WO2020085087A1

WO2020085087A1 - 連結テープおよび連結テープを使った防寒素材

Info

Publication number: WO2020085087A1
Application number: PCT/JP2019/039754
Authority: WO
Inventors: 祥臣岡西; 雄一郎森
Original assignee: 株式会社オンワードホールディングス
Priority date: 2018-10-24
Filing date: 2019-10-09
Publication date: 2020-04-30
Also published as: TW202031831A

Abstract

連結すべき使用生地が薄手であっても、表面に境界部の存在が響くことのない、取扱いが容易な連結テープを提供する。　連結テープは２枚の生地１，２を連結するためのテープ４であり、編物または織物からなる連結テープ本体４０と、連結テープ本体の幅の半分以下の幅を有する２本のテープ状接着樹脂フィルム４１，４２とからなり、前記テープ状接着樹脂フィルムは熱接着性を有しており、前記２本のテープ状接着樹脂フィルムの一方４１はその片方の表面が前記連結テープ本体４０の第一の面４０ｃにおいて２つの端縁のうち一方の端縁４０ａに平行して連結テープ本体に接着され、他方のテープ状接着樹脂フィルム４２はその片方の表面が連結テープ本体の第二の面４０ｄにおいて前記端縁とは反対側の端縁４０ｂに平行して連結テープ本体に接着されている。

Description

連結テープおよび連結テープを使った防寒素材

　本発明は２枚の生地を連結する連結テープ（連結部材）、および該連結テープを使った防寒素材に関する。

　寝具、防寒用素材として、重ね合わせた２枚の生地を所要間隔を設けて連結し、形成された空洞にダウン、綿、フェザー等の保温材を充填した素材が提供されている。
　従来、布地等の２枚の生地を連結して、充填材を収納する領域（空洞）を区画する境界部を形成する手段として縫製が用いられていた。しかし、素材の動きにより内容物が圧縮され、縫製孔（ミシン目）から内容物（ダウン、フェザー、綿等）が２枚の生地の表側、あるいは裏側に吹き出るという問題が発生していた。

　そこで、本出願人は特許第６２４７４３１号公報（特許文献１）において、２枚の生地（例えば表地・裏地）の内側同志を、接着手段を有する連結部材を介して接着して連結し、境界部を形成することにより、２枚の生地に針目を作らない防寒素材を提案した。

　下記特許文献１に開示されている連結部材を図５に示す。
　図５において、連結部材は、メッシュテープ２２と２枚の片面接着テープ２０，２０′とからなる。メッシュテープ２２の表側における一方の端縁に１方の片面接着テープ２０の非接着面を対向させ、片面接着テープ２０の幅方向中央部分をメッシュテープ２２に縫着２４して取付けている。一方、メッシュテープ２２の裏側において前記端縁とは反対側の端縁に他方の片面接着テープ２０′の非接着面２０ｂを対向させ、片面接着テープ２０′の幅方向中央部分をメッシュテープ２２に縫着２４して取付けている。そして、２枚の生地１，２の被接着面に接着テープ２０，２０′の接着面２０ａを接着することにより、２枚の生地１，２が連結され、生地１と生地２の間に充填物の収納領域（すなわち、空洞３）が形成される。
　この充填物の収納領域（空洞３）はメッシュテープ２２の幅寸法から片面接着テープ２０，２０′の幅寸法Ｘを減じた寸法ｈの厚さを有している。

特許第６２４７４３１号公報

　近年、防寒素材として薄手でしなやかな素材の要求が高まり、表地・裏地を薄手のしなやかな生地を用いると共に、素材の厚さを薄くすることが要望されている。
　特許文献１に開示された発明によれば、表・裏の生地に直接針孔が形成されないことから、表・裏生地の表側・内側から内容物（充填物）が吹き出すことが無くなった。

　しかし、表地や裏地に柔らかで薄手の生地を使用した場合は、片面接着テープ２０，２０′の縫着２４の凹凸が表裏生地に現れることがあった。また、テープの縫着２４および片面接着テープ２０，２０′と表裏生地の重なり部分が硬い感触として表裏生地に響くと言う問題が生じた。

　更に、特許文献１に開示されているメッシュテープを介した連結部材においては、柔軟なメッシュテープと柔軟な片面接着テープとを縫着により連結して一本の連結部材を形成していることが原因で、図６に示すように、縫合２４の糸張力による緊張で柔軟なメッシュテープ２２と片面接着テープ２０，２０′とがつれたり、縫合部分以外の自由端が波打つ傾向を有する。このため、特許文献１の連結部材は、保管の際に巻き取り難く、また、生地に接着する際にも、平坦な生地と馴染ませるために、つれたり波打つ部分の抑えが必要となる課題があった。

　また、連結部材は、上記のように、片面接着テープ２０，２０′の幅方向中央部分でメッシュテープに縫着２４により取り付けているので、片面接着テープの幅を考慮する必要があった。
　従って、メッシュテープの幅を小さくすることにより形成する空洞３の厚さ寸法ｈを小さくして薄手の保温材充填素材を形成しようとした場合、片面接着テープ２０，２０′の幅寸法をＸとした時、縫着により取りつける片面接着テープ幅は縫い代を必要とし細幅とすることが出来ず、形成される空洞３の厚さ寸法ｈは１／２Ｘ以下にはできなかった。
　使用する片面接着テープの幅は、狭くし過ぎると接着力が弱くなるので、ある程度の幅が必要である。従って、空洞３の厚さ寸法ｈの最小寸法も限定され、所望する空洞の厚さ寸法まで薄くすることができないという課題があった。

　本発明は前述した課題を解決し、連結すべき生地が薄手であっても、生地の表側に境界部の存在が響くことのない、取扱いが容易な連結テープの提供を目的とする。また、空洞の高さを自在に調整可能な連結テープの提供を目的とする。
　さらに、薄い生地を使用した防寒素材であっても連結テープによる表側への当たりの無い薄手の防寒素材の提供を目的とする。

　上記課題を解決するため、本発明の代表的な連結テープは、２枚の生地を連結するための連結テープであって、
　該連結テープは、連結テープ本体と連結テープ本体の幅の半分以下の幅を有する２本のテープ状接着フィルムとからなり、
　前記２本のテープ状接着フィルムの一方は、前記連結テープ本体の第一の面における一方の端縁に平行に前記連結テープ本体に接着されており、他方のテープ状接着フィルムは、前記連結テープ本体の第二の面において前記端縁と反対側の端縁に平行に前記連結テープ本体に接着されている構成、を具備している。
　また、本発明の防寒素材は、前記連結テープの２本のテープ状接着フィルムがそれぞれ２枚の生地の内側に接着されている構成、を具備している。

　本発明によれば、連結すべき生地が薄い生地であっても、表側に連結部分の存在が響くことがなく、空洞の高さを自在に調節可能であって、取扱いが容易な連結テープを提供することができる。
　また、本発明の連結テープを使用した防寒素材は、生地が薄い素材であっても、表側に連結部分の存在が響くことがない薄手の防寒素材を提供することができる。

図１は、本発明の連結テープの平面図である。図２は、図１に示した連結テープの断面図であり、特に厚さ方向は拡大して描かれている。図３は、図２に示した連結テープで、剥離紙が剥がされていない状態の断面図である。厚さ方向は拡大して描かれている。図４は、本発明の連結テープで２枚の生地を連結して形成された防寒素材の説明断面図であり、厚さ方向は拡大して描かれている。図５は、特許第６２４７４３１号公報に開示の連結部材により連結された２枚の生地からなる防寒素材の斜視図である。図６は、特許第６２４７４３１号公報に開示の連結部材の実際の状態を模式的に示した斜視図である。

　以下、図面に示した実施例に基いて本発明を詳細に説明する。
　図１は連結テープの平面図、図２は図１の断面図である。
　本発明の連結テープ４は、編物または織物からなる連結テープ本体４０と、該連結テープ本体４０の幅Ａより細幅寸法を有する２本のテープ状接着フィルム４１，４２とからなる。
　連結テープ本体４０は薄手で柔軟な編物または織物からなる。例えばメッシュ生地等が好ましい。
　連結テープ本体４０の幅Ａは特に限定されないが、同一幅のテープ状接着フィルムを用いた場合、連結テープ本体４０の幅Ａを広くすると充填物を収納すべく形成される空洞（後述）の高さ寸法を大きくすることが出来る。また、連結テープ本体４０の幅Ａを小さくすると形成される空洞の高さ寸法を小さくすることが出来る。

　テープ状接着フィルム４１，４２は、連結テープ本体４０の幅Ａの半分以下の細幅長尺体であって、熱接着性を有し、接着面は剥離紙により保護されていることが好ましい。
　テープ状接着フィルム４１，４２は熱接着性を有する樹脂フィルムであって、材質は特に限定されないが連結すべき生地との相性により選定される。例えば、ポリウレタン系樹脂やポリアミド系樹脂等が好ましい。
　テープ状接着フィルム４１，４２は１層、または１層～３層で形成され、フィルムの厚さは、５０～１００μｍ程度のものが好ましい。
　テープ状接着フィルムの厚みが薄過ぎると樹脂量が少なくて接着しても剥がれることがある。逆にテープ状接着フィルムの厚みが厚すぎると、防寒素材に使用したとき、生地の表側に連結テープ４の存在が響いて（当りと称する）、外観を損ねる虞がある。

　図３により連結テープの製造を説明する。
　連結テープ本体４０の上面を第一の面４０ｃ、下面を第二の面４０ｄとし、長手方向の一方の端縁を４０ａ、他方の端縁を４０ｂとする。
　また、２本のテープ状接着フィルムの一方のテープ状接着フィルムを第一のテープ状接着フィルム４１と称する（以後同様）。第一のテープ状接着フィルム４１は連結テープ本体４０に対向しない面に剥離紙５が付いている状態で、連結テープ本体４０の上面、第一の面４０ｃの端縁４０ａから間隔Ｙを設けて平行に配置され接着される。

　２本のテープ状接着フィルムの他方のテープ状接着フィルムを第二のテープ状接着フィルム４２と称する（以後同様）。第二のテープ状接着フィルム４２は連結テープ本体４０の下面である第二の面４０ｄにおいて前記端縁４０ａとは反対側の端縁４０ｂから間隔Ｙを設けて平行に、連結テープ本体４０に対向しない面に剥離紙５が付いている状態で配置されて、連結テープ本体４０に接着される。
　このように、連結テープ４は、第一のテープ状接着フィルム４１，第二のテープ状接着フィルム４２の一面が連結テープ本体４０の長手方向の両端縁に接着され、固着されている。

　第一のテープ状接着フィルム４１、第二のテープ状接着フィルム４２の連結テープ本体４０への配設位置は、それぞれ連結テープ本体４０の端縁４０ａ，４０ｂから間隔Ｙを設けて平行に配置され接着されている。この実施例では、間隔Ｙは０．１ｍｍ～３ｍｍとしている。
　テープ状接着フィルム４１，４２の連結テープ本体４０端縁への配置は、図４に示すように、連結テープ本体４０の端縁に接して（間隔Ｙ＝０）配置しても良い。

　連結テープ本体４０の端縁から間隔Ｙを設けてテープ状接着フィルム４１，４２を配置することにより、生地１，２に接着する段階でテープ状接着フィルム４１，４２が溶けて樹脂が拡がった場合であっても、この間隔で溶けた樹脂を吸収することが出来、連結テープ以外に溶けた樹脂による影響を及ぼすことがない。

　実施例に示す連結テープ４は、薄手で柔軟な編物または織物からなる連結テープ本体４０の長手方向両端縁に、接着によりテープ状接着フィルム４１，４２を取りつけ、テープ状接着フィルム４１，４２の面で連結テープ本体４０端縁を補強しているので、テープとして平坦性が良い。
　また、この連結テープは、縫着による凹凸がなく、テープの両端縁がフィルムで補強されているので、平板状の平らな状態を保持でき、保管のために連結テープを巻く場合も、取扱いが容易である。
　また、連結テープ本体４０の幅Ａは、テープ状接着フィルム４１，４２の幅Ｂの２倍よりも狭くならない範囲で自在に選択することができる。
　また、図示するテープ状接着フィルム４１，４２の幅Ｂは同一幅に表示しているが、接着すべき生地により、第一のテープ状接着フィルム４１の幅と第二のテープ状接着フィルム４２の幅を変更することもある。
　なお、この実施例においてはテープ状接着フィルムの接着面を剥離紙で保護する例を示したが、この剥離紙は無くとも良い。

　次に、生地１，２に連結テープ４を接着して防寒用などに用いる素材を制作する場合を、図４により説明する。
　剥離紙を付けたテープ状接着フィルムの場合は、各テープ状接着フィルム４１，４２から剥離紙５を剥がす。
　被接着生地となる２枚の生地１，２の間に連結部材４を配置する。生地１の裏面１ａに第一のテープ状接着フィルム４１を接着する。生地１に対向する生地２の裏面２ａに第二のテープ状接着フィルム４２を接着し、二枚の生地１，２を連結テープ４により連結する。
　このようにして製作された素材は、二枚の生地１，２が連結テープ４で連結され、保温材などを充填する高さ寸法ｈの空洞３が形成される。
　この空洞３にダウン、フェザー等の保温材（充填物）を充填して、防寒素材を構成する。

　これらの作業は、テープ状接着フィルム４１，４２が平板状の平らな状態となっていることから、平坦な生地と馴染みが良く、連結テープを平板状にするための抑えを必要とせず、作業性が向上する。

　防寒用の素材の製作において、連結テープ本体４０の幅Ａは、テープ状接着フィルム４１，４２の幅Ｂの２倍よりも狭くならない範囲で自在にできることから、空洞の高さ寸法ｈを自在に調整できる。なお、空洞の高さ寸法ｈは、テープ状接着フィルム４１とテープ状接着フィルム４２との間の距離である。

　例えば、テープ状接着フィルム４１，４２は、接着で取りつけられるので幅Ｂを小さくすることができ、連結テープ本体４０の幅Ａを小さくすることにより、形成される空洞３の高さ寸法ｈを自在に小さくすることができる。空洞３の厚さ寸法ｈを小さくすることにより、空洞３に収納する充填物が少なくなり、薄手の防寒素材を形成することができる。
　反対に、テープ状接着フィルム４１とテープ状接着フィルム４２の幅Ｂを小さくした状態で、連結テープ本体４０の幅寸法を大きくすることにより、テープ状接着フィルム４１とテープ状接着フィルム４２との間の距離が大きくすることができ、形成される空洞３の高さ寸法ｈを大きくできる。
　この素材は大きな空洞３に多量の充填物を収納した防寒素材とすることができる。

　連結テープ本体４０の幅Ａとテープ状接着フィルム４１，４２のテープ幅Ｂとの関係は、形成する空洞の高さｈによる。例えば、連結テープ本体４０の幅Ａを４０ｍｍ、テープ状接着フィルム４１，４２のテープ幅Ｂを１０～１５ｍｍとし、連結テープ本体４０の端縁から２ｍｍの間隔を持ってテープ状接着フィルム４１，４２を配設した場合、形成される空洞の高さｈは、６～１６ｍｍとなる。
　このように、接着力、当りの出難さ等の観点から所望する空洞の高さｈを決め、連結テープ本体４０の幅、テープ状接着フィルム４１，４２のテープ幅を決定する。

　このようにした防寒素材は、連結テープに縫い目が存在しないので、連結すべき生地１，２が薄手であっても、縫い目による当たりがなく、生地の表側に連結テープとの境界の存在が響くことがない。

　以上説明したように、連結テープ４は、連結テープ本体４０にテープ状接着フィルム４１，４２を取りつける手段としての縫い目が存在しないので、連結すべき生地が薄手であっても、生地の表面に連結テープ４の境界部の存在が響くことがない。
　また、テープ状接着フィルム４１，４２の取付け位置を連結テープ本体４０の端縁から０．１ｍｍ～３ｍｍの間隔を設けているので、テープ状接着フィルム４１，４２が溶けて、樹脂が拡がった場合であっても連結テープ本体４０から食み出ることがない。

　また、連結テープ４は、連結テープ本体４０と連結テープ本体４０の幅の半分以下の幅を有するテープ状接着フィルム４１，４２を接着で取りつけているので、テープ状接着フィルム４１と，テープ状接着フィルム４２との間の距離を狭くすることにより、空洞３の高さ寸法ｈを小さくし、薄い防寒素材の製作が可能となる。この素材は、衣服を始め、帽子やストール等の雑貨、薄手の布団や寝袋などにも使用範囲を広げることができる。
　この防寒素材は、通常の防寒用衣服と異なり、防寒用の充填材収納空洞形成のための縫い目が表面に存在しないので、デザイン性に優れた衣服・雑貨等を製作することができ、また充填物が縫い目から外に吹き出すことがない。

　なお、上記実施の形態において本発明を詳述したが、本発明は上記実施例に限定するものではなく、上記実施例における構成の一部の変形や改良することも可能である。

　１　第１の生地
　２　第２の生地
　３　空洞（充填物収納領域）
　４　連結テープ
　５　剥離紙
２４　縫着
４０　連結テープ本体
４１，４２　テープ状接着フィルム

Claims

　２枚の生地を連結するための連結テープであって、
　該連結テープは、連結テープ本体と連結テープ本体の幅の半分以下の幅を有する２本のテープ状接着フィルムとからなり、
　前記２本のテープ状接着フィルムの一方は、前記連結テープ本体の第一の面における一方の端縁に平行に前記連結テープ本体に接着されており、他方のテープ状接着フィルムは、前記連結テープ本体の第二の面において前記端縁と反対側の端縁に平行に前記連結テープ本体に接着されている、ことを特徴とする連結テープ。
　請求項１に記載の連結テープにおいて、
　前記２本のテープ状接着フィルムは、熱接着性の樹脂フィルムである、ことを特徴とする連結テープ。
　請求項１ないし２に記載の連結テープにおいて、
　前記２本のテープ状接着フィルムは、それぞれ、前記連結テープ本体の前記端縁に０．１～３ｍｍの間隔を設けて前記端縁に平行に前記連結テープ本体に接着されている、ことを特徴とする連結テープ。
　請求項１ないし３に記載の連結テープが２枚の生地の間に接着され、充填物が充填されている防寒素材。
　請求項４に記載の防寒素材により構成される衣服。