明 細 書
無線通信装置
技術分野
[0001] 本発明は無線通信装置に関し、特に、移動体通信に使用される無線通信装置に 関する。
背景技術
[0002] OFDM (Orthogonal Frequency Division Multiplexing)をベースとした通信方式を 使用する無線通信装置では、周波数、時間(タイムスロット)のリソースを、送信データ の最小単位で適宜に変更する方式を採って 、る。
[0003] この場合、受信側の装置にお!、て、伝送用の制御チャネルは、詳細なチャネルデ コーディング (物理チャネル力 のデータ抜き取り位置の決定→デインタリーブ、レー トデマッチング等の復号化処理→誤り訂正処理→CRC(Cyclic Redundancy Check)) の前に処理する必要があるため、使用する周波数帯域幅や、使用するタイムスロット 数等の無線リソースに関わらず、同一の無線フォーマットになっていないと、複数の チャネルデコーディングが必要になるなど、処理が複雑になるという問題がある。 また、一方で、使用する周波数帯域幅や、使用するタイムスロット数等の無線リソー スに関わらず、完全に同一の伝送用制御データを同一の無線送信ビットで送信する と、周波数帯域が広くなり、タイムスロットが拡大したにも拘わらず伝送特性が向上し ないという問題がある。
[0004] なお、第 3世代移動体通信システムの標準化プロジェクトである 3GPP (3rd General ion Partnership Project)においては、上り通信(移動機から基地局への通信)におい て、受信側の装置で通信に必要となる伝送用の制御チャネルにつ 、て検討されてお り、その内容は、非特許文献 1に報告されている。
[0005] また、送信側の装置がある程度以上の期間送信を行わないと、受信側の装置にお V、ては既知系列情報が失われ、送信側の装置からのデータを正確に受信できな 、と いう問題もある。
[0006] 非特許文献 1: 3GPP TS25.814 VI.0.3(2006— 2), Physical Layer Aspects for Evolved
UTRA,pp.45-51.
発明の開示
[0007] 本発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、使用する周波数 帯域幅や、使用するタイムスロット数等の無線リソースを、送信データの最小単位で 適宜に変更する無線通信方式を使用する無線通信装置において、受信側の無線通 信装置において簡易に復調ができると共に、伝送特性を改善した無線通信装置を提 供することを第 1の目的とする。
[0008] また、送信側の無線通信装置がある程度以上の期間送信を行わない状態力 通信 を再開した場合でも、受信側の無線通信装置で、スムーズな受信が可能となる無線 通信装置を提供することを第 2の目的とする。
[0009] 本発明に係る無線通信装置の第 1の態様は、送信データおよび伝送用制御データ をリソースブロック単位で授受する無線通信装置であって、前記伝送用制御データ は、前記リソースブロックごとに送信するリソースブロックの個数に合わせて与えられ、 伝送するリソースに依存するリソース依存データと、該リソース依存データ以外のリソ ース非依存データとを含み、前記伝送用制御データを受け、前記リソース依存デー タと前記リソース非依存データとに分離する伝送用制御データ分離部と、前記リソー ス非依存データを受け、前記リソース非依存データを前記リソースブロックの個数に 合わせて複製する機能を少なくとも有した伝送用制御データ複製部と、前記リソース 依存データおよび複製を含む前記リソース非依存データを受け、前記リソースブロッ クに、前記リソース非依存データおよび前記リソース依存データが含まれるようにマツ ビングする、伝送用制御データマッピング部とを備えて 、る。
[0010] 本発明に係る無線通信装置の第 2の態様は、送信データおよび伝送用制御データ をリソースブロック単位で授受する無線通信装置であって、前記伝送用制御データ は、前記リソースブロックごとに送信するリソースブロックの個数に合わせて与えられ、 伝送するリソースに依存するリソース依存データと、該リソース依存データ以外のリソ ース非依存データとを含み、前記伝送用制御データを受け、前記リソース依存デー タとリソース非依存データとに分離する伝送用制御データ分離部と、分離された前記 リソース依存データおよび前記リソース非依存データを受けて、前記リソース依存デ
ータおよび前記リソース非依存データに誤り訂正符号ィヒ処理を施し、誤り訂正符号 化済みリソース依存データおよび誤り訂正符号化済みリソース非依存データを生成 する誤り訂正部と、前記誤り訂正符号化済みリソース依存データおよび前記誤り訂正 符号ィ匕済みリソース非依存データを受け、誤り訂正符号ィ匕済みリソース非依存デー タのうち、前記リソースブロックで送信可能なデータ量を超える過剰ビットに対してパ ンクチャ処理を施して、パンクチヤ済みリソース非依存データを生成するパンクチヤ部 と、前記誤り訂正符号化済みリソース依存データおよび前記パンクチヤ済みリソース 非依存データを受け、前記リソースブロックに、前記誤り訂正符号化済みリソース依 存データおよび前記パンクチヤ済みリソース非依存データが含まれるようにマツピン グする、伝送用制御データマッピング部とを備えて 、る。
[0011] 本発明に係る無線通信装置の第 3の態様は、送信データおよび伝送用制御データ をリソースブロック単位で授受する無線通信装置であって、前記送信データの送信間 隔を測定する送信時間間隔測定部と、前記送信データを規定の無線フォーマットに マッピングする、送信データマッピング部と、を備え、前記送信データマッピング部は 、前記送信間隔の測定結果に基づいて、前記送信データおよび前記伝送用制御デ 一タとは別個に、受信側の無線通信装置にとって既知のデータで構成される既知系 列の要否を決定する機能を有して 、る。
[0012] (発明の効果)
本発明に係る無線通信装置の第 1の態様によれば、伝送用制御データマッピング 部において、リソースブロックに、リソース非依存データおよびリソース依存データが 含まれるようにマッピングするので、伝送するリソースブロックの何れもが、同一の伝 送用制御データフォーマットとなる。このため、受け手である基地局の受信処理部は 、毎回同一の処理が可能となり、簡易に復調ができると共に、ハードウェア化が容易 になり高速、安定、廉価な無線通信装置を得ることができる。
[0013] 本発明に係る無線通信装置の第 2の態様によれば、誤り訂正符号化を行う場合で あっても、パンクチヤ部において過剰ビットを削除することで、リソースブロックによつ てデータ量に偏りが生じることを防止するので、伝送するリソースブロックの何れも力 同一の伝送用制御データフォーマットとなる。このため、受け手である基地局の受信
処理部は、使用されたリソースブロックの個数によらず、常に最大使用時の場合と同 一の処理を行うことが可能となり、簡易に復調ができると共に、ハードウェア化が容易 になり高速、安定、廉価な無線通信装置を得ることができる。
[0014] 本発明に係る無線通信装置の第 2の態様によれば、送信データマッピング部が、送 信間隔の測定結果に基づいて、送信データおよび伝送用制御データとは別個に、 受信側の無線通信装置にとって既知のデータで構成される既知系列の要否を決定 する機能を有するので、対向する無線通信装置に対して暫く間送信を行って!/ヽな 、 状況から送信を再開する場合に、既知系列を送信することにより、受信側の装置は 安定した受信特性で受信することができ、受信特性の安定化と、実質的な送信デー タの伝送速度の向上を両立することができる。
[0015] この発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによ つて、より明白となる。
図面の簡単な説明
[0016] [図 1]移動体通信システムの構成を説明する概念図である。
[図 2]本発明に係る実施の形態 1の無線通信装置の構成を示すブロック図である。
[図 3]伝送用制御データのマッピングの一例を示す図である。
[図 4]伝送用制御データのマッピングの一例を示す図である。
[図 5]伝送用制御データのマッピングの一例を示す図である。
[図 6]伝送用制御データのマッピングの一例を示す図である。
[図 7]送信部の SC—FDMAに関わる部分の構成を示すブロック図である。
[図 8]連続するサブチャネルに各種データ値をマッピングした場合の OFDM出力値 を示す図である。
[図 9]本発明に係る実施の形態 2の無線通信装置の構成を示すブロック図である。
[図 10]伝送用制御データのマッピングの一例を示す図である。
[図 11]データ受信部およびデータ送信部を含めた無線通信装置の構成を示すプロ ック図である。
[図 12]送信側の無線通信装置が送信を再開する状況を模式的に示す図である。
[図 13]送信側の無線通信装置が送信を再開する場合の、既知系列データのマツピン
グ状況を説明する図である。
[図 14]送信データの位相が回転した場合の問題点を説明する図である。
[図 15]本発明に係る実施の形態 3の無線通信装置の構成を示すブロック図である。
[図 16]通常データを通常の送信フォーマットで伝送する以前に、既知系列だけの送 信を行う動作を説明する図である。
[図 17]通常データを通常の送信フォーマットで伝送する以前に、既知系列だけの送 信を行う動作を説明する図である。
[図 18]通常データを通常の送信フォーマットで伝送するのと同じ時間、あるいは伝送 後に、既知系列だけの送信を行う動作を説明する図である。
[図 19]内挿により位相推定を行う原理を説明する図である。
[図 20]外挿により位相推定を行う原理を説明する図である。
[図 21]周波数方向において位相推定を行う場合の概念を説明する図である。
[図 22]受信側の装置と送信側の装置とのメッセージフローおよびメッセージ内容を決 めるための判定処理および解析処理を模式的に示す図である。
[図 23]判定処理の一例を説明するフローチャートである。
[図 24]判定処理の一例を説明するフローチャートである。
[図 25]判定処理の一例を説明するフローチャートである。
[図 26]受信側の装置と送信側の装置とのメッセージフローおよびメッセージ内容を決 めるための判定処理および解析処理を模式的に示す図である。
[図 27] 16QAMの場合の信号点配置の一例を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
(A.実施の形態 1)
(A- 1.移動体通信システムの構成)
図 1に、一般的な移動体通信システムの構成を説明する概念図を示す。
図 1において、基地局上位装置 101は基地局 201および 202と ATM (Asynchrono us Transfer Mode)あるいは IP(Internet Protocol)ネットワーク等の通信線で接続され 、公衆交換電話網とのゲートウェイ機能や基地局間に跨るリソース管理等の処理を行
[0018] 基地局 201および 202は、移動機 301および 302と、例えば、下り通信(基地局か ら移動機への通信)においては、 OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)を使用し、上り通信 (移動機力 基地局への通信)においては、 SC— FDM A(bingle し arner Frequency Division Multiple Access)を使用する。
[0019] (A— 2.無線通信装置の構成)
図 2は、本発明に係る無線通信装置の実施の形態 1として、基地局および移動機を 構成する無線通信装置 300のデータ送信部の構成を示すブロック図である。なお、 両者は基本的に同じ機能を有し、以下においては移動機を前提として説明を行う。
[0020] 図 2に示す無線通信装置 300においては、送信データ量決定部 401、データ送信 部 402、モニタ機能部 403、伝送用制御データ生成部 404、伝送用制御データ送信 部 405、データ受信部 409およびアプリケーション IZF (インターフェース)部 410を 備え、伝送用制御データ送信部 405においては、伝送用制御データ分離部 406、伝 送用制御データ複製部 407およびデータマッピング部 408を有している。
[0021] アプリケーション IZF (インターフェース)部 410は、移動機搭載のアプリケーション で発生する送信データを送信データ量決定部 401に与える機能を有して 、る。
[0022] 送信データ量決定部 401では、データ受信部 409をモニタするモニタ機能部 403 力も与えられる入力データ、および、アプリケーション IZF部 410から与えられる入力 データに基づいて、どの時間、どの周波数、複数の送信アンテナがある場合には、何 れのアンテナにどれだけのデータを送信するか決定する。
[0023] 送信データ量決定部 401にお ヽて送信を決定した送信データは、データ送信部 4 02に送られると同時に、送信を決定した時間、周波数、アンテナ、データ量 (基地局 に送信許可をリクエストするデータのデータ量)等のデータを、伝送用制御データ生 成部 404に与える。
[0024] 伝送用制御データ生成部 404では、送信を決定した時間、周波数、アンテナ、デ ータ量のデータを基地局で受信するための規定のビットフォーマットに変換し、伝送 用制御データとして伝送用制御データ送信部 405に与える。
[0025] 伝送制御データ送信部 405では、与えられた伝送用制御データを所定の無線フォ 一マットに変換し、データ送信部 402に与える。
[0026] データ送信部 402では、無線フォーマットに変換された伝送用制御データを、必要 となる多値変調処理、 SC— FDMA変調処理、アップコンバートおよび所要送信電 力値への電力増幅処理を施して、アンテナ(図示せず)を介して送信を行う。
[0027] モニタ機能部 403では、例えば、データ受信部 409から与えられる信号の中から、 基地局からの送信許可データを抽出する。また、例えば、 ARQ (Automatic Repeat R equest)を適用しているシステムにおいて、基地局からの ACKZNACK (確認応答 Z否定応答)データを抽出する。また、送信許可データと共に、送信許可するデータ の周波数や、送信許可できるデータ送信量も抽出する機能を備えることも可能である
[0028] さらにモニタ機能部 403では、下り通信用に基地局に送信する測定データを生成 する機能も備えている。
[0029] 例えば、送信ダイバーシチゃ MIMO (Multiple Input Multiple Output)を行うために 、下り通信を行う基地局に設けられた複数のアンテナでの受信伝送路推定を行う。
[0030] また、例えば、 Pilot等の既知系列信号を用いて SINR (Signal to Interference and Noise Ratio)や CINR (Carrier to Interference and Noise Ratio)を算出する。
[0031] また、例えば、下り通信を行う基地局の送信データ量を決定する機能部(いわゆる スケジューラ)へ入力するために、下り通信可能なデータ量や変調方式や同時使用 可能なリソース数を明示することで、受信可能なバッファ量も含めた実質的な品質マ 一ジンデータ(CQI : Channel Quality Indicator)の形にすることも有効である。
[0032] なお、 CQIの定義については、 3GPP TS25.214 V6.7.1(2005-12), Physical layer pr ocedures(FDD),pp.34- 35に記載されている。
[0033] アプリケーション IZF部 410から送信データ量決定部 401に与える入力データは、 送信するデータの他に、例えば、送信するメディアデータに対応した QoSデータ (許 容できる遅延時間、保証したいデータ伝送速度等)が付与されることが望ましい。
[0034] 送信データ量決定部 401では、上記 QoSデータに応じて基地局にリクエストするデ 一タ量を減らしてでも遅延時間を低減する等の処理を行う。なお、遅延時間を低減す る技術については、発明との関連性が低いので説明を省略する。
[0035] (A- 3.伝送用制御データ送信部の構成および動作)
無線通信装置 300においては伝送用制御データ送信部 405に発明の特徴を有し ており、以下、伝送用制御データ送信部 405の構成および動作について詳細に説 明する。
[0036] 伝送用制御データ生成部 404から伝送用制御データ送信部 405に与えられるデ ータには、送信を決定した時間、周波数、アンテナ、データ量などの様々なデータが 含まれるが、こられのデータは、まず伝送用制御データ分離部 406に与えられる。
[0037] そして、伝送用制御データ分離部 406では、これらのデータを 2つに分離する。
まず、 1つは伝送するリソースに依存するデータ(リソース依存データ)である。
これには、例えば、周波数に関係するデータ(FDMAや OFDMAの周波数 f)、タ ィムスロットに関係するデータ(Time Division Multiple Access :TDMAの時間 t)、 MI MOの各空間に関係するデータ(Spatial Division Multiple Access:SDMAの空間 S) 等の品質データが含まれる。
[0038] なお、上記以外に、 MIMO (SDMA)の場合には、各アンテナ毎に当該アンテナ の品質データを授受することもある。
[0039] より具体的には、送信ダイバーシチゃ MIMOを行うための下り通信を行う基地局に 設けられた複数のアンテナでの受信伝送路推定データや、パイロット等の既知系列 信号を用いた SINRや CINRのデータ、あるいは、下り通信を行う基地局の送信デー タ量を決定するスケジューラへ入力するために、下り通信可能な品質マージンデータ (CQI)である。
[0040] 今 1つは、上述した伝送するリソースに依存するデータ以外のデータ(リソース非依 存データ)である。
これには、例えば、 TFCI (Transport Format Combination Indicator)と呼称される 多重して!/、るデータの種類やデータ量の指標となる情報や、 ACKZNACKのデー タが含まれる。
[0041] そして、伝送用制御データ分離部 406で分離された、リソース依存データは、伝送 用制御データマッピング部 408に直接に与えられ、リソース非依存データは、伝送用 制御データ複製部 407に与えられる。
[0042] データ複製部 407では、与えられたリソース非依存データについて、送信するリソ
ースブロックの個数分複製し、それらを伝送用制御データマッピング部 408に与える
[0043] なお、ここで定義するリソースブロックは、通信に使用可能な周波数帯域を周波数 分割して構成された、移動機が送信するために割り当てられる最小送信単位、あるい は、移動機が送信するために割り当てられる最小送信単位を整数倍したものである。 また、以下の説明では、リソースブロックを周波数の異なる複数のサブキャリア (搬送 波)が連続的に集まったものとして扱うが、周波数の異なる複数のサブキャリアが不連 続的に集まったものとして構成しても良い。
[0044] 伝送用制御データマッピング部 408では、伝送用制御データ分離部 406から与え られるリソース依存データと、データ複製部 407から与えられるリソース非依存データ (複製されたデータを含む)とを受けて、それらの伝送用制御データを無線フォーマツ トにマッピングする。
[0045] ここで、伝送用制御データ送信部 405における処理の例を、図 2を参照しつつ図 3 〜図 5を用いて模式的に説明する。なお、以下の説明では、送信するリソースブロッ クの個数が 2つであるものとする。
[0046] 図 3は、伝送用制御データが時間的に 1サブフレームの一部を占有する例を示して いる。ここで、サブフレームとは、レイヤ 1 (物理レイヤ)における送信データの一塊が 送信される時間単位を示しており、図 3〜図 5では、一例として、 1サブフレームを 0. 5msで規定している。図 3〜図 5においては下に向力うにつれて時間が経過するよう に表されている。また、各リソースブロックは、周波数の異なる複数のサブキャリアで 構成され、図 3〜図 5においては右に向かうにつれてサブキャリアの周波数が高くな るように表されている。
[0047] 図 3に示すように、伝送用制御データ分離部 406 (図 2)では、伝送用制御データ生 成部 404 (図 2)から与えられた伝送用制御データを、リソース非依存データ NRDと、 リソース依存データ RD1および RD2とに分離する。ここで、リソース依存データ RD1 および RD2は、送信するリソースブロックの個数に合わせて、リソースブロックごとに 与えられるので、それぞれのリソースブロックに合わせて分離される。
[0048] そして、データ複製部 407 (図 2)では、与えられたリソース非依存データ NRDにつ
いて、送信するリソースブロックの個数である 2つに合わせて複製し、リソース非依存 データ NRD1および NRD2とする。
[0049] 伝送用制御データマッピング部 408 (図 2)では、リソース非依存データ NRD1およ び NRD2と、リソース依存データ RD1および RD2を、所定の(周波数)リソースブロッ クの、所定のサブフレームにマッピングする。
[0050] 例えば、図 3においては、リソースブロック RSB1、 RSB2、 RSB3および RSB4のう ち、リソースブロック RSB1および RSB2にマッピングを行う例を示しており、リソース非 依存データ NRD1およびリソース依存データ RD1は、リソースブロック RSB1のサブ フレーム SF1内に、それぞれ全サブキャリアに跨るようにマッピングされ、リソース非 依存データ NRD2およびリソース依存データ RD2は、リソースブロック RSB2のサブ フレーム SF2内に、それぞれ全サブキャリアに跨るようにマッピングされる。
[0051] これにより、リソースブロック内のサブキャリアを有効に利用することができる。なお、 サブフレーム SF1および SF2は、同じ時間帯のサブフレームである。
[0052] 図 4は、伝送用制御データが時間的に複数のサブフレームの一部を占有する例を 示している。
[0053] 図 4に示すように、伝送用制御データマッピング部 408 (図 2)では、リソース非依存 データ NRD1および NRD2と、リソース依存データ RD1および RD2を、所定の(周 波数)リソースブロックの、所定のサブフレームにマッピングする。
[0054] 例えば、図 4においては、リソースブロック RSB1、 RSB2、 RSB3および RSB4のう ち、リソースブロック RSB1および RSB2にマッピングを行う例を示しており、リソース非 依存データ NRD1の全部とリソース依存データ RD1の一部は、リソースブロック RSB 1のサブフレーム SF1内に、それぞれ全サブキャリアに跨るようにマッピングされ、リソ ース依存データ RD1の残りの部分は、リソースブロック RSB1のサブフレーム SF11 内に全サブキャリアに跨るようにマッピングされて 、る。
[0055] また、リソース非依存データ NRD2の全部とリソース依存データ RD2の一部は、リソ ースブロック RSB2のサブフレーム SF2内に、それぞれ全サブキャリアに跨るようにマ ッビングされ、リソース依存データ RD2の残りの部分は、リソースブロック RSB2のサ ブフレーム SF21内に全サブキャリアに跨るようにマッピングされている。
[0056] なお、サブフレーム SF1および SF2は、同じ時間帯のサブフレームであり、サブフレ ーム SF11および SF21は、サブフレーム SF1および SF2よりも後の同じ時間帯のサ ブフレームである。
[0057] このように、リソース依存データ RD1および RD2を、それぞれ 2つに分けて、それぞ れ異なるサブフレームにマッピングすることで、リソース依存データ RD1および RD2 のビット量が多 、場合にも対応できる。
[0058] なお、上述した図 3および図 4の例では、伝送用制御データが、時間的に 1つまた は複数のサブフレームの一部を占有する例を示したが、 1つまたは複数のサブフレー ムの全部を占有する場合も考えられる。
[0059] また、上述した図 3および図 4の例では、伝送用制御データが、リソースブロック内 の全サブキャリアに跨るようにマッピングされた例を示した力 図 5に示すように、伝送 用制御データが、リソースブロックを構成する複数のサブキャリアの一部にマッピング されるようにしても良い。これにより、マッピングのバリエーションを増やすことができる
[0060] ここで、図 5の説明においては、伝送用制御データを a、 b、 cおよび dとし、 a、 bはリ ソース依存データ、 c、 dはリソース非依存データとする。さらに詳細には、 a = CQI、 b = SIR、 c=TFCI、 d=ACKZNACKとする。なお、リソース依存データ a、 bは、伝 送するリソースごとにリソース内平均化したデータとして伝送用制御データ送信部 40 5に入力される。
[0061] 図 5に示すように、伝送用制御データ生成部 404 (図 2)で、所定の符号化を施され た伝送用制御データ力 11、 al2、 al3、 a21、 a22、 a23、 bl l、 bl2、 bl3、 b21、 b 22、 b23、 cl、 c2、 c3および dlであるとすると、それらが入力された伝送用制御デー タ分離部 406 (図 2)では、リソースブロック RSB1にマッピングされるリソース依存デー タ al l〜al3、 bl l〜bl3と、リソースブロック RSB2にマッピングされるリソース依存 データ a21〜a23、 b21〜b23と、リソース 依存データ cl、 c2、 c3および dlとに分 離する。
[0062] そして、リソース非依存データ cl〜c3および dlは、データ複製部 407 (図 2)に与え られ、リソース依存データは伝送用制御データマッピング部 408 (図 2)に与えられる。
[0063] そして、データ複製部 407 (図 2)では、与えられたリソース非依存データ cl〜cc3 および dlについて、送信するリソースブロックの個数である 2つに合わせて複製を作 成する。
[0064] 伝送用制御データマッピング部 408 (図 2)では、リソース非依存データ cl〜c3およ び dlと、リソース依存データ al l〜al3、 a21〜a23、 bl l〜bl3および b21〜b23を 、所定の(周波数)リソースブロックの、所定のサブフレームにマッピングする。
[0065] 例えば、図 5においては、リソースブロック RSB1および RSB2にマッピングを行う例 を示しており、リソース依存データ al l〜al 3、 bl l〜bl3、リソース非依存データ cl 〜c3および dlは、リソースブロック RSB1のサブフレーム SF1内に、それぞれが、 1 つのサブキャリアを占有するようにマッピングされ、リソース依存データ a21〜a23、 b 21〜b23、複製されたリソース非依存データ cl〜c3および dlは、リソースブロック R SB2のサブフレーム SF2内に、それぞれが、 1つのサブキャリアを占有するようにマツ ビングされる。なお、この例以外に、 1つのサブキャリアにリソース依存データとリソー ス非依存データが混在するようにマッピングしても良 、。
[0066] なお、サブフレーム SF1および SF2は、同じ時間帯のサブフレームであり、また、リ ソース依存データおよびリソース非依存データ (複製含む)のそれぞれが占有するサ ブキャリアの時間帯も同じである。
[0067] また、リソース依存データ al l〜al3、 bl l〜bl3、リソース非依存データ cl〜c3お よび dlは、この順番でマッピングされ、最も周波数の低いサブキャリアに al lがマツピ ングされ、最も周波数の高いサブキャリアに dlがマッピングされる。リソース依存デー タ a21〜a23、 b21〜b23、リソース非依存データ cl〜c3および dlは、この順番でマ ッビングされ、最も周波数の低いサブキャリアに a21がマッピングされ、最も周波数の 高!、サブキャリアに dlがマッピングされる。
[0068] (A— 4.効果)
以上説明したように、実施の形態 1の無線通信装置 300の伝送用制御データ送信 部 405においては、データ送信部 402から伝送するリソース量が少なぐリソースブロ ックによってデータ量に偏りが生じる可能性がある場合には、伝送用制御データの一 部を、伝送用制御データ送信部 405で複製してマッピングすることで、伝送するリソ
ースブロックの何れも力 同一の伝送用制御データフォーマットとなるようにする。
[0069] このため、受け手である基地局の受信処理部は、毎回同一の処理が可能となり、簡 易に復調ができると共に、ハードウェア化が容易になり高速、安定、廉価な無線通信 装置を得ることができる。
[0070] また、伝送するリソースに依存するデータを当該リソースで伝送することにより、リソ ースの指標 (インジケータ)が不要となり伝送データ量が削減される。
[0071] (A- 5.変形例 1)
以上説明した実施の形態 1にお 、ては、伝送用制御データマッピング部 408にお ける伝送用制御データのマッピングの例を幾つか説明したが、さらに以下に説明する ようなマッピングも可能である。
[0072] すなわち、図 6に示すように、リソースブロックのサブフレームの中で、さらにタイミン グを分けてマッピングを行うとともに、伝送用制御データに、リソースブロックごとに異 なるスクランブル (データ変調)処理を行うようにしても良 ヽ。
[0073] ここで、図 6の説明においては、説明を簡略ィ匕するため伝送用制御データを、伝送 するリソースに依存するデータ以外のデータ(リソース非依存データ) eのみに限定し た。
[0074] 図 6に示すように、伝送用制御データ生成部 404 (図 2)で、所定の符号化を施され た伝送用帘 IJ御データ力 1、 e2、 e3、 e4、 e5、 e6、 e7、 e8、 e9、 elOであるとすると、 それらが入力された伝送用制御データ分離部 406 (図 2)では、図示しないリソース依 存データとは分離して、データ複製部 407 (図 2)に与えられる。
[0075] そして、データ複製部 407 (図 2)では、与えられたリソース非依存データ el〜elO について、送信するリソースブロックの個数である 2つに合わせて複製を作成する。
[0076] そして、図 6に示すように、リソース非依存データ el〜elOは、リソースブロック RSB 1および RSB2のそれぞれにおいて、異なる時間帯に二分されるように割り付けられ、 その割り付けはリソースブロック RSB1と RSB2とで異なっている。
[0077] すなわち、リソースブロック RSB1では、周波数が低いサブキャリアからリソース非依 存データ el〜elOの順番に割り付ける力 他のデータとの関係で、 10個のデータを 全て同じ時間帯 (タイミング)に割り付けることができないので、リソース非依存データ e
l〜e5についてはタイミング 1に割り付けを行い、リソース非依存データ e6〜el0につ いてはタイミング 2に割り付けを行う。
[0078] リソースブロック RSB2では、タイミング 1では、周波数が低いサブキャリアから、リソ ース非依存データ e6〜el0の順番に割り付けを行い、タイミング 2では、周波数が低 いサブキャリア力もリソース非依存データ el〜e5の順番に割り付けを行う。
[0079] このような割り付けを行うことで、全リソースブロックにおいて同一時間帯に複数の同 一データが割り付けられることを防止でき、図 6では、リソースブロック RSB1で、リソー ス非依存データ el〜e5が割り付けられる時間帯で、リソースブロック RSB2では、リソ ース非依存データ e6〜el0が割り付けられており、伝搬環境が良い場所で使用する 場合、タイミング 1でデータの受信処理に移ることが可能となり、簡易な移動機を許容 できるシステムとなる。
[0080] また、リソースブロック RSB1とリソースブロック RSB2とで、同一データは周波数的 に最大限遠く離れたサブキャリアに割り付けられるように設定されており、図 6の例で は、リソースブロック RSB1のリソース非依存データ elと、リソースブロック RSB2のリソ ース非依存データ elとの間には、 19のサブキャリアが存在する。これはリソース非依 存データ e2〜el0においても同様である。
[0081] このように設定するのは、移動機特有の周波数選択性のフェージングがある場合、 近い周波数で同一情報を送信するよりもできるだけ遠い周波数で同一情報を送信す る方が、受信側で特性が良くなることが知られているためであり、特定のビット情報が 周波数軸上で近接することを防止して、受信特性を改善することができる。
[0082] 上述した割り付け処理を行った後、伝送用制御データマッピング部 408では、リソ ースブロックへのマッピングするに先だって、割り付けデータ(割り付け処理の終わつ たリソース非依存データを意味する)にスクランブル処理を行う。
[0083] ここで、伝送するリソースに依存しないデータは長時間同一値となったり(例えば同 一データ量が続く場合)、データ値そのものが全ビット 0 (例えば送信データがない場 合は全ビット 0とするような場合)とか、全ビット 1といった極端なものになりやすい。
[0084] OFDMの場合、全ビット 1あるいは全ビット 0となる場合、 PAPR (Peak- to- Average Power Ratio :平均電力に対するピーク電力の比)が最大になり、特定の 1ビットのみ
符号反転しているケースがその次に大きな PAPRとなる。
[0085] 従って、 SC— FDMA時にも DFT(Discrete Fourier Transformation)の結果が特 定の周波数に集中するケースは PAPRが大きくなる傾向を持つことが分かる。そこで 、リソースブロック RSB1とリソースブロック RSB2とで異なるスクランプリングを行うこと が有効である。
[0086] すなわち、全ビット 0のような固定データに、特定の周波数成分に偏らない、いわゆ る周波数特性が良 、スクランプリングコードを乗じると、当該スクランプリングコードの 周波数特性と同じになるので、特定の周波数成分に偏らないデータとなる。そして、 特定の周波数成分に偏らないデータによって得られる信号は、 PAPRが低くなる。
[0087] しかし、同じスクランプリングコードを異なるリソースブロックで使用すると、同じパタ ーンの繰り返しになるので、スクランプリングコードの間隔に相当する周波数成分が 際立ってくる。そこでリソースブロックごとに、異なるスクランプリングコードを使用する ことが有効となる。
[0088] 例えば、図 6においては、リソースブロック RSB1に対する割り付けデータには、「01 01100000」のスクランブルを掛け、リソースブロック RSB2に対する割り付けデータ には、「1101111100」のスクランプリングコードを掛けて!/、る。
[0089] これらのスクランプリングコードの掛け方としては、各リソースブロックにおける割り付 けデータのうち、最も周波数が低いサブキャリアに割り付けられるデータであって、か つ、タイミングの最も早いデータにスクランプリングコードの最上位ビットのデータが掛 けられるように実行され、以後、同一のタイミング内で順次スクランブルデータが掛け られ、リソースブロック内の最も周波数が低いサブキャリアに割り付けられるデータに スクランブルデータが掛けられた後は、次のタイミングの最も周波数が低いサブキヤリ ァに割り付けられるデータに、スクランブルデータが掛けられる動作となる。
[0090] 従って、例えば、リソースブロック RSB1においては、割り付けデータ e2、 e4および e 5にスクランブルデータ「1」が掛けられ、残りの割り付けデータには、スクランブルデ ータ「0」が掛けられる。なお、スクランブルデータ「1」が掛けられた割り付けデータ e2 、 e4および e5は、符号が反転して、割り付けデータ Ze2、 Ze4および Ze5となる。
[0091] 一方、リソースブロック RSB2においては、害 IJり付けデータ e6、 e7、 e9、 elO、 el、 e
2および e3にスクランブルデータ「1」が掛けられ、符号が反転して、割り付けデータ Z e6、 /e7、 /e9、 /elO、 /el、 /e2および/ e3となる。なお、残りの害 Uり付けデー タには、スクランブルデータ「0」が掛けられる。
[0092] このように、リソースブロックごとに異なるスクランプリングを行った後、伝送用制御デ ータマッピング部 408 (図 2)では、所定のリソースブロックにマッピングを行う。
[0093] 次に、データ送信部 402における SC— FDMAについて具体例を用いて説明する 。まず、データ送信部 402の SC—FDMAに関わる部分の構成を示す図 7を用いて 、 SC— FDMAの概略動作を説明する。
[0094] 図 7に示すように、 SC— FDMAの送信データ D1は、まず DFT処理部 4021に入 力され、 DFT処理が実行される。そして、 DFT処理部 4021の出力は、サブキャリア マッピング部 4022に与えられ、その後、 IFFT (Inverse Fast Fourier Transformation )部 4023で OFDM処理を施される。そして、最後に、 CP (Cyclic Prefix)挿入部 402 4において、 OFDM処理された信号の先頭部分の一部を最後にもう一度送信する処 理を行って、送信データ D1の伝送が終了する。
[0095] ここで、 DFT処理部 4021に同一データが周波数軸上で等間隔となるように入力さ れる場合、この間隔で周波数成分を多く含むことになる。すなわち、周波数軸上で D FT処理部 4021の出力が特異に大きな振幅と、その他の微小振幅を有することにな る。
[0096] 例えば、伝送用制御データ以外に送信するデータがなぐかつ、伝送用制御デー タが全ビット 0、全ビット 1または全ビット 01の繰り返しであるような偏ったデータである 場合は、 DFT処理部 4021の出力は特定の周波数成分が際立ち、他の周波数成分 はわず力となる。
[0097] このような出力をサブキャリアマッピング部 4022に与え、その後、 IFFT (Inverse Fa st Fourier Transformation)部 4023で OFDM処理をすると、 IFFT部 4023の出力に おいて PAPRが大きな値となる。 PAPRが大きくなると、周波数成分に偏りが生じ、隣 接チャネルや他の通信システムへの影響を与える可能性がある。
[0098] 次に、 IFFT部 4023の入力データと送信データの最大ピーク電力の具体例につい て説明する。
[0099] 図 8には、連続するサブチャネルに各種データ値をマッピングしたときの OFDM出 力値 (シンボル内最大値)を示す。なお、データ変調方式は簡便のため BPSK(Binar y Phase Shift Keying)の例である力 その他の多値変調方式の場合でも、基本的に は BPSKと同等に扱うことができる。
[0100] 図 8においては、下記数式(1)により求まる P (ピーク電力値)を縦軸に、 Ai=0〜2
55を横軸に示している。ここで、数式(1)における Aiが、 IFFT部 4023に入力される 入力データであり、一例として 8ビットのバイナリデータで示されている。
[0101] [数 1]
8 8
P二 Max ( (^AiXs! π ( i t) ) 2+(∑AiXcos ( i«t) ) ) ·'·(1) i=1 〗=1
[0102] 図 8より、ピーク電力値の最大値は 64で規格ィ匕され、当該最大値は全ビット 0(0 = 00000000b)と全ビット 1(255 = 11111111b)のとき、および、 85 ( = 01010101b ), 170 (= 10101010b)であることが分かる。
[0103] また、最大値 64の次に大きな値は 36であり、特筆する傾向として特定の 1ビットの みが反転して!/、るパターンが全て含まれて 、る。
[0104] すなわち、 l( = 00000001b)、 2( = 00000010b)、 4( = 00000100b)、 8( = 00 001000b)、 16( = 00010000b)、 32( = 00100000b)、 64( = 01000000b)、 1 27( = 01111111b)、 128 (= 10000000b)、 191 (= 10111111b)、 223 (= 110 11111b), 239( = 11101111b)、 247( = 11110111)、 251( = 11111011b)、 253 (= 11111101b)、 254 (= 11111110b)力 番目に大きなピーク電力値である 36を取る値に含まれて!/、ることが分かる。
[0105] また、 f列えば、 22( = 00010110b)や 61( = 00111101b)力 S最も/ J、さなピーク電 力値 13.29を取ることが分力るので、これをスクランプリングコードとして使用すること で、伝送用制御データが全ビット 0および全ビット 1の場合に、 PAPRを最小にでき、 周波数成分に偏りのない通信が可能となり、隣接チャネルや他の通信システムへの 影響を与えることを防止できる。
[0106] また、上記のような場合以外に、送信データがない場合は、予めシステム的に規定 した代替の送信データを使用するが、その場合には、 PAPRが最も小さくなるスクラ
ンブリングコードは事前に全通り計算することができるので、このパターンを用いてス クランプリングを行う。
[0107] また、さらに、移動機が送信するリソースブロック数を変更すると同時に、スクランプ リングコードを変更する方法も有効である。
[0108] 例えば、送信するリソースブロック数が 1のときの PAPR最小となるスクランブリングコ ードと全く異なるコード力 リソースブロック数が 2のときの PAPR最小となるスクランプ リングコードである可能性が高 、。
[0109] そこで、リソースブロック数に合わせてスクランプリングコードを変更することで、リソ ースブロック数によらず PAPRを常に最適な状態に保つことができる。
[0110] なお、上述したスクランプリングコードは、基地局と移動機で共有するようにしても良 い。
[0111] 例えば、スクランプリングコードを、システム的にリソースブロックごとに固有とするこ とで共有化することが考えられる。
[0112] すなわち、第 1のリソースブロックに対しては第 1のスクランプリングコードを使用する ものとし、第 2のリソースブロックに対しては第 2のスクランプリングコードを使用するも のとする方法である。
[0113] この場合、使用するリソースブロック数が可変の場合、リソースブロックを複数使用 するときのケースも予め定義しておくことが望ま 、。
[0114] 例えば、第 1および第 2のリソースブロックの場合は、スクランプリングコード Aを使用 し、第 2および第 3のリソースブロックの場合は、スクランプリングコード Bを使用するこ とが考えられる。
[0115] この場合、パターン長は 2倍になり、移動機は基地局の使用許可周波数帯に応じて 適用するスクランプリングコードを選択することになる力 移動機と基地局間でのスク ランプリングコード情報のやりとりの手順が不要になり、最も簡素な構成が可能となる
[0116] また、例えば、移動機がデータの送信のタイミングで、送信する周波数帯の相対位 置でシステム的に固有のスクランプリングコードを使用することで共有ィ匕することが考 えられる。
[0117] すなわち、リソースブロックの大小によらず、 1つだけのリソースブロックを使用すると きにはスクランブリングコード Aを、 2つのリソースブロックを使用するときにはスクラン プリングコード Bを使用することが考えられる。
[0118] この場合、基地局の受信は若干複雑になるものの、移動機にとっては、さらに簡易 な構成となる。
[0119] (A-6.変形例 2)
以上説明した実施の形態 1においては、図 2を用いて、伝送用制御データ生成部 4 04から伝送用制御データ送信部 405に与えられるデータは、まず伝送用制御デー タ分離部 406に与えられるものとして説明した。
[0120] しかし、リソースに余裕がある場合、例えば、同時送信するユーザ数が少ない場合 や、伝送するリソースに依存するデータ以外のデータのデータ量が少ない場合には 、伝送用制御データ生成部 404からのデータを、予め設けた、伝送用制御データ分 離部 406を迂回するルートを通して、伝送用制御データ複製部 407に直接与えるこ とで、伝送用制御データ送信部 405の処理を簡素化しても良 、。
[0121] (A- 7.変形例 3)
以上説明した実施の形態 1においては、伝送用制御データ複製部 407で、リソース 非依存データを、伝送するリソースブロックの個数と同数になるように複製する例を示 したが、伝送用制御データ複製部 407にダミーデータを生成する機能を持たせ、伝 送するリソースブロックのうち、一部のリソースブロックには複製したリソース非依存デ ータをマッピングし、残りのリソースブロックについては、リソース非依存データを、全 ビット 0あるいは全ビット 1のダミー固定値に設定する、あるいは、送信時振幅 =0とす る処理を施しても良い。
[0122] ここで、送信時振幅 =0とするビット数と、リソース非依存データの複製数とは、トレ ードオフの関係になり、複製するデータ数が多ければ多いほど誤り耐性が強くなり良 好な通信ができる一方、送信時振幅 =0にするビットが多くなると、周辺基地局への 干渉電力が低減する。
[0123] また、リソース非依存データを、全ビット 0あるいは全ビット 1のダミー固定値に設定 する場合、どの位置にどのデータが送られているか分かれば、既知系列のデータを
送信していることになる。
[0124] すなわち、受信装置側でデータの OZ1が分力つているために、当該データの変化 具合力 伝搬路推定が可能となり、その逆特性を乗じることでデータの復調が可能と なる。
[0125] そして、既知系列のデータはビット数が多いほど伝搬路の推定精度が高まり受信特 性が向上するので、リソース非依存データを複製する数がある一定値を超えると、リソ ース非依存データをたくさん送るより、既知系列のデータを 1つでも多く送信した方が 受信特性が向上することになる。
[0126] 次に、送信時振幅 =0と類似したデータの例について説明する。例えば、 16QAM
(Quadrature Amplitude Modulation)の場合を例に採り、図 27に信号点配置の一例 を示す。
[0127] 図 27に示すように、下位 2ビットがリソース依存データで、上位 2ビットがリソース非 依存データの代わりに設定されたダミー固定値である 4ビットのデータをマッピングす る場合、ダミー固定値を 00とすると、図 27の第 1象限における 0001、 0011、 0000、 0010の中で最も原点からの振幅が小さいデータは、 0000となる。
[0128] 振幅を小さくすると周辺基地局への干渉電力がその分低減するので、例えば、周 辺基地局でのトラヒック量に応じて複製するデータ数を制御したり、基地局の設置環 境から、基地局固有のダミー固定値を設定することで、周辺基地局への干渉電力を 低減できる。
[0129] (A-8.変形例 4)
以上説明した実施の形態 1においては、リソースブロックを、移動機が送信するため に割り当てられる最小送信単位、あるいは、移動機が送信するために割り当てられる 最小送信単位を整数倍したものとして定義した力 システムとして必要になる無線品 質によって必ずしも移動機が送信するために割り当てられる最小単位、あるいは、移 動機が送信するために割り当てられる最小単位の整数倍したものに等しくしなくても 良い。例えば、移動機が送信するために割り当てられる最小単位の整数分の 1とした ものでも良い。
[0130] (B.実施の形態 2)
(B- l .無線通信装置の構成)
図 9は、本発明に係る無線通信装置の実施の形態 2として、基地局および移動機を 構成する無線通信装置 300Aの送信部の構成を示すブロック図である。なお、両者 は基本的に同じ機能を有し、以下においては移動機を前提として説明を行う。
[0131] 図 9に示す無線通信装置 300Aにおいては、図 2に示した無線通信装置 300にお ける伝送用制御データ送信部 405の代わりに、伝送用制御データ送信部 405Aを有 している。その他、図 1に示した伝送用制御データ送信部 405と同一の構成につい ては同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[0132] 伝送用制御データ送信部 405Aは、伝送用制御データ分離部 406、誤り訂正部 41
1、パンクチヤ部 412およびデータマッピング部 408を有している。
[0133] (B- 2.伝送用制御データ送信部の構成および動作)
以下、伝送用制御データ送信部 405Aの構成および動作につ 、て詳細に説明す る。
伝送用制御データ生成部 404から伝送用制御データ送信部 405Aに与えられるデ ータには、送信を決定した時間、周波数、アンテナ、データ量などの様々なデータが 含まれるが、これらのデータは、まず伝送用制御データ分離部 406に与えられる。
[0134] そして、伝送用制御データ分離部 406では、これらのデータを、リソース依存データ とリソース非依存データとに分離する。
[0135] そして、伝送用制御データ分離部 406で分離された、リソース依存データおよびリソ ース非依存データは、別々に誤り訂正部 411に入力され、それぞれ誤り訂正符号ィ匕 処理を施された後、パンクチヤ部 412に与えられる。
[0136] そして、パンクチヤ部 412では、リソース非依存データに対してパンクチヤ処理を施 される。
[0137] リソース依存データとパンクチヤ処理を施されリソース非依存データとは伝送用制御 データマッピング部 408に与えられ、無線フォーマットにマッピングされる。
[0138] ここで、伝送用制御データ送信部 405Aにおける処理の例を、図 9を参照しつつ図 10を用いて模式的に説明する。なお、以下の説明では、送信するリソースブロックの 個数が 2つであるものとする。
[0139] 図 10は、伝送用制御データが時間的に 1サブフレームの一部を占有する例を示し ている。なお、図 10では、一例として、 1サブフレームを 0. 5msで規定し、下に向かう につれて時間が経過するように表されている。また、各リソースブロックは、周波数の 異なる複数のサブキャリア (搬送波)で構成され、図 10にお 、ては右に向かうにつれ てサブキャリアの周波数が高くなるように表されて 、る。
[0140] 図 10に示すように、伝送用制御データ分離部 406 (図 9)では、伝送用制御データ 生成部 404 (図 9)から与えられた伝送用制御データを、リソース非依存データ NRD と、リソース依存データ RD1および RD2とに分離する。ここで、リソース依存データ R D1および RD2は、送信するリソースブロックの個数に合わせて、リソースブロックごと に与えられるので、それぞれのリソースブロックに合わせて分離される。
[0141] そして、誤り訂正部 411では、リソース非依存データを低い符号化率で誤り訂正符 号化する。
[0142] 例えば、図 9では、最大で 4つのリソースブロック RSB1、 RSB2、 RSB3および RSB 4を使用する移動機であり、 4つのリソースブロックに割り当てられる伝送用制御デー タのビット数に適応する符号化率で誤り訂正符号化することになり、リソース非依存デ ータ NRDは、誤り訂正符号化データ FEC (誤り訂正符号ィヒ済みリソース非依存デー タ)となり、リソース依存データ RD1および RD2は、それぞれ誤り訂正符号化データ F EC1および FEC2 (誤り訂正符号ィ匕済みリソース依存データ)となる。なお、誤り訂正 符号ィ匕データ FECIおよび FEC2は、それぞれリソースブロックの最小単位に割り付 け可能な符号化率で誤り訂正符号化されて!/、る。
[0143] リソース非依存データ NRDは、リソース依存データ RD1および RD2に比べてデー タ量が多ぐ同じ符号化率で誤り訂正符号化すると、誤り訂正符号ィヒデータ FECは 4 つのリソースブロック RSB1〜RSB4に跨るように割り付けられ、誤り訂正符号化デー タ FECIおよび FEC2は、それぞれ、 4つのリソースブロック RSB1〜RSB4のうちの 何れ力 2つに割り付けられることになる。
[0144] し力し、基地局からリソースブロック RSB1および RSB2の使用のみ許されている場 合、誤り訂正符号ィ匕データ FECは、ビット過剰なデータとなってしまう。
[0145] そこで、パンクチヤ部 412において、本来リソースブロック RSB3および RSB4に割り
付けられることになつて 、る誤り訂正符号ィ匕データ FECのビットを、全てパンクチヤ処 理、すなわち全ビットを削除して、非送信とする。このデータをパンクチヤ済み誤り訂 正符号化データ PFEC (パンクチヤ済みリソース非依存データ)と呼称する。
[0146] 伝送用制御データマッピング部 408 (図 9)では、パンクチヤ済み誤り訂正符号ィ匕デ ータ PFECと、誤り訂正符号化データ FECIおよび FEC2を、所定のリソースブロック の、所定のサブフレームにマッピングする。
[0147] 例えば、図 10においては、パンクチヤ済み誤り訂正符号ィ匕データ PFEC力 リソー スブロック RSB1および RSB2のそれぞれのサブフレーム SF1および SF2内におい て、全サブキャリアに跨るようにマッピングされ、誤り訂正符号ィ匕データ FECIおよび FEC2は、それぞれサブフレーム SF1および SF2内に全サブキャリアに跨るようにマ ッビングされている。
[0148] なお、サブフレーム SF1および SF2は、同じ時間帯のサブフレームであり、パンクチ ャ済み誤り訂正符号ィ匕データ PFECと、誤り訂正符号ィ匕データ FECIおよび FEC2と は、サブフレーム内でも異なる時間帯にマッピングされる。
[0149] (B- 3.効果)
以上説明したように、誤り訂正部 411を有して、誤り訂正符号ィ匕を行う場合であって も、パンクチヤ部 412において過剰ビットを削除することで、リソースブロックによって データ量に偏りが生じることを防止するので、伝送するリソースブロックの何れもが、 同一の伝送用制御データフォーマットとなる。
[0150] このため、受け手である基地局の受信処理部は、使用されたリソースブロックの個 数によらず、常に最大使用時の場合と同一の処理を行うことが可能となり、簡易に復 調ができると共に、ハードウェア化が容易になり高速、安定、廉価な無線通信装置を 得ることができる。
[0151] なお、無線送信に使われたビット数が同一であるときには、単純なビット複製により フェージング特性の優れた受信特性を得ることができる。
[0152] (B-4.変形例 1)
以上説明した実施の形態 2にお 、ては、伝送用制御データ送信部 405Aの誤り訂 正部 411にお 、て、リソース非依存データを低 、符号化率で誤り訂正符号化する例
について説明したが、移動機が使用可能な周波数帯域幅 (すなわちリソースブロック の個数)と、基地局が割り当て可能な周波数帯域幅のうち、小さい方に適応する符号 化率で誤り訂正符号化しても良い。
[0153] すなわち、符号化率を低くすると、受け手側装置の誤り訂正復号器において信頼 度データ算出の演算量 (例えばビタビ復号におけるパスメトリック計算)が増加する傾 向があるが、上記のように小さい方の周波数帯域幅に合わせて誤り訂正符号ィ匕を行 うのであれば、システムとして設定されることがないような、極端に低い符号ィ匕率にな ることが防止され、受け手側装置での復号ィ匕処理の負担が増大することがな!、。
[0154] また、基地局が移動機に許可する最大使用可能周波数帯域幅 (すなわちリソース ブロックの個数)に適応する符号化率で誤り訂正符号化しても良い。
[0155] この場合、仮に移動機が周波数ホッピングにより送信するサブフレームごとに種々 の周波数を使用するときでも同時に使用可能な最大周波数幅を得ることができる。
[0156] (B- 5.変形例 2)
以上説明した実施の形態 2においては、図 9を用いて、伝送用制御データ生成部 4 04から伝送用制御データ送信部 405 Aに与えられるデータは、まず伝送用制御デ ータ分離部 406に与えられるものとして説明した。
[0157] しかし、リソースに余裕がある場合、例えば、同時送信するユーザ数が少ない場合 や、伝送するリソースに依存するデータ以外のデータのデータ量が少ない場合には 、伝送用制御データ生成部 404からのデータを、予め設けた、伝送用制御データ分 離部 406を迂回するルートを通して、全データを誤り訂正部 411に直接与えることで 、伝送用制御データ送信部 405Aの処理を簡素化しても良 、。
[0158] (B-6.変形例 3)
図 9を用いて説明した、伝送用制御データ送信部 405 Aの誤り訂正部 411の入力 データが全ビット 0あるいは全ビット 1のような固定データである場合、誤り訂正部 411 の出力データも全ビット 0、あるいは、全ビット 1、あるいは、何れ力 1ビットのみ反転し ているデータが出力されるような誤り訂正方式である場合には、実施の形態 1におい て説明したように、伝送用制御データマッピング部 408において、特定の周波数成分 に偏らない、いわゆる周波数特性が良いスクランプリングコードを乗じることで、 PAP
Rの低 、信号を送信することができる。
[0159] (B- 7.受信部の構成)
図 11に、データ受信部およびデータ送信部を含めた無線通信装置 300Bの構成 を示す。図 11において、データ送信部は図 9を用いて説明した構成と同じであり、図 9に示した構成と同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略す る。
[0160] 図 11に示すように、データ受信部 409は、受信データ復号部 4091、データ復調部 4092および伝送用制御データ受信部 4093を備え、伝送用制御データ受信部 409 3には、伝送用制御データ抽出部 4094、パディング部 4095および誤り訂正復号部 4096を有している。
[0161] データ受信部 409においては、アンテナ(図示せず)で受信した信号がデータ復調 部 4092に入力され、データ復号部 4092では、ダウンコンバート、例えば SC— FD MA、 OFDMAに対応した復調処理、多値変調化されたデータの復調処理が行わ れる。
[0162] 時多重、ある!/、は周波数多重、ある 、は拡散コード多重されて 、る全受信データは 、伝送用制御データ抽出部 4094に与えられ、伝送用制御データ抽出部 4094にお いて伝送用制御データが抜き取られ、また、伝送するリソースに依存するデータ(リソ ース依存データ)と、それ以外のデータ (リソース非依存データ)に分離されて、それ ぞれパディング部 4095に与えられる。
[0163] パディング部 4095では、リソース依存データおよびリソース非依存データのそれぞ れについて、送信側で使用しなかったリソースブロックの箇所に、信頼度最低のダミ 一データをパデイングした後、分離した状態で誤り訂正復号部 4096に与える。
[0164] 一般的に送信ビット数や所要品質が異なるため、リソース依存データとリソース非依 存データとでは誤り訂正方式が異なるので、誤り訂正復号部 4096ではそれぞれに 対して、規定された誤り訂正復号を行う。なお、パンクチヤの有無により誤り訂正復号 処理が異なることはない。
[0165] 誤り訂正復号された伝送用制御データは、受信データ復号部 4091に与えられ、復 号処理が施される。また、受信データ復号部 4091にはデータ復調部 4092で復調さ
れた、伝送用制御データ以外の受信データが直接与えられ、伝送用制御データに 基づいて復号処理される。そして、復号データは、アプリケーション IZF部 410に入 力される。
[0166] なお、モニタ機能部 403には、復号データから得られる HARQ (Hybrid ARQ)の A CKZNACKの判定結果や、データ復調部 4092から無線回線品質データが伝送さ れるが、図 11では図示を省略している。
[0167] (C.実施の形態 3)
(C- 1.概要)
次に、本発明に係る実施の形態 3として、長時間データ送信をしていないときでも効 率よくデータ伝送可能な無線通信装置について説明する。
[0168] 受信側となる無線通信装置においてデータを復調する場合、送信側となる無線通 信装置が、 OZ1のどのようなデータを送っているかについて既知であるデータ(既知 系列)を受信することで無線伝搬路でどのような変化があつたかを推定する。ここで、 既知系列は、レプリカ信号、参照信号、パイロット信号、シンクワード、プリアンブルな どのように表現されることもある。
[0169] 伝搬路推定には、受信しているタイミングの検出(既知系列パターンによる変調シン ボル単位のデータ先頭検出、および、オーバーサンプルした変調シンボルをサンプ ル単位に最も確カゝらしいものを選ぶことによりナイキストを検出する、より精度の高い データ先頭検出)により推定する方法や、位相変化検出 (既知系列部の位相値、お よび、既知系列間の線形補間等による位相回転量の検出)により推定する方法、振 幅成分の変化検出(信号成分の時間的な変化の検出、あるいはノイズが一定と見な せるシステムにおいてはノイズに対する信号成分の比率の時間的な変化の検出)に より推定する方法がある。
[0170] 既知系列が多いほど伝送路推定の精度が向上するので、受信側の無線通信装置 において BER (Bit Error Rate)等の受信特性が向上する。
[0171] ここで、送信側の無線通信装置(図 1に示した移動機 301、 302等)が、暫く送信を 行わず久しぶりに送信する場合を考える。
[0172] 図 12は、この状況を模式的に示す図である。図 12においては、一例として、 1サブ
フレームを 0. 5msで規定し、下に向力うにつれて時間が経過するように表されている 。また、各リソースブロックは、周波数の異なる複数のサブキャリア (搬送波)で構成さ れ、図 12にお 、ては右に向かうにつれてサブキャリアの周波数が高くなるように表さ れている。また、図 12においては、最大で 4つのリソースブロック RSB1、 RSB2、 RS B3および RSB4を使用する移動機を想定して 、る。
[0173] 図 12に示されるように、リソースブロック RSB2のサブフレーム SF1において、送信 データ SD1、既知系列データ KD1および伝送用制御データ DDIがマッピングされ ており、リソースブロック RSB2のサブフレーム SFnにおいて、送信データ SD2、既知 系列データ KD2および伝送用制御データ DD2がマッピングされている。
[0174] このような場合、サブフレーム SFnのデータについては、時間的近傍に既知系列が 存在しないため、伝送路推定精度の向上ができない。
[0175] 一般に既知系列のビット数と実質的な送信データの伝送に使用できるビット数とは トレードオフの関係にあり、受信特性を向上するために既知系列を増加させる、伝送 路状態が良好なときでも実質的な送信データの伝送量が低減する。
[0176] 逆に、既知系列を減少させると、伝送路状態が良好なときには実質的な送信デー タの伝送量が増加するが、干渉や移動によるフェージング等で伝送路が悪化すると、 伝送路推定誤りによる受信データ誤りが増加する。
[0177] そこで、本実施の形態 3では、対向する無線通信装置に対して暫く間送信を行って いない状況から送信を再開する場合に、予め既知系列を送信することにより、受信特 性の安定ィ匕と、実質的な送信データの伝送速度の向上を両立する装置を提供する。
[0178] (C- 2.伝搬路推定方法)
まず、既知系列を用いて、どのようにして伝搬路推定 (位相変化検出)するかにつ いての一例を説明する。
[0179] 典型的な例として QPSK (Quadrature Phase Shift Keying)変調方式であるとき、以 下のような既知系列を想定する。
[0180] 1= + 1、 一 1、 + 1、 一 1、 + 1、 一 1、 + 1、 一 1 すなわち、
Ref(ll) = + 1、 Ref(Ql) = + 1
Ref(l2) = 1、 Ref(Q2) = + 1
Ref(l3) = + 1、 Ref(Q3) = 1
Ref(l4) = 1、 Ref(Q4) = 1
Ref(l5) = + 1、 Ref(Q5) = 1
Ref(l6) = 1、 Ref(Q6) = 1
Ref(l7) = + 1、 Ref(Q7) = + 1
Ref(l8) = 1、 Ref(Q8) = + 1
とする。ここで Ref(Il)〜Ref (18)は、 Ref (Ql)〜Ref(Q8)は参照信号を表す。
[0181] また、
Ref(l) = (Ref (II )、Ref(Ql) )
Ref(2) = (Ref (12 )、 Ref(Q2) )
Ref(3) = (Ref (13 )、 Ref(Q3) )
Ref(4) = (Ref (14 )、Ref(Q4) )
Ref(5) = (Ref (15 )、 Ref(Q5) )
Ref(6) = (Ref (16 )、 Ref (Q6) )
Ref(7) = (Ref (17 )、Ref(Q7) )
Ref(8) = (Ref (18 )、 Ref (Q8) )
とする。
[0182] 図 13は、図 12に示した既知系列データ KD1および KD2に上記データを当てはめ た場合を示している。
[0183] 図 13に示すように、サブフレーム SF1の既知系列データ KD1は、 Ref(l)〜Rel(4) を有し、サブフレーム SFnの既知系列データ KD2は、 Ref (5)〜Ref (8)を有している 力 両データの間には時間差がある。
[0184] これらの既知系列データは、通信を行う前に、送信側、受信側の装置で共有する データであり、それぞれメモリに持っていても良い、上位装置、あるいは、ユーザが使 用する装置力も通信開始前にメッセージを受信することで獲得しても良い。
[0185] 以下は、受信データがオーバーサンプルなしの例で説明する。
伝搬路状態が良ぐ送信データと全く変わらない場合、受信データは以下のように なる。
Rec(ll) = +1、 Rec(Ql) = +1
Rec(l2) = 1、 Rec(Q2) = +1
Rec(l3) = +1、 Rec(Q3) = 1
Rec(l4) = 1、 Rec(Q4) = 1
Rec(l5) = +1、 Rec(Q5) = 1
Rec(l6) = 1、 Rec(Q6) = 1
Rec(l7) = +1、 Rec(Q7) = +1
Rec(l8) = 1、 Rec(Q8) = +1
Rec(l) = (Rec (11)、 Rec(Ql))
Rec(2) = (Rec (12)、 Rec(Q2))
Rec(3) = (Rec (13)、 Rec(Q3))
Rec(4) = (Rec (14)、 Rec(Q4))
Rec(5) = (Rec (15)、 Rec(Q5))
Rec(6) = (Rec (16)、 Rec(Q6))
Rec(7) = (Rec (17)、 Rec(Q7))
Rec(8) = (Rec (18)、 Rec(Q8))
とする。
[0187] このとき、位相変化量は、ベクトルの外積から、以下の数式(2)で求められる。
[0188] [数 2]
s;
[0189] 上記数式(2)においては分子 =4X4 4X4となるので、 0(位相変化なし)である [0190] 次に、以下の受信データが得られたものとする。
Rec(ll) = + 1、 Rec(Ql) = + l
Rec(l2) = 1、 Rec(Q2) = + l
Rec(l3) = + 1、 Rec(Q3) =— 1
Rec(l4) = 1、 Rec (Q4) = 1
Rec(l5) =0、 Rec(Q5) =— 2
Rec(l6) =ー 2、 Rec(Q6) =0
Rec(l7) = 2、 Rec(Q7)=0
Rec(l8) =0、 Rec(Q8)= 2
この場合、数式(2)より、位相変化量は— 45度という値が求まる。
[0192] すなわち、図 13において、 Rec (4)と Rec (5)の間に対向装置が移動するなどして伝 搬環境が変化したことが分かる。
[0193] この場合、後半の既知系列(すなわちサブフレーム SFnの既知系列データ KD2) がな力つたら、位相が一 45度回転していたことが分力もず、前半の既知系列と同じ位 相であると解釈することになる。
[0194] 図 14 (a)、 (b)はこの状況を模式的に示す位相図である。
図 14(a)において縦軸は Q軸を示し、横軸は I軸を示し、 Ref(l) ( = Rec(l))、 Ref(2 ) ( = Rec(2))、 Ref(4) ( = 1¾(;(4))ぉょび1¾1"(3) ( = Rec(3))は、第 1象限〜第 4象限 にそれぞれプロットされている力 後半の既知系列が判らないので、図 14(b)に示す ように、受信データがどの象限になる力判別がつかず、前半と同じ位相と解釈すると 50%の確率で判定誤りを起こすことになる。
[0195] (C-3.無線通信装置の構成)
図 15は、本発明に係る無線通信装置の実施の形態 3として、基地局および移動機 を構成する無線通信装置 300Cのデータ送信部の構成を示すブロック図である。な お、両者は基本的に同じ機能を有し、以下においては移動機を前提として説明を行
5o
[0196] 図 15に示す無線通信装置 300Cにおいては、送信データ量決定部 601、データ 送信部 602、モニタ機能部 603、伝送用制御データ生成部 604、伝送用制御データ 送信部 605、データ受信部 609およびアプリケーション IZF (インターフェース)部 61 0を備え、送信データ量決定部 601においては、送信時間間隔測定部 6011、送信 使用リソース決定部 6012、既知系列メモリ 6013および送信データマッピング部 601 4を有している。
[0197] アプリケーション IZF部 610では、移動機搭載のアプリケーションで発生する送信 データを送信データ量決定部 601に与える機能を有して ヽる。
[0198] 送信データ量決定部 601の送信使用リソース決定部 6012では、データ受信部 40 9をモニタするモニタ機能部 603から与えられる入力データ、および、アプリケーショ ン IZF部 610から与えられる入力データに基づいて、どの時間、どの周波数、複数 の送信アンテナがある場合には、何れのアンテナにどれだけのデータを送信するか 決定する。
[0199] 送信使用リソース決定部 6012において送信を決定した送信データは、送信データ マッピング部 6014に与えられ、規定の無線フォーマットにマッピングされて、通常送 信データ 613としてデータ送信部 602に与えられる。
[0200] また、送信時間間隔測定部 6011では、基地局に送信して!/、るデータ間隔を測定し 、送信データマッピング部 6014では、当該測定結果が予め定めた所定のしきい値 以上となる場合、データ送信部 602に既知系列 614を送信する。
[0201] 既知系列 614は、システム的に固定の値、あるいは、上位装置、あるいは、ユーザ が使用する装置力も通信開始前に取得しておき、予め既知系列メモリ 6013に格納し ていたものを使用する。
[0202] 送信データマッピング部 6014では、送信を決定した時間、周波数、アンテナ、デー タ量 (基地局に送信許可をリクエストするデータのデータ量)のデータを、伝送用制御 データ生成部 604に与える。また、送信相手となる対向装置の識別情報も与える。な お、対向装置の識別情報はデータ通信開始前に上位装置より割り付けられて、所定 のメモリ(図示せず)に保有される。
[0203] 伝送用制御データ生成部 604では、送信を決定した時間、周波数、アンテナ、デ
ータ量のデータ、識別情報を基地局で受信するための規定のビットフォーマットに変 換し、伝送用制御データとして伝送用制御データ送信部 605に与える。
[0204] なお、送信する時間を、固定遅延のサブフレーム後に設定することで、伝送用制御 データ力も送信する時間情報を省略する方法も有効である。
[0205] 伝送制御データ送信部 605では、与えられた伝送用制御データを所定の無線フォ 一マットに変換し、データ送信部 602に与える。
[0206] データ送信部 602では、無線フォーマットに変換された伝送用制御データを、必要 となる多値変調処理、 SC— FDMA変調処理、アップコンバートおよび所要送信電 力値への電力増幅処理を施して、アンテナ(図示せず)を介して送信を行う。
[0207] モニタ機能部 603では、例えば、データ受信部 609から与えられる信号の中から、 基地局からの送信許可データを抽出する。また、例えば、 ARQを適用しているシス テムにおいて、基地局からの ACKZNACK (確認応答 Z否定応答)データを抽出 する。また、送信許可データと共に、送信許可するデータの周波数や、送信許可でき るデータ送信量も抽出する機能を備えることも可能である。
[0208] さらにモニタ機能部 603では、下り通信用に基地局に送信する測定データを生成 する機能も備えている。
[0209] 送信データマッピング部 6014では、所定の期間、無送信状態が続き、基地局にお いて長時間に渡って受信できないと想定される場合には、通常送信データ 613およ び伝送用制御データの代わりに既知系列を送ることが望ま 、。
[0210] ここで、無送信時間のしき!/、値は、システム的な固定値とするのが簡易である。また 、あるいは、例えば、移動機の移動速度、送信周波数から求められる最大位相回転 量を用いて決定する。
[0211] すなわち、無送信時間 X最大位相回転量 >位相変調の判定しきい値、の場合、既 知系列を多く送信し基地局の受信機の位相推定能力を回復させる必要がある。例え ば移動機の移動速度( Δν)が 3kmZ時、送信周波数 (f)が 2GHzとすると、周波数 の偏差は良く知られるドップラー周波数 Δ ίで表され、 A f= ( AvZc) X f= ( (3 X 10 3/3600) m/ /3 X 108) X 2 X 109 = 5. 5Hzとなる。
[0212] 一方、 0. 5msを 1波長とする周波数は 2kHzであるので、 1サブフレーム =0. 5ms
間では位相は 360 X 5. 5Z2000= 1度の位相変化になる。
[0213] QPSK変調方式で、位相変化が 22. 5度までの位相変化を許容できるとすると、 22 サブフレーム = 11msをしき!、値とする。
[0214] なお、移動機の移動速度は、無線方式規格として許容している固定値としても良く
、また移動機に搭載されている GPS (Global Positioning System)を用いて算出しても 良い。また、基地局側で良く知られている 3点測量の時間変化力も算出し、その値を 移動機に通知しても良い。
[0215] (C-4.既知系列の送信タイミング)
以下、既知系列を送信するタイミングについてさらに説明する。
受信側の無線通信装置(図 1に示した基地局 201、 202等)は、既知系列が少ない ことに起因してデータ受信特性の劣化が発生し、データ誤り率が高くなることは、先に 説明した通りである。
[0216] そこで、データ伝送を再開する場合には、図 16に示すように通常送信データを通 常の送信フォーマットで伝送する以前に、既知系列だけの送信を行う。
[0217] すなわち、図 16においては、リソースブロック RSB2のサブフレーム SF1において、 送信データ SD1、既知系列データ KD1および伝送用制御データ DDIがマッピング されており、リソースブロック RSB2のサブフレーム SFnにおいて、送信データ SD2、 既知系列データ KD2および伝送用制御データ DD2がマッピングされて!/、るが、リソ ースブロック RSB2のサブフレーム SFn—lにおいては、既知系列データ KD3のみ がマッピングされている。
[0218] なお、伝送用制御データ DD2で伝送される対向装置識別情報と既知系列データ を KD3で送信しても良い。さら〖こは、上記既知系列データが含まれていることを示す 識別子を含んでいても良い。
[0219] また、送信データ SD2が 64QAM等の多値変調であり、伝送用制御データ DD2に 比べて良好な伝送路推定が必要となる無線フォーマットの場合は、伝送用制御デー タ DD2のみのサブフレームを先行して送信することが有効である。
[0220] 伝送用制御データ DD2は既知系列データ KD3より先行して 、ても問題ではな 、。
この場合は、伝送用制御データ DD2に対する応答信号を対向装置で送信する手順
をシステム的に定義している場合に有効である。なお、上記応答信号はデータ受信 部 609で復調され、モニタ機能部 603で抽出され送信データ量決定部 601に入力さ れる。
[0221] 従って、通常送信データを通常の送信フォーマットで伝送する以前に、既知系列だ けが送信されることとなり、対向装置が移動するなどして伝搬環境が変化した場合で も、伝送路推定誤りによる受信データ誤りを防止できる。
[0222] なお、既知系列のみの送信は、データ伝送再開の直前に限定されるものではなぐ 伝送再開データとは異なるリソースブロックで送信しても良い。
[0223] 例えば、図 17に示すように、リソースブロック RSB3のサブフレーム SFn—2におい て既知系列データ KD3のみをマッピングしたり、あるいはリソースブロック RSB4のサ ブフレーム SFn— 3にお!/、て既知系列データ KD4のみをマッピングしても良!、。
[0224] この場合も、対向装置が移動するなどして伝搬環境が変化した場合でも、伝送路推 定誤りによる受信データ誤りを防止できる。
[0225] また、別な例としては、図 18に示すように、伝送再開データが、リソースブロック RS B2のサブフレーム SFn—lにおいて、送信データ SD2、既知系列データ KD2およ び伝送用制御データ DD2としてマッピングされて 、るとした場合、リソースブロック RS B3のサブフレーム SFn— 1において既知系列データ KD3のみをマッピングして伝送 再開データと同時に送信しても良いし、リソースブロック RSB2のサブフレーム SFnに 既知系列データ KD4のみをマッピングして、伝送再開データよりも後に送信するよう にしても良い。
[0226] この場合も、対向装置が移動するなどして伝搬環境が変化した場合でも、伝送路推 定誤りによる受信データ誤りを防止できる。
[0227] ここで、図 19 (a)、 (b)、 (c)に位相推定の原理についての概念を示す。
[0228] 図 19 (a)は、時間 tlにおける受信側の無線通信装置での受信既知系列の位置を ポイント P1としてプロットしている力 これは最初の送信であるので、期待している既 知系列の位置 (期待位置)と同じ位置である。
[0229] 図 19 (c)は、最初の送信力も暫く時間が経過した後の時間 t3において、送信が再 開された場合の受信既知系列の位置をポイント P3としてプロットしている。このとき、
期待している既知系列の位置 (期待位置)は、ポイント P1に相当する位置である。
[0230] そして、図 19 (b)に示すように、時間 tlおよび時間 t3における受信既知系列の位 置 P1および P3に基づいた線形補間(内挿)から、時間 t2における既知系列の位置( ポイント P2)予測を行!、、その変化分 (t2と tlにおける位相変化量)の逆関数を乗じ ることで通常送信データの位相を正しく求めることができる。
[0231] 従って、図 20 (a)、 (b)、 (c)に示すように外揷を行うことで、時間 t4における既知系 列予測が可能であることが容易に類推される。
[0232] すなわち、図 20 (a)は、時間 tlにおける受信側の無線通信装置での受信既知系 列の位置をポイント P1としてプロットした図であり、図 20 (b)は、最初の送信から暫く 時間が経過した後の時間 t3にお 、て、送信が再開された場合の受信既知系列の位 置をポイント P3としてプロットした図である。
[0233] そして、図 20 (c)に示すように、時間 tlおよび時間 t3における受信既知系列の位 置 P1および P3に基づ 、た線形補間(外挿)から、時間 t4における既知系列の位置( ポイント P4)予測を行い、その変化分 (t4と tlあるいは、 t4と t3の位相変化量)の逆 関数を乗じることで通常送信データの位相を正しく求めることができる。
[0234] なお、上記においては、線形補間により予測する例を示した力 一般に知られてい る次元の高い関数による予測を使用すれば、さらに予測精度を向上させることができ る。
[0235] また、予測に際しては、同一周波数ではないリソースブロックに既知系列が配置さ れている場合には、時間方向の推定だけでなぐ周波数方向にも時間と同様な推定 を独立に行うことが望ましい。この予測の概念を図 21に示す。
[0236] 図 21は、リソースブロック RSB2のサブフレーム SFnにおいて、伝送再開データとし て、送信データ SD2、既知系列データ KD2および伝送用制御データ DD2がマツピ ングされているが、リソースブロック RSB1および RSB4のサブフレー SF3において、 それぞれ既知系列データ KDxおよび KDyがマッピングされている。また、リソースブ ロック RSB1および RSB4のサブフレー SFn—2においては、それぞれ既知系列デ ータ KDwおよび KDzがマッピングされて!/、る。
[0237] 従って、伝送再開データとは異なるリソースブロックに既知系列が配置されているこ
とになるが、この場合には、既知系列データ KDxおよび KDyを用いて周波数方向の 推定を行 、、リソースブロック RSB2上に推定既知系列データ KDpをマッピングし、 既知系列データ KDwおよび KDzを用いて周波数方向の推定を行 、、リソースブロッ ク RSB2上に推定既知系列データ KDqをマッピングする。そして、推定既知系列デ ータ KDpあるいは KDqを用いて時間方向の推定を行う。
[0238] また、伝送路推定するための通常送信データを送信しているリソースから時間的、 周波数的に遠いものよりも、近いところに既知系列を送信する方が伝送路推定の精 度が向上する。
[0239] 従って、時間的、周波数的に遠近様々な既知系列を用いて位相推定するときには 遠いものには小さな重み付け係数を乗算し、近いものには大きな重み付け係数を乗 算することで伝送路推定精度を向上させることができる。また、複数回連続して既知 系列を送信することも有効である。
[0240] (C- 5.送信データ量決定部の第 1の動作例)
次に、送信データ量決定部 601の第 1の動作例について、図 22および図 23を用 いて説明する。
[0241] 図 22は受信側の装置と送信側の装置とのメッセージフローおよびメッセージ内容を 決めるための判定処理 laと、解析処理 lbとを模式的に示す図である。
[0242] 例えば、伝搬路品質情報 (例えば、送信ダイバーシチゃ MIMOを行うための各ァ ンテナでの受信伝送路推定データ、あるいは、パイロット等の既知系列信号を用いた SINRや CINR、あるいは、受信可能なバッファ量も含めた実質的な品質マージンデ ータ (CQI) )を送信させる場合等、受信側の装置力も何らかのデータを受信した 、場 合には、まず、送信側の装置において判定処理 laを行う。図 23には、判定処理 la のフローチャートを示す。
[0243] 図 23に示すように、送信側の装置において判定処理を開始すると、まず、送信時 間間隔測定部 6011にお 、て、前回の送信との時間間隔を測定する (ステップ S1)。
[0244] そして、送信データマッピング部 6014にお 、て、当該測定値力 予め定めたしき ヽ 値以上であるか否かの判定を行 ヽ (ステップ S2)、上記測定値がしき 、値以上であつ て、対向装置が複数あり送信周波数や送信タイミングで一意に対向装置が規定でき
ない場合は、対向装置の識別情報と既知系列の送信とを合わせたデータ伝送予約 5
00を、受信側の装置に送付する (ステップ S3)。
[0245] なお、ステップ S2にお 、て、上記測定値がしき 、値より小さ!/、場合は既知系列のデ ータ送信は不要となる (ステップ S4)。
[0246] ここで、データ伝送予約 500には、既知系列を送信するための使用リソース情報、 例えば、周波数リソースブロック番号、送信タイミング (前回送信力 数えてサブフレ ーム幾つ後の送信であるかの情報)が判別できる情報が含まれる。
[0247] なお、移動機の識別情報は、予め不揮発性メモリに保有している、あるいは、デー タ通信開始前に上位装置より割り付けられて、所定のメモリに保有する構成としても 良い。
[0248] データ伝送予約 500を受けた受信側の装置は、図 22に示すように応答信号 501を 送信する。それを受けた送信側の装置は、解析処理 lbにより応答信号 501を解析し て受信 OKの状態であれば判定処理 laの結果に基づき既知系列 502を送信すると ともに送信データ 503を送信する。
[0249] 受信側の装置では、送信データ 503を受信できた場合には、正常受信完了信号 5 04を送信する。
[0250] 上述したように、受信側の装置力も応答信号 501を送るように構成した場合は、送 信側の装置にとっては、データ伝送予約 500が受信されたかどうかを正確に把握で きと言う点で有効であるが、一方、送信側の装置からは、正常受信時には正常受信 完了信号 504が送られるので、応答信号 501を省略しても正常受信完了信号 504で 代替できるので、応答信号 501の送信を省略して、より簡易なシステムとすることも可 能である。
[0251] 以上説明した第 1の動作を採用することで、既知系列送信の要否を的確に判断す ることがでさる。
[0252] (C- 5- 1.変形例 1)
次に、送信データ量決定部 601の第 1の動作例の変形例 1について、図 24に示す フローチャートを用いて説明する。
[0253] サブフレームのサイズや、リソースブロック内のサブキャリア数によっては、所定の S
NR (Signal to Noise Ratio)あるいは、 SINRを確保するために、 1つのサブフレーム に既知系列が与えられるだけでは受信側の装置が同期を十分に確立できない可能 性があるので、しきい値を複数設けて、前回の送信との時間間隔の大小によって既 知系列の送信回数を変更することも有効である。
[0254] すなわち、図 24に示すように、送信側の装置において判定処理を開始すると、まず 、送信時間間隔測定部 6011において、前回の送信との時間間隔を測定する (ステツ プ Sl l)。
[0255] そして、送信データマッピング部 6014において、当該測定値力 予め定めたしきい 値 1以上であるか否かの判定を行 ヽ (ステップ S12)、上記測定値がしき 、値 1以上で ある場合は、既知系列の 2回送信と合わせてデータ伝送予約 500を受信側の装置に 送付する (ステップ S 13)。
[0256] なお、ステップ S12において、上記測定値がしきい値 1より小さい場合は、上記測定 値力 予め定めたしきい値 2以上である力否かの判定を行い (ステップ S 14)、上記測 定値がしき!/、値 2以上である場合は、既知系列の送信と合わせてデータ伝送予約 50 0を受信側の装置に送付する (ステップ S15)。
[0257] なお、ステップ S14において、上記測定値がしきい値 2より小さい場合はデータ伝 送予約 500を受信側の装置に送付する。
[0258] ここで、しきい値 1はしきい値 2よりも大きな値であり、前回の送信との時間間隔が、 より大きい場合には既知系列を 2回送信させることで、受信側の装置が同期を十分に 確立できるようにしている。
[0259] (C- 5- 2.変形例 2)
次に、送信データ量決定部 601の第 1の動作例の変形例 2について、図 25に示す フローチャートを用いて説明する。
[0260] 受信側の装置の無線送信可能帯域幅が小さい場合には、リソースブロックを変更し ながら受信するために、受信側の装置の周波数設定部 (シンセサイザ)を変更する必 要がある。この場合、実質的なデータを受信するリソースブロックと既知系列を受信す るリソースブロックを同じにする必要がある。
[0261] しかし、受信側の装置の無線送信可能帯域幅が十分に広い場合には、 IFFT前の
サブキャリアマッピングで特定のリソースブロックに集中させるだけであるので、周波 数設定部の変更は不要となり、実質的なデータを受信するリソースブロックと既知系 列を受信するリソースブロックとが異なって 、ても良 、。
[0262] このような場合、送信側の装置においては、図 25に示すように、まず、データを送 信するタイミング、および、その前の送信タイミングにおけるサブフレームが使用する 予定のメモリを検索して空きリソースブロックを調べる(ステップ S21)。
[0263] その後、送信側の装置のケーパビリティ(通信能力)につ 、ての情報を格納して ヽ るメモリを検索して、送信側の装置の無線送信可能帯域幅を調べる (ステップ S22)。
[0264] 続、て、送信時間間隔測定部 6011にお 、て、前回の送信との時間間隔を測定す る(ステップ S 23)。
[0265] そして、送信データマッピング部 6014において、当該測定値力 予め定めたしきい 値以上であるか否かの判定を行 ヽ (ステップ S24)、上記測定値がしき 、値以上であ る場合は、ステップ S21において調べたリソースブロックの空き情報を参照して、連続 して同一リソースブロックを確保可能か (すなわち、同一リソースブロックで実質的な 送信データと既知系列とを送信可能か)否かの判定を行う (ステップ S25)。
[0266] そして、連続して同一リソースブロックを確保可能と判定された場合は、既知系列の 送信と合わせてデータ伝送予約 500を、受信側の装置に送付する (ステップ S26)。 この場合、送信側の装置からは、既知系列と実質的な送信データとが同じリソースブ ロックで送信されること〖こなる。
[0267] なお、ステップ S24にお 、て、上記測定値がしき 、値より小さ!/、場合はデータ伝送 約 500を、受信側の装置に送付する (ステップ S29)。
[0268] また、ステップ S25において、連続して同一リソースブロックを確保不可能と判定さ れた場合は、ステップ S27において、送信側の装置の送信可能帯域と、受信側の装 置のレンジ、すなわち、データ送信時空き周波数と既知系列送信時空き周波数との 比較を行 、、受信側の装置のレンジが送信側の装置の送信可能帯域以上と判定さ れた場合は、既知系列の送信と合わせてデータ伝送予約 500を、受信側の装置に 送付する (ステップ S28)。この場合、送信側の装置からは、既知系列と実質的な送 信データとが異なるリソースブロックで送信されることになる。
[0269] なお、ステップ S27にお 、て、受信側の装置のレンジが送信側の装置の送信可能 帯域より小さいと判定された場合は、次の送信タイミングまで待機するものとし、次の 送信タイミングが訪れた場合はステップ S21以下の処理を繰り返す。
[0270] ここで、例えば、データ送信時空き周波数が 1番目のリソースブロックに相当する周 波数であり、既知系列送信時空き周波数が 4番目のリソースブロックに相当する周波 数であるとすると、ステップ S27で説明したレンジは、 1番目のリソースブロック、 2番目 のリソースブロック、 3番目のリソースブロックおよび 4番目のリソースブロックの周波数 を足し合わせた周波数幅となる関数である。
[0271] (C- 6.送信データ量決定部の第 2の動作例)
次に、送信データ量決定部 601の第 2の動作例について、図 26および図 27を用 いて説明する。
[0272] 図 26は受信側の装置と送信側の装置とのメッセージフローおよびメッセージ内容を 決めるための判定処理 laと、解析処理 2bとを模式的に示す図である。
[0273] 図 22を用いて説明した第 1の動作例と比較して、受信側の装置で判定処理を行う 点が異なっている。
[0274] 例えば、送信側の装置力 何らかのデータを送信した 、場合には、まず、送信側の 装置力も送信要求メッセージ 505を送信する。
[0275] そして、送信要求メッセージ 505を受けた受信側の装置では判定処理 laを行う。こ の判定処理 laは、受信側の装置での受信履歴に基づいて行うものである力 基本的 には、図 23〜図 25を用 、て説明した送信側の装置での送信履歴に基づ 、て行う判 定処理 laと同じである。
[0276] 判定処理 laの結果、前回送信との時間間隔がしきい値以上の場合には、既知系 列の送信指示およびデータ伝送予約 506を送信側の装置に送信する。なお、送信 側の装置が複数あり送信周波数や送信タイミングで一意に規定できない場合は送信 側の装置の識別情報も合わせて送信する。
[0277] データ伝送予約 506を受けた送信側の装置は、解析処理 2bによりデータ伝送予約
506を解析して、所定のリソースブロック番号、送信タイミングで既知系列 507を送信 するとともに、送信データ 508を送信する。
[0278] 一方、受信側の装置では、送信データ 508を受信できた場合は正常受信完了信号 509を送信する。
[0279] なお、既知系列 507を送信する場合、既知系列 507ある ヽは送信データ 508の送 信電力を増加させると効果的である。また、この場合、送信電力を前回の送信との時 間間隔が大きいときには送信電力さらに増加させると有効である。
[0280] (C- 7.効果)
以上説明したように、実施の形態 3に係る無線通信装置によれば、対向する無線通 信装置に対して暫く間送信を行って 、な 、状況から送信を再開する場合に、既知系 列ビットを送信することにより、受信側の装置は安定した受信特性で受信することが でき、受信特性の安定ィ匕と、実質的な送信データの伝送速度の向上を両立すること ができる。
[0281] この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において、例示で あって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例 力 この発明の範囲力 外れることなく想定され得るものと解される。