WO2012043142A1

WO2012043142A1 - マルチキャストルータ及びマルチキャストネットワークシステム

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Publication number: WO2012043142A1
Application number: PCT/JP2011/070054
Authority: WO
Inventors: 聡史神谷
Original assignee: 日本電気株式会社
Priority date: 2010-09-27
Filing date: 2011-09-02
Publication date: 2012-04-05

Abstract

　マルチキャストルータは、マルチキャストネットワークにおいて送信装置と受信装置との間に配置される。マルチキャストルータは、応答生成部、パケット送信部、及び再送管理部を備える。応答生成部は、送信装置側からデータパケットを受信すると、送信元に肯定応答を返信する。パケット送信部は、受信データパケットを複製し、受信装置側に送信する。再送管理部は、送信先に送信されたデータパケットをバッファに格納する。ＡＣＫを送信先から受信した場合、再送管理部は、受信したＡＣＫを破棄する。全ての送信先からＡＣＫを受信した場合、再送管理部は、バッファに格納されているデータパケットを削除する。バッファに格納されているデータパケットに関して再送タイムアウトが発生した場合、再送管理部は、再送データパケットをパケット送信部に出力し、パケット送信部は、再送データパケットを再送する。

Description

マルチキャストルータ及びマルチキャストネットワークシステム

　本発明は、マルチキャストネットワークシステム及びマルチキャストルータに関する。

　ネットワークにおいて複数の端末に対して同一のデータパケットを送信（配信）する「マルチキャスト（ｍｕｌｔｉｃａｓｔ）通信」が知られている。マルチキャスト通信を行う典型的なマルチキャストネットワークシステムは、例えば、特許文献１や特許文献２に記載されている。

　図１は、ＩＰ層におけるマルチキャスト通信を行う典型的なマルチキャストネットワークシステム１００の構成を示している。図１において、マルチキャストネットワークシステム１００は、複数のマルチキャストルータ（ＭＣルータ）２００－１～２００－３、送信サーバ３００、及び複数の受信端末４００－１～４００－４を備えている。複数のマルチキャストルータ２００－１～２００－３は、送信サーバ３００と受信端末４００－１～４００－４との間のマルチキャストネットワーク上に配置されている。各々のマルチキャストルータ２００は、上流側から受信したデータパケットを複製し、下流側の複数の送信先のそれぞれにデータパケットを転送する。従って、送信サーバ３００から送信された同一のデータパケットが、マルチキャストルータ２００－１～２００－３を通して、複数の受信端末４００－１～４００－４に配信されることになる。尚、図１で示されるようなマルチキャストネットワークの木構造は、「マルチキャストツリー」と呼ばれている。

　近年、高精細映像配信や株式情報配信等の分野において、「高信頼マルチキャスト（Ｒｅｌｉａｂｌｅ　Ｍｕｌｔｉｃａｓｔ）」が強く望まれている。そして、上述のようなＩＰ層におけるマルチキャストを高信頼化するための機能が、ＩＥＴＦ（Ｉｎｔｅｒｎｅｔ　Ｅｎｇｉｎｅｅｒｉｎｇ　Ｔａｓｋ　Ｆｏｒｃｅ）の“Ｒｅｌｉａｂｌｅ　Ｍｕｌｔｉｃａｓｔ　Ｗｏｒｋｉｎｇ　Ｇｒｏｕｐ”にて検討されている。

　高信頼マルチキャストにおいて実現が必要とされる機能の１つは、受信端末４００－１～４００－４の全てにデータパケットが正確に送達されることを保証することである。すなわち、データ送達の観点から信頼性を向上させるような機能が重要である。その機能を実現するための方法として、「肯定応答（ＡＣＫ；ＡＣＫｎｏｗｌｅｄｇｅｍｅｎｔ）」を利用した方法が、非特許文献１に開示されている。具体的には、図１に示されるように、受信端末４００－１～４００－４の各々は、データパケットを受信すると、正常受信を意味するＡＣＫを、受信データパケットの送信元である送信サーバ３００に返信する。このＡＣＫをもって、送信サーバ３００は、送出したデータパケットが受信端末４００に無事到達したことを認識する。送信サーバ３００が必要に応じてデータパケットの再送（ｒｅｔｒａｎｓｍｉｓｓｉｏｎ）を行うことにより、データ送達の観点から信頼性を向上させることが可能となる。

特開２００１－１４４８００号公報特開２００７－２２８０６４号公報

Ｂ．　Ｌｅｖｉｎｅ　ａｎｄ　Ｊ．　Ｇａｒｃｉａ－Ｌｕｎａ－Ａｃｅｖｅｓ，　"Ａ　Ｃｏｍｐａｒｉｓｏｎ　ｏｆ　Ｒｅｌｉａｂｌｅ　Ｍｕｌｔｉｃａｓｔ　Ｐｒｏｔｏｃｏｌｓ"，　ＡＣＭ　Ｍｕｌｔｉｍｅｄｉａ　Ｓｙｓｔｅｍｓ　Ｊ．，　ｖｏｌ．６，　ｎｏ．５，　Ａｕｇ．１９９８

　本願発明者は、次の点に着目した。図１で示された技術の場合、全ての受信端末４００からのＡＣＫが１台の送信サーバ３００に集中する。特に、多数の受信端末４００を有する大規模なマルチキャストネットワークシステムの場合、データパケット毎に膨大な数のＡＣＫが送信サーバ３００に向けて送信される「応答爆発」が発生してしまう。そのような応答爆発により、送信サーバ３００の処理負荷は著しく増大してしまい、好ましくない。また、受信端末４００の数を制限することは、受信端末４００のスケーラビリティの劣化を意味し、好ましくない。

　本発明の１つの目的は、マルチキャストネットワークシステムにおいて、応答爆発を抑制することができる技術を提供することにある。

　本発明の１つの観点において、マルチキャストルータが提供される。マルチキャストルータは、マルチキャストネットワークシステムにおいて送信装置と受信装置との間に配置される。そのマルチキャストルータは、応答生成部と、パケット送信部と、再送管理部とを備える。応答生成部は、送信装置側の送信元からデータパケットを受信すると、送信元に肯定応答を返信する。パケット送信部は、受信したデータパケットを複製し、受信装置側の送信先に送信する。再送管理部は、送信先に送信されたデータパケットに関する再送制御を行う。再送管理部は、送信先に送信されたデータパケットをバッファに格納する。データパケットに対する肯定応答を送信先から受信した場合、再送管理部は、受信した肯定応答を破棄する。データパケットに対する肯定応答を送信先の全てから受信した場合、再送管理部は、バッファに格納されているデータパケットを削除する。バッファに格納されているデータパケットに関して再送タイムアウトが発生した場合、再送管理部は、データパケットを再送データパケットとしてパケット送信部に出力し、パケット送信部は、再送データパケットを送信先に再送する。

　本発明の他の観点において、マルチキャストネットワークシステムが提供される。マルチキャストネットワークシステムは、送信装置と、複数の受信装置と、送信装置と複数の受信装置との間のマルチキャストネットワーク上に配置されたマルチキャストルータと、を備える。マルチキャストルータは、応答生成部と、パケット送信部と、再送管理部とを備える。応答生成部は、送信装置側の送信元からデータパケットを受信すると、送信元に肯定応答を返信する。パケット送信部は、受信したデータパケットを複製し、受信装置側の送信先に送信する。再送管理部は、送信先に送信されたデータパケットに関する再送制御を行う。再送管理部は、送信先に送信されたデータパケットをバッファに格納する。データパケットに対する肯定応答を送信先から受信した場合、再送管理部は、受信した肯定応答を破棄する。データパケットに対する肯定応答を送信先の全てから受信した場合、再送管理部は、バッファに格納されているデータパケットを削除する。バッファに格納されているデータパケットに関して再送タイムアウトが発生した場合、再送管理部は、データパケットを再送データパケットとしてパケット送信部に出力し、パケット送信部は、再送データパケットを送信先に再送する。

　本発明の更に他の観点において、マルチキャストルータに、マルチキャストルータ機能を実現させるためのプログラムが提供される。マルチキャストルータは、マルチキャストネットワークシステムにおいて送信装置と受信装置との間に配置される。マルチキャストルータ機能は、応答生成機能と、パケット送信機能と、再送管理機能とを備える。応答生成機能は、送信装置側の送信元からデータパケットを受信すると、送信元に肯定応答を返信する。パケット送信機能は、受信したデータパケットを複製し、受信装置側の送信先に送信する。再送管理機能は、送信先に送信されたデータパケットに関する再送制御を行う。再送管理機能は、送信先に送信されたデータパケットをバッファに格納する。データパケットに対する肯定応答を送信先から受信した場合、再送管理機能は、受信した肯定応答を破棄する。データパケットに対する肯定応答を送信先の全てから受信した場合、再送管理機能は、バッファに格納されているデータパケットを削除する。バッファに格納されているデータパケットに関して再送タイムアウトが発生した場合、再送管理機能は、データパケットを再送データパケットとしてパケット送信機能に出力し、パケット送信機能は、再送データパケットを送信先に再送する。

　本発明によれば、マルチキャストネットワークシステムにおいて、応答爆発を抑制することが可能となる。

　上記及び他の目的、長所、特徴は、次の図面と共に説明される本発明の実施の形態により明らかになるであろう。

図１は、典型的なマルチキャストネットワークシステムの構成を示すブロック図である。図２は、本発明の実施の形態に係るマルチキャストネットワークシステムの構成を示すブロック図である。図３は、本発明の実施の形態に係るマルチキャストルータの構成を概略的に示すブロック図である。図４は、本発明の実施の形態におけるデータパケットを示す概念図である。図５は、本発明の実施の形態におけるヘッダ情報を示す概念図である。図６は、本発明の実施の形態におけるＤＡＴ受信情報を示す概念図である。図７は、本発明の実施の形態におけるＡＣＫ受信情報を示す概念図である。図８は、本発明の実施の形態における管理情報を示す概念図である。図９は、管理情報中の出力ポート状態及びＡＣＫ受信状態の一例を示す概念図である。図１０は、本発明の実施の形態におけるマルチキャスト情報を示す概念図である。図１１は、本発明の実施の形態におけるマルチキャストルータの構成を示すブロック図である。図１２は、本発明の実施の形態におけるデータ処理部の構成を示すブロック図である。図１３は、本発明の実施の形態における再送制御受信部の構成を示すブロック図である。図１４は、本発明の実施の形態における再送制御送信部の構成を示すブロック図である。図１５は、本発明の実施の形態における送信サーバの構成を示すブロック図である。図１６は、本発明の実施の形態における受信端末の構成を示すブロック図である。図１７は、本発明の実施の形態に係るマルチキャストルータにおけるデータパケット受信時の動作を示すフローチャートである。図１８は、本発明の実施の形態に係るマルチキャストルータにおけるＡＣＫ受信時の動作を示すフローチャートである。図１９は、本発明の実施の形態に係るマルチキャストルータにおける再送タイムアウト発生時の動作を示すフローチャートである。

　添付図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。

　１．概要
　図２は、本発明の実施の形態に係るマルチキャストネットワークシステム１の構成を示している。マルチキャストネットワークシステム１は、複数のマルチキャストルータ（ＭＣルータ）２－１～２－３、送信サーバ３、及び複数の受信端末４－１～４－４を備えている。送信サーバ３（送信装置）は、データパケットＤＡＴをマルチキャストネットワークに送信する。受信端末４（受信装置）は、データパケットＤＡＴをマルチキャストネットワークから受信する。

　複数のマルチキャストルータ２－１～２－３は、送信サーバ３と受信端末４－１～４－４との間のマルチキャストネットワーク上に配置されている。各々のマルチキャストルータ２は、上流側から受信したデータパケットＤＡＴを複製し、下流側の複数の送信先のそれぞれにデータパケットＤＡＴを転送する。従って、送信サーバ３から送信された同一のデータパケットＤＡＴが、マルチキャストルータ２－１～２－３を通して、複数の受信端末４－１～４－４に配信されることになる。尚、図２で示されるようなマルチキャストネットワークの木構造は、「マルチキャストツリー」と呼ばれている。

　本実施の形態によれば、送信サーバ３と受信端末４だけでなく、各マルチキャストルータ２も、「パケット再送制御機能」を有する。つまり、送信サーバ３とマルチキャストルータ２との間、隣接するマルチキャストルータ２間、及びマルチキャストルータ２と受信端末４との間で、肯定応答（ＡＣＫ）を利用した送達確認が実施される。より詳細には、各マルチキャストルータ２は、次の機能を有する。

　図３は、本実施の形態に係るマルチキャストルータ２の構成を概略的に示すブロック図である。マルチキャストルータ２は、ＡＣＫ生成部４１、パケット送信部５０、及び再送管理部６０を備えている。

　ＡＣＫ生成部４１は、上流（送信サーバ３側）からデータパケットＤＡＴを受信すると、当該データパケットＤＡＴに対するＡＣＫを生成する。そして、ＡＣＫ生成部４１は、当該受信データパケットＤＡＴの送信元（隣接マルチキャストルータ２、あるいは、送信サーバ３）に対して、ＡＣＫを返信する。

　パケット送信部５０は、上流（送信サーバ３側）からデータパケットＤＡＴを受信すると、当該データパケットＤＡＴを複製する。そして、パケット送信部５０は、下流（受信装置４側）の指定された送信先（隣接マルチキャストルータ２、あるいは、受信端末４）に対して、当該データパケットＤＡＴを送信する。典型的には、下流の送信先の数は複数である。また、パケット送信部５０は、後述されるデータパケットＤＡＴの再送も行う。

　再送管理部６０は、下流の送信先に送信されたデータパケットＤＡＴに関する再送制御を行う。具体的には、再送管理部６０は、（１）バッファ機能、（２）ＡＣＫ終端機能、及び（３）再送タイムアウト検知機能を有している。

　（１）まず、再送管理部６０は、再送処理に備えて、下流の送信先に送信されたデータパケットＤＡＴを、バッファに一時的に格納する。

　（２）下流の送信先は、当該データパケットＤＡＴに応答してＡＣＫを返信する。下流の送信先から当該データパケットＤＡＴに対するＡＣＫを受信した場合、再送管理部６０は、受信ＡＣＫを終端・破棄する。また、全ての送信先からＡＣＫを受信した場合、再送管理部６０は、バッファに格納しておいた当該データパケットＤＡＴを削除する。

　（３）また、再送管理部６０は、データパケットＤＡＴの送出後、所定時間以内に対応するＡＣＫを送信先から受け取らない場合、再送タイムアウト（ｒｅｔｒａｎｓｍｉｓｓｉｏｎ　ｔｉｍｅ－ｏｕｔ）が発生したと判断する。この場合、再送管理部６０は、バッファに格納しておいた当該データパケットＤＡＴを読み出し、そのデータパケットＤＡＴを再送データパケットＤＡＴとしてパケット送信部５０に出力する。

　パケット送信部５０は、通常のデータパケットＤＡＴの場合と同様に、再送データパケットＤＡＴを下流の指定された送信先に再送する。このとき、パケット送信部５０は、通常のデータパケットＤＡＴの場合と同一のキューを用いて、再送データパケットＤＡＴを再送してもよい。つまり、パケット送信部５０は、同一のキューを、データパケットＤＡＴの送信と再送データパケットＤＡＴの再送の両方に用いてもよい。この場合、必要なメモリが削減され、好適である。

　以上に説明されたように、本実施の形態によれば、送信サーバ３とマルチキャストルータ２との間、隣接するマルチキャストルータ２間、及びマルチキャストルータ２と受信端末４との間で、ＡＣＫを利用した送達確認が実施される。従って、データ送達の観点から信頼性が向上するだけでなく、ＡＣＫの応答爆発が防止される。その結果、送信サーバ３の処理負荷の増大も防止される。

　比較例として、既出の図１の場合を考える。比較例の場合、１個のデータパケットの送信毎に、受信端末４００－１～４００－４のそれぞれから４個のＡＣＫが送信サーバ３００に到達する。一方、本実施の形態の場合、図２から明らかなように、１個のデータパケットＤＡＴの送信に対して、マルチキャストルータ２－１から１個のＡＣＫが送信サーバ３００に到達するだけである。この差は、受信端末の台数が増えるにつれて、より顕著になる。比較例の場合、応答爆発により送信サーバ３００に過大な負荷がかかってしまうため、受信端末４００の台数を増加させにくい。一方、図２の場合、受信端末４の台数が増加しても、送信サーバ３にかかる負荷は変わらない。従って、本実施によれば、受信端末４の台数を容易に増やすことが可能である。つまり、受信端末４に関して高いスケーラビリティが実現される。

　尚、マルチキャストルータ２は、演算処理装置（例：ＣＰＵ）と記憶装置（例：ＲＡＭ、ＨＤＤ)を備える。上述のマルチキャストルータ機能は、演算処理装置が、記憶装置に格納されたプログラムを実行することにより実現される。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。

　２．構成例
　以下、本実施の形態に係るマルチキャストネットワークシステム１の具体的な構成例を説明する。

　２－１．各種情報
　まず、本実施の形態で用いられる各種情報について説明する。図４は、データパケットＤＡＴを示す概念図である。データパケットＤＡＴは、パケット識別番号８１とパケット８２を含んでいる。パケット８２は、ヘッダ８３とペイロード８４を含んでいる。パケット識別番号８１は、パケット８２を識別するための番号である。パケット識別番号８１として、任意の番号が付与されてもよいし、パケット８２内に含まれる情報から算出された番号（例えば、ヘッダ８３内のフィールド値から算出されるハッシュ値）が用いられてもよい。尚、ＡＣＫもデータパケットＤＡＴと同様のフォーマットを有する。

　図５は、ヘッダ情報８５を示す概念図である。ヘッダ情報８５は、データパケットＤＡＴの部分集合であり、パケット識別番号８１とヘッダ８３を含んでいる。

　図６は、マルチキャストルータ２がデータパケットＤＡＴを受信したことを通知するＤＡＴ受信情報８８を示す概念図である。ＤＡＴ受信情報８８は、受信したデータパケットＤＡＴのパケット識別番号８１とヘッダ８３を含んでいる。

　図７は、マルチキャストルータ２がＡＣＫを受信したことを通知するＡＣＫ受信情報８９を示す概念図である。ＡＣＫ受信情報８９は、受信したＡＣＫのパケット識別番号８１とヘッダ８３を含んでいる。

　図８は、データパケットＤＡＴを管理するために用いられる管理情報９０を示す概念図である。管理情報９０は、パケット識別番号８１、出力ポート状態９１、送出時刻９２、及びＡＣＫ受信状態９３を含んでいる。尚、管理情報９０は、パケット識別番号８１を通して、データパケットＤＡＴと１対１で対応付けられる。

　図９は、出力ポート状態９１とＡＣＫ受信状態９３の一例を示している。出力ポート状態９１は、当該データパケットＤＡＴが出力されるべき出力ポート（すなわち、送信先）を示す。図９に示される例では、状態「１」の複数の出力ポート（２，３，Ｎ）が、当該データパケットＤＡＴを出力する。ＡＣＫ受信状態９３は、送信先からの当該データパケットＤＡＴに対するＡＣＫの受信状況を示す。図９に示される例では、状態「１」がＡＣＫ未受信を意味しており、ＡＣＫ受信に応答して状態が「１」から「０」に変更される。

　図１０は、マルチキャスト情報９９を示す概念図である。マルチキャスト情報９９は、管理情報９０の部分集合であり、パケット識別番号８１と出力ポート状態９１を含んでいる。

　２－２．マルチキャストルータ２
　図１１は、本実施の形態におけるマルチキャストルータ２の構成を示すブロック図である。マルチキャストルータ２は、スイッチ部６とデータ処理部１０を備えている。

　スイッチ部６は、外部ネットワークからポート７－１～７－Ｎを通してデータパケットＤＡＴやＡＣＫを受信し、受信したデータパケットＤＡＴやＡＣＫをデータ処理部１０に転送する。また、スイッチ部６は、データ処理部１０からデータパケットＤＡＴやＡＣＫを受信し、受信したデータパケットＤＡＴやＡＣＫをポート７－１～７－Ｎを通して外部ネットワークに送出する。

　データ処理部１０は、データパケットＤＡＴやＡＣＫの受信に応答して、様々なデータ処理を実施する。まず、データ処理部１０は、受信パケットがＤＡＴかＡＣＫかの識別を行う。データパケットＤＡＴを受信した場合、データ処理部１０は、当該受信データパケットＤＡＴに応答するＡＣＫを生成し、そのＡＣＫをスイッチ部６を通して返信する。また、データ処理部１０は、当該受信データパケットＤＡＴのマルチキャスト送信先を決定し、当該受信データパケットＤＡＴの複製をスイッチ部６を通してそれぞれのマルチキャスト送信先に送信する。更に、データ処理部１０は、再送制御のために、当該受信データパケットＤＡＴをバッファに一時的に格納する。一方、ＡＣＫを受信した場合、データ処理部１０は、受信ＡＣＫを終端・破棄する。また、全てのマルチキャスト送信先からＡＣＫを受信した場合、データ処理部１０は、バッファに格納しておいた当該受信データパケットＤＡＴを削除する。その他、データ処理部１０は、バッファに格納されているデータパケットＤＡＴに関して再送タイムアウトを検知すると、そのデータパケットＤＡＴの再送処理を実行する。

　図１２は、本実施の形態におけるデータ処理部１０の構成を示すブロック図である。データ処理部１０は、経路管理部２０、再送制御受信部３０、及び再送制御送信部４０を備えている。

　経路管理部２０は、マルチキャストツリーの構成を示す情報を保持・管理している。そして、経路管理部２０は、そのマルチキャストツリーに基いて、受信データパケットＤＡＴの出力先（出力ポート状態９１）を決定する。より詳細には、経路管理部２０は、再送制御受信部３０から、受信データパケットＤＡＴのヘッダ情報８５（図５参照）を受け取る。そして、経路管理部２０は、そのヘッダ情報８５に基いてマルチキャストツリーの同定を行い、受信データパケットＤＡＴの出力先（出力ポート状態９１）を決定する。更に、経路管理部２０は、マルチキャスト情報９９（図１０参照）を作成し、そのマルチキャスト情報９９を再送制御送信部４０に出力する。

　再送制御受信部３０は、スイッチ部６からデータパケットＤＡＴやＡＣＫを受信する。まず、再送制御受信部３０は、受信パケットがＤＡＴかＡＣＫかの識別を行う。データパケットＤＡＴを受信した場合、再送制御受信部３０は、受信データパケットＤＡＴからヘッダ情報８５（図５参照）を抽出し、そのヘッダ情報８５を経路管理部２０に通知する。更に、再送制御受信部３０は、受信データパケットＤＡＴ及びＤＡＴ受信情報８８（図６参照）を再送制御送信部４０に送る。一方、ＡＣＫを受信した場合、再送制御受信部３０は、ＡＣＫ受信情報８９（図７参照）を再送制御送信部４０に送る。更に、再送制御受信部３０は、受信ＡＣＫを終端・廃棄する。

　再送制御送信部４０は、ＤＡＴ受信情報８８（図６参照）を受け取ると、パケット識別番号８１及びヘッダ８３に基づいてＡＣＫを生成し、そのＡＣＫをスイッチ部６を通して返信する。また、再送制御送信部４０は、データパケットＤＡＴ及びマルチキャスト情報９９（図１０参照）を受け取ると、そのデータパケットＤＡＴに関する管理情報９０（図８、図９参照）を作成する。そして、再送制御送信部４０は、その管理情報９０を参照して、データパケットＤＡＴの複製・送信処理を行う。また、再送制御送信部４０は、ＡＣＫ受信情報８９（図７参照）を受け取ると、管理情報９０中のＡＣＫ受信状態９３（図８、図９参照）を更新する。そして、再送制御送信部４０は、管理情報９０に基いて、再送制御処理を実行する。

　図１３は、本実施の形態における再送制御受信部３０の構成を示すブロック図である。再送制御受信部３０は、パケット識別部３１及びヘッダ抽出部３５を備えている。

　パケット識別部３１は、スイッチ部６から受け取った受信パケットがＤＡＴかＡＣＫかの識別を行う。データパケットＤＡＴの場合、パケット識別部３１は、受信データパケットＤＡＴをヘッダ抽出部３５へ転送し、且つ、ＤＡＴ受信情報８８（図６参照）を再送制御送信部４０に送る。一方、ＡＣＫの場合、パケット識別部３１は、受信ＡＣＫを廃棄し、且つ、ＡＣＫ受信情報８９（図７参照）を再送制御送信部４０に送る。

　ヘッダ抽出部３５は、受信データパケットＤＡＴからヘッダ情報８５（図５参照）を抽出し、そのヘッダ情報８５を経路管理部２０に通知する。また、ヘッダ抽出部３５は、受信データパケットＤＡＴを再送制御送信部４０に送る。このとき、一意性を確保するため、ヘッダ抽出部３５は、ヘッダ情報８５と受信データパケットＤＡＴに同一のパケット識別番号８１を付与する。

　図１４は、本実施の形態における再送制御送信部４０の構成を示すブロック図である。再送制御送信部４０は、ＡＣＫ生成部４１、多重部４２、パケット送信部５０、及び再送管理部６０を備えている。

　ＡＣＫ生成部４１は、再送制御受信部３０からＤＡＴ受信情報８８（図６参照）を受け取る。そのＤＡＴ受信情報８８のパケット識別番号８１及びヘッダ８３に基づいて、ＡＣＫ生成部４１は、ＡＣＫを生成し、そのＡＣＫを多重部４２に出力する。

　多重部４２は、ＡＣＫ生成部４１からのＡＣＫと、パケット送信部５０からのデータパケットＤＡＴとの出力調停を行う。そして、多重部４２は、データパケットＤＡＴやＡＣＫをスイッチ部６に出力する。

　パケット送信部５０は、経路管理部２０からマルチキャスト情報９９（図１０参照）を受け取り、再送制御受信部３０からデータパケットＤＡＴを受け取る。パケット送信部５０は、そのデータパケットＤＡＴに関する管理情報９０（図８、図９参照）を作成し、管理する。そして、再送制御送信部４０は、その管理情報９０を参照して、データパケットＤＡＴの複製・送信処理を行う。より詳細には、パケット送信部５０は、管理情報ＦＩＦＯ５１、送信データＦＩＦＯ５２、送信制御部５３、及びパケット複製部５４を備えている。

　管理情報ＦＩＦＯ５１は、管理情報９０（図８、図９参照）を格納するためのＦＩＦＯである。尚、管理情報９０が管理情報ＦＩＦＯ５１に格納されている際には、送出時刻９２は使用されない。送信データＦＩＦＯ５２は、データパケットＤＡＴや再送データパケットＤＡＴを格納するためのＦＩＦＯである。尚、既出の図３中の“キュー（ｑｕｅｕｅ）”は、この管理情報ＦＩＦＯ５１及び送信データＦＩＦＯ５２に相当する。

　送信制御部５３は、管理情報ＦＩＦＯ５１の先頭から管理情報９０を読み出し、その管理情報９０をパケット複製部５４に転送する。また、送信制御部５３は、読み出した管理情報９０の送出時刻９２に現在時刻を記録し、その管理情報９０を再送管理部６０に送る。更に、送信制御部５３は、送信データＦＩＦＯ５２から、対応するデータパケットＤＡＴを読み出し、そのデータパケットＤＡＴをパケット複製部５４に送る。また、送信制御部５３は、読み出したデータパケットＤＡＴを再送管理部６０に送る。

　パケット複製部５４は、管理情報９０及びデータパケットＤＡＴを受け取る。パケット複製部５４は、管理情報９０の出力ポート状態９１を参照して、データパケットＤＡＴの複製を行う。そして、パケット複製部５４は、それぞれの出力ポートへのルーティング情報を付与したデータパケットＤＡＴを多重部４２に出力する。

　再送管理部６０は、パケット送信部５０から、データパケットＤＡＴ及び管理情報９０を受け取り、それらを一時的に保管する。そして、再送管理部６０は、ＡＣＫの受信状況に応じて、再送制御処理を実行する。より詳細には、再送管理部６０は、管理情報バッファ６１、再送データバッファ６２、再送管理制御部６３、及びタイマ６４を備えている。

　管理情報バッファ６１は、管理情報９０（図８、図９参照）を一時的に格納するためのバッファである。尚、管理情報９０中の送出時刻９２には、管理情報ＦＩＦＯ５１から管理情報バッファ６１に移管された時刻が設定される。再送データバッファ６２は、データパケットＤＡＴを一時的に格納するためのバッファである。

　再送管理制御部６３は、再送制御受信部３０からＡＣＫ受信情報８９（図７参照）を受け取り、管理情報バッファ６１に格納されている管理情報９０を更新する。具体的には、再送管理制御部６３は、ＡＣＫ受信情報８９中のパケット識別番号８１と同じものを有する管理情報９０を、管理情報バッファ６１から検索する。そして、再送管理制御部６３は、該当する管理情報９０中のＡＣＫ受信状態９３（図９参照）を、ヘッダ８３等に基いて更新する。また、ＡＣＫ受信状態９３が、全ての送信先からＡＣＫを受信したことを示すようになった場合、再送管理制御部６３は、その管理情報９０と対応するデータパケットＤＡＴを、それぞれ管理情報バッファ６１と再送データバッファ６２から削除する。

　タイマ６４は、再送管理制御部６３に時刻情報を通知する。再送管理制御部６３は、タイマ６４から通知される時刻情報と管理情報９０中の送出時刻９２とを参照することによって、再送タイムアウトの発生を検出する。再送タイムアウトが発生した場合、再送管理制御部６３は、該当する管理情報９０中の出力ポート状態９１を、現在のＡＣＫの受信状況に応じて更新する。具体的には、再送管理制御部６３は、該当する管理情報９０中の出力ポート状態９１をＡＣＫ受信状態９３で上書きする（図９参照）。その後、再送管理制御部６３は、その管理情報９０を管理情報バッファ６１からパケット送信部５０の管理情報ＦＩＦＯ５１に移管し、また、対応するデータパケットＤＡＴ（再送データパケットＤＡＴ）を再送データバッファ６２からパケット送信部５０の送信データＦＩＦＯ５２に移管する。その結果、その再送データパケットＤＡＴが、パケット送信部５０から、ＡＣＫ未受信の送信先に向けて再送されることになる。

　２－３．送信サーバ３
　図１５は、本実施の形態における送信サーバ３の構成を示すブロック図である。尚、マルチキャストルータ２の場合と同じ構成要素には同じ符号が付されており、重複する説明は適宜省略される。送信サーバ３は、経路管理部２０、再送制御受信部３０及び再送制御送信部４０に加えて、上位アプリケーション２５を備えている。

　上位アプリケーション２５は、受信端末４宛に送信するデータを保有するアプリケーションであり、再送制御受信部３０に対して送信データを送出する。つまり、再送制御受信部３０には、外部からではなく上位アプリケーション２５からデータが供給される。

　経路管理部２０、再送制御受信部３０及び再送制御送信部４０の機能は、基本的に、マルチキャストルータ２のデータ処理部１０と同じである。但し、隣接するマルチキャストルータ２からのデータパケットＤＡＴの受信がないため、ＡＣＫの返信は行われない。また、送信サーバ３の場合、外部ネットワークとの接続インタフェースは一組だけであり、再送制御送信部４０は、出力ポート数を１として動作する。そのため、スイッチ部６が不要となっている。

　２－４．受信端末４
　図１６は、本実施の形態における受信端末４の構成を示すブロック図である。尚、マルチキャストルータ２の場合と同じ構成要素には同じ符号が付されており、重複する説明は適宜省略される。受信端末４は、上位アプリケーション２６、パケット識別部３１、及びＡＣＫ生成部４１を備えている。

　パケット識別部３１は、上流の隣接するマルチキャストルータ２からデータパケットＤＡＴを受信する。パケット識別部３１は、その受信データパケットＤＡＴを上位アプリケーション２６に転送する。また、パケット識別部３１は、ＤＡＴ受信情報８８（図６参照）をＡＣＫ生成部４１に出力する。

　ＡＣＫ生成部４１は、パケット識別部３１からＤＡＴ受信情報８８（図６参照）を受け取る。そのＤＡＴ受信情報８８のパケット識別番号８１及びヘッダ８３に基づいて、ＡＣＫ生成部４１は、ＡＣＫを生成し、そのＡＣＫを上流の隣接するマルチキャストルータ２に返信する。

　３．動作例
　以下、本実施の形態に係るマルチキャストルータ２の動作例を説明する。

　３－１．ＤＡＴ受信
　図１７は、本実施の形態に係るマルチキャストルータ２におけるデータパケットＤＡＴの受信時の動作を示すフローチャートである。例として、ポート７－１からデータパケットＤＡＴが入力され、ポート７－２、７－３、７－ＮにデータパケットＤＡＴがマルチキャストされる場合を考える。

　ステップＳ１：
　上流からポート７－１にデータパケットＤＡＴが入力される。そのデータパケットＤＡＴは、データ処理部１０の再送制御受信部３０に入力される。

　ステップＳ１０：
　データパケットＤＡＴの受信に応答して、次に説明される「ＡＣＫ返信処理（ステップＳ１０）」が実施される。

　ステップＳ１１：
　再送制御受信部３０のパケット識別部３１は、データパケットＤＡＴの受信に応答して、ＤＡＴ受信情報８８を再送制御送信部４０に通知する。

　ステップＳ１２：
　再送制御送信部４０のＡＣＫ生成部４１は、ＤＡＴ受信情報８８に応答して、ＡＣＫを生成する。

　ステップＳ１３：
　ＡＣＫ生成部４１は、データパケットＤＡＴの送信元と接続されているポート７―１から出力されるよう、ＡＣＫを多重部４２に送信する。多重部４２は、そのＡＣＫを、スイッチ部６を通してポート７―１から出力する。

　ステップＳ２０：
　その一方で、データパケットＤＡＴの受信に応答して、次に説明される「ＤＡＴ転送処理（ステップＳ２０）」も実施される。

　ステップＳ２１：
　再送制御受信部３０のヘッダ抽出部３５は、データパケットＤＡＴからヘッダ情報８５を抽出し、そのヘッダ情報８５を経路管理部２０に通知する。また、ヘッダ抽出部３５は、データパケットＤＡＴを再送制御送信部４０に送信する。このとき、一意性を確保するため、ヘッダ抽出部３５は、ヘッダ情報８５とデータパケットＤＡＴに同一のパケット識別番号８１を付与する。

　ステップＳ２２：
　経路管理部２０は、ヘッダ情報８５に基いてマルチキャストツリーの同定を行い、データパケットＤＡＴの出力先（出力ポート状態９１）を決定する。更に、経路管理部２０は、マルチキャスト情報９９を作成し、そのマルチキャスト情報９９を再送制御送信部４０に出力する。

　ステップＳ２３：
　再送制御送信部４０のパケット送信部５０は、データパケットＤＡＴを、送信データＦＩＦＯ５２に収容する。

　ステップＳ２４：
　また、パケット送信部５０は、経路管理部２０から受け取ったマルチキャスト情報９９に基いて、データパケットＤＡＴに対応する管理情報９０（図８、図９参照）を作成する。具体的には、パケット識別情報８１及び出力ポート状態９１は、マルチキャスト情報９９のものがそのまま用いられる。送出時刻９２は０に設定される。ＡＣＫ受信状態９３は、出力ポート状態９１と同じに設定される。パケット送信部５０は、作成した管理情報９０を管理情報ＦＩＦＯ５１に収容する。

　ステップＳ２５：
　送信制御部５３は、管理情報ＦＩＦＯ５１の先頭から管理情報９０を読み出し、その管理情報９０をパケット複製部５４に転送する。また、送信制御部５３は、読み出した管理情報９０の送出時刻９２に現在時刻を記録し、その管理情報９０を再送管理部６０内の管理情報バッファ６１に格納する。

　ステップＳ２６：
　また、送信制御部５３は、送信データＦＩＦＯ５２から、管理情報９０のものと同じパケット識別情報８１を有するデータパケットＤＡＴを読み出し、そのデータパケットＤＡＴをパケット複製部５４に送る。また、送信制御部５３は、読み出したデータパケットＤＡＴを再送管理部６０内の再送データバッファ６２に格納する。

　ステップＳ２７：
　パケット複製部５４は、管理情報９０及びデータパケットＤＡＴを受け取る。パケット複製部５４は、管理情報９０の出力ポート状態９１を参照して、データパケットＤＡＴの複製を行う。そして、パケット複製部５４は、それぞれの出力ポートへのルーティング情報を付与したデータパケットＤＡＴを多重部４２に出力する。本例では、データパケットＤＡＴが３個複製され、ポート７－２、７－３、７－Ｎのそれぞれから同じデータパケットＤＡＴが送信される。

　３－２．ＡＣＫ受信
　図１８は、本実施の形態に係るマルチキャストルータ２におけるＡＣＫ受信時の動作を示すフローチャートである。例として、下流につながるポート７－３からＡＣＫが入力された場合を考える。

　ステップＳ３１：
　下流からポート７－３にＡＣＫが入力される。そのＡＣＫは、データ処理部１０の再送制御受信部３０に入力される。

　ステップＳ３２：
　再送制御受信部３０のパケット識別部３１は、受信ＡＣＫを終端・廃棄する。

　ステップＳ３３：
　また、パケット識別部３１は、ＡＣＫ受信に応答して、ＡＣＫ受信情報８９を再送制御送信部４０に通知する。

　ステップＳ３４：
　再送制御送信部４０の再送管理部６０の再送管理制御部６３は、ＡＣＫ受信情報８９を受け取る。再送管理制御部６３は、ＡＣＫ受信情報８９中のパケット識別番号８１と同じものを有する管理情報９０を、管理情報バッファ６１から検索する。

　ステップＳ３５：
　再送管理制御部６３は、該当する管理情報９０中のＡＣＫ受信状態９３を更新する。本例の場合、ＡＣＫ受信状態９３内の“出力ポート番号＝３”に対応する“状態”が、「１」から「０」に変更される（図９参照）。

　ステップＳ３６，Ｓ３７
　全ての送信先からＡＣＫを受信した場合（ステップＳ３６；Ｙｅｓ)、ＡＣＫ受信状態９３内の全ての“状態”が「０」になる。この場合、再送管理制御部６３は、その管理情報９０と対応するデータパケットＤＡＴを、それぞれ管理情報バッファ６１と再送データバッファ６２から削除する。

　尚、検索の結果、管理情報９０が見つからなかった場合、再送管理制御部６３は、当該ＡＣＫ受信情報８９を廃棄する。

　３－３．再送タイムアウト
　図１９は、本実施の形態に係るマルチキャストルータ２における再送タイムアウト処理を示すフローチャートである。

　ステップＳ４１：
　タイマ６４は、再送管理制御部６３に時刻情報を通知する。再送管理制御部６３は、タイマ６４から通知される時刻情報と管理情報９０中の送出時刻９２とを参照することによって、再送タイムアウトの発生を検出する。

　ステップＳ４２：
　再送タイムアウトが発生した場合（ステップＳ４１；Ｙｅｓ）、再送管理制御部６３は、該当する管理情報９０中の出力ポート状態９１を、現在のＡＣＫの受信状況に応じて更新する。具体的には、再送管理制御部６３は、該当する管理情報９０中の出力ポート状態９１をＡＣＫ受信状態９３で上書きする（図９参照）。

　ステップＳ４３：
　再送管理制御部６３は、更新後の管理情報９０を、管理情報バッファ６１からパケット送信部５０の管理情報ＦＩＦＯ５１に転送する。

　ステップＳ４４：
　また、再送管理制御部６３は、当該管理情報９０のものと同じパケット管理番号８１を有するデータパケットＤＡＴ（再送データパケットＤＡＴ）を、再送データバッファ６２からパケット送信部５０の送信データＦＩＦＯ５２に転送する。

　ステップＳ４５：
　その結果、その再送データパケットＤＡＴが、パケット送信部５０から、ＡＣＫ未受信の送信先に向けて再送されることになる。

　４．効果
　以上に説明されたように、本実施の形態によれば、送信サーバ３とマルチキャストルータ２との間、隣接するマルチキャストルータ２間、及びマルチキャストルータ２と受信端末４との間で、ＡＣＫを利用した送達確認が実施される。従って、データ送達の観点から信頼性が向上するだけでなく、ＡＣＫの応答爆発が防止される。その結果、送信サーバ３の処理負荷の増大も防止される。また、受信端末４に関して高いスケーラビリティが実現される。

　また、本実施の形態によれば、再送制御送信部４０内の管理情報ＦＩＦＯ５１、送信データＦＩＦＯ５２、管理情報バッファ６１、及び再送データバッファ６２が、それぞれ１種類ずつでよい。従って、データパケットＤＡＴおよび管理情報９０のための収容メモリが削減され、好適である。

　以上、本発明の実施の形態が添付の図面を参照することにより説明された。但し、本発明は、上述の実施の形態に限定されず、要旨を逸脱しない範囲で当業者により適宜変更され得る。

　上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。

　（付記１）
　マルチキャストネットワークシステムにおいて送信装置と受信装置との間に配置されるマルチキャストルータであって、
　前記送信装置側の送信元からデータパケットを受信すると、前記送信元に肯定応答を返信する応答生成部と、
　前記受信したデータパケットを複製し、前記受信装置側の送信先に送信するパケット送信部と、
　前記送信先に送信された前記データパケットに関する再送制御を行う再送管理部と
　を備え、
　前記再送管理部は、前記送信先に送信された前記データパケットをバッファに格納し、
　前記データパケットに対する肯定応答を前記送信先から受信した場合、前記再送管理部は、前記受信した肯定応答を破棄し、
　前記データパケットに対する肯定応答を前記送信先の全てから受信した場合、前記再送管理部は、前記バッファに格納されている前記データパケットを削除し、
　前記バッファに格納されている前記データパケットに関して再送タイムアウトが発生した場合、前記再送管理部は、前記データパケットを再送データパケットとして前記パケット送信部に出力し、前記パケット送信部は、前記再送データパケットを前記送信先に再送する
　マルチキャストルータ。

　（付記２）
　付記１に記載のマルチキャストルータであって、
　前記パケット送信部は、前記受信したデータパケットの場合と同一のキューを用いて、前記再送データパケットを前記送信先に再送する
　マルチキャストルータ。

　（付記３）
　付記２に記載のマルチキャストルータであって、
　前記パケット送信部の前記同一のキューは、
　　前記データパケットが格納される送信データキューと、
　　前記データパケットに関する管理情報が格納される管理情報キューと
　を含み、
　前記管理情報は、前記データパケットの識別番号と、前記データパケットが出力される出力ポートを示しており、
　前記パケット送信部は、前記管理情報キューに格納された前記管理情報を参照して、前記送信データキューに格納された前記データパケットを送信する
　マルチキャストルータ。

　（付記４）
　付記３に記載のマルチキャストルータであって、
　前記再送管理部は、前記データパケットと共に前記管理情報を前記バッファに格納し、
　前記管理情報は更に、前記データパケットの送出時刻を示し、
　前記再送管理部は、前記送出時刻とタイマを参照することによって前記再送タイムアウトの発生を検出する
　マルチキャストルータ。

　（付記５）
　付記４に記載のマルチキャストルータであって、
　前記再送タイムアウトが発生した場合、前記再送管理部は、前記送信先からの前記肯定応答の受信状況に応じて、前記管理情報中の前記出力ポートを更新し、その後、前記データパケットを前記再送データパケットとして前記送信データキューに出力し、前記管理情報を前記管理情報キューに出力する
　マルチキャストルータ。

　（付記６）
　送信装置と、
　複数の受信装置と、
　前記送信装置と前記複数の受信装置との間のマルチキャストネットワーク上に配置されたマルチキャストルータと
　を備え、
　前記マルチキャストルータは、
　前記送信装置側の送信元からデータパケットを受信すると、前記送信元に肯定応答を返信する応答生成部と、
　前記受信したデータパケットを複製し、前記受信装置側の送信先に送信するパケット送信部と、
　前記送信先に送信された前記データパケットに関する再送制御を行う再送管理部と
　を備え、
　前記再送管理部は、前記送信先に送信された前記データパケットをバッファに格納し、
　前記データパケットに対する肯定応答を前記送信先から受信した場合、前記再送管理部は、前記受信した肯定応答を破棄し、
　前記データパケットに対する肯定応答を前記送信先の全てから受信した場合、前記再送管理部は、前記バッファに格納されている前記データパケットを削除し、
　前記バッファに格納されている前記データパケットに関して再送タイムアウトが発生した場合、前記再送管理部は、前記データパケットを再送データパケットとして前記パケット送信部に出力し、前記パケット送信部は、前記再送データパケットを前記送信先に再送する
　マルチキャストネットワークシステム。

　（付記７）
　付記６に記載のマルチキャストネットワークシステムであって、
　前記パケット送信部は、前記受信したデータパケットの場合と同一のキューを用いて、前記再送データパケットを前記送信先に再送する
　マルチキャストネットワークシステム。

　（付記８）
　マルチキャストネットワークシステムにおいて送信装置と受信装置との間に配置されるマルチキャストルータに、マルチキャストルータ機能を実現させるためのプログラムであって、
　前記マルチキャストルータ機能は、
　前記送信装置側の送信元からデータパケットを受信すると、前記送信元に肯定応答を返信する応答生成機能と、
　前記受信したデータパケットを複製し、前記受信装置側の送信先に送信するパケット送信機能と、
　前記送信先に送信された前記データパケットに関する再送制御を行う再送管理機能と
　を備え、
　前記再送管理機能は、前記送信先に送信された前記データパケットをバッファに格納し、
　前記データパケットに対する肯定応答を前記送信先から受信した場合、前記再送管理機能は、前記受信した肯定応答を破棄し、
　前記データパケットに対する肯定応答を前記送信先の全てから受信した場合、前記再送管理機能は、前記バッファに格納されている前記データパケットを削除し、
　前記バッファに格納されている前記データパケットに関して再送タイムアウトが発生した場合、前記再送管理機能は、前記データパケットを再送データパケットとして前記パケット送信機能に出力し、前記パケット送信機能は、前記再送データパケットを前記送信先に再送する
　プログラム。

　（付記９）
　付記８に記載のプログラムであって、
　前記パケット送信機能は、前記受信したデータパケットの場合と同一のキューを用いて、前記再送データパケットを前記送信先に再送する
　プログラム。

　本出願は、２０１０年９月２７日に出願された日本国特許出願２０１０－２１５５６５を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims

　マルチキャストネットワークシステムにおいて送信装置と受信装置との間に配置されるマルチキャストルータであって、
　前記送信装置側の送信元からデータパケットを受信すると、前記送信元に肯定応答を返信する応答生成部と、
　前記受信したデータパケットを複製し、前記受信装置側の送信先に送信するパケット送信部と、
　前記送信先に送信された前記データパケットに関する再送制御を行う再送管理部と
　を備え、
　前記再送管理部は、前記送信先に送信された前記データパケットをバッファに格納し、
　前記データパケットに対する肯定応答を前記送信先から受信した場合、前記再送管理部は、前記受信した肯定応答を破棄し、
　前記データパケットに対する肯定応答を前記送信先の全てから受信した場合、前記再送管理部は、前記バッファに格納されている前記データパケットを削除し、
　前記バッファに格納されている前記データパケットに関して再送タイムアウトが発生した場合、前記再送管理部は、前記データパケットを再送データパケットとして前記パケット送信部に出力し、前記パケット送信部は、前記再送データパケットを前記送信先に再送する
　マルチキャストルータ。
　請求項１に記載のマルチキャストルータであって、
　前記パケット送信部は、前記受信したデータパケットの場合と同一のキューを用いて、前記再送データパケットを前記送信先に再送する
　マルチキャストルータ。
　請求項２に記載のマルチキャストルータであって、
　前記パケット送信部の前記同一のキューは、
　　前記データパケットが格納される送信データキューと、
　　前記データパケットに関する管理情報が格納される管理情報キューと
　を含み、
　前記管理情報は、前記データパケットの識別番号と、前記データパケットが出力される出力ポートを示しており、
　前記パケット送信部は、前記管理情報キューに格納された前記管理情報を参照して、前記送信データキューに格納された前記データパケットを送信する
　マルチキャストルータ。
　請求項３に記載のマルチキャストルータであって、
　前記再送管理部は、前記データパケットと共に前記管理情報を前記バッファに格納し、
　前記管理情報は更に、前記データパケットの送出時刻を示し、
　前記再送管理部は、前記送出時刻とタイマを参照することによって前記再送タイムアウトの発生を検出する
　マルチキャストルータ。
　請求項４に記載のマルチキャストルータであって、
　前記再送タイムアウトが発生した場合、前記再送管理部は、前記送信先からの前記肯定応答の受信状況に応じて、前記管理情報中の前記出力ポートを更新し、その後、前記データパケットを前記再送データパケットとして前記送信データキューに出力し、前記管理情報を前記管理情報キューに出力する
　マルチキャストルータ。
　送信装置と、
　複数の受信装置と、
　前記送信装置と前記複数の受信装置との間のマルチキャストネットワーク上に配置されたマルチキャストルータと
　を備え、
　前記マルチキャストルータは、
　前記送信装置側の送信元からデータパケットを受信すると、前記送信元に肯定応答を返信する応答生成部と、
　前記受信したデータパケットを複製し、前記受信装置側の送信先に送信するパケット送信部と、
　前記送信先に送信された前記データパケットに関する再送制御を行う再送管理部と
　を備え、
　前記再送管理部は、前記送信先に送信された前記データパケットをバッファに格納し、
　前記データパケットに対する肯定応答を前記送信先から受信した場合、前記再送管理部は、前記受信した肯定応答を破棄し、
　前記データパケットに対する肯定応答を前記送信先の全てから受信した場合、前記再送管理部は、前記バッファに格納されている前記データパケットを削除し、
　前記バッファに格納されている前記データパケットに関して再送タイムアウトが発生した場合、前記再送管理部は、前記データパケットを再送データパケットとして前記パケット送信部に出力し、前記パケット送信部は、前記再送データパケットを前記送信先に再送する
　マルチキャストネットワークシステム。
　請求項６に記載のマルチキャストネットワークシステムであって、
　前記パケット送信部は、前記受信したデータパケットの場合と同一のキューを用いて、前記再送データパケットを前記送信先に再送する
　マルチキャストネットワークシステム。
　マルチキャストネットワークシステムにおいて送信装置と受信装置との間に配置されるマルチキャストルータに、マルチキャストルータ機能を実現させるためのプログラムが記録された記録媒体であって、
　前記マルチキャストルータ機能は、
　前記送信装置側の送信元からデータパケットを受信すると、前記送信元に肯定応答を返信する応答生成機能と、
　前記受信したデータパケットを複製し、前記受信装置側の送信先に送信するパケット送信機能と、
　前記送信先に送信された前記データパケットに関する再送制御を行う再送管理機能と
　を備え、
　前記再送管理機能は、前記送信先に送信された前記データパケットをバッファに格納し、
　前記データパケットに対する肯定応答を前記送信先から受信した場合、前記再送管理機能は、前記受信した肯定応答を破棄し、
　前記データパケットに対する肯定応答を前記送信先の全てから受信した場合、前記再送管理機能は、前記バッファに格納されている前記データパケットを削除し、
　前記バッファに格納されている前記データパケットに関して再送タイムアウトが発生した場合、前記再送管理機能は、前記データパケットを再送データパケットとして前記パケット送信機能に出力し、前記パケット送信機能は、前記再送データパケットを前記送信先に再送する
　記録媒体。
　請求項８に記載の記録媒体であって、
　前記パケット送信機能は、前記受信したデータパケットの場合と同一のキューを用いて、前記再送データパケットを前記送信先に再送する
　記録媒体。