WO2013187177A1

WO2013187177A1 - 組立構造物、およびそれらを形成するシートセット

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Publication number: WO2013187177A1
Application number: PCT/JP2013/063578
Authority: WO
Inventors: 政己上地
Original assignee: Uechi Masaki
Priority date: 2012-06-15
Filing date: 2013-05-15
Publication date: 2013-12-19

Abstract

　組み立てが容易で十分な強度を有する、シート状部材から組み立てられる組立構造物、およびそれらを形成するシートセットを提供する。１枚のシート状部材１７を折り曲げ加工することで形成される、６つの本体部材２をそれらの正面７が六角柱の外形を呈するように並べて、隣接する本体部材２の重なり合う側面６の重なった２つの第２のスリット９にシート状連結部材３の第３の切り込み２７を嵌合させることで、重なり合う側面６を固定するとともに、シート状連結部材３を隣接する本体部材２の連続する正面７に互いに連なる２つの第１のスリット８に収容させて、６つ全てのシート状連結部材３の本体部材２との嵌合方向が六角柱の外形の中心軸上の一点に集まるように、隣接する本体部材２を連結する。

Description

組立構造物、およびそれらを形成するシートセット

　本発明は、段ボールや紙などのシート状部材を用いた組立式の立体構造物およびそれらを形成するシートセットに関するものである。

　従来より、特殊加工された段ボールや厚紙などは、強度の高い構造を有していることから、生花やガラス製品等の包装や物品搬送容器として広く使用されている。また、この強度の高さを利用して、複数の段ボール部材を組み合わせて作る組立式の椅子やテーブル等が知られている。

　例えば、特許文献１には、簡単に組立てかつ分解することができる、複数のシート板からなる組立て式家具の発明が記載されている。また、特許文献２には、段ボール等の厚紙で形成される包装箱の考案と、それら複数の包装箱を連結する連結片について記載されている。また、特許文献３には、２つの箱本体を並べ、連結帯によって連結する箱について記載されている。

特開平６－３１１９１８号公報実公平６－５０３３９号公報実開昭５８－１８８８１７号

　特許文献１に記載の組立て式家具は、異なる形状からなる複数の部材が必要であり、所定の部材は、他の部材と組み合されなければ部材自体の形状を維持できないため組み立てが煩雑であった。
　また、特許文献２に記載の連結片によって連結された複数個の包装箱は、強度の方向にムラがあり、連結も簡易ものであるため、連結によって新たに１つの組立構造物が得られる構造とはなっていなかった。
　また、特許文献３には２つの箱本体を並べて、２つの箱本体に設けたスリットと連結帯のスリットとを嵌合させることで箱本体どうしを連結させることのできる箱の考案が開示されているが、３つ以上または複数種類の本体部材を組み合わせて簡易に様々な形状の組立構造物を構成することについては何ら開示されていない。

　また、笹子トンネルの崩落事故など、近年、既存のインフラ設備の老朽化に伴う事故が散見され、これら老朽化した設備の補強工事が急務であるが、コスト面、時間面において有力な補強方法が確立されていない。

　本発明は、上記課題を解決するために考えられたものであり、本発明の第１の目的は、組み立てが容易で十分な強度を有する、シート状部材から組み立てられる組立構造物、およびそれらを形成するシートセットを提供することにある。また、本発明の第２の目的は、組み立てが容易で十分な強度を有する組み立て構造物を提供することにある。

　上記課題を解決するために、本発明は、シート状部材を折り目に沿って折り曲げることで形成される３つ以上の本体部材と、切り込み部を備える２つ以上のシート状連結部材とからなる組立構造物であって、それぞれの本体部材は、第１の面と折り目を介して第１の面に隣接する第２の面とを備えると共に折り目を横切って第１の面および第２の面にまたがるように設けられた開口部を備え、開口部は、本体部材を形成する際に折り目によって折り曲げられて、本体部材の第１の面に形成される第１のスリットと、第１のスリットから連続して本体部材の第２の面に形成される第２のスリットとに分離され、互いに隣接する本体部材は、第１の面を互いに重ね合わせることで、対応する２つの第１のスリットが重なるとともに、対応する２つの第２のスリットが互いに連なり、重なった２つの第１のスリットに、シート状連結部材の切り込み部を嵌合させることで、シート状連結部材が互いに連なる２つの第２のスリットに収容され、互いに隣接する本体部材の第２の面が互いに所定の角度を為して連結されることを特徴とする組立構造物を提供する。

　また、本発明は、シート状部材を折り目に沿って折り曲げることで形成される３つ以上の本体部材と、切り込み部を備える２つ以上のシート状連結部材とからなる組立構造物であって、それぞれの本体部材は、第１の面とその第１の面に隣接する第２の面とを備えると共に第１の面に設けられた連結スリットを備え、隣接する本体部材は、第１の面を互いに重ね合わせることで、対応する２つの連結スリットが重なり、重なった２つの連結スリットに、シート状連結部材の切り込み部を嵌合させることで、隣接する本体部材の第２の面が互いに所定の角度を為して連結されることを特徴とする組立構造物を提供する。

　また、本体部材は、第２の面が正五角形である五角錐台の形状を有する第１の本体部材と、第２の面が正三角形である三角錐台の形状を有する第２の本体部材とからなり、１５０枚のシート状連結部材によって１２個の第１の本体部材と８０個の第２の本体部材とが連結されることで、全体として変形十二面体の外形を有することが好ましい。

　また、それぞれのシート状連結部材によって互いに隣接する本体部材が連結されることで連なる複数の第２の面のそれぞれには、共通する１つの球面が外接することが好ましい。

　また、それぞれのシート状連結部材によって互いに隣接する本体部材が連結されることで連なる複数の第２の面によって形成された外形または内形を有することが好ましい。

　また、複数の第２の面によって形成された外形または内形は、正多面体もしくは半正多面体であることが好ましい。

　また、本体部材は、第２の面が正六角形である六角錐台の形状を有する第１の本体部材と、第２の面が正五角形である五角錐台の形状を有する第２の本体部材とからなり、９０個のシート状連結部材によって２０個の第１の本体部材と１２個の第２の本体部材とが連結されることで、全体として切頂二十面体の外形または内形を有することが好ましい。

　また、それぞれのシート状連結部材によって互いに隣接する本体部材が連結されることで連なる複数の第２の面によって形成されたアーチ状の外形または内形を有することが好ましい。

　また、それぞれのシート状連結部材によって互いに隣接する本体部材が連結されることで連なる複数の第２の面によって形成された多角柱または多角錐台の環状に連なる側面の外形または内形を有することが好ましい。

　さらに、少なくとも１つの第２の面に孔が開いていてもよい。

　また、本体部材は、一対の第１の面と、これら一対の第１の面の側縁の間に接続された第２の面と、一対の第１の面および第２の面にそれぞれ接続され且つ互いに向かい合う一対の二等辺三角形の底面を備える三角柱または三角錐台の形状を有し、それぞれのシート状連結部材によって互いに隣接する本体部材が連結されることで全体として正多角柱または正多角錐台の外形を有することが好ましい。

　シート状連結部材の嵌合方向が、正多角柱または正多角錐台の中心軸上に集まることが好ましい。

　また、本体部材の底面は、正三角形であり、６つのシート状連結部材によって６つの本体部材が連結されることで全体として正六角柱または正六角錐台の外形を有することが好ましい。

　本発明は、シート状部材およびシート状連結部材は同一のシートから切り出されることが好ましく、また、上述のいずれかに記載の組立構造物を形成するシートセットを提供してもよい。

　また、本発明は、多角錐台または円錐台の薄板状の側面部分からなる４つ以上の本体部材と、切り込み部を備える３つ以上のシート状連結部材とからなる組立構造物であって、それぞれの本体部材は、多角錐台または円錐台の薄板状の側面部分にその側面部分の高さ方向に延びるスリットを２つ以上備え、隣接する本体部材は、少なくとも１つのスリットをそれぞれ重ねて、重なったスリットにシート状連結部材の切り込み部を嵌合させることで、隣接する本体部材が互いに連結され、全てのシート状連結部材の嵌合方向が、共通する１つの球の中心または共通する１つの円柱の中心軸上に集まることを特徴とする組立構造物を提供する。

　また、本体部材は、等脚台形、長方形または正方形からなる一対の側面を備える六角錐台の側面部分からなることが好ましい。

　また、本体部材の下底面を構成する各頂点は、共通する１つの球面上または共通する１つの円柱の周面上に含まれてもよい。

　また、本体部材は、金型を用いた射出成形によって形成されることが好ましい。

　また、本体部材の上底面または下底面の少なくとも一方が薄板状の部材によって閉塞されていてもよい。

　本発明の第１の態様によれば、本体部材が１枚のシート状部材を折り曲げることで形成されるため、本体部材の組み立てが容易であり、また、本体部材自身が所定の形状を備えるため、本体部材からなる組立構造物の組み立てが容易となる。また、本体部材を連結する全てのシート状連結部材の嵌合方向が所定の方向を向くため、連結することで更に構造を強固なものとすることができる。
　また、本発明の第２の態様によれば、本体部材自身が所定の形状を備えるため、本体部材からなる組立構造物の組み立てが容易となる。そして、本体部材自身が所定の外圧に耐え得る構造を有し、また、これら本体部材を連結する全てのシート状連結部材の嵌合方向が所定の方向を向くため、連結することで構成される組立構造物の構造を更に強固なものとすることができる。
　よって、本発明に係る組立構造物を既存の構造物の補強に用いることで、既存の構造物の補強を短時間で安価に行うことができる。

本発明の第１の態様の第１実施形態に係る組立構造物の斜視図である。（Ａ）は、図１に示す組立構造物を構成する本体部材の斜視図であり、（Ｂ）は、（Ａ）に示す矢印方向からの正面図である。図２（Ａ）、（Ｂ）に示す本体部材を形成するシート状部材の展開図である。（Ａ）は、第１のシート状連結部材を示す正面図であり、（Ｂ）は、第２のシート状連結部材を示す正面図である。図１に示す組立構造物の組立説明図である。図１に示す組立構造物における隣接する本体部材の連結部分の断面拡大図である。図３に示すシート状部材、図４（Ａ）、（Ｂ）に示す第１のシート状連結部材、および図５（Ａ）、（Ｂ）に示す第２のシート状連結部材を切り出す前の材料シートを示す図である。本発明の第１の態様の第１実施形態に係る組立構造物の第１変形例の斜視図である。本発明の第１の態様の第１実施形態に係る組立構造物の第２変形例を示す斜視図である。本発明の第１の態様の第２実施形態に係る組立構造物の斜視図である。（Ａ）は、図１０に示す組立構造物を構成する第１の本体部材の斜視図であり、（Ｂ）は、（Ａ）に示す矢印方向からの正面図である。（Ａ）は、図１０に示す組立構造物を構成する第２の本体部材の斜視図であり、（Ｂ）は、（Ａ）に示す矢印方向からの正面図である。図１１（Ａ）、（Ｂ）に示す第１の本体部材を形成する第１のシート状部材の展開図である。図１２（Ａ）、（Ｂ）に示す第２の本体部材を形成する第２のシート状部材の展開図である。（Ａ）は、本発明の第１の態様の第２実施形態に係る第１のシート状連結部材を示す正面図であり、（Ｂ）は、本発明の第１の態様の第２実施形態に係る第２のシート状連結部材を示す正面図である。図１０に示す組立構造物の組立説明図である。図１０に示す組立構造物における隣接する第１の本体部材どうしの連結部分の断面拡大図である。図１３に示す第１のシート状部材および図１４に示す第２のシート状部材、ならびに図１５（Ａ）に示す第１のシート状連結部材および図１５（Ｂ）に示す第２のシート状連結部材を切り出す前の材料シートを示す図である。本発明の第１の態様の第２実施形態に係る組立構造物の第１変形例の斜視図である。本発明の第１の態様の第２実施形態に係る組立構造物の第２変形例の斜視図である。（Ａ）は、トンネルに設置される換気用ダクトを保持する本発明の第１の態様の第２実施形態に係る組立構造物の第３変形例の斜視透視図であり、（Ｂ）は、その正面拡大図であり、（Ｃ）は、シート状連結部材であり、（Ｄ）は、（Ｃ）のシート状連結部材を（Ａ）の組立構造物に用いた場合の組立説明図である。（Ａ）は、本発明に係る第３のシート状連結部材の展開図であり、（Ｂ）は、第３のシート状連結部材の正面図であり、（Ｃ）は、その側面図である。本体部材の側面のみに設けられたスリットによって隣接する本体部材を連結する場合の説明図である。本発明の第２の態様の第１実施形態に係る組立構造物の斜視図である。（Ａ）は、図２４に示す組立構造物を構成する本体部材の斜視図であり、（Ｂ）は、（Ａ）に示す矢印方向からの正面図である。図２４（Ａ）、（Ｂ）に示す本体部材を形成するシート状部材の展開図である。（Ａ）は、第１のシート状連結部材を示す正面図であり、（Ｂ）は、その側面図である。図２４に示す組立構造物の組立説明図である。本発明の第２の態様の第２実施形態に係る組立構造物の斜視図である。（Ａ）は、図２９に示す組立構造物を構成する第１の本体部材の斜視図であり、（Ｂ）は、（Ａ）に示す矢印方向からの正面図である。（Ａ）は、図２９に示す組立構造物を構成する第２の本体部材の斜視図であり、（Ｂ）は、（Ａ）に示す矢印方向からの正面図である。（Ａ）は、図３０（Ａ）、（Ｂ）に示す第１の本体部材を形成する第１のシート状部材の展開図であり、（Ｂ）は、図３１（Ａ）、（Ｂ）に示す第２の本体部材を形成する第２のシート状部材の展開図である。（Ａ）は、シート状連結部材を形成する第３のシート状部材の展開図であり、（Ｂ）は、シート状連結部材を示す正面図であり、（Ｃ）は、シート状連結部材の側面図である。図２９に示す組立構造物の組立説明図である。

　本発明に係る組立構造物を、添付の図面に示す各態様の好適実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。

第１の態様の第１実施形態
　図１は、本発明の第１の態様の第１実施形態に係る組立構造物である。
　図１に示す組立構造物１は、正六角柱の外形を有し、６つの本体部材２、６つの第１のシート状連結部材３、および１２個の第２のシート状連結部材４からなる。

　図２（Ａ）は、図１に示す本体部材２の斜視図であり、図２（Ｂ）は、図２（Ａ）に示す矢印方向から本体部材２を見た場合の正面図である。
　本体部材２は、正三角形状の互いに向かい合う一対の底面５と、一対の正三角形状の底面５の両斜辺の間に接続される長方形状の一対の側面６と、一対の底面５および一対の側面６によって上下左右を囲まれる長方形状の正面７とを備えた三角柱形状を有する。

　正面７は、一対の側面６とそれぞれ接続する一対の辺の中央から正面７自身へ延びる一対の第１のスリット８を備え、側面６はそれぞれ、正面７の第１のスリット８から連続して側面６自身へ延びる第２のスリット９を備える。
　また、正三角形状の底面５は、その一対の斜辺の中央から底面５自身へ延びる一対の第３のスリット１０を備え、側面６は、一対の底面５の第３のスリット１０から連続して延びる一対の第４のスリット１１を備える。

　正三角形状の底面５は、正面７に接続される底辺１２と、上述のとおり一対の側面６に接続される一対の斜辺１３とからなり、斜辺１３は、第３のスリット１０によって、上斜辺部１３ａと下斜辺部１３ｂとに分けられる。
　正面７は、底面５に接続され横方向に延びる一対の底辺１２と側面６に接続され縦方向に延びる一対の第１の辺１４とからなり、第１の辺１４は、第１のスリット８によって上下２つに分けられる。
　側面６は、上下一対の底面５に接続される上下一対の斜辺１３と、正面７に接続される第１の辺１４と、上下一対の底面５の頂点を結ぶ第２の辺１５とからなり、第１の辺１４は、上述と同様に、第２のスリット９によって上下２つに分けられる。

　図３に、図２（Ａ）、（Ｂ）に示す本体部材２を形成するシート状部材１６の展開図を示す。図２（Ａ）、（Ｂ）に示す本体部材２は、図３に示すシート状部材１６を折り曲げ加工することで形成される。

　シート状部材１６は、正面７に対して上下左右が対称に構成されており、正面７の上下対称に接続された一対の正三角形状の底面５、底面５の両斜辺１３に接続された一対の糊しろ面１７、正面７を左右から挟むように接続された一対の側面６、一対の側面６を更に左右から挟むように接続された一対の矩形の補強面１８をそれぞれ備える。

　正三角形状の底面５の斜辺１３は、第１の切り込み部１９によって糊しろ面１７も含めて上下に分離され、上斜辺部１３ａに上糊しろ面１７ａが接続され、下斜辺部１３ｂに下糊しろ面１７ｂが接続される。また、底面５の底辺１２に正面７が接続される。なお、矩形の糊しろ面１７はその両脚部に第１の切り込み部１９をそれぞれ備える。

　正面７と側面６とはそれぞれが第１の辺１４によって接続されており、第１の辺１４は、正面７と側面６とにわたる開口部２０によって上下に分離される。
　側面６は上下に一対の第２の切り込み部２１を備え、補強面１８と第２の辺１５によって接続されている。補強面１８は、上下に一対の第１の切り欠き部２２を備え、第２の辺１５と逆側の辺に第２の切り欠き部２３を備える。

　次に、シート状部材１６を点線（底辺１２、上斜辺部１３ａ、下斜辺部１３ｂ、一対の第１の辺１４、第２の辺１５）で同一方向（全て山折り、または全て谷折り）に折り曲げることでシート状部材１６から本体部材２を組み立てる。

　まず、初めに、一対の正三角形状の底面５を正面７に対して垂直に折り曲げ、一対の上糊しろ面１７ａおよび下糊しろ面１７ｂを底面５に対してそれぞれ垂直に折り曲げる。
　次に、一対の側面６を、正三角形状の底面５の斜辺１３に沿うように折り曲げる。このとき、開口部２０は、本体部材２の正面７の第１のスリット８と側面６の第２のスリット９とに分けられ、また、正三角形状の底面５の両斜辺１３の第１の切り込み部１９は第３のスリット１０となり、側面６の第２の切り込み部２１は第４のスリット１１となる。更に、一対の補強面１８を折り込んで、側面６および補強面１８によって上下一対の糊しろ面１７ａ、１７ｂを挟み込む。
　このようにシート状部材１６の各面を同一方向に折り曲げることで、接着剤などを用いなくとも、シート状部材１６の応力および摩擦力によって本体部材２の形状が維持される。

　なお、シート状部材１６から本体部材２を組み立てた際、矩形の補強面１８には第１の切り欠き部２２および第２の切り欠き部２３が設けられているため、矩形の補強面１８は、側面６の第４のスリット１１および第２のスリット９を塞ぐことがない。

　図４（Ａ）は、図１に示す第１のシート状連結部材３の正面図であり、図４（Ｂ）は、図１に示す第２のシート状連結部材４の正面図である。

　図４（Ａ）に示すように、第１のシート状連結部材３は、下部に第１の連結切り込み部３Ａを備え、上部に一対の斜面３Ｃ、３Ｃを持つ凸部３Ｂを備える。なお、凸部３Ｂの斜面３Ｃは左右対称であり、頂点の角度は１２０°である。
　図４（Ｂ）に示すように、第２のシート状連結部材４は、下部に第２の連結切り込み部４Ａを備え、上部に平坦部４Ｂを備える。

　図５は、本体部材２、第１のシート状連結部材３、および第２のシート状連結部材４を用いて図１に示す組立構造物１を組み立てる際の組立説明図である。
　図５に示すように、６つの本体部材２をそれらの正面７が六角柱の外形を呈するように並べて、隣接する本体部材２の連続する正面７に互いに連なる対応する２つの第１のスリット８に、第１のシート状連結部材３を嵌合させることで、隣接する本体部材２を連結する。このとき、６つの第１のシート状連結部材３の本体部材２との嵌合方向がすべて上述の六角柱の外形の中心軸上の一点に集まることで、組立構造物１の連結構造を強固なものとすることができる。なお、上述の嵌合方向が、中心軸上の一点でなく、中心軸上に集まるだけでも組立構造物１の連結構造を強固なものとすることができる。
　また、隣接する本体部材２の連続する三角形状の底面５に互いに連なる対応する２つの第３のスリット１０に第２のシート状連結部材４を嵌合させることで、隣接する本体部材２の連結を更に強固にすることができる。

　図６は、図５に示す組立構造物１における隣接する本体部材２の第１のシート状連結部材３による連結部分の断面拡大図である。
　第１のシート状連結部材３は、重なった２つの第２のスリット９に第１のシート状連結部材３の第３の切り込み部３Ａを嵌合させることで、第１のシート状連結部材３によって隣接する本体部材２の重なり合う側面６を固定して、隣接する本体部材２を連結するとともに、嵌合の際、第１のシート状連結部材３の一対の斜面を有する凸部３Ｂが、隣接する本体部材２の２つの正面７にわたって互いに連なる２つの第１のスリット８に収容される。隣接する本体部材２の２つの正面７が為す角度は１２０°であり、第１のシート状連結部材３の一対の斜面を有する凸部の為す角度も１２０°であるためである。
　なお、図示しないが、第２のシート状連結部材４も、同様に、重なった２つの第４のスリット１１に第２のシート状連結部材４の第４の切り込み部４Ａを嵌合させることで、第２のシート状連結部材４によって、隣接する本体部材２の重なり合う側面６をより強固に固定するとともに、第２のシート状連結部材４の平坦部４Ｂが、隣接する本体部材２の接続する２つの等脚台形面５にわたって互いに連なる２つの第３のスリット９に収容される。

　図７は、本発明の第１の態様の第１実施形態に係る本体部材２を形成するシート状部材１６、第１のシート状連結部材３、および第２のシート状連結部材４の切り出し前の状態を示す１枚の材料シート２４の概略図である。
　図７に示すように、本体部材２を形成するシート状部材１６、第１のシート状連結部材３、および第２のシート状連結部材４のそれぞれは、同一の材料シート２４から複数枚ずつ切り出される。この材料シート２４は、材質については特に限定されず、例えば、防水加工や防火加工などの特殊加工がなされた段ボールや厚紙でもよく、折り曲げ可能なプラスチックシートなどでもよく、また、アルミニウムシートなどの可撓性の金属シートであってもよい。また、竹材や木材で構成されてもよく、ガラスや樹脂材料で構成されてもよい。
　なお、これらシート状部材１６、第１のシート状連結部材３、および第２のシート状連結部材４のそれぞれは、別々の材料シートから切り出されたものでもよく、また、それぞれ材質の異なるシートから切り出されたものでもよい。

　図８は、本発明の第１の態様の第１実施形態に係る組立構造物の第１変形例である。
　図８に示す組立構造物２５は、正六角柱の外形を有し、６つの本体部材２６、６つの第１のシート状連結部材３、および１２個の第２のシート状連結部材４からなる。
　図１に示す組立構造物１との違いは、本体部材２６が本体部材２と違い、等脚台形の底面を有する４角柱からなるため、中央に孔が開いている点である。

　また、図９に示すように、第１の態様の第１実施形態に係る組立構造物の第２変形例として、組立構造物２７がアーチ形の形状を備えても良い。簡易な橋や建築物の構造として利用することができる。

　以上のように、第１の態様の第１実施形態に係る組立構造物１、２５、２７は、特殊な道具等を用いなくとも簡単に組み立てることができ、外側または上側からの荷重に強い構造を備え、また、それらの大きさも特に限定されないため、例えば、踏み台として利用することができ、また、１つの椅子、環状の長椅子、テーブルなどの家具として利用することができる。
　また、第１の態様の第１実施形態に係る組立構造物１、その第１の変形例の組立構造物２５は、共に六角柱であるが、同様にして様々な多角柱や多角錐台の組立構造物を構成することができる。

第１の態様の第２実施形態
　図１０は、本発明の第１の態様の第２実施形態に係る組立構造物である。
　図１０に示す組立構造物１０１は、切頂二十面体の外形を備え、２０個の第１の本体部材１０２、１２個の第２の本体部材１０３、６０個の第１のシート状連結部材１０４、および３０個の第２のシート状連結部材１０５からなる。

　図１１（Ａ）は、図１０に示す第１の本体部材１０２の斜視図であり、図１１（Ｂ）は、図１１（Ａ）に示す矢印方向から第１の本体部材１０２を見た場合の正面図である。
　第１の本体部材１０２は、正六角形状の第１の正面１０６と、正六角形状の第１の正面１０６の一辺と接続する等脚台形状の６つの第１の側面１０７とからなる六角錐台の形状を有し、第１の正面１０６に対向する面が開放されている。なお、第１の正面１０６と第１の側面１０７との為す角は、約７２．６°である。

　正六角形状の第１の正面１０６は、６つの第１の側面１０７と接続する辺の中央から第１の正面１０６自身へ延びる第１の正面スリット１０８をそれぞれ備え、第１の側面１０７のそれぞれは、第１の正面１０６の第１の正面スリット１０８から連続して第１の側面１０７自身へ延びる第１の側面スリット１０９を備える。

　等脚台形状の第１の側面１０７は、開放された面に接続される第１の上底１１２と、第１の正面１０６に接続される第１の下底１１０と、他の第１の側面１０７にそれぞれ接続される一対の第１の脚部１１１とからなる。第１の下底１１０は、第１の正面スリット１０８によって第１の左下底部１１０ａと第１の右下底部１１０ｂとの２つに分けられる。
　また、上述のとおり正六角形状の第１の正面１０６は、第１の下底１１０によって囲まれ、第１の下底１１０は、第１の側面スリット１０９によって、第１の左下底部１１０ａと第１の右下底部１１０ｂとの２つに分けられる。

　図１２（Ａ）は、図１０に示す第２の本体部材１０３の斜視図であり、図１２（Ｂ）は、図１２（Ａ）に示す矢印方向から第２の本体部材１０３を見た場合の正面図である。
　第２の本体部材１０３は、正五角形状の第２の正面１１３と、正五角形状の第２の正面１１３の一辺と接続する等脚台形状の５つの第２の側面１１４とからなる五角錐台の形状を有し、第２の正面１１３に対向する面が開放されている。なお、第２の正面１１３と第２の側面１１４との為す角は、約７７°である。

　正五角形状の第２の正面１１３は、５つの第２の側面１１４とそれぞれ接続する辺の中央から第２の正面１１３自身へ延びる第２の正面スリット１１５を備え、第２の側面１１４はそれぞれ、第２の正面１１３の第２の正面スリット１１５から連続して第２の側面１１４自身へ延びる第２の側面スリット１１６を備える。

　等脚台形状の第２の側面１１４は、開放された面に接続される第２の上底１１９と、第２の正面１１３に接続される第２の下底１１７と、他の第２の側面１１４にそれぞれ接続される一対の第２の脚部１１８とからなり、第２の下底１１７は、第２の側面スリット１１６によって、第２の左下底部１１７ａと第２の右下底部１１７ｂとに分けられる。
　また、第２の正面１１３は、上述のとおり正五角形状であり、第２の下底１１７によって囲まれており、第２の下底１１７は、上述と同様に、第２の正面スリット１１５によって、第２の左下底部１１７ａと第２の右下底部１１７ｂとに分けられる。

　図１３に、図１１（Ａ）、（Ｂ）に示す第１の本体部材１０２を形成する第１のシート状部材１２０の展開図を示す。図１１（Ａ）、（Ｂ）に示す第１の本体部材１０２は、図１３に示す第１のシート状部材１２０を折り曲げ加工することで形成される。

　第１のシート状部材１２０は、正六角形状の第１の正面１０６を構成する６つの第１の下底１１０の外側に、第１の下底１１０に接続する第１の側面１０７、第１の側面１０７の一対の第１の脚部１１１の一方に設けられた第１の糊しろ面１２１、第１の側面１０７の第１の上底１１２に設けられた第１の補強面１２２をそれぞれ備え、第１の正面１０６と第１の側面１０７のそれぞれとの間にわたって、第１の下底１１０を第１の左下底部１１０ａと第１の右下底部１１０ｂと２つに分ける第１の開口部１２３を備える。また、第１の糊しろ面１２１は、矩形状または台形状であって、折り曲げ加工された際に隣接する第１の側面１０７の第１の側面スリット１０９を塞ぐことが無いように第１の切り欠き部１２４を備える。また、第１の補強面１２２は、等脚台形状であって第１の側面１０７と第１の上底１１２を介して上下対称であることが好ましく、折り畳まれた際に第１の側面１０７の第１の側面スリット１０９を塞ぐことが無いように、その下底部分に第２の切り欠き部１２５を備える。

　次に、第１のシート状部材１２０を点線（第１の下底１１０（第１の左下底部１１０ａ、第１の右下底部１１０ｂ）、第１の脚部１１１、第１の上底１１２）で同一方向（全て山折り、または全て谷折り）に折り曲げることで第１のシート状部材１２０から第１の本体部材１０２を組み立てる。

　まず、始めに、等脚台形状の６つの第１の側面１０７のそれぞれを正六角形状の第１の正面１０６に対して垂直よりやや内側に傾くように折り曲げる。このとき第１の開口部１２３は、第１の本体部材１０２の第１の正面１０６の第１の正面スリット１０８と、第１の側面１０７の第１の側面スリット１０９とにそれぞれ分けられる。
　次に、第１の糊しろ面１２１を、その第１の糊しろ面が接続された第１の側面１０７と隣り合う第１の側面１０７の内側に沿うようにそれぞれ折り曲げる。
　そして、最後に、隣り合う第１の側面１０７から延びる第１の糊しろ面１２１を第１の補強面１２２と対応する第１の側面１０７とによって挟み込むように第１の補強面１２２をそれぞれ折り曲げる。
　このように第１のシート状部材１２０の各面を同一方向に折り曲げることで、接着剤などを用いなくとも、第１のシート状部材１２０の応力および摩擦力によって第１の本体部材１０２の形状が維持される。

　なお、第１のシート状部材１２０から第１の本体部材１０２を組み立てた際、第１の糊しろ面１２１には第１の切り欠き部１２４が設けられているため、第１の糊しろ面１２１は、等脚台形状の第１の側面１０７の第１の側面スリット１０９を塞ぐことがなく、また、第１の補強面１２２には第２の切り欠き部１２５が設けられているため、第１の補強面１２２は、等脚台形状の第１の側面１０７の第１の側面スリット１０９を塞ぐことがない。

　同様に、図１４に、図１２（Ａ）、（Ｂ）に示す第２の本体部材１０３を形成する第２のシート状部材１２６の展開図を示す。図１２（Ａ）、（Ｂ）に示す第２の本体部材１０３は、図１４に示す第２のシート状部材１２６を折り曲げ加工することで形成される。

　第２のシート状部材１２６は、正五角形状の第２の正面１１３を構成する５つの第２の下底１１７の外側に、第２の下底１１７に接続する第２の側面１１４、第２の側面１１４の一対の第２の脚部１１８の一方に設けられた第２の糊しろ面１２７、第２の側面１１４の第２の上底１１９に設けられた第２の補強面１２８をそれぞれ備え、第２の正面１１３と第２の側面１１４のそれぞれとの間にわたって、第２の下底１１７を第２の左下底部１１７ａと第２の右下底部１１７ｂと２つに分ける第２の開口部１２９を備える。また、第２の糊しろ面１２７は、矩形状または台形状であって、折り曲げ加工された際に隣接する第２の側面１１４の第２の側面スリット１１６を塞ぐことが無いように第３の切り欠き部１３０を備える。また、第２の補強面１２８は、等脚台形状であって第２の側面１１４と第２の上底１１９を介して上下対称であることが好ましく、折り畳まれた際に第２の側面１１４の第２の側面スリット１１６を塞ぐことが無いように、その下底部分に第４の切り欠き部１３１を備える。

　次に、第２のシート状部材１２６を点線（第２の下底１１７（第２の左下底部１１７ａ、第２の右下底部１１７ｂ）、第２の脚部１１８、第２の上底１１９）で同一方向（全て山折り、または全て谷折り）に折り曲げることで第２のシート状部材１２６から第２の本体部材１０３を組み立てる。

　まず、始めに、等脚台形状の５つの第２の側面１１４のそれぞれを正五角形状の第２の正面１１３に対して垂直よりやや内側に傾くように折り曲げる。このとき、第２の開口部１２９は、第２の本体部材３の第２の正面１１３の第２の正面スリット１１５と第２の側面１１４の第２の側面スリット１１６とにそれぞれ分けられる。
　次に、第２の糊しろ面１２７を、その第２の糊しろ面１２７が接続する第２の側面１１４と隣り合う第２の側面１１４の内側に沿うようにそれぞれ折り曲げる。
　そして、最後に、隣り合う第２の側面１１４から延びる第２の糊しろ面１２７を第２の補強面１２８と対応する第２の側面１１４とによって挟み込むように第２の補強面１２８をそれぞれ折り曲げる。
　このように第２のシート状部材１２６の各面を同一方向に折り曲げることで、接着剤などを用いなくとも、第２のシート状部材１２６の応力および摩擦力によって第２の本体部材１０３の形状が維持される。

　なお、第２のシート状部材１２６から第２の本体部材１０３を組み立てた際、第２の糊しろ面１２７には第３の切り欠き部１３０が設けられているため、第２の糊しろ面１２７は、等脚台形状の第２の側面１１４の第２の側面スリット１１６を塞ぐことがなく、また、第２の補強面１２８には第４の切り欠き部１３１が設けられているため、第２の補強面１２８は、等脚台形状の第２の側面１１４の第２の側面スリット１１６を塞ぐことがない。

　図１５（Ａ）は、図１０に示す第１のシート状連結部材１０４の正面図であり、図１５（Ｂ）は、図１０に示す第２のシート状連結部材１０５の正面図である。
　図１５（Ａ）に示すように、第１のシート状連結部材１０４は、第１の本体部材１０２と第２の本体部材１０３とを連結するため、下部に第１の連結切り込み部１０４Ａを有し、また、上部に傾きの異なる一対の斜面を持つ第１の凸部１０４Ｂを備える。第１の凸部１０４Ｂは、第１のシート状連結部材１０４の中心軸に対する傾きが約７７°である第１の斜面１０４Ｃと、傾きが約７２．６°である第２の斜面１０４Ｄとを備える。
　また、図１５（Ｂ）に示すように、第２のシート状連結部材１０５は、第１の本体部材１０２どうしを連結するため、下部に第２の連結切り込み部１０５Ａを有し、また、上部に左右対称な一対の斜面１０５Ｃ、１０５Ｃを持つ第２の凸部１０５Ｂを備える。なお、第２の凸部１０５Ｂの頂点の角度は、約１４５．２°である。

　図１６は、第１の本体部材１０２、第２の本体部材１０３、第１のシート状連結部材１０４、および第２のシート状連結部材１０５を用いて図２２に示す組立構造物１０１を組み立てる際の組立説明図である。
　図１６に示すように、２０個の第１の本体部材１０２の正六角形状の第１の正面１０６と１２個の第２の本体部材１０３の正五角形状の第２の正面１１３とが切頂二十面体の外形を呈するように並べて、隣接する第１の本体部材１０２と第２の本体部材１０３との連続する第１の正面１０６と第２の正面１１３とに互いに連なる対応する第１の正面スリット１０８と第２の正面スリット１１５とに、第１のシート状連結部材１０４をその第１の凸部１０４Ｂの第１の斜面１０４Ｃが第２の正面スリット１１５へ収容され、その第１の凸部１０４Ｂの第２の斜面１０４Ｄが第１の正面スリット１０８へ収容されるように嵌合させることで、隣接する第１の本体部材１０２と第２の本体部材１０３とを連結する。
　また、同様に、隣接する第１の本体部材１０２どうしの連続する第１の正面１０６に互いに連なる対応する２つの第１の正面スリット１０８に、第２のシート状連結部材１０５を嵌合させることで、隣接する第１の本体部材１０２どうしを連結する。
　このとき、６０個の第１のシート状連結部材１０４および３０個の第２のシート状連結部材１０５の全ての嵌合方向が上述の切頂二十面体の外形の中心に集まることで、組立構造物１０１の連結構造を強固なものとすることができる。

　なお、図示しないが、第１のシート状連結部材１０４は、第１の本体部材１０２の第１の側面１０７と第２の本体部材１０３の第２の側面１１４とが重なることで重なった第１の側面スリット１０９および第２の側面スリット１１６に第１のシート状連結部材１０４の第１の連結切り込み部１０４Ａを嵌合させることで、第１のシート状連結部材１０４によって隣接する第１の本体部材１０２と第２の本体部材１０３の重なり合う第１の側面１０７と第２の側面１１４とを固定して、隣接する第１の本体部材１０２と第２の本体部材１０３とを連結するとともに、嵌合の際、第１のシート状連結部材１０４の第１の凸部１０４Ｂが、隣接する第１の本体部材１０２と第２の本体部材１０３の第１の正面１０６と第２の正面１１３とにわたって互いに連なる第１の正面スリット１０８と第２の正面スリット１１５とに収容される。隣接する第１の本体部材１０２と第２の本体部材１０３の第１の正面１０６と第２の正面１１３とが為す角度は、約１４９．６°であり、第１の正面１０６と第１の凸部１０４Ｂの第２の斜面１０４Ｄとの為す角が等しく、第２の正面１１３と第１の凸部１０４Ｂの第１の斜面１０４Ｃとの為す角が等しいためである。

　また、図１７は、図１６に示す組立構造物１０１における隣接する第１の本体部材１０２どうしの第２のシート状連結部材１０５による連結部分の断面拡大図である。
　第２のシート状連結部材１０５は、隣接する第１の本体部材１０２の第１の側面１０７どうしが重なることで重なった２つの第１の側面スリット１０９に第２のシート状連結部材１０５の第２の連結切り込み部１０５Ａを嵌合させることで、第２のシート状連結部材１０５によって隣接する第１の本体部材１０２の重なり合う第１の側面１０７どうしを固定して隣接する第１の本体部材１０２どうしを連結するとともに、嵌合の際、第２のシート状連結部材１０５の一対の斜面を有する第２の凸部１０５Ｂが、隣接する第１の本体部材１０２の２つの第１の正面１０６にわたって互いに連なる２つの第１の正面スリット１０８に収容される。隣接する第１の本体部材１０２の２つの第１の正面１０６が為す角度は、約１４５．２°であり、第２のシート状連結部材１０５の一対の斜面１０５Ｃを有する第２の凸部１０５Ｂの為す角度も約１４５．２°であるためである。

　図１８は、本発明の第１の態様の第２実施形態に係る第１の本体部材１０２を形成する第１のシート状部材１２０、第２の本体部材１０３を形成する第２のシート状部材１２６、第１のシート状連結部材１０４、および第２のシート状連結部材１０５の切り出し前の状態を示す１枚の材料シート１３２の概略図である。
　図１８に示すように、第１の本体部材１０２を形成する第１のシート状部材１２０、第２の本体部材１０３を形成する第２のシート状部材１２６、第１のシート状連結部材１０４、および第２のシート状連結部材１０５のそれぞれは、同一の材料シート１３２から複数枚ずつ切り出される。この材料シート１３２は、材質については特に限定されず、例えば、防水加工や防火加工などの特殊加工がなされた段ボールや厚紙でもよく、折り曲げ可能なプラスチックシートなどでもよく、また、アルミニウムシートなどの可撓性の金属シートであってもよい。また、竹材や木材で構成されてもよく、ガラスや樹脂材料で構成されてもよい。
　なお、これら第１のシート状部材１２０、第２のシート状部材１２６、第１のシート状連結部材１０４、および第２のシート状連結部材１０５のそれぞれは、別々の材料シートから切り出されたものでもよく、また、それぞれ材質の異なるシートから切り出されたものでもよい。

　以上のように、第１の態様の第２実施形態に係る組立構造物１０１は、特殊な道具等を用いなくとも簡単に組み立てることができ、外側からの荷重に強い構造を備え、また、それらの大きさも特に限定されない。
　また、第１の態様の第２実施形態に係る組立構造物１０１は、切頂二十面体の外形を備えるが、同様にして様々な正多面体や半正多面体の組立構造物を構成することができる。なお、正多面体および半正多面体を構成する正多角形の面には、それぞれの面に共通して外接する１つの球面が存在する。

　図１９は、本発明の第１の態様の第２実施形態に係る組立構造物の第１変形例である。
　図１９に示す組立構造物１３３は、本発明の第１の態様の第２実施形態に係る組立構造物１０１を構成する第１の本体部材１０２および第２の本体部材１０３において、正六角形状の第１の正面１０６と正五角形状の第２の正面１１３とを切り欠いて孔を開け、その代わりに開放していた第１の上底１１２によって囲まれた正六角形部分を封止して第１の正面とし、第２の上底１１９によって囲まれた正五角形部分を封止して第２の正面としてスリットをそれぞれに設け、第１の態様の第２実施形態と同様にシート状連結部材によって組み立てたものである。
　図１９に示す組立構造物１３３は、その内側に切頂二十面体の内形を備える。また、シート状連結部材は、組立構造物１３３の内側から外側に向けて嵌合される。なお、第１の態様の第２実施形態と同様、組立構造物１３３の備える切頂二十面体の内形には１つの球面が外接する。

　図２０は、本発明の第１の態様の第２実施形態に係る組立構造物の第２変形例である。
　図２０に示す組立構造物１３４は、変形十二面体の外形を備え、１２個の第１の本体部材、８０個の第２の本体部材、６０個の第１のシート状連結部材、および９０個の第２のシート状連結部材からなる。
　なお、第１の態様の第２実施形態と同様、組立構造物１３４の備える変形十二面体の外形には１つの球面が外接する。

　なお、正多面体、例えば、正四面体は、正三角形を正面（底面）とする三角錐台を本体部材として４個連結することで構成することができ、正六面体は、正方形を正面とする四角錐台を本体部材として６個連結することで構成することができ、正八面体は、正三角形を正面とする三角錐台を８個連結することで構成することができ、正十二面体は、正五角形を正面とする五角錐台を１２個連結することで構成でき、正二十面体は、正三角形を正面とする三角錐台を２０個連結することで構成できる。

　また、半正多面体、例えば、切頂四面体は、正六角形を正面（底面）とする六角錐台を第１の本体部材とし、正三角形を正面（底面）とする三角錐台を第２の本体部材とし、第１の本体部材を４個と第２の本体部材を４個とを連結することで構成できる。なお、第１の本体部材の正面となる図形の一辺の長さと、第２の本体部材の正面となる図形の一辺の長さとは等しい。
　また、切頂六面体は、正八角形を正面とする八角錐台を第１の本体部材とし、正三角形を正面とする三角錐台を第２の本体部材とし、第１の本体部材を６個と第２の本体部材を８個とを連結することで構成できる。
　また、切頂八面体は、正六角形を正面とする六角錐台を第１の本体部材とし、正方形を正面とする四角錐台を第２の本体部材とし、第１の本体部材を８個と第２の本体部材を６個とを連結することで構成できる。
　また、切頂十二面体は、正十角形を正面とする十角錐台を第１の本体部材とし、正三角形を正面とする三角錐台を第２の本体部材とし、第１の本体部材を１２個と第２の本体部材を２０個とを連結することで構成できる。
　また、立方八面体は、正方形を正面とする四角錐台を第１の本体部材とし、正三角形を正面とする三角錐台を第２の本体部材とし、第１の本体部材を６個と第２の本体部材を８個とを連結することで構成できる。
　また、二十・十二面体は、正五角形を正面とする五角錐台を第１の本体部材とし、正三角形を正面とする三角錐台を第２の本体部材とし、第１の本体部材を１２個と第２の本体部材を２０個とを連結することで構成できる。
　また、斜方立方八面体は、正方形を正面とする四角錐台を第１の本体部材とし、正三角形を正面とする三角錐台を第２の本体部材とし、第１の本体部材を１８個と第２の本体部材を８個とを連結することで構成できる。
　また、変形立方体は、正方形を正面とする四角錐台を第１の本体部材とし、正三角形を正面とする三角錐台を第２の本体部材とし、第１の本体部材を６個と、第２の本体部材を３２個とを連結することで構成できる。

　同様に、斜方二十・十二面体は、正五角形を正面とする五角錐台を第１の本体部材とし、正方形を正面とする四角錐台を第２の本体部材とし、正三角形を正面とする三角錐台を第３の本体部材とし、第１の本体部材を１２個と第２の本体部材を３０個と第３の本体部材を２０個とを連結することで構成できる。
　また、斜方切頂立方八面体は、正八角形を正面とする八角錐台を第１の本体部材とし、正六角形を正面とする六角錐台を第２の本体部材とし、正方形を正面とする四角錐台を第３の本体部材とし、第１の本体部材を６個と第２の本体部材を８個と第３の本体部材を１２個とを連結することで構成される。
　また、斜方切頂二十・十二面体は、正十角形を正面とする十角錐台を第１の本体部材とし、正六角形を正面とする六角錐台を第２の本体部材とし、正方形を正面とする四角錐台を第３の本体部材とし、第１の本体部材を１２個と第２の本体部材を２０個と第３の本体部材を３０個とを連結することで構成される。
　なお、正多面体または半正多面体を構成する本体部材の正面の一辺の長さは全て等しい。つまり、第１の本体部材および第２の本体部材の２種類の本体部材で半正多面体が構成されている場合、第１の本体部材の正面の一辺の長さと、第２の本体部材の正面の一辺の長さは等しく、また、第１の本体部材、第２の本体部材および第３の本体部材の３種類の本体部材で半正多面体が構成されている場合、第１の本体部材の正面の一辺の長さ、第２の本体部材の正面の一辺の長さ、および第３の本体部材の一辺の長さはそれぞれ等しい。

　なお、第１の態様の第２実施形態において、本体部材は、多角錐台の形状を備えるが、多角錐の形状であってもよい。多角錐台の場合と同様に、正多面体および半正多面体を構成することができる。また、第１の態様の第２実施形態において記載した本体部材の正面と側面との為す角は、一応の目安であり、角度に若干のばらつきがあったとしても多面体または半正多面体の組立構造物を構成することができる。また、スリットの位置は、シート状連結部材によって本体部材どうしを連結できれば本体部材の各辺の中央でなくともよい。

　また、本発明の組立構造物は、第１の態様の第２実施形態で示した正多面体や半正多面体などの外形に限らず、本発明の組立構造物を複数組み合わせることで、ラグビーボール形状やドーナツ形状、または、これらの一部のみを模した形状など、様々な外形を備えることができる。そして、本発明の組立構造物を構成する本体部材も、正三角錐台、正五角錐台、および正六角錐台などの形状に限らず、それぞれの正面に対して１つの共通する球面が外接するのであれば、一般的な三角形状や四角形状を正面とする三角錐台や四角錐台などであってもよい。
　また、本発明の組立構造物は、その大きさや形状も特に限定されないため、例えば、ボール、サッカーボール、ラグビーボール、簡易シェルター、移動住居、観測用ドーム、インテリア、包装容器、船、飛行船、宇宙ステーション、および月面基地などとして利用することができる。これらの組立構造物は、本発明に係る組立構造物を複数組み合わせることで構成することができる。

　また、第１の態様の第１実施形態に係る組立構造物１は、正六角柱であるが、同様にして様々な正多角柱や正多角錐台の組立構造物を構成することができる。なお、正多角柱および正多角錐台を構成する複数の正面（正多角柱および正多角錐台の側面に該当する）には、それぞれの正面に共通して外接する１つの球面が存在する。

　また、第１の態様の第２実施形態に係る組立構造物の第３変形例として、組立構造物の正面が複数連続することでアーチ形の形状を備えても良い。簡易な橋や建築物の構造として利用することができる。
　上述のアーチ形の形状を備える組立構造物の例として、トンネルの換気用ダクトを保持する組立構造物が挙げられる。図２１（Ａ）、（Ｂ）に示すように、トンネルの壁部１３５に対して、六角形状の正面を備える本体部材１３６をその正面がアーチを形成するようにシート状連結部材１３７で連結することで、換気用ダクト１３８を支える組立構造物１３９を形成する。図２１（Ｂ）に示すように、例えば、換気用ダクト１３８は、本体部材１３６の側面部分を貫通することで本体部材１３６によって保持されることが好ましい。この組立構造物１３９は、トンネルの壁部１３５の全面を覆うように形成してもよく、また、所定間隔ごとに形成してもよい。なお、例えば、本体部材１３６は、金属板を折り曲げ加工することで形成され、シート状連結部材１３７は、金属板を切り抜くことで形成される。

　組立構造物１３９がトンネルの壁部１３５の全面を覆う場合、所定の位置において本体部材１３６の六角形状の正面を切り欠き、また、同じ位置の換気用ダクト１３８に孔を開けることで、トンネル内の換気を行うことができる。また、所定間隔ごとに組立構造物１３９を設ける場合、組立構造物１３９が無い位置において換気用ダクト１３８に孔を開けることでトンネル内の換気を行うことができる。なお、本体部材１３６の正面の形状は六角形状に限らず、四角形状等どのような形状でもよい。
　なお、上述のアーチ形状の組立構造物１３９によって、組立構造物１３９とトンネルの壁部１３５との間に、換気用ダクト１３８ではなく、換気用の大型ファンを保持してもよく、また、組立構造物１３９の下に金属棒、ワイヤおよび網などを用いて換気用の大型ファンを吊るしてもよい。

　また、シート状連結部材は、複数まとめられてもよい。例えば、図２１（Ｃ）に示すようにシート状連結部材１３７を円板によって３つまとめた部材をシート状連結部材１４０とする。なお、シート状連結部材１３７をまとめる形状は円板に限らず、例えば、本体部材１３６の正面の傾きに合わせてシート状連結部材１３７を各頂点とする三角形状でもよい。
　図２１（Ｄ）に示すように、組立構造物１３９において、３つの本体部材１３６が連なった箇所に、シート状連結部材１４０を嵌合することで、本体部材１６６どうしの連結をより強固なものとすることができる。なお、この場合、シート状連結部材１４０が３つの本体部材１３６が連なった箇所のそれぞれ嵌合するように、本体部材１３６は六角形状の一辺の同じ位置から正面と側面とにそれぞれ延びるスリットを各辺ごとに２つずつ備える。
　また、更に、シート状連結部材１４０と本体部材１３６とをボルト等で留めることで、組立構造物１３９の構造をより強固なものとすることができる。

　また、本発明に係るシート状連結部材は、本体部材のスリットの幅やスリットの大きさに合わせて厚さや大きさを自由に設定することができる。
　図２２（Ａ）は、第３のシート状連結部材１４２の展開図である折り畳みシート状連結部材１４１であり、図２２（Ｂ）は、第３のシート状連結部材１４２の正面図であり、図２１（Ｃ）は、第３のシート状連結部材１４２の側面図である。
　図２２（Ａ）に示す折り畳みシート状連結部材１４１を点線に従って折り畳むことで、図２２（Ｂ）、（Ｃ）に示す第３のシート状連結部材１４１が構成される。

　また、図２２（Ｂ）、（Ｃ）に示すように、第３のシート状連結部材１４２は、本体部材どうしを連結するため、下部に第３の連結切り込み部１４２Ａを有し、また、上部に円弧状の第３の凸部１４２Ｂを備える。
　そして、第１の態様の第２実施形態の第１のシート状連結部材１０４および第２のシート状連結部材１０５、第１の態様の第２実施形態のシート状連結部材、ならびに第１の態様の第３実施形態の第１のシート状連結部材３および第２のシート状連結部材４の代わりに、第３のシート状連結部材１４２を用いてもよい。
　第３のシート状連結部材１４２は、第３の凸部１４２Ｂが円弧状の曲面を備えるため、スリットどうしが為す角度に限定されず、どのようなスリットに対しても利用することができる。

　また、上述の第１の態様の第１実施形態、第２実施形態等において、シート状部材を折り曲げて本体部材を組み立てる際、シート状部材の応力および摩擦力で本体部材の形状を維持しているが、更に、接着剤、テープおよびボルト等を用いて本体部材の形状を維持してもよい。組立構造物の形状をより強固に維持することができる。
　また、折り曲げられた本体部材の内側の空間を、セメントや砂利、発泡スチロール、ウレタン樹脂などの充填材で満たすことで組立構造物の形状をより強固に維持することができる。

　以上、第１の態様の第２実施形態に係る組立構造物１０１、１３３、１３４、１３５は、特殊な道具等を用いなくとも簡単に組み立てることができ、外側からの荷重に強い構造を備え、また、それらの大きさも特に限定されないため、例えば、簡易シェルター、移動住居、観測用ドーム、または包装容器などとして利用することができる。

　なお、第１の態様の第１実施形態、第２実施形態では、それらの記載および図面において、各スリットおよび各切り込み部の幅について特に限定していない。各スリットおよび各切り込み部の幅は、シート状部材およびシート状連結部材を切り出す材料シートの厚さに応じた幅でよく、また、シート状連結部材を複数のシート材料を重ねて強度を出した場合については、それらシート状連結部材の厚さに応じた幅を備えればよい。
　また、同様に、シート状部材を折り曲げて形成された本体部材の図面において、材料シートの厚さを考慮した記載をしていないが、簡単のために表記を省略したものであり、実際の本体部材の各面は、材料シートや面の重なりに応じた厚さを備える。

　また、第１の態様の第１実施形態の本体部材２の側面６の横方向の長さ、および第１の態様の第２実施形態の第１の本体部材１０３の等脚台形状の第１の側面１０７、第２の本体部材１０４の第２の側面１１４の高さなどについて特に言及していないが、シート状連結部材が嵌合するのに十分な大きさがあればよい。

　また、第１の態様の第１実施形態の第１変形例の本体部材２６および第２実施形態の各本体部材１０３、１０４は、正面と対向する面が開放されているが、閉じていてもよい。
　また、図１８の第１の態様の第２実施形態の第１変形例に示すように、本体部材は、正面が開放されており、正面と対向する面が閉じていてもよい。

　また、図３に示す第１の態様の第１実施形態のシート状部材１７、ならびに、図１４および図１５に示す第１の態様の第２実施形態の第１のシート状部材５１および第２のシート状部材５６の代わりに、異なる展開図に基づくシート状部材を使用することもでき、本体部材２、ならびに、第１の本体部材３３および第２の本体部材３４を形成することができればどのような展開形状のものであってもよい。

　また、第１の態様の第１実施形態、第２実施形態において、シート状部材を折り曲げて本体部材を組み立てる際、シート状部材の応力および摩擦力で本体部材の形状を維持しているが、接着剤やテープ等を用いて本体部材の形状を維持してもよい。

　また、第１の態様の第１実施形態、第２実施形態において、シート状連結部材が嵌合するスリットは、正面と側面など、本体部材の２つの面にまたがったものであるが、例えば、図２３に示すように、本体部材が側面のみにスリットを備え、隣接する本体部材の重なった側面の重なった２つのスリットに嵌合するように、シート状連結部材を嵌合してもよい。このようにすれば、組立構造物を組み立てた際にシート状連結部材が組立構造物の外部に露出することなく、組立構造物の内部に隠れるため、見栄えの良い組立構造物を得ることができる。
　なお、図２２に示す側面のスリットは、連結に用いられるシート状連結部材の大きさと比較して、通常よりも嵌合方向に長く形成されている。シート状連結部材を側面側から嵌合するために所定の長さが必要だからである。

　なお、第１の態様の第１実施形態の側面６、第１の態様の第２実施形態の第１の側面１０７、第２の側面１１４が、本発明の第１の面に相当し、第１の態様の第１実施形態の底面５、正面７、第１の態様の第２実施形態の第１の正面１０６、第２の正面１１３が、本発明の第２の面に相当する。

第２の態様の第１実施形態
　図２４は、本発明の第２の態様の第１実施形態に係る組立構造物である。
　図２４に示す組立構造物２０１は、全体として略アーチ状の外形を有し、主に複数の本体部材２０２およびシート状連結部材２０３によって構成される。なお、図２４では、簡単のためにシート状連結部材２０３の表示を省略している。

　図２５（Ａ）は、図２４に示す本体部材２０２の斜視図であり、図２５（Ｂ）は、図２５（Ａ）に示す矢印方向から本体部材２０２を見た場合の正面図である。
　本体部材２０２は、筒状であり、六角錐台の側面部分によって構成される。本体部材２０２は、互いに向かい合う一対の長方形状の側面２０４と、一対の長方形状の側面２０４の間にそれぞれ接続される２つの等脚台形の側面２０５とからなる。

　長方形状の側面２０４は、六角錐台の底面部分に対応する辺に第１のスリット２０６を備え、第１のスリット２０６によって２つに分割された第１の下辺２０８をそれぞれ備える。また、長方形状の側面２０４は、２つの第１の下辺２０８の反対側に第１の上辺２０９を備え、２つの縦辺２１２が２つの第１の下辺２０８と第１の上辺２０９との間にそれぞれ延びる。
　等脚台形状の側面２０５は、同じく、六角錐台の底面部分に対応する辺、つまり、下底に第２のスリット２０７を備え、第２のスリット２０７によって２つに分割された第２の下辺２１０をそれぞれ備える。また、等脚台形状の側面２０５は、２つの第２の下辺２１０の反対側、つまり上底として第２の上辺２１１を備え、２つの斜辺２１３が２つの第２の下辺２１０と第２の上辺２１１との間に、つまり、下底と上底との間にそれぞれ延びる。

　図２６に、図２５（Ａ）、（Ｂ）に示す本体部材２０２を形成するシート状部材２２０の展開図を示す。図２５（Ａ）、（Ｂ）に示す本体部材２０２は、図２６に示すシート状部材２２０を筒状に折り曲げ加工することで形成される。
　本体部材２０２は、上述のとおりシート状部材２２０を折り曲げ加工することで形成されてもよく、また、金型を用いた射出成形等で形成されてもよい。なお、金型等を用いた射出成形等で形成された場合、本体部材２０２は、シート状部材２２０を用いて折り曲げ加工した場合よりも、高い強度を備える。

　図２６に示すように、シート状部材２２０は、長方形状の側面２０４に対して略左右対称に構成されており、長方形状の側面２０４に対してその左右に、等脚台形状の側面２０５が２つずつ接続され、２つの等脚台形状の側面２０５の一端（左端）に第１の接続面２１４が、２つの等脚台形状の側面２０５のもう一端（右端）に第２の接続面２１５がそれぞれ接続される。
　長方形状の側面２０４の縦辺２１２のそれぞれに対して、等脚台形状の側面２０５の斜辺がそれぞれ接続し、接続された等脚台形状の側面２０５のもう一方の斜辺２１３に対して、同じく等脚台形状の側面２０５がそれぞれ接続する。そして、左端の等脚台形状の側面２０５には、第１の接続面２１４が接続され、右端の等脚台形状の側面２０５には第２の接続面２１５が接続される。

　第１の接続面２１４は、第１の接続部２１６を備え、第２の接続面２１５は第２の接続部２１７を備え、シート状部材２２０が折り曲げられた際、第１の接続面２１４の第１の接続部２１６と第２の接続面２１５の第２の接続部２１７とを嵌合させることで、筒状の本体部材２０２が形成される。なお、第１の接続面２１４の第１の接続部２１６と第２の接続面２１５の第２の接続部２１７とが嵌合すると、長方形状の側面２０４が形成される。

　次に、シート状部材２２０を点線（縦辺２１２、斜辺２１３）で同一方向（全て山折り、または全て谷折り）に折り曲げることでシート状部材２２０から本体部材２０２を組み立てる。
　本体部材２０２の向かい合う側面がそれぞれ所定の角度を備えるように縦辺２１２、斜辺２１３を折り曲げ、第１の接続面２１４の第１の接続部２１６と第２の接続面２１５の第２の接続部２１７とを嵌合させる。
　第１の接続面２１４と第２の接続面２１５とが接続されることで長方形状の側面２０４が形成され、一対の長方形状の側面２０４、および対応する一対の等脚台形状の側面２０５が互いに所定の角度を有して向かい合い、また、本体部材２０２が六角錐台の側面部分を形成するように筒状になる。

　図２７（Ａ）は、図２４に示すシート状連結部材２０３の正面図であり、図２７（Ｂ）は、その側面図である。
　図２７（Ａ）および（Ｂ）に示すように、のシート状連結部材２０３は、略円形状の外形を備え、下部に切り込み部２１８を備える。なお、シート状連結部材２０３は、切り込み部２１８に対して略左右対称に構成される。

　図２８は、本体部材２０２、およびシート状連結部材２０３を用いて図２４に示す組立構造物２０１を組み立てる際の組立説明図である。
　図２８に示すように、複数の本体部材２０２を、長方形状の側面２０４には長方形状の側面２０４が、等脚台形状の側面２０５には等脚台形状の側面２０５がそれぞれ重なるように本体部材２０２どうしを並べて、隣接する本体部材２０２の重なった側面２０４の重なった２つの第１のスリット２０６にシート状連結部材２０３の切り込み部２１８を嵌合させ、また、隣接する本体部材２０２の重なった側面２０５の重なった２つの第２のスリット２０７にシート状連結部材２０３の切り込み部２１８を嵌合させて、隣接する本体部材２０２どうしを連結する。

　複数の本体部材２０２をシート状連結部材２０３で順次連結していくことで、図２８に示す組立構造物２０１を組み立てることができる。
　図２８に示す組立構造物は、シート状連結部材２０３の嵌合方向が、共通する円柱の中心軸上に集まるため、それらの連結をより強固に保つことができる。また、共通する円柱は、組立構造物に外接することが好ましい。

　また、図２４からも明らかなように、組立構造物１の側面などの端部は、本体部材２０２と形状の異なる四角錐台状や五角錐台状の他の本体部材によって構成され、本体部材２０２と同様に、シート状連結部材２０３によって互いに連結され、組立構造物２０１を構成する。

　第２の態様の第１実施形態に係る組立構造物２０１は、例えば、トンネル等の補強工事に用いることができる。トンネル内部の壁面に沿って組立構造物２０１を設置することで老朽化したトンネル壁面の大規模な崩落を防ぐことができる。

第２の態様の第２実施形態
　図２９は、本発明の第２の態様の第２実施形態に係る組立構造物である。
　図２９に示す組立構造物２２１は、全体として略球状の外形を有し、２０個の第１の本体部材２２２、１２個の第２の本体部材２２３、および９０個の第１のシート状連結部材２２４によって構成される。

　図３０（Ａ）は、図２９に示す第１の本体部材２２２の斜視図であり、図３０（Ｂ）は、図３０（Ａ）に示す矢印方向から第１の本体部材２２２を見た場合の正面図である。
　第１の本体部材２２２は、それぞれ筒状であり、円錐台の側面２２５によって構成される。

　第１の本体部材２２２の円錐台の側面２２５は、円錐台の下底面部分に対応する円周２２６と、円錐台の上底面部分に対応する円周２２７とをそれぞれ備える。
　また、円錐台の下底面部分に対応する円周２２６は、円周２２６上に等間隔に設けられた６つの第１のスリット２２８によって、６つの円弧２２９に分けられる。
　第１のスリット２２８は、それぞれ、下底面部分に対応する円周２２６から上底面に対応する円周２２７方向に向かって側面２２５の幅方向に延びて、円錐台の側面２２５上に形成される。

　また、図３１（Ａ）は、図２９に示す第２の本体部材２２３の斜視図であり、図３１（Ｂ）は、図３１（Ａ）に示す矢印方向から第２の本体部材２２３を見た場合の正面図である。
　また、第１の本体部材２２２と同様に、第２の本体部材２２３は、それぞれ筒状であり、円錐台の側面２３０によって構成される。

　第２の本体部材２２３の円錐台の側面２３０は、円錐台の下底面部分に対応する円周２３１と、円錐台の上底面部分に対応する円周２３２とをそれぞれ備える。
　また、円錐台の下底面部分に対応する円周２３１は、円周２３１上に等間隔に設けられた５つの第２のスリット２３３によって、５つの円弧２３４に分けられる。
　第２のスリット２３３は、それぞれ、下底面部分に対応する円周２３１から上底面に対応する円周２３２方向に向かって側面２３０の幅方向に延びて、円錐台の側面２３０上に形成される。

　第１の本体部材２２２の円錐台の側面２２５の幅と第２の本体部材２２３の円錐台の側面２２６の幅とは、それぞれ等しく、また、第１の本体部材２２２の円錐台の下底面部分に位置するそれぞれの円弧２２９の長さと、第２の本体部材２２３の円錐台の下底面部分に対応するそれぞれの円弧２３４の長さとは、それぞれ等しく、第１のスリット２２８の側面２２５の幅方向の大きさと第２のスリット２３３の側面２３０の幅方向の大きさとは、それぞれ等しい。

　図３２（Ａ）に、図３０（Ａ）、（Ｂ）に示す第１の本体部材２２２を形成する第１のシート状部材２４０の展開図を示す。図３０（Ａ）、（Ｂ）に示す第１の本体部材２２２は、図３２（Ａ）に示す第１のシート状部材２４０を筒状に加工することで形成される。
　第１のシート状部材２４０は、一方の端部に第１の接続部２４１を備え、もう一方の端部に第２の接続部２４２を備え、第１の接続部２４１と第２の接続部２４２とを重ね合わせることで筒状の第１の本体部材２２２が形成される。

　また、同様に、図３２（Ｂ）に、図３１（Ａ）、（Ｂ）に示す第２の本体部材２２３を形成する第２のシート状部材２５０の展開図を示す。図３１（Ａ）、（Ｂ）に示す第２の本体部材２２３は、図３２（Ａ）に示す第２のシート状部材２５０を筒状に加工することで形成される。
　第２のシート状部材２５０は、一方の端部に第１の接続部２５１を備え、もう一方の端部に第２の接続部２５２を備え、第１の接続部２５１と第２の接続部２５２とを重ね合わせることで筒状の第２の本体部材２２３が形成される。なお、第２の本体部材２２３は、第１のシート状部材２４０の両端部を所定量ずつ更に余分に重ねることでも形成され得る。
　なお、第２の態様の第１実施形態と同様に、第１の本体部材２２２および第２の本体部材２２３は、上述のとおり第１のシート状部材２４０および第２のシート状部材２５０を折り曲げ加工することで形成されてもよく、また、金型を用いた射出成形等で形成されてもよい。なお、金型を用いた射出成形等で形成された場合、第１の本体部材２２２および第２の本体部材２２３はそれぞれ、第１のシート状部材２４０および第２のシート状部材２５０を用いて折り曲げ加工した場合よりも、高い強度を備える。

　第１の本体部材２２２と第２の本体部材２２３とを、あるいは、第１の本体部材２２２どうしを連結させるシート状連結部材２２４は、例えば、図３３（Ａ）に示す第３のシート状部材２６０を図示された点線で折り曲げ加工することで形成される。
　図３３（Ｂ）は、第３のシート状部材２６０を折り曲げ加工して形成されたシート状連結部材２２４の正面図であり、図３３（Ｃ）は、シート状連結部材２２４の側面図である。シート状連結部材２２４は、第１の本体部材２２２の第１のスリット２２８や第２の本体部材２２３の第２のスリット２３３に嵌合する切り欠き部２６１を備える。
　なお、上述と同様、シート状連結部材２２４は、金型を用いて射出成形等で形成されてもよい。

　図３４は、第１の本体部材２２２、第２の本体部材２２３、およびシート状連結部材２２４を用いて図２９に示す組立構造物２２１を組み立てる際の組立説明図である。
　組立構造物２２１を組み立てるには、２０個の第１の本体部材２２２、１２個の第２の本体部材２２３、および９０個のシート状連結部材２２４が必要である。

　例えば、第２の本体部材２２３の周りに第１の本体部材２２２を５つ並べて、第２の本体部材２２３の第２のスリット２３３と第１の本体部材２２２の第１のスリット２２８とをそれぞれ重ねて、重なった第１のスリット２２８および第２のスリット２３３にシート状連結部材２２４の切り込み部２６１をそれぞれ嵌合させ、また、隣接する第１の本体部材２２２の第１のスリット２２８どうしをそれぞれ重ねて、重なった２つの第１のスリット２２８にシート状連結部材２２４の切り込み部２６１をそれぞれ嵌合させて、隣接する第２の本体部材２２３と第１の本体部材２２２とそれぞれ連結し、隣接する第１の本体部材２２２どうしをそれぞれ連結する。

　同様に、複数の第１の本体部材２２２と第２の本体部材２２３とを、切頂二十面体に対応するようにシート状連結部材２２４で順次連結していくことで、図３４に示す組立構造物２２１を組み立てることができる。
　図３４に示す組立構造物２２１は、シート状連結部材２２３の嵌合方向が、共通する球の中心に集まるため、それらの連結をより強固に保つことができる。また、共通する球は、組立構造物２２１に外接することが好ましい。

　第２の態様の第２実施形態に係る組立構造物２２１は、例えば、ドーム状の建築物を構成することができる。その際、組立構造物２２１全体を覆うようにビニールシート等の布材を被せてもよく、また、積雪の多い地方であれば、組立構造物２２１の上に降り積もった雪が自然に固まって、組立構造物２２１を骨組みの基礎とするドーム状の屋根が形成される。

　なお、第２の態様の第１実施形態および第２実施形態において、本体部材の側面に設けられたスリットは、下底面側から上底面側に向けて設けられたが、本体部材の側面の中央付近に設けられてもよく、また、本体部材の側面の上底面側から下底面側へ向けて設けられてもよい。
　いずれの場合でも、シート状連結部材は、隣接する本体部材の重なったスリットに嵌合するように設置される。

　また、本発明の第２の態様に係る組立構造物の本体部材は、その上底面または下底面の少なくとも一方が、薄板状の部材によって閉塞されていてもよい。第１の態様に係る組立構造物の本体部材と同様の構成を備えることとなる。

　また、本体部材の接合部の形状、例えば、第２の態様の第１実施形態の本体部材２０２の第１の接続面２１４の第１の接続部２１６と第２の接続面２１５の第２の接続部２１７の形状、第２の態様の第２実施形態の第１の本体部材２２２の第１の接続部２４１と第２の接続部２４２の形状、および第２の本体部材２２３の第１の接続部２５１と第２の接続部２５２の形状は、それぞれ特に限定されないが、第１の接続部と第２の接続部とが互いに嵌合し、接着剤等を用いなくとも本体部材が筒の形状を維持でき、上下左右からの引張り応力等にも強い形状を備えることが好ましい。

　本発明に係る組立構造物は、それぞれ形状の異なる複数種類の本体部材を組み合わせて構成されてもよい。組立構造物は、正多面体や半正多面体の構造に対応した形状を備えてもよい。

　本発明では、本体部材を形成するシート状部材、およびシート状連結部材を形成するシート状部材のそれぞれは、同一の材料シートから複数枚ずつ切り出されてもよい。この材料シートは、材質については特に限定されず、例えば、防水加工や防火加工などの特殊加工がなされた段ボールや厚紙でもよく、折り曲げ可能なプラスチックシートなどでもよく、また、アルミニウムシートやスチールシートなどの可撓性の金属シートであってもよい。また、竹材や木材で構成されてもよく、ガラスや樹脂材料で構成されてもよい。
　なお、これら本体部材を形成するシート状部材、およびシート状連結部材を形成するシート状部材のそれぞれは、別々の材料シートから切り出されたものでもよく、また、それぞれ材質の異なるシートから切り出されたものでもよい。

　また、上述の折り曲げ加工とは、紙等のシート状の部材を人間の手によって折り曲げる場合はもちろん、金属板等を、金型を用いてプレス加工する場合や、ガラス板やプラスチックシート等を熱を加えて塑性変形させる場合も含む。
　また、本体部材およびシート状連結部材の形成方法として、上述では折り曲げ加工と金型を用いた射出成形を記載しているが、特にこれらに限定されるものでなく、例えば、鋳造、鍛造、削り出し等、種々の公知の形成方法を利用することができる。

　また、本発明の本体部材とシート状連結部材によって構成される組立構造物は、他の部材を用いなくとも頑丈な構造を有するが、本体部材どうしを連結させるにあたって、本体部材の側面にボルト用の穴を設け、ボルトを用いて、重なる２つの本体部材側面を固定することで、さらに組立構造物の強度を増すことが可能となる。

　以上、本発明の組立構造物およびそれらを形成するシートセットについて詳細に説明したが、本発明は、上記態様や上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよい。

　１、２５、２７、１０１、１３３、１３４、１３９、２０１、２２１　組立構造体、　２、２６、１３６、２０２　本体部材、　３、１０４　第１のシート状連結部材、　４、１０５　第２のシート状連結部材、　５　底面、　６　側面、　７　正面、　８、２０６、２２８　第１のスリット、　９、２０７、２３３　第２のスリット、　１０　第３のスリット、　１１　第４のスリット、　１２　底辺、　１３　斜辺、　１３ａ　上斜辺部、　１３ｂ　下斜辺部、　１４　第１の辺、　１５　第２の辺、　１６、２２０　シート状部材、　１７　糊しろ面、　１７ａ　上糊しろ面、　１７ｂ　下糊しろ面、　１８　矩形の補強面、　１９　第１の切り込み部、　２０　開口部、　２１　第２の切り込み部、　２２　第１の切り欠き部、　２３　第２の切り欠き部、　２４　材料シート、　１０２、２２２　第１の本体部材、　１０３、２２３　第２の本体部材、　１０４Ａ　第１の連結切り込み部、　１０４Ｂ　第１の凸部、　１０４Ｃ　第１の斜辺、　１０４Ｄ　第２の斜面、　１０５Ａ　第２の連結切り込み部、　１０５Ｂ　第２の凸部、　１０５Ｃ　一対の斜辺、　１０６　第１の正面、　１０７　第１の側面、　１０８　第１の正面スリット、　１０９　第１の側面スリット、　１１０　第１の下底、　１１０ａ　第１の左下底部、　１１０ｂ　第２の右下底部、　１１１　第１の脚部、　１１２　第１の上底、　１１３　第２の正面、　１１４　第２の側面、　１１５　第２の正面スリット、　１１６　第２の側面スリット、　１１７　第２の下底、　１１７ａ　第２の左下底部、　１１７ｂ　第２の右下底部、　１１８　第２の脚部、　１１９　第２の上底、　１２０、２４０　第１のシート状部材、　１２１　第１の糊しろ面、　１２２　第１の補強面、　１２３　第１の開口部、　１２４　第１の切り欠き部、　１２５　第２の切り欠き部、　１２６、２５０　第２のシート状部材、　１２７　第２の糊しろ面、　１２８　第２の補強面、　１２９　第２の開口部、　１３０　第３の切り欠き部、　１３１　第４の切り欠き部、　１３２　材料シート、　１３５　トンネルの壁部、　１３７、１４０　シート状連結部材、　１３８　換気用ダクト、　１４１　折り畳みシート状連結部材、　１４２　第３のシート状連結部材、　１４２Ａ　第３の連結切り込み部、　１４２Ｂ　第３の凸部、　２０３、２２４　シート状連結部材、　２０４　長方形状の側面、　２０５　等脚台形状の側面、　２０８　第１の下辺、　２０９　第１の上辺、　２１０　第２の下辺、　２１１　第２の上辺、　２１２　縦辺、　２１３　斜辺、　２１４　第１の接続面、　２１５　第２の接続面、　２１６、２４１、２５１　第１の接続部、　２１７、２４２、２５２　第２の接続部、　２１８、２６１　切り込み部、　２２５、２３０　円錐台の側面、　２２６、２２７、２３１、２３２　円周、　２２９、２３４　円弧、　２６０　第３のシート状部材。

Claims

　シート状部材を折り目に沿って折り曲げることで形成される３つ以上の本体部材と、切り込み部を備える２つ以上のシート状連結部材とからなる組立構造物であって、
　それぞれの前記本体部材は、第１の面と折り目を介して前記第１の面に隣接する第２の面とを備えると共に前記折り目を横切って前記第１の面および前記第２の面にまたがるように設けられた開口部を備え、
　前記開口部は、前記本体部材を形成する際に前記折り目によって折り曲げられて、前記本体部材の前記第１の面に形成される第１のスリットと、前記第１のスリットから連続して前記本体部材の前記第２の面に形成される第２のスリットとに分離され、
　互いに隣接する前記本体部材は、前記第１の面を互いに重ね合わせることで、対応する２つの前記第１のスリットが重なるとともに、対応する２つの前記第２のスリットが互いに連なり、
　重なった２つの前記第１のスリットに、前記シート状連結部材の前記切り込み部を嵌合させることで、前記シート状連結部材が互いに連なる２つの前記第２のスリットに収容され、互いに隣接する前記本体部材の前記第２の面が互いに所定の角度を為して連結されることを特徴とする組立構造物。
　シート状部材を折り目に沿って折り曲げることで形成される３つ以上の本体部材と、切り込み部を備える２つ以上のシート状連結部材とからなる組立構造物であって、
　それぞれの前記本体部材は、第１の面とその第１の面に隣接する第２の面とを備えると共に前記第１の面に設けられた連結スリットを備え、
　隣接する前記本体部材は、前記第１の面を互いに重ね合わせることで、対応する２つの前記連結スリットが重なり、重なった２つの前記連結スリットに、前記シート状連結部材の前記切り込み部を嵌合させることで、隣接する前記本体部材の前記第２の面が互いに所定の角度を為して連結されることを特徴とする組立構造物。
　前記本体部材は、前記第２の面が正五角形である五角錐台の形状を有する第１の本体部材と、前記第２の面が正三角形である三角錐台の形状を有する第２の本体部材とからなり、
　１５０枚の前記シート状連結部材によって１２個の前記第１の本体部材と８０個の前記第２の本体部材とが連結されることで、全体として変形十二面体の外形を有することを特徴とする請求項１または２に記載の組立構造物。
　それぞれの前記シート状連結部材によって互いに隣接する前記本体部材が連結されることで連なる複数の前記第２の面のそれぞれには、共通する１つの球面が外接することを特徴とする請求項１または２に記載の組立構造物。
　それぞれの前記シート状連結部材によって互いに隣接する前記本体部材が連結されることで連なる複数の前記第２の面によって形成された外形または内形を有することを特徴とする請求項４に記載の組立構造物。
　複数の前記第２の面によって形成された前記外形または前記内形は、正多面体もしくは半正多面体であることを特徴とする請求項５に記載の組立構造物。
　前記本体部材は、前記第２の面が正六角形である六角錐台の形状を有する第１の本体部材と、前記第２の面が正五角形である五角錐台の形状を有する第２の本体部材とからなり、
　９０個の前記シート状連結部材によって２０個の前記第１の本体部材と１２個の前記第２の本体部材とが連結されることで、全体として切頂二十面体の外形または内形を有することを特徴とする請求項４～６のいずれかに記載の組立構造物。
　それぞれの前記シート状連結部材によって互いに隣接する前記本体部材が連結されることで連なる複数の前記第２の面によって形成されたアーチ状の外形または内形を有することを特徴とする請求項４または５に記載の組立構造物。
　それぞれの前記シート状連結部材によって互いに隣接する前記本体部材が連結されることで連なる複数の前記第２の面によって形成された多角柱または多角錐台の環状に連なる側面の外形または内形を有することを特徴とする請求項４または５に記載の組立構造物。
　さらに、少なくとも１つの前記第２の面に孔が開いていることを特徴とする請求項４～９のいずれかに記載の組立構造物。
　前記本体部材は、一対の前記第１の面と、これら一対の前記第１の面の側縁の間に接続された前記第２の面と、一対の前記第１の面および前記第２の面にそれぞれ接続され且つ互いに向かい合う一対の二等辺三角形の底面を備える三角柱または三角錐台の形状を有し、
　それぞれの前記シート状連結部材によって互いに隣接する前記本体部材が連結されることで全体として正多角柱または正多角錐台の外形を有することを特徴とする請求項１または２に記載の組立構造物。
　前記シート状連結部材の嵌合方向が、前記正多角柱または前記正多角錐台の中心軸上に集まることを特徴とする請求項１１に記載の組立構造物。
　前記本体部材の前記底面は、正三角形であり、
　６つの前記シート状連結部材によって６つの前記本体部材が連結されることで全体として正六角柱または正六角錐台の外形を有することを特徴とする請求項１１または１２に記載の組立構造物。
　前記シート状部材および前記シート状連結部材は同一のシートから切り出されることを特徴とする請求項１～１３のいずれかに記載の組立構造物。
　請求項１～１４のいずれかに記載の組立構造物を形成するシートセット。
　多角錐台または円錐台の薄板状の側面部分からなる４つ以上の本体部材と、切り込み部を備える３つ以上のシート状連結部材とからなる組立構造物であって、
　それぞれの前記本体部材は、前記多角錐台または前記円錐台の薄板状の側面部分にその側面部分の高さ方向に延びるスリットを２つ以上備え、
　隣接する前記本体部材は、前記少なくとも１つのスリットをそれぞれ重ねて、重なった前記スリットに前記シート状連結部材の前記切り込み部を嵌合させることで、隣接する前記本体部材が互いに連結され、
　全ての前記シート状連結部材の嵌合方向が、共通する１つの球の中心または共通する１つの円柱の中心軸上に集まることを特徴とする組立構造物。
　前記本体部材は、等脚台形、長方形または正方形からなる一対の側面を備える六角錐台の側面部分からなることを特徴とする請求項１６に記載の組立構造物。
　前記本体部材の下底面を構成する各頂点は、共通する１つの球面上または共通する１つの円柱の周面上に含まれることを特徴とする請求項１６または１７に記載の組立構造物。
　前記本体部材は、金型を用いた射出成形によって形成されることを特徴とする請求項１６～１８のいずれかに記載の組立構造物。
　前記本体部材の上底面または下底面の少なくとも一方が薄板状の部材によって閉塞されている請求項１６～１９のいずれかに記載の組立構造物。