JP3497818B2 - 塗料組成物およびそれを用いた塗装鋼板 - Google Patents

塗料組成物およびそれを用いた塗装鋼板

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JP3497818B2
JP3497818B2 JP2000378708A JP2000378708A JP3497818B2 JP 3497818 B2 JP3497818 B2 JP 3497818B2 JP 2000378708 A JP2000378708 A JP 2000378708A JP 2000378708 A JP2000378708 A JP 2000378708A JP 3497818 B2 JP3497818 B2 JP 3497818B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、厚膜塗装が可能
で、低温での成型加工性に優れ、その成型加工部が10
0℃以上に加温されても加工部の塗膜にクラックを生じ
ない耐熱性に優れた塗料組成物及びこの塗料組成物およ
び上塗り塗料を塗布した塗装鋼板に関する。本発明の塗
装鋼鈑は、例えば家電製品や建材用途等に好適であり、
また、自動車用としても使用することができる。特に、
建材用途では、昨今、ダイオキシンの発生懸念のある塩
ビ塗装鋼鈑の代替品として有効である。
【0002】
【従来の技術】従来、コイルコーティングなどの連続塗
装ラインで、塗装される家電用や建材用の塗装鋼板用の
下塗り塗料としては、エポキシ塗料やポリエステル・メ
ラミン塗料が用いられている。これらの下塗り塗料は、
50m/分以上のライン速度では、高温短時間硬化にな
るため、ワキ(塗膜の発泡)が発生しやすく、1回の塗
装焼付けで、通常5μm程度のものが一般的で、膜厚25
μm以上の乾燥塗膜の製造は困難である。
【0003】一般に、ポリエステルポリオールとε−カ
プロラクタムでマスクされたブロックポリイソシアネー
トからなるウレタン下塗り塗料組成物は、乾燥膜厚25
μm以上の形成が可能であるが、素材への密着性、耐食
性の点で不十分である。
【0004】また、加工性を重視したウレタン下塗り塗
料組成物の配合では、塗膜のTgが低く、Tg以上の温
度ではゴム状領域を示す。この下塗り塗料を塗装した鋼
板を、室温で成型加工し、Tg以上に鋼板を加熱する
と、伸張されたゴムは加熱されると縮む熱力学特性によ
り、加工部の塗膜にクラックが入り、いわゆる花咲き現
象が生じる。特に、均一網目構造をもつポリウレタン架
橋塗膜にこの現象は顕著に現れる。
【0005】塩ビ塗装鋼鈑や自動車用プレコート鋼鈑の
用途での使用にあたっては、低温における成型加工性が
優れること、塗膜の耐傷付き性が良く、高耐熱性で花咲
き現象のないことが要求される。
【0006】特開2000‐7988号公報は、厚膜塗
膜形成が可能なポリウレタン塗料組成物を開示してい
る。しかしながら、この塗料組成物はポリウレタン上塗
り塗料組成物であり、下塗り用途ではなく、花咲き現象
については改良されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術の問題点を解決し、1回の下塗り塗装、高温
短時間焼付によって、乾燥膜厚25μm以上においても
ワキの発生がなく、素材への密着性、耐食性、耐傷付き
性に優れる塗膜を形成でき、更に0℃における低温加工
性に優れ、100℃以上に加温されても成型加工部の塗
膜にクラックが発生しないポリウレタン下塗り塗料を得
ること、及び上塗り塗料を組合せることにより、硬度と
加工性のバランスが良く、もちろん加温時の成型加工部
の塗膜にクラックの発生もなく、高耐候性の塗装鋼板を
得ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、ポリウレタン下塗り塗料において、水酸基含有
ポリエステル樹脂とブロックポリイソシアネート化合物
から基本処方に水酸基含有結晶性樹脂を配合することに
より低温加工性と花咲き現象を改良し、更に適切なエポ
キシ樹脂を配合することによって耐傷付き性に向上さ
せ、上記目的を達成することができることを見出し本発
明に至った。
【0009】 すなわち本発明は、(A)数平均分子量
1,000〜10,000、ガラス転移温度−40℃〜50℃、結晶化
ピーク温度0℃未満、水酸基価5〜100mgKOH/gの水酸基
含有ポリエステル樹脂20〜90重量部、(B)ブロックポ
リイソシアネート化合物3〜50重量部、(C)数平均分
子量3,000を超えるエポキシ樹脂2〜30重量部及び(D)
結晶化ピーク温度0℃以上、数平均分子量500〜10,000
の水酸基含有結晶性樹脂3〜30重量部からなる塗料組成
物であって、該ブロックポリイソシアネート化合物
(B)のブロックイソシアネート基/該水酸基含有ポリ
エステル樹脂(A)と結晶性樹脂(D)の合計された水
酸基の当量比が、0.8〜1.2の範囲であることを特徴と
する塗料組成物を提供するものである。
【0010】また、本発明は、未処理または処理され
た、亜鉛めっき鋼鈑、亜鉛合金めっき鋼鈑またはアルミ
ニウムめっき鋼鈑上に、請求項1に記載の塗料組成物に
よる下塗り塗膜が設けられており、該下塗り塗膜上に、
上塗り塗料組成物が設けられていることを特徴とする厚
膜型塗装鋼板を提供するものである。
【0011】以下、本発明塗料組成物について、さらに
詳細に説明する。
【0012】水酸基含有ポリエステル樹脂(A) 本発明組成物における(A)成分である水酸基含有ポリ
エステル樹脂は、分子中に水酸基を有するポリエステル
樹脂であり、オイルフリーポリエステル樹脂、油変性ア
ルキド樹脂、また、これらの樹脂の変性物、例えばウレ
タン変性ポリエステル樹脂、ウレタン変性アルキド樹
脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂などが挙げられる。
【0013】上記オイルフリーポリエステル樹脂は、多
塩基酸成分と多価アルコール成分とのエステル化物から
なるものである。多塩基酸成分としては、例えば無水フ
タル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無
水フタル酸、へキサヒドロ無水フタル酸、コハク酸、フ
マル酸、アジビン酸、セバシン酸、無水マレイン酸など
から選ばれる1種以上の二塩基酸及びこれらの酸の低級
アルキルエステル化物が主として用いられ、必要に応じ
て安息香酸、クロトン酸、P−t−プチル安息香酸などの
一塩基酸、無水トリメリット酸、メチルシクロへキセン
トリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の
多塩基酸などが併用される。多価アルコール成分として
は、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4一ブタンジオール、ネ
オペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオール、
1,4−へキサンジオール、1,6−へキサンジオールなど
の二価アルコールが主に用いられ、さらに必要に応じて
グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価ア
ルコールを併用することができる。これらの多価アルコ
ールは単独で、あるいは2種以上を混合して使用するこ
とができる。酸成分としては、イソフタル酸、テレフタ
ル酸、及びこれらの酸の低級アルキルエステル化物が特
に好ましい。
【0014】アルキド樹脂は、上記オイルフリーポリエ
ステル樹脂の酸成分及びアルコール成分に加えて、油脂
肪酸をそれ自体既知の方法で反応せしめたものであっ
て、油脂肪酸としては、例えばヤシ油脂肪酸、大豆油脂
肪酸、アマニ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、トール油
脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、キリ油脂肪酸などを挙げ
ることができる。アルキド樹脂の油長は30%以下、特に
5〜20%程度のものが好ましい。
【0015】ウレタン変性ポリエステル樹脂としては、
上記オイルフリーポリエステル樹脂、又は上記オイルフ
リーポリエステル樹脂の製造の際に用いられる酸成分及
びアルコール成分を反応させて得られる低分子量のオイ
ルフリーポリエステル樹脂を、ポリイソシアネート化合
物とそれ自体既知の方法で反応せしめたものが挙げられ
る。また、ウレタン変性アルキド樹脂は、上記アルキド
樹脂、又は上記アルキド樹脂製造の際に用いられる各成
分を反応させて得られる低分子量のアルキド樹脂を、ポ
リイソシアネート化合物とそれ自体既知の方法で反応せ
しめたものが包含される。ウレタン変性ポリエステル樹
脂及びウレタン変性アルキド樹脂を製造する際に使用し
うるポリイソシアネート化合物としては、へキサメチレ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネー
ト、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4
‘−メチレンビス(シクロへキシルイソシアネート)、
2,4,6−トリイソシアナトトルエンなどが挙げられ
る。上記のウレタン変性樹脂は、一般に、ウレタン変性
樹脂を形成するポリイソシアネート化合物の量がウレタ
ン変性樹脂に対して30重量%以下の量となる変性度合の
ものを好適に使用することができる。
【0016】以上に述べたポリエステル樹脂のうち、特
に好適なものとしては、オイルフリーポリエステル樹脂
が挙げられる。
【0017】また、水酸基含有ポリエステル樹脂(A)
は、得られる塗膜の加工性、硬度などの物性バランス、
ワキの発生に影響を及ぼす塗装時の塗料粘度と塗料固形
分の点から、数平均分子量が、1,000〜10,000、好まし
くは3,000〜7,000の範囲内であり、ガラス転移温度(T
g)は、−40℃〜50℃、好ましくは−20〜30℃の範囲内
であり、水酸基価が、5〜100mgKOH/g、好ましくは20
〜70mgKOH/gの範囲内である水酸基含有ポリエステル
樹脂である。
【0018】水酸基含有ポリエステル樹脂(A)は、2
0℃において液状で、結晶化ピーク温度が0℃未満、例
えば−20℃未満である。水酸基含有ポリエステル樹脂
(A)の量は、全樹脂固形分100重量部中、20〜9
0重量部、例えば、30〜80重量部である。本発明に
おいて、ガラス転移温度(Tg)は、示差熱分析(DTA)
によるものであり、また数平均分子量はゲル浸透クロマ
トグラフィ(GPC)によって、標準ポリスチレンの検量
線を用いて測定したものである。結晶化ピーク温度は、
示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したものであ
る。
【0019】ブロックポリイソシアネート化合物(B) 本発明組成物における(B)成分であるブロックポリイ
ソシアネート化合物は、ポリイソシアネート化合物のイ
ソシアネート基をブロック剤によってマスクした化合物
である。
【0020】上記ポリイソシアネート化合物としては、
例えばヘキサメチレンジイソシアネートもしくはトリメ
チルヘキサメチレンジイソシアネートの如き脂肪族ジイ
ソシアネート類;水素添加キシリレンジイソシアネー
ト、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートもしく
はイソホロンジイソシアネートの如き環状脂肪族ジイソ
シアネート類;トリレンジイソシアネートもしくは4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネートの如き芳香族
ジイソシアネート類の如き有機ジイソシアネートそれ自
体、またはこれらの各有機ジイソシアネートと多価アル
コール、低分子量ポリエステル樹脂もしくは水等との付
加物、あるいは上記した如き各有機ジイソシアネート同
志の環化重合体、更にはイソシアヌレート、ビウレット
体等が挙げられる。
【0021】イソシアネート基をブロックするブロック
剤としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレノ
ールなどのフェノール系;n−プロピルフェノール、n
−ブチルフェノール、n−ノニルフェノール、ジ−n−
プロピルフェノール、イソプロピルクレゾールなどのア
ルキルフェノール系;ε−カプロラクタム、δ−バレロ
ラクタム、γ−プチロラクタム、β−プロピオラクタム
などラクタム系;メタノール、エタノール、n−又はi−
プロピルアルコール、n−,i−又はt−ブチルアルコー
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プ
ロピレングリヒールモノメチルエーテル、ベンジルアル
コールなどのアルコール系;ホルムアミドキシム、アセ
トアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトキシ
ム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシ
ム、シクロへキサンオキシムなどオキシム系;マロン酸
ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル、アセ
ト酢酸メチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン
系;イミダゾール、2−メチルイミダゾールなどのイミ
ダゾール系;トリアゾールなどのトリアゾール系;ピラ
ゾール、3,5−ジメチルピラゾールなどピラゾール
系;ジフェニルアミン、カルバゾール、ジ−n−プロピ
ルアミン、ジイソプロピルアミンなどのアミン系;重亜
硫酸ソーダなどの重亜硫酸塩のブロック剤を、これらの
1種または2種以上を用い好適に使用することができ
る。
【0022】上記ポリイソシアネート化合物とブロック
剤とを混合し、加熱することによって容易に上記ポリイ
ソシアネート化合物のイソシアネート基をブロック化す
ることができる。これらのブロック剤のなかで反応性の
マイルドなメチルエチルケトキシムやε−カプロラクタ
ムを使用することによって、塗膜を加熱硬化させる際の
耐ワキ性を向上させることができる。
【0023】ブロックポリイソシアネート化合物(B)
は、水酸基含有ポリエステル樹脂(A)、エポキシ樹脂
(C)、結晶性樹脂(D)に含有される水酸基と反応し
て、ポリウレタン結合を形成する。本発明において、ブ
ロックポリイソシアネート化合物は(B)は、全樹脂固
形分100重量部中、3〜50重量部で配合される。具
体的には、該ブロックポリイソシアネート化合物(B)
のブロックイソシアネート基/該ポリエステル樹脂
(A)と結晶性樹脂(D)の合計された水酸基の当量比
が、0.8〜1.2の範囲になるように配合される。上記比
が0.8より小さくなると塗膜の架橋密度が低く、硬化性
が低下し、耐溶剤性、硬度等の塗膜物性が不十分で、塗
膜中に残存する水酸基が多くなって塗膜の耐水性が低下
し耐食性が劣化しやすくなり、一方、上記比が1.2より
大きくなると、塗膜の加工性が低下し、また塗装後、塗
膜中に残存するイソシアネート基による不必要な硬化反
応が進行して、経時によって塗膜の加工部のワレを進行
させるといった問題が発生する。尚、エポキシ樹脂
(C)の水酸基価は非常に小さいので、NCO/OH比の当
量計算に含めても、含めなくても良い。
【0024】エポキシ樹脂(C) 本発明組成物における(C)成分であるエポキシ樹脂と
しては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキ
シ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂及び分子
内に多数のエポキシ基を有するフェノールグリオキザー
ル型エボキシ樹脂などの、各種エポキシ樹脂を挙げるこ
とができる。上記エポキシ樹脂は、発煙の発生を抑制す
るために、数平均分子量2,000以上、好ましくは3,000以
上、特に4,000以上である。
【0025】上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市
販品としては、エピコート1007、エピコート1009、エピ
コート1010、(油化シェルエポキシ(株)製)、エポト
ートYD−017、エポトートYD−019、(東都化成(株)
製)などを挙げることができる。
【0026】上記ノボラック型エポキシ樹脂の市販品と
しては、フェノールノボラック型として、エピコート18
0(以上、いずれも油化シェルエポキシ(株)製)、エ
ポトートYDPN−701(東都化成(株)製)などが挙げら
れ、クレゾールノボラック型として、エピコート180S6
5、エピコート180H65(以上、いずれも油化シェルエポ
キシ(株)製)、エポトートYDCN−701、エポトートYDC
N−702、エポトートYDCN−703、エポトートYDCN−704
(東都化成(株)製)などが挙げられ、その他、エポト
ートZX−1071T、エポトートZX−1015、エポトートZX−1
247、エポトートYDG−414S、エポトートYDF−2004、エ
ポトートST−5100(以上、いずれも東都化成(株)製)
などを挙げることができる。
【0027】本発明において、エポキシ樹脂(C)は、
全樹脂固形分100重量部中、2〜30重量部、好まし
くは2〜10重量部含有される。配合量が2重量部未満
では耐食性、耐傷付き性と素材への密着性の向上はな
く、30重量部を超えると、塗料粘度が高くなり、厚膜
塗装時のワキの発生を原因となり、好ましくない。
【0028】結晶性樹脂(D) 本発明組成物における(D)成分である水酸基含有結晶
性樹脂としては、ポリエステル系ポリオールのポリカプ
ロラクトンジオール、ポリカーボネートジオール、ポリ
エチレンアジペート、ポリテトラメチレンアジペート、
ポリヘキサメチレンアジペート等やポリエーテル系ポリ
オールのポリエチレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコールなどが挙げられ、数平均分子量500〜10,00
0、好ましくは1,000〜4,000の範囲内で、分子量分布が
シャープな程良く、重量平均分子量(Mw)/数平均分子
量(Mn)の比が1.5以下のものが好ましく、これらの
1種または2種以上を用い好適に使用することができ
る。
【0029】上記水酸基含有結晶性樹脂の市販品として
は、ポリカプロラクトンジオール型として、プラクセル
205、プラクセル210、プラクセル220、プラクセル240、
プラクセル210N、プラクセル220N(ダイセル化学工業
(株))等、ポリカーボネートジオール型として、プラク
セル−CD205、プラクセル−CD210、プラクセル−CD220
(ダイセル化学工業(株))、デスモフェンC200(住友バ
イエルウレタン(株))等、ポリエチレンアジペート・ポ
リテトラメチレンアジペート・ポリヘキサメチレンアジ
ペート型としてブルコラン2000M、ブルコラン2001K、ブ
ルコラン2028I(住友バイエルウレタン(株))等、ポリ
エチレングリコール型として、PEG1000、PEG2000(三洋
化成工業(株))等、ポリテトラメチレングリコール型
として、PTMG1000、PTMG2000(三洋化成工業(株))、
など挙げることができる。
【0030】また、水酸基含有結晶性ポリウレタン樹脂
は、上記水酸基含有結晶性ポリエステル樹脂・ポリエー
テル樹脂と上記ポリイソシアネート化合物を既知の方法
で反応せしめたものが包含される。例えば数平均分子量
2,000のポリカプロラクトンジオールと4,4′−ジフェ
ニルメタンジイソシアネートからなる樹脂が挙げられ
る。
【0031】上記水酸基含有結晶性ポリウレタン樹脂の
合成は、水酸基/イソシアネート基の当量比が約1.0
5〜10、好ましくは1.5〜5で、40℃〜140
℃、好ましくは、60℃〜100℃で反応を行う。この
反応には、錫系、鉛系、亜鉛系、鉄系などの有機金属触
媒を用いても良い。
【0032】結晶性樹脂(D)は、折曲げ等の成型加工
部が加温されたとき、加工部の塗膜にクラックが発生し
ないようにするために配合される。つまり、ゴム状領域
において、結晶性樹脂の微結晶からなるハードセグメン
トがほぐれて塑性変形することにより、成型加工時にか
かった塗膜の応力を緩和する。結晶性樹脂(D)は、2
0℃において固体、部分的に結晶(固体)、またはワッ
クス状で、結晶化ピーク温度が0℃以上である。
【0033】結晶性樹脂(D)は、全樹脂固形分100
重量部中、3〜30重量部、好ましくは5〜20重量部
含有される。配合量が3重量部未満ではクラック防止効
果は十分ではなく、30重量部を超えると、塗膜の架橋
密度が低下し、耐スクラッチ性、硬度など塗膜物性が低
下する。
【0034】本発明の塗料組成物は、水酸基含有ポリエ
ステル樹脂(A)、ブロックポリイソシアネート化合物
(B)、エポキシ樹脂(C)及び結晶性樹脂(D)から
本質的になることができるが、通常、防錆顔料、有機溶
剤が配合され、さらに必要に応じて、硬化触媒、チタン
白、タルク、アルミナシリカなどの顔料類、硬化助剤と
してアミノ樹脂、塗料用としてそれ自体既知の消泡剤、
塗面調整剤、沈降防止剤などの添加剤を含有していても
よい。
【0035】上記防錆顔料は、ストロンチウムクロメー
ト、カルシウムイオン交換された非晶質シリカなどが挙
げられ、市販品としてはSHIELDEX(シールデックス、登
録商標)C303、SHIELDEX−AC3、SHIELDEX−AC5(グレー
スジャパン(株)製)などを挙げることができる。
【0036】カルシウムイオン交換された非晶質シリカ
微粒子(以下、「イオン交換シリカ」と略称することが
ある)は、微細な多孔質のシリカ担体にイオン交換によ
ってカルシウムイオンが導入されたシリカ微粒子であ
る。塗膜中に配合されたイオン交換シリカは、塗膜を透
過してきたH+イオンとイオン交換され、防錯種イオンで
あるカルシウムイオンが放出されて金属表面を保護する
ものと考えられる。
【0037】上記有機溶剤は、本発明組成物の塗装性の
改善などのために必要に応じて配合されるものであり、
水酸基含有ポリエステル樹脂(A)、ブロックポリイソ
シアネート化合物(B)、エポキシ樹脂(C)及び結晶
性樹脂(D)を溶解ないし分散できるものが使用でき、
具体的には、例えば、トルエン、キシレン、高沸点石油
系炭化水素などの炭化水素系溶剤、メチルエチルケト
ン、メチルイソプチルケトン、シクロへキサノン、イソ
ホロンなどのケトン系容剤、酢酸エチル、酢酸プチル、
エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなど
のエステル系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロ
パノール、ブタノールなどのアルコール系溶剤、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノプチルエーテル、ジエチレングリコールモノプチル
エーテルなどのエーテルアルコール系溶剤などを挙げる
ことができ、これらは単独で、あるいは2種以上を混合
して使用することができる。
【0038】上記硬化触媒は、ウレタン化反応を促進す
るために必要に応じて配合されるものであり、好適な硬
化触媒として、例えば、オクチル酸錫、ジブチル錫ジ
(2−エチルへキサノエート)、ジオクチル銘ジ(2−エ
チルへキサノエート)、ジオクチル銘ジアセテート、ジ
ブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジオク
チル錫オキサイド、2−エチルヘキサン酸鉛などの有機
金属触媒などを挙げることができる。
【0039】これらの硬化触媒を配合する場合、硬化触
媒の配合量は、通常、樹脂固形分の合計量100重量部に
対して、通常、0.1〜2.0重量部の範囲であることが好
ましい。
【0040】上記硬化助剤は、硬化性の向上及びウレタ
ンの比較的柔らかい塗膜の改質のため配合されるもので
あり、好適な硬化助剤としては、メラミン、尿素、ベン
ゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログアナミン、
スピログアナミン、ジシアンジアミド等のアミノ成分と
アルデヒドとの反応によって得られるメチロール化アミ
ノ樹脂が挙げられる。上記反応に用いられるアルデヒド
としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、
アセトアルデヒド、ベンツアルデヒド等が挙げられる。
また、上記メチロール化アミノ樹脂を適当なアルコール
によってエーテル化したものもアミノ樹脂として使用で
きる。エーテル化に用いられるアルコールの例としては
メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルア
ルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコ
ール、イソブチルアルコール、2−エチルブタノール、2
−エチルへキサノールなどが挙げられる。
【0041】上記アミノ樹脂のうち、メラミン樹脂が好
適であり、なかでもメチルエーテル化メラミン樹脂、メ
チルエーテルとブチルエーテルとの混合エーテル化メラ
ミン樹脂、又はメチルエーテル化メラミン樹脂もしくは
上記混合エーテル化メラミン樹脂を60重量%以上含有し
ブチルエーテル化メラミン樹脂を40重量%以下含有する
混合メラミン樹脂であることが好ましい。
【0042】上記メラミン樹脂の具体例としては、例え
ばサイメル300、サイメル303、サイメル325、サイメル3
27、サイメル350、サイメル730、サイメル736、サイメ
ル738(以上、いずれも三井サイテック(株)製)、メ
ラン522、メラン523(以上、いずれも日立化成(株)
製)、ニカラツタMSOOl、ニカラツタMX430、ニカラツタ
MX650(以上、いずれも三和ケミカル(株)製)、スミ
マールM−55、スミマールM−100、スミマールM−40S
(以上、いずれも住友化学(株)製)、レジミン740、
レジミン747(以上、いずれもモンサント社製)などの
メチルエーテル化メラミン樹脂;ユーバン20SE、ユーバ
ン225(以上、いずれも三井(株)製)、スーパーべッ
カミンJ820−60、スーパーべッカミンL−117−60、スー
パーべッカミンL−109−65、スーパーべッカミン47−50
8−60、スーパーべッカミンL−118−60、スーパーべッ
カミンG821−60(以上、いずれも大日本インキ化学工業
(株)製)などのブチルエーテル化メラミン樹脂;サイ
メル232、スーパーべッカミン266、スーパーべッカミン
XV−514、スーパーべッカミン1130(以上、いずれも
三井サイテック(株)製)、ニカラックMX500、ニカラ
ックMX600、ニカラックMS35、ニカラックMS95(以上、
いずれも三和ケミカル(株)製)、レジミン753、レジ
ミン755(以上、いずれもモンサント社製)、スミマー
ルM−66B(住友化学(株)製)などのメチルエーテルと
ブチルエーテルとの混合エーテル化メラミン樹脂などを
挙げることができる。これらのメラミン樹脂は1種で又
は2種以上の混合物として使用することができる。
【0043】これらの硬化助剤を配合する場合、硬化助
剤の配合量は、通常、樹脂固形分の合計量100重量部に
対して、通常、3から10重量部の範囲であることが好
ましい。
【0044】次に本発明組成物を用いた塗装鋼板につい
て説明する。
【0045】本発明組成物は、例えば、鋼板用下塗塗料
として使用できるが、被塗物である鋼板としては、冷延
鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、亜鉛
合金メッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、ステンレス
鋼板、銅メッキ鋼板、錫メッキ鋼板など、及びこれらの
鋼板に燐酸塩処理やクロム酸塩処理などの化成処理を施
した鋼板を挙げることができ、なかでも化成処理され
た、亜鉛メッキ鋼板、亜鉛合金メッキ鋼板、アルミニウ
ムメッキ鋼板が好ましい。
【0046】本発明組成物は、上記鋼板上に、ロールコ
ート法、スプレー法、刷毛塗り法、浸漬法などの公知の
方法により塗装することができる。塗膜の乾燥は、使用
する樹脂の種類などに応じて適宜設定すればよいが、コ
イルコーティング法などによって塗装したものを連続的
に焼付ける場合には、通常、素材到達最高温度が160〜2
50℃、好ましくは180〜230℃となる条件で15〜60秒間焼
付けられる。バッチ式で焼付ける場合には、80〜140℃
で10〜30分間焼付けることによっても行うことができ
る。
【0047】本発明組成物から得られる塗膜の膜厚は、
特に限定されるものではないが、コイルコーティング法
の連続塗装ラインにおいても、1回の塗装焼付けで乾燥
膜厚25μmが可能で、好ましくは25〜40μmの範囲で
使用される。
【0048】本発明の塗装鋼板は、化成処理されていて
もよい、亜鉛メッキ鋼板、亜鉛合金メッキ鋼板、アルミ
ニウムメッキ鋼板上に、上記本発明下塗塗料組成物によ
る下塗塗膜が設けられており、該下塗塗膜上に上塗塗膜
が設けられたものである。下塗塗膜の膜厚は、通常、2
〜40μm、好ましくは25〜40μmであり、上塗塗膜の膜厚
は、通常、8〜35μm、好ましくは10〜35μmである。
【0049】この塗装鋼板は、本発明の下塗塗料をロー
ルコート法により塗装し、焼付けた後、上塗り塗料をロ
ールコート法により塗装し、焼付けることによって好適
に得ることができる。上記上塗塗膜を形成する上塗り塗
料は、どのようなものであってもよい。上塗り塗料の例
としては、ポリウレタン塗料、ポリエステルメラミン塗
料、アクリル塗料、フッ素塗料およびシリコンポリエス
テル塗料が挙げられる。ポリウレタン上塗り塗料の例と
しては、上記水酸基含有ポリエステル樹脂(A)と上記
ブロックポリイソシアネート化合物(B)からなり、ブ
ロックポリイソシアネート化合物(B)のブロックイソ
シアネート基/水酸基含有ポリエステル樹脂(A)の水
酸基の当量比が、0.8〜1.2の範囲であるポリウレタン
上塗り塗料を挙げることができる。該ブロックポリイソ
シアネート化合物(B)は、耐候性の観点から、脂肪族
および脂環族ブロックポリイソシアネート化合物から選
ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
【0050】この上塗り塗料組成物は、上記水酸基含有
ポリエステル樹脂(A)と上記ブロックポリイソシアネ
ート化合物(B)から実質的になることができるが、通
常、有機溶剤が配合され、さらに必要に応じて、有機樹
脂粉末や無機質粉末、硬化触媒、着色顔料、光輝性顔
料、塗料用としてそれ自体既知のポリエチレンワック
ス、カルナウバワックス、ラノリンワックス、潤滑性付
与剤、消泡剤、塗面調整剤、沈降防止剤などの添加剤を
含有していてもよい。
【0051】上記有機樹脂粉末の樹脂種としては、例え
ば、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12などのポリア
ミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ
フッ化ビニリデン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、
ポリアクリロニトリル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、尿素樹脂など
を挙げることができ、これらは、単独で又は組合せて使
用することができる。
【0052】これらの有機樹脂粉末を配合する場合、有
機樹脂粉末の配合量は、通常、樹脂固形分の合計量100
重量部に対して、通常、3から20重量部の範囲である
ことが好ましい。
【0053】上記無機質粉末の種類としては、クルク、
クレー、シリカ、マイカ、アルミナ、硫酸バリウム、炭
酸カルシウム などを挙げることができ、これらは、単
独で又は組合せて使用することができる。上記無機質粉
末としては、なかでもシリカが好適である。これらの無
機質粉末を配合する場合、無機質粉末の配合量は、通
常、樹脂固形分の合計量100重量部に対して、通常、
0.3から15重量部の範囲であることが好ましい。
【0054】本発明の塗装鋼板は、耐候性、厚膜塗装に
よる耐傷付き性に優れ、低温加工性に優れ、成型加工部
の塗膜に熱クラックの発生がない優れた塗膜性能を示す
ことができる。
【0055】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。
【0056】実施例1〜7及び比較例1〜6 第A表に示す割合で各原材料を配合し、本発明に従う実
施例および比較例の塗料組成物を調製した。尚、各原材
料の配合は、供給形態の重量によって表示した。 (
)内の数字は、全樹脂固形分100重量部に対する割
合である。各実施例及び比較例の下塗り塗料の調製は、
以下のようにして行った。
【0057】水酸基含有ポリエステル樹脂(A)と顔
料、適当量の溶剤を配合し、レッドデビルで、粒ゲージ
で5μm以下になるまで分散した。次に、ブロックポリ
イソシアネート化合物(B)、エポキシ樹脂(C)、結
晶性樹脂(D)、触媒、添加剤、残量の溶剤を配合し、
ディスパーで攪拌して塗料組成物を調製した。
【0058】以下、実施例および比較例で用いた原材料
を示す。
【0059】水酸基含有ポリエステル樹脂(A) アルキノールVPLS2326:住友バイエルウレタン(株)
製、オイルフリーポリエステル樹脂、水酸基価=約35
mgKOH/g(固形分)、数平均分子量=3000、結晶
化ピーク温度=−50℃未満
【0060】ブロックポリイソシアネート化合物(B) デスモジュールBL1265:住友バイエルウレタン(株)
製、ε‐カプロラクタムブロックTDIプレポリマー スミジュールBL3175:住友バイエルウレタン(株)
製、MEKオキシムブロックHDIイソシアヌレート
【0061】エポキシ樹脂(C) エポトートYD019:東都化成(株) 製、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂 数平均分子量=4300 エピコート828:油化シェルエポキシ(株)製、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、数平均分子量=400結晶性樹脂(D) プラクセル220N:ダイセル化学工業(株)製、ポリカ
プロラクトンジオール、水酸基価=約55mgKOH/g
(固形分)、数平均分子量=2000、Mw/Mn=1.2
4、結晶化ピーク温度=18℃
【0062】水酸基含有結晶性ポリウレタン樹脂OH00
01:該OH0001樹脂の製造方法を、下記に説明する。攪
拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取り付け
た4つ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、ポリカプロラク
トンジオール(数平均分子量2000)672部、4,
4’ジフェニルメタンジイソシアネート28部、メトキ
シプロピルアセテート300部を仕込み、窒素雰囲気下
で80℃、6時間反応させた。得られたポリオールは、
水酸基価25.2mgKOH/g, 固形分濃度70%、粘度8
00mPa.s/25℃、結晶化ピーク温度4℃であった。
【0063】触媒 ジブチルチンジラウレート
【0064】顔料 ストロンチウムクロメート:キクチカラー(株)製 酸化チタンCR97:石原産業(株)製 ミクロンホワイト#5000A:林化成(株)製
【0065】添加剤 アクロナール4F:BASF製 CAB−531−1:イーストマンケミカルシ゛ャハ゜ン(株)製溶剤 ソルベッソ#200:エクソン化学(株)製
【0066】上塗り塗料 上塗り塗料の調製は、第B表に基づき、水酸基含有ポリ
エステル樹脂(A)と顔料(酸化チタン)、適当量の溶
剤を配合し、レッドデビルで、粒ゲージで5μm以下に
なるまで分散した。次に、残量の水酸基含有ポリエステ
ル樹脂(A)、ブロックポリイソシアネート化合物
(B)、触媒、添加剤、残量の溶剤を配合し、ディスパ
ーで攪拌してポリウレタン上塗り塗料組成物を調製し
た。
【0067】第A表に示した塗料組成物を、クロメート
処理した0.5mm厚の溶融亜鉛めっき鋼板上に塗装
し、ワキ限界と耐コインスクラッチ性を調べた。また、
該下塗り塗料組成物を乾燥膜厚30μmに塗装した上記
鋼板に、上塗り塗料を乾燥膜厚20μmになるように塗
装し、耐溶剤性、碁盤目密着性、Tベンド試験、耐熱ク
ラック性試験を行った。尚、塗装条件は、下記の通りで
ある。
【0068】 下塗り:241℃×60秒(P.M.T.) 上塗り:232℃×60秒(P.M.T.)
【0069】以下に試験方法を示す。ワキ限界 下塗り塗料を上記条件で焼き付けし、ワキの認められな
い最大膜厚(μm)で表示した。
【0070】発煙性 下塗り塗料を上記条件で焼き付けし、焼付直後の塗板の
状態を目視にて調べ、下記の基準で評価した。 ○:発煙の発生が確認されなかった ×:発煙の発生が確認された
【0071】耐コインスクラッチ性 下塗り塗料を上記条件で焼き付けした塗装鋼板の上に、
過重5kgを加えた10円硬貨で引っかき、塗膜剥離状
態により下記の基準で評価した。 〇:素地露出が認められない △:素地露出が僅かに認められる ×:素地露出が著しく認められる
【0072】耐溶剤性 下塗り塗料と上塗り塗料を上記条件で焼き付けした塗装
鋼板の上に、 20℃の室内において、メチルエチルケ
トン(MEK)をしみ込ませたガーゼにて塗面に1kg
/cm2の荷重をかけて、約5cmの長さの間を100
回往復させた後の塗面状態を目視にて下記の基準で評価
した。 〇:塗面に変化が認められない △:塗膜の白化または膨潤が認められないが、塗面に傷
が認められる ×:塗膜の白化または膨潤が認められる
【0073】碁盤目密着性 下塗り塗料と上塗り塗料を上記条件で焼き付けした塗装
鋼板の上に、JISK−5400 8.5.2(199
9)に規定する付着性試験に準じて行ない、下記の基準
で評価した。 10点:切り傷1本ごとが、細かく両側が滑らかで、切
り傷の交点と正方形の一目一目にはがれがない 8点 :切り傷の交点に僅かなはがれがあって、正方形
の一目一目にはがれがなく、欠損部の面積は全正方形面
積の5%以内 6点 :切り傷の両側と交点とにはがれがあって、欠損
部の面積は全正方形面積の5%〜15% 4点 :切り傷によるはがれの幅が広く、欠損部の面積
は全正方形面積の15%〜35% 2点 :切り傷によるはがれの幅は4点よりも広く、欠
損部の面積は全正方形面積の35%〜65% 0点 :はがれの面積は、全正方形面積の65%以上
【0074】Tベンド試験 0℃及び20℃の室温において、試験片と同じ厚みのス
ペーサーを挟んで、180度折り曲げ加工を行った後、
加工部の塗膜表面を30倍ルーペで観察し、塗膜の微小
ピンホールやクラックの有無を調べた。評価はスペーサ
ーの枚数を変化させ、微小ピンホールやクラックが生じ
ない時点でのスペーサーの最小枚数で表示した。スペー
サーの最小枚数が0枚の時は0T、1枚の時は1T、2
枚の時は2T、3枚の時は3Tと表示した。
【0075】耐熱クラック性試験 上記Tベンド試験をした同じ試料を、沸騰水に4時間浸
漬し、加工部の塗膜表面を30倍ルーペで観察し、塗膜
の微小ピンホールやクラックの有無を調べ、下記基準に
より評価した。 〇:塗膜表面に微小ピンホールやクラックが観察されな
かった。 △:塗膜表面に微小ピンホールが僅かに観察された。 ×:塗膜表面に微小ピンホールが多く観察され、クラッ
クも観察された。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】第B表 上塗り塗料配合 SV#200:ソルベッソ#200 MPA:メトキシプロピルアセテート
【0079】
【発明の効果】本発明塗料組成物は、1回の下塗り塗
装、高温短時間焼付によって、乾燥膜厚25μm以上に
おいてもワキの発生がなく、素材への密着性、耐食性に
優れる塗膜を形成できる。更に、低温での加工性に優
れ、かつ100℃以上に加温されても成型加工部の塗膜
にクラックが発生しないポリウレタン下塗り塗膜を形成
できる。
【0080】本発明塗料組成物に、上塗り塗料を組合せ
ることにより、硬度と加工性のバランスが良く、もちろ
ん加温時の成型加工部の塗膜にクラックの発生もなく、
高耐候性の塗装鋼板を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B32B 15/08 104 B32B 15/08 104Z C09D 163/00 C09D 163/00 C23C 28/00 C23C 28/00 C (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 5/00 - 201/10 B05D 7/14 B05D 7/24 B32B 15/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)数平均分子量1,000〜10,000、ガ
    ラス転移温度−40℃〜50℃、結晶化ピーク温度0℃未
    満、水酸基価5〜100mgKOH/gの水酸基含有ポリエステル
    樹脂20〜90重量部、 (B)ブロックポリイソシアネート化合物3〜50重量
    部、 (C)数平均分子量3,000を超えるエポキシ樹脂2〜30重
    量部及び (D)結晶化ピーク温度0℃以上、数平均分子量500〜1
    0,000の水酸基含有結晶性樹脂3〜30重量部からなる塗料
    組成物であって、 該ブロックポリイソシアネート化合物(B)のブロック
    イソシアネート基/該水酸基含有ポリエステル樹脂
    (A)と結晶性樹脂(D)の合計された水酸基の当量比
    が、0.8〜1.2の範囲であることを特徴とする塗料組成
    物。
  2. 【請求項2】 乾燥膜厚が25μm以上塗装可能な請求
    項1に記載の塗料組成物。
  3. 【請求項3】 低温においても高加工性を有し、耐熱テ
    ストにおいても加工部の成形性を維持できる請求項1に
    記載の塗料組成物。
  4. 【請求項4】 亜鉛めっき鋼鈑、亜鉛合金めっき鋼鈑ま
    たはアルミニウムめっき鋼鈑上に、請求項1に記載の塗
    料組成物による下塗り塗膜が設けられており、該下塗り
    塗膜上に、上塗り塗料組成物が設けられていることを特
    徴とする塗装鋼板。
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