JP2000001545A - ポリイミド粉体の製造方法 - Google Patents

ポリイミド粉体の製造方法

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JP2000001545A
JP2000001545A JP17090798A JP17090798A JP2000001545A JP 2000001545 A JP2000001545 A JP 2000001545A JP 17090798 A JP17090798 A JP 17090798A JP 17090798 A JP17090798 A JP 17090798A JP 2000001545 A JP2000001545 A JP 2000001545A
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polyimide
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water
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Soichiro Kishimoto
聡一郎 岸本
Mikio Furukawa
幹夫 古川
Yoshihisa Yamada
良尚 山田
Yoshiaki Echigo
良彰 越後
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Unitika Ltd
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 残留モノマーやオリゴマーが少なく、ポリイ
ミドの成形に好適に使用できるポリイミド粉体を生産性
良く製造することができる方法を提供する。 【課題解決手段】 芳香族テトラカルボン酸もしくはそ
のジエステル誘導体と芳香族ジアミンとを溶媒に添加
し、攪拌下に80℃以上に加熱して均一な溶液とした
後、さらに加熱を続け120〜250℃において析出す
るポリイミド粒子を濾別して、溶媒を含みポリイミド粒
子が集合したポリイミドケーキを得、この含溶媒ポリイ
ミドケーキを水中に添加してポリイミド粒子を分散させ
て水洗した後、ポリイミド粒子を単離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリイミド粉体の
製造方法に関する。さらに詳しくは、機械的特性に優れ
たポリイミド成形体を製造できるポリイミド粉体の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリイミド樹脂はその化学構造によっ
て、種々特性が変化することが知られており、特に、全
芳香族ポリイミドはその優れた耐熱性、機械特性、摺動
特性から近年、電子、電気産業、自動車産業、宇宙、航
空産業などにおいて注目を集めているエンジニアプラス
チックの一つであり、高い需要が見込まれている。
【0003】一般に、全芳香族ポリイミドは熱軟化点を
有さず、また、溶剤に不溶のため成形が困難であること
が多く、このため、これら問題を改善する目的で種々の
検討がおこなわれてきた。多くの場合、アミド結合を有
するポリイミド前駆体であるポリアミド酸(ポリマー)
を成形し、これをポリイミドに変換する方法が用いられ
ている。この中で特に、モールド成形体を得る方法とし
ては、ポリイミドもしくはポリイミド前駆体粉体を型に
充填し、高圧で成形した後、高温で焼成せしめる方法、
もしくは、ポリイミド粉体を型に充填し、高温高圧で成
形する方法に大別できる。
【0004】これら、モールド成形体を得るためのポリ
イミド粉体もしくはポリイミド前駆体粉体の製造方法と
しては、特開平1−292035号公報、特開平4−2
72934号公報もしくは特開平4−272936号公
報に開示されているように、ポリイミド前駆体溶液(ポ
リアミド酸溶液)をその貧溶媒に混合し、溶解している
ポリイミド前駆体を析出させる方法があった。しかしな
がら、この方法では、ポリイミド前駆体(ポリアミド
酸)の溶媒に対する溶解度差を利用しているため、使用
する貧溶媒がポリアミド酸に対して大量に必要であり、
かつ、ポリアミド酸溶液と貧溶媒の混合条件を厳密に制
御しなければならないといった問題を有していた。ま
た、ポリアミド酸は加水分解により重合度が低下しやす
い傾向にありその取扱いに注意が必要とされている。
【0005】また、別の方法として、特開平5−271
539号公報、特開平5−202763号公報もしくは
特開平5−2202764号公報に開示されているよう
に、水溶性ケトンもしくは水溶性エーテルを溶媒とする
系中でポリイミド前駆体粒子を懸濁させる方法があっ
た。この方法によれば、容易にポリイミド前駆体粉体を
得ることができるが、得られるポリイミド前駆体は上記
方法と同じく高重合度のポリアミド酸であり、加水分解
により重合度が低下しやすい傾向にある点は改善するに
至っていなかった。
【0006】また、別の方法として、特開平4−142
332号公報などに開示されているように、ポリアミド
酸溶液を加熱し、ポリアミド酸をポリイミドに変換せし
める方法があった。この方法によれば、生成するポリイ
ミドが溶媒に不溶であることから、溶媒中に粒子状に析
出し、ポリイミド粒子が分散した懸濁液が得られる。し
かしながら、この方法では溶媒として2種類の混合溶媒
すなわち重合溶媒とピリジンに例示される第3級アミン
からなる溶媒を用いなければ、十分な特性を有するポリ
イミド成形体を与えるポリイミド粉体が得られず、溶媒
の回収精製操作が煩雑であるといった問題を有してい
る。さらに、この方法によれば粒子状に析出したポリイ
ミド中に重合溶媒とともに残留モノマーやオリゴマーが
取り込まれるため、十分な特性を有したポリイミド成形
体を与えるポリイミド粉体が得られないという問題があ
った。
【0007】これらいずれの方法も先ずポリアミド酸を
生成する工程が必要であり、これに付随する問題、すな
わち、高重合度のポリアミド酸を得るために、溶媒の乾
燥脱水操作が必要不可欠であったり、溶液の粘度が急激
に上昇するために溶液中のポリアミド酸の濃度を高める
ことが困難であり、溶液量に対するポリアミド酸もしく
はポリイミド粉体の収量に限界があるといった問題があ
った。さらに、いずれの方法も溶液中でポリイミドを析
出させるために、ポリイミド中にモノマーやオリゴマー
が取り込まれてしまうという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような状況に鑑
み、本発明の課題は、残留モノマーやオリゴマーが少な
く、良好な物性を有するポリイミドの成形体を得ること
ができるポリイミド粉体を生産性良く製造することがで
きるポリイミド粉体の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、芳香族テトラカル
ボン酸もしくはそのジエステル誘導体と芳香族ジアミン
を溶媒中で混合し、これを80℃以上に加熱して均一な
溶液とし、さらに加熱を続けて析出するポリイミド粒子
を濾別して、得られる含溶媒ポリイミドケーキを水洗し
て、ポリイミド粒子を単離すると、(a)ポリイミド粒
子中に溶媒とともに取り込まれるモノマーやオリゴマー
は水洗により、容易に取り除かれ、かかる方法で得られ
たポリイミド粉体は良好な物性を有するポリイミド成形
体になる、また、(b)ポリイミド前駆体としてポリア
ミド酸を経ることがないので、溶媒中にポリイミド前駆
体を高濃度で溶解させることができて、加熱によりポリ
イミド粒子を多量に析出させることができる、との知見
を得、本発明に到達した。
【0010】すなわち、本発明は、芳香族テトラカルボ
ン酸もしくはそのジエステル誘導体と芳香族ジアミンと
を溶媒に添加し、攪拌下に80℃以上に加熱して均一な
溶液とした後、さらに加熱を続け120〜250℃にお
いて析出するポリイミド粒子を濾別して、溶媒を含みポ
リイミド粒子が集合したポリイミドケーキを得、この含
溶媒ポリイミドケーキを水中に添加してポリイミド粒子
を分散させて水洗した後、ポリイミド粒子を単離するこ
とを特徴とするポリイミド粉体の製造方法をその要旨と
するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について詳細に説
明する。本発明において、モノマーとして使用する芳香
族テトラカルボン酸としては、下記構造式(1)におい
てR1 が下記構造式群(1)の中から選ばれる1種もし
くは2種以上の混合物、もしくは、これらの芳香族テト
ラカルボン酸が、使用するテトラカルボン酸成分の50
重量%以上含まれる混合物を挙げることができる。ま
た、芳香族テトラカルボン酸の代わりに、これらのジエ
ステル誘導体を用いてもよい。ジエステル誘導体として
は炭素数が1〜5のアルキルエステル誘導体が好まし
く、特に好ましくは炭素数が1の芳香族テトラカルボン
酸ジメチルエステルが好ましい。
【0012】
【化1】
【0013】本発明において、最も好ましく用いられる
のは、上記芳香族テトラカルボン酸もしくはそのジエス
テル誘導体のうち、ピロメリット酸、もしくはピロメリ
ット酸ジメチルエステルである。
【0014】本発明において、モノマーとして使用する
芳香族ジアミンとしては、下記構造式(2)においてR
2 が下記構造式群(2)の中から選ばれる1種もしくは
2種以上の混合物、もしくは、これらの芳香族ジアミン
が、使用するジアミン成分の50重量%以上含まれる混
合物を挙げることができる。
【0015】
【化2】
【0016】本発明において、最も好ましく用いられる
のは、上記芳香族ジアミンのうち、4,4’−ジアミノ
ジフェニルエーテルである。
【0017】本発明においては、まず前記テトラカルボ
ン酸もしくはそのジエステル誘導体とジアミンの略等モ
ルを溶媒中に分散させる。ここで略等モルとは、テトラ
カルボン酸もしくはそのジエステル誘導体とジアミンの
モル量比が1:1近傍であることを言い、これよりもい
ずれかの成分が10モル%以上過剰な量比であると、得
られるポリイミド粉体からなる成形体の特性が劣る傾向
にあるので、好ましくない。また、反応系へのモノマー
の添加順序や添加方法は、特に限定されず、各モノマー
を反応系に一度に加えても良い。この際、溶媒の使用量
に対する総モノマー量は、溶媒100重量部に対して、
5〜70重量部になるようにするのが好ましい。総モノ
マー量が5重量部未満であると生産性に欠け、70重量
部を超えると、生成するポリイミド粉体の分散した溶液
の流動性が乏しくなり、取り扱い性が悪くなるばかりで
なく、得られるポリイミド粉体から得られるポリイミド
成形体の特性も低下する傾向にあるので、好ましくな
い。
【0018】次に上記モノマーを溶媒中に分散させた液
を加熱していくと、均一な溶液となる。さらに加熱を続
けると、特定の時点で均一な溶液から徐々にポリイミド
粒子の析出が見られので、加熱を続けてモノマーを完全
にポリイミド粒子に変換させる。この操作を通じて、均
一な溶液とする際の加熱温度は80℃以上でなければな
らず、加熱温度が80℃未満であると、均一な溶液の状
態にならなかったり、均一な溶液を経ても、ポリイミド
粒子の析出が十分に起こらず、目的のポリイミド粉体を
得るのが困難になることがあり、また、均一な溶液の状
態を経ずにポリイミド粒子の析出が起こるような条件で
製造したポリイミド粉体は、成形体としたときの特性に
劣る。さらに、加熱を続けてポリイミド粒子を析出させ
る際の加熱温度及び加熱時間は、120〜250℃で5
分〜12時間行う。この範囲では特に厳密に制御する必
要はないが、120℃未満で5分間未満の加熱ではポリ
イミド粒子の析出が不十分であり、250℃を超えて1
2時間を超えて加熱しても加熱効果が少ない。溶媒によ
っては250℃以下の沸点を有するものがあるがその場
合は溶媒の沸点以下で加熱する。
【0019】また、反応系において、ポリイミドの生成
とともに生成してくる水分を、留去することにより、ポ
リイミドの生成が促進することは公知のとおりである。
さらに、公知のように、トリエチルアミン、ピリジンや
キノリン等のイミド化剤を反応系に適当量加えても良
い。
【0020】本発明において、用いる溶媒としては、生
成するポリイミドの貧溶媒であり、また、80℃以上の
沸点を有し、製造に用いられる前記モノマー成分を前記
した操作工程で完全に溶解し、溶液にすることが可能な
ものに限られる。このような溶媒としては、例えば、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカ
プロラクタム、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン等を挙げることができる。
【0021】本発明おいて、溶媒中に析出し、分散して
いるポリイミド粒子のろ過の方法としては、遠心分離、
フィルタープレスなど公知の方法を採用することができ
る。ろ過して得られるポリイミド粒子が集合したポリイ
ミドケーキは、ろ過の方法と生成するポリイミド粒子の
粒子径にもよるが、概ね20〜60重量%程度の溶媒
と、モノマーやオリゴマー等を含んでいる。
【0022】そこで本発明では、さらにポリイミドケー
キを水中に添加し、ポリイミド粒子を水中に分散させて
洗浄する。ポリイミドケーキに対して使用する水の量
は、残留するモノマーやオリゴマーの量により決定され
るが、通常ポリイミドケーキ中のポリイミドに対し、2
〜20倍程度の重量の水を使用することが好ましい。水
の量が2倍未満では、ポリイミドの分散状態が悪くなる
ために、洗浄効率が低下して、生成するポリイミド粒子
の物性が低下する傾向があり、一方20倍を超えると生
産性が悪くなるので好ましくない。また、本発明で用い
られる水は、蒸留やイオン交換処理を行うなどして、電
気伝導度が10μS/cm以下であることが好ましい。
また、水洗を行うことによるポリイミド粒子の洗浄度
は、分散液又はろ液の電気伝導度を測定することにより
容易に知ることができ、水中に芳香族テトラカルボン酸
やそのジエステル誘導体等のモノマーやオリゴマーが存
在する場合には、電気伝導度が大きくなるので、電気伝
導度が10μS/cm以下の水を用いた場合、電気伝導
度が500μS/cm以下になるまで洗浄するのが好ま
しい。なお、洗浄回数は限定されないが、電気伝導度が
300μS/cm以下になるまで行うことがより好まし
い。上述のように水洗後のポリイミド粒子は、再度濾別
し、乾燥して容易にポリイミド粉体に単離することがで
きる。
【0023】このようにして得られるポリイミド粉体
は、平均粒径が10〜150μm程度の流動性に優れた
粉体であり、その比表面積はおおよそ20m2 /g以上
である。さらに、そのイミド化率は、赤外吸収スペクト
ルのイミド基に由来するピーク(600cm-1)とイミ
ドの生成に左右されないピーク(880cm-1)の比か
ら算出した値が70%以上であるものが好ましい。
【0024】本発明によって得られるポリイミド粉体を
成形して得られる成形体の種々の特性を改善する目的
で、無機もしくは有機質フィラー等の各種添加剤を配合
する場合は、所要量をポリイミド粉体製造時の反応系中
に予め添加しておくと均一にフィラーの分散したポリイ
ミド組成物が得られるので、好ましい。
【0025】本発明において用いる製造設備としては、
生産性を考えた場合、適当な攪拌装置を備え、連続的に
加熱できる製造設備を用いることが好ましい。
【0026】本発明で得られるポリイミド粉体は、従来
知られている成形方法により、機械的特性に優れたポリ
イミド成形体にすることができる。例えば、加熱下加圧
する場合には、本発明で得られるポリイミド粉体を型に
充填し、これを300〜500℃に加熱し、100〜3
000kgf/cm2 で加圧し、ポリイミド成形体を得
る。また、特公昭49−5737号公報等に記載されて
いるように、本発明で得られるポリイミド粉体を型に充
填し、常温下で3000〜7000kgf/cm2 の圧
力を加え、成形した後、これを焼成炉等により焼結する
ことにより、ポリイミド成形体を得ることができる。
【0027】また、本発明で得られたポリイミド粉体
は、モノマーやオリゴマーを含むことなく純度に優れて
いるので、優れた物性を有する成形体にすることがで
き、機械部品はもとより、特に電気・電子材料分野に好
適に使用することができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例および比較例で得られたポリイミド
は、次の方法で評価した。 1)イミド化率 ポリイミドの赤外吸収スペクトル測定を行いイミド化率
を算出した。赤外吸収スペクトルの測定は、SYSTE
M2000型フーリエ変換分光光度計(Perkin−
Elmer社製)を用いて測定した。 2)曲げ強度 ポリイミド400gを12cm×12cmの金型に充填
し、400℃で1000kg/cm2 の圧力で1時間加
圧して成形を行った。この成形品より試料を切り出し曲
げ試験に供した。曲げ強度試験はJIS規格K7203
に準じて行った。
【0029】実施例1 留出管を有するフラスコに2500mlのN−メチル−
2−ピロリドン(以下、NMPと記す)を入れ、これに
600g(2.36モル)のピロメリット酸(以下、P
MAとする)および472.7g(2.36モル)の
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(以下、DAD
Eと記す)を加え、攪拌下に加熱を行った。混合液の温
度が100℃近くなったところで均一な褐色溶液とな
り、さらに加熱を続けたところ、140℃で黄褐色の析
出物が観測された。最終的に190℃までこの懸濁液を
加熱するのに60分間かけ、さらに190℃で2時間加
熱を続けた。この間、留出成分を約150g回収した。
得られた生成物を濾別し、ポリイミドケーキ1545g
を得た。このポリイミドケーキは45%のNMPを含ん
でいた。
【0030】さらに、ポリイミドケーキ中のポリイミド
に対して3倍重量である2550gのイオン交換水(電
気伝導度6μS/cm)にポリイミドケーキを添加し、
攪拌下にポリイミド粒子を分散させて洗浄したところ、
分散液の電気伝導度は400μS/cmとなった。この
後ろ過を行い、200℃の乾燥機で乾燥し、850g
(理論収量の94%)のポリイミド粉体を得た。得られ
たポリイミド粉体の平均粒径は50μmであり、その赤
外吸収スペクトルからイミド化率は95%であった。ま
た、成形体の曲げ強度は、1280kg/cm2 、密度
は1.43g/cm3 であった。
【0031】実施例2 実施例1において得られたポリイミドケーキ1545g
中のポリイミドに対し、9倍の重量である7650gの
イオン交換水を用いた以外はすべて実施例1と同様に行
った。なお、洗浄後の分散液の電気伝導度は80μs/
cmであった。成形体の曲げ強度は、1350kg/c
2 、密度は1.43g/cm3 であった。
【0032】実施例3 実施例1の操作において、PMAの代わりにピロメリッ
ト酸ジメチルエステル700g(2.48モル)を用
い、DADE497g(2.48モル)とし、同様に合
成操作を行い、ポリイミドケーキ1760gを得た。こ
のケーキはNMP50重量%を含んでいた。このケーキ
中のポリイミドに対し3倍重量の5280gのイオン交
換水を用いて洗浄を行った。洗浄後の分散液の電気伝導
度は370μS/cmであった。この後、実施例1と同
様にろ過乾燥を行い880g(理論収量の93%)のポ
リイミド粉体を得た。得られたポリイミド粉体は、平均
粒径が30μmであり、その赤外吸収スペクトルからイ
ミド化率は92%であった。成形体の曲げ強度は、12
20kg/cm2 、密度は1.43g/cm3 であっ
た。
【0033】比較例 実施例1と同様の操作で得られたNMPを45重量%含
むポリイミドケーキを、水洗せずそのまま200℃の乾
燥機で乾燥しポリイミド粉体を得た。得られたポリイミ
ド粉体は平均粒径が50μmであり、その赤外吸収スペ
クトルからイミド化率は96%であった。曲げ強度は、
830kg/cm2 、密度は1.41g/cm3 であっ
た。
【0034】以上、実施例および比較例の結果から次の
ことが明らかに成った。 1)実施例1〜3から、本発明によれば、製造工程中で
ポリアミド酸を経ることがないので、溶媒中に高濃度で
モノマーを溶解させることができ、ポリイミド粒子を多
量に析出させることができて、生産性良くポリイミド粉
体を製造できる。 2)実施例1〜2および比較例とから本発明によれば、
残留モノマーやオリゴマーを取り除くことができ、本発
明によって得られるポリイミド粉体からは物性に優れた
ポリイミド成形体が得られる。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、残留モ
ノマーやオリゴマーが少なく、ポリイミドの成形に好適
に使用できるポリイミド粉体を生産性良く製造すること
ができる。このポリイミド粉体からは物性に優れた成形
体が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 越後 良彰 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4J002 CM041 FD016 4J043 PA02 PC015 QB15 QB25 QB31 RA35 SA06 SA42 SB01 TA14 TA32 TB01 UA121 UA122 UA131 UA132 UA141 UA652 UA662 UA672 UB011 UB121 UB122 UB131 UB152 UB402 VA011 VA021 VA022 VA041 VA051 VA062 VA081 XA03 XA11 XA16 XB19 XB20 XB27 YA06 YA08 YA13 YA14 YA25 ZB47

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族テトラカルボン酸もしくはそのジ
    エステル誘導体と芳香族ジアミンとを溶媒に添加し、攪
    拌下に80℃以上に加熱して均一な溶液とした後、さら
    に加熱を続け120〜250℃において析出するポリイ
    ミド粒子を濾別して、溶媒を含みポリイミド粒子が集合
    したポリイミドケーキを得、この含溶媒ポリイミドケー
    キを水中に添加してポリイミド粒子を分散させて水洗し
    た後、ポリイミド粒子を単離することを特徴とするポリ
    イミド粉体の製造方法。
  2. 【請求項2】 芳香族テトラカルボン酸もしくはそのジ
    エステル誘導体がピロメリット酸もしくはそのジエステ
    ル誘導体であり、芳香族ジアミンが4,4’−ジアミノ
    ジフェニルエーテルである請求項1記載のポリイミド粉
    体の製造方法。
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Cited By (3)

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US6916898B2 (en) 2000-03-13 2005-07-12 Mitsui Chemicals, Inc. Process for producing polyimide
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