WO2018181965A1

WO2018181965A1 - コンパクト容器

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Publication number: WO2018181965A1
Application number: PCT/JP2018/013786
Authority: WO
Inventors: 舞加瀬; 鈴木　一男
Original assignee: 株式会社吉野工業所
Priority date: 2017-03-30
Filing date: 2018-03-30
Publication date: 2018-10-04
Also published as: EP3603444B1; CN110505818A; US11457716B2; EP3603444A4; KR102390896B1; EP3603444A1; KR20190130567A; CN110505818B; US20200029673A1

Abstract

内容物の吐出量の調整が容易なコンパクト容器を提供する。コンパクト容器(10)は、内容器(12)と、連通孔(56)が形成された内蓋(13)と、吐出孔(66)が形成された中蓋(14)と、第１弁体(15)と、第２弁体(16)と、を備え、中蓋は、弾性変形することで連絡空間(65)の内圧を増減させる操作部(58)を備え、操作部により連絡空間の内圧を上昇させたときに、第１弁体は連通孔と連絡空間との連通を遮断し、かつ、第２弁体は吐出孔と連絡空間とを連通させ、操作部により連絡空間の内圧を下降させたときに、第２弁体は吐出孔と連絡空間との連通を遮断し、かつ、第１弁体は連通孔と連絡空間とを連通させた。

Description

コンパクト容器

　本発明は、コンパクト容器に関する。本願は、２０１７年３月３０日に出願された日本国特許出願第２０１７－０６６６０８号と、２０１７年８月３１日に出願された日本国特許出願第２０１７－１６７８７３号と、２０１７年１０月３１日に出願された日本国特許出願第２０１７－２１１２６４号と、２０１７年１０月３１日に出願された日本国特許出願第２０１７－２１１２６５号と、２０１８年２月２８日に出願された日本国特許出願第２０１８－０３４９２４号とに対し優先権を主張し、その内容をここに援用する。

　化粧料を収納した中蓋容器を備える化粧料収納容器が知られている（例えば、特許文献１参照）。特許文献１の化粧料収納容器では、中蓋容器の上面はネットで覆われている。このネットをパフ等の塗布具で押圧することで、ネットの網目を通して滲み出た化粧料を塗布具に付着させる構成を開示している。

日本国特開２００３－９３１４５号公報

　上記のような化粧料収納容器においては、中蓋容器を覆うネットをパフ等で押圧することで、化粧料をネットの網目を通して滲み出させて外部に吐出させる。しかし、この場合、化粧料の吐出量を調整しにくく、所望の量だけ化粧料を吐出させることが困難である。例えば、塗布具でネットを押し付ける際の力加減によって、網目を通して滲み出る内容物の量が大きく変化する。このため、安定した量の内容物を塗布具に付着させることが容易ではない。

　本発明は、上記問題点に鑑みて、内容物の吐出量の調整が容易なコンパクト容器を提供することを目的とする。

　本発明のコンパクト容器の第１の態様は、内容物が収容される内容器と、内容器の内部を封止し、内容器内に連通する連通孔が形成された内蓋と、内蓋の上方に配設され、内蓋との間に連通孔に連通する連絡空間を画成するとともに、連絡空間に連通して内容物を吐出させる吐出孔が形成された中蓋と、連通孔と連絡空間との連通、およびその遮断を切り替える第１弁体と、吐出孔と連絡空間との連通、およびその遮断を切り替える第２弁体と、を備え、中蓋は、連絡空間を画成するとともに弾性変形可能に形成され、弾性変形することで連絡空間の内圧を増減させる操作部を備え、操作部により連絡空間の内圧を上昇させたときに、第１弁体は連通孔と連絡空間との連通を遮断し、かつ、第２弁体は吐出孔と連絡空間とを連通させ、操作部により連絡空間の内圧を下降させたときに、第２弁体は吐出孔と連絡空間との連通を遮断し、かつ、第１弁体は連通孔と連絡空間とを連通させるコンパクト容器である。

　本発明のコンパクト容器の第１の態様によれば、操作部により連絡空間の内圧を上昇させたときに、第１弁体は連通孔と連絡空間との連通を遮断し、かつ、第２弁体は吐出孔と連絡空間とを連通させる。一方、操作部により連絡空間の内圧を下降させたときに、第２弁体は吐出孔と連絡空間との連通を遮断し、かつ、第１弁体は連通孔と連絡空間とを連通させる。そのため、使用者は、操作部を押圧したりその押圧を解除したりして操作部を弾性変形させることによって連絡空間の内圧の増減を行うことで、連絡空間内を負圧にして内容器内の内容物を連絡空間内に流入させ、連絡空間内に内容物を充填することができる。この状態で、操作部によって連絡空間の内圧を上昇させると、連絡空間の内圧の上昇に対応した量だけ、内容物を吐出孔から吐出させることができる。したがって、本発明のコンパクト容器の第１の態様によれば、内容物の吐出量の調整が容易なコンパクト容器が得られる。また、中蓋が操作部を備え、操作部が中蓋の一部とされているので、操作部を設けることによる部品点数の増加を抑えることができる。さらに、操作部が連絡空間を画成しているので、例えば、操作部を連絡空間の大きさに応じて大きく形成することが可能になり、内容物の吐出に際して使用者が操作可能な範囲を広げることができる。

　本発明のコンパクト容器の第２の態様は、操作部には、環状の薄肉部が形成されている、第１の態様のコンパクト容器である。

　この場合、操作部に環状の薄肉部が形成されている。したがって、操作部において薄肉部の内側に位置する部分を、薄肉部を起点として大きく弾性変形させ易くすることができる。これにより、連絡空間の内圧を大きく増減させることが可能になり、内容物の吐出量の調整をより容易にすることができる。

　本発明のコンパクト容器の第３の態様は、内容器、内蓋、および中蓋を覆う外殻体を更に備え、内容器は、内容物が連通孔を通して連絡空間に流出することに伴って減容する、第１の態様または第２の態様のコンパクト容器である。

　この場合、内容物が連通孔を通して連絡空間に流出することに伴って内容器が減容する。したがって、内容物を吐出することで内容器内の内容物が減少したときに内容器を底上げし、内容物の高さ位置を保持することが可能になり、内容物を連通孔から連絡空間に円滑に流出させることができる。さらに、例えば内容器内の内容物を使い終えて内容器を外殻体から取り出したときに、内容器の容積を予め小さくしておくことが可能になり、廃棄時における減容化を実現することができる。

　本発明のコンパクト容器の第４の態様は、下方移動した操作部を上方に向けて付勢する付勢部を更に備える、第１の態様のコンパクト容器である。

　この場合、下方移動した操作部を上方に向けて付勢する付勢部が備えられる。このため、操作部の押し下げを解除したときに、付勢部が、操作部を押し下げ前の元の位置まで安定して戻す。つまり、弾性変形させられた操作部が復元変形することを、付勢部がアシストする。これにより、内容器から連絡空間へと内容物が安定して吸い込まれ、次に操作部を押し下げたときの内容物の吐出量を、所望の量の通りとすることができる。したがって、内容物の吐出量の調整が容易である。

　また、付勢部によって操作部が押し下げ前の位置に安定して戻されるため、操作部の操作性がよい。これにより、操作部を、例えばエラストマー等の弾性変形可能な軟材質で形成することで、第２弁体によるシール性を確保した場合でも、操作部に良好な復元性を持たせることができる。操作部の材質としては、例えば、エラストマー、軟質ポリエチレン、などの軟材質、弾性変形可能で比較的柔らかいポリプロピレン（ＰＰ）などの材質、などを用いてもよい。

　本発明のコンパクト容器の第５の態様は、操作部の下面が、上方に向けて突の形状に形成されている、第１の態様のコンパクト容器である。

　この場合、操作部の下面は、上方に向けて突の形状に形成されている。このため、操作部を押下したときの操作部の下面の変形量が大きくなり、押下を解除したときに操作部に作用する上方に向けた復元変形力も大きくなる。従って、操作部が弾性変形前の形状に復元変形しやすくなり、内容器から連絡空間へと吸い上げられる内容物の量が安定し、次に操作部が押下されたときの内容物の吐出量を安定させることができる。

　本発明のコンパクト容器の第６の態様は、操作部の下面が、上方に向けて突の曲面状に形成されている、第５の態様のコンパクト容器である。

　この場合、操作部の下面が、上方に向けて突の曲面状に形成されている。このため、操作部が弾性変形した際に、操作部の下面に局所的に大きな応力が作用することが抑えられ、コンパクト容器の耐久性を向上させることができる。

　本発明のコンパクト容器の第７の態様は、操作部の上面が、上方に向けて突の曲面状に形成されている、第５の態様または第６の態様のコンパクト容器である。

　この場合、操作部の上面が、上方に向けて凸の曲面状に形成されている。このため、操作部が弾性変形した際に、操作部の上面に局所的に大きな応力が作用することが抑えられる。また、操作部の上面をなだらかな形状にして、例えば吐出孔から吐出された内容物が操作部の上面で部分的に溜まることが抑えられる。

　本発明のコンパクト容器の第８の態様は、操作部は、上面が上方に向けて膨出した膨出部を備える、第１の態様のコンパクト容器である。

　この場合、膨出部の上面が上方に向けて膨出している。このため、膨出部を押し下げて内容物を吐出させるのに要する力を低減することが可能になる。例えば、操作部の上面を撫でながら膨出部を押し下げても、内容物を円滑に吐出することができる。

　本発明のコンパクト容器の第９の態様は、第２弁体が中蓋に装着されている、第８の態様のコンパクト容器である。

　この場合、第２弁体が中蓋に装着されている。このため、例えば中蓋に外力が作用した場合に、第２弁体が中蓋に対して移動して吐出孔が不意に開放されることが抑えられる。従って、中蓋の内側の密封性をより高めたコンパクト容器が得られる。

　本発明のコンパクト容器の第１０の態様は、膨出部の上下面が上方に向けて膨出している、第８の態様のコンパクト容器である。この場合、操作部の上下面が上方に向けて膨出している。そのため、操作部を上方に向けて復元変形させやすくすることができる。

　本発明のコンパクト容器の第１１の態様は、膨出部の上面は、上方に向けて突の曲面状に形成されている、第８から第１０の態様のいずれか１つのコンパクト容器である。この場合、膨出部の上面が、上方に向けて突の曲面状に形成されている。このため、膨出部を押し下げて内容物を吐出させるのに要する力を確実に低減することが可能になるとともに、例えば、操作部の上面を指で撫でながら膨出部を押し下げたときに、指を引っ掛かり無く円滑に操作部の上面を摺動させることができる。

　本発明のコンパクト容器の第１２の態様は、膨出部の少なくとも一部に、伸長変形可能な易変形部が形成されている、第８から第１１のいずれか１つのコンパクト容器である。この場合、膨出部の少なくとも一部に、伸長変形可能な易変形部が形成されている。このため、膨出部を押し下げたときに、易変形部を伸長変形させることが可能になり、押し下げ力を過度に大きくしなくても、膨出部の上下方向の弾性変形量を大きくすることができる。

　本発明によれば、内容物の吐出量の調整が容易なコンパクト容器を提供することができる。

図１は、第１実施形態のコンパクト容器を示す平面図である。図２は、図１におけるＩＩ－ＩＩ線に沿う断面矢視図である。図３は、図１におけるＩＩＩ－ＩＩＩ線に沿う断面矢視図である。図４は、第２実施形態のコンパクト容器を示す平面図である。図５は、図４におけるＶ－Ｖ線に沿う断面矢視図である。図６は、図４におけるＶＩ－ＶＩ線に沿う断面矢視図である。図７は、第３実施形態のコンパクト容器を示す上面図である。図８は、図７のＶＩＩＩ－ＶＩＩＩ線に沿う断面矢視図である。図９は、第４実施形態のコンパクト容器を示す平面図である。図１０は、図９におけるＸ－Ｘ線に沿う断面矢視図である。図１１は、図９におけるＸＩ－ＸＩ線に沿う断面矢視図である。図１２は、第５実施形態のコンパクト容器を示す縦断面図である。図１３は、第６実施形態のコンパクト容器を示す上面図である。図１４は、図１３のＸＩＶ－ＸＩＶ線に沿う断面矢視図である。図１５は、第７実施形態のコンパクト容器を示す上面図である。図１６は、図１４のＸＶＩ－ＸＶＩ線に沿う断面矢視図である。図１７は、第８実施形態のコンパクト容器を示す上面図である。図１８は、図１７のＸＶＩＩＩ－ＸＶＩＩＩ線に沿う断面矢視図である。

　以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るコンパクト容器について説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、各構造における縮尺および数等を、実際の構造における縮尺および数等と異ならせる場合がある。

（第１実施形態）
　本発明に係る第１実施形態のコンパクト容器１０を、図１から図３を参照して説明する。本実施形態のコンパクト容器１０は、図１から図３に示すように、平面視円形状の扁平容器である。コンパクト容器１０は、外殻体１１と、内容器１２と、内蓋１３と、中蓋１４と、第１弁体１５と、第２弁体１６と、を備える。外殻体１１は、内容器１２、内蓋１３、および中蓋１４を覆って、内部に収容している。外殻体１１は、底部材２１と、蓋部材２２と、を備える。底部材２１は、有底の円筒状である。蓋部材２２は、底部材２１に対して回転軸Ｒ周りに回動可能に取り付けられている。

　以下では、底部材２１の中心軸線（コンパクト容器１０の中心軸線）を容器軸Ｏと呼び、容器軸Ｏに沿う方向を上下方向Ｚ（Ｚ軸方向）と呼ぶ。上下方向Ｚに沿って蓋部材２２側（＋Ｚ側）を上側と呼び、底部材２１側（－Ｚ側）を下側と呼ぶ。容器軸Ｏは、回転軸Ｒに沿う方向と直交する。回転軸Ｒに沿う方向を左右方向Ｙ（Ｙ軸方向）と呼び、容器軸Ｏおよび回転軸Ｒの両方と直交する方向を前後方向Ｘ（Ｘ軸方向）と呼ぶ。前後方向Ｘに沿って、容器軸Ｏに対する回転軸Ｒ側（＋Ｘ側）を後側と呼び、その反対側（－Ｘ側）を前側と呼ぶ。また、上下方向Ｚから視た平面視において、容器軸Ｏを通り容器軸Ｏに直交する方向を径方向と呼び、容器軸Ｏ周りに周回する方向を周方向と呼ぶ。

　底部材２１は、図２に示すように、容器軸Ｏと同軸に配置された円板状の底板部２３と、底板部２３の外縁から上側に延びる略円筒状の筒状壁部２４と、を備える。筒状壁部２４のうち前方に位置する部分には、後側に向けて窪む係合空間２５が設けられている。係合空間２５は、前側および上側に向けて開口している。係合空間２５は、前側を向く後壁部２６と、上側を向く底壁部２７と、により画成されている。

　後壁部２６のうち左右方向Ｙの中央に位置する部分には、前方に向けて突出したガイド壁部２８が形成されている。ガイド壁部２８の上面は、前方に向かうに従い下方に向けて傾斜する傾斜面とされている。後壁部２６のうちガイド壁部２８よりも上方に位置する部分には、前方に向けて突出した第１係合部２９が形成されている。後壁部２６のうちガイド壁部２８よりも下方に位置する部分には、後壁部２６を前後方向Ｘに貫通する逃げ孔３０が形成されている。

　底部材２１は、図３に示すように、底板部２３から上側に延びる係合板部３１を備える。係合板部３１は、図１に示すように、周方向に沿って等間隔に４つ形成されている。係合板部３１の平面視形状は、周方向に沿って延びる直線状である。係合板部３１の表裏面は、径方向と直交する。係合板部３１の上部は、図３に示すように、係合板部３１の下端を支点として径方向外側に変形可能である。係合板部３１の上端部には、径方向内側に突出する係合爪３２が設けられている。

　蓋部材２２は、図２に示すように、底部材２１における筒状壁部２４の後側の端部に取り付けられている。蓋部材２２は、底部材２１の上端開口を開閉可能である。なお、以下の説明における各部の位置関係は、特に断りのない限り、蓋部材２２が閉じた状態における位置関係とする。蓋部材２２は、容器軸Ｏと同軸に配置され、下側に開口する有蓋の円筒状である。蓋部材２２は、容器軸Ｏと同軸に配置された円板状の天板部３３と、天板部３３の外周縁から下側に延びる円筒状の筒部３４と、を備える。蓋部材２２の天板部３３の下面には、鏡Ｍが固定される。

　蓋部材２２のうち前方に位置する部分には、下方に向けて係合片３５が突設されている。係合片３５は、筒部３４における内周面から下方に向けて突出すると共に左右方向Ｙに延びた板状に形成され、係合空間２５内に上方から入り込んでいる。係合片３５の下端部には、後方に向けて突出すると共に、底部材２１に形成された第１係合部２９に対して離脱可能にアンダーカット嵌合される第２係合部３６が形成されている。第１係合部２９に対して第２係合部３６が下方から係合することによって、蓋部材２２は閉状態でロックされる。

　係合空間２５内には、第１係合部２９と第２係合部３６との係合を解除するプッシュピース３７が設けられている。プッシュピース３７は、係合片３５よりも前方に配置された操作壁部３８と、操作壁部３８から後方に向けて突設され、ガイド壁部２８の傾斜面上に位置する解除突起３９と、操作壁部３８の下端部から後方に向けて突設され、底壁部２７に載置されるベース部４０と、を備え、後方に向けて押し込み可能とされている。

　解除突起３９は、プッシュピース３７の後方への移動に伴ってガイド壁部２８の傾斜面に沿って後方に移動し、第２係合部３６を下方から押し上げて、第１係合部２９から離脱させる。これにより、第１係合部２９と第２係合部３６との係合を解除することができ、蓋部材２２を開操作可能な状態とすることができる。なお、プッシュピース３７は、後方に移動したときに、解除突起３９の復元変形によって、前方に向けて復元移動する。

　ベース部４０は、プッシュピース３７の後方への移動に伴って、後壁部２６に形成された逃げ孔３０内に前方から入り込む。また、ベース部４０には、下方に向けて突出し、底壁部２７に形成された係止凹部４１に係止する係止凸部４２が形成されている。これにより、プッシュピース３７は、前方への抜け止めがされた状態で、外殻体１１に組み合わされている。

　なお、上述したプッシュピース３７は、必須なものではなく、具備しなくても構わない。例えば、指先等によって、係合片３５の下端部を前方に向けて僅かに撓ませるように変形させることで、第１係合部２９と第２係合部３６との係合を解除し、蓋部材２２の閉状態のロックを解除しても構わない。

　内容器１２は、底部材２１の筒状壁部２４の径方向内側に配置されている。内容器１２は、容器軸Ｏと同軸に配置され、上側に開口する扁平円筒状の容器である。内容器１２の厚みは、比較的薄い。内容器１２は、可撓性を有し減容可能（減容変形可能）である。内容器１２は、例えば、積層のフィルムや薄肉の樹脂成形品などで構成されている。内容器１２は、可撓性に富む内側容器が、内側容器よりも硬質な外側容器の内面に積層されてなるいわゆるデラミ容器などであってもよい。内容器１２の上端部には、内容器１２の上端部を径方向外側において囲む円環状の取付けリング４３が固定されている。取付けリング４３は、上側に突出する係合突起４４を有する。内容器１２の内部である収容空間４５には、流動性を有する内容物が収容されている。内容物は、流動性を有していれば、液体であっても、ゲル状であっても、ゼリー状であってもよい。内容物は、例えば、リキッドファンデーション等の化粧品である。

　内蓋１３は、内容器１２の上方に配設されている。内蓋１３は、内容器１２の上側の開口を塞ぎ、内容器１２の内部を封止している。内蓋１３は、内容器１２に直接、装着された下部材４６と、下部材４６を介して内容器１２に装着された上部材４７と、を備える。下部材４６は、内蓋円板部４８と、内側筒部４９と、外側筒部５０と、を備える。内蓋円板部４８は、容器軸Ｏと同軸に配置された円板状である。内蓋円板部４８は、内容器１２の上側の開口を覆っている。内蓋円板部４８には、上側に延びる装着筒部５１が形成されている。装着筒部５１は、容器軸Ｏと同軸に配置されている。装着筒部５１は、内容器１２内に開口する。内側筒部４９は、内蓋円板部４８の外周縁から上側に延びる円筒状である。外側筒部５０は、内側筒部４９よりも径方向外側において、容器軸Ｏと同軸に配置された円筒状である。外側筒部５０の上端部は、内側筒部４９の上端部と連結されている。

　外側筒部５０と内側筒部４９との径方向の間には、取付けリング４３の係合突起４４が嵌合されている。これにより、取付けリング４３を介して内容器１２と内蓋１３とが固定されている。外側筒部５０の下端および内側筒部４９の下端は、取付けリング４３と接触している。

　上部材４７は、弁座筒部５２と、連通筒部５３と、空間形成筒部５４と、連結環部５５と、を備える。弁座筒部５２は、容器軸Ｏと同軸の有底筒状に形成されている。弁座筒部５２は、装着筒部５１よりも大径で、かつ内側筒部４９よりも小径である。弁座筒部５２の底面は、装着筒部５１の上端開口縁上に配置されている。連通筒部５３は、容器軸Ｏと同軸に配置され、弁座筒部５２から下方に向けて延びる円筒状である。連通筒部５３は、装着筒部５１内に嵌合されている。連通筒部５３の下端部は、装着筒部５１の下端部よりも下方に位置し、内容器１２内の内容物と接触している。連通筒部５３内は、中蓋１４に形成された連通孔５６とされている。連通孔５６は、内容器１２内に連通する。

　空間形成筒部５４は、容器軸Ｏと同軸の円筒状である。空間形成筒部５４は、弁座筒部５２よりも大径で、かつ内側筒部４９よりも小径である。空間形成筒部５４は、内側筒部４９内に配置されている。空間形成筒部５４の下端部は、内蓋円板部４８の上面から離間している。連結環部５５は、容器軸Ｏと同軸に配置されている。連結環部５５の上面および下面は、容器軸Ｏに直交する方向に延びる。連結環部５５の内周縁部は、弁座筒部５２の上端部に連結されている。連結環部５５の外周縁部は、空間形成筒部５４の上端部に連結されている。連結環部５５の外周縁部は、空間形成筒部５４の上端縁よりも下方で、かつ、空間形成筒部５４の上下方向Ｚの中央よりも上方に位置している。

　中蓋１４は、内蓋１３の上方に配設されている。中蓋１４は、有頂筒状に形成されている。中蓋１４は、中蓋１４の周壁を形成する装着リング５７と、中蓋１４の頂壁を形成する操作部５８と、を備える。装着リング５７は、内蓋１３に装着されている。装着リング５７は、上端部同士が連結された内筒５９および外筒６０を有する二重円筒状に形成されている。内筒５９には、内蓋１３の上部材４７（空間形成筒部５４）が嵌合されている。外筒６０の下部には、径方向外側面から径方向内側に窪む周溝６１が形成されている。周溝６１は、周方向の全周にわたって連続して延びている。周溝６１には、底部材２１の係合板部３１の係合爪３２と係合している。これにより、装着リング５７が底部材２１から外れることが抑制される。装着リング５７における内筒５９と外筒６０との間には、内蓋１３の下部材４６（内側筒部４９および外側筒部５０）が嵌合されて固定されている。これにより、内容器１２が、取付けリング４３を介して装着リング５７（中蓋１４）に固定される。内容器１２は、中蓋１４に固定された状態において、底部材２１の底板部２３から上方に離れて配置されている。

　装着リング５７の上面には、上側に突出する***部６２が形成されている。***部６２は、環状である。***部６２の平面視形状は、容器軸Ｏと同軸に配置された円環状である。***部６２の内周面は、上側に向かうに従って***部６２の外側に延びる曲面状に形成されている。コンパクト容器１０が閉じた状態において、***部６２の内側に位置する操作部５８の上面には、パフＰ（塗布具）が設置される。装着リング５７の外周面には、径方向外側に延びるフランジ部６３が設けられている。フランジ部６３は、全周に亘って設けられている。フランジ部６３の下面は、底部材２１の筒状壁部２４の上面に上側から接触している。

　操作部５８は、装着リング５７の内部を上方から閉塞する。操作部５８の外周縁部は、装着リング５７において***部６２よりも径方向の内側に位置する部分の上面に連結されている。操作部５８の上面は、装着リング５７において操作部５８に径方向外側から連なる部分と段差なく面一に形成されている。操作部５８は、弾性変形可能に形成されている。図示の例では、操作部５８において外周縁部（装着リング５７に連結されている部分）よりも径方向内側に位置する中央部が、上下方向Ｚに弾性変形可能に形成されている。操作部５８の下面には、空間形成筒部５４の上端面が当接している。操作部５８の材質としては、例えば、エラストマー、ニトリルゴム、ブチルゴム、シリコンゴム、軟質ポリエチレン、若しくはウレタンなどの軟材質を用いることができる。また、内容物に対する耐薬品性などを考慮し、例えば、弾性変形可能で比較的柔らかいポリプロピレン（ＰＰ）、薄肉に成形したポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）などを操作部５８の材質として用いてもよい。操作部５８は、装着リング５７よりも軟質であり、装着リング５７は、操作部５８より硬質である。操作部５８には、環状の薄肉部６４が形成されている。薄肉部６４は、操作部５８において後述する連絡空間６５を画成する部分に形成されている。薄肉部６４は、操作部５８の中央部における外周部分に形成されている。薄肉部６４は、操作部５８の下面が上側に向けて窪むことで形成されている。操作部５８の上面は、薄肉部６４を径方向に跨ぐ前後で面一とされている。

　中蓋１４は、内蓋１３との間に連通孔５６に連通する連絡空間６５を画成する。本実施形態において連絡空間６５は、空間形成筒部５４（上部材４７）の上側の開口が操作部５８によって閉じられて形成されている。操作部５８は、装着リング５７の内部を上方から閉塞して装着リング５７の内部に連絡空間６５を画成する。連絡空間６５は、平面視円形状に形成されている。連絡空間６５の上下方向Ｚの大きさ（高さ）は、空間形成筒部５４の上下方向Ｚの大きさの１／２よりも小さくなっている。操作部５８は、弾性変形することで連絡空間６５の内圧を増減させる。

　中蓋１４には、図１に示すように、内容物を吐出させる吐出孔６６が形成されている。吐出孔６６の平面視形状は、円形状である。複数の吐出孔６６は、中蓋１４に形成されている。吐出孔６６は、容器軸Ｏに対して左右方向Ｙにずらされた位置に、前後方向Ｘに並んで配置されている。吐出孔６６は、図３に示すように、操作部５８に形成され、操作部５８を上下方向Ｚに貫通する。吐出孔６６は、連絡空間６５と連通している。吐出孔６６は、内蓋１３に設けられた弁座部６７により閉塞されている。弁座部６７は、上部材４７の連結環部５５（中蓋１４）から上方に向けて突出している。中蓋１４は、例えば、装着リング５７をインサート品としたインサート成形により形成することができる。

　第１弁体１５は、内蓋１３の連通孔５６と連絡空間６５との連通、およびその遮断を切り替える弁である。本実施形態において第１弁体１５は、内蓋１３に配設されている。第１弁体１５は、内蓋１３の弁座筒部５２内に嵌合されている。第１弁体１５は、連通孔５６の上側を覆っている。第１弁体１５は、逆止弁である。第１弁体１５は、内容器１２の収容空間４５から連絡空間６５への流体の流れを許容し、連絡空間６５から収容空間４５への流体の流れを遮断する。第１弁体１５としては、例えば、三点弁を用いることができる。なお、内容器１２に収容する内容物の性状などに応じて、例えば、三点弁の形状を適宜変更したり、三点弁とは異なる構成の逆止弁を第１弁体１５として採用したりすること等ができる。

　第２弁体１６は、中蓋１４の吐出孔６６と連絡空間６５との連通、およびその遮断を切り替える弁である。本実施形態において第２弁体１６は、中蓋１４に配設されている。第２弁体１６は、操作部５８において吐出孔６６の開口周縁部を含む部分により形成されている。第２弁体１６は、操作部５８における他の部分よりも薄肉に形成され、薄肉部６４よりも薄肉に形成されている。第２弁体１６の平面視形状は、図１に示すように、弁座部６７の平面視形状と相似形状であり、弁座部６７の平面視形状よりも大きい。第２弁体１６は、図３に示すように、弁座部６７に着座することで、吐出孔６６と連絡空間６５との連通を遮断している。第２弁体１６は、第２弁体１６が弾性変形して弁座部６７から離反したときに、吐出孔６６と連絡空間６５とを連通させる。第２弁体１６は、逆止弁である。第２弁体１６は、連絡空間６５から外部への流体の流れを許容し、外部から連絡空間６５への流体の流れを遮断する。

　本実施形態において内容器１２と内蓋１３と中蓋１４とは、リフィル容器１７を構成している。リフィル容器１７は、外殻体１１に対して着脱自在に設けられている。これにより、使用者は、内容器１２内の内容物を使い切った後に、リフィル容器１７を、内容物が充填された新しいリフィル容器１７と交換することができる。外殻体１１からリフィル容器１７を取り外す際、使用者は、係合板部３１の係合爪３２と周溝６１との係合状態を解除する。具体的には、使用者は、係合板部３１を筒状壁部２４との間の隙間に向けて径方向外側に変形させることで、係合爪３２を径方向外側に変位させる。これにより、係合爪３２を周溝６１内から外すことができ、係合爪３２と周溝６１との係合状態を解除することができる。

　以下、本実施形態のコンパクト容器１０の内容物の吐出方法について説明する。コンパクト容器１０が未使用状態の場合、内容物は、収容空間４５内にのみ収容されており、連絡空間６５には、例えば空気が充填されている。まず、使用者は、プッシュピース３７を操作して、外殻体１１の蓋部材２２を開いた後、操作部５８を上側から押圧して下側に窪ませるように弾性変形させる。操作部５８が下側に窪むように弾性変形すると連絡空間６５の容積が小さくなるため、連絡空間６５の内圧が上昇する。すると、連絡空間６５の内圧によって第２弁体１６が上方に向けて弾性的に膨出変形して弁座部６７から離反し、吐出孔６６の閉塞状態が解除され、連絡空間６５内の空気の一部が吐出孔６６から外部へと排出される。その後、第２弁体１６が弾性復元力に基づいて復元変形して弁座部６７に着座し、吐出孔６６を閉塞する。このとき、第１弁体１５は連絡空間６５から収容空間４５への流体の移動を遮断するため、第１弁体１５によって連通孔５６が閉塞されており、連絡空間６５内の空気が連通孔５６から収容空間４５に流れることが抑制される。このように、操作部５８により連絡空間６５の内圧を上昇させたときに、第１弁体１５は連通孔５６と連絡空間６５との連通を遮断し、かつ、第２弁体１６は吐出孔６６と連絡空間６５とを連通させる。

　次に、使用者は、操作部５８に加えている押圧力を解除して、弾性変形していた操作部５８を元の状態に復元変形させる。これにより、連絡空間６５の容積が増加して、連絡空間６５内が負圧となる。このとき、吐出孔６６は第２弁体１６によって閉塞されているため、外部から連絡空間６５へ空気が入ることが抑制される。そのため、連通孔５６を介して、収容空間４５内の内容物が連絡空間６５内に吸い上げられる。第１弁体１５は収容空間４５から連絡空間６５への流体の流れを許容するため、第１弁体１５は、連通孔５６と連絡空間６５とを連通させた状態となっており、内容物の流れを阻害しない。これにより、連絡空間６５内に内容物が流入される。このように、操作部５８により連絡空間６５の内圧を下降させたときに、第２弁体１６は吐出孔６６と連絡空間６５との連通を遮断し、かつ、第１弁体１５は連通孔５６と連絡空間６５とを連通させる。

　使用者は、上述した操作部５８の弾性変形と復元変形とを複数回行うことにより、連絡空間６５の空気を外部に排出するとともに、連絡空間６５内に内容物を充填させていくことができる。ここで、内容器１２は可撓性を有しており、内容物が連通孔５６を通して連絡空間６５に流出することに伴って減容する（減容変形する）ため、内容物の減少に伴って収容空間４５の内圧が小さくなると、内容器１２が縮小変形して収容空間４５の容積が小さくなる。これにより、内容物が連絡空間６５に流入して収容空間４５内の内容物の総量が減った場合であっても、収容空間４５から連絡空間６５へと好適に内容物を送ることが可能である。

　連絡空間６５に内容物が充填された状態において、操作部５８を弾性変形させると、連絡空間６５の内圧が上昇する。これにより、第２弁体１６が上方に向けて膨出変形し、吐出孔６６の閉塞が解除される。したがって、連絡空間６５内から押し出された分の内容物が吐出孔６６から外部へと吐出される。このようにして、使用者は、内容物を吐出させることができる。内容物は、吐出孔６６から中蓋１４の上面のうち***部６２の内側に吐出される。そのため、内容物が中蓋１４の上面上から零れることを抑制できる。使用者は、パフＰ等によって中蓋１４の上面を拭うことで内容物をパフＰ等に付着させて使用する。

　以上説明したように、本実施形態に係るコンパクト容器１０によれば、操作部５８により連絡空間６５の内圧を上昇させたときに、第１弁体１５は連通孔５６と連絡空間６５との連通を遮断し、かつ、第２弁体１６は吐出孔６６と連絡空間６５とを連通させる。一方、操作部５８により連絡空間６５の内圧を下降させたときに、第２弁体１６は吐出孔６６と連絡空間６５との連通を遮断し、かつ、第１弁体１５は連通孔５６と連絡空間６５とを連通させる。そのため、使用者は、操作部５８を押圧したりその押圧を解除したりして操作部５８を弾性変形させることによって連絡空間６５の内圧の増減を行うことで、連絡空間６５内を負圧にして内容器１２内の内容物を連絡空間６５内に流入させ、連絡空間６５内に内容物を充填することができる。この状態で、操作部５８によって連絡空間６５の内圧を上昇させると、連絡空間６５の内圧の上昇に対応した量だけ、内容物を吐出孔６６から吐出させることができる。したがって、内容物の吐出量の調整が容易なコンパクト容器１０が得られる。

　また、中蓋１４が操作部５８を備え、操作部５８が中蓋１４の一部とされているので、操作部５８を設けることによる部品点数の増加を抑えることができる。さらに操作部５８が、連絡空間６５を画成しているので、例えば、操作部５８を連絡空間６５の大きさに応じて大きく形成することが可能になり、内容物の吐出に際して使用者が操作可能な範囲を広げることができる。本実施形態では、操作部５８が、中蓋１４の頂壁を形成しているので、前記頂壁のどこを押下しても使用者が吐出操作を実施することができる。その上、操作部５８上にパフＰが設置されており、パフＰを介して操作部５８を押下することもできる。この場合、例えば、内容物を吐出孔６６からパフＰに直接、吐出して、パフＰにより内容物を拭い取る作業を不要にすること等もできる。

　また、操作部５８に環状の薄肉部６４が形成されている。したがって、操作部５８において薄肉部６４の内側に位置する部分を、薄肉部６４を起点として大きく弾性変形させ易くすることができる。これにより、連絡空間６５の内圧を大きく増減させることが可能になり、内容物の吐出量の調整をより容易にすることができる。

　また、複数の吐出孔６６が、中蓋１４に形成されている。したがって、例えば吐出孔６６が中蓋１４に１つだけ形成されている場合に比べて、吐出孔６６から吐出される内容物を広い範囲に分散させ易くすることができる。これにより、例えば中蓋１４上に吐出された内容物をパフＰにより拭いとる場合などには、内容物をパフＰに万遍なく行き渡らせることができる。例えば、内容物としての化粧料（いわゆるファンデーション等）が収容されたコンパクト容器１０の場合には、化粧料をパフＰから肌（被塗布部）に均等に塗布し易くするとともに塗り広げ易くすることができる。

　また、内容物が連通孔５６を通して連絡空間６５に流出することに伴って内容器１２が減容する。したがって、内容物を吐出することで内容器１２内の内容物が減少したときに内容器１２を底上げし、内容物の高さ位置を保持することが可能になり、内容物を連通孔５６から連絡空間６５に円滑に流出させることができる。さらに、例えば内容器１２内の内容物を使い終えて内容器１２を外殻体１１から取り出したときに、内容器１２の容積を予め小さくしておくことが可能になり、廃棄時における減容化を実現することができる。

　また、吐出孔６６が、操作部５８に形成されている。したがって、例えば、吐出孔６６から吐出された内容物をパフＰにより拭いとるときに使用者が中蓋１４（操作部５８）に対して手を接近させる動作を、操作部５８を操作するときに使用者が中蓋１４に対して手を接近させる動作とほぼ同様の動作とすることができる。これにより、コンパクト容器１０を使い易くすることができる。また第２弁体１６が、操作部５８において吐出孔６６の開口周縁部を含む部分により形成されている。したがって、第２弁体１６を設けることによる部品点数の増加を抑えることができる。

　また、中蓋１４が、装着リング５７を備えている。したがって、操作部５８の弾性変形に基づく操作性を確保しつつも装着リング５７を適度に硬質に形成し、中蓋１４の内蓋１３への装着性を装着リング５７により確保することができる。これにより、操作部５８の操作性および中蓋１４の装着性の両方を確保することができる。

（第２実施形態）
　次に、本発明に係る第２実施形態のコンパクト容器８０を、図４から図６を参照して説明する。なお、第２実施形態においては、第１実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。

　本実施形態に係るコンパクト容器８０では、連結環部５５の外周縁部は、空間形成筒部５４の下端部に連結されている。連結環部５５の外周縁部は、空間形成筒部５４の下端縁よりも上方で、かつ、空間形成筒部５４の上下方向Ｚの中央よりも下方に位置している。これにより、連絡空間６５の上下方向Ｚの大きさ（高さ）は、空間形成筒部５４の上下方向Ｚの大きさの１／２よりも大きくなっている。そして、本実施形態のコンパクト容器８０における連絡空間６５では、第１実施形態のコンパクト容器１０における連絡空間６５よりも、上下方向Ｚの大きさが大きく、かつ容積も大きくなっている。このように、連絡空間６５の上下方向Ｚの大きさが確保されている場合、使用者が操作部５８を上方から押圧するときに、操作部５８の押し込み量を使用者が適宜調節することができる。使用者が内容物を多量に吐出させたいときには、操作部５８を、例えば操作部５８が連結環部５５に突き当たるまで大きく押し込んだり、使用者が内容物を少量だけ吐出させたいときには、操作部５８が連結環部５５に突き当たたらない範囲で操作部５８を僅かに押し込んだりすることができる。したがって、使用者が操作部５８の押し込み量を調節することで、内容物の吐出量を調節することができる。

　第２弁体１６における周縁部には、下方に向けて延びる規制壁部８１が設けられている。規制壁部８１は、前記周縁部の全周にわたって延びる筒状に形成されている。規制壁部８１は、操作部５８において第２弁体１６の外側に生じた弾性変形が、第２弁体１６に伝播されることを抑制する。

　なお、本発明の技術的範囲は、前記実施形態に限定されるものではない。例えば以下に示すように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において前記実施形態に種々の変更を加えることが可能である。

　操作部５８の平面視形状は、特に限定されず、楕円形状であってもよいし、三角形状であってもよし、四角形状であっても、五角形以上の多角形状であってもよい。また、内容器１２の形状は、特に限定されず、例えば、楕円筒状であってもよいし、角筒状であってもよい。また、内容器１２と内蓋１３と中蓋１４とは、リフィル容器１７を構成していなくてもよい。すなわち、内容器１２と内蓋１３と中蓋１４とは、内容物を使い切った際に、内容器１２を交換できない構成であってもよい。

　装着リング５７が無くてもよい。装着リング５７を備えることに代えて、弾性変形可能な操作部５８（弾性変形部）が、例えば有頂筒状に形成される等して内蓋１３に装着されてもよい。吐出孔６６が、操作部５８に形成されていなくてもよい。例えば、装着リング５７に、径方向内側に向けて突出するとともに連絡空間６５を画成するフランジを設け、このフランジに吐出孔６６を設けてもよい。１つだけの吐出孔６６が、形成されていてもよい。第２弁体１６が、操作部５８によって形成されていなくてもよく、第２弁体１６を、操作部５８とは別の部材によって形成されてもよい。内容物が連通孔５６を通して連絡空間６５に流出しても、内容器１２が減容しなくてもよい。内容器１２は、可撓性を有さない構成を採用してもよい。操作部５８に薄肉部６４がなくてもよい。

　その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記実施形態に前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。

（第３実施形態）
　次に、本発明の第３実施形態に係るコンパクト容器１９０を、図７および図８を参照して説明する。

　図７および図８に示すように、本実施形態のコンパクト容器１９０は、平面視円形状の扁平容器である。コンパクト容器１１０は、外殻体１１１と、内容器１１２と、内蓋１１３と、中蓋１１４と、第１弁体１１５と、第２弁体１１６と、付勢部１９８と、を備える。外殻体１１１は、内容器１１２、内蓋１３および中蓋１１４を覆って、これらを内部に収容する。つまりコンパクト容器１１０のうち、外殻体１１１以外の部材は、外殻体１１１の内部に収容される。外殻体１１１は、底部材１２１と、蓋部材１２２と、を備える。底部材１２１は、有底円筒状である。蓋部材１２２は、有頂円筒状である。蓋部材１２２は、底部材２１に対して回転軸Ｒ回りに回動可能に取り付けられている。

　以下では、外殻体１１１の中心軸線（コンパクト容器１１０の中心軸線）を容器軸Ｏと呼び、容器軸Ｏに沿う方向（容器軸Ｏが延在する方向）を上下方向Ｚと呼ぶ。上下方向Ｚに沿って底部材１２１から蓋部材１２２へ向かう方向を上方と呼び、蓋部材１２２から底部材１２１へ向かう方向を下方と呼ぶ。上下方向Ｚから見た平面視で、容器軸Ｏに直交する方向を径方向と呼ぶ。径方向に沿って容器軸Ｏに接近する方向を径方向内側と呼び、容器軸Ｏから離間する方向を径方向外側と呼ぶ。径方向のうち、回転軸Ｒに平行な方向を左右方向Ｙと呼び、回転軸Ｒに直交する方向を前後方向Ｘと呼ぶ。前後方向Ｘに沿って、容器軸Ｏから回転軸Ｒへ向かう方向を後方と呼び、回転軸Ｒから容器軸Ｏへ向かう方向を前方と呼ぶ。容器軸Ｏ回りに周回する方向を周方向と呼ぶ。

　図８に示すように、底部材１２１は、容器軸Ｏと同軸に配置された円板状の底板部１２３と、底板部１２３の外周縁から上方に延びる円筒状の筒状壁部１２４と、を備える。筒状壁部１２４の前方端部には、後方に向けて窪む係合空間１２５が設けられている。係合空間１２５は、前方および上方に向けて開口している。係合空間１２５は、前方を向く後壁部１２６と、上方を向く底壁部１２７と、により画成されている。

　後壁部１２６のうち左右方向Ｙの中央に位置する部分には、前方に向けて突出したガイド壁部１２８が形成されている。ガイド壁部１２８の上面は、前方に向かうにしたがい下方に向けて傾斜する傾斜面とされている。後壁部１２６のうちガイド壁部１２８よりも上方に位置する部分には、前方に向けて突出した第１係合部１２９が形成されている。後壁部１２６のうちガイド壁部１２８よりも下方に位置する部分には、後壁部１２６を前後方向Ｘに貫通する逃げ孔１３０が形成されている。

　底部材１２１は、底板部１２３から上方に延びる係合板部（図示省略）を備える。複数の係合板部は、周方向に沿って等間隔に複数形成されている。係合板部の表裏面は、径方向と直交するように配置される。係合板部の上端部には、径方向内側に突出する係合爪が設けられる。

　蓋部材１２２は、底部材１２１における筒状壁部１２４の後方端部に取り付けられている。蓋部材１２２は、底部材１２１の上端開口を開閉可能に閉塞する。蓋部材１２２は、容器軸Ｏと同軸に配置された円板状の天板部１３３と、天板部１３３の外周縁から下方に延びる円筒状の筒部１３４と、を備える。蓋部材１２２の天板部１３３の下面には、鏡Ｍが固定される。

　蓋部材１２２のうち前方端部には、下方に向けて係合片１３５が突設されている。係合片１３５は、筒部１３４における内周面から下方に向けて突出するとともに左右方向Ｙに延びた板状に形成され、係合空間１２５内に上方から入り込んでいる。係合片１３５の下端部には、後方に向けて突出するとともに、底部材１２１に形成された第１係合部１２９に対して離脱可能にアンダーカット嵌合される第２係合部１３６が形成されている。第１係合部１２９に対して第２係合部１３６が下方から係合することによって、蓋部材１２２は閉状態でロックされる。

　係合空間１２５内には、第１係合部１２９と第２係合部１３６との係合を解除するプッシュピース１３７が設けられている。プッシュピース１３７は、係合片３５よりも前方に配置された操作壁部１３８と、操作壁部１３８から後方に向けて突設され、ガイド壁部１２８の傾斜面上に位置する解除突起１３９と、操作壁部１３８の下端部から後方に向けて突設され、底壁部１２７に載置されるベース部１４０と、を備える。プッシュピース１３７は、後方に向けて押し込まれたときに、底部材１２１および蓋部材１２２に対して後方へ移動可能である。

　解除突起１３９は、プッシュピース１３７の後方への移動にともなってガイド壁部１２８の傾斜面に沿って後方に移動し、第２係合部１３６を下方から押し上げて、第１係合部１２９から離脱させる。これにより、第１係合部１２９と第２係合部１３６との係合を解除することができ、蓋部材１２２を開操作可能な状態とすることができる。なお、プッシュピース１３７は、後方に移動したときに、解除突起１３９の復元変形によって、前方に向けて復元移動する。

　ベース部１４０は、プッシュピース１３７の後方への移動にともなって、後壁部１２６に形成された逃げ孔１３０内に前方から入り込む。また、ベース部１４０には、下方に向けて突出し、底壁部１２７に形成された係止凹部４１に係止する係止凸部１４２が形成されている。これにより、プッシュピース１３７は、前方への抜け止めがされた状態で、外殻体１１１に組み合わされている。

　なお、上述したプッシュピース１３７は必須な構成ではなく、具備しなくても構わない。例えば指先等によって、係合片１３５の下端部を前方に向けて僅かに撓ませるように変形させることで、第１係合部１２９と第２係合部１３６との係合を解除し、蓋部材１２２の閉状態のロックを解除しても構わない。

　内容器１１２は、底部材１２１の筒状壁部１２４の径方向内側に配置されている。内容器１１２は、容器軸Ｏと同軸に配置され、上方に開口する扁平円筒状の容器である。内容器１１２は、可撓性を有し減容可能（減容変形可能）である。内容器１１２は、例えば、積層のフィルムや薄肉の樹脂成形品などで構成されている。内容器１１２は、可撓性に富む内側容器が、内側容器よりも硬質な外側容器の内面に積層されてなる、いわゆるデラミ容器などであってもよい。内容器１１２内（後述の収容空間１４５）が減容可能なその他の構成などを採用してもよい。内容器１１２の上端部には、内容器１１２の上端部を径方向外側から囲む環状の取付けリング１４３が固定されている。取付けリング１４３は、上方に突出する係合筒部１４４を有する。

　内容器１１２の内部である収容空間１４５には、流動性を有する内容物が収容されている。内容物は、液状であっても、ゲル状であっても、ゼリー状であってもよい。内容物は、例えば、リキッドファンデーション等の化粧品である。

　内蓋１１３は、内容器１１２の上方に配設されている。内蓋１１３は、内容器１１２の上方の開口を塞ぎ、内容器１１２の内部を封止している。内蓋１１３は、内容器１１２に直接装着された下部材１４６と、下部材１４６を介して内容器１１２に装着された上部材１４７と、を備える。

　下部材１４６は、内蓋円板部１４８と、内側筒部１４９と、外側筒部１５０と、を備える。内蓋円板部１４８は、容器軸Ｏと同軸に配置された円板状である。内蓋円板部１４８は、内容器１１２の上方の開口を覆っている。内蓋円板部１４８には、上方に延びる装着筒部１５１が形成されている。装着筒部１５１は、内蓋円板部１４８の内周端から上方に向けて突設される。装着筒部１５１は、容器軸Ｏと同軸に配置されている。装着筒部１５１は、内容器１１２内に開口する。内側筒部１４９は、内蓋円板部１４８の外周縁から上方に延びる円筒状である。外側筒部１５０は、内側筒部１４９よりも径方向外側において、容器軸Ｏと同軸に配置された円筒状である。外側筒部１５０の上端部は、内側筒部１４９の上端部と連結されている。

　径方向に沿う外側筒部１５０と内側筒部１４９との間には、取付けリング１４３の係合筒部１４４が嵌合されている。これにより、取付けリング１４３を介して内容器１１２と内蓋１１３とが固定されている。外側筒部１５０の下端および内側筒部１４９の下端は、取付けリング１４３と接触している。

　上部材１４７は、取付け筒部１５２と、第１弁座部１５３と、外周筒部１５４と、連結環部１５５と、を備える。取付け筒部１５２は、容器軸Ｏと同軸の円筒状に形成されている。取付け筒部１５２は、装着筒部１５１内に嵌合している。第１弁座部１５３は、容器軸Ｏと同軸に配置され、取付け筒部１５２よりも小径とされた筒部（周壁部）と、筒部の上端部から径方向内側へ広がる弁座板と、を備える。第１弁座部１５３の筒部の下端部は、取付け筒部１５２の下端部に連結される。第１弁座部１５３の弁座板は、取付け筒部１５２の上端よりも下方に位置している。第１弁座部１５３の弁座板の中央部には、この弁座板を上下方向Ｚに貫通する連通孔１５６が形成されている。このため弁座板は、リング板状である。連通孔１５６は、容器軸Ｏと同軸に配置された円孔状である。連通孔１５６は、内容器１１２内に連通する。つまり、内蓋１１３には、内容器１１２内に連通する連通孔１５６が形成される。

　外周筒部１５４は、容器軸Ｏと同軸の円筒状である。外周筒部１５４は、取付け筒部１５２よりも大径であり、内側筒部１４９よりも小径である。外周筒部１５４は、内側筒部１４９内に配置されている。外周筒部１５４の下端部には、この下端部から径方向外側へ広がるフランジ部が形成されている。外周筒部１５４のフランジ部は、内蓋円板部１４８の上面における径方向外側の端部に対して、その上方から対向している。

　連結環部１５５は、容器軸Ｏと同軸に配置されている。連結環部１５５は、板面が上下方向Ｚを向くリング板状である。連結環部１５５の内周縁部は、取付け筒部１５２の上端部に連結されている。連結環部１５５の外周縁部は、外周筒部１５４の上端部に連結されている。連結環部１５５の外周縁部は、外周筒部１５４の上端よりも下方で、かつ、外周筒部１５４の上下方向Ｚの中央よりも上方に位置している。

　連結環部１５５には、周方向に間隔をあけて複数の収容凹部１７７が形成されている。本実施形態の例では、収容凹部１７７が、容器軸Ｏの左方、右方および後方に配置されている（図７参照）。図８に示すように、収容凹部１７７は、連結環部１５５において下方に窪む凹状である。連結環部１５５のうち、容器軸Ｏよりも前方に位置する部分には、第２弁座部１６７が配置される。第２弁座部１６７は、連結環部１５５において上方に突出する突状である。本実施形態では、第２弁座部１６７が有頂筒状である。図示の例では、第２弁座部１６７が、有底筒状の窪み部１７８の底壁から、上方に向けて突設されている。窪み部１７８は、連結環部１５５のうち、容器軸Ｏよりも前方に位置する部分に配置される。窪み部１７８は、連結環部１５５において下方に窪む凹状である。図７に示すように、本実施形態の例では、第２弁座部１６７および窪み部１７８が、周方向に延びる円弧状をなす。

　図８に示すように、中蓋１１４は、内蓋１１３の上方に設けられる。中蓋１１４は、有頂筒状に形成されている。中蓋１１４は、中蓋１１４の周壁を形成する装着リング１５７と、中蓋１１４の頂壁を形成する操作部１５８と、を備える。

　装着リング１５７は、内蓋１１３に装着されている。装着リング１５７は、上端部同士が連結された内筒１５９および外筒１６０を有する二重円筒状に形成されている。外筒１６０の外周面の下部には、周方向に延びる複数の周溝（図示省略）が周方向に互いに間隔をあけて形成されている。周溝には、底部材１２１の図示しない係合板部の係合爪が係合する。これにより、装着リング１５７が底部材１２１から外れることが抑制される。

　装着リング１５７における内筒１５９と外筒１６０との間には、内蓋１１３の下部材１４６（内側筒部１４９および外側筒部１５０）が嵌合されて固定されている。これにより、内容器１１２が、取付けリング１４３を介して装着リング１５７（中蓋１１４）に固定される。内容器１１２は、中蓋１１４に固定された状態において、底部材１２１の底板部１２３から上方に離れて配置される。

　装着リング１５７の上面には、上方に突出する***部１６２が形成されている。***部１６２は、環状である。***部１６２の平面視形状は、容器軸Ｏと同軸に配置された円形リング状である。***部１６２の内周面は、上方に向かうにしたがい径方向外側へ向けて延びる曲面状である。コンパクト容器１１０が閉じた状態において、***部１６２の径方向内側に位置する操作部１５８の上面には、パフＰ（塗布具）が設置される。

　装着リング１５７の外周面には、径方向外側に広がるフランジ部１６３が設けられている。フランジ部１６３は、装着リング１５７の外周面において、全周にわたって設けられている。フランジ部１６３の下面は、底部材１２１の筒状壁部１２４の上面に対して、その上方から接触する。

　操作部１５８は、装着リング１５７の内部を上方から閉塞する。本実施形態では、操作部１５８が円板状である。操作部１５８の外周縁部は、装着リング１５７において***部１６２よりも径方向内側に位置する部分の上面に連結されている。操作部１５８の上面は、装着リング１５７において操作部１５８に径方向外側から連なる部分と段差なく面一に形成されている。操作部１５８は、上下方向Ｚから見て、後述する第１弁体１１５に重なる位置に配置される。

　操作部１５８は、弾性変形可能に形成されている。操作部１５８の材質としては、例えば、エラストマー、ニトリルゴム、ブチルゴム、シリコンゴム、軟質ポリエチレン、若しくはウレタンなどの軟材質を用いることができる。また、内容物に対する耐薬品性などを考慮し、例えば、弾性変形可能で比較的柔らかいポリプロピレン（ＰＰ）、薄肉に成形したポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）などを操作部１５８の材質として用いてもよい。操作部１５８は、装着リング１５７よりも軟質であり、装着リング１５７は、操作部１５８より硬質である。図示の例では、操作部１５８において外周縁部（装着リング１５７に連結されている部分）よりも径方向内側に位置する中央部が、上下方向Ｚに弾性変形可能に形成されている。

　操作部１５８の下面には、垂下筒部１７９と、規制壁部１８１と、弾性板１８２と、が備えられる。垂下筒部１７９は、容器軸Ｏに同軸に配置される。垂下筒部１７９は、操作部１５８の下面から下方へ向けて突設された円筒状である。垂下筒部１７９は、内筒１５９の径方向内側に嵌合し、かつ外周筒部１５４の径方向外側に嵌合する。垂下筒部１７９は、内筒１５９と外周筒部１５４とによって径方向から挟まれ、固定されている。図示の例では、操作部１５８の下面に、外周筒部１５４の上端が当接している。

　規制壁部１８１は、操作部１５８の下面から下方へ向けて突設された筒状である。規制壁部１８１は、第２弁座部１６７を上下方向Ｚ以外の方向（前後方向Ｘおよび左右方向Ｙ）から囲う。図示の例では、規制壁部１８１内に、第２弁座部１６７が嵌合している。また、規制壁部１８１の下端部は、窪み部１７８の周壁内に嵌合する。これにより、規制壁部１８１の下端部は、第２弁座部１６７の周壁と窪み部１７８の周壁とによって、上下方向Ｚ以外の方向から挟まれ、固定されている。また、規制壁部１８１の下端は、窪み部１７８の底壁に対して、その上方から当接している。特に図示しないが、操作部１５８の下面視において、規制壁部１８１は、第２弁座部１６７および窪み部１７８の形状に対応して、周方向に延びる円弧状をなす。

　弾性板１８２は、操作部１５８の下面から下方へ向けて突設された板状である。弾性板１８２は、弾性変形可能である。図７に示すように、本実施形態の例では、弾性板１８２が四角形板状である。操作部１５８の下面には、周方向に間隔をあけて複数の弾性板１８２が形成されている。弾性板１８２は、容器軸Ｏの左方、右方および後方に配置されている。図８に示すように、弾性板１８２は、操作部１５８の下面から下方へ向かうにしたがい後方へ向けて延びる。弾性板１８２は、収容凹部１７７内に配置される。弾性板１８２の下端部は、収容凹部１７７の底面に当接する。弾性板１８２は、操作部１５８と一体に形成される。

　操作部１５８には、環状の薄肉部１６４が形成されている。薄肉部１６４は、容器軸Ｏに同軸に配置される。薄肉部１６４は、操作部１５８において後述する連絡空間１６５を画成する部分に形成されている。薄肉部１６４は、操作部１５８の中央部における外周部分に形成されている。薄肉部１６４は、操作部１５８の下面が上方に向けて窪むことで形成されている。操作部１５８の上面は、薄肉部１６４を径方向にまたぐ両側（内外）で面一とされている。

　中蓋１１４は、内蓋１１３との間に、連通孔１５６に連通する連絡空間１６５を画成する。本実施形態において連絡空間１６５は、外周筒部１５４（上部材１４７）の上方の開口が操作部１５８によって閉じられて形成されている。操作部１５８は、装着リング１５７の内部を上方から閉塞して装着リング１５７の内部に連絡空間１６５を画成する。連絡空間１６５は、平面視円形状に形成されている。連絡空間１６５の上下方向Ｚの大きさ（高さ）は、外周筒部１５４の上下方向Ｚの大きさの１／２よりも小さくなっている。操作部１５８は、弾性変形することで連絡空間１６５の内圧を増減させる。

　図７および図８に示すように、中蓋１１４には、内容物を吐出させる吐出孔１６６が形成されている。吐出孔１６６の平面視形状は、円形状である。複数の吐出孔１６６は、中蓋１１４に形成されている。本実施形態では、吐出孔１６６が、中蓋１１４のうち容器軸Ｏよりも前方に位置する部分に位置しており、周方向に円弧状に配列している。

　図８に示すように、吐出孔１６６は、操作部１５８に形成され、操作部１５８を上下方向Ｚに貫通する。吐出孔１６６は、連絡空間１６５と連通する。本実施形態では、吐出孔１６６と連絡空間１６５とが、第２弁座部１６７の周壁、窪み部１７８の底壁および周壁に形成された複数の溝部１８３によって、互いに連通する。吐出孔１６６は、内蓋１１３に設けられた第２弁座部１６７により閉塞される。吐出孔１６６は、第２弁座部１６７の頂壁によって、下方から塞がれる。中蓋１１４は、例えば、装着リング１５７をインサート品としたインサート成形により作製される。

　第１弁体１１５は、内蓋１１３の連通孔１５６と連絡空間１６５との連通、およびその遮断を切り替える弁である。本実施形態において第１弁体１１５は、内蓋１１３に設けられている。第１弁体１１５は、弁筒１８４と、弁本体１８５と、を備えている。本実施形態では、弁筒１８４が、内蓋１１３の取付け筒部１５２内に嵌合している。弁筒１８４内には、第１弁座部１５３の筒部（周壁部）が配置される。弁筒１８４の下端は、第１弁座部１５３の筒部の下端部と、取付け筒部１５２の下端部とを接続するリング板状の連結部分に対して、その上方から当接する。弁本体１８５は、弁筒１８４の上端部に連結される。弁本体１８５は、弁筒１８４内に配置される。弁本体１８５は、円板状の弁板と、弁板と弁筒１８４とを連結する複数の弾性脚と、を備える。弁本体１８５は、弁筒１８４に対して上下方向Ｚに移動可能である。第１弁座部（連通筒部）１５３の弁座板が、弁本体１８５の弁板に対して、その下方から当接する。

　第１弁体１１５は、連通孔１５６の上方を覆っている。第１弁体１１５は、逆止弁である。第１弁体１１５は、内容器１１２の収容空間１４５から連絡空間１６５への流体（内容物。以下同様）の流れを許容し、連絡空間１６５から収容空間１４５への流体の流れを遮断する。本実施形態の例では、第１弁体１１５として、三点弁を用いている。なお、内容器１１２に収容する内容物の性状などに応じて、例えば、三点弁の形状を適宜変更したり、三点弁とは異なる構成の逆止弁を第１弁体１１５として採用したりすることができる。

　第２弁体１１６は、中蓋１１４の吐出孔１６６と連絡空間１６５との連通、およびその遮断を切り替える弁である。本実施形態において第２弁体１１６は、中蓋１４に設けられている。第２弁体１１６は、操作部１５８と一体に形成されている。第２弁体１１６は、操作部１５８において吐出孔１６６の開口周縁部を含む部分により形成されている。本実施形態では第２弁体１１６が、操作部１５８のうち、筒状の規制壁部１８１に囲まれた部分に形成される。

　第２弁体１１６は、操作部１５８における他の部分よりも薄肉に形成され、薄肉部１６４よりも薄肉に形成されている。第２弁体１１６の平面視形状は、第２弁座部１６７の平面視形状と相似形状であり、第２弁座部１６７の平面視形状よりも大きい（図７参照）。図８に示すように、第２弁体１１６は、第２弁座部１６７に着座することで、吐出孔１６６と連絡空間１６５との連通を遮断している。第２弁体１１６は、第２弁体１１６が弾性変形して第２弁座部１６７から離れたときに、吐出孔１６６と連絡空間１６５とを連通させる。第２弁体１１６は、逆止弁である。第２弁体１１６は、連絡空間６５から外部への流体の流れを許容し、外部から連絡空間１６５への流体の流れを遮断する。

　図７および図８に示すように、本実施形態では、付勢部１９８が、弁筒１８４の上端面から上方へ向けて突設された板状である。付勢部１９８は、弾性変形可能である。付勢部１９８は、帯板状（長方形板状）であり、その延在方向の両端部が、弁筒１８４の上端部にそれぞれ接続される。付勢部１９８の両端部は、弁筒１８４の上端部のうち、容器軸Ｏを挟んで径方向に対向する両部分に接続される。付勢部１９８の延在方向の両端部同士の間に位置する中間部分は、上方に向けて膨出する突状である。付勢部１９８の延在方向に沿う中央部１９９は、操作部１５８の下面に対して、その下方から当接する。付勢部１９８の延在方向の中央部１９９は、中央部１９９以外の部位よりも厚肉に形成されている。図示の例では、付勢部１９８の延在方向が、前後方向Ｘに沿っている。付勢部１９８の延在方向は、前後方向Ｘに限定されない。

　付勢部１９８は、下方移動した操作部１５８を上方に向けて付勢する。操作部１５８が下方移動する前の状態（図８に示す状態）においては、付勢部１９８は、操作部１５８を上方に向けて付勢してもよいし、付勢しなくてもよい。図８に示すように、付勢部１９８は、内蓋１１３と中蓋１１４の間に配置されている。付勢部１９８は、内蓋１１３の上部材１４７と、中蓋１１４の操作部１５８との間に配置される。付勢部１９８は、連絡空間１６５内に配置される。

　付勢部１９８は、操作部１５８の下面に備えられる。付勢部１９８は、その中心が容器軸Ｏと同軸になるように配置される。付勢部１９８は、操作部１５８のうち、上下方向Ｚから見て第１弁体１１５に重なる部分を、上方に向けて付勢する。

　本実施形態において内容器１１２と内蓋１１３と中蓋１１４とは、リフィル容器１１７を構成している。リフィル容器１１７は、外殻体１１１に対して着脱自在に設けられている。これにより、使用者は、内容器１１２内の内容物を使い切った後に、リフィル容器１１７を、内容物が充填された新しいリフィル容器１１７と交換することができる。外殻体１１１からリフィル容器１１７を取り外す際、使用者は、底部材１２１の係合板部の係合爪と、装着リング１５７の周溝との係合状態を解除する。

　次に、本実施形態のコンパクト容器１９０の内容物の吐出方法について説明する。コンパクト容器１９０が未使用状態の場合、内容物は、収容空間１４５内にのみ収容されており、連絡空間１６５には、例えば空気が充填されている。まず、使用者は、プッシュピース１３７を操作して、外殻体１１１の蓋部材１２２を開く。操作部１５８を上方から押圧して、下方に窪ませるように弾性変形させる。操作部１５８が下方に窪むように弾性変形すると連絡空間１６５の容積が小さくなるため、連絡空間１６５の内圧が上昇する。つまり、操作部１５８の少なくとも一部が下方移動させられることにより、連絡空間１６５の内圧が上昇する。すると、連絡空間１６５の内圧によって第２弁体１１６が上方に向けて弾性的に膨出変形して第２弁座部１６７から離間し、吐出孔１６６の閉塞状態が解除され、連絡空間１６５内の空気の一部が吐出孔６６から外部へと排出される。その後、第２弁体１１６が復元変形して第２弁座部１６７に着座し、吐出孔１６６を閉塞する。このとき、第１弁体１１５は連絡空間１６５から収容空間１４５への流体の移動を遮断するため、第１弁体１１５によって連通孔１５６が閉塞されており、連絡空間１６５内の空気が連通孔１５６から収容空間１４５に流れることが抑制される。このように、操作部１５８が下方移動して連絡空間１６５の内圧が上昇したときに、第１弁体１１５は連通孔１５６と連絡空間１６５との連通を遮断し、かつ、第２弁体１１６は吐出孔１６６と連絡空間１６５とを連通させる。

　なお、操作部１５８が押し下げられたときに、付勢部１９８は弾性変形する。このとき、付勢部１９８は、復元変形力によって操作部１５８を上方に向けて付勢する。

　次に、使用者は、操作部１５８に加えている押圧力を解除して、弾性変形していた操作部１５８を元の状態に復元させる。このとき、付勢部１９８は、操作部１５８を上方に向けて付勢して復元変形を促す。また、弾性板１８２が、操作部５８の復元変形をアシストする。これにより、連絡空間１６５の容積が増加して、連絡空間１６５内が負圧となる。つまり、下方移動させられた操作部１５８の部分が、元の位置へ向けて上方移動させられることにより、連絡空間１６５の内圧が下降する。このとき、吐出孔１６６は第２弁体１１６によって閉塞されているため、外部から連絡空間１６５へ空気が入ることが抑制される。そのため、連通孔１５６を通して、収容空間１４５内の内容物が連絡空間１６５内に吸い上げられる。第１弁体１１５は収容空間１４５から連絡空間１６５への流体の流れを許容するため、第１弁体１１５は、連通孔１５６と連絡空間１６５とを連通させた状態となっており、内容物の流れを阻害しない。これにより、連絡空間１６５内に内容物が流入される。このように、操作部１５８が上方移動して連絡空間１６５の内圧が下降したときに、第２弁体１１６は吐出孔１６６と連絡空間１６５との連通を遮断し、かつ、第１弁体１１５は連通孔１５６と連絡空間１６５とを連通させる。

　使用者は、上述した操作部１５８の弾性変形と復元とを複数回行うことにより、連絡空間１６５の空気を外部に排出するとともに、連絡空間１６５内に内容物を充填させていくことができる。ここで、内容器１１２は可撓性を有しており、内容物が連通孔１５６を通して連絡空間１６５に流出することにともない減容する（減容変形する）ため、内容物の減少にともなって収容空間１４５の内圧が小さくなると、内容器１１２が縮小変形して収容空間１４５の容積が小さくなる。これにより、内容物が連絡空間１６５に流入して収容空間１４５内の内容物の総量が減った場合であっても、収容空間１４５から連絡空間１６５へと安定して内容物を送ることが可能である。

　連絡空間１６５に内容物が充填された状態において、操作部１５８を弾性変形させると、連絡空間１６５の内圧が上昇する。これにより、第２弁体１１６が上方に向けて膨出変形し、吐出孔１６６の閉塞が解除される。したがって、連絡空間１６５内から押し出された分の内容物が吐出孔１６６から外部へと吐出される。このようにして、使用者は、内容物を吐出させることができる。内容物は、吐出孔１６６から中蓋１１４の上面のうち***部１６２の内側に吐出される。そのため、内容物が中蓋１１４の上面上からこぼれることを抑制できる。使用者は、パフＰ等によって中蓋１１４の上面を拭うことで内容物をパフＰ等に付着させて使用する。

　以上説明したように、本実施形態のコンパクト容器１９０によれば、操作部１５８が下方移動して連絡空間１６５の内圧を上昇させたときに、第１弁体１１５は連通孔１５６と連絡空間１６５との連通を遮断し、かつ、第２弁体１１６は吐出孔１６６と連絡空間１６５とを連通させる。また、操作部１５８が上方移動して連絡空間１６５の内圧を下降させたときに、第２弁体１１６は吐出孔１６６と連絡空間１６５との連通を遮断し、かつ、第１弁体１１５は連通孔１５６と連絡空間１６５とを連通させる。このため、使用者は、操作部１５８を押し下げたりその押し下げを解除したりして操作部１５８を弾性変形させることによって連絡空間１６５の内圧の増減を行うことで、連絡空間１６５内を負圧にして内容器１２内の内容物を連絡空間１６５内に流入させ、連絡空間１６５内に内容物を充填することができる。この状態で、操作部１５８を押し下げて連絡空間１６５の内圧を上昇させると、連絡空間１６５の内圧の上昇に対応した量だけ、内容物を吐出孔１６６から吐出させることができる。

　そして、本実施形態では、下方移動した操作部１５８を上方に向けて付勢する付勢部１９８が備えられる。このため、操作部１５８の押し下げを解除したときに、付勢部１９８が、操作部１５８を押し下げ前の元の位置まで安定して戻す。つまり、弾性変形させられた操作部１５８が復元変形することを、付勢部１９８がアシストする。これにより、内容器１１２から連絡空間１６５へと内容物が安定して吸い込まれ、次に操作部１５８を押し下げたときの内容物の吐出量を、所望の量の通りとすることができる。したがって、本実施形態のコンパクト容器１００は、内容物の吐出量の調整が容易である。

　また、付勢部１９８によって操作部１５８が押し下げ前の位置に安定して戻されるため、操作部１５８の操作性がよい。これにより、操作部１５８を、例えばエラストマー等の弾性変形可能な軟材質で形成することで、第２弁体１１６によるシール性を確保した場合でも、良好な復元性を持たせることができる。

　詳しくは、本実施形態のように、第２弁体１１６が操作部１５８に一体に形成されている場合には、第２弁体１１６のシール性を確保するために、操作部１５８として軟らかい材質が採用される。このため、操作部１５８の復元性がより確保しにくくなる。このような問題が付勢部１９８を設けることによって、解決される。つまり、付勢部１９８を設けることによって、第２弁体１１６のシール性と、操作部１５８の復元性とを両立できる。

　また、中蓋１１４が操作部１５８を備え、つまり操作部１５８が中蓋１１４の一部とされているので、操作部１５８を設けることによる部品点数の増加を抑えることができる。また操作部１５８が、連絡空間１６５を画成しているので、例えば、操作部１５８を連絡空間１６５の大きさに応じて大きく形成することが可能になり、内容物の吐出に際して使用者が操作可能な範囲を広げることができる。

　また、本実施形態では、付勢部１９８が、操作部１５８のうち、上下方向Ｚから見て第１弁体１１５に重なる部分を付勢するので、下記の作用効果が得られる。すなわち、この場合、操作部１５８、付勢部１９８および第１弁体１１５を上下方向Ｚに並べて配置できる。操作部１５８と第１弁体１１５とを近い位置に配置できるので、操作部１５８が操作されたときの連絡空間１６５の内圧の変動（正圧、負圧）を、第１弁体１１５に作用させやすくすることができる。したがって、第１弁体１１５の動作が安定する。また、操作部１５８のうち、特に復元変形しにくい第１弁体１１５の直上に位置する部分を、付勢部１９８によって確実に元の位置に戻すことができる。

　また、本実施形態では、付勢部１９８が、内蓋１１３と中蓋１１４の間に配置されているので、付勢部１９８を設けやすい。また、付勢部１９８が連絡空間１６５内から操作部１５８を押し上げるように作用して、操作部１５８の復元性が良好に維持される。

　また、中蓋１１４が、装着リング１５７を備えている。したがって、操作部１５８の弾性変形に基づく操作性を確保しつつも装着リング１５７を適度に硬質に形成し、中蓋１１４の内蓋１１３への装着性を装着リング１５７により確保することができる。これにより、操作部１５８の操作性および中蓋１１４の装着性の両方を確保することができる。

　なお、本発明の技術的範囲は、前記実施形態に限定されるものではない。例えば以下に説明するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において前記実施形態に種々の変更を加えることが可能である。

　前述の実施形態では、付勢部１９８が、操作部１５８のうち、上下方向Ｚから見て第１弁体１１５に重なる部分を付勢する。付勢部は、操作部１５８のうち、上下方向Ｚから見て第１弁体１１５に重ならない部分を付勢してもよい。付勢部は、内蓋１１３と中蓋１１４の間に配置されなくてもよい。

　特に図示しないが、連絡空間１６５が、連通孔１５６が開口する主連絡空間と、主連絡空間に連通する副連絡空間と、を備え、副連絡空間を画成する壁面の少なくとも一部を、操作部としてもよい。この場合、副連絡空間内に付勢部を設けるとともに、付勢部が操作部を上方に向けて付勢してもよい。

　付勢部は、内蓋１１３に一体に形成されてもよい。この場合、付勢部が内蓋１１３に一体に形成されるので、部品点数を削減でき、コンパクト容器の構造を簡素化できる。また、付勢部が容器内で移動することが抑制されるので、付勢部の機能が良好に維持される。

　弾性板１８２は、操作部１５８と一体に形成される代わりに、内蓋１１３の上部材１４７と一体に形成されてもよい。弾性板１８２の形状は、四角形板状に限らず、それ以外の板状、および板状以外の形状等に適宜変更してよい。

　操作部１５８の平面視形状は、特に限定されず、楕円形状であってもよいし、三角形状であってもよいし、四角形状であっても、五角形以上の多角形状であってもよい。また、内容器１１２の形状は、特に限定されず、例えば、楕円筒状であってもよいし、角筒状であってもよい。また、内容器１１２と内蓋１１３と中蓋１１４とは、リフィル容器１１７を構成していなくてもよい。すなわち、内容物を使い切った際に、内容器１１２を交換できない構成であってもよい。

　装着リング１５７が設けられなくてもよい。装着リング１５７を備えることに代えて、弾性変形可能な操作部１５８（弾性変形部）が、例えば有頂筒状に形成される等して内蓋１１３に装着されてもよい。吐出孔１６６が、操作部１５８に形成されていなくてもよい。例えば、装着リング１５７に、径方向内側に向けて突出するとともに連絡空間１６５を画成するフランジを設け、このフランジに吐出孔１６６を設けてもよい。吐出孔１６６が、１つだけ形成されていてもよい。第２弁体１１６が、操作部１５８によって形成されていなくてもよく、第２弁体１１６を、操作部１５８とは別の部材によって形成してもよい。内容物が連通孔１５６を通して連絡空間１６５に流出することにともなって、内容器１１２が減容しなくてもよい。内容器１１２として、可撓性を有さない構成を採用してもよい。操作部１５８に薄肉部１６４が形成されなくてもよい。

　その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した実施形態に前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。

（第４実施形態）
　次に、本発明の第４実施形態に係るコンパクト容器２０１Ａについて、図９から図１１を参照して説明する

　図９および図１０に示すように、コンパクト容器２０１Ａは、内容物が収容される内容器２０２と、内容器２０２の内部を封止する内蓋２０３と、内容物を吐出させる吐出孔２３４ａが形成された中蓋２０４と、第１弁体２０５と、第２弁体２０６と、外殻体２０７と、を備えている。内容器２０２、内蓋２０３、中蓋２０４、第１弁体２０５、および第２弁体２０６は、外殻体２０７の内部に収容されている。外殻体２０７は、回転軸Ｒ回りに相対的に回転可能な蓋部材２５０および底部材２６０を備えている。

　本実施形態では、外殻体２０７の中心軸線（コンパクト容器２０１Ａの中心軸線）を容器軸Ｏといい、容器軸Ｏに沿う方向を上下方向という。また、蓋部材２５０が閉じられた状態において、上下方向に沿って底部材２６０から蓋部材２５０へ向かう方向を上方といい、蓋部材２５０から底部材２６０へ向かう方向を下方という。また、容器軸Ｏに沿う断面を縦断面という。上下方向から見た平面視で、容器軸Ｏに直交する方向を径方向といい、容器軸Ｏ回りに周回する方向を周方向という。径方向に沿って容器軸Ｏに接近する方向を径方向内側といい、容器軸Ｏから離間する方向を径方向外側という。径方向のうち、回転軸Ｒに平行な方向を左右方向と呼び、回転軸Ｒに直交する方向を前後方向という。前後方向に沿って、容器軸Ｏから回転軸Ｒへ向かう方向を後方と呼び、回転軸Ｒから容器軸Ｏへ向かう方向を前方という。

　図１０に示すように、底部材２６０は、容器軸Ｏと同軸に配置された円板状の底板部２６１と、底板部２６１の外周縁から上方に延びる円筒状の筒状壁部２６２と、を備え、有底筒状に形成されている。底部材２６０の後端部には、前方に向けて窪む凹部２６３が設けられている。底部材２６０の前端部には、プッシュピース２０８およびロック部材２０９が設けられている。プッシュピース２０８は、ロック部材２０９よりも前方に位置しており、少なくとも一部が筒状壁部２６２から前方に向けて突出している。プッシュピース２０８は、前方付勢状態で、底部材２６０に対して後方移動可能に設けられている。ロック部材２０９には、後方に向けて窪むロック孔２０９ａが形成されている。本実施形態では、ロック孔２０９ａがロック部材２０９を前後方向に貫通している。

　図１１に示すように、底部材２６０には、底板部２６１から上方に向けて延びる係止片２６４が形成されている。係止片２６４の上端部には、径方向内側に向けて突出する係止部２６４ａが形成されている。図９に示すように、複数の係止片２６４は、周方向に等間隔を空けて形成されている。各係止片２６４は、周方向に延びるとともに、表裏面が径方向を向く板状に形成されている。

　図１０に示すように、蓋部材２５０は、容器軸Ｏと同軸に配置された円板状の天板部２５１と、天板部２５１の外周縁から下方に延びる円筒状の筒部２５２と、を備える。蓋部材２５０の後端部には、筒部２５２から下方に向けて突出する連結部２５４が形成されている。連結部２５４は、底部材２６０の凹部２６３内に位置しており、凹部２６３内で回転軸Ｒ回りに回動可能となっている。この構成により、蓋部材２５０は、底部材２６０に対して回転軸Ｒ回りに回動可能であり、底部材２６０の上端開口を開閉可能に閉塞する。

　筒部２５２における前端部の下端には、後方に向けて突出するとともに、ロック部材２０９に対して離脱可能にアンダーカット嵌合される係止突起２５３が形成されている。ロック部材２０９のロック孔２０９ａ内に係止突起２５３が位置することで、蓋部材２５０は閉状態でロックされる。使用者によりプッシュピース８が後方に押されると、ロック部材２０９がプッシュピース２０８とともに後方移動し、ロック部材２０９と係止突起２５３との係合が解除される。これにより、蓋部材２５０を開操作可能な状態とすることができる。なお、プッシュピース２０８の後方に向けた押し込みを解除すると、プッシュピース２０８およびロック部材２０９は、前方に向けて復元移動する。

　なお、コンパクト容器２０１Ａは、上述したプッシュピース２０８を備えていなくてもよい。例えば指先等によって、係止突起２５３を上方に押し上げることで、係止突起２５３とロック孔２０９ａとの係合が解除され、蓋部材２５０の閉状態のロックが解除されるように構成してもよい。

　蓋部材２５０の天板部２５１の下面には、鏡Ｍが固定される。蓋部材２５０と内蓋２０３との間には、パフＰ（塗布具）が配置されている。パフＰは、中蓋２０４の後述する操作部２３３上に載置されている。

　内容器２０２は、底部材２６０の筒状壁部２６２の径方向内側に配置されている。内容器２０２は、容器軸Ｏと同軸に配置され、上方に開口する扁平円筒状の容器である。内容器２は、可撓性を有し減容可能（減容変形可能）である。内容器２０２は、例えば、積層のフィルムや薄肉の樹脂成形品などで構成されている。内容器２は、可撓性に富む内側容器が、内側容器よりも硬質な外側容器の内面に積層されてなる、いわゆるデラミ容器などであってもよい。あるいは、内容器２０２内の収容空間Ｓ３が減容可能なその他の構成を採用してもよい。

　内容器２０２の内部である収容空間Ｓ３には、流動性を有する内容物が収容されている。内容物は、液状であっても、ゲル状であっても、ゼリー状であってもよい。内容物は、例えば、リキッドファンデーション等の化粧品である。内容器２０２の上端部には、内容器２０２の上端部を径方向外側から囲む環状の取付リング２８１が固定されている。取付リング２８１は、上方に突出する取付筒部２８２を有する。取付リング２８１は、内容器２０２を中蓋２０４に取り付ける役割を有する。取付リング２８１を内容器２０２に固定する方法としては、例えば内容器２０２をインサート品として取付リング２８１を射出成形してもよい。あるいは、内容器２０２と取付リング２８１とを接着若しくは溶着してもよいし、内容器２０２の成形および取付リング２８１の内容器２０２への固定を同時に行ってもよい。

　内蓋２０３は、内容器２０２の上方に配設されている。内蓋２０３は、内容器２０２の上方の開口を塞ぎ、内容器２の内部を封止している。内蓋２０３は、内容器２０２に取付リング２８１を介して装着された下部材２１０と、下部材２１０を介して内容器２０２に装着された上部材２２０と、を備えている。なお、下部材２１０は、取付リング２８１と一体に形成されていてもよい。

　下部材２１０は、内容器２０２の上方の開口を覆う下側環状部２１１と、下側環状部２１１から上方に向けて延びる装着筒部２１２および内側筒部２１３と、内側筒部２１３の上端部から径方向外側に向けて延びる環状の連結部２１４と、連結部２１４の外周縁から下方に向けて延びる外側筒部２１５と、を有している。下側環状部２１１、装着筒部２１２、内側筒部２１３、連結部２１４、および外側筒部２１５は、容器軸Ｏと同軸上に配置されている。

　装着筒部２１２は、下側環状部２１１の内周縁から上方に突設されている。装着筒部２１２の下端部は、内容器２０２に向けて開口している。内側筒部２１３は、下側環状部２１１の外周縁から上方に向けて延びている。外側筒部２１５は、内側筒部２１３よりも径方向外側に位置している。径方向において、内側筒部２１３は内容器２０２の外周部と略同等の位置に配置され、外側筒部２１５は内容器２０２の外周部よりも外側に位置している。外側筒部２１５と内側筒部２１３との間には、取付リング２８１の取付筒部２８２が嵌合されている。これにより、取付リング２８１を介して、内容器２０２と内蓋２０３とが固定されている。

　上部材２２０は、平面視で環状の第１弁座部２２１と、第１弁座部２２１の外周縁から上方に向けて延びる内筒部２２２と、内筒部２２２の上端部から径方向外側に向けて延びる上側環状部２２３と、上側環状部２２３の外周縁から下方に向けて延びる外周筒部２２４と、外周筒部２２４の下端部から径方向外側に向けて延びる下フランジ部２２５と、を備える。第１弁座部２２１、内筒部２２２、上側環状部２２３、外周筒部２２４、および下フランジ部２２５は、容器軸Ｏと同軸上に配置されている。

　第１弁座部２２１の内周面は、後述する連絡空間Ｓ１と内容器２０２内とを連通させる連通孔２２１ａとされている。連通孔２２１ａは、容器軸Ｏと同軸の円孔状に形成されている。連通孔２２１ａの上端開口縁には、第１弁座部２２１から上方に向けて突出する環状の弁座台２２１ｂが形成されている。内筒部２２２は、下部材２１０の装着筒部２１２内に嵌合している。内筒部２２２の上端部には、径方向内側に突出する規制突起２２２ａが形成されている。外周筒部２２４は、径方向において、下部材２１０の装着筒部２１２と内側筒部２１３との間に位置している。下フランジ部２２５は、下側環状部２１１の径方向外側の端部に対して、その上方から対向している。

　上側環状部２２３は、平面視で環状かつ表裏面が上下方向を向く板状に形成されている。上側環状部２２３は、後述する操作部２３３と上下方向で対向している。上側環状部２２３の内径および外径は、操作部２３３の内径および外径と略同等である。上側環状部２２３の内周縁部には、上方に向けて突出する内側支持部２２３ａが形成されている。複数の内側支持部２２３ａは、周方向に間隔を空けて形成されている。上側環状部２２３の外周部には、上方に向けて突出する環状の外側支持部２２３ｂが形成されている。

　中蓋２０４は、有頂筒状に形成されており、頂壁部に位置する頂壁部材２３０と、周壁部に位置する装着リング２４０と、を備えている。中蓋２０４は、内蓋２０３の上方に設けられて、内蓋２０３との間に、連通孔２２１ａに連通する連絡空間Ｓ１を画成する。本実施形態の中蓋２０４は、装着リング２４０をインサート品として、頂壁部材２３０を射出成形することで一体に形成されている。なお、頂壁部材２３０および装着リング２４０をそれぞれ別体に成形した後、これらを組み合わせることで中蓋２０４を形成してもよい。

　装着リング２４０は、上端部同士が連結された内筒２４１および外筒２４２を有する二重円筒状に形成されている。外筒２４２の内周面の下部には、径方向内側に向けて突出する嵌合部２４２ａが形成されている。嵌合部２４２ａが取付リング２８１にアンダーカット嵌合することで、取付リング２８１および内容器２の装着リング２４０に対する下方移動が規制されている。外筒２４２の外周面の下部には、径方向内側に向けて窪み、かつ周方向に延びる周溝２４２ｂが形成されている。周溝２４２ｂには、底部材２６０の係止部２６４ａが係合する（図３参照）。これにより、装着リング２４０が底部材２６０から外れることが抑制されるとともに、内容器２０２の底部材２６０に対する上方移動が規制されている。

　装着リング２４０の外周面には、径方向外側に向けて延びる環状の載置部２４４が設けられている。載置部２４４は、装着リング２４０の外周面に、全周にわたって設けられている。載置部２４４の下面は、底部材２６０の筒状壁部２６２の上面に対して、その上方から接触する。載置部２４４は、中蓋２０４のうち、底部材２６０に載置される部分である。以上の構成により、内容器２０２または後述のリフィル容器２０２Ａは、装着リング２４０を介して底部材２６０に装着されている。

　本実施形態では、内容器２０２、内蓋２０３、および中蓋２０４が、リフィル容器２０２Ａを構成している。リフィル容器２０２Ａは、外殻体２０７に対して着脱自在に設けられている。これにより、使用者は、内容器２０２内の内容物を使い切った後に、リフィル容器２０２Ａを、内容物が充填された新しいリフィル容器２０２Ａと交換することができる。なお、使用者は、底部材２６０の係止部６４ａと装着リング２４０の周溝２４２ｂとの係合を解除することで、外殻体２０７からリフィル容器２０２Ａを取り外すことができる。

　装着リング２４０の上面には、上方に突出する環状の***部２４３が形成されている。***部２４３の内周面は、上方に向かうにしたがい径方向外側へ向けて延びる曲面状に形成されている。***部２４３により、後述する吐出孔２３４ａから吐出された内容物をパフＰで掬う操作が容易となる。また、***部２４３は、吐出された内容物を堰き止めて、例えばこの内容物が装着リング２４０の外側に垂れることを抑止したり、中蓋２０４上に載置されたパフＰの位置を安定させたりする役割なども有する。

　頂壁部材２３０は、平面視で環状の操作部２３３と、操作部２３３の外周縁から下方に向けて延びる係止筒部２３１と、係止筒部２３１の上端部から径方向外側に向けて延びる上フランジ部２３２と、操作部２３３の径方向内側に位置する弁保持筒２３５と、弁保持筒２３５を操作部３３に接続する環状の接続部２３４と、を有している。係止筒部２３１、上フランジ部２３２、操作部２３３、接続部２３４、および弁保持筒２３５は、容器軸Ｏと同軸上に配置されている。

　係止筒部２３１は、装着リング２４０の内筒２４１内に係止されている。なお、頂壁部材２３０と装着リング２４０とを別体に形成した後、係止筒部２３１を内筒２４１内に嵌合することで、係止筒部２３１を内筒２４１内に係止してもよい。係止筒部２３１は、内蓋２０３の外周筒部２２４に外嵌されている。弁保持筒２３５は、第２弁体２０６を保持している。弁保持筒２３５の上端開口部には、上方に向かうに従って漸次拡径するテーパ面が形成されている。接続部２３４は、内蓋２０３の第１弁座部２２１および内筒部２２２との間で、連絡空間Ｓ１を画成している。連絡空間Ｓ１は、平面視で容器軸Ｏと同軸の円形状に形成されている。接続部２３４には、内容物を吐出させる吐出孔２３４ａが形成されている。吐出孔２３４ａは、接続部２３４を上下方向に貫通し、連絡空間Ｓ１に連通している。

　本実施形態では、吐出孔２３４ａは、連絡空間Ｓ１に向けて開口する下孔部と、後述する第２弁本体２０６ａと上下方向で対向する上孔部と、を有している。図９に示すように、上面視において、下孔部は円形状に形成され、上孔部は径方向に延びる楕円形状に形成されている。図１０に示すように、上孔部の径方向外端部は下孔部の径方向外端部よりも径方向外側に位置し、下孔部の径方向内端部は上孔部の径方向内端部よりも径方向内側に位置している。複数の吐出孔２３４ａは、周方向に等間隔を空けて形成されている。複数の吐出孔２３４ａは、容器軸Ｏを囲うように環状に配置されている。なお、吐出孔２３４ａの数および形状は、適宜変更可能である。

　操作部２３３は、内蓋２０３の上側環状部２２３と上下方向で対向しており、上側環状部２２３との間に作動空間Ｓ２を画成している。作動空間Ｓ２は、上面視で環状に形成されている。作動空間Ｓ２は、周方向に間隔を空けて配置された複数の内側支持部２２３ａ同士の間の隙間を通じて、連絡空間Ｓ１に連通している。縦断面視において、操作部２３３の下面２３３ａおよび上面２３３ｂは、上方に向けて突となる形状に形成されている。本実施形態では、下面２３３ａおよび上面２３３ｂが、縦断面視で上方に向けて突となる曲面状に形成されている。上面２３３ｂは、上フランジ部２３２よりも上方に位置している。なお、操作部２３３の下面２３３ａ若しくは上面２３３ｂの形状として、例えば縦断面視で上方に向けて突の台形状などを採用してもよい。

　操作部２３３は、上下方向に弾性変形可能に形成されている。操作部２３３は、弾性変形することで作動空間Ｓ２および連絡空間Ｓ１の内圧を増減させる。操作部２３３の材質としては、例えば、エラストマー、ニトリルゴム、ブチルゴム、シリコンゴム、軟質ポリエチレン、若しくはウレタンなどの軟材質を用いることができる。また、内容物に対する耐薬品性などを考慮し、例えば弾性変形可能で比較的柔らかいポリプロピレン（ＰＰ）、薄肉に成形したポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）などを操作部２３３の材質として用いてもよい。操作部２３３は、装着リング２４０よりも軟質であり、装着リング２４０は、操作部２３３より硬質である。

　環状に形成された操作部２３３の内周縁部および外周縁部には、上部材２２０の内側支持部２２３ａおよび外側支持部２２３ｂが、操作部２３３の下方からそれぞれ当接している。操作部２３３は、内側支持部２２３ａおよび外側支持部２２３ｂによって支持されている。これにより、操作部２３３が押下されると、操作部２３３はその内周縁部および外周縁部を固定端とするように上下方向に弾性変形する。

　第１弁体２０５は、内蓋２０３に取り付けられており、連絡空間Ｓ１内に位置している。第１弁体２０５は、内蓋２０３の連通孔２２１ａと連絡空間Ｓ１との連通、およびその遮断を切り替える役割を有する。本実施形態の例では、第１弁体２０５として、三点弁を用いている。なお、内容器２０２に収容する内容物の性状などに応じて、例えば、三点弁の形状を適宜変更したり、三点弁とは異なる構成の逆止弁を第１弁体２０５として採用したりすることができる。

　第１弁体２０５は、弁筒２０５ｂと、第１弁本体２０５ａと、を備えている。弁筒２０５ｂは、内蓋２０３の内筒部２２２内に嵌合しており、内筒部２２２の規制突起２２２ａよりも下方に位置している。これにより、第１弁体２０５は内蓋２０３に固定されている。弁筒２０５ｂの下端は、第１弁座部２２１に対して、その上方から当接する。第１弁本体２０５ａは、弁筒２０５ｂの下端部に連結されている。第１弁本体２０５ａは、弁筒２０５ｂ内に配置される。第１弁本体２０５ａは、円板状の弁板と、弁板と弁筒２０５ｂとを連結する複数の弾性脚と、を備える。弾性脚が弾性変形することで、第１弁本体２０５ａは、弁筒２０５ｂに対して上下方向に移動可能である。

　第１弁本体２０５ａは、弁座台２２１ｂにその上方から当接しており、連通孔２２１ａの上方を覆っている。第１弁体２０５は、内容器２０２の収容空間Ｓ３から連絡空間Ｓ１への内容物の流れを許容し、連絡空間Ｓ１から収容空間Ｓ３への内容物の流れを遮断する逆止弁である。

　第２弁体２０６は、中蓋２０４に取り付けられており、吐出孔２３４ａを開放可能に閉塞する。第２弁体２０６は、上下方向に延びる軸部２０６ｂと、軸部２０６ｂの上端部から径方向外側に向けて延びる第２弁本体２０６ａと、軸部６ｂの下端部から径方向外側に突出する抜け止め部２０６ｃと、を有している。軸部２０６ｂは、弁保持筒２３５内に嵌合している。抜け止め部２０６ｃは、弁保持筒２３５の下方に位置している。これにより、第２弁体２０６が弁保持筒２３５から上方に抜けてしまうことが抑えられる。第２弁本体２０６ａは、上面視で円形状を呈するとともに、上方に向けて突となる曲面状（傘状）に形成されている。第２弁本体２０６ａは吐出孔２３４ａをその上方から覆っており、第２弁本体２０６ａの外周縁は、接続部２３４の上面に接している。

　操作部２３３が押下されて連絡空間Ｓ１の内圧が高まると、第２弁本体２０６ａは、軸部２０６ｂを固定端として上方にめくれるように弾性変形する。この構成により、第２弁体２０６は、吐出孔２３４ａを開放可能に閉塞している。また、連絡空間Ｓ１内の内圧が大気圧と同等になると、第２弁本体２０６ａは復元変形して再び吐出孔２３４ａを閉塞する。従って、第２弁体２０６は、吐出孔２３４ａから吐出された内容物または外気が連絡空間Ｓ１内に逆流することを抑える逆止弁としても機能する。すなわち、第２弁体２０６は、連絡空間Ｓ１から外部への吐出孔２３４ａを通じた内容物または空気の流れを許容し、外部から連絡空間Ｓ１への内容物および空気の流れを遮断する。

　次に、本実施形態におけるコンパクト容器２０１Ａの作用について説明する。

　コンパクト容器２０１Ａが未使用状態の場合、内容物は、収容空間Ｓ３内にのみ収容されており、連絡空間Ｓ１および作動空間Ｓ２には、例えば空気が充填されている。使用者は、プッシュピース２０８を操作して、外殻体２０７の蓋部材２５０を開く。次に、操作部２３３を上方から押圧して、下方に窪ませるように弾性変形させる。このとき、操作部２３３は、内側支持部２２３ａおよび外側支持部２２３ｂによって支持されているため、内周縁部および外周縁部を固定端とするように下方に弾性変形する。操作部２３３が下方に弾性変形すると作動空間Ｓ２の容積が小さくなるため、作動空間Ｓ２およびこれに連通する連絡空間Ｓ１の内圧が上昇する。すると、連絡空間Ｓ１の内圧によって第２弁本体２０６ａが上方に向けて弾性変形し、吐出孔２３４ａが開放され、連絡空間Ｓ１内の空気の一部が吐出孔２３４ａから外部へと排出される。その後、第２弁本体２０６ａが復元変形して接続部２３４に着座し、吐出孔２３４ａを再び閉塞する。

　操作部２３３に加えられた押圧力が解除されると、弾性変形していた操作部２３３が元の状態に復元変形する。これにより、作動空間Ｓ２の容積が増加して、作動空間Ｓ２および連絡空間Ｓ１内が負圧となる。このとき、吐出孔２３４ａは第２弁体２０６によって閉塞されているため、外部から連絡空間Ｓ１へ空気が入ることが抑制される。その一方で、連絡空間Ｓ１が負圧となると、この負圧によって第１弁本体２０５ａに上方に向けた力が作用する。この結果、第１弁本体２０５ａが上方に弾性変位して連通孔２２１ａと連絡空間Ｓ１とが連通し、収容空間Ｓ３内の内容物が、連通孔２２１ａを通じて連絡空間Ｓ１および作動空間Ｓ２内に吸い上げられる。このように、操作部２３３が上方移動して連絡空間Ｓ１および作動空間Ｓ２の内圧が下降したときに、第２弁体２０６は吐出孔２３４ａと連絡空間Ｓ１との連通を遮断し、かつ、第１弁体２０５は連通孔２２１ａと連絡空間Ｓ１とを連通させる。

　上述した操作部２３３の弾性変形および復元変形が複数回行われると、連絡空間Ｓ１内および作動空間Ｓ２内の空気が外部に排出されるとともに、連絡空間Ｓ１内および作動空間Ｓ２内に内容物が充填される。なお、内容器２０２は可撓性を有しているため、内容物が連通孔２２１ａを通して連絡空間Ｓ１等に流出することにともない減容変形する。これにより、内容物が連絡空間Ｓ１等に流入して収容空間Ｓ３内の内容物の総量が減った場合であっても、収容空間Ｓ３から連絡空間Ｓ１および作動空間Ｓ２へと安定して内容物を送ることが可能である。

　連絡空間Ｓ１に内容物が充填された状態で、操作部２３３を下方に弾性変形させると、連絡空間Ｓ１内の内容物が吐出孔２３４ａを通じて第２弁本体２０６ａに向かい、第２弁本体２０６ａを上方に押し上げる。これにより、第２弁本体２０６ａによる吐出孔２３４ａの閉塞が解除されるとともに、内容物が吐出孔２３４ａから吐出される。以上の作用により、使用者は、操作部２３３の押下およびその解除を繰り返すことで、内容物を吐出させることができる。なお、内容物は***部２４３の内側に吐出されるため、***部２４３によって中蓋２０４の上面から垂れることが抑制される。使用者は、パフＰ等によって中蓋２０４の上面を拭い、内容物をパフＰ等に付着させて、これを使用することができる。

　以上説明したように、本実施形態のコンパクト容器２０１Ａによれば、操作部３３を押下して連絡空間Ｓ１の内圧を上昇させると、操作部２３３の変形量に対応した量だけ、内容物を吐出孔２３４ａから吐出させることができる。そして本実施形態では、操作部２３３の下面２３３ａが、上方に向けて突となる形状に形成されている。このため、操作部２３３を押下したときの下面２３３ａの変形量が大きくなり、この下面２３３ａに作用する面内の張力も大きくなる。従って、押下を解除したときに操作部２３３に作用する上方に向けた復元変形力が大きくなり、操作部２３３が弾性変形前の形状に復元変形しやすくなり、内容器２０２から連絡空間Ｓ１へと吸い上げられる内容物の量が安定し、次に操作部２３３を押し下げたときの内容物の吐出量を安定させることができる。

　また、本実施形態では、操作部２３３の下面２３３ａが、上方に向けて突となる曲面状に形成されている。これにより、操作部２３３が弾性変形した際に、下面２３３ａに局所的に大きな応力が作用することが抑えられ、コンパクト容器２０１Ａの耐久性を向上させることができる。また、操作部２３３が平面視で環状に形成されているため、操作部２３３が押下された時に、操作部２３３の内周縁部および外周縁部を固定端とするように、この操作部２３３が下方に弾性変形する。これにより、操作部２３３に作用する上方に向けた弾性力がより大きくなり、より安定して操作部２３３を元の形状に復元変形させることができる。

　また、操作部２３３の上面２３３ｂが、上方に向けて突の形状に形成されているため、操作部２３３が押下されたときの上面２３３ｂの変形量および面内の張力が大きくなる。これにより、操作部２３３に作用する上方に向けた弾性力をさらに大きくすることができる。また、使用者が操作部２３３の位置を視認しやすくなり、より操作性を向上させたコンパクト容器２０１Ａとすることができる。さらに、上面２３３ｂが上方に向けて突の曲面状に形成されていることで、操作部３３が弾性変形した際に、上面２３３ｂに局所的に大きな応力が作用することが抑えられるとともに、上面２３３ｂをなだらかな形状にして、例えば吐出孔２３４ａから吐出された内容物が部分的に溜まってしまうのを抑止することができる。

　例えば、前記実施形態では、吐出孔２３４ａが径方向の中央付近（容器軸Ｏ近傍）に配置されていたが、例えば吐出孔２３４ａが容器軸Ｏから径方向に離れて配置されていてもよい。この場合、操作部２３３は、吐出孔２３４ａを避けるように、平面視でＣ字状に形成されていてもよい。

　また、第２弁体２０６の構成は、前記実施形態に限定されない。例えば、頂壁部材２３０のうち吐出孔２３４ａの近傍の部分が弾性変形し、当該弾性変形した部分が内蓋２０３の一部に当接若しくは離間することで、吐出孔３４ａが開閉される構成を採用してもよい。あるいは、吐出孔２３４ａそのものが開閉して第２弁体として機能してもよい。

　また、コンパクト容器２０１Ａは、蓋部材２５０および底部材２６０が螺合されており、容器軸Ｏ回りに相対回転することで、蓋部材２５０が底部材２６０から取り外される容器であってもよい。

（第５実施形態）
　次に、本発明の第５実施形態に係るコンパクト容器３０１Ｂを、図１２を参照して説明する。

　図１２に示すように、コンパクト容器３０１Ａは、内容物が収容される内容器３０２と、内容器３０２の内部を封止する内蓋３０３と、内容物を吐出させる吐出孔３０４ａが形成された中蓋３０４と、第１弁体３０５と、第２弁体３７０と、外殻体３０７と、を備えている。内容器３０２、内蓋３０３、中蓋３０４、第１弁体３０５、および第２弁体３７０は、外殻体３０７の内部に収容されている。外殻体３０７は、回転軸Ｒ回りに相対的に回転可能な蓋部材３５０および底部材３６０を備えている。

　本実施形態では、外殻体３０７の中心軸線（コンパクト容器３０１Ａの中心軸線）を容器軸Ｏといい、容器軸Ｏに沿う方向を上下方向という。また、蓋部材３５０が閉じられた状態において、上下方向に沿って底部材３６０から蓋部材３５０へ向かう方向を上方といい、蓋部材３５０から底部材３６０へ向かう方向を下方という。また、容器軸Ｏに沿う断面を縦断面という。上下方向から見た平面視で、容器軸Ｏに直交する方向を径方向といい、容器軸Ｏ回りに周回する方向を周方向という。径方向に沿って容器軸Ｏに接近する方向を径方向内側といい、容器軸Ｏから離間する方向を径方向外側という。径方向のうち、回転軸Ｒに平行な方向を左右方向と呼び、回転軸Ｒに直交する方向を前後方向という。前後方向に沿って、容器軸Ｏから回転軸Ｒへ向かう方向を後方と呼び、回転軸Ｒから容器軸Ｏへ向かう方向を前方という。

　図１２に示すように、底部材３６０は、容器軸Ｏと同軸に配置された円板状の底板部３６１と、底板部３６１の外周縁から上方に延びる円筒状の筒状壁部３６２と、を備え、有底筒状に形成されている。底部材３６０の後端部には、前方に向けて窪む凹部３６３が設けられている。底部材３６０の前端部には、プッシュピース３０８およびロック部材３０９が設けられている。プッシュピース３０８は、ロック部材３０９よりも前方に位置しており、少なくとも一部が筒状壁部３６２から前方に向けて突出している。プッシュピース３０８は、前方付勢状態で、底部材３６０に対して後方移動可能に設けられている。ロック部材３０９には、後方に向けて窪むロック孔３０９ａが形成されている。本実施形態では、ロック孔３０９ａがロック部材３０９を前後方向に貫通している。

　図１２に示すように、底部材３６０には、底板部３６１から上方に向けて延びる係止片（図示省略）が形成されている。係止片の上端部には、径方向内側に向けて突出する係止部（図示省略）が形成されている。複数の係止片は、周方向に等間隔を空けて形成されている。各係止片は、周方向に延びるとともに、表裏面が径方向を向く板状に形成されている。

　図１２に示すように、蓋部材３５０は、容器軸Ｏと同軸に配置された円板状の天板部３５１と、天板部３５１の外周縁から下方に延びる円筒状の筒部３５２と、を備える。蓋部材３５０の後端部には、筒部３５２から下方に向けて突出する連結部３５４が形成されている。連結部３５４は、底部材３６０の凹部３６３内に位置しており、凹部３６３内で回転軸Ｒ回りに回動可能となっている。この構成により、蓋部材３５０は、底部材３６０に対して回転軸Ｒ回りに回動可能であり、底部材３６０の上端開口を開閉可能に閉塞する。

　筒部３５２における前端部の下端には、後方に向けて突出するとともに、ロック部材３０９に対して離脱可能にアンダーカット嵌合される係止突起３５３が形成されている。ロック部材３０９のロック孔３０９ａ内に係止突起３５３が位置することで、蓋部材３５０は閉状態でロックされる。使用者によりプッシュピース３０８が後方に押されると、ロック部材３０９がプッシュピース３０８とともに後方移動し、ロック部材３０９と係止突起３５３との係合が解除される。これにより、蓋部材３５０を開操作可能な状態とすることができる。なお、プッシュピース３０８の後方に向けた押し込みを解除すると、プッシュピース３０８およびロック部材３０９は、前方に向けて復元移動する。

　なお、コンパクト容器３０１Ｂは、上述したプッシュピース３０８を備えていなくてもよい。例えば指先等によって、係止突起３５３を上方に押し上げることで、係止突起３５３とロック孔３０９ａとの係合が解除され、蓋部材３５０の閉状態のロックが解除されるように構成してもよい。

　蓋部材３５０の天板部３５１の下面には、鏡Ｍが固定される。蓋部材３５０と内蓋３０３との間には、パフＰ（塗布具）が配置されている。パフＰは、中蓋３４の後述する操作部３３３上に載置されている。

　内容器３０２は、底部材３６０の筒状壁部３６２の径方向内側に配置されている。内容器３０２は、容器軸Ｏと同軸に配置され、上方に開口する扁平円筒状の容器である。内容器３０２は、可撓性を有し減容可能（減容変形可能）である。内容器３０２は、例えば、積層のフィルムや薄肉の樹脂成形品などで構成されている。内容器３０２は、可撓性に富む内側容器が、内側容器よりも硬質な外側容器の内面に積層されてなる、いわゆるデラミ容器などであってもよい。あるいは、内容器３０２内の収容空間Ｓ６が減容可能なその他の構成を採用してもよい。

　内容器３０２の内部である収容空間Ｓ６には、流動性を有する内容物が収容されている。内容物は、液状であっても、ゲル状であっても、ゼリー状であってもよい。内容物は、例えば、リキッドファンデーション等の化粧品である。内容器３０２の上端部には、内容器３０２の上端部を径方向外側から囲む環状の取付リング３８１が固定されている。取付リング３８１は、上方に突出する取付筒部３８２を有する。取付リング３８１は、内容器３０２を中蓋３０４に取り付ける役割を有する。取付リング３８１を内容器３０２に固定する方法としては、例えば内容器３０２をインサート品として取付リング３８１を射出成形してもよい。あるいは、内容器２と取付リング３８１とを接着若しくは溶着してもよいし、内容器３０２の成形および取付リング３８１の内容器３０２への固定を同時に行ってもよい。

　内蓋３０３は、内容器２の上方に配設されている。内蓋３０３は、内容器３０２の上方の開口を塞ぎ、内容器３０２の内部を封止している。内蓋３０３は、内容器２に取付リング３８１を介して装着された下部材３１０と、下部材３１０を介して内容器３０２に装着された上部材３２０と、を備えている。なお、下部材３１０は、取付リング３８１と一体に形成されていてもよい。

　下部材３１０は、内容器３０２の上方の開口を覆う下側環状部３１１と、下側環状部３１１から上方に向けて延びる装着筒部３１２および内側筒部３１３と、内側筒部３１３の上端部から径方向外側に向けて延びる環状の連結部３１４と、連結部３１４の外周縁から下方に向けて延びる外側筒部３１５と、を有している。下側環状部３１１、装着筒部３１２、内側筒部３１３、連結部３１４、および外側筒部３１５は、容器軸Ｏと同軸上に配置されている。

　装着筒部３１２は、下側環状部３１１の内周縁から上方に突設されている。装着筒部３１２の下端部は、内容器３０２に向けて開口している。内側筒部３１３は、下側環状部３１１の外周縁から上方に向けて延びている。外側筒部３１５は、内側筒部３１３よりも径方向外側に位置している。径方向において、内側筒部３１３は内容器３０２の外周部と略同等の位置に配置され、外側筒部３１５は内容器３０２の外周部よりも外側に位置している。外側筒部３１５と内側筒部３１３との間には、取付リング３８１の取付筒部３８２が嵌合されている。これにより、取付リング３８１を介して、内容器３０２と内蓋３０３とが固定されている。

　上部材３２０は、平面視で環状の第１弁座部３２１と、第１弁座部３２１の外周縁から上方に向けて延びる内筒部３２２と、内筒部３２２の上端部から径方向外側に向けて延びる上側環状部３２３と、上側環状部３２３の外周縁から下方に向けて延びる外周筒部３２４と、外周筒部３２４の下端部から径方向外側に向けて延びる下フランジ部３２５と、を備える。第１弁座部３２１、内筒部３２２、上側環状部３２３、外周筒部３２４、および下フランジ部３２５は、容器軸Ｏと同軸上に配置されている。

　第１弁座部３２１の内周面は、後述する連絡空間Ｓ４と内容器３０２内とを連通させる連通孔３２１ａとされている。連通孔３２１ａは、容器軸Ｏと同軸の円孔状に形成されている。連通孔３２１ａの上端開口縁には、第１弁座部３２１から上方に向けて突出する環状の弁座台３２１ｂが形成されている。内筒部３２２は、下部材３１０の装着筒部３１２内に嵌合している。内筒部３２２の上下方向における中央部には、径方向内側に突出する規制突起３２２ａが形成されている。外周筒部３２４は、径方向において、下部材３１０の装着筒部３１２と内側筒部３１３との間に位置している。下フランジ部３２５は、下側環状部３１１の径方向外側の端部に対して、その上方から対向している。

　上側環状部３２３は、平面視で環状かつ表裏面が上下方向を向く板状に形成されている。上側環状部３２３は、後述する操作部３３３と上下方向で対向している。上側環状部３２３の内径および外径は、操作部３３３の内径および外径と略同等である。上側環状部３２３の内周縁部には、上方に向けて突出する内側支持部３２３ａが形成されている。内側支持部３２３ａは、周方向に間隔を空けて複数形成されている。上側環状部３２３の外周部には、上方に向けて突出する環状の外側支持部３２３ｂが形成されている。

　中蓋３０４は、有頂筒状に形成されており、頂壁部に位置する頂壁部材３３０と、周壁部に位置する装着リング３４０と、を備えている。中蓋３０４は、内蓋３０３の上方に設けられて、内蓋３０３との間に、連通孔３２１ａに連通する連絡空間Ｓ４を画成する。本実施形態の中蓋３０４は、装着リング３４０をインサート品として、頂壁部材３３０を射出成形することで一体に形成されている。なお、頂壁部材３３０および装着リング３４０をそれぞれ別体に形成した後、これらを組み合わせることで中蓋３０４を形成してもよい。

　装着リング３４０は、上端部同士が連結された内筒３４１および外筒３４２を有する二重円筒状に形成されている。外筒３４２の内周面の下部には、径方向内側に向けて突出する嵌合部３４２ａが形成されている。嵌合部３４２ａが取付リング３８１にアンダーカット嵌合することで、取付リング３８１および内容器２の装着リング３４０に対する下方移動が規制されている。外筒３４２の外周面の下部には、径方向内側に向けて窪み、かつ周方向に延びる周溝３４２ｂが形成されている。周溝３４２ｂには、底部材３６０の係止部３６４ａが係合する（図１２参照）。これにより、装着リング３４０が底部材３６０から外れることが抑制されるとともに、内容器３０２の底部材３６０に対する上方移動が規制されている。

　装着リング３４０の外周面には、径方向外側に向けて延びる環状の載置部３４４が設けられている。載置部３４４は、装着リング３４０の外周面に、全周にわたって設けられている。載置部３４４の下面は、底部材３６０の筒状壁部３６２の上面に対して、その上方から接触する。載置部３４４は、中蓋３０４のうち、底部材３６０に載置される部分である。以上の構成により、内容器３０２または後述のリフィル容器３０１Ｂは、装着リング３４０を介して底部材３６０に装着されている。

　本実施形態では、内容器３０２、内蓋３０３、および中蓋３０４が、リフィル容器３０２Ａを構成している。リフィル容器３０２Ａは、外殻体３０７に対して着脱自在に設けられている。これにより、使用者は、内容器２内の内容物を使い切った後に、リフィル容器３０２Ａを、内容物が充填された新しいリフィル容器３０２Ａと交換することができる。なお、使用者は、底部材３６０の係止部３６４ａと装着リング３４０の周溝３４２ｂとの係合を解除することで、外殻体３０７からリフィル容器３０２Ａを取り外すことができる。

　装着リング３４０の上面には、上方に突出する環状の***部３４３が形成されている。***部３４３の内周面は、上方に向かうにしたがい径方向外側へ向けて延びる曲面状に形成されている。***部３４３により、後述する吐出孔３０４ａから吐出された内容物をパフＰで掬う操作が容易となる。また、***部３４３は、吐出された内容物を堰き止めて、例えばこの内容物が装着リング３４０の外側に垂れることを抑止したり、中蓋３０４上に載置されたパフＰの位置を安定させたりする役割なども有する。

　頂壁部材３３０は、平面視で円形状の頂部３３２と、頂部３３２から下方に向けて延びる係止筒部３３１および弁保持筒３３４と、を有している。頂部３３２のうち、内蓋３０３の内筒部３２２よりも径方向内側に位置する部分は、第１弁座部３２１および内筒部３２２とともに連絡空間Ｓ４を画成している。連絡空間Ｓ４は、平面視で容器軸Ｏと同軸の円形状に形成されている。

　係止筒部３３１は、装着リング３４０の内筒３４１内に係止されている。なお、頂壁部材３３０と装着リング３４０とを別体に形成した後、係止筒部３３１を内筒３４１内に嵌合することで、係止筒部３３１を内筒３４１内に係止してもよい。係止筒部３３１は、内蓋３０３の外周筒部３２４に外嵌されている。頂部３３２の径方向中央部には、この頂部３３２を上下方向に貫通する吐出孔３０４ａが形成されている。吐出孔３０４ａは、連絡空間Ｓ４に向けて開口しており、連絡空間Ｓ４内に連通している。弁保持筒３３４は、係止筒部３３１よりも径方向内側に位置している。弁保持筒３３４の下端部には、径方向外側に向けて突出する保持突起３３４ａが形成されている。弁保持筒３３４は、第２弁体３７０を保持する役割を有している。

　頂部３３２のうち、内蓋３０３の上側環状部３２３と上下方向で対向する部分には、弾性変形可能な操作部３３３が設けられている。操作部３３３は、上面視で環状に形成されており、径方向において弁保持筒３３４と係止筒部３３１との間に位置している。操作部３３３は、上側環状部３２３との間に作動空間Ｓ５を画成している。作動空間Ｓ５は、上面視で環状に形成されている。作動空間Ｓ５は、周方向に間隔を空けて配置された複数の内側支持部３２３ａ同士の間の隙間を通じて、連絡空間Ｓ４に連通している。縦断面視において、操作部３３３の下面３３３ａは、上方に向けて突となる形状に形成されている。本実施形態では、下面３３３ａが、上方に向けて突となる曲面状に形成されている。なお、下面３３３ａの形状として、例えば縦断面視で上方に向けて突の台形状などを採用してもよい。

　操作部３３３は、上下方向に弾性変形可能に形成されている。操作部３３３は、弾性変形することで作動空間Ｓ５および連絡空間Ｓ４の内圧を増減させる。操作部３３３の材質としては、例えば、エラストマー、ニトリルゴム、ブチルゴム、シリコンゴム、軟質ポリエチレン、若しくはウレタンなどの軟材質を用いることができる。また、内容物に対する耐薬品性などを考慮し、例えば、弾性変形可能で比較的柔らかいポリプロピレン（ＰＰ）、薄肉に成形したポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）などを操作部３３３の材質として用いてもよい。操作部３３３は、装着リング３４０よりも軟質であり、装着リング３４０は、操作部３３３より硬質である。

　操作部３３３の内周縁部には上方に向けて窪む内側溝部３３３ｂが形成され、操作部３３３の外周縁部には上方に向けて窪む外側溝部３３３ｃが形成されている。このため、操作部３３３は、内側溝部３３３ｂおよび外側溝部３３３ｃを固定端として変形しやすくなっている。内側溝部３３３ｂおよび外側溝部３３３ｃは、平面視で容器軸Ｏを中心とした環状に形成されている。頂壁部材３３０のうち、内側溝部３３３ｂに径方向内側で隣接する部分は内側支持部３２３ａに当接若しくは近接し、外側溝部３３３ｃに径方向外側で隣接する部分は外側支持部３２３ｂに当接若しくは近接している。これにより、操作部３３３が押下されると、操作部３３は内側支持部３２３ａおよび外側支持部３２３ｂによって支持されながら、内側溝部３３３ｂおよび外側溝部３３３ｃを固定端とするように上下方向に弾性変形する。係止筒部３３１、頂部３３２、操作部３３３、弁保持筒３３４、および吐出孔３０４ａは、容器軸Ｏと同軸上に配置されている。

　第１弁体３０５は、内蓋３０３に取り付けられており、連絡空間Ｓ４内に位置している。第１弁体３０５は、内蓋３０３の連通孔３２１ａと連絡空間Ｓ４との連通、およびその遮断を切り替える役割を有する。本実施形態の例では、第１弁体３０５として、三点弁を用いている。なお、内容器３０２に収容する内容物の性状などに応じて、例えば、三点弁の形状を適宜変更したり、三点弁とは異なる構成の逆止弁を第１弁体３０５として採用したりすることができる。

　第１弁体３０５は、弁筒３０５ｂと、第１弁本体３０５ａと、を備えている。弁筒３０５ｂは、内蓋３０３の内筒部３２２内に嵌合しており、内筒部３２２の規制突起３２２ａよりも下方に位置している。これにより、第１弁体３０５は内蓋３０３に固定されている。弁筒３０５ｂの下端は、第１弁座部３２１に対して、その上方から当接する。第１弁本体３０５ａは、弁筒３０５ｂの下端部に連結されている。第１弁本体３０５ａは、弁筒３０５ｂ内に配置される。第１弁本体３０５ａは、円板状の弁板と、弁板と弁筒３０５ｂとを連結する複数の弾性脚と、を備える。弾性脚が弾性変形することで、第１弁本体３０５ａは、弁筒３０５ｂに対して上下方向に移動可能である。

　第１弁本体３０５ａは、弁座台３２１ｂにその上方から当接しており、連通孔３２１ａの上方を覆っている。第１弁体３０５は、内容器３０２の収容空間Ｓ６から連絡空間Ｓ４への内容物の流れを許容し、連絡空間Ｓ４から収容空間Ｓ６への内容物の流れを遮断する逆止弁である。

　第２弁体３７０は、中蓋３０４に装着されており、吐出孔３０４ａを開放可能に閉塞する。第２弁体３７０は、中蓋３０４と内蓋３０３との間に位置している。本実施形態では、第２弁体３７０の全体が、頂部３３２の上面３３２ａ（中蓋３０４の上面）よりも下方に位置している。第２弁体３７０は、ポリエチレン（ＰＥ）等の硬質の樹脂によって形成されている。第２弁体３７０は、弁保持筒３３４に装着される装着部３７１と、装着部３７１の下端部から径方向内側に延びる環状の底部３７２と、底部３７２の内周縁から上方に向けて延びる略円錐状の閉塞部３７３と、を有している。装着部３７１、底部３７２、および閉塞部３７３は、容器軸Ｏと同軸上に配置されている。

　装着部３７１は、上下方向に延びる筒状に形成されている。装着部３７１の上端部には、径方向内側に向けて突出する嵌合部が形成されている。装着部３７１の嵌合部が、弁保持筒３３４の保持突起３３４ａにアンダーカット嵌合されることで、第２弁体３７０が弁保持筒３３４に装着されている。底部３７２は、表裏面が上下方向を向く円環状に形成されている。閉塞部３７３の内面および外面は、上方に向かうに従って漸次縮径している。閉塞部３７３の上端部は、上方に向けて突の曲面状に形成されており、吐出孔３０４ａの下端開口部に当接している。これにより、閉塞部３７３は吐出孔３０４ａを閉塞している。閉塞部３７３のうち、吐出孔３０４ａの径方向外側に位置する部分には、閉塞部３７３を上下方向に貫通する流通孔３７３ａが形成されている。複数の流通孔３７３ａは、周方向に間隔を空けて形成されている。

　本実施形態では、中蓋３０４における頂部３３２のうち、吐出孔３０４ａの上端開口部の近傍に、凹部３０４ｂが形成されている。凹部３０４ｂは、頂部３３２の上面３３２ａ（中蓋３０４の上面）から下方に向けて窪んでいる。凹部３０４ｂは、下方に向けて突となる曲面状に形成されており、容器軸Ｏと同軸上に配置されている。吐出孔３０４ａは、凹部３０４ｂの径方向内側に位置している。このため、中蓋３０４のうち吐出孔３０４ａに隣接する部分は、その他の部分よりも肉厚が薄い薄肉部３０４ｃとなっている。薄肉部３０４ｃは、連絡空間Ｓ４の内圧が高まったときに、上方に向けて弾性変形する。

　次に、本実施形態におけるコンパクト容器３０１Ｂの作用について説明する。

　コンパクト容器３０１Ｂが未使用状態の場合、内容物は、収容空間Ｓ６内にのみ収容されており、連絡空間Ｓ４および作動空間Ｓ５には、例えば空気が充填されている。使用者は、プッシュピース３０８を操作して、外殻体３０７の蓋部材３５０を開く。次に、操作部３３３を上方から押圧して、下方に窪ませるように弾性変形させる。このとき、操作部３３３は、内側支持部３２３ａおよび外側支持部３２３ｂによって支持されながら、内側溝部３３３ｂおよび外側溝部３３３ｃを固定端とするように下方に弾性変形する。操作部３３３が下方に弾性変形すると作動空間Ｓ５の容積が小さくなるため、作動空間Ｓ５およびこれに連通する連絡空間Ｓ４の内圧が上昇する。

　本実施形態では、連絡空間Ｓ４内に空気が存在する状態で操作部３３３が押下されると、連絡空間Ｓ４の内圧が高まることで、薄肉部３０４ｃが上方にめくれ上がるように弾性変形する。これにより、吐出孔３０４ａの下端開口部が閉塞部３７３から上方に離間し、吐出孔３０４ａが開放されて、連絡空間Ｓ４内の空気が排出される。また、連絡空間Ｓ４内に内容物が充填された状態で操作部３３３が押下されると、内容物が流通孔３７３ａを通じて薄肉部３０４ｃに向かい、薄肉部３０４ｃを上方に押し上げる。これにより、薄肉部３０４ｃがめくれ上がるように弾性変形し、吐出孔３０４ａが開放される。吐出孔３０４ａから内容物が吐出された後、薄肉部３０４ｃが下方に向けて復元変形することで、吐出孔３０４ａが再び閉塞される。このように、本実施形態のコンパクト容器３０１Ｂでは、第２弁体３７０の弾性変位または弾性変形によらず、中蓋３０４における薄肉部３０４ｃの弾性変形によって、吐出孔３０４ａが開放若しくは閉塞される。

　操作部３３３に加えられた押圧力が解除されると、弾性変形していた操作部３３３が元の状態に復元変形する。これにより、作動空間Ｓ２の容積が増加して、作動空間Ｓ５および連絡空間Ｓ４内が負圧となる。このとき、吐出孔３０４ａは第２弁体３７０によって閉塞されているため、外部から連絡空間Ｓ４へ空気が入ることが抑制される。その一方で、連絡空間Ｓ４が負圧となると、この負圧によって第１弁本体３０５ａに上方に向けた力が作用する。この結果、第１弁本体３０５ａが上方に弾性変位して連通孔３２１ａと連絡空間Ｓ４とが連通し、収容空間Ｓ６内の内容物が、連通孔３２１ａを通じて連絡空間Ｓ４および作動空間Ｓ５内に吸い上げられる。このように、操作部３３３が上方移動して連絡空間Ｓ４および作動空間Ｓ５の内圧が下降したときに、第２弁体３７０は吐出孔３０４ａと連絡空間Ｓ４との連通を遮断し、かつ、第１弁体３０５は連通孔３２１ａと連絡空間Ｓ４とを連通させる。

　上述した操作部３３３の弾性変形および復元変形が複数回行われると、連絡空間Ｓ４および作動空間Ｓ５内の空気が外部に排出されるとともに、連絡空間Ｓ１および作動空間Ｓ５内に内容物が充填される。なお、内容器３０２は可撓性を有しているため、内容物が連通孔３２１ａを通して連絡空間Ｓ４等に流出することにともない減容変形する。これにより、内容物が連絡空間Ｓ４等に流入して収容空間Ｓ６内の内容物の総量が減った場合であっても、収容空間Ｓ６から連絡空間Ｓ４および作動空間Ｓ５へと安定して内容物を送ることが可能である。

　連絡空間Ｓ４に内容物が充填された状態で、操作部３３３を下方に弾性変形させると、連絡空間Ｓ４内の内容物が流通孔３０６ｃを通じて閉塞部３０６ｅの近傍に到達し、この内容物が閉塞部３０６ｅのテーパ面に下方に向けた圧力を作用させる。また、閉塞部３０６ｅの近傍に到達した内容物は、吐出孔３０４ａの下端開口部の近傍に、上方に向けた圧力を作用させる。内容物による連絡空間Ｓ４内の圧力が所定の大きさになると、閉塞部３０６ｅが下降するとともに吐出孔３０４ａの近傍が上方に向けて弾性変形し、吐出孔３０４ａが開放され、吐出孔３０４ａから内容物が吐出される。このように、本実施形態では、連絡空間Ｓ１内が所定の圧力になるまで吐出孔３０４ａが開放されず、中蓋３０４内の密封性が高められている。なお、吐出孔３０４ａの近傍を弾性変形させず、閉塞部３０６ｅの下降のみによって吐出孔３０４ａを開放する構成を採用してもよい。

　以上の作用により、使用者は、操作部３３３の押下およびその解除を繰り返すことで、内容物を吐出させることができる。なお、内容物は***部３４３の内側に吐出されるため、***部３４３によって中蓋３０４の上面から垂れることが抑制される。使用者は、パフＰ等によって中蓋３０４の上面を拭い、内容物をパフＰ等に付着させて、これを使用することができる。

　以上説明したように、本実施形態のコンパクト容器３０１Ｂによれば、操作部３３３を押下して連絡空間Ｓ４の内圧を上昇させると、操作部３３３の変形量に対応した量だけ、内容物を吐出孔３０４ａから吐出させることができる。そして本実施形態では、第２弁体３７０が、中蓋３０４に装着されている。これにより、例えば中蓋３０４に外力が作用した場合に、第２弁体３７０が中蓋３０４に対して移動して吐出孔３０４ａが不意に開放されることが抑えられる。従って、中蓋３０４内の密封性をより高めることができる。

　また、第２弁体３７０が、中蓋３０４と内蓋３０３との間に位置しているため、使用者から第２弁体３７０が見えにくくなり、コンパクト容器３０１Ｂの外観を良好にすることができる。さらに、第２弁体３７０の上端を、上下方向において吐出孔３０４ａの上端と略同等若しくはそれよりも下方に位置させた場合、すなわち第２弁体３７０を吐出孔３０４ａの上端開口から上方に突出させない場合には、吐出孔３０４ａの上端開口部の近傍に意図しない外力が加わったとしても、この外力が第２弁体３７０に作用しにくくなる。従って、第２弁体３７０が不意に動いて吐出孔３０４ａが開放されることをより確実に抑えて、中蓋３０４の内側の密封性をより高めることができる。

　また、操作部３３３の下面３３３ａが、上方に向けて突となる形状に形成されているため、操作部３３３を押下したときの下面３３３ａの変形量が大きくなり、この下面３３３ａに作用する面内の張力も大きくなる。従って、押下を解除したときに操作部３３３に作用する上方に向けた復元変形力が大きくなり、操作部３３３が弾性変形前の形状に復元変形しやすくなり、内容器３０２から連絡空間Ｓ４へと吸い上げられる内容物の量が安定し、次に操作部３３３を押し下げたときの内容物の吐出量を安定させることができる。また、本実施形態では、操作部３３３の下面３３３ａが、上方に向けて突となる曲面状に形成されている。これにより、操作部３３３が弾性変形した際に、下面３３３ａに局所的に大きな応力が作用することが抑えられ、コンパクト容器３０１Ｂの耐久性を向上させることができる。

　また、操作部３３３が平面視で環状に形成されているため、操作部３３３が押下された時に、操作部３３３の内周縁部および外周縁部を固定端とするように、この操作部３３３が下方に弾性変形する。これにより、操作部３３３に作用する上方に向けた弾性力がより大きくなり、より安定して操作部３３３を元の形状に復元変形させることができる。

　なお、操作部３３３の下面３３３ａは、平坦面であってもよい。この場合には、操作部３３３と内蓋３０３との間に、操作部３３３を上方付勢する弾性変形可能な付勢部材を設けることができる。付勢部材としては、例えば、第２実施形態の付勢部１９８、等がある。このような付勢部材を設けることで、操作部３３３が押下された後の操作部３３３の復元性をより高めることができる。なお、付勢部材は、操作部３３３または内蓋３０３と一体であってもよいし、操作部３３３または内蓋３０３と別体であってもよい。

　そして、本実施形態では、第２弁体３７０が中蓋３０４と内蓋３０３との間に位置し、第２弁体３７０の全体が中蓋３０４の上面よりも下方に位置しているため、使用者から第２弁体３７０がより見えにくくなり、コンパクト容器３０１Ｂの外観をさらに良好にすることができる。

　例えば、前記実施形態では、吐出孔３０４ａが径方向の中央付近（容器軸Ｏ近傍）に配置されていたが、例えば吐出孔３０４ａが容器軸Ｏから径方向に離れて配置されていてもよい。この場合、操作部３３３は、吐出孔３０４ａを避けるように、平面視でＣ字状に形成されていてもよい。

　また、コンパクト容器３０１Ｂは、蓋部材３５０および底部材３６０が螺合されており、容器軸Ｏ回りに相対回転することで、蓋部材３５０が底部材３６０から取り外される容器であってもよい。

　また、前記実施形態のコンパクト容器３０１Ｂ（図１２）において、操作部３３３の下面３３３ａが、例えば平坦面であってもよい。さらに、前記実施形態で述べた内容と同様に、操作部３３３と内蓋３０３との間に、操作部３３３を上方付勢する付勢部材を設けてもよい。

（第６実施形態）
　次に、本発明の第６実施形態に係るコンパクト容器４１０を、図１３および図１４を参照して説明する。図１３および図１４に示すように、本実施形態のコンパクト容器４１０は、平面視円形状の扁平容器である。コンパクト容器４１０は、外殻体４１１と、内容器４１２と、内蓋４１３と、中蓋４１４と、第１弁体４１５と、第２弁体４１６と、を備える。

　外殻体４１１は、内容器４１２、内蓋４１３、中蓋４１４、第１弁体４１５および第２弁体４１６を内部に収容する。つまりコンパクト容器４１０のうち、外殻体４１１以外の部材は、外殻体４１１の内部に収容される。外殻体４１１は、底部材４２１と、蓋部材４２２と、を備える。底部材４２１は、有底円筒状である。蓋部材４２２は、有頂円筒状である。蓋部材４２２は、底部材４２１に対して回転軸Ｒ回りに回動可能に取り付けられている。

　以下では、外殻体４１１の中心軸線（コンパクト容器４１０の中心軸線）を容器軸Ｏと呼び、容器軸Ｏに沿う方向（容器軸Ｏが延在する方向）を上下方向Ｚと呼ぶ。上下方向Ｚに沿って底部材４２１から蓋部材４２２へ向かう方向を上方と呼び、蓋部材４２２から底部材４２１へ向かう方向を下方と呼ぶ。上下方向Ｚから見た平面視で、容器軸Ｏに交差する方向を径方向と呼ぶ。径方向に沿って容器軸Ｏに接近する方向を径方向内側と呼び、容器軸Ｏから離間する方向を径方向外側と呼ぶ。上下方向Ｚから見た平面視で、径方向のうち、回転軸Ｒに平行な方向を左右方向Ｙと呼び、回転軸Ｒに直交する方向を前後方向Ｘと呼ぶ。前後方向Ｘに沿って、容器軸Ｏから回転軸Ｒへ向かう方向を後方と呼び、回転軸Ｒから容器軸Ｏへ向かう方向を前方と呼ぶ。上下方向Ｚから見た平面視で、容器軸Ｏ回りに周回する方向を周方向と呼ぶ。

　図１３に示すように、底部材４２１は、容器軸Ｏと同軸に配置された円板状の底板部４２３と、底板部４２３の外周縁から上方に延びる円筒状の筒状壁部４２４と、を備える。底部材４２１は、底板部４２３から上方に延びる係合板部（図示省略）を備える。複数の係合板部は、周方向に沿って等間隔に配置されている。係合板部の表裏面は、径方向を向いている。係合板部の上端部には、径方向内側に突出する係合爪が設けられる。筒状壁部４２４の前方端部には、係合空間４２５が設けられている。係合空間４２５は、前方および上方に向けて開口している。係合空間４２５は、前後方向Ｘを向く後壁部４２６と、上下方向Ｚを向く底壁部４２７と、により画成されている。

　後壁部４２６のうち左右方向Ｙの中央に位置する部分には、前方に向けて突出したガイド壁部４２８が形成されている。ガイド壁部４２８の上面は、前方に向かうにしたがい下方に向けて傾斜する傾斜面とされている。後壁部４２６のうちガイド壁部４２８よりも上方に位置する部分には、前方に向けて突出した第１係合部４２９が形成されている。後壁部４２６のうちガイド壁部４２８よりも下方に位置する部分に、後壁部４２６を前後方向Ｘに貫通する逃げ孔４７７が形成されている。

　蓋部材４２２は、底部材４２１における筒状壁部４２４の後方端部に取り付けられている。蓋部材４２２は、底部材４２１の上端開口を開閉可能に閉塞する。蓋部材４２２は、容器軸Ｏと同軸に配置された円板状の天板部４３３と、天板部４３３の外周縁から下方に延びる円筒状の筒部４３４と、を備える。蓋部材４２２の天板部４３３の下面には、鏡Ｍが固定される。

　蓋部材４２２の前方端部に、下方に向けて係合片４３５が突設されている。係合片４３５は、筒部４３４における内周面から下方に向けて突出するとともに左右方向Ｙに延びた板状に形成され、係合空間４２５内に上方から入り込んでいる。係合片４３５の下端部には、後方に向けて突出するとともに、底部材４２１に形成された第１係合部４２９に対して離脱可能にアンダーカット嵌合される第２係合部４３６が形成されている。第１係合部４２９に対して第２係合部４３６が下方から係合することによって、蓋部材４２２は閉状態でロックされる。

　係合空間４２５内には、第１係合部４２９と第２係合部４３６との係合を解除するプッシュピース４３７が設けられている。プッシュピース４３７は、係合片４３５よりも前方に配置された操作壁部４３８と、操作壁部４３８から後方に向けて突設され、ガイド壁部４２８の傾斜面上に位置する解除突起４３９と、操作壁部４３８の下端部から後方に向けて突設され、底壁部４２７に載置されるベース部４４０と、を備える。プッシュピース４３７は、後方に向けて押し込まれたときに、底部材４２１および蓋部材４２２に対して後方へ移動可能である。

　解除突起４３９は、プッシュピース４３７の後方への移動にともなってガイド壁部４２８の傾斜面に沿って後方に移動し、第２係合部４３６を下方から押し上げて、第１係合部４２９から離脱させる。これにより、第１係合部４２９と第２係合部４３６との係合を解除することができ、蓋部材４２２を開操作可能な状態とすることができる。なお、プッシュピース４３７は、後方に移動したときに、解除突起４３９の復元変形によって、前方に向けて復元移動する。

　ベース部４４０は、プッシュピース４３７の後方への移動にともなって、後壁部４２６に形成された逃げ孔４７７内に前方から入り込む。ベース部４４０には、下方に向けて突出し、底壁部４２７に形成された係止凹部４４１に係止する係止突部４４２が形成されている。これにより、プッシュピース４３７は、前方への抜け止めがされた状態で、外殻体４１１に組み合わされている。

　なお、上述したプッシュピース４３７は必須な構成ではなく、具備しなくても構わない。例えば指先などによって、係合片４３５の下端部を前方に向けて僅かに撓ませるように変形させることで、第１係合部４２９と第２係合部４３６との係合を解除し、蓋部材４２２の閉状態のロックを解除しても構わない。

　内容器４１２は、底部材４２１の筒状壁部４２４の径方向内側に配置されている。内容器４１２は、容器軸Ｏと同軸に配置され、上方に開口する扁平円筒状の容器である。内容器４１２の上端部には、内容器４１２の上端部を径方向外側から囲む環状の取付けリング４４３が固定されている。取付けリング４４３は、上方に突出する係合筒部４４４を有する。内容器４１２は、可撓性を有し減容可能（減容変形可能）である。内容器４１２は、例えば、積層のフィルムや薄肉の樹脂成形品などで構成されている。内容器４１２は、可撓性に富む内側容器が、内側容器よりも硬質な外側容器の内面に積層されてなる、いわゆるデラミ容器などであってもよい。内容器４１２内（後述の収容空間４４５）が減容可能なその他の構成などを採用してもよい。内容器４１２は、光透過性を有する材料（透明材料や半透明材料）で形成されていてもよい。内容器４１２は、バリア性等のためアルミフィルムを含む積層のフィルムで構成されてもよい。

　内容器４１２の内部である収容空間４４５には、流動性を有する内容物が収容されている。内容物は、液状であっても、ゲル状であっても、ゼリー状であってもよい。内容物は、例えば、リキッドファンデーションなどの化粧品である。

　内蓋４１３は、内容器４１２の上方に配設されている。内蓋４１３は、内容器４１２の上端開口を塞ぎ、内容器４１２の内部を封止している。内蓋４１３は、内容器１２に直接装着された下部材４４６と、下部材４４６を介して内容器１２に装着された上部材４４７と、を備える。

　下部材４４６は、内蓋円環部４４８と、内側筒部４４９と、外側筒部４５０と、を備える。内蓋円環部４４８は、容器軸Ｏと同軸に配置されている。内蓋円環部４４８は、内容器４１２の上端開口を覆っている。内蓋円環部４４８の内周縁には、装着部４５１が配設されている。装着部４５１は、環状に形成され、容器軸Ｏと同軸に配置されている。具体的に、装着部４５１は、内蓋円環部４４８の内周縁から径方向内側に向かうに従い上方に延び、その径方向内側の端部が下方に屈曲している。装着部４５１は、内蓋円環部４４８よりも薄肉に形成されている。内側筒部４４９は、円筒状に形成され、内蓋円環部４４８の外周縁から上方に向けて延びている。外側筒部４５０は、円筒状に形成され、容器軸Ｏと同軸に配置されている。外側筒部４５０は、内側筒部４４９を径方向外側から囲っている。外側筒部４５０の上端部は、内側筒部４４９の上端部に連結されている。

　外側筒部４５０の内周面と内側筒部４４９の外周面との間に、取付けリング４４３の係合筒部４４４が嵌合されている。これにより、取付けリング４４３を介して内容器４１２と内蓋４１３とが固定されている。外側筒部４５０の下端開口縁は、取付けリング４４３の上面と接触している。なお本実施形態では、取付けリング４４３が、係合筒部４４４よりも径方向内側に張り出しておらず、内側筒部４４９の下端開口縁が、取付けリング４４３の上面と接触していないが、取付けリング４４３が、係合筒部４４４よりも径方向内側に張り出していて、内側筒部４４９の下端開口縁が、取付けリング４４３の上面と接触していてもよい。また、外側筒部４５０の下端開口縁が、取付けリング４４３の上面と接触していなくてもよい。

　上部材４４７は、取付け筒部４５２と、第１弁座部４５３と、外周筒部４５４と、連結環部４５５と、を備える。取付け筒部４５２は、円筒状に形成され容器軸Ｏと同軸に配置されている。取付け筒部４５２は、装着部４５１内に嵌合している。第１弁座部４５３は、容器軸Ｏと同軸に配置され、取付け筒部４５２よりも小径とされた筒部と、筒部の上端部から径方向内側へ広がる弁座板と、を備える。第１弁座部４５３の筒部の下端部は、取付け筒部４５２の下端部に連結される。第１弁座部４５３の弁座板は、取付け筒部４５２の上端よりも下方に位置している。第１弁座部４５３の弁座板の中央部には、この弁座板を上下方向Ｚに貫通する連通孔４５６が形成されている。このため弁座板は、リング板状である。連通孔４５６は、円形状に形成され容器軸Ｏと同軸に配置されている。連通孔４５６は、内容器４１２内に連通する。つまり、内蓋４１３には、内容器４１２内に連通する連通孔４５６が形成される。

　外周筒部４５４は、円筒状に形成され容器軸Ｏと同軸に配置されている。外周筒部４５４は、取付け筒部４５２よりも大径であり、内側筒部４４９よりも小径である。外周筒部４５４は、内側筒部４４９内に配置されている。連結環部４５５は、容器軸Ｏと同軸に配置されている。連結環部４５５の内周縁部は、取付け筒部４５２の上端部に連結されている。連結環部４５５の外周縁部は、外周筒部４５４の上端部に連結されている。連結環部４５５の外周縁部は、外周筒部４５４の上端よりも下方で、かつ外周筒部４５４の上下方向Ｚの中央よりも上方に位置している。

　連結環部４５５のうち、容器軸Ｏよりも前方に位置する部分には、第２弁座部４６７が配置される。第２弁座部４６７は、連結環部４５５の上面から上方に向けて突出している。第２弁座部４６７は有頂筒状である。第２弁座部４６７は、連結環部４５５に形成された窪み部４７８の底面から、上方に向けて突設されている。図１３に示すように、第２弁座部４６７および窪み部４７８は、前記平面視で周方向に延びる円弧状を呈する。但し、第２弁座部４６７および窪み部４７８の平面視形状は適宜変更が可能である。

　図１４に示すように、中蓋４１４は、内蓋４１３の上方に配設される。中蓋４１４は、有頂筒状に形成されている。中蓋４１４は、中蓋４１４の周壁を備える装着リング４５７と、中蓋４１４の頂壁を備える操作部４５８と、を備える。中蓋４１４は、例えば、装着リング４５７をインサート品としたインサート成形により作製される。

　装着リング４５７は、内蓋４１３に装着されている。装着リング４５７は、上端部同士が連結された内筒４５９および外筒６０を有する二重円筒状に形成されている。外筒４６０の外周面の下部には、周方向に延びる複数の周溝（図示省略）が周方向に互いに間隔をあけて形成されている。周溝には、底部材４２１の上述した係合板部の係合爪が係合する。これにより、装着リング４５７が底部材４２１から外れることが抑制される。

　装着リング４５７における内筒４５９と外筒４６０との間には、内蓋４１３の下部材４４６（内側筒部４４９および外側筒部４５０）が嵌合されている。これにより、内容器４１２が、取付けリング４４３を介して装着リング４５７（中蓋４１４）に固定される。内容器４１２は、中蓋４１４に固定された状態において、底部材４２１の底板部４２３から上方に離れて配置される。

　装着リング４５７の上面には、上方に突出する***部４６２が形成されている。***部４６２の平面視形状は、容器軸Ｏと同軸に配置されたリング状である。***部４６２の内周面は、上方に向かうに従い径方向外側に向けて延びる曲面状である。操作部４５８の上面において、***部４６２の径方向内側に位置する部分には、パフＰ（塗布具）が載置される。装着リング４５７の外周面には、径方向外側に突出し、全周にわたって連続して延びるフランジ部４６３が形成されている。フランジ部４６３の下面は、底部材４２１の筒状壁部４２４の上端開口縁に配置されている。

　操作部４５８は、装着リング４５７の内部を上方から閉塞する。本実施形態において、操作部４５８は円板状である。操作部４５８の外周縁部は、装着リング４５７において***部４６２よりも径方向内側に位置する部分に連結されている。操作部４５８の外周縁部の上面は、装着リング４５７の上面において操作部４５８に径方向外側から連なる部分と面一になっている。操作部４５８は、上下方向Ｚから見た平面視で、後述する第１弁体４１５に重なる位置に配置される。

　操作部４５８は、弾性変形可能に形成されている。操作部４５８の材質としては、例えば、エラストマー、ニトリルゴム、ブチルゴム、シリコンゴム、軟質ポリエチレン、若しくはウレタンなどの軟材質を用いることができる。また、内容物に対する耐薬品性などを考慮し、例えば弾性変形可能で比較的柔らかいポリプロピレン（ＰＰ）、薄肉に成形したポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）などを操作部４５８の材質として用いてもよい。操作部４５８は装着リング５７よりも軟質であることが好ましい。

　操作部４５８の下面には、垂下筒部４７９と、規制壁部４８１と、が形成されている。垂下筒部４７９は、容器軸Ｏと同軸に配置される。垂下筒部４７９は、操作部４５８の下面から下方へ向けて突設された円筒状である。垂下筒部４７９は、内筒４５９の径方向内側に嵌合し、かつ外周筒部４５４の径方向外側に嵌合する。垂下筒部４７９は、内筒４５９と外周筒部４５４とによって径方向に挟持されている。図示の例では、操作部４５８の下面に、外周筒部４５４の上端開口縁が当接している。

　規制壁部４８１は、筒状に形成され、操作部４５８の下面から下方へ向けて突出している。規制壁部４８１内に、第２弁座部４６７が嵌合されている。規制壁部４８１の下端部は、窪み部４７８内に嵌合されている。これにより、規制壁部４８１の下端部は、第２弁座部４６７の外周面と窪み部４７８の内周面とによって挟持されている。規制壁部４８１の下端開口縁は、窪み部４７８の底面に対して、底面の上方から近接若しくは当接している。

　操作部４５８の外周部には、易変形部４６４が形成されている。易変形部４６４は、環状に形成されるとともに、容器軸Ｏと同軸に配置される。易変形部４６４は、操作部４５８において後述する連絡空間４６５を画成する部分に形成されている。操作部４５８において易変形部４６４が位置する部分の下面に、上方に向けて窪む環状溝が１つ形成されている。環状溝の溝底面は平坦面となっている。操作部４５８の上面は、易変形部４６４を径方向にまたぐ両側（内外）で面一とされている。易変形部４６４は、操作部４５８のうち、第２弁体４１６を除く部分より薄肉に形成されている。

　中蓋４１４は、内蓋４１３との間に、連通孔４５６に連通する連絡空間４６５を画成する。本実施形態において連絡空間４６５は、外周筒部４５４（上部材４７）の上端開口が操作部４５８によって閉じられて形成されている。操作部４５８は、装着リング４５７の内部を上方から閉塞して装着リング４５７の内部に連絡空間４６５を画成する。連絡空間４６５は、平面視円形状に形成されている。操作部４５８は、弾性変形することで連絡空間４６５の内圧を増減させる。

　図１３および図１４に示すように、中蓋４１４には、内容物を吐出させる吐出孔４６６が形成されている。吐出孔４６６の平面視形状は、円形状である。複数の吐出孔４６６は、中蓋４１４に形成されている。複数の吐出孔４６６は、中蓋４１４のうち容器軸Ｏよりも前方に位置する部分に、周方向に間隔をあけて形成されている。

　図１４に示すように、吐出孔４６６は、操作部４５８を上下方向Ｚに貫通する。吐出孔４６６は、連絡空間４６５内に連通する。本実施形態では、吐出孔４６６と連絡空間４６５とが、第２弁座部４６７の外周面、並びに、窪み部４７８の底面および内周面に形成された複数の溝部４８３によって、互いに連通する。吐出孔４６６は、内蓋４１３に設けられた第２弁座部４６７により閉塞される。吐出孔４６６は、第２弁座部４６７の頂面によって、下方から塞がれる。

　第１弁体４１５は、内蓋４１３の連通孔４５６と連絡空間４６５との連通、およびその遮断を切り替える。第１弁体４１５は、内蓋４１３に設けられている。

　第１弁体４１５は、弁筒４８４と、弁本体４８５と、を備える。本実施形態では、弁筒４８４が、内蓋４１３の取付け筒部４５２内に嵌合されている。弁筒４８４内に、第１弁座部４５３の筒部が嵌合されている。弁筒４８４の下端開口縁は、第１弁座部４５３の筒部の下端部と、取付け筒部４５２の下端部と、を接続するリング状の連結部分の上面に当接する。弁本体４８５は、弁筒４８４の上端部に連結される。弁本体４８５は、弁筒４８４内に配置される。弁本体４８５は、円板状の弁板と、弁板と弁筒４８４とを連結する複数の弾性脚と、を備える。弁本体４８５は、弁筒４８４に対して上下方向Ｚに移動可能である。第１弁座部４５３の弁座板が、弁本体４８５の弁板に対して、弁本体４８５の下方から当接する。

　第１弁体４１５は、連通孔４５６の上方を覆っている。第１弁体４１５は、逆止弁である。第１弁体４１５は、内容器４１２の収容空間４４５から連絡空間４６５への流体（内容物。以下同様）の流れを許容し、連絡空間４６５から収容空間４４５への流体の流れを遮断する。本実施形態では、第１弁体４１５として、三点弁を用いている。なお、内容器４１２に収容する内容物の性状などに応じて、例えば、三点弁の形状を適宜変更することや、三点弁とは異なる構成の逆止弁を第１弁体４１５として採用することができる。

　第２弁体４１６は、中蓋４１４の吐出孔４６６と連絡空間４６５との連通、およびその遮断を切り替える。第２弁体４１６は、中蓋４１４に設けられている。第２弁体４１６は、操作部４５８と一体に形成されている。第２弁体４１６は、操作部４５８において、中央部から前方にずれた位置に配置されている。第２弁体４１６は、操作部４５８において吐出孔４６６の開口周縁部を含む部分により形成されている。本実施形態では第２弁体４１６は、操作部４５８のうち、筒状の規制壁部４８１に囲まれた部分となっている。

　第２弁体４１６は、易変形部４６４よりも薄く、操作部４５８のなかで最も厚さが薄い部分となっている。第２弁体４１６の平面視形状は、第２弁座部４６７の平面視形状と相似形状であり、第２弁座部４６７の平面視形状よりも大きい（図１３参照）。第２弁体４１６は、操作部４５８において、易変形部４６４より径方向内側に位置する部分に、易変形部４６４に内接するように配設されている。図１４に示すように、第２弁体４１６は、第２弁座部４６７に着座することで、吐出孔４６６と連絡空間４６５との連通を遮断している。第２弁体４１６は、第２弁体４１６が弾性変形して第２弁座部４６７から上方に離れたときに、吐出孔４６６と連絡空間４６５とを連通させる。第２弁体４１６は、逆止弁である。第２弁体４１６は、連絡空間４６５から外部への流体の流れを許容し、外部から連絡空間４６５への流体の流れを遮断する。

　本実施形態において内容器４１２と内蓋４１３と中蓋４１４とは、リフィル容器４１７を構成している。リフィル容器４１７は、外殻体４１１に対して着脱自在に設けられている。これにより、使用者は、内容器４１２内の内容物を使い切った後に、リフィル容器４１７を、内容物が充填された新しいリフィル容器４１７と交換することができる。外殻体４１１からリフィル容器４１７を取り外す際、使用者は、底部材４２１の係合板部の係合爪と、装着リング４５７の周溝との係合状態を解除する。

　そして、本実施形態では、操作部４５８は、上面が上方に向けて膨出した膨出部５００を備える。膨出部５００の上下面が上方に向けて膨出している。膨出部５００の上下面は、上方に向けて突の曲面状に形成されている。なお、膨出部５００の下面は平面であってもよい。

　ここで、操作部４５８は、易変形部４６４が形成された外周部、および第２弁体４１６から離れるに従い漸次、上方に向けて延びる突の曲面状に形成されている。膨出部５００は、操作部４５８において、容器軸Ｏを含み、かつ容器軸Ｏに対して第２弁体４１６が位置ずれしている側とは反対側に位置する部分に配置されている。図示の例では、膨出部５００は、操作部４５８において、第２弁体４１６より後方に位置する部分の全体となっている。

　膨出部５００は、操作部４５８のうち第２弁体４１６より前方に位置する部分と比べて、上方に向けた膨出高さが高くなっている。膨出部５００のうち最も上方に位置する頂部の上面、および中蓋４１４の***部４６２の上端部それぞれの上下方向Ｚの位置は互いに同等になっている。膨出部５００の頂部は、容器軸Ｏより後方に位置している。膨出部５００の頂部は、操作部４５８における左右方向Ｙの中央部に位置している。膨出部５００は、連通孔４５６および第１弁体４１５と上下方向Ｚで対向している。

　膨出部５００の少なくとも一部に、伸長変形可能な易変形部４６４が形成されている。図示の例では、操作部４５８の外周部のうち、第２弁体４１６より後方に位置する部分は、膨出部５００の外周縁部の一部と一致しており、操作部４５８の易変形部４６４が、膨出部５００の外周縁部の一部に位置している。これにより、易変形部４６４は、膨出部５００の外周縁部のうちの半分を超える部分にわたって形成されている。易変形部４６４は、膨出部５００のなかで他より薄肉に形成されている。なお、薄肉に形成された易変形部４６４に代えて例えば、膨出部５００の少なくとも一部が折り重ねられてなる蛇腹部、若しくは、膨出部５００のうち、他の部分を形成する材質より軟らかい材質で形成された軟材質部等を採用してもよい。

　膨出部５００の厚さは例えば約０．４ｍｍ以上２．０ｍｍ以下となっている。膨出部５００の膨出高さ、すなわち、膨出部５００の頂部の上面と、操作部５５８の外周部の上面と、の上下方向Ｚの距離は、例えば約０．１ｍｍ以上７．０ｍｍ以下、好ましくは０．５ｍｍ以上５．０ｍｍ以下となっている。膨出部５００の膨出高さは、例えば、膨出部５００の剛性が高い場合に低くし、膨出部５００の剛性が低い場合に高くするのが好ましい。例えば、膨出部５００を軟質ポリエチレンで厚さ約１．０ｍｍに形成した場合、膨出部５００の膨出高さを約１．０ｍｍとし、膨出部５００をエラストマーで厚さ約１．０ｍｍに形成した場合、膨出部５００の膨出高さを約２．０ｍｍとしてもよい。ただし、膨出部５００の膨出高さは、膨出部５００の材質の、硬度、弾性率、等の物性、膨出部５００の操作性、等に基づき、適宜設定することができる。前記平面視において、操作部４５８の平面積に占める膨出部５００の平面積の割合は２０％以上になっている。この場合、操作部４５８の平面積に占める膨出部５００の平面積の割合が大きく、良好な操作性を具備させることができる。

　次に、本実施形態のコンパクト容器４１０の内容物の吐出方法について説明する。

　コンパクト容器４１０が未使用状態の場合、内容物は、収容空間４４５内にのみ収容されており、連絡空間４６５には、例えば空気が充填されている。まず、使用者は、プッシュピース４３７を操作して、外殻体４１１の蓋部材４２２を開く。膨出部５００を押圧して、下方に窪ませるように弾性変形させる。膨出部５００が下方に窪むように弾性変形すると連絡空間４６５の容積が小さくなるため、連絡空間４６５の内圧が上昇する。つまり、膨出部５００が下方移動させられることにより、連絡空間４６５の内圧が上昇する。すると、連絡空間４６５の内圧によって第２弁体４１６が上方に向けて弾性的に膨出変形して第２弁座部４６７から離間し、吐出孔４６６の閉塞状態が解除され、連絡空間４６５内の空気の一部が吐出孔４６６から外部へと排出される。その後、第２弁体４１６が復元変形して第２弁座部４６７に着座し、吐出孔４６６を閉塞する。このとき、第１弁体４１５は連絡空間４６５から収容空間４４５への流体の移動を遮断するため、第１弁体４１５によって連通孔４５６が閉塞されており、連絡空間４６５内の空気が連通孔４５６から収容空間４４５に流れることが抑制される。このように、膨出部５００が下方移動して連絡空間４６５の内圧が上昇したときに、第１弁体４１５は連通孔４５６と連絡空間４６５との連通を遮断し、かつ、第２弁体４１６は吐出孔４６６と連絡空間４６５とを連通させる。

　次に、使用者は、膨出部５００に加えている押圧力を解除して、弾性変形していた膨出部５００を元の状態に復元変形させる。これにより、連絡空間４６５の容積が増加して、連絡空間４６５内が負圧となる。つまり、下方移動させられた膨出部５００が、元の位置へ向けて上方移動させられることにより、連絡空間４６５の内圧が下降する。このとき、吐出孔４６６は第２弁体４１６によって閉塞されているため、外部から連絡空間４６５へ空気が入ることが抑制される。そのため、連通孔４５６を通して、収容空間４４５内の内容物が連絡空間４６５内に吸い上げられる。第１弁体４１５は収容空間４４５から連絡空間４６５への流体の流れを許容するため、第１弁体４１５は、連通孔４５６と連絡空間４６５とを連通させた状態となっており、内容物の流れを阻害しない。これにより、連絡空間４６５内に内容物が流入される。このように、膨出部５００が上方移動して連絡空間４６５の内圧が下降したときに、第２弁体４１６は吐出孔４６６と連絡空間４６５との連通を遮断し、かつ、第１弁体４１５は連通孔４５６と連絡空間４６５とを連通させる。

　使用者は、上述した膨出部５００の弾性変形と復元変形とを複数回行うことにより、連絡空間４６５の空気を外部に排出するとともに、連絡空間４６５内に内容物を充填させていくことができる。ここで、内容器４１２は可撓性を有しており、内容物が連通孔４５６を通して連絡空間４６５に流出することにともない減容する（減容変形する）ため、内容物の減少にともなって収容空間４４５の内圧が小さくなると、内容器４１２が縮小変形して収容空間４４５の容積が小さくなる。これにより、内容物が連絡空間４６５に流入して収容空間４４５内の内容物の総量が減った場合であっても、収容空間４４５から連絡空間４６５へと安定して内容物を送ることが可能である。

　連絡空間４６５に内容物が充填された状態において、膨出部５００を弾性変形させると、連絡空間４６５の内圧が上昇する。これにより、第２弁体４１６が上方に向けて膨出変形し、吐出孔４６６の閉塞が解除される。したがって、連絡空間４６５内から押し出された分の内容物が吐出孔４６６から外部へと吐出される。このようにして、使用者は、内容物を吐出させることができる。内容物は、吐出孔４６６から中蓋４１４の上面のうち***部４６２の内側に吐出される。そのため、内容物が中蓋４１４の上面上からこぼれることを抑制できる。使用者は、パフＰなどによって中蓋４１４の上面を拭うことで内容物をパフＰなどに付着させて使用する。

　以上説明したように、本実施形態のコンパクト容器４１０によれば、使用者は、膨出部５００を押し下げたりその押し下げを解除したりして膨出部５００を弾性変形させることによって連絡空間４６５の内圧の増減を行うことで、連絡空間４６５内を負圧にして内容器４１２内の内容物を連絡空間４６５内に流入させ、連絡空間４６５内に内容物を充填することができる。この状態で、膨出部５００を押し下げて連絡空間４６５の内圧を上昇させると、連絡空間４６５の内圧の上昇に対応した量だけ、内容物を吐出孔４６６から吐出させることができる。このように、内容器４１２から連絡空間４６５へと内容物が安定して吸い込まれ、次に膨出部５００を押し下げたときの内容物の吐出量を、所望の量の通りとすることができる。したがって、内容物の吐出量の調整が容易である。

　また、膨出部５００の上面が上方に向けて膨出しているので、膨出部５００を押し下げて内容物を吐出させるのに要する力を低減することが可能になり、例えば、操作部４５８の上面を指で撫でながら膨出部５００を押し下げても、内容物を円滑に吐出することができる。しかも、膨出部５００の上下面が上方に向けて膨出していることから、上方に向けて復元変形させやすくすることもできる。

　また、膨出部５００が、上方に向けて突の曲面状に形成されているので、膨出部５００を押し下げて内容物を吐出させるのに要する力を確実に低減することが可能になるとともに、例えば、操作部４５８の上面を指で撫でながら膨出部５００を押し下げたときに、指を引っ掛かり無く円滑に膨出部５００の上面を摺動させることができる。また、膨出部５００に伸長変形可能な易変形部４６４が形成されているので、膨出部５００を押し下げたときに、易変形部４６４を伸長変形させることが可能になり、この押し下げ力を過度に大きくしなくても、膨出部５００の上下方向Ｚの弾性変形量を大きく確保することができる。

　また、膨出部５００の膨出高さが０．１ｍｍ以上７．０ｍｍ以下となっているので、蓋部材４２２を開けたときのコンパクト容器４１０の外観性、および操作部４５８の上面と蓋部材４２２の下面側との間の収容空間などを阻害することなく、膨出部５００を押し下げて内容物を吐出させるのに要する力を確実に低減し、かつ良好な操作性を具備させることができる。特に、膨出部５００の膨出高さを０．５ｍｍ以上５．０ｍｍ以下とすると、このような作用効果が確実に奏功される。

　膨出部５００の膨出高さが０．１ｍｍ未満になると、膨出部５００を押し下げて内容物を吐出させるのに要する力を低減することができない。また、膨出部５００の膨出高さが７．０ｍｍを超えると、蓋部材４２２を開けたときのコンパクト容器４１０の外観性を阻害したり、操作部４５８の上面と蓋部材４２２の下面側との間の収容空間が狭くなり、収容される塗布具等が不安定になったりするおそれがあり、また、操作部４５８の上面を撫でながら膨出部５００を押し下げて内容物を吐出するときに、指が膨出部５００に引っ掛かり、良好な操作性を阻害する可能性がある。

（第７実施形態）
　次に、本発明に係る第７実施形態について説明するが、第６実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。本実施形態のコンパクト容器４２０では、図１５および図１６に示されるように、内蓋４１３の連結環部４５５に形成された窪み部４７８が、全周にわたって連続して延びる環状に形成されるとともに、容器軸Ｏと同軸に配設されている。窪み部４７８の底面に第２弁座部４６７は配設されていない。

　中蓋４１４の吐出孔４６６と連絡空間４６５との連通、およびその遮断を切り替える第２弁体５１６が、操作部４５８と別体となっている。第２弁体５１６は、操作部４５８において、吐出孔４６６より後方に位置する部分に形成された装着孔に嵌合された装着部と、操作部４５８の上面に上方に向けて離反可能に配設され、吐出孔４６６を開放可能に覆う弁部５１６ａと、を備える。弁部５１６ａは、弾性変形可能な板状に形成されている。装着部は、弁部５１６ａの後端部における左右方向Ｙの中央部に配設されている。弁部５１６ａは、前記平面視で三角形状を呈し、３つの角部のうちの２つが、前記装着部を左右方向Ｙに挟む両側に位置し、残りの1つが前記装着部の前方に位置するように配設されている。これら３つの角部は、前記平面視で突の曲線状をなしている。

　そして、操作部４５８において、第２弁体５１６より後方に位置し、かつ連絡空間４６５を画成する部分に、前記平面視で円形状を呈する膨出部５０１が形成されている。膨出部５０１の中心軸線は、容器軸Ｏに対して後方に位置し、かつ平行に延びている。膨出部５０１の中心軸線は、操作部４５８における左右方向Ｙの中央部に位置している。易変形部５６４は、環状に形成され、膨出部５０１の中心軸線と同軸に配置されている。易変形部５６４は、膨出部５０１の外周縁部に、全周にわたって形成されている。操作部４５８において易変形部５６４が位置する部分の下面に、上方に向けて窪む複数の環状溝が形成されている。環状溝は、上方に向けて尖る溝底部を有するように、上方に向かうに従い溝幅が狭くなっている。

　以上の構成において、膨出部５０１を押し下げると、第２弁体５１６の弁部５１６ａのうち、膨出部５０１側と反対側の前側が操作部４５８の上面から離反して、内容物が吐出される。本実施形態のコンパクト容器４２０によれば、易変形部５６４が、膨出部５０１の外周縁部に、全周にわたって形成されているので、操作部４５８において易変形部５６４が位置する部分に、複数の環状溝が形成されていることと相俟って、膨出部５０１を押し下げて内容物を吐出させるのに要する力をより一層確実に低減することができる。

（第８実施形態）
　次に、本発明に係る第８実施形態について説明するが、第７実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。

　本実施形態のコンパクト容器４３０では、図１７および図１８に示されるように、連通孔４５６の中心軸線が、容器軸Ｏから後方にずれて位置し、内蓋４１３の連結環部４５５に形成された窪み部４７８が、全周にわたって連続して延びておらず、少なくとも吐出孔４６６と対向する位置に配設されている。

　連絡空間４６５に、吐出孔４６６に連通する副空間４３１が画成され、副空間４３１と連通孔４５６側との連通、およびその遮断を切替える副弁体４８２が配設されている。副空間４３１は、吐出孔４６６の下方に直結され、その内容積は、連絡空間４６５の内容積の半分未満となっている。副弁体４８２は、連通孔４５６側から副空間４３１内に向けた内容物の流通は許容するものの、副空間４３１内から連通孔４５６側に向けた内容物の流通は阻止する逆止弁となっている。副弁体４８２は、膨出部５０２を下方移動して連絡空間４６５の容積を減少させ、連絡空間４６５の内圧を上昇させると開き、副空間４３１と連通孔４５６側とを連通させ、膨出部５０２を上方に復元移動させて連絡空間４６５の容積を増大させ、連絡空間４６５を負圧にすると閉じ、副空間４３１と連通孔４５６側との連通を遮断する。

　易変形部６６４は、操作部４５８のうち、膨出部５０２が位置する部分の全域にわたって形成されている。つまり、易変形部６６４は、前記平面視で円形状を呈し、かつ膨出部５０２の中心軸線と同軸に配設され、膨出部５０２は、操作部４５８のなかで最も厚さが薄くなっている。膨出部５０２の下面に、補強リブ５０２ａが形成されている。補強リブ５０２ａは、膨出部５０２の中心軸線を通り、かつ両端部が膨出部５０２の外周縁部に至るように放射状に配置されている。

　本実施形態のコンパクト容器４３０によれば、易変形部６６４が、膨出部５０２に全域にわたって形成されているので、膨出部５０１を押し下げて内容物を吐出させるのに要する力を確実に低減することができる。しかも、膨出部５０２の下面に、補強リブ５０２ａが形成されているので、易変形部６６４を、膨出部５０２に全域にわたって形成したとしても、膨出部５０２のばね定数を確保することが可能になり、膨出部５０２が上方に向けて復元変形しにくくなるのを抑制することができる。

　上述した実施形態では、膨出部５００、５０１、５０２は、上方に向けて突の曲面状に形成された構成を採用したが、例えば錐台形状、若しくは階段状などに形成された構成を採用してもよい。また、膨出部５００、５０１、５０２に易変形部４６４、５６４、６６４を形成しなくてもよい。また、膨出部５００、５０１、５０２として、連通孔４５６および第１弁体４１５と上下方向Ｚで対向した構成を示したが、膨出部５００、５０１、５０２を、連通孔４５６および第１弁体４１５に対して上下方向Ｚに直交する方向にずらして配設してもよい。

　膨出部５００、５０１、５０２の平面視形状は、特に限定されず、楕円形状であってもよいし、三角形状であってもよいし、四角形状であっても、五角形以上の角形状であってもよい。また、内容器４１２の形状は、特に限定されず、例えば、楕円筒状であってもよいし、角筒状であってもよい。また、内容器４１２と内蓋４１３と中蓋４１４とは、リフィル容器４１７を構成していなくてもよい。すなわち、内容物を使い切った際に、内容器４１２を交換できない構成であってもよい。

　また、中蓋４１４として、装着リング４５７を備えず、有頂筒状に形成された弾性変形可能な操作部４５８を備え、この操作部４５８が内蓋４１３に装着された構成を採用してもよい。吐出孔４６６が、操作部４５８に形成されていなくてもよい。例えば、装着リング４５７に、径方向内側に向けて突出するとともに連絡空間４６５を画成するフランジを設け、このフランジに吐出孔４６６を設けてもよい。吐出孔４６６が、１つだけ形成されていてもよい。内容物が連通孔４５６を通して連絡空間４６５に流出することにともなって、内容器４１２が減容しなくてもよい。内容器４１２として、可撓性を有さない構成を採用してもよい。

　また、第６実施形態のコンパクト容器４１０は、中蓋４１４に設けられた第２弁体４１６と、内蓋４１３に設けられた第２弁座部４６７とを備え、第２弁体４１６が第２弁座部４６７に着座することで、吐出孔４６６と連絡空間４６５との連通を遮断し、第２弁体４１６が弾性変形して第２弁座部４６７から上方に離れることで、吐出孔４６６と連絡空間４６５とを連通させる。しかしながら、第６実施形態のコンパクト容器４１０は、これに限らない。第６実施形態のコンパクト容器４１０は、例えば、内蓋４１３に設けられた第２弁座部４６７の代わりに、中蓋４１４に装着された弁座部を備えてもよい。このような弁座部として、例えば、第５実施形態のコンパクト容器の第２弁体３７０を採用してもよい。　

　その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記実施形態に前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。

　以上に説明した第１～８実施形態に対し、本発明の技術的範囲は、前記第１～８実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において前記第１～８実施形態に種々の変更を加えることが可能である。例えば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記第１～８実施形態の各々の構成要素を互いに適宜組み合わせてもよい。

１０、８０、１９０、２０１Ａ、３０１Ｂ、４１０、４２０、４３０　コンパクト容器
１１、１１１、２０７、３０７、４１１　外殻体
１２、１１２、２０２、３０２、４１２　内容器
１３、１１３、２０３、３０３、４１３　内蓋
１４、１１４、２０４、３０４、４１４　中蓋
１５、１１５、２０５、３０５、４１５　第１弁体
１６、１１６、２０６、３７０、４１６　第２弁体
５６、１５６、２２１ａ、３２１ａ、４５６　連通孔
５８、１５８、２３３、３３３、４５８　操作部
６４、１６４　薄肉部
６５、１６５、Ｓ１、Ｓ４、４６５　連絡空間
６６、１６６、２３４ａ、３０４ａ、４６６　吐出孔
１９８　付勢部
４６４、５６４、６６４　易変位部
５００、５０１、５０２　膨出部

Claims

　内容物が収容される内容器と、
　前記内容器の内部を封止し、前記内容器内に連通する連通孔が形成された内蓋と、
　前記内蓋の上方に配設され、前記内蓋との間に前記連通孔に連通する連絡空間を画成するとともに、前記連絡空間に連通して前記内容物を吐出させる吐出孔が形成された中蓋と、
　前記連通孔と前記連絡空間との連通、およびその遮断を切り替える第１弁体と、
　前記吐出孔と前記連絡空間との連通、およびその遮断を切り替える第２弁体と、を備え、
　前記中蓋は、前記連絡空間を画成するとともに弾性変形可能に形成され、弾性変形することで前記連絡空間の内圧を増減させる操作部を備え、
　前記操作部により前記連絡空間の内圧を上昇させたときに、前記第１弁体は前記連通孔と前記連絡空間との連通を遮断し、かつ、前記第２弁体は前記吐出孔と前記連絡空間とを連通させ、
　前記操作部により前記連絡空間の内圧を下降させたときに、前記第２弁体は前記吐出孔と前記連絡空間との連通を遮断し、かつ、前記第１弁体は前記連通孔と前記連絡空間とを連通させるコンパクト容器。
　前記操作部には、環状の薄肉部が形成されている、請求項１に記載のコンパクト容器。
　前記内容器、前記内蓋、および前記中蓋を覆う外殻体を更に備え、
　前記内容器は、前記内容物が前記連通孔を通して前記連絡空間に流出することに伴って減容する、請求項１または２に記載のコンパクト容器。
　下方移動した前記操作部を上方に向けて付勢する付勢部を更に備える、請求項１に記載のコンパクト容器。
　前記操作部の下面が、上方に向けて突の形状に形成されている、請求項１に記載のコンパクト容器。
　前記操作部の前記下面が、上方に向けて突の曲面状に形成されている、請求項５に記載のコンパクト容器。
　前記操作部の上面が、上方に向けて突の曲面状に形成されている、請求項５または６に記載のコンパクト容器。
　前記操作部は、上面が上方に向けて膨出した膨出部を備える、請求項１に記載のコンパクト容器。
　前記第２弁体が前記中蓋に装着されている、請求項８に記載のコンパクト容器。
　前記膨出部の上下面が上方に向けて膨出している、請求項８に記載のコンパクト容器。
　前記膨出部の上面は、上方に向けて突の曲面状に形成されている、請求項８から１０のいずれか１項に記載のコンパクト容器。
　前記膨出部の少なくとも一部に、伸長変形可能な易変形部が形成されている、請求項８から１１のいずれか１項に記載のコンパクト容器。