WO2017085979A1

WO2017085979A1 - 内視鏡先端アダプタ

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Publication number: WO2017085979A1
Application number: PCT/JP2016/075222
Authority: WO
Inventors: 永水　裕之; 大町　健二; 一斐神宮
Original assignee: オリンパス株式会社
Priority date: 2015-11-19
Filing date: 2016-08-29
Publication date: 2017-05-26
Also published as: CN206934080U

Abstract

内視鏡先端アダプタ１は、観察光学系２０を備えた内視鏡１０の先端部１１に外嵌配置される筒状の枠部材２と、枠部材２に設けられる、光が入射する第１面３ａ及び光を出射する第１面３ａの反対面である第２面３ｂを有する予め定めた屈折率のレンズ部材３と、を有し、レンズ部材３の屈折率は、液体の屈折率以上であって、レンズ部材３の第１面３ａは液中における撮影可能な画角を形成する光線を内視鏡１０の観察光学系２０に導く形状を有し、レンズ部材３の第２面３ｂは、観察光学系２０の先端レンズ３１ａの表面に密着可能に形成されている。

Description

内視鏡先端アダプタ

　本発明は、液体中で観察する液中内視鏡を気中で観察可能にする内視鏡先端アダプタに関する。

　近年、内視鏡は、医療分野及び工業用分野等において利用されている。

　内視鏡には、挿入部の先端部にＣＣＤ、ＣＭＯＳなどのイメージセンサ等を備えた撮像装置を内蔵した、いわゆる電子式の内視鏡（以下、内視鏡と記載）がある。

　この内視鏡では、照明光で照らされた被写体の光学像を撮像装置に設けられた例えばＣＣＤの撮像面に結像させて内視鏡画像を得る。

　内視鏡には、気中観察用内視鏡（以下、気中内視鏡と略記する）と、液中観察用内視鏡（以下、液中内視鏡と略記する）と、がある。

　気中内視鏡は、主に空気中など気体中にある被写体の内視鏡画像を得る内視鏡であって、例えば、胃用、十二指腸用、気管支用、大腸用の内視鏡等がある。これに対して、液中内視鏡は、主に水中などに浸漬されて液体中の被写体の内視鏡画像を得る内視鏡であって、例えば、膀胱用、工業用の内視鏡等がある。

　そして、特開２００７－２４４６７９号公報には、膀胱内を観察可能な内視鏡装置が示され、特許５３７９５４５号公報には原子炉内の水中に浸漬させて、炉心近傍のパイプ検査等に使用される内視鏡が示されている。

　しかしながら、液体である例えば水の屈折率と、気体である例えば空気の屈折率とは異なる。このため、図１に示すように液中内視鏡の撮像素子が備える例えば矩形形状の受光エリアＬａ上に結像するイメージサークルの径の大きさが液中観察時と気中観察時とで変化する。

　具体的に、液中内視鏡の気中観察時における破線に示す第１のイメージサークルの半径Ｒ１は、液中観察時における二点鎖線に示す第２のイメージサークルの半径Ｒ２より小さくなる。

　このため、液中観察時においては、液中内視鏡の受光エリアＬａ全面に光が当たるのに対し、気中観察時においては該受光エリアＬａの周辺部に光が当たらない領域（図中のＳａで示す部分）が発生する。この受光エリアＬａ中の光の当たらない領域Ｓａは、観察装置の表示画面上に表示される内視鏡画像において真っ暗な部分、いわゆるケラレ部になる。

　したがって、液中で観察することが一般的な内視鏡で気中観察を行った場合、内視鏡画像中にケラレ部が生じることによって、内視鏡画像に違和感を覚える、或いは、内視鏡が故障していると誤認識するおそれがある。

　本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、液中で観察することが一般的な内視鏡の観察環境が液中、或いは、気中に関わらず受光エリアの全面に光を当ててケラレ部の無い内視鏡画像を表示することを可能にする内視鏡先端アダプタを提供することを目的にしている。

　本発明の一態様の内視鏡先端アダプタは、観察光学系を備えた内視鏡の先端部に外嵌配置される筒状の枠部材と、上記枠部材に設けられる、光が入射する第１面及び該光を出射する該第１面の反対面である第２面を有する予め定めた屈折率のレンズ部材と、を有し、上記レンズ部材の屈折率は、液体の屈折率以上であって、上記レンズ部材の第１面は、上記液体中における撮影可能な画角を形成する光線を上記内視鏡の観察光学系に導く形状を有し、上記レンズ部材の第２面は、上記観察光学系の先端光学部材の表面に密着するように形成されている。

液中内視鏡の撮像装置による液中観察時のイメージサークル及び気中観察時のイメージサークルと、撮像装置の受光エリアと、の関係を説明する図内視鏡先端アダプタを説明する図内視鏡先端アダプタの正面図図２Ｂの矢印Ｙ２Ｃ－Ｙ２Ｃ線断面図図２Ｂの矢印Ｙ２Ｄ－Ｙ２Ｄ線断面図内視鏡先端アダプタが装着された内視鏡の図及び、その先端部の拡大図内視鏡先端部の先端面に配置される先端レンズ、照明窓、チャンネル開口を示す図内視鏡先端アダプタの他の構成例を説明する図図４Ａの矢印Ｙ４Ｂ－Ｙ４Ｂ線断面図であって、案内用突起部を有する内視鏡先端アダプタを説明する図内視鏡先端アダプタの別の構成例を説明する斜視図内視鏡先端アダプタの側面図であって、切欠で形成した露呈部を説明する図

　以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。

　なお、以下の説明に用いる各図において、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、構成要素毎に縮尺を異ならせてあるものもある。即ち、本発明は、これらの図に記載された構成要素の数量、構成要素の形状、構成要素の大きさの比率、及び各構成要素の相対的な位置関係のみに限定されるものではない。

　図２Ａ－図３Ｂを参照して本発明の一実施形態を説明する。

　図２Ａ乃至図２Ｄを参照して内視鏡先端アダプタを説明する。

　図２Ａに示す符号１は、内視鏡先端アダプタ１である。図２Ａ、図２Ｂに示すように内視鏡先端アダプタ１は、筒状の枠部材２を有し、枠部材２の先端面２ａにはレンズ部材３が配設されている。また、枠部材２の先端面には第１開口４及び第２開口５が形成されている。

　枠部材２は、樹脂製、或いは、金属製の硬質部材であって、レンズ部材３が枠部材２に形成された穴（不図示）内に接着固定されている。なお、枠部材２が樹脂製のとき、レンズ部材３を一体成形で枠部材２に設けるようにしてもよい。

　図２Ｃ、図２Ｄに示すように枠部材２は、内部空間２Ｓを有する。内部空間２Ｓは、図３Ａに示すように内視鏡１０の先端部１１を配置するための収容部である。そして、枠部材２を内視鏡１０の先端部１１に外嵌配置することによって内視鏡先端アダプタ１が先端部１１に対して装着状態になる。

　図２Ａ、図２Ｂに示す第１開口４は、内部空間２Ｓと外部と連通する第１の貫通孔である。第１開口４は、内視鏡１０の先端面に設けられた照明窓（図３Ｂの符号１４参照）を外部に対して露出させる露呈部である。

　第１開口４の内径は、照明窓１４の外径より予め定めた寸法大径に設定してある。したがって、照明窓１４から出射される照明光は、枠部材２によって遮られること無く第１開口４を通過して外部を照射できるようになっている。

　これに対して、図２Ａ－図２Ｃに示すように第２開口５は、内部空間２Ｓと外部と連通する第２の貫通孔である。第２開口５は、内視鏡１０の先端面に設けられた処置具チャンネル開口（図３Ｂの符号１５参照）を外部に対して露出させる露呈部である。

　第２開口５の内径は、処置具チャンネル開口１５の内径より予め定めた寸法大径である。したがって、処置具チャンネル開口１５から導出された処置具は、第２開口５内をスムーズに通過した後、外部に導出されていくようになっている。

　レンズ部材３は、光が入射する第１面３ａと、第１面３ａの反対面であって該光が出射される第２面３ｂと、を有する。レンズ部材３は、予め定めた屈折率、弾発性を有する透光性樹脂部材によって形成されている。

　具体的に、レンズ部材３は、水と同じ屈折率のフッ素樹脂、或いは、水の屈折率よりも大きなシリコーンゴム、アクリルゴム、エラストマーで形成されている。

　レンズ部材３の外径は、内視鏡１０の先端面に設けられた先端光学部材である先端レンズ（図３Ａの符号３１ａ）の外径より大きく設定されている。

　レンズ部材３の第２面３ｂは、先端レンズ３１ａの表面に密着する密着面である。先端レンズ３１ａの表面は、レンズ部材３が弾性変形することによって空気層が存在しない状態で第２面３ｂに密着して配置されるように形成されている。

　レンズ部材３の第１面３ａは、入射光が略直交して入射する面を複数、連続して設けて凸状に形成した連続面凸面であり、レンズ部材３の第１面３ａの連続する各面に略直角に入射する光線は、各面で屈折されてレンズ部材３中に入射する。そして、レンズ部材３中に入射した光線は、液中、或いは、気中の観察環境に依存せず、液中において撮影可能な画角を形成する光線となって第２面３ｂに密着する先端レンズ３１ａに向かっていくようになっている。

　内視鏡先端アダプタ１が装着される内視鏡１０は、液中で観察することが一般的である膀胱用の内視鏡である。

　図３Ａに示すように内視鏡１０の先端部１１は、外装体である先端硬性部材１２を備えている。先端硬性部材１２には、観察光学系２０を配設するための第１貫通孔１３、照明光学系を配設するための第２貫通孔（不図示）、処置具チャンネルを構成するための第３貫通孔（不図示）が形成されている。

　そして、図３Ｂに示すように先端部１１の先端面１１ａには、先端レンズ３１ａ、照明窓１４、チャンネル開口１５が予め定めた位置に設けられている。

　図３Ａに示すように第１貫通孔１３内には観察光学系２０を構成する撮像装置２１が内蔵されている。撮像装置２１は、対物光学系である光学ユニット２２と、撮像光学系である素子ユニット２３と、を備えている。光学ユニット２２は、例えば、複数の光学レンズ３１、複数の絞り３２、間隔環（不図示）等の光学部材と、これら光学レンズ３１、絞り３２及び間隔環を固設する例えばステンレス製のレンズ枠３３と、を備えて構成されている。

　レンズ枠３３には、先端光学部材である先端レンズ３１ａが接着、或いは、接合によって一体固定されている。先端レンズ３１ａの表面は、内視鏡１０の先端部１１の先端面１１ａより更に先端側に突出している。

　なお、先端レンズ３１ａの表面の形状と、レンズ部材３の第２面３ｂの形状とは同じ形状である。

　一方、素子ユニット２３は、撮像素子４１と、素子枠４２と、回路基板４３と、信号ケーブル４４と、を備えて構成されている。撮像素子４１は、ＣＣＤ、ＣＭＯＳ等である。撮像素子４１の受光面４１ｓには例えばプリズム４４が透明接着剤によって接着固定されている。符号４５、４６はカバーレンズ４５、４６であり、プリズム４４の先端側面に透明接着剤によって接着固定されている。４４ａは、信号ケーブル４４内に挿通する信号線であり、各信号線４４ａは回路基板上の所定部位に電気的に接続されている。

　ここで、内視鏡先端アダプタ１の作用を説明する。

　術者は、液中で観察することが一般的である膀胱用の内視鏡１０を使用するにあたって、内視鏡１０の先端部１１に内視鏡先端アダプタ１を装着する。装着後、術者は、内視鏡先端アダプタ１が先端部１１に装着された内視鏡挿入部を、尿道を介して膀胱に挿入する。

　尿道内移動中及び膀胱内検査中において、図示しない観察装置の画面上には、観察環境が尿道中、或いは、膀胱内、或いは尿中に関わらずケラレ部の無い内視鏡画像が表示される。

　液体を満たした膀胱内には、***の上方に空気溜まりが生じることがある。膀胱観察中に膀胱内の空気溜まりにある部位を観察する際、内視鏡１０の先端部１１が空気溜まり中に入る場合がある。この場合であっても、内視鏡先端アダプタ１が先端部１１に装着されているため、内視鏡先端アダプタ１に設けたレンズ部材３中に入射した光線は、気中においても液中と同様の撮影可能な画角を形成する光線となって第２面３ｂに密着する先端レンズ３１ａに向かっていくことから、図示しない観察装置の画面上には、観察環境が空気中でもケラレ部の無い内視鏡画像が表示される。

　このように、内視鏡先端アダプタ１の枠部材２に、第１面３ａを連続面凸面に形成し第２面３ｂを先端レンズ３１ａの表面と同形状に形成した水と同じ屈折率又は水の屈折率よりも大きな、透光性樹脂部材製のレンズ部材３を設ける。そして、内視鏡先端アダプタ１を液中で観察することが一般的である内視鏡１０の先端部１１に装着してレンズ部材３の第２面３ｂを先端レンズ３１ａの表面に密着配置させる。

　このことによって、観察環境が液中、或いは、気中に関わらず、レンズ部材３の第１面からレンズ部材３内に入射した光線は、液中において撮影可能な画角を形成する光線として第２面３ｂに密着する先端レンズ３１ａ内に入射して撮像素子４１の受光面４１ｓに結像する。したがって、観察環境が液中、或いは、気中に関わらず観察装置の画面上には、ケラレ部の無い内視鏡画像が表示される。

　なお、図４Ａ、図４Ｂに示す内視鏡先端アダプタ１Ａにおいては、内部空間２Ｓ内に突出する符号６に示す案内用突起部が設けてある。案内用突起部６は、内視鏡先端アダプタ１Ａを内視鏡１０の先端部１１に装着する際の案内部であって、チャンネル開口１５内に収容配置される。

　案内用突起部６は、その外径がチャンネル開口１５の内径より予め定めた寸法小径であり、その高さは第３貫通孔内に収容される寸法に設定されている。

　この構成によれば、術者は、内視鏡先端アダプタ１Ａを内視鏡１０の先端部１１に装着する際、まず、枠部材２を先端部１１に外嵌配置させる。その後、術者は、内視鏡先端アダプタ１Ａを先端部１１に押し込んでいく。すると、案内用突起部６の端面が先端面１１ａに当接する。

　ここで、術者は、内視鏡先端アダプタ１Ａを内視鏡１０の長手軸回りに回転させる。そして、案内用突起部６の端部とチャンネル開口１５との位置合わせを行う。位置合わせ後、術者は、案内用突起部６を第３貫通孔内の奥方に向けて挿入していくことによって装着を完了する。

　このように、案内用突起部６を第３貫通孔に挿入していくことによって、術者は、内視鏡先端アダプタ１Ａのレンズ部材３の第２面３ｂを先端部１１の先端レンズ３１ａの表面に確実且つ容易に当接配置させた後、密着配置させることができる。

　また、上述した実施形態においては、露呈部を開口４、５としているが、露呈部は開口に限定されるものでは無く、図５Ａ、図５Ｂに示すように枠部材２Ｂに内部空間２Ｓに通じて照明窓及びチャンネル開口を露出させるための１つの切欠７を形成するようにしてもよい。

　このように、切欠７を設けて内視鏡先端アダプタ１Ｂを構成することによって、容易に内視鏡先端アダプタ１Ｂと内視鏡１０の先端面１１ａとの位置関係を把握しつつ装着作業を行うことができる。

　尚、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。

　本発明によれば、液中で観察することが一般的な内視鏡の観察環境が液中、或いは、気中に関わらず受光エリアの全面に光を当ててケラレ部の無い内視鏡画像を表示することを可能にする内視鏡先端アダプタを実現できる。

　本出願は、２０１５年１１月１９日に日本国に出願された特願２０１５－２２７００２号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲に引用されるものとする。

Claims

　観察光学系を備えた内視鏡の先端部に外嵌配置される筒状の枠部材と、
　上記枠部材に設けられる、光が入射する第１面及び該光を出射する該第１面の反対面である第２面を有する予め定めた屈折率のレンズ部材と、を有し、
　上記レンズ部材の屈折率は、液体の屈折率以上であって、
　上記レンズ部材の第１面は上記液体中における撮影可能な画角を形成する光線を上記内視鏡の観察光学系に導く形状を有し、
　上記レンズ部材の第２面は、上記観察光学系の先端光学部材の表面に密着可能に形成される、
　ことを特徴とする内視鏡先端アダプタ。
　上記レンズ部材は、上記内視鏡が浸漬される上記液体の屈折率よりも高い透光性の樹脂部材である、フッ素樹脂、シリコーンゴム、アクリルゴム、エラストマーの何れか１つである、ことを特徴とする請求項１に記載の内視鏡先端アダプタ。
　上記レンズ部材の第２面と、上記内視鏡の上記先端光学部材の表面と、は同じ形状である、ことを特徴とする請求項１に記載の内視鏡先端アダプタ。
　上記内視鏡は、少なくとも照明窓及びチャンネル開口を有し、
　上記枠部材には、上記照明窓及び上記チャンネル開口を外部に対して露呈させる露呈部を有する、
　ことを特徴とする請求項１に記載の内視鏡先端アダプタ。
　上記枠部材は、上記チャンネル開口内に収容配置される案内用の突起部を有する、ことを特徴とする請求項４に記載の内視鏡先端アダプタ。