WO2020235168A1

WO2020235168A1 - 口腔用器具のカバー

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Publication number: WO2020235168A1
Application number: PCT/JP2020/007908
Authority: WO
Inventors: 亨志牟田
Original assignee: 株式会社村田製作所
Priority date: 2019-05-20
Filing date: 2020-02-27
Publication date: 2020-11-26
Also published as: JPWO2020235168A1; CN113853154A; US20220039899A1; JP7067671B2; CN113853154B

Abstract

口腔用器具の一部を覆うためのカバー（２０）において、カバー部材（４０）は、対向配置された測定面側シート（４１）と上側シート（４２）が部分的に接着されることにより開口を有する袋状になっている。カバー部材（４０）の測定面側シート（４１）には、保護シート（３０）が接着されている。保護シート（３０）は、カバー部材（４０）の厚み方向から視たときに、カバー部材（４０）の開口縁（４３）から突出している。そして、保護シート（３０）とカバー部材（４０）とが接着された接着部（３１）は、カバー部材（４０）の開口縁（４３）に沿って配置されている。

Description

口腔用器具のカバー

　本開示は、口腔内に差し込んで使用する口腔用器具のカバーに関する。

　特許文献１に記載のような口腔内に差し込んで使用する口腔用器具は、全体として棒状になっている。この種の口腔用器具を使用する際には、口腔用器具における差し込まれる部分が口腔に直接触れないように、カバー部材で覆われる。

　特許文献１に記載のカバー部材は、対向配置された一対の長方形状のシートのうち、３辺が接着されて、開口を有する袋状となっている。このカバー部材の一方のシートに保護シートが接着されている。特許文献１に記載のような口腔用器具を使用する前には、口腔用器具をカバー部材の開口に差し込むことで、カバー部材を口腔用器具に取り付ける。そして、カバー部材を保護シートから剥がすことにより、保護シートを取り外す。

国際公開第２００４／０２８３５９号

　特許文献１に記載のカバーに対して口腔用器具を差し込む際には、口腔用器具を保護シートに押し当てながらカバー部材の開口に差し込むことが考えられる。このような差し込み方をした場合、口腔用器具の先端がカバー部材と保護シートとの間に差し込まれてしまい、口腔用器具にカバーを取り付けることができない虞がある。

　上記課題を解決するため、本開示の一態様は、口腔内に差し込んで使用する口腔用器具の少なくとも一部を覆うためのカバーであって、対向配置された一対のシートが部分的に接着されることにより開口を有する袋状になっているカバー部材と、前記カバー部材を構成する一対のシートのうちのいずれか一方のシートに接着される保護シートと、を備えており、前記保護シートは、前記カバー部材の厚み方向から視たときに、前記カバー部材の開口縁から突出しており、前記保護シートと前記カバー部材とが接着された接着部は、前記カバー部材の開口縁に沿って配置されている。

　上記構成によれば、カバー部材の開口縁に沿って配置された接着部の存在により、口腔用器具をカバー部材の開口に差し込む際に、口腔用器具の先端を保護シートに押し当てながら差し込んでも、カバー部材と保護シートとの間に口腔用器具が差し込まれることを抑制できる。その結果、口腔用器具をカバー部材の開口に差し込みやすくなる。

　本開示の一態様によれば、口腔用器具をカバー部材の開口に差し込みやすくなる。

口腔用器具にカバーを取り付けた状態の斜視図。測定部及びカバーの一部拡大図。カバーの上面図。カバーの側面図。

　以下、口腔内に差し込んで使用する口腔用器具のカバーの一実施形態について、図面を参照して説明する。先ず、口腔用器具１０について説明する。

　図１に示すように、口腔用器具１０は、口腔内の水分量を測定する水分量測定器具である。口腔用器具１０は、全体として棒状となっている。口腔用器具１０において、長手方向の一方側の略半分は、使用者によって掴まれる掴み部１１になっている。掴み部１１は、略直方体状となっている。掴み部１１の長手方向に沿う４つの面のうちの１つである上側面からは、円柱状の突起部１２が突出している。なお、以下の説明では、突起部１２の突出方向を上下方向とし、突起部１２の突出方向の先端側を上側、その反対側を下側として説明する。

　掴み部１１の長手方向他方側の端面からは、全体として長手方向に沿って延伸部１３が延びている。延伸部１３は、扁平な角柱状となっている。また、延伸部１３は、掴み部１１よりも細くなっている。延伸部１３は、当該延伸部１３の先端側ほど下側に位置するように、掴み部１１の長手方向に対して傾いて延びている。延伸部１３の先端には、測定部１４が接続されている。測定部１４は、掴み部１１の長手方向に延びる扁平な長方形状となっている。

　図２に示すように、測定部１４の下面には、センサ１５が取り付けられている。センサ１５は、本実施形態では静電容量式センサである。センサ１５には、一対の電極１６が備わっている。一対の電極１６は、櫛歯状に配置されている。一対の電極１６は、コンデンサの電極として機能する。つまり、センサ１５と対向する測定対象及びその表面の液体は、一対の電極１６に対する誘電体として機能する。そして、一対の電極１６の容量値は、測定対象及びその表面の水分量に応じた値となる。

　口腔用器具１０には、図示は省略するが、発振回路及び制御回路等の構成部材が搭載された回路基板が内蔵されている。発振回路は、センサの容量値に応じた周波数の信号を出力する。制御回路は、発振回路の出力信号のパルス数により、測定対象の水分量を検出する。そして、制御装置は、検出した水分量を図示しないディスプレイに表示する。

　次に、上記口腔用器具１０に適用されるカバー２０について説明する。なお、このカバー２０は、口腔用器具１０の延伸部１３及び測定部１４を覆うためのカバーである。

　図３に示すように、口腔用器具１０のカバー２０は、保護シート３０と、保護シート３０に接着されているカバー部材４０と、カバー部材４０に接着されている支持部材５０とで構成されている。保護シート３０は、厚み方向から視たときに長方形状になっている。保護シート３０の材質はＰＥＴ（ポリエチレンテレフタラート）である。

　図４に示すように、保護シート３０の一方の面には、カバー部材４０が接着されている。カバー部材４０は、略長方形状の測定面側シート４１と、その測定面側シート４１と同じ形状であって同じ大きさの上側シート４２と、で構成されている。測定面側シート４１と上側シート４２とは、互いに対向配置された状態で重ね合わされている。また、図３に示すように、これら測定面側シート４１と上側シート４２とは、線状の閉じ合わせ部４４によって、互いが接着されている。閉じ合わせ部４４は、測定面側シート４１の厚み方向から視て、一方の短辺と両側の長辺との３つの辺に沿って延びている。その結果として、測定面側シート４１と上側シート４２との各辺のうち、他方の短辺が接着されてなく開口している。そして、測定面側シート４１と上側シート４２とで構成されるカバー部材４０は、開口を有する袋状になっている。この実施形態では、また、測定面側シート４１及び上側シート４２の材質は、ＰＥＴである。なお、図３に示すように、カバー部材４０の開口縁４３に沿う方向、すなわちカバー部材４０の短辺方向を幅方向とする。また、カバー部材４０の長辺方向を差し込み方向とする。

　図４に示すように、測定面側シート４１及び上側シート４２の厚さは、保護シート３０の厚さよりも小さくなっている。さらに、測定面側シート４１の厚さは、上側シート４２の厚さよりも小さくなっている。本実施形態においては、保護シート３０の厚さは７５マイクロメートルと、測定面側シート４１の厚さは１２マイクロメートルと、上側シート４２の厚さは２５マイクロメートルとなっている。

　図３に示すように、カバー部材４０の差し込み方向の寸法は、保護シート３０の差し込み方向の寸法の６割程度になっている。また、カバー部材４０の幅方向の寸法は、保護シート３０の幅方向の寸法よりも僅かに小さくなっている。すなわち、測定面側シート４１の厚み方向から視たときに、カバー部材４０の大きさは、保護シート３０の外形よりも小さくなっている。

　カバー部材４０は、保護シート３０の範囲内に収まるように配置されている。換言すれば、カバー部材４０は、保護シート３０からはみ出さないように配置されている。この実施形態では、カバー部材４０の厚み方向から視たときに、カバー部材４０は、保護シート３０の差し込み方向一方側に寄せた位置に配置されている。したがって、保護シート３０は、カバー部材４０の厚み方向から視たときに、カバー部材４０の開口縁４３から差し込み方向他方側に突出している。

　カバー部材４０の上側シート４２には、シート状の支持部材５０が取り付けられている。具体的には、支持部材５０の一方側の面が、上側シート４２の厚み方向において測定面側シート４１と接着している側とは反対側の面に接着されている。また、支持部材５０と測定面側シート４１とが対向している部分はすべて接着されている。

　図４に示すように、支持部材５０の厚さは、測定面側シート４１及び上側シート４２の厚さよりも大きくなっている。本実施形態においては、支持部材５０の厚さは、７５マイクロメートルとなっている。また、支持部材５０の材質は、カバー部材４０と同じＰＥＴである。

　図３に示すように、支持部材５０の外形は、カバー部材４０の厚み方向から視たときに、略台形状になっている。具体的には、支持部材５０の差し込み方向他方側から支持部材５０の差し込み方向一方側に向かって支持部材５０の幅寸法が徐々に大きくなっている。そして、図２に示すように、支持部材５０における最大の幅寸法は、上述した口腔用器具１０における測定部１４の幅寸法よりも大きくなっている。この実施形態では、支持部材５０における差し込み方向の略中央の箇所で、支持部材５０の幅寸法が口腔用器具１０における測定部１４の幅寸法と同じになっている。したがって、図２におけるドットで示すように、支持部材５０における中央よりも差し込み方向一方側の部分が、口腔用器具１０の測定部１４の幅寸法よりも大きい広幅部５１になっている。

　また、図３に示すように、支持部材５０の最大の幅寸法は、カバー部材４０及び保護シート３０の幅寸法よりも小さくなっている。その結果、支持部材５０のうち、カバー部材４０の開口縁４３から突出している部分は、保護シート３０のうちのカバー部材４０の開口縁４３から突出している部分よりも、幅方向における長さが小さくなっている。なお、支持部材５０の各角は円弧状に面取りされている。

　支持部材５０の差し込み方向の寸法は、カバー部材４０における差し込み方向の寸法よりも大きくなっている。そして、支持部材５０の差し込み方向における一端は、カバー部材４０の差し込み方向における一方側の短辺近傍に位置している。したがって、支持部材５０は、カバー部材４０の厚み方向から視たときに、カバー部材４０の開口縁４３から突出している。

　支持部材５０の差し込み方向において、カバー部材４０の開口縁４３よりも他方側には、円状の貫通孔５２が貫通している。したがって、支持部材５０の差し込み方向において、貫通孔５２が配置されている範囲は、支持部材５０における他の部分と比べて曲げ剛性の小さい撓み部５３となっている。

　ここで、保護シート３０とカバー部材４０との接着箇所について説明する。

　保護シート３０とカバー部材４０の測定面側シート４１との間には、図示しない接着層が介在されている。この接着層により保護シート３０とカバー部材４０の測定面側シート４１とが接着されて接着部３１になっている。なお、図３においては、接着部３１をドットで図示している。

　保護シート３０上には、接着層が設けられていない領域が存在する。この接着層が設けられていない領域は、粘着力が略ゼロである。したがって、保護シート３０における接着層が設けられていない領域は、接着部３１より粘着力の小さい非接着部３２である。本実施形態では、接着部３１の２５ミリメートルあたりの粘着力は、材質がＰＥＴの被接着対象に対して０．１ニュートン未満となっている。

　接着部３１は、カバー部材４０の厚み方向から視て、略長方形状となっている。接着部３１の差し込み方向における他方側の縁の位置は、カバー部材４０の開口縁４３と一致している。すなわち、接着部３１は、カバー部材４０の開口縁４３に沿って配置されている。接着部３１の差し込み方向における一方側の縁は、カバー部材４０の差し込み方向における一方側の端よりも開口縁４３側に位置している。また、接着部３１の幅方向における両側の縁は、カバー部材４０の幅方向における両側の縁よりもカバー部材４０の幅中央側に位置している。

　保護シート３０のカバー部材４０側の面のうち、上述した接着部３１が配置されていない部分は、非接着部３２になっている。具体的には、保護シート３０のカバー部材４０側の面のうち、保護シート３０の厚み方向から視て、カバー部材４０の外縁よりも外側に位置する部分は、すべて非接着部３２となっている。すなわち、保護シート３０のカバー部材４０側の面のうち、カバー部材４０の開口縁４３から突出している部分は、非接着部３２となっている。また、保護シート３０のカバー部材４０側の面のうち、４つの各辺に沿った外縁部は非接着部３２となっている。

　さらに、非接着部３２のうち、幅方向において接着部３１の両側に配置されている非接着部３２の幅方向におけるカバー部材４０の中央側の縁は、カバー部材４０の幅方向における縁よりもカバー部材４０の中央側に位置している。すなわち、カバー部材４０の幅方向両側の縁部は、保護シート３０に接着されていない。本実施形態においては、非接着部３２の幅方向におけるカバー部材４０の中央側の縁は、閉じ合わせ部４４のうちカバー部材４０の長辺側に位置する部分と同じ位置となっている。

　次に、本実施形態の作用について説明する。

　先ず、カバー２０を、保護シート３０が下側に位置するように机や手のひら等の上に載置する。その状態で、支持部材５０における差し込み方向他方側の端部を掴んで、当該支持部材５０を保護シート３０から引き離す。すると、上側シート４２が支持部材５０と共に測定面側シート４１から引き離されて、カバー部材４０の開口が大きく開く。

　次に、口腔用器具１０のセンサ１５を下側に向け、保護シート３０におけるカバー部材４０の開口縁４３から突出している部分に滑らせつつ、カバー部材４０の内部に差し込む。そして、口腔用器具１０の先端がカバー部材４０の差し込み方向一方側の短辺に位置するまで、当該口腔用器具１０をカバー部材４０内に差し込む。このように口腔用器具１０を差し込んでいく際には、カバー部材４０の内部空間の形状が口腔用器具１０の形状に応じた柱形状になる。そのため、カバー部材４０における測定面側シート４１の幅方向両側の一部が、保護シート３０から浮いたような状態となる。

　口腔用器具１０をカバー部材４０内に差し込んだら、図１に示すように、支持部材５０の貫通孔５２内に、口腔用器具１０の突起部１２を引っ掛ける。これにより、カバー部材４０が口腔用器具１０の先端側へ移動することが規制される。その後、保護シート３０を抑えつつ、口腔用器具１０をカバー部材４０と共に上側へと持ち上げることで、カバー部材４０が保護シート３０から剥離される。その結果、口腔用器具１０のセンサ１５に対向する面には、カバー部材４０の測定面側シート４１のみが配置された状態となり、センサ１５による口腔内の測定が可能になる。

　次に、本実施形態の効果について説明する。

　（１）本実施形態では、カバー部材４０と保護シートの３０との接着部３１が、カバー部材４０の開口縁４３に沿って配置されている。したがって、本実施形態によれば、口腔用器具１０をカバー部材４０の開口に差し込む際に、口腔用器具１０の先端を保護シート３０に押し当てながら差し込んでも、開口縁４３に沿う接着部３１の存在により、カバー部材４０と保護シート３０との間に口腔用器具１０が差し込まれることは抑制される。その結果、口腔用器具１０をカバー部材４０の開口内に差し込みやすい。

　（２）本実施形態によれば、接着部３１の２５ミリメートルあたりの粘着力は、０.１ニュートン未満である。そのため、口腔用器具１０をカバー部材４０の開口に差し込んだ後、カバー部材４０に破れや傷を発生させることなく簡便にカバー部材４０を剥がすことができる。

　（３）本実施形態では、カバー部材４０の厚さは、口腔用器具１０のセンサ１５が使用可能となるように、相応に薄くなっている。そのため、測定面側シート４１及び上側シート４２が、静電気等によって張り付いて閉じてしまうと、カバー部材４０を撓ませたりするのみでは、両者を引き離して開口を開けることは難しい。本実施形態によれば、カバー部材４０の上側シート４２には支持部材５０が接着されており、支持部材５０は、カバー部材４０の厚み方向から視たときに、カバー部材４０の開口縁４３から突出している。そのため、支持部材５０と保護シート３０とを引き離すことにより、支持部材５０と共に上側シート４２を測定面側シート４１から引き離すことができるので、簡便にカバー部材４０の開口を開かせることができる。

　（４）本実施形態によれば、支持部材５０の厚さがカバー部材４０を構成する測定面側シート４１及び上側シート４２よりも厚く、当該支持部材５０の剛性が比較的に大きい。このように支持部材５０として相応の剛性のシートを採用することで、手指等で支持部材５０を掴みやすい。その一方で、支持部材５０を保護シート３０から引き離す際に、当該支持部材５０が撓み部５３において折れ曲がるので、カバー部材４０に無理な力が作用することを抑制できる。

　（５）本実施形態では、支持部材５０の幅方向の寸法が保護シート３０の幅方向の寸法よりも小さく、支持部材５０の縁が保護シート３０の縁と一致していない。そのため、仮に支持部材５０と保護シート３０とが密着していても、支持部材５０の縁を起点として支持部材５０を保護シート３０から引き離しやすい。

　（６）本実施形態によれば、支持部材５０のうち、広幅部５１は、口腔用器具１０の測定部１４の先端の幅寸法よりも幅寸法が大きい。そして、上側シート４２のうち支持部材５０が接着されている領域は、支持部材５０との２枚重ね構造になっていて、その分曲げや撓みが生じにくい。そのため、支持部材５０を保護シート３０から引き離してカバー部材４０を開口させたときに上側シート４２のうち支持部材５０が接着されている領域に曲げや撓みが生じにくく、カバー部材４０の内部空間の幅寸法として、口腔用器具１０の先端の幅寸法以上の寸法を確保しやすい。このようにカバー部材４０の内部空間の幅寸法として十分な寸法を確保することで、口腔用器具１０をカバー部材４０に差し込むときに引っかかりにくく、速やかに差し込むことができる。さらに、口腔用器具１０をカバー部材４０に差し込んだ状態で、測定面側シート４１に皺が多いと、センサ１５による測定精度が低下する虞がある。しかし、本実施形態によれば、広幅部５１が口腔用器具１０の測定部１４の先端の幅寸法よりも幅寸法が大きいため、支持部材５０の外縁部分が撓むことができ、この撓みが戻る力によって、測定面側シート４１の皺を伸ばすことができる。

　（７）本実施形態では、保護シート３０におけるカバー部材４０の開口縁４３から突出している部分は非接着部３２になっている。換言すれば、保護シート３０における支持部材５０と対向している部分は非接着部３２になっている。したがって、保護シート３０と支持部材５０とが接着されて支持部材５０を保護シート３０から引き離せなくなることは防止できる。

　（８）本実施形態では、保護シート３０におけるカバー部材４０の開口縁４３から突出している部分だけでなく、保護シート３０におけるカバー部材４０からはみ出している外縁部が非接着部３２になっている。したがって、本実施形態によれば、カバー２０を複数枚重ねて保管する際に、重ねたカバー２０の保護シート３０同士の接着を防ぐことができる。その結果、カバー２０を複数枚重ねて保管しても、カバー２０を１つずつ取り出しやすい。

　（９）本実施形態によれば、カバー部材４０の全体が保護シート３０の範囲内に配置されているため、カバー部材４０における保護シート３０側のシートである測定面側シート４１が保護シート３０から露出しない。したがって、口腔用器具１０の使用時に口腔内に触れる蓋然性の高い測定面側シート４１を清潔に保てる。

　（１０）本実施形態によれば、カバー部材４０の幅方向両側の縁部に、保護シート３０に接着されていない部分が生じる。したがって、口腔用器具１０をカバー部材４０に差し込んだ後に、カバー部材４０が、保護シート３０に接着されていない部分から徐々に剥がれながら、開口しやすくなる。すなわち、カバー部材４０が過度に強固に保護シート３０に接着されているが故に、カバー部材４０の開口を広げにくくなるといった事態は生じにくい。

　上記実施形態は以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で組み合わせて実施することができる。

　・非接着部３２の配置箇所は、適宜変更できる。例えば、保護シート３０とカバー部材４０とが対向している領域のうち、幅方向における少なくとも一方側の縁部にのみ非接着部３２が配置されていてもよい。この場合であっても、口腔用器具１０をカバー部材４０に差し込んだ後に、カバー部材４０が保護シート３０に接着されていない非接着部３２の側から徐々に剥がれながら開口しやすくなる。また、カバー部材４０の幅方向両側の縁部全体が保護シート３０に接着されていてもよい。

　・保護シート３０のうち、カバー部材４０からはみ出している外縁部が、接着部３１となっていてもよい。保護シート３０のうちカバー部材４０からはみ出している部分の面積が小さかったり接着部３１の粘着力が小さかったりするのであれば、カバー２０を複数重ね合わせたときに複数のカバー２０の保護シート３０同士が接着したとしても、容易にカバー２０同士を剥がすことができる。

　・カバー部材４０の厚み方向から視たときに、保護シート３０の外形が、カバー部材４０の外形と同じであってもよいし、小さくなっていてもよい。例えば、保護シート３０の幅方向の寸法が、カバー部材４０の幅方向の寸法より小さくてもよい。少なくとも保護シート３０の一部が、カバー部材４０の開口縁４３から突出していればよい。

　・保護シート３０のうちカバー部材４０の開口縁４３から突出している部分は、接着部３１となっていてもよい。上記実施形態では、支持部材５０の縁が保護シート３０の縁と一致していないので、支持部材５０が保護シート３０に接着していても、支持部材５０の縁を起点として支持部材５０を保護シート３０から引き離すことができる。

　・支持部材５０には、広幅部５１が設けられていなくてもよい。すなわち、支持部材５０の幅寸法は、口腔用器具１０の測定部１４の幅寸法より小さくてもよい。

　・保護シート３０のうちカバー部材４０の開口縁４３から突出している部分の幅寸法は、支持部材５０のうちのカバー部材４０の開口縁４３から突出している部分の幅寸法から突出している部分と同じであってもそれ未満であってもよい。

　・支持部材５０の形状は、上記実施形態の例に限られない。例えば、平面視台形状ではなく三角形状や楕円形状であってもよい。さらに、支持部材５０は、シート状に限らず紐状であってもよい。

　・支持部材５０、カバー部材４０及び保護シート３０の材質は、上記実施形態の例に限られない。例えば、支持部材５０の材質は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド等の合成樹脂であってもよいし、紙、不織布であってもよい。また、支持部材５０及びカバー部材４０の材質は異なっていてもよい。保護シート３０の曲げ剛性が小さいと、保護シート３０が座屈し、延伸部１３及び測定部１４を差し込みにくくなる虞がある。そのため、保護シート３０は、支持部材５０よりもヤング率の高い材料であると好ましい。

　支持部材５０の差し込み方向における寸法は、上記実施形態の例に限られない。例えば、支持部材５０の差し込み方向における寸法は、保護シート３０の差し込み方向における寸法より長くてもよい。

　・支持部材５０の撓み部５３の構成は、上記実施形態の例に限られない。例えば、撓み部５３を、支持部材５０の他の部分よりも厚さを薄くすることで構成してもよい。また、撓み部５３を、支持部材５０の一部を波状に湾曲させることで構成してもよい。つまり、撓み部５３は、支持部材５０における他の部分よりも曲げ剛性が小さくなっていればよい。さらに、支持部材５０における撓み部５３を省略することもできる。

　・カバー部材４０に対する支持部材５０の配置は、上記実施形態の例に限られない。例えば、支持部材５０の差し込み方向一方側の端は、カバー部材４０の差し込み方向において、一対の短辺の中央に位置していてもよい。支持部材５０は、カバー部材４０の厚み方向から視たときに、カバー部材４０の開口縁４３から突出していればよい。

　・接着部３１の粘着力は、上記実施形態の例に限られない。例えば、接着部３１の２５ミリメートル当たりの粘着力は、０．１ニュートン以上であってもよく、接着部３１全体の面積や、カバー部材４０及び保護シート３０の強度等を勘案して決定すればよい。ただし、道具を使うことなく素手でカバー部材４０を保護シート３０から剥離させるという観点からは、接着部３１の２５ミリメートル当たりの粘着力は、１．０ニュートン未満であることが好ましい。

　・カバー２０には、支持部材５０が設けられていなくてもよい。例えば、測定面側シート４１及び上側シート４２の材質が、静電気を帯びにくい材質であるならば、支持部材５０がなくても、両シートを引き離してカバー部材４０の開口を広げやすい。

　・カバー部材４０の形状は、上記実施形態の例に限られない。カバー部材４０の形状は、多角形状であってもよいし、楕円状であってもよい。さらに、カバー部材４０は、当該カバー部材４０の厚み方向に「マチ」が設けられていてもよい。

　・カバー部材４０の開口の数が複数であってもよい。例えば、カバー部材４０における差し込み側、すなわち開口縁４３とは反対側にも開口が存在していてもよい。このように、カバー部材４０は、少なくとも１つの開口を有し、一対のシートの間に空間が生じ得る袋状であればよい。

　・カバー部材４０の閉じ合わせ部４４の大きさ及び配置は、本実施形態の例に限られない。例えば、閉じ合わせ部４４のカバー部材４０の幅方向の長さが相応に大きくてもよく、非接着部３２のうち、幅方向において接着部３１の両側に配置されている非接着部３２が、すべて閉じ合わせ部４４となっていてもよい。

　・カバー部材４０における一対のシートの構成は、上記実施形態の例に限られない。例えば、１枚のシートを二つ折りにして、対向配置された一対のシートを構成していてもよい。この場合、例えば、二つ折りにした１枚のシートのうち、折られていない辺のうち、２辺の縁部を接着することで、袋状のカバー部材４０を構成できる。また、例えば、一対のシートは、同一の形状及び大きさでなくてもよい。

　・保護シート３０の形状は、上記実施形態の例に限られない。例えば、保護シート３０の形状は、多角形状であってもよいし、円形状、楕円状であってもよい。また、保護シート３０の外形は、カバー部材４０の厚み方向から視てカバー部材４０より大きくなくてもよい。

　・カバー部材４０と保護シート３０との配置は、上記実施形態の例に限られない。例えば、保護シート３０の差し込み方向一方側の端は、カバー部材４０の差し込み方向一方側の端よりも開口縁４３に近くてもよい。

　・保護シート３０の厚みは、測定面側シート４１及び上側シート４２の厚さと同じであってもそれよりも大きくてもよい。具体的には、保護シート３０の厚みは５０～２５０マイクロメートルであると好ましい。この場合、保護シート３０の剛性が相応に大きいことで、保護シート３０に押し当てながら口腔用器具１０を差し込む際に保護シート３０の座屈が防止されるため、口腔用器具１０をカバー部材４０に差し込みやすい。例えば、保護シート３０と支持部材５０とが同じ材質である場合には、保護シート３０の厚みは、支持部材５０の厚み以上として、保護シート３０の曲げ剛性を支持部材５０の曲げ剛性よりも大きくなっていると好ましい。

　・測定面側シート４１及び上側シート４２の厚さは、本実施形態の例に限られない。例えば、測定面側シート４１の厚さはセンサ１５が測定可能なシートの最大厚さよりも小さいとともに、上側シート４２の厚さは、測定面側シート４１の厚さよりも大きくなっていてもよい。具体的には、口腔用器具１０の測定精度を確保するために、測定面側シート４１の厚さは５～２０マイクロメートルとすることが好ましい。また、カバー部材４０の取り扱いやすさの観点からは、上側シート４２の厚さは１０～５０マイクロメートルであると好ましい。

　・支持部材５０の厚さは、測定面側シート４１及び上側シート４２の厚さと同じであってもそれ未満であってもよい。具体的には、カバー２０の取り扱いやすさの観点からは、支持部材５０の厚さは、５０～２００マイクロメートルであると好ましい。

　・接着部３１の配置は、上記実施形態の例に限られない。少なくとも、カバー部材４０の開口縁４３に沿って保護シート３０の厚み方向上側の面に配置されていればよい。例えば、保護シート３０とカバー部材４０とが対向する領域のうち、開口縁４３に沿った一部のみに配置されていてもよい。なお、接着部３１を構成する接着層や、カバー部材４０や保護シート３０の製造誤差等によっては、接着部３１の縁が、カバー部材４０の開口縁４３と一致せず、両者が数ミリメートル離れた位置に配置される場合もある。このような製造誤差等による僅かな違いであれば、接着部３１は開口縁４３に沿って配置されているといえる。

　・また、例えば、製造誤差等が生じても、保護シート３０におけるカバー部材４０の開口縁４３から突出している部分に接着部３１が位置しないように、接着部３１の差し込み方向他方側の端が、カバー部材４０の開口縁４３よりも数ミリメートル差し込み方向一方側に位置していてもよい。このようなわずかな違いであれば、接着部３１は開口縁４３に沿って配置されているといえる。

　・口腔用器具１０の構成は、上記実施形態の例に限られない。少なくとも、口腔内に差し込んで使用する器具であればよい。このような口腔用器具としては、体温計、歯科用の各種治具が挙げられる。

　１０…口腔用器具、１１…掴み部、１２…突起部、１３…延伸部、１４…測定部、１５…センサ、１６…電極、２０…カバー、３０…保護シート、３１…接着部、３２…非接着部、４０…カバー部材、４１…測定面側シート、４２…上側シート、４３…開口縁、４４…閉じ合わせ部、５０…支持部材、５１…広幅部、５２…貫通孔、５３…撓み部。

Claims

　口腔内に差し込んで使用する口腔用器具の少なくとも一部を覆うためのカバーであって、
　対向配置された一対のシートが部分的に接着されることにより開口を有する袋状になっているカバー部材と、
　前記カバー部材を構成する一対のシートのうちのいずれか一方のシートに接着される保護シートと、を備えており、
　前記保護シートは、前記カバー部材の厚み方向から視たときに、前記カバー部材の開口縁から突出しており、
　前記保護シートと前記カバー部材とが接着された接着部は、前記カバー部材の開口縁に沿って配置されている
　口腔用器具のカバー。
　前記接着部の２５ミリメートル当たりの粘着力は１．０ニュートン未満である
　請求項１に記載の口腔用器具のカバー。
　前記カバー部材を構成する一対のシートのうちの他方のシートには、支持部材が取り付けられており、
　前記支持部材は、前記カバー部材の厚み方向から視たときに、前記カバー部材の開口縁から突出している
　請求項１又は請求項２に記載の口腔用器具のカバー。
　前記支持部材は、シート状になっており、
　前記支持部材及び前記カバー部材の材質は同一であり、
　前記支持部材の厚さは、前記カバー部材の厚さよりも厚くなっており、
　前記支持部材のうちの前記カバー部材の開口縁から突出している部分の一部は、当該支持部材における他の部分よりも曲げ剛性の小さい撓み部になっている
　請求項３に記載の口腔用器具のカバー。
　前記カバー部材の開口縁に沿う方向を幅方向とした場合に、
　前記保護シートのうちの前記カバー部材の開口縁から突出している部分には、前記支持部材のうちの前記カバー部材の開口縁から突出している部分よりも、前記幅方向における長さが大きい部分がある
　請求項３又は請求項４に記載の口腔用器具のカバー。
　前記カバー部材の開口縁に沿う方向を幅方向とした場合に、
　前記支持部材のうちの前記カバー部材に取り付けられている部分には、前記口腔用器具の差し込み側の先端の幅寸法よりも、幅寸法が大きい広幅部が設けられている
　請求項３～請求項５のいずれか１項に記載の口腔用器具のカバー。
　前記保護シートのうち前記カバー部材の開口縁から突出している部分は、前記接着部よりも粘着力の小さい非接着部となっている
　請求項３～請求項６のいずれか１項に記載の口腔用器具のカバー。
　前記カバー部材の厚み方向から視たときに、前記保護シートの外形は、前記カバー部材の外形よりも大きくなっているとともに、前記カバー部材の全体が前記保護シートの範囲内に配置されており、
　前記保護シートの外縁部は、前記接着部よりも粘着力の小さい非接着部となっている
　請求項１～請求項７のいずれか１項に記載の口腔用器具のカバー。
　前記カバー部材の厚み方向から視たときに、前記保護シートの外形は、前記カバー部材の外形以上に大きくなっているとともに、前記カバー部材の全体が前記保護シートの範囲内に配置されており、
　前記カバー部材の開口縁に沿う方向を幅方向とした場合に、
　前記保護シートと前記カバー部材とが対向している領域のうち、前記幅方向における少なくとも一方側の縁部には、前記接着部よりも粘着力の小さい非接着部が配置されている
　請求項１～請求項８のいずれか１項に記載の口腔用器具のカバー。