WO2015136825A1 - 農業用ハウス - Google Patents

Abstract

　組み立て工数を削減し、強度を向上させることができる農業用ハウスを提供する。複数のフレーム材（１）と被覆材（２）と支持部材（３）とを備える。複数のフレーム材（１）は、植物の育成場（４０）（圃場）の周りに立てられる。被覆材（２）は、育成場（４０）を覆うように複数のフレーム材（１）に取り付けられ、複数のフレーム材（１）とともに屋根（４１）、側壁（４２）、妻壁（４３）を備えるハウス本体（４）を構成する。支持部材（３）は、複数のフレーム材（１）のうち側壁（４２）を構成する複数の第１のフレーム材（１１）それぞれの下端部が取り付けられる複数の第１の取付け部（３１１）を前記側壁（４２）に沿って備え、地中に埋め込まれる。

Description

農業用ハウス

　本発明は、一般に農業用ハウス、より詳細には植物の育成環境を形成する農業用ハウスに関するものである。

　従来、植物の育成環境を形成する農業用ハウスが提供されている（例えば日本国特許出願公開番号２０１０－２５２６９２参照）。この種の農業用ハウスは、地面に立てられた複数のフレーム材に被覆材が取り付けられることでハウス本体が構成されている。

　しかし、一般的に農業用ハウスは、土壌が柔らかい農業用地に建てられるので、地面に挿されているフレーム材が抜けやすい。そのため、ハウス本体の強度が低く、台風などの強風によって上方向の力が加わった際に、フレーム材が地面から抜ける可能性があるという問題があった。

　さらに、設計図通りの位置にフレーム材を立てるためには距離測定などの手間がかかり、また、フレーム材同士の間隔にばらつきが発生するおそれもあった。また、同じ農業用地の中でも土壌の硬さにばらつきがあるため、フレーム材が地面に埋められる深さにばらつきが生じていた。すなわち、同一規格の複数のフレーム材を用いてハウスを形成すると、フレーム材ごとに地面に埋められる深さが異なるため、フレーム材ごとに地面からの高さ（地面からフレーム材の頂部までの距離）が異なってしまう可能性があった。そのため、フレーム材同士を組み合わせる際に、フレーム材の先端の切断などを行い長さ調節する必要があり、組み立て工数が増加するという問題があった。

　本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、組み立て工数を削減し、強度を向上させることができる農業用ハウスを提供することにある。

　本発明の農業用ハウスは、植物の育成場の周りに立てられる複数のフレーム材と、前記育成場を覆うように前記複数のフレーム材に取り付けられ、複数のフレーム材とともに屋根、側壁、妻壁を備えるハウス本体を構成する被覆材と、前記複数のフレーム材のうち前記側壁を構成する複数の第１のフレーム材それぞれの下端部が取り付けられる複数の第１の取付け部を前記側壁に沿って備え、地中に埋め込まれる支持部材とを備えることを特徴とする。

実施形態における農業用ハウスの概略構成図である。 実施形態における支持部材の外観図である。 実施形態における第１の支持枠部材の一部拡大図である。 実施形態における第１の支持枠部材に第１のフレーム材が取り付けられた状態を示す外観図である。 図５Ａ，図５Ｂは、実施形態における支持部材に第１のフレーム材が取り付けられた状態を示す断面図である。 実施形態における第１の支持枠部材が分割された状態を示す外観図である。 実施形態における第２の支持枠部材に第２のフレーム材が取り付けられた状態を示す外観図である。 実施形態における妻壁を構成するフレーム（骨格構造）が組み立てられた状態を示す外観図である。 実施形態における第１のユニットと第２のユニットとが分割された状態を示す外観図である。

　以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。

　（実施形態）
　本実施形態は、植物の育成環境を形成する農業用ハウスであり、複数のフレーム材１と被覆材２と支持部材３とを備える（図１参照）。複数のフレーム材１は、植物の育成場４０（圃場）の周りに立てられる。被覆材２は、育成場４０を覆うように複数のフレーム材１に取り付けられ、複数のフレーム材１とともに屋根４１、側壁４２、妻壁４３を備えるハウス本体４を構成する。支持部材３は、地中に埋め込まれ、側壁４２に沿って設けられている複数の第１の取付け部３１１に、複数のフレーム材１のうち側壁４２を構成する複数の第１のフレーム材１１それぞれの下端部が取り付けられる。

　本実施形態では、側壁４２に沿って設けられた複数の第１の取付け部３１１を備える支持部材３に、第１のフレーム材１１それぞれの下端部が取り付けられる。したがって、複数の第１のフレーム材１１それぞれの位置決めがなされ、組み立て工数を削減することができる。さらに、複数の第１のフレーム材１１は、地中に埋められた支持部材３に取り付けられるので抜けにくくなり、強度を向上させることができるという効果がある。

　以下に、本実施形態の農業用ハウスの構成について説明する。

　図１に示すように、本実施形態の農業用ハウスは、地中に埋められた支持部材３を土台として、支持部材３上にハウス本体４が設けられる。ハウス本体４は、屋根４１、一対の側壁４２、および一対の妻壁４３を備える。ハウス本体４は、複数のフレーム材１と、複数のフレーム材１に取り付けられる被覆材２とで構成される。すなわち、ハウス本体４は、例えば金属製パイプで構成されるフレーム材１を構造材として用いており、複数のフレーム材１の下端部が支持部材３に取り付けられる。そして、支持部材３上に組み立てられた複数のフレーム材１に、例えば合成樹脂フィルムなどの透光性を有する被覆材２が取り付けられることで、屋根４１、側壁４２、妻壁４３を備えるハウス本体４が構成される。具体的には、ハウス本体４は、断面逆Ｕ字状に形成され、断面半円状の屋根４１と、屋根４１を支持し互いに対向する一対の側壁４２と、側壁４２に直交し互いに対向する一対の妻壁４３とを一体に備える。

　ここで、ハウス本体４を構成する複数のフレーム材１のうち、側壁４２および屋根４１を構成するフレーム材を第１のフレーム材（例えばフープ）１１、妻壁４３を構成するフレーム材を第２のフレーム材１２という。第１のフレーム材１１は、円筒状部材で逆Ｕ字状に形成されており、１列に並べて立てられている。第２のフレーム材１２は、強度が高い角筒状部材で形成されており、本実施形態では１つの妻壁４３に４本の第２のフレーム材１２を用いている。そして、第２のフレーム材１２同士は、複数の連結梁１３で連結されることで、妻壁４３の強度を向上させている。

　すなわち、ハウス本体４（屋根４１、側壁４２および妻壁４３）を構成する複数のフレーム材１は、複数の第１のフレーム材１１と、複数の第２のフレーム材１２とを含む。複数の第１のフレーム材１１が、一対の側壁４２および屋根４１の骨格構造を構成するのに用いられる。また複数（図１の例では４本）の第２のフレーム材１２が、一つの妻壁４３の骨格構造を構成するのに用いられる。

　第１のフレーム材１１は、例えば中空円筒状の金属製のパイプから形成される。図１に示すように、第１のフレーム材１１は、逆Ｕ字状に湾曲している。複数の第１のフレーム材１１は、同一の形状を有している。複数の第１のフレーム材１１は、平面視矩形状の農業用ハウスの長手方向（側壁４２の延長方向；後述の支持部材３の第１の支持枠部材３１の長手方向）に沿って、１列に並べて配置される。

　第２のフレーム材１２は、例えば上下方向に長い中空角筒状の金属製部材である。上述のように、本実施形態の農業用ハウスでは、１つの妻壁４３に対して４本の第２のフレーム材１２が用いられる。第２フレーム材１２の上端は、複数の第１のフレーム材１１のうちで農業用ハウスの長手方向の端部に位置する第１のフレーム材１１に、例えばビスやナットなどにより固定される。第２フレーム材１２の下端は、後述の支持部材３の第２の支持枠部材３２上に配置される。１つの妻壁４３を構成する４本の第２のフレーム材１２は、農業用ハウスの短手方向に沿って並んで配置されている。

　また、本実施形態のハウス本体４は、複数の第１のフレーム材１１を連結するための複数の連結梁１７を備える。連結梁１７は、並べて立てられた複数の第１のフレーム材１１と交差するように、農業用ハウスの長手方向に延びている。連結梁１７には、複数の第１のフレーム材１１の中間部分が、適宜の方法によって（例えば固定金具やワイヤーなどによって）連結されている。複数の第１のフレーム材１１を連結梁１７と連結することによって、農業用ハウスの強度を向上させることができる。

　次に、第１のフレーム材１１、第２のフレーム材１２が取り付けられる支持部材３の構造について説明する。図２に示すように、支持部材（支持枠）３は、矩形状の枠で形成されており、長手方向（図２における上下方向）の辺を構成する一対の第１の支持枠部材３１と、短手方向（図２における左右方向）の辺を構成する一対の第２の支持枠部材３２とで構成されている。

　図３、図４、図５Ａ、図５Ｂに示すように、第１の支持枠部材３１は、角筒状部材で形成されており、一つの側面（上面）に第１のフレーム材１１の下端部が取り付けられる第１の取付け部３１１が設けられている。第１の取付け部３１１は、第１の支持枠部材３１の長手方向に沿って所定の間隔で複数設けられている。第１の取付け部３１１は、例えば、第１の支持枠部材３１の長手方向に等間隔に設けられている。第１の取付け部３１１の数および第１の取付け部３１１間の間隔は、農業用ハウスの強度などを考慮して適宜決定される。第１の取付け部３１１は、第１のフレーム材１１の下端部が挿入される孔であり、２つの孔（第１の孔３１２と第２の孔３１３）が連続した形状に形成されている。孔（３１１）は、第１のフレーム材１１の４つの側面のうち、ハウス本体４側の側面（上面）に形成されている。ここで、第１のフレーム材１１は、円筒状部材で形成されており、下端部に押し潰された拡幅部１１２を備える。拡幅部１１２は、幅の寸法Ｌ２が支柱部１１１の径の寸法Ｌ１よりも大きい（図５Ｂ参照）。すなわち、第１のフレーム材１１は、逆Ｕ字状に湾曲し略均一な外径寸法Ｌ１を有する支柱部１１１と、支柱部１１１の両端部（両下端部）に設けられ支柱部１１１の径寸法Ｌ１よりも大きな幅寸法Ｌ２を有する拡幅部１１２と、から構成される。第１の孔３１２は、矩形状の開口で形成されており、拡幅部１１２が挿入可能な開口寸法Ｌ３（＞Ｌ２）となるように設定されている。第２の孔３１３は、円形状の開口で形成されており、開口寸法Ｌ４が拡幅部１１２の幅寸法Ｌ２よりも小さく支柱部１１１の径Ｌ１よりもわずかに大きい寸法に設定されている。そして、第１のフレーム材１１の拡幅部１１２が第１の孔３１２から挿入された後、第２の孔３１３側にスライドして第２の孔３１３に支柱部１１１が嵌められた状態で、第１の孔３１２に楔３１４が挿し込まれることで、第１の孔３１２が埋められる。これにより、第１のフレーム材１１が第２の孔３１３から第１の孔３１２に向かって移動することを規制され、第１のフレーム材１１に上方向の力が加えられても、拡幅部１１２が第２の孔３１３の縁に当たるので、第１のフレーム材１１の抜け止めがなされる。このように、予め設けられた第１の取付け部３１１によって第１のフレーム材１１が取り付けられる位置が決められており、さらに第１の支持枠部材３１は、第１のフレーム材１１の抜け止め機構も備えている。

　なお、第１のフレーム材１１は、第１の支持枠部材３１に取り付けられる前の状態において、両端部間の間隔（両端部に設けられた拡幅部１１２間の間隔）が第２の支持枠部材３２の長さ（農業用ハウスの短手方向の寸法）よりも大きくてもよい。すなわち、第１のフレーム材１１は、一対の第１の支持枠部材３１に取り付けられた状態で、両下端部が互いに離れる方向に付勢されていてもよい。

　言い換えれば、本実施形態では、複数のフレーム材１は、複数の第１のフレーム材１１を含む。複数の第１のフレーム材１１の各々は、逆Ｕ字状に湾曲した円筒状の支柱部１１１と、支柱部１１１の両端部に形成されており支柱部１１１の径の寸法Ｌ１よりも大きな幅寸法Ｌ２を有する拡幅部１１２と、から構成される。支持部材３は、互いに平行に配置される一対の第１の支持枠部材３１を含む。一対の第１の支持枠部材３１の各々には、複数の第１の取付部３１１として、複数の孔（３１１）が設けられている。各孔（３１１）は、矩形状の開口からなる第１の孔３１２と、円形状の開口からなる第２の孔３１３とが連続した形状に形成されている。各孔（３１１）は、第１の孔３１２が農業用ハウスの内側、第２の孔３１３が農業用ハウスの外側に位置するように、第１の支持枠部材３１に設けられている。第１の孔３１２の長辺方向の寸法Ｌ３は、拡幅部１１２の幅寸法Ｌ２よりも大きい。第２の孔３１３の径Ｌ４は、支柱部１１１の径Ｌ１よりも大きく拡幅部１１２の幅寸法Ｌ２よりも小さい。複数の第１のフレーム材１１の各々の両下端部は、その拡幅部１１２が第２の孔３１３の下方に位置するように、一対の第１の支持枠部材３１の孔（３１１）にそれぞれ嵌め込まれる。第１の孔３１２には、楔３１４が挿し込まれる。

　また、図６に示すように、第１の支持枠部材３１は、長手方向に複数分割されており、複数の分割部材３１０が複数の継手３１５によって連結されることで構成されている。分割部材３１０は、側面に上述した第１の取付け部３１１（孔）が形成された角筒状部材であり、継手３１５は、分割部材３１０の内部に嵌まり込む寸法に形成された角筒状部材で形成されている。また、分割部材３１０は、側面の端部に貫通孔３１６が形成されている。そして、継手３１５の側面と貫通孔３１６とが対向するように分割部材３１０の内部に継手３１５が入れられた状態で、貫通孔３１６にネジ３１７が取り付けられる。これにより、ネジ３１７が貫通孔３１６を介して継手３１５の側面を貫通し分割部材３１０と継手３１５とが結合される。そして、継手３１５の両端側に分割部材３１０が結合することで、２つの分割部材３１０が継手３１５を介して連結される。このように、第１の支持枠部材３１は複数に分割された構成であるので、部材の配送が容易となる。

　すなわち、本実施形態では、第１の支持枠部材３１は、複数の分割部材３１０と少なくとも一つの継手３１５とから構成される。分割部材３１０は、例えば、一方向に長い金属製の角筒である。各分割部材３１０には、少なくとも一つの第１の取付部３１１が設けられていてもよい。複数の分割部材３１０の長手方向の寸法は、互いに等しくてもよい。複数の分割部材３１０には、長手方向の同じ位置に、第１の取付け部３１１が設けられていてもよい。分割部材３１０の数は、農業用ハウスの長手方向の寸法などに応じて、適宜決定される。

　また、分割部材３１０は、例えば、第１の取付部３１１が設けられた側面と同一の面に設けられた貫通孔３１６を有する。本実施形態では、貫通孔３１６は、分割部材３１０の長手方向の両端に、２つずつ設けられている。継手３１５は、分割部材３１０よりも短く、分割部材３１０の内部に嵌まり込む寸法の金属製の角筒である。上述のように、２つの分割部材３１０の隣接する開口に、一つの継手３１５の両端をそれぞれ差し込み、各分割部材３１０と継手３１５とをネジ３１７で結合することで、２つの分割部材３１０が継手３１５を介して連結される。

　第２の支持枠部材３２は、角筒状部材で形成されており、一対の第１の支持枠部材３１における長手方向の端部同士を連結する（図２参照）。一対の第１の支持枠部材３１は、互いに対向する側面における長手方向の端部に突起３１８が形成されている。すなわち、第１の支持枠部材３１は、４つの側面のうちで第１の取付け部３１１が設けられた面と直交する一つの面に、突起３１８が形成されている。第２の支持枠部材３２の端部（開口端）が、第１の支持枠部材３１に形成された突起３１８に嵌め込まれることで、第１の支持枠部材３１と第２の支持枠部材３２との位置決めがなされる。また、第２の支持枠部材３２は、一つの側面（上面）に第２のフレーム材１２の下端部が取り付けられる複数の第２の取付け部３２１が、所定位置に設けられている。図７に示すように、第２の取付け部３２１は、第２の支持枠部材３２の側面（上面）から突出した一対の突片３２２で構成されている。突片３２２は、例えば、第２の支持枠部材３２の側面に溶接された矩形状の金属片や、第２の支持枠部材３２の側面に取り付けられたＬ字状の金属片などにより、構成される。そして、第２のフレーム材１２は、一対の突片３２２の間の位置で、下端面が第２の支持枠部材３２の側面（上面）と対向するように立てられることで第２の支持枠部材３２に取り付けられる。なお、第２のフレーム材１２の側面と突片３２２とを、例えばボルトなどを用いて固定する構成であってもよい。また、第１の支持枠部材３１と同様に、第２の支持枠部材３２も複数に分割された構成であってもよい。このように、予め設けられた第２の取付け部３２１によって第２のフレーム材１２が取り付けられる位置が決められている。なお、突起３１８の場合と同様に、突片３２２（第２の取付け部３２１）は、第２のフレーム材１２の下端部（開口端）に嵌め込まれる構成であってもよい。

　ここで、図８、図９に示すように、本実施形態の妻壁４３は、上述した第２のフレーム材１２を有する一対の第１のユニット１４と、一対の第１のユニット同士を連結する第２のユニット１５とを構造材として備えている。本実施形態では、一対の第１のユニット１４は、互いに同一の構造を有している。

　図９に示すように、第１のユニット１４は、２つの第２のフレーム材１２と、横方向に設けられ第２のフレーム材１２同士を連結する複数の連結梁１３と、例えばカーテンを支持するワイヤー、ファン（図示なし）などが取り付けられる補助部材１３０とを備えている。第１のユニット１４は、第２のフレーム材１２と連結梁１３と補助部材１３０とが、例えば工場で固定金具、溶接などで予め固定され一体に構成されており、ユニット化された状態で納入される。第２のユニット１５は、横方向に設けられ横方向に並んだ一対の第１のユニット１４（第２のフレーム材１２）同士を連結する連結梁１３と、補助部材１３０とを備えている。第１のユニット１４と同様に、第２のユニット１５は、連結梁１３と補助部材１３０とが、例えば工場で固定金具、溶接などで予め固定され一体に構成されており、ユニット化された状態で納入される。そして、第１のユニット１４と第２のユニット１５とは、Ｌ字状の固定金具１６を用いて現場で連結される。

　次に、本実施形態の農業用ハウスの設置工程について説明する。

　まず、支持部材３を地中に設置するために、植物の育成場４０の周りの地面に所定の深さ（例えば４０ｃｍ程度）の溝を、支持部材３の外形に合わせて矩形状に設ける。そして、一対の第１の支持枠部材３１と一対の第２の支持枠部材３２とを組み立てて矩形状に形成し、溝の底部に配置する。

　次に、第１のフレーム材１１の下端部を第１の取付け部３１１（孔）に挿入し、第１のフレーム材１１を第１の支持枠部材３１に順次取り付ける。次に、ユニット化された一対の第１のユニット１４と第２のユニット１５とを固定金具１６を用いて連結する。そして、一対の第１のユニット１４と第２のユニット１５とが連結された状態で、第２のフレーム材１２それぞれを第２の支持枠部材３２の第２の取付け部３２１に取り付ける。すなわち、複数の第２のフレーム材１２が連結梁１３によって連結された状態で第２の取付け部３２１に取り付けられる。支持部材３は、第１のフレーム材１１、第２のフレーム材１２が取り付けられた後、溝が埋められ地中に埋め込まれる。

　そして、固定金具、棟、補強部材（図示なし）、連結梁１７などを用いて複数のフレーム材１同士を固定して強度を確保し、植物の育成場４０を覆うように被覆材２を複数のフレーム材１に取り付け、屋根４１、側壁４２、妻壁４３を備えるハウス本体４を構成する。なお、上記の設置工程は、順序が適宜前後してもよい。

　このように、本実施形態の農業用ハウスは、地中に埋め込まれた支持部材３を備えている。支持部材３は、ハウス本体４の側壁４２に沿って複数の第１の取付け部３１１が所定間隔で設けられている。そして、この第１の取付け部３１１に、側壁４２を構成する第１のフレーム材１１それぞれの下端部が取り付けられる。

　すなわち、第１のフレーム材１１の取付位置が予め規定されており、距離測定を行うことなく、複数の第１のフレーム材１１の間隔を容易に一定にすることができ、設置工数を削減することができる。さらに、第１のフレーム材１１の下端部が支持部材３に取り付けられるので、土壌の硬さに関わらず第１のフレーム材１１が埋められる深さも一定とすることができ、屋根４１の高さを一定にすることができる。

　なお、第１のフレーム材１１を分割し、上端部同士を連結するように構成してもよい。すなわち、第１のフレーム材１１は、逆Ｊ字状の２つの部材から構成されていてもよい。この場合、第１のフレーム材１１が埋められる深さが一定となることで、第１のフレーム材１１の上端部同士を連結する際に、第１のフレーム材１１の長さを調節する必要がなくなり、支持部材３がない場合に比べて工数を削減することができる。

　また、第１のフレーム材１１それぞれの下端部は、地中に横たわって埋められた支持部材３に取り付けられており、上述したように第１のフレーム材１１の抜け止め機構を備えている（図３～図５Ｂ参照）。

　したがって、第１のフレーム材１１に上方向の力が加えられた場合であっても、地中に横たわって埋められた支持部材３に分散されるので、第１のフレーム材１１が地面から抜けにくくなり、ハウス本体４の強度が向上する。そのため、強風によって上方向の力が加わった際でも第１のフレーム材１１が抜けることが防止され、ハウス本体４が崩れることを防止することができる。

　さらに、支持部材３は、ハウス本体４の妻壁４３に沿って複数の第２の取付け部３２１が所定位置に設けられている。そして、この第２の取付け部３２１に、妻壁４３を構成する第２のフレーム材１２の下端部が取り付けられる。

　すなわち、第２のフレーム材１２の取付位置が予め規定されており、距離測定を行うことなく、複数の第２のフレーム材１２を所定位置に設けることができ、設置工数を削減することができる。また、土壌の硬さに関わらず第２のフレーム材１２が埋められる深さを一定とすることができる。

　また、妻壁４３は、ユニット化された状態で納入される一対の第１のユニット１４と第２のユニット１５とを構造材として備えている。そして、一対の第１のユニット１４と第２のユニット１５とが連結された状態で、第２のフレーム材１２が第２の取付け部３２１に取り付けられる。

　すなわち、妻壁４３は、プレハブ化（prefabrication）されており、構造材が予め組み立てられた状態で支持部材３に取り付けられる。したがって、高所で連結梁１３、補助部材１３０を取り付ける必要がなく、組み立て工数を削減することができる。

　このように、本実施形態の農業用ハウスは、所定寸法に形成された支持部材３に、位置決めされた第１のフレーム材１１、第２のフレーム材１２が取り付けられる。

　したがって、農業用ハウスのサイズが規格化され、設置者によるサイズのばらつきが低減し、設置工数も削減することができる。

　以上説明したように、第１の形態の農業用ハウスは、植物の育成場（４０）の周りに立てられる複数のフレーム材（１）と、育成場（４０）を覆うように複数のフレーム材（１）に取り付けられ、複数のフレーム材（１）とともに屋根（４１）、側壁（４２）、妻壁（４３）を備えるハウス本体（４）を構成する被覆材（２）と、複数のフレーム材（１）のうち側壁（４２）を構成する複数の第１のフレーム材（１１）それぞれの下端部が取り付けられる複数の第１の取付け部（３１１）を側壁（４２）に沿って備え、地中に埋め込まれる支持部材（３）とを備える。

　第２の形態の農業用ハウスは、第１の形態において、支持部材（３）は、複数の第１の取付け部（３１１）がそれぞれ設けられる一対の第１の支持枠部材（３１）と、一対の第１の支持枠部材（３１）の端部同士を連結する一対の第２の支持枠部材（３２）とで矩形状に形成される。

　第３の形態の農業用ハウスは、第１又は第２の形態において、支持部材（３）は、筒状部材で形成される。複数の第１の取付け部（３１１）の各々は、支持部材（３）の側面に形成された孔（３１１）であり、対応する第１のフレーム材（１１）の下端部が挿入される。

　第４の形態の農業用ハウスは、第３の形態において、複数の第１のフレーム材（１１）の各々は、下端部に支柱部（１１１）の径よりも幅の寸法が大きい拡幅部（１１２）を備える。孔（３１１）は、拡幅部（１１２）が挿入可能な開口寸法に形成される第１の孔（３１２）と、拡幅部（１１２）の幅よりも開口寸法が小さく支柱部（１１１）が嵌められる第２の孔（３１３）とが連続した形状に形成される。第２の孔（３１３）に第１のフレーム材（１１）の支柱部（１１１）が嵌められた状態で、第１の孔（３１２）に楔（３１４）が挿し込まれる。

　第５の形態の農業用ハウスは、第１～第４のいずれかの形態において、支持部材（３）は、妻壁（４３）に沿って設けられている複数の第２の取付け部（３２１）を備える。複数の第２の取付け部（３２１）は、複数のフレーム材（１）のうち妻壁（４３）を構成する複数の第２のフレーム材（１２）それぞれの下端部が取り付けられる。

　第６の形態の農業用ハウスは、第５の形態において、妻壁（４３）は、上下方向に設けられる複数の第２のフレーム材（１２）と、横方向に設けられ複数の第２のフレーム材（１２）同士を連結する連結梁（１３）とを備える。複数の第２のフレーム材（１２）が連結梁（１３）によって連結された状態で複数の第２の取付け部（３２１）に取り付けられる。

　なお、上述した実施形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんのことである。

Claims (6)

1. 　植物の育成場の周りに立てられる複数のフレーム材と、
   　前記育成場を覆うように前記複数のフレーム材に取り付けられ、前記複数のフレーム材とともに屋根、側壁、妻壁を備えるハウス本体を構成する被覆材と、
   　前記複数のフレーム材のうち前記側壁を構成する複数の第１のフレーム材それぞれの下端部が取り付けられる複数の第１の取付け部を前記側壁に沿って備え、地中に埋め込まれる支持部材とを備える
   　ことを特徴とする農業用ハウス。
2. 　前記支持部材は、前記複数の第１の取付け部がそれぞれ設けられる一対の第１の支持枠部材と、前記一対の第１の支持枠部材の端部同士を連結する一対の第２の支持枠部材とで矩形状に形成される
   　ことを特徴とする請求項１記載の農業用ハウス。
3. 　前記支持部材は、筒状部材で形成され、
   　前記複数の第１の取付け部の各々は、前記支持部材の側面に形成された孔であり、対応する第１のフレーム材の下端部が挿入される
   　ことを特徴とする請求項１または２記載の農業用ハウス。
4. 　前記複数の第１のフレーム材の各々は、下端部に支柱部の径よりも幅の寸法が大きい拡幅部を備え、
   　前記孔は、前記拡幅部が挿入可能な開口寸法に形成される第１の孔と、前記拡幅部の幅よりも開口寸法が小さく前記支柱部が嵌められる第２の孔とが連続した形状に形成され、
   　前記第２の孔に前記第１のフレーム材の前記支柱部が嵌められた状態で、前記第１の孔に楔が挿し込まれる
   　ことを特徴とする請求項３記載の農業用ハウス。
5. 　前記支持部材は、前記妻壁に沿って設けられている複数の第２の取付け部を備え、
   　前記複数の第２の取付け部は、前記複数のフレーム材のうち前記妻壁を構成する複数の第２のフレーム材それぞれの下端部が取り付けられる
   　ことを特徴とする請求項１～４のうちいずれか１項に記載の農業用ハウス。
6. 　前記妻壁は、上下方向に設けられる前記複数の第２のフレーム材と、横方向に設けられ前記複数の第２のフレーム材同士を連結する連結梁とを備え、前記複数の第２のフレーム材が前記連結梁によって連結された状態で前記複数の第２の取付け部に取り付けられる
   　ことを特徴とする請求項５記載の農業用ハウス。

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