WO2018198858A1

WO2018198858A1 - 制御装置、制御装置の制御方法、および通信装置

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Publication number: WO2018198858A1
Application number: PCT/JP2018/015708
Authority: WO
Inventors: 上野　雅史; 直樹塩原; 守屋　政明
Original assignee: シャープ株式会社
Priority date: 2017-04-25
Filing date: 2018-04-16
Publication date: 2018-11-01
Also published as: US11138823B2; US20210125450A1

Abstract

情報処理装置（１）は、少なくとも１つのＮＦＣアンテナ（２２）にて近距離無線通信が行われたとき、該ＮＦＣアンテナ（２２）とは異なるＮＦＣアンテナ（２２）の位置を示すとともに、該異なるＮＦＣアンテナ（２２）での近距離無線通信を促す画像を表示させる表示制御部（１３）を備える。

Description

制御装置、制御装置の制御方法、および通信装置

　本開示は、情報通信端末と近距離無線通信を行う複数のアンテナを備えるアンテナ部と、表示部とを備える通信装置を制御する制御装置などに関する。

　近年、情報通信端末と近距離無線通信を行う通信装置において、近距離無線通信を行うためのアンテナを複数備える通信装置が開発されている。

　アンテナを複数備えることにより、通信装置を様々なサービスに適用することができる。例えば、アンテナごとに異なる情報を情報通信端末に対して送信したり、アンテナごとに異なる商品の決済を行ったりすることができる。また、特許文献１には、複数の通信部を用いた複数回の近距離無線通信により、チェスや将棋のようなゲームを行うことが記載されている。

日本国特許公開公報「特開２０１６－１７７８１４号公報（２０１６年１０月６日公開）」

　一方で、複数回の近距離無線通信で決済処理などを行う場合、ユーザが複数回の近距離無線通信をスムーズに行うことができるようにすることが求められる。しかしながら、従来技術にはこのような技術思想は開示されていない。

　本開示の一態様は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、異なるアンテナを用いた複数回の近距離無線通信をユーザにスムーズに実行させることができる、通信装置を制御する制御装置などを実現することである。

　上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る制御装置は、情報通信端末と近距離無線通信を行う複数のアンテナを備えるアンテナ部と、表示部とを備える通信装置を制御する制御装置であって、上記アンテナ部の少なくとも１つのアンテナにて上記情報通信端末との近距離無線通信が行われたとき、該近距離無線通信を行ったアンテナとは異なるアンテナでの近距離無線通信を促す通信催促画像を表示させる表示制御部を備える。

　また、上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る制御装置の制御方法は、情報通信端末と近距離無線通信を行う複数のアンテナを備えるアンテナ部と、表示部とを備える通信装置を制御する制御装置の制御方法であって、上記アンテナ部の少なくとも１つのアンテナにて上記情報通信端末との近距離無線通信を行わせる通信制御ステップと、上記通信制御ステップにて近距離無線通信を行ったアンテナとは異なるアンテナでの近距離無線通信を促す通信催促画像を表示させる表示制御ステップと、を含む。

　本開示の一態様によれば、異なるアンテナを用いた複数回の近距離無線通信をユーザにスムーズに実行させることができるという効果を奏する。

本開示の実施形態１に係るＮＦＣシステムに含まれる情報処理装置１およびＮＦＣディスプレイ２の要部構成の一例を示す機能ブロック図である。図１に示すＮＦＣディスプレイの具体的な構成を示す図である。図１に示すＮＦＣディスプレイにおける配線例を示す図である。図１に示すＮＦＣディスプレイが実行するスキャン駆動の一例を示す図である。図１に示すＮＦＣディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。図１に示すＮＦＣディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。図１に示すＮＦＣディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。図１に示す情報処理装置が実行する決済処理の流れの一例を示すフローチャートである。図１に示すＮＦＣシステムの変形例を示す画面図である。実施形態２に係るＮＦＣディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。実施形態２に係るＮＦＣディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。実施形態２に係る情報処理装置が実行するユーザ認証処理の流れの一例を示すフローチャートである。実施形態３に係るＮＦＣディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。実施形態３に係るＮＦＣディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。実施形態３に係る情報処理装置が実行する選択肢表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。実施形態４に係るＮＦＣアンテナの配置例を示す図である。実施形態４に係るＮＦＣアンテナの別の配置例を示す図である。実施形態１～４に共通の変形例に係るＮＦＣディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。実施形態１～４に共通の別の変形例に係るＮＦＣディスプレイにおける配線例を示す図である。実施形態２の変形例２に係るＮＦＣディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。実施形態２の変形例２に係るＮＦＣディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。実施形態３の変形例に係るＮＦＣディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。実施形態３の変形例に係るＮＦＣディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。実施形態３の変形例に係るＮＦＣディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。実施形態３の変形例に係るＮＦＣディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。

　以下の各実施形態では、近距離無線通信を用いたデータ処理の一例について説明する。なお、近距離無線通信とは、到達距離の短い無線通信全般を指す。近距離無線通信は、例えば、ＲＦＩＤ（Radio Frequency IDentification）技術を利用した通信を含む。なお、ＲＦＩＤ技術の一例としては、非接触ＩＣカードまたは非接触ＩＣタグなどが挙げられる。以下の各実施形態では、近距離無線通信の一例として、ＮＦＣ（Near Field Communication）を例示して説明する。

　〔実施形態１〕
　以下、本開示の実施形態１について、図１から図９に基づいて詳細に説明する。

　（ＮＦＣシステム１００の概要）
　まず、図１を参照して、ＮＦＣシステム１００の概要について説明する。図１は、ＮＦＣシステム１００に含まれる情報処理装置１（制御装置）およびＮＦＣディスプレイ２（通信装置）の要部構成の一例を示す機能ブロック図である。

　ＮＦＣシステム１００は、図１に示すＮＦＣ端末３（情報通信端末）と近距離無線通信を行い、該通信の結果に応じた処理を実行する。ＮＦＣシステム１００は、図示のように、情報処理装置１およびＮＦＣディスプレイ２を含んでいる。情報処理装置１とＮＦＣディスプレイ２とは別体であり、有線または無線で通信可能に接続されていてもよいし、一体化していてもよい。

　ＮＦＣ端末３は、ＮＦＣシステム１００と近距離無線通信を行うことにより、ＮＦＣシステム１００に少なくとも１つの処理を実行させることが可能な情報処理端末である。ＮＦＣ端末３は、近距離無線通信によって、自端末に記憶された端末情報をＮＦＣシステム１００に送信し、ＮＦＣシステム１００は、該端末情報に基づいて処理を実行する。なお、端末情報は、ＮＦＣ端末３を識別するための端末ＩＤ、および、ＮＦＣ端末３が保有している固有の情報である端末データなどであるが、この例に限定されるものではない。その他、端末情報には、ＮＦＣ端末３を利用するユーザを識別するためのユーザＩＤ、該ユーザが使用するメールアドレスなどが含まれていてもよい。なお、ユーザＩＤは、ＮＦＣ端末３で利用可能なアプリケーション、サービスなどにおいてユーザを識別するためのＩＤであってもよい。また、ＮＦＣ端末３が電子マネー機能を備える端末である場合、電子マネーの残金を示す情報が含まれていてもよい。

　ＮＦＣ端末３は、ＮＦＣシステム１００と近距離無線通信が可能な情報処理端末であればよく、その種類は特に限定されない。ＮＦＣ端末３の一例としては、ＮＦＣタグが取り付けられた物体（例えばカード、フィギュアなど）、ＮＦＣ通信機能を有する携帯端末（ＮＦＣ搭載モバイル端末とも称する）などが挙げられる。

　（ＮＦＣディスプレイ２の要部構成）
　次に、図１から図４を参照して、ＮＦＣディスプレイ２の要部構成について説明する。図２は、ＮＦＣディスプレイ２の具体的な構成を示す図である。図３は、ＮＦＣディスプレイ２における配線例を示す図である。図４は、ＮＦＣディスプレイ２が実行するスキャン駆動の一例を示す図である。

　ＮＦＣディスプレイ２は、ＮＦＣ端末３との近距離無線通信を行う機能を備えたディスプレイである。図１に示すように、ＮＦＣディスプレイ２は、ＮＦＣ通信部２１（アンテナ部）、表示部２３、およびＮＦＣコントローラ２４を備えている。

　ＮＦＣ通信部２１は、ＮＦＣ端末３と近距離無線通信を行うための通信デバイスである。具体的には、ＮＦＣ通信部２１は、ＮＦＣアンテナ２２（アンテナ）を備えるアンテナモジュールである。ＮＦＣアンテナ２２は、ＮＦＣ端末３を検出し、該ＮＦＣ端末３と近距離無線通信を行う機能を有する透明アンテナである。ＮＦＣアンテナ２２は、ＮＦＣ端末３がＮＦＣディスプレイ２からある程度（例えば、２ｃｍから４ｃｍ程度）離れていても、ＮＦＣ端末３の検出、または、ＮＦＣ端末３との近距離無線通信を行うことができるように構成されている。これは、接近したＮＦＣ端末３に対する反応感度および反応速度向上のためである。なお、本開示において「接近」とは、ＮＦＣ端末３がＮＦＣディスプレイ２に接触することを含む。

　なお、本実施形態に係るＮＦＣ端末３とＮＦＣアンテナ２２とは、２種類の近距離無線通信を行う。具体的には、ＮＦＣ端末３とＮＦＣアンテナ２２とは、ＮＦＣアンテナ２２がＮＦＣ端末３を検出するための近距離無線通信と、ＮＦＣシステム１００による処理の実行のための近距離無線通信とを行う。以降、前者の近距離無線通信を「ポーリング」と称し、後者の近距離無線通信を「データ伝送」と称する。

　ポーリングは、各ＮＦＣアンテナ２２に対して、ＮＦＣ端末３が接近しているか否かを特定するための近距離無線通信である。ＮＦＣアンテナ２２は、ＮＦＣ端末３を検出するための検出信号を出力し、ＮＦＣアンテナ２２にＮＦＣ端末３が接近している場合、ＮＦＣ端末３から応答信号を取得する。なお、応答信号には、ＮＦＣ端末３を識別する端末ＩＤが含まれているものとして説明するが、その他の情報（例えば、端末種別など）が含まれていてもよい。

　データ伝送は、ＮＦＣシステム１００が各種処理を行うためのデータ、または、各種処理を行ったことに基づくデータを、ＮＦＣ端末３とＮＦＣアンテナ２２との間で送受信する近距離無線通信である。各種処理として決済処理を例に挙げて説明すると、ＮＦＣアンテナ２２は、ＮＦＣ端末３から決済に必要な情報を取得する。なお、決済に必要な情報とは、例えば、電子マネーの残金、ユーザが登録しているクレジットカードに関する情報（カード番号、有効年月など）であるが、この例に限定されるものではない。また、各種処理としてユーザの認証処理（ログイン処理とも称する）を例に挙げて説明すると、ＮＦＣアンテナ２２は、ＮＦＣ端末３から認証に必要な情報を取得する。なお、認証に必要な情報とは、例えば、認証処理を行っているアプリケーションやサービスにおける、ユーザが予め設定したユーザＩＤやパスワードであるが、この例に限定されるものではない。なお、パスワードは、英数字列であってもよいし、ユーザが選択した質問に対する回答を示す文字列であってもよい。

　表示部２３は、画像を表示する表示デバイスである。表示部２３は例えばＬＣＤ（Liquid Cristal Display、液晶ディスプレイ）であるが、これに限定されない。また、表示部２３はバックライトを含んでいてもよい。

　ここで、図２を参照して、ＮＦＣディスプレイ２における各種デバイスの構成例を説明する。本実施形態に係るＮＦＣディスプレイ２は、表示部２３に、ＮＦＣ通信部２１および保護ガラス９０（図１には不図示）をこの順に重畳させたものである。すなわち、ＮＦＣディスプレイ２は、保護ガラス９０と表示部２３との間にＮＦＣ通信部２１が挟まれた構成となっている。

　図２に示すように、ＮＦＣ通信部２１は複数のＮＦＣアンテナ２２を備えている。なお、図２の例では、ＮＦＣアンテナ２２の数は１２個であり、ＮＦＣアンテナ２２は３×４のマトリクス状に配置されている。ただし、ＮＦＣアンテナ２２の数および配置はこの例に限定されない。ＮＦＣアンテナ２２の数および配置の他の例については、後述する実施形態４にて説明する。

　また、図２の例では、ＮＦＣ通信部２１および表示部２３は略同一の面積を有するデバイスであるが、ＮＦＣ通信部２１および表示部２３の面積は異なっていてもよい。例えば、ＮＦＣ通信部２１は表示部２３に比べて、その面積が小さくてもよい。この例の場合、ＮＦＣディスプレイ２の一部領域のみが近距離無線通信可能な領域となる。

　また、図２の例では、表示部２３はＮＦＣ通信部２１（すなわちＮＦＣアンテナ２２）に重畳している構成であるが、表示部２３はＮＦＣ通信部２１に重畳していなくてもよい。

　ＮＦＣコントローラ２４は、ＮＦＣアンテナ２２の動作を制御する。具体的には、ＮＦＣコントローラ２４は、情報処理装置１からの制御信号に基づき、ＮＦＣアンテナ２２の駆動を制御する。本実施形態に係るＮＦＣコントローラ２４は、図３に示すように、各ＮＦＣアンテナ２２と有線接続されている。これにより、ＮＦＣコントローラ２４は、各ＮＦＣアンテナ２２を駆動状態としたり、非駆動状態としたりすることができる。なお、駆動状態とは、ＮＦＣ端末３との近距離無線通信を実行可能な状態である。また、非駆動状態とは、ＮＦＣ端末３との近距離無線通信を実行不可能な状態である。また、ＮＦＣコントローラ２４は、ＮＦＣアンテナ２２と無線接続されていてもよい。

　より具体的には、ＮＦＣコントローラ２４は、ポーリングを実行するとき、駆動状態のＮＦＣアンテナ２２から、ＮＦＣ端末３を検出するための検出信号を出力する。該ＮＦＣアンテナ２２にＮＦＣ端末３が接近している場合、該ＮＦＣ端末３は検出信号を受信し、応答信号を出力する。この応答信号を、ＮＦＣアンテナ２２を介して受信することにより、ＮＦＣコントローラ２４はＮＦＣ端末３を検出する。

　本実施形態に係るＮＦＣコントローラ２４は、ＮＦＣ端末３を検出するために、駆動するＮＦＣアンテナ２２を所定の順序で切り替えるスキャン駆動を行う。すなわち、ＮＦＣコントローラ２４は、ＮＦＣアンテナ２２を逐次駆動させてポーリングを行う（検出信号を出力させる）。これにより、ある時点において駆動しているＮＦＣアンテナ２２は１つのみとなる。よって、ＮＦＣディスプレイ２は電力消費を抑えたり、隣接するＮＦＣアンテナ２２が互いに干渉することを防いだりすることができる。

　ＮＦＣコントローラ２４は、情報処理装置１から、ＮＦＣアンテナ２２を識別するアンテナＩＤと駆動する順序とを対応付けた駆動順序情報、および、ポーリング周期を示す周期情報を含む制御信号を取得する。ＮＦＣコントローラ２４は、該制御信号に従って、ＮＦＣアンテナ２２のスキャン駆動を開始する。例えば、ＮＦＣコントローラ２４は、図４に示す矢印の順序で、ＮＦＣアンテナ２２ａからＮＦＣアンテナ２２ｂまでのスキャン駆動を行ってもよい。なお、本実施形態に係るＮＦＣコントローラ２４は、すべてのＮＦＣアンテナ２２を所定の順序で１回ずつ駆動した後は、該所定の順序でのＮＦＣアンテナ２２の駆動を繰り返す。すなわち、図４に示す例の場合、ＮＦＣコントローラ２４は、ＮＦＣアンテナ２２ｂを駆動した後、ＮＦＣアンテナ２２ａを駆動し、再び図示の矢印の順序でのスキャン駆動を行う。

　また、ＮＦＣコントローラ２４は、情報処理装置１から、特定のＮＦＣアンテナ２２を示すアンテナＩＤと、ポーリングの実行指示とを含む制御信号を取得すると、スキャン駆動を停止する。そして、ＮＦＣコントローラ２４は、制御信号に含まれるアンテナＩＤが示すＮＦＣアンテナ２２でのポーリングを開始する。

　また、ＮＦＣコントローラ２４は、いずれかのＮＦＣアンテナ２２においてＮＦＣ端末３を検出した場合（応答信号を受信した場合）、その旨を情報処理装置１に通知する。なお、該通知は、応答信号に含まれる端末ＩＤ、および、ＮＦＣ端末を検出したＮＦＣアンテナ２２を示すアンテナＩＤを含む。

　（情報処理装置１の概要および要部構成）
　次に、図１および図５を参照して、情報処理装置１の概要および要部構成について説明する。図５は、本実施形態に係るＮＦＣディスプレイ２に表示される画面の一例を示す図である。図５は、ＮＦＣシステム１００が飲料を販売するものである場合の画面を示している。すなわち、図示の例におけるＮＦＣシステム１００は、ＮＦＣ端末３との近距離無線通信に基づいてユーザに飲料を提供するともに、該飲料の決済処理を行う。このため、ＮＦＣシステム１００は、飲料の自動販売機と通信可能に接続されているか、または、飲料の自動販売機と一体となっている。なお、この例では、ＮＦＣ端末３が電子マネー機能を備えるカードである例を説明する。すなわち、ＮＦＣシステム１００は、飲料の提供に伴い、ＮＦＣ端末３における電子マネーの残金から飲料の代金を差し引く。

　情報処理装置１は、自装置の起動に伴い、図５の（ａ）に示すように、各飲料の画像と、各ＮＦＣアンテナ２２での近距離無線通信を促す商品選択画像３１とを含む画面を表示させる。商品選択画像３１は、ユーザが所望する飲料の画像が表示された位置にＮＦＣ端末３を接近させるよう促す画像である。また、商品選択画像３１は、各ＮＦＣアンテナ２２の位置を示すものであればよい。例えば、商品選択画像３１は、図示のようにＮＦＣアンテナ２２に重畳する領域に表示されることで、ＮＦＣアンテナ２２の位置を示してもよい。なお、商品選択画像３１はＮＦＣアンテナ２２に重畳しない領域に表示されてもよいが、この場合、商品選択画像３１は、ＮＦＣアンテナ２２の位置を示すテキストなどを含むことが好ましい。

　ここで、図５の（ａ）に示すように、ユーザがＮＦＣ端末３をＮＦＣアンテナ２２ｃに接近させたとする。これにより、ＮＦＣ端末３とＮＦＣアンテナ２２ｃとの間で近距離無線通信が行われる。しかしながら、情報処理装置１は、即座に決済処理および飲料の提供を行わない。情報処理装置１は、該近距離無線通信の実行に基づき、図５の（ｂ）に示すように、購入確認画像３２（通信催促画像）をＮＦＣアンテナ２２ｃとは異なるＮＦＣアンテナ２２に重畳する領域に表示させる。図示の例では、情報処理装置１は、ＮＦＣアンテナ２２ｃと隣接するＮＦＣアンテナ２２ｄに重畳する領域に、購入確認画像３２を表示させている。購入確認画像３２は、表示された位置での再度の近距離無線通信を促す画像である。ユーザがＮＦＣ端末３をＮＦＣアンテナ２２ｄに接近させ、ＮＦＣ端末３とＮＦＣアンテナ２２ｄとの間で近距離無線通信が行われたとき、情報処理装置１は、決済処理および飲料の提供を行う。

　これにより、ユーザが意図せずＮＦＣ端末３をＮＦＣアンテナ２２に接近させてしまい、近距離無線通信が行われたとしても、情報処理装置１は即座の決済処理を行わない。よって、情報処理装置１は、ユーザが意図せず近距離無線通信を行ってしまったことにより、ユーザが損害を被ることを防ぐことができる。

　なお、購入確認画像３２が表示される領域は、近距離無線通信が行われたＮＦＣアンテナ２２と隣接するＮＦＣアンテナ２２と重畳する領域に限定されない。換言すれば、再度の近距離無線通信を行うＮＦＣアンテナ２２は、近距離無線通信が行われたＮＦＣアンテナ２２と隣接するＮＦＣアンテナ２２に限定されない。例えば、近距離無線通信が行われたＮＦＣアンテナ２２に隣接していないが、該ＮＦＣアンテナ２２の周辺に位置するＮＦＣアンテナ２２と重畳する領域に購入確認画像３２が表示されてもよい。

　また、購入確認画像３２は、各ＮＦＣアンテナ２２の位置を示すものであればよい。例えば、購入確認画像３２は、図示のようにＮＦＣアンテナ２２に重畳する領域に表示されることで、ＮＦＣアンテナ２２の位置を示してもよい。なお、購入確認画像３２はＮＦＣアンテナ２２に重畳しない領域に表示されてもよいが、この場合、購入確認画像３２は、ＮＦＣアンテナ２２の位置を示すテキストなどを含むことが好ましい。

　続いて、情報処理装置１の要部構成について説明する。図１に示すように、情報処理装置１は、制御部１０および記憶部１４を備えている。制御部１０は、情報処理装置１の各部を統括して制御する。記憶部１４は、情報処理装置１が使用する各種データを記憶する。制御部１０は、ＮＦＣ通信制御部１１、処理実行部１２、および表示制御部１３を含んでいる。記憶部１４は例えば、ＯＳ（operating system）、各種アプリケーション、ＧＵＩ（graphical user interface）などを記憶している。なお、情報処理装置１は、記憶部１４を備えるとともに、または、記憶部１４を備える代わりに、外部の記憶装置（不図示）と通信可能に接続する構成であってもよい。

　ＮＦＣ通信制御部１１は、ＮＦＣアンテナ２２による近距離無線通信を制御する。具体的には、ＮＦＣ通信制御部１１は、アンテナ駆動部１５を含む。アンテナ駆動部１５は、ＮＦＣコントローラ２４に制御信号を送信することにより、ＮＦＣコントローラ２４にスキャン駆動を実行させる。

　また、ＮＦＣ通信制御部１１は、ＮＦＣコントローラ２４から受信した、ＮＦＣ端末３を検出した旨の通知を処理実行部１２へ出力する。また、ＮＦＣ通信制御部１１が処理実行部１２からデータ伝送の実行指示を取得すると、アンテナ駆動部１５が該指示に基づいてＮＦＣコントローラ２４に制御信号を送信し、上記通知に含まれるアンテナＩＤが示すＮＦＣアンテナ２２でのデータ伝送を行わせる。なお、データ伝送がＮＦＣシステム１００からＮＦＣ端末３へのデータの送信である場合、ＮＦＣ通信制御部１１は、処理実行部１２からデータを取得し、ＮＦＣコントローラ２４へ該データを送信する。これにより、ＮＦＣアンテナ２２を介してＮＦＣ端末３へデータが送信される。また、データ伝送がＮＦＣ端末３からのデータの受信である場合、ＮＦＣ通信制御部１１は、ＮＦＣコントローラ２４からデータを受信し、処理実行部１２へ出力する。

　また、ＮＦＣ通信制御部１１が処理実行部１２から、特定のＮＦＣアンテナ２２でのポーリング指示を取得すると、アンテナ駆動部１５が該指示に基づいてＮＦＣコントローラ２４に制御信号を送信し、スキャン駆動を停止させる。さらに、アンテナ駆動部１５は、スキャン駆動の停止とともに、上記通知に含まれるアンテナＩＤが示すＮＦＣアンテナ２２でのポーリングを行わせる。

　処理実行部１２は、データ伝送をＮＦＣディスプレイに行わせ、該データ伝送に基づいて、所定の処理を実行する。具体的には、処理実行部１２は、ＮＦＣ通信制御部１１から、ＮＦＣ端末３を検出した旨の通知を取得すると、該通知に含まれるアンテナＩＤに応じた処理を行う。

　ここで、ＮＦＣシステム１００が飲料を販売するものである場合（図５参照）を例に挙げて、処理実行部１２の処理について具体的に説明する。商品選択画像３１が表示された領域と重畳しているＮＦＣアンテナ２２（例えば、ＮＦＣアンテナ２２ｃ）を示すアンテナＩＤを含む通知を取得した場合、処理実行部１２は、データ伝送の実行指示を生成する。具体的には、処理実行部１２は、ＮＦＣ端末３の端末情報をデータ伝送によって取得するための指示を生成し、ＮＦＣ通信制御部１１へ出力する。また、処理実行部１２は、取得した通知に含まれる端末ＩＤおよびアンテナＩＤを記憶部１４に記憶する。

　処理実行部１２は、ＮＦＣ端末３の端末情報をＮＦＣ通信制御部１１から取得すると、決済処理が可能であるか否かを判定する。具体的には、処理実行部１２は、端末情報に含まれるＮＦＣ端末３の種別を示す情報を参照して、ＮＦＣ端末３が決済用の端末であるか否かを判定する。決済用の端末でないと判定した場合、処理実行部１２は、その旨をユーザに通知するための画像の表示指示を、表示制御部１３へ出力する。

　一方、決済用の端末であると判定した場合、処理実行部１２は、端末情報に含まれる電子マネーの残金を示す情報と、アンテナＩＤから特定される飲料の代金を示す情報とを比較する。そして、処理実行部１２は、決済が可能であるか否かをさらに判定する。換言すれば、処理実行部１２は、電子マネーの残金が飲料の代金以上であるか否かを判定する。決済が不可能であると判定した場合、処理実行部１２は、その旨をユーザに通知するための画像の表示指示を、表示制御部１３へ出力する。

　一方、決済が可能であると判定した場合、処理実行部１２は、購入確認画像３２の表示指示を表示制御部１３へ出力する。さらに、処理実行部１２は、該表示指示の出力とともに、購入確認画像３２が表示される領域に重畳するＮＦＣアンテナ２２（図５の例では、ＮＦＣアンテナ２２ｄ）でのポーリングをＮＦＣ通信制御部１１へ指示する。該指示には、購入確認画像３２が表示される領域に重畳するＮＦＣアンテナ２２を示すアンテナＩＤが含まれる。これにより、ＮＦＣコントローラ２４は、購入確認画像３２が表示される領域に重畳するＮＦＣアンテナ２２のみでポーリングを行う。

　なお、購入確認画像３２が表示される領域に重畳するＮＦＣアンテナ２２でのポーリングは、ＮＦＣ端末３を検出できない場合には終了することが好ましい。例えば、所定時間が経過してもＮＦＣアンテナ２２がＮＦＣ端末３を検出できない場合、ＮＦＣコントローラ２４がポーリングを終了させてもよい。この例の場合、ＮＦＣコントローラ２４は、タイマ（不図示）を制御してポーリングを開始してからの時間を計測する。そして、所定時間が経過するまでにＮＦＣ端末３を検出できない場合、ポーリングを終了するとともに、その旨をＮＦＣ通信制御部１１へ通知する。ＮＦＣ通信制御部１１のアンテナ駆動部１５は、該通知を取得すると、ＮＦＣコントローラ２４へ制御信号を送信し、スキャン駆動を再開させる。また、ＮＦＣ通信制御部１１は上記通知を処理実行部１２へ通知する。これにより処理実行部１２は処理を終了する。具体的には処理実行部１２は、表示制御部１３へ指示し、購入確認画像３２を非表示とさせる。

　なお、本実施形態ではこの例を説明するが、購入確認画像３２が表示される領域に重畳するＮＦＣアンテナ２２でのポーリング終了のトリガは、ＮＦＣ端末３を検出しないまま所定時間が経過することに限定されない。該ポーリング終了のトリガの他の例については後述する。

　これに対して、ＮＦＣコントローラ２４が、購入確認画像３２が表示される領域に重畳するＮＦＣアンテナ２２にてＮＦＣ端末３を検出すると、その旨を示す通知がＮＦＣ通信制御部１１を介して処理実行部１２へ送信される。処理実行部１２は、取得した通知に含まれる端末ＩＤと記憶部１４に記憶した端末ＩＤとが一致するか否かを判定する。一致しないと判定した場合、処理実行部１２は、その旨をユーザに通知するための画像の表示指示を、表示制御部１３へ出力する。

　一方、一致すると判定した場合、処理実行部１２は、飲料の提供および決済処理を行う。具体的には、処理実行部１２は、自動販売機を制御して、記憶部１４に記憶したアンテナＩＤから特定される飲料を排出させる。また、処理実行部１２は、決済処理のためのデータ伝送をＮＦＣ通信制御部１１へ指示する。該指示に基づくデータ伝送により、ＮＦＣコントローラ２４が、ＮＦＣ端末３が有する電子マネーの残金から飲料の代金を差し引く。なお、処理実行部１２からの指示に、飲料の代金を差し引いた電子マネーの残金を示す情報が含まれていてもよい。この場合、ＮＦＣコントローラ２４は、データ伝送により、ＮＦＣ端末３が有する電子マネーの残金を、飲料の代金を差し引いた電子マネーの残金に上書きする。

　表示制御部１３は、表示部２３に画像を表示させる。具体的には、表示制御部１３は、情報処理装置１が起動されると、各飲料の画像と商品選択画像３１とを含む画面を表示部２３に表示させる（図５の（ａ）参照）。上述したように、表示制御部１３は、表示部２３におけるＮＦＣアンテナ２２と重畳する領域に、商品選択画像３１を表示させる。

　また、表示制御部１３は、処理実行部１２の指示に基づいて、購入確認画像３２を表示部２３に表示させる（図５の（ｂ）参照）。上述したように、表示制御部１３は、ＮＦＣ端末３を検出したＮＦＣアンテナ２２と隣接するＮＦＣアンテナ２２と重畳する領域に、購入確認画像３２を表示させる。

　また、表示制御部１３は、処理実行部１２の指示に基づいて、購入確認画像３２以外の画像を表示部２３に表示させる。この詳細について、図６および図７を参照して説明する。図６および図７は、表示部２３に表示される画像の一例を示す図である。

　表示制御部１３は、処理実行部１２から、電子マネーの残金が飲料の代金未満であるために決済が不可能である旨をユーザに通知するための画像の表示指示を取得すると、図６の（ａ）に示す画像３３ａを表示部２３に表示させる。画像３３ａは、「残高不足のため購入できません」というテキストを含んでおり、ユーザは画像３３ａを見るだけで、電子マネーの残金が足りないために購入できないことを認識することができる。

　また、表示制御部１３は、処理実行部１２から、ＮＦＣ端末３が決済用の端末でない旨をユーザに通知するための画像の表示指示を取得すると、図６の（ｂ）に示す画像３３ｂを表示部２３に表示させる。画像３３ｂは、「決済可能なカードではありません」というテキストを含んでおり、ユーザは画像３３ｂを見るだけで、決済用の端末ではないＮＦＣ端末３を誤って接近させたことを認識することができる。

　また、商品選択画像３１が表示された領域に重畳するＮＦＣアンテナ２２でＮＦＣ端末３を検出したことにより、図７の（ａ）に示すように購入確認画像３２が表示される。この後、図７の（ｂ）に示すように、購入確認画像３２が表示された領域に重畳するＮＦＣアンテナ２２ｄに、ＮＦＣ端末３と異なるＮＦＣ端末３ａを接近させた場合について説明する。この場合、処理実行部１２から、端末ＩＤが一致しない旨をユーザに通知するための画像の表示指示が、表示制御部１３へ出力される。表示制御部１３は、該指示を取得すると、図７の（ｂ）に示す画像３４を表示部２３に表示させる。画像３４は、「カードが違います」というテキストを含んでおり、ユーザは画像３４を見るだけで、先の近距離無線通信で用いたＮＦＣ端末３と異なるＮＦＣ端末を接近させたことを認識することができる。

　なお、図６および図７に示した画像３３ａ、画像３３ｂ、画像３４の形状、大きさ、表示位置、テキストの内容などは一例であり、処理実行部１２からの各指示に基づいて表示される画像は、図示の例に限定されるものではない。また、表示制御部１３は、各画像を生成して表示部２３に表示させてもよいし、各画像を記憶部１４から読み出して表示部２３に表示させてもよい。

　（決済処理の流れ）
　次に、図８を参照して、ＮＦＣシステム１００が実行する決済処理の流れについて説明する。図８は、決済処理の流れの一例を示すフローチャートである。

　まず、情報処理装置１およびＮＦＣディスプレイ２が起動されると、表示制御部１３は、１以上のＮＦＣアンテナ２２に重畳する表示部２３の領域に、商品選択画像３１を表示させる（ステップＳ１、以下「ステップ」を省略する場合がある）。また、ＮＦＣ通信制御部１１に含まれるアンテナ駆動部１５は、ＮＦＣコントローラ２４に制御信号を送信することにより、ＮＦＣコントローラ２４にスキャン駆動を開始させる（Ｓ２）。

　スキャン駆動を開始すると、ＮＦＣコントローラ２４はＮＦＣ端末３の検出を待機する状態となる（Ｓ３）。いずれかのＮＦＣアンテナ２２でＮＦＣ端末３を検出すると（Ｓ３でＹＥＳ）、ＮＦＣコントローラ２４は、ＮＦＣ端末３を検出したＮＦＣアンテナ２２を示すアンテナＩＤと、ＮＦＣ端末３から取得した端末ＩＤとを含む通知を、ＮＦＣ通信制御部１１を介して処理実行部１２へ出力する。処理実行部１２は、取得したアンテナＩＤおよび端末ＩＤを記憶部１４へ記憶するとともに、ＮＦＣ通信制御部１１を介してデータ伝送の実行指示をＮＦＣコントローラ２４へ送信する。

　続いて、ＮＦＣコントローラ２４は、近距離無線通信（データ伝送）によりＮＦＣ端末３から端末情報を取得する（Ｓ４）。ＮＦＣコントローラ２４は、ＮＦＣ通信制御部１１を介して、取得した端末情報を処理実行部１２へ出力する。

　続いて、処理実行部１２は、取得した端末情報に基づいて、飲料の購入が可能であるか否かを判定する（Ｓ５）。具体的には、処理実行部１２は、ＮＦＣ端末３が決済用の端末であるか否か、および、決済用の端末である場合には電子マネーの残金が飲料の代金以上であるか否かを判定する。購入できないと判定した場合（Ｓ５でＮＯ）、処理実行部１２はその旨をユーザに通知するための画像の表示指示を表示制御部１３へ出力する。表示制御部１３は、該指示に基づいて、購入できない旨を示す画像を表示部２３へ表示させる（Ｓ１２）。そして決済処理はステップＳ２へ戻る。なお、ここでの購入できない旨を示す画像とは、例えば、図６に示す画像３３ａおよび画像３３ｂである。

　一方、購入可能と判定した場合（Ｓ５でＹＥＳ）、処理実行部１２は、購入確認画像３２の表示指示を表示制御部１３へ出力するとともに、購入確認画像３２が表示される領域に重畳するＮＦＣアンテナ２２でのポーリング指示をＮＦＣ通信制御部１１へ出力する。表示制御部１３は、表示指示に従って、ＮＦＣ端末３を検出したＮＦＣアンテナ２２と隣接するＮＦＣアンテナ２２に重畳する領域に購入確認画像３２を表示させる（Ｓ６）。

　また、ＮＦＣ通信制御部１１に含まれるアンテナ駆動部１５は、ポーリング指示に従ってＮＦＣコントローラ２４へ制御信号を送信する。ＮＦＣコントローラ２４は、制御信号に基づいてスキャン駆動を停止させ（Ｓ７）、購入確認画像３２が表示された領域と重畳するＮＦＣアンテナ２２でポーリングを行う（Ｓ８）。また、ＮＦＣコントローラ２４は、タイマを制御して時間を計測し、所定時間以内に購入確認画像３２が表示された領域と重畳するＮＦＣアンテナ２２でＮＦＣ端末３を検出したか否かを判定する（Ｓ９）。所定時間以内にＮＦＣ端末３を検出しなかったと判定した場合（Ｓ９でＮＯ）、決済処理はステップＳ２へ戻る。

　一方、所定時間以内にＮＦＣ端末３を検出したと判定した場合（Ｓ９でＹＥＳ）、ＮＦＣコントローラ２４は、アンテナＩＤおよび端末ＩＤを含む通知を、ＮＦＣ通信制御部１１を介して処理実行部１２へ出力する。処理実行部１２は、取得した端末ＩＤと記憶部１４に記憶している端末ＩＤとが一致するか否かを判定する（Ｓ１０）。一致しないと判定した場合（Ｓ１０でＮＯ）、処理実行部１２はその旨をユーザに通知するための画像の表示指示を表示制御部１３へ出力する。表示制御部１３は、該指示に基づいて、購入できない旨を示す画像を表示部２３へ表示させる（Ｓ１２）。そして決済処理はステップＳ２へ戻る。なお、ここでの購入できない旨を示す画像とは、例えば、図７に示す画像３４である。

　一方、２つの端末ＩＤが一致すると判定した場合（Ｓ１０でＹＥＳ）、処理実行部１２は購入処理を実行する（Ｓ１１）。具体的には、処理実行部１２は、自動販売機を制御して、記憶部１４に記憶したアンテナＩＤから特定される飲料を排出させる。また、処理実行部１２は、決済処理のためのデータ伝送をＮＦＣ通信制御部１１へ指示する。該指示に基づくデータ伝送により、ＮＦＣコントローラ２４が、ＮＦＣ端末３が有する電子マネーの残金から飲料の代金を差し引く。購入処理が完了すると、決済処理はステップＳ２へ戻る。なお、図８に示す決済処理は、情報処理装置１の電源がＯＦＦになったとき終了する。

　（実施形態１の変形例）
　次に、実施形態１の変形例について、図９を参照して説明する。図９は、実施形態１の変形例を示す画面図である。

　まず、購入確認画像３２が表示される領域に重畳するＮＦＣアンテナ２２でのポーリング終了のトリガの他の例について、図９の（ａ）を参照して説明する。本変形例に係る表示制御部１３は、処理実行部１２からの指示に従って、飲料の選択をキャンセルするための近距離無線通信を促すキャンセル画像３２ａを表示部２３に表示させる。図示の例では、ＮＦＣ端末３との近距離無線通信が実行されたＮＦＣアンテナ２２の周辺にある、ＮＦＣアンテナ２２ｅに重畳する領域にキャンセル画像３２ａを表示させている。

　本実施形態に係るＮＦＣコントローラ２４は、購入確認画像３２およびキャンセル画像３２ａが表示されたとき、これらの画像と重畳するＮＦＣアンテナ２２でのポーリングを開始する。なお、図示の例では、２つの画像と重畳するＮＦＣアンテナ２２は隣接しているので、ＮＦＣコントローラ２４は、これら２つのＮＦＣアンテナ２２を交互に駆動状態とするスキャン駆動を行うことが好ましい。なお、２つの画像それぞれと重畳する２つのＮＦＣアンテナ２２が離れている場合、ＮＦＣコントローラ２４は、これら２つのＮＦＣアンテナ２２を同時に駆動状態としてもよい。

　本変形例に係る処理実行部１２は、ＮＦＣアンテナ２２ｅを示すアンテナＩＤを含む通知を取得すると、ポーリングの終了指示を、ＮＦＣ通信制御部１１へ出力する。ＮＦＣ通信制御部１１のアンテナ駆動部１５は、該指示に従って、ＮＦＣコントローラ２４へ制御信号を送信し、２つのＮＦＣアンテナ２２を交互に駆動状態とするスキャン駆動を終了させる。さらに、アンテナ駆動部１５は、スキャン駆動の終了とともに、すべてのＮＦＣアンテナ２２を順に駆動状態とするスキャン駆動を再開させる。また、処理実行部１２は、表示制御部１３へ指示し、購入確認画像３２およびキャンセル画像３２ａを非表示とさせる。

　続いて、購入確認画像３２のバリエーションについて、図９の（ｂ）を参照して説明する。図９の（ｂ）に示すように、購入確認画像３２は複数表示されてもよい。図示の例では、購入する飲料の本数をユーザに選択させる購入確認画像３２ｂ、３２ｃ、３２ｄ（通信催促画像）がそれぞれ、ＮＦＣアンテナ２２ｄ、２２ｆ、２２ｂに重畳する領域に表示されている。

　処理実行部１２は、ＮＦＣ端末３を検出した旨を示す通知に含まれるアンテナＩＤが、いずれのＮＦＣアンテナ２２を示すものであるかに応じて、自動販売機から排出させる飲料の本数と、電子マネーの残金から差し引く飲料の代金とを特定する。そして、処理実行部１２は、特定した本数の飲料を自動販売機から排出させるとともに、特定した代金を、ＮＦＣ端末３が有する電子マネーの残金から差し引く。

　なお、この例の場合、飲料の代金はユーザが購入する本数に応じて変わる。そのため、処理実行部１２は、購入確認画像３２が表示された領域に重畳するＮＦＣアンテナ２２でＮＦＣ端末３が検出された旨を示す通知を取得したときに、飲料を購入可能であるか否か（具体的には、電子マネーの残金が飲料の代金以上であるか否か）を判定する。

　また、実施形態１では、商品選択画像３１が表示された領域に重畳するＮＦＣアンテナ２２でＮＦＣ端末３が検出されたとき、ＮＦＣコントローラ２４はＮＦＣ端末３とＮＦＣアンテナ２２との間でデータ伝送を行う構成を説明した。一方で、ＮＦＣコントローラ２４は、購入確認画像３２が表示された領域に重畳するＮＦＣアンテナ２２でＮＦＣ端末３が検出されたとき、データ伝送を行ってもよい。この例の場合、購入確認画像３２が表示された領域に重畳するＮＦＣアンテナ２２に、ユーザがＮＦＣ端末３を近接させない限り、端末情報はＮＦＣシステム１００に送信されない。よって、ＮＦＣシステム１００は、意図しない端末情報の送信を防ぐことができる。

　また、実施形態１では、ユーザが２つのＮＦＣアンテナ２２にＮＦＣ端末３を接近させることにより、飲料の購入が完了する構成を説明したが、飲料の購入が完了するまでにＮＦＣ端末３を接近させるＮＦＣアンテナ２２の個数は２つに限定されない。具体的には、該個数は複数であればよく、例えば３つであってもよい。この例の場合、商品選択画像３１が表示された領域と重畳するＮＦＣアンテナ２２と近距離無線通信が行われたとき、表示制御部１３は、該ＮＦＣアンテナ２２と周辺の複数のＮＦＣアンテナ２２と重畳する領域それぞれに、購入する本数を選択させるための複数の画像を表示させてもよい。そして、表示制御部１３は、いずれかの画像が表示された領域に重畳するＮＦＣアンテナ２２と近距離無線通信が行われ、本数が決定した後、該ＮＦＣアンテナ２２と隣接するＮＦＣアンテナ２２と重畳する領域に、購入確認画像３２を表示させてもよい。

　（実施形態１に係る情報処理装置１が奏する効果）
　上述したように、本実施形態に係る情報処理装置１は、ＮＦＣ端末３と近距離無線通信を行う複数のＮＦＣアンテナ２２を備えるＮＦＣ通信部２１と、表示部２３とを備えるＮＦＣディスプレイ２を制御する。また、情報処理装置１は、ＮＦＣ通信部２１の少なくとも１つのＮＦＣアンテナ２２にてＮＦＣ端末３との近距離無線通信が行われたとき、該近距離無線通信を行ったＮＦＣアンテナ２２とは異なるＮＦＣアンテナ２２での近距離無線通信を促す購入確認画像３２を表示させる表示制御部１３を備える。

　上記の構成によれば、情報処理装置１は、あるＮＦＣアンテナ２２での近距離無線通信が行われたとき、該ＮＦＣアンテナ２２と異なるＮＦＣアンテナ２２での近距離無線通信を促す購入確認画像３２を表示させるので、ユーザは、次の近距離無線通信を行うために、ＮＦＣ端末３を近接させる位置を容易に理解することができる。よって、情報処理装置１は、異なるＮＦＣアンテナ２２を用いた複数回の近距離無線通信をユーザにスムーズに実行させることができる。

　また、情報処理装置１は、近距離無線通信によりＮＦＣ端末３から取得した情報に基づいて所定の処理を実行する処理実行部１２をさらに備え、処理実行部１２は、通信催促画像が所定の回数表示された後、直近に表示された通信催促画像が示すＮＦＣアンテナ２２にてＮＦＣ端末３との近距離無線通信が行われたとき、所定の処理を実行する。

　上記の構成によれば、処理実行部１２は、通信催促画像が所定の回数表示された後、直近に表示された通信催促画像が示すＮＦＣアンテナ２２にて近距離無線通信が行われたとき、所定の処理を実行する。換言すれば、ユーザが、通信催促画像が所定の回数表示される前に、ＮＦＣ端末３を意図せずＮＦＣアンテナ２２に接近させたとしても、所定の処理は実行されない。よって、ユーザが意図せずＮＦＣディスプレイ２にＮＦＣ端末３を接近させたことによる、処理の実行を防ぐことができる。この構成は、所定の処理が決済処理である場合に特に有効である。すなわち、上記の構成によれば、ユーザが意図せずＮＦＣディスプレイ２にＮＦＣ端末３を接近させたとしても、通信催促画像が表示される前であれば決済処理が行われないので、ユーザが所望しない商品の購入に伴う、意図しない支払を防ぐことができる。

　なお、本実施形態では、所定の回数が１回である例を説明したが、所定の回数は２回以上であってもよい。この例については、後述する実施形態２にて説明する。

　また、情報処理装置１において、所定の処理は決済処理であり、表示制御部１３は、決済可能である場合、購入確認画像３２を表示させる一方、決済不可能である場合、その旨をユーザに提示する画像（画像３３ａ、画像３３ｂ、画像３４）を表示させる。

　上記の構成によれば、表示制御部１３は、決済不可能である場合、その旨をユーザに提示する画像を表示させるので、ユーザは決済不可能であることをすぐに理解することができる。また、決済不可能である旨をユーザに提示する画像が、決済不可能である理由を示すテキストなどを含むものであれば、ユーザは、決済できない原因の理解と解決とをすぐに行うことができる。

　また、情報処理装置１において、処理実行部１２は、購入確認画像３２が示すＮＦＣアンテナ２２において、直近に近距離無線通信を行ったＮＦＣ端末３と異なるＮＦＣ端末３ａとの近距離無線通信が行われたとき、所定の処理を実行せず、表示制御部１３は、処理実行部１２からの指示に基づいて、ＮＦＣ端末が異なる旨を示す画像（画像３４）を表示させる。

　上記の構成によれば、直近に近距離無線通信を行ったＮＦＣ端末３と異なるＮＦＣ端末がＮＦＣアンテナ２２に接近しても、所定の処理を実行しないので、別のＮＦＣ端末３の接近による意図しない処理の実行を防ぐことができる。例えば、別のユーザが誤って自身が所有するＮＦＣ端末３を接近させたことによる、処理の実行を防ぐことができる。また、上記の構成によれば、ＮＦＣ端末が異なる旨を示す画像が表示されるので、ユーザは処理が実行されない原因の理解と解決とをすぐに行うことができる。

　また、情報処理装置１において、表示制御部１３は、ＮＦＣ端末３との近距離無線通信が行われたとき、該近距離無線通信を行ったＮＦＣアンテナ２２に隣接するＮＦＣアンテナ２２での近距離無線通信を促す購入確認画像３２を表示させる。

　上記の構成によれば、表示制御部１３は、近距離無線通信が行われたとき、近距離無線通信を行ったＮＦＣアンテナ２２に隣接するＮＦＣアンテナ２２での近距離無線通信を促す購入確認画像３２を表示させる。換言すれば、１回目の近距離無線通信に続く近距離無線通信は、１回目の近距離無線通信を行ったＮＦＣアンテナ２２に隣接するＮＦＣアンテナ２２で行われる。これにより、ユーザはＮＦＣ端末３を大きく移動させることなく、複数回の近距離無線通信を行うことができる。

　また、情報処理装置１は、複数のＮＦＣアンテナ２２を所定の順序で逐次駆動させるアンテナ駆動部１５をさらに備える。

　上記の構成によれば、アンテナ駆動部１５は、複数のＮＦＣアンテナ２２を所定の順序で逐次駆動させるので、あるＮＦＣアンテナ２２が駆動しているとき、その近傍のＮＦＣアンテナ２２は駆動していない状態となる。よって、近接する複数のＮＦＣアンテナ２２が同時に駆動状態となることによる干渉と、該干渉により近距離無線通信が行えないという状況とを防ぐことができる。

　また、ＮＦＣディスプレイ２の表示部２３は、ＮＦＣアンテナ２２に重畳している。この構成により、ＮＦＣアンテナ２２に重畳させて購入確認画像３２を表示させることができるので、ユーザは、ＮＦＣ端末３を近接させる位置を直観的に理解することができる。

　〔実施形態２〕
　本開示の他の実施形態について、図１０から図１２に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、実施形態２以降の各実施形態では、説明の便宜上、実施形態１にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。

　本実施形態では、ＮＦＣシステム１００を、複数のユーザのデータにアクセスすることが可能な共用のコンピュータ、または、リモートアクセス用の端末に適用した例を説明する。本実施形態に係るＮＦＣシステム１００は、ＮＦＣ端末３との近距離無線通信に基づくユーザ認証処理を行い、認証が成功した場合、該ユーザの個人データへのアクセスを許可する。

　図１０および図１１を参照して、ユーザ認証処理の概要を説明する。図１０および図１１は、本実施形態に係るＮＦＣディスプレイ２に表示される画面の一例を示す図である。

　表示制御部１３は、情報処理装置１の起動に伴い、図１０の（ａ）に示すように、認証開始画像４１を含む画面を表示部２３に表示させる。認証開始画像４１は、ＮＦＣ端末３の接近でユーザ認証処理が開始されることをユーザに提示し、ＮＦＣ端末３を接近させるよう促す画像である。

　また、認証開始画像４１は、ＮＦＣアンテナ２２の位置を示すものであればよい。例えば、認証開始画像４１は、図示のようにＮＦＣアンテナ２２ｂに重畳する領域に表示されることで、ＮＦＣアンテナ２２ｂの位置を示してもよい。なお、認証開始画像４１はＮＦＣアンテナ２２に重畳しない領域に表示されてもよいが、この場合、認証開始画像４１は、ＮＦＣアンテナ２２の位置を示すテキストなどを含むことが好ましい。

　ＮＦＣコントローラ２４は、情報処理装置１の起動に伴い、アンテナ駆動部１５から制御信号を受信する。該制御信号は、ＮＦＣアンテナ２２ｂでポーリングを実行させる指示を含む。ＮＦＣコントローラ２４は、制御信号に従って、ＮＦＣアンテナ２２ｂでポーリングを実行する。

　ここで、図１０の（ｂ）に示すように、ユーザがＮＦＣ端末３をＮＦＣアンテナ２２ｂに接近させたとする。これにより、ＮＦＣ端末３とＮＦＣアンテナ２２ｂとの間で近距離無線通信が行われ、ＮＦＣ端末３が検出される。ＮＦＣコントローラ２４は、ＮＦＣ端末３から取得した端末ＩＤ、および、アンテナ２２ｂを示すアンテナＩＤを含む通知を、ＮＦＣ通信制御部１１を介して処理実行部１２へ送信する。また、ＮＦＣコントローラ２４は、処理実行部１２からの指示に基づく、アンテナ駆動部１５からの制御信号に従って、ＮＦＣ端末３とＮＦＣアンテナ２２ｂとの間でデータ伝送を行い、端末情報を取得する。ＮＦＣコントローラ２４は、取得した端末情報を、ＮＦＣ通信制御部１１を介して処理実行部１２へ送信する。なお、通知を受信してから制御信号を送信するまでの情報処理装置１が実行する処理については、実施形態１と同様であるため、ここでの説明を省略する。

　端末情報には少なくとも、ＮＦＣ端末３の種別を示す情報およびＮＦＣ端末３のユーザを示すユーザＩＤが含まれている。処理実行部１２は、ＮＦＣ端末３の種別を示す情報を参照して、ＮＦＣ端末３が認証用の端末であるか否かを判定する。認証用の端末でないと判定した場合、処理実行部１２は、その旨をユーザに通知するための画像の表示指示を、表示制御部１３へ出力する。

　一方、認証用の端末であると判定した場合、処理実行部１２は、記憶部１４に記憶されているテーブルにおいて、端末情報に含まれるユーザＩＤを検索する。そして、テーブルにてユーザＩＤに対応付けられている秘密の質問および該質問に対する回答を特定する。なお、秘密の質問は、複数の質問の中から予めユーザが選択したものであり、回答はユーザが予め入力（設定）したものである。そして、処理実行部１２は、ＮＦＣアンテナ２２ｂの周辺に位置する複数のＮＦＣアンテナ２２を選択する。また、処理実行部１２は、これらのＮＦＣアンテナ２２を順に駆動状態とするスキャン駆動を実行させるために、選択したＮＦＣアンテナ２２のアンテナＩＤと、スキャン駆動の実行指示とを、ＮＦＣ通信制御部１１へ出力する。これにより、アンテナ駆動部１５がＮＦＣコントローラ２４へ制御信号を送信し、アンテナＩＤが示すＮＦＣアンテナ２２を順に駆動状態とするスキャン駆動が実行される。

　また、処理実行部１２は、選択したＮＦＣアンテナ２２のアンテナＩＤ、特定した質問および回答、並びに、画像の表示指示を表示制御部１３へ出力する。表示制御部１３は、該指示に従って、ユーザに複数の選択肢の中から自身が設定した回答を選択させる質問画像を生成する。質問画像の一例は、図１０の（ｂ）に示す質問画像４２ａである。質問画像４２ａは、処理実行部１２から取得した質問を含む。図示の例では、該質問は「好きな４ケタの数字は？」である。

　また、質問画像４２ａは、複数の選択肢を示す認証用画像４３を含む。認証用画像４３は質問の回答となり得る情報を含む画像であり、図示の例では４ケタの数字を含んでいる。認証用画像４３のうちの１つは、処理実行部１２から取得した回答を含む。一方、他の認証用画像４３は、回答ではない情報を含む。図示の例の場合、認証用画像４３ａ、４３ｂ、および４３ｃ（通信催促画像）に含まれる各４ケタの数字のうちいずれか１つが、ユーザが設定した数字である。

　また、認証用画像４３は、各ＮＦＣアンテナ２２の位置を示す。例えば、認証用画像４３は、図１０の（ｂ）に示すようにＮＦＣアンテナ２２に重畳する領域に表示されることで、ＮＦＣアンテナ２２の位置を示してもよい。なお、認証用画像４３はＮＦＣアンテナ２２に重畳しない領域に表示されてもよいが、この場合、認証用画像４３は、ＮＦＣアンテナ２２の位置を示すテキストなどを含むことが好ましい。

　表示制御部１３は、処理実行部１２から取得した回答を含む認証用画像４３と、回答ではない情報を含む認証用画像４３を生成する。回答ではない情報については、表示制御部１３が生成してもよいし、記憶部１４に記憶されている情報を用いてもよい。なお本実施形態では、前者の例を説明する。すなわち表示制御部１３は、任意の４ケタの数字を２つ生成し、生成した４ケタの数字を含む認証用画像４３を生成する。

　そして、表示制御部１３は、取得したアンテナＩＤが示すＮＦＣアンテナ２２に重畳する領域に、生成した複数の認証用画像４３が表示されるように、質問画像４２ａを表示させる。図示の例では、ＮＦＣアンテナ２２ｆ、２２ｃ、２２ｄそれぞれに重畳する領域に、認証用画像４３ａ、４３ｂ、４３ｃが表示されている。また、表示制御部１３は、回答を含む認証用画像４３を表示させた領域に重畳するＮＦＣアンテナ２２を示すアンテナＩＤを、処理実行部１２へ通知する。

　続いてユーザは、認証用画像４３が表示された領域に重畳するいずれかのＮＦＣアンテナ２２にＮＦＣ端末３を接近させる。これにより、近距離無線通信が行われ、ＮＦＣ端末３が検出される。ＮＦＣコントローラ２４は、ＮＦＣ端末３から取得した端末ＩＤ、および、ＮＦＣ端末３を検出したＮＦＣアンテナ２２を示すアンテナＩＤを含む通知を、ＮＦＣ通信制御部１１を介して処理実行部１２へ送信する。

　処理実行部１２は、取得した通知に含まれる端末ＩＤと記憶部１４に記憶した端末ＩＤとが一致するか否かを判定する。一致しないと判定した場合、処理実行部１２は、その旨をユーザに通知するための画像の表示指示を、表示制御部１３へ出力する。表示制御部１３は、この指示に従って、ＮＦＣ端末３が異なることをユーザに通知するための画像を生成し、表示部２３に表示させる。

　一方、２つの端末ＩＤが一致すると判定した場合、処理実行部１２は、表示制御部１３から通知されたアンテナＩＤと、ＮＦＣ通信制御部１１を介してＮＦＣコントローラ２４から通知されたアンテナＩＤとを比較し、一致しているか否かを判定する。一致していないと判定した場合、処理実行部１２は、認証失敗とみなし、その旨をユーザに通知するための画像の表示指示を、表示制御部１３へ出力する。表示制御部１３は、この指示に従って、認証に失敗したことをユーザに通知するための画像を生成し、表示部２３に表示させる。該画像は例えば、秘密の質問に対する回答が違う旨のテキストを含む。

　一方、２つの端末ＩＤが一致すると判定した場合、処理実行部１２は、認証成功とみなす。処理実行部１２は、表示制御部１３に指示して、個人データにアクセス可能となったことを示す画面を表示させる。該画面は例えば、図１１の（ａ）に示す画面であり、アクセス許可画像４２ｂを含む。アクセス許可画像４２ｂは、各個人データにアクセスするためのアプリケーションを示すメニュー画像４４を含んでいる。

　また、メニュー画像４４（通信催促画像）は、各ＮＦＣアンテナ２２の位置を示す。例えば、メニュー画像４４は、図１１の（ａ）に示すようにＮＦＣアンテナ２２に重畳する領域に表示されることで、ＮＦＣアンテナ２２の位置を示してもよい。なお、メニュー画像４４はＮＦＣアンテナ２２に重畳しない領域に表示されてもよいが、この場合、メニュー画像４４は、ＮＦＣアンテナ２２の位置を示すテキストなどを含むことが好ましい。

　例えば、メニュー画像４４ａは、ＮＦＣアンテナ２２ｇに重畳する領域に表示されており、「スケジュール」というテキストを含む。これにより、メニュー画像４４ａは、ＮＦＣアンテナ２２ｇとＮＦＣ端末３との近距離無線通信によって、スケジュールを表示するアプリケーションが起動されることをユーザに提示することができる。

　なお、秘密の質問への回答によるユーザ認証は、多段階であってもよい。具体的には、処理実行部１２は、表示制御部１３から通知されたアンテナＩＤと、ＮＦＣ通信制御部１１を介してＮＦＣコントローラ２４から通知されたアンテナＩＤとが一致すると判定した場合、記憶部１４に記憶されているテーブルにおいて、ユーザＩＤに対応付けられている別の秘密の質問および該質問に対する回答を特定する。そして、ＮＦＣ通信制御部１１、処理実行部１２、および表示制御部１３は、別の秘密の質問および回答の選択肢を示す質問画像を表示する処理と、ＮＦＣコントローラにスキャン駆動を実行させる処理とを行う。なお、これらの処理の詳細については、図１０（ｂ）を参照して行った説明と同様であるため、ここでの説明を省略する。上記処理により、例えば、図１１の（ｂ）に示すように、「好きな動物は？」という質問と、該質問の回答となり得る選択肢を含む認証用画像４３ｄ、４３ｅ、４３ｆ（通信催促画像）とを含む質問画像４２ｃが表示部２３に表示される。また、表示制御部１３は、回答を含む認証用画像４３を表示させた領域に重畳するＮＦＣアンテナ２２を示すアンテナＩＤを、処理実行部１２へ通知する。

　そして、処理実行部１２は、表示制御部１３から通知されたアンテナＩＤと、ＮＦＣ通信制御部１１を介してＮＦＣコントローラ２４から通知されたアンテナＩＤとを比較し、一致している場合、図１１の（ａ）に示す画面を、表示制御部１３に表示させる。

　なお、秘密の質問への回答によるユーザ認証が多段階である場合、２回目以降の質問画像４２に含まれる認証用画像４３は、ＮＦＣ端末３における直前の移動の方向にあるＮＦＣアンテナ２２と重畳する領域に表示させないことが好ましい。

　具体的には、図１０の（ｂ）および図１１の（ｂ）に示すように、ユーザがＮＦＣアンテナ２２ｄにＮＦＣ端末３を接近させた場合、ＮＦＣ端末３は、図の左上方向に移動することとなる。この場合、処理実行部１２は、ＮＦＣアンテナ２２ｄを基準として図の左上方向にあるＮＦＣアンテナ２２ｇ（図１１の（ｂ）参照）を、重畳する表示部２３の領域に認証用画像４３を表示させるＮＦＣアンテナ２２として選択しない。すなわち、表示制御部１３は、処理実行部１２の指示に基づいて、ＮＦＣアンテナ２２ｄの周辺に位置する、ＮＦＣアンテナ２２ｇ以外のＮＦＣアンテナ２２ｅ、２２ｆ、２２ｉに重畳する表示部２３の領域に認証用画像４３を表示させる。

　これにより、ユーザがＮＦＣ端末３を移動させすぎたことによる、意図しないＮＦＣアンテナ２２での近距離無線通信を防ぐことができる。換言すれば、ユーザが誤った認証用画像４３を選択することを防ぐことができる。

　（ユーザ認証処理の流れ）
　次に、図１２を参照して、ＮＦＣシステム１００が実行するユーザ認証処理の流れについて説明する。図１２は、ユーザ認証処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図１２に示すフローチャートは、認証用画像４３を１回表示する例を示すフローチャートである。

　まず、情報処理装置１およびＮＦＣディスプレイ２が起動されると、表示制御部１３は、所定のＮＦＣアンテナ２２（図１０などの例では、ＮＦＣアンテナ２２ｂ）に重畳する表示部２３の領域に、認証開始画像４１を表示させる（Ｓ２１）。また、ＮＦＣ通信制御部１１に含まれるアンテナ駆動部１５は、ＮＦＣコントローラ２４に制御信号を送信することにより、上記ＮＦＣアンテナ２２でのポーリングを開始させる。

　ポーリングの開始により、ＮＦＣコントローラ２４はＮＦＣ端末３の検出を待機する状態となる（Ｓ２２）。ＮＦＣ端末３を検出すると（Ｓ２２でＹＥＳ）、ＮＦＣコントローラ２４は、ＮＦＣ端末３を検出したＮＦＣアンテナ２２を示すアンテナＩＤと、ＮＦＣ端末３から取得した端末ＩＤとを含む通知を、ＮＦＣ通信制御部１１を介して処理実行部１２へ出力する。処理実行部１２は、取得したアンテナＩＤおよび端末ＩＤを記憶部１４へ記憶するとともに、ＮＦＣ通信制御部１１を介してデータ伝送の実行指示をＮＦＣコントローラ２４へ送信する。

　続いて、ＮＦＣコントローラ２４は、近距離無線通信（データ伝送）によりＮＦＣ端末３から端末情報を取得する（Ｓ２３）。ＮＦＣコントローラ２４は、ＮＦＣ通信制御部１１を介して、取得した端末情報を処理実行部１２へ出力する。

　続いて、処理実行部１２は、取得した端末情報、具体的には、端末情報に含まれる端末の種別を示す情報に基づいて、ＮＦＣ端末３が認証用の端末であるか否かを判定する（Ｓ２４）。認証用の端末でないと判定した場合（Ｓ２４でＮＯ）、処理実行部１２はその旨をユーザに通知するための画像の表示指示を表示制御部１３へ出力する。表示制御部１３は、該指示に基づいて、認証に失敗したことをユーザに通知するための画像を表示部２３へ表示させる（Ｓ３３）。そしてユーザ認証処理はステップＳ２２へ戻る。

　一方、認証用の端末であると判定した場合（Ｓ２４でＹＥＳ）、処理実行部１２は、認証用画像４３の表示指示を表示制御部１３へ出力する。また、処理実行部１２は、表示指示の出力とともに、認証用画像４３が表示される領域に重畳するＮＦＣアンテナ２２でのポーリング指示をＮＦＣ通信制御部１１へ出力する。表示制御部１３は、表示指示に従って、所定のＮＦＣアンテナ２２の周囲の複数のＮＦＣアンテナ２２に重畳する領域に、認証用画像４３を表示させる（Ｓ２５）。また、表示制御部１３は、認証成功となる回答を含む認証用画像４３を表示させた領域に重畳するＮＦＣアンテナ２２を示すアンテナＩＤを、処理実行部１２へ通知する。

　また、ＮＦＣ通信制御部１１に含まれるアンテナ駆動部１５は、ポーリング指示に従ってＮＦＣコントローラ２４へ制御信号を送信する。該制御信号は、認証用画像４３が表示された領域と重畳する複数のＮＦＣアンテナ２２を順に駆動状態とするスキャン駆動を行わせるための信号である。ＮＦＣコントローラ２４は、制御信号に基づいて該スキャン駆動を行う（Ｓ２６）。

　続いて、ＮＦＣコントローラ２４は、ＮＦＣ端末３の検出を待機する状態となる（Ｓ２７）。ＮＦＣ端末３を検出した場合（Ｓ２７でＹＥＳ）、ＮＦＣコントローラ２４は、ＮＦＣ端末３を検出したＮＦＣアンテナ２２を示すアンテナＩＤと、ＮＦＣ端末３から取得した端末ＩＤとを含む通知を、ＮＦＣ通信制御部１１を介して処理実行部１２へ出力する。

　続いて、処理実行部１２は、取得した通知に基づいて、認証が成功したか否かを判定する（Ｓ２８）。具体的には、処理実行部１２は、表示制御部１３から通知されたアンテナＩＤと、ＮＦＣ通信制御部１１を介してＮＦＣコントローラ２４から通知されたアンテナＩＤとを比較し、一致しているか否かを判定する。一致していないと判定した場合、処理実行部１２は、認証失敗とみなし（Ｓ２８でＮＯ）、その旨をユーザに通知するための画像の表示指示を、表示制御部１３へ出力する。表示制御部１３は、この指示に従って、認証に失敗したことをユーザに通知するための画像を生成し、表示部２３に表示させる。（Ｓ３３）。そしてユーザ認証処理はステップＳ２２へ戻る。

　一方、２つのユーザＩＤが一致すると判定した場合、処理実行部１２は、認証成功とみなす（Ｓ２８でＹＥＳ）。処理実行部１２は、メニュー画像４４の表示指示を表示制御部１３へ出力するとともに、メニュー画像４４が表示される領域に重畳するＮＦＣアンテナ２２でのポーリング指示をＮＦＣ通信制御部１１へ出力する。表示制御部１３は、表示指示に従って、ＮＦＣ端末３を検出したＮＦＣアンテナ２２の周囲の複数のＮＦＣアンテナ２２に重畳する領域に、メニュー画像４４を表示させる（Ｓ２９）。

　また、アンテナ駆動部１５は、ポーリング指示に従ってＮＦＣコントローラ２４へ制御信号を送信する。該制御信号は、メニュー画像４４が表示された領域と重畳する複数のＮＦＣアンテナ２２を順に駆動状態とするスキャン駆動を行わせるための信号である。ＮＦＣコントローラ２４は、制御信号に基づいて該スキャン駆動を行う（Ｓ３０）。

　続いて、ＮＦＣコントローラ２４は、ＮＦＣ端末３の検出を待機する状態となる（Ｓ３１）。ＮＦＣ端末３を検出した場合（Ｓ３１でＹＥＳ）、ＮＦＣコントローラ２４は、ＮＦＣ端末３を検出したＮＦＣアンテナ２２を示すアンテナＩＤと、ＮＦＣ端末３から取得した端末ＩＤとを含む通知を、ＮＦＣ通信制御部１１を介して処理実行部１２へ出力する。

　処理実行部１２は、取得した通知に基づいて、ＮＦＣ端末３を検出したＮＦＣアンテナ２２に応じたアプリケーションを起動する（Ｓ３２）。以上で、ユーザ認証処理は終了する。

　（実施形態２の変形例１）
　本実施形態に係るＮＦＣシステム１００は、認証用画像４３の表示と、正しい回答をユーザに選択させることによるユーザ認証を行わない構成であってもよい。なお、正しい回答をユーザに選択させるとは、正しい回答を含む認証用画像４３に重畳するＮＦＣアンテナ２２で近距離無線通信を行うことである。

　具体的には、処理実行部１２は、個人データにアクセス可能なユーザを示すユーザＩＤを予め記憶部１４に記憶しておく。そして、処理実行部１２は、データ伝送により端末情報を取得したとき、該端末情報に含まれるユーザＩＤが記憶部１４に記憶されている場合、メニュー画像４４を表示させる。さらに、処理実行部１２は、メニュー画像４４の表示とともに、メニュー画像４４が示す各アプリケーションを起動させるためのスキャン駆動を、ＮＦＣコントローラ２４に実行させる。

　これにより、セキュリティは弱まるものの、ユーザは各アプリケーションを迅速に起動することができるようになる。

　また、上述した例では、認証開始画像４１は１つのみであったが、表示制御部１３は、複数の認証開始画像４１を表示させてもよい。この例の場合、複数の認証開始画像４１が表示された領域それぞれに重畳する複数のＮＦＣアンテナ２２が駆動状態となる。具体的には、ＮＦＣコントローラ２４は、該複数のＮＦＣアンテナ２２を順に駆動状態とするスキャン駆動を実行する。

　（実施形態２の変形例２）
　本実施形態に係るＮＦＣシステム１００は、複数のＮＦＣ端末３によって、認証処理等の所定の処理を実施する構成であってもよい。

　以下、上記構成の具体的な一例について、図２０及び図２１を参照して説明する。なお、上記実施形態と重複する処理に関しては、記載を適宜省略する。

　図２０及び図２１は、本変形例に係るＮＦＣディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。

　ここで、図２０の（ａ）は、ＮＦＣ端末３ａの認証の様子を示す概略図である。なお、ＮＦＣシステム１００がＮＦＣ端末３ａ及び後述するＮＦＣ端末３ｂの認証処理を行う手順は、図１０を参照して上述した、ＮＦＣ端末３の認証処理と同様である。

　図２０の（ａ）に示すように、ユーザがＮＦＣ端末３ａを、認証開始画像８０に対応するＮＦＣアンテナ２２ｂに接近させることにより、ＮＦＣ端末３ａとＮＦＣアンテナ２２ｂとの間で近距離無線通信が行われる。そして、上記実施形態と同様に、処理実行部１２は、ＮＦＣ端末３ａの種別を示す情報を参照して、ＮＦＣ端末３が認証用の端末であるか否かを判定する。

　処理実行部１２は、ＮＦＣ端末３ａの種別を示す情報を参照してＮＦＣ端末３ａが認証用の端末であると判定した場合、表示制御部１３に指示して、図２０の（ｂ）に例示する画面であって、通信催促画像である１又は複数のメニュー画像４５を含む画面を表示させる。

　そして、ＮＦＣコントローラ２４は、アンテナ駆動部１５から制御信号を受信する。該制御信号は、ＮＦＣアンテナ２２でポーリングを実行させる指示を含む。ＮＦＣコントローラ２４は、制御信号に従って、ＮＦＣアンテナ２２でポーリングを実行する。

　ここで、図２１の（ａ）に示すように、ユーザがＮＦＣ端末３ｂ（第２の情報通信端末）をＮＦＣアンテナ２２ｆに接近させたとする。これにより、ＮＦＣ端末３ｂが検出され、ＮＦＣコントローラ２４は、ＮＦＣ端末３ｂから取得した端末ＩＤ及びアンテナ２２ｆを示すアンテナＩＤを含む通知を、ＮＦＣ通信制御部１１を介して処理実行部１２へ送信する。

　続いて、処理実行部１２は、ＮＦＣ端末３ｂの種別を示す情報を参照して、ＮＦＣ端末３ｂが認証用の端末であると判定した場合、認証成功とみなす。そして、処理実行部１２は、ＮＦＣアンテナ２２ｆに対応する所定の処理を実行する。なお、図２１（ａ）に示す例において、上述した所定の処理とは「共有」アプリケーションの実行処理である。

　なお、双方のＮＦＣ端末３ａ及び３ｂを認証に用いる順番は、規定されていてもよいし、そうでなくともよい。前者の構成においては、図２０の（ａ）に示す画面においてＮＦＣ端末３ｂをＮＦＣアンテナ２２ｂに接近させた場合、認証失敗とみなす。後者の構成においては、上述した認証処理においてＮＦＣ端末３ａ及び３ｂを用いる順番が逆であっても認証成功とみなす。

　また、各ＮＦＣ端末３の種類は、特定の種類に限定されず、双方の種類が同一であってもよいし、異なっていてもよい。例えば、図２１の（ｂ）に示すように、最初の認証に用いるＮＦＣ端末３ｃがスマートフォン等の電子機器であり、次の認証に用いるＮＦＣ端末３ｂがカード状であってもよい。

　このように、情報処理装置１は、ＮＦＣ端末３ａとの近距離無線通信に基づいて表示された通信催促画像が示すアンテナにて、第二の情報通信端末であるＮＦＣ端末３ｂとの近距離無線通信が行われたとき、上記アンテナに対応するアプリケーションの実行等の所定の処理を実行する処理実行部１２を備える。

　上記の構成によれば、所定の処理に２つの端末を要する情報処理装置１を実現できる。

　また、上述したように、処理実行部１２は、ＮＦＣ端末３ａに記録されたユーザ情報と第二の情報通信端末であるＮＦＣ端末３ｂに記録されたユーザ情報とが同一である場合に、上記所定の処理としてユーザの認証が成功したとみなしてもよい。上記の構成によれば、ユーザ認証のセキュリティを強化することができる。

　また、ＮＦＣ端末３ａに紐づけられたユーザと、ＮＦＣ端末３ｂに紐づけられたユーザとが異なる場合においても認証を成功とする構成であってもよい。上記の構成の場合、処理実行部１２は、双方のユーザに共通してアクセス権がある情報のみを画面に表示させてもよい。

　換言すると、処理実行部１２は、ＮＦＣ端末３ａに記録されたユーザ情報が第一のユーザの情報であり、第二の情報通信端末であるＮＦＣ端末３ｂに記録されたユーザ情報が第二のユーザの情報である場合に、上記所定の処理として該第一のユーザと該第二のユーザとが共通してアクセス権を有する情報を表示する処理を行ってもよい。

　上記の構成によれば、例えば、複数人でＮＦＣディスプレイ２を操作する場合に、ファイル等がアクセス権の無いユーザによって閲覧されることを抑制できる。

　なお、ユーザ認証には、３つ以上のＮＦＣ端末３が多段階的に用いられる構成でもよい。また、上記の構成において各ＮＦＣ端末３に紐づけられたユーザが異なる場合、処理実行部１２は、各ユーザに共通してアクセス権がある情報のみを画面に表示させてもよい。

　（実施形態２に係る情報処理装置１が奏する効果）
　上述したように、本実施形態に係る情報処理装置１において、処理実行部１２が実行する所定の処理はユーザの認証処理であり、表示制御部１３は、複数のＮＦＣアンテナ２２それぞれでの近距離無線通信を促すとともに、それぞれ異なる情報をユーザに提示する複数の認証用画像４３を表示させ、処理実行部１２は、ユーザが予め設定した情報を提示している認証用画像４３が示すＮＦＣアンテナ２２にて近距離無線通信が行われたとき、ユーザの認証が成功したとみなす。

　上記の構成によれば、ユーザはユーザＩＤやパスワードの入力などを行うことなく、ＮＦＣ端末３とＮＦＣディスプレイ２との近距離無線通信のみで、ユーザ認証を行うことができる。よって、情報処理装置１は、ユーザにとって煩わしさの無いユーザ認証を実現することができる。

　また、上記の構成によれば、情報処理装置１は、ユーザ認証のために、ユーザが予め設定した情報を提示する認証用画像４３の他に、該情報と異なる情報を提示する認証用画像４３を表示させる。これにより、情報処理装置１は、セキュリティを強化することができる。

　また、情報処理装置１において、認証用画像４３が２回以上表示される場合、２回目以降に表示される認証用画像４３が示すＮＦＣアンテナ２２は、直近の近距離無線通信のためにＮＦＣ端末３が移動した方向にないＮＦＣアンテナ２２である。

　上記の構成によれば、ＮＦＣ端末３の移動方向にあるＮＦＣアンテナ２２は、次に近距離無線通信が行われる可能性があるＮＦＣアンテナ２２とならない。これにより、ユーザがＮＦＣ端末３を移動させすぎたことにより、１回目の認証と２回目の認証とが連続して行われてしまうことがない。よって、情報処理装置１は、ユーザがＮＦＣ端末３を移動させすぎたことによる、意図しないＮＦＣアンテナ２２での近距離無線通信を防ぐことができる。

　〔実施形態３〕
　本開示のさらなる別の実施形態について、図１３から図１５に基づいて説明すれば、以下のとおりである。

　まず、本実施形態に係るＮＦＣシステム１００が実行する処理について、図１３および図１４を参照して説明する。図１３および図１４は、本実施形態に係るＮＦＣディスプレイ２に表示される画面の一例を示す図である。

　本実施形態に係るＮＦＣシステム１００は、ＮＦＣディスプレイ２上に表示される選択肢を、ユーザが順に選択しながら進めていくアプリケーションを実行する。該アプリケーションとしては、例えば、駒を進めるゲームのアプリケーション、アンケートのアプリケーション、観光スポットを選択しながらルートを決定するアプリケーションなどが挙げられるが、この例に限定されるものではない。図１３および図１４では、上記の駒を進めるゲームのアプリケーションを実行した場合の画面例を示している。

　表示制御部１３は、情報処理装置１の起動に伴い、図１３の（ａ）に示すように、スタート画像５１を含む画面を表示部２３に表示させる。スタート画像５１は、ＮＦＣ端末３の接近でゲームが開始されることをユーザに提示し、ＮＦＣ端末３を接近させるよう促す画像である。

　また、スタート画像５１は、ＮＦＣアンテナ２２の位置を示すものであればよい。例えば、スタート画像５１は、図示のようにＮＦＣアンテナ２２ｂに重畳する領域に表示されることで、ＮＦＣアンテナ２２ｂの位置を示してもよい。なお、スタート画像５１はＮＦＣアンテナ２２に重畳しない領域に表示されてもよいが、この場合、スタート画像５１は、ＮＦＣアンテナ２２の位置を示すテキストなどを含むことが好ましい。

　ここで、図１３の（ｂ）に示すように、ユーザがＮＦＣ端末３をＮＦＣアンテナ２２ｂの位置に置いたとする。なお、本実施形態に係るＮＦＣ端末３は、ゲームで使用する駒にＮＦＣタグを取り付けたＮＦＣ端末３ｂである。これにより、ＮＦＣ端末３ｂとＮＦＣアンテナ２２ｂとの間で近距離無線通信が行われ、ＮＦＣ端末３が検出される。ＮＦＣコントローラ２４は、ＮＦＣ端末３ｂから取得した端末ＩＤ、および、アンテナ２２ｂを示すアンテナＩＤを含む通知を、ＮＦＣ通信制御部１１を介して処理実行部１２へ送信する。また、ＮＦＣコントローラ２４は、処理実行部１２からの指示に基づく、アンテナ駆動部１５からの制御信号に従って、ＮＦＣ端末３ｂとＮＦＣアンテナ２２ｂとの間でデータ伝送を行い、端末情報を取得する。ＮＦＣコントローラ２４は、取得した端末情報を、ＮＦＣ通信制御部１１を介して処理実行部１２へ送信する。なお、通知を受信してから制御信号を送信するまでの情報処理装置１が実行する処理については、実施形態１と同様であるため、ここでの説明を省略する。

　端末情報には少なくとも、ＮＦＣ端末３ｂの種別を示す情報および駒を識別する駒ＩＤが含まれている。処理実行部１２は、ＮＦＣ端末３ｂの種別を示す情報を参照して、ＮＦＣ端末３ｂがゲームアプリケーションで使用する端末であるか否かを判定する。ゲームアプリケーションで使用する端末でないと判定した場合、処理実行部１２は、その旨をユーザに通知するための画像の表示指示を、表示制御部１３へ出力する。

　一方、ゲームアプリケーションで使用する端末であると判定した場合、処理実行部１２は、選択肢画像５２（通信催促画像）の表示指示を、表示制御部１３へ出力する。また、処理実行部１２は、選択肢画像５２が表示される領域に重畳する複数のＮＦＣアンテナ２２のアンテナＩＤと、スキャン駆動の実行指示とを、ＮＦＣ通信制御部１１へ出力する。これにより、アンテナ駆動部１５がＮＦＣコントローラ２４へ制御信号を送信し、アンテナＩＤが示すＮＦＣアンテナ２２を順に駆動状態とするスキャン駆動が実行される。

　表示制御部１３は、表示指示に従って選択肢画像５２を生成し、図１３の（ｂ）に示すように、表示部２３に表示させる。選択肢画像５２は、ＮＦＣ端末３ｂである駒を次に移動させることができる位置を示す画像である。また、選択肢画像５２は、各ＮＦＣアンテナ２２の位置を示す。例えば、選択肢画像５２は、図１３の（ｂ）に示すようにＮＦＣアンテナ２２に重畳する領域に表示されることで、ＮＦＣアンテナ２２の位置を示してもよい。なお、選択肢画像５２はＮＦＣアンテナ２２に重畳しない領域に表示されてもよいが、この場合、選択肢画像５２は、ＮＦＣアンテナ２２の位置を示すテキストなどを含むことが好ましい。

　なお、図示の例では、スタート画像５１が表示された領域に重畳するＮＦＣアンテナ２２ｂの位置にＮＦＣ端末３ｂを置いたとき、選択肢画像５２として同じ画像が表示されている。しかしながら、複数の選択肢画像５２が表示される場合、これらの画像は互いに異なっていてもよい。また、選択肢画像５２の表示位置および表示数は、図示の例に限定されない。つまり、選択肢画像５２の種類、表示位置、および表示数は、駒の種類（すなわち駒ＩＤ）に応じてそれぞれ異なってもよい。

　ここで、図１４の（ａ）に示すように、ユーザがＮＦＣ端末３ｂを、ＮＦＣアンテナ２２ｄの位置に移動させたとする。これにより、ＮＦＣシステム１００において、ＮＦＣ端末３ｂが、スタート画像が表示されている領域に重畳するＮＦＣアンテナ２２ｂの位置に置かれたときと同様の処理が行われる。このとき処理実行部１２が表示制御部１３に表示する表示指示には、ＮＦＣアンテナ２２ｄに応じた位置（例えば、ＮＦＣアンテナ２２ｄの周辺）のＮＦＣアンテナ２２を示すアンテナＩＤが含まれている。

　表示制御部１３は、表示指示に従って新たな選択肢画像５２を生成し、図１４の（ａ）に示すように、表示部２３に表示させる。図示の例では、ＮＦＣアンテナ２２ｈ、２２ｉ、２２ｊに重畳する領域に新たな選択肢画像５２を表示させている。

　さらに、表示制御部１３は、表示されていた選択肢画像５２について、選択されたか否かに応じてその表示形態を変更する。図示の例では、選択された選択肢画像５２（ＮＦＣアンテナ２２ｄに重畳する領域に表示されていた選択肢画像５２）の表示形態を変更する。なお、以降、表示形態変更後の、選択された選択肢画像５２を、選択済画像５３と称する。また、表示制御部１３は、選択されなかった選択肢画像５２（ＮＦＣアンテナ２２ｃ、２２ｆに重畳する領域に表示されていた選択肢画像５２）の表示形態を変更する。このとき、表示制御部１３は、図示のように、選択されなかった選択肢画像５２の表示形態を選択済画像５３の表示形態と異ならせる。なお、以降、表示形態変更後の、選択されなかった選択肢画像５２を、非選択画像５４と称する。

　図示の例では、表示制御部１３は、選択済画像５３および非選択画像５４について、画像の模様を選択肢画像５２と異ならせているが、表示形態の変更はこの例に限定されない。例えば、表示制御部１３は、画像の色、大きさ、形状などを選択肢画像５２と異ならせてもよい。また、表示制御部１３は、非選択画像５４を表示せず、選択されなかった選択肢画像５２については非表示としてもよい。

　また、新たな選択肢画像５２を表示する処理において、処理実行部１２がＮＦＣ通信制御部１１へ出力するポーリング指示には、前回ＮＦＣ端末３ｂが置かれていたＮＦＣアンテナ２２のアンテナＩＤが含まれてもよい。これにより、図示の例では、ＮＦＣアンテナ２２ｈ、２２ｉ、２２ｊに加え、ＮＦＣアンテナ２２ｂも駆動状態となる。つまりユーザは、ゲームにおいて選択を誤った場合に一手戻すことができる。なお、処理実行部１２は、前回ＮＦＣ端末３ｂが置かれていたＮＦＣアンテナ２２のアンテナＩＤに代えて、非選択画像５４が表示される領域に重畳するＮＦＣアンテナ２２のアンテナＩＤをポーリング指示に含めてもよい。

　また、上記ゲームは複数人でのプレイが可能なゲームであってもよい。この場合、図１４の（ｂ）に示すように、プレイヤに応じて選択肢画像５２の表示形態を異ならせることが好ましい。具体的には、表示制御部１３は、ＮＦＣ端末３ｂと異なるＮＦＣ端末３ｃが検出された場合、図示のように、選択肢画像５２と表示形態が異なる選択肢画像５５（通信催促画像）を表示させる。なお、図示してはいないが、選択済画像５３および非選択画像５４についても、プレイヤに応じて表示形態を異ならせてもよい。また、図示の例においてスタート画像５１は共通であるが、プレイヤに応じて表示形態を異ならせてもよい。

　（選択肢表示処理の流れ）
　次に、図１５を参照して、ＮＦＣシステム１００が実行する選択肢表示処理の流れについて説明する。図１５は、選択肢表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図１５は、一人でゲームをプレイする場合の選択肢表示処理の流れを示すフローチャートである。

　まず、情報処理装置１およびＮＦＣディスプレイ２が起動されると、表示制御部１３は、所定のＮＦＣアンテナ２２（図１３などの例では、ＮＦＣアンテナ２２ｂ）に重畳する表示部２３の領域に、スタート画像５１を表示させる（Ｓ４１）。また、ＮＦＣ通信制御部１１に含まれるアンテナ駆動部１５は、ＮＦＣコントローラ２４に制御信号を送信することにより、上記ＮＦＣアンテナ２２でのポーリングを開始させる。

　ポーリングの開始により、ＮＦＣコントローラ２４はＮＦＣ端末３の検出を待機する状態となる（Ｓ４２）。ＮＦＣ端末３を検出すると（Ｓ４２でＹＥＳ）、ＮＦＣコントローラ２４は、ＮＦＣ端末３を検出したＮＦＣアンテナ２２を示すアンテナＩＤと、ＮＦＣ端末３から取得した端末ＩＤとを含む通知を、ＮＦＣ通信制御部１１を介して処理実行部１２へ出力する。処理実行部１２は、取得したアンテナＩＤおよび端末ＩＤを記憶部１４へ記憶するとともに、ＮＦＣ通信制御部１１を介してデータ伝送の実行指示をＮＦＣコントローラ２４へ送信する。

　続いて、ＮＦＣコントローラ２４は、近距離無線通信（データ伝送）によりＮＦＣ端末３から端末情報を取得する（Ｓ４３）。ＮＦＣコントローラ２４は、ＮＦＣ通信制御部１１を介して、取得した端末情報を処理実行部１２へ出力する。

　続いて、処理実行部１２は、取得した端末情報、具体的には、端末情報に含まれる端末の種別を示す情報に基づいて、ＮＦＣ端末３がゲーム対応端末（ＮＦＣ端末３ｂ、３ｃ）であるか否かを判定する（Ｓ４４）。対応端末でないと判定した場合（Ｓ４４でＮＯ）、処理実行部１２はその旨をユーザに通知するための画像の表示指示を表示制御部１３へ出力する。表示制御部１３は、該指示に基づいて、ＮＦＣ端末が対応していない旨を示す画像を表示部２３へ表示させる（Ｓ５０）。そして選択肢表示処理はステップＳ４２へ戻る。

　一方、対応端末であると判定した場合（Ｓ４４でＹＥＳ）、処理実行部１２は、選択肢画像５２の表示指示を表示制御部１３へ出力する。さらに処理実行部１２は、該表示指示の出力とともに、選択肢画像５２が表示される領域に重畳するＮＦＣアンテナ２２でのポーリング指示をＮＦＣ通信制御部１１へ出力する。表示制御部１３は、表示指示に従って、所定のＮＦＣアンテナ２２の周囲の複数のＮＦＣアンテナ２２に重畳する領域に、選択肢画像５２を表示させる（Ｓ４５）。

　また、ＮＦＣ通信制御部１１に含まれるアンテナ駆動部１５は、ポーリング指示に従ってＮＦＣコントローラ２４へ制御信号を送信する。該制御信号は、選択肢画像５２が表示された領域と重畳する複数のＮＦＣアンテナ２２を順に駆動状態とするスキャン駆動を行わせるための信号である。ＮＦＣコントローラ２４は、制御信号に基づいて該スキャン駆動を行う（Ｓ４６）。

　続いて、ＮＦＣコントローラ２４は、ＮＦＣ端末３の検出を待機する状態となる（Ｓ４７）。ＮＦＣ端末３を検出した場合（Ｓ４７でＹＥＳ）、ＮＦＣコントローラ２４は、ＮＦＣ端末３を検出したＮＦＣアンテナ２２を示すアンテナＩＤと、ＮＦＣ端末３から取得した端末ＩＤとを含む通知を、ＮＦＣ通信制御部１１を介して処理実行部１２へ出力する。

　続いて、処理実行部１２は、取得した通知に基づいて、前回と同じＮＦＣ端末３が検出されたか否かを判定する（Ｓ４８）。具体的には、処理実行部１２は、取得した通知に含まれる駒ＩＤと、記憶部１４に記憶している駒ＩＤとが一致しているか否かを判定する。一致していないと判定した場合（Ｓ４８でＮＯ）、処理実行部１２は、ＮＦＣ端末３が異なる旨をユーザに通知するための画像の表示指示を、表示制御部１３へ出力する。表示制御部１３は、この指示に従って画像を生成し、表示部２３に表示させる。（Ｓ５１）。そして選択肢表示処理はステップＳ２２へ戻る。

　一方、２つの駒ＩＤが一致すると判定した場合、処理実行部１２は、ゲームの終了条件を満たしているか否かを判定する（Ｓ４９）。満たしていないと判定した場合（Ｓ４９でＮＯ）、選択肢表示処理はステップＳ４５に戻る。一方、ゲームの終了条件を満たしていると判定した場合、選択肢表示は終了する。

　（実施形態３の変形例）
　本実施形態に係るＮＦＣシステム１００は、複数の駒、つまりＮＦＣ端末３が、ＮＦＣディスプレイ２上に配置可能な構成であってもよい。

　以下、上記構成の具体的な一例について、図２２～図２５を参照して説明する。なお、上記実施形態と重複する処理に関しては、記載を適宜省略する。

　図２２～図２５は、本変形例に係るＮＦＣディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。

　ここで、図２２の（ａ）は、図１３の（ａ）を参照して上述した処理が実行され、続いてユーザがＮＦＣ端末３ａをＮＦＣアンテナ２２ｂの位置に置いたことを示す図である。処理実行部１２は、ＮＦＣ端末３ａの種別を示す情報を参照して、ＮＦＣ端末３ａがゲームアプリケーションで使用する端末であると判定した場合、選択肢画像５２の表示指示を、表示制御部１３へ出力する。

　選択肢画像５２は、ＮＦＣ端末３ａを次に移動させることができる位置、又は、新たなＮＦＣ端末３を置くことができる位置を示している。なお、双方の位置が異なる場合、表示制御部１３は、対応する各選択肢画像を識別可能な態様で表示させてもよい。

　図２３の（ａ）は、ユーザがＮＦＣ端末３ｂをＮＦＣアンテナ２２ｃの位置に置いたことを示す図である。図２３の（ａ）に示すように、ユーザが複数のＮＦＣ端末３をＮＦＣディスプレイ２に置いた場合、処理実行部１２は、各ＮＦＣ端末３を同一ユーザが扱うものとして紐づけを行ってもよい。

　換言すると、処理実行部１２は、ＮＦＣ端末３ａとＮＦＣアンテナ２２との近距離無線通信に基づいて表示された選択肢画像５２が示すアンテナにて、第二の情報通信端末であるＮＦＣ端末３ｂとの近距離無線通信が行われた場合の所定の処理としてＮＦＣ端末３ａとＮＦＣ端末３ｂとを同一グループに属する情報通信端末として関連付ける処理を行ってもよい。上記の構成によれば、処理実行部１２は、複数のＮＦＣ端末３を同一のユーザが扱うものとして設定できる。

　なお、ＮＦＣディスプレイ２上に配置されて同一のユーザに関連付けられる各ＮＦＣ端末３の数及び種類は限定されない。例えば、図２３の（ｂ）に示すように、フィギュアとは異なる種類のＮＦＣ端末３ｃが更に配置されてもよい。

　このように、グループに属するいずれかの情報通信端末（ＮＦＣ端末３）との近距離無線通信に基づいて表示された通信催促画像が示すアンテナにて、上記グループに属さない別の情報通信端末との近距離無線通信が行われたとき、処理実行部１２は、該別の情報通信端末を上記グループに属する情報通信端末として関連付ける処理を行ってもよい。

　上記の構成によれば、例えば、ＮＦＣ端末３である駒を進めるゲームのアプリケーション等において、新たな駒を盤面であるＮＦＣディスプレイ２上に追加することができる。

　また、複数人が、１又は複数のＮＦＣ端末３を、任意の、又は所定の順番でＮＦＣディスプレイ２上に配置し、移動させてもよい。また、例えばゲームのアプリケーションは、１又は複数のＮＦＣ端末３が所定の位置に配置された状態から開始されてもよい。なお、上記ゲームの一例としては、将棋、或いはチェス等が挙げられる。例えば、図２４の（ａ）は、ＮＦＣシステム１００を用いたゲームの駒である各ＮＦＣ端末３の初期配置を示している。また、図２４の（ｂ）及び図２５の（ａ）は、上記ゲームを行う各プレイヤが交互に駒を移動させた様子を示している。また、ＮＦＣシステム１００を用いたゲームにおいては、プレイヤが、ゲームの途中で駒を除外してもよいし、図２５の（ｂ）に示すようにゲームの途中で新たな駒を追加してもよい。なお、ユーザによってゲームの途中で新たな駒が追加された場合、処理実行部１２は、上記駒と上記ユーザに対応するグループとの関連付けを行う。

　また、処理実行部１２は、通常、ゲームの過程において、同一グループとして関連付けられた複数の駒の何れかが移動した場合においても、当該複数の駒を引き続き同一グループに属する駒として扱う。

　即ち、処理実行部１２は、情報通信端末（ＮＦＣ端末３）と第二の情報通信端末が既に同一グループに属する情報通信端末として関連付けられていた場合、上記情報通信端末及び上記第二の情報通信端末の位置が移動した場合であっても、所定の処理としてそのまま上記情報通信端末と上記第二の情報通信端末とを同一グループに属する情報通信端末として扱ってもよい。

　上記の構成によれば、ＮＦＣディスプレイ２がタッチパネルとしての機能を有しておらずとも、駒の移動を伴うゲーム等を実行できる。

　（実施形態３に係る情報処理装置１が奏する効果）
　図１４の（ｂ）に示すように、本実施形態に係る情報処理装置１において、表示制御部１３は、ＮＦＣ端末３ｂとの近距離無線通信に基づいて選択肢画像５２が表示されているときに、ＮＦＣ端末３ｂとは別のＮＦＣ端末３ｃとの近距離無線通信が行われた場合、表示されている選択肢画像５２と異なる表示形態の選択肢画像５５を、表示されている選択肢画像５２と異なる位置に表示させる。

　上記の構成によれば、ＮＦＣ端末３ｂとは別のＮＦＣ端末３ｃとの近距離無線通信が行われた場合、現在表示されている選択肢画像５２とは表示形態および表示位置が異なる選択肢画像５５を表示させるので、各ユーザは、自身のＮＦＣ端末３での近距離無線通信に基づく選択肢画像を容易に特定することができる。

　〔実施形態４〕
　本開示のさらなる別の実施形態について、図１６および図１７に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施形態では、ＮＦＣアンテナ２２の形状、向き、数、および配置のバリエーションについて説明する。図１６および図１７は、ＮＦＣアンテナ２２の別の配置例を示す図である。

　図１６の（ａ）に示すＮＦＣシステム１００ａは、ＮＦＣディスプレイ２ａを含む。ＮＦＣディスプレイ２ａのＮＦＣ通信部２１は、長方形状のＮＦＣアンテナ２２を１３個有している。また、ＮＦＣ通信部２１は、図１６の（ａ）の向きにおける上端および下端に４つの横向きのＮＦＣアンテナ２２が配置され、その間に５つの縦向きのＮＦＣアンテナ２２が配置されている。

　この例において、情報処理装置１およびＮＦＣディスプレイ２ａの起動時には、図示のＮＦＣアンテナ２２Ａにおいてポーリングが実行される。また、上記起動時には、ＮＦＣアンテナ２２Ａに重畳する領域に、ＮＦＣアンテナ２２Ａでの近距離無線通信を促す画像６１が表示されるとする。

　ここで、ＮＦＣアンテナ２２ＡとＮＦＣ端末３との近距離無線通信が実行された場合について説明する。この場合、例えば、図１６の（ｂ）に示すようにＮＦＣアンテナ２２Ｂ、２２Ｃ、２２Ｄに重畳する領域それぞれに、これらのＮＦＣアンテナ２２での近距離無線通信を促す画像６２ａ、６２ｂ、６２ｃ（通信催促画像）が表示される。

　また、図１６の（ｃ）に示すＮＦＣシステム１００ｂは、ＮＦＣディスプレイ２ｂを含む。ＮＦＣディスプレイ２ｂのＮＦＣ通信部２１は、長方形状のＮＦＣアンテナ２２を１３個有している。また、ＮＦＣ通信部２１は、図１６の（ｃ）の向きにおける左端から１列目、３列目、５列目に３つの横向きのＮＦＣアンテナ２２が配置され、図１６の（ｃ）の向きにおける左端から２列目および４列目に２つの縦向きのＮＦＣアンテナ２２が配置されている。

　この例において、情報処理装置１およびＮＦＣディスプレイ２ａの起動時には、図示のＮＦＣアンテナ２２Ｅにおいてポーリングが実行される。また、上記起動時には、ＮＦＣアンテナ２２Ｅに重畳する領域に、ＮＦＣアンテナ２２Ｅでの近距離無線通信を促す画像６３が表示されるとする。

　ここで、ＮＦＣアンテナ２２ＥとＮＦＣ端末３との近距離無線通信が実行された場合について説明する。この場合、例えば、図１６の（ｄ）に示すようにＮＦＣアンテナ２２Ｆ、２２Ｇ、２２Ｈ、２２Ｉに重畳する領域それぞれに、これらのＮＦＣアンテナ２２での近距離無線通信を促す画像６４ａ、６４ｂ、６４ｃ、６４ｄ（通信催促画像）が表示される。

　また、図１６の（ｅ）に示すＮＦＣシステム１００ｃは、ＮＦＣディスプレイ２ｃを含む。ＮＦＣディスプレイ２ｃのＮＦＣ通信部２１は、六角形状のＮＦＣアンテナ２２を１１個有している。また、ＮＦＣアンテナ２２は、正六角形状のものと、正六角形状でないものとを含む。

　この例において、情報処理装置１およびＮＦＣディスプレイ２ａの起動時には、図示のＮＦＣアンテナ２２Ｊにおいてポーリングが実行される。また、上記起動時には、ＮＦＣアンテナ２２Ｊに重畳する領域に、ＮＦＣアンテナ２２Ｊでの近距離無線通信を促す画像６５が表示されるとする。

　ここで、ＮＦＣアンテナ２２ＪとＮＦＣ端末３との近距離無線通信が実行された場合位ついて説明する。この場合、例えば、図１６の（ｆ）に示すようにＮＦＣアンテナ２２Ｋ、２２Ｍ、２２Ｎに重畳する領域それぞれに、これらのＮＦＣアンテナ２２での近距離無線通信を促す画像６６ａ、６６ｂ、６６ｃ（通信催促画像）が表示される。

　このように、ＮＦＣアンテナ２２の形状、向き、数、および配置は特に限定されず、様々なバリエーションが考えられる。また、図１６の（ｅ）および（ｆ）に示すように、形状の異なるＮＦＣアンテナ２２がＮＦＣ通信部２１に混在していてもよい。

　また、いずれかのＮＦＣアンテナ２２とＮＦＣ端末３とが近距離無線通信を行ったときに表示される画像は、該ＮＦＣアンテナ２２と隣接するＮＦＣアンテナ２２に重畳する領域に表示される構成に限定されない。例えば、図１６の（ｂ）の画像６２ａ、図１６の（ｆ）の画像６６ａのように、該近距離無線通信を行ったＮＦＣアンテナ２２と隣接していないＮＦＣアンテナ２２に重畳する領域に表示されてもよい。

　また、図１７の（ａ）に示すＮＦＣシステム１００ｄは、ＮＦＣディスプレイ２ｄを含む。ＮＦＣディスプレイ２ｄのＮＦＣ通信部２１は、図示のように、ＮＦＣ通信部２１を縦方向に縦断する長方形状のＮＦＣアンテナ２２を８個有している。また、８個のＮＦＣアンテナ２２は、図示のように、隣接するＮＦＣアンテナ２２の一部が重なるようにレイアウトされている。これにより、ＮＦＣディスプレイ２ｄのいずれの位置にＮＦＣ端末３を接近させたとしても、近距離無線通信を行うことができる。

　この例において、情報処理装置１およびＮＦＣディスプレイ２ｄの起動時には、図示のＮＦＣアンテナ２２Ｐにおいてポーリングが実行される。また、上記起動時には、ＮＦＣアンテナ２２Ｐに重畳する領域に、ＮＦＣアンテナ２２Ｐでの近距離無線通信を促す画像６７が表示されるとする。画像６７は、図示のようにＮＦＣアンテナ２２Ｐの全面ではなく、一部のみに重畳している。

　ここで、ＮＦＣアンテナ２２ＰとＮＦＣ端末３との近距離無線通信が実行された場合について説明する。この場合、例えば、図１７の（ｂ）に示すようにＮＦＣアンテナ２２Ｑおよび２２Ｒに重畳する領域それぞれに、これらのＮＦＣアンテナ２２での近距離無線通信を促す画像６８ａおよび６８ｂ（通信催促画像）が表示される。すなわち、画像６８ａおよび画像６８ｂは、画像６７から横方向にずれた位置に表示される。そして、ＮＦＣコントローラ２４は、ＮＦＣアンテナ２２ＱおよびＮＦＣアンテナ２２Ｒを交互に駆動状態とするスキャン駆動を行う。

　なお、画像６７から縦方向にずれた位置に画像６８を表示することは好ましくない。なぜなら、この場合、画像６８が表示された領域に重畳するＮＦＣアンテナ２２は、ＮＦＣアンテナ２２Ｐとなり、画像６７によって促される近距離無線通信を行ったＮＦＣアンテナ２２と同じとなる。そのため、画像６７と画像６８との間で表示する位置が変わったとしても、ＮＦＣシステム１００ｄは、近距離無線通信の位置の違いを判別することができない。

　また、図示のように、画像６８によって促される近距離無線通信を行うＮＦＣアンテナ２２は、画像６７によって促される近距離無線通信を行うＮＦＣアンテナ２２と隣接しないＮＦＣアンテナ２２とすることが好ましい。換言すれば、先の近距離無線通信を行うＮＦＣアンテナ２２と、後の近距離無線通信を行うＮＦＣアンテナ２２とが重ならないようになっている。

　更に換言すれば、上記表示制御部は、上記情報通信端末との近距離無線通信が行われたとき、該近距離無線通信を行ったアンテナに隣接しないアンテナでの近距離無線通信を促す上記通信催促画像を表示させる。これにより、２つのＮＦＣアンテナ２２のいずれにＮＦＣ端末３がかざされたかを、ＮＦＣシステム１００ｄが確実に判別することができる。なお、ＮＦＣアンテナ２２ＱおよびＮＦＣアンテナ２２Ｒが互いに干渉しない程度に離れている場合、２つのＮＦＣアンテナ２２を同時に駆動状態としてもよい。

　また、図１７の（ｃ）に示すＮＦＣシステム１００ｅは、ＮＦＣディスプレイ２ｅを含む。ＮＦＣディスプレイ２ｅのＮＦＣ通信部２１は、図示のように、ＮＦＣ通信部２１を縦断する長方形状のＮＦＣアンテナ２２を５個有している。また、ＮＦＣ通信部２１は、図示のように、ＮＦＣ通信部２１を横断する長方形状のＮＦＣアンテナ２２を４個有している。すなわち、図示のＮＦＣ通信部２１は、縦方向のＮＦＣアンテナ２２と横方向のＮＦＣアンテナ２２とが交差するようにレイアウトされている。

　この例において、情報処理装置１およびＮＦＣディスプレイ２ｅの起動時には、図示のＮＦＣアンテナ２２Ｓにおいてポーリングが実行される。また、上記起動時には、ＮＦＣアンテナ２２Ｓに重畳する領域に、ＮＦＣアンテナ２２Ｓでの近距離無線通信を促す画像６９が表示されるとする。画像６９は、図示のようにＮＦＣアンテナ２２Ｓの全面ではなく、一部のみに重畳している。

　ここで、ＮＦＣアンテナ２２ＳとＮＦＣ端末３との近距離無線通信が実行された場合について説明する。この場合、例えば、図１７の（ｄ）に示すようにＮＦＣアンテナ２２Ｔ、２２Ｕ、および２２Ｖに重畳する領域それぞれに、これらのＮＦＣアンテナ２２での近距離無線通信を促す画像７０ａ、７０ｂ、および７０ｃ（通信催促画像）が表示される。画像７０ａおよび画像７０ｂは、縦方向のＮＦＣアンテナ２２ＴおよびＮＦＣアンテナ２２Ｕに重畳する領域に表示されるので、縦向きの長方形状の画像である。一方、画像７０ｃは、横方向のＮＦＣアンテナ２２Ｖに重畳する領域に表示されるので、横向きの長方形状の画像である。

　そして、ＮＦＣコントローラ２４は、ＮＦＣアンテナ２２Ｔ、ＮＦＣアンテナ２２Ｕ、およびＮＦＣアンテナ２２Ｖを順次駆動状態とするスキャン駆動を行う。

　また、図示の例では、ＮＦＣシステム１００ｅは、１回目の近距離無線通信を行うＮＦＣアンテナ２２が１つであったが、１回目および２回目の近距離無線通信を実行し得るＮＦＣアンテナ２２は、いずれも複数であってもよい。例えば、縦方向の５つのＮＦＣアンテナ２２を１回目の近距離無線通信を実行し得るＮＦＣアンテナ２２としてもよい。この場合、該５つのＮＦＣアンテナ２２のいずれかで近距離無線通信が行われた場合、横方向の４つのＮＦＣアンテナ２２を２回目の近距離無線通信を実行し得るＮＦＣアンテナ２２としてもよい。この例の場合、ＮＦＣシステム１００ｅは、情報処理装置１およびＮＦＣディスプレイ２ｅの起動時に、縦方向の５つのＮＦＣアンテナ２２を順次駆動状態とするスキャン駆動を行う。また、該５つのＮＦＣアンテナ２２のいずれかで近距離無線通信が行われた場合、横方向の４つのＮＦＣアンテナ２２を順次駆動状態とするスキャン駆動を行う。

　〔各実施形態に共通の変形例〕
　次に、各実施形態に共通の変形例について、図１８および図１９に基づいて説明すれば、以下のとおりである。図１８は、ＮＦＣディスプレイ２に表示される画面の別の例を示す図である。また、図１９は、ＮＦＣディスプレイ２における別の配線例を示す図である。

　ＮＦＣシステム１００が実行する処理は、実施形態１～３にて説明したものに限定されない。例えば、ＮＦＣシステム１００は、図１８に示すように、クーポンを供給するものであってもよい。

　表示制御部１３は、情報処理装置１およびＮＦＣディスプレイ２の起動時に、図１８に示すように、クーポンの内容を示す画像と、所望するクーポンの画像が表示された位置に、近距離無線通信を促す画像（「スマホをタッチ」と記載された画像）とを表示部２３に表示させる。また、ＮＦＣコントローラ２４は、アンテナ駆動部１５から取得した制御信号に基づいてスキャン駆動を行う。

　その後、ＮＦＣコントローラ２４は、ＮＦＣ端末３を検出したＮＦＣアンテナ２２で、処理実行部１２からの指示基づくデータ伝送を行い、ＮＦＣ端末３の端末情報を取得し、ＮＦＣ通信制御部１１を介して処理実行部１２へ送信する。なお、該端末情報には、ＮＦＣ端末３の種別を示す情報と、クーポンを管理するアプリケーションにおけるユーザＩＤとが少なくとも含まれている。処理実行部１２は、ＮＦＣ端末３の種別を示す情報から、ＮＦＣ端末３がクーポン取得用の端末であると判定すると、クーポン取得の確認を促す画像（以下、「取得確認画像」と称する）の表示指示を表示制御部１３へ出力する。さらに、処理実行部は、該表示指示の出力とともに、取得確認画像が表示される領域に重畳するＮＦＣアンテナ２２でのポーリングをＮＦＣ通信制御部１１へ指示する。該指示には、取得確認画像が表示される領域に重畳するＮＦＣアンテナ２２を示すアンテナＩＤが含まれる。これにより、ＮＦＣコントローラ２４は、取得確認画像が表示される領域に重畳するＮＦＣアンテナ２２のみでポーリングを行う。

　ＮＦＣコントローラ２４が、取得確認画像が表示される領域に重畳するＮＦＣアンテナ２２にてＮＦＣ端末３を検出すると、その旨を示す通知がＮＦＣ通信制御部１１を介して処理実行部１２へ送信される。処理実行部１２は、取得した通知に含まれる端末ＩＤと記憶部１４に記憶した端末ＩＤとが一致すると判定した場合、通信部（不図示）を制御して、該アプリケーションを管理するサーバにアクセスする。そして、処理実行部１２は、取得したユーザＩＤと、クーポンを識別するクーポンＩＤとを対応付けて記憶させる。また、処理実行部１２は、ＮＦＣコントローラ２４に、ユーザが所望するクーポンのＷｅｂページのＵＲＬをＮＦＣ端末３に送信するよう指示する。ＮＦＣコントローラ２４は、先のデータ伝送を行ったＮＦＣアンテナ２２から、上記ＵＲＬをＮＦＣ端末３に送信する。なお、ＮＦＣシステム１００は、クーポンのデータ（例えば画像データ）を上記サーバから取得し、取得したクーポンのデータをデータ伝送によってＮＦＣ端末３に送信する構成であってもよい。

　また、上述した実施形態１から４では、１つのＮＦＣコントローラ２４が、すべてのＮＦＣアンテナ２２と通信可能に接続されていた。この構成により、実施形態１から４に係るＮＦＣシステム１００では、スキャン駆動時に駆動状態となるＮＦＣアンテナ２２は１つのみであった。

　しかしながら、ＮＦＣアンテナ２２の数が多くなると、すべてのＮＦＣアンテナ２２が１回駆動状態となるまでに時間がかかるという問題がある。なお以降、すべてのＮＦＣアンテナ２２を１回駆動状態とすることを「全面スキャン」と称する。

　そこで、本変形例に係るＮＦＣシステム１００では、図１９に示すように、ＮＦＣディスプレイ２において、１つ以上のＮＦＣアンテナ２２ごとに１つのＮＦＣコントローラ２４を接続する。例えば、縦一列のＮＦＣアンテナ２２に対して１つのＮＦＣコントローラ２４を接続してもよい。すなわち、図示のように、縦一列のＮＦＣアンテナ２２ごとに、ＮＦＣコントローラ２４ａ、ＮＦＣコントローラ２４ｂ、ＮＦＣコントローラ２４ｃ、およびＮＦＣコントローラ２４ｄを接続してもよい。また、横一列のＮＦＣアンテナ２２に対して１つのＮＦＣコントローラ２４を接続してもよいし、１つのＮＦＣアンテナ２２に対して１つのＮＦＣコントローラ２４を接続してもよい。

　ＮＦＣコントローラ２４ａ～２４ｄは、それぞれが接続されたＮＦＣアンテナ２２に対して、スキャン駆動を実行する。このため、図示の例では、最大で４つのＮＦＣアンテナ２２が同時に駆動状態となる。これにより、本変形例に係るＮＦＣシステム１００は、全面スキャンが行われるまでの時間を短縮することができる。よって、ＮＦＣ端末３が検出されるまでの時間を短縮することができる。

　ただし、本変形例に係るＮＦＣシステム１００には以下の問題がある。すなわち、隣接するＮＦＣアンテナ２２が同時に駆動状態となった場合、干渉が発生し、正常なＮＦＣ端末３との通信が行われない可能性がある。

　この問題を解決するために、本変形例に係るＮＦＣシステム１００は、隣接するＮＦＣアンテナ２２が同時に駆動状態とならないようにスキャン駆動を行うことが望ましい。例えば、情報処理装置１の制御部１０は、ＮＦＣコントローラ２４ａ～２４ｄそれぞれに対して、異なるタイミングでのスキャン駆動の開始を指示してもよい。

　また例えば、情報処理装置１の制御部１０は、ＮＦＣコントローラ２４ａ～２４ｄそれぞれに異なる駆動順序情報を供給してもよい。図示の例の場合、制御部１０は、配置された行がそれぞれ異なるＮＦＣアンテナ２２を最初に駆動する４種類の駆動順序情報を生成し、各駆動順序情報をＮＦＣコントローラ２４ａ～２４ｄのいずれかに出力する。これにより、ＮＦＣコントローラ２４ａ～２４ｄが、同じタイミングでスキャン駆動を開始しても、横に隣接するＮＦＣアンテナ２２が同時に駆動状態となることはない。

　また例えば、ＮＦＣコントローラ２４ａ～２４ｄを互いに通信可能に構成し、各ＮＦＣコントローラ２４間で同期をとることで、横に隣接するＮＦＣアンテナ２２が同時に駆動状態とならないように制御してもよい。

　また、上述した実施形態１から４では、表示制御部１３は、情報処理装置１およびＮＦＣディスプレイ２の起動時に、近距離無線通信を促す画像（例えば、商品選択画像３１）を表示させる構成であった。しかしながら、表示制御部１３は、情報処理装置１およびＮＦＣディスプレイ２の起動時に該画像を表示させなくてもよい。

　〔ソフトウェアによる実現例〕
　情報処理装置１の制御ブロック（特に制御部１０）は、集積回路（ＩＣチップ）等に形成された論理回路（ハードウェア）によって実現してもよいし、ＣＰＵ（Central Processing Unit）を用いてソフトウェアによって実現してもよい。

　後者の場合、情報処理装置１は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するＣＰＵ、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ（またはＣＰＵ）で読み取り可能に記録されたＲＯＭ（Read Only Memory）または記憶装置（これらを「記録媒体」と称する）、上記プログラムを展開するＲＡＭ（Random Access Memory）などを備えている。そして、コンピュータ（またはＣＰＵ）が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本開示の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体（通信ネットワークや放送波等）を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本開示の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。

　本開示の各実施形態に係る情報処理装置１は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記情報処理装置１が備える各部（ソフトウェア要素）として動作させることにより上記情報処理装置１をコンピュータにて実現させる情報処理装置１の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本開示の範疇に入る。

　本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。

　（関連出願の相互参照）
　本出願は、2017年4月25日に出願された日本国特許出願：特願2017-86483に対して優先権の利益を主張するものであり、それを参照することにより、その内容の全てが本書に含まれる。

　１　情報処理装置（制御装置）
　２、２ａ～２ｅ　ＮＦＣディスプレイ（通信装置）
　３　ＮＦＣ端末（情報通信端末）
　１２　処理実行部
　１３　表示制御部
　１５　アンテナ駆動部
　２１　ＮＦＣ通信部（アンテナ部）
　２２　ＮＦＣアンテナ（アンテナ）
　２３　表示部
　３２、３２ｂ～３２ｄ　購入確認画像（通信催促画像）
　４３ａ～４３ｆ　認証用画像（通信催促画像）
　４４ａ～４４ｃ　メニュー画像（通信催促画像）
　４５ａ～４５ｃ　メニュー画像（通信催促画像）
　５２、５５　選択肢画像（通信催促画像）
　６２ａ～６２ｃ　画像（通信催促画像）
　６４ａ～６４ｄ　画像（通信催促画像）
　６６ａ～６６ｃ　画像（通信催促画像）
　６８ａ、６８ｂ　画像（通信催促画像）
　７０ａ～７０ｃ　画像（通信催促画像）
　Ｓ４、Ｓ２３、Ｓ４３　通信制御ステップ
　Ｓ６、Ｓ２５、Ｓ４５　表示制御ステップ

Claims

　情報通信端末と近距離無線通信を行う複数のアンテナを備えるアンテナ部と、表示部とを備える通信装置を制御する制御装置であって、
　上記アンテナ部の少なくとも１つのアンテナにて上記情報通信端末との近距離無線通信が行われたとき、該近距離無線通信を行ったアンテナとは異なるアンテナでの近距離無線通信を促す通信催促画像を表示させる表示制御部を備えることを特徴とする制御装置。
　近距離無線通信により上記情報通信端末から取得した情報に基づいて所定の処理を実行する処理実行部をさらに備え、
　上記処理実行部は、上記通信催促画像が所定の回数表示された後、直近に表示された通信催促画像が示すアンテナにて上記情報通信端末との近距離無線通信が行われたとき、上記所定の処理を実行することを特徴とする請求項１に記載の制御装置。
　上記所定の処理は決済処理であり、
　上記表示制御部は、決済可能である場合、上記通信催促画像を表示させる一方、決済不可能である場合、その旨をユーザに提示する画像を表示させることを特徴とする請求項２に記載の制御装置。
　上記所定の処理はユーザの認証処理であり、
　上記表示制御部は、複数のアンテナそれぞれでの近距離無線通信を促すとともに、それぞれ異なる情報をユーザに提示する複数の上記通信催促画像を表示させ、
　上記処理実行部は、ユーザが予め設定した情報を提示している通信催促画像が示すアンテナにて近距離無線通信が行われたとき、ユーザの認証が成功したとみなすことを特徴とする請求項２に記載の制御装置。
　上記所定の回数が２回以上である場合、２回目以降に表示される通信催促画像が示すアンテナは、直近の近距離無線通信のために上記情報通信端末が移動した方向にないアンテナであることを特徴とする請求項２から４のいずれか１項に記載の制御装置。
　上記処理実行部は、上記通信催促画像が示すアンテナにて、直近に近距離無線通信を行った上記情報通信端末と異なる情報通信端末との近距離無線通信が行われたとき、上記所定の処理を実行せず、
　上記表示制御部は、上記処理実行部からの指示に基づいて、情報通信端末が異なる旨を示す画像を表示させることを特徴とする請求項２から５のいずれか１項に記載の制御装置。
　上記表示制御部は、上記情報通信端末との近距離無線通信に基づいて上記通信催促画像が表示されているときに、該情報通信端末とは別の情報通信端末との近距離無線通信が行われた場合、表示されている上記通信催促画像と異なる表示形態の通信催促画像を、表示されている上記通信催促画像と異なる位置に表示させることを特徴とする請求項１から５のいずれか１項に記載の制御装置。
　上記情報通信端末との近距離無線通信に基づいて表示された上記通信催促画像が示すアンテナにて、第二の情報通信端末との近距離無線通信が行われたとき、所定の処理を実行する処理実行部を備えることを特徴とする請求項１に記載の制御装置。
　上記処理実行部は、上記情報通信端末に記録されたユーザ情報と上記第二の情報通信端末に記録されたユーザ情報とが同一である場合に、上記所定の処理としてユーザの認証が成功したとみなす処理を行うことを特徴とする請求項８に記載の制御装置。
　上記処理実行部は、上記情報通信端末に記録されたユーザ情報が第一のユーザの情報であり、上記第二の情報通信端末に記録されたユーザ情報が第二のユーザの情報である場合に、上記所定の処理として該第一のユーザと該第二のユーザとが共通してアクセス権を有する情報を表示する処理を行うことを特徴とする請求項８に記載の制御装置。
　上記処理実行部は、上記所定の処理として上記情報通信端末と上記第二の情報通信端末とを同一グループに属する情報通信端末として関連付ける処理を行うことを特徴とする請求項８に記載の制御装置。
　上記グループに属するいずれかの情報通信端末との近距離無線通信に基づいて表示された上記通信催促画像が示すアンテナにて、上記グループに属さない別の情報通信端末との近距離無線通信が行われたとき、
　上記処理実行部は、該別の情報通信端末を上記グループに属する情報通信端末として関連付ける処理を行うことを特徴とする請求項１１に記載の制御装置。
　上記処理実行部は、上記情報通信端末と上記第二の情報通信端末とが既に同一グループに属する情報通信端末として関連付けられていた場合、上記情報通信端末及び上記第二の情報通信端末の位置が移動した場合であっても、上記所定の処理としてそのまま上記情報通信端末と上記第二の情報通信端末とを同一グループに属する情報通信端末として扱うことを特徴とする請求項１１または１２に記載の制御装置。
　上記表示制御部は、上記情報通信端末との近距離無線通信が行われたとき、該近距離無線通信を行ったアンテナに隣接するアンテナでの近距離無線通信を促す上記通信催促画像を表示させることを特徴とする請求項１から１３のいずれか１項に記載の制御装置。
　上記表示制御部は、上記情報通信端末との近距離無線通信が行われたとき、該近距離無線通信を行ったアンテナに隣接しないアンテナでの近距離無線通信を促す上記通信催促画像を表示させることを特徴とする請求項１から１３のいずれか１項に記載の制御装置。
　複数のアンテナを所定の順序で逐次駆動させるアンテナ駆動部をさらに備えることを特徴とする請求項１から１３のいずれか１項に記載の制御装置。
　情報通信端末と近距離無線通信を行う複数のアンテナを備えるアンテナ部と、表示部とを備える通信装置を制御する制御装置の制御方法であって、
　上記アンテナ部の少なくとも１つのアンテナにて上記情報通信端末との近距離無線通信を行わせる通信制御ステップと、
　上記通信制御ステップにて近距離無線通信を行ったアンテナとは異なるアンテナでの近距離無線通信を促す通信催促画像を表示させる表示制御ステップと、を含むことを特徴とする制御装置の制御方法。
　請求項１から１６のいずれか１項に記載の制御装置によって制御される通信装置であって、
　上記表示部は、上記アンテナ部に重畳していることを特徴とする通信装置。