JP2000008105A - 高炉炉頂装入物の分布制御方法 - Google Patents

高炉炉頂装入物の分布制御方法

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JP2000008105A JP10178274A JP17827498A JP2000008105A JP 2000008105 A JP2000008105 A JP 2000008105A JP 10178274 A JP10178274 A JP 10178274A JP 17827498 A JP17827498 A JP 17827498A JP 2000008105 A JP2000008105 A JP 2000008105A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高炉のガス流れ分布を適正に制御して、高PC
I操業下においても安定な高炉操業を行うことができる
装入物の分布制御方法を提供する。 【解決手段】原料装入条件、送風条件および原料堆積層
表面のプロフィール形状計測値から炉頂部の原料堆積層
の構造およびガス流れ分布を算出するに際し、前記炉頂
部の原料堆積層の構造およびガス流れ分布に基づいて算
出される炉内半径方向のガス組成分布と炉上部で測定さ
れた炉内半径方向のガス組成分布との差が最小になるよ
うに、炉内中間部における鉱石の装入の直前に装入され
たコークスの堆積角を修正しつつ算出し、得られたガス
流れ分布と予め設定した目標ガス流れ分布との差に基づ
いて炉内装入物分布を制御する。堆積角の修正を、さら
に炉内中心部におけるコークスの堆積角、続いて炉内周
辺部における鉱石の堆積角について行えば、一層高精度
の制御が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鉱石とコークス
を層状に装入する高炉操業において、炉頂部からの装入
物の分布を制御することにより高炉のガス流れ分布を適
正に制御し、操業の安定化を図るための高炉炉頂装入物
の分布制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高炉操業においては、鉄鉱石、焼結鉱な
どの鉄原料(以下、「鉱石」という)とコークスが炉頂
から交互に、層状に装入される。この装入物の分布を制
御して炉内半径方向における鉱石とコークスの存在比率
とガス流れ分布を適正化することが、炉内を上昇するガ
スと、炉内を降下するコークスおよび鉱石との熱交換な
らびに反応を効率よく行わせ、高炉を安定にしかも効率
よく操業するために不可欠である。
【0003】炉頂から原料(鉱石およびコークス)を装
入する際、一般的には、ムーバブル・アーマー、あるい
は旋回シュート等の装入装置を用い、原料を円周方向で
均一になるように炉内の周辺部に近い所定の領域に落下
させるため、炉内に堆積した原料の表面は炉中心部に向
かって下り勾配の傾斜をなす。
【0004】この傾斜の角度(以下、「堆積角」とい
う)は、原料の落下点の変移や原料粒径の変動などによ
って変化する。特に、鉱石の装入の直前に装入されたコ
ークスの層は鉱石の装入の際の落下衝撃によって崩れ込
みを起こし、また、さらには傾斜面に沿った流れ込みが
生じるので、炉内の中間部(炉内の中心部と周辺部の中
間の部分)でコークス層表面のプロフィール形状(コー
クスの堆積形状)が変動する。そのため、コークス層表
面がつくる堆積角(以下、単に「コークスの堆積角」と
いう)はそのコークスが装入された直後の堆積角より低
下する。しかも、この新たに形成された堆積角を検知す
ることは不可能であり、また、崩れや流れ込みの現象自
体が不安定であるため、コークス層表面の崩れと流れ込
み現象は装入物分布の制御性の精度を低下させる要因と
されている。
【0005】一方、炉内の中心付近では、時に、コーク
スの流動化を伴うほどガス流速が大きくなることがある
ため、コークスの堆積角の変動が大きく、中心付近のガ
ス流分布が不安定となる。また、炉壁近傍では、原料、
特に鉱石の落下時の衝撃による原料(特に、鉱石)表面
の乱れが炉内周辺部におけるガス流を不安定化させる要
因となる。
【0006】さらに、近年、高炉操業は、コークス比の
低減を狙い、羽口から熱風とともに多量の微粉炭を吹き
込む高PCI操業へ移行しており、炉頂から装入する鉱
石量はコークス量に比較して増加してきている。そのた
め、装入鉱石の落下点付近と炉内の中間部分におけるコ
ークス層表面のプロフィール形状の変化、および炉内中
心部付近の堆積角の変動幅の増大が助長される傾向にあ
り、装入物分布制御の精度向上がますます要求されてい
る。
【0007】高炉装入物の分布制御方法として、特許第
2608504号公報では、装入物の落下軌跡への炉頂
ガス流速の影響を考慮して装入物の落下軌跡を求め、こ
の落下軌跡から装入物の落下位置を求めて炉内堆積表面
形状を推定し、目標堆積表面形状との差に基づいて装入
物の分布を制御する方法が開示されている。
【0008】また、特公平6−63009号公報では、
高炉炉内半径方向のガス流や装入物の分布状況判断を行
うための知識ベースを備えた知識工学システムによりガ
ス流や装入物の分布状況を推論し、この分布状況が適正
領域から外れた場合、装入物分布予測モデル計算を行っ
て適正領域に戻すのに最適な装入物分布制御条件を求
め、それに基づいて装入物の分布を制御する方法が開示
されている。
【0009】しかしながら、特許第2608504号公
報に記載の装入分布制御方法では、先に述べた、炉内の
中間部におけるコークス層の崩れ込みと流れ込み、炉内
中心付近の堆積角の変動(堆積後の表面形状の変化)、
鉱石の落下点付近の原料堆積層表面の乱れ(原料堆積層
表面のプロフィール形状の変動)等の不安定で、かつ検
知不能の現象を考慮することができず、目標とする装入
物分布にすることは不可能である。また、特公平6−6
3009号公報に記載の装入分布制御方法では、過去の
実績により構築された知識工学をベースにしているた
め、やはり上記の現象が生じた場合、炉内半径方向のガ
ス流および装入物分布の変動に対する予測精度が低下
し、最適な装入物分布制御条件を求めて目標のガス流れ
分布を得ることは困難である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術における問題を解決し、炉頂部からの装入物の分布
制御性の精度向上を図り、高炉のガス流れ分布を適正に
制御して、高PCI操業下においても安定な高炉操業を
行うことができる高炉炉頂装入物の分布制御方法を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記
(1)および(2)の高炉炉頂装入物の分布制御方法に
ある。
【0012】(1)鉱石とコークスを層状に装入する高
炉操業において、原料装入条件、送風条件および原料堆
積層表面のプロフィール形状計測値から炉頂部の原料堆
積層の構造およびガス流れ分布を算出するに際し、前記
炉頂部の原料堆積層の構造およびガス流れ分布に基づい
て算出された炉内半径方向のガス組成分布と炉上部で測
定された炉内半径方向のガス組成分布との差が最小にな
るように、炉内中間部における鉱石の装入の直前に装入
されたコークスの堆積角を修正しつつ算出し、得られた
ガス流れ分布と予め設定した目標ガス流れ分布との差に
基づいて炉内装入物分布を制御することを特徴とする高
炉炉頂装入物の分布制御方法。
【0013】(2)炉頂部の原料堆積層の構造およびガ
ス流れ分布を算出するに際して行う堆積角の修正を、さ
らに、炉内中心部におけるコークスの堆積角について行
い、続いて炉内周辺部における鉱石の堆積角について行
う上記(1)に記載の高炉炉頂装入物の分布制御方法。
【0014】前記の「炉内中心部」とは、高炉の中心と
同じ中心を有する同心円で高炉の横断面を三つの領域に
区分したときの炉の中心を含む最も内側の領域をいい、
「炉内周辺部」とは、炉壁部近傍を含む最も外側の領域
をいい、「炉内中間部」とは、「炉内中心部」と「炉内
周辺部」の中間の領域をいう。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、上記(1)および(2)
の発明の高炉炉頂装入物の分布制御方法について詳細に
説明する。なお、本発明の高炉炉頂装入物の分布制御方
法(本発明方法)という場合は、これら両方法を指す。
【0016】図1は、本発明方法で用いる装入物分布予
測シミュレーター(以下、「装入物分布予測モデル」、
または単に「モデル」という)の機能を説明するための
図で、本発明方法をベル式高炉に適用した場合である。
【0017】図1において、大ベル1を介して炉内に装
入された原料2は落下途中でムーバブル・アーマー3に
衝突して落下方向が修正され、炉内周辺部に近い所定の
領域(図示した原料落下幅6の範囲内)に落下し、層状
に堆積する。符号4は鉄原料(鉱石)であり、符号5は
その直前に落下、堆積したコークスである。コークス5
の層は、装入された直後は破線で示したプロフィールを
有するが、その後に装入された鉄原料(鉱石)4の落下
衝撃により炉内の中間部でコークス層の崩れ7や流れ込
みが生じ、図中に実線で示したプロフィールに変化す
る。符号8は炉内の中心部付近でのコークス層表面の堆
積角の変動を示す。
【0018】この装入物分布予測モデルは、原料装入条
件、送風条件、センサー(プロフィール計)により求め
た原料層の堆積角、および炉頂ガス組成分布から、高炉
半径方向における原料層(堆積層)の構造、およびガス
流れ分布を推定するシミュレーターであり、次の部分か
ら構成される。すなわち、 原料の落下軌跡計算 原料落下後の表面のプロフィール形状計算 半径方向の粒径偏析計算 原料層(堆積層)の構造に基づいたガス流れ分布計算 である。
【0019】装入物分布を制御するための操作として、
原料の落下点を制御する場合は、ベル式装入装置を備え
た高炉ではムーバブル・アーマーの押し出し量を変更す
る操作を、ベルレス式装入装置を備えた高炉では旋回シ
ュートの傾動角を変更する操作を行う。また、原料の装
入速度を制御する場合は、ベル式高炉では大ベルのスト
ロークの変更操作、ベルレス式高炉では流量調整弁の変
更操作を行う。
【0020】上記の原料の落下軌跡計算では、装入装
置からの原料の初速度を算出し、次いで、落下軌跡の計
算を行い、原料の落下点を求める。ムーバブル・アーマ
ーによる操作を行う場合は、アーマープレートによる反
発を考慮して原料落下点およびその近傍の原料落下幅を
算出し、次に述べるの原料落下後の表面のプロフィー
ル形状計算に反映させる。なお、この原料の落下軌跡お
よび落下点の計算値については、原料落下実験結果によ
りその妥当性を検証した。
【0021】上記の原料落下後の表面のプロフィール
形状計算では、原料落下後、プロフィール計により求め
た各原料の半径方向における原料堆積層表面プロフィー
ル計測値(原料層の堆積角)に基づいて表面形状を決定
する。その際、鉱石の落下衝撃によってコークス斜面上
部での崩れと斜面下部への流れ込みが起こるので、高炉
火入れ時の炉内装入実験と充填調査時の測定に基づいた
コークス層崩れ時の一定の堆積角低下幅を用いて前記の
原料堆積層表面のプロフィール形状計測により得られた
堆積角を調整し、全体の表面形状を決定する。
【0022】上記の半径方向の粒径偏析計算では、粒
径分布の異なる各原料が斜面上に堆積する際の粒度偏析
を計算し、堆積した各原料の半径方向における層構造、
すなわち、鉱石/コークス比(以下、「O/C」と記
す)、粒径および空隙率の分布状態を算出する。
【0023】また、上記の原料層(堆積層)構造に基
づいたガス流れ分布計算では、送風条件により与えられ
る上昇ガス量を、上記ので得られた層構造分布に応じ
て分配し、ガス流れ分布を算出する。
【0024】さらに、炉内の直接還元率を仮定すること
により、上記で得られた炉内半径方向におけるO/C
とで求めたガス流れ分布に基づいて、炉内半径方向に
おけるガス組成分布を算出することができる。
【0025】このようにして算出された炉内半径方向に
おけるガス組成分布と、炉頂部の半径方向に取り付けら
れたガスサンプラーにより採取したガスを分析して求め
た実績のガス組成分布との差は、炉頂からプロフィール
計により求めた原料堆積層表面のプロフィール形状計測
値からは検知できない炉内の中間部におけるコークス層
の崩れや流れ込み、中心部および周辺部における原料堆
積層表面のプロフィール形状変化の度合いを意味する。
【0026】したがって、鉱石の装入の直前に装入され
たコークス層の崩れや流れ込みに起因する炉内の中間部
のコークスの堆積角を修正しながら、さらには、炉内の
中心部におけるコークスの堆積角および炉内周辺部にお
ける鉱石の堆積角を修正しながら、つまり、炉内の中間
部、中心部および周辺部のそれぞれの領域における堆積
角に種々の値を与えて、炉内半径方向におけるガス組成
分布の算出を繰り返し、実測のガス組成分布との差が最
小になるようにすれば、そのときの炉内各領域における
堆積角で表される層構造は炉頂部における装入物の層構
造を高精度で表しているといえる。なお、前記の「ガス
組成分布の計算値と実測値との差が最小」とは、一致す
るのが最も望ましいが、必ずしも一致せず、そのときの
状況に応じて操業者により最小と判断される状態であれ
ばよい。
【0027】図2は、上記の計算で用いる装入物分布予
測モデルの計算手順を示すフローチャートである。上記
(1)の発明の方法を実施する場合は、図中の一点鎖線
で囲んだ部分を除いて計算を行い、(2)の発明の方法
を実施する場合は一点鎖線で囲んだ部分を含めて計算を
行う。なお、以下の説明では、一点鎖線で囲んだ部分を
含めて、つまり、上記(2)の発明の方法について述
べ、その上で(1)の発明の方法について言及する。
【0028】図2において、送風条件、原料装入条件、
上記の〜の計算に基づいて求めた炉頂排ガス組成、
およびプロフィール計により求めた原料(コークス、鉱
石)層の堆積角分布、シャフトゾンデによる実測のガス
組成分布と温度分布が計算条件としてモデルに入力され
る。
【0029】図2における「チューニングパラメータ仮
定」とは、蓄積された過去の装入物分布モデルのモデル
パラメータの中から選ばれた現在の操業状態に近いと考
えられるモデルパラメータである。
【0030】このモデルパラメータに対して、上記の計
算条件の下で装入物分布シミュレーションを行い、前述
した〜の手順にしたがって、まず、炉内の中間部に
おけるガス組成分布が算出される。それにより得られた
ガス組成分布(計算値)と、中間部の実測ガス組成分布
が一致するか否かの判断がなされ、その結果、中間部の
ガス組成分布の計算値と実測値が一致しなければ、中間
部におけるコークスの堆積角の変化量を修正しつつ繰り
返し計算を行う。なお、「一致する」と判断する際の基
準は、前述したように、一致した状態であるのが最も望
ましいが、そのときの状況に応じて操業者により最小と
判断される状態であればよい。
【0031】中間部の実測ガス組成分布と計算値が一致
すれば、再び装入物分布シミュレーションを行い、前記
の中心部のガス組成の実測値と計算値が一致するか否か
を判断する。一致しなければ、中心部におけるコークス
の堆積角を修正しつつ繰り返し計算を行う。
【0032】中心部の実測ガス組成分布と計算値が一致
すれば、さらに装入物分布シミュレーションを行って周
辺部のガス組成の実測値と計算値が一致するか否かを判
断する。一致しない場合は、周辺部における鉱石の堆積
角を修正しつつ繰り返し計算を行う。
【0033】以上の手順で、炉内半径方向におけるガス
組成分布の計算値と実測値とが一致するまで繰り返し計
算を行い、一致すれば、その結果、すなわち中間部にお
けるコークスの堆積角、中心部におけるコークスの堆積
角および周辺部における鉱石の堆積角が出力される。な
お、上記のシミュレーションにより得られた装入物分布
モデルのモデルパラメータは、パラメータファイルに入
力され、更新、保管されて、次回のモデルパラメータ選
択の対象に加えられる。
【0034】上記の装入物分布シミュレーションを、ま
ず、炉内中間部について行い、次いで、中心部、周辺部
の順に行うのは、装入物分布の制御性に対して、中間部
で生じる、鉱石の装入の直前に装入されたコークス層の
崩れや流れ込みに起因するコークスの堆積角の変動の影
響が最も大きいからである。すなわち、影響力の大きい
順にシミュレーションを行って、炉頂装入物の層構造を
制御するのである。
【0035】したがって、装入物分布シミュレーション
を炉内の中間部についてだけ行ってもよく、これによっ
て、予測の精度は若干低下するものの、炉内装入物の層
構造の迅速な予測が可能となる。このようなシミュレー
ションの方法を採るのが、上記(1)の発明の方法であ
る。すなわち、図2において、一点鎖線で囲んだ部分を
除いて計算を行い、中間部におけるコークスの堆積角の
みを修正して装入物の層構造(分布状態)を予測するの
である。
【0036】上記の装入物分布予測モデルによる計算の
結果、原料装入後の炉頂部における装入物の層構造(分
布状態)を精度よく予測することができ、それに基づい
て前記の計算を行って炉内半径方向におけるガス流れ
分布を算出することができる。そして、このガス流れ分
布と予め設定した目標ガス流れ分布との差に基づいてガ
ス流れ分布を適正に制御することが可能となり、操業の
安定化を図ることができる。なお、予め設定した目標ガ
ス流れ分布とは、操業の目標に応じて定めたガス流れ分
布であり、ガス流れ分布の制御は、ベル式高炉の場合は
ムーバブル・アーマーノッチや大ベルストロークを用
い、また、ベルレス式高炉の場合は旋回シュートの旋回
数とシュート角度を用いて行う。
【0037】以下、実施例により本発明の効果を具体的
に説明する。
【0038】
【実施例】炉内容積2700m3 の高炉による実施例を
以下に示す。
【0039】表1の従来例は、微粉炭吹き込み量が15
0kg/銑鉄tレベルの通常操業で、装入物の分布を制
御することにより目標通りのガス流れ分布が得られてい
る場合である。
【0040】比較例は、微粉炭吹き込み量を180kg
/銑鉄tに増加させた場合で、このときの装入O/Cの
変更操作に関しては、通気性を確保するべく融着帯部分
のコークス層厚を維持するために、1回あたりのコーク
ス装入量(コークスベース)は一定とし、装入鉱石量を
増加させた。しかし、炉壁下部のステーブ温度の低下お
よび静圧の低下が検知され、炉周辺部の局所的な荷下が
りの不安定(スリップ)が発生した。この操業状態の悪
化は、従来の装入物分布予測により、周辺ガス流れの不
足によるものと判断されたため、周辺部ガス流れを強化
することで操業状態の改善を図った。しかしながら、炉
下部温度と静圧は、さらに低下し、荷下がりの不安定度
合いは、ますます増大した。
【0041】そこで、実施例において、本発明の装入物
分布制御方法を適用した。すなわち、第一に、炉内半径
方向のガス組成分布の計算値と実測値との差が最小にな
るように中間部のコークスの堆積角を変更し、次ぎに、
同じく計算値と実測値との差が最小になるように中心部
のコークスの堆積角を変更し、続いて周辺部の鉱石の堆
積角を変更して、それぞれの最適値を求めるために繰り
返し計算を行なった。その結果得られた炉頂部における
装入物の層構造に基づいて、再度、周辺部を強化した目
標ガス流れを得るための装入物分布制御を行った。
【0042】その結果、炉下部のステーブ温度は上昇
し、荷下がりは安定し、周辺ガス流れの増加が検知で
き、操業状態は好転した。
【0043】比較例で操業状態を改善できなかったの
は、微粉炭吹き込み量を30kg/銑鉄t増加させたこ
とにより鉱石装入量が増加したため、コークス層の崩れ
が当初の予測より大きく、中心ガス流れが高めに出てい
たため、周辺部のO/Cが予想以上に高く、周辺ガス流
れが低めであったことによるものである。したがって、
周辺ガス流れを強化するために行った操作幅では、十分
な周辺ガス流れが得られず、むしろ、コークス層崩れ量
の増加により、結果的には周辺ガス流れを抑制した形と
なっていたため、炉下部ステーブ温度の低下が回避でき
ず、操業状態を好転させ得なかったと考えられる。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明の高炉炉頂装入物の分布制御方法
を適用することにより、高炉のガス流れ分布を適正に制
御して、高PC操業下においても安定な高炉操業を行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法で用いる装入物分布予測モデルの機
能を説明するための図である。
【図2】本発明方法で用いる装入物分布予測モデルの計
算手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1:大ベル 2:原料 3:アーマー 4:鉄原料(鉱石) 5:コークス 6:原料落下幅 7:コークス層崩れ 8:中心部コークス堆積角

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉱石とコークスを層状に装入する高炉操業
    において、原料装入条件、送風条件および原料堆積層表
    面のプロフィール形状計測値から炉頂部の原料堆積層の
    構造およびガス流れ分布を算出するに際し、前記炉頂部
    の原料堆積層の構造およびガス流れ分布に基づいて算出
    された炉内半径方向のガス組成分布と炉上部で測定され
    た炉内半径方向のガス組成分布との差が最小になるよう
    に、炉内中間部における鉱石の装入の直前に装入された
    コークスの堆積角を修正しつつ算出し、得られたガス流
    れ分布と予め設定した目標ガス流れ分布との差に基づい
    て炉内装入物分布を制御することを特徴とする高炉炉頂
    装入物の分布制御方法。
  2. 【請求項2】炉頂部の原料堆積層の構造およびガス流れ
    分布を算出するに際して行う堆積角の修正を、さらに、
    炉内中心部におけるコークスの堆積角について行い、続
    いて炉内周辺部における鉱石の堆積角について行う請求
    項1に記載の高炉炉頂装入物の分布制御方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101388019B1 (ko) 2013-01-31 2014-04-22 현대제철 주식회사 고로내 장입물 장입방법
JP2015086461A (ja) * 2013-11-01 2015-05-07 新日鐵住金株式会社 高炉操業方法
JP2017008363A (ja) * 2015-06-22 2017-01-12 Jfeスチール株式会社 高炉内の層厚分布の推定方法、高炉の操業方法、および高炉内の層厚分布の推定装置

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JP2017008363A (ja) * 2015-06-22 2017-01-12 Jfeスチール株式会社 高炉内の層厚分布の推定方法、高炉の操業方法、および高炉内の層厚分布の推定装置

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