WO2021193522A1

WO2021193522A1 - 連携システム及び連携制御方法

Info

Publication number: WO2021193522A1
Application number: PCT/JP2021/011683
Authority: WO
Inventors: 元明山崎; 白石　理人
Original assignee: 清水建設株式会社
Priority date: 2020-03-24
Filing date: 2021-03-22
Publication date: 2021-09-30
Also published as: JP2021152859A; JP2021152860A; JP2021152857A; US20230015053A1

Abstract

建物管理者が管理対象とする建物の設備を管理する建物管理システムにおいて備えられる設備対応デバイスと、前記建物においてネットワークと接続されて所定のアプリケーションに応じた機能を実行する一般デバイスとの間での所定の機能の連携が実現されるように制御する連携制御装置を備えて連携システムを構成する。

Description

連携システム及び連携制御方法

　本発明は、連携システム及び連携制御方法に関する。本願は、２０２０年３月２４日に、日本に出願された特願２０２０－０５２５３３号および２０２０年９月１６日に、日本に出願された特願２０２０－１５５８３９号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

　ＳａａＳ（Software as a Service）間でデータを授受可能なように構成されたデータ連係支援システムが知られている。

日本国特開２０１６－２２４５７８号公報

　例えばオフィスや商業施設等に利用される建物の中では、建物管理者が運用する建物管理システムにより、例えば空調、照明等の建物設備の制御や状態監視等、建物に関する管理全般が行われる。一方で、最近は建物の中で、建物管理者を含めた建物内の一般ユーザが、建物とは直接的には関連性の無い各種ＩｏＴ（Internet of Things）システムも利用している状況にある。ここでは、そのように一般ユーザがＩｏＴシステムを建物内で利用する環境を、一般ＩｏＴ環境と呼ぶ。現状では、一般ＩｏＴ環境は建物とは直接的には関係がない。建物管理システムと一般ＩｏＴ環境とは、それぞれ独立している。建物管理システムと一般ユーザが利用するＩｏＴ環境（一般ＩｏＴ環境）とが連携できるようになれば、建物における利便性や快適性等が向上されて好ましい。

　本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、建物管理者が建物の管理に利用する建物管理システムと一般ユーザに提供される一般ＩｏＴ環境との連携が図られることを目的とする。

　本発明の一態様は、建物管理者が管理対象とする建物の設備を管理する建物管理システムにおいて備えられる設備対応デバイスと、前記建物においてネットワークと接続されて所定のアプリケーションに応じた機能を実行する一般デバイスとの間での所定の機能の連携が実現されるように制御する連携制御装置を備える連携システムである。

　本発明の一態様は、連携システムにおいて備えられる連携制御装置が、建物管理者が管理対象とする建物の設備を管理する建物管理システムにおいて備えられる設備対応デバイスと、前記建物においてネットワークと接続されて所定のアプリケーションに応じた機能を実行する一般デバイスとの間での所定の機能の連携が実現されるように制御する連携制御方法である。

　本発明によれば、建物管理者が建物の管理に建物管理システムと一般ユーザに提供される一般ＩｏＴ環境との連携が図られる効果が得られる。

本実施形態における連携システムの一例を示す図である。本実施形態における各連携制御装置の機能構成例を示す図である。本実施形態における連携制御装置がアプリケーション連携に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。本実施形態における連携手順情報の一例を示す図である。本実施形態における連携手順情報の一例を示す図である。本実施形態における連携手順情報の一例を示す図である。本実施形態における連携手順情報の一例を示す図である。本実施形態における連携手順情報の一例を示す図である。本実施形態における連携手順情報の一例を示す図である。本実施形態における連携手順情報の一例を示す図である。本実施形態におけるマップ処理の共通化に対応する建物単位管理システムの構成例を示す図である。本実施形態における共通マップサーバの構成例を示す図である。本実施形態において特定エリアが設定された位置付与マップ情報の一例を示す図である。本実施形態において特定エリアが設定された位置付与マップ情報の一例を示す図である。

　図１は、本実施形態の連携システムの一例を示している。本実施形態に係る連携システムは、クラウド環境１０と建物環境２０とを含む。

　クラウド環境１０は、クラウドコンピューティングにより、建物の管理と建物にて利用されるＩｏＴ対応のデバイスの制御等を実行するように構築された環境である。クラウド環境１０は、建物統合管理システム１１と一般ＩｏＴ制御システム１２とを含む。

　建物統合管理システム１１は、建物管理者が管理対象とする建物ＢＬの統合管理を行うように構築された環境である。建物統合管理システム１１は、建物統合管理装置ＳＹ１と連携制御装置１００を備える。建物統合管理システム１１にて統合管理される建物ＢＬは、１棟でもよく、複数棟でもよい。
　建物統合管理装置ＳＹ１は、例えば建物統合管理のためのサーバ、データベース等を備える。建物統合管理装置ＳＹ１は、例えば複数の物理的に独立した装置が複合的に組み合わされた構成であってもよい。この場合の建物統合管理装置ＳＹ１は、連携制御装置１００を経由して、複数の建物ＢＬを統合して管理する。

　建物統合管理装置ＳＹ１としての機能は、建物統合管理装置ＳＹ１が、建物統合管理に対応する機能を提供するアプリケーションプログラムを実行することにより実現される。この点で、建物統合管理装置ＳＹ１は、建物統合管理に対応する機能を有するアプリケーションとして捉えることができる。建物統合管理装置ＳＹ１は、建物統合管理に対応する機能を有するアプリケーションが実装されたデバイス（設備対応デバイス）として捉えることができる。

　連携制御装置１００は、建物統合管理システム１１と、各建物ＢＬの建物単位管理システム２１と、各建物ＢＬの一般ＩｏＴ環境２２とで、アプリケーション連携が行われるように制御を実行する。アプリケーション連携は、所定の複数のデバイス間でアプリケーションが連携して所定の機能を提供する処理が実行される。
　連携制御装置１００が提供する連携制御の機能例としては、例えば建物統合管理システム１１とある特定の建物ＢＬの建物単位管理システム２１と同じ建物ＢＬの一般ＩｏＴ環境２２との間でのデバイス間連携を実装してもよい。また例えば異なる複数の建物ＢＬでの建物単位管理システム２１のデバイス情報同志を横断的に比較して、その条件に応じたデバイス間連携を実装してもよい。

　図１に示す連携システムにおいて、図示は省略しているが、建物統合管理装置ＳＹ１、連携制御装置１００は、所定のネットワークサービスＩＳと接続されてよい。例えば、建物統合管理装置ＳＹ１は、天気に関する情報を提供するネットワークサービスＩＳから取得した、建物ＢＬの該当地域の天気予報の情報に基づいて、建物ＢＬごとにおける空調の運転計画を策定することが可能である。ネットワークサービスＩＳとしては、クラウド上で提供されるＳＮＳ（Social Networking Service）であってもよく、データ提供やデータ連携のクラウドサービスであってもよい。

　一般ＩｏＴ制御システム１２は、各建物ＢＬの一般ＩｏＴ環境２２のそれぞれにおいて、一般ユーザが利用する各種ＩｏＴの機能が実現されるように制御する。
　この制御において、一般ユーザは、建物ＢＬにおける企業、商業施設等に従事する者を含む。一般ユーザは、建物ＢＬにおける企業等に面会者として来訪した者や、建物ＢＬにおける商業施設等に来訪した客等を含む。

　一般ＩｏＴ制御システム１２は、連携制御装置２００を備える。連携制御装置２００は、建物ＢＬごとの一般ＩｏＴ環境２２における一般デバイスＤＶとルータＲＴを介して接続される。連携制御装置２００は、各種のネットワークサービスＩＳと接続される。ネットワークサービスＩＳは、例えばＳＮＳ、電子メールサービス、メモ帳アプリケーションサービス等であってよい。このような一般デバイスＤＶは、本実施形態のアプリケーション連携に対応するデバイスの１つとして捉えられる。
　ネットワークサービスＩＳは、ネットワークサービスＩＳを提供するサーバ等の装置にアプリケーションプログラムが実装されることにより実現される。この点で、本実施形態において、ネットワークサービスＩＳは、本実施形態のアプリケーション連携に対応するデバイスの１つとして捉えられる。

　連携制御装置２００は、建物ＢＬごとの一般ＩｏＴ環境２２に対応する一般デバイスＤＶ、ネットワークサービスＩＳ等の間での接続を管理する機能を有する。
　連携制御装置２００は、連携制御装置２００に接続される一般デバイスＤＶ、ネットワークサービスＩＳ等に対応するアプリケーションを含む所定のアプリケーション連携を実行させることができる。

　図１に示す連携システムにおいて、一般デバイスＤＶは、ルータＲＴから連携制御装置２００を経由してネットワークサービスＩＳと接続される態様を示している。しかし、連携システムにおいて、一般デバイスＤＶとネットワークサービスＩＳとがルータＲＴや連携制御装置２００を経由することなく相互に接続されてよい。

　建物環境２０は、クラウド環境１０によって管理される複数の建物ＢＬを含んで形成される環境である。建物環境２０における１つの建物ＢＬは、建物単位管理システム２１と一般ＩｏＴ環境２２とを含む。

建物単位管理システム２１は、建物ＢＬ単位での管理を行う。建物単位管理システム２１は、建物単位管理装置ＳＹ２、建物設備ＦＣ、連携制御装置３００を含む。連携制御装置３００は、補助連携制御装置の一例である。

　建物単位管理装置ＳＹ２および建物設備ＦＣが、それぞれの機能に対応するアプリケーションプログラムを実行することにより建物単位管理装置ＳＹ２および建物設備ＦＣの機能が実現される。この点で、建物単位管理装置ＳＹ２および建物設備ＦＣは、それぞれ、建物単位管理システム２１において実装されるアプリケーションといえる。建物単位管理装置ＳＹ２および建物設備ＦＣは、アプリケーションが実装されたデバイス（設備対応デバイス）と言える。
　建物単位管理装置ＳＹ２、建物設備ＦＣは、或る所定の機能を有する複数のデバイスとそれらデバイスの管理および制御を司るサーバ機能とを含めた統合システムの総称である。

　建物単位管理装置ＳＹ２は、例えば対応の建物ＢＬの管理のためのサーバ、データベース等を備える。建物単位管理装置ＳＹ２は、例えば複数の物理的に独立した装置が複合的に組み合わされた構成であってもよい。
　建物単位管理装置ＳＹ２は、各種の建物設備ＦＣと接続される。建物設備ＦＣには、例えば建物ＢＬにおける空調装置、照明装置、各種センサ、建物管理者が使用する端末装置、案内ロボット等が含まれる。建物単位管理装置ＳＹ２は、基本的な建物ＢＬ内で完結する管理として、例えばセンサとしての建物設備ＦＣから出力されたセンサ出力に基づいて建物ＢＬの管理を行うことができる。一例として、建物単位管理装置ＳＹ２は、建物ＢＬ内における人の有無を検出するように設けられたセンサの出力に基づいて、建物ＢＬ内の照明装置の調光制御や空調機器による空調制御等を行うことができる。この場合のセンサ、照明装置、および空調装置等は、それぞれ建物ＢＬに備えられた建物設備ＦＣである。

　図示は省略しているが、建物単位管理装置ＳＹ２は、所定のネットワークサービスＩＳと接続されてよい。建物単位管理装置ＳＹ２は、ネットワークサービスＩＳから取得した情報に基づいて所定の建物設備ＦＣを制御することができる。

　建物統合管理装置ＳＹ１は、複数の建物ＢＬを統合的に制御する際、各建物ＢＬの建物単位管理装置ＳＹ２に対して適宜指示を行う。建物単位管理装置ＳＹ２は、建物統合管理装置ＳＹ１からの指示に応じて、例えば所定の建物設備ＦＣを制御することができる。これにより、複数の建物ＢＬの統合管理が実現される。

　建物単位管理システム２１の連携制御装置３００は、建物統合管理システム１１の連携制御装置１００と接続される。

　連携制御装置３００は、同じ建物ＢＬの建物単位管理システム２１において備えられるデバイス（例えば、建物単位管理装置ＳＹ２、建物設備ＦＣ等）と、他の建物ＢＬの建物単位管理システム２１、一般ＩｏＴ制御システム１２において備えられデバイス、およびネットワークサービスＩＳ等との間で、所定のアプリケーション連携を実行させることができる。

　連携制御装置３００は、同じ建物ＢＬの建物単位管理システム２１において備えられるデバイス（例えば、建物単位管理装置ＳＹ２、建物設備ＦＣ等）間で、所定のアプリケーション連携を実行させることができる。
　つまり、連携制御装置３００は、建物単位管理システム２１で完結したアプリケーション連携を実行させることができる。例えば、連携制御装置３００は、同じ建物ＢＬにおける複数の建物設備ＦＣが連携して所定の動作を実行するように制御することができる。例えば、連携制御装置３００は、違う建物ＢＬにおける複数の建物設備ＦＣが連携して所定の動作を実行するように制御することができる。

　通信障害等で、建物単位管理システム２１の連携制御装置３００と建物統合管理システム１１の連携制御装置１００との通信が不可となる場合がある。この場合、建物単位管理システム２１と建物統合管理システム１１との間でのアプリケーション連携や、建物単位管理システム２１と一般ＩｏＴ環境２２との間でのアプリケーション連携等は機能しなくなる。しかし、このような場合であっても、連携制御装置３００が備えられることで、連携システム全体において、補助的に、建物単位管理システム２１内で完結するアプリケーション連携については機能させることができる。この結果、建物ＢＬにおける快適性や利便性等が著しく損なわれることがない。

　一般ＩｏＴ環境２２は、建物ＢＬにおいて一般的なＩｏＴ機能が実現される環境である。一般ＩｏＴ環境２２は、複数の一般デバイスＤＶを備える。一般デバイスＤＶとは、建物ＢＬ内において一般ユーザが使用する各種ＩｏＴデバイスとそのＩｏＴデバイスの管理および制御を行うサーバ機能を含んだ総称である。一般デバイスＤＶには、例えば、一般ユーザが建物ＢＬにて個人ごとに使用するパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等が含まれる。建物ＢＬ内で使用される一般的な家電製品が含まれる。一般デバイスＤＶには、建物ＢＬにて使用されるＡＩスピーカ、デジタルサイネージ対応表示装置、建物ＢＬを出入りする車両のナビゲーション装置等が含まれてよい。一般デバイスＤＶには、温度センサ、人感センサ、振動センサなどのＩｏＴセンシングを行う装置が含まれてよい。

　一般デバイスＤＶは、ルータＲＴを介して、同じ一般ＩｏＴ環境２２における他の一般デバイスＤＶと無線または有線により通信可能に接続される。建物ＢＬにおけるルータＲＴは、適宜複数が配置されてよい。ルータＲＴは、一般ＩｏＴ制御システム１２における連携制御装置２００と接続される。これにより、一般デバイスＤＶは、ネットワークサービスＩＳと接続される。一般デバイスＤＶは、他の一般ＩｏＴ環境２２における一般デバイスＤＶとも接続される。

　図２を参照して、建物統合管理システム１１における連携制御装置１００、一般ＩｏＴ制御システム１２における連携制御装置２００および建物単位管理システム２１における連携制御装置３００の機能構成例について説明する。以下の説明において図１と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。図２に示される連携制御装置１００、２００、３００としての機能は、連携制御装置１００、２００、３００が備えるＣＰＵ（Central Processing Unit）がプログラムを実行することにより実現される。

　建物統合管理システム１１における連携制御装置１００は、通信部１０１、制御部１０２、及び記憶部１０３を備える。

　通信部１０１は、連携制御装置１００が備えられた建物と同じ建物統合管理システム１１における建物統合管理装置ＳＹ１と通信可能に接続する。通信部１０１は、所定のネットワークサービスＩＳと接続されてもよい。同じ建物統合管理システム１１において、建物統合管理装置ＳＹ１以外の他のデバイスが備えられる場合には、通信部１０１は、これらの他のデバイスとも通信可能に接続してよい。

　制御部１０２は、連携制御装置１００における制御を実行する。制御部１０２は、連携制御部１２１を備える。連携制御部１２１は、連携制御装置１００と接続される複数のデバイスの間で所定のアプリケーション連携機能に応じた動作が実行されるように制御する。
　「複数のデバイスの間で所定のアプリケーション連携機能に応じた動作」の具体例としては、１または複数のデバイスの状態、計測値、演算値などが事前に設定した条件を満たした場合には、別の１または複数のデバイスの動作や状態を事前に決めておいたロジックで変更制御することを含む。
　連携制御装置１００と接続されるデバイスは、同じ建物統合管理システム１１において連携制御装置１００と直接的に接続されるデバイス（例えば建物統合管理装置ＳＹ１等）を含む。連携制御装置１００と接続されるデバイスは、例えば連携制御装置２００を経由するようにして間接的に接続されるデバイス（例えば一般デバイスＤＶ、ネットワークサービスＩＳ等）を含む。連携制御装置１００と接続されるデバイスは、或る建物ＢＬの建物単位管理システム２１における連携制御装置３００を経由して間接的に接続されるデバイス（建物単位管理装置ＳＹ２、建物設備ＦＣ等）を含む。

　記憶部１０３は、連携制御装置１００に対応する各種の情報を記憶する。図２に示されるように、記憶部１０３は、Ｎ（Ｎは１以上の自然数）個の連携手順情報１３１（１３１－１～１３１－Ｎ）を記憶する。
　１つの連携手順情報１３１は、所定のアプリケーション連携を実現するための手順（ルール）を示す情報である。
　連携制御部１２１は、例えば所定のデバイスのアプリケーションから受信したアプリケーション連携要求に該当する連携手順情報を参照する。連携制御部１２１は、参照した連携手順情報に基づき、要求されたアプリケーション連携機能を実現する手順が実行されるようにコマンドの出力などの制御を実行する。
　例えば、連携手順情報１３１は、ＩＦ―ＴＨＥＮステートメントに準じて、１または複数のデバイスのアプリケーションからの要求に基づいて一定条件が満たされた場合に、他の１または複数のデバイスのアプリケーションに所定の手順の実行を指示するといった内容を有する情報があってもよい。この点については、後述の連携手順情報２３１、３３１についても同様である。

　一般ＩｏＴ制御システム１２における連携制御装置２００は、通信部２０１、制御部２０２、及び記憶部２０３を備える。

　通信部２０１は、ネットワークサービスＩＳと接続するとともに、配下の一般ＩｏＴ環境２２のそれぞれにおける一般デバイスＤＶ等と、ルータＲＴ経由で通信可能に接続する。図２では、図示を簡易化するため、ルータＲＴの図示は省略して、一般デバイスＤＶと通信部２０１とが接続された態様で示している。

　制御部２０２は、連携制御装置２００における制御を実行する。制御部２０２は、連携制御部２２１を備える。連携制御部２２１は、連携制御装置２００と接続される複数のデバイスの間で所定のアプリケーション連携に応じた動作が実行されるように制御する。「複数のデバイスの間で所定のアプリケーション連携機能に応じた動作」の具体例としては、１または複数のデバイスの状態、計測値、演算値等が事前に設定した条件を満たした場合には、別の１または複数のデバイスの動作や状態を事前に決めておいたロジックで変更制御することを含む。
　連携制御装置２００と接続されるデバイスは、ネットワークサービスＩＳ、一般ＩｏＴ環境２２におけるデバイス（例えば一般デバイスＤＶ等）、建物統合管理システム１１におけるデバイス（例えば建物統合管理装置ＳＹ１、ネットワークサービスＩＳ（図示せず）等）、建物単位管理システム２１におけるデバイス（例えば建物単位管理装置ＳＹ２、建物設備ＦＣ、ネットワークサービスＩＳ（図示せず）等）である。

　記憶部２０３は、連携制御装置２００に対応する各種の情報を記憶する。記憶部２０３は、ｎ（ｎは１以上の自然数）個の連携手順情報２３１（２３１－１～２３１－ｎ）を記憶する。
　１つの連携手順情報１３１は、所定のアプリケーション連携機能を実現するための手順を示す情報である。連携制御部２２１は、例えば所定のデバイスのアプリケーションから受信したアプリケーション連携要求に該当する連携手順情報を参照する。連携制御部２２１は、参照した連携手順情報に基づき、要求されたアプリケーション連携機能を実現する手順が実行されるようにコマンドの出力などの制御を実行する。

　建物単位管理システム２１における連携制御装置３００は、通信部３０１、制御部３０２、及び記憶部３０３を備える。

　通信部３０１は、連携制御装置３００が備えられた建物と同じ建物単位管理システム２１における建物単位管理装置ＳＹ２および建物設備ＦＣと通信可能に接続する。通信部３０１は、所定のネットワークサービスＩＳと接続されてもよい。同じ建物統合管理システム１１において、建物単位管理装置ＳＹ２および建物設備ＦＣ以外の他のデバイスが備えられる場合には、通信部３０１は、これらの他のデバイスとも通信可能に接続してよい。

　制御部３０２は、連携制御装置３００における制御を実行する。制御部３０２は、連携制御部３２１を備える。連携制御部３２１は、連携制御装置３００と接続される複数のデバイスの間で所定のアプリケーション連携機能に応じた動作が実行されるように制御する。
　ここでの「複数のデバイスの間で所定のアプリケーション連携機能に応じた動作」の具体例としては、１または複数のデバイスの状態、計測値、演算値などが事前に設定した条件を満たした場合には、別の１または複数のデバイスの動作や状態を事前に決めておいたロジックで変更制御することを含む。
　連携制御装置３００と接続されるデバイスは、同じ建物単位管理システム２１において直接的に接続されるデバイス（建物単位管理装置ＳＹ２、建物設備ＦＣ等）を含む。連携制御装置３００と接続されるデバイスは、連携制御装置１００を経由するようにして間接的に接続される、建物統合管理システム１１のデバイス（建物統合管理装置ＳＹ１）、他の建物ＢＬの建物単位管理システム２１におけるデバイス（建物単位管理装置ＳＹ２、建物設備ＦＣ等）を含む。連携制御装置３００と接続されるデバイスは、連携制御装置１００、連携制御装置２００を経由して間接的に接続されるデバイス（ネットワークサービスＩＳ、一般デバイスＤＶ等）を含む。

　記憶部３０３は、連携制御装置３００に対応する各種の情報を記憶する。記憶部３０３は、Ｍ（Ｍは１以上の自然数）個の連携手順情報３３１（３３１－１～３３１－Ｍ）を記憶する。
　１つの連携手順情報３３１は、所定のアプリケーション連携を実現するための手順を示す情報である。１つの連携手順情報は、対応コマンド情報と、手順指示情報とを含む。対応コマンド情報は、対応のアプリケーション連携を要求するコマンド（アプリケーション連携要求（連携コマンド））を示す情報である。手順指示情報は、対応するアプリケーション連携を実現するための手順を指示する情報である。
　連携制御部３２１は、例えば所定のデバイスのアプリケーションから受信した連携コマンドに該当する連携手順情報を参照する。連携制御部３２１は、参照した連携手順情報により、要求されたアプリケーション連携を実現する手順が実行されるようにコマンド出力等の制御を実行する。

　上記構成による本実施形態の連携システムは、以下のアプリケーション連携が可能である。
　まず、連携システムは、建物統合管理システム１１におけるデバイス（例えば建物統合管理装置ＳＹ１等）から送信する連携コマンドをトリガとして、建物統合管理システム１１におけるデバイスと、１以上の建物単位管理システム２１における１以上のデバイス（例えば建物単位管理装置ＳＹ２、建物設備ＦＣ等）との間でアプリケーション連携を行わせることが可能である。
　この場合には、建物統合管理システム１１におけるデバイスが送信した連携コマンドを連携制御装置１００が受信する。連携制御装置１００は、受信された連携コマンドに対応する連携手順情報１３１が示す手順指示情報に基づいて、連携先のデバイスに対して手順指示書が示す手順の実行を指示する手順指示コマンドを送信してもよい。この際、手順指示コマンドは、連携制御装置３００を中継して連携先のデバイスに転送される。手順指示コマンドを受信した連携先のデバイスは、手順指示コマンドに応答した処理を実行する。このような処理によって、建物統合管理システム１１におけるデバイスと、建物単位管理システム２１における１以上のデバイスとの間でのアプリケーション連携が行われる。

　連携システムは、或る１の建物単位管理システム２１におけるデバイス（例えば建物単位管理装置ＳＹ２、建物設備ＦＣ等）から送信する連携コマンドをトリガとして、建物統合管理システム１１におけるデバイス（例えば建物統合管理装置ＳＹ１等）との間でアプリケーション連携を行わせることが可能である。
　この場合、建物単位管理システム２１におけるデバイスから送信された連携コマンドは、連携制御装置３００を介して連携制御装置１００に送信される。連携制御装置１００は、受信された連携コマンドに対応する連携手順情報１３１が示す手順指示情報に基づいて、連携先となる建物統合管理システム１１内のデバイスに対して手順指示情報が示す手順の実行を指示する手順指示コマンドを送信する。手順指示コマンドを受信した連携先のデバイスは、手順指示コマンドに応答した処理を実行する。このような処理によって、建物単位管理システム２１におけるデバイスと、建物統合管理システム１１におけるデバイスとの間でのアプリケーション連携が行われる。

　本実施形態の連携システムは、例えば、或る１の一般ＩｏＴ環境２２における一般デバイスＤＶ等のデバイスから送信する連携コマンドをトリガとして、１または複数の一般ＩｏＴ環境２２における他のデバイスや、ネットワークサービスＩＳ等との間でアプリケーション連携を行わせることが可能である。１または複数の一般ＩｏＴ環境２２は、連携コマンドの送信元のデバイスを備える一般ＩｏＴ環境２２が含まれてよい。
　この場合には、例えば或る１の一般ＩｏＴ環境２２におけるデバイスから送信された連携コマンドは、一般ＩｏＴ制御システム１２の連携制御装置２００にて受信される。連携制御装置２００は、受信された連携コマンドに対応する連携手順情報２３１が示す手順指示情報に基づいて、連携先となるデバイス（例えば一般ＩｏＴ環境２２内の一般デバイスＤＶ、もしくはネットワークサービスＩＳ等）に対して手順指示情報が示す手順の実行を指示する手順指示コマンドを送信する。手順指示コマンドを受信した連携先のデバイスは、手順指示コマンドに応答した処理を実行する。このような処理によって、１以上の一般ＩｏＴ環境２２におけるデバイス間でのアプリケーション連携が行われる。

　本実施形態の連携システムは、建物統合管理システム１１の連携制御装置１００と、一般ＩｏＴ制御システム１２の連携制御装置２００とが接続されている。これにより、本実施形態の連携システムは、建物管理に対応する建物管理システム（例えば建物統合管理システム１１、建物単位管理システム２１）のデバイスと、一般ＩｏＴ環境２２のデバイスとの間でのアプリケーション連携が可能となる。

　建物管理システムと一般ＩｏＴ環境２２との間でのデバイスのアプリケーション連携の態様として、１つには、建物統合管理システム１１のデバイスから送信する連携コマンドをトリガとして、建物統合管理システム１１のデバイスと、１以上の一般ＩｏＴ環境２２ごとにおける１以上の所定のデバイスとを連携先とするアプリケーション連携が可能である。
　この場合には、建物統合管理システム１１の連携制御装置１００が、受信された連携コマンドに対応する連携手順情報１３１に基づいて、連携先の一般ＩｏＴ環境２２のデバイスに手順指示コマンドを送信してよい。
　あるいは、建物統合管理システム１１の連携制御装置１００が、建物単位管理システム２１のデバイスから送信する連携コマンドを、一般ＩｏＴ制御システム１２の連携制御装置２００に転送してよい。連携制御装置２００が、転送された連携コマンドに対応する連携手順情報２３１に基づいて、連携先の一般ＩｏＴ環境２２のデバイスに手順指示コマンドを送信してよい。

　建物管理環境と一般ＩｏＴ環境２２との間でのデバイスのアプリケーション連携の態様として、もう１つには、或る１の建物単位管理システム２１のデバイスから送信する連携コマンドをトリガとして、建物単位管理システム２１のデバイスと、１以上の一般ＩｏＴ環境２２ごとにおける１以上の所定のデバイスを連携先とするアプリケーション連携が可能である。
　この場合には、建物統合管理システム１１の連携制御装置１００が、建物単位管理システム２１のデバイスから送信された連携コマンドに対応する連携手順情報１３１に基づいて、連携先の一般ＩｏＴ環境２２のデバイスに手順指示コマンドを送信するようにされてよい。
　あるいは、建物統合管理システム１１の連携制御装置１００が、建物単位管理システム２１のデバイスから送信された連携コマンドを、一般ＩｏＴ制御システム１２の連携制御装置２００に転送してよい。連携制御装置２００が、転送された連携コマンドに対応する連携手順情報２３１に基づいて、連携先の一般ＩｏＴ環境２２のデバイスに手順指示コマンドを送信してもよい。

　建物管理システムと一般ＩｏＴ環境２２との間でのデバイスのアプリケーション連携の態様として、もう１つには、１の一般ＩｏＴ環境２２のデバイスから送信する連携コマンドをトリガとして、一般ＩｏＴ環境２２のデバイスと、建物統合管理システム１１のデバイス、あるいは１以上の建物統合管理システム１１における１以上の所定のデバイスを連携先とするアプリケーション連携が可能である。

　建物管理環境と一般ＩｏＴ環境２２との間でのデバイスのアプリケーション連携の態様として、建物統合管理システム１１、建物単位管理システム２１、一般ＩｏＴ環境２２のうちのいずれかにおけるデバイスから送信する連携コマンドをトリガとして、他の２つのシステムまたは環境における所定のデバイスをともに連携先とするアプリケーション連携も可能である。

　図３のフローチャートを参照して、連携制御装置（１００、２００、３００）がアプリケーション連携に関連して実行する処理手順例について説明する。以下の説明にあたり、処理の主体は連携制御装置１００である場合を例に挙げる。

　ステップＳ１０１：連携制御装置１００において連携制御部１２１は、連携コマンドが受信されるのを待機している。
　ステップＳ１０２：連携コマンドが受信されると、連携制御部１２１は、受信された連携コマンドについて、自己が対応するべきものか否かを判定する。連携制御部１２１は、例えば受信された連携コマンドにおいて記述される特定の情報（例えば、コマンド識別子等）が、自己が処理すべき連携コマンドにおいて含まれるものであるか否かにより、ステップＳ１０２の判定を行ってよい。あるいは、連携制御部１２１は、記憶部１０３から受信された連携コマンドに対応付けられた連携手順情報１３１を検索する処理を実行し、検索されたか否かにより、ステップＳ１０２の判定を行ってもよい。あるいは、連携制御部１２１は、連携コマンドにおいて、対応して処理を実行すべき連携制御装置を示す装置情報が含まれている場合には、装置情報が自己を示しているか否かにより、ステップＳ１０２の判定を行ってもよい。あるいは、連携制御部１２１は、例えば連携コマンドにおいて示される連携先のデバイスのアドレスと自己のアドレスとを比較することにより、ステップＳ１０２の判定を行ってもよい。

　ステップＳ１０３：ステップＳ１０２にて、受信された連携コマンドについて自己が対応するべきものでないと判定された場合、連携制御部１２１は、他の連携制御装置（２００、３００）に、受信された連携コマンドを転送する。この場合、連携制御部１２１は、マルチキャストにより他の連携制御装置（２００、３００）のそれぞれに連携コマンドを転送してもよい。あるいは、連携制御部１２１は、受信された連携コマンドにおいて示される所定の情報に基づいて、転送先とする連携制御装置を特定し、特定された連携制御装置に連携コマンドを転送してもよい。

　ステップＳ１０４：受信された連携コマンドについて自己が対応するべきものであるとステップＳ１０２にて判定された場合、連携制御部１２１は、受信された連携コマンドに対応する連携手順情報１３１から手順指示情報を取得する。

　ステップＳ１０５：連携制御部１２１は、ステップＳ１０４により取得された手順指示情報に基づいて手順指示コマンドを生成し、生成された手順指示コマンドを、連携先のデバイスに送信する。

　本実施形態の連携システムでは、連携制御装置１００、２００、３００に或るアプリケーション連携機能に対応する連携手順情報を記憶させることで、新たなアプリケーション連携機能を容易かつ柔軟に追加できる。

　１つのアプリケーション連携の動作を実現するにあたり、連携制御装置間で複数の連携手順情報を利用するようにされてよい。一例として、例えば、連携制御装置１００が所定のデバイスからの連携コマンドに対応する所定の連携手順情報１３１に従って処理を実行するなかにおいて、連携制御装置２００に所定の連携コマンドを送信した。連携制御装置２００は、受信された連携コマンドに対応する所定の連携手順情報１３１に従って処理を実行する。このような処理によって１つのアプリケーション連携の動作が得られるようにされてもよい。

　［アプリケーション連携調整の第１例］
　上記構成による本実施形態の連携システムは、或るデバイスのアプリケーションが連携コマンドを発行（送信）したことをトリガとして、対応の連携手順情報に従って、それぞれ個別に、連携コマンド（命令）に対応するアプリケーション連携をしかるべき手順に従って実行するようにされてよい。
　しかしながら、連携システムにおいて発行された複数の連携コマンドに応じたアプリケーション連携の動作が相互に競合する関係を有する場合がある。この場合は、これらの連携コマンドのそれぞれに応じたアプリケーション連携について調整（アプリケーション連携調整）を行うことが好ましい場合がある。以下に、このようなアプリケーション連携調整について説明する。

　まず、アプリケーション連携調整の第１例について説明する。
　例えば、同じデバイスを制御対象（連携先）として、短時間のうちに複数の連携コマンドが発行されるような場合がある。このような場合、発行された複数の連携コマンドの発行順に従ってそれぞれに対応するアプリケーション連携の制御が実行される結果、制御対象のデバイスが好ましくない動作となる場合がある。
　具体例として、例えば、ユーザＡの一般デバイスＤＶとしての端末（例えば、スマートフォン、パーソナルコンピュータ等）が、ユーザＡの操作に応じて、あるいは予め定められた照明制御のスケジュールに従って、「建物２階第３エリアの照明装置の照度増加」という命令の連携コマンド（連携コマンドＡ）を発行した。連携コマンドＡの発行後において、例えば数秒程度以内の短時間を経過したタイミングで、ユーザＢの一般デバイスＤＶとしての端末が、同じ「建物２階第３エリアの照明装置の照度増加（照度低減でもよい）」という命令の連携コマンド（連携コマンドＢ）を発行した。
　このような場合に、建物２階第３エリアの照明装置を制御する連携制御装置が、連携コマンドＡの発行順、発行タイミングに従って、連携コマンドＡに応じた照明装置の照度を増加させ、続けて連携コマンドＢに応じた照明装置の照度を増加（もしくは低減）させるように制御した。すると、短時間の間に、照明装置が照度を２回連続して変化させるような不自然な挙動となってしまう。

　そこで、本実施形態の連携システムにおいて、連携制御装置は、照明装置の照度変更を命令する連携コマンドが発行されると、連携コマンドの発行された時点から一定時間（例えば、３０秒程度）の連携コマンドの受付不可期間を設ける。連携制御装置は、受付不可期間においては、同じ照明装置の照度変更を命令する連携コマンドを受け付けないようにする。この場合には、連携制御装置は、受付不可期間において連携コマンドを発行したデバイスに対して、受付不可期間内において発行されたために連携コマンドが拒否されたことを知らせるエラー通知を行ってよい。

　アプリケーション連携調整の第１例において競合するアプリケーション連携が３以上である場合には、連携制御装置は、最先で受信した連携コマンドのアプリケーション連携を実行させ、受付不可期間において受信される他の２以上の競合のアプリケーション連携に対応する連携コマンドを受け付けないようにしてよい。
　連携制御装置は、最先で受信した連携コマンドのアプリケーション連携を実行させ、受付不可期間において受信される他の２以上の競合のアプリケーション連携に対応する連携コマンドを、コマンド用に設けられたバッファに一時的に保管（記憶）してもよい。連携制御装置は、受付不可期間が終了した後にバッファに記憶されたコマンドの全てもしくは一部に応じたアプリケーション連携を実行させる処理を行ってもよい。

　このようなアプリケーション連携調整の第１例では、競合するアプリケーション連携に対応する複数の連携コマンドのうち、連携制御装置が最先で受信した連携コマンドのアプリケーション連携を、受付不可期間において受信される競合の連携コマンドのアプリケーション連携に対して優先して実行させていると捉えることができる。

　図４Ａおよび図４Ｂは、上記のアプリケーション連携調整に対応して連携制御装置が記憶する連携手順情報の一例を示している。図４Ａは、連携コマンドＡに対応して連携制御装置が記憶する連携手順情報の一例である。図４Ｂは、連携コマンドＢに対応して連携制御装置が記憶する連携手順情報の一例である。図４Ａおよび図４Ｂにより示される連携手順情報は、例えば制御対象となる照明装置が備えられた建物と同じ建物ＢＬにおける連携制御装置３００が記憶してよい。

　まず、連携手順情報は、対応コマンド情報と手順指示情報と調整制御情報とを含む。対応コマンド情報は、対応のアプリケーション連携を要求する連携コマンドを示す情報である。図４Ａに示す連携手順情報では、対応コマンド情報としてＩＤ０００１の連携コマンドＩＤが格納されている。ＩＤ０００１の連携コマンドＩＤは、連携コマンドＡを示す。図４Ｂ示す連携手順情報では、対応コマンド情報としてＩＤ０００２の連携コマンドＩＤが格納されている。ＩＤ０００２は、連携コマンドＢを示す。

　手順指示情報は、対応のアプリケーション連携を実現するための手順を指示する情報である。図４Ａおよび図４Ｂに示す手順指示情報は、例えば「指示主体」、「条件動作」、「実行主体」、「実行内容」の各情報を含んだ構造である例を示している。このような手順指示情報は例えば「指示主体」が「条件動作」を行った場合は「実行主体」が「実行内容」を実行する、というように対応のアプリケーション連携の動作を指示する内容を有する。
　具体的に、図４Ａに示す連携コマンドＡに対応する手順指示情報は、「ユーザの端末」が「建物２階第３エリアの照明装置の照度増加」を指示した場合、「建物２階第３エリアの照明装置」が「照度増加」を実行する、という内容を示す。
　図４Ｂに示す連携コマンドＢに対応する手順指示情報は、「ユーザの端末」が「建物２階第３エリアの照明装置の照度減少」を指示した場合、「建物２階第３エリアの照明装置」が「照度減少」を実行する、という内容を示す。

　調整制御情報は、対応の連携コマンドの発行に応じて手順指示情報の制御を実行する際、他の連携コマンドに対応して行うアプリケーション連携調整の内容を示す。
　図４Ａに示す連携コマンドＡに対応する調整制御情報は、連携コマンドＡに対応する制御を開始したタイミングからＴ秒間においては、ＩＤ０００２の連携コマンドＩＤにより示される連携コマンドＢについて受付不可期間を設定するべきことを示している。
　図４Ｂに示す連携コマンドＢに対応する調整制御情報は、連携コマンドＢに対応する制御を開始したタイミングからＴ秒間においては、ＩＤ０００１の連携コマンドＩＤにより示される連携コマンドＡについて受付不可期間を設定するべきことを示している。

　例えば、連携制御装置３００は、ユーザＡの端末から送信された連携コマンドＡを受信したことに応じて、図４Ａに示す連携手順情報に従って、建物２階第３エリアの照明装置の照度を増加させる。そのうえで、連携制御装置３００は、建物２階第３エリアの照明装置の照度を増加させる制御の実行を開始したタイミングからＴ秒間において受付不可期間を設定する。これにより、連携制御装置３００は、受付不可期間において連携コマンドＢが送信されても、連携コマンドＢに応じた制御を実行しない制御を行うことができる。
　逆に、連携制御装置３００は、ユーザＢの端末から送信された連携コマンドＢを受信したことに応じて、図４Ｂの連携手順情報に従って、２階第３エリアの照明装置の照度を減少させる。そのうえで、連携制御装置３００は、２階第３エリアの照明装置の照度を減少させる制御の実行を開始したタイミングからＴ秒間において受付不可期間を設定する。これにより、連携制御装置３００は、受付不可期間において連携コマンドＡが送信されても、連携コマンドＡに応じた制御を実行しない制御を行うことができる。

　このような受付不可期間を設定することによるアプリケーション連携の調整は、上記のような照明装置の照度変更に限定されるものではなく、他のアプリケーション連携にも適用されてよい。
　このようなアプリケーション連携調整については、上記のように連携制御装置３００が制御を行う以外にも、例えば、連携制御装置１００、２００が制御を行ってもよい。

　［アプリケーション連携調整の第２例］
　第２例として、本実施形態の連携システムは、以下のようにアプリケーション連携調整を行ってもよい。
　例えば、一般デバイスＤＶまたは建物設備ＦＣとして、物資を搬送する搬送ロボットが建物ＢＬにおいて稼働されている。搬送ロボットは、建物ＢＬにおいて構築されたロボット制御システムにより制御されるように構成されている。ロボット制御システムは、例えば建物ＢＬにおける建物単位管理装置ＳＹ２や所定の建物設備ＦＣ等が搬送ロボットをリモートコントロール可能に構成される。ロボット制御システムは、ユーザが搬送ロボットをリモートコントロール可能な機能も備えている。ユーザが搬送ロボットをリモートコントロールする際、ユーザが一般デバイスＤＶとしての端末を操作して、連携コマンドを発行させる。

　ユーザＡの一般デバイスＤＶとしての端末が、搬送ロボットを制御対象として、例えば、「エレベータ１号機の上向きボタンを押す」意味の連携コマンドＣを発行した。連携コマンドＣの発行とほぼ同じタイミングで、ロボット制御システムから、例えば、「エレベータ１号機の下向きボタンを押す」との連携コマンドＤが発行された。この結果、搬送ロボットを制御する連携制御装置は、連携コマンドＣと連携コマンドＤとをバッファに格納する。
　このような状態において、連携制御装置が、連携コマンドＣおよび連携コマンドＤに応じてバッファに格納された順に従って搬送ロボットを制御した場合、例えば搬送ロボットが、エレベータ１号機の上向きボタンを押すと、続けてすぐにエレベータ２号機の下向きボタンを押す、といったような動作を実行する不具合を生じる。

　例えば、搬送ロボットの制御にあたっては、ロボット制御システムによる命令のほうがユーザによる命令よりも主要であると設定している。そこで、連携制御装置は、上記例のようにロボット制御システムとユーザとに対応する複数の連携コマンドＣ、Ｄがバッファに格納された場合には、複数の連携コマンドＣ、Ｄのうち、ロボット制御システムに対応する連携コマンドＤを優先させる。
　具体的に、連携制御装置は、バッファに格納された複数の連携コマンドＣ、Ｄのうち、連携コマンドＤに対応して搬送ロボットを制御し、連携コマンドＣについては破棄してよい。この制御により、搬送ロボットは、連携コマンドＤに応答してエレベータ１号機の下向きボタンを押す動作を行うが、連携コマンドＣに応答してエレベータ１号機の上向きボタンを押す動作は行わない。
　あるいは、連携制御装置は、バッファに格納された複数の連携コマンドＣ、Ｄのうち、相対的に優先度の高い連携コマンドＤに先に対応して搬送ロボットを制御してよい。次に、連携制御装置は、連携コマンドＤに対応した搬送ロボットの制御から一定時間経過後、あるいは連携コマンドＤに応じた搬送ロボットの操作に対応したエレベータ１号機の動作が完了したタイミングで、連携コマンドＣに対応して搬送ロボットを制御してよい。この場合、搬送ロボットは、まず連携コマンドＤに応答してエレベータ１号機の下向きボタンを押す動作を行い、この後、連携コマンドＣに応答してエレベータ１号機の上向きボタンを押す動作を行う。

　図５Ａおよび図５Ｂは、上記のアプリケーション連携調整に対応して連携制御装置が記憶する連携手順情報の一例を示している。図５Ａは、連携コマンドＣに対応して連携制御装置が記憶する連携手順情報の一例である。図５Ｂは、連携コマンドＤに対応して連携制御装置が記憶する連携手順情報の一例である。図５Ａおよび図５Ｂに示される連携手順情報は、例えば制御対象となる照明装置が備えられた建物と同じ建物ＢＬにおける連携制御装置３００が記憶してよい。

　図５Ａおよび図５Ｂにより示される連携手順情報においては、対応コマンド情報、手順指示情報、優先設定情報、優先制御情報を含む。
　図５Ａの対応コマンド情報として格納されるＩＤ００１１は、連携コマンドＣを示す。図５Ａの手順指示情報は、「ユーザの端末」が「エレベータ１号機のボタン操作指示（この場合は上向きのボタン操作が指定されている）」を行ったのであれば、「搬送ロボット」が「エレベータ１号機の指定された方向（この場合は上向き）のボタンを操作する」という内容を示す。
　図５Ｂの対応コマンド情報として格納されるＩＤ００１２は、連携コマンドＤを示す。図５Ａの手順指示情報は、「ロボット制御システム」が「エレベータ１号機のボタン操作指示（この場合は下向きのボタン操作が指定されている）」を行ったのであれば、「搬送ロボット」が「エレベータ１号機の指定された方向（この場合は下向き）のボタンを操作する」という内容を示す。

　優先設定情報は、対応の手順指示情報の実行によるアプリケーション連携についての優先設定に関する内容を示す。
　優先制御情報は、対応のアプリケーション連携について優先することが設定されたことに応じて実行すべき制御を示す。
　連携コマンドＣに対応する図５Ａの連携手順情報における優先設定情報は、対応のアプリケーション連携について、ＩＤ００１２の連携コマンドＤに対応するアプリケーション連携に対して優先度が低く設定されることを示す。
　連携コマンドＤに対応する図５Ｂの連携手順情報における優先設定情報は、対応のアプリケーション連携は、ＩＤ００１１の連携コマンドＣに対応するアプリケーション連携に対して優先度が高く設定されることを示す。そのうえで、図５Ｂの連携手順情報における優先制御情報は、対応のＩＤ００１２の連携コマンドＤとともにＩＤ００１１の連携コマンドＣが連携制御装置３００のバッファに格納されている場合には、ＩＤ００１１の連携コマンドＣを破棄するべきことが示される。

　図５Ａおよび図５Ｂのように、複数の連携コマンドＣ、Ｄに対応する連携手順情報が記述された結果、複数の連携コマンドＣ、Ｄが連携制御装置３００のバッファに格納された場合には、連携制御装置３００は、連携コマンドＤに対応するアプリケーション連携の動作を実行し、連携コマンドＣに対応するアプリケーション連携の動作を実行しないように制御できる。
　つまり、搬送ロボットは、ロボット制御システムからの連携コマンドＣに応じたエレベータ１号機のボタン操作を行うが、ユーザの端末からの連携コマンドＤに応じたエレベータ１号機のボタン操作は行わないように制御することができる。

　このように連携コマンドに優先度を設定することによるアプリケーション連携の調整は、上記のような搬送ロボットの制御に限定されるものではなく、他のアプリケーション連携にも適用されてよい。
　優先設定情報の優先度の記述方法については、図５Ａおよび図５Ｂに示すように文字による記述で表現されてもよいし、数値の大小により表現（例えば１００、５０、１０、１、０、－１０などによる表現）されたり、Ａ，Ｂ，Ｃのようにアルファベットの文字により記述されたり、記号等により記述されたりしてもよい。
　このようなアプリケーション連携調整については、上記のように連携制御装置３００が制御を行う以外にも、例えば、連携制御装置１００、２００が制御を行ってもよい。

　［アプリケーション連携の手順（ルール）分割］
　１の連携手順情報に従ったアプリケーション連携を実現する際、連携手順情報が格納する手順指示情報が示す手順（ルール）の内容によっては、１つの手順指示情報で実行するよりは複数の手順指示情報に分割した後手順を実行させたほうが実効性（実現可能性）、制御効率、設備実装の容易性等の面で好ましい場合がある。
　一例として、或る建物ＢＬにおいて人検知システムが導入されている。人検知システムは、例えば、建物設備ＦＣの１種として建物ＢＬの各所に備えられるビーコン（監視カメラ等でもよい）と、ビーコンから送信される信号に基づいて人検出に関する処理を実行する建物単位管理装置ＳＹ２を備えて構成されてよい。

　ここで、人検知システムに対応するアプリケーション連携として、「建物２階第３エリアで人を検知した場合、警備用ＡＩスピーカ（例えば、警備員が監視に用いるスピーカであってよい）に音声による不審者侵入の報知を実行させる」という警備動作を実行させる場合を例に挙げる。このような警備動作の実行にあたっては、例えばセキュリティの確保のために、建物２階第３エリアで人が検知された結果に応じて、まず、建物２階第３エリアにて警報が発せられることが好ましい。
　このようなことを考慮すると、上記の警備動作としてのアプリケーション連携に対応する手順としては、「建物２階第３エリアで人を検知した場合、２階第３エリアの入退出システムにより不審者侵入の警報を発する」という内容の第１手順と、「建物２階第３エリアの入退出システムにより不審者侵入の警報を発した場合、警備用ＡＩスピーカに音声による不審者確認の報知を実行させる」という内容の第２手順とに分けて実行されるように制御してよい。

　図６Ａ、図６Ｂ、および図６Ｃは、上記のようなアプリケーション連携の手順分割に対応して連携制御装置３００が記憶する連携手順情報の一例を示している。
　上記したアプリケーション連携の手順分割に対応する場合には、連携制御装置３００は、図６Ａに示されるメインの連携手順情報と、図６Ｂ、および図６Ｃに示されるサブの連携手順情報とを記憶するようにされる。
　図６Ａに示されるメインの連携手順情報では、対応コマンド情報として、ＩＤ００２１の連携コマンドＩＤが格納されている。図６Ａに示されるメインの連携手順情報手順指示情報は、「人検知システム」が「２階第３エリアにて人を検知」した場合、「デバイスＩＤ＝ＸＸＸＸのＳＩスピーカ」が「音声による不審者侵入報知を行う」という、アプリケーション連携全体の流れを示す。

　そのうえで、図６Ａに示されるメインの連携手順情報には、関連サブコマンドＩＤの領域が含まれる。関連サブコマンドＩＤの領域は、図６Ａに示されるメインの連携手順情報に対応するサブの連携手順情報に対応付けられた連携コマンドＩＤを格納する。図６Ａでは、連携コマンドＩＤとして、ＩＤ００２２とＩＤ００２３が格納されている。
　図６Ｂに示されるサブの連携手順情報においては、対応コマンド情報としてＩＤ００２２が格納され、図６Ｃに示されるサブの連携手順情報においては、対応コマンド情報としてＩＤ００２３が格納される。このような処理によって、メインの連携手順情報の関連サブコマンドＩＤに格納される連携コマンドＩＤと、サブの連携手順情報の対応コマンド情報に格納される連携コマンドＩＤとにより、メインの連携手順情報とサブの連携手順情報とが対応付けられる。

　図６Ｂに示されるサブの連携手順情報の手順指示情報によっては、「人検知システム」が「２階第３エリアにて人を検知」したのであれば、「２階第３エリアの入退出設備」が「不審者侵入報知」を行う、という内容のアプリケーション連携の動作が示される。
　図６Ｃに示されるサブの連携手順情報の手順指示情報によっては、「２階第３エリアの入退出設備」が「不審者侵入報知」を行ったのであれば、「デバイスＩＤ＝ＸＸＸＸのＳＩスピーカ」が「音声による不審者侵入報知」を行う、という内容のアプリケーション連携の動作が示される。

　連携制御装置３００は、ＩＤ００２１の連携コマンドＩＤを有する連携コマンドを受信すると、まず、ＩＤ００２１を対応コマンド情報として格納する図６Ａの連携手順情報にアクセスする。この場合、連携制御装置３００は、参照した図６Ａの連携手順情報に関連サブコマンドＩＤとして、ＩＤ００２２、ＩＤ００２３が格納されていることを認識する。そこで、連携制御装置３００は、対応コマンド情報としてＩＤ００２２、ＩＤ００２３の連携コマンドＩＤを格納している図６Ｂ、図６Ｃの連携手順情報にアクセスする。
　この場合、連携制御装置３００は、図６Ａの連携手順情報の手順指示情報における指示主体と条件動作とが同じ図６Ｂの連携手順情報にまずアクセスする。連携制御装置３００は、図６Ｂの連携手順情報における手順指示情報に従って、建物２階第３エリアの入退出設備により不審者侵入報知が実行されるように制御する。図６Ｂの連携手順情報における手順指示情報に従った制御によって、図６Ｃの連携手順情報の手順指示情報に従って、対応の指示主体が条件動作により示される動作を行う。これに応じて、連携制御装置３００は、図６Ｃの連携手順情報における手順指示情報の実行主体と実行内容に対応する制御を実行する。
　この制御によって、人検知システムが建物２階第３エリアにて人を検知したことに応じて、建物２階第３エリアの入退出設備により不審者侵入報知が行われ、さらに警備用のＡＩスピーカにて音声による不審者侵入報知が行われるというアプリケーション連携の動作が実行される。
　上記の例では、図６Ｂおよび図６Ｃに示されるサブの連携手順情報の手順指示情報に従ってアプリケーション連携の動作を実行させることで、結果的に、図６Ａに示されるメインの連携手順情報に従ったアプリケーション連携の動作が得られることになる。図６Ｂおよび図６Ｃに示されるサブの連携手順情報の手順指示情報に従ってアプリケーション連携の動作を実行させた場合には、２階第３エリアでの入退出設備による不審者侵入報知が追加される。この場合、連携制御装置３００は、例えば予めの設定や状況判断等に基づいて、関連サブコマンドＩＤに従った制御の実行の可否を決定してよい。つまり、連携制御装置３００は、図６Ａに示されるメインの連携手順情報に従った制御として、図６Ａの手順指示情報に従ったアプリケーション連携の制御と、図６Ｂおよび図Ｃの２つの手順指示情報に従ったアプリケーション連携の制御とで切り替え可能とされてよい。これにより、例えば、建物ＢＬにおける運用や各種の状況に応じて、１つのメインのアプリケーション連携の動作にバリエーションを与え、アプリケーション連携の自由度を高めることができる。

　［マップ処理の共通化について］
　例えば、１の建物ＢＬにおいて、人や物の位置を示す位置情報を取得し、取得された位置情報を所定の用途に利用するようにしてアプリケーション連携を行う位置情報処理システムを構築することができる。この場合において、複数の位置情報処理システムが同じ１の建物ＢＬに備えられ、複数の位置情報処理システムがそれぞれ異なる手法により位置情報を取得してもよく、位置情報を利用する用途が異なっていてもよい。

　複数の位置情報処理システムのそれぞれでは、取得した位置情報に関する情報出力として、例えば建物ＢＬについてのマップ（各階の平面図等）上に、取得した位置情報により示される座標をプロットして表示することが要求される。
　この場合、複数の位置情報処理システムに対応するマップの情報は、同じ建物ＢＬについての情報である。この事情を考慮すると、建物ＢＬのマップに位置情報の座標を反映させるマップ処理に関して、複数の位置情報処理システムのそれぞれが個別にマップ情報を用意してマップ処理を実行するのではなく、処理が共通化されることが好ましい。つまり、複数の位置情報処理システムのそれぞれに対して共通のマップ情報を利用し、一元的にマップ処理が行われることが好ましい。
　そこで、以下に、複数の位置情報処理システムを備える建物ＢＬにおいてマップ処理を共通化する構成について説明する。

　図７は、１の建物ＢＬにおけるマップ処理の共通化に対応する建物単位管理システム２１の構成例を示している。図７に示す建物単位管理システム２１は、複数の位置情報処理システム４００（４００－１～４００－Ｎ）と共通マップサーバ５００とが連携制御装置３００と接続された構成を有する。
　位置情報処理システム４００は、建物ＢＬに備えられる建物設備ＦＣと一般デバイスＤＶとの少なくともいずれか一方を含んで構成されてよい。共通マップサーバ５００は、建物設備ＦＣの１つとして備えられる。共通マップサーバ５００は一般デバイスとして備えられてもよい。

　位置情報処理システム４００は、それぞれ所定の手法により位置情報を取得し、取得した位置情報を所定の用途に利用するアプリケーションを実現する複数のシステムである。複数の位置情報処理システム４００は、それぞれ、位置情報の取得手法や位置情報の用途等に応じたアプリケーションが異なる。
　或る位置情報処理システム４００は、例えばユーザが所持するビーコン対応通信装置と建物ＢＬの各所に設けられたビーコンとの通信に基づいてユーザの位置情報を取得することができる。或る位置情報処理システム４００は、ユーザが所持するスマートフォン等の端末から送信される位置情報を受信することにより、ユーザの位置情報を取得することができる。
　或る位置情報処理システム４００は、建物ＢＬ内の各所に無線ＬＡＮアクセスポイントを設け、ユーザの端末（例えばスマートフォン等）が接続した無線ＬＡＮアクセスポイントの位置に基づいてユーザの位置情報を取得することができる。
　或る位置情報処理システム４００は、建物ＢＬ内の各所にカメラを設け、カメラにより撮像して得られた撮像画像を解析することにより、ユーザの位置情報を取得することができる。
　或る位置情報処理システム４００は、建物ＢＬ内の各所にＲＦＩＤ（Radio Frequency IDentifier）タグに対応するタグリーダを設け、ユーザが所持するＲＦＩＤタグが接続したタグリーダの位置に基づいてユーザの位置情報を取得することができる。
　位置情報処理システム４００は、上記の位置情報取得の手法のそれぞれによって、人を対象とするだけでなく、建物ＢＬ内の物体を対象として位置情報を取得するようにされてよい。

　複数の位置情報処理システム４００は、例えばそれぞれ異なる用途に対応するシステムであってもよい。例えば、或る１の位置情報処理システム４００は、不法侵入者に対する警備のために、建物ＢＬにおける人の位置情報を取得するシステムであってもよい。
　或る１の位置情報処理システム４００は、建物ＢＬにて滞在するユーザへの所定のサービスの提供のために、建物ＢＬにおける人の位置情報を取得するシステムであってもよい。
　或る１の位置情報処理システム４００は、建物ＢＬにおいて稼働する移動体を管理するために、建物ＢＬにおける所定の対象物の位置情報を取得するようにされてよい。移動体としては、例えば人が運搬することに伴って移動するものであってもよいし、例えばロボットのように自律して移動するシステムであってもよい。
　１の位置情報処理システム４００が対応する、位置情報の取得手法、位置情報の用途、利用目的、アプリケーション等は、上記の例に限定されず、他の態様であってよい。

　位置情報処理システム４００は、位置情報が示す座標をプロットした建物ＢＬのマップの情報（位置付与マップ情報）を必要とする場合には、それぞれの位置情報処理システム４００（４００－１～４００－Ｎ）が個別にマップ処理機能を保有するのではなく、連携コマンドとしてマップ処理要求を連携制御装置３００に送信する。マップ処理要求には、位置情報処理システム４００が、例えば現時点で取得している位置情報が含まれる。

　共通マップサーバ５００は、位置情報処理システム４００から送信されたマップ処理要求に応答して、マップ処理を実行する。つまり、共通マップサーバ５００は、受信したマップ処理要求に含まれる位置情報が示す座標をマップ上にプロットした位置付与マップ情報を生成する。
　共通マップサーバ５００は、１の位置情報処理システム４００により取得された位置情報の座標のみをプロットした位置付与マップ情報を生成することができる。共通マップサーバ５００は、例えばアプリケーション等に応じて予め指定された２以上の所定の位置情報処理システム４００により取得された位置情報の座標を統合してプロットした位置付与マップ情報を生成することもできる。

　共通マップサーバ５００が、１の位置付与マップ情報において、いずれの位置情報処理システム４００が取得した位置情報をプロットさせるべきかの判断は、例えば１の位置情報処理システム４００から送信されたマップ処理要求の指示内容や、１の位置情報処理システム４００他の位置情報処理システム４００の連携関係の予めの設定等に基づいて処理されてもよい。従って、共通マップサーバ５００が生成する位置付与マップ情報は、１の位置情報処理システム４００のみに対応する位置情報がプロットされた情報もあれば、所定の複数の位置情報処理システム４００に対応する位置情報がプロットされた情報もあってよい。
　共通マップサーバ５００は、生成した位置付与マップ情報を、以下のように出力することができる。共通マップサーバ５００は、例えば、対応の位置情報処理システム４００に位置付与マップ情報を送信し、位置情報処理システム４００と接続された表示装置（例えばモニタ、サイネージ、デジタルサイネージ等）にて位置付与マップ情報を表示させてよい。表示装置にて表示される位置付与マップ情報は、例えば平面図上あるいは三次元空間にて位置情報に対応するマークやアイコン等が配置された態様であってよい。
　共通マップサーバ５００は、自己と接続される表示装置にて、所定の位置付与マップ情報を表示させてもよい。共通マップサーバ５００は、所定の連携制御装置３００、あるいは連携制御装置３００の配下の表示装置にて、所定の位置付与マップ情報を表示させてもよい。
　共通マップサーバ５００は、生成した位置付与マップ情報を、例えば連携制御装置３００を経由して、他の建物ＢＬにおける建物単位管理システム２１に提供することも可能である。

　位置情報処理システム４００は、例えば位置情報が新たに取得されるごとに、あるいは一定時間ごとに、あるいは位置情報の新規取得数や取得不可となった数が所定条件を満たすごとに、あるいは位置情報の新規取得数が一定値に到達するごとに、マップ処理要求を送信してよい。共通マップサーバ５００は、マップ処理要求が受信されるごとに対応の位置付与マップ情報を生成し、例えば上記と同様に、所定の表示装置にて表示されるように位置付与マップ情報を出力、送信してよい。この場合、位置情報処理システム４００は、位置付与マップ情報を逐次更新するようにして表示可能となる。
　位置情報処理システム４００に接続される表示装置にて表示される位置付与マップ情報の態様としては、一例として、後述する図９Ａに示される位置付与マップ情報に基づく場合には、図９Ａに示される建物ＢＬを、三次元、立面、平面等によるマップが適宜表示可能なようにされてよい。建物ＢＬにおいて設定される後述の特定エリア等が、上記の各マップ上に反映されるようにして表示されてよい。

　図８は、共通マップサーバ５００の構成例を示している。図８の共通マップサーバ５００は、通信部５０１、制御部５０２、及び記憶部５０３を備える。

　通信部５０１は、ネットワーク経由で連携制御装置３００や、位置情報処理システム４００等と通信する。通信部５０１は、建物ＢＬにおける位置情報処理システム４００以外の建物設備ＦＣや建物単位管理装置ＳＹ２等とも通信可能であってもよい。

　制御部５０２は、共通マップサーバ５００における各種の制御を実行する。制御部５０２としての機能は、共通マップサーバ５００に備えられるＣＰＵがプログラムを実行することによって実現される。制御部５０２は、マップ処理部５２１、マップ情報出力部５２２、及びエリア制御部５２３を備える。

　マップ処理部５２１は、位置情報処理システム４００から送信されたマップ処理要求に応答して、マップ処理を実行する。つまり、マップ処理部５２１は、記憶部５０３のマップ情報記憶部５３１が記憶するマップ情報により示される建物ＢＬのマップに対して、マップ処理要求に含まれていた位置情報の座標をプロットする。マップ情報により示される建物ＢＬのマップは、例えば建物ＢＬの各階に対応する二次元あるいは三次元の空間を有する。

　マップ情報出力部５２２は、マップ処理部５２１のマップ処理により生成された位置付与マップ情報を、マップ処理要求の送信元の位置情報処理システム４００に送信する。

　エリア制御部５２３は、エリア制御情報記憶部５３２が記憶するエリア制御情報に基づいて連携コマンドを発行することにより、マップ処理に関連したアプリケーション連携を実行させることができる。エリア制御部５２３の制御に関連するエリアについては後述する。

　記憶部５０３は、共通マップサーバ５００に関連する各種情報を記憶する。記憶部５０３は、マップ情報記憶部５３１とエリア制御情報記憶部５３２とを備える。
　マップ情報記憶部５３１は、建物ＢＬのマップ情報を記憶する。建物ＢＬのマップ情報は、建物ＢＬを平面図化したような二次元データであってもよいし、建物ＢＬの構造を三次元化して表した三次元データであってもよい。

　二次元データとしてのマップ情報としては、建物ＢＬが複数階を有する構造である場合には、各階の二次元データを用意する。表示に際しては各階の二次元データを、同一画面上に配置したり、階別にページ送りで切り替え可能な情報を含んでいてもよい。
　二次元データとしてのマップ情報は、例えばＪＰＥＧ形式等をはじめとする所定の形式の画像データに座標を対応付けた情報であってよい。あるいは、二次元データとしてのマップ情報は、二次元ＣＡＤデータ等に基づいて生成された情報であってもよい。あるいは、二次元データとしてのマップ情報は、ＢＩＭ（Building Information Modeling）により生成されたモデルを二次元化したデータであってもよい。

　三次元データとしてのマップ情報は、例えば所定の三次元モデルに基づいて作成された情報であってよい。三次元モデルとしては、例えば三次元ＣＡＤにより作成されたモデルや、ＢＩＭにより作成されたモデルであってよい。

　マップ情報については、例えば二次元データであれば所定形式の画像データを用いたり、三次元データであれば、簡易なモデリング手法によって生成された三次元モデルを用いることで、共通マップサーバ５００におけるマップ処理の負荷や、位置情報処理システム４００、共通マップサーバ５００、連携制御装置等と接続される表示装置（モニタ、サイネージ、デジタルサイネージ等）における位置付与マップ情報の表示の処理負荷等を軽減できる。

　エリア制御情報記憶部５３２は、エリア制御情報を記憶する。エリア制御情報は、マップにおいて定められた所定のエリア（特定エリア）について所定条件が満たされ場合に、所定のアプリケーション連携が実行されるように制御する情報である。
　特定エリアの活用例として、ここでは、図９Ａに示されるように、建物ＢＬの２階の特定の一部分を特定エリアＡＲとして定義する。特定エリアＡＲ内に人が入った場合に、特定エリアＡＲの照明装置を点灯させる、といった制御を行う例が考えられる。このような例を挙げてエリア制御情報を説明する。
　このような例では、エリア制御情報によっては、「位置情報処理システム４００－１から送信された位置情報に基づいて特定エリアＡＲに対して人の座標ＣＤをプロットした場合、特定エリアに設置された照明装置を点灯させる」といったアプリケーション連携を実行させることができる。

　１つのアプリケーション連携の実行に対応するエリア制御情報は、図９Ｂに示されるように、例えばエリア指定情報、連携コマンドを含んで構成してもよい。
　エリア指定情報は、マップ情報において特定エリアがどの範囲であるのかを示す情報である。上記例の対応では、図９Ａに示される建物ＢＬの２階における特定エリアＡＲの座標範囲を示す。
　このようにエリア指定情報により特定エリアを指定することで、図４Ａから図６Ｃに記述した連携手順情報の条件動作として「特定エリアＡＲに対して人の座標ＣＤがプロットされた（人が特定エリアに入った）」といった記述が可能となる。
　連携コマンドは、特定エリアの情報を条件動作の記述に利用している連携手順情報を指定するコマンドとして利用されてよい。連携コマンドは、例えば対応の連携手順情報に対応する連携コマンドＩＤを示すコマンドであってよい。連携コマンドに代えて、対応の連携手順情報を指定する情報がエリア制御情報に含まれてもよい。

　共通マップサーバ５００のエリア制御部５２３は、マップ処理を実行すると、エリア制御情報記憶部５３２が記憶するエリア制御情報のうち、条件情報が示す条件が満たされた情報の有無を判定する。条件を満たすエリア制御情報が有る場合、エリア制御部５２３は、エリア制御情報に含まれる連携コマンドを連携制御装置３００に送信する。連携制御装置３００の連携制御部３２１は、受信された連携コマンドに対応する連携手順情報を参照し、参照した連携手順情報において示される手順が実行されるように制御する。上記例の場合であれば、連携制御部３２１は、建物設備ＦＣとして特定エリアＡに設置された照明装置が点灯するように制御する。

　エリア制御情報は、例えばマップの特定エリアにプロットされていた人の座標が、プロットされた人の移動によって特定エリアにてプロットされない状態となったような変化に対応して、所定のアプリケーション連携が行われるように連携コマンドを発行させる内容を有する情報を含んでもよい。

　図７の構成は、建物単位管理システム２１において位置情報処理システム４００及び共通マップサーバ５００と連携制御装置３００とが組み合わされた例について挙げているが、これに限定されるものではない。例えば、建物統合管理システム１１において、連携制御装置１００、位置情報処理システム４００、共通マップサーバ５００が組み合われた構成であってもよい。一般ＩｏＴ制御システム１２において、連携制御装置２００、位置情報処理システム４００、共通マップサーバ５００が組み合われた構成であってもよい。

　図８では、１の建物ＢＬに対応する建物単位管理システム２１において位置情報処理システム４００と共通マップサーバ５００とが備えられた例を挙げた。この場合、共通マップサーバ５００によるマップ処理は１の建物ＢＬで完結する。
　しかし、本実施形態のマップ処理は、複数の建物ＢＬに対応する処理であってもよい。
　例えば、マップ処理は、複数の建物ＢＬごとに所定の（１もしくは複数の）位置情報処理システム４００によって取得された位置情報の座標を、１のマップ情報に統合してプロットした位置付与マップ情報が生成されるように処理してよい。この場合、位置付与マップ情報は、例えば建物統合管理システム１１における連携制御装置１００が実行するように生成されてよい。
　マップ処理は、複数の建物ＢＬを含む街のマップ上に、各建物ＢＬや街路等に設けられた（１もしくは複数の）位置情報処理システム４００によって取得された位置情報の座標を、マップ情報にプロットした位置付与マップ情報を生成してもよい。この場合にも、位置付与マップ情報の生成は、例えば建物統合管理システム１１における連携制御装置１００が実行してよい。

　本実施形態の連携システムにおいて、建物管理システムと一般ＩｏＴ環境２２との間のデバイスでアプリケーション連携のための制御を実行する連携制御装置としては、連携制御装置１００、２００、３００のうち、連携制御装置１００のみであってもよい。この場合、連携制御装置３００は、自己が含まれる建物単位管理システム２１におけるアプリケーション連携に限定して制御を行うように設定されてよい。あるいは、この場合には、連携制御装置３００は備えられなくともよい。この場合の連携制御装置２００は、一般デバイスＤＶ、ネットワークサービスＩＳ等の接続を管理する機能に限定されてよい。

　上述の連携制御装置１００、２００、３００等としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の連携制御装置１００、２００、３００等としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、ＯＳや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。「コンピュータシステム」は、通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。記録媒体には、プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。

　以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。

　建物管理者が建物の管理に利用する建物管理システムと一般ユーザに提供される一般ＩｏＴ環境との連携が図られる。

１０　クラウド環境、１１　建物統合管理システム、１２　一般ＩｏＴ制御システム、２０　建物環境、２１　建物単位管理システム、２２　一般ＩｏＴ環境、１００　連携制御装置、１０１　通信部、１０２　制御部、１０３　記憶部、１２１　連携制御部、１３１　連携手順情報、２００　連携制御装置、２０１　通信部、２０２　制御部、２０３　記憶部、２２１　連携制御部、２３１　連携手順情報、３００　連携制御装置、３０１　通信部、３０２　制御部、３０３　記憶部、３２１　連携制御部、３３１　連携手順情報、４００　位置情報処理システム、５００　共通マップサーバ

Claims

　建物管理者が管理対象とする建物の設備を管理する建物管理システムにおいて備えられる設備対応デバイスと、前記建物においてネットワークと接続されて所定のアプリケーションに応じた機能を実行する一般デバイスとの間での所定の機能の連携が実現されるように制御する連携制御装置を備える連携システム。
　前記連携制御装置は、
　所定の機能の連携を実現するための手順を示す連携手順情報を記憶する記憶部と、
　前記記憶部に記憶された前記連携手順情報に基づいて、前記所定の機能の連携が実現されるように制御する連携制御部と、を備える
　請求項１に記載の連携システム。
　前記連携制御装置は、前記建物管理システムにおいて複数の前記建物の設備を統合して管理する建物統合管理システムに備えられる
　請求項１または請求項２に記載の連携システム。
　前記建物管理システムにおいて建物単位で設備を管理する建物単位管理システムと、
　前記建物単位管理システムに備えられるデバイス間での所定の機能の連携が実現されるように制御する補助連携制御装置と、をさらに備える
　請求項１から請求項３のいずれか一項に記載の連携システム。
　前記連携制御装置は、競合する関係にある複数の機能の実行を命令された場合に、前記複数の機能のうちの所定の機能を、他の機能に対して優先して実行させる
　請求項１から請求項４のいずれか一項に記載の連携システム。
　前記連携制御装置は、前記競合する関係にある複数の機能のうち、命令に応じて１の機能の実行を開始させたタイミングから一定期間において、他の機能の実行の命令の受け付けを停止する
　請求項５に記載の連携システム。
　前記連携制御装置は、前記競合する関係にある複数の機能ごとの実行の命令を所定の時間内に受け付けた場合、前記複数の機能のうちの所定の機能を実行させ、前記所定の機能以外の機能については実行させない制御を行う
　請求項５に記載の連携システム。
　前記連携制御装置は、前記競合する関係にある複数の機能ごとの実行の命令を所定の時間内に受け付けた場合、前記複数の機能のうちの所定の機能を実行させた後において、前記所定の機能以外の機能を実行させる制御を行う
　請求項５に記載の連携システム。
　前記設備対応デバイスと前記一般デバイスの少なくとも一方を含み、前記建物に対応する所定の対象の位置を示す位置情報を取得する複数の位置情報処理システムと、
　前記設備対応デバイスまたは前記一般デバイスとして備えられ、前記複数の位置情報処理システムに対して共通となるマップ情報を有し、前記マップ情報に対して、前記位置情報処理システムにより取得された前記位置情報が示す座標をプロットした位置付与マップ情報を生成するマップ処理部とを備える
　請求項１から請求項８のいずれか一項に記載の連携システム。
　連携システムにおいて備えられる連携制御装置が、
　建物管理者が管理対象とする建物の設備を管理する建物管理システムにおいて備えられるデバイスと、前記建物においてネットワークと接続されて所定のアプリケーションに応じた機能を実行する一般デバイスとの間での所定の機能の連携が実現されるように制御する
　連携制御方法。