WO2024134965A1 - 換気システム及び換気方法 - Google Patents

換気システム及び換気方法 Download PDF

Info

Publication number
WO2024134965A1
WO2024134965A1 PCT/JP2023/028709 JP2023028709W WO2024134965A1 WO 2024134965 A1 WO2024134965 A1 WO 2024134965A1 JP 2023028709 W JP2023028709 W JP 2023028709W WO 2024134965 A1 WO2024134965 A1 WO 2024134965A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
ventilation
concentration
chemical substance
room
building material
Prior art date
Application number
PCT/JP2023/028709
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
遼太郎 岩山
眞二 田中
裕美 喜多
みまえ 中原
Original Assignee
積水ハウス株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 積水ハウス株式会社 filed Critical 積水ハウス株式会社
Publication of WO2024134965A1 publication Critical patent/WO2024134965A1/ja

Links

Images

Definitions

  • the present invention relates to a ventilation system and a ventilation method, and in particular to reducing the concentration of volatile organic compounds in a room.
  • the equivalent ventilation volume calculation means may calculate the equivalent ventilation volume based on the adsorption area of the adsorbed building material and the value of the equivalent ventilation volume per unit area of the adsorbed building material.
  • the present invention makes it possible to sufficiently reduce the concentration of chemical substances indoors while suppressing ventilation by taking into account adsorbent building materials.
  • FIG. 1 is a configuration diagram of a ventilation system according to an embodiment of the present invention.
  • FIG. 2 is a functional block diagram of a control device.
  • FIG. 1 is a diagram showing variations in concentration changes of chemical substances.
  • FIG. 11 is a flow chart showing ventilation volume change processing.
  • FIG. 11 is a flow chart showing ventilation volume increasing processing.
  • FIG. 11 is a flow chart showing ventilation volume reduction processing.
  • the spatial concentration may be the weight of the chemical substance per unit volume, or may be a value measured by the chemical substance concentration sensor 52.
  • the value measured by the chemical substance concentration sensor 52 may be corrected based on at least one of the room temperature and humidity. This corrected value indicates the amount of the chemical substance to be generated in the future.
  • the correction formula may be the Berge formula or the Inoue formula. As an example, the Inoue formula is shown in the following formula (2).
  • the adsorption area is stored in advance in the control device 21. Furthermore, the equivalent ventilation volume calculation unit 211 calculates the equivalent ventilation volume per unit area based on the concentration of the chemical substance upstream of the adsorption building material 29 and the concentration detected by the chemical substance concentration sensor 30, using the following formula (5).
  • the control unit 212 includes a determination unit 212a, which manages time series data on the concentration of chemical substances in the room 40 and determines the pattern of change in concentration of the chemical substances.
  • FIG. 3 is a diagram showing the pattern of change in concentration of chemical substances.
  • the horizontal axis of each graph is the time axis, and the right direction indicates the future.
  • the vertical axis indicates the concentration of the chemical substance, with the upward direction indicating higher concentrations.
  • the dashed line indicates the upper limit concentration.
  • the gray area has a lower limit of the lower limit spatial concentration set in the control unit 212 and an upper limit of the above-mentioned allowable spatial concentration.
  • the control unit 212 controls the concentration of chemical substances in the room 40 to fall within the gray area, thereby preventing excessive ventilation while preventing the chemical substances from becoming highly concentrated.
  • FIG. 6 is a flow diagram showing the ventilation volume reduction process by the control unit 212.
  • the current air volume of the ventilation equipment 20 is first obtained (S601). If the current air volume is not the minimum air volume, the air volume is reduced by one step (S602). If the air volume is the minimum air volume, the current air volume is maintained (S603).

Abstract

吸着建材を考慮して換気を抑制しつつ、室内の化学物質濃度を十分に低減できる換気システム、換気方法及びプログラムを提供すること。 換気システム(10)は、室内(40)を換気する換気設備(20)と、室内(40)に設置され、化学物質を吸着する吸着建材(41)と、室内(40)に設置され、前記化学物質の濃度を検出する化学物質濃度センサ(52)と、制御装置(21)を含み、制御装置(21)は、化学物質濃度センサ(52)により検出される濃度に基づいて、化学物質の濃度を所定の基準濃度以下に抑えるための必要換気量を算出する必要換気量算出手段と、吸着建材(41)による化学物質の濃度低減効果に相当する換気量である相当換気量を算出する相当換気量算出手段と、前記必要換気量と前記相当換気量とに基づいて換気設備(20)の動作を制御する制御手段と、を含む。

Description

換気システム及び換気方法
 本発明は換気システム及び換気方法に関し、特に、室内における揮発性有機化合物の濃度低減に関する。
 室内におけるホルムアルデヒド等の揮発性有機化合物の濃度を低減させるため、下記特許文献1には、化学物質の濃度を検出するセンサを備え、センサの検出値に基づいて24時間換気システムの換気量を制御する装置が開示されている。この装置によれば、換気により室内の化学物質濃度を低減させることができる。
特開2010-266102号公報
 揮発性有機化合物の濃度低減には、換気だけでなく、揮発性有機化合物を化学吸着する建材も有効である。現在、壁材や天井材等の種々の形態で、種々の素材の吸着建材が利用可能である。
 ところで、このような吸着建材が使用された室内において上記従来技術を適用した場合、吸着建材による化学物質の濃度低減を考慮していないために過剰換気となってしまう。しかし、このような過剰換気は省エネルギーの観点から好ましくない。
 本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、吸着建材を考慮して換気を抑制しつつ、室内の化学物質濃度を十分に低減できる換気システム及び換気方法を提供することにある。
 (1)上記課題を解決するために、本発明の一側面に係る換気システムは、室内を換気する換気設備と、前記室内に設置され、化学物質を吸着する吸着建材と、前記室内に設置され、前記化学物質の濃度を検出する第1センサと、前記第1センサにより検出される濃度に基づいて、前記化学物質の濃度を所定の基準濃度以下に抑えるための必要換気量を算出する必要換気量算出手段と、前記吸着建材による前記化学物質の濃度低減効果に相当する換気量である相当換気量を算出する相当換気量算出手段と、前記必要換気量と前記相当換気量とに基づいて前記換気設備の動作を制御する制御手段と、を含む。
 (2)(1)に記載の換気システムにおいて、前記必要換気量算出手段は、前記第1センサにより検出される濃度に基づいて現在又は将来の前記化学物質の発生量を算出てよい。また、前記発生量と前記所定の基準濃度とに基づいて前記必要換気量を算出してよい。
 (3)(2)に記載の換気システムにおいて、前記室内の温度又は湿度の少なくとも一方を検出する第2センサをさらに含んでよい。前記必要換気量算出手段は、前記室内の温度又は湿度の少なくとも一方にさらに基づいて、将来の前記化学物質の発生量を算出してよい。
 (4)(1)~(3)のいずれかに記載の換気システムにおいて、前記相当換気量算出手段は、前記吸着建材の吸着面積と、前記吸着建材の単位面積あたりの前記相当換気量の値と、に基づいて前記相当換気量を算出してよい。
 (5)(4)に記載の換気システムにおいて、前記室内に設けられる循環経路上に設けられ、前記吸着建材と同一素材からなる副吸着建材と、前記循環経路における前記副吸着建材の下流側に設けられ、前記化学物質の濃度を検出する第3センサと、をさらに含んでよい。前記相当換気量算出手段は、前記副吸着建材の上流側の前記化学物質の濃度と、前記第3センサにより検出される濃度に基づいて、前記単位面積あたりの前記相当換気量の値を算出してよい。
 (6)(5)に記載の換気システムにおいて、前記副吸着建材の上流側の前記化学物質の濃度は、前記第1センサにより検出される濃度であってよい。
 (7)本発明の一側面に係る換気方法は、室内に設置された第1センサにより検出される化学物質の濃度に基づいて、前記化学物質の濃度を所定の基準濃度以下に抑えるための必要換気量を算出する必要換気量算出ステップと、前記室内に設置され、前記化学物質を吸着する吸着建材による前記化学物質の濃度低減効果に相当する換気量である相当換気量を算出する相当換気量算出ステップと、前記必要換気量と前記相当換気量とに基づいて、前記室内を換気する換気設備の動作を制御する制御ステップと、を含む。
 (8)本発明の一側面に係るプログラムは、室内に設置された第1センサにより検出される化学物質の濃度に基づいて、前記化学物質の濃度を所定の基準濃度以下に抑えるための必要換気量を算出する必要換気量算出ステップと、前記室内に設置され、前記化学物質を吸着する吸着建材による前記化学物質の濃度低減効果に相当する換気量である相当換気量を算出する相当換気量算出ステップと、前記必要換気量と前記相当換気量とに基づいて、前記室内を換気する換気設備の動作を制御する制御ステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
 本発明によれば、吸着建材を考慮して換気を抑制しつつ、室内の化学物質濃度を十分に低減できるようになる。
本発明の実施形態に係る換気システムの構成図である。 制御装置の機能ブロック図である。 化学物質の濃度変化のバリエーションを示す図である。 換気量変更処理を示すフロー図である。 換気量増加処理を示すフロー図である。 換気量減少処理を示すフロー図である。
 以下、本発明の実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
 図1は、本発明の実施形態に係る換気システムの構成図である。同図に示す換気システム10は、住宅等の室内40におけるホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物の濃度を換気により低下させるものである。すなわち換気システム10は室内40を換気する換気設備20を備えている。また、室内40には、例えば壁面、天井、或いは床面に化学物質を吸着する吸着建材41が設けられている。すなわち、換気システム10は、換気設備20と吸着建材41の両方によって、室内40における揮発性有機化合物の濃度低減を図っている。
 室内40には、コンピュータを中心に構成されたユーザ装置50が設置されている。このユーザ装置50は、居住者であるユーザに警告表示などを行うディスプレイなどの表示器51、室内40における化学物質の濃度を検出する化学物質濃度センサ52、室内40の温度を検出する温度センサ53、室内40の湿度を検出する湿度センサ54を含んでおり、それらはユーザ装置50に含まれる、図示しないコンピュータに接続されている。また、ユーザ装置50は、後述する制御装置21と無線又は有線によりデータ通信が可能となっている。化学物質濃度センサ52は、第1センサの一例である。また、温度センサ53及び湿度センサ54、それぞれ第2センサの一例である。
 換気設備20は、制御装置21及び熱交換器22を備えている。熱交換器22には外気を吸入する外気導入ダクト23、室内の空気を屋外に排出する排気ダクト24、他の室内の空気を吸入する吸気ダクト25、室内40に外気を導入する換気ダクト26が接続されている。換気ダクト26の先端は室内40に至っており、外気導入ダクト23により導入される外気は換気ダクト26を経由して室内40に導かれる(第1の経路)。他の室内の空気は熱交換器22を経由して排気ダクト24から屋外に排出される(第2の経路)。この際、熱交換器22で上記二つの経路間において熱交換が行われ、外気は室内40の温度に近づけられてから、室内40に導入されるようになっている。なお、換気設備20には上記第1の経路又は前記第2の経路の少なくとも一方には換気ファンが設けられる。この際、換気設備20は第一種換気を行うものであってもよいし、第三種換気を行うものであってもよい。
 換気設備20には、さらに吸気ダクト27及び排気ダクト28からなる循環経路が設けられている。循環経路の途中、吸気ダクト27と排気ダクト28との間には化学物質吸着空間31が設けられており、この内部に化学物質を吸着する吸着建材29(副吸着建材)が配置されている。また、循環経路の途中には図示しないファンが設けられており、室内40の空気を強制的に循環させるようにしている。
 吸着建材29は吸着建材41と同じ素材で作られており、化学物質に対する吸着性能は等しい。また、吸着建材29及び吸着建材41は同じ室内40の空気に触れており、吸着性能の劣化スピードも等しい。後述するように、本実施形態では、吸着建材29の吸着性能を監視することにより、吸着建材41の現在の吸着性能を推定するようにしている。このため、排気ダクト28の途中、すなわち循環経路における吸着建材29の下流側には、化学物質の濃度を検出する化学物質濃度センサ30が設けられている。化学物質濃度センサ30の検出結果は制御装置21に入力されている。化学物質濃度センサ30は、第3センサの一例である。
 制御装置21にはユーザ装置50に含まれる化学物質濃度センサ52、温度センサ53及び湿度センサ54の検出結果、及び化学物質濃度センサ30の検出結果が入力されており、それらの情報に基づき、換気装置20の換気量(単位時間あたりに入れ替える空気の量)を適切に制御するようになっている。この際、吸着建材41による化学物質の吸着効果を考慮し、過剰換気を防止している。
 図2は、制御装置21の機能ブロック図を示している。制御装置21は、CPU及びメモリを中心として構成されたコンピュータであり、本発明の一実施形態に係るプログラムを実行することにより、図2に示される機能群が実現される。すなわち、制御装置21は、機能的には必要換気量算出部210、相当換気量算出部211及び制御部212を含んでいる。
 必要換気量算出部210には、温度センサ53により検出される室温、湿度センサ54により検出される室内40の湿度、及び化学物質濃度センサ52により検出される室内40の化学物質の濃度が入力されている。また、制御部212により管理されている現在の換気量も入力されている。必要換気量算出部210は、化学量物質濃度センサ52により検出される化学物質の濃度に基づいて、それを所定の基準濃度以下に抑えるための必要換気量を算出する。ここでは、必要換気量算出部210は、化学物質濃度センサ52により検出される濃度に基づいて現在又は将来の化学物質の発生量を算出する。具体的には、次式(1)に従って化学物質の発生量を算出する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
 ここで、空間濃度は単位体積あたりの化学物質の重量であってよく、化学物質濃度センサ52により測定された値であってよい。また、室温及び湿度のうち少なくとも一方に基づき、化学物質濃度センサ52により測定された値を補正してもよい。この補正値は、将来の化学物質の発生量を意味する。補正式は、Berge式又は井上式を採用してよい。一例として、井上式を次式(2)により示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
 ここで^はべき乗を示す。C0は補正後の空間濃度であり、Cは補正前の空間濃度である。T0は将来予測される室温であり、Tは現在の室温である。T0は、例えばTの時系列の外挿により求めてもよい。H0は将来予測される湿度であり、Hは現在の湿度である。H0は、例えばHの時系列の外挿により求めてもよい。なお、建築物の間取り、窓の位置、断熱性能、冷暖房設備の稼働状況、外気温、日射量などを考慮して、将来の温度や湿度をさらに正確に予測してもよい。また、式(2)中の1.09や0.01の係数は、実際の化学物質の濃度、室温、湿度の推移に基づき、より確からしい値に更新してもよい。
 換気量は換気設備20の現在の換気量、すなわち単位時間あたりに(化学物質の濃度がゼロの)外気と置換している室内40の空気の体積である。現在の換気量は、換気設備20の換気ファンの回転数の関数として、制御部212により管理されている。
 必要換気量算出部210は、こうして算出される現在又は将来の化学物質の発生量から、必要換気量を算出する。具体的には、次式(3)により必要換気量を算出する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000003
 許容空間濃度は、室内40において許容される化学物質の濃度の上限(所定の基準濃度)であり、例えば厚生労働省の指針である100μg/m3が採用されてよい。
 なお、必要換気量算出部210は、化学物質濃度センサ52により検出される濃度を時系列に記憶しておき、濃度が急上昇したかどうかを監視してよい。そして、このような濃度の急上昇があった場合、急上昇後の濃度を式(1)に代入して化学物質の発生量を求め、その発生量の値を式(3)に代入することにより必要換気量を求めてよい。こうすれば、室内40における家具が新調されるなどして化学物質の濃度が急上昇した場合において、適切に必要換気量を算出し、以って必要な換気を実施することができる。
 相当換気量算出部211は、吸着建材41による化学物質の濃度低減効果に相当する換気量である相当換気量を算出する。吸着建材41が室内40に存在する化学物質を吸着すると、それにより化学物質濃度センサ52により検出される濃度は低減される。相当換気量は、同じ濃度低減を実現するために、換気設備20でどれだけの換気量の換気を行ったらよいかを示す。このため、相当換気量算出部211は、次式(4)に示すように、吸着建材41の吸着面積、すなわち室内40に露呈している面積と、単位面積あたりの相当換気量に基づき、相当換気量を算出する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000004
 ここで、吸着面積は事前に制御装置21に記憶しておく。また、相当換気量算出部211は、次式(5)により、吸着建材29の上流側の前記化学物質の濃度と、化学物質濃度センサ30により検出される濃度と、に基づいて、単位面積あたりの相当換気量を算出する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000005
 ここで室内濃度は、吸着建材29の上流側である室内40に設置されている化学物質濃度センサ52によって検出される濃度である。吹出濃度は化学物質濃度センサ30により検出される濃度である。循環量は、吸気ダクト27及び排気ダクト30を含む循環経路を単位時間あたりに通過する空気の体積である。また、吸着面積は吸着建材29が化学物質吸着空間31において露呈している面積である。
 以上のようにして必要換気量算出部210により必要換気量が算出され、相当換気量算出部211により相当換気量が算出されると、制御部212は、それらの値に基づいて換気設備20の換気量を制御する。
 図2に示すように制御部212には判定部212aが含まれており、該判定部212aは、室内40における化学物質の濃度の時系列データを管理しており、化学物質の濃度変化のパターンを判定している。図3は、化学物質の濃度変化のパターンを示す図である。同図において、各グラフの横軸は時間軸であり、右方向が将来を示す。縦軸は化学物質の濃度を示し、上方向が高濃度を示す。破線は上限濃度を示す。またグレーの領域は、制御部212に設定された下限空間濃度を下限とし、上述の許容空間濃度を上限としている。制御部212は、グレーの領域に室内40の化学物質の濃度が収まるように制御することで、化学物質が高濃度となることを防止しつつ、過剰換気を防止している。
 同図において、(1)は、温度及び湿度に基づいて計算された将来の化学物質の濃度が、上述の許容空間濃度を上回ったパターンを示している。現在の化学物質の濃度変化が(1)のパターンであると判定部212aが判定すると、制御部212は後述する換気量変更処理を行う。
 (2)は、最後に検知された化学物質の(現在の)濃度が直前に検知された濃度より大きく上昇し、許容空間濃度を上回ったパターンを示している。現在の化学物質の濃度変化が(2)のパターンであると判定部212aが判定する場合も、制御部212は後述する換気量変更処理を行う。
 (3)は、換気設備20による換気量を増やしたにも関わらず、その後に検知された化学物質の(現在の)濃度が依然として上昇しているパターンを示している。このパターンには、換気量を増やした直後に検知された化学物質の(現在の)濃度に基づいて計算された将来の濃度が、依然として上昇しているパターンを含めてもよい。現在の化学物質の濃度変化が(3)のパターンであると判定部212aが判定する場合も、制御部212は後述する換気量変更処理を行う。
 (4)は、直前に換気設備20による換気量を増やしたにも関わらず、その後に検知された化学物質の(現在の)濃度が同程度である(濃度が下がらない)パターンを示している。現在の化学物質の濃度変化が(4)のパターンであると判定部212aが判定すると、制御部212は後述する換気量アップ処理を行う。
 (5)は、検知された化学物質の(現在の)濃度が上限空間濃度を超えたパターンを示している。現在の化学物質の濃度変化が(5)のパターンであると判定部212aが判定すると、制御部212は換気設備20の換気ファンを最大風量で動作させる。なお、他のパターンと重複して(5)のパターンが生じた場合には、(5)のパターンを優先し、換気ファンを最大風量で動作させる。
 (6)は、検知された化学物質の(現在の)濃度が下限空間濃度を下回ったパターンを示している。現在の化学物質の濃度変化が(6)のパターンであると判定部212aが判定すると、制御部212は後述する換気量変更処理を行う。
 (7)は、検知された化学物質の(現在の)濃度が下限空間濃度を下回った後、換気量を変更したにも関わらず、濃度が上がらないパターンを示している。現在の化学物質の濃度変化が(7)のパターンであると判定部212aが判定すると、制御部212は後述する換気量ダウン処理を行う。
 図4は、制御部212による換気量変更処理を示すフロー図である。換気量変更処理では、まず必要換気量算出部210で算出された必要換気量を取得する(S401)。次に、相当換気量算出部211で算出された相当換気量を取得する(S402)。そして、必要換気量が相当換気量以下であれば、第1制御モード、すなわち最低風量で換気設備20の換気ファンを動作させる(S403)。
 必要換気量が相当換気量より大きければ、事前に記憶されている換気設備20による最大換気量を取得し、該最大換気量に相当換気量を加算することにより、最大合計換気量を算出する(S404)。
 そして、必要換気量が最大合計換気量以下であれば、第2制御モード、すなわち換気設備20による換気量と相当換気量との合計が必要換気量以上となる最低限の換気量となるよう、換気設備20の風量を決定し、決定された風量で換気設備20の換気ファンを動作させる(S405)。
 また、必要換気量が最大合計換気量より大きければ、ユーザ装置50の表示器51に警告を表示するなどして、ユーザに注意喚起する(S406)。そして、換気設備20を第3制御モード、すなわち最大風量で換気ファンを動作させる(S406)。
 図5は、制御部212による換気量アップ処理を示すフロー図である。換気量アップ処理では、まず換気設備20の現在の風量を取得する(S501)。現在の風量が最大風量でなければ、風量を1段階アップさせる(S502)。また、風量が最大風量であれば、現在の風量を維持する(S503)。
 図6は、制御部212による換気量ダウン処理を示すフロー図である。換気量ダウン処理も同様、まず換気設備20の現在の風量を取得する(S601)。現在の風量が最低風量でなければ、風量を1段階ダウンさせる(S602)。また、風量が最低風量であれば、現在の風量を維持する(S603)。
 以上説明した換気システム10によれば、室内40に設けられた吸着建材41による化学物質の吸着効果を考慮して、換気設備20の換気量を適切に設定することができるので、過剰換気を防止でき、それにより省エネルギーを実現できる。
 また、吸着建材29を配置した循環経路を設けて、吸着建材41の単位面積あたりの相当換気量を計算するようにしたので、吸着建材41が経年劣化して吸着効果が低下した場合にも、その吸着効果を適切に評価することができる。これにより、換気設備20の換気量を適切に設定することができる。
 なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能であり、そのような変形もまた本発明の範疇に属する。例えば、換気設備20は第一種又は第三種換気設備である必要はなく、第二種換気設備であってもよい。また、自動開閉窓による換気であってもよい。この場合には、自動開閉窓の開度を制御したり解放時間を制御したりすればよい。さらに、キッチン用の換気扇を換気設備20の代わりに用い、その風量を制御してもよい。
 10 換気システム、20 換気設備、21 制御部、22 熱交換器、30,52 化学物質濃度センサ、40 室内、29,41 吸着建材、50 ユーザ装置、51 表示器、53 温度センサ、54 湿度センサ、210 必要換気量算出部、211 相当換気量算出部、212 制御部、212a 判定部。

 

Claims (7)

  1.  室内を換気する換気設備と、
     前記室内に設置され、化学物質を吸着する吸着建材と、
     前記室内に設置され、前記化学物質の濃度を検出する第1センサと、
     前記第1センサにより検出される濃度に基づいて、前記化学物質の濃度を所定の基準濃度以下に抑えるための必要換気量を算出する必要換気量算出手段と、
     前記吸着建材による前記化学物質の濃度低減効果に相当する換気量である相当換気量を算出する相当換気量算出手段と、
     前記必要換気量と前記相当換気量とに基づいて前記換気設備の動作を制御する制御手段と、
     を含む換気システム。
  2.  請求項1に記載の換気システムにおいて、
     前記必要換気量算出手段は、前記第1センサにより検出される濃度に基づいて現在又は将来の前記化学物質の発生量を算出し、前記発生量と前記所定の基準濃度とに基づいて前記必要換気量を算出する、換気システム。
  3.  請求項2に記載の換気システムにおいて、
     前記室内の温度又は湿度の少なくとも一方を検出する第2センサをさらに含み、
     前記必要換気量算出手段は、前記室内の温度又は湿度の少なくとも一方にさらに基づいて、将来の前記化学物質の発生量を算出する、換気システム。
  4.  請求項1に記載の換気システムにおいて、
     前記相当換気量算出手段は、前記吸着建材の吸着面積と、前記吸着建材の単位面積あたりの前記相当換気量の値と、に基づいて前記吸着建材の前記相当換気量を算出する、換気システム。
  5.  請求項4に記載の換気システムにおいて、
     前記室内に設けられる循環経路上に設けられ、前記吸着建材と同一素材からなる副吸着建材と、
     前記循環経路における前記副吸着建材の下流側に設けられ、前記化学物質の濃度を検出する第3センサと、をさらに含み、
     前記相当換気量算出手段は、前記副吸着建材の上流側の前記化学物質の濃度と、前記第3センサにより検出される濃度に基づいて、前記単位面積あたりの前記相当換気量の値を算出する、換気システム。
  6.  請求項5に記載の換気システムにおいて、
     前記副吸着建材の上流側の前記化学物質の濃度は、前記第1センサにより検出される濃度である、換気システム。
  7.  室内に設置された第1センサにより検出される化学物質の濃度に基づいて、前記化学物質の濃度を所定の基準濃度以下に抑えるための必要換気量を算出する必要換気量算出ステップと、
     前記室内に設置され、前記化学物質を吸着する吸着建材による前記化学物質の濃度低減効果に相当する換気量である相当換気量を算出する相当換気量算出ステップと、
     前記必要換気量と前記相当換気量とに基づいて、前記室内を換気する換気設備の動作を制御する制御ステップと、
     を含む換気方法。

     
PCT/JP2023/028709 2022-12-23 2023-08-07 換気システム及び換気方法 WO2024134965A1 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022-206952 2022-12-23

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO2024134965A1 true WO2024134965A1 (ja) 2024-06-27

Family

ID=

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9810462B2 (en) Dehumidification using intermittent ventilation
JP5611910B2 (ja) 空調制御システムおよび空調制御方法
JP6120820B2 (ja) 換気システム
WO2018061147A1 (ja) 換気システム
US20130098597A1 (en) Air-side free cooling system and data center
CN107917484B (zh) 基于无线数据传输的带热量上升补偿的恒温器
JP2009257617A (ja) 空調システム及びその制御方法
WO2016047103A1 (ja) 制御装置、通風制御システムおよびプログラム
US10598398B2 (en) Energy recovery ventilation smoke evacuation
US9091454B2 (en) Air change rate measurement and control
EP2863137A1 (en) Systems and methods for ventilating a building
CA2798396A1 (en) An hvac system, a controller therefor and a method of measuring and managing ventilation airflow of an hvac system
JP2017048940A (ja) クリーンルーム用空調システム
KR20120128049A (ko) 습도 및 엔탈피 기반 건물 환기 제어 방법
JP4432467B2 (ja) 換気制御装置
JP4852791B2 (ja) 換気装置
JP2005049059A (ja) 空気調和システム
JP2007271128A (ja) 空調設備
JPWO2020003405A1 (ja) 空調制御システム
WO2024134965A1 (ja) 換気システム及び換気方法
JP5868740B2 (ja) 空調制御装置及び空調制御方法
JP6219107B2 (ja) 空調方法及び当該空調方法において使用する空調システム
EP3933285A1 (en) Air conditioning system
JP2003240286A (ja) 換気システム
JP5451566B2 (ja) 空調制御装置、空調制御システムおよび空調制御方法