WO2019188298A1

WO2019188298A1 - 金型監視装置

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Publication number: WO2019188298A1
Application number: PCT/JP2019/010303
Authority: WO
Inventors: 信明渡邊
Original assignee: 日本電産株式会社
Priority date: 2018-03-27
Filing date: 2019-03-13
Publication date: 2019-10-03

Abstract

【課題】離型剤塗布により発生するミストによる撮像装置の汚れを簡単な構成で防止することができる金型監視装置を提供する。　【解決手段】金型監視装置１は、可動型１２及び固定型１１を含む成形用金型１０と、離型剤を可動型１２及び固定型１１の少なくとも一方の金型合わせ面１１ａ，１２ａに塗布する離型剤塗布ユニット３と、可動型１２及び固定型１１の少なくとも一方の金型合わせ面１１ａ，１２ａの撮像画像を取得する撮像装置３１と、を有し、撮像画像に基づいて可動型１２及び固定型１１の少なくとも一方の金型合わせ面１１ａ，１２ａの温度を監視する。金型監視装置１は、撮像装置３１の画角の外側の領域に位置し且つ離型剤塗布ユニット３による離型剤の塗布により発生するミスト３ａの発生源側に開口した吸引口５１を有し、発生したミスト３ａを前記画角外で吸引する吸引装置５０を備える。

Description

金型監視装置

本発明は、金型監視装置に関する。

成形用金型の合わせ面の温度を監視する金型監視装置が知られている。このような金型監視装置の一例として、例えば特許文献１（特開２０１３－２１２５２６号公報）には、開閉式の成形用金型の型表面を撮像する撮像装置と、離型剤を金型表面に塗布する離型剤塗布ユニットと、撮像装置の向きを任意に変更可能なロボットアームとを有する金型監視装置が開示されている。この金型監視装置は、離型剤塗布ユニットの離型剤の塗布方向が撮像装置の撮像方向と異なる向きに離型剤塗布ユニットを撮像装置に取り付け、離型剤塗布ユニットによる離型剤塗布工程の前後において、ロボットアームにより、撮像装置を型表面に対向する向きに回転する。　

この金型監視装置は、撮像装置の撮像方向と離型剤の塗布方向を異ならせることにより、前記金型の合わせ面への離型剤の塗布により発生するミストで撮像装置の汚れを防止することができる。

特開２０１３－２１２５２６号公報

しかし、離型剤塗布により発生するミストが多い場合などは、撮像装置の汚れ防止をより確実に行う必要がある。　

本発明の目的は、離型剤塗布により発生するミストによる撮像装置の汚れを簡単な構成で防止することができる金型監視装置を提供することである。

本発明の第１の観点による金型監視装置は、可動型及び固定型を含む成形用金型と、離型剤を前記可動型及び前記固定型の少なくとも一方の金型合わせ面に塗布する離型剤塗布ユニットと、前記可動型及び前記固定型の少なくとも一方の金型合わせ面の撮像画像を取得する撮像装置と、を有し、前記撮像画像に基づいて前記可動型及び前記固定型の少なくとも一方の金型合わせ面の温度を監視する金型監視装置において、　前記撮像装置の画角の外側の領域に位置し且つ前記離型剤塗布ユニットによる前記離型剤の塗布により発生するミストの発生源側に開口した吸引口を有し、前記発生したミストを前記画角外で吸引する吸引装置を備える。

以上の構成により、離型剤塗布により発生するミストによる撮像装置の汚れを簡単な構成で防止することができる。

図１は、実施形態に係る金型監視装置の概略構成を模式的に示す図である。図２は、図１の金型監視装置の金型からミストが発生する様子を模式的に示す図である。図３は、カメラ防護装置の概略構成を示す斜視図である。図４は、図３のカメラ防護装置の構成を模式的に示す底面図である。図５は、図３のカメラ防護装置の構成を模式的に示す断面図である。図６は、カメラ防護装置の吸引装置の構成を模式的に示す側面図である。

以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。なお、図中の同一または相当部分については同一の符号を付してその説明は繰り返さない。また、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。　

なお、以下の説明において、鋳造装置２を設置した状態の重力方向を「上下方向」といい、鋳造装置２の重力方向に対して直交する水平方向を「左右方向」という。また、プランジャロッド２３が延びる方向を「軸方向」という。　

また、赤外線カメラ３１の光軸Ｌに沿った方向において、レンズ表面側を「前方」という。　

（金型監視装置）　図１は、本発明の実施形態に係る金型監視装置１の概略構成を模式的に示す図である。金型監視装置１は、鋳造装置２と、離型剤塗布ユニット３と、金型温度計測装置４とを備える。鋳造装置２は、成形用金型１０の内部に溶融金属を射出することにより、所定形状を有する鋳造品を成形する装置である。離型剤塗布ユニット３は、成形用金型１０に対して離型剤を噴射する。金型温度計測装置４は、成形用金型１０の金型合わせ面１１ａ，１２ａの表面温度を計測する。　

（鋳造装置）　鋳造装置２は、成形用金型１０と、射出プランジャ装置５と、可動盤６と、固定盤７と、を備える。　

成形用金型１０は、可動盤６に固定された可動型１１と、固定盤７に固定された固定型１２とを有する。図２に示すように、可動盤６は、鋳造装置２において水平方向（左右方向）に移動可能である。固定盤７は、鋳造装置２の図示しないフレーム等に固定されている。よって、可動盤６が固定盤７から離れる方向に移動することにより、成形用金型１０の可動型１１は固定型１２に対して離れる方向に移動する。一方、可動盤６が固定盤７に近づく方向に移動することにより、成形用金型１０の可動型１１は固定型１２に対して近づく方向に移動する。可動型１１及び固定型１２は、それぞれ、対向する面に金型合わせ面１１ａ，１２ａを有する。　

可動型１１が固定型１２に最も近づいた状態で、可動型１１と固定型１２との間にはキャビティ１３が形成される。キャビティ１３内に、射出プランジャ装置５から溶融金属が射出されることにより、キャビティ１３の形状に従った所定形状を有する鋳造品が成形される。なお、成形用金型１０によって前記所定形状を有する鋳造品が成形された後、可動型１１を固定型１２から離間させることにより、前記鋳造品を成形用金型１０内から取り出すことができる。　

射出プランジャ装置５は、成形用金型１０のキャビティ１３内に溶融金属を供給するための装置である。射出プランジャ装置５は、プランジャスリーブ２１と、プランジャチップ２２と、プランジャロッド２３とを備える。　

プランジャスリーブ２１は、内部に溶融金属通路２１ａを有する円筒状の金属製部材である。プランジャスリーブ２１の軸方向の一端側は、可動型１１を貫通している。すなわち、プランジャスリーブ２１の前記一端側は、可動型１１と固定型１２との間のキャビティ１３に接続されている。　

プランジャスリーブ２１は、溶融金属通路２１ａと、射出口２１ｂと、供給口２１ｃと、を有する。溶融金属通路２１ａは、円筒状のプランジャスリーブ２１内で軸方向に延びる断面円形状の通路である。　

射出口２１ｂは、プランジャスリーブ２１の前記一端側、すなわち溶融金属通路２１ａの一端側に位置し且つ成形用金型１０のキャビティ１３に向かって軸方向に開口している。すなわち、射出口２１ｂは、溶融金属通路２１ａ内の溶融金属を成形用金型１０のキャビティ１３内に射出するための開口部である。成形用金型１０は、射出口２１ｂからキャビティ１３内に溶融樹脂が射出される部分にゲート１０ａを有する。　

供給口２１ｃは、プランジャスリーブ２１の側壁において射出口２１ｂとは反対側の端部に位置し、上方に向かって開口している。供給口２１ｃは、溶融金属通路２１ａ内に溶融金属を供給するための開口部である。　

プランジャスリーブ２１の溶融金属通路２１ａ内には、円柱状のプランジャチップ２２が往復移動可能に配置されている。供給口２１ｃから溶融金属通路２１ａ内に供給された溶融金属は、プランジャチップ２２が射出口２１ｂに向かって移動することにより（図１の矢印）、射出口２１ｂからゲート１０ａを介してキャビティ１３内に射出される。　

（離型剤塗布ユニット）　離型剤塗布ユニット３は、成形用金型１０の可動型１１及び固定型１２の金型合わせ面１１ａ，１２ａに対して離型剤を噴射する。すなわち、離型剤塗布ユニット３は、離型剤を噴出するための図示しない噴霧部を有する。この噴霧部には、図示しないタンクから離型剤が供給される。なお、前記噴霧部は、鋳造装置２の制御部によって、離型剤の噴霧のタイミング及び噴霧量等が制御される。　

なお、離型剤塗布ユニット３は従来と同様の構成を有するため、離型剤塗布ユニット３に関する詳しい説明を省略する。　

離型剤塗布ユニット３は、図２に示すように、成形用金型１０の可動型１１が固定型１２に対して離間した際に、可動型１１と固定型１２との間に位置し、可動型１１と固定型１２とが近づく際には、可動型１１と固定型１２との間の位置から退避位置に移動する。すなわち、離型剤塗布ユニット３は、成形用金型１０に対して移動可能である。本実施形態では、離型剤塗布ユニット３は、可動型１１が左右方向に移動する成形用金型１０に対し、上下方向に移動する。離型剤塗布ユニット３の上下方向の移動も、金型監視装置１の制御部によって制御される。　

（金型温度計測装置）　金型温度計測装置４は、成形用金型１０の可動型１１及び固定型１２における金型合わせ面１１ａ，１２ａの表面温度を計測する。金型温度計測装置４で金型合わせ面１１ａ，１２ａの表面温度を計測することにより、計測した表面温度に基づいて、鋳造品を鋳造する際の金型合わせ面１１ａ，１２ａの表面温度を制御することが可能である。　

金型温度計測装置４は、赤外線カメラ３１によって金型合わせ面１１ａ，１２ａの表面を撮像することにより金型合わせ面１１ａ，１２ａの表面温度を計測する。赤外線カメラ３１は、撮像装置の一例に相当する。詳しくは、金型温度計測装置４は、赤外線カメラ３１と、カメラ制御部３２と、カメラ防護装置４０とを有する。　

赤外線カメラ３１は、金型合わせ面１１ａ，１２ａから放射される赤外線を画像化する。赤外線カメラ３１は、レンズ部３１ａと、カメラ本体部３１ｂとを有する。レンズ部３１ａから入射された赤外線は、カメラ本体部３１ｂによって検出される。なお、赤外線カメラ３１の構成は従来の構成と同様なので、赤外線カメラ３１に関する詳しい説明を省略する。　

赤外線カメラ３１は、本実施形態の場合、成形用金型１０に対して上方に位置する。すなわち、赤外線カメラ３１は、成形用金型１０の金型合わせ面１１ａ，１２ａを上方から撮像する。　

図２に示すように、離型剤塗布ユニット３によって金型合わせ面１１ａ，１２ａに対して離型剤が噴霧される。そのため、噴霧された離型剤の一部及び金型合わせ面１１ａ，１２ａの表面上で気化した離型剤は、ミスト状となって上方に移動する。すなわち、離型剤のミストの一部は、赤外線カメラ３１に向かって移動する。　

上述のように赤外線カメラ３１はレンズ部３１ａから入射された赤外線を画像化するため、レンズ部３１ａのレンズ表面３１ｃ（図３参照）にミスト状の離型剤が付着すると、赤外線の入射量が減少する。この場合、赤外線を用いて金型合わせ面１１ａ，１２ａの表面温度を計測する金型温度計測装置４は、金型合わせ面１１ａ，１２ａの表面温度を精度良く計測できない可能性がある。　

これに対し、本実施形態では、赤外線カメラ３１は、カメラ防護装置４０によって覆われている。すなわち、赤外線カメラ３１は、カメラ防護装置４０によって防護されている。図３及び図４に示すように、カメラ防護装置４０は、赤外線カメラ３１を覆うケーシング４１と、赤外線カメラ３１のレンズ部３１ａにミスト状の離型剤が付着するのを防止する吸引装置５０とを有する。カメラ防護装置４０の詳しい構成は後述する。　

図１に示すカメラ制御部３２は、赤外線カメラ３１の駆動を制御するとともに、赤外線カメラ３１によって得られた赤外線のデータを用いて、金型合わせ面１１ａ，１１ｂの温度を可視化する。これにより、赤外線カメラ３１を用いて、所定のタイミングで金型合わせ面１１ａ，１２ａの温度を計測することができる。　

また、カメラ制御部３２は、カメラ防護装置４０の吸引装置５０の駆動も制御する。これにより、吸引装置５０を適切なタイミングで駆動させることができる。　

（カメラ防護装置）　図３に、カメラ防護装置４０の全体構成を示す
。図３に示すように、カメラ防護装置４０は、ケーシング４１と、吸引装置５０とを備える。ケーシング４１は、赤外線カメラ３１を内部に収容する。吸引装置５０は、ケーシング４１の下面に固定される。吸引装置５０は、離型剤のミストを吸引することで、ケーシング４１から露出する赤外線カメラ３１のレンズにミストが付着することを防止する。　

ケーシング４１は、赤外線カメラ３１のレンズの前方に位置する開口空間部４６を有するとともに、赤外線カメラ３１の少なくとも一部を覆う。吸引装置５０は、ケーシング４１におけるミストの発生源側且つ開口空間部４６側に位置する。赤外線カメラ３１の少なくとも一部を覆うケーシング４１の開口空間部４６側に吸引装置５０が位置することで、開口空間部４６を介して赤外線カメラ３１のレンズ表面３１ｃにミストが到達することを防止できる。これにより、レンズ表面３１ｃにミストが付着することを防止できる。　

ケーシング４１は、赤外線カメラ３１を覆う直方体の箱状であり、板部材によって構成される。ケーシング４１は、撮像カバー部材の一例に相当する。ケーシング４１は、カメラ本体カバー部４２と、レンズカバー部４５とを有する。カメラ本体カバー部４２及びレンズカバー部４５は、それぞれ直方体状であり、板部材によって構成される。カメラ本体カバー部４２及びレンズカバー部４５は、赤外線カメラ３１の光軸Ｌに沿った方向に並んだ状態で連結される。　

図３に示すように、カメラ本体カバー部４２は、内部に、カメラ本体部３１ｂを収容する収容空間を有する。すなわち、カメラ本体カバー部４２は、赤外線カメラ３１のカメラ本体部３１ｂを覆う。カメラ本体部３１ｂは、収容空間内で、光軸Ｌに沿った方向において、前側に近い位置に位置する。　

カメラ本体カバー部４２及びレンズカバー部４５との間には、隔壁４３が位置する。隔壁４３は、赤外線カメラ３１のレンズ部３１ａが貫通する貫通孔４４を有する。　

図３に示すように、カメラ本体カバー部４２は、カメラ本体カバー後側外壁に、カメラ本体カバー部４２の内部に気体を供給するカメラ本体用気体供給部６１を有する。カメラ本体用気体供給部６１には、カメラ本体カバー部４２の外方に位置する気体供給源（図示省略）にチューブ（図示省略）を介して接続されている。すなわち、カメラ本体カバー部４２の内部には、前記気体供給源から前記チューブを介して気体が供給される。　

これにより、収容空間のカメラ本体部３１ｂを冷却することができる。　

なお、カメラ本体カバー部４２は、上面４２ａに複数の放熱用穴４２ｂを有する。放熱用穴４２ｂによって、カメラ本体カバー部４２の収容空間内の空気を収容空間外へ排出することができる。これにより、カメラ本体カバー部４２内に収容されたカメラ本体部３１ｂを冷却することができる。　

本実施形態では、放熱用穴４２ｂは、後述する吸引装置５０に対し、赤外線カメラ３１を挟んで吸引装置５０とは反対側の面である上面４２ａに位置する。これにより、上方に移動するミストを吸引装置５０で吸引することができるため、放熱用穴４２ｂから収容空間内へミストが侵入することを防止することができる。　

図３に示すように、レンズカバー部４５は、レンズ部３１ａを覆うとともに、レンズ部３１ａに対して光軸Ｌに沿った方向の前方に、矩形状の開口空間部４６を有する。　

詳しくは、図３から図５に示すように、レンズカバー部４５は、光軸Ｌに沿った方向から見て矩形平板状のレンズカバー前側外壁部４５ａと、レンズカバー前側外壁部４５ａの周囲に位置するレンズカバー側壁部４５ｂとを有する。　

レンズカバー前側外壁部４５ａは、光軸Ｌに沿った方向から見て、光軸Ｌを含む中央部分に、矩形状の外側開口部４６を有する。　

レンズカバー部４５は、レンズカバー前側外壁部４５ａの外側開口部４６と隔壁４３とを接続する４つのレンズカバー内壁部４５ｃを有する。各レンズカバー内壁部４５ｃは、光軸Ｌに沿った方向から見て矩形状の外側開口部４６の各辺と、レンズカバー後側外壁部７５ｂとを接続する。　

４つのレンズカバー内壁部４５ｃは、それぞれ、光軸Ｌに沿った方向において、レンズカバー前側外壁部４５ａ側の部分が、レンズカバー前側外壁部４５ａに近づくほど光軸Ｌから離間する。これにより、４つのレンズカバー内壁部４５ｃに囲まれた外側開口部４６の各辺が赤外線カメラ３１の画角内に位置することを防止できる。　

外側開口部４６内には、赤外線が入射可能である。よって、レンズ部３１ａには、光軸Ｌに沿って赤外線が入射される。　

吸引装置５０は、レンズカバー部４５のレンズカバー側壁部４５ｂの下面４５ｄに固定されている。すなわち、吸引装置５０は、赤外線カメラ３１の画角の外側の領域に位置し、且つ成形用金型１０の上方且つ赤外線カメラ３１の下方に位置する。これにより、吸引装置５０は、成形用金型１０から発生して上昇する離型剤のミストを赤外線カメラ３１の画角外で吸引する。　

図４に示すように、吸引装置５０は、下面側に吸引口５１を有する。すなわち、吸引口５１は、赤外線カメラ３１のレンズ部３１ａの前方に位置し、離型剤塗布ユニット６による離型剤の塗布により発生するミストの発生源側に開口する。　

なお、赤外線カメラ３１と成形用金型１０との位置関係によっては、吸引口５１は、吸引装置の下面側に位置しなくてもよい。すなわち、吸引口５１は、離型剤塗布ユニット６による離型剤の塗布により発生するミストの発生源側に開口すればよい。　

また、図５に示すように、吸引装置５０の吸引口５１は、フィルタ５１ａを有する。フィルタ５１ａにより、空気中の微細な浮遊物を吸引し、吸引装置５０の詰まりの発生を防止することができる。　

吸引装置５０は、内部に、吸引のためのファン５６を有する。ファン５６は、例えば、図示しないモータなどによって回転することで、吸引装置５０の外部の空気とともに離型剤のミストを吸引口５１から吸い込む。ファン５６の吸引量は、離型剤のミストの量などに応じて適宜調整することができる。　

また、吸引装置５０の内部に吸引された空気は、吸引装置５０の後方に位置する排気口５５から排出される。排気口５５は、レンズ表面３１ｃに対して、吸引口５１より遠い位置に位置づけられる。本実施形態では、ケーシング４１は、下面に、ケーシングを図示しないケーシング支持部材に取り付けるためのケーシング取付部４５ｅを有する。このため、排気口５５は、ケーシング４１の幅方向両側の２箇所に位置する。これにより、排気口５５とケーシング取付部４５ｅとが干渉することを防止できる。　

なお、吸引装置５０は、排気口５５に、排気を赤外線カメラ３１の光軸Ｌに沿った方向の後方に送るためのガイド筒などを取り付けてもよい。　

吸引装置５０は、本実施形態にかかる金型監視装置１の動作中、継続的に吸引動作を行ってもよいし、離型剤のミストの発生に応じたタイミングで吸引動作を行ってもよい。吸引装置５０は、カメラ制御部３２により動作制御される。　

これにより、離型剤塗布ユニット６による離型剤の塗布により成形用金型１０の金型合わせ面１１ａ，１２ａから発生し、赤外線カメラ３１に向かって移動するミストを、吸引装置５０による吸引によって、赤外線カメラ３１の画角外へ誘導することができる。よって、ミストの付着による赤外線カメラ３１のレンズ表面３１ｃの汚れを防止する防汚効果が得られる。したがって、金型合わせ面１１ａ，１２ａの温度の検出精度が低下することを防止できる。　

また、成形用金型１０の金型合わせ面１１ａ，１２ａから発生するミストは、成形用金型１０の熱により生じるため、上方に移動する。このため、吸引装置５０を、成形用金型１０と赤外線カメラ３１のとの間に位置付けることにより、上昇するミストを赤外線カメラ３１に到達する前に効率よく吸引することができる。　

図６に示すように、吸引装置５０ａは、ケーシング４５に固定されている吸引部５２と吸引部５２に吸引ホース５３を介して接続されたバキュームポンプ５４とを含む構成であってもよい。吸引部５２の吸引口５１は、フィルタ５１ａを有する。また、吸引ホース５３は、変形可能な樹脂材料によって構成される。吸引ホース５３は、吸引部５２に対して幅方向側方に接続される。　

吸引装置５０ａを吸引部５２とバキュームポンプ５４とに分けて構成することにより、ケーシング４５に吸引部５２を固定する一方、バキュームポンプ５４を赤外線カメラ３１から離れた位置に位置付けることができる。これにより、赤外線カメラ３１に吸引装置５０を取り付けるために、赤外線カメラ３１の周りにスペースを確保する必要がない。したがって、赤外線カメラ３１を省スペースで配置することができる。　

また、例えば、ミストの発生量が多い場合及び赤外線カメラ３１の設置位置などにおいて、吸引量を増加させたい場合は、内部にファンを有する吸引部を用いてもよい。すなわち、バキュームポンプ５４とファンを同時に稼働させることで、吸引量を多くすることもできる。　

本実施形態にかかる金型監視装置１は、鋳造品を鋳造するための金型を有する鋳造装置２と、成形用金型１０の金型合わせ面１１ａ，１２ａの温度を計測する赤外線カメラ３１と、赤外線カメラ３１を防護するカメラ防護装置４０と、を備える。赤外線カメラ３１及びカメラ防護装置４０は、赤外線カメラ３１の画角の外側に吸引装置５０を有し、成形用金型１０よりも上方に位置する。　

成形用金型１０よりも上方に位置する赤外線カメラ３１は、成形用金型１０に塗布される離型剤のミストによって、レンズ表面６１ｃが汚れやすい。赤外線カメラ３１のレンズ表面６１ｃが汚れると、赤外線カメラ３１によって成形用金型１０の金型合わせ面１１ａ，１２ａの温度を精度良く計測できない。　

これに対し、本実施形態の構成を有するカメラ防護装置４０の吸引装置５０によってミストを赤外線カメラ３１の画角外へ吸引することができる。これにより、赤外線カメラ３１のレンズ表面６１ｃに離型剤のミストが付着することを防止できる。よって、赤外線カメラ３１によって、成形用金型１０の金型合わせ面１１ａ，１２ａの温度を精度良く計測することができる。　

（その他の実施形態）　以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。　

吸引装置は、離型剤のミストを除去可能な構成であれば、他の構成でもよい。　

また、前記実施形態では、吸引装置は、ケーシング４１の下面に固定されているが、例えば、赤外線カメラ３１の画角の外側にケーシング４１とは別の支持部材により支持されてもよい。　

前記実施形態では、カメラ防護装置４０は、赤外線カメラ３１のカメラ本体部３１ｂを覆うカメラ本体カバー部４２を有する。しかしながら、カメラ防護装置は、カメラ本体カバー部を有さなくてもよい。　

前記実施形態では、開口空間部４６は、赤外線カメラ３１の光軸Ｌに沿った方向から見て、矩形状である。しかしながら、開口空間部の形状は、赤外線カメラのレンズ部に赤外線が入射可能な形状であれば、どのような形状であってもよい。また、開口空間部の位置も、光軸Ｌに沿った方向から見て、レンズカバー部４５の中央部以外であってもよい。　

前記実施形態では、可動型１１は、固定型１２に対して左右方向に移動する。すなわち、成形用金型１０は、左右方向に型開き及び型締めする。しかしながら、成形用金型は、上下方向などの他の方向に型開き及び型締めしてもよい。

本発明は、
成形用金型の金型合わせ面の表面温度を計測する金型監視装置に利用可能である。

１　金型監視装置２　鋳造装置３　離型剤塗布ユニット３ａ　ミスト４　金型温度計測装置５　射出プランジャ装置６　可動盤７　固定盤１０　成形用金型１０ａ　ゲート１１　可動型１１ａ　金型合わせ面１２　固定型１２ａ　金型合わせ面１３　キャビティ２１　プランジャスリーブ２１ａ　溶融金属通路２１ｂ　射出口２１ｃ　供給口２２　プランジャチップ２３　プランジャロッド３１　赤外線カメラ（カメラ）３１ａ　レンズ部３１ｂ　カメラ本体部３１ｃ　レンズ表面４０　カメラ防護装置４１　ケーシング４２　カメラ本体カバー部４２ａ　上面４２ｂ　放熱用穴４３　隔壁４４　貫通孔４５　レンズカバー部４５ａ　レンズカバー前側外壁部４５ｂ　レンズカバー側壁部４５ｃ　レンズカバー内壁部４５ｄ　レンズカバー側壁部下面４５ｅ　ケーシング取付部４６　開口空間部５０，５０ａ　吸引装置５１　吸引口５１ａ　フィルタ５２　吸引部５３　吸引ホース５４　バキュームポンプ５５　排気口５６　ファンＬ　光軸

Claims

可動型及び固定型を含む成形用金型と、離型剤を前記可動型及び前記固定型の少なくとも一方の合わせ面に塗布する離型剤塗布ユニットと、前記可動型及び前記固定型の少なくとも一方の合わせ面の撮像画像を取得する撮像装置と、を有し、前記撮像画像に基づいて前記可動型及び前記固定型の少なくとも一方の合わせ面の温度を監視する金型監視装置において、　前記撮像装置の画角の外側の領域に位置し且つ前記離型剤塗布ユニットによる前記離型剤の塗布により発生するミストの発生源側に開口した吸引口を有し、前記発生したミストを前記画角外で吸引する吸引装置を備える、金型監視装置。
請求項１に記載の金型監視装置において、　前記撮像装置は、前記成形用金型の上方に位置し、　前記吸引装置は、前記成形用金型の上方且つ前記撮像装置の下方に位置する、金型監視装置。
請求項１または２に記載の金型監視装置において、　前記撮像装置のレンズの前方に位置する開口部を有するとともに、前記撮像装置の少なくとも一部を覆う撮像カバー部材をさらに有し、　前記吸引装置は、前記撮像カバー部材における前記ミストの発生源側且つ前記開口部側に位置する、金型監視装置。
請求項３に記載の金型監視装置において、　前記撮像カバー部材は、前記撮像装置を覆う箱状であり、前記撮像装置を挟んで前記吸引装置とは反対側の面に放熱用穴を有する、金型監視装置。
請求項３または４に記載の金型監視装置において、　前記吸引装置は、　前記吸引口に位置するフィルタを有し、前記撮像カバー部材に固定された吸引部と、　前記吸引部に一端側が接続された吸引ホースと、　前記吸引ホースの他端側が接続されたバキュームポンプと、を有する、金型監視装置。
請求項１から４のいずれか１つに記載の金型監視装置において、前記吸引装置は、前記発生したミストを吸引するファンを有する、金型監視装置。