WO2010134365A1

WO2010134365A1 - 放射線画像撮影システム

Info

Publication number: WO2010134365A1
Application number: PCT/JP2010/052255
Authority: WO
Inventors: 壮一朗山田
Original assignee: コニカミノルタエムジー株式会社
Priority date: 2009-05-19
Filing date: 2010-02-16
Publication date: 2010-11-25

Abstract

　複数の撮影方式での放射線画像撮影により得られた画像データと撮影オーダ情報とを、正確に対応づけることを目的とする。　放射線画像撮影システム１において、可搬型放射線画像検出器２は、可搬型放射線画像検出器２の姿勢を検出する姿勢検出センサ２９（姿勢検出手段）を備え、姿勢検出センサ２９による姿勢検出結果をコンソール７に通知し、放射線画像撮影により取得した画像データを、撮影順にコンソール７に送信する。また、コンソール７は、可搬型放射線画像検出器２から通知された姿勢検出結果と、登録された撮影オーダ情報に含まれる撮影方式情報と、に基づいて、可搬型放射線画像検出器２から受信した画像データと登録された撮影オーダ情報とを対応づける。

Description

放射線画像撮影システム

　本発明は、放射線画像撮影システムに関するものである。

　病気診断等を目的として、Ｘ線画像に代表される放射線を用いて撮影された放射線画像が広く用いられている。こうした医療用の放射線画像は、従来からスクリーンフィルムを用いて撮影されていたが、近年は、放射線画像のデジタル化が実現されており、輝尽性蛍光体シートを用いたＣＲ（Computed Radiography）装置が開発され、最近では、照射された放射線を放射線検出素子で検出してデジタル画像データとして取得する放射線画像検出器が開発されている。

　このタイプの放射線画像検出器はＦＰＤ（Flat Panel Detector）として知られており、放射線検出素子等をハウジングに収納して可搬とした可搬型放射線画像検出器（以下、単に放射線画像検出器という場合には可搬型のものを指す。）や、さらに、バッテリを内蔵するとともにアンテナ等の無線通信手段を備え、コンソール等の外部装置との間で無線通信を行うケーブルレスの可搬型放射線画像検出器も開発されている（例えば特許文献１参照）。ケーブルレスの放射線画像検出器では、コンソール等の外部装置や電源と接続するためのケーブルが不要なため、放射線画像検出器の可搬性を生かすことができ、また、放射線画像撮影時における放射線画像検出器の位置の制約が無く、撮影の自由度を高めることができる。

　また、ＣＲ装置では、撮影枚数と同じ枚数のＣＲカセッテを準備する必要があるのに対し、一般的に、放射線画像検出器は、複数回の放射線画像撮影で得た各画像データを一時的に記憶させるためのメモリを有しており、複数回の放射線画像撮影を連続して行うことが可能に構成されている（例えば特許文献２参照）。また一般に、放射線画像検出器は高価であって、病院等の医療施設によっては、放射線画像検出器を多数用意していないケースも多い。

　また、放射線画像検出器は、通常、従来のスクリーン／フィルム用のカセッテにおけるＪＩＳ規格サイズに倣って設計・製造されており、従来のスクリーン／フィルム用のカセッテに適合するものとして導入された既存のブッキー装置に装填して用いることができるように構成されている。ブッキー装置としては、患者が起立した状態で放射線画像撮影を行うための立位型ブッキー装置や、患者が横臥した状態で放射線画像撮影を行うための臥位型ブッキー装置が知られている。

　加えて、近年では、放射線画像検出器の可搬性を生かして、ブッキー装置に装填しない、いわば単独の状態で用い、例えば患者のベットサイドで放射線画像検出器の放射線入射面上に被写体である患者の手等を直接載置し、ポータブルの放射線発生装置から放射線を照射して放射線画像撮影を行うケースも増えている。

　このような放射線画像検出器を使用すれば、１台の放射線画像検出器で、立位型ブッキー装置を使用した立位撮影、臥位型ブッキー装置を使用した臥位撮影、ブッキー装置を使用しないポータブル撮影の各撮影方式に対応可能となるため、各撮影方式に対応する放射線画像検出器を準備する必要が無く、利便的である。

特開平７－１４０２５５号公報特開平６－３４２０９９号公報

　上述の放射線画像検出器において取得された画像データは、放射線画像検出器からコンソール等の外部装置に送信され、コンソールにおいて、撮影対象の患者の患者情報や撮影条件等からなる撮影オーダ情報と対応づけられて所定の記憶領域に保存される。

　ここで、１人の患者（被写体）に対して複数の撮影オーダ情報がある場合、上述した放射線画像検出器を用いて、これら複数の撮影オーダ情報に基づく複数回の放射線画像撮影を連続して実行することができる。例えば、１人の患者に対して、臥位撮影、立位撮影、ポータブル撮影のそれぞれに対応する３つの撮影オーダ情報が、この順序で登録されている場合には、撮影室において、臥位型ブッキー装置を使用した臥位撮影と、立位型ブッキー装置を使用した立位撮影と、ブッキー装置を使用しないポータブル撮影とを連続して実行することができる。各撮影方式の放射線画像撮影によって取得された画像データは、撮影順に、放射線画像検出器からコンソールに送信され、コンソールは、画像データを受信した順序で、各撮影オーダ情報と対応づける処理を実行する。

　例えば、上述のように、臥位撮影に対応する撮影オーダ情報と、立位撮影に対応する撮影オーダ情報と、ポータブル撮影に対応する撮影オーダ情報とが、この順序で登録されている場合に、撮影室において、撮影オーダ情報の登録順序に対応する順序（臥位撮影→立位撮影→ポータブル撮影の順序）で放射線画像撮影が実行されると、コンソール上で、各撮影オーダ情報と各撮影方式の画像データとがそれぞれ正しく対応付けられることとなる。

　ところが、放射線技師や医師等の操作者は、放射線画像撮影の終了後に、放射線画像検出器をそのままの状態で撮影室内に残しておくことが多い。例えば、別の患者に対する前回の放射線画像撮影の最後に、立位型ブッキー装置を使用して立位撮影を実行した場合には、放射線画像検出器は立位型ブッキー装置に装填されたままとなる可能性が高い。

　このような場合には、次の患者に対して、臥位撮影、立位撮影、ポータブル撮影のそれぞれに対応する３つの撮影オーダ情報がこの順序で登録されていたとしても、最初に立位撮影を実行する方が、撮影オーダ情報の登録順序に対応する順序で放射線画像撮影を実行するよりも操作者の作業負担が少なく、放射線画像撮影に要する時間も短縮することができる。つまり、撮影オーダ情報の登録順序にしたがって放射線画像撮影を実行する場合には、最初に臥位撮影を行うために、放射線画像撮影に先立って、操作者が、立位型ブッキー装置に装填されている放射線画像検出器を一旦取り出して、臥位型ブッキー装置に装填し直す作業を行わなければならないため、操作者の作業負担が大きく、また、撮影準備に時間がかかり効率的でない。

　しかしながら、撮影室において、撮影オーダ情報の登録順序と異なる順序で複数の放射線画像撮影が実行されると、コンソールにおいてそれぞれの画像データと撮影オーダ情報とが正しく対応づけられず、撮影終了後に、操作者が、コンソール上で各画像データの画像表示を見て、画像データと撮影オーダ情報との対応づけを修正する作業を行わなければならないこととなり、操作者の作業負担が増大してしまうという問題があった。

　本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、複数の撮影方式での放射線画像撮影により得られた画像データと撮影オーダ情報とを、正確に対応づけることが可能な放射線画像撮影システムを提供することである。

　前記の問題を解決するために、本発明の放射線画像撮影システムは、
　電源供給手段を有するとともに、通信手段を備える可搬型放射線画像検出器と、
　前記可搬型放射線画像検出器との間で通信可能なコンソールと、
　を備え、
　前記可搬型放射線画像検出器は、
　前記可搬型放射線画像検出器の姿勢を検出する姿勢検出手段と、
　前記姿勢検出手段による姿勢検出結果を前記コンソールに通知する通知手段と、
　放射線画像撮影により取得した画像データを記憶する記憶手段と、
　放射線画像撮影により取得した前記画像データを、前記コンソールに送信する送信手段と、
　を備え、
　前記コンソールは、
　一の被写体に対し、放射線画像撮影の撮影方式を示す撮影方式情報を含む複数の撮影オーダ情報を登録する登録手段を備え、
　前記通知手段により通知された前記姿勢検出結果と、前記登録手段により登録された前記撮影オーダ情報に含まれる撮影方式情報と、に基づいて、前記送信手段により送信された前記画像データと、前記登録手段により登録された前記撮影オーダ情報とを対応づけることを特徴とする。

　また、本発明の放射線画像撮影システムは、
　電源供給手段を有するとともに、通信手段を備える可搬型放射線画像検出器と、
　前記可搬型放射線画像検出器を装填可能な少なくとも一つのブッキー装置と、
　前記ブッキー装置および前記可搬型放射線画像検出器と通信可能なコンソールと、
　を備え、
　前記ブッキー装置は、
　前記可搬型放射線画像検出器の装填の有無を検知する装填検出手段と、
　前記装填検出手段による装填検出結果を、前記コンソールに通知する通知手段と、
　を備え、
　前記可搬型放射線画像検出器は、
　放射線画像撮影により取得した画像データを記憶する記憶手段と、
　放射線画像撮影により取得した前記画像データを、前記コンソールに送信する送信手段を備え、
　前記コンソールは、
　一の被写体に対し、放射線画像撮影の撮影方式を示す撮影方式情報を含む複数の撮影オーダ情報を登録する登録手段を備え、
　前記可搬型放射線画像検出器から通知された前記装填検出結果と、前記登録手段により登録された前記撮影オーダ情報に含まれる撮影方式情報と、に基づいて、前記送信手段により送信された前記画像データと、前記登録手段により登録された前記撮影オーダ情報とを対応づけることを特徴とする。

　また、本発明の放射線画像撮影システムは、
　放射線を照射する放射線発生装置と、
　電源供給手段を有するとともに、通信手段を備える可搬型放射線画像検出器と、
　前記放射線発生装置および前記可搬型放射線画像検出器と通信可能なコンソールと、
　前記放射線発生装置の位置を制御する位置制御手段と、
　を備え、
　前記可搬型放射線画像検出器は、
　放射線画像撮影により取得した画像データを記憶する記憶手段と、
　放射線画像撮影により取得した前記画像データを、前記コンソールに送信する送信手段を備え、
　前記コンソールは、
　一の被写体に対し、放射線画像撮影の撮影方式を示す撮影方式情報を含む複数の撮影オーダ情報を登録する登録手段を備え、
　前記位置制御手段の制御による前記放射線発生装置の位置と、前記登録手段により登録された前記撮影オーダ情報に含まれる撮影方式情報と、に基づいて、前記送信手段により送信された前記画像データと、前記登録手段により登録された前記撮影オーダ情報とを対応づけることを特徴とする。

　本発明のような方式の放射線画像撮影システムによれば、コンソールにおいて、可搬型放射線画像検出器により通知された姿勢検出結果、ブッキー装置により通知された装填検出結果または放射線発生装置の位置と、登録された撮影オーダ情報に含まれる撮影方式情報とに基づいて、可搬型放射線画像検出器から送信された画像データと登録された撮影オーダ情報との対応づけが行われる。したがって、複数の撮影方式での放射線画像撮影を、撮影オーダ情報が登録された順序と異なる順序で実行した場合であっても、コンソールにおいて、各撮影方式での放射線画像撮影により取得された画像データと撮影オーダ情報とを正確に対応付けることが可能となる。

第１の実施形態に係る放射線画像撮影システムの全体構成を示す図である。可搬型放射線画像検出器の外観構成を示す斜視図である。可搬型放射線画像検出器の機能的構成を示すブロック図である。第１の実施形態に係る姿勢検出情報の一例を示す図である。放射線画像検出器が立位型ブッキー装置に垂直縦向きに装填される場合図５（ａ）と、放射線画像検出器が立位型ブッキー装置に垂直横向きに装填される場合図５（ｂ）とを説明するための図である。放射線画像検出器が臥位型ブッキー装置に水平縦向きに装填される場合図６（ａ）と、放射線画像検出器が臥位型ブッキー装置に水平横向きに装填される場合図６（ｂ）とを説明するための図である。放射線画像検出器がブッキー装置に装填されずに、斜めに傾いた状態で用いられる場合を説明するための図である。第１の実施形態に係るコンソールの機能的構成を示すブロック図である。撮影オーダ情報の一例を示す図である。第１の実施形態に係る放射線画像システムにおける処理手順の一例を示すフローチャートの第１図である。第１の実施形態に係る放射線画像システムにおける処理手順の一例を示すフローチャートの第２図である。コンソールの表示手段に表示される撮影オーダ情報の選択画面の一例である。登録された撮影オーダ情報の一例である。姿勢検出結果に基づいて特定された撮影順序が対応づけられた撮影オーダ情報の一例である。変形例に係る放射線画像撮影システムの全体構成を示す図である。変形例に係るコンソールの機能的構成を示すブロック図である。登録された撮影オーダ情報の一例である。第２の実施形態に係る放射線画像システムの全体構成を示す図である。第２の実施形態に係るコンソールの機能的構成を示すブロック図である。装填検出手段を備えるブッキー装置の一例である。第３の実施形態に係る放射線画像システムの全体構成を示す図である。第３の実施形態に係るコンソールの機能的構成を示すブロック図である。

　［第１の実施の形態］
　以下、本発明に係る放射線画像撮影システムの第１の実施形態について、図面を参照して説明する。ただし、本発明は以下の図示例のものに限定されるものではない。

　第１の実施形態に係る放射線画像撮影システム１は、病院や医院内で行われる放射線画像撮影を想定したシステムであり、図１に示すように、例えば、放射線を照射して患者の一部である被写体（患者の撮影対象部位）の撮影を行う撮影室Ｒ１と、放射線技師や医師等（以下、操作者という。）が被写体に照射する放射線の制御や放射線の照射により取得した放射線画像の画像処理等を行う前室Ｒ２とに分散配置されるものである。

　本実施形態では、撮影室Ｒ１に、可搬型放射線画像検出器２（以下、単に放射線画像検出器２という。）を装填可能なブッキー装置３や、被写体に放射線を照射する放射線発生装置４、通信を中継する無線アクセスポイント５（基地局）等が設けられている。

　また、前室Ｒ２には、放射線画像検出器２に内蔵された後述するタグを検出するタグリーダ６や、放射線画像撮影システム１全体の制御を行うコンソール７等が設けられている。

　以下、ブッキー装置３、放射線発生装置４、放射線画像検出器２、無線アクセスポイント５、タグリーダ６およびコンソール７のそれぞれについて、この順で説明する。

　（ブッキー装置）
　本実施形態では、ブッキー装置３として、立位撮影用の立位型ブッキー装置３ａと臥位撮影用の臥位型ブッキー装置３ｂとが設けられている。これらのブッキー装置３ａ、３ｂには、放射線画像検出器２を所定の位置に保持するためのカセッテ保持部３１が設けられており、カセッテ保持部３１に放射線画像検出器２を装填して、放射線画像撮影を行うことができるように構成されている。

　このブッキー装置３は、従来のスクリーン／フィルム用のカセッテにおけるＪＩＳ規格に準拠する寸法のＣＲカセッテやＦＰＤカセッテ（放射線画像検出器２）を装填することができるように構成されている。したがって、本実施形態では、ＪＩＳ規格に準拠する寸法で構成された放射線画像検出器２のみならず、ＣＲカセッテを撮影室Ｒ１内に持ち込んで放射線画像撮影を行うことも可能である。

　なお、立位型ブッキー装置３ａや臥位型ブッキー装置３ｂにおいて、例えばそれら自体の位置調整や装置本体に対するカセッテ保持部３１の高さ調整等を適宜行うこと等が可能とされていることは、公知のブッキー装置と同様である。

　また、ブッキー装置３に放射線画像検出器２が装填された場合には、ブッキー装置３から当該放射線画像検出器２へ、中継器等を介して電源供給したり、ブッキー装置３を介してコンソール７へ、画像データ等を送信するよう構成することもできる。

　（放射線発生装置）
　撮影室Ｒ１には、被写体に放射線を照射する放射線源を備える放射線発生装置４が少なくとも１つ設けられている。本実施形態では、立位撮影用の立位型ブッキー装置３ａおよび臥位撮影用の臥位型ブッキー装置３ｂに兼用される固定型放射線発生装置４ａと、ブッキー装置３に対応付けられていない、ポータブル撮影用のポータブル型放射線発生装置４ｂとの、２つの放射線発生装置４が配設されている。このポータブル型放射線発生装置４ｂは、撮影室Ｒ１内のいかなる場所にも持ち運びでき、任意の方向に放射線を照射することができる。

　なお、立位型ブッキー装置３ａに対応づけられた立位撮影専用の放射線発生装置４と、臥位型ブッキー装置３ｂに対応付けられた臥位撮影専用の放射線発生装置４とを別個に設ける構成としても良い。また、ポータブル型放射線発生装置４ｂが設けられていない構成であっても良い。この場合、臥位撮影用の放射線発生装置４を用いてポータブル撮影を行うことができる。

　固定型放射線発生装置４ａおよびポータブル型放射線発生装置４ｂのそれぞれは、後述する操作卓４１に接続されたＸ線管球等の放射線源を備えており、放射線源は高圧電圧が印加されると電圧に応じた線量の放射線を照射するようになっている。また、それぞれの放射線源には、開閉自在とされた図示しない絞りが設けられている。

　また、本実施形態では、立位型ブッキー装置３ａおよび臥位型ブッキー装置３ｂに兼用される固定型放射線発生装置４ａの放射線源は、例えば撮影室Ｒ１の天井からつり下げられて配設されており、撮影時には後述する操作卓４１からの指示に基づいて起動され、図示しない移動手段により、各撮影に応じた所定の位置（放射線画像検出器２に対峙する位置）にまで移動され、放射線の照射方向が所定の方向を向くようにその向きが調整されるように構成されている。

　操作卓４１は、汎用のＣＰＵ（Central Processing Unit）を備えるコンピュータや専用のプロセッサを備えるコンピュータ等で構成されている。操作卓４１は、固定型放射線発生装置４ａおよびポータブル型放射線発生装置４ｂのそれぞれとケーブル等により接続されるとともに、ケーブル等を介してコンソール７に接続されている。そして、操作卓４１は、コンソール７から撮影部位情報や放射線発生装置４の照射条件等を取得するとともに、コンソール７からの指示に基づいて、放射線発生装置４の位置の調整や、放射線発生装置４における放射線照射線量の調整、放射線発生装置の絞りの調整等を行う。

　（放射線画像検出器）
　放射線画像検出器２は、図２に示すように、筐体２１内に図示しないフォトダイオード等の放射線検出素子やシンチレータ等が収納されたカセッテ型の可搬型放射線画像検出器として構成されている。

　なお、図２では、筐体２１がフロント部材２１ａとバック部材２１ｂとで形成されている場合が示されているが、この他にも、筐体２１を筒状のモノコック状に形成することも可能である。また、本発明の放射線画像検出器は、いわゆる間接型の放射線画像検出器２のものに限定されず、それ以外にも、照射された放射線をシンチレータを介さず放射線検出素子で直接検出する、いわゆる直接型の放射線画像検出器２等の種々の放射線画像検出器２を用いることが可能である。

　また、放射線画像検出器２の筐体２１内には、図３に示すように、放射線画像検出器２の各部材に電力を供給するためのバッテリ２２（電源供給手段）が内蔵されており、放射線画像検出器２の筐体２１の側面部分には、筐体２１内に内蔵されたバッテリ２２の交換のために開閉される蓋部材２３が設けられている。この蓋部材２３の側面部には、放射線画像検出器２が無線アクセスポイント５を介して外部と情報の送受信を行うための通信手段としてのアンテナ装置２４が埋め込まれている。そして、放射線画像検出器２は、アンテナ装置２４により、コンソール７との間で、画像データの送信や各種信号の送受信を無線方式で行うことができるように構成されている。

　なお、画像データのコンソール７への送信については、例えば放射線画像検出器２を前室Ｒ２に持参してコンソール７に有線接続して送信を行うように構成することも可能である。

　さらに、上述したように、放射線画像検出器２がブッキー装置３に装填された場合には、上記バッテリ２２からの電源供給では無く、ブッキー装置３から中継器等を介して電源が供給されるように構成しても良く、また、アンテナ装置２４を用いた無線通信から、ブッキー装置３経由の有線通信に切り替えることができるように構成されていても良い。

　また、放射線画像検出器２の側面部分には、さらに、例えばＬＥＤ等で構成され、バッテリ２２の充電状況や各種の操作状況等を表示するインジケータ２５や、放射線画像検出器２の電源を、電源オン状態と電源オフ状態との間で切り替えるための電源スイッチ２６が設けられている。

　また、放射線画像検出器２内には、図示しないタグが内蔵されている。本実施形態では、タグとして、いわゆるＲＦＩＤ（Radio Frequency IDentification）タグと呼ばれるタグが用いられており、タグの各部を制御する制御回路や放射線画像検出器２の固有情報を記憶する記憶部がコンパクトに内蔵されている。この固有情報には、例えば当該放射線画像検出器２に割り当てられた識別情報としてのカセッテＩＤやシンチレータの種類情報、サイズ情報、解像度等が含まれている。そして、放射線画像検出器２は、タグリーダ６から発信された電波をアンテナ装置２４を介して受信すると、タグの記憶部に記憶された固有情報を、アンテナ装置２４を介してタグリーダ６に送信するように構成されている。

　本実施形態では、放射線画像検出器２は、従来のスクリーン／フィルム用のカセッテにおけるＪＩＳ　Ｚ　４９０５（対応する国際規格はＩＥＣ　６０４０６）に準拠する寸法で構成されている。すなわち、放射線入射方向の厚さは１５ｍｍ＋１ｍｍ～１５ｍｍ－２ｍｍの範囲内に形成され、８インチ×１０インチ、１０インチ×１２インチ、１１インチ×１４インチ、１４インチ×１４インチ、１４インチ×１７インチ（半切サイズ）等のものが用意されている。

　このように、放射線画像検出器２はスクリーン／フィルム用のカセッテに関するＪＩＳ規格に準拠して形成されているため、前述のＪＩＳ規格に準拠して形成されるＣＲカセッテを装填可能な既存のブッキー装置３（立位型ブッキー装置３ａ、臥位型ブッキー装置３ｂ）に装填して用いることが可能である。

　また、本実施形態において、放射線画像検出器２は、立位型ブッキー装置３ａや臥位型ブッキー装置３ｂに装填して用いる他、単独で、直接的に被写体に対峙させて用いることもできるように構成されている。

　放射線画像検出器２を単独で用いるポータブル撮影では、放射線画像検出器２をブッキー装置３に装填しない単独の状態で、例えば撮影室Ｒ１内に設けられた支持台Ｃ（図７参照）上に配置し、その放射線入射面Ｐ（図２参照）上に被写体である患者の手等を載置したり、或いは例えばベッド上に横臥した患者の腰や足等とベッドとの間に差し込んだりして、ポータブル型放射線発生装置４ｂから放射線を照射するようにして放射線画像撮影が行われる。

　すなわち、本実施形態では、１台の放射線画像検出器２で、立位型ブッキー装置３ａに装填して用いる立位撮影と、臥位型ブッキー装置３ｂに装填して用いる臥位撮影と、ブッキー装置３を使用せず、放射線画像検出器２を単独で用いるポータブル撮影の、３つの撮影方式による放射線画像撮影を行うことができる。

　さらに、放射線画像検出器２は、図３に示すように、制御手段２７、記憶手段２８および姿勢検出センサ２９を備えている。

　制御手段２７は、例えば、汎用のＣＰＵ、ＲＯＭ（Read Only Memory）、ＲＡＭ（Random Access Memory）（いずれも図示せず）から構成されている。制御手段２７は、ＲＯＭに格納されている所定のプログラムを読み出してＲＡＭの作業領域に展開し、当該プログラムに従ってＣＰＵが各種処理を実行することで、放射線画像検出器２の各部の動作等を制御する。

　記憶手段２８は、複数回の放射線画像撮影により取得した複数の画像データを一時的に記憶させることが可能な記憶領域を有している。そして、被写体に対して複数回連続して放射線を照射し、その度に放射線の照射によって得られた画像データを記憶手段２８に記録していくことで、連続撮影や動画撮影が可能となっている。

　姿勢検出センサ２９は、姿勢検出手段として、放射線画像検出器２自身の姿勢を検出する。この姿勢検出センサ２９は、放射線画像検出器２内において、図示しない放射線検出素子による放射線の検出を妨げないように、放射線検出素子等に重ならない位置（有効画像領域外）に設けられている。例えば、図２に例示するように、放射線画像検出器２において、姿勢検出センサ２９は、筐体２１内の隅部に設けられている。

　本実施形態では、姿勢検出センサ２９として、例えば、放射線画像検出器２に作用する加速度（動的な加速度）を、互いに直交するＸ軸、Ｙ軸、Ｚ軸の３軸方向について検出する３軸加速度センサが用いられる。この姿勢検出センサ２９により検出されるＸ軸、Ｙ軸、Ｚ軸の３軸方向の加速度を示す電圧値は、制御手段２７に対して出力されるようになっており、放射線画像検出器２の制御手段２７では、姿勢検出センサ２９からの検出信号に基づいて、自身の姿勢が所定時間の間連続して変化しないか否かを監視するようになっている。そして、制御手段２７は、放射線画像検出器２自身の姿勢が所定時間の間連続して変化しないと判断した場合、つまり、所定時間連続して放射線画像検出器２が同じ姿勢で保持されている場合に、通知手段として、その姿勢を示す姿勢検出結果を、アンテナ装置２４及び無線アクセスポイント５を介してコンソール７に通知する。

　より具体的には、放射線画像検出器２の制御手段２７は、姿勢検出センサ２９により検出されるＸ軸、Ｙ軸、Ｚ軸の各軸方向の加速度データ（電圧値）の履歴を記憶手段２８に保存させながら各軸方向の電圧値を監視し、３軸方向の出力が、共に所定時間の間連続して０であるか否かを判断する。そして、制御手段２７は、３軸方向の電圧値が所定時間の間連続して０である場合に、放射線画像検出器２が現在いずれの方向にも動いていない静止状態にあると判断し、３軸方向の各電圧値が０となった時点の直前に検出されたＸ軸、Ｙ軸、Ｚ軸の３軸方向の電圧値を参照する。

　ここで、記憶手段２８には、図４に示すように、姿勢検出センサ２９から出力される３軸方向の電圧値と放射線画像検出器２の姿勢との対応関係が姿勢検出情報として予め記憶されており、制御手段２７は、図４の姿勢検出情報を参照して、３軸方向の各電圧値が０となった時点の直前に検出されたＸ軸、Ｙ軸、Ｚ軸の３軸方向の各電圧値に基づいて、放射線画像検出器２の姿勢を、「垂直（縦向き）」、「垂直（横向き）」、「水平」、「斜め」の中から特定する。そして、姿勢検出センサ２９からの検出信号に基づいて特定した放射線画像検出器２の姿勢（垂直（縦向き）／垂直（横向き）／水平／斜め）を示す姿勢検出結果を、アンテナ装置２４を介してコンソール７に通知する。

　以下に、図４に示す姿勢検出情報に基づいて放射線画像検出器２の姿勢を判別する方法について具体的に説明する。なお、ここでは、図２等に示すように、放射線画像検出器２の長辺方向にＸ軸をとり、短辺方向にＹ軸をとり、厚さ方向にＺ軸をとっている。

　例えば、図５（ａ）に示すように、立位方式での縦長撮影を行う場合、すなわち、放射線画像検出器２が立位型ブッキー装置３ａに垂直縦向きに装填される場合には、装填の直前には、装填される放射線画像検出器２のＹ軸方向への移動が停止されるため、Ｙ軸方向にのみ加速度が生じる。そのため、姿勢検出センサ２９のＸ軸方向の出力の絶対値｜Ｘ｜はほぼ０、Ｙ軸方向の出力の絶対値｜Ｙ｜は有意な正の値、Ｚ軸方向の出力の絶対値｜Ｚ｜はほぼ０となる。

　そこで、本実施形態では、図４に示すように、姿勢検出センサ２９から出力される３軸方向の電圧値の閾値として所定値ａを設定し、制御手段２７は、３軸方向の各電圧値が０となる直前において、Ｙ軸方向の出力の絶対値｜Ｙ｜のみが所定値ａ以上であれば（すなわち、｜Ｘ｜≒０、｜Ｙ｜≧ａ、｜Ｚ｜≒０であれば）、放射線画像検出器２の姿勢を「垂直（縦向き）」と判断することとした。

　また、図５（ｂ）に示すように、立位方式で横長撮影を行う場合、すなわち、放射線画像検出器２が立位型ブッキー装置３ａに垂直横向きに装填される場合には、上記と同様に装填の直前には今度はＸ軸方向にのみ加速度が生じ、姿勢検出センサ２９のＸ軸方向の出力の絶対値｜Ｘ｜は有意な正の値、Ｙ軸方向の出力の絶対値｜Ｙ｜はほぼ０、Ｚ軸方向の出力の絶対値｜Ｚ｜はほぼ０となる。

　そこで、制御手段２７は、３軸方向の各電圧値が０となる直前において、Ｘ軸方向の出力の絶対値｜Ｘ｜のみが所定値ａ以上であれば（すなわち、図４に示すように、｜Ｘ｜≧ａ、｜Ｙ｜≒０、｜Ｚ｜≒０であれば）、放射線画像検出器２の姿勢を「垂直（横向き）」と判断することとした。

　また、図６（ａ）に示すように、臥位方式で縦長撮影を行う場合、すなわち、放射線画像検出器２が臥位型ブッキー装置３ｂに水平縦向きに装填される場合や、図６（ｂ）に示すように、臥位方式で横長撮影を行う場合、すなわち、放射線画像検出器２が臥位型ブッキー装置３ｂに水平横向きに装填される場合には、装填の際には放射線画像検出器２はＹ軸方向やＸ軸方向に移動されるが、装填の直前には臥位型ブッキー装置３ｂのカセッテ保持部３１内に装填されるためＺ軸方向にのみ加速度が生じる。そのため、姿勢検出センサ２９のＸ軸方向の出力の絶対値｜Ｘ｜はほぼ０、Ｙ軸方向の出力の絶対値｜Ｙ｜はほぼ０、Ｚ軸方向の出力の絶対値｜Ｚ｜は有意な正の値となる。

　そこで、制御手段２７は、３軸方向の各電圧値が０となる直前において、Ｚ軸方向の出力の絶対値｜Ｚ｜のみが所定値ａ以上であれば（すなわち、｜Ｘ｜≒０、｜Ｙ｜≒０、｜Ｚ｜≧ａであれば）、放射線画像検出器２の姿勢を「水平」と判断することとした。

　また、図７に示すように、ポータブル方式で斜めの撮影を行う場合、すなわち、放射線画像検出器２がブッキー装置３に装填されずに支持台Ｃの上等にそのまま載置されて、斜めに傾いた状態で用いられる場合には、放射線画像検出器２が静止状態になる（すなわち、３軸方向の各電圧値が０となる）直前に検出されるＸ軸、Ｙ軸、Ｚ軸の各軸方向の出力の絶対値は、上記のようにそのうちの１つの出力のみが正の値となることはなく、各電圧値のうち、２軸以上の出力の絶対値が有意な正の値となる。

　例えば、図７の例のように傾いた支持台Ｃ上に、放射線画像検出器２がＸ軸方向、Ｙ軸方向、Ｚ軸方向にそれぞれ傾いた状態で載置される場合には、姿勢検出センサ２９のＸ軸方向の出力の絶対値｜Ｘ｜、Ｙ軸方向の出力の絶対値｜Ｙ｜、Ｚ軸方向の出力の絶対値｜Ｚ｜が、全て有意な正の値となる。

　そこで、制御手段２７は、図４に示すように、３軸方向の各電圧値が０となる直前において、Ｘ軸方向、Ｙ軸方向、Ｚ軸方向の各電圧値の絶対値｜Ｘ｜、｜Ｙ｜、｜Ｚ｜のうち２つ以上が所定値ａ以上であれば、放射線画像検出器２の姿勢を「斜め」と判断することとした。

　なお、上記では、姿勢検出センサ２９により検出されるＸ軸、Ｙ軸、Ｚ軸の３軸方向の各電圧値の絶対値｜Ｘ｜、｜Ｙ｜、｜Ｚ｜について、０でない有意な正の値を出力しているか否かを、一定の所定値ａを閾値として判断する場合について説明したが、各電圧値の絶対値｜Ｘ｜、｜Ｙ｜、｜Ｚ｜についてそれぞれ異なる所定値を閾値として設定するように構成することも可能であり、閾値は適切な値に適宜設定される。

　また、上記では、制御手段２７が、姿勢検出センサ２９により検出されたＸ軸、Ｙ軸、Ｚ軸の各軸方向の電圧値に基づいて、放射線画像検出器２の姿勢を検出し、検出した姿勢を姿勢検出結果としてコンソール７に通知することとしたが、放射線画像検出器２からコンソール７に通知する姿勢検出結果はこれに限られない。

　例えば、制御手段２７が、姿勢検出センサ２９により検出されたＸ軸、Ｙ軸、Ｚ軸の各軸方向の加速度のデータ（電圧値）自体を、姿勢検出結果として定期的にコンソール７に送信し、コンソール７で放射線画像検出器２の姿勢が所定時間の間連続して変化しないか否かを判断するように構成することも可能である。

　また、制御手段２７において、姿勢検出センサ２９から出力された各軸方向の各電圧値に基づいて、後述する放射線画像撮影の撮影方式（例えば、立位撮影（縦長撮影）／立位撮影（横長撮影）／臥位撮影／ポータブル撮影）を判別し、判別した撮影方式を、姿勢検出結果としてコンソール７に送信するように構成することも可能である。

　また、姿勢検出センサ２９から出力された各電圧値をそれぞれ角度に変換して放射線画像検出器２の姿勢を検出し、各角度の情報を姿勢検出結果としてコンソール７に送信するように構成しても良い。

　なお、上記の例では、放射線画像検出器２が重力方向に対して、垂直（立位撮影に対応）、水平（臥位撮影に対応）、斜め（ポータブル撮影に対応）等のいずれの姿勢にあるかを判別すると共に、当該垂直姿勢における放射線画像検出器２の検出面の配置方向（縦向きまたは横向き）も判別しているが、後者はコンソール７上での画像表示時の回転処理（ポートレートまたはランドスケープ表示に対応）の要否を判断する為に使用されるもので、当該配置方向の検出は必ずしも必要では無い。すなわち、放射線画像検出器２からコンソール７に送信される姿勢検出情報は、上述の「垂直（縦向き）／垂直（横向き）／水平／斜め」の情報に限られず、「垂直／水平／斜め」の情報のみであっても良い。

　また、上記の例では、放射線画像検出器２の垂直姿勢における検出面の配置方向を判別することとしたが、水平姿勢や斜め姿勢における検出面の配置方向の判別も行う構成であっても良い。

　上述したように、放射線画像検出器２の制御手段２７は、姿勢検出センサ２９により検出した姿勢検出結果をコンソール７に通知する。

　コンソール７は、後述するように、放射線画像検出器２から取得した姿勢検出結果に基づき、放射線画像検出器２の姿勢に対応する撮影方式に用いられる放射線発生装置４を選択して制御する。例えば、放射線画像検出器２の姿勢が、重力方向と平行な姿勢（垂直）の場合には、立位型ブッキー装置３ａに対応する固定型放射線発生装置４ａを選択して制御し、放射線画像検出器２から撮影準備完了信号を取得すると放射線照射を許可する。そして、放射線技師等の操作者により曝射スイッチが押圧されると、放射線が照射される。

　一方で、放射線画像検出器２の制御手段２７は、放射線の照射により各放射線検出素子において発生して蓄積された電荷を読み出して画像データ（ｒａｗデータ）を取得する。そして、取得した画像データ（ｒａｗデータ）から所定の間引き率で画素（すなわち、各放射線画像検出素子から出力されたデジタルデータ）を間引き、データ量が例えば元の画像データ（ｒａｗデータ）の１／１６程度となるように減少させた間引き画像データを生成する。そして、制御手段２７は、間引き画像データを生成すると、生成した間引き画像データを、間引き画像データの元となる画像データ（ｒａｗデータ）に優先して、撮影順にコンソール７に送信する。

　さらに、放射線画像検出器２の制御手段２７は、間引き画像データを送信した後に、取得した画像データ（ｒａｗデータ）を、撮影順にコンソール７に対して送信する。

　ここで、本実施形態では、放射線画像撮影が行われる度に、間引き画像データと画像データ（ｒａｗデータ）とをこの順序でコンソール７に送信するように構成されている。例えば、１人の患者を対象として放射線画像撮影が３回実施される場合には、１回目の放射線画像撮影後に、１つ目の間引き画像データと１つ目の画像データ（ｒａｗデータ）とがこの順序でコンソール７に対して送信され、２回目の放射線画像撮影後に、２つ目の間引き画像データと２つ目の画像データ（ｒａｗデータ）とがこの順序でコンソール７に対して送信され、３回目の放射線画像撮影後に、３つ目の間引き画像データと３つ目の画像データ（ｒａｗデータ）とがこの順序でコンソール７に対して送信される。

　なお、複数回の放射線画像撮影によって得られた複数の画像データ（ｒａｗデータ）を、一連の放射線画像撮影による各間引き画像データの送信後にまとめて送信するように構成することも可能である。

　また、最後の放射線画像撮影後に、一連の放射線画像撮影による複数の間引き画像データと複数の画像データ（ｒａｗデータ）とを、複数の間引き画像データ、複数の画像データ（ｒａｗデータ）の順序で送信することとしても良い。

　さらに、間引き画像データの生成を行わず、画像データ（ｒａｗデータ）のみをコンソール７に送信するように構成することも可能である。

　また、上述したように、本実施形態では、１人の患者を対象とする複数回の放射線画像撮影により得られた複数の画像データ（間引き画像データ、画像データ（ｒａｗデータ）を、撮影順に、コンソール７に対して送信する場合について説明する。すなわち、１人の患者を対象として放射線画像撮影が３回実施される場合には、１回目の放射線画像撮影により得られた画像データ→２回目の放射線画像撮影により得られた画像データ→３回目の放射線画像撮影により得られた画像データの順番で送信されることとなる。

　なお、画像データの送信順は、このような撮影順（すなわち、記憶手段２８における先入／先出の方式）に限られず、先入／後出の方式を採用して、最後の放射線画像撮影により得られた画像データから順に送信することとしても良い。この場合、どちらの方式で画像データを送信するかをコンソール７に通知することとすれば、先入／先出または先入／後出のいずれの方式で画像データを送信しても、コンソール７側で対処することができる。

　以上のように、間引き画像データと画像データ（ｒａｗデータ）の送信タイミングや送信順序は適宜設定可能であるが、どのようなタイミングや順序で、間引き画像データの送信と画像データ（ｒａｗデータ）の送信を行うかは、コンソール７の配置場所（画像の確認を行う場所）への操作者の移動距離も加味して、全体的な効率化（時間短縮）を図ることができるように定めることが好ましい。

　また、本実施形態では、姿勢検出センサ２９により検出した姿勢検出結果を、放射線画像検出器２の姿勢が変化したタイミングで（すなわち、放射線画像撮影により得られた画像データの送信前に）、コンソール７に通知する場合について説明するが、例えば、姿勢検出結果のうち検出面の配置方向情報を、放射線画像撮影によって得られた間引き画像データや元の画像データ（ｒａｗデータ）に付帯して送信することとしても良い。検出面の配置方向情報は、コンソール７での画像表示時の回転処理等に使用される。

　（無線アクセスポイント）
　無線アクセスポイント５は、放射線画像検出器２とコンソール７とが無線通信する際にこれらの通信を中継するものである。図１では、無線アクセスポイント５が撮影室Ｒ１の入口付近に設けられているが、無線アクセスポイントの配置位置はこれに限定されず、コンソール７の無線通信部７２と無線通信可能な適宜の位置に設けることができる。なお、無線アクセスポイント５とコンソール７間の通信は、有線通信としても良い。

　（タグリーダ）
　タグリーダ６は、内蔵する図示しないアンテナを介して電波等に所定の指示情報を乗せて発信し、前室Ｒ２に入室し或いは退室する放射線画像検出器２、すなわち撮影室Ｒ１や前室Ｒ２の所定範囲内に進入した放射線画像検出器２を検出するように構成されている。さらに、タグリーダ６は、検出した放射線画像検出器２のＲＦＩＤタグに記憶されたカセッテＩＤ、シンチレータの種類情報、サイズ情報、解像度等の固有情報を読み取り、読み取った固有情報をコンソール７に送信する。

　（コンソール）
　コンソール７は、図８に示すように、コンソール制御手段７１、無線通信手段７２、入力手段７３、表示手段７４および記憶手段７５を備えている。

　コンソール制御手段７１は、例えば、汎用のＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ等（いずれも図示せず）から構成されており、ＲＯＭに格納されている所定のプログラムを読み出してＲＡＭの作業領域に展開し、当該プログラムに従ってＣＰＵが各種処理を実行することで、コンソール７の各部の動作等を制御する。

　無線通信手段７２は、無線アクセスポイント５を経由して放射線画像検出器２と無線通信を行うためのもので、例えば、放射線画像検出器２から送信される姿勢検出結果や画像データの受信等を行う。なお、前述したように、無線アクセスポイント５とコンソール７間の通信は、有線方式としても良い。

　入力手段７３は、各種の指示や情報等を入力するためのキーボードやマウス等により構成され、操作者が各種の指示等を入力するためのものである。具体的には、入力手段７３は、後述するように、登録手段として、放射線画像撮影に先立って、操作者が放射線画像撮影の対象となる患者の情報や撮影条件を含む撮影オーダ情報を登録する際等に操作される。

　表示手段７４は、ＣＲＴ（Cathode Ray Tube）やＬＣＤ（Liquid Crystal Display）等から成り、放射線画像検出器２から送信されてきた画像や撮影オーダ情報等の各種の情報を表示する。

　記憶手段７５は、ハードディスク等で構成されており、各種情報を記憶している。

　具体的には、記憶手段７５には、撮影室Ｒ１での放射線画像撮影の対象となる患者の情報と撮影条件とを含む撮影オーダ情報が記憶されている。撮影オーダ情報は、放射線画像撮影に先立ってリスト形式で予め記憶手段７５に格納されるようになっている。

　本実施形態では、撮影オーダ情報は、図９に例示するように、患者情報としての「患者ＩＤ」Ｐ２、「患者氏名」Ｐ３「性別」Ｐ４、「年齢」Ｐ５、「診療科」Ｐ６および撮影条件としての「撮影部位」Ｐ７、「撮影方向」Ｐ８、放射線画像撮影の撮影方式に関する「撮影方式」Ｐ９（撮影方式情報）を含んで構成されている。そして、撮影オーダ情報を受け付けた順に、各撮影オーダ情報に対して「撮影オーダＩＤ」Ｐ１が自動的に割り当てられるようになっている。

　上記の撮影方式情報は、立位撮影（縦長撮影／横長撮影）、臥位撮影またはポータブル撮影のいずれの撮影方式であるかを記憶するものである。撮影方式情報は、少なくとも２つの撮影方式と対応付けることが可能な何らかの情報であればよく、例えば、撮影部位の情報を撮影条件情報として用いても良い。

　なお、撮影オーダ情報に書き込む患者情報や撮影条件の内容は、上記のものに限定されず、例えば、撮影モード、患者の生年月日、診察回数、放射線の線量、太っているか痩せているか等の情報を含むように構成することも可能であり、適宜設定することができる。また、例えば、ネットワークを介してコンソール１０７をＨＩＳ（Hospital Information System）やＲＩＳ（Radiology Information System）（いずれも図示せず）に接続し、それらから撮影オーダ情報を入手するように構成することも可能である。

　また、記憶手段７５は、放射線画像検出器２から受信した各画像データ（間引き画像データ、ｒａｗデータ）を、登録された撮影オーダ情報と対応づけて記憶する記憶領域を有している。なお、１つの撮影室Ｒ１において、１人の患者を対象とする放射線画像撮影が複数回連続して実施され、コンソール７において、これらの放射線画像撮影により取得された複数の画像データを受信した場合には、受信した１人の患者を対象とする複数の画像データが患者単位でグループ化されて記憶手段７５に記憶される。

　さらに、記憶手段７５には、撮影室Ｒ１における放射線画像撮影で使用可能な放射線画像検出器２等について、カセッテＩＤと、シンチレータの種類情報やサイズ情報、解像度等の情報とが対応付けられたテーブルが予め記憶されている。

　以上のように構成されるコンソール７は、図１に示すように、前述の固定型放射線発生装置４ａやポータブル型放射線発生装置４ｂ、タグリーダ６等がそれぞれケーブル等を介して接続されるとともに、無線通信手段７２や無線アクセスポイント５等を介して、撮影室Ｒ内に存在する放射線画像検出器２との間で無線通信ができるようになっている。

　また、コンソール７には、この他にも、ネットワークＮＷを介して、撮影に関する検査対象の撮影オーダ情報をコンソール７に提供するＨＩＳ（Hospital Information System）／ＲＩＳ（Radiology Information System）８、コンソール７から出力された画像データを保存するＰＡＣＳサーバ９、コンソール７から出力された画像データに基づいて放射線画像をフィルムなどの画像記録媒体に記録して出力するイメージャ１０等が接続されている。

　ここで、１つの撮影室Ｒ１において、１人の患者を対象として、複数の撮影方式での放射線画像撮影が連続して実行される場合には、放射線画像検出器２が各撮影方式に対応する撮影位置にセットされる度に、放射線画像検出器２からコンソール７に対して、それぞれ異なる複数の姿勢検出結果が通知されることとなる。

　すると、コンソール７のコンソール制御手段７１は、撮影室Ｒ１内の放射線画像検出器２から受信した姿勢検出結果および姿勢検出結果の受信順序に基づいて、放射線画像撮影が実行された順序（撮影順序）を特定し、特定した撮影順序に基づいて、放射線画像検出器２から送信される間引き画像データや画像データ（ｒａｗデータ）と、撮影オーダ情報との対応付けを行う。

　また、コンソール７のコンソール制御手段７１は、放射線画像検出器２から姿勢検出結果を受信すると、操作卓４１を介して、放射線画像検出器２の姿勢に対応する撮影方式に用いられる放射線発生装置４を、放射線画像検出器２の姿勢に対応する撮影方式に応じて移動および起動する制御を行う。

　次に、図１０および図１１のフローチャートを参照しながら、第１の実施形態に係る放射線画像撮影システム１の作用について説明する。なお、以下では、撮影室Ｒ１内に放射線画像検出器２が１つのみ存在する場合について説明する。

　放射線画像撮影に先立って、コンソール７のコンソール制御手段７１は、記憶手段７５に記憶されている撮影オーダ情報を読み出して（或いはネットワークを介してＨＩＳ／ＲＩＳ８から撮影オーダ情報を入手して）取得し、例えば図１２に示すように、表示手段７４の選択画面Ｈ１上に表示する。図１２に示すように、選択画面Ｈ１には、記憶手段１０７ｅに記憶された撮影オーダ情報のリストを表示するための撮影オーダ情報表示欄ｈ１１が設けられている。また、撮影オーダ情報表示欄ｈ１１の左側には、今回の放射線画像撮影で設定する撮影オーダ情報を選択するための選択ボタンｈ１２が各撮影オーダ情報に対応して設けられている。また、撮影オーダ情報表示欄ｈ１１の下側には、決定ボタンｈ１３及び戻るボタンｈ１４が設けられている。

　操作者は、選択画面Ｈ１上で、入力手段７３を用いて、今回の放射線画像撮影の撮影オーダ情報に対応する選択ボタンｈ１２をクリックし、さらに、決定ボタンｈ１３をクリックすることにより、撮影オーダ情報を選択して登録する（図１０のステップＳ１）。

　このとき、操作者が、選択画面Ｈ１上で、１人の患者を対象として複数の撮影オーダ情報を登録した場合、登録された複数の撮影オーダ情報は、その患者を対象とする今回の放射線画像撮影にかかる撮影オーダ情報としてグループ化される。

　図１３は、患者Ａを対象として登録された複数の撮影オーダ情報を記憶するテーブルの一例である。例えば、図１２の選択画面上Ｈ１で、撮影オーダＩＤ「００１」～「００３」の３つの撮影オーダ情報を選択した場合には、図１３に例示するように、選択された各撮影オーダ情報が、登録順序とともに記憶される。図１３のテーブルでは、撮影方式が「臥位」である撮影オーダＩＤ「００１」の撮影オーダ情報が１番目に登録され、撮影方式が「立位」である撮影オーダＩＤ「００２」の撮影オーダ情報が２番目に登録され、撮影方式が「ポータブル」である撮影オーダＩＤ「００３」の撮影オーダ情報が３番目に登録されている。なお、放射線画像撮影の実行前の段階では、図１３に示すように、登録された各撮影オーダ情報に対応する撮影順序の欄が空欄とされている。

　そして、コンソール７の入力手段７３により、放射線画像撮影の撮影オーダ情報が登録されると、コンソール制御手段７１は、選択画面Ｈ１上で登録された撮影オーダ情報を、ケーブル等を介して前室Ｒ２に配設された操作卓４１に送信する。

　操作者は、上述したコンソール７上で撮影オーダ情報を登録する作業が終了すると、コンソール７が配置された前室Ｒ２から撮影室Ｒ１に移動し、放射線画像検出器２や被写体のセッティング等の撮影の準備を行う。

　ここで、操作者は、撮影オーダ情報の登録順序にかかわらず、複数の撮影方式での放射線画像撮影をどのような順序で実行しても良い。

　例えば、撮影室Ｒ１において、放射線画像検出器２が、別の患者を対象とする前回の放射線画像撮影の最後に使用した立位型ブッキー装置３ａに装填された状態のままで残されている場合には、図１３に示すように、撮影方式が「臥位」である撮影オーダ情報が１番目に登録されていたとしても、操作者は、立位型ブッキー装置３ａに放射線画像検出器２を装填したまま、最初に立位撮影を実行することができる。

　また、例えば、放射線画像検出器２が、別の患者を対象とする前回の放射線画像撮影の最後に使用した臥位型ブッキー装置３ｂに装填された状態のままで残されている場合には、たとえ撮影方式が「立位」である撮影オーダ情報が１番目に登録されていたとしても、操作者は、臥位型ブッキー装置３ｂに放射線画像検出器２を装填したまま、最初に臥位撮影を実行することができる。

　撮影室Ｒ１に配置された放射線画像検出器２の制御手段２７は、姿勢検出センサ２９からの検出信号が連続する時間を計時しており、姿勢検出センサ２９からの検出信号が所定時間の間、連続して変化しないか否かを判断する（図１０のステップＳ２）。そして、姿勢検出センサ２９からの検出信号が所定時間を経過しない間に変化した場合（すなわち、｜Ｘ｜、｜Ｙ｜、｜Ｚ｜の何れかが所定値ａ以上。図１０のステップＳ２；Ｎｏ）には、監視を継続する。

　一方、姿勢検出センサ２９からの検出信号が所定時間の間連続して変化しないと判断した場合（すなわち、｜Ｘ｜≒０、｜Ｙ｜≒０、｜Ｚ｜≒０。ステップＳ２；Ｙｅｓ）、制御手段２７は、放射線画像検出器２が撮影位置にセットされて静止状態となったとして、姿勢検出センサ２９からの検出信号の履歴を参照し、放射線画像検出器２が静止状態となった時点の直前のＸ軸、Ｙ軸、Ｚ軸の各検出信号が、図４に示した対応関係の何れに該当するかを判断して、放射線画像検出器２の姿勢を検出する（図１０のステップＳ３）。

　そして、放射線画像検出器２は、検出した放射線画像検出器２の姿勢が、前回検出した姿勢と異なる場合に、検出した姿勢を示す姿勢検出結果を、アンテナ装置２４からコンソール７に対して送信する（図１０のステップＳ４）。

　コンソール７のコンソール制御手段７１は、無線通信手段７２により、放射線画像検出器２から送信された姿勢検出結果を受信すると（図１０のステップＳ５）、放射線画像検出器２から送信された姿勢検出結果および姿勢検出結果の受信順序とに基づいて、各撮影方式での放射線画像撮影の撮影順序を特定し（図１０のステップＳ６）、特定した放射線画像撮影の撮影順序を記憶手段７５に記憶する。

　姿勢検出結果に基づく撮影順序の特定は、コンソール７が放射線画像検出器２から姿勢検出結果を受信する度に繰り返し実行される。

　ここで、コンソール７において、放射線画像検出器２から受信した姿勢検出結果と姿勢検出結果を受信した順序とに基づいて、各撮影方式での放射線画像撮影の撮影順序を特定する手法について説明する。

　まず、コンソール制御手段７１は、撮影室Ｒ１に配置された放射線画像検出器２から姿勢検出結果を受信すると、受信した姿勢検出結果に基づいて、放射線画像撮影の撮影方式を判別する。

　具体的には、コンソール制御手段７１は、放射線画像検出器２の姿勢検出結果が「垂直（縦向き）」である場合には、放射線画像検出器２が立位型ブッキー装置３ａに縦向きに装填されていると判断して、撮影方式を「立位撮影（縦長撮影）」と判別する。また、放射線画像検出器２の姿勢検出結果が「垂直（横向き）」である場合には、放射線画像検出器２が立位型ブッキー装置３ａに横向きに装填されていると判断して、撮影方式を「立位撮影（横長撮影）」と判別する。また、放射線画像検出器２の姿勢検出結果が「水平」である場合には、放射線画像検出器２が臥位型ブッキー装置３ｂに装填されていると判断して、撮影方式を「臥位撮影」と判別する。

　さらに、放射線画像検出器２の姿勢検出結果が「斜め」である場合には、放射線画像検出器２がポータブル撮影の撮影位置にセットされていると判断して、撮影方式を「ポータブル撮影」と判別する。

　なお、前述したように、放射線画像検出器２からコンソール７に送信される姿勢検出情報を、「垂直」「水平」「斜め」の姿勢を示す情報のみとして、立位撮影における縦長撮影か横長撮影かの判別（検出面の配置方向の判別）を行わないこととしても良い。

　また、コンソール７は、姿勢検出結果に基づいて撮影方式を判別する一方で、各姿勢検出結果が示す撮影方式に対応する放射線発生装置４を選択し、選択した放射線発生装置４を撮影方式に応じて移動および起動させる制御を行うとともに、放射線画像検出器２から姿勢検出結果を受信した順序に基づいて、各撮影方式での放射線画像撮影の撮影順序を特定し、特定した撮影順序を記憶手段７５に記憶する。

　例えば、コンソール７が、最初に姿勢検出結果「垂直（縦向き）」を受信し、次に姿勢検出結果「水平」を受信し、最後に姿勢検出結果「斜め」を受信した場合には、これらの姿勢検出結果を受信した順序で、各姿勢検出結果が示す撮影方式の放射線画像撮影が実行されたものとして、１番目に実行された放射線画像撮影が立位撮影（縦長撮影）であり、２番目に実行された放射線画像撮影が臥位撮影であり、３番目に実行された放射線画像撮影がポータブル撮影であると特定する。そして、特定した撮影順序を、登録された撮影オーダ情報に対応づけて記憶する。

　図１４は、放射線画像検出器２からの姿勢検出結果とその受信順序とに基づいて判別された撮影順序を、図１３に例示する撮影オーダ情報に対応づけて記憶したテーブルである。

　例えば、図１３に例示するように、患者Ａを対象として３つの撮影オーダ情報が登録されている場合、撮影室Ｒ１において、操作者が、最初に立位撮影を行うために、放射線画像検出器２を立位型ブッキー装置３ａに縦向きに装填した状態のままとする。このとき、立位型ブッキー装置３ａに縦向きに装填された放射線画像検出器２から、コンソール７に対して、放射線画像検出器２の姿勢が「垂直（縦向き）」である旨が通知される。これを受けて、コンソール制御手段７１は、１番目に実行される放射線画像撮影の撮影方式を「立位撮影（縦長撮影）」と判別し、撮影方式が「立位」である撮影オーダ情報を「撮影順序１」と対応づける。

　次に、操作者が、臥位撮影を実行するために、放射線画像検出器２を立位型ブッキー装置３ｂから取り出し、臥位型ブッキー装置３ｂに装填し直す。このとき、臥位型ブッキー装置３ｂに装填された放射線画像検出器２から、コンソール７に対して、放射線画像検出器２の姿勢が「水平」である旨が通知される。これを受けて、コンソール制御手段７１は、２番目に実行される放射線画像撮影の撮影方式を「臥位撮影」と判別し、撮影方式が「臥位」である撮影オーダ情報を「撮影順序２」と対応づけて記憶する。

　そして最後に、操作者が、ポータブル撮影を行うために、放射線画像検出器２を臥位型ブッキー装置３ｂから取り出し、ポータブル撮影の撮影位置にセットする。このとき、ポータブル撮影の撮影位置に配置された放射線画像検出器２から、コンソール７に対して、放射線画像検出器２の姿勢が「斜め」である旨が通知される。これを受けて、コンソール制御手段７１は、３番目に実行される放射線画像撮影の撮影方式を「ポータブル撮影」と判別し、撮影方式が「ポータブル」である撮影オーダ情報を「撮影順序３」と対応づけて記憶する。

　このように、撮影室Ｒ１において、例えば、立位撮影（縦長撮影）、臥位撮影、ポータブル撮影の順に、放射線画像撮影が実行された場合には、コンソール７において、放射線画像検出器２から送信された姿勢検出結果と、これらの姿勢検出結果を受信した順序とに基づいて、各撮影方式での放射線画像撮影の撮影順序が特定され、撮影オーダ情報と対応づけて記憶されるようになっている。

　さらに、放射線画像検出器２から通知される姿勢検出結果における放射線画像検出器２の姿勢が「垂直」である場合には、コンソール７は、さらに、放射線画像検出器２の姿勢が「垂直（縦向き）」であるか「垂直（横向き）」であるかに基づいて、立位撮影が縦長撮影／横長撮影のいずれであるかを判断し、その判断結果を記憶するようになっている。

　次に、放射線画像検出器２や被写体のセッティング等の撮影準備を終えた操作者は、前室Ｒ２に配置された操作卓４１を操作して、撮影に使用する放射線発生装置４からの放射線を、放射線画像検出器２に対して照射させる。

　すると、放射線発生装置４から照射され、患者の撮影部位を透過した放射線が、電気信号に変換されて各放射線検出素子に蓄積されると（図１０のステップＳ７）、放射線画像検出器２の制御手段２７は、各放射線検出素子に蓄積された全ての電気信号を読み取って画像データ（ｒａｗデータ）を取得して、記憶手段２８に記憶する（図１０のステップＳ８）。なお、記憶手段２８に複数の画像データを記憶する場合には、各画像データを撮影順に記憶する。

　次に、放射線画像検出器２の制御手段２７は、記憶手段２８に記憶された画像データ（ｒａｗデータ）に対し、オフセット／ゲイン補正や欠陥補正等、必要に応じて各種の補正処理を施す。

　続いて、放射線画像検出器２の制御手段２７は、記憶手段２８に記憶された画像データ（ｒａｗデータ）から、所定の間引き率（例えば、１／１６）で画素を間引くことにより、データ量を減少させた間引き画像データを生成し（図１０のステップＳ９）、生成した間引き画像データを、アンテナ装置２４および無線アクセスポイント５を介してコンソール７に送信する（図１０のステップＳ１０）。なお、ステップＳ２～ステップＳ１６の処理は、登録された撮影オーダ情報の数だけ繰り返し実行され、各放射線画像撮影により得られた間引き画像データは、撮影順にコンソール７に送信される。

　すなわち、例えば、立位撮影（縦長撮影）、臥位撮影、ポータブル撮影の順に、放射線画像撮影が実行された場合には、１回目の立位撮影（縦長撮影）後に１つ目の間引き画像データがコンソール７に送信され、２回目の臥位撮影後に２つ目の間引き画像データがコンソール７に送信され、３回目のポータブル撮影後に３つ目の間引き画像データがコンソール７に対して送信されることとなる。

　そして、後述するように、放射線技師等の操作者は、各放射線画像撮影を終える毎に、放射線画像検出器２から送信された当該間引き画像データに基づいてコンソール７の表示手段７４に表示されたプレビュー画像（間引き画像）を視認し、再撮影の要否等を判断することができる。

　次に、コンソール７のコンソール制御手段７１は、放射線画像検出器２から間引き画像データを受信すると、受信した間引き画像データを、間引き画像データの受信順序に対応する撮影順序の撮影オーダ情報と対応づける（図１１のステップＳ１１）。

　すなわち、コンソール制御手段７１は、例えば、１番目に受信した間引き画像データは、「撮影順序１」と対応づけられた撮影オーダ情報と対応づける。また、２番目に受信した間引き画像データは、「撮影順序２」と対応づけられた撮影オーダ情報と対応づける。また、３番目に受信した間引き画像データは、「撮影順序３」と対応づけられた撮影オーダ情報と対応づける。

　例えば、上述したように、撮影室Ｒ１において、立位撮影（縦長撮影）、臥位撮影、ポータブル撮影が、この順序で実行された場合には、放射線画像検出器２からコンソール７に対して、立位撮影により得られた間引き画像データ、臥位撮影により得られた間引き画像データ、ポータブル撮影により得られた間引き画像データが、この順序で送信されることとなる。

　すると、コンソール７は、立位撮影により取得され、１番目に受信した間引き画像データを、２番目に登録され、撮影方式が「立位」である「撮影順序１」の撮影オーダ情報（撮影オーダＩＤ「００２」）と対応付ける。また、臥位撮影により取得され、２番目に受信した間引き画像データを、１番目に登録され、撮影方式が「臥位」である「撮影順序２」の撮影オーダ情報（撮影オーダＩＤ「００１」）と対応づける。また、ポータブル撮影により取得され、３番目に受信した間引き画像データを、３番目に登録され、撮影方式が「ポータブル」である「撮影順序３」の撮影オーダ情報（撮影オーダＩＤ「００３」）と対応付ける。

　このように、コンソール７において、放射線画像検出器２から受信した間引き画像データを、間引き画像データの受信順序に対応する撮影順序の撮影オーダ情報と対応づけることにより、撮影オーダ情報の登録順序と異なる順序で各撮影方式の放射線画像撮影が実行された場合であっても、各撮影オーダ情報と各間引き画像データとが、それぞれ正しく対応付けられることとなる。

　次に、コンソール７のコンソール制御手段７１は、受信した間引き画像データに基づくプレビュー画像（間引き画像）を、ステップＳ１１の処理により対応付けられた撮影オーダ情報とともに、表示手段７４に表示させる（図１１のステップＳ１２）。

　なお、コンソール制御手段７１は、表示手段７４に、撮影方式が「立位」であると判断された間引き画像データを表示させる際には、図１４を参照し、立位撮影が縦長撮影／横長撮影のいずれであるかに基づいて、間引き画像の表示方向を判定し、必要に応じて間引き画像を９０°回転させて表示させる。これにより、放射線画像検出器２を立位型ブッキー装置３ａに縦向きに装填した立位撮影により得られた間引き画像データは、縦方向表示（ポートレート）され、一方、放射線画像検出器２を立位型ブッキー装置３ａに横向きに装填した立位撮影により得られた間引き画像データは、横方向表示（ランドスケープ）されることとなり、操作者が画像表示の方向を修正する手間を省くことができる。

　次に、操作者は、コンソール７の表示手段７４に表示されたプレビュー画像（間引き画像）を見て、再撮影の要否や正しい撮影オーダ情報と対応づけられているか等を確認する。そして、再撮影が必要ない場合には、入力手段７３を用いて、間引き画像データの元の画像データ（ｒａｗデータ）の送信を指示する操作を行う。

　コンソール制御手段７１は、入力手段７３により、間引き画像データの元の画像データ（ｒａｗデータ）の送信が指示されると、元の画像データ（ｒａｗデータ）の送信を要求する指示信号を、無線通信手段７２及び無線アクセスポイント５を介して、間引き画像データを送信した放射線画像検出器２に対して送信する（図１１のステップＳ１３）。

　放射線画像検出器２の制御手段２７は、コンソール７から元の画像データ（ｒａｗデータ）の送信を要求する指示信号を受信すると、記憶手段２８から元の画像データ（ｒａｗデータ）を読み出し、アンテナ装置２４および無線アクセスポイント５を介してコンソール７に送信する（図１１のステップＳ１４）。なお、前述したようにステップＳ２～ステップＳ１６の処理は、登録された撮影オーダ情報の数だけ繰り返し実行され、各放射線画像撮影により得られた画像データ（ｒａｗデータ）は、撮影順にコンソール７に送信される。

　すなわち、例えば、立位撮影（縦長撮影）、臥位撮影、ポータブル撮影の順に、放射線画像撮影が実行された場合には、１回目の立位撮影（縦長撮影）後の間引き画像データ送信後に、１つ目の画像データ（ｒａｗデータ）がコンソール７に送信され、２回目の臥位撮影後の間引き画像データ送信後に、２つ目の画像データ（ｒａｗデータ）がコンソール７に送信され、３回目のポータブル撮影後の間引き画像データ送信後に、３つ目の画像データ（ｒａｗデータ）がコンソール７に対して送信されることとなる。

　なお、本実施形態のように１つの放射線画像検出器２を各撮影装置に装填して使用する場合には、前述したように、複数回の放射線画像撮影によって得られた画像データ（ｒａｗデータ）を、全ての間引き画像データの送信後に一括して送信することとしても良い。この場合、記憶手段７５は複数の画像データを記憶可能な容量が必要となる。

　コンソール７は、放射線画像検出器２から元の画像データ（ｒａｗデータ）を受信すると、受信した画像データ（ｒａｗデータ）を、画像データ（ｒａｗデータ）の受信順序に対応する撮影順序の撮影オーダ情報と対応づける（図１１のステップＳ１５）。

　すなわち、コンソール制御手段７１は、上述した間引き画像データ受信時の処理と同様に、例えば、１番目に受信した画像データ（ｒａｗデータ）は、「撮影順序１」と対応づけられた撮影オーダ情報と対応づける。また、２番目に受信した画像データ（ｒａｗデータ）は、「撮影順序２」と対応づけられた撮影オーダ情報と対応づける。また、３番目に受信した画像データ（ｒａｗデータ）は、「撮影順序３」と対応づけられた撮影オーダ情報と対応づける。

　例えば、上述したように、撮影室Ｒ１において、立位撮影（縦長撮影）、臥位撮影、ポータブル撮影の順に、放射線画像撮影が実行された場合には、放射線画像検出器２からコンソール７に対して、立位撮影により得られた画像データ（ｒａｗデータ）、臥位撮影により得られた画像データ（ｒａｗデータ）、ポータブル撮影により得られた画像データ（ｒａｗデータ）が、この順序で送信される。

　したがって、コンソール７において、放射線画像検出器２から受信した画像データ（ｒａｗデータ）を、画像データ（ｒａｗデータ）の受信順序に対応する撮影順序の撮影オーダ情報と対応づけることにより、立位撮影により取得された画像データ（ｒａｗデータ）が、２番目に登録され、撮影方式が「立位」である「撮影順序１」の撮影オーダ情報（撮影オーダＩＤ「００２」）と対応付けられ、臥位撮影により取得された画像データ（ｒａｗデータ）が、１番目に登録され、撮影方式が「臥位」である「撮影順序２」の撮影オーダ情報（撮影オーダＩＤ「００１」）と対応づけられ、ポータブル撮影により取得された画像データ（ｒａｗデータ）が、３番目に登録され、撮影方式が「ポータブル」である「撮影順序３」の撮影オーダ情報（撮影オーダＩＤ「００３」）と対応付けられることとなる。

　よって、撮影オーダ情報の登録順序と異なる順序で各撮影方式の放射線画像撮影が実行された場合であっても、コンソール７において、各撮影オーダ情報と各画像データ（ｒａｗデータ）とが、それぞれ正しく対応付けられることとなる。

　さらに、コンソール７のコンソール制御手段７１は、撮影オーダ情報と対応づけた元の画像データ（ｒａｗデータ）のそれぞれに、トリミング修正等の必要な画像処理を施して、放射線画像としての診断用の画像を生成し、記憶手段２８に保存する（図１１のステップＳ１６）。生成された画像は、表示手段７４に表示されたり、イメージャ１０によりフィルム等の画像記録媒体に記録されることとなる。

　なお、放射線画像検出器２およびコンソール７は、ステップＳ１６の処理の後に続けて放射線画像撮影が実行される場合には、図１０のステップＳ２に戻って以上の処理を繰り返し、一方、登録された撮影オーダ情報に対応する全ての放射線画像撮影が終了した場合には本処理を終了する。

　また、コンソール７のコンソール制御手段７１は、撮影方式が「立位」であると判断された間引き画像データを表示手段７４に表示させる際には、間引き画像の表示時と同様に、図１４を参照し、立位撮影が縦長撮影／横長撮影のいずれであるかに基づいて、間引き画像の表示方向を判定し、必要に応じて間引き画像を９０°回転させて表示させる。これにより、放射線画像検出器２を立位型ブッキー装置３ａに縦向きに装填した立位撮影により得られた間引き画像データは、縦方向表示（ポートレート）され、一方、放射線画像検出器２を立位型ブッキー装置３ａに横向きに装填した立位撮影により得られた間引き画像データは、横方向表示（ランドスケープ）されることとなる。

　なお、コンソール７は、診断用の画像をフィルム等の画像記憶媒体に出力する際にも同様に、立位撮影が縦長撮影／横長撮影のいずれであるかに基づいて、間引き画像の出力方向（縦（ポートレート）、横（ランドスケープ））を判定し、必要に応じて間引き画像を９０°回転させて出力することができる。

　以上のように、本発明に係る第１の実施形態の放射線画像撮影システム１によれば、可搬型放射線画像検出器２に、自らの姿勢を検出する姿勢検出センサ２９（姿勢検出手段）が備わり、１人の患者を対象とする複数の撮影方式での放射線画像撮影が連続して実行される場合に、可搬型放射線画像検出器２が各撮影方式に対応する撮影位置にセットされる度に、姿勢検出センサ２９による姿勢検出結果がコンソール７に通知される。また、コンソール７は、放射線画像検出器２から通知される姿勢検出結果に基づいて、撮影室Ｒ１における各撮影方式での放射線画像撮影の撮影順序を特定し、可搬型放射線画像検出器２から、各撮影方式での放射線画像撮影によって取得された画像データがコンソール７に送信されると、放射線画像検出器２から通知される姿勢検出結果に基づいて特定した放射線画像撮影の撮影順序にしたがって、受信した画像データを各撮影オーダ情報とを対応づける。

　したがって、複数の撮影方式での放射線画像撮影を、撮影オーダ情報が登録された順序と異なる順序で実行した場合であっても、コンソール７において、各撮影方式での放射線画像撮影により得られた画像データと撮影オーダ情報とが正確に対応付けられることとなり、操作者が、コンソール上で各画像データの画像表示を見て、画像データと撮影オーダ情報との対応づけを修正する作業を行う必要が無くなり、操作者の作業負担を軽減することができる。

　また、如何なる順序で放射線画像撮影を実行しても、各放射線画像撮影により取得された画像データと撮影オーダ情報とが正確に対応付けられることとなるため、撮影オーダ情報の登録順序に対応する順序で放射線画像撮影を実行する必要がなく、所望の順序で各撮影方式での放射線画像撮影を実行することができる。

　これにより、操作者は、一連の放射線画像撮影を開始する時点で、放射線画像検出器２が、登録順序が２番目以降の撮影オーダ情報の撮影方式に対応する撮影位置にセットされている場合であっても、放射線画像検出器２をその撮影位置にセットされた状態のまま使用して、登録順序が２番目以降の撮影オーダ情報に対応する放射線画像撮影を最初に実行することが可能となる。したがって、操作者が、放射線画像撮影に先立って、ある撮影方式に対応する撮影位置にセットされた放射線画像検出器２を別の撮影方式に対応する撮影位置にセットし直す手間を省き、操作者の作業負荷を低減するとともに、放射線画像撮影に要する時間を短縮することができる。

　また、操作者は、放射線画像撮影を行うにあたって、放射線画像撮影を実行する順序を意識する必要が無くなり、操作者にとって大変利便的なシステムとなる。

　また、放射線画像検出器２が、各撮影方式に対応する撮影位置にセットされたことが、放射線画像検出器２自身に設けられた姿勢検出センサ２９を用いて検出されることとなるため、ブッキー装置３に、放射線画像検出器２が装填されたことを検出するためのセンサや放射線画像検出器２と通信を行うための端子等を設ける必要がないこととなり、既設のブッキー装置３の改良等を行うことなく既設のブッキー装置３をそのまま用いることができる。

　なお、上記実施形態では、撮影室Ｒ１内に、可搬型放射線画像検出器２が１つのみ存在する場合について説明したが、本発明は、撮影室Ｒ１内に複数の可搬型放射線画像検出器２が存在する場合にも適用することができる。

　この場合において、例えば、可搬型放射線画像検出器２を、撮影可能状態とスリープ状態との間で切り替え可能に構成し、撮影可能状態にある可搬型放射線画像検出器２のみが、自身の姿勢を検出するように構成することが可能である。

　また、コンソール７に対して姿勢検出結果を送信した可搬型放射線画像検出器２が複数存在する場合には、コンソール７が警告を発し、操作者に、複数の可搬型放射線画像検出器２が撮影可能状態であることを知らせることが好ましい。例えば、「垂直」（立位撮影に対応）と「水平」（臥位撮影に対応）の２つの姿勢検知結果が送信されており、撮影オーダ情報が「立位」、「臥位」の順序で登録されている場合には、「水平」（臥位撮影に対応）の姿勢検知結果を送った可搬型放射線画像検出器２をスリープ状態に遷移せしめ、当該可搬型放射線画像検出器２がスリープ状態に遷移せしめられると、警告を終了し、次のステップ（立位装置を用いた撮影ステップ）に移行するように構成することができる。

　また、「垂直」（立位撮影に対応）と「水平」（臥位撮影に対応）の２つの姿勢検知結果を受信したことを表示して、放射線技師等の操作者に「垂直」と「水平」のいずれかを選択させ、例えば、放射線技師等の操作者により「垂直」（立位撮影に対応）が選択されると、他方の「水平」（臥位撮影に対応）の姿勢検出結果を送信した可搬型放射線画像検出器２をスリープ状態に遷移せしめるように構成しても良い。

　また、上記実施形態では、固定型放射線発生装置４ａおよびポータブル型放射線発生装置４ｂの２つの放射線発生装置４ｂが設けられている場合について説明したが、立位型ブッキー装置３ａおよび臥位型ブッキー装置３ｂに対応する固定型放射線発生装置４ａのみが装備されていてもよく、または、３つ以上の放射線発生装置４が備わっていても良い。

　また、上記実施形態では、姿勢検出センサとして、３軸方向の加速度を検出する３軸加速度センサを用いて説明したが、例えば、重力センサにより重力の方向を検出して放射線画像検出器２の姿勢を特定するように構成することも可能である。

　［変形例］
　次に、放射線画像撮影システムの変形例について説明する。なお、以下の説明において、前述した第１の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して重複する説明は省略するものとする。また、専ら第１の実施形態と異なる部分についてのみ説明を行い、特にことわりがない場合には第１の実施形態と同じ構成を有しているものとする。

　図１５は、変形例の放射線画像システムの全体構成を示す図であり、図１６は、変形例に係るコンソールの機能的構成を示すブロック図である。

　変形例の放射線画像撮影システム１ａは、上述の第１の実施形態の放射線画像撮影システム１の構成に加え、さらに、コンソール７ａにおいて、ある１人の患者に対する一連の放射線画像撮影の最後に実行した放射線画像撮影の撮影方式が記憶されるようになっている。そして、別の患者を対象とする次の放射線画像撮影に際して、複数の撮影オーダ情報が登録された場合に、登録された複数の撮影オーダが、前回の患者の放射線画像撮影の最後に実行された放射線画像撮影の撮影方式（以下、前回の放射線画像撮影の最後に実行された放射線画像撮影の撮影方式を「最終撮影方式」という）に基づいて並び替えられるようになっている。

　例えば、前回の放射線画像撮影において、最後に、臥位撮影が実行された場合、コンソール７ａのコンソール制御手段７１ａは、最後に実行された放射線画像撮影の撮影方式「臥位」を最終撮影方式として記憶手段７５に記憶する。

　そして、別の患者Ｂを対象とする放射線画像撮影に先立って、コンソール７ａにおいて複数の撮影オーダ情報が登録され、登録された複数の撮影オーダ情報に最終撮影方式と同じ撮影方式「臥位」の撮影オーダ情報が登録されている場合、コンソール制御手段７１ａは、最終撮影方式と同じ撮影方式の放射線画像撮影が１番目に実行される可能性が高いとして、最終撮影方式と同じ撮影方式「臥位」の撮影オーダ情報に、「撮影順序１」を対応づけて記憶する。

　図１７は、別の患者を対象とする一連の放射線画像撮影に続いて、患者Ｂを対象として登録された複数の撮影オーダ情報を記憶するテーブルの一例である。例えば、図１２の選択画面上Ｈ１で、撮影オーダＩＤ「００４」および「００５」の２つの撮影オーダ情報を選択した場合には、図１７に例示するように、選択された２つの撮影オーダ情報が、登録順序とともに記憶される。

　図１７に示すテーブルでは、撮影方式が「立位」である撮影オーダＩＤ「００４」の撮影オーダ情報が１番目に登録され、撮影方式が「臥位」である撮影オーダＩＤ「００５」の撮影オーダ情報が２番目に登録されている。

　さらに、コンソール７ａのコンソール制御手段７１ａは、別の患者を対象とする前回の放射線画像撮影における最終撮影方式「臥位」と同じ撮影方式の撮影オーダ情報を、図１７の撮影オーダ情報から検出する。そして、撮影オーダＩＤ「００５」の撮影オーダ情報が、最終撮影方式「臥位」と同じ撮影方式の撮影オーダ情報であると判断すると、図１７に示すように、撮影オーダＩＤ「００５」の撮影オーダ情報に「撮影順序１」を対応づけて記憶する。また、図１７に示すように、登録された撮影オーダ情報が２つである場合、片方の撮影オーダ情報（撮影オーダＩＤ「００５」）の撮影順序が定まると、自動的に、残る１つの撮影オーダＩＤ「００４」の撮影オーダ情報に対して「撮影順序２」が対応付けられるようになっている。

　なお、図示は省略するが、撮影オーダ情報が３つ以上登録されている場合、２番目以降の放射線画像撮影の撮影順序を推測することができないため、撮影順序１と対応づけられた撮影オーダ情報以外は、撮影順序の欄が空欄とされる。

　そして、操作者が撮影室Ｒ１において放射線画像撮影を実行すると、第１の実施形態の放射線画像撮影システム１と同様に、放射線画像検出器２が各撮影方式に対応する撮影位置にセットされる度に、姿勢検出センサ２９による３軸方向の検出信号に基づいて、放射線画像検出器２の姿勢が検出され、検出された姿勢を示す姿勢検出結果がコンソール７ａに通知されることとなる。

　すると、コンソール７ａは、放射線画像検出器２から通知される姿勢検出結果に基づいて、撮影室Ｒ１における各撮影方式での放射線画像撮影の撮影順序を特定する。そして、別の患者を対象とする前回の放射線画像撮影における最終撮影方式に基づいて予め特定した撮影順序が存在する場合には、最終撮影方式に基づいて特定した撮影順序と、放射線画像検出器２から通知される姿勢検出結果に基づいて特定した撮影順序とが一致するか否かを確認し、両者が一致しない場合には、放射線画像検出器２から通知される姿勢検出結果に基づいて特定した撮影順序を、撮影オーダ情報に対応づけて記憶する。

　そして、放射線画像検出器２から、各撮影方式での放射線画像撮影によって取得された間引き画像データおよび画像データ（ｒａｗデータ）がコンソール７ａに送信されると、コンソール制御手段７１ａは、受信した各画像データを、画像データの受信順序に対応する撮影順序の撮影オーダ情報と対応づける。

　例えば、撮影室Ｒ１において、患者Ｂを対象として、臥位撮影、立位撮影（横長撮影）の順に、放射線画像撮影が実行された場合、放射線画像検出器２からコンソール７ａに対して、放射線画像検出器２の姿勢が「水平」である旨の姿勢検出結果と、放射線画像検出器２の姿勢が「垂直（横向き）」である旨の姿勢検出結果とが、この順序で通知される。

　これを受けて、コンソール制御手段７１ａは、放射線画像検出器２の姿勢が「水平」である旨の姿勢検出結果に基づいて、１番目に実行される放射線画像撮影の撮影方式を「臥位」と判別し、撮影方式が「臥位」である撮影オーダ情報が「撮影順序１」と対応づけられているか否かを確認する。また、放射線画像検出器２の姿勢が「垂直（横向き）」である旨の姿勢検出結果に基づいて、２番目に実行される放射線画像撮影の撮影方式を「立位（横長撮影）」と判別し、撮影方式が「立位」である撮影オーダ情報が「撮影順序２」と対応づけられているか否かを確認するとともに、横長撮影である旨を記憶する。

　その後、放射線画像検出器２からコンソール７ａに対して、臥位撮影により得られた間引き画像データおよび画像データ（ｒａｗデータ）と、立位撮影（横長撮影）により得られた間引き画像データおよび画像データ（ｒａｗデータ）とが、撮影順に送信されると、コンソール制御手段７１ａは、放射線画像検出器２から受信した画像データ（間引き画像データ、ｒａｗデータ）を、画像データの受信順序に対応する撮影順序の撮影オーダ情報と対応づける。

　すなわち、コンソール制御手段７１ａは、１番目に受信した臥位撮影により得られた画像データを、撮影方式が「臥位」である「撮影順序１」の撮影オーダ情報（撮影オーダＩＤ「００５」）と対応づけ、２番目に受信した立位撮影（横長撮影）により得られた画像データを、撮影方式が「立位」である「撮影順序２」の撮影オーダ情報（撮影オーダＩＤ「００４」）と対応づける。

　このように、変形例の放射線画像撮影システム１ａでは、前回の放射線画像撮影の最後に実行された放射線画像撮影の撮影方式に基づいて、各撮影方式での放射線画像撮影の撮影順序を特定することで、撮影オーダ情報の登録順序と異なる順序で各撮影方式の放射線画像撮影が実行された場合であっても、コンソール７ａにおいて、各画像データと各撮影オーダ情報とが、それぞれ正しく対応付けられることとなる。

　さらに、放射線画像検出器２から送信された姿勢検出結果に基づいて、各撮影方式での放射線画像撮影の撮影順序を特定することで、実際の放射線画像撮影が、前回の放射線画像撮影の最後に実行された放射線画像撮影の撮影方式に基づいて特定した撮影順序で行われたか否かを確認することができ、撮影オーダ情報と画像データとの対応づけを、より正確に行うことができる。

　なお、上記では、放射線画像検出器２から送信された姿勢検出結果に基づいて、実際の放射線画像撮影が、前回の放射線画像撮影における最終撮影方式に基づいて特定した撮影順序で実行されたか否かの確認を行う場合について説明したが、放射線画像検出器２から送信された姿勢検出結果に基づく撮影順序の確認処理を行わないこととしても良い。

　また、前回の放射線画像撮影において最後に取得した画像データが対応づけられた撮影オーダ情報の撮影方式情報に基づいて、次の患者を対象として最初に実行される可能性が高い撮影方式を特定するように構成することも可能である。

　［第２の実施形態］
　上記の第１の実施形態では、放射線画像検出器２に、放射線画像検出器２自身の姿勢を検出する姿勢検出センサ２９が備わり、コンソール７において、姿勢検出センサ２９により検出した姿勢に基づいて各撮影方式での放射線画像撮影の撮影順序を特定する場合について説明した。しかし、放射線画像検出器２に姿勢検出センサ２９を設ける代わりに、放射線画像検出器２を装填するためのブッキー装置３に放射線画像検出器２が装填されたことを検知するための手段を設け、放射線画像撮影に用いられたブッキー装置３を特定することで、各撮影方式での放射線画像撮影の撮影順序を特定することも可能である。以下、本発明の第２の実施形態では、この場合について説明する。

　なお、以下の説明において、前述した第１の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して重複する説明は省略するものとする。また、この第２の実施形態では、専ら第１の実施形態と異なる部分についてのみ説明を行い、特にことわりがない場合には第１の実施形態と同じ構成を有しているものとする。

　図１８は、第２の実施形態に係る放射線画像システムの全体構成を示す図であり、図１９は、第２の実施形態に係るコンソールの機能的構成を示すブロック図である。

　第２の実施形態の放射線画像撮影システム１ｂでは、第１の実施形態と同様に、撮影室Ｒ１内に、ブッキー装置３Ａとして、立位撮影用の立位型ブッキー装置３ａ１と、臥位撮影用の臥位型ブッキー装置３ｂ１とが設けられている。また、これらのブッキー装置３ａ１、３ｂ１には、放射線画像検出器２を所定の位置に保持するためのカセッテ保持部３１が設けられており、カセッテ保持部３１に放射線画像検出器２を装填して、放射線画像撮影を行うことができるようになっている。

　立位型ブッキー装置３ａ１および臥位型ブッキー装置３ｂ１のカセッテ保持部３１の内側には、図２０に示すように、放射線画像検出器２が装填されたことを検知する装填検出手段としての装填検出スイッチ３２が形成されている。装填検出スイッチ３２は、放射線画像検出器２がカセッテ保持部３１に正常に装填された場合に、放射線画像検出器２によって押下され、放射線画像検出器２が装填されたことを物理的に検出する。

　そして、ブッキー装置３Ａは、装填検出スイッチ３２からの信号に基づいて、カセッテ保持部３１に放射線画像検出器２が装填されたことを検知すると、無線アクセスポイント５を介して、放射線画像検出器２が装填されたことを示す装填検出結果をコンソール７に対して通知する。また、このとき、立位型ブッキー装置３ａ１と臥位型ブッキー装置３ｂ１とは、装填検出結果に自身に割り当てられたＩＤ情報等を付帯して送信する。

　また、撮影室Ｒ１には、放射線発生装置４として、立位撮影用の立位型ブッキー装置３ａ１および臥位撮影用の臥位型ブッキー装置３ｂ１に兼用される固定型放射線発生装置が設けられている。

　コンソール７ｂは、図１９に示すように、コンソール制御手段７１ｂ、無線通信手段７２、入力手段７３、表示手段７４および記憶手段７５を備えている。

　コンソール制御手段７１ｂは、例えば、汎用のＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ等（いずれも図示せず）から構成されており、ＲＯＭに格納されている所定のプログラムを読み出してＲＡＭの作業領域に展開し、当該プログラムに従ってＣＰＵが各種処理を実行することで、コンソール７ｂの各部の動作等を制御する。

　コンソール７ｂには、図１８に示すように、放射線発生装置４やタグリーダ６等がそれぞれケーブル等を介して接続されるとともに、無線通信手段７２や無線アクセスポイント５等を介して、撮影室Ｒ内に存在する放射線画像検出器２との間で無線通信ができるようになっている。

　また、コンソール７ｂには、立位型ブッキー装置３ａ１および臥位型ブッキー装置３ｂ１がケーブル等を介して接続されており、立位型ブッキー装置３ａ１および臥位型ブッキー装置３ｂ１から送信される上述の装填検出結果の受信等を行う。なお、立位型ブッキー装置３ａ１および臥位型ブッキー装置３ｂ１とコンソール７ｂとの間の通信は、無線通信としても良い。

　ここで、１つの撮影室Ｒ１において、１人の患者を対象として、立位撮影および臥位撮影が連続して実行される場合には、放射線画像検出器２が立位型ブッキー装置３ａ１または臥位型ブッキー装置３ｂ１に装填される度に、放射線画像検出器２の装填を検出したブッキー装置３Ａからコンソール７に対して、放射線画像検出器２が装填されたことを示す装填検出結果が通知されることとなる。

　すると、コンソール７ｂのコンソール制御手段７１ｂは、撮影室Ｒ１内のブッキー装置３Ａから受信した装填検出結果に付帯されているＩＤ情報等に基づいて、放射線画像検出器２が装填されたブッキー装置が立位型ブッキー装置３ａ１または臥位型ブッキー装置３ｂ１のいずれであるかを判別することで撮影方式を特定するとともに、姿勢検出結果の受信順序に基づいて、立位撮影と臥位撮影とが実行された順序（撮影順序）を特定する。そして、特定した撮影順序に基づいて、放射線画像検出器２から送信される間引き画像データや画像データ（ｒａｗデータ）と、撮影オーダ情報との対応付けを行うようになっている。

　例えば、放射線画像撮影に先立って、図１２の選択画面上Ｈ１で、患者Ｃを対象とする撮影オーダＩＤ「００６」および「００７」の２つの撮影オーダ情報を選択した場合には、選択された２つの撮影オーダ情報が、登録順序とともに記憶される。ここでは、例えば、撮影方式が「臥位」である撮影オーダＩＤ「００６」の撮影オーダ情報が１番目に登録され、撮影方式が「立位」である撮影オーダＩＤ「００７」の撮影オーダ情報が２番目に登録されたものとする。

　そして、撮影室Ｒ１において、患者Ｃを対象として、例えば立位撮影、臥位撮影の順に、放射線画像撮影を実行する場合、操作者は、最初に、放射線画像検出器２を立位型ブッキー装置３ａ１に装填する。すると、立位型ブッキー装置３ａ１からコンソール７ｂに対して、放射線画像検出器２が装填された旨を示す装填検出結果が通知される。また、立位撮影が終了すると、操作者は、立位型ブッキー装置３ａ１から放射線画像検出器２を取り出し、放射線画像検出器２を臥位型ブッキー装置３ｂ１に装填する。すると、臥位型ブッキー装置３ｂ１からコンソール７ｂに対して、放射線画像検出器２が装填された旨を示す装填検出結果が通知される。

　これを受けて、コンソール制御手段７１ｂは、立位型ブッキー装置３ａ１から受信した装填検出結果、及びＩＤ情報に基づいて、撮影に用いられるブッキ装置が立位型の立位型ブッキー装置３ａ１であることを認識する。これにより１番目に実行される放射線画像撮影の撮影方式を「立位」と判別し、撮影方式が「立位」である撮影オーダ情報（撮影オーダＩＤ「００７」）を「撮影順序１」と対応づける。また、臥位型ブッキー装置３ｂ１から受信した装填検出結果、及びＩＤ情報に基づいて、撮影に用いられるブッキ装置が臥位型の臥位型ブッキー装置３ｂ１であることを認識する。これにより２番目に実行される放射線画像撮影の撮影方式を「臥位」と判別し、撮影方式が「臥位」である撮影オーダ情報（撮影オーダＩＤ「００６」）を「撮影順序２」と対応づける。

　その後、放射線画像検出器２からコンソール７ｂに対して、立位撮影により得られた間引き画像データおよび画像データ（ｒａｗデータ）と、臥位撮影により得られた間引き画像データおよび画像データ（ｒａｗデータ）とが、撮影順に送信されると、コンソール制御手段７１ｂは、放射線画像検出器２から受信した画像データ（間引き画像データ、ｒａｗデータ）を、画像データの受信順序に対応する撮影順序の撮影オーダ情報と対応づける。

　すなわち、コンソール制御手段７１ｂは、１番目に受信した立位撮影により得られた画像データを、２番目に登録され、撮影方式が「立位」である「撮影順序１」の撮影オーダ情報（撮影オーダＩＤ「００７」）と対応づける。また、２番目に受信した臥位撮影により得られた画像データを、１番目に登録され、撮影方式が「臥位」である「撮影順序２」の撮影オーダ情報（撮影オーダＩＤ「００６」）と対応づける。

　このように、第２の実施形態に係る放射線画像撮影システム１ｂでは、ブッキー装置３Ａ（立位型ブッキー装置３ａ１および臥位型ブッキー装置３ｂ１）に、可搬型放射線画像検出器２の装填を検出する装填検出スイッチ３２（装填検出手段）が設けられ、１人の患者を対象とする複数の撮影方式での放射線画像撮影が連続して実行される場合に、可搬型放射線画像検出器２が各撮影方式に対応するブッキー装置３Ａに装填される度に、装填検出スイッチ３２による装填検出結果がコンソール７ｂに通知される。また、コンソール７ｂは、ブッキー装置３Ａから通知される装填検出結果に基づいて、撮影室Ｒ１における各撮影方式での放射線画像撮影の撮影順序を特定し、可搬型放射線画像検出器２から、各撮影方式での放射線画像撮影によって取得された画像データがコンソール７ｂに送信されると、放射線画像検出器２から通知される装填検出結果に基づいて特定した放射線画像撮影の撮影順序にしたがって、受信した画像データを各撮影オーダ情報とを対応づける。

　したがって、複数の撮影方式での放射線画像撮影を、撮影オーダ情報が登録された順序と異なる順序で実行した場合であっても、コンソール７ｂにおいて、各放射線画像撮影により取得された画像データと撮影オーダ情報とが正確に対応付けられることとなり、操作者が、コンソール上で各画像データの画像表示を見て、画像データと撮影オーダ情報との対応づけを修正する作業を行う必要が無くなり、操作者の作業負担を軽減することができる。

　なお、上記第２の実施形態では、放射線画像検出器２がブッキー装置３Ａに装填されたことの検出を、ブッキー装置３Ａのカセッテ保持部３１に形成された装填検出スイッチ３２を用いて行う場合について説明した。しかしながら、放射線画像検出器２がブッキー装置３Ａに装填されたことを検出するための手段はこれに限られず、例えば、放射線画像検出器２のコネクタとブッキー装置３Ａのコネクタとが結合されたことの検出や、ブッキー装置３Ａによる可搬型放射線画像検出器２の表面に付されたＲＦＩＤタグやバーコードラベルの検出、ブッキー装置３Ａに設けられたスイッチを操作者が操作すること等に基づいて行うことも可能である。

　［第３の実施形態］
　上記第１の実施形態および第２の実施形態では、コンソール７、７ａにおいて、放射線画像検出器２の姿勢や、ブッキー装置３Ａへの放射線画像検出器２の装填の有無を検出することで、各撮影方式での放射線画像撮影の撮影順序を特定する場合について説明した。しかし、放射線画像撮影時における放射線発生装置１０２の位置に基づいて、各撮影方式での放射線画像撮影の撮影順序を特定することも可能である。以下、本発明の第３の実施形態では、この場合について説明する。

　なお、以下の説明において、前述した第１の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して重複する説明は省略するものとする。また、この第３の実施形態では、専ら第１の実施形態と異なる部分についてのみ説明を行い、特にことわりがない場合には第１の実施形態と同じ構成を有しているものとする。

　図２１は、第３の実施形態に係る放射線画像システムの全体構成を示す図であり、図２２は、第３の実施形態に係るコンソールの機能的構成を示すブロック図である。

　第３の実施形態の放射線画像撮影システム１ｃでは、第１の実施形態と同様に、撮影室Ｒ１内に、ブッキー装置３として、立位撮影用の立位型ブッキー装置３ａと、臥位撮影用の臥位型ブッキー装置３ｂとが設けられている。また、これらのブッキー装置３ａ、３ｂには、放射線画像検出器２を所定の位置に保持するためのカセッテ保持部３１が設けられており、カセッテ保持部３１に放射線画像検出器２を装填して、放射線画像撮影を行うことができるようになっている。

　また、撮影室Ｒ１には、被写体に放射線を照射する放射線源を備える放射線発生装置４が少なくとも１つ設けられている。本実施形態では、放射線発生装置４として、立位撮影用の立位型ブッキー装置３ａおよび臥位撮影用の臥位型ブッキー装置３ｂに兼用される固定型放射線発生装置が配設されている。

　なお、立位型ブッキー装置３ａに対応づけられた立位撮影専用の放射線発生装置４と、臥位型ブッキー装置３ｂに対応付けられた臥位撮影専用の放射線発生装置４とを別個に設ける構成としても良い。また、ポータブル撮影に用いられるポータブル型放射線発生装置を設けることとしても良い。

　放射線発生装置４は、操作卓４１ａに接続されたＸ線管球等の放射線源を備えており、放射線源は高圧電圧が印加されると電圧に応じた線量の放射線を照射するようになっている。また、放射線源には、開閉自在とされた図示しない絞りが設けられている。

　また、本実施形態では、立位型ブッキー装置３ａおよび臥位型ブッキー装置３ｂに兼用される放射線発生装置４の放射線源は、例えば撮影室Ｒ１の天井からつり下げられて配設されており、撮影時には後述する操作卓４１ａからの指示に基づいて起動され、図示しない移動手段により、各撮影に応じた所定の位置（ブッキー装置３に装填された放射線画像検出器２に対峙する位置）にまで移動され、放射線の照射方向が所定の方向を向くようにその向きが調整されるように構成されている。

　操作卓４１ａは、汎用のＣＰＵ（Central Processing Unit）を備えるコンピュータや専用のプロセッサを備えるコンピュータ等で構成され、放射線発生装置４とケーブル等により接続されるとともに、ケーブル等を介してコンソール７に接続されている。そして、操作卓４１ａは、コンソール７ｃから撮影部位情報や放射線発生装置４の照射条件等を取得するとともに、操作者の指示に基づいて、放射線発生装置４の位置の調整や、放射線発生装置４における放射線照射線量の調整、放射線発生装置の絞りの調整等を行い、位置制御手段としての機能を果たす。さらに、操作卓４１ａは、放射線画像撮影に際して、操作者に指示に基づいて放射線発生装置４の位置の調整を行う度に、放射線発生装置４の調整後の位置を示す位置情報をコンソール７ｃに通知する。

　なお、本実施形態において、放射線発生装置４の位置とは、放射線発生装置４に備わる放射線源の位置のことであり、位置の制御には、放射線源の位置のみならず向き（照射方向）の調整も含まれる。

　コンソール７ｃは、図２２に示すように、コンソール制御手段７１ｃ、無線通信手段７２、入力手段７３、表示手段７４および記憶手段７５を備えている。

　コンソール制御手段７１ｃは、例えば、汎用のＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ等（いずれも図示せず）から構成されており、ＲＯＭに格納されている所定のプログラムを読み出してＲＡＭの作業領域に展開し、当該プログラムに従ってＣＰＵが各種処理を実行することで、コンソール７ｃの各部の動作等を制御する。

　コンソール７ｃには、図２１に示すように、放射線発生装置４やタグリーダ６等がそれぞれケーブル等を介して接続されるとともに、無線通信手段７２や無線アクセスポイント５等を介して、撮影室Ｒ内に存在する放射線画像検出器２との間で無線通信ができるように構成されている。

　ここで、１つの撮影室Ｒ１において、１人の患者を対象として、立位型ブッキー装置３ａを用いた立位撮影と、臥位型ブッキー装置３ｂを用いた臥位撮影とが連続して実行される場合、操作者は、操作卓４１ａ上で操作を行って、放射線発生装置４を起動するとともに、立位型ブッキー装置３ａまたは臥位型ブッキー装置３ｂに装填された放射線画像検出器２に適切に放射線が照射されるように、撮影方式に応じて放射線発生装置４の位置を調整する。したがって、撮影方式に応じて放射線発生装置４の位置が調整される度に、放射線発生装置４の位置の制御を行った操作卓４１ａからコンソール７ｃに対して、放射線発生装置４の位置を示す位置情報が通知されることとなる。

　すると、コンソール７ｃのコンソール制御手段７１ｃは、操作卓４１ａから受信した位置情報に基づいて、放射線発生装置４の位置が、立位型ブッキー装置３ａまたは臥位型ブッキー装置３ｂのいずれに対応する位置にあるかを判別することで撮影方式を特定するとともに、位置情報の受信順序に基づいて、立位撮影と臥位撮影とが実行された順序（撮影順序）を特定する。そして、特定した撮影順序に基づいて、放射線画像検出器２から送信される間引き画像データや画像データ（ｒａｗデータ）と、撮影オーダ情報との対応付けを行うようになっている。

　例えば、放射線画像撮影に先立って、図１２の選択画面上Ｈ１で、患者Ｄを対象とする撮影オーダＩＤ「００８」および「００９」の２つの撮影オーダ情報を選択した場合には、選択された２つの撮影オーダ情報が、登録順序とともに記憶される。ここでは、例えば、撮影方式が「立位」である撮影オーダＩＤ「００８」の撮影オーダ情報が１番目に登録され、撮影方式が「臥位」である撮影オーダＩＤ「００９」の撮影オーダ情報が２番目に登録されたものとする。

　そして、撮影室Ｒ１において、患者Ｄを対象として、例えば臥位撮影、立位撮影の順に、放射線画像撮影を実行する場合、操作者は、最初に、放射線画像検出器２を臥位型ブッキー装置３ｂに装填し、その後、前室Ｒ２において、操作卓４１ａを操作して、放射線発生装置４を起動するとともに、図示しない移動手段により、放射線発生装置４を臥位撮影に応じた位置（臥位型ブッキー装置３ｂに装填された放射線画像検出器２に対峙する位置）まで移動させて、臥位型ブッキー装置３ｂに装填された放射線画像検出器２に放射線が照射されるように向きを調整する。すると、放射線発生装置４の位置の調整を行った操作卓４１ａからコンソール７ｃに対して、放射線発生装置４の位置を示す位置情報が通知される。また、臥位撮影が終了すると、操作者は、放射線画像検出器２を立位型ブッキー装置３ａに装填し、その後、前室Ｒ２において、操作卓４１ａを操作して、放射線発生装置４を起動するとともに、図示しない移動手段により、放射線発生装置４を立位撮影に応じた位置（立位型ブッキー装置３ａに装填された放射線画像検出器２に対峙する位置）まで移動させて、立位型ブッキー装置３ａに装填された放射線画像検出器２に放射線が照射されるように向きを調整する。すると、放射線発生装置４の位置の調整を行った操作卓４１ａからコンソール７ｃに対して、放射線発生装置４の位置を示す位置情報が通知される。

　これを受けて、コンソール制御手段７１ｃは、操作卓４１ａから受信した位置情報に基づいて、１番目に実行される放射線画像撮影の撮影方式を「臥位」と判別し、撮影方式が「臥位」である撮影オーダ情報（撮影オーダＩＤ「００９」）を「撮影順序１」と対応づけるとともに、２番目に実行される放射線画像撮影の撮影方式を「立位」と判別し、撮影方式が「立位」である撮影オーダ情報（撮影オーダＩＤ「００８」）を「撮影順序２」と対応づける。

　その後、放射線画像検出器２からコンソール７ｂに対して、臥位撮影により得られた間引き画像データおよび画像データ（ｒａｗデータ）と、立位撮影により得られた間引き画像データおよび画像データ（ｒａｗデータ）とが、撮影順に送信されると、コンソール制御手段７１ｃは、放射線画像検出器２から受信した画像データ（間引き画像データ、ｒａｗデータ）を、画像データの受信順序に対応する撮影順序の撮影オーダ情報と対応づける。

　すなわち、コンソール制御手段７１ｃは、１番目に受信した立位撮影により得られた画像データを、２番目に登録され撮影方式が「臥位」である「撮影順序１」の撮影オーダ情報（撮影オーダＩＤ「００９」）と対応づける。また、２番目に受信した立位撮影により得られた画像データを、１番目に登録され撮影方式が「立位」である「撮影順序２」の撮影オーダ情報（撮影オーダＩＤ「００８」）と対応づける。

　このように、第３の実施形態に係る放射線画像撮影システム１ｃでは、放射線発生装置４の位置の制御を行う操作卓４１ａ（位置制御手段）が設けられ、１人の患者を対象とする複数の撮影方式での放射線画像撮影が連続して実行される場合において、放射線発生装置４の位置が制御される度に、操作卓４１ａから放射線発生装置４の位置を示す位置情報がコンソール７に通知される。また、コンソール７ｃは、操作卓４１ａから通知される放射線発生装置４の位置情報に基づいて、撮影室Ｒ１における各撮影方式での放射線画像撮影の撮影順序を特定し、可搬型放射線画像検出器２から、各撮影方式での放射線画像撮影によって取得された画像データがコンソール７ｃに送信されると、放射線画像検出器２から通知される装填検出結果に基づいて特定した放射線画像撮影の撮影順序にしたがって、受信した画像データを各撮影オーダ情報とを対応づける。

　したがって、複数の撮影方式での放射線画像撮影を、撮影オーダ情報が登録された順序と異なる順序で実行した場合であっても、コンソール７ｃにおいて、各放射線画像撮影により取得された画像データと撮影オーダ情報とが正確に対応付けられることとなり、操作者が、コンソール上で各画像データの画像表示を見て、画像データと撮影オーダ情報との対応づけを修正する作業を行う必要が無くなり、操作者の作業負担を軽減することができる。

　なお、上記第３の実施形態では、放射線発生装置４およびコンソール７ｃに接続された操作卓４１ａが、位置制御手段として放射線発生装置４の位置の制御を行う場合について説明したが、コンソール７ｃが、位置制御手段として、直接、放射線発生装置４の位置等の制御を行うように構成しても良い。

　また、上記第３の実施形態では、撮影室Ｒ１内に、放射線発生装置４が１つのみ設けられた場合について説明したが、複数の放射線発生装置４を設けることとしても良い。この場合には、起動状態にある放射線発生装置４や、最後に位置の制御が行われた放射線発生装置４の位置情報をコンソール７ｃに通知するように構成することができる。

　また、上記の各実施形態では、撮影室Ｒ１に隣接する前室Ｒ２にコンソールを設ける場合について説明したが、コンソールを別の場所に配置するように構成することも可能である。さらに、上記の各実施形態では、コンソールが、予め撮影室Ｒ１と１対１で対応づけられている場合について説明したが、複数の撮影室Ｒ１と単数または複数のコンソールとをネットワーク等で結び、例えばコンソール側の操作により、操作者が未使用の撮影室Ｒ１を指定することで、指定した撮影室Ｒ１とコンソールとが１対１に対応付けられるように構成することも可能である。

　また、上記の各実施形態では、可搬型放射線画像検出器に備わる姿勢検出手段やブッキー装置に備わる装填検出手段、放射線発生装置の位置情報等に基づいて特定した各撮影方式での放射線画像撮影の撮影順序を、登録された撮影オーダ情報と対応づけて記憶する場合について説明したが、例えば、特定した撮影順序にしたがって、登録された撮影オーダ情報の並び替えを行い、可搬型放射線画像検出器から受信した画像データを、順に、並び替え後の撮影オーダ情報と対応づけるように構成しても良い。

　また、上記実施形態では、放射線画像検出器の撮影方式として、「立位撮影（縦長撮影）」、「立位撮影（横長撮影）」、臥位撮影、ポータブル撮影を例示したが、本発明における撮影方式の種類や数はこれに限られず、少なくとも２つの撮影方式により放射線画像撮影が実行されるシステムに適用することができる。

　また、上記実施形態では、操作者が、コンソールにおいて、間引き画像データの元の画像データ（ｒａｗデータ）の送信を要求した場合に、放射線画像検出器２からコンソールに対して元の画像データ（ｒａｗデータ）を送信する場合について説明したが、放射線画像撮影装置に画像データの送信を指示するための画像送信スイッチを設け、操作者により画像送信スイッチが操作された場合に、コンソールに対して画像データを送信するように構成されていても良い。

　また、その他、本発明が上記の実施形態に限定されず、適宜変更可能であることはいうまでもない。

　１　放射線画像撮影システム
　２　放射線画像検出器（可搬型放射線画像検出器）
　２２　バッテリ（電源供給手段）
　２４　アンテナ装置（通信手段）
　２８　記憶手段
　２９　姿勢検出センサ（姿勢検出手段）
　２７　制御手段（通知手段、送信手段）
　７　コンソール
　７３　入力手段（登録手段）
　１ａ　放射線画像撮影システム
　７ａ　コンソール
　１ｂ　放射線画像撮影システム
　３Ａ　ブッキー装置
　３２　装填検出スイッチ（装填検出手段）
　３ａ１　立位型ブッキー装置
　３ｂ１　臥位型ブッキー装置
　７ｂ　コンソール
　１ｃ　放射線画像撮影システム
　４　放射線発生装置
　４１ａ　操作卓（位置制御手段）
　７ｃ　コンソール
　３　ブッキー装置
　３ａ　立位型ブッキー装置
　３ｂ　臥位型ブッキー装置

Claims

　電源供給手段を有するとともに、通信手段を備える可搬型放射線画像検出器と、
　前記可搬型放射線画像検出器との間で通信可能なコンソールと、
　を備え、
　前記可搬型放射線画像検出器は、
　前記可搬型放射線画像検出器の姿勢を検出する姿勢検出手段と、
　前記姿勢検出手段による姿勢検出結果を前記コンソールに通知する通知手段と、
　放射線画像撮影により取得した画像データを記憶する記憶手段と、
　放射線画像撮影により取得した前記画像データを、前記コンソールに送信する送信手段と、
　を備え、
　前記コンソールは、
　一の被写体に対し、放射線画像撮影の撮影方式を示す撮影方式情報を含む複数の撮影オーダ情報を登録する登録手段を備え、
　前記通知手段により通知された前記姿勢検出結果と、前記登録手段により登録された前記撮影オーダ情報に含まれる撮影方式情報と、に基づいて、前記送信手段により送信された前記画像データと、前記登録手段により登録された前記撮影オーダ情報とを対応づけることを特徴とする放射線画像撮影システム。
　前記撮影方式情報は、立位撮影、臥位撮影またはポータブル撮影の何れかの撮影方式に関する撮影方式情報であることを特徴とする請求項１に記載の放射線画像撮影システム。
　前記可搬型放射線画像検出器は、
　前記姿勢検出手段による前記姿勢検出結果を、前記放射線画像撮影により取得した前記画像データの送信前に、前記コンソールに送信することを特徴とする請求項１または請求項２に記載の放射線画像撮影システム。
　電源供給手段を有するとともに、通信手段を備える可搬型放射線画像検出器と、
　前記可搬型放射線画像検出器を装填可能な少なくとも一つのブッキー装置と、
　前記ブッキー装置および前記可搬型放射線画像検出器と通信可能なコンソールと、
　を備え、
　前記ブッキー装置は、
　前記可搬型放射線画像検出器の装填の有無を検知する装填検出手段と、
　前記装填検出手段による装填検出結果を、前記コンソールに通知する通知手段と、
　を備え、
　前記可搬型放射線画像検出器は、
　放射線画像撮影により取得した画像データを記憶する記憶手段と、
　放射線画像撮影により取得した前記画像データを、前記コンソールに送信する送信手段を備え、
　前記コンソールは、
　一の被写体に対し、放射線画像撮影の撮影方式を示す撮影方式情報を含む複数の撮影オーダ情報を登録する登録手段を備え、
　前記ブッキー装置から通知された前記装填検出結果と、前記登録手段により登録された前記撮影オーダ情報に含まれる撮影方式情報と、に基づいて、前記送信手段により送信された前記画像データと、前記登録手段により登録された前記撮影オーダ情報とを対応づけることを特徴とする放射線画像撮影システム。
　前記ブッキー装置には、立位型ブッキー装置と臥位型ブッキー装置とが含まれることを特徴とする請求項４に記載の放射線画像撮影システム。
　前記可搬型放射線画像検出器は、
　前記装填検出手段による前記装填検出結果を、前記放射線画像撮影により取得した前記画像データの送信前に、前記コンソールに送信することを特徴とする請求項４または請求項５に記載の放射線画像撮影システム。
　放射線を照射する放射線発生装置と、
　電源供給手段を有するとともに、通信手段を備える可搬型放射線画像検出器と、
　前記放射線発生装置および前記可搬型放射線画像検出器と通信可能なコンソールと、
　前記放射線発生装置の位置を制御する位置制御手段と、
　を備え、
　前記可搬型放射線画像検出器は、
　放射線画像撮影により取得した画像データを記憶する記憶手段と、
　放射線画像撮影により取得した前記画像データを、前記コンソールに送信する送信手段を備え、
　前記コンソールは、
　一の被写体に対し、放射線画像撮影の撮影方式を示す撮影方式情報を含む複数の撮影オーダ情報を登録する登録手段を備え、
　前記位置制御手段の制御による前記放射線発生装置の位置と、前記登録手段により登録された前記撮影オーダ情報に含まれる撮影方式情報と、に基づいて、前記送信手段により送信された前記画像データと、前記登録手段により登録された前記撮影オーダ情報とを対応づけることを特徴とする放射線画像撮影システム。
　前記位置制御手段は、
　前記放射線発生装置を、少なくとも立位型ブッキー装置に対応する位置と臥位型ブッキー装置に対応する位置とに調整可能であることを特徴とする請求項７に記載の放射線画像撮影システム。
　前記可搬型放射線画像検出器は、
　前記放射線画像撮影により取得した前記画像データに基づいて間引き画像データを生成し、生成した当該間引き画像データを、前記画像データに優先して前記コンソールに送信することを特徴とする請求項１から請求項８の何れか一項に記載の放射線画像撮影システム。
　前記可搬型放射線画像検出器は、
　前記電源供給手段として、バッテリを内蔵することを特徴とする請求項１から請求項９の何れか一項に記載の放射線画像撮影システム。