JP2000007984A - 塗料組成物及び塗装鋼板 - Google Patents

塗料組成物及び塗装鋼板

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JP2000007984A
JP2000007984A JP10175760A JP17576098A JP2000007984A JP 2000007984 A JP2000007984 A JP 2000007984A JP 10175760 A JP10175760 A JP 10175760A JP 17576098 A JP17576098 A JP 17576098A JP 2000007984 A JP2000007984 A JP 2000007984A
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resin
weight
film
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glass transition
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JP10175760A
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Shoichi Tanaka
正一 田中
Takashi Nakano
多佳士 中野
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Kansai Paint Co Ltd
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 クロメート防錆顔料を使用しなくても、耐食
性、加工性、耐酸性及び耐沸騰水性の優れたプレコート
鋼板を得ることができる塗料組成物を得る。 【構成】 (A)ガラス転移温度が10〜100℃で、
数平均分子量が2,000〜25,000の水酸基含有
ポリエステル樹脂20〜90重量部、(B)ノボラック
型エポキシ樹脂5〜70重量部及び(C)アミノ樹脂及
びブロック化ポリイソシアネート化合物から選ばれる少
なくとも一種の硬化剤5〜40重量部からなる皮膜形成
性樹脂成分の合計量100重量部に対して、(D)カル
シウムイオン交換された非晶質シリカ微粒子30〜10
0重量部を含有する塗料であって、かつ該塗料の硬化塗
膜のガラス転移温度が40〜80℃である塗料組成物、
及び各種鋼板上に、上記の塗料組成物による下塗塗膜上
にガラス転移温度が20〜80℃の上塗塗膜が設けられ
た塗装鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐酸性、耐食性、
加工性及び耐沸騰水性に優れた塗装鋼板を得るのに適し
た塗料組成物及びこの塗料組成物の硬化塗膜の上に上塗
塗膜が設けられた塗装鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
家電製品における塗装は、鋼板を成型後、家電メーカー
側で塗装する、いわゆるポストコートが多く行われてい
たが、塗装焼付時における溶剤蒸気、ホルマリンなどの
揮散により、作業環境の悪化、地球環境とりわけ大気の
汚染に悪影響を及ぼしている。
【0003】そこで、近年、作業環境、地球環境への悪
影響をなくすため、また家電メーカー側での塗装による
煩雑さをなくすため、鋼板を鋼板メーカー側でコイルコ
ーティング法、シートコーティング法などにより塗装し
クローズドシステムにて焼付けて塗装鋼板(以下、「プ
レコート鋼板」と略称することがある)を得、この塗装
鋼板を家電メーカーで成型加工する、いわゆるプレコー
ト法が採用されてきている。
【0004】またプレコート鋼板において、上塗塗膜の
ガラス転移温度(以下、「Tg」と略すことがある)は
通常、20〜80℃の範囲であり、特に加工時にプレス
成型などの厳しい加工が行われる場合には加工性に優れ
たものとする必要があり、上塗塗膜のTgは一般に20
〜65℃程度と低いものが使用されている。
【0005】プレコート鋼板においては、上記加工部に
おける耐食性や塗膜表面に傷が付いた場合の傷部の耐食
性が非常に重要である。これらの耐食性を満足させるた
め、一般に塗料の樹脂組成の改良、クロメート防錆顔料
量の増大などの対策が取られている。しかしながら、樹
脂組成の改良だけでは十分な耐食性を得ることはできて
おらず、またクロメート防錆顔料は、6価クロムを発生
するため安全衛生上の問題を有する。
【0006】さらにプレコート鋼板は、エアコン室外機
などの室外用途に使用される場合も増えており、室外で
は酸性雨の問題から耐酸性を要求されることが多くなっ
てきている。しかしながらプレコート鋼板は上記の如
く、一般に、下塗塗膜は溶出しやすいクロメート防錆顔
料の濃度が高く、また上塗塗膜のTgは一般的に低く、
さらに合計塗装膜厚が薄いので、プレコート鋼板がpH
の低い酸性液と接触した場合、塗膜内を酸性液が容易に
透過し、鋼板表面を溶解させブリスタを生じやすく耐酸
性が悪いという問題があった。
【0007】そこで本発明者らは、これらの問題点を解
決し、クロメート防錆顔料を使用しなくても、加工部や
傷部における耐食性、加工性及び耐酸性の優れたプレコ
ート鋼板を得ることができる塗料組成物を開発するため
鋭意検討を行った結果、カルシウムイオン交換されたシ
リカ微粒子を、特定の皮膜形成性樹脂成分と組合せた塗
料を使用することによって上記目的を達成できることを
見出し本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(A)ガラス転移温度が10〜100℃で、数平均分子
量が2,000〜25,000の水酸基含有ポリエステ
ル樹脂20〜90重量部、(B)ノボラック型エポキシ
樹脂5〜70重量部及び(C)アミノ樹脂及びブロック
化ポリイソシアネート化合物から選ばれる少なくとも一
種の硬化剤5〜40重量部からなる皮膜形成性樹脂成分
の合計量100重量部に対して、(D)カルシウムイオ
ン交換された非晶質シリカ微粒子30〜100重量部を
含有する塗料であって、かつ該塗料を加熱硬化させて得
られる硬化塗膜のガラス転移温度が40〜90℃である
ことを特徴とする塗料組成物を提供するものである。
【0009】また、本発明は、化成処理されていてもよ
い、亜鉛メッキ鋼板、亜鉛合金メッキ鋼板又はアルミニ
ウムメッキ鋼板上に、上記塗料組成物による下塗塗膜が
設けられており、該下塗塗膜上にガラス転移温度が20
〜80℃の上塗塗膜が設けられていることを特徴とする
塗装鋼板を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の塗料組成物の各成分につ
いて、以下に詳細に説明する。
【0011】水酸基含有ポリエステル樹脂(A) 本発明組成物の(A)成分である水酸基含有ポリエステ
ル樹脂は、ガラス転移温度が10〜100℃、好ましく
は20〜80℃で、数平均分子量が2,000〜25,
000、好ましくは3,000〜20,000の範囲内
にあり、水酸基を有し、好ましくは水酸基価2〜100
KOHmg/gを有する。上記範囲内の特性値を有する
ことによって、加工性、耐薬品性、加工性、塗装作業性
の良好な塗膜を形成することができる。本発明におい
て、ガラス転移温度(Tg)は、示差熱分析(DTA)
によるものであり、数平均分子量は、ゲル浸透クロマト
グラフィ(GPC)によるものである。
【0012】上記水酸基含有ポリエステル樹脂(A)と
しては、オイルフリーポリエステル樹脂、油変性アルキ
ド樹脂、また、これらの樹脂の変性物、例えばウレタン
変性ポリエステル樹脂、ウレタン変性アルキド樹脂、エ
ポキシ変性ポリエステル樹脂などが挙げられる。
【0013】上記オイルフリーポリエステル樹脂は、多
塩基酸成分と多価アルコール成分とのエステル化物から
なるものである。多塩基酸成分としては、例えば無水フ
タル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無
水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、コハク酸、フ
マル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸など
から選ばれる1種以上の二塩基酸及びこれらの酸の低級
アルキルエステル化物が主として用いられ、必要に応じ
て安息香酸、クロトン酸、p−t−ブチル安息香酸など
の一塩基酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセ
ントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上
の多塩基酸などが併用される。多価アルコール成分とし
ては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオー
ル、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ールなどの二価アルコールが主に用いられ、さらに必要
に応じてグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上
の多価アルコールを併用することができる。これらの多
価アルコールは単独で、あるいは2種以上を混合して使
用することができる。また上記酸成分、アルコール成分
の一部をジメチロールプロピオン酸、オキシピバリン
酸、パラオキシ安息香酸など;これらの酸の低級アルキ
ルエステル;ε−カプロラクトンなどのラクトン類など
のオキシ酸成分に置き換えることもできる。これらの成
分のエステル化又はエステル交換反応は、それ自体既知
の方法によって行うことができる。酸成分としては、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、及びこれらの酸の低級アル
キルエステル化物が特に好ましい。
【0014】アルキド樹脂は、上記オイルフリーポリエ
ステル樹脂の酸成分及びアルコール成分に加えて、油脂
肪酸をそれ自体既知の方法で反応せしめたものであっ
て、油脂肪酸としては、例えばヤシ油脂肪酸、大豆油脂
肪酸、アマニ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、トール油
脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、キリ油脂肪酸などを挙げ
ることができる。アルキド樹脂の油長は30%以下、特
に5〜20%程度のものが好ましい。
【0015】ウレタン変性ポリエステル樹脂としては、
上記オイルフリーポリエステル樹脂、又は上記オイルフ
リーポリエステル樹脂の製造の際に用いられる酸成分及
びアルコール成分を反応させて得られる低分子量のオイ
ルフリーポリエステル樹脂を、ポリイソシアネート化合
物とそれ自体既知の方法で反応せしめたものが挙げられ
る。また、ウレタン変性アルキド樹脂は、上記アルキド
樹脂、又は上記アルキド樹脂製造の際に用いられる各成
分を反応させて得られる低分子量のアルキド樹脂を、ポ
リイソシアネート化合物とそれ自体既知の方法で反応せ
しめたものが包含される。ウレタン変性ポリエステル樹
脂及びウレタン変性アルキド樹脂を製造する際に使用し
うるポリイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネー
ト、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、
4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネー
ト)、2,4,6−トリイソシアナトトルエンなどが挙
げられる。上記のウレタン変性樹脂は、一般に、ウレタ
ン変性樹脂を形成するポリイソシアネート化合物の量が
ウレタン変性樹脂に対して30重量%以下の量となる変
性度合のものを好適に使用することができる。
【0016】エポキシ変性ポリエステル樹脂としては、
上記ポリエステル樹脂の製造に使用する各成分から製造
したポリエステル樹脂を用い、この樹脂のカルボキシル
基とエポキシ基含有樹脂との反応生成物や、ポリエステ
ル樹脂中の水酸基とエポキシ樹脂中の水酸基とをポリイ
ソシアネート化合物を介して結合した生成物などの、ポ
リエステル樹脂とエポキシ樹脂との付加、縮合、グラフ
トなどの反応による反応生成物を挙げることができる。
かかるエポキシ変性ポリエステル樹脂における変性の度
合は、一般に、エポキシ樹脂の量がエポキシ変性ポリエ
ステル樹脂に対して、0.1〜30重量%となる量であ
ることが好適である。
【0017】ノボラック型エポキシ樹脂(B) 本発明組成物における(B)成分であるノボラック型エ
ポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ
樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂及び分子内
に多数のエポキシ基を有するフェノールグリオキザール
型エポキシ樹脂などの、各種ノボラック型エポキシ樹脂
を挙げることができる。上記ノボラック型エポキシ樹脂
は、数平均分子量が2,000以下であることが好まし
い。
【0018】上記ノボラック型エポキシ樹脂の代表例と
しては、下記一般式[1]、[2]及び[3]で示され
る樹脂を挙げることができる。
【0019】
【化1】
【0020】上記式中、R1 は水素原子又はメチル基を
示し、R2 は水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル
基、フェニル基又は炭素原子数7〜10のアラルキル基
を示し、nは2〜12の整数を示す。
【0021】
【化2】
【0022】上記式中、R3 及びR4 はそれぞれ同一又
は異なって、水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル
基を示し、mは1〜5の整数を示す。
【0023】
【化3】
【0024】上記式中、R1 は前記と同じ意味を有す
る。
【0025】前記式[1]中のR2 において、炭素原子
数1〜4のアルキル基としては、例えばメチル、エチ
ル、イソプロピル、t−ブチル基などを挙げることがで
き、炭素原子数7〜10のアラルキル基としては、ベン
ジル、α−メチルベンジル、α,α−ジメチルベンジ
ル、フェネチル基などを挙げることができる。
【0026】前記式[2]中のR3 及びR4 において、
炭素原子数1〜3のアルキル基としては、メチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル基などを挙げることが
できる。
【0027】上記ノボラック型エポキシ樹脂の市販品と
しては、フェノールノボラック型として、エピコート1
52、同154(以上、いずれも油化シェルエポキシ
(株)製)、EPPN−201(日本化薬(株)製)、
エポトートYDPN−638(東都化成(株)製)など
が挙げられ、クレゾールノボラック型として、エピコー
ト180S65、同180H65(以上、いずれも油化
シェルエポキシ(株)製)、EOCN−102S、EO
CN−103S、EOCN−104S(以上、いずれも
日本化薬(株)製)、エポトートYDCN−701、同
−702、同−703、同−704(東都化成(株)
製)などが挙げられ、その他、エポトートZX−107
1T、同ZX−1015、同ZX−1247、同YDG
−414S(以上、いずれも東都化成(株)製)などを
挙げることができる。
【0028】硬化剤(C) 硬化剤(C)は、加熱によって上記水酸基含有ポリエス
テル樹脂(A)及び場合によってノボラック型エポキシ
樹脂(B)と反応して塗膜を硬化させることができるも
のであり、アミノ樹脂及びブロック化ポリイソシアネー
ト化合物から選ばれる少なくとも1種の硬化剤である。
【0029】上記アミノ樹脂としては、メラミン、尿
素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログア
ナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等のアミ
ノ成分とアルデヒドとの反応によって得られるメチロー
ル化アミノ樹脂が挙げられる。上記反応に用いられるア
ルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホルムアル
デヒド、アセトアルデヒド、ベンツアルデヒド等が挙げ
られる。また、上記メチロール化アミノ樹脂を適当なア
ルコールによってエーテル化したものもアミノ樹脂とし
て使用できる。エーテル化に用いられるアルコールの例
としてはメチルアルコール、エチルアルコール、n−プ
ロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチ
ルアルコール、イソブチルアルコール、2−エチルブタ
ノール、2−エチルヘキサノールなどが挙げられる。
【0030】上記アミノ樹脂のうち、メラミン樹脂が好
適であり、なかでもメチルエーテル化メラミン樹脂、メ
チルエーテルとブチルエーテルとの混合エーテル化メラ
ミン樹脂、又はメチルエーテル化メラミン樹脂もしくは
上記混合エーテル化メラミン樹脂を60重量%以上含有
しブチルエーテル化メラミン樹脂を40重量%以下含有
する混合メラミン樹脂であることが好ましい。
【0031】上記メラミン樹脂の具体例としては、例え
ばサイメル300、同303、同325、同327、同
350、同730、同736、同738[以上、いずれ
も三井サイテック(株)製]、メラン522、同523
[以上、いずれも日立化成(株)製]、ニカラックMS
001、同MX430、同MX650[以上、いずれも
三和ケミカル(株)製]、スミマールM−55、同M−
100、同M−40S[以上、いずれも住友化学(株)
製]、レジミン740、同747[以上、いずれもモン
サント社製]などのメチルエーテル化メラミン樹脂;ユ
ーバン20SE、同225[以上、いずれも三井東圧
(株)製]、スーパーベッカミンJ820−60、同L
−117−60、同L−109−65、同47−508
−60、同L−118−60、同G821−60[以
上、いずれも大日本インキ化学工業(株)製]などのブ
チルエーテル化メラミン樹脂;サイメル232、同26
6、同XV−514、同1130[以上、いずれも三井
サイテック(株)製]、ニカラックMX500、同MX
600、同MS35、同MS95[以上、いずれも三和
ケミカル(株)製]、レジミン753、同755[以
上、いずれもモンサント社製]、スミマールM−66B
[住友化学(株)製]などのメチルエーテルとブチルエ
ーテルとの混合エーテル化メラミン樹脂などを挙げるこ
とができる。これらのメラミン樹脂は1種で又は2種以
上の混合物として使用することができる。
【0032】前記ブロック化ポリイソシアネート化合物
は、ポリイソシアネート化合物のフリーのイソシアネー
ト基をブロック化剤によってブロック化してなる化合物
である。
【0033】上記ブロック化する前のポリイソシアネー
ト化合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネ
ートもしくはトリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
トの如き脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレ
ンジイソシアネートもしくはイソホロンジイソシアネー
トの如き環状脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイ
ソシアネートもしくは4,4′−ジフェニルメタンジイ
ソシアネートの如き芳香族ジイソシアネート類の如き有
機ジイソシアネートそれ自体、またはこれらの各有機ジ
イソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステ
ル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは上記した如き
各有機ジイソシアネート同志の環化重合体、更にはイソ
シアネート・ビウレット体等が挙げられる。
【0034】イソシアネート基をブロックするブロック
化剤としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレ
ノールなどのフェノール系;ε−カプロラクタム;δ−
バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラ
クタムなどラクタム系;メタノール、エタノール、n−
又はi−プロピルアルコール、n−,i−又はt−ブチ
ルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール
モノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチル
エーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、
ベンジルアルコールなどのアルコール系;ホルムアミド
キシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエ
チルケトキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェ
ノンオキシム、シクロヘキサンオキシムなどオキシム
系;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸
エチル、アセト酢酸メチル、アセチルアセトンなどの活
性メチレン系などのブロック化剤を好適に使用すること
ができる。
【0035】上記ポリイソシアネート化合物と上記ブロ
ック化剤とを混合することによって容易に上記ポリイソ
シアネート化合物のフリーのイソシアネート基をブロッ
クすることができる。
【0036】硬化剤(C)は、1種の架橋剤からなって
いてもよいし、2種以上の架橋剤の混合物であってもよ
い。
【0037】本発明組成物において、前記水酸基含有ポ
リエステル樹脂(A)と前記ノボラック型エポキシ樹脂
(B)と上記硬化剤(C)との配合割合は、(A)、
(B)及び(C)成分の合計固形分100重量部に基づ
いて以下のとおりである。
【0038】(A)成分:20〜90重量部、好ましく
は20〜70重量部、 (B)成分:5〜70重量部、好ましくは10〜50重
量部、 (C)成分:5〜40重量部、好ましくは10〜30重
量部。
【0039】上記(A)成分の量が20重量部未満とな
ると、得られる塗膜の加工性が低下しやすくなり、一
方、90重量部を超えると得られる塗膜の耐食性、耐沸
騰水性が低下しやすくなり、また塗装作業性も低下す
る。上記(B)成分の量が5重量部未満となると(B)
成分配合の効果が十分ではなく、耐食性、特に塩水噴霧
試験を行なった時の、塗板の切断面である端面の耐食
性、耐沸騰水性が劣り、一方、70重量部を超えると、
得られる塗膜の上に酸触媒の触媒作用によって硬化する
タイプの上塗塗料を塗装した場合、硬化阻害を起こし、
上塗塗膜の硬化性が不十分となり、耐溶剤性、塗膜の加
工性も低下しやすくなる。上記(C)成分の量が5重量
部未満となると塗膜の硬化性が低下しやすくなり、一
方、40重量部を超えると得られる塗膜の加工性が低下
しやすくなる。
【0040】カルシウムイオン交換された非晶質シリカ
微粒子(C) 本発明組成物において、(C)成分であるカルシウムイ
オン交換された非晶質シリカ微粒子(以下、「イオン交
換シリカ」と略称することがある)は、微細な多孔質の
シリカ担体にイオン交換によってカルシウムイオンが導
入されたシリカ微粒子である。塗膜中に配合されたイオ
ン交換シリカは、塗膜を透過してきたH+ イオンとイオ
ン交換され、防錆種イオンであるカルシウムイオンCa
2+が放出されて金属表面を保護するものと考えられる。
イオン交換シリカの市販品としては、SHIELDEX
(シールデックス、登録商標)C303、同AC−3、
同C−5(以上、いずれもW.R.Grace & C
o.社製)などを挙げることができる。
【0041】本発明組成物において、イオン交換シリカ
(C)の配合量は、前記水酸基含有ポリエステル樹脂
(A)、ノボラック型エポキシ樹脂(B)及び硬化剤
(C)の合計固形分100重量部に対して、30〜10
0重量部、好ましくは40〜70重量部の範囲内であ
る。
【0042】本発明の塗料組成物は、水酸基含有ポリエ
ステル樹脂(A)、ノボラック型エポキシ樹脂(B)、
硬化剤(C)及びイオン交換シリカ(D)から実質的に
なることができるが、通常、有機溶剤が配合され、さら
に必要に応じて、硬化触媒、チタン白などの顔料類;塗
料用としてそれ自体既知の消泡剤、塗面調整剤、沈降防
止剤などの添加剤を含有していてもよい。
【0043】上記有機溶剤は、本発明組成物の塗装性の
改善などのために必要に応じて配合されるものであり、
水酸基含有樹脂(A)、ノボラック型エポキシ樹脂
(B)及び硬化剤(C)を溶解ないし分散できるものが
使用でき、具体的には、例えば、トルエン、キシレン、
高沸点石油系炭化水素などの炭化水素系溶剤、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン、イソホロンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸
ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテ
ート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテ
ートなどのエステル系溶剤、メタノール、エタノール、
イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶
剤、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール
モノブチルエーテルなどのエーテルアルコール系溶剤な
どを挙げることができ、これらは単独で、あるいは2種
以上を混合して使用することができる。
【0044】前記硬化触媒は、硬化剤(C)と他の皮膜
形成性樹脂成分との反応を促進するために必要に応じて
配合されるものであり、硬化剤(C)の種類などに応じ
て適宜選択して使用される。
【0045】硬化剤(C)がメラミン樹脂、特に低分子
量の、メチルエーテル化またはメチルエーテルとブチル
エーテルとの混合エーテル化メラミン樹脂を含有する場
合には、硬化触媒としてスルホン酸化合物又はスルホン
酸化合物のアミン中和物が好適に用いられる。スルホン
酸化合物の代表例としては、p−トルエンスルホン酸、
ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスル
ホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸などを挙げる
ことができる。スルホン酸化合物のアミン中和物におけ
るアミンとしては、1級アミン、2級アミン、3級アミ
ンのいずれであってもよい。これらのうち、塗料の安定
性、反応促進効果、得られる塗膜の物性などの点から、
p−トルエンスルホン酸のアミン中和物及び/又はドデ
シルベンゼンスルホン酸のアミン中和物が好適である。
【0046】硬化剤(C)がブロック化ポリイソシアネ
ート化合物である場合には、硬化剤であるブロック化ポ
リイソシアネート化合物のブロック剤の解離を促進する
硬化触媒が好適であり、好適な硬化触媒として、例え
ば、オクチル酸錫、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノ
エート)、ジオクチル錫ジ(2−エチルヘキサノエー
ト)、ジオクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレ
ート、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイ
ド、2−エチルヘキサン酸鉛などの有機金属触媒などを
挙げることができる。
【0047】これらの硬化触媒を配合する場合、硬化触
媒の配合量は、通常、(A)、(B)及び(C)成分か
らなる皮膜形成性樹脂成分の合計量100重量部に対し
て、通常、0.1〜2.0重量部の範囲であることが好
適である。硬化触媒量は、硬化触媒がスルホン酸化合物
又はスルホン酸化合物のアミン中和物である場合には、
スルホン酸量を意味し、硬化触媒が有機金属触媒の場合
には、固形分量を意味する。
【0048】本発明組成物は、本発明組成物から得られ
る硬化塗膜のガラス転移温度が40〜80℃、好ましく
は50〜70℃であることが塗膜の耐酸性、耐食性及び
加工性などの点から好適である。塗膜のガラス転移温度
は、DINAMIC VISCOELASTOMETE
R MODEL VIBRON(ダイナミックビスコエ
ラストメータ モデルバイブロン) DDV−II E
A型(東洋ボールドウィン社製、自動動的粘弾性測定
機)を用いて周波数110Hzにおける温度分散測定に
よるtanδの変化から求めた極大値の温度である。
【0049】次に本発明組成物を用いた塗装鋼板につい
て説明する。
【0050】本発明組成物は、例えば、鋼板用下塗塗料
として使用できるが、被塗物である鋼板としては、冷延
鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、亜鉛
合金メッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、ステンレス
鋼板、銅メッキ鋼板、錫メッキ鋼板など、及びこれらの
鋼板に燐酸塩処理やクロム酸塩処理などの化成処理を施
した鋼板を挙げることができ、なかでも化成処理され
た、亜鉛メッキ鋼板、亜鉛合金メッキ鋼板、アルミニウ
ムメッキ鋼板が好ましい。
【0051】本発明組成物は、上記鋼板上に、ロールコ
ート法、スプレー法、刷毛塗り法、浸漬法などの公知の
方法により塗装することができる。本発明組成物から得
られる塗膜の膜厚は、特に限定されるものではないが、
通常2〜10μm、好ましくは3〜6μmの範囲で使用
される。塗膜の乾燥は、使用する樹脂の種類などに応じ
て適宜設定すればよいが、コイルコーティング法などに
よって塗装したものを連続的に焼付ける場合には、通
常、素材到達最高温度が160〜250℃、好ましくは
180〜230℃となる条件で15〜60秒間焼付けら
れる。バッチ式で焼付ける場合には、80〜140℃で
10〜30分間焼付けることによっても行うことができ
る。
【0052】本発明の塗装鋼板は、化成処理されていて
もよい、亜鉛メッキ鋼板、亜鉛合金メッキ鋼板、アルミ
ニウムメッキ鋼板上に、上記本発明下塗塗料組成物によ
る下塗塗膜が設けられており、該下塗塗膜上にTgが2
0〜80℃、好ましくは30〜70℃の上塗塗膜が設け
られたものである。下塗塗膜の膜厚は、通常、2〜10
μm、好ましくは3〜6μmであり、上塗塗膜の膜厚
は、通常、8〜50μm、好ましくは10〜25μmで
ある。
【0053】この塗装鋼板は、本発明の下塗塗料をロー
ルコート法により塗装し、焼付けた後、上塗塗料をロー
ルコート法により塗装し、焼付けることによって好適に
得ることができる。上記上塗塗膜を形成する上塗塗料と
しては、例えばプレコート鋼板用として公知の、ポリエ
ステル樹脂系、アルキド樹脂系、シリコン変性ポリエス
テル樹脂系、シリコン変性アクリル樹脂系、フッ素樹脂
系などの上塗塗料を挙げることができる。加工性が特に
重視される場合には高度加工用のポリエステル系上塗塗
料を使用することによって加工性の特に優れた塗装鋼板
を得ることができる。本発明の塗装鋼板は、耐酸性、耐
食性、加工性及び耐沸騰水性に優れた塗膜性能を示すこ
とができる。
【0054】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお「部」及び「%」は、いずれも重量基準
によるものとする。
【0055】実施例1 バイロンEP−2940(東洋紡(株)製、固形分30
%のエポキシ変性ポリエステル樹脂溶液、樹脂の数平均
分子量は約10000、ガラス転移温度は約72℃)を
133.3部(固形分量で40部)、エピコート152
(油化シェルエポキシ(株)製、商品名、フェノールノ
ボラック型エポキシ樹脂)30部、シールデックスC3
03(W.R.Grace & Co.社製、カルシウ
ムイオン交換された非晶質シリカ微粒子、平均粒子径約
3μm)80部、チタン白30部及び混合溶剤[ソルベ
ッソ150(エッソ石油社製、芳香族炭化水素系溶剤)
とシクロヘキサノンとの1/1(重量基準)混合溶剤]
の適当量を混合し、ツブ(顔料粗粒子の粒子径)が10
ミクロン以下となるまで分散を行った。次いで、この分
散物にサイメル303(三井サイテック(株)製、メチ
ル化メラミン樹脂)25部及びネイキュア5225(米
国キング・インダストリイズ社製、ドデシルベンゼンス
ルホン酸のアミン塩、有効成分 約25%)1.5部を
加えて均一に混合し、さらに上記混合溶剤を加えて粘度
約80秒(フォードカップ#4/25℃)に調整して塗
料組成物を得た。
【0056】実施例2〜7及び比較例1〜4 実施例1と同様に硬化剤以外の皮膜形成性樹脂成分及び
混合溶剤を用いて顔料分を分散し、また塗料配合組成を
後記表1に示す組成とする以外は実施例1と同様にして
塗料組成物を得た。表1中における配合量は重量部(固
形分量または有効成分量)にて表示する。
【0057】表1における(註)は下記のとおりであ
る。
【0058】(注1)バイロンGK−78CS:東洋紡
(株)製、固形分40%のポリエステル樹脂溶液、樹脂
の数平均分子量は約10,000、ガラス転移温度は約
40℃。 (注2)バイロン29CS:東洋紡(株)製、固形分3
0%のポリエステル樹脂溶液、樹脂の数平均分子量は約
20,000、ガラス転移温度は約72℃。 (注3)バイロン59CS:東洋紡(株)製、固形分5
0%のポリエステル樹脂溶液、樹脂の数平均分子量は約
6,000、ガラス転移温度は約15℃。 (注4)スーパーベッコライトTF−787:大日本イ
ンキ化学工業(株)製、固形分40%のポリエステル樹
脂溶液、樹脂の数平均分子量は約2,0000、ガラス
転移温度は約−3℃。
【0059】(注5)エピコート154:油化シェルエ
ポキシ(株)製、商品名、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂。 (注6)エピコート180S65:油化シェルエポキシ
(株)製、商品名、クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂。 (注7)エピコート1010:油化シェルエポキシ
(株)製、固形分40%のビスフェノールA型エポキシ
樹脂溶液、樹脂の数平均分子量は約5,500、ガラス
転移温度は約70℃。
【0060】(注8)コロネート2507:日本ポリウ
レタン(株)製、ヘキサメチレンジイソシアネートのイ
ソシアヌレートのブロック体、固形分約80%。 (注9)タケネートTK−1:武田薬品(株)製、有機
錫系ブロック剤解離触媒、固形分約10%。
【0061】実施例1〜7及び比較例1〜4で得られた
塗料組成物から得られる硬化塗膜のガラス転移温度を下
記方法により測定した。これらの結果を後記表1に示
す。
【0062】硬化塗膜のガラス転移温度 ブリキ板に、上記各例の塗料組成物を乾燥膜厚が約15
μmになるように塗装し、ブリキ板の最高到達温度が2
20℃となるように30秒間焼付けて硬化させた。この
硬化塗膜を水銀アマルガム法によりブリキ板から剥離し
て、フリー塗膜を得た。このフリー塗膜を所定の大きさ
に切断し、3枚重ねにして、DINAMIC VISC
OELASTOMETER MODEL VIBRON
(ダイナミックビスコエラストメータ モデルバイブロ
ン) DDV−II EA型(東洋ボールドウィン社
製、自動動的粘弾性測定機)を用いて周波数110Hz
における温度分散測定によるtanδの変化から求めた
極大値の温度である。
【0063】
【表1】
【0064】実施例8 クロメート処理してなる厚さ0.4mmの溶融亜鉛メッ
キ鋼板(亜鉛目付量60g/m2 )に、前記実施例1で
得た塗料組成物を乾燥膜厚が5ミクロンとなるようにバ
ーコータにて塗装し、素材到達最高温度が220℃とな
るように40秒間焼付けて下塗塗膜を得た。次いでこれ
らの各下塗塗膜上に、アレステックAT2000ホワイ
ト[関西ペイント(株)製、高度加工用ポリエステル樹
脂系上塗塗料、白色、硬化塗膜のガラス転移温度は約3
1℃]をバーコータにて膜厚が約18ミクロンとなるよ
うに塗装し、素材到達最高温度が230℃となる条件に
て60秒間焼付けて塗装板を得た。
【0065】実施例9〜14及び比較例5〜8 下塗塗料として前記実施例1の塗料組成物のかわりに後
記表2に示す塗料組成物を使用する以外は実施例8と同
様に行い塗装板を得た。
【0066】実施例15〜17 下塗塗料として実施例2の塗料を用い、素材として、ク
ロメート処理してなる厚さ0.4mmの溶融亜鉛メッキ
鋼板のかわりに、それぞれ下記の素材を使用する以外
は、実施例8の場合と同様に塗装板を作成をした。
【0067】実施例15〜17で使用した素材種は、以
下のとおりである。
【0068】実施例15においては厚さ0.4mmのク
ロメート処理された亜鉛−アルミニウム合金メッキ(メ
ッキ中のアルミニウム含有量約5%)鋼板[表1中にお
いて「Zn−5%Al」と略記する]、実施例16にお
いては厚さ0.4mmのクロメート処理された亜鉛−ア
ルミニウム合金メッキ(メッキ中のアルミニウム含有量
約55%)鋼板[表1中において「Zn−55%Al」
と略記する]、実施例17においては厚さ0.4mmの
クロメート処理されたアルミニウムメッキ鋼板[表1中
において「Al鋼板」と略記する]をそれぞれ使用し
た。
【0069】上記実施例8〜17及び比較例5〜8で得
られた塗装板について、下記試験方法により塗装板の塗
膜性能の評価を行った。試験結果を後記表2に示す。
【0070】試験方法 加工性:塗装板を70×150mmの大きさに切断し、
20℃及び0℃の室温において、塗装板の表面を外側に
して上記塗装板を万力にて180度折曲げて、折曲げ部
分にワレが発生しなくなる最小のT数を表示した。T数
とは、折曲げ加工を行う際に、折曲げ部分の内側に挟む
塗装板と同じ厚さの板の枚数を意味し、T数が小さいほ
ど加工性が良好であることを示す。折曲げ部分の内側に
何も挟まずに180度折曲げを行った場合を0T,塗装
板と同じ厚さの板を1枚挟んで折曲げた場合を1T、2
枚の場合を2T、3枚の場合を3Tとする。
【0071】耐食性:塗装板を70×150mmの大き
さに切断した後、裏面及び切断面を防錆塗料にてシール
した。次いで、この塗装板のほぼ中央部に素地に到達す
るクロスカットを入れ、塗装板の端から約1cmの箇所
に1T折り曲げ加工を行ったものを試験板とし、この試
験板をJIS Z−2371に準じて塩水噴霧試験に供
した。塩水噴霧試験時間を700時間とし、加工部につ
いては錆の発生程度を、クロスカット部については平均
のフクレ幅を、目視により下記基準にて評価した。
【0072】加工部における錆の発生程度 ◎:加工部に錆の発生が認められない、 ○:錆の発生程度が加工部の長さの10%未満であるが
認められる、 △:錆の発生程度が加工部の長さの10%以上、30%
未満である、 ×:錆の発生程度が加工部の長さの30%以上である、クロスカット部の平均のフクレ幅 ◎:クロスカット部にフクレが認められない ○:カット傷からの片側の平均フクレ幅が1mm未満で
ある △:カット傷からの片側の平均フクレ幅が1mm以上で
5mm未満である ×:カット傷からの片側の平均フクレ幅が5mm以上で
ある。
【0073】耐酸性:塗装板を70×150mmの大き
さに切断し、裏面及び切断面を粘着テープでシールし、
濃度3%の硫酸水溶液に浸漬した後の塗膜のフクレ面積
%を調べた。浸漬条件は、液温20℃で200時間とし
た。 ◎:塗膜にフクレの発生が認められない ○:塗膜フクレ面積が10%未満である △:塗膜フクレ面積が10%以上で50%未満である ×:塗膜フクレ面積が50%以上である。
【0074】耐沸騰水性:塗装板を約100℃の沸騰水
中に20時間浸漬した後、引上げて塗膜表面の外観を評
価した。
【0075】 ◎:塗膜にフクレの発生などの異常が認められない ○:塗膜にわずかなフクレの発生が認められる △:塗膜にかなりのフクレの発生が認められる ×:塗膜に著しいフクレの発生が認められる。
【0076】
【表2】
【0077】
【発明の効果】本発明の塗料組成物は、耐食性、加工
性、耐酸性及び耐沸騰水性に優れた塗膜を形成できるの
で下塗塗料組成物として好適に使用できる。本発明の塗
料組成物は、防錆顔料としてクロメート系顔料を使用し
なくてもよいので、6価クロムによる問題を解決でき安
全衛生上有利である。
【0078】本発明塗料組成物からの下塗塗膜上に上塗
り塗膜を形成した塗装鋼板は、耐食性、加工性、耐酸性
及び耐沸騰水性に優れた塗膜を有するものである。
【0079】本発明塗料組成物は、なかでもプレコート
塗装鋼板用の下塗塗料として好適に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 163/04 C09D 163/04 175/04 175/04 C23C 28/00 C23C 28/00 C // C08G 18/80 C08G 18/80 Fターム(参考) 4D075 AE03 BB73X CA33 CA38 CA44 DA03 DB05 DB07 DC18 EA05 EB33 EB35 EB38 EB39 EB45 EB52 EB53 EB56 EC03 EC54 4J034 DA01 DA08 DF01 DF12 DF16 DF20 DF22 DK05 DK08 DQ06 HA07 HC03 HC12 HC17 HC22 HC64 HC67 HC71 HC73 HD03 HD04 HD05 HD12 RA07 4J038 DA192 DA202 DA212 DB072 DD041 DD051 DD111 DD121 DD231 DD241 DG302 GA03 HA446 KA03 KA08 MA13 MA14 NA04 NA12 NA27 PA19 PB09 PC02 4K044 AA02 AB02 BA10 BA14 BA15 BA17 BA21 BB03 BB04 BB11 BC02 BC05 CA11 CA16 CA18 CA53 CA62

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ガラス転移温度が10〜100℃
    で、数平均分子量が2,000〜25,000の水酸基
    含有ポリエステル樹脂20〜90重量部、 (B)ノボラック型エポキシ樹脂5〜70重量部及び (C)アミノ樹脂及びブロック化ポリイソシアネート化
    合物から選ばれる少なくとも一種の硬化剤5〜40重量
    部からなる皮膜形成性樹脂成分の合計量100重量部に
    対して、 (D)カルシウムイオン交換された非晶質シリカ微粒子
    30〜100重量部を含有する塗料であって、かつ該塗
    料を加熱硬化させて得られる硬化塗膜のガラス転移温度
    が40〜90℃であることを特徴とする塗料組成物。
  2. 【請求項2】 化成処理されていてもよい、亜鉛メッキ
    鋼板、亜鉛合金メッキ鋼板又はアルミニウムメッキ鋼板
    上に、請求項1記載の塗料組成物による下塗塗膜が設け
    られており、該下塗塗膜上にガラス転移温度が20〜8
    0℃の上塗塗膜が設けられていることを特徴とする塗装
    鋼板。
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