
あるから、円弧状の反り線32と組み合わさることによ
り、凸面側24の形状は中央付近がほぼ平坦な形にな
る。つまり、羽根34の凸面側24の膨らみが小さくな
り、翼間の流路が広がるので、風量性能を向上させるこ
とができるだけでなく、羽根凸面側24の後縁23側で
剥離が生じ難くなる。また、生じた場合にもその剥離領
域が小さくなるので、騒音の増加などを抑えることがで
きるという効果が得られる。
【0047】また、凹面側25の形状は円弧状の反り線
に従来からの簡易翼型と同じ厚み分布が利用できるの
で、凸面側24の厚み分布を変えるだけで風量性能の高
い羽根を簡単に作ることができる。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明の羽根車の羽根によ
れば、反り線の最大反り位置を翼弦の中央からずらした
ことにより、一般に、羽根の厚みがもっとも厚くなる翼
弦中央付近の反り高さが低くなるので、反り高さと羽根
の厚みを加えた羽根高さの最大値も低くなる。したがっ
て、翼間流路内での剥離を起こしにくくなり、低騒音化
の効果が得られる。
【0049】また、主板側ほど羽根の翼弦が長い、いわ
ゆるテーパー型の羽根を採用し、かつ、主板側と副板側
で最大反り位置を変えることによって、樹脂の一体成形
が容易な羽根形状が可能になる。したがって、最大反り
位置を後縁側に寄せた低騒音化の効果とテーパー型の羽
根の効果の両方を活かすことができる。
【0050】また、前縁から30%付近と70%付近に
極大点を持つ上下対称な厚み分布と円弧状の反り線の組
み合わせにより、翼弦の中央付近の凸面側が比較的平坦
な形状となり、翼間の流路が広がるので、風量性能を向
上させる効果が得られる。
【0051】また、円弧状の反り線の上下に非対称な厚
み分布を付加する羽根形状において、凸面側の後縁側に
極大点を持つ厚み分布と円弧状の反り線の組み合わせに
より、前縁から最大反り位置までの反りが緩やかになる
ので、この部分での剥離を生じ難くする効果が得られ
る。
【0052】また、円弧状の反り線の上下に非対称な厚
み分布を付加する羽根形状において、凸面側の前縁から
30%付近と70%付近に極大点を持つ厚み分布と円弧
状の反り線の組み合わせにより、翼弦の中央付近が比較
的平坦な形状となので、翼間の流路が広がり、風量性能
を向上させる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における羽根車の羽根の拡大
【図2】本発明の実施例2における羽根車の羽根の拡大
【図3】本発明の実施例3における羽根車の羽根の拡大
【図4】本発明の実施例4における羽根車の羽根の拡大
【図5】本発明の実施例5における羽根車の羽根の拡大
【図6】従来の多翼送風機の平面図
【図7】従来の多翼送風機の縦断面図
【図8】従来の多翼送風機における羽根車の羽根の拡大
【図9】従来の多翼送風機における羽根車の羽根の厚み
分布の説明図
【符号の説明】
1 ケーシング 2 羽根車 3 主板 20 羽根 21 反り線 22 前縁 23 後縁 26 羽根 27 主板側の前縁 28 副板側の前縁 29 中間部の前縁 31 羽根 32 反り線 33 羽根 34 羽根

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主板上に複数の羽根を円環状に配設し、前
    記羽根の他端を連結する副板を備え、前記羽根は回転軸
    に垂直な面で切った断面における羽根形状が、反り線に
    上下対称な厚み分布を付加した閉曲線で構成されてお
    り、前記反り線は最大反り位置が翼弦の中央以外の位置
    にある多翼送風機の羽根車。
  2. 【請求項2】羽根の反り線の最大反り位置が前縁から6
    0〜70%の位置にある請求項1に記載の多翼送風機の
    羽根車。
  3. 【請求項3】羽根の反り線の最大反り位置が前縁から3
    0〜40%の位置にある請求項1に記載の多翼送風機の
    羽根車。
  4. 【請求項4】主板上に複数の羽根を円環状に配設し、前
    記羽根の他端を連結する副板を備え、前記羽根は主板側
    の内径が副板側よりも小さく、回転軸に垂直な面で切っ
    た断面における羽根形状が、反り線に上下対称な厚み分
    布を付加した閉曲線で構成されており、前記反り線は主
    板側ほど最大反り位置が後縁寄りにある多翼送風機の羽
    根車。
  5. 【請求項5】羽根の反り線は2つの三次曲線により構成
    される請求項1から請求項4のいずれかに記載の多翼送
    風機の羽根車。
  6. 【請求項6】主板上に複数の羽根を円環状に配設し、前
    記羽根の他端を連結する副板を備え、前記羽根は回転軸
    に垂直な面で切った断面における羽根形状が、円弧状の
    反り線に上下対称な厚み分布を付加した閉曲線で構成さ
    れており、前記厚み分布は前縁から30%付近と70%
    付近の2ヵ所に極大点を持つ多翼送風機の羽根車。
  7. 【請求項7】主板上に複数の羽根を円環状に配設し、前
    記羽根の他端を連結する副板を備え、前記羽根は回転軸
    に垂直な面で切った断面における羽根形状が、円弧状の
    反り線の上下に非対称な厚み分布を付加した閉曲線で構
    成されており、凸面側の厚み分布は翼弦の後縁よりに極
    大点を持ち、凹面側の厚み分布は翼弦の中央付近に極大
    点を持つ多翼送風機の羽根車。
  8. 【請求項8】主板上に複数の羽根を円環状に配設し、前
    記羽根の他端を連結する副板を備え、前記羽根は回転軸
    に垂直な面で切った断面における羽根形状が、円弧状の
    反り線の上下に非対称な厚み分布を付加した閉曲線で構
    成されており、凸面側の厚み分布は前縁から30%付近
    と70%付近の2ヵ所に極大点を持ち、凹面側の厚み分
    布は中央付近に極大点を1つ持つ多翼送風機の羽根車。
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