WO2014076796A1

WO2014076796A1 - スライダー組立機の完成品検査装置

Info

Publication number: WO2014076796A1
Application number: PCT/JP2012/079655
Authority: WO
Inventors: 内山誠司
Original assignee: Ykk株式会社
Priority date: 2012-11-15
Filing date: 2012-11-15
Publication date: 2014-05-22
Also published as: TWI492720B; CN104797156B; CN104797156A; TW201417738A

Abstract

　完成品のロックピンのバネ力が設定の大きさであるかを検査する完成品検査装置とする。　ターンテーブル４に検査用プッシャ３３を完成品の引手２と対向して設け、この検査用プッシャ３３で引手２を押してロックピン３のバネ力に抗して回動できるようにし、その引手２の回動姿勢が設定回動姿勢であるかを検出する回動姿勢検出部１２ａを設けることで、完成品のロックピン３のバネ力が設定の大きさであるかを検査できるようにする。

Description

スライダー組立機の完成品検査装置

　本発明は、スライドファスナー用のスライダーを組み立てるスライダー組立機の組立完了した完成品を検査する完成品検査装置に関する。

　スライドファスナー用のスライダーは、例えば、胴体と、板状で弾性を有したロックピン（板スプリング）と、引手の３部品を有し、その胴体に引手をセットした状態でロックピンを胴体に組み付けて引手を胴体に取り付け、引手の起伏操作でロックピンを停止位置、非停止位置とする停止機能を有するものが知られている（特許文献１，２参照）。
　このスライダーを組み立てるスライダー組立機は、例えば、間歇回転するターンテーブル（基盤）の収納凹部に、引手を取り付けた胴体をセットし、部品取付装置でロックピンを胴体に取り付けるようにしたものが知られている（特許文献３参照）。

実公昭５６－４５４４９号公報特開２００２－１０８０８号公報実公平６－５０６６号公報

　前述した胴体とロックピンと引手の３部品を有し、ロックピンを胴体に組み付けて引手を胴体に取り付けた停止機能を有するスライダーは、ロックピンはバネ力で停止位置となり、そのロックピンのバネ力にて引手を倒伏姿勢に保持し、引手をロックピンのバネ力に抗して引き起こして起立姿勢とすることでロックピンが非停止位置となる。
　引手の倒伏姿勢とは胴体の上面とほぼ平行でスライダーの開閉移動方向に向かう姿勢で、引手の起立姿勢とは胴体の上面とほぼ直角でスライダーの開閉移動方向と直角方向に向かう姿勢である。
　ロックピンが停止位置のときにはロックピンの爪がスライドファスナーのファスナーエレメントの間に喰い込み、スライダーが移動しないように停止する。
　ロックピンが非停止位置のときにはロックピンの爪がファスナーエレメントと離れ、スライダーが開閉方向に移動する。
　このことから、前述したスライダーは胴体に組み付けたロックピンのバネ力を設定の大きさとすることで、ロックピンを停止位置とすると共に、引手を倒伏姿勢に保持できるようにしている。
　しかしながら、ロックピンの胴体への組み付けが適正でない等のスライダーの組立誤差やロックピンの形状不良、バネ力が弱いへたった不良品である等の部品が不良品の場合には、胴体に組み付けたロックピンのバネ力が設定の大きさと異なり、ロックピンを停止位置とすることができない、引手を倒伏姿勢に確実に保持できない、引手を起立姿勢に回動できないことがある。

　本発明の目的は、組み立て完了した完成品のロックピンのバネ力が設定の大きさであるかを検査するスライダー組立機の完成品検査装置とすることである。

　本発明は、スライドファスナー用の胴体１、引手２、ロックピン３を備え、停止機能を有したスライダーを組み立てるスライダー組立機の完成品を検査する完成品検査装置であって、
　前記スライダー組立機は所定角度ごとに間歇回転してスライダーを組み立てるターンテーブル４を有し、
　前記完成品の引手２は、ロックピン３のバネ力で倒伏姿勢に保持し、そのロックピン３のバネ力に抗して起立姿勢に回動可能で、
　前記完成品のロックピン３は、引手２が倒伏姿勢のとき、当該ロックピン３のバネ力で停止位置となり、起立姿勢の引手２により当該ロックピン３のバネ力に抗して非停止位置となり、
　前記スライダー組立機の前記ターンテーブル４の収納凹部２１に胴体１がセットされた完成品の引手２に向けて移動し、引手２を起立姿勢に向けて回動する検査用プッシャ３３と、
　この検査用プッシャ３３で回動した引手２）の回動姿勢を検出する回動姿勢検出部１２ａを設けたことを特徴とするスライダー組立機の完成品検査装置である。

　本発明のスライダー組立機の完成品検査装置は、前記ロックピン（３）のバネ力が設定の大きさである完成品の引手（２）の回動姿勢を設定し、
　前記回動姿勢検出部（１２ａ）で検出した引手（２）の回動姿勢が設定した引手（２）の回動姿勢と一致したときにロックピン（３）のバネ力が設定の大きさであるとすることができる。

　このようにすれば、ロックピン３のバネ力が設定の大きさであるかを簡単に検査できる。

　本発明のスライダー組立機の完成品検査装置は、前記検査用プッシャ３３を、引手２を押して回動する検査位置と引手２と離れた待機位置とに渡って移動自在とし、
　この検査用プッシャ３３を加圧用スプリング３７で検査位置に向けて移動するようにできる。

　このようにすれば、検査用プッシャ３３で引手２を押す力を確実に所定の大きさとすることができる。

　本発明のスライダー組立機の完成品検査装置は、前記ターンテーブル４に、胴体１を案内柱１ｃが上となる縦向き姿勢でセットする収納凹部２１と、この収納凹部２１に向けて上下動自在な可動部材４０を設け、
　この可動部材４０を、その上部４０ａが収納凹部２１に突出して胴体１に保持する上方位置と、前記上部４０ａが収納凹部２１から抜け出して胴体１の保持を解放する下方位置とに渡って上下動自在とすることができる。

　このようにすれば、可動部材４０を上方位置として胴体１を保持した状態で検査用プッシャ３３で引手２を押すことにより、胴体１が収納凹部２１から外れることがない。
　しかも、完成品を排出するときには、可動部材４０を下方位置として胴体１の保持を解放することで、完成品をスムーズに収納凹部２１から排出できる。

　本発明の前記スライダー組立機は、前記ターンテーブル４に、胴体１にセットした引手２を保持する左右の引手押え２２を設け、
　上下動自在な前記可動部材４０が、上方位置と下方位置との間であるときに、当該可動部材４０で左右の引手押え２２が押え解除位置に移動し、かつ上部４０ａが収納凹部２１内に突出して胴体１を保持するようにできる。

　このようにすれば、縦向き姿勢の胴体１にセットした引手２を左右の引手押え２２で操作して落下しないようにできる。
　また、可動部材４０を上方位置と下方位置との間として左右の引手押え２２を押え解除位置に移動すれば、完成品の引手２を検査用プッシャ３３で押して回動できる。

　本発明のスライダー組立機の完成品検査装置は、前記ターンテーブル４の検査用プッシャ３３の上方に排出用プッシャ３２を収納凹部２１と対向して設け、
　この収納凹部２１を、ターンテーブル４の上面、外周側の前面にそれぞれ開口し、
　前記ターンテーブル４に、前記排出用プッシャ３２が挿通して収納凹部２１内に突出する第１孔３４と、前記検査用プッシャ３３が挿通して可動部材４０に当接する第２孔３５を設け、
　前記可動部材４０に、当該可動部材４０が上方位置と下方位置との間であるときに、検査用プッシャ３３が挿通して引手２を押す検査位置に移動する孔４６を設けることができる。

　このようにすれば、排出用プッシャ３３で完成品を収納凹部２１から排出できる。

　本発明のスライダー組立機の完成品検査装置は、前記ターンテーブル４は、回転盤４′と、この回転盤４′の外周側に設けた胴体セット装置５を有し、
　前記胴体セット装置５は、回転盤４′の外周側に取り付けた装置本体５ａに、前記収納凹部２１、可動部材４０、左右の引手押え２２、排出用プッシャ３２、検査用プッシャ３３、第１孔３５、第２孔３６を設けることができる。

　このようにすれば、ターンテーブル４を加工して収納凹部２１、可動部材４０、引手押え２２、排出用プッシャ３２、検査用プッシャ３３、第１孔３５、第２孔３６を設ける必要がなく、回転盤４′に装置本体５ａを取り付けることでそれらを有したターンテーブル４とすることができる。

　本発明によれば、完成品の引手２を検査用プッシャ３３で押して回動し、その引手２の回動姿勢を検出し、検出した回動姿勢でロックピン３のバネ力の大きさを知ることができるから、完成品のロックピン３のバネ力が設定の大きさで有るかを検査できる。例えば、ロックピン３のバネ力が設定値内であるかを引手２の回動姿勢によって判断することで、引手２の回動姿勢によって、スライダーのロックピン３のバネ機能を検査し、引手２の回動に伴うスライダーの移動機能と停止機能が正常であるかを判断できる。

スライダーを分解した断面図である。組み立てたスライダーの断面図である。スライダー組立機の概略平面図である。完成品検査装置を取り付けた部分の概略正面図である。胴体セット装置部分の正面図である。胴体セット装置部分の左側面図である。胴体セット装置部分の平面図である。可動部材の正面図である。可動部材の動作説明図である。図７のＡ－Ａ断面図である。ロックピンのバネ力を検査する状態の説明図である。完成品を排出する状態の説明図である。ロックピンのバネ力の検査動作説明図である。

　本発明のスライダー組立機で組み立てるスライドファスナー用のスライダーは、図１に示すように胴体１と、引手２と、ロックピン３の３部品を備え、停止機能を有している。
　胴体１は、上翼板１ａと下翼板１ｂが案内柱１ｃで連結され、その上翼板１ａに爪穴１ｄ、穴１ｅ、突片１ｆ、受片１ｇを有し、案内柱１ｃに係止部１ｈを有していると共に、上翼板１ａと下翼板１ｂとの間にエレメントガイド部１ｉを有している。
　引手２は取付用の開口２ａとカム部２ｂを有し、そのカム部２ｂが上翼板１ａの突片１ｆと受片１ｇとの間に位置して胴体１にセットする。
　ロックピン３は、所定の幅で長尺な弾性を有する板材をほぼコ字形状に折り曲げて、スプリング部３ａの両端に爪３ｂ、係止片３ｃを有し、スプリング部３ａの一端寄りに引掛孔３ｄを形成すると共に、スプリング部３ａの中間を打ち抜き加工して係止舌片３ｅを形成してある。

　そして、図２に示すように爪３ｂを爪穴１ｄに挿入すると共に、係止舌片３ｅを穴１ｅに挿入しながら係止片３ｃを係止部１ｈに係止してロックピン３を胴体１に取り付け、ロックピン３のバネ力で爪３ｂが爪穴１ｄからエレメントガイド部１ｉに突出した停止位置となると共に、引手２を倒伏姿勢に保持する。

　本発明のスライダー組立機は図３に示すように、所定角度ごとに間歇回転するターンテーブル４を有し、このターンテーブル４は、回転盤４′の外周側に複数の胴体セット装置５が回転方向に間隔を置いて設けてある。例えば、４５°間隔で８個の胴体セット装置５が設けてある。
　ターンテーブル４の周囲には、胴体供給装置６、胴体検査装置７、引手供給装置８、引手検査装置９、ロックピン供給装置１０、ロックピン検査装置１１、完成品検査装置１２、排出装置１３が回転方向に等間隔、例えば４５°の間隔で設けてある。

　前述のスライダー組立機で図１、図２に示すスライダーを次のようにして組み立てる。
　ターンテーブル４を、１つの胴体セット装置５が胴体供給装置６と対向した位置で停止し、その胴体セット装置５に胴体供給装置６で胴体１を供給してセットする。
　ターンテーブル４を回転して前述の胴体セット装置５が胴体検査装置７と対向した位置で停止し、その胴体セット装置５に胴体１が有るか、無いかを胴体検査装置７で感知する。
　ターンテーブル４を回転して前述の胴体セット装置５が引手供給装置８と対向した位置で停止し、その胴体セット装置５にセットされた胴体１に引手２を供給してセットする。
　ターンテーブル４を回転して前述の胴体セット装置５が引手検査装置９と対向する位置で停止し、その胴体セット装置５にセットされた胴体１に引手２が有るか、無いかを感知する。

　ターンテーブル４を回転して前述の胴体セット装置５がロックピン供給装置１０と対向した位置で停止し、その胴体セット装置５にセットされた胴体１にロックピン３を供給してセットする。
　ターンテーブル４を回転して前述の胴体セット装置５がロックピン検査装置１１と対向した位置で停止し、そのロックピン検査装置１１で胴体１に組み付けたロックピン３の組付状態を検査する。
　ターンテーブル４を回転して前述の胴体セット装置５が完成品検査装置１２と対向した位置で停止し、完成品のロックピン３のバネ力を検査する。
　ターンテーブル４を回転して前述の胴体セット装置５が排出装置１３と対向した位置で停止し、その胴体セット装置５にセットされている完成品（スライダー）を排出する。
　完成品はスライダーの胴体１に引手２がロックピン３によって取り付けられたスライドファスナー用のスライダーである。

　次に、完成品検査装置について説明する。
　本発明のスライダー組立機で組み立てた完成品（スライダー）は、図２に示すように引手２が胴体１に対して図２に実線で示す開き側の倒伏姿勢と、二点鎖線で示す起立姿勢と、三点鎖線で示す閉じ側の倒伏姿勢とに渡って回動可能に取り付けられ、ロックピン３のバネ力で引手２を閉じ側の倒伏姿勢又は開き側の倒伏姿勢に保持する。図２では引手２を実線で示す開き側の倒伏姿勢に保持している。
　図２に実線で示す開き側の倒伏姿勢は、胴体１の上翼板１ａ（胴体１の上面）とほぼ平行で、スライダーをファスナーエレメントを分離する開き方向に移動する方向に向かう姿勢で、引手２（カム部２ｂ）がロックピン３のバネ力で胴体１の上翼板１ａに接している。
　図２に三点鎖線で示す閉じ側の倒伏姿勢は、胴体１の上翼板１ａとほぼ平行で、スライダーをファスナーエレメントを噛合する閉じ方向に移動する方向に向かう姿勢で、引手２（カム部２ｂ）がロックピン３のバネ力で胴体１の上翼板１ａに接している。

　開き側の倒伏姿勢の引手２を図２で矢印方向に回動することでロックピン３のバネ力に抗して二点鎖線で示す起立姿勢に回動し、さらに引手２を矢印方向に回動することで三点鎖線で示す閉じ側の倒伏姿勢に反転する。
　引手２は胴体１に開き側の倒伏姿勢と閉じ側の倒伏姿勢のどちらの倒伏姿勢で取り付けても良いが、この実施の形態では後述するように胴体１を案内柱１ｃが上の縦向き姿勢として組み立てるので、引手２を開き側の倒伏姿勢で胴体１に取り付けている。

　このように、引手２が開き側、閉じ側の倒伏姿勢のときには、ロックピン３の爪３ｂが爪穴１ｄからエレメントガイド部１ｉに突出した停止位置となる。
　引手２が起立姿勢のときには、引手２のカム部２ｂでロックピン３のバネ部３ａが胴体１の上翼板１ａから離れる方向に変位し、ロックピン３の爪３ｂが胴体１のエレメントガイド部１ｉから離脱した非停止位置となる。引手２の起立姿勢とは図２に実線で示す位置と二点鎖線で示す位置との中間の位置まで回動した姿勢を含むものである。

　このようであるから、引手２を起立姿勢とすることで、その引手２を持ってスライダーをファスナーエレメントを噛合する閉じ方向、分離する開き方向に移動することができる。
　引手２を倒伏姿勢とすることで、爪３ｂがファスナーエレメントの間に喰い込み、スライダーが移動しないように停止できる。

　図２に示す完成品（スライダー）の開き側の倒伏姿勢の引手２を力Ｆで矢印方向に押すとロックピン３のバネ力に抗して起立姿勢に向けて回動する。そのときの引手２の回動姿勢はロックピン３のバネ力と力Ｆの大きさで決定されることになる。
　そこで、本発明はロックピン３のバネ力が設定の大きさである完成品の引手２を所定の力Ｆで押したときの引手２の回動姿勢（一点鎖線で示す姿勢）を設定し、実際に組み立て完成した完成品のスライダーの引手２を所定の力Ｆで押し、そのときの引手２の回動姿勢を検出し、検出した回動姿勢が設定した回動姿勢であるかを検出することで、ロックピン３のバネ力が設定の大きさであるかを検出するようにした。

　本発明の完成品検査装置１２は図４に示すように、スライダー（完成品）の引手２を所定の力で押したときの引手２の回動姿勢を検出する回動姿勢検出部１２ａを有している。
　そして、検出した引手２の回動姿勢が設定した回動姿勢と異なる場合にはロックピン３のバネ力が設定の大きさではないと判断し、検出した引手２の回動姿勢が設定した回動姿勢である場合にはロックピン３のバネ力が設定の大きさであると判断する。

　図４に示すように、ターンテーブル４は機台１５に回転自在に取り付けた回転盤４′と、その回転盤４′の外周側に設けた胴体セット装置５を有している。ターンテーブル４の上方にはテーブル１６が回転しないように設けてある。
　このテーブル１６にブラケット１７を設け、そのブラケット１７のターンテーブル４よりも外周側の突出した部分に回動姿勢検出部１２ａが設けてある。

　次に、胴体セット装置５について説明する。
　なお、ターンテーブル４の回転方向に沿う水平な方向を左右方向とし、この左右方向と直角でターンテーブル４の外周側から回転中心に向かう水平な方向を前後方向とする。
　図５～図７に示すように、回転盤４′の外周側に胴体セット装置５の装置本体５ａが取り付けてある。
　この装置本体５ａは縦向き本体２０と横向き本体３０で鉤形状に形成され、その縦向き本体２０の後面２０ａが回転盤４′の外周面４′ａに取り付けてあると共に、横向き本体３０の下面３０ａが回転盤４′の上面４′ｂと対向して上下方向に離隔している。

　縦向き本体２０の上部にスライダーの胴体１を収納する収納凹部２１を有している。
　この収納凹部２１は縦向き本体２０の上面２０ｂとターンテーブルの外周側の面である前面２０ｃに開口し、図５に二点鎖線で示すように、胴体１の案内柱１ｃが上で上翼板１ａが前方に向かい、胴体１が縦向き姿勢でセットされる。
　この収納凹部２１にセットされた胴体１に引手２がセットされるが、胴体１が縦向き姿勢のために引手２が落下し易いので、縦向き本体２０の上部寄りに引手２を落下しないように保持する引手保持部が設けてある。

　引手保持部は、縦向き本体２０の収納凹部２１を境とした左側部分と右側部分にそれぞれ設けた左右の引手押え２２を有している。
　この左右の引手押え２２は、図７で示すように胴体１にセットする仮想線で示された引手２の左右両側方に位置し、左右方向に相対向した一端部２３が引手２の左右端面に接して挟持する押え位置と、その一端部２３が引手２の左右端面と離れた押え解除位置とに亘って左右方向に移動自在である。左右の引手押え２２は、押え解除方向の外力が負荷されることで押え解除位置に向けて移動でき、引手２を左右の引手押え２２間に前方から後方に向けて押し込むことができるようにしてある。

　例えば、引手押え２２の一端部２３を、挟持面２３ａと、当該挟持面２３ａの前端と連続し、前後方向の前方に向かうガイド面２３ｂを有する平面略くの字形状とし、その左右の挟持面２３ａが平行面で、左右のガイド面２３ｂが挟持面２３ａの前端と連続した後部から前部に向かうにつれて順次左右側方に向けて斜めの傾斜面で、その左右のガイド面２３ｂの間隔が後部から前部に向けて順次大きくなる平面ハの字形状としてある。
　そして、縦向き本体２０に取り付けた弾性部材、例えば板ばね２４を、左右の引手押え２２の他端部２５に接して引手押え２２を押え位置に向けて移動することで、左右の引手押え２２を、一端部２３が図５、図７に示す位置よりも僅かに接近した位置とする。

　このようにすることで、引手２を縦向き姿勢とし、前方から後方に向けて平行移動して左右の引手押え２２の一端部２３間に押し込むと、その引手２の左右端面が左右のガイド面２３ｂに押しつけられ、引手押え２２に押え解除方向に向かう外力が負荷し、その外力で引手押え２２が板ばね２４に抗して離れる方向に移動し、左右の挟持面２３ａまで押し込むことができるから、その左右の挟持面２３ａで引手２の左右端面を挟持して引手２を保持することができる。

　縦向き本体２０の下部に案内孔２６を有する。この案内孔２６の上部は収納凹部２１の底部と連続し、下部は縦向き本体２０の下面２０ｄに開口していると共に、縦向き本体２０に形成したスリット状の開口２７で前面２０ｃに開口している。
　この案内孔２６に可動部材４０が上下動自在に挿入してある。

　可動部材４０は図８に示すように左右方向の寸法（幅）が収納凹部２１の左右方向の寸法（幅）よりも大きく、その上部４０ａの左右方向の寸法（幅）は収納凹部２１の左右方向の寸法（幅）よりも小さい。
　可動部材４０は、幅の大きい部分の左右の端面４１と幅の小さい部分の左右の上部端面４２を連続する端面は傾斜面４３と平行面４４でほぼくの字形状に折曲し、その傾斜面４３によって左右方向の寸法（つまり、幅）が下方に向かうにつれて順次小さくなる。平行面４４の左右方向の寸法（つまり、幅）が上部４０ａの幅よりも小さく、図８に仮想線で示すように引手押え２２の一端部２３の挟持面２３ａよりも前後方向の後側部２３ｃが平行面４４に接することで、引手押え２２が前述した引手２を挟持する押え位置となる。引手押え２２が上部４０ａの端面４２に接すると引手押え２２が前述した押え解除位置となるようにしてある。つまり、上部端面４２、傾斜面４３、平行面４４が引手押え２２を移動する引手押え移動部である。

　可動部材４０は上下移動機構で図９（ａ）に示す上方位置、図９（ｂ）に示す上下中間位置、図９（ｃ）に示す下方位置に移動する。
　可動部材４０が上方位置のときには、その上部４０ａが収納凹部２１内に突出し、図５に示すように胴体１の上翼板１ａと下翼板１ｂとの間に上部４０ａを挿入して胴体１が前方に動かないように保持する。
　また、左右の平行面４４が左右の引手押え２２の一端部２３の後側部２３ｃに接し、引手押え２２を押え位置とする。

　可動部材４０を下方に移動して上下中間位置とすると、図９（ｂ）に示すように、左右の上部端面４２が左右の引手押え２２の一端部２３の後側面２３ｃに接し、左右の引手押え２２を板ばね２４に抗して引手２の保持を解放する押え解除位置まで移動する。
　中間位置のときには可動部材４０の上部４０ａは収納凹部２１内に突出し、胴体１を保持できる。

　可動部材４０を上下中間位置からさらに下方に移動して下方位置とすると、図９（ｃ）に示すように、その上部４０ａが収納凹部２１より下方に移動して胴体１の保持を解放し、胴体１が収納凹部２１から前方に動くことができるようにする。

　上下移動機構は、可動部材４０を図示しないスプリング等で上方に移動して前述の上方位置に保持し、可動部材４０に設けたカムフォロア４５を図示しない上下動用カムの上下方向に位置が異なるカム面に接することでスプリング等に抗して中間位置、下方位置に移動するようにしてある。

　横向き本体３０には図６、図７に示すように移動体３１が前後方向に向けて移動自在に設けてある。
　図６に示すように、この移動体３１に完成品を収納凹部２１から押し出して排出する排出用プッシャ３２が設けてある。
　横向き本体３０に完成品のロックピン３のバネ力を検査する検査用プッシャ３３が前後方向に移動自在に設けてある。この検査用プッシャ３３は移動体３１（排出用プッシャ３２）の前後方向の移動により前後方向に移動する。

　図１０に示すように、排出用プッシャ３２は縦向き本体２０の上部に形成した第１孔３４に突出し、その第１孔３４は収納凹部２１に開口している。
　検査用プッシャ３３は縦向き本体２０の上部に形成した第２孔３５に突出し、その第２孔３５は第１孔３４よりも下方に位置し、収納凹部２１よりも下方において縦向き本体２０の前面２０ｃに開口していると共に、胴体１にセットした引手２と対向する。

　排出用プッシャ３２は図１０に示す待機位置と、図１１に示す中間位置と、図１２に示す排出位置とに渡って移動する。
　排出用プッシャ３２は、待機位置のときには収納凹部２１よりも後方寄りで、セットした胴体１と離隔している。
　中間位置のときには収納凹部２１にセットした胴体１の下翼板１ｂに当接している。
　排出位置のときには第１孔３４を貫通して収納凹部２１を通って縦向き本体２０の前面２０ｃよりも前方に突出する。

　検査用プッシャ３３は図１０に示す待機位置と、図１１に示す検査位置と、図１２に示す中間位置とに渡って移動する。
　検査用プッシャ３３は、待機位置のときには可動部材４０よりも後方に位置している。
　検査位置のときには可動部材４０の穴４６を挿通して装置本体２０の前面２０ｃよりも前方に突出する。
　中間位置のときには可動部材４０の後面に当接する。

　排出用プッシャ３２は移動機構により前述の各位置に移動する。
　検査用プッシャ３３は排出用プッシャ３２が待機位置のときには検査位置となる。排出用プッシャ３２が排出位置のときには中間位置となるようにしてある。

　排出用プッシャ３２を前述の各位置に移動する移動機構は次のようである。
　移動体３１を図示しないスプリングで前方に移動し、排出用プッシャ３２を第１孔３４、収納凹部２１を通して縦向き本体２０の前面２０ｃから前述の排出位置よりも前方に突出した位置に保持する。
　移動体３１に設けたカムフォロア５０を図１０に仮想線で示す第１カムのカム面５１ａに接することで排出用プッシャ３２をスプリングに抗して待機位置に移動する。

　図１１に仮想線で示すようにカムフォロア５０を第２カム５２のカム面５２ａに接することで排出用プッシャ３２を中間位置とする。
　なお、中間位置は待機位置よりも前方寄りで、胴体１の下翼板１ｂに当接しているので、第２カム５２を設けることなく、カムフォロア５０が第１カムのカム面５１ａから外れることで中間とすることが可能である。

　図１２に仮想線で示すようにカムフォロア５０を第３カム５３のカム面５３ａに接することで排出用プッシャ３２を排出位置とする。
　前述の第１～第３カム５１～５３は、ターンテーブル４の回転中心を中心とする円軌跡に沿って円弧上のカム面を有する１つのカムとし、そのカム面が所定角度ごとに前後方向にずれた形状とし、最も後方寄りのカム面にカムフォロア５０が接触したときに排出用プッシャ３２が待機位置、次のカム面に接触したときに中間位置、最も前方寄りのカム面に接したときに排出位置となるようにしてある。
　このようにすることで、ターンテーブル４の回転に応じて排出用プッシャ３２をスムーズに各位置に移動できる。

　検査用プッシャ３３を排出用プッシャ３２の移動機構とは別の移動機構で前述の位置に移動しても良いが、この実施の形態では排出用プッシャ３２の位置と可動部材４０の位置とで検査用プッシャ３３を前述の各位置に移動するようにしてある。

　前述の構成は次のようである。
　横向き本体３０に取り付けたバネ受け３６と検査用プッシャ３３との間に加圧用スプリング３７を設け、検査用プッシャ３３を第２孔３５に挿通して縦向き本体２０の前面２０ｃから検出位置よりもさらに前方に突出する。
　検査用プッシャ３３に設けたストッパ３８を排出用プッシャ３２に形成した軸方向の溝３９に挿入する。

　そして、排出用プッシャ３２が待機位置のときには図１０に示すようにストッパ３８を溝３９の前端部３９ａに当接して検査用プッシャ３３を待機位置とする。

　可動部材４０を図１０に示す上方位置から図１１に示す中間位置に移動し、その可動部材４０の孔４６を検査用プッシャ３３と対向し、排出用プッシャ３２を図１１に示す中間位置に移動することで、検査用プッシャ３３が加圧用スプリング３７の力で検出位置に移動する。この検出位置はストッパ３８が溝３９の前端部３９ａに当接することで位置決めされる。

　排出用プッシャ３２を排出位置に移動するときには、可動部材４０を図１２に示すように下方位置に移動するので、可動部材４０の孔４６が検査用プッシャ３３よりも下方となり、検査用プッシャ３３が可動部材４０に当接して中間位置となる。

　前述の上下移動機構の上下動用カムは第１・第２上下動用カム４７，４８を備えている。
　そして、図１１に示すように第１上下動用カム４７の下向きのカム面４７ａにカムフォア４５が接することで、可動部材４０は中間位置となる。
　図１２に示すように第２上下動用カム４８の下向きのカム面４８ａにカムフォロア４５が接することで、可動部材４０は下方位置となる。

　次に、完成品のロックピン３のバネ力を検査する動作を説明する。
　ターンテーブル４を回転し、その収納凹部２１にセットした胴体１に引手２、ロックピン３を組み付けした完成品を図４に示す回動姿勢検出部１２ａと対向した位置とする。
　可動部材４０を上下中間位置として引手押え２２を押え解除位置に移動する。
　検査用プッシャ３３を加圧用スプリング３７で検査位置に移動し、その検査用プッシャ３３で取付姿勢の引手２を押し、図１１に示すような回動姿勢とする。
　このとき、可動部材４０の上部４０ａで胴体１を保持しているので、胴体１が収納凹部２１から外れることがない。

　回動姿勢検出部１２ａはレーザ変位センサで、レーザービームを引手２の表面に照射し、その表面から反射したレーザービームを受光する高さ位置で引手２の回動角度、つまり回動姿勢を検出する。

　引手２を押す力Ｆは加圧用スプリング３７のスプリング力によって決定される所定の大きさである。
　ロックピン３のバネ力が設定の大きさである完成品の引手２を前述した所定の大きさの力Ｆで押したときの引手２の回動姿勢、つまり回動角度を設定し、そのときのレーザービームの受光高さを基準高さとする。
　例えば、図１３に実線で示す回動角度のときがロックピン３のバネ力が設定の大きさの完成品の引手２を所定の大きさの力Ｆで押したときの回動姿勢とし、そのときのレーザービームの受光高さ１２ｂを基準位置とする。

　このようであるから、レーザービームの受光高さが基準高さ１２ｂと一致すればロックピン３のバネ力は設定の大きさである。
　レーザービームの受光高さが基準高さ１２ｂと異なればロックピン３のバネ力が設定の大きさではない。
　例えば、ロックピン３のバネ力が設定の大きさよりも小さければ、図１３に一点鎖線で示すように引手２の回動角度が設定回動角度よりも大きく、レーザービームの受光高さ１２ｃは基準高さ１２ｂよりも上になる。
　ロックピン３のバネ力が設定の大きさよりも大きければ、図１３に二点鎖線で示すように引手２の回動角度が設定回動角度よりも小さく、レーザービームの受光高さ１２ｄは基準高さ１２ｂよりも下となる。

　前述のようにして完成品のロックピン３のバネ力の大きさを検査した後に、ターンテーブル４を回転して完成品を排出装置１３と対向する。
　そして、図１２に示すように可動部材４０を図１２に示すように下方位置として胴体１の保持、引手２の保持をそれぞれ解除し、排出用プッシャ３２を排出位置として完成品を図示しない排出用シュートに向けて排出する。

　引手２の回動姿勢を検出する回動姿勢検出部１２ａは、引手２が設定回動姿勢であることをリミットスイッチや近接スイッチなどのスイッチで検出するものでも良いし、引手を工業用テレビ（ＩＴＶ）で撮影し、その画像が検出するものでも良く、その他のものでも良い。

　この実施の形態では、回転盤４′とは別の装置本体５ａに収納凹部２１、引手押え２２、排出用プッシャ３２、検査用プッシャ３３を設けて胴体セット装置５としたので、複数の胴体セット装置５を製作し、回転盤４′の所定の位置に取り付けることでターンテーブル４とすることができるから、回転盤４′の複数個所を加工して胴体セット装置５を有するターンテーブルとする面倒な作業が不要で、複数の胴体セット装置５を有したターンテーブル４を簡単に製作することができる。

　なお、回転盤４′が大きく、加工がし易い場合などには、収納凹部２１、引手押え２２、各プッシャ３２，３３などを回転盤４′の複数個所にそれぞれ設けて胴体セット装置５を有したターンテーブルとしても良い。

　前述の実施の形態では、１つの可動部材４０に胴体１を保持する部分（上部４０ａ）と引手押え２２を押え解除位置に移動する引手移動部を設けたので、部品点数を低減できる。
　なお、胴体１を保持する可動部材と引手押え移動部を有する可動部材を別々に設けても良い。

　１…胴体、２…引手、３…ロックピン、４…ターンテーブル、４′…回転盤、５…胴体セット装置、５ａ…装置本体、１２…完成品検査装置、１２ａ…回動姿勢検出部、２０…縦向き本体、２１…収納凹部、２２…引手押え、３０…横向き本体、３２…排出用プッシャ、３３…検査用プッシャ、３４…第１孔、３５…第２孔、３７…加圧用スプリング、４０…可動部材、４０ａ…上部、４６…孔。

Claims

　スライドファスナー用の胴体（１）、引手（２）、ロックピン（３）を備え、停止機能を有したスライダーを組み立てるスライダー組立機の完成品を検査する完成品検査装置であって、
　前記スライダー組立機は所定角度ごとに間歇回転してスライダーを組み立てるターンテーブル（４）を有し、
　前記完成品の引手（２）は、ロックピン（３）のバネ力で倒伏姿勢に保持し、そのロックピン（３）のバネ力に抗して起立姿勢に回動可能で、
　前記完成品のロックピン（３）は、引手（２）が倒伏姿勢のとき、当該ロックピン（３）のバネ力で停止位置となり、起立姿勢の引手（２）により当該ロックピン（３）のバネ力に抗して非停止位置となり、
　前記スライダー組立機の前記ターンテーブル（４）の収納凹部（２１）に胴体（１）がセットされた完成品の引手（２）に向けて移動し、引手（２）を起立姿勢に向けて回動する検査用プッシャ（３３）と、
　この検査用プッシャ（３３）で回動した引手（２）の回動姿勢を検出する回動姿勢検出部（１２ａ）を設けたことを特徴とするスライダー組立機の完成品検査装置。
　前記ロックピン（３）のバネ力が設定の大きさである完成品の引手（２）の回動姿勢を設定し、
　前記回動姿勢検出部（１２ａ）で検出した引手（２）の回動姿勢が設定した引手（２）の回動姿勢と一致したときにロックピン（３）のバネ力が設定の大きさであるとする請求項１記載のスライダー組立機の完成品検査装置。
　前記検査用プッシャ（３３）を、引手（２）を押して回動する検査位置と引手（２）と離れた待機位置とに渡って移動自在とし、
　この検査用プッシャ（３３）を加圧用スプリング（３７）で検査位置に向けて移動するようにした請求項１又は２記載のスライダー組立機の完成品検査装置。
　前記ターンテーブル（４）に、胴体（１）を案内柱（１ｃ）が上となる縦向き姿勢でセットする収納凹部（２１）と、この収納凹部（２１）に向けて上下動自在な可動部材（４０）を設け、
　この可動部材（４０）を、その上部（４０ａ）が収納凹部（２１）に突出して胴体（１）を保持する上方位置と、前記上部（４０ａ）が収納凹部（２１）から抜け出して胴体（１）の保持を解放する下方位置とに渡って上下動自在とした請求項１～３いずれか１項記載のスライダー組立機の完成品検査装置。
　前記スライダー組立機は、前記ターンテーブル（４）に、胴体（１）にセットした引手（２）を保持する左右の引手押え（２２）を設け、
　上下動自在な前記可動部材（４０）が、上方位置と下方位置との間であるときに、当該可動部材（４０）で左右の引手押え（２２）が押え解除位置に移動し、かつ上部（４０ａ）が収納凹部（２１）内に突出して胴体（１）を保持するようにした請求項４記載のスライダー組立機の完成品検査装置。
　前記ターンテーブル（４）の検査用プッシャ（３３）の上方に排出用プッシャ（３２）を収納凹部（２１）と対向して設け、
　この収納凹部（２１）を、ターンテーブル（４）の上面、外周側の前面にそれぞれ開口し、
　前記ターンテーブル（４）に、前記排出用プッシャ（３２）が挿通して収納凹部（２１）内に突出する第１孔（３４）と、前記検査用プッシャ（３３）が挿通して可動部材（４０）に当接する第２孔（３５）を設け、
　前記可動部材（４０）に、当該可動部材（４０）が上方位置と下方位置との間であるときに、検査用プッシャ（３３）が挿通して引手（２）を押す検査位置に移動する孔（４６）を設けた請求項５記載のスライダー組立機の完成品検査装置。
　前記ターンテーブル（４）は、回転盤（４′）と、この回転盤（４′）の外周側に設けた胴体セット装置（５）を有し、
　前記胴体セット装置（５）は、回転盤（４′）の外周側に取り付けた装置本体（５ａ）に、前記収納凹部（２１）、可動部材（４０）、左右の引手押え（２２）、排出用プッシャ（３２）、検査用プッシャ（３３）、第１孔（３５）、第２孔（３６）を設けた請求項６記載のスライダー組立機の完成品検査装置。