WO2018135308A1

WO2018135308A1 - パレット搬送装置及びパレット搬送方法

Info

Publication number: WO2018135308A1
Application number: PCT/JP2018/000027
Authority: WO
Inventors: 健太長谷川
Original assignee: 日特エンジニアリング株式会社
Priority date: 2017-01-17
Filing date: 2018-01-04
Publication date: 2018-07-26
Also published as: DE112018000406B4; CN110337413A; JP2018114571A; CN110337413B; US10696487B1; US20200180868A1; DE112018000406T5

Abstract

パレット搬送装置（１０）は、パレット（１１）を移動可能に搭載する一対の直線レール（２１，３１）と、直線レールに搭載されたパレット（１１）を搬送するパレット直線送り部（４１，５１）と、一対の直線レールの両端部を連結するように湾曲して設けられパレット（１１）を移動可能に搭載する一対の曲線レール（６１，７１）と、曲線レールに搭載されたパレット（１１）を搬送するパレット曲線送り部（８１，９１）とを備える。

Description

パレット搬送装置及びパレット搬送方法

　本発明は、ワークが載せられる１又は２以上のパレットを所定の軌道で搬送するパレット搬送装置及びパレット搬送方法に関する。

　ワークが載せられる１又は２以上のパレットを工作機に対して循環搬送させるパレット搬送装置が知られている。ＪＰ２０１１－９３０３２Ａに開示されるパレット搬送装置は、互いに平行に延びる奥側パレットレールと手前側パレットレールと、奥側パレットレールと手前側パレットレールの各両端部に対峙する二位置間をそれぞれ移動して、パレットを奥側パレットレールから手前側パレットレールに又は手前側パレットレールから奥側パレットレールに移動させるパレット移動手段とを備える。そして、このパレット搬送装置では、複数のパレットを四角形の軌道で搬送し得る。

　パレットに載せられたワークは、パレット搬送装置の周辺に設けられる工作機により加工される。工作機によるワークの加工を容易にするためには、ワークを工作機の近傍を通過させることが好ましい。そのため、パレットは、ワークがパレットにおける片側に偏って載せられるように構成される。ＪＰ２０１１－９３０３２Ａに開示されるパレット搬送装置では、パレットは四角形の軌道で搬送されるため、工作機を手前側パレットレールに沿って設けたとすると、奥側パレットレールに搭載されたパレットに載せられたワークを加工する別の工作機は、手前側パレットレールと奥側パレットレールの間に設けなければならない。この場合、手前側パレットレールと奥側パレットレールの間の間隔が拡大することから、実質的に奥側パレットレールに沿って工作機を設けることができない。

　ＪＰ２０１６－１１７１１７Ａには、ワークが載せられる複数のパレットを、所定の間隔を開けて互いに平行な２本の直線レールと、いずれか一方の直線レールの端部からパレットを円弧状に移動させて他方の直線レールの端部にまで案内させるパレット移動手段とを備えたパレット搬送装置が開示されている。

　ＪＰ２０１６－１１７１１７Ａに開示されるパレット搬送装置におけるパレット移動手段は、鉛直軸周りに回転可能且つ上下動可能な昇降回転板と、昇降回転板の周囲に設けられた１又は２以上の短レールと、昇降回転板を昇降させ上昇した昇降回転板を回転させるインデックスユニットとを備える。１又は２以上の短レールは、パレットを搭載可能に構成され、昇降回転板が下降した状態で直線レールに連続する。インデックスユニットは、短レールが一方の直線レールに連続する第一位置と他方の直線レールに連続する第二位置において昇降回転板を昇降させると共に回転させる。

　ＪＰ２０１６－１１７１１７Ａに開示されるパレット搬送装置では、パレットをトラック形の軌道で循環させることが可能となる。パレットをトラック型の軌跡で搬送すれば、パレットの片側を常に外側に向かせることが可能となる。このため、加工機を二本の直線レールの外側に配置させることが可能となって、２本の直線レールにそれぞれ搭載されたパレットに載せられたワークを加工することが可能となる。

　パレットが一方の直線レールから他方の直線レールにまで円弧状に移動する間にあっても、そのパレットに載せられたワークを加工したいという要望がある。

　しかし、ＪＰ２０１６－１１７１１７Ａに開示される移動手段は、パレットが搭載された短レールを上昇させて円弧状に移動させる。そのため、短レールが安定しない。このような短レールに搭載されたパレットにおけるワークを加工することは、著しく困難である。

　本発明の目的は、一方の直線レールから他方の直線レールにまで移動する間のパレットに載せられたワークを加工し得るパレット搬送装置及びパレット搬送方法を提供することにある。

　本発明のある態様によれば、パレット搬送装置は、水平方向に所定の間隔を開けて互いに平行に設けられパレットを移動可能に搭載する一対の直線レールと、直線レールに搭載されたパレットを直線レールに沿って搬送するパレット直線送り部と、一対の直線レールの両端部を連結するように湾曲して設けられパレットを移動可能に搭載する一対の曲線レールと、曲線レールに搭載されたパレットを曲線レールに沿って搬送するパレット曲線送り部と、を備える。

　また、本発明の別の態様は、所定の間隔を開けて互いに平行な２本の直線レールのいずれか一方の直線レールを移動するパレットを、一方の直線レールの端部から他方の直線レールの端部にまで案内するパレット搬送方法に係る。この態様において、パレット搬送方法は、一対の直線レールの両端部を一対の曲線レールで連結し、一方の直線レールから曲線レールに移動したパレットを曲線レールに沿って他方の直線レールの端部にまで搬送する。

図１は、本発明の実施形態に係るパレット搬送装置の平面図である。図２は、図１に示すパレット搬送装置の正面図である。図３は、図１のＩＩＩ－ＩＩＩ線に沿う断面図である。図４は、図１に示すパレット搬送装置に用いられるパレットを図２のＩＶ方向から見た平面図である。図５は、図４のＶ－Ｖ線に沿う断面図である。図６は、パレット曲線送り部を示す図であり、図１のＶＩ－ＶＩ線断面図である。図７は、図６のＶＩＩ－ＶＩＩ線に沿う断面図である。図８は、搬送されたパレットが一方の直線レールの端部に近づく状態を示す上面図である。図９は、パレットの受け部材に係止部材が対向した状態を示す上面図である。図１０は、パレットが一方の直線レールの端部に達して受け部材に係止部材が係止された状態を示す上面図である。図１１は、パレットが曲線レール上を移動する状態を示す上面図である。図１２は、パレットが他方の直線レールの端部に達した状態を示す上面図である。図１３は、パレットが他方の直線レールを移動して受け部材から係止部材が離脱する状態を示す上面図である。図１４は、パレットが他方の直線レール上を移動する状態を示す上面図である。

　次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。

　パレット搬送装置１０の構成の説明において、各図に、互いに直交するＸ、Ｙ、Ｚの３軸を設定する。Ｘ軸は、略水平横方向に延びる軸であり、Ｙ軸は略水平前後方向に延びる軸であり、Ｚ軸は鉛直方向に延びる軸である。

　図１に、本実施形態に係るパレット搬送装置１０を示す。パレット搬送装置１０は、ワーク（図示せず。以下同様）が載せられたパレット１１を移動可能に搭載する一対の直線レール２１，３１を備える。一対の直線レール２１，３１は水平方向（Ｙ軸方向）に所定の間隔を開けて互いに平行に設けられる。一対の直線レール２１，３１の各々は、パレット１１を移動可能に搭載し、基台９における天板９ａ上にＸ軸方向に真っ直ぐに延びて設けられる。

　一対の直線レール２１，３１は、パレット１１を水平状態で搭載する。図３～図５に詳しく示すように、一対の直線レール２１，３１は、基台９における天板９ａの上面に直接固定された市販の直線運動ガイドレールである。

　パレット１１は、一対の直線レール２１，３１を跨ぐ直線運動ブロック１２と、直線運動ブロック１２が取付けられた台座１３と、台座１３に設けられた係合部材１４とを有する。直線運動ブロック１２は、一対の直線レール２１，３１上を移動可能に構成される。

　直線運動ブロック１２は、直線レール２１，３１として用いられる市販の直線運動ガイドレールと対に市販される。この実施形態では、一対の直線運動ブロック１２，１２が所定の間隔を開けて台車１３に設けられる。また、一対の直線運動ブロック１２，１２の各々は、ボス１５を介して台座１３に僅かに回転可能に取付けられる。

　ここで、直線運動ブロック１２は、図示しないローラリテーナを備えていることが好ましい。ローラリテーナを備える直線運動ブロック１２を用いることにより、一対の直線レール２１，３１の幅方向の移動や一対の直線レール２１，３１に対する傾動を防止しつつ、パレット１１が一対の直線レール２１，３１上を移動する際に受ける抵抗を著しく軽減することができる。

　図２及び図３に示すように、直線運動ブロック１２は台座１３の一方の側部に取付けられ、台座１３の他方の側部には直線運動ブロック１２に隣接して取付部材１８が取付けられる。係合部材１４は取付部材１８に取付けられ、取付部材１８には、係合部材１４に隣接して支持部材１９が更に取付けられる。

　図２に示すように、支持部材１９には、下方から支持装置８の突出軸８ａが進入可能な凹部１９ａが形成される。支持装置８は基台９に取付けられる（図２に、両側の２台の支持装置８のみ示す。）。支持装置８はその突出軸８ａを突出させて支持部材１９の凹部１９ａに進入させることにより、パレット１１の移動を拘束してパレット１１に搭載された図示しないワークの加工を可能にするように構成される。

　図３に示すように、台座１３には搭載板１６の一方の側部が載置され、搭載板１６の他方の側部が台座１３の他端から突出する。搭載板１６の他方の側部には、ワーク（図示せず。以下同様）が搭載される搭載具１７が設けられる。

　このように、台座１３の一方の側部に固定された直線運動ブロック１２を、一対の直線レール２１，３１に跨がせて移動可能に支持させることにより、パレット１１は水平状態で一対の直線レール２１，３１に移動可能に搭載されることになる。

　図１に示すように、パレット１１における台座１３及び搭載板１６は、そのＸ軸方向の長さＬが各工作機１～４間のピッチＰと同一又はそのピッチＰより短く形成されることが好ましい。

　この場合、複数のパレット１１をワークを搭載した状態で所定のピッチＰを空けて一対の直線レール２１，３１上を移動させると、水平状態の各搭載板１６の他方の側部が工作機１～４に向かって突出し、複数のパレット１１は各工作機１～４に対峙する。そのため、搭載具１７（図３）を介してその側部に搭載されたワークを工作機１～４により加工することができる。

　また、パレット搬送装置１０は、パレット１１を一対の直線レール２１，３１に沿って搬送するパレット直線送り部４１，５１を備える。

　具体的に、パレット搬送装置１０は、一方の直線レール２１に搭載されたパレット１１を一方の直線レール２１に沿って搬送する第一パレット直線送り部４１と、他方の直線レール３１に搭載されたパレット１１を他方の直線レール３１に沿って搬送する第二パレット直線送り部５１と、を備える。

　第一パレット直線送り部４１及び第二パレット直線送り部５１は同一構造であるで、以下に第一パレット直線送り部４１を代表して説明する。

　図１及び図２に示すように、第一パレット直線送り部４１は、一方の直線レール２１に沿って無端で設けられ循環する循環ベルト４２と、この循環ベルト４２を循環させる循環機構４３（図２）とを備える。循環ベルト４２は、パレット１１と係合可能に構成される。

　図２に示すように、基台９における側壁９ｂには、一方の直線レール２１の両端に対応する位置と、それより下方の位置にそれぞれに従動プーリ４４が設けられる。循環ベルト４２はこれらの四つの従動プーリ４４を包囲するように掛け回される。

　循環ベルト４２はいわゆる歯付きベルトである。循環ベルト４２は、図２の拡大図に示すように、幅方向に延びる凹凸４２ａ，４２ｂが長手方向に交互に連続するベルトである。パレット１１には、凹凸４２ａ，４２ｂに係合可能な凹凸１４ａ，１４ｂが形成される。凹凸１４ａ，１４ｂは、パレット１１を構成する係合部材１４に形成される。

　図３に示すように、係合部材１４は、直線運動ブロック１２と同じように、台車１３の下側に設けられる。図２に示す従動プーリ４４は、パレット１１が直線レール２１に搭載されたときに係合部材１４が循環ベルト４２に重合して係合するように、一方の直線レール２１の両端に対応する位置に取付けられる。

　即ち、図２に拡大図に示すように、パレット１１が直線レール２１に搭載されると、係合部材１４が循環ベルト４２に重合し、係合部材１４に形成された凹凸１４ａ，１４ｂが、循環ベルト４２に形成された凹凸４２ａ，４２ｂに係合する。

　また、基台９の側壁９ｂには、循環ベルト４２を循環させる循環機構としてのサーボモータ４３が設けられる。サーボモータ４３の回転軸４３ａは側壁９ｂから突出し、回転軸４３ａに駆動プーリ４５が取付けられる。駆動プーリ４５は四つの従動プーリ４４と同一面上に設けられ、駆動プーリ４５の近傍には、駆動プーリ４５に循環ベルト４２を掛け回すように循環ベルト４２を転向させる一対の転向プーリ４６が側壁９ｂに枢支される。

　図示しないコントローラからの指令によりサーボモータ４３が駆動すると、回転軸４３ａが駆動プーリ４５とともに回転し、駆動プーリ４５に掛け回された循環ベルト４２が四つの従動プーリ４４を包囲した状態で循環する。

　パレット１１が直線レール２１に搭載されてパレット１１における凹凸１４ａ，１４ｂが循環ベルト４２の凹凸４２ａ，４２ｂに係合すると、循環ベルト４２と独立したパレット１１のＸ軸方向の移動は拘束される。このため、サーボモータ４３を駆動して、パレット１１が係合した循環ベルト４２を循環させると、パレット１１が循環ベルト４２とともに移動する。これにより、循環ベルト４２が沿う一対の直線レール２１，３１に沿ってそのパレット１１は搬送される。

　ここで、図２において、符号４７により示される部材は、従動プーリ４４間の循環ベルト４２が弛むことを防止して係合部材１４から循環ベルト４２が離間することを防止する支持材４７である。符号４８により示される部材は、支持材４７を側壁９ｂに取付けるための取付具４８である。

　図１に示すように、パレット搬送装置１０は、一対の直線レール２１，３１の両端部を連結するように湾曲して設けられた一対の曲線レール６１，７１を備える。一対の曲線レール６１，７１は、パレット１１を移動可能に搭載する。一対の曲線レール６１，７１は、一対の直線レール２１，３１である市販の直線運動ガイドレールと共に市販されている。このため、一対の曲線レール６１，７１は、それぞれの断面形状において一対の直線レール２１，３１と同一形状を有し、一対の直線レール２１，３１の両端部を連結するように、基台９における天板９ｂに直接固定される。

　一対の曲線レール６１，７１は、半円状を成して一対の直線レール２１，３１の端部を連結する。そのため、曲線レール６１，７１を一対の直線レール２１，３１の両側にそれぞれ設けることにより、一対の直線レール２１，３１と一対の曲線レール６１，７１は全体としてトラック状に配置される。

　このため、いずれか一方の直線レール２１，３１に搭載されて搬送されたパレット１１は、その端部から曲線レール６１，７１に移動して搭載され、その曲線レール６１，７１を移動して他方の直線レール３１，２１にまで搬送される。よって、パレット搬送装置１０は、トラック状の軌跡でパレット１１を搬送することができる。

　そして、パレット搬送装置１０には、一対の曲線レール６１，７１に搭載されたパレット１１を一対の曲線レール６１，７１に沿って搬送するパレット曲線送り部８１，９１が設けられる。

　具体的に、パレット搬送装置１０は、一方の曲線レール６１に搭載されたパレット１１を一方の曲線レール６１に沿って搬送する第一パレット曲線送り部８１と、他方の曲線レール７１に搭載されたパレット１１を他方の曲線レール７１に沿って搬送する第二パレット曲線送り部９１を備える。

　第一パレット曲線送り部８１及び第二パレット曲線送り部９１は同一構造であるで、以下に第一パレット曲線送り部８１を代表して説明する。

　パレット曲線送り部８１は、先端に係止部材８２が設けられたアーム８３と、アーム８３の基端を中心にアーム８３を水平面内で回転させるアクチュエータ８４とを備える。

　本実施形態では、図１に一点鎖線で示すように、アクチュエータ８４は、所定の間隔を開けて設けられた一対の直線レール２１，３１の中間線ｍと、一対の直線レール２１，３１の端面を繋ぐ線ｎと、の交点に配置される。

　図６に示すように、アクチュエータ８４は、円柱状の本体部８４ａの上面略中央部分から上方に突出する回転ロッド８４ｂを有するサーボモータである。サーボモータは、電気により回転ロッド８４ｂを鉛直方向に沿う回転軸Ｏを中心に回転させる。

　アクチュエータ８４は、一対の直線レール２１，３１の中間線ｍ（図１）と、一対の直線レール２１，３１の端面を繋ぐ線ｎ（図１）との交点上に、回転ロッド８４ｂを上方に向けて設けられる。そして、アクチュエータ８４の回転ロッド８４ｂにはアーム８３の基端が取付けられる。

　図１に示すように、本実施形態では、３本のアーム８３が水平面内において１２０度毎に放射状に設けられる。アクチュエータ８４は、回転ロッド８４ｂを回転可能であって、その回転速度を変化可能である。回転ロッド８４ｂの回転により、３本のアーム８３はその基端における鉛直方向に沿う回転軸Ｏを中心に水平面内において回転する。このため、アーム８３の先端は一方の曲線レール６１に沿って移動する。

　アーム８３の先端にはそれぞれ係止部材８２が設けられる。係止部材８２は、アーム８３の先端に設けられたカムフォロアである。係止部材８２は、ロッド８５（図６）を介して、アーム８３の先端にそのアーム８３の長手方向に移動可能に設けられる。

　具体的に、図７に示すように、アーム８３の先端には直線運動ブロック８３ａがロッド８５を挟むように一対設けられ、直線運動ブロック８３ａに対して移動可能なレール８３ｂがロッド８５の両側に設けられる。これにより、アーム８３の先端には、アーム８３の長手方向にロッド８５が移動可能に設けられる。

　図６に示すように、ロッド８５の先端には係止部材８２であるカムフォロアが設けられる。アーム８３には、ロッド８５をアーム８３の先端から基端側に没入させる方向にロッド８５を付勢するコイルスプリング８６が設けられる。基台９の天板９ａには、このコイルスプリング８６の付勢力に抗してロッド８５をアーム８３の先端から突出させる環状板カム８７が設けられる。

　図１に示すように、環状板カム８７は、ドーナツ状に形成され、アクチュエータ８４を包囲するように天板９ａに取付けられる。図６に示すように、環状板カム８７の内周に接触するカムフォロア８５ａがロッド８５に設けられる。

　図８～図１４に示すように、環状板カム８７には、小径部８７ａと大径部８７ｂとが形成される。小径部８７ａと大径部８７ｂの内周にはカムフォロア８５ａが接触する。小径部８７ａは、アーム８３の先端が曲線レール６１，７１に臨むときに、コイルスプリング８６（図６）の付勢力に抗してアーム８３の先端にロッド８５を没入させる。大径部８７ｂは、アーム８３の先端が曲線レール６１，７１に対向しないときに、そのアーム８３の先端からロッド８５を突出させる。

　そして、この環状カム８７には、直線レール２１，３１の端部に対応する位置において、大径部８７ｂと小径部８７ａを連続させる変径部８７ｃが形成される。

　曲線レール６１に対向しないアーム８３（図８参照）の先端が、アーム８３の回転に伴って直線レール２１の端部に接近すると、図９に示すように、大径部８７ｂに接触していたカムフォロア８５ａが変径部８７ｃに接触する。突出したロッド８５は、変径部８７ｃによりアーム８３の先端に徐々に没入され、図１０に示すように、ロッド８５に設けられた係止部材８２は、直線レール２１の端部と平行に移動する。アーム８３の先端が曲線レール６１に臨むようになったところで、カムフォロア８５ａが変径部８７ｃから小径部８７ａに移って接触し、これによりロッド８５の没入が完了する。

　アーム８３が更に回転して、小径部８７ａにカムフォロア８５ａが接触してロッド８５が没入したアーム８３（図１１参照）の先端が、図１２に示すように、曲線レール６１から直線レール２１の端部に達すると、小径部８７ａに接触していたカムフォロア８５ａが変径部８７ｃに接触する。図１３に示すように、アーム８３に没入されたロッド８５は、徐々に突出し、ロッド８５に設けられた係止部材８２は直線レール２１の端部と平行に移動する。係止部材８２が大径部８７ｂに達した段階でロッド８５の突出は完了し、係止部材８２は直線レール２１から離間する。

　図６に示すように、パレット１１には、係止部材８２に係止可能な受け部材８８が設けられる。図４に示すように、本実施形態における受け部材８８は、係止部材８２が進入可能な切欠き８８ａが先端に形成された棒状物である。そして、受け部材８８は、パレット１１に出没可能に設けられる。

　具体的に、図３及び図６に示すように、パレット１１における一対の直線運動ブロック１２，１２の間には、直線運動ブロック１２，１２が搭載されるレールに直交し且つ水平に、別の直線運動ブロック１３ａが設けられる。直線運動ブロック１３ａに対して移動可能なレール１３ｂが受け部材８８に設けられる。

　これにより、パレット１１には、パレット１１が搭載されるレールに直交する方向に水平に移動可能に受け部材８８が設けられる。図４に示すように、受け部材８８の一部分は、運動ブロック１２，１２が設けられた側の台座１３の側面から突出し、この部分に係止部材８２（図６）が進入可能な切欠き８８ａが形成される。

　図３に示すように、受け部材８８と台座１３とに渡ってコイルスプリング８９が設けられる。コイルスプリング８９は、受け部材８８における切欠き８８ａを台座１３の側面から台座１３の下部に没入させる方向に受け部材８８を付勢する、図６に示すように、基台９の天板９ａには、コイルスプリング８９の付勢力に抗して切欠き８８ａを台座１３の側面から突出させるＵ字状板カム９０が設けられる。

　Ｕ字状板カム９０は、基台９の天板９ａに設けられた環状板カム８７にボス９０ｄを介して重なるように設けられる。棒状を成す受け部材８８には、Ｕ字状板カム９０の内周に接触するカムフォロア８８ｂが設けられる。

　図１に示すように、Ｕ字状板カム９０は、曲線レール６１，７１に沿う半円部９０ａと、その両端から直線レール２１，３１に平行な直線部９０ｂが設けられ、それらによりＵ字状を成すように形成される。

　図６に示すように、Ｕ字状板カム９０は、曲線レール６１にパレット１１が搭載されたときに、Ｕ字状板カム９０における半円部９０ａの内側にカムフォロア８８ｂが当接するように設けられる。Ｕ字状板カム９０は、半円部９０ａとカムフォロア８８ｂとの当接によって、コイルスプリング８９の付勢力に抗して切欠き８８ａを台座１３の側面から突出させる。

　一方、図３に示すように、直線レール２１の中間部にパレット１１が搭載されていると、カムフォロア８８ｂにＵ字状板カム９０が接触することはない。そのため、コイルスプリング８９の付勢力により受け部材８８は移動し、受け部材８８の先端における切欠き８８ａは台座１３の側面から台座１３の下部に没入する。なお、直線レール２１の中間部とは、直線レール２１における直線部９０ｂが沿う両端部を除く部分である。

　図１に示すように、半円部９０ａの両側から突出した直線部９０ｂの先端縁９０ｃは傾斜して形成される。図９に示すように、直線レール２１を移動するパレット１１が直線レール２１の端部に達すると、パレット１１に設けられた受け部材８８におけるカムフォロア８８ｂが直線部９０ｂの傾斜した先端縁９０ｃに接触する。更にパレット１１が移動すると、図６及び図１０に示すように、その傾斜に沿って切欠き８８ａが台座１３の側面から突出し、直線レール２１の端部と平行に移動する係止部材８２がこの切欠き８８ａに進入する。

　図１０に示すように、アーム８３の先端に設けられた係止部材８２が切欠き８８ａに進入すると、アーム８３の回転と別に独立したパレット１１の移動は不能となる。そのため、アーム８３が回転すると、パレット１１は、直線レール２１から曲線レール６１に移動して搭載され、曲線レール６１に沿って半円状に移動する。

　図１２に示すように、半円状に移動したパレット１１が直線レール３１に達すると、パレット１１に設けられた受け部材８８におけるカムフォロア８８ｂがＵ字状板カム９０の半円部９０ａから直線部９０ｂに移動する。係止部材８２は直線レール３１と平行に移動するので、パレット１１は、係止部材８２が切欠き８８ａに進入した状態で進行する。直線部９０ｂの先端縁９０ｃに係止部材８２が達した後、切欠き８８ａが台座１３の下部に没入し、係止部材８２が切欠き８８ａから離脱する。

　次に、パレット搬送装置１０を用いたパレット搬送方法を説明する。

　パレット搬送装置１０を用いてパレット１１を搬送する方法は、パレット１１を一方の直線レール２１に沿って搬送する第一パレット搬送工程と、一方の直線レール２１の端部に達したパレット１１を他方の直線レール３１に移動させる第一パレット移動工程と、パレット１１を他方の直線レール３１に沿って搬送する第二パレット搬送工程と、他方の直線レール３１の端部に達したパレット１１を一方の直線レール２１に移動させる第二パレット移動工程と、を有する。

　本実施形態では、図１における上面視において、パレット１１が反時計回りの軌道に循環するものとして、以下に各工程を説明する。

　＜第一パレット搬送工程＞
　この工程では、一方の直線レール２１に搭載されたパレット１１を搬送する。

　本実施形態におけるパレット１１には、所定の加工が行われるワークが搭載される。ワークは、一方の直線レール２１に搭載されたパレット１１に搭載される。本実施形態におけるパレット１１は、ワークを搭載する搭載具１７（図３）を備えており、ワークは搭載具１７を介してパレット１１に搭載される。

　図２に示すように、パレット１１を一方の直線レール２１に搭載すると、パレット１１に設けられた凹凸１４ａ，１４ｂは、一方の直線レール２１に沿って設けられた循環ベルト４２の凹凸４２ａ，４２ｂに係合する。このため、駆動機構であるサーボモータ４３を駆動して循環ベルト４２を循環させることにより、一方の直線レール２１に沿ってそれらのパレット１１を搬送することが可能になる。

　この搬送は、パレット１１が一方の直線レール２１に沿って設けられた各工作機１，２（図１）に対峙するまで行われる。パレット１１が各工作機１，２に対峙したところで、サーボモータ４３ａを停止させる。この状態で、パレット１１に搭載されたワークに、それらの各工作機１，２において加工を施す。このとき、各工作機１，２のピッチＰと同一のピッチで複数のパレット１１を搬送させることにより、複数の工作機１，２による加工を同時に行うことが可能となる。

　＜第一パレット移動工程＞
　この工程では、一方の直線レール２１の端部に達したパレット１１を他方の直線レール３１に移動させる。この移動は、一対の直線レール２１，３１の一方の端部に設けられた第一パレット曲線送り部８１により行われる。

　本実施形態では、第一パレット直線送り部４１が循環ベルト４２を備えている。そのため、前述の第一パレット搬送工程において、一方の直線レール２１に沿って移動するパレット１１が一方の直線レール２１の端部に達すると、循環ベルト４２からパレット１１における係合部材１４が離脱する。このため、パレット１１が一方の直線レール２１の端部にまで至ると循環ベルト４２とパレット１１との係合は解消される。

　図８に示すように一方の直線レール２１をパレット１１が移動すると、図９に示すように、パレット１１に設けられた受け部材８８におけるカムフォロア８８ｂ（図６参照）がＵ字状カム板９０の直線部９０ｂの傾斜した先端縁９０ｃに接触する。パレット１１が直線レール２１の端部に達すると、図１０の破線矢印で示すように、その傾斜に沿って受け部材８８における切欠き８８ａが台座１３の側面から突出する。

　また、アクチュエータ８４は、循環ベルト４２の循環と同期してアーム８３を回転させる。直線レール２１の端部にパレット１１が達するときに、アーム８３の先端に設けられた係止部材８２は、パレットにおける受け部材８８の台座１３の側面から突出する切欠き８８ａに進入する。これにより、アーム８３の回転と別に独立したパレット１１の移動が不能となる。

　円環状カム８７は、アーム８３の先端に設けられた係止部材８２を、直線レール２１の端部と平行に移動させるように形成されている。そのため、循環ベルト４２とパレット１１との係合が解消される以前に、パレット１１における受け部材８８に係止部材８２を係止させることができる。したがって、パレット１１が、循環ベルト４２と係合せず、アーム８３にも係止されていないような状態を防ぐことができる。

　第一パレット移動工程では、アーム８３を回転させて、アーム８３の先端における係止部材８２を切欠き８８ａに進入させて係止し、パレット１１を直線レール２１から曲線レール６１に移動させて搭載する。パレット１１には、所定の間隔を開けて一対の直線運動ブロック１２，１２が設けられている。そのため、曲線レール６１をパレット１１が移動する際には、一対の直線運動ブロック１２，１２は、曲線レール６１に沿っていなければならない。

　本実施形態では、一対の直線運動ブロック１２，１２は、それぞれボス１５を介して台座１３に僅かに回転可能に取付けられている。そのため、曲線レール６１にパレット１１が移動すると、一対の直線運動ブロック１２，１２は、僅かに回転して曲線レール６１に沿い、パレット１１が曲線レール６１に移動する際の障害となるようなことはない。

　パレット１１が曲線レール６１に移動した後に、更にアーム８３を回転させることにより、アーム８３の先端に係止されたパレット１１は、曲線レール６１に沿って半円状に移動する。

　曲線レール６１は、一対の直線レール２１，３１の両端部を連結するように基台９の天板９ａに直接固定されており、従来のように、パレット１１を搭載した状態で移動する構造ではない。このため、この曲線レール６１に搭載されて移動するパレット１１は安定する。曲線レール６１に搭載されたパレット１１の移動を停止させることにより、パレット１１におけるワークを加工することが可能になる。

　図６に示すように、本実施形態におけるパレット１１には、係合部材１４に隣接して支持部材１９が取付けられているので、図１１に示す状態でワークを加工する際には、支持装置８の突出軸８ａを突出させて支持部材１９の凹部１９ａに進入させることが好ましい。これにより、パレット１１の移動を拘束した状態で、パレット１１に搭載された図示しないワークを加工することができる。

　図１２に示すように、ワークの加工後又は加工をすることなくパレット１１を他方の直線レール３１にまで移動させると、次に、パレット１１を曲線レール６１から他方の直線レール３１に移動させる。その際には、パレット１１の係合部材１４の凹凸１４ａ，１４ｂと他方の直線レール３１に沿う循環ベルト４２の凹凸４２ａ，４２ｂとが確実に係合するように、予め設定されたプログラムによりサーボモータ４３による循環ベルト４２の循環速度及びアクチュエータ８４によるアーム８３の回転角度を制御してパレット１１を移動させる。

　パレット１１が曲線レール６１に沿って半円状に移動し他方の直線レール３１に達すると、パレット１１に設けられた受け部材８８におけるカムフォロア８８ｂがＵ字状板カム９０の半円部９０ａから直線部９０ｂに移動する。図１３に示すように、直線レール３１と平行に移動する係止部材８２が切欠き８８ａに進入した状態でパレット１１は他方の直線レール３１の端部において進行する。直線部９０ｂの先端縁９０ｃに係止部材８２が達すると、切欠き８８ａが破線矢印で示すように台座１３の下部に没入し、係止部材８２が切欠き８８ａから離脱する。これにより、アーム８３とパレット１１の係止状態は解消される。

　図１４に示すように、パレット１１が曲線レール６１から他方の直線レール３１に移動すると、パレット１１の係合部材１４の凹凸１４ａ，１４ｂと他方の直線レール３１に沿う循環ベルト４２の凹凸４２ａ，４２ｂとは係合する。そのため、アーム８３とパレット１１の係止状態が解消された段階で、循環ベルト４２と別に独立したパレット１１の移動は不能となる。

　このようにして、そのパレット１１を一方の直線レール２１の端部から他方の直線レール３１に移動させる。

　＜第二パレット搬送工程＞
　この工程では、他方の直線レール３１に搭載されたパレット１１を搬送する。他方の直線レール３１にパレット１１が搭載されると、パレット１１における係合部材１４は、他方の直線レール３１に沿う循環ベルト４２に係合する。循環ベルト４２を循環させることにより、パレット１１を他方の直線レール３１に沿って搬送することができる。

　他方の直線レール３１に沿った搬送は、パレット１１が他方の直線レール３１に沿って設けられた各工作機３，４に対峙するまで行われる。パレット１１が各工作機３，４に対峙したところで、サーボモータ４３を停止させる。この状態で、パレット１１に搭載されたワークに、それらの各工作機３，４において加工を施す。

　曲線レール６１にパレット１１が搭載されているとき、パレット１１は循環ベルト４２に係合していない。このため、アーム８３の回転と別に循環ベルト４２を循環させると、循環ベルト４２に係合するパレット１１は他方の直線レール３１を搬送される。したがって、曲線レール６１に搭載されたパレット１１を移動させること無く、循環ベルト４２に係合して他方の直線レール３１に搭載されたパレット１１を移動させることができる。

　また、循環ベルト４２に係合するパレット１１と、曲線レール６１に搭載されたパレット１１と、の間が所定のピッチになったときに、アーム８３を回転させて、曲線レール６１から直線レール３１にパレット１１を移動させて循環ベルト４２に係合させる。これにより、複数のパレット１１を所定のピッチで他方の直線レール３１上を搬送させることができる。

　このようにして、各工作機３，４（図１）のピッチＰと同一のピッチで複数のパレット１１を搬送させるようにすれば、複数の工作機３，４による加工を同時に行うことが可能となる。

　＜第二パレット移動工程＞
　この工程では、他方の直線レール３１の端部に達したパレット１１を一方の直線レール２１に移動させる。この移動は一対の直線レール２１，３１の他方の端部に設けられた第二パレット曲線送り部９１により行われる。その具体的な移動の手順は、先の第一パレット移動工程と同一であるので、繰り返しての説明を省略する。

　このように、上述した各工程が１回行われることにより、各パレット１１をそれぞれ１個分づつ反時計方向にトラック形の軌道で搬送することができる。

　そして、このような各工程が１回行われる毎に、パレット搬送装置１０の動作を停止した状態で、各工作機１～４を作動させ、各パレット１１に搭載された各ワークに対して加工が並行して行われる。各工作機１～４の作動時に、いずれかのパレット１１に対してワークの搬入及び搬出が行われる。

　このように、本実施形態に係るパレット搬送装置１０及びパレット搬送方法では、一対の直線レール２１，３１の両端部を一対の曲線レール６１，７１で連結し、一方の直線レール２１，３１から曲線レール６１，７１に移動したパレット１１をパレット曲線送り部８１，９１により曲線レール６１，７１に沿って他方の直線レール３１，２１の端部にまで搬送する。曲線レール６１，７１は、一対の直線レール２１，３１の両端部を連結するように設けられ、従来のように、パレット１１を搭載した状態で移動させる構造ではない。

　このため、曲線レール６１，７１に搭載されたパレット１１が安定する。曲線レール６１，７１に搭載されたパレット１１の移動を停止させることにより、パレット１１におけるワークを加工することが可能になる。よって、本実施形態では、一方の直線レール２１，３１から他方の直線レール１３，２１にまで移動する間のパレット１１に載せられたワークであっても加工し得る。

　また、本実施形態に係るパレット搬送装置１０では、パレット１１に係止する係止部材８２がアーム８３の先端から出没可能に設けられる。そして、直線レール２１，３１の端部において係止部材８２をパレット１１に係止させ、その後、係止部材８２を直線レール２１，３１と平行に移動させる。そのため、直線レール２１，３１の端部において、パレット１１が、パレット直線送り部４１，５１及びパレット曲線送り部８１，９１のいずれにも係止していないような状態を防止することができる。

　よって、直線レール２１，３１を移動したパレット１１を直線レール２１，３１の端部において係止部材８２に係止した後にアーム８３を回転させることにより、曲線レール６１，７１に確実に移動させることができる。また、曲線レール６１，７１を移動したパレット１１を確実に直線レール２１，３１にまで移動させることが可能となる。

　曲線レール６１，７１にパレット１１を搭載して移動させるので、一方の直線レール２１の端部から他方の直線レール３１の端部にまで、パレット１１を確実に半円状に移動させることができる。これにより、パレット１１をトラック形の軌道において確実に循環させることが可能になる。よって、パレット１１におけるワークが搭載される側を常に外側に向けることが可能となり、ワークを加工する工作機１～４の配置の自由度を向上させることができる。

　また、本実施形態に係るパレット搬送装置１０では、係止部材８２に係止する受け部材８８がパレット１１に出没可能に設けられる。そのため、直線レール２１，３１に搭載されたパレット１１に受け部材８８を没入させることができ、直線レール２１，３１に搭載されて移動するパレット１１から受け部材８８が突出することによる不具合を解消させることができる。

　なお、上述した実施形態では、パレット直線送り部４１，５１は、循環ベルト４２と、この循環ベルト４２を循環させる循環機構４３とを備えるが、パレット直線送り部４１，５１はこれに限られない。パレット１１を直線レール２１，３１に沿って搬送しうる限り、パレット直線送り部４１，５１は、別の構成であってもよい。

　また、上述した実施形態では、パレット１１が反時計回り方向の軌道に循環する場合を説明したが、反時計回り方向に限らず、各パレット１１を時計回り方向に搬送することも可能である。

　また、上述した実施形態では、搭載板１６の一方の側部にワークを搭載する搭載具１７が設けられる。けれども、図示しないが、搭載板１６に貫通孔を形成し、その貫通孔に搭載具を設け、この貫通孔を介してワークを搭載板１６に貫通して搭載するようにしてもよい。

　また、上述した実施形態では、アーム８３を回転させるアクチュエータ８４として、電気により駆動するサーボモータが用いられている。けれども、アーム８３を水平面内において回転させ得る限り、アクチュエータ８４として、本体部８４ａに給排される流体圧により回転ロッド８４ｂを回転させる機器が用いられてもよい。

　また、上述した実施形態では、パレット曲線送り部８１，９１は、放射状を成してそれぞれ設けられる３本のアーム８３を備え、複数のパレット１１を同時に移動可能とし得る。けれども、パレット１１を曲線レール６１，７１に沿って搬送しうる限り、アーム８３の数は、１本であっても、２本であってもよく、４本以上であってもよい。

　更に、図１に示す例では、本実施形態のパレット搬送装置１０の両側に４台の工作機１～４が設けられる。けれども、これは一例であって、この工作機１～４の台数は、加工を必要とするワークにより異なり、パレット１１の台数は、その工作機１～４の台数に応じて適宜に増減されてもよい。

　以下、本実施形態をまとめて説明する。

　パレット搬送装置は、水平方向に所定の間隔を開けて互いに平行に設けられパレットを移動可能に搭載する一対の直線レールと、直線レールに搭載されたパレットを直線レールに沿って搬送するパレット直線送り部と、一対の直線レールの両端部を連結するように湾曲して設けられパレットを移動可能に搭載する一対の曲線レールと、曲線レールに搭載されたパレットを曲線レールに沿って搬送するパレット曲線送り部とを備える。

　曲線レールは、半円状を成して形成されてもよい。この場合、パレット曲線送り部は、パレットに係止可能な係止部材が先端に設けられたアームと、アームの基端を回転中心としてアームを回転させるアクチュエータとを備えることが好ましい。アームが複数放射状を成して設けられていてもよい。

　また、係止部材は、アームの先端にアームの長手方向に移動可能に設けられてもよい。係止部材に係止可能な受け部材がパレットに設けられる場合、受け部材はパレットに出没可能に設けられてもよい。

　また、パレット搬送方法は、所定の間隔を開けて互いに平行な２本の直線レールのいずれか一方の直線レールを移動するパレットを、一方の直線レールの端部から他方の直線レールの端部にまで案内する。

　そして、一対の直線レールの両端部を一対の曲線レールで連結し、一方の直線レールから曲線レールに移動したパレットを曲線レールに沿って他方の直線レールの端部にまで搬送する。

　曲線レールは、半円状を成して形成されてもよい。この場合、一方の直線レールから曲線レールに移動したパレットにアームの先端を係止させ、基端を中心にアームを回転させて先端が係止したパレットを曲線レールに沿って搬送することが好ましい。

　本実施形態のパレット搬送装置及びパレット搬送方法では、一対の直線レールの両端部が一対の曲線レールで連結され、一方の直線レールから曲線レールに移動したパレットは、パレット曲線送り部により曲線レールに沿って他方の直線レールの端部にまで搬送される。この曲線レールは、一対の直線レールの両端部を連結するように設けられ、従来のように、パレットを搭載した状態で移動する構造ではない。

　このため、曲線レールに搭載されたパレットは安定する。曲線レールに搭載されたパレットの移動を停止させることにより、パレットにおけるワークを加工することが可能になる。よって、本実施形態に係るパレット搬送装置及びパレット搬送方法は、一方の直線レールから他方の直線レールにまで移動する間のパレットに載せられたワークであっても加工し得る。

　以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。

　本願は２０１７年１月１７日に日本国特許庁に出願された特願２０１７－５７２４に基づく優先権を主張し、この出願の全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。

Claims

　水平方向に所定の間隔を開けて互いに平行に設けられパレットを移動可能に搭載する一対の直線レールと、
　前記直線レールに搭載された前記パレットを前記直線レールに沿って搬送するパレット直線送り部と、
　前記一対の直線レールの両端部を連結するように湾曲して設けられ前記パレットを移動可能に搭載する一対の曲線レールと、
　前記曲線レールに搭載された前記パレットを前記曲線レールに沿って搬送するパレット曲線送り部と、を備えた
パレット搬送装置。
　請求項１に記載のパレット搬送装置であって、
　前記曲線レールは、半円状を成して形成され、
　前記パレット曲線送り部は、前記パレットに係止可能な係止部材が先端に設けられたアームと、前記アームの基端を回転中心として前記アームを回転させるアクチュエータと、を備えた
パレット搬送装置。
　請求項２に記載のパレット搬送装置であって、
　前記アームが複数放射状を成して設けられた
パレット搬送装置。
　請求項２に記載のパレット搬送装置であって、
　前記係止部材が前記アームの先端に前記アームの長手方向に移動可能に設けられた
パレット搬送装置。
　請求項４に記載のパレット搬送装置であって、
　前記パレットには、前記係止部材に係止可能な受け部材が出没可能に設けられた
パレット搬送装置。
　所定の間隔を開けて互いに平行な２本の直線レールのいずれか一方の直線レールを移動するパレットを、前記一方の直線レールの端部から他方の直線レールの端部にまで案内するパレット搬送方法であって、
　前記一対の直線レールの両端部を一対の曲線レールで連結し、
　前記一方の直線レールから前記曲線レールに移動した前記パレットを前記曲線レールに沿って前記他方の直線レールの端部にまで搬送する
パレット搬送方法。
　請求項６に記載のパレット搬送方法であって、
　前記曲線レールは、半円状を成して形成され、
　前記一方の直線レールから前記曲線レールに移動した前記パレットにアームの先端を係止させ、
　基端を中心に前記アームを回転させて、先端が係止した前記パレットを前記曲線レールに沿って搬送する
パレット搬送方法。