WO2024095921A1

WO2024095921A1 - 組成物

Info

Publication number: WO2024095921A1
Application number: PCT/JP2023/038905
Authority: WO
Inventors: 真理子加賀谷; 裕子長崎; 千紘上山; 準田島
Original assignee: 花王株式会社
Priority date: 2022-10-31
Filing date: 2023-10-27
Publication date: 2024-05-10

Abstract

次の成分（Ａ）及び（Ｂ）：（Ａ）次の成分（ａ１）～（ａ５）のいずれか１以上　５～５０質量％、（ａ１）炭素数１２～１８のアルキル基と、付加モル数３～１２のオキシエチレン基を有する、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、（ａ２）炭素数１４～１８のアルキル基を１つと、付加モル数３～５もしくは７～９のオキシエチレン基を有するか、又は、炭素数１２～１６のアルキル基を１つと、付加モル数１０～１２のオキシエチレン基を有するか、又は、炭素数１２～１８のアルキル基を２つと、付加モル数３～１２のオキシエチレン基を有する、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、（ａ３）炭素数１２～１８のアルキル基を１つと、付加モル数６もしくは１０～３０のオキシエチレン基を有するか、又は、炭素数１２～１８のアルキル基を２～３と、付加モル数６～３０のオキシエチレン基を有する、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、（ａ４）炭素数１０～１４の直鎖状アルキル基を有し、ポリグリセリンの重合度と脂肪酸の結合数の比（＝ポリグリセリンの重合度／脂肪酸の結合数）が２～５である、ポリグリセリン脂肪酸エステル、（ａ５）不飽和の鎖式アルキル基を３つと、付加モル数２０～４０のオキシエチレン基を有するか、又は、不飽和の鎖式アルキル基を４つと、付加モル数３５～４０のオキシエチレン基を有するか、又は、飽和分岐状の鎖式アルキル基を３～４と、付加モル数２０～４０のオキシエチレン基を有する、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル又はポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、（Ｂ）２５℃での粘度が１５ｍＰａ・ｓ以下である油相　５０～９５質量％を含有する組成物。

Description

組成物

　本発明は、組成物に関する。

　近年、地球温暖化や、感染症流行下のマスク生活において、メイクは崩れにくい高持続性のものが好まれるようになった。一方で、メイク落としに関しては肌を傷めないよう、肌を擦りたくないという意識が高まっている。肌を擦りたくないユーザーのメイク落とし行動は、短時間、低摩擦の方向へと変化している。そのような状況下では、洗浄力が高いといわれるオイルタイプのメイク落としであっても、目元や鼻周りなど顔の造作における凹み部分、または毛穴の中のメイクが、落ち切らず、残ってしまうことがあり、これがユーザーの不満点の一つとなっていた。一方、メイクが落ち切らないことを解消しようとすると、顔のすみずみまで時間をかけてマッサージしてメイク落としとメイクをなじませる必要があり、これが、手間がかかることに加えて、肌に摩擦をかけてしまい、ユーザーの不満点の一つとなっていた。つまり、多くの人が、肌擦れとメイク落ちとの間のジレンマや、メイク落としに対する手間により、不満をかかえていると考えられる。

　このような状況において、なじませる回数が少なくなるという観点での新たな組成物の検討がいくつかなされている。
　例えば、特許文献１には、液状の炭化水素油、２種の特定の非イオン界面活性剤、アシル化アミノ酸型界面活性剤、水を含有し、メイク馴染みが速く、高いクレンジング力を有し、かつ経日安定性が良好な乳化型クレンジング化粧料が記載されている。
　特許文献２には、特定の沸点範囲を有するパラフィン混合物、特定の非イオン性界面活性剤、２価アルコールを含有し、メイク汚れと素早くなじみ、洗い流し易く、洗い流し後の感触がすっきりとし、洗い流し後のエモリエント感があるとともに、洗い流し後にうるおい感が持続するクレンジング料が記載されている。

　また、マッサージ中の肌への摩擦を低減させるという観点での新たな組成物の提案もなされている。
　例えば、特許文献３には、特定の非イオン界面活性剤と油剤を含有し、低粘度にならず、使用時に手から垂れ落ちることなく、目的部位に塗布しやすい優れた使用性、クレンジング時にのびが良く、適度に厚みを感じることができる良好な使用感、浴室や洗面台など手や顔が濡れた環境下で使用が可能で、かつ高い洗浄力を有す、水洗後のオイル残り感の無い油性クレンジング料が記載されている。

　　（特許文献１）特開２０１７－１００９８０号公報
　　（特許文献２）特開２０１４－４７１４１号公報
　　（特許文献３）特開２００６－２２００４号公報

　本発明は、次の成分（Ａ）及び（Ｂ）：
（Ａ）次の成分（ａ１）～（ａ５）のいずれか１以上　５～５０質量％、
（ａ１）炭素数１２～１８のアルキル基と、付加モル数３～１２のオキシエチレン基を有する、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
（ａ２）炭素数１４～１８のアルキル基を１つと、付加モル数３～５もしくは７～９のオキシエチレン基を有するか、又は、炭素数１２～１６のアルキル基を１つと、付加モル数１０～１２のオキシエチレン基を有するか、又は、炭素数１２～１８のアルキル基を２つと、付加モル数３～１２のオキシエチレン基を有する、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、
（ａ３）炭素数１２～１８のアルキル基を１つと、付加モル数６もしくは１０～３０のオキシエチレン基を有するか、又は、炭素数１２～１８のアルキル基を２～３つと、付加モル数６～３０のオキシエチレン基を有する、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、
（ａ４）炭素数１０～１４の直鎖状アルキル基を有し、ポリグリセリンの重合度と脂肪酸の結合数の比（＝ポリグリセリンの重合度／脂肪酸の結合数）が２～５である、ポリグリセリン脂肪酸エステル、
（ａ５）不飽和の鎖式アルキル基を３つと、付加モル数２０～４０のオキシエチレン基を有するか、又は、不飽和の鎖式アルキル基を４つと、付加モル数３５～４０のオキシエチレン基を有するか、又は、飽和分岐状の鎖式アルキル基を３～４つと、付加モル数２０～４０のオキシエチレン基を有する、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル又はポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、
（Ｂ）２５℃での粘度が１５ｍＰａ・ｓ以下である油相　５０～９５質量％
を含有する組成物に関する。

発明の詳細な説明

　特許文献１及び２に記載のクレンジング化粧料は、メイクの馴染みが速く、少ないマッサージでも剤とメイクが混合してメイクが落ちる一方で、いわゆるなじませるという工程が必要なことは前提であり、手が届かない毛穴の中や、ユーザーがマッサージし損ねた部分のメイクは落とすことができず、ユーザーの不満点を解消するには至っていない。
　また、特許文献３に記載のクレンジング料は、クレンジング時に厚みを感じ、肌への刺激や使用中の不快感を低減できる一方で、マッサージをしなければ落ちないことが前提になっており、手間がかかり、また、肌への摩擦を無くすものではなく、かつ、ユーザーがマッサージし損ねた部分のメイクを落とすことができないことは同様である。
　そこで、肌のメイクを落とす際に、メイクとメイク落としをなじませるという物理力をかけなくとも、メイクをきちんと落とせる組成物が望まれる。この物理力をかけずに汚れをきちんと落としたいという要望は、メイク落としに限らず他の洗浄剤においても同様にある。

　本発明者らは、特定のノニオン性界面活性剤と、低粘度の油相を特定の割合で組み合わせた組成物が、化粧料等の油性汚れに接触するのみで、汚れをきちんと落とせることを見出した。

　本発明の組成物は、落としにくいファンデーション等の油性汚れであっても、不要な物理力をかけることなく、汚れをきちんと落とすことができる。

　本発明で用いる成分（Ａ）は、前記成分（ａ１）～（ａ５）のいずれか１以上である。
　成分（ａ１）のポリオキシエチレンアルキルエーテルは、炭素数１２～１８のアルキル基と、付加モル数３～１２のオキシエチレン基を有するものであり、炭素数１２～１６の直鎖状アルキル基、炭素数１８の不飽和アルキル基、炭素数１２～１８の分岐状アルキル基から選ばれるアルキル基を有するものが好ましい。

　成分（ａ２）のポリオキシエチレン脂肪酸エステルは、炭素数１４～１８のアルキル基を１つと、付加モル数３～５もしくは７～９のオキシエチレン基を有するか、又は、炭素数１２～１６のアルキル基を１つと、付加モル数１０～１２のオキシエチレン基を有するか、又は、炭素数１２～１８のアルキル基を２つと、付加モル数３～１２のオキシエチレン基を有するものであり、炭素数１２～１８のアルキル基を２つ有するもののうち、付加モル数５～１２のオキシエチレン基を有するものがより好ましく、付加モル数５～１０のオキシエチレン基を有するものがさらにより好ましい。また、炭素数１２の直鎖状アルキル基、又は炭素数１８の分岐状アルキル基を１つ以上有するものが好ましい。

　成分（ａ３）のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルは、炭素数１２～１８のアルキル基を１つと、付加モル数６もしくは１０～３０のオキシエチレン基を有するか、又は、炭素数１２～１８のアルキル基を２～３つと、付加モル数６～３０のオキシエチレン基を有するものであり、炭素数１８の分岐状アルキル基を有するものが好ましい。

　成分（ａ４）のポリグリセリン脂肪酸エステルは、炭素数１０～１４の直鎖状アルキル基を有し、ポリグリセリンの重合度と脂肪酸の結合数の比（＝ポリグリセリンの重合度／脂肪酸の結合数）が２～５である。

　成分（ａ５）のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル又はポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルは、不飽和の鎖式アルキル基を３つと、付加モル数２０～４０のオキシエチレン基を有するか、又は、不飽和の鎖式アルキル基を４つと、付加モル数３５～４０のオキシエチレン基を有するか、又は、飽和分岐状の鎖式アルキル基を３～４つと、付加モル数２０～４０のオキシエチレン基を有する、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル又はポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルであり、炭素数１８のアルキル基を有するものが好ましい。

　以上のようなノニオン性界面活性剤は、水と油への溶解性が適度であり、水（湯を含む。以下同じ。）でのすすぎ時に、すすぎ水や油剤に溶解しすぎないため、肌（対象表面）に作用して汚れと肌（対象表面）との間に水を引きこみ、汚れを肌から引き離して水中に分散させることができる。これは、対象となる固体表面を親水化するという表面改質を行うことで、対象表面の水濡れ性を促進することによると考えられる。

　成分（ａ１）～（ａ５）は、上記のような観点から、ＨＬＢ値が７～１４であるのが好ましく、ＨＬＢ値７～１２．９がより好ましい。
　ここで、ＨＬＢ値は、親水性－親油性のバランス（Hydrophile Lipophile Balance）を示す指標であり、本明細書においては、グリフィン（Griffin）による次式により求められるものである。

　成分（Ａ）は、（ａ１）～（ａ５）から選ばれる１種又は２種以上を組合わせて用いることができ、含有量は、良好なメイク分散性と、洗浄力を得る観点から、組成物中に５～５０質量％であり、９～４０質量％が好ましく、１０～３０質量％がより好ましい。

　成分（Ｂ）は、２５℃での粘度が１５ｍＰａ・ｓ以下の油相である。
　成分（Ｂ）は、ファンデーション塗膜表面で硬い皮膜を形成している油溶性ポリマーを素早く溶解して、塗膜中に浸入し塗膜そのものを柔らかくして流動性を付与する働きと、成分（Ａ）を肌（基盤）表面にまで送り届ける役割を果たす。

　成分（Ｂ）の油相を構成する油剤は、通常化粧料に使用される液状油であればよく、例えば、イソドデカン、イソヘキサデカン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、流動パラフィン等の炭化水素油；ジカプリリルエーテル、アルキル－１，３－ジメチルブチルエーテル等のエーテル油；２－エチルヘキサン酸セチル、オクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸２－ヘキシルデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル等のモノエステル油；ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等のジエステル油；トリ（カプリル・カプリン酸）グリセリン、トリオレイン酸グリセリン、トリ２－エチルヘキサン酸グリセリン等のトリエステル油；ジカプリリルエーテル、セチル－１，３－ジメチルブチルエーテル等のエーテル油；さらに、オリブ油、ホホバ油などの植物油などが挙げられる。

　成分（Ｂ）は、１種又は２種以上の油剤を組合わせて用いることができる。溶液の均一性（組成物の透明性）と洗浄力を両立するという観点から、２種以上用いるのが好ましい。２種以上を組合わせて用いる場合の油剤の粘度は、混合した油剤の粘度を測定することで得られる。
　粘度は、例えばＢ型粘度計（ビスメトロン粘度計：型式ＶＳ－Ａ１（芝浦システム社製）を用いて、スピンドル番号１、６０ｒｐｍ（回転／分）、６０秒、又はスピンドル番号１、３０ｒｐｍ（回転／分）、６０秒にて測定される。
　成分（Ｂ）の含有量は、良好な洗浄力、分散性を得る観点から、組成物中に５０～９５質量％であり、７０～９０質量％が好ましい。

　本発明で用いる組成物は、さらに、前記成分以外に、通常の洗浄剤組成物に用いられる成分、例えば、成分（Ａ）以外の界面活性剤、高分子化合物、粉体、水、保湿剤、殺菌剤、アルコール類、抗炎症剤、防腐剤、キレート剤、塩類、パール化剤、香料、冷感剤、色素、紫外線吸収剤、酸化防止剤、植物エキス等を含有することができる。

　本発明で用いる組成物は、通常の方法により、各成分を混合・攪拌することにより、製造することができ、洗浄剤組成物として用いることができる。本発明の組成物は、好ましくは固体表面（人の肌や衣服などの表面、又は硬質表面）から油性汚れを除去する洗浄剤に用いることができ、皮膚洗浄のために用いるのが好ましく、特に洗顔料、メイク落とし、日焼け止め等の油性汚れを除去するための全身洗浄料等として用いるのが好ましい。

　本発明の組成物は、メイクなどの化粧料に接触させ、組成物と化粧料を混ぜ合わせることなく、化粧料を落とすことができる。
　組成物を化粧料に接触させるには、例えば、組成物を容器に充填し、化粧料上に垂らす；組成物の適量を手にとって、化粧料にのせる；組成物をミスト式ディスペンサーやエアゾール容器に充填して、化粧料に噴霧する；などにより、行うことができる。

　組成物を化粧料に接触させた後、必要に応じて、放置した後、シャワーなどの水又は湯で洗い流す（すすぐ）ことにより、化粧料を落とすことができる。流水などにより、組成物と化粧料が混合されたものを水中に移行させ、それらを肌上から取り除くものである。上記水又は湯の温度は、例えば５～４５℃である。組成物を化粧料に接触させた後、放置する時間は、例えば１０秒～２０分の任意の時間でよく、好ましくは２０秒～３分である。

　従来、対象となるメイク（汚れ）の中でも、落としにくい持続性メイクに対する一般的なオイルタイプのメイク落としの作用機序は、持続性メイク塗膜を形成する油溶性高分子（トリメチルシロキシケイ酸等）からなる堅牢な表面を、組成物が指でなじませるなどの物理力で溶解してメイクを浮かせる過程と、すすぎ時に手で水と混合することにより、界面活性剤がメイクを分散した油剤を乳化して肌から引き離す過程からなる。すなわち、メイク塗膜を溶解分散させるために人の手による物理力の関与が必要であった。
　本発明では、メイクに接触させるだけで物理力がなくても自発的に塗膜に浸透し、水流にさらすだけで擦らなくても、毛穴のような小さな凹みからメイクが分散され、洗い流されるというものである。

　このように、従来のオイルタイプのメイク落としでは、組成物をメイクなどの化粧料に適用した後、マッサージしたり、化粧料となじませるなど、物理力を加えて、組成物と化粧料を混ぜ合わせ、化粧料を組成物に移行させることが必要であったが、本発明においては、組成物と化粧料を混ぜ合わせることなく、化粧料を落とすことができる。

　洗浄とは、汚れが付着した基盤（肌や衣服などの表面、又は硬質表面）から汚れを除去することである。例えば、浴室での身体洗浄や衣類の洗濯、食器洗いなど、多くは洗浄剤を用いて洗い、最後は水で洗い流して除去する。ここで、皮脂や食品油といった生活の中で発生する水溶性が低い油性汚れ（以下、単に汚れともいう。）に対しては、主に洗浄剤である界面活性剤と水からなる組成物を用いて除去される。その工程においては、洗浄剤組成物を塗布し、タオルで肌を擦る、洗濯機の中で衣類を回転させる、スポンジで皿を擦るなどの物理力を加える必要がある。すなわち、洗浄において、物理力が必要とされる。
　洗浄の過程を詳細に見てみると、(1)洗浄剤を汚れに塗布する（接触させる）、(2)物理力を加えて基盤に付着した汚れを洗浄液に移行させる、(3)水ですすぐことで汚れと洗浄液の混合物を基盤上から除去する、３つの工程からなる。工程(1)で洗浄剤が汚れに接触しただけでは汚れは基盤から脱離しないため、工程(2)で物理力をかけて、汚れを洗浄液に乳化・分散させる必要がある。この工程(2)がいわゆる洗浄工程と呼ばれ、汚れが洗浄液にどのくらい移行するかで洗浄力が決まる。

　この状況は、洗い流すタイプのメイク落としにおいても同じである。なお、メイク落とし（洗浄剤）においては、対象であるメイク（汚れ）が人工的につくられた疎水性の高い（水溶性が極端に低い）成分であることから、多くの場合は界面活性剤と水からなる組成物では除去できず、油剤が主基剤として用いられている。そのいずれの剤で落とす際においても、(2)の洗浄工程において物理力を必要とすることは同様である。
　本発明においては、(1)及び(3)の工程だけで、毛穴のような小さな凹みからまでもメイクが分散され、きちんと落としきることができる。これは、メイクなどの化粧料に限らず、他の油性汚れについても同様であるが、例えば持続性のファンデーションについて特に効果的である。

　上述した実施形態に関し、本発明は、更に以下の組成物又は方法を開示する。

＜１＞次の成分（Ａ）及び（Ｂ）：
（Ａ）次の成分（ａ１）～（ａ５）のいずれか１以上　５～５０質量％、
（ａ１）炭素数１２～１８のアルキル基と、付加モル数３～１２のオキシエチレン基を有する、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
（ａ２）炭素数１４～１８のアルキル基を１つと、付加モル数３～５もしくは７～９のオキシエチレン基を有するか、又は、炭素数１２～１６のアルキル基を１つと、付加モル数１０～１２のオキシエチレン基を有するか、又は、炭素数１２～１８のアルキル基を２つと、付加モル数３～１２のオキシエチレン基を有する、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、
（ａ３）炭素数１２～１８のアルキル基を１つと、付加モル数６もしくは１０～３０のオキシエチレン基を有するか、又は、炭素数１２～１８のアルキル基を２～３つと、付加モル数６～３０のオキシエチレン基を有する、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、
（ａ４）炭素数１０～１４の直鎖状アルキル基を有し、ポリグリセリンの重合度と脂肪酸の結合数の比（＝ポリグリセリンの重合度／脂肪酸の結合数）が２～５である、ポリグリセリン脂肪酸エステル、
（ａ５）不飽和の鎖式アルキル基を３つと、付加モル数２０～４０のオキシエチレン基を有するか、又は、不飽和の鎖式アルキル基を４つと、付加モル数３５～４０のオキシエチレン基を有するか、又は、飽和分岐状の鎖式アルキル基を３～４つと、付加モル数２０～４０のオキシエチレン基を有する、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル又はポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、
（Ｂ）２５℃での粘度が１５ｍＰａ・ｓ以下である油相　５０～９５質量％
を含有する組成物。

＜２＞成分（ａ１）が、炭素数１２～１６の直鎖状アルキル基、炭素数１８の不飽和アルキル基、炭素数１２～１８の分岐状アルキル基から選ばれるアルキル基を有する、前記＜１＞記載の組成物。
＜３＞成分（ａ１）が、付加モル数３～１２のオキシエチレン基を有する、前記＜１＞又は＜２＞記載の組成物。
＜４＞成分（ａ２）が、炭素数１２～１８のアルキル基を２つと、付加モル数５～１２のオキシエチレン基を有する、前記＜１＞～＜３＞のいずれか１記載の組成物。
＜５＞成分（ａ２）が、炭素数１２の直鎖状アルキル基、又は炭素数１８の分岐状アルキル基を１つ以上有する、前記＜１＞～＜４＞のいずれか１記載の組成物。
＜６＞成分（ａ３）が、炭素数１８の分岐状アルキル基を有する、前記＜１＞～＜５＞のいずれか１記載の組成物。
＜７＞成分（ａ５）が、炭素数１８のアルキル基を有する、前記＜１＞～＜６＞のいずれか１記載の組成物。

＜８＞成分（Ａ）の含有量が、組成物中に、好ましくは９～４０質量％、より好ましくは１０～３０質量％である、前記＜１＞～＜７＞のいずれか１記載の組成物。
＜９＞成分（Ａ）のＨＬＢ値が、好ましくは７～１４、より好ましくは７～１２．９である、前記＜１＞～＜８＞のいずれか１記載の組成物。
＜１０＞成分（Ｂ）の含有量が、組成物中に、好ましくは７０～９０質量％である、前記＜１＞～＜９＞のいずれか１記載の組成物。
＜１１＞成分（Ｂ）が、２種以上の油剤を含む、前記＜１＞～＜１０＞のいずれか１記載の組成物。
＜１２＞ミスト式ディスペンサー付き容器又はエアゾール容器に充填され、肌に噴霧して使用される、前記＜１＞～＜１１＞のいずれか１記載の組成物。

＜１３＞洗浄剤組成物であり、好ましくは皮膚洗浄用であり、より好ましくは洗顔料、メイク落とし又は全身洗浄料用である、前記＜１＞～＜１２＞のいずれか１記載の組成物。
＜１４＞成分（Ａ）が、対象となる固体表面上の油性汚れの内部に成分（Ｂ）とともに浸透し、対象表面を親水化する、前記＜１＞～＜１３＞のいずれか１記載の組成物。
＜１５＞成分（Ａ）が、対象となる固体表面上の油性汚れの内部に成分（Ｂ）とともに浸透し、対象表面の改質を行うことで、対象表面の水濡れ性を促進する、前記＜１＞～＜１４＞のいずれか１記載の組成物。
＜１６＞成分（Ａ）が、対象となる固体表面上の油性汚れの内部に成分（Ｂ）とともに浸透し、対象表面の改質を行うことで、対象表面と油性汚れとの間に水を引き込む、前記＜１＞～＜１５＞のいずれか１記載の組成物。

＜１７＞前記＜１＞～＜１６＞のいずれか１記載の組成物を、対象表面上の油性汚れに接触させ、組成物と油性汚れを対象表面上で混ぜ合わせることなく、水または湯ですすぐことにより、油性汚れを対象表面上から除去する方法。
＜１８＞油性汚れが化粧料を含む、前記＜１７＞記載の方法。
＜１９＞化粧料がファンデーションを含む、前記＜１８＞記載の方法。
＜２０＞対象表面が疎水性である、前記＜１７＞～＜１９＞のいずれか１記載の方法。
＜２１＞対象表面が人の皮膚である、前記＜１７＞～＜２０＞のいずれか１記載の方法。
＜２２＞ミスト式ディスペンサー付き容器又はエアゾール容器に充填され、肌に噴霧して使用される、前記＜１７＞～＜２１＞のいずれか１記載の方法。
＜２３＞組成物を、対象表面上の油性汚れに接触させてから、１０秒～２０分の任意の時間経過後、好ましくは２０秒～３分経過後に、水または湯ですすぐ、前記＜１７＞～＜２２＞のいずれか１記載の方法。
＜２４＞対象表面上の油性汚れに接触した組成物中の成分（Ａ）が、油性汚れの内部に成分（Ｂ）とともに浸透し、対象表面を親水化した後、水または湯で対象表面をすすぐことにより、油性汚れを対象表面上から除去する、前記＜１７＞～＜２３＞のいずれか１記載の方法。

実施例１～６０、比較例１～１１
　表１～表８に示す組成の洗浄剤組成物を製造し、化粧料（ファンデーション）の除去性を評価した。また、組成物の外観について評価した。結果を表１～表８に併せて示す。

（製造方法）
　各成分を秤量し、必要に応じて加熱しながら混合して攪拌することにより、洗浄剤組成物を製造した。

（評価方法）
（１）化粧料の除去性：
　毛穴様の細かな凹みを有するモデルシート（オカモト化成品社製、人工皮革、ラフォーレ白）に、１０×５ｃｍ^２の範囲に持続性の高いファンデーション（レブロン社製、カラーステイメイクアップファンデーションMocha）を０．０３ｇ塗布し、１時間以上乾燥する。ファンデーション塗布部を２×２．５ｃｍ^２の小片に切り分けてテストピースとする。各洗浄剤組成物１滴を、スポイトでテストピース上に落とし、１分間放置する。その後、見た目の変化が無くなるまで、水道水で洗い流して乾燥し、ファンデーションの落ちを、目視により以下の基準で評価した。
Ａ；ファンデーションの塗布膜が完全に除去されている。
Ｂ；ファンデーションの塗布膜がほぼ除去されている。
Ｃ；ファンデーションの塗布膜が明らかに除去されている。
Ｄ；ファンデーションの塗布膜がわずかに除去されているが、大半が残っている。
Ｅ；ファンデーションの塗布膜に変化なし。

（２）組成物の外観：
　各洗浄剤組成物を製造し、１日後の外観を目視により観察した。
〇：透明。
×：分離。

Claims

　次の成分（Ａ）及び（Ｂ）：
（Ａ）次の成分（ａ１）～（ａ５）のいずれか１以上　５～５０質量％、
（ａ１）炭素数１２～１８のアルキル基と、付加モル数３～１２のオキシエチレン基を有する、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
（ａ２）炭素数１４～１８のアルキル基を１つと、付加モル数３～５もしくは７～９のオキシエチレン基を有するか、又は、炭素数１２～１６のアルキル基を１つと、付加モル数１０～１２のオキシエチレン基を有するか、又は、炭素数１２～１８のアルキル基を２つと、付加モル数３～１２のオキシエチレン基を有する、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、
（ａ３）炭素数１２～１８のアルキル基を１つと、付加モル数６もしくは１０～３０のオキシエチレン基を有するか、又は、炭素数１２～１８のアルキル基を２～３つと、付加モル数６～３０のオキシエチレン基を有する、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、
（ａ４）炭素数１０～１４の直鎖状アルキル基を有し、ポリグリセリンの重合度と脂肪酸の結合数の比（＝ポリグリセリンの重合度／脂肪酸の結合数）が２～５である、ポリグリセリン脂肪酸エステル、
（ａ５）不飽和の鎖式アルキル基を３つと、付加モル数２０～４０のオキシエチレン基を有するか、又は、不飽和の鎖式アルキル基を４つと、付加モル数３５～４０のオキシエチレン基を有するか、又は、飽和分岐状の鎖式アルキル基を３～４つと、付加モル数２０～４０のオキシエチレン基を有する、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル又はポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、
（Ｂ）２５℃での粘度が１５ｍＰａ・ｓ以下である油相　５０～９５質量％
を含有する組成物。
　成分（Ｂ）が、２種以上の油剤を含む、請求項１記載の組成物。
　成分（ａ１）が、炭素数１２～１６の直鎖状アルキル基、炭素数１８の不飽和アルキル基、炭素数１２～１８の分岐状アルキル基から選ばれるアルキル基を有する、請求項１又は２記載の組成物。
　成分（ａ２）が、炭素数１２の直鎖状アルキル基、又は炭素数１８の分岐状アルキル基を１つ、又は炭素数１２の直鎖状アルキル基を２つ有する、請求項１～３のいずれか１項記載の組成物。
　成分（ａ３）が、炭素数１８の分岐状アルキル基を有する、請求項１～４のいずれか１項記載の組成物。
　成分（ａ５）が、炭素数１８のアルキル基を有する、請求項１～５のいずれか１項記載の組成物。
　組成物中、成分（Ａ）の含有量が、９～４０質量％である請求項１～６のいずれか１項記載の組成物。
　成分（Ａ）のＨＬＢ値が７～１４である請求項１～７のいずれか１項記載の組成物。
　洗浄剤組成物である請求項１～８のいずれか１項記載の組成物。