WO2022131056A1 - 紫外線殺菌装置 - Google Patents

Abstract

簡便に使用することが可能な紫外線殺菌装置を提供する。紫外線殺菌装置１は、基台１０と、軸方向の一端が基台１０に着脱可能に接続される筒状の導風部材２０と、基台１０に配置され、導風部材２０内に気流を生成する送風機３０と、導風部材２０内に配置されるように基台１０に固定され、紫外線を照射する光源４０と、を備える。

Description

紫外線殺菌装置

　本発明は、紫外線の照射により殺菌を行う紫外線殺菌装置に関する。

　従来、例えば医療の分野においては、紫外線ランプ等からの紫外線の照射により有害な菌やウイルス等を死滅または不活化させる紫外線殺菌装置が広く用いられている。このような紫外線殺菌装置には、室内の壁や設備等に紫外線を直接照射する照射殺菌（照射除菌）を行う照射殺菌タイプと、室内で循環させた空気に紫外線を照射する空気殺菌（空気除菌）を行う空気殺菌タイプの２種類が存在する。

　このうち、照射殺菌タイプは、照射される紫外線に人体が暴露される危険性があるため、立ち入り禁止にした室内での使用に限定される等、取り扱いに注意を要するものとなっている。一方、空気殺菌タイプは、紫外線ランプ等の光源を遮蔽することで、人がいる室内でも使用可能なものとなっているが、殺菌効果が空気中を浮遊する菌やウイルス等に限定されるものとなっている。

　これに対し、照射殺菌タイプおよび空気殺菌タイプのいずれとしても使用可能な兼用タイプの紫外線殺菌装置が、本出願人により提案されている（特許文献１参照）。兼用タイプの紫外線殺菌装置によれば、照射殺菌と空気殺菌を時と場合に応じて使い分けることが可能となるため、効率的に殺菌を行うことができる。

特許第４５７４７９９号公報

　しかしながら、上記特許文献１に記載の紫外線殺菌装置は、開閉する遮光扉を備えると共に、紫外線ランプを複数備える等、装置構成が比較的大型且つ複雑なものとなっていた。このため、コンパクト且つシンプルな装置構成を備え、より簡便に使用することの可能な紫外線殺菌装置が要望されていた。

　本発明は、このような実情に鑑み、簡便に使用することが可能な紫外線殺菌装置を提供しようとするものである。

　本発明の紫外線殺菌装置は、基台と、軸方向の一端が前記基台に着脱可能に接続される筒状の導風部材と、前記基台に配置され、前記導風部材内に気流を生成する送風機と、前記導風部材内に配置されるように前記基台に固定され、紫外線を照射する光源と、を備えることを特徴とする。

　本発明の紫外線殺菌装置によれば、着脱可能な筒状の導風部材というシンプルな機構で照射殺菌と空気殺菌を切り替えることが可能となるため、装置をコンパクト且つシンプルに構成し、持ち運びや取り扱いを容易化すると共に、設置場所が限定されないようにすることができる。すなわち、より簡便に使用可能な紫外線殺菌装置を実現することができる。

　また、本発明の紫外線殺菌装置において、前記導風部材の着脱を検出する検出スイッチを備えることが好ましい。

　これによれば、照射殺菌と空気殺菌の切り替えにおいて導風部材の取り外し以外の操作を不要とすることが可能となるため、取り扱いを容易化することができる。さらに、検出スイッチを活用して空気殺菌における導風部材の不用意な取り外しを検出し、紫外線の漏出を防止することが可能となるため、簡便性と安全性を両立させることができる。

　また、本発明の紫外線殺菌装置において、前記導風部材は、前記基台の上部に接続されることが好ましい。

　これによれば、装置の設置スペースを削減することが可能となるため、設置場所の自由度をより高めることができる。また、空気殺菌において上下方向の気流を生成することが可能となるため、コンパクト且つシンプルな構成でありながらも室内の空気を効率的に循環させ、効率的に空気殺菌を行うことができる。

　また、本発明の紫外線殺菌装置において、前記送風機は、回転する羽根車を有すると共に、前記羽根車の回転中心を前記導風部材の軸心と一致させた状態で配置されることが好ましい。

　これによれば、導風部材内における空気の流動性、および装置内のスペース効率を共に高めることができる。すなわち、コンパクト且つシンプルな構成でありながらも効率的に空気殺菌を行うことができる。

　また、本発明の紫外線殺菌装置において、前記羽根車は、ハブおよび前記ハブの外周面に設けられた複数の羽根を有し、前記光源は、前記ハブの最大外径部よりも前記羽根車の回転中心側に位置するように配置されることが好ましい。

　これによれば、導風部材内の空気の流動が光源によって阻害されないようにすることが可能となるため、効率的に空気殺菌を行うことができる。

　また、本発明の紫外線殺菌装置において、前記基台に設けられ、前記導風部材内と連通すると共に、前記基台の側面において開口する導風ダクトを備えることが好ましい。

　これによれば、例えば装置の側方から空気を効率的に吸引して上方に排出することが可能となるため、室内の空気を効率的に循環させることができる。また、導風ダクトを基台の底面において開口させる場合には、ある程度の高さの脚が複数必要となるのに対し、導風ダクトを基台の側面において開口させることで、基台の底部の構成の自由度を高めることが可能となるため、設置時の安定性を高め、設置場所が限定されないようにすることができる。

　また、本発明の紫外線殺菌装置において、前記導風ダクトは、前記基台の互いに相反する２つの側面において開口することが好ましい。

　これによれば、装置の側方から空気をより効率的に吸引することが可能となるため、室内の空気を効率的に循環させることができる。また、導風ダクトの経路を二次元的に構成することが可能となるため、基台内のスペース効率を高め、装置をよりコンパクト且つシンプルに構成することができる。

　また、本発明の紫外線殺菌装置において、前記導風部材の軸方向の他端に配置され、前記導風部材の軸心に対して傾斜した複数の羽板を有するルーバ部材を備えることが好ましい。

　これによれば、シンプルな構成でありながらも、空気の流動を阻害することなく導風部材からの紫外線の漏出を防止することが可能となるため、簡便性と安全性を両立させることができる。また、空気の排出口または吸引口となる導風部材の軸方向の端部を、周囲の人の目に留まる位置に配置することが可能となるため、装置をコンパクトに構成すると共に、設置場所が限定されないようにすることができる。

　また、本発明の紫外線殺菌装置において、同一形状の複数の前記ルーバ部材を備え、前記ルーバ部材は、互いに隣り合う前記ルーバ部材同士で前記羽板の傾斜方向が異なる姿勢で配列されることが好ましい。

　これによれば、製造コストの上昇を抑制しつつ、導風部材からの紫外線の漏出をより確実に防止することが可能となるため、簡便性と安全性を両立させることができる。

　また、本発明の紫外線殺菌装置において、前記基台に配置され、周囲の人の存在を検出する人感センサを備えることが好ましい。

　これによれば、照射殺菌において周囲に人が存在する場合に紫外線の照射を自動的に停止させることが可能となるため、簡便性と安全性を両立させることができる。

　本発明の紫外線殺菌装置によれば、簡便に使用することが可能という優れた効果を奏し得る。

Ａは本発明の一実施形態である紫外線殺菌装置の正面図である。Ｂは紫外線殺菌装置の右側面図である。 Ａは紫外線殺菌装置の平面図である。Ｂは紫外線殺菌装置の底面図である。 Ａは図２ＡのＩ－Ｉ線断面図である。Ｂは図２ＡのＩＩ－ＩＩ線断面図である。 基台から導風部材を分離した状態を示した正面図である。 ルーバ部を分解して示した断面図である。

　以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。なお、各図においては、記載を省略または簡略化した部分がある。

　図１Ａは本発明の一実施形態である紫外線殺菌装置１の正面図であり、図１Ｂは紫外線殺菌装置１の右側面図である。また、図２Ａは紫外線殺菌装置１の平面図であり、図２Ｂは紫外線殺菌装置１の底面図である。また、図３Ａは図２ＡのＩ－Ｉ線断面図であり、図３Ｂは図２ＡのＩＩ－ＩＩ線断面図である。

　これらの図に示されるように、紫外線殺菌装置１は、四角錐台状の基台１０と、基台１０の上部に着脱可能に接続された円筒状の導風部材２０と、基台１０内に配置された送風機３０と、導風部材２０内に配置されるように基台１０に固定された紫外線ランプ４０と、基台１０内に配置された電源部５０と、基台１０内に配置された制御部６０と、を備えている。

　本実施形態の紫外線殺菌装置１は、送風機３０によって導風部材２０内に導入した空気に紫外線ランプ４０から紫外線を照射する空気殺菌モード（空気除菌モード）、および導風部材２０を基台から取り外して室内の壁や設備に直接紫外線ランプ４０から紫外線を照射する照射殺菌モード（照射除菌モード）の２種類の態様で動作可能に構成されている。なお、本実施形態では、空気殺菌モードは最長８時間連続的に動作するモードであり、照射殺菌モードは予め設定された照射時間（動作時間）だけ動作するモードとなっている。

　基台１０は、紫外線殺菌装置１の各部を収容または支持する部分である。基台１０は、適宜の樹脂からなる複数の部材を組み合わせることで、四角錐台状の箱体に構成されている。基台１０の正面１０ａには、使用者が紫外線殺菌装置１を操作するための操作スイッチ１１が設けられている。

　また、操作スイッチ１１の左右には、ＬＥＤからなる複数の状態表示器１２ａ～１２ｃおよび状態表示器１２ｄ～１２ｇがそれぞれ設けられている。状態表示器１２ａは空気殺菌モードで動作中であることを表示するものであり、状態表示器１２ｂはバッテリ５２の状態を表示するものであり、状態表示器１２ｃは異常の発生を表示するものである。

　また、状態表示器１２ｄ～１２ｇは、照射殺菌モードで動作中であることを照射時間（動作時間）毎に表示するものである。具体的には、状態表示器１２ｄは照射時間１０分の照射殺菌モードで動作中であることを表示するものであり、状態表示器１２ｅは照射時間６０分の照射殺菌モードで動作中であることを表示するものであり、状態表示器１２ｆは照射時間１８０分の照射殺菌モードで動作中であることを表示するものであり、状態表示器１２ｇは照射時間４２０分の照射殺菌モードで動作中であることを表示するものである。本実施形態では、照射殺菌モードの照射時間として１０分、６０分、１８０分および４２０分のいずれかを選択するようになっている。

　また、基台１０の正面１０ａおよび背面１０ｂには、図示を省略した遠隔操作機（所謂リモコン）からの赤外線信号を受信する赤外線受信部１３が設けられている。赤外線受信部１３は、既知の構成を備え、受信した赤外線信号に基づく操作信号を制御部６０に送信する。

　基台１０の正面１０ａ、右側面１０ｃおよび左側面１０ｄには、周囲の人の存在を検出する人感センサ（焦電型赤外線センサ）１４がそれぞれ設けられている。この人感センサ１４は、基台１０の周囲の全方向をカバーするように、３つが基台１０の上下方向の軸心Ｃ１周りに１２０°の間隔で均等に配置されている。人感センサ１４は、既知の構成を備え、軸心Ｃ１から半径約５ｍ以内に人が侵入した場合にこれを検出し、制御部６０に検出信号を送信する。

　基台１０の上面１０ｅには、導風部材２０の着脱を検出する２つの検出スイッチ１５が設けられている。この検出スイッチ１５は、既知の構成を備え、基台１０に接続された導風部材２０により下方に向けて押圧されることでＯＮとなり、導風部材２０による押圧が解除されることで、ＯＦＦとなるように構成されている。制御部６０は、２つの検出スイッチ１５がいずれもＯＮの場合に、導風部材２０が基台１０に接続されていると判断する。また、制御部６０は、２つの検出スイッチ１５の少なくともいずれか一方がＯＦＦの場合に、導風部材２０が脱落した、または基台１０から取り外されたと判断する。

　基台１０の上面１０ｅにはまた、紫外線ランプ４０を保護するための保護柵１６が立設されている。この保護柵１６は、直立した４本の棒状の棒状部材１６ａと、４本の棒状部材１６ａの各基端部同士および各先端部同士を連結する連結部材１６ｂと、から構成されている。棒状部材１６ａおよび連結部材１６ｂは、共に適宜の金属（本実施形態では、ステンレス）から構成され、溶接により接合されている。

　基台１０の内部には、導風部材２０内へ空気を導入するための導風ダクト１７が設けられている。この導風ダクト１７は、逆Ｔ字状に構成されている。具体的に導風ダクト１７は、水平方向に連続して基台１０の右側面１０ｃおよび左側面１０ｄ（すなわち、互いに相反する側面）において開口する水平部１７ａと、水平部１７ａの中央部から上方に向けて延びる垂直部１７ｂと、垂直部１７ｂの上端からさらに上方に向けて延びて基台１０の上面１０ｅから突出する突出部１７ｃと、から構成されている。そして、導風ダクト１７は、突出部１７ｃを介して導風部材２０の内部と連通している。

　導風ダクト１７の断面形状は、水平部１７ａでは横長の長方形状、垂直部１７ｂでは正方形状に構成されている。また、突出部１７ｃにおける断面形状は、垂直部１７ｂの幅方向寸法よりも小径の円形状となっている。

　基台１０の内部において、制御部６０は、導風ダクト１７の正面側に配置されている。また、電源部５０は、導風ダクト１７の背面側に配置されている。そして、基台１０の背面１０ｂには、図示を省略したＡＣアダプタが接続されるＤＣジャック５１が設けられている。また、基台１０の内部には、バッテリ５２を収容するバッテリ収容部１８が電源部５０と隣接して設けられている。基台１０の底面１０ｆには、基台１０に対して着脱可能な蓋部１０ｆ１が設けられており、この蓋部１０ｆ１を取り外すことで、バッテリ５２の出し入れが可能となっている。

　本実施形態では、導風ダクト１７を右側面１０ｃおよび左側面１０ｄにおいて開口させることで、基台１０の側方から空気を効率的に吸引して導風部材２０の先端から上方に排出し、室内の空気を効率的に循環させることを可能としている。また、導風ダクト１７を経路が二次元的となる逆Ｔ字状に構成することで、導風ダクト１７の前後（正面側および背面側）に、比較的大型となるバッテリ５２等を含む各種部品を配置することを可能とし、基台１０内のスペース効率を高めている。また、水平部１７ａを２か所で開口させることで、水平部１７ａの断面積を小さくし、基台１０をよりコンパクト化することを可能としている。

　また、例えば導風ダクト１７を直線的に構成して底面１０ｆで開口させるようにした場合、底面１０ｆを床面から離隔させるための脚を複数設ける必要が生じるため、床面との接触面積が減少し、装置が不安定となって設置場所が限定される可能性がある。本実施形態では、導風ダクト１７を右側面１０ｃおよび左側面１０ｄにおいて開口させることで、底面１０ｆを略平面状に構成することを可能とし、これにより、床面との接触面積を大きくして設置時の安定性を向上させている。

　導風部材２０は、空気殺菌モードにおいて、導風ダクト１７からの空気を上方に向けて誘導すると共に、紫外線ランプ４０を覆うことで、周囲に存在する人が紫外線に暴露されるのを防止するためのものである。導風部材２０は、円筒状の筒部２１と、筒部２１の軸方向の一端側（基台１０側）に設けられたスカート部２２と、筒部２１の軸方向の他端側（先端側）に設けられたルーバ部２３と、から構成されている。

　また、導風部材２０は、自身の軸心Ｃ２を基台１０の軸心Ｃ１と略一致させた状態で、基台１０の上部に立設されている。本実施形態では、導風部材２０をこのように配置することで、必要な設置スペースを削減すると共に、上下方向の気流の生成による室内の空気の効率的な循環を可能としている。

　筒部２１は、適宜の金属（本実施形態では、アルミ合金）からなり、内周面２１ａが紫外線ランプ４０からの紫外線を反射することで、導風部材２０内を流れる空気中の細菌等を効率的に死滅または不活化させるように構成されている。筒部２１を適宜の金属から構成することで、内周面２１ａの鏡面処理等を省略し、低コスト化を実現している。さらに本実施形態では、筒部２１をアルミ合金から構成することで、導風部材２０を軽量化し、基台１０に対する着脱を容易化している。

　スカート部２２は、適宜の樹脂から構成された漏斗状の部材であり、円筒状の先端部２２ａが筒部２１に内篏することで、筒部２１と結合されている。また、スカート部２２の外周面２２ｂは、基台１０の表面と滑らかに連続するように構成されており、基台１０と導風部材２０の一体感を高めることでデザイン性を向上させている。

　スカート部２２の内周面２２ｃには、導風ダクト１７の突出部１７ｃの先端面１７ｃ１と当接する円環状の当接面２２ｄと、検出スイッチ１５と当接する円環状の検出突起２２ｅと、が設けられている。さらに、検出突起２２ｅの外周側には、円環状の外周壁２２ｆが設けられている。そして、この外周壁２２ｆの外側面２２ｆ１には、基台１０の２つの係合突起１９とそれぞれ係合する２つの被係合突起２２ｇが設けられている。

　図４は、基台１０から導風部材２０を分離した状態を示した正面図である。係合突起１９は、四角柱状に構成され、基台１０の上面１０ｅにおける平面視が円形状の窪み部１０ｅ１の内周面１０ｅ２に設けられている。また、被係合突起２２ｇは、スカート部２２の内周面２２ｃから外周壁２２ｆに沿って軸方向下側に向けて延びる軸方向部２２ｇ１と、軸方向部２２ｇ１の先端部から外周壁２２ｆに沿って平面視で時計回りとなる周方向に延びる周方向部２２ｇ２からなるＬ字状に構成されている。係合突起１９と被係合突起２２ｇは、被係合突起２２ｇの周方向部２２ｇ２が係合突起１９の下方に配置されることで、係合状態となる。

　導風部材２０の基台１０への接続は、まず紫外線ランプ４０および保護柵１６を内部に収容するようにして導風部材２０を上方から基台１０の上面１０ｅに近接させ、係合突起１９と被係合突起２２ｇが干渉しない軸心Ｃ２周りの回転姿勢で導風部材２０を基台１０上に載置する。これにより、突出部１７ｃの先端面１７ｃ１に当接面２２ｄが当接して導風ダクト１７と筒部２１内が連通する。また、検出スイッチ１５が検出突起２２ｅにより押圧されてＯＮ状態となる。

　次に、導風部材２０を平面視で時計回りに回転させ、係合突起１９を被係合突起２２ｇに係合させる。これにより、導風部材２０は、容易には脱落しない状態で基台１０の上面１０ｅに接続される。また、検出スイッチ１５はＯＮ状態に維持されることとなる。なお、スカート部２２の外周面２２ｂおよび基台１０の上面１０ｅには、被係合突起２２ｇと係合突起１９が係合を開始する直前の状態となる回転姿勢、および被係合突起２２ｇと係合突起１９を係合させる回転方向を示す指標２２ｈ、１０ｇ１および１０ｇ２が刻印されている。

　導風部材２０の基台１０からの取り外しは、導風部材２０を平面視で反時計回りに回転させ、係合突起１９と被係合突起２２ｇの係合を解除した後に、導風部材２０を基台１０から離隔させることにより行われる。

　このように本実施形態では、導風部材２０を基台１０に対してきわめて容易に着脱することが可能となっている。さらに、本実施形態では、保護柵１６を設けることで、着脱時における導風部材２０の紫外線ランプ４０への衝突を防止しているため、導風部材２０の着脱は、より容易なものとなっている。なお、保護柵１６は、導風部材２０を基台から分離した状態においても、紫外線ランプ４０を何かの衝突から保護するものであることは言うまでもない。

　ルーバ部２３は、導風部材２０から空気を流出させつつ、導風部材２０からの紫外線の漏出を防止するものである。図５は、ルーバ部２３を分解して示した断面図である。本実施形態では、同一形状の３つのルーバ部材２４を軸方向に配列して組み合わせることで、ルーバ部２３を構成している。

　ルーバ部材２４は、適宜の樹脂からなる段付き円筒状の部材であり、内外径が小径の小径部２４ａと、小径部２４ａよりも内外径が大径の大径部２４ｂと、小径部２４ａの内側に架け渡すように設けられた複数の羽板２４ｃと、から構成されている。小径部２４ａの外径および大径部２４ｂの内径は、互いに篏合するように構成されており、一のルーバ部材２４の小径部２４ａを他のルーバ部材２４の大径部２４ｂ内に挿入することで、２つのルーバ部材２４を接続することが可能となっている。小径部２４ａはまた、筒部２１内に挿入されることで内篏するように構成されている。

　羽板２４ｃは、導風部材２０の軸心Ｃ２に対して傾斜して配置された板状の部材であり、複数（本実施形態では、４つ）を軸心Ｃ２および架け渡し方向に対して直行する方向に配列することで、空気の流動を許容しつつ、紫外線を遮蔽するように構成されている。本実施形態ではさらに、羽板２４ｃの配列方向の一側端に、軸心Ｃ２に対して略垂直に配置された板状の遮蔽板２４ｄを設けることで、空気の流動性および紫外線の遮蔽性を調整している。

　本実施形態ではまた、小径部２４ａの外周面２４ａ１に位置決め溝２４ｅを設けると共に、位置決め溝２４ｅ内に収容される位置決め突起２４ｆを大径部２４ｂの内周面２４ｂ１に設けている。この位置決め溝２４ｅおよび位置決め突起２４ｆは、軸心Ｃ２に対して互いに相反する位置に設けられている。従って、２つのルーバ部材２４を接続した場合に、両者の羽板２４ｃは、傾斜方向が正反対となるようになっている。

　本実施形態ではこのように、互いに接続されたルーバ部材２４の羽板２４ｃの傾斜方向を異ならせることで、紫外線の遮蔽性を高め、安全性を向上させるようにしている。また、ルーバ部材２４を互いに接続可能な同一形状の部材とすることで、羽板２４ｃの列を軸方向に複数積層して紫外線の遮蔽性をより高めながらも、必要な金型の個数を減らし、製造コストを低減することを可能としている。

　なお、傾斜方向の異ならせ方は正反対に限定されるものではなく、例えば平面視で軸心Ｃ２周りに９０°異なる等、その他の異ならせ方であってもよい。また、ルーバ部２３を構成するルーバ部材２４の個数が３つに限定されないことは言うまでもない。

　送風機３０は、導風部材２０内に気流を生成するためのものである。具体的に送風機３０は、外部の空気を導風ダクト１７内に吸引すると共に、導風部材２０内に送出してルーバ部２３から外部に放出させる。本実施形態の送風機３０は、軸流ファンであり、図３ＡおよびＢに示されるように、導風ダクト１７の垂直部１７ｂ内に配置されている。送風機３０は、導風ダクト１７に固定された枠体３１と、枠体３１に固定されたモータ３２と、モータ３２に駆動されて回転する羽根車３３と、から構成されている。また、羽根車３３は、モータ３２に接続された円柱状または円筒状のハブ３３ａと、ハブ３３ａの外周面３３ａ１に設けられた複数の羽根３３ｂと、から構成されている。

　本実施形態では、導風ダクト１７の垂直部１７ｂ内に送風機３０を配置すると共に、羽根車３３の回転中心Ｃ３を導風部材２０の軸心Ｃ２と略一致させることで、送風機３０の送出する空気を導風部材２０内において効率的に流動させることを可能としている。また、送風機３０を紫外線ランプ４０の直下に配置すると共に、その下方に導風ダクト１７の水平部１７ａを配置することを可能とし、基台１０内のスペース効率を向上させている。

　紫外線ランプ４０は、既知の構成を備え、水銀蒸気が封入されたガラス管４１内で放電することで紫外線を発生させる光源である。図３ＡおよびＢに示されるように、導風ダクト１７の垂直部１７ｂにおける送風機３０の直上には、垂直部１７ｂ内に架け渡すように支持部材４２が設けられており、紫外線ランプ４０は、この支持部材４２に固定されている。

　本実施形態の紫外線ランプ４０は、細長い円筒状のガラス管４１を備えており、自身の軸心Ｃ４が導風部材２０の軸心Ｃ２の近傍となる位置において、自身の軸心Ｃ４が導風部材２０の軸心Ｃ２と略平行となる姿勢で配置されている。また、紫外線ランプ４０は、全体的に羽根車３３のハブ３３ａの最大外径部よりも羽根車の回転中心Ｃ３側に位置するように配置されている。すなわち、紫外線ランプ４０は、送風機３０から送出される空気の流動を阻害しない位置および姿勢で配置されている。

　さらに、紫外線ランプ４０は、紫外線が放射されるガラス管４１の軸方向における全範囲が、紫外線を反射する筒部２１の内周面２１ａによって覆われる位置に配置されており、ガラス管４１から放射された紫外線の略全量が筒部２１の内周面２１ａによって反射されるようになっている。

　これにより本実施形態では、紫外線ランプ４０の周囲に空気をスムーズに流動させると共に、この流動する空気にガラス管４１からの放射紫外線および筒部２１の内周面２１ａからの反射紫外線を効率的に照射することを可能としている。すなわち、効率的に殺菌した空気を効率的に排出して室内で循環させることが可能となっている。

　電源部５０は、既知の構成を備え、ＤＣジャック５１またはバッテリ５２からの電力を各部に供給するものである。また、本実施形態ではバッテリ５２として二次電池を採用しており、電源部５０は、ＤＣジャック５１からの電力によりバッテリ５２を充電する。

　制御部６０は、ＣＰＵ、ＲＯＭおよびＲＡＭ等の既知の構成を備え、送風機３０、紫外線ランプ４０、電源部５０、赤外線受信部１３および人感センサ１４等、紫外線殺菌装置１の各部を制御して動作させるものである。制御部６０はまた、警告音を出力するブザー６１を備えており、照射殺菌モードで動作している場合に、所定の態様でブザー６１に警告音を出力させる。

　次に、紫外線殺菌装置１の動作について説明する。

　まず、空気殺菌モードにおける動作について説明する。使用者は、空気殺菌モードで紫外線殺菌装置１を動作させる場合、商用電源に接続されたＡＣアダプタをＤＣジャック５１に接続すると共に、導風部材２０を基台１０に接続した状態で、操作スイッチ１１を約１秒間長押しする。これにより、制御部６０が起動する。なお、紫外線殺菌装置１は、長時間連続運転が前提の空気殺菌モードでは、ＤＣジャック５１から給電されている場合のみ動作するようになっている。

　制御部６０は、２つの検出スイッチ１５が共にＯＮ状態であり、且つＤＣジャック５１から給電されている状態ならば、送風機３０の羽根車３３を回転させると共に、紫外線ランプ４０を点灯させる。制御部６０はまた、空気殺菌モードで動作中であることを表示する状態表示器１２ａを点灯させると共に、動作時間を計測する。また、制御部６０は、検出スイッチ１５が２つともＯＮ状態であるならば、人感センサ１４を動作させない、または人感センサ１４からの信号を無視する（人感センサ１４を無効化する）。

　制御部６０は、空気殺菌モードで動作中に、操作スイッチ１１が短押しされた場合、２つの検出スイッチ１５のいずれか一方がＯＦＦとなった場合（導風部材２０が取り外された場合）、ＤＣジャック５１からの給電がなくなった場合、または動作開始後８時間が経過した場合、送風機３０の動作を停止させると共に紫外線ランプ４０を消灯させ、紫外線殺菌装置１の動作を停止させる。また、制御部６０は、紫外線ランプ４０を消灯する際には、計測した動作時間を紫外線ランプ４０の点灯時間として累積的に記憶する。

　次に、照射殺菌モードにおける動作について説明する。使用者は、照射殺菌モードで紫外線殺菌装置１を動作させる場合、導風部材２０を基台１０から取り外した状態で操作スイッチ１１を約１秒間長押しする。これにより、制御部６０が起動する。なお、照射殺菌モードは最初に設定された照射時間だけ動作するモードであるため、紫外線殺菌装置１は、バッテリ５２からの給電によっても動作するようになっている。

　制御部６０は、２つの検出スイッチ１５が共にＯＦＦ状態であるならば、紫外線殺菌装置１をスタンバイ状態とすると共に、スタンバイ時間（１分間）の計測を開始する。また、制御部６０は、照射時間を１０分に設定すると共に、照射時間が１０分であることを表示する状態表示器１２ｄを点滅させる。

　使用者は、スタンバイ状態中に操作スイッチ１１を押すことで照射時間の設定を切り替えることができる。制御部６０は、ＤＣジャック５１から給電されている場合、スタンバイ状態中に操作スイッチ１１が押される毎に、照射時間の設定を１０分→６０分→１８０分→４２０分→１０分と順次切り替えると共に、各照射時間を表示する状態表示器１２ｄ～１２ｇを順次点滅させる。また、バッテリ５２から給電されている場合、制御部６０は、スタンバイ状態中に操作スイッチ１１が押される毎に、照射時間の設定を１０分→６０分→１０分と順次切り替えると共に、各照射時間を表示する状態表示器１２ｄおよび１２ｅを順次点滅させる。

　制御部６０は、スタンバイ時間が経過したならば、人感センサ１４による周囲の人の検出を開始させると共に、紫外線ランプ４０を点灯させる。制御部６０はまた、状態表示器１２ｄ～１２ｇのうち設定された照射時間を表示するものを点灯させて、照射殺菌モードで動作している状態であることを表示すると共に、照射時間（動作時間）の計測を開始する。さらに、制御部６０は、紫外線ランプ４０の点灯中、ブザー６１を制御して定期的（例えば、３秒おき）に警告音を出力させる。

　照射殺菌モードで動作中、制御部６０は、人の存在を検出したことを示す人検出信号を人感センサ１４から受信した場合、紫外線ランプ４０を消灯させる。制御部６０は、人感センサ１４から人検出信号を受信している間は、紫外線ランプ４０を消灯させる。その後、制御部６０は、人感センサ１４から人検出信号を受信しない状態が１０秒間継続したならば、紫外線ランプ４０を再度点灯させる。

　設定された照射時間が経過したならば、制御部６０は、紫外線ランプ４０を消灯させ、照射時間（動作時間）を紫外線ランプ４０の点灯時間として累積的に記憶した上で、紫外線殺菌装置１の動作を停止させる。なお、本実施形態では、人感センサ１４からの人検出信号に基づく紫外線ランプ４０の消灯中も照射時間の計測を継続するが、人検出信号に基づく紫外線ランプ４０の消灯中は照射時間の計測を中止するようにしてもよい。また、本実施形態では、人検出信号に基づく紫外線ランプ４０の消灯中もブザー６１からの警告音の出力を継続するが、人検出信号に基づく紫外線ランプ４０の消灯中は警告音の種類を異ならせるようにしてもよい。

　また、制御部６０は、設定された照射時間が経過する前に、操作スイッチ１１が短押しされた場合、または２つの検出スイッチ１５が共にＯＮ状態となった場合（導風部材２０が基台１０上に載置された場合）には、それまでの照射時間を紫外線ランプ４０の点灯時間を記憶した上で紫外線殺菌装置１の動作を停止させる。通常、これらの場合において、紫外線ランプ４０は人感センサ１４からの人検出信号に基づいて既に消灯されているが、点灯しているときは、制御部６０はまず紫外線ランプ４０を消灯させる。

　なお、空気殺菌モードおよび照射殺菌モードのいずれにおいても、制御部６０は、ＤＣジャック５１からの給電によりバッテリ５２を充電している場合には状態表示器１２ｂを赤色で点滅させ、バッテリ５２が満充電である場合には状態表示器１２ｂを緑色で点灯させる。また、ＤＣジャック５１から給電されていない場合、制御部６０は、バッテリ５２の電圧が所定の電圧（本実施形態では、照射殺菌モードで１０分間動作可能な電圧）以上であるときには状態表示器１２ｂを緑色に点灯させ、バッテリ５２の電圧が所定の電圧未満であるときには状態表示器１２ｂを赤色に点灯させる。

　また、制御部６０は、ＤＣジャック５１から給電されていない場合に、バッテリ５２の電圧が所定の電圧未満であるときには、操作スイッチ１１の長押し後、操作スイッチ１１を押しても照射殺菌モードの照射時間を選択不能にすると共に、スタンバイ状態を継続する。

　また、制御部６０は、動作中に各部の異常を検知した場合には、状態表示器１２ｂを点灯させると共に、異常の種類に応じて他の状態表示器１２ａ、１２ｃ～１２ｇのいずれかを点灯させる。すなわち、制御部６０は、状態表示器１２ａ～１２ｇを所定の組み合わせで点灯させることにより、異常の種類が判別可能な態様で異常の発生を使用者に報知する。

　また、制御部６０は、起動時に紫外線ランプ４０の点灯時間の累計が所定の耐用時間（例えば、６０００時間）を超えている場合には、状態表示器１２ｂを点滅させて紫外線ランプ４０の交換が必要なことを報知する。制御部６０はまた、起動後に操作スイッチ１１が約１０秒間長押しされた場合に、紫外線ランプ４０の点灯時間の累計をリセットする。従って、使用者は、紫外線ランプ４０を交換したならば、起動後に操作スイッチ１１を長押して点灯時間の累計をリセットする必要がある。

　また、本実施形態では、操作スイッチ１１の押下による操作と同一の操作を、図示を省略した遠隔操作機によっても行うことが可能となっている。この場合、制御部６０は、赤外線受信部１３から受信した操作信号に基づいて、上述した各種処理を実行する。

　このように、本実施形態の紫外線殺菌装置１は、空気殺菌モードと照射殺菌モードの切り替えを複雑な機構を要することなく実現することで、装置全体をシンプル且つコンパクトに構成しているため、持ち運びや取り扱いが容易であると共に、床面だけでなく卓上にも設置可能である等、設置場所も限定されないものとなっている。さらに、導風部材２０を接続した状態では自動的に空気殺菌モードで動作し、導風部材２０を取り外した状態では自動的に照射殺菌モードで動作するため、きわめて簡便に使用することが可能となっている。

　また、紫外線殺菌装置１は、空気殺菌モードにおける導風部材２０の取り外しや脱落を検出スイッチ１５で検出し、照射殺菌モードにおける周囲への人の立ち入りを人感センサ１４で検出して紫外線ランプ４０を消灯させるため、簡便性と安全性を兼ね備えたものとなっている。特に、検出スイッチ１５は、空気殺菌モードと照射殺菌モードの切り替えを検出するスイッチとしても兼用されているため、簡便性と安全性を高いレベルで両立させたものとなっている。

　以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の紫外線殺菌装置は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。

　例えば、紫外線殺菌装置１の各部の形状および配置は、上述の実施形態において示した形状および配置に限定されるものではなく、既知の種々の形状および配置を採用することができる。また、紫外線殺菌装置１内における空気の流動方向は、逆方向であってもよい。

　また、導風ダクト１７の水平部１７ａは、右側面１０ｃおよび左側面１０ｄ以外の側面、すなわち正面１０ａおよび背面１０ｂにおいて開口するように設けられるものであってもよい。また、水平部１７ａを平面視で十字状に構成し、すべての側面で開口するようにしてもよい。

　また、導風部材２０は、基台１０の上面１０ｅ以外の部分に接続されるものであってもよく、導風部材２０の先端部は、例えば側方や斜め上方等に向けられるものであってもよい。また、導風部材２０は、曲折または湾曲したものであってもよいし、曲折または湾曲させることで、空気の排出方向（または、吸引方向）を変更可能なものであってもよい。

　また、送風機３０は、例えば射流ファンや遠心ファン等、その他の形式のものであってもよい。また、送風機３０は導風ダクト１７の水平部１７ａ内に配置されるものであってもよいし、送風機３０を複数設けるようにしてもよいし、

　また、紫外線ランプ４０は、例えば紫外線ＬＥＤ等、その他の形式の光源であってもよい、また、紫外線ランプ４０を複数設けるようにしてもよく、この場合、１つの導風部材２０で覆うようにしてもよいし、複数の導風部材２０で個別に覆うようにしてもよい。

　また、上述の実施形態において示した作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したものに過ぎず、本発明による作用および効果は、これらに限定されるものではない。

　１　紫外線殺菌装置
　１０　基台
　１０ｃ　基台の右側面
　１０ｄ　基台の左側面
　１４　人感センサ
　１５　検出スイッチ
　１７　導風ダクト
　２０　導風部材
　２４　ルーバ部材
　２４ｃ　羽板
　３０　送風機
　３３　羽根車　
　３３ａ　ハブ
　３３ａ１　ハブの外周面
　３３ｂ　羽根
　４０　紫外線ランプ
　Ｃ２　導風部材の軸心
　Ｃ３　羽根車の回転中心
 

Claims (10)

1. 　基台と、
   　軸方向の一端が前記基台に着脱可能に接続される筒状の導風部材と、
   　前記基台に配置され、前記導風部材内に気流を生成する送風機と、
   　前記導風部材内に配置されるように前記基台に固定され、紫外線を照射する光源と、を備えることを特徴とする紫外線殺菌装置。
2. 　請求項１に記載の紫外線殺菌装置において、
   　前記導風部材の着脱を検出する検出スイッチを備えることを特徴とする紫外線殺菌装置。
3. 　請求項１または２に記載の紫外線殺菌装置において、
   　前記導風部材は、前記基台の上部に接続されることを特徴とする紫外線殺菌装置。
4. 　請求項１から３までのいずれか１項に記載の紫外線殺菌装置において、
   　前記送風機は、回転する羽根車を有すると共に、前記羽根車の回転中心を前記導風部材の軸心と一致させた状態で配置されることを特徴とする紫外線殺菌装置。
5. 　請求項４に記載の紫外線殺菌装置において、
   　前記羽根車は、ハブおよび前記ハブの外周面に設けられた複数の羽根を有し、
   　前記光源は、前記ハブの最大外径部よりも前記羽根車の回転中心側に位置するように配置されることを特徴とする紫外線殺菌装置。
6. 　請求項１から５までのいずれか１項に記載の紫外線殺菌装置において、
   　前記基台に設けられ、前記導風部材内と連通すると共に、前記基台の側面において開口する導風ダクトを備えることを特徴とする紫外線殺菌装置。
7. 　請求項６に記載の紫外線殺菌装置において、
   　前記導風ダクトは、前記基台の互いに相反する２つの側面において開口することを特徴とする紫外線殺菌装置。
8. 　請求項１から７までのいずれか１項に記載の紫外線殺菌装置において、
   　前記導風部材の軸方向の他端に配置され、前記導風部材の軸心に対して傾斜した複数の羽板を有するルーバ部材を備えることを特徴とする紫外線殺菌装置。
9. 　請求項８に記載の紫外線殺菌装置において、
   　同一形状の複数の前記ルーバ部材を備え、
   　前記ルーバ部材は、互いに隣り合う前記ルーバ部材同士で前記羽板の傾斜方向が異なる姿勢で配列されることを特徴とする紫外線殺菌装置。
10. 　請求項１から９までのいずれか１項に記載の紫外線殺菌装置において、
    　前記基台に配置され、周囲の人の存在を検出する人感センサを備えることを特徴とする紫外線殺菌装置。
     

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