WO2024106320A1 - カーボンナノウォール電極及びその製造方法 - Google Patents

カーボンナノウォール電極及びその製造方法 Download PDF

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正美 内藤
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儒成 朱
正義 梅野
康史 宮田
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名古屋市
シーズテクノ株式会社
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Abstract

【課題】基板とカーボンナノウォールとの間で剥離が生じ難く、固体電解質を用いた全固体電池に適用した場合においても、負極材の単位体積当たり(あるいは単位重量当たり)の電池容量が大きくなるカーボンナノウォール電極を提供する。 【解決手段】カーボンナノウォール21が基板20上に立設されており、基板表面近傍にはX線光電子分光法(XPS)分析におけるC1sのナロースキャンにおいて、カーバイドに基づくピークが存在する。

Description

カーボンナノウォール電極及びその製造方法
 本発明は、基板上にカーボンナノウォールが立設されたカーボンナノウォール電極及びその製造方法に関する。また、それらを用いた全固体二次電池及びその製造方法に関する。
 近年、カーボンからなるナノ材料の一種であるカーボンナノウォールが注目され、多くの研究がなされている。カーボンナノウォールは、多層グラフェンが基板上に立設されたナノ構造体であり、電池、キャパシタ,バイオセンサ、電気化学センサなどの電極としての応用が期待されている(例えば、非特許文献1、2)。
 さらに、特許文献1では、カーボンナノチップス電極を負極とするリチウムイオン二次電池が記載されている。ここでカーボンナノチップス電極とは、基板からグラフェンシートが様々な方向に傾斜して成長した電極と定義される。この二次電池は正極活物質としてLi1-xCoO2を用い、電解液としてエチレンカーボネートとジメチルカーボネートの混合溶媒にLiPF6を溶解させた溶液を用いており、カーボンの単位重量当たりの充放電容量がグラファイトの理論容量を超え、かつ充放電の繰り返しによる劣化が少ないことが見出されている。
WO2014/069310
M. Hiramatsu, K. Takeda, H. Kondo and M. Hori J. Plasma Fusion Res. Vol.98, No.4 (2022)158-164 B. Li, S. Yang et. al. Nano Lett. 2015, 15, 5, 3073-3079.
 しかしながら、上記従来のカーボンナノウォール電極では、銅基板とカーボンナノウォールとの間で剥離が生じ易く、機械的強度が不十分であるという問題があった。また、特許文献1に記載のカーボンナノチップス電極では、グラフェンシートが基板から様々な方向に傾斜して成長しているため、固体電解質を用いた全固体二次電池に用いた場合、固体電解質が最表面のグラフェンシートとしか接触できないという問題があった。このため、固体電解質とカーボンナノチップスの接触面積が小さくなり、負極材の単位体積当たり(あるいは単位重量当たり)の電池容量が小さくなるという問題があった。
 本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであり、基板とカーボンナノウォールとの間で剥離が生じ難く、固体電解質を用いた全固体電池に適用した場合においても、負極材の単位体積当たり(あるいは単位重量当たり)の電池容量が大きくなるカーボンナノウォール電極を提供することを解決すべき課題としている。
 上記の課題を解決すべく、本発明者らは、カーボンナノウォール電極について研究を行った。その結果、マイクロ波プラズマCVD法を用いて基板上にグラフェンシートを形成させれば、グラフェンシートが基板上にほぼ垂直に成長することが分かった。また、基板に鉄、ニッケル等の元素を含む材料を用いることにより、基板表面近傍において基板との密着性に優れたカーバイド(すなわち、炭素と陽性元素の化合物である炭化物(以下同様))層が形成されることを見出した。そして、さらには、このカーバイド層の形成によって、カーボンナノウォールと基板との間で剥離が生じ難くなり、機械的強度が大きくて耐久性に優れたカーボンナノウォール電極となることを見出した。また、このカーボンナノウォール電極を固体電解質を用いた全固体二次電池に適用すれば、負極材の単位体積当たり(あるいは単位重量当たり)の容量を極めて大きくできるということが分かった。
 すなわち、本発明のカーボンナノウォール電極は、カーボンナノウォールが基板上に立設されており、基板表面近傍にはX線光電子分光法(XPS)分析におけるC1sのナロースキャンにおいて、カーバイドに基づくピークが存在することを特徴とする。カーバイドに基づくピークの結合エネルギーの中心値はカーバイトの種類によって僅かに異なるが、281.0eV ~284.0eVの範囲の値となる。
 本発明のカーボンナノウォール電極では、基板表面近傍にはX線光電子分光法(XPS)分析におけるC1sのナロースキャンにおいて、カーバイドに基づくピークが存在する(換言すれば、基板表面近傍にカーバイド層が存在する)。基板とカーボンナノウォールとの密着性を良好とするという観点から、X線光電子分光法(XPS)分析におけるC1sにおける、カーバイドに基づくピークの面積は、C1sスペクトルにおける全ピーク面積の2%以上であることが好ましい。
 基板の材料としては、鉄、ニッケル、クロム、コバルト、アルミニウム、ケイ素、タングステン、モリブデン、マンガン、チタン及びタンタルの少なくとも一つの元素を含むことが好ましい。これらの元素は炭素と反応して容易にカーバイドを形成するからである。例えば、基板として純鉄、炭素鋼、ステンレス鋼、鉄合金からなる薄板や箔等を用いることができる。また、基板は集電体を兼ね備える材料でもよく、集電体からなる材料の表面にこれらの元素を含む皮膜層を積層させたものであってもよい。オーステナイト系ステンレスやフェライト系ステンレスやマルテンサイト系ステンレスは、カーバイドの形成が容易な鉄やクロムやニッケルを含有しており、しかも腐食しにくいため、特に好ましい。
 また、隣接するカーボンナノウォール間の平均距離は1.2μm以上とされていることが好ましい。カーボンナノウォール電極を全固体型リチウムイオン電池に利用する場合、カーボンナノウォール間の平均距離が1.2μm未満だと、固体電解質がカーボンナノウォール間の隙間に充填し難くなり、カーボンとリチウムの接触面積が減ることにより充電容量が小さくなるからである。
 本発明のカーボンナノウォール電極は次の様にして製造することができる。
 すなわち本発明のカーボンナノウォール電極の製造方法は、少なくとも水素及び炭化水素を含む混合ガスを供給しながらマイクロ波プラズマCVD法を行うことによって基板上にカーボンナノウォールを形成させるCVD工程を含み、前記基板を載置する台の温度は400~600℃とされていることを特長とする。混合ガスには水素及び炭化水素以外にヘリウムガスやアルゴンガスなどの希ガスを含んでいてもよい。
 このカーボンナノウォール電極の製造方法によれば、基板上にカーバイドを含有するカーボン層を形成させることができる。こうして形成されたカーバイドを含有するカーボン層は薄くて密着性も良好であるため、基板とカーボン層との熱膨張係数の違いによるひずみによってカーボン層が剥離したり曲がったりすることを防止することができる。なお、基板を載置する台の温度を400℃未満とすると、プラズマからの輻射熱によって基板の表面側が裏面側に比べて相対的に強く加熱されるため、基板を載置する台の温度より高くなる。このため、基板の厚み方向に温度差が発生し、このため、基板が曲がったり反ったりするという問題が発生する。
 本発明の全固体二次電池は、本発明のカーボンナノウォール電極を二次電池用負極として用いることを特徴とする。本発明の全固体二次電池は、基板上にグラフェンシートが立設されたカーボンナノウォール電極を用いているために、固体電解質が各カーボンナノウォールのグラフェンシート表面に接触することにより、接触面積が大きくなる。また、充電過程においてインターカレーションによりカーボンナノウォールの層間にリチウムが吸蔵されるだけでなく、カーボンナノウォール表面においてもリチウムが数層にわたって析出する。このため、負極材の単位体積当たり、あるいは単位重量当たりの電池容量が顕著に大きくなる。
 本発明の全固体二次電池の製造方法は、本発明のカーボンナノウォール電極上に固体電解質層を物理的蒸着法で形成する工程と、前記固体電解質上に正極物質層を物理的蒸着法で形成する工程とを有することを特徴とする。
 本発明の全固体二次電池の製造方法によれば、各製造工程を真空装置で行うために大気中の水分や不純物の混入のおそれがなく、自動化による製造が可能となる。
 本発明者らは、本発明のカーボンナノウォール電極を用いて全固体型リチウムイオン電池を作製し、優れた電池特性を示すことを確認している。この全固体型リチウムイオン電池は、電解液を用いる場合に比べ、作動温度を高めることができ、液漏れのおそれもなく安全という利点を有している。
 固体電解質としては、LiPON等を用いることができる。また、正極活物質としてはLiMnO等、電解液を用いたリチウムイオン電池において通常使用されている正極活物質を用いることができる。
基板上でのカーボンナノウォール成長の過程を示す模式図である。 実施例において用いたマイクロ波プラズマCVD装置の模式断面図である。 実施例1のカーボンナノウォール電極の表面及び断面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例1のカーボンナノウォール電極におけるカーボンナノウォールの断面の透過型電子顕微鏡写真である。 実施例1のカーボンナノウォール電極及びグラファイトのX線光電子分光スペクトル(XPS)測定結果である。 実施例4のカーボンナノウォール電極のアルゴンエッチング前、及びアルゴンエッチング後(5分後及び10分後)におけるX線光電子分光スペクトル(XPS)の測定結果である。 カーボンナノウォール電極の模式断面図である。 実施例1のカーボンナノウォール電極についてのラマンスペクトルである。 実施例5-4,実施例5-5及び実施例5-6のカーボンナノウォール電極表面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例6-1、実施例6-2及び実施例6-3のカーボンナノウォール電極表面の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例2のカーボンナノウォール電極表面の走査型電子顕微鏡写真である。 プラズマ照射前及び後における基板の重量変化についてのグラフである。 実施例7-1~7-4で作製したカーボンナノウォール電極表面の走査型電子顕微鏡写真及びラマンスペクトルのグラフである。 実施例7-1で作製したカーボンナノウォール電極のXPS測定結果を示すグラフである。 リチウムイオン全固体二次電池の模式断面図である。 リチウムイオン全固体二次電池の充放電特性を示すグラフである。 リチウムイオン全固体二次電池の断面の走査電子顕微鏡写真である。
 本発明のカーボンナノウォール電極は、基板上にカーボンナノウォールが立設されている。カーボンナノウォールは、ナノサイズのグラファイト結晶子から構成されている比較的完全性の高い結晶であり、グラフェンシートが数枚から100枚程度重なっている板状のナノ構造物である。
 基板の材料としては、鉄、ニッケル、クロム、コバルト、アルミニウム、ケイ素、タングステン、モリブデン、マンガン、チタン、及びタンタルの少なくとも一つの元素を含む材料を用いることができる。また、従来集電体として用いられている銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、鉄、鉄合金、ステンレス鋼、モリブデン、タングステン、及びタンタル等の金属基板の表面にめっきや蒸着等の表面処理法により鉄、ニッケル、クロム、コバルト、アルミニウム、ケイ素、タングステン、モリブデン、マンガン、チタン及びタンタルの少なくとも一つの元素からなる皮膜を形成したものでもよい。
 基板の素材として鉄、ニッケル及びクロムを含んだオーステナイト系ステンレスやマルテンサイト系ステンレス、鉄及びクロムを含んだフェライト系ステンレスは耐腐食性に優れているため、特に好ましい。例えば、JIS G4305:2005「冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯」に規定されるオーステナイト系(SUS304,SUS304-L,SUS302,SUS301,SUS310S,SUS321,SUS316,SUS316-L等)、フェライト系(SUS430,SUS434等)、マルテンサイト系(SUS410S,SUS420J2等)、析出硬化系(SUS631,ASL-350等)ステンレス鋼等、いずれの鋼種のステンレス鋼でも使用できる。また、Si、SiC、AlGaAs、AlGaN等の半導体基板であってもよい。
 基板の厚みについては特に限定されないが、電極の重量を小さくする観点から1mm程度以下であることが好ましく、集電体として従来用いられている5μm~100μm程度の箔材料であればより好ましく、実用的には5μm~20μmの箔材料がさらに好ましい。
 また、本発明のカーボンナノウォール電極における基板表面近傍には、X線光電子分光法(XPS)分析におけるC1sのナロースキャンにおいて、カーバイドに基づくピークが存在することが要件とされる。ここで基板表面近傍とは、基板表面から100nm以内の範囲をいう。マイクロ波プラズマCVD法を用いて基板上にカーボンナノウォールを成長させた場合、カーバイドは基板表面近傍に生成し、このことが基板とカーボンナノウォールとの密着性を高める役割を担っている。密着性を高める観点から、カーバイドに基づくピークの面積は、C1sスペクトルにおける全ピーク面積の2%以上であることが好ましく、さらに好ましいのは3%以上、最も好ましいのは5%以上である。
 隣接するカーボンナノウォール間の平均距離は1.2μm以上とされていることが好ましい。カーボンナノウォール電極を全固体型リチウムイオン電池に利用する場合、カーボンナノウォール間の平均距離が1.2μm未満だと、固体電解質がカーボンナノウォール間の狭い隙間に充填し難くなり、カーボンとリチウムの接触面積が減ることにより充電容量が低下するからである。
<カーボンナノウォール電極の製造方法>
 次に、本発明のカーボンナノウォール電極の製造方法について説明する。
 まず、鉄、ニッケル、クロム、コバルト、アルミニウム、ケイ素、タングステン、モリブデン、マンガン、チタン及びタンタルの少なくとも一つの元素を含む基板を用意し、必要な大きさに切断し、表面を洗浄する。洗浄方法としては界面活性剤による洗浄や、有機溶剤による洗浄や、アルカリ液中での電解洗浄や、プラズマ処理などの手法を用いることができる。
 次に、洗浄が完了した基板をマイクロ波プラズマCVD装置の試料台に載置し、マイクロ波プラズマCVD法を行う。ここでマイクロ波プラズマCVD法とは、化学反応を活性化させるため、マイクロ波電力により原料ガスをプラズマ化させて化学気相成長を行う方法をいう。マイクロ波プラズマ発生のための励起方法は特に限定はないが、例えばマイクロ波表面波プラズマCVD法、マイクロ波とECR磁界を印加するECRプラズマCVD法等が挙げられる。
 マイクロ波プラズマCVDにおける供給ガスはアルゴン等の不活性ガスにカーボンナノウォールの炭素源となる炭化水素ガス(メタン、エタン、アセチレン等)と水素とを混合したガスを用いることができる。プラズマCVD装置のチャンバー内に流入した供給ガスは、アルゴンイオンやカルボニウムイオンとなり、さらにそれらのイオンが反応して、アルゴンガスと水素とカーボンナノウォールに変化すると推定している。図1に基板上におけるカーボンナノウォールの成長過程を示す。まず初め(おおよそ30秒から2分の間)に、基板100の表面上を横方向に成長した数層のカーボン層101が形成された後(図1a参照)、その表面の一部分が核となって垂直方向にカーボン層102が成長することにより、カーボンナノウォールが形成される(図1b参照)。ここで、カーバイドはカーボン層101中に島状に離れて存在するのか、あるいはカーボン層101と基板100の間にカーバイド層として存在しているのかは問わない。いずれにしてもカーバイドの形成が基板100とカーボン層101、102との密着性を向上させる要因となる。
<全固体型リチウムイオン電池>
 本発明のカーボンナノウォール電極を用い、これにリチウムイオンの移動が可能な固体電解質を接触させ、さらに従来からリチウムイオン電池で用いられている正極材料及び集電体を積層させることにより、全固体型リチウムイオン電池を構成することができる。リチウムイオンの移動が可能な固体電解質としては、リチウム系酸化物(例えば、窒化リン酸リチウム(LiPON)、Li3PO4、LiBO3など)等を用いることができる。また、正極活物質としては、リチウム系酸化物(例えば、マンガン酸リチウム(LiMnO)、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)等)を用いることができる。これら固体電解質及び正極活物質は、スパッタ法や蒸着法などの物理的蒸着法を用いて真空装置で形成される。スパッタ法によってカーボンナノウォール電極の上に固体電解質を積層させる場合、リチウム系酸化物等をターゲット電極として用いることができる。スパッタ法におけるターゲット面積当りの出力は、カーボンナノウォールと固体電解質との密着性を考慮して適宜選択することができるが、通常0.2~5 W/cm2程度とすることが好ましい。
 本発明のカーボンナノウォール電極を用いた全固体型リチウムイオン電池は、充放電の繰り返しによっても負極表面の構造はほとんど変化せず安定している。
 また、この電池は充電過程においてインターカレーションによりカーボンナノウォールの層間にリチウムが吸蔵されるだけでなく、カーボンナノウォール表面においてもリチウムが数層にわたって析出する。このため、層間に吸蔵されたリチウムのみならず、カーボンナノウォール表面において析出したリチウムも充放電量に寄与することとなり、層間に吸蔵されるリチウムの量から理論的に計算された充放電量を遥かに凌ぐこととなる。このため、電池の大幅なコンパクト化、軽量化が可能となる。
 また、従来のリチウムイオン二次電池と同様、3.2Vから4.2V付近での高電位駆動が可能である。
 さらに、固体電解質を用いているために、液漏れの心配がなく、作動温度も高くすることができる。
<カーボンナノウォール電極の作製>
(実施例1)
 SUS304からなる厚さ40μmのステンレス箔を用意し、これを50mm×50mmに切断したものを基板とした。SUS304はオーステナイト系ステンレスの一種である。この基板を図2に示すマイクロ波表面波プラズマCVD装置200の反応容器1内のサセプタ6上に置き、次の条件でマイクロ波プラズマCVDを行った後、反応容器1内に窒素を入れて大気圧に戻してから基板を取り出し、これをリチウムイオン二次電池用負極とした。
  フローガス CH4:H2:Ar=5:3:3の混合ガス
  サセプタ6の温度:500℃、プロセス圧:10Pa、
  プラズマ照射時間:3分、8分及び10分、印加マイクロ波出力:1kW、
  印加マイクロ波周波数:2.45GHz、
  プラズマ励振板から基板までの距離:55mm
(プラズマCVD装置200の構造)
 プラズマCVD装置200は、反応容器1と、CVD反応容器1の上部に配設された導波管2とが設けられている。CVD反応容器1と導波管2との間には、石英から成るプラズマ励振板3が設けられており、プラズマ励振板3のCVD反応容器1側には多数の微小な凹部30が形成されている。この凹部30に電界が集中することにより、凹部30がプラズマの発生起点となり、低電力でのプラズマの発生が容易になる。導波管2の下側にはスロットアンテナ4が設けられている。導波管2には図示しないマイクロ波発信機から2.45GHzのマイクロ波が供給され、スロットアンテナ4を介して、CVD反応容器1の内部及びプラズマ励振板3に電磁波が供給されるようになっている。
 CVD反応容器1の内部には、基板5を載置させるためのサセプタ6及びサセプタ6を加熱するための加熱装置7が設けられている。混合ガス中の供給量は、各ガス成分の図示しないマスフローコントローラにより供給量が調整されており、CVD反応容器1の上部側面に設けられた導入口11 からCVD反応容器1内に導入される。CVD反応容器1の側面下部には、ガスを排出するための排出口12が設けられている。また、CVD反応容器1の内部は、図示しない真空ポンプにより10- 3 torr程度に減圧できるようになっている。
(CVDによるカーボンナノウォールの形成)
 次に、カーボンナノウォールを基板5上に形成させる方法について説明する。
 基板5をメタノール中で超音波洗浄し、さらにアセトン中で超音波洗浄した後、乾燥し、サセプタ6の上に設置した。真空ポンプによってCVD反応容器1内を所定の圧力に減圧した後、加熱装置7をON状態とし、サセプタ6の温度が所定の温度となる様に制御した。この状態でCVD反応容器1の内部にメタンと水素とアルゴンのそれぞれのガス流量を、マスフローコントローラにより制御しながら供給し、CVD反応容器1の内部が所定の圧力となるように制御した。次に、マイクロ波発信機を駆動して2.45GHzのマイクロ波を導波管2に供給し、CVD反応容器1の内部において混合気体のプラズマを発生させた。プラズマは基板5の上方にマイクロ波表面波プラズマが生成された。所定時間経過後マイクロ波発信機の駆動を停止し、加熱装置7をOFF状態とした後、一定時間経過後、CVD反応容器1の内部を大気圧に戻し、表面にカーボンナノウォールが形成された基板5を取り出し、これを実施例1のカーボンナノウォール電極とした。
(実施例2)
 実施例2では、実施例1と同様のSUS304製基板を用い、マイクロ波プラズマCVDにおける条件を次の通りとした。その他の工程については実施例1と同様であり説明を省略する。
  ・フローガス アセチレン:水素:アルゴン=3:20:20の混合ガス、
  ・サセプタ6の温度:500℃、プロセス圧 7Pa、
  ・プラズマ照射時間:5分、
  ・印加マイクロ波出力 1.5kW、印加マイクロ波周波数 2.45GHz、
  ・プラズマ励振板から基板までの距離 50mm
(実施例3)
 実施例3では基板として厚さ40μmのオーステナイト系ステンレス(SUS316)箔を用いた。その他の工程については実施例2と同様であり説明を省略する。
(実施例4)
 実施例4では基板として厚さ50μmのフェライト系ステンレス(SUS430)箔を用いた。その他の工程については実施例2と同様であり説明を省略する。
(比較例1)
 比較例1では基板として厚さ40μmの銅箔を用いた。その他の工程については実施例1と同様であり説明を省略する。
-評 価-
 以上の様にして作製した実施例1~4及び比較例1のカーボンナノウォール電極について、以下に示す分析を行った。
・走査型電子顕微鏡による観察
 実施例1のカーボンナノウォール電極(プラズマ照射時間:8分間)について、表面及び断面の走査型電子顕微鏡写真を図3に示す。これから、カーボンナノウォールに特徴的な、扁平なカーボンの結晶が基板表面に対しておおよそ垂直方向に成長していることがわかる。実施例2、実施例3及び実施例4についても同様のカーボンナノウォールが観測され、カーボンナノウォールの剥離は生じなかった。
 一方、銅箔を基板とした比較例1では、カーボンナノウォールを銅箔上に形成できたが、その後の基板加工の段階で基板から剥離していることが観測され、カーボンナノウォール電極としての利用は困難であることが示された。
・透過型電子顕微鏡による観察
 実施例1のカーボンナノウォール電極について、基板1からカーボンナノウォールを剥離し、硬化剤で固めた後、さらにミクロトーム等によって断面を観察可能となるように薄膜化した試料を作製し、透過型電子顕微鏡写真を撮影した(図4参照)。その結果、カーボンナノウォールの厚みはおよそ4.5nmであり、グラフェンシートが10数枚程度重なっていることが分かった。また、実施例2、実施例3及び実施例4についても同様のカーボンナノウォールが観測された。
・X線光電子分光分析(XPS)による測定
 プラズマ照射時間を3分又は10分とし、その他の条件は実施例1と同様の条件で2種類のカーボンナノウォール電極を作製し、X線光電子分光スペクトル(XPS)測定を行った。また、比較として高結晶化グラファイトも測定した。
 測定結果を図5に示す。プラズマ照射時間が3分の場合には283~284eV付近にブロードなピークが認められた。このブロードなピークは高結晶化グラファイトでは検出されなかったこと、及びケミカルシフトの値から、C1sにおけるカーバイドに基づくピークであることが分かった。また、波形分離を行って283~284eV付近にブロードなピークの面積を求めたところ、C1sスペクトルにおける全ピーク面積の2.5%であった。これに対して、プラズマ照射時間が10分の場合には283~284eV付近のカーバイドに基づくピークは認められなかった。以上の結果から、カーバイドはカーボンナノウォールにおける基板表面から100nm以内の範囲に存在していることが分かった。
 実施例2~4の試料については、XPS装置内でアルゴンイオンエッチングを行うことにより、その場でカーボンナノウォールをエッチング除去してXPS測定を行った。実施例4(プラズマ照射時間は5分)における測定結果を図6に示す。エッチングする前の試料では、グラファイトと同様なピークであったことから、カーボンナノウォールからなることが分かった。この試料表面をアルゴンスパッタエッチングした場合、エッチング時間の経過とともに、284.4eVに現れていたC1sスペクトルにおけるカーボンナノウォールに基づくピークが小さくなり、カーバイドに基づくピークが283.2eVに現れてくることが分かった。実施例2及び実施例3についても同様の結果となった。このことからも、カーバイドは基板の極表面付近に存在することが分かった。
 一方、銅箔を基板とした比較例1では、C1sスペクトルにおけるカーバイドに基づくピークは全く観測されなかった。
・エネルギー分散型X線分析(EDX)による測定
 実施例1~4について、エネルギー分散型X線分析(EDX)を行った結果、カーボン以外にFe、Crが検出された。
 以上の結果及びXPS測定結果から、実施例1~4では、基板表面近傍のカーボンナノウォール中において、FeやCrがカーボンと結びついてカーバイドが形成されていることが分かった。
 X線光電子分光分析(XPS)による測定及びエネルギー分散型X線分析(EDX)による測定の結果から、図7に示すように、基板であるステンレス箔20とカーボンナノウォール21との界面付近においてカーバイド含有カーボン層22が形成されることが分かった。ステンレス箔20とカーボンナノウォール21の密着性が良好なのは、このカーバイド含有カーボン層22形成に起因する。
・ラマンスペクトルの測定
 実施例1の試料について、顕微レーザラマン分光装置(レニショー製InVia Raman microscope)を用いてラマンスペクトルを測定した。レーザー光は波長532nmのアルゴンレーザーである。図8に測定結果を示す。1350cm-1、1580 cm-1及び2682 cm-1の付近おいて、それぞれ、D、G及び2Dで示したピークが観測された。ここでGはグラファイト構造に由来するピークであり、このピークの肩に小さなピークであるG´ピークが観測された。このG´ピークは、成膜したカーボンナノウォールが基板に対して垂直方向に伸びていることを示している。
<マイクロ波プラズマCVDにおけるガス組成の影響>
 マイクロ波プラズマCVDにおけるガス組成の影響を調べるために、以下の実験を行った。
(実施例5-1~5-6)
 実施例5-1~5-6では、実施例1と同様のSUS304製基板を用い、マイクロ波プラズマCVDにおける条件をいろいろと変化させてその影響を調べた。
  フローガス条件:表1に示す。

Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 以下の条件は実施例5-1~5-6とも同じである。
  サセプタ6の温度:500℃、プロセス圧:10Pa、
  プラズマ照射時間:10分 
  印加マイクロ波出力:1kW、印加マイクロ波周波数:2.45GHz、
  プラズマ励振板から基板までの距離:55mm
 -結 果-
(走査型電子顕微鏡による観察)
 図9に実施例5-4、実施例5-5及び実施例5-6で作製したカーボンナノウォール表面の走査型電子顕微鏡写真を示す。これらの写真から、隣接するカーボンナノウォール間の平均距離を算出した結果、実施例5-4では1.2μm、実施例5-5では1.5μm、実施例5-6では1.9μmとなった。これらの結果から、プラズマCVDの供給ガスにおけるCH4/H2の値を制御することにより、隣接するカーボンナノウォール間の距離を制御できることが分かった。
(実施例6-1~6-3及び比較例2,3)
 実施例6-1~6-3及び比較例2,3ではSUS304を基板として用い、サセプタ6の温度を様々な温度とし(実施例6-1では400℃、実施例6-2では500℃、実施例6-3では600℃、比較例2では200℃、比較例3では700℃)、マイクロ波プラズマCVDにおけるプラズマ照射時間を10分とした。その他については実施例1と同様であり説明を省略する。
<結 果>
 実施例6-1、実施例6-2及び実施例6-3、並びに比較例2で作製したカーボンナノウォール電極表面の走査型電子顕微鏡写真を図10及び図11示す。サセプタ6の温度を200℃とした比較例2では、図11に示すようにカーボンナノウォールの層は形成されるが、歪によって基板が反ってしまうという不具合が生じ、カーボンナノウォールの層も剥離し易かった。また、サセプタ6の温度を700℃とした比較例3においても、歪によって基板が反ってしまうという不具合が生じた。
 一方、サセプタ6の温度が400~600℃の範囲で作製された場合には、剥離しにくいカーボンナノウォールの層が形成され、歪によって基板が反ってしまうこともなかった。
 また、プラズマ照射前及び後における基板の重量変化についてのグラフを図12に示す。
(実施例7-1~7-4)
 実施例7-1~7-4では基板として厚さ100μmのアルミニウム板を用い、基板を載置する台の温度、及びマイクロ波プラズマCVDにおけるプラズマ照射時間を表2に示す条件とした。その他については実施例2と同様であり説明を省略する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
<結 果>
 実施例7-1~7-4で作製したカーボンナノウォール電極表面の走査型電子顕微鏡写真を図13に示す。図13における走査型電子顕微鏡写真から、基板としてアルミニウム板を用いた場合にも、カーボンナノウォールは形成されることが分かった。実施例7-1~7-4で作製したカーボンナノウォール電極は歪によって変形することもなく、カーボンナノウォールの層が剥離することもなかった。
 また、実施例7-1で作製したカーボンナノウォール電極表面のXPS測定結果を図14に示す。アルゴンスパッタエッチング前のXPSでは、グラファイトと同様なピークであり、カーボンナノウォールからなることが分かった。一方アルゴンスパッタエッチングした場合、エッチング時間の経過とともに、284.4eVに現れていたC1sスペクトルにおけるカーボンナノウォールに基づくピークが小さくなり、カーバイドに基づくピークが282eVに現れてくることが分かった。このことから、カーバイドは基板の極表面付近に存在することが分かった。
<リチウムイオン全固体二次電池の作製>
 上記のようにして作製した実施例1のリチウムイオン二次電池用負極を用い、次の工程により全固体リチウムイオン二次電池を作製した。
 マグネトロンスパッタ装置のチャンバー内の試料台に、実施例1のリチウムイオン二次電池用負極をカーボンナノウォールが上側となるように載置し、スパッタリングによって固体電解質を積層させた。スパッタリングのターゲットにはリン酸リチウム焼結体を使用し、スパッタガスにはアルゴン(Ar)と窒素(N2)を使用し、ガス導入量はそれぞれ30sccm、30sccmとし、ターゲット面積当りの出力が2W/cm2とし、スパッタリングの時間は20時間とした。こうして、実施例1のリチウムイオン二次電池用負極であるカーボンナノウォール上にリチウムイオンの移動が可能な固体電解質である窒化リン酸リチウム系セラミックス(以下LiPON層という)を積層させた。
 次に、LiPON層の上にスパッタリングによって正極を積層させた。スパッタリングのターゲットにはマンガン酸リチウム(LiMnO)焼結体を使用し、スパッタガスにはArを使用し、ガス導入量は60sccmとし、ターゲット面積当りの出力が2W/cm2とし、スパッタリングの時間は6時間とした。
 こうして、LiPON層の上に正極活物質であるLiMnOをさらに積層させたのち、蒸着装置内でLiMnOの上に金蒸着を行い、全固体リチウムイオン二次電池を得た。この電池の構成を図15に示す。すなわち、この電池はステンレスSUS304からなる基板20上にカーバイド含有カーボン層22を挟んで介してカーボンナノウォール21が立設されており、さらにLiPON層23、LiMnO層24、金蒸着層25の順に積層されている。基板20が負極側の集電体であり、カーボンナノウォール21が負極活物質であり、LiPON層23がリチウムイオンが移動可能な固体電解質であり、金蒸着膜25が正極側の集電体となっている。
 固体電解質であるLiPON層23は、カーボンナノウォールの壁面と接触できるように、カーボンナノウォールの壁面と壁面との間隔をある程度開けることによって成膜できるようにしている。最後に正極表面に金電極を形成して全固体電池構造が完成した。
-電池特性の評価-
(充放電特性)
 上記のようにして作製したリチウムイオン全固体二次電池について、充放電特性を測定した。
・測定条件
 25℃の温度下、5μAの定電流で充放電を行った。電圧範囲は0.5Vから4.2Vとし、充放電を15回繰り返した。
・測定結果
 測定結果を図16に示す。充放電特性は繰り返しに対して比較的安定な特性であり、放電容量は14.4μAh/cmとなった。カーボンナノウォールの質量は13μg/cmであることから、放電容量に基づいた負極材の単位重量当たりの放電容量は、1100mAh/gと算出された。この単位重量当たりの放電容量は、グラフェンシートの層間にインターカレートできるリチウムの量(炭素原子6個についてリチウム原子1個)から計算された炭素原料の理論放電容量372mAh/gを大きく超える値である。この理由としては、グラフェンだけが関与する充放電反応だけではなく、グラフェン表面上に析出したリチウムが充放電反応に関与することが考えられる。
(電池断面の走査電子顕微鏡による観察)
 上記のようにして作製したリチウムイオン全固体二次電池について、イオンミリング法を用いてエッチングして表出させた断面を走査電子顕微鏡で観察した。結果を図17に示す。基板であるステンレスの上にカーボンナノウォール、LiPON、LiMnO及び金がそれぞれ積層されていることがわかった。また、ステンレスとカーボンナノウォールとの間に剥離は観測されなかった。全固体電池の工程及び充放電動作においても密着性が良好であることが分かった。
 また、カーボンナノウォールは基板に対してほぼ垂直に立設することが望ましいが、斜め方向から固体電解質の成膜の回り込みも可能であることから、基板に対して45度程度の傾きであってもよいことが、図17からわかった。
 この発明は、上記発明の実施形態の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
 本発明のカーボンナノウォール電極は、従来のバインダーや導電助剤を全く使用せずにカーボン材料であるカーボンナノウォールだけからなる負極活物質とすることができる。このため、製造工程が簡単であり、従来のグラファイトの負極よりも電池容量を上げることができることから、小型で容量が大きい電池とすることができる。また、キャパシタの電極に利用した場合においても、電極の表面積が大きくなることから、容量の大きなキャパシタとなる。
100…基板,101,102…カーボン層,200…プラズマCVD装置,1…CVD反応容器,2…導波管,3…プラズマ励振板,30…凹部,4…スロットアンテナ,5…基板,6…サセプタ(基板を載置する台),7…加熱装置,11…導入口,12…排出口,20…ステンレス箔,21…カーボンナノウォール,22…カーバイド含有カーボン層,23…LiPON層,24…マンガン酸リチウム層,25…金蒸着層

Claims (10)

  1.  カーボンナノウォールが基板上に立設されており、基板表面近傍にはX線光電子分光法(XPS)分析におけるC1sのナロースキャンにおいて、カーバイドに基づくピークが存在するカーボンナノウォール電極。
  2.  前記基板は鉄、ニッケル、クロム、コバルト、アルミニウム、ケイ素、タングステン、モリブデン、マンガン、チタン及びタンタルの少なくとも一つの元素を含む請求項1に記載のカーボンナノウォール電極。
  3.  前記基板はオーステナイト系ステンレス又はフェライト系ステンレスである請求項1に記載のカーボンナノウォール電極。
  4.  前記カーバイドは前記基板表面近傍のカーボンナノウォール中に存在している請求項1に記載のカーボンナノウォール電極。
  5.  前記カーバイドに基づくピークの面積は、C1sスペクトルにおける全ピーク面積の2%以上である請求項1に記載のカーボンナノウォール電極。
  6.  隣接するカーボンナノウォール間の平均距離が1.2μm以上である請求項1に記載のカーボンナノウォール電極。
  7.  請求項1~6のいずれか1項に記載のカーボンナノウォール電極の製造方法であって、
     少なくとも水素及び炭化水素を含む混合ガスを供給しながらマイクロ波プラズマCVD法を行うことによって基板上にカーボンナノウォールを形成させるCVD工程を含み、
     前記基板を載置する台の温度は400~600℃とされているカーボンナノウォール電極の製造方法。
  8.  請求項1~6のいずれか1項に記載のカーボンナノウォール電極を二次電池用負極として用いた全固体二次電池。
  9.  請求項1~6のいずれか1項に記載のカーボンナノウォール電極上に固体電解質層を物理的蒸着法で形成する工程と、
     前記固体電解質上に正極物質層を物理的蒸着法で形成する工程と、
    を有する全固体二次電池の製造方法。
  10.  請求項7に記載の製造方法によってカーボンナノウォール電極を形成する工程と、
    前記カーボンナノウォール電極上に固体電解質層を物理的蒸着法で形成する工程と、
     前記固体電解質上に正極物質層を物理的蒸着法で形成する工程と、
    を有する全固体二次電池の製造方法。
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