明 細 書
画像形成装置
技術分野
[0001] 本発明は、複写機やプリンタ一等に用いられる画像形成装置に関する。
背景技術
[0002] 近年、電子写真複写機等の画像形成装置の用途は拡大しており、画像品質への 巿場の要望は一段と高い水準を求めるものになってきている。特に、事務用の書類 等においても、入力における写像技術、潜像形成技術の発展に加え、出力時におい ても、文字の象形の種類はより豊富に、より微細化されており、またプレゼンテーショ ンソフトウェアの普及と発達により、印刷画像に欠陥や不鮮明さの少ない、極めて高 画質な潜像の再現性が求められている。特に、画像形成装置を構成する潜像担持 体上の静電潜像が 100 m以下(凡そ 300dpi以上)の線画像の場合に用いる現像 剤としては、従来の粒径の大きなトナーでは、細線再現性が一般に悪ぐ線画像の鮮 明さが 、まだに充分とはいえな 、ものとなつて 、る。
[0003] 特に、デジタルな画像信号を使用している電子写真プリンターの如き画像形成装 置では、潜像は一定単位のドット単位が集まって形成されており、ベタ部、ハーフトー ン部及びライト部はドット密度をかえることによって表現されている。ところが、ドット単 位に忠実にトナー母粒子が配置されず、ドット単位の位置力も実際に定置されたトナ 一の位置に不整合が生じると、デジタル潜像の黒部と白部のドット密度の比に対応 するトナー画像の階調性が得られないという問題点がある。更に、画質を向上させる ために、ドットサイズを小さくして解像度を向上させる場合には、微小ドットから形成さ れる潜像の再現性が更に困難になり、解像度の高い階調性の悪い、シャープネスに 欠けた画像になる傾向が否めない。
[0004] そこで、現像剤の粒度分布を規制して、微小ドットの再現性を良くし画質の向上を 意図したものが提案されている。特許文献 1では、平均粒径が 6〜8 /ζ πιであるトナー が提案され、粒径を細カゝくすることで微小ドットの潜像を再現性よく形成しょうとするこ とが試みられた。また、特許文献 2では、重量平均粒径 4〜8 mのトナーであって、
更に 5 μ m以下の粒径を有するトナー母粒子が 17〜60個数%含有されるトナー母 粒子が開示されている。また、特許文献 3には、粒径が 5 m以下の粒径を有する磁 性トナー母粒子が 17〜60個数%含有される磁性トナーが開示されている。特許文 献 4には、トナーの粒度分布において、 2. 0〜4. 0 mの粒径のトナー母粒子の含 有率が 15〜40個数%であるトナー母粒子が開示されている。更に、特許文献 5には 5 m以下の粒子が約 15〜65個数%であるトナーが記載されている。更に、特許文 献 6及び特許文献 7にも同様のトナーが開示されている。更に、特許文献 8には 5 m以下の粒径を有するトナー母粒子が 17〜60個数%含有され、 8〜12. の粒 径を有するトナー母粒子が 1〜30個数%含有され、 16 m以上の粒径を有するトナ 一母粒子が 2. 0体積%以下含有され、体積平均粒径が 4〜10 μ mであり、 5 m以 下のトナーにお 1、て特定の粒度分布を有するトナーが記載されて ヽる。
[0005] し力し、これらのトナーは何れも 3. 56 μ m以下の粒子の個数%が、本発明の式(1 )の右辺の上限を越えて多量に含むものであり、その意味するところは、粒径と微粉 の相対的な関係において、所定の粒径を有するトナーに対して微粉の割合が比較 的多量に残存するトナーであるということである。このようなトナーでは、依然微粉の 割合が多いため、特に非磁性一成分現像法のように摩擦の一瞬で帯電するような、 帯電立ち上がりの早いトナーが求められる現像方法では、十分に帯電しない粒子が 発生するため、現像ローラー力ものトナー落ちやトナー吹き出し、現像ローラー 2周目 以降に 1周目の印字履歴を拾って選択的に画像濃度が上下する残像 (ゴースト)、ド ラムクリーニング不良や、現像ローラー上でのトナーの層形成不良によるプリント画像 の汚染が発生する等の課題が残って 、た。
[0006] また、近年は画像品質への市場の要望と供に、高寿命化'高速印刷が求められて いる。しかし、これら要求特性も従来のトナーでは十分満たされるものではな力つた。 従来のトナーのように微粉が多 、と、連続印字とともに微粉が部材を汚染してトナー への帯電付与能力等が低下し画像が乱れ、また高速印刷機に導入した場合は、トナ 一飛散が目立つという課題もあった。
[0007] 更にまた、粒径の小さいトナーとマッチングの良い電子写真感光体の調製も、重要 な課題の一つであった。
特許文献 1 :特開平 2— 284158号公報
特許文献 2:特開平 5 - 119530号公報
特許文献 3:特開平 1― 221755号公報
特許文献 4:特開平 6 - 289648号公報
特許文献 5:特開 2001— 134005号公報
特許文献 6:特開平 11 174731号公報
特許文献 7:特開平 11― 362389号公報
特許文献 8 :特開平 2— 000877号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0008] 本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、トナーの粒度分 布のムラに起因する画像白地部の汚れ、残像 (ゴースト)、カスレ(ベタ追従性)等を 抑制し、画質を改良でき、定着性が良ぐクリーニング性が良好で、カプリが小さぐド ット抜けが薄い濃度まで起こらず、細線再現性が良好で、高速印刷機を使用した場 合においても、長期使用時の汚れ等の問題を改良し、画像安定性に優れた画像形 成装置を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0009] 本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、トナー粒径に関し 特定の関係式を満たし、かつ、特定の電子写真感光体を使用した場合に上記課題 が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
[0010] すなわち、本発明は、少なくとも電子写真感光体及び静電荷像現像用トナーを備 えた画像形成装置であって、該電子写真感光体の感光層がポリアミド榭脂を含有し た下引き層を含有し、かつ、該静電荷像現像用トナーが、水系媒体中で形成したト ナー母粒子を含有する静電荷像現像用トナーであって、トナーの体積中位径 (Dv5 0)力 S4. O /z m以上 7. O /z m以下であり、し力も、体積中位径(Dv50)と粒径 2. 00 m以上 3. 56 μ m以下のトナーの個数% (Dns)の関係が下記式(1)を満たすことを 特徴とする、画像形成装置を提供する。
(1) Dns≤0. 233EXP (17. 3/Dv50)
[式(1)中、 Dv50はトナーの体積中位径 m)を示し、 Dnsは粒径 2. 00 m以上 3 . 56 μ m以下のトナーの個数0 /0を示す。 ]
[0011] また、本発明は、少なくとも電子写真感光体及び静電荷像現像用トナーを備えた画 像形成装置であって、該電子写真感光体の感光層が金属酸ィ匕物粒子を含有した下 引き層を含有し、かつ、該静電荷像現像用トナーが、水系媒体中で形成したトナー 母粒子を含有する静電荷像現像用トナーであって、トナーの体積中位径 (Dv50)が 4. 0 μ m以上 7. 0 μ m以下であり、し力も、体積中位径(Dv50)と粒径 2. 00 μ m以 上 3. 56 μ m以下のトナーの個数% (Dns)の関係が下記式(1)を満たすことを特徴 とする、画像形成装置を提供する。
( 1) Dns≤0. 233EXP ( 17. 3/Dv50)
[式(1)中、 Dv50はトナーの体積中位径 m)を示し、 Dnsは粒径 2. 00 m以上 3 . 56 μ m以下のトナーの個数0 /0を示す。 ]
[0012] また、本発明は、少なくとも電子写真感光体及び静電荷像現像用トナーを備えた画 像形成装置であって、該電子写真感光体の感光層が硬化系榭脂を含有した下引き 層を含有し、かつ、該静電荷像現像用トナーが、水系媒体中で形成したトナー母粒 子を含有する静電荷像現像用トナーであって、トナーの体積中位径 (Dv50)が 4. 0 μ m以上 7. 0 μ m以下であり、し力も、体積中位径(Dv50)と粒径 2. 00 μ m以上 3. 56 μ m以下のトナーの個数% (Dns)の関係が下記式(1)を満たすことを特徴とする 、画像形成装置を提供する。
( 1) Dns≤0. 233EXP ( 17. 3/Dv50)
[式(1)中、 Dv50はトナーの体積中位径 m)を示し、 Dnsは粒径 2. 00 m以上 3 . 56 μ m以下のトナーの個数0 /0を示す。 ]
[0013] また、本発明は、少なくとも電子写真感光体及び静電荷像現像用トナーを備えた画 像形成装置であって、該電子写真感光体が、下引き層を含有し、かつ、該下引き層 力 バインダー榭脂と屈折率 2. 0以下の金属酸化物粒子を含有し、該下引き層をメ タノールと 1 プロパノールとを 7: 3の重量比で混合した溶媒に分散した液中の金属 酸化物凝集体二次粒子の体積平均粒子径が 0. 1 m以下であって、し力も、累積 9 0%粒子径が 0. 3 m以下である電子写真感光体であって、かつ、該静電荷像現像
用トナーが、水系媒体中で形成したトナー母粒子を含有する静電荷像現像用トナー であって、トナーの体積中位径(Dv50)が 4. O /z m以上 7. O /z m以下であり、し力も 、体積中位径(Dv50)と粒径 2. OO /z m以上 3. 56 m以下のトナーの個数% (Dns )の関係が下記式 (1)を満たすことを特徴とする、画像形成装置を提供する。
(1) Dns≤0. 233EXP (17. 3/Dv50)
[式(1)中、 Dv50はトナーの体積中位径 m)を示し、 Dnsは粒径 2. 00 m以上 3 . 56 μ m以下のトナーの個数0 /0を示す。 ]
[0014] また、本発明は、少なくとも電子写真感光体及び静電荷像現像用トナーを備えた画 像形成装置であって、該電子写真感光体が、導電性支持体を有し、該導電性支持 体の表面粗さ Raが 0. 01 μ m〜0. 30 μ mであり、かつ、該静電荷像現像用トナーが 、水系媒体中で形成したトナー母粒子を含有する静電荷像現像用トナーであって、ト ナ一の体積中位径(Dv50)が 4. 以上 7. 以下であり、し力も、体積中位 径(Dv50)と粒径 2. 00 m以上 3. 56 m以下のトナーの個数0 /0 (Dns)の関係が 下記式 (1)を満たすことを特徴とする、画像形成装置を提供する。
(1) Dns≤0. 233EXP (17. 3/Dv50)
[式(1)中、 Dv50はトナーの体積中位径 m)を示し、 Dnsは粒径 2. 00 m以上 3 . 56 μ m以下のトナーの個数0 /0を示す。 ]
[0015] また、本発明は、少なくとも電子写真感光体及び静電荷像現像用トナーを備えた画 像形成装置であって、該電子写真感光体が、導電性支持体を有し、該導電性支持 体が、陽極酸化処理及び封孔処理を施されており、かつ、該静電荷像現像用トナー 力 水系媒体中で形成したトナー母粒子を含有する静電荷像現像用トナーであって 、トナーの体積中位径(Dv50)が 4. O /z m以上 7. 以下であり、し力も、体積中 位径(Dv50)と粒径 2. 00 m以上 3. 56 m以下のトナーの個数0 /0 (Dns)の関係 が下記式 (1)を満たすことを特徴とする、画像形成装置を提供する。
(1) Dns≤0. 233EXP (17. 3/Dv50)
[式(1)中、 Dv50はトナーの体積中位径 m)を示し、 Dnsは粒径 2. 00 m以上 3 . 56 μ m以下のトナーの個数0 /0を示す。 ]
発明の効果
[0016] 本発明によれば、特定の粒径分布を有する静電荷像現像用トナーと電子写真感光 体の特定の要件との組み合わせによって、画像白地部の汚れ、装置内の飛散、スジ 、残像 (ゴースト)、カスレ (ベタ追従性)等の発生を抑制し、また、定着性、タリーニン グ性等が良好で、長期使用時においても上記問題が発生しにくぐ画像安定性に優 れた画像形成装置を供給することができる。
[0017] また、近年開発がなされてきた高速印刷方法による画像形成時においても、トナー の粒径分布が狭ぐトナー粒径を小さくしても微粉が少ないため、トナー粉末の充填 率、即ち空間嵩密度が向上し、トナー母粒子同士の間隙に介在する空気含有率が 低減することとなるため、この空気による断熱効果が減少することにより、熱容量が向 上し、加熱による定着性が向上する。
[0018] また、電子写真感光体の特定の下引き層との相乗効果により、更に上記性能に優 れ、また、カプリが小さぐドット抜けが薄い濃度まで起こらず、細線再現性が良好な 画像形成装置を供給することができる。
図面の簡単な説明
[0019] [図 1]本発明の画像形成装置に用いられる非磁性一成分トナー現像装置の一例を示 す概略図である。
[図 2]本発明の画像形成装置の一例を示す要部構成の概略図である。
[図 3]トナー比較製造例 2のトナー(トナー K)の 1000倍の SEM写真である。
[図 4]トナー製造例 7のトナー(トナー H)の 1000倍の SEM写真である。
[図 5]トナー比較製造例 2のトナー(トナー K)の実写評価後のクリーニングブレード上 のトナーの付着状況を表わす 1000倍の SEM写真である。
符号の説明
[0020] 11 静電潜像担持体
12 トナー搬送部材
13 弾性ブレード (トナー層厚規制部材)
14 スポンジローラー(トナー補給補助部材)
15 撹拌羽根
17 卜ナーホッパー
1 感光体 (電子写真感光体)
2 帯電装置(帯電ローラ- - ;帯電部)
3 露光装置 (露光部)
4 現像装置 (現像部)
5 転写装置
6 クリーニング装置 (タリー 'ユング部)
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラー
44 現像ローラー
45 規制部材
71 上部定着部材 (加圧口 -ラー)
72 下部定着部材 (定着口 -ラー)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙 (用紙、媒体)
発明を実施するための最良の形態
[0021] 以下、本発明について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるもの ではなぐ任意に変形して実施することができる。
[0022] 本発明の画像形成装置に用いられる静電荷像現像用トナー (以下、「トナー」と略 記する場合がある。)を製造する方法は、トナー母粒子を水系媒体中で形成すれば 特に限定されるものではない。本発明の画像形成装置に用いられるトナーは以下に 説明する構成を有する。ただし、以下に記載する構成要件の説明は本発明の実施 形態の代表例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変形して実 施することができる。
[0023] <トナーの構成 >
本発明の画像形成装置に用いられるトナーを構成する結着榭脂としては、トナーに 用い得ることが知られているもののな力から適宜選択して用いればよい。例えば、ス チレン系榭脂、塩ィ匕ビュル系榭脂、ロジン変性マレイン酸榭脂、フエノール榭脂、ェ ポキシ榭脂、飽和又は不飽和ポリエステル榭脂、ポリエチレン系榭脂、ポリプロピレン 系榭脂、アイオノマー榭脂、ポリウレタン榭脂、シリコーン榭脂、ケトン樹脂、エチレン —アタリレート共重合体、キシレン榭脂、ポリビュルプチラール榭脂、スチレン一アタリ ル酸アルキル共重合体、スチレンーメタクリル酸アルキル共重合体、スチレン アタリ 口-トリル共重合体、スチレン ブタジエン共重合体、スチレン 無水マレイン酸共 重合体等を挙げることができる。これらの榭脂は単独で用いることも、いくつかを併用 することちでさる。
[0024] 本発明の画像形成装置に用いられるトナーを構成する着色剤としては、トナーに用 い得ることが知られているもののな力から適宜選択して用いればよい。例えば、以下 に示すイェロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料が挙げられ、黒色顔料としてはカー ボンブラック又は以下に示すイェロー顔料 Zマゼンタ顔料 Zシアン顔料を混合して 黒色に調色されたものが利用される。
[0025] このうち、黒色顔料としてカーボンブラックは、非常に微細な一次粒子の凝集体とし て存在し、顔料分散体として分散させたときに、再凝集による粒子の粗大化が発生し やすい。カーボンブラック粒子の再凝集の程度は、カーボンブラック中に含まれる不 純物量 (未分解有機物量の残留程度)の大小と相関が見られ、不純物が多いと分散 後の再凝集による粗大化が激しい傾向を示した。そして、不純物量の定量的な評価 として、以下の方法で測定されるカーボンブラックのトルエン抽出物の紫外線吸光度 が 0. 05以下であるのが好ましぐ 0. 03以下であるのがー層好ましい。一般に、チヤ ンネル法のカーボンブラックは不純物が多 、傾向を示すので、本発明におけるカー ボンブラックとしては、ファーネス法で製造されたものが好ま 、。
[0026] カーボンブラックの紫外線吸光度( λ c)は、次の方法で求める。まずカーボンブラッ ク 3gをトルエン 30mLに充分に分散、混合させて、続いてこの混合液を No. 5C濾紙 を使用して濾過する。その後、濾液を吸光部が lcm角の石英セルに入れて市販の 紫外線分光光度計を用いて波長 336nmの吸光度を測定した値( λ s)と、同じ方法
でリファレンスとしてトルエンのみの吸光度を測定した値 ( λ ο)から、紫外線吸光度は c = s- oで求める。市販の分光光度計としては、例えば島津製作所社製の紫 外可視分光光度計 (UV— 3100PC)等がある。
[0027] イェロー顔料としては、縮合ァゾ化合物,イソインドリノン化合物等に代表される化 合物力 S用!ヽられる。具体的に ίま、 C. I.ビグメントイエロー 12、 13、 14、 15、 17、 62、 74、 83、 93、 94、 95、 109、 110、 111、 128、 129、 147、 150、 155、 168、 180、 194等が好適に用いられる。
[0028] マゼンタ顔料としては、縮合ァゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノ ン、キナクリドンィ匕合物、塩基染料レーキゥ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダ ゾロン化合物、チォインジゴィ匕合物、ペリレンィ匕合物等が用いられる。具体的には、 C . I.ビグメントレッド 2、 3、 5、 6、 7、 23、 48 : 2、 48 : 3、 48 : 4、 57 : 1、 81 : 1、 122、 1 44、 146、 166、 169、 17. 3、 184、 185、 202、 206、 207、 209、 220、 221、 238 、 254、 C. I.ビグメントバイオレット 19等が好適に用いられる。中でも C. I.ビグメント レッド 122、 202、 207、 209、 C. I.ピグメントノィォレット 19等のキナクリドン系顔料 が特に好ましい。キナクリドン系顔料の中でも、 C. I.ビグメントレッド 122で示される 化合物であるの力 特に好ましい。
[0029] シアン顔料としては、銅フタロシア-ンィ匕合物及びその誘導体,アンスラキノンィ匕合 物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、 C. I.ビグメントブルー 1、 15、 15 : 1、 15 : 2、 15 : 3、 15 : 4、 60、 62、 66等、あるいは。. I.ビグメントグリーン 7 、 36等が特に好適に利用できる。
[0030] 水系媒体中でトナー母粒子を得る製造方法としては、懸濁重合法、乳化重合凝集 法等の水系媒体中でラジカル重合を行う方法 (以下、「重合法」と略記し、得られたト ナーを「重合トナー」と略記する)や、溶融懸濁法に代表される化学粉砕法等が好適 に使用できる。トナーの粒径を本発明の特定範囲にするトナー母粒子の製造方法と しては特に限定はされない。例えば、重合トナーの製造工程において、懸濁重合法 の場合は、重合性モノマー滴が生成される工程で高いせん断力を与えたり、分散安 定剤等を増量させたりする方法等が挙げられる。
[0031] 本発明の特定範囲の粒径を有するトナーを得る方法としては、上記した懸濁重合
法、乳化重合凝集法等の重合法や、溶融懸濁法に代表される化学粉砕法等、何れ の製造方法をも使用することができる。「懸濁重合法」や「溶融懸濁法に代表される化 学粉砕法」においては、何れも、トナー母粒子径より大きなサイズから小さなサイズへ 調整させるため、平均粒子径を小さくしょうとすると小粒子側の粒子径割合が増加す る傾向にあり、分級工程等において過度の負担が強いられる。これに対して、乳化重 合凝集法は、比較的粒子径分布がシャープで、かつ、トナー母粒子径より小さなサイ ズカゝら大きなサイズへ調整させるため、分級工程等の工程を介さずとも整った粒子径 分布をもつトナーが得られる。従って、以上の理由により、乳化重合凝集法により本 発明のトナーに含有されるトナー母粒子を製造することが特に好ましい。
[0032] 以下、その乳化重合凝集法により製造されるトナーについて更に詳細に説明する。
乳化重合凝集法によりトナーを製造する場合、通常、重合工程、混合工程、凝集ェ 程、熟成工程、洗浄 ·乾燥工程を有する。すなわち、一般的には乳化重合により得た 重合体一次粒子を含む分散液に、着色剤、帯電制御剤、ワックス等の分散液を混合 し、この分散液中の一次粒子を凝集させて芯粒子とし、必要に応じて榭脂微粒子等 を固着又は付着させた後に融着させて得られた粒子を洗浄、乾燥することによりトナ 一母粒子が得られる。
[0033] 乳化重合凝集法に用いられる重合体一次粒子を構成するバインダー榭脂は乳化 重合法により重合可能な 1種又は 2種以上の重合性モノマーを適宜用いればよい。 重合性モノマーとしては、例えば、「酸性基を有する重合性モノマー」(以下、単に「 酸性モノマー」と称すことがある)、「塩基性基を有する重合性モノマー」(以下、単に「 塩基性モノマー」等の「極性基を有する重合性モノマー」(以下、単に「極性モノマー」 と称すことがある)と称することがある)と、「酸性基及び塩基性基の何れをも有さない 重合性モノマー」(以下、「その他のモノマー」と称することがある)とを原料重合性モノ マーとして使用することが好ましい。この際、各重合性モノマーは別々に加えても、予 め複数の重合性モノマーを混合しておいて同時に添加してもよい。更に、重合性モノ マー添加途中で重合性モノマー組成を変化させることも可能である。また、重合性モ ノマ一はそのまま添加してもよいし、予め水や乳化剤等と混合、調製した乳化液とし て添カロすることもできる。
[0034] 「酸性モノマー」としては、アクリル酸、メタクリル酸、ィタコン酸、マレイン酸、フマル 酸、ケィ皮酸等のカルボキシル基を有する重合性モノマー;スルホン化スチレン等の スルホン酸基を有する重合性モノマー;ビュルベンゼンスルホンアミド等のスルホンァ ミド基を有する重合性モノマー等が挙げられる。また、「塩基性モノマー」としては、ァ ミノスチレン等のアミノ基を有する芳香族ビ-ルイ匕合物、ビニルピリジン、ビニルピロリ ドン等の窒素含有複素環含有重合性モノマー等が挙げられる。
[0035] これら極性モノマーは、単独で用いても複数を混合して用いてもよぐまた、対ィォ ンを伴って塩として存在していてもよい。中でも、酸性モノマーを用いるのが好ましぐ より好ましくは、(メタ)アクリル酸である。重合体一次粒子としてのバインダー榭脂を 構成する全重合性モノマー 100質量%中に占める極性モノマーの合計量の割合は 、好ましくは 0. 05質量%以上、より好ましくは 0. 3質量%以上、特に好ましくは 0. 5 質量%以上、更に好ましくは 1質量%以上である。上限は、好ましくは 10質量%以下 、より好ましくは 5質量%以下、特に好ましくは 2質量%以下であることが望ましい。上 記範囲である場合、得られる重合体一次粒子の分散安定性が向上し、凝集工程に ぉ ヽて粒子形状や粒子径の調整を行!ヽやすくなる。
[0036] 「その他のモノマー」としては、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロス チレン、 p—tert—ブチルスチレン、 p—n—ブチルスチレン、 p—n—ノニノレスチレン 等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸ェチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸 n—ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヒドロキシェチル、アクリル酸ェチルへ キシル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸ェチル、メタクリル 酸プロピル、メタクリル酸 n—ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ヒドロキシェ チル、メタクリル酸ェチルへキシル等のメタクリル酸エステル類;アクリルアミド、 N—プ 口ピルアクリルアミド、 N, N—ジメチルアクリルアミド、 N, N—ジプロピルアクリルアミド 、 N, N—ジブチルアクリルアミド、アクリル酸アミド等が挙げられる。重合性モノマー は、単独で用いてもよぐまた複数を組み合わせて用いてもよい。
[0037] 本発明においては、上述した重合性モノマー等を組み合わせて用いる力 中でも、 好ま 、実施態様としては、酸性モノマーとその他のモノマーを組み合わせて用いる のがよい。より好適には、酸性モノマーとして (メタ)アクリル酸を用い、その他のモノマ
一としてスチレン類、(メタ)アクリル酸エステル類の中カゝら選択される重合性モノマー を用いるのがよぐ更に好適には酸性モノマーとして (メタ)アクリル酸を用い、その他 のモノマーとしてスチレンと(メタ)アクリル酸エステル類との組み合わせを用いるのが よぐ特に好適には酸性モノマーとして (メタ)アクリル酸を用い、その他のモノマーとし てスチレンとアクリル酸 n—ブチルとの組み合わせで用いるのがよ 、。
[0038] 更に、重合体一次粒子を構成するバインダー榭脂として架橋榭脂を用いることも好 ましい。その場合、上述の重合性モノマーと共用される架橋剤としてラジカル重合性 を有する多官能性モノマーが用いられる。多官能性モノマーとしては、例えば、ジビ -ルベンゼン、へキサンジオールジアタリレート、エチレングリコールジメタタリレート、 ジエチレングリコールジメタタリレート、ジエチレングリコールジアタリレート、トリエチレ ングリコールジアタリレート、ネオペンチルグリコールジメタタリレート、ネオペンチルグ リコールアタリレート、ジァリルフタレート等が挙げられる。また、架橋剤として反応性 基をペンダントグループに有する重合性モノマー、例えばグリシジルメタタリレート、メ チロールアクリルアミド、ァクロレイン等を用いることも可能である。中でもラジカル重 合性の 2官能性モノマーが好ましぐジビュルベンゼン、へキサンジオールジアタリレ ートが特に好ましい。
[0039] これら多官能性モノマー等の架橋剤は、単独で用いても複数を混合して用いてもよ い。重合体一次粒子を構成するバインダー榭脂として架橋榭脂を用いる場合は、榭 脂を構成する全重合性モノマー中に占める多官能性モノマー等の架橋剤の配合率 は、好ましくは 0. 005質量%以上、より好ましくは 0. 1質量%以上であり、更に好まし くは 0. 3質量%以上であり、好ましくは 5質量%以下、より好ましくは 3質量%以下、 更に好ましくは 1質量%以下であることが望ましい。
[0040] 乳化重合に用いる乳化剤としては公知のものが使用できる力 カチオン性界面活 性剤、ァ-オン性界面活性剤、ノ-オン性界面活性剤の中から選ばれる 1種又は 2 種以上の乳化剤を併用して用いることができる。
[0041] カチオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルアンモニゥムクロライド、ドデシル アンモ-ゥムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモ -ゥムブロマイド、ドデシルピリジ- ゥムクロライド、ドデシルピリジニゥムブロマイド、へキサデシルトリメチルアンモニゥム
ブロマイド等が挙げられる。
[0042] ァニオン性界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウ ム等の脂肪酸石けん、硫酸ドデシルナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ ム、ラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
[0043] ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリ ォキシエチレンへキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル
、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノォレアート エーテル、モノデカノィルショ糖等が挙げられる。
[0044] 乳化剤の使用量は、通常、重合性単量体 100重量部に対して 1〜: LO重量部とされ る。また、これらの乳化剤に、例えば、部分又は完全ケンィ匕ポリビュルアルコール等 のポリビュルアルコール類、ヒドロキシェチルセルロース等のセルロース誘導体類等 の 1種又は 2種以上を保護コロイドとして併用することができる。
[0045] 乳化重合に用いる重合開始剤としては、例えば、過酸化水素;過硫酸カリウム等の 過硫酸塩類;ベンゾィルパーォキシド、ラウロイルバーオキシド等の有機過酸ィ匕物類 ; 2, 2,一ァゾビスイソブチロニトリル、 2, 2,一ァゾビス(2, 4—ジメチルバレロニトリル )等のァゾ系化合物類;レドックス系開始剤等が用いられる。それらは 1種又は 2種以 上力 通常、重合性単量体 100重量部に対して 0. 1〜3重量部程度の量で用いられ る。中でも、開始剤としては少なくとも一部又は全部が過酸ィ匕水素又は有機過酸ィ匕 物類であるのが好ましい。
[0046] 前記重合開始剤は、何れも重合性モノマー添加前、添加と同時、添加後の何れの 時期に重合系に添加してもよぐ必要に応じてこれらの添加方法を組み合わせてもよ い。
[0047] 乳化重合に際しては、必要に応じて公知の連鎖移動剤を使用することもできるが、 その様な連鎖移動剤の具体的な例としては、 tードデシルメルカブタン、 2—メルカプ トエタノール、ジイソプロピルキサントゲン、四塩化炭素、トリクロロブロモメタン等が挙 げられる。連鎖移動剤は単独又は 2種類以上の併用でもよぐ全重合性モノマーに 対して通常 5質量%以下の範囲で用いられる。また、反応系には、更に、 pH調整剤 、重合度調節剤、消泡剤等を適宜配合することができる。
[0048] 乳化重合は、上記の重合性モノマーを重合開始剤の存在下で重合する力 重合 温度は、通常 50〜120°C、好ましくは 60〜100°C、更に好ましくは 70〜90°Cである
[0049] 乳化重合により得られた重合体一次粒子の体積平均径 (Mv)は、通常 0. 02 m 以上、好ましくは 0. 05 μ m以上、更に好ましくは 0. 1 μ m以上であり、通常 3 μ m以 下、好ましくは 2 μ m以下、更に好ましくは 1 μ m以下であることが望ましい。粒径が前 記範囲未満では、凝集速度の制御が困難となる場合があり、前記範囲超過では、凝 集して得られるトナーの粒径が大きくなりやすぐ目的とする粒径のトナーを得ること が困難となる場合がある。
[0050] 本発明における重合体一次粒子としてのバインダー榭脂の DSC (示差走査熱量測 定)法による Tg (ガラス転移温度)は、好ましくは 40〜80°Cであり、より好ましくは 55 〜65°Cである。この範囲内であれば、保存性がよぐ加えて凝集性も損なわれない。 Tgが高すぎる場合は、凝集性が悪ぐ凝集剤を過度に添加したり、凝集温度を過度 に高くしたりしなくてはならず、その結果微粉が発生しやすくなる場合がある。ここで、 バインダー榭脂の Tgが他の成分に基づく熱量変化、例えばポリラタトンやワックスの 融解ピークと重なるために明確に判断できな 、場合には、このような他の成分を除 ヽ た状態でトナーを作製した際の Tgを意味するものとする。
[0051] 本発明において、重合体一次粒子を構成するバインダー榭脂の酸価は、 JISK—0 070の方法によって測定した値として、好ましくは 3〜50mgKOHZg、より好ましくは 5〜30mgKOH/gである。
[0052] 本発明において使用する「重合体一次粒子の分散液」中の重合体一次粒子の固 形分濃度は、その下限値は 14質量%以上であることが好ましぐ 21質量%以上であ ることが更に好ましい。一方、その上限値は 30質量%以下が好ましぐ 25質量%以 下であることがより好ましい。上記範囲内であるとき、凝集工程において経験則的に 重合体一次粒子の凝集速度を調整しやすぐ結果として芯粒子の粒子径、粒子形状 、粒径分布を任意の範囲に調整することが容易となる。
[0053] 本発明にお 、ては、乳化重合により得た重合体一次粒子を含む分散液に、着色剤 、帯電制御剤、ワックス等の分散液を混合し、この分散液中の一次粒子を凝集させて
芯粒子とし、榭脂微粒子等を固着又は付着させた後に融着させて得られた粒子を洗 浄、乾燥することによりトナー母粒子が得ることが好ましい。
[0054] 榭脂微粒子は、上記重合体一次粒子と同様の方法で製造してもよぐその構成は 特に限定されな ヽが、榭脂微粒子としてのバインダー榭脂を構成する全重合性モノ マー 100質量%中に占める極性モノマーの合計量の割合は、好ましくは 0. 05質量 %以上、より好ましくは 0. 1質量%以上、更に好ましくは 0. 2質量%以上である。上 限は、好ましくは 3質量%以下、より好ましくは 1. 5質量%以下であることが望ましい。 上記範囲である場合、得られる榭脂微粒子の分散安定性が向上し、凝集工程にお V、て粒子形状や粒子径の調整を行!、やすくなる。
[0055] また、榭脂微粒子としてのバインダー榭脂を構成する全重合性モノマー 100質量 %中に占める極性モノマーの合計量の割合力 重合体一次粒子としてのバインダー 榭脂を構成する全重合性モノマー 100質量%中に占める極性モノマーの合計量の 割合よりも小さ!ヽ方が、凝集工程にお!ヽて粒子形状や粒子径の調整を行!ヽやすくな り、微粉の発生が抑制でき、帯電特性に優れたものとなる点で好ましい。
[0056] また、榭脂微粒子としてのバインダー榭脂の Tgが、重合体一次粒子としてのバイン ダー榭脂の Tgよりも高い方が、保存安定性等の点から好ましい。
[0057] 着色剤としては、通常用いられる着色剤であればよぐ特に限定はされない。例え ば、前述した顔料;ファーネスブラックやランプブラック等のカーボンブラック;磁性着 色剤等が挙げられる。前記着色剤の含有割合は、得られるトナーが現像により可視 像を形成するのに十分な量であればよぐ例えば、トナー中に 1〜25重量部の範囲 が好ましぐ更に好ましくは 1〜15重量部、特に好ましくは 3〜 12重量部である。
[0058] 前記着色剤は磁性を有していてもよぐ磁性着色剤としては、プリンター、複写機等 の使用環境温度である 0〜60°C付近においてフェリ磁性又はフエ口磁性を示す強磁 性物質、具体的には、例えば、マグネタイト (Fe O )、マグへマタイト(γ— Fe O ) ,
3 4 2 3 マグネタイトとマグへマタイトの中間物や混合物; M Fe O (式中、 Mは、 Mg、 Mn x 3-x 4
、 Feゝ Co、 Niゝ Cuゝ Zn、 Cd等)のスピネルフェライト; BaO' 6Fe O 、 SrO - 6Fe O
2 3 2 3 等の 6方晶フェライト; Y Fe O 、 Sm Fe O 等のガーネット型酸化物; CrO等のル
3 5 12 3 5 12 2 チル型酸化物;及び、 Cr、 Mn、 Fe、 Co、 Ni等の金属又はそれらの強磁性合金等の
うち 0〜60°C付近において磁性を示すものが挙げられる。中でも、マグネタイト、マグ へマタイト、又はマグネタイトとマグへマタイトの中間体が好ましい。
[0059] 非磁性トナーとしての特性を持たせつつ、飛散防止や帯電制御等の観点で含有す る場合は、トナー中の前記磁性粉の含有量は、 0. 2〜10質量%、好ましくは 0. 5〜 8質量%、より好ましくは 1〜5質量%である。また、磁性トナーとして使用する場合は 、トナー中の前記磁性粉の含有量は、通常 15質量%以上、好ましくは 20質量%以 上であり、通常 70質量%以下、好ましくは 60質量%以下であることが望ましい。磁性 粉の含有量が前記範囲未満であると、磁性トナーとして必要な磁力が得られない場 合があり、前記範囲超過では、定着性不良の原因となる場合がある。
[0060] 乳化重合凝集法における着色剤の配合方法としては、通常、重合体一次粒子分散 液と着色剤分散液とを混合して混合分散液とした後、これを凝集させて粒子凝集体と する。着色剤は、乳化剤の存在下で水中にサンドミル、ビーズミル等の機械的手段に より乳化させた状態で用いるのが好ましい。この際、着色剤分散液は、水 100重量部 に対して、着色剤を 10〜30重量部、乳化剤を 1〜15重量部含有するのがよい。な お、分散液中の着色剤の粒径を分散途中でモニターしながら行い、最終的にその体 積平均径(Mv)を 0. 01〜3 111、ょり好ましく【ま0. 05〜0. 5 mの範囲に帘1』御する のがよい。乳化凝集時における着色剤分散液の配合は、凝集後のでき上がりのトナ 一母粒子中に 2〜: LO質量%となるように計算して用いられる。
[0061] 本発明の画像形成装置に用いられるトナーには、離型性付与のためワックスを配 合することが好ましい。ワックスは重合体一次粒子に含有させても、榭脂微粒子に含 有させてもよい。ワックスとしては、離型性を有するものであればいかなるものも使用 可能であり、特に限定はされない。具体的には、低分子量ポリエチレン、低分子量ポ リプロピレン、共重合ポリエチレン等のォレフィン系ワックス;パラフィンワックス;ベヘン 酸べへニル、モンタン酸エステル、ステアリン酸ステアリル等の長鎖脂肪族基を有す るエステル系ワックス;水添ひまし油、カルナバワックス等の植物系ワックス;ジステアリ ルケトン等の長鎖アルキル基を有するケトン;アルキル基を有するシリコーン;ステアリ ン酸等の高級脂肪酸;エイコサノール等の長鎖脂肪族アルコール;グリセリン、ペンタ エリスリトール等の多価アルコールと長鎖脂肪酸により得られる多価アルコールの力
ルボン酸エステル、又は部分エステル;ォレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の高級 脂肪酸アミド;低分子量ポリエステル等が例示される。
[0062] これらのワックスの中で定着性を改善するためには、ワックスの融点は 30°C以上が 好ましぐ 40°C以上が更に好ましぐ 50°C以上が特に好ましい。また、 100°C以下が 好ましぐ 90°C以下が更に好ましぐ 80°C以下が特に好ましい。融点が低すぎると定 着後にワックスが表面に露出しベたつきを生じやすぐ融点が高すぎると低温での定 着性が劣る。また更に、ワックスの化合物種としては、脂肪族カルボン酸と一価若しく は多価アルコールとから得られるエステル系ワックスが好ましぐエステル系ワックスの 中でも炭素数が 20〜: LOOのものが好ましい。
[0063] 上記ワックスは単独で用いてもよぐ混合して用いてもよい。また、トナーを定着する 定着温度により、ワックス化合物の融点を適宜選択することができる。ワックスの使用 量はトナー 100重量部に対して、好ましくは 4〜20重量部、特に好ましくは 6〜18重 量部、更に好ましくは 8〜15重量部である。通常、ワックスの使用量の増加に伴い凝 集制御が悪ィ匕して粒子径分布がブロードになる傾向にある。
また、トナーの体積中位径 (Dv50)が 7 m以下の場合、即ち、トナーが小粒径で ある場合には、ワックスの使用量の増加に伴いワックスのトナー表面への露出が極端 に激しくなりトナーの保存安定性が悪くなる。
本発明の画像形成装置に用いられるトナーは、上記範囲のようにワックスの使用量 が多い場合であっても、従来のトナーと比較して上記トナー特性の悪ィ匕を招くことが ない粒度分布がシャープな小粒径のトナーである。
[0064] 乳化重合凝集法におけるワックスの配合方法としては、予め水中に体積平均径 (M v) 0. 01〜2. O /z m、より好ましくは 0. 01〜0. 5 mに孚 Lィ匕分散したワックス分散液 を乳化重合時に添加する力 又は凝集工程で添加することが好ましい。トナー中に 好適な分散粒径でワックスを分散させるためには、乳化重合時にワックスをシードとし て添加することが好ましい。シードとして添加することにより、ワックスが内包された重 合体一次粒子が得られるので、ワックスがトナー表面に多量に存在することがなぐト ナ一の帯電性や耐熱性の悪化を抑制することができる。重合体一次粒子に占めるヮ ックス含有量は、好ましくは 4〜30質量%、より好ましくは 5〜20質量%、特に好まし
くは 7〜15質量%となるよう計算して用いられる。
[0065] また、榭脂微粒子中にワックスを含有させてもよぐその場合も重合体一次粒子を得 る場合と同様に、乳化重合時にワックスをシードとして添加することが好ましい。榭脂 微粒子全体中に占めるワックスの含有割合は、重合体一次粒子全体中に占めるヮッ タスの含有量割合よりも小さい方が好ましい。一般に、榭脂微粒子中にワックスを含 有せしめる場合は、定着性は向上する力 その反面微粉の発生量が多くなる傾向に ある。その理由は、定着性については、熱を受けた際にワックスのトナー表面への移 動速度が速くなるため向上するが、ワックスを榭脂微粒子中に含有させることにより榭 脂微粒子の粒度分布が広くなるため凝集制御が難しくなり、その結果、微粉の増加 を招くためと考えられる。
[0066] 本発明に用いられるトナーには、帯電量、帯電安定性付与のため、帯電制御剤を 配合してもよい。帯電制御剤としては、従来公知の化合物が使用される。例えば、ヒド ロキシカルボン酸の金属錯体、ァゾ化合物の金属錯体、ナフトール系化合物、ナフト ール系化合物の金属化合物、ニグ口シン系染料、第 4級アンモニゥム塩あるいはこれ らの混合物が挙げられる。帯電制御剤の配合量は榭脂 100重量部に対し、 0. 1〜5 重量部の範囲が好ましい。
[0067] 乳化重合凝集法にお!ヽてトナー中に帯電制御剤を含有させる場合は、乳化重合 時に重合性モノマー等とともに帯電制御剤を配合する、重合体一次粒子及び着色剤 等とともに凝集工程で配合する、重合体一次粒子及び着色剤等を凝集させてほぼト ナ一として適当な粒径となった後に配合する、等の方法によって配合することができ る。これらのうち、帯電制御剤を、乳化剤を用いて水中で乳化分散させ、体積平均径 (Mv) 0. 01 m〜3 mの乳化分散液として使用することが好ましい。乳化凝集時 における帯電制御剤分散液の配合は、凝集後のでき上がりのトナー母粒子中に 0. 1 〜5質量%となるように計算して用いられる。
[0068] 上記の分散液中の、重合体一次粒子、榭脂微粒子、着色剤粒子、ワックス粒子、 帯電制御剤粒子等の体積平均径 (Mv)は、実施例に記載の方法でナノトラックを用 いて測定し、その測定値として定義される。
[0069] 乳化重合凝集法における凝集工程にお!ヽては、上述の、重合体一次粒子、榭脂
微粒子、着色剤粒子、必要に応じて帯電制御剤、ワックス等の配合成分は、同時に 又は逐次に混合するが、予めそれぞれの成分の分散液、即ち、重合体一次粒子分 散液、榭脂微粒子分散液、着色剤粒子分散液、帯電制御剤分散液、ワックス微粒子 分散液等を作製しておくことが組成の均一性及び粒径の均一性の観点で好ましい。
[0070] また、これら異なる種類の分散液を混合する際、各分散液中に含まれる成分の凝 集速度が異なるため、凝集を均一に行うために、連続的又は断続的に、ある程度時 間をかけて添加して混合することが好ましい。添加に要する好適な時間は、混合する 分散液の量や固形分濃度等に応じて変化するため、適宜調整して行うことが好まし い。例えば、重合体一次粒子分散液に着色剤粒子分散液を混合する場合には、 3 分間以上かけて添加するのが好ましい。また、芯粒子に対して榭脂微粒子分散液を 混合する際も、 3分間以上かけて添加することが好ましい。
[0071] 前記の凝集処理は通常攪拌槽内で、加熱する方法、電解質を加える方法、系内の 乳化剤の濃度を低減する方法、あるいはこれらを組み合わせる方法等がある。重合 体一次粒子を攪拌下に凝集してほぼトナーの大きさに近い粒子凝集体を得ようとす る場合、粒子同士の凝集力と攪拌による剪断力とのバランスカゝら粒子凝集体の粒径 が制御されるが、上記方法によって凝集力を大きくすることができる。
[0072] 電解質を添加して凝集を行う場合の電解質としては、有機塩、無機塩の何れでもよ いが、具体的には、 NaCl、 KC1、 LiCl、 Na SO、 K SO、 Li SO、 CH COONa、
2 4 2 4 2 4 3
C H SO Na等の 1価の金属カチオンを有する無機塩; MgCl、 CaCl、 MgSO、 C
6 5 3 2 2 4 aSO、 ZnSO等の 2価の金属カチオンを有する無機塩; Al (SO;) 、 Fe (SO )等
4 4 2 4 3 2 4 3 の 3価の金属カチオンを有する無機塩等が挙げられる。これらのうち、 2価以上の多 価の金属カチオンを有する無機塩を用いる場合、凝集速度が速くなり生産性の点で 好まし!/、が、一方で芯粒子に取り込まれな!/、重合体一次粒子等の量が増加するため 、結果として所望のトナー粒径に至らない微粉が発生しやすくなる。従って、凝集作 用のそれほど強くない 1価の金属カチオンを有する無機塩を用いることが、上記微粉 の発生量を抑えられる点で好ま 、。
[0073] 前記電解質の使用量は、電解質の種類、目的とする粒径等によって異なるが、混 合分散液の固形成分 100重量部に対して、通常 0. 05〜25重量部、好ましくは 0. 1
〜15重量部、更に好ましくは 0. 1〜10重量部である。使用量が前記範囲未満の場 合は、凝集反応の進行が遅くなり凝集反応後も 1 m以下の微粉が残ったり、得られ た粒子凝集体の平均粒径が目的の粒径に達しない等の問題を生じる場合がある。 前記範囲超過の場合は、急速な凝集となりやすく粒径の制御が困難となり、得られた 芯粒子中に粗粉や不定形のものが含まれる等の問題を生じる場合がある。
[0074] また、電解質の添加方法は、一度に加えずに、断続的又は連続的にある程度の時 間をかけて添加することが好ましい。この添カ卩時間は使用量等に応じて変化するが、 0. 5分間以上かけて添加することがより好ましい。通常、電解質を加えると、その途端 に急な凝集が始まるため、凝集に取り残される重合体一次粒子、着色剤粒子、又は その凝集物等が多く残存する傾向にある。そしてこれらが微粉の発生元の一つと考 えられる。上記操作によれば、急な凝集をせずに均一な凝集を行うことができるため 、微粉の発生を防ぐことができる。
[0075] また、電解質を加えて凝集を行う場合の凝集工程の最終温度は、 20〜70°Cが好 ましぐ 30〜60°Cが更に好ましい。ここで、凝集工程前の温度を制御することも本発 明の特定範囲の粒径に制御する方法の一つである。凝集工程に加える着色剤の中 には、上記電解質のように凝集を誘発させるものがあり、電解質を加えずとも凝集す ることがある。そこで、着色剤分散液の混合時に予め、重合体 1次粒子分散液の温度 を冷やしておくことで、上記凝集を防ぐことができる。この凝集が微粉を発生させる原 因となる。
本発明では、重合体 1次粒子を予め、好ましくは 0〜15°C、より好ましくは 0〜12°C 、より更に好ましくは 2〜10°Cの範囲に冷やしておくのがよい。尚、この方法は電解 質をカ卩えて凝集を行う場合にのみに効果があるものではなぐ pHの制御やアルコー ル等の極性有機溶媒を加える等、電解質を加えずに凝集を行う方法にも用いられ、 特に凝集方法に限定されるものではな 、。
[0076] 加熱によって凝集を行う場合の凝集工程の最終温度は、通常、重合体一次粒子の
(Tg-20°C)〜Tgの温度範囲であり、 (Tg- 10°C)〜(Tg— 5°C)の範囲であること が好ましい。
[0077] また、微粉の発生を防ぐために急な凝集を防ぐ方法とてしては、脱塩水等を加える
方法がある。脱塩水等を添加する方法は、電解質を添加する方法に比べて凝集作 用がそれほど強くないため、生産効率上積極的に採用される方法ではなぐ寧ろ、そ の後の濾過工程等で多量の濾液が得られてしまう場合がある。ところが、本発明のよ うに微妙な凝集制御が求められる場合には、非常に効果的である。また、本発明に お!ヽては、上記加熱する方法や電解質を加える方法等と組み合わせて採用すること が好ましい。このとき、電解質を加えた後に脱塩水を添加する方法が凝集を制御しや す ヽと 、う点で特に好ま U、。
[0078] 凝集に要する時間は装置形状や処理スケールにより最適化されるが、トナー母粒 子の粒径を目的とする粒径に到達するためには、凝集工程を終了させる操作時の温 度、例えば、乳化剤の添加、 pH制御等により芯粒子の成長を止める操作時の温度( 以下、凝集最終温度と称す。)より 8°C低い温度から凝集最終温度までの時間を 30 分以上とすることが好ましぐ 1時間以上とすることが更に好ましい。上記時間を長く することで残存する重合体一次粒子、着色剤粒子、又はその凝集物等が取り残され ることなく、目的とする芯粒子に取り込まれたり、それら同士が凝集したりして目的の 芯粒子になる。
[0079] 本発明にお ヽては、芯粒子の表面に、必要に応じて榭脂微粒子を被覆 (付着又は 固着)してトナー母粒子を形成することができる。榭脂微粒子の体積平均径 (Mv)は 、好ましくは 0. 02 μ m〜3 μ m、より好ましくは 0. 05 m〜l. 5 mである。一般に 上記榭脂微粒子の使用は所定のトナー粒径に至らな!/、微粉の発生を助長させる。 従って、従来の榭脂微粒子で被覆したトナーは所定のトナー粒径に満たな 、微粉量 が多くなる。
[0080] 本発明において、ワックスの配合量を多くした場合、高温定着性は向上するものの ワックスがトナー表面に露出しやすくなるため帯電性や耐熱性が悪ィ匕する場合がある 力 芯粒子の表面を、ワックスを含有しない榭脂微粒子で被覆することにより性能の 悪化を防止できる。
[0081] しカゝしながら、高温定着性を向上させる目的で榭脂微粒子にもワックスを含有させ る場合は、一旦芯粒子の表面に付着した榭脂微粒子が剥がれ落ちやすい。この理 由は、上述した前記榭脂微粒子の粒径分布が広くなるため、付着力の弱い大粒径の
榭脂微粒子が存在するためである。そこで、その剥がれ落ちを少なくするために、榭 脂微粒子が表面に付着した粒子が分散している液中に、分散安定剤と水を予め混 ぜてお 、た水溶液を添加しながら昇温することが好まし 、。
[0082] 従来の方法である「乳化剤の添加後に昇温を開始する工程」を採用した場合、すな わち、凝集力を急激に下げた後に熟成工程を行った場合は、その凝集力の急激な 低下のため一度付着した榭脂微粒子が離脱しやすくなる場合がある。従って、凝集 力をそれほど落とすことなぐかつ、粒子の径成長を抑えつつ、榭脂微粒子を付着し た後融着することが好ましい。
[0083] 乳化重合凝集法にお!ヽては、凝集で得られた粒子凝集体の安定性を増すために 、分散安定剤として、乳化剤や pH調整剤を添加して粒子同士の凝集力を低下させト ナー母粒子の成長を止めた後に、凝集した粒子間の融着を起こす熟成工程を加え ることが好ましい。
[0084] 乳化剤を配合する場合の配合量は限定されな!、が、混合分散液の固形成分 100 重量部に対して、好ましくは 0. 1重量部以上、より好ましくは 1重量部以上、更に好ま しくは 3重量部以上であり、また、好ましくは 20重量部以下、より好ましくは 15重量部 以下、更に好ましくは 10重量部以下である。凝集工程以降、熟成工程の完了前の間 に乳化剤を添加するカゝ、凝集液の pH値を上げることにより、凝集工程で凝集した粒 子凝集体同士の凝集等を抑制することができ、熟成工程後のトナー中に粗大粒子が 生じることを抑制できる。
[0085] ここで、本発明の画像形成装置に用いられる小粒径トナーにぉ 、て粒度分布がシ ヤープであることを意味する特定範囲の粒径に制御する方法として、乳化剤や pH調 整剤を添加する工程の前に攪拌回転数を低下させる、即ち、攪拌による剪断力を下 げる方法が挙げられる。この方法は凝集作用が弱い系、例えば乳化剤や pH調整剤 を一度に添加して急激に安定 (分散)な系へ移行させた場合に採用することが好まし い。上述したように、仮に分散安定剤と水とを予め混ぜておいた水溶液を添加しなが ら昇温する方法を採用した場合に、攪拌回転数を低下させると系が凝集へ傾き過ぎ るため、粒子径の肥大を招く場合がある。
[0086] 一例として上記の方法により本発明の画像形成装置に用いられる特定の粒径分布
のトナーを得ることができる力 更に述べると、この回転数を落とす程度によって、微 粉粒子の含有量を調節することができる。例えば、攪拌回転数を 250rpmから 150rp mに低下させると、公知のトナーより粒度分布がシャープな小粒径のトナーを与える ことができ、本発明の画像形成装置に用いられる特定の粒径分布のトナーを得ること ができる。ただし、この値は当然、
(a)攪拌容器の直径 (所謂一般的な円筒形として)と攪拌羽根の最大径 (及びその相 対的な比)
(b)攪拌容器の高さ
(c)攪拌羽根先端の周速
(d)攪拌羽根の形状
(e)攪拌容器内の羽根の位置
等の条件によって異なってくる。(c)については、 1. 0〜2. 5mZ秒であることが好ま しぐより好ましくは 1. 5〜2. 2mZ秒である。上記の範囲内であれば、剥がれ落ちも せず、肥大もしない好適な剪断速度を粒子に対して与えるからである。
[0087] 熟成工程の温度は、好ましくは重合体一次粒子としてのバインダー榭脂の Tg以上 、より好ましくは前記 Tgより 5°C高い温度以上であり、また、好ましくは前記 Tgより 80 °C高い温度以下、より好ましくは前記 Tgより 50°C高い温度以下である。また、熟成ェ 程に要する時間は、目的とするトナーの形状により異なるが、重合体一次粒子を構成 する重合体のガラス転移温度以上に到達した後、通常 0. 1〜5時間、好ましくは 1〜 3時間保持することが望ま 、。
[0088] このような加熱処理により、凝集体における重合体一次粒子同士の融着一体化が なされ、凝集体としてのトナー母粒子形状も球形に近いものとなる。熟成工程前の粒 子凝集体は、重合体一次粒子の静電的又は物理的凝集による集合体であると考え られる力 熟成工程後は、粒子凝集体を構成する重合体一次粒子は互いに融着し ており、トナー母粒子の形状も球状に近いものとすることが可能となる。この様な熟成 工程によれば、熟成工程の温度及び時間等を制御することにより、重合体一次粒子 が凝集した形状である葡萄型、融着が進んだジャガイモ型、更に融着が進んだ球状 等、目的に応じて様々な形状のトナーを製造することができる。
[0089] 上記の各工程を経ることにより得た粒子凝集体は、公知の方法に従って固 Z液分 離し、粒子凝集体を回収し、次いで、これを必要に応じて洗浄した後、乾燥すること により目的とするトナー母粒子を得ることができる。
[0090] また、前記の乳化重合凝集法により得られた粒子の表面に、例えば、スプレードラ ィ法、 in— situ法、又は液中粒子被覆法等の方法によって、更に、重合体を主成分 とする外層を、好ましくは 0. 01〜0. 5 mの厚みで形成させることによって、カプセ ル化されたトナー母粒子とすることもできる。
る。
[0091] また、乳化重合凝集法トナーにおいては、フロー式粒子像分析装置 FPIA— 2100 を用いて測定した平均円形度が好ましくは 0. 90以上、より好ましくは 0. 92以上、更 に好ましくは 0. 94以上である。球形に近いほど粒子内での帯電量の局在化が起こり にくぐ現像性が均一になる傾向にあると考えられるが、完全な球状トナーを作ること はクリーニング性を悪ィ匕させるため前記平均円形度は好ましくは 0. 98以下、より好ま しくは 0. 97以下である。
[0092] また、トナーのテトラヒドロフラン (以下、「THF」と略す場合がある)に対する可溶分 のゲルパーミエーシヨンクロマトグラフィー(以下、「GPC」と略す場合がある)における ピーク分子量のうち少なくとも 1つ力 好ましくは 3万以上、より好ましくは 4万以上、更 に好ましくは 5万以上であり、好ましくは 20万以下、より好ましくは 15万以下、更に好 ましくは 10万以下であることが望ましい。ピーク分子量が何れも前記範囲より低い場 合は、非磁性一成分現像方式における機械的耐久性が悪化する場合があり、ピーク 分子量が何れも前記範囲より高!ヽ場合は、低温定着性や定着強度が悪化する場合 がある。
[0093] 乳化重合凝集法トナーの帯電性は、正帯電であっても負帯電であってもよいが、負 帯電性トナーとして用いることが好ましい。トナーの帯電性の制御は、帯電制御剤の 選択及び含有量、外添剤の選択及び配合量等によって調整することができる。
[0094] 本発明の画像形成装置に用いられるトナーは、水系媒体中で形成したトナー母粒 子を含有する静電荷像現像用トナーであって、トナーの体積中位径 (Dv50)が 4. 0 /z m以上 7. O /z m以下であり、かつ、体積中位径(Dv50)と粒径 2. OO /z m以上 3.
56 μ m以下のトナーの個数% (Dns)の関係が下記式(1)を満たすことが必須である
Dns≤0. 233EXP ( 17. 3/Dv50) ( 1)
[式中、 Dv50はトナーの体積中位径 m)を示し、 Dnsは粒径 2. OO /z m以上 3. 5 6 μ m以下のトナーの個数%を示す。 ]
[0095] トナーの体積中位径 (Dv50)及び Dnsは、実施例に記載の方法で測定され、その ように測定されたものとして定義される。本発明においては、「トナー」は、「トナー母 粒子」に、要すれば後述する外添剤等を配合させて得られるものである。上記の Dv5 0等は「トナー」の Dv50等であるから、当然「トナー」を測定試料として測定する。
[0096] また、 Dv50と Dnsの関係が下記式(1 ' )を満たすトナーが好ましい。
Dns≤0. 110EXP ( 19. 9/Dv50) ( 1 ' )
[0097] 式(1)において、左辺の「Dns」が、右辺より大きいと、すなわち、特定領域の粗粉 の量が多!、ことを意味し、画像汚染等が発生する場合がある。
[0098] 更に、 Dv50と Dnsの関係が下記式(2)を満たすトナーが好ましい。
0. 0517EXP (22. 4/Dv50)≤Dns (2)
[0099] Dnsが上記式(1)を満たすときに、前述した本発明の効果を奏し、式(1 ' )及び Z 又は式 (2)を満たすときに、より顕著な効果を奏して、本発明の課題を解決すること ができる。なお、式(1)、式(1 ' )及び式(2)中、 ¾ ?」は「5 0^^^1」を示す。すな わち自然対数の底であり、その右側は指数である。
[0100] 本発明の画像形成装置で用いられるトナーの Dv50は 4. 0 μ m以上 7. 0 μ m以下 である。この範囲であれば、高画質の画像を十分に提供することができる。 6. 8 m 以下であると、より上記効果を奏する。また、微粉の発生量を低減させる点で 5. Ο μ m以上であることが好ましぐ 5. 4 m以上であることがより好ましい。また、 Dnsが 6 個数%以下であるトナーが、より高画質の画像を提供したり、画像形成装置を汚染し 難いという点で好ましい。また、上記、「式(1)、式(1 ' )、式(2)」、かつ「Dv50が 5. 0 μ m以上」及び Ζ又は「Dnsが 6個数%以下」なる条件は、組み合わされて満たされ ていることが更に好ましい。
[0101] 上記粒径分布の条件を満たした本発明の画像形成装置に用いられるトナーは、高
画質が得られる上、高速印刷機を使用した場合においても、汚れが少なぐ残像 (ゴ 一スト)及びカスレ(ベタ追従性)を抑制し、クリーニング性に優れている。また、粒径 分布がシャープであることにより帯電量分布が非常にシャープであるので、帯電量の 小さい粒子が画像白地部の汚れを引き起こしたり、飛散して装置内を汚したりせず、 また、帯電量の大き 、粒子が現像されな 、まま層規制ブレードやローラー等の部材 に付着してスジやかすれ等の画像欠陥を引き起こすことがない。
[0102] 上記式(1)を満たすトナーを得るには、凝集工程において通常行う操作と比較して 凝集の速度が高くない操作を採用するのがよい。前記凝集の速度が高くない操作と しては、例えば、使用する分散液を予め冷やしておぐ時間をかけて分散液等を添加 する、凝集作用の大きくない電解質等を採用する、電解質を連続的或いは断続的に カロえる、昇温する速度を遅くする、凝集する時間を長くする、等がある。また、熟成ェ 程にぉ 、ては凝集した粒子が再分散し難 、操作を採用するのがよ!/、。前記凝集した 粒子が再分散しにくい操作としては、例えば、攪拌する回転数を下げる、分散安定剤 を連続的或いは断続的に加える、分散安定剤と水を予め混ぜておぐ等がある。 また、上記式(1)を満たすトナーは、最終的に得られたトナー、あるいはトナー母粒 子を分級等の操作によって、それらの体積中位径 (Dv50)以下の粒子を除去するェ 程を経ずに得られることが好まし ヽ。
[0103] また、トナーの個数% (Dns)として、粒径 2. 00 μ m以上 3. 56 μ m以下を規定した 理由について、下限値については本発明のトナー粒径を測定するのに用いた装置 の測定限界であり、上限値は実施例に記載の結果より得られた効果の臨界値である 。すなわち、粒径が 3. 56 mより大きいところまでのトナーの個数%を採用すると、 本発明の効果を奏するトナーと奏さないトナーを式によって明確に分けることができ ない。
[0104] トナー母粒子には、流動性や現像性を制御する為に、トナー母粒子表面に公知の 外添剤が配合されてトナーとなっていてもよい。外添剤としては、アルミナ、シリカ、チ タニア、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、タルク、ハイド口タルサイト等の 金属酸化物や水酸化物;チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリ ゥム等のチタン酸金属塩;窒化チタン、窒化珪素等の窒化物;炭化チタン、炭化珪素
等の炭化物;アクリル系榭脂ゃメラミン榭脂等の有機粒子等が挙げられ、複数組み合 わせることが可能である。中でも、シリカ、チタ-ァ、アルミナが好ましぐまた、例えば シランカップリング剤やシリコーンオイル等で表面処理されたものがより好まし 、。そ の平均一次粒子径は l〜500nmの範囲が好ましぐより好ましくは 5〜100nmの範 囲がよい。また、前記粒径範囲において小粒径のものと大粒径のものとを併用するこ とも好ましい。外添剤の配合量の総量は、トナー母粒子 100重量部に対して 0. 05〜 10重量部の範囲が好ましぐより好ましくは 0. 1〜5重量部である。
[0105] 上記方法で得られた上記粒径分布を有する本発明におけるトナーは、従来のトナ 一と比較して帯電量分布が非常にシャープである。帯電量分布はトナーの粒度分布 と相関があり、従来のトナーのようなブロードの粒度分布を有する場合、その帯電量 分布もブロードになる。帯電量分布がブロードになると、そのトナー用装置の有する 現像条件で制御できなくなる程の、帯電の低!、粒子や帯電の高!、粒子の割合が増 カロして、種々の画像欠陥の原因となる。例えば、帯電量の小さい粒子は、画像白地 部の汚れを引き起こしたり、装置内に飛散したりして汚れの原因になり、また帯電量 の大きい粒子は、現像されないまま現像槽中の層規制ブレードやローラー等の部材 に蓄積し、融着によるスジやかすれ等の画像欠陥を引き起こす原因となる。
[0106] 画像形成装置における現像プロセスの設計において、トナー帯電量の平均値に適 合するようにその現像プロセス条件が設定されており、力かる平均値力 帯電量が大 きく外れているトナーは、かかる画像形成装置では飛散ゃスジ ·かすれ等の画像欠陥 を引き起こすこととなり、装置とのマッチングがよくないということになる。しかし、本発 明のように帯電量分布がシャープであれば、バイアス調整等で現像性のコントロール も可能になり、画像形成装置の部材を汚染することなぐ鮮明な画像を与えることが できるのである。
[0107] 本発明の画像形成装置に用いられるトナーの「帯電量分布」を示す数値の 1つ「帯 電量の標準偏差」は、 1. 0ないし 2. 0であることが好ましぐより好ましくは 1. 0ないし 1. 8であり、より更に好ましくは 1. 0ないし 1. 5である。上記上限値を超える場合は、 層規制ブレードにトナーが付着して搬送され難くなり、付着したトナーが更に搬送さ れるトナーを塞き止めてしまい、画像形成装置内の部材を汚染する場合がある。また
、上記下限値を下まわる場合は、工業上見地力も好ましくない場合がある。下限値に ついては、 1. 3以上であることが好ましい。
[0108] 本発明の画像形成装置に用いられるトナーは、トナーを磁力により静電潜像部に 搬送するためのキャリアを共存させた磁性二成分現像剤用、磁性粉をトナー中に含 有させた磁性一成分現像剤用、又は、現像剤に磁性粉を用いない非磁性一成分現 像剤用の何れに用いてもよいが、本発明の効果を顕著に発現するためには、特に非 磁性一成分現像方式用の現像剤として用いるのが好まし 、。
[0109] 前記磁性二成分現像剤として用いる場合には、トナーと混合して現像剤を形成す るキャリアとしては、公知の鉄粉系、フェライト系、マグネタイト系キャリア等の磁性物 質又は、それらの表面に榭脂コーティングを施したもの、あるいは磁性榭脂キャリアを 用いることができる。キャリアの被覆榭脂としては、一般的に知られているスチレン系 榭脂、アクリル榭脂、スチレンアクリル共重合榭脂、シリコーン系榭脂、変性シリコーン 系榭脂、フッ素系榭脂等が利用できるが、これらに限定されるものではない。キャリア の平均粒径は、特に制限はないが 10〜200 μ mの平均粒径を有するものが好まし い。これらのキャリアは、トナー 1重量部に対して 5〜: LOO重量部使用することが好ま しい。
[0110] <電子写真感光体の構成 >
本発明の画像形成装置は、導電性支持体上に、特定の中間層(下引き層、陽極酸 化被膜等)を設けたり、又は、導電性支持体の表面状態を特定のものに限定した電 子写真感光体を有する。
[0111] <導電性支持体 >
感光体に用いる導電性支持体としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、 ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料;金属、カーボン、酸化錫等の導電性粉体 を添加して導電性を付与した榭脂材料;アルミニウム、ニッケル、 ITO (酸化インジゥ ム酸化錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した榭脂、ガラス、紙等が主 として使用される。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状等のものが用いられる 。金属材料の導電性支持体に、導電性 ·表面性等の制御のためや欠陥被覆のため に。適当な抵抗値をもつ導電性材料を塗布したものでもよい。
[0112] 導電性支持体としてアルミニウム合金等の金属材料を用いた場合、陽極酸化被膜 を施してカゝら用いることは好ましい。陽極酸ィ匕被膜を施した場合、公知の方法により 封孔処理を施すのが望ま ヽ。
[0113] 例えば、クロム酸、硫酸、シユウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴中で、陽極酸 化処理することにより陽極酸化被膜が形成されるが、硫酸中での陽極酸化処理がよ り良好な結果を与える。硫酸中での陽極酸化の場合、硫酸濃度は 100〜300gZL、 溶存アルミニウム濃度は 2〜15gZL、液温は 15〜30°C、電解電圧は 10〜20V、電 流密度は 0. 5〜2AZdm2の範囲内に設定されるのが好ましいが、前記条件に限定 されるものではない。
[0114] このようにして形成された陽極酸ィ匕被膜に対して、封孔処理を行なうことが好ま U、 。封孔処理は、公知の方法で行われればよいが、例えば、主成分としてフッ化ニッケ ルを含有する水溶液中に浸漬させる低温封孔処理、ある ヽは主成分として酢酸ニッ ケルを含有する水溶液中に浸漬させる高温封孔処理が好まし ヽ。
[0115] 上記低温封孔処理の場合に使用されるフッ化ニッケル水溶液濃度は、適宜選べる 力 3〜6gZLの範囲で使用された場合、より好ましい結果が得られる。また、封孔処 理をスムーズに進めるために、処理温度としては、 25〜40°C、好ましくは 30〜35°C で、また、フッ化ニッケル水溶液 pHは 4. 5〜6. 5、好ましくは 5. 5〜6. 0の範囲で処 理するのがよい。 pH調節剤としてはシユウ酸、ホウ酸、ギ酸、酢酸、水酸化ナトリウム 、酢酸ナトリウム、アンモニア水等を用いることができる。処理時間は、被膜の膜厚 1 mあたり 1〜3分の範囲で処理することが好ましい。なお、被膜物性を更に改良す るためにフッ化コバルト、酢酸コバルト、硫酸ニッケル、界面活性剤等をフッ化-ッケ ル水溶液に添加しておいてもよい。次いで水洗、乾燥して低温封孔処理を終える。
[0116] 前記高温封孔処理の場合の封孔剤としては、酢酸ニッケル、酢酸コノ レト、酢酸鉛 、酢酸ニッケル コバルト、硝酸バリウム等の金属塩水溶液を用いることができるが、 特に酢酸ニッケルを用いるのが好ま Uヽ。酢酸ニッケル水溶液を用いる場合の濃度 は 5〜20gZLの範囲内で使用するのが好ましい。処理温度は 80〜100°C、好ましく は 90〜98°Cで、また、酢酸ニッケル水溶液の pHは 5. 0〜6. 0の範囲で処理するの が好ましい。ここで PH調節剤としてはアンモニア水、酢酸ナトリウム等を用いることが
できる。処理時間は 10分以上、好ましくは 20分以上処理するのが好ましい。なお、こ の場合も被膜物性を改良するために酢酸ナトリウム、有機カルボン酸、ァ-オン系界 面活性剤、ノ-オン系界面活性剤等を酢酸ニッケル水溶液に添加してもよい。次い で水洗、乾燥して高温封孔処理を終える。
[0117] 平均膜厚が厚い場合には、封孔液の高濃度化、高温,長時間処理により強い封孔 条件を必要とする。従って生産性が悪くなると共に、被膜表面にシミ、汚れ、粉ふきと いった表面欠陥を生じやすくなる。このような点から、陽極酸化被膜の平均膜厚は通 常 20 μ m以下、特に 7 μ m以下で形成されることが好ま ヽ。
[0118] 支持体表面は、平滑であってもよいし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理した りすることにより、粗面化されていてもよい。また、支持体を構成する材料に適当な粒 径の粒子を混合することによって、粗面化されたものであってもよい。また、安価化の ためには切削処理を施さず、引き抜き管をそのまま使用することも可能である。特に 引き抜き加工、インパクト加工、しごき加工等の非切削アルミニウム支持体を用いる場 合、処理により、表面に存在した汚れや異物等の付着物、小さな傷等が無くなり、均 一で清浄な支持体が得られるので好まし 、。
[0119] 具体的には、導電性支持体は、その表面粗さ Raが 0. 01 μ m以上 0. 3 μ m以下で あることが好ましい。 Raが 0. 01 μ m未満では接着性が悪くなる場合があり、 0. 3 mを超えると黒ポチ等の画像欠陥が発生する場合がある。より好ましくは 0. 02 μ ΐη 以上 0. 以下、特に好ましく ίま 0. 03 111以上0. 18 m以下、更に好ましく ίま 0 . 05 111以上0. 17 /z m以下である。
[0120] [表面粗さ Raの測定法と定義]
表面粗さ Raは、算術平均粗さを意味し、平均線から絶対値偏差の平均値を表して いる。具体的には、粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この 抜き取り部分の平均線から、測定曲線までの偏差の絶対値を合計し、平均した値で ある。上記 Raは表面粗さ計 (東京精密社製 サーフコム 570A)で測定した値が用 いられる。ただし、誤差範囲内で同一の結果を生じる測定器であれば、他の測定器 を用いてもよい。
[0121] 導電性支持体の表面粗さを上記範隨こ加工するには、切削工具等で支持体表面
を削り粗面化する方法、微細な粒子を支持体表面に衝突させることによる、サンドブ ラスト力卩ェの方法、特開平 4— 204538号に記載の氷粒子洗浄装置による加工の方 法、特開平 9— 236937号に記載のホー-ングカ卩ェの方法等がある。また、陽極酸 化法やアルマイト処理法、パフ加工法、特開平 4 233546号に記載のレーザー溶 発法による方法、特開平 8— 1502号に記載の研磨テープによる方法、特開平 8—1 510号に記載のローラバ-シンダカ卩ェの方法等が挙げられる。しかし、支持体の表 面を荒らす方法としてはこれらに限定されるものではない。
[0122] 導電性の材料としてはアルミニウム、ニッケル等の金属ドラム;アルミニウム、酸ィ匕錫 、酸化インジユウム等を蒸着したプラスチックドラム;導電性物質を塗布した紙 ·プラス チックドラムを使用することができる。導電性支持体の原料としては常温で比抵抗 103 Ω cm以下のものが好まし!/、。
[0123] <下引き層 >
本発明の画像形成装置に用いられる感光体は、下引き層を含有することが好まし い。この下引き層は、バインダー榭脂と金属酸ィ匕物粒子を含有することがより好まし い。
[0124] <金属酸化物粒子 >
本発明にお 、ては、下引き層に金属酸ィ匕物粒子を含有させることが好ま 、。
[0125] [金属酸化物粒子の粒子径]
該金属酸ィ匕物粒子に関しては、以下の要件を満たすものが好ましい。すなわち、前 記下引き層をメタノールと 1 プロパノールとを 7: 3の重量比で混合した溶媒に分散 した液中の金属酸化物凝集体二次粒子の体積平均粒子径 (以下、単に「体積平均 粒子径」と略記することがある)力 0. 1 m以下であって、かつ、累積 90%粒子径 が 0. 3 m以下であることは好ましい。上記のようにして測定した金属酸ィ匕物凝集体 二次粒子の体積平均粒子径は、 0. 09 m以下が特に好ましい。更に、累積 90%粒 子径は 0. 2 m以下であることが特に好ましい。一方、下限は、体積平均粒子径に 関しては 0. 01 μ m以上が好ましぐ 0. 03 μ m以上であることが特に好ましい。累積 90%粒子径に関しては 0. 05 /z m以上であること力好ましく、 0. 07 /z m以上であるこ とが特に好ましい。
[体積平均粒子径の測定方法]
本発明に係る金属酸ィ匕物粒子の体積平均粒子径は、本発明に係る下引き層を形 成するための塗布液中において、金属酸化物粒子を動的光散乱法により直接測定 して得られる値である。この際、金属酸ィ匕物粒子がどのような存在形態であっても、動 的光散乱法により測定された値を用いるものとする。
動的光散乱法は、微小に分散された粒子のブラウン運動の速さを、粒子にレーザ 一光を照射してその速度に応じた位相の異なる光の散乱 (ドップラーシフト)を検出し て粒度分布を求めるものである。
本発明の下引き層を形成するための塗布液中における金属酸ィ匕物粒子の各種粒 子径の値は、下引き層を形成するための塗布液中に金属酸ィ匕物粒子が安定に分散 しているときの値であり、分散前の粉体としての金属酸ィ匕物粒子、ウエットケーキの粒 径を意味していない。実際の測定では、具体的には、動的光散乱方式粒度分析計( 日機装社製、 MICROTRAC UPA model: 9340— UPA、以下 UPAと略す)を 用いて、以下の設定にて行なうものとする。具体的な測定操作は、上記粒度分析計 の取扱説明書(日機装社製、書類 No. T15— 490A00、改訂 No. E)に基づいて行 なう。
(動的光散乱方式粒度分析計の設定)
測定上限 :5. 9978 m
測定下限 :0. 0035 m
チャンネル数 :44
測定時間 :300sec.
測定温度 :25°C
粒子透過性 :吸収
粒子屈折率 : NZA (適用しな ヽ)
粒子形状 :非球形
密度 :4. 20gZcm3 ( * )
分散媒種類 :下引き層を形成するための塗布液に用いた溶媒
分散媒屈折率 :下引き層を形成するための塗布液に用いた溶媒の屈折率
( * )密度の値は二酸ィ匕チタン粒子の場合であり、他の粒子の場合は、前記取扱説 明書に記載の数値を用 、る。
なお、本発明では、特記しない限り、メタノールと 1—プロパノールとの混合溶媒 (重 量比:メタノール Z1—プロパノール = 7Z3;屈折率 = 1. 35)を分散媒として用いる 測定の際に下引き層を形成するための塗布液が濃すぎて、その濃度が測定装置 の測定可能範囲外となっている場合には、下引き層を形成するための塗布液を、メタ ノールと 1 プロパノールとの混合溶媒(重量比:メタノール Z 1 プロパノール = 7/ 3 ;屈折率 = 1. 35)で希釈し、当該下引き層を形成するための塗布液の濃度を測定 装置が測定可能な範囲に収めるようにする。例えば、分析計が上記の UPAモデル の場合、測定に適したサンプル濃度指数(SIGNAL LEVEL)が 0. 6〜0. 8になる ように、メタノールと 1―プロパノールとの混合溶媒で下弓 Iき層を形成するための塗布 液を希釈する。
このように希釈を行なったとしても、下引き層を形成するための塗布液中における金 属酸ィ匕物粒子の体積平均粒子径は変化しないものと考えられる。したがって、前記 の希釈を行なった結果測定された体積平均粒子径は、本発明に係る下引き層を形 成するための塗布液中において、動的光散乱法により測定される金属酸ィ匕物粒子の 体積平均粒子径として取り扱うものである。
体積平均粒子径は、上記の測定により得られる金属酸化物粒子の粒度分布の結 果から、以下の式 (a)により計算して得られる値である。
なお、式 (a)において、 nは粒子個数、 Vは粒子体積、 dは粒子径をそれぞれ表す。
[0126] 上記のようにして測定した金属酸ィ匕物凝集体二次粒子の体積平均粒子径は、大き すぎると、黒点や色点などの画像欠陥を引き起こす場合がある。
[0127] [金属酸化物粒子の組成]
金属酸化物粒子としては、通常電子写真感光体に使用可能な如何なる金属酸ィ匕
物粒子も使用することができる。金属酸ィ匕物粒子として、より具体的には、酸化チタン
、酸ィ匕アルミニウム、酸化珪素、酸ィ匕ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の 1種の金 属元素を含む金属酸ィ匕物粒子;チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン 酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸ィ匕物粒子が好ましいものとして挙げら れる。これらの中でもバンドギャップが 2eV〜4eVの金属酸化物粒子が好ましい。金 属酸化物粒子は、 1種類の粒子のみを用いてもよいし、複数の種類の粒子を混合し て用いてもよい。これらの金属酸化物粒子の中でも、酸化チタン、酸ィ匕アルミニウム、 酸ィ匕珪素又は酸ィ匕亜鉛がより好ましぐ酸ィ匕チタン又は酸ィ匕アルミニウムが特に好ま しぐ酸ィ匕チタンが更に好ましい。
[0128] 酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファス の何れも用いることができる。また、これらの結晶状態の異なるものから、複数の結晶 状態のものが含まれて 、てもよ 、。
[0129] 金属酸ィ匕物粒子は、その表面に種々の表面処理を行ってもよい。例えば、酸ィ匕錫 、酸ィ匕アルミニウム、酸化アンチモン、酸ィ匕ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又 はステアリン酸、ポリオール、有機珪素化合物等の有機物による処理を施していても よい。特に、酸ィ匕チタン粒子を用いる場合には、有機珪素化合物により表面処理され ていることが好ましい。有機珪素化合物としては、ジメチルポリシロキサン、メチル水 素ポリシロキサン等のシリコーンオイル;メチルジメトキシシラン、ジフエ-ルジジメトキ シシラン等のオルガノシラン;へキサメチルジシラザン等のシラザン;ビュルトリメトキシ シラン、 γ—メルカプトプロピルトリメトキシシラン、 γ—ァミノプロピルトリエトキシシラ ン等のシランカップリング剤等が一般的であるが、下記一般式(1)の構造で表される シラン処理剤が金属酸化物粒子との反応性も良ぐ最も良好な処理剤である。
[0130] [化 1]
R1
Η—— Si—— OR2 ( 1 )
R3
[0131] 式中、 R1及び R2は、それぞれ独立してアルキル基を表し、より具体的にはメチル基
又はェチル基を示す。 R3は、アルキル基又はアルコキシ基であって、より具体的には 、メチル基、ェチル基、メトキシ基及びエトキシ基よりなる群より選ばれた一種以上の 基を示す。なお、これらの表面処理された粒子の最表面はこのような処理剤で処理さ れているが、該処理のその前に酸化アルミ、酸化珪素又は酸化ジルコニウム等の処 理剤等で処理されていても構わない。酸ィ匕チタン粒子は、一種類の粒子のみを用い てもよいし、複数の種類の粒子を混合して用いてもよい。
[0132] 使用する金属酸化物粒子は、通常、平均一次粒子径が 500nm以下のものが用い られ、好ましくは lnm〜100nmのものが用いられ、より好ましくは 5〜50nmのものが 用いられる。この平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(Transmission electron m icloscope,以下、「TEM」ということがある)により直接観察される粒子の径の算術平 均値によって求めることが可能である。
[0133] また、使用する金属酸ィ匕物粒子としては種々の屈折率を有するものが利用可能で あるが、通常電子写真感光体に用いることのできるものであれば、どのようなものも使 用可能である。好ましくは、屈折率 1. 4以上であって、屈折率 3. 0以下のものが用い られる。金属酸化物粒子の屈折率は、各種の刊行物に記載されている力 例えばフ イラ一活用辞典 (フイラ一研究会編、大成社、 1994)によれば下記表 1のようになって いる。
[0134] また、使用する金属酸ィ匕物粒子としては種々の屈折率を有するものが利用可能で あるが、通常電子写真感光体に用いることのできるものであれば、どのようなものも使 用可能である。好ましくは、屈折率 1. 4以上であって、屈折率 3. 0以下のものが用い られ、特には、屈折率 2. 0以下の金属酸ィ匕物粒子が用いられる。
[0135] 金属酸化物粒子の屈折率は、各種の刊行物に記載されているが、例えばフィラー 活用辞典 (フイラ一研究会編,大成社, 1994)によれば下記表 1のようになっている。
[表 1]
― ~~―— ________ 屈折率
酸化チタン (ルチル型) 2 . 7 6
チタン酸鉗 2 . 7 0
チタン酸力リゥム 2 . 6 8
酸化チタン (アナターゼ型) 2 . 5 2
酸化ジルコニウム 2 . 4 0
硫化亜船 2 . 3 7〜 2 . 4 3
酸化亜鉛 2 . 0 1〜 2 . 0 3
酸化マグネシウム 1 . 6 4〜 1 . 7 4
硫酸バリウム (沈降性) 1 . 6 5
硫酸カルシウム 1 . 5 7〜 1 . 6 1
酸化アルミニウム 1 . 5 6
水酸化マグネシウム 1 . 5 4
炭酸カルシウム 1 . 5 7 - 1 . 6 0
石英ガラス 1 . 4 6 金属酸ィ匕物粒子のうち、酸ィ匕チタン粒子の具体的な商品名としては、表面処理を 施して 、な 、超微粒子酸化チタン「TTO— 55 (Ν)」、 Al Ο被覆を施した超微粒子
2 3
酸ィ匕チタン「TTO— 55 (A)」、「ΤΤΟ— 55 (B)」、ステアリン酸で表面処理を施した 超微粒子酸化チタン「ΤΤΟ— 55 (C)」、 Al Οとオルガノシロキサンで表面処理を施
2 3
した超微粒子酸ィ匕チタン「丁丁0— 55 )」、高純度酸化チタン「CR—EL」、硫酸法 酸ィ匕チタン「R— 550」、「R— 580」、「R— 630」、「R— 670」、「R— 680」、「R— 78 0」、「A— 100」、「A— 220」、「W— 10」、塩素法酸化チタン「CR— 50」、「CR— 58 」、「CR— 60」、「CR— 60— 2」、「CR— 67」、導電性酸化チタン「SN— 100P」、「S N— 100D」、「ET— 300W」(以上、石原産業社製)や、「R— 60」、「A— 110」、「A — 150」等の酸化チタンをはじめ、 Al O被覆を施した「SR— 1」、「R— GL」、「R— 5
2 3
N」、「R— 5N— 2」、「R— 52N」、「RK— 1」、「A— SP」、 SiO、 Al O被覆を施した
2 2 3
「R— GX」、「R— 7E」、 ZnO、 SiO、 Al O被覆を施した「R— 650」、 ZrO、 Al O
2 2 3 2 2 3 被覆を施した「R— 61N」(以上、堺化学工業社製)、また、 SiO、 Al Oで表面処理
2 2 3
された「TR—700」、 ZnO、 SiO、 Al Oで表面処理された「TR—840」、「TA— 50
2 2 3
0」の他、 「TA—100」、 「TA— 200」、 「TA— 300」等表面未処理の酸化チタン、 Al
2
Oで表面処理を施した「TA— 400」(以上、富士チタン工業社製)、表面処理を施し
3
ていない「MT— 150W」、 「MT—500B」、 SiO、 Al Oで表面処理された「MT— 1
00SA」、「MT— 500SA」、 SiO、 Al Oとオルガノシロキサンで表面処理された「M
2 2 3
T 100SAS」、「MT— 500SAS」(ティカ社製)等が挙げられる。
[0137] また、酸化アルミニウム粒子の具体的な商品名としては、「Aluminium Oxide C
」(日本ァエロジル社製)等が挙げられる。
[0138] また、酸ィ匕珪素粒子の具体的な商品名としては、「200CF」、「R972」 (日本ァエロ ジル社製)、「KEP— 30」(日本触媒社製)等が挙げられる。
[0139] また、酸化スズ粒子の具体的な商品名としては、 rSN- 100Pj (石原産業社製)等 が挙げられる。
[0140] そして、酸ィ匕亜鉛粒子の具体的な商品名としては「MZ— 305S」(ティカ社製)が挙 げられる。
[0141] 本発明において使用可能な金属酸ィ匕物粒子は、何れにおいても、上記具体的商 品名に限定されるものではな 、。
[0142] 本発明における電子写真感光体の下引き層形成用塗布液において、バインダー 榭脂 1重量部に対して、金属酸化物粒子は、 0. 5重量部〜 4重量部の範囲で用いる ことが好ましい。
[0143] <バインダー榭脂 >
下引き層において使用されるバインダー榭脂としては、電子写真感光体の下引き 層形成用塗布液に通常用いられる、有機溶剤に可溶であって、かつ形成後の下引 き層が、感光層形成用の塗布液に用いられる有機溶剤に不溶であるか、溶解性が小 さぐ実質上混合しないものであれば、特に限定されるものではない。
[0144] このようなバインダー榭脂としては例えば、フエノキシ、エポキシ、ポリビュルピロリド ン、ポリビュルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプ ン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等の樹脂が単独あるいは硬化剤とともに硬化し た形で使用できるが、中でも、ポリアミド榭脂、特に、アルコール可溶性の共重合ポリ アミド、変性ポリアミド等のポリアミド榭脂は、良好な分散性及び塗布性を示し好まし い。
[0145] ポリアミド榭脂としては例えば、 6 ナイロン、 66 ナイロン、 610 ナイロン、 11— ナイロン、 12—ナイロン等を共重合させた、いわゆる共重合ナイロンや、 N—アルコキ
シメチル変性ナイロン、 N アルコキシェチル変性ナイロンのようにナイロンを化学的 に変性させたタイプ等のアルコール可溶性ナイロン榭脂を挙げることができる。具体 的な商品名としては、例えば、「CM4000」、「CM8000」(以上、東レネ土製)、「F— 3 O :」、「MF— 30」、「EF— 30T」(以上、ナガセケムテック社製)等が挙げられる。
[0146] これらポリアミド榭脂の中でも、下記一般式(2)で表されるジァミンを構成成分として 含む共重合ポリアミド榭脂が特に好ましく用いられる。
[化 2]
[0147] 式 (2)において R4〜R7は、それぞれ独立に、水素原子又は有機置換基を表す。 m 、 nはそれぞれ独立に 0〜4の整数を表し、置換基が複数の場合それらの置換基は 互いに異なっていてもよい。 R4〜R7で表される有機置換基としては、炭素数 20以下 の、ヘテロ原子を含んでいても構わない炭化水素基が好ましぐより好ましくは、メチ ル基、ェチル基、 n プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基;メトキシ基、ェトキ シ基、 n—プロポキシ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基;フエ-ル基、ナフチル 基、アントリル基、ピレニル基等のァリール基が挙げられ、更に好ましくはアルキル基 、又はアルコキシ基である。特に好ましくは、メチル基又はェチル基である。
[0148] 前記式(2)で表されるジァミンを構成成分として含む共重合ポリアミド榭脂は、他に ί列えば、 γ プチ口ラタタム、 ε一力プロラタタム、ラウリノレラクタム等のラタタム類; 1, 4 ブタンジカルボン酸、 1, 12 ドデカンジカルボン酸、 1, 20 アイコサンジカル ボン酸等のジカルボン酸類; 1, 4 ブタンジァミン、 1, 6 へキサメチレンジァミン、 1 , 8—オタタメチレンジァミン、 1, 12 ドデカンジァミン等のジァミン類;ピぺラジン等 を組み合わせて、 2元、 3元、 4元等に共重合させたものが挙げられる。この共重合比 率について特に限定はないが、通常、前記式(2)で表されるジァミン成分が 5〜40m ol%であり、好ましくは 5〜30mol%である。
[0149] 共重合ポリアミドの数平均分子量としては、 10000〜50000力好ましく、特に好適 には 15000〜35000である。数平均分子量が小さすぎても、大きすぎても膜の均一 性を保つことが難しくなりやすい。
共重合ポリアミドの製造方法には特に制限はなぐ通常のポリアミドの重縮合方法 が適宜適用され、溶融重合法、溶液重合法、界面重合法等が用いられる。また重合 に際して、酢酸や安息香酸等の一塩基酸、あるいは、へキシルァミン、ァ-リン等の 一酸塩基等を、分子量調節剤として加えることも何らさしつ力えな 、。
[0150] また、亜リン酸ソーダ、次亜リン酸ソーダ、亜リン酸、次亜リン酸、ヒンダードフエノー ルに代表される熱安定剤、あるいはその他の重合添加剤を加えることも可能である。 本発明で使用されるのが好適な共重合ポリアミドの具体例を以下に示す。ただし、具 体例中、共重合比率はモノマーの仕込み比率 (モル比率)を表す。
[0151] [化 3]
《くポリアミドの具体例》〉
①
[0152] また、本発明の画像形成装置に用いられる電子写真感光体には、 1種類以上の硬 化性榭脂を含有することが好ましい。特に下引き層に使用されることが好ましぐ該硬 化性榭脂には、熱硬化性榭脂、光硬化性榭脂、電子線 (EB)硬化性榭脂等が使用 されることが好ましい。何れの場合も、塗布後に、ポリマー間等での反応がおこり、架
橋が起こって、ポリマーが硬化する。
[0153] ここで、硬化性榭脂の具体例について説明する。熱硬化性榭脂は、熱によってィ匕 学反応をおこして硬化するタイプの榭脂の総称である。具体的には、フエノール榭脂 •尿素樹脂 'メラミン榭脂、エポキシ榭脂硬化物、ウレタン榭脂、不飽和ポリエステル 榭脂等がある。また、通常の熱可塑性ポリマーに、硬化性置換基を導入して、硬化性 を持たせることも可能である。一般的には、縮合系橋掛けポリマー、付加系足掛けポ リマー等と呼ばれることもあり、 3次元的に架橋構造を持つポリマーである。通常、製 造の際には、硬化性榭脂は時間の経過とともに反応が進行し、反応率と分子量が増 える。これにより、弾性率は増加し比容積は減少し、溶媒に対する溶解度が大きく減 少する。
[0154] 次に、一般的な熱硬化性榭脂について、説明する。フ ノール榭脂とは、フエノー ル類とホルムアルデヒド力もつくられた合成樹脂であり、安ぐきれいに形がつくれると いう利点を有する。一般的に、フ ノール (P)とホルムアルデヒド (F)の反応では、酸 性条件では、 FZPモル比が 0. 6〜1程度のものが得られ、塩基触媒では、 FZPモ ル比が 1〜3程度の榭脂が生成する。
[0155] また、尿素樹脂は、尿素とホルマリンとを反応させてできる合成樹脂であり、無色透 明な固体で色を自由につけることができるという利点を有する。一般的に、尿素と、ホ ルムアルデヒドとの反応では、酸性条件では、メチロール基を持たないポリメチレン尿 素が生成し、塩基性下では、メチロール尿素類の混合物が得られる。
[0156] また、メラミン榭脂は、メラミン誘導体とホルムアルデヒドとの反応によりえられる熱硬 化性榭脂であり、尿素樹脂よりも高価であるが、硬度、耐水性、耐熱性にすぐれ、し カゝも無色透明で着色が自由にできるという利点を有し、積層、接着用として優れる。
[0157] また、エポキシ榭脂は、高分子内に残存させたエポキシ基でグラフト重合させること で硬化させることが可能な熱硬化性榭脂の総称である。グラフト重合前のプレボリマ 一と硬化剤を混合して熱硬化処理を行うと製品として完成するが、プレボリマーも製 品化した榭脂も両者ともエポキシ榭脂と呼ばれる。プレボリマーは、 1分子中に 2個以 上のエポキシ基を有する、主として、液状の化合物である。このポリマーと、種々の硬 ィ匕剤の反応(主として重付加)により、三次元ポリマーが生成し、エポキシ榭脂硬化物
となる。エポキシ榭脂硬化物は、接着性、密着性が良好で、耐熱性、耐薬品性、電気 安定性に優れている。汎用のエポキシ榭脂は、ビスフエノール Aのジグリジルエーテ ル系のものであるが、他に、グリシジルエステル系、グリシジルァミン系等の榭脂、環 状脂肪族エポキシ榭脂等がある。硬化剤としては、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミ ン、酸無水物、ポリフエノール等が代表的なもので、これらは、エポキシ基と重付加に より反応して、高分子化、三次元化する。他の硬化剤としては、他に、第 3ァミン、ルイ ス酸等もある。
[0158] また、ウレタン榭脂とは、通常イソシァネート基とアルコール基が縮合してできるウレ タン結合でモノマーを共重合させた高分子化合物である。通常、常温で液体の主剤 と硬化剤に分かれており、その 2液を攪拌混合することで重合させ固体とする。
[0159] また、不飽和ポリエステル榭脂は、常温で液体の榭脂と硬化剤に分かれており、そ の 2液を攪拌混合することで重合させ固体とする。透明度が高いという特長を持つが 、重合硬化時の縮みが大きぐ寸法安定性等については問題がある。しばしば揮発 性溶剤が混入された形で販売されているため、硬化後も溶剤の揮発に伴い、徐々に 変形する。
[0160] 光硬化性榭脂は、エポキシアタリレート、ウレタンアタリレート等のオリゴマー (低重 合体)、反応性希釈剤 (モノマー)、及び光重合開始剤 (ベンゾイン系、ァセトフエノン 系等)を混合したものから成る。
[0161] この他にも、ジビュルベンゼン、エチレングリコールジメタタリレート等の多官能モノ マーを共重合するもの等を利用した、付加系足掛けポリマー等もある。
[0162] また、いわゆる、硬化型榭脂以外のポリマーを併用することが好ましぐ特には、ァ ルコール可溶性の共重合ポリアミド、前記変性ポリアミド等のポリアミド榭脂は、良好 な分散性及び塗布性を示し好まし ヽ。
[0163] 下引き層形成用塗布液に用いる有機溶媒としては、下引き層用のバインダー榭脂 を溶解することができる有機溶媒であれば、どのようなものでも使用することができる。 具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール又はノルマルプロピル アルコール等の炭素数 5以下のアルコール類;クロ口ホルム、 1, 2—ジクロロェタン、 ジクロロメタン、トリクレン、四塩化炭素、 1, 2—ジクロ口プロパン等のハロゲンィ匕炭化
水素類;ジメチルホルムアミド等の含窒素有機溶媒類;トルエン、キシレン等の芳香族 炭化水素類が挙げられる。これらは、任意の組み合わせ及び任意の割合の混合溶 媒で用いることができる。また、単独では下引き層用のバインダー榭脂を溶解しない 有機溶媒であっても、例えば上記の有機溶媒との混合溶媒とすることで該バインダー 榭脂を溶解可能であれば、使用することができる。一般に、混合溶媒を用いた方が 塗布ムラを少なくすることができる。
[0164] 下引き層形成用塗布液に用いる有機溶媒と、バインダー榭脂、酸ィ匕チタン粒子等 の固形分の量比は、下引き層形成用塗布液の塗布方法により異なり、適用する塗布 方法にお!ヽて均一な塗膜が形成されるように適宜変更して用いればょ ヽ。
[0165] また、下引き層形成用塗布液は、金属酸ィ匕物粒子を含有するものが好ましいが、こ の場合、該金属酸化物粒子は塗布液中に分散されて存在する。塗布液中に金属酸 化物粒子を分散させるには、例えば、ボールミル、サンドグラインドミル、遊星ミル、口 ールミル等の公知の機械的な粉碎装置で有機溶媒中にて湿式分散することができる 力 分散メディアを利用して分散することが好ましい。
[0166] 分散メディアを利用して分散する分散装置としては、公知のどのような分散装置を 用いても構わないが、ぺブルミル、ボールミル、サンドミル、スクリーンミル、ギャップミ ル、振動ミル、ペイントシェーカー、アトライター等が挙げられる。これらの中でも塗布 液を循環させて分散できるものが好ましぐ分散効率、到達粒径の細かさ、連続運転 の容易さ等の点から、湿式攪拌ボールミル、例えばサンドミル、スクリーンミル、ギヤッ プミルが用いられる。これらのミルは、縦型、横型何れのものでもよい。また、ミルのデ イスク形状は、平板型、垂直ピン型、水平ピン型等任意のものを使用できる。好ましく は、液循環型のサンドミルが用いられる。
[0167] 前記湿式攪拌ボールミルとしては、円筒形のステータと、ステータの一端に設けら れるスラリーの供給口と;ステータの他端に設けられるスラリーの排出口と;ステータ内 に充填されるメディアと供給口より供給されたスラリーを攪拌混合するピン、ディスク或 いはァ-ユーラタイプのロータと;排出口に連結され、かつロータと一体をなして回転 するか、或いはロータとは別個に独立して回転し、遠心力の作用によりメディアとスラ リーに分離して、スラリーを排出口より排出させるインペラタイプのセパレータと;よりな
る湿式攪拌ボールミルにぉ 、て、セパレータを回転駆動するシャフトの軸心を上記排 出口に通ずる中空な排出口としたものが特に好まし 、。
[0168] このような湿式攪拌ボールミルによれば、セパレータによりメディアを分離したスラリ 一はシャフトの軸心を通って排出される力 軸心では遠心力が作用しないため、スラ リーは運動エネルギーを有しな 、状態で排出される。このために運動エネルギーが 無駄に放出されず、無駄な動力が消費されなくなる。
[0169] このような湿式攪拌ボールミルは、横向きでもよいが、メディアの充填率を多くする ために好ましくは縦向きで、排出口がミル上端に設けられる。またセパレータもメディ ァ充填レベルより上方に設けるのが望ましい。排出口をミル上端に設ける場合、供給 口はミル底部に設けられる。
本発明の好ましい態様において、供給口は弁座と、弁座に昇降可能に嵌合し、弁 座のエッジと線接触が可能な V形、台形或いはコーン状の弁体とより構成され、弁座 のエッジと V形、台形或いはコーン状の弁体との間にメディアが通過し得ないような環 状のスリットを形成することにより、原料スラリーは供給されるが、メディアの落ち込み は防止できるようにされる。また弁体を上昇させることによりスリットを広げてメディアを 排出させたり、或いは弁体を降下させたりすることによりスリットを閉じてミルを密閉さ せることが可能である。更にスリットは弁体と弁座のエッジで形成されるため、原料スラ リー中の粗粒子が嚙み込み難ぐ嚙み込んでも上下に抜け出し易く詰まりを生じにく い。
[0170] また、弁体を振動手段により上下に振動させるようにすれば、スリットに嚙み込んだ 粗粒子をスリットより抜け出させることができるうえ、嚙み込み自体が生じ難くなる。し 力も弁体の振動により原料スラリーに剪断力が加わって粘度が低下し、上記スリット への原料スラリー通過量、すなわち供給量を増カロさせることができる。弁体を振動さ せる振動手段としては、バイブレータ等の機械的手段のほか、弁体と一体をなすビス トンに作用する圧縮空気の圧力を変動させる手段、例えば往復動型の圧縮機、圧縮 空気の吸排を切換える電磁切換弁等を用いることができる。
[0171] このような構造を有する湿式撹拌ボールミルとしては、具体的には例えば寿工業社 製のウルトラァペックスミルが挙げられる。
[0172] 本発明において、使用が好適な、下引き層形成用塗布液を分散するのに適用され る湿式攪拌ボールミルは、セパレータがスクリーンやスリット機構であってもよいが、ィ ンペラタイプのものが望ましぐ縦型であることが好ましい。湿式攪拌ボールミルは縦 向きにし、セパレータをミル上部に設けることが望まれる力 特にメディアの充填率を 80〜90%に設定すると、粉砕が最も効率的に行われるうえ、セパレータをメディア充 填レベルより上方に位置させることが可能となり、メディアがセパレータに乗って排出 されるのを防止することができる効果もある。
[0173] 本発明において、使用が好適な、下引き層形成用塗布液を分散するのに適用され る湿式攪拌ボールミルの運転条件は、下引き層形成用塗布液中の金属酸化物凝集 体二次粒子の体積平均粒子径、下引き層形成用塗布液の安定性、該塗布液を塗布 形成してなる下引き層の表面形状、該塗布液を塗布形成してなる下引き層を有する 電子写真感光体の特性等に影響し、特に下引き層形成用塗布液の供給速度と、口 ータの回転速度とが影響の大き 、ものとして挙げられる。
[0174] 下引き層形成用塗布液の供給速度は、ミル中に下引き層形成用塗布液の滞留す る時間が関係するため、ミルの容積及びその形状の影響を受ける力 通常用いられ るステータの場合、ミル容積 1リットル (以下、 Lと略記することがある)あたり 20kg/時 間〜 80kgZ時間の範囲が好ましぐより好ましくはミル容積 1Lあたり 30kgZ時間〜 70kgZ時間の範囲である。
[0175] また、ロータの回転速度は、ロータの形状ゃステータとの間隙等のパラメータの影 響を受ける力 通常用いられるステータ及びロータの場合、ロータ先端部の周速が 5 mZ秒〜 20mZ秒の範囲となることが好ましく、より好ましくは 8mZ秒〜 15mZ秒の 範囲であり、特には 10mZ秒〜 12mZ秒である。
[0176] 分散メディアは、通常、下引き層形成用塗布液に対し容積比で 0. 5〜5倍用いる。
分散メディア以外に、分散後に容易に除去することのできる分散助剤を併用して実 施することも可能である。分散助剤の例としては、食塩、ぼう硝等が挙げられる。
[0177] 金属酸化物の分散は、分散溶媒の共存下湿式で行なうことが好ましいが、バインダ ー榭脂あるいは各種添加剤を同時に混合していても構わない。該溶媒としては、特 に制限されないが、前記の下引き層形成用塗布液に用いる有機溶媒を用いれば、
分散後に溶媒交換等の工程を経る必要が無くなり好適である。これらの溶媒は何れ カゝ 1種を単独で用いてもよぐ 2種以上を組み合わせて混合溶媒として用いてもょ ヽ。
[0178] 溶媒の使用量は、生産性の観点から、分散対象となる金属酸化物 1重量部に対し て通常 0. 1重量部以上、好ましくは 1重量部以上、また、通常 500重量部以下、好ま しくは 100重量部以下の範囲である。
機械的分散時の温度としては、溶媒 (又は混合溶媒)の凝固点以上、沸点以下で 行なうことが可能である力 製造時の安全性の面から、通常、 10°C以上、 200°C以下 の範囲で行なわれる。
[0179] 分散メディアを用いた分散処理後、該分散メディアを分離 '除去し、更に超音波処 理することが好ましい。超音波処理は、下引き層形成用塗布液に超音波振動を加え るものであるが、振動周波数等には特に制限はなぐ通常、周波数 10kHz〜40kHz 、好ましくは 15kHz〜35kHzの発振器により超音波振動をカ卩える。
[0180] 超音波発振機の出力に特に制限はないが、通常 100W〜5kWのものが用いられ る。通常、多量の塗布液を大出力の超音波発振機による超音波で処理するよりも、 少量の塗布液を小出力の超音波発振機による超音波で処理する方が分散効率が良 いため、一度に処理する下引き層形成用塗布液の量は、 1〜50Lが好ましぐより好 ましくは 5〜30Lであって、特には 10〜20Lが好ましい。また、この場合の超音波発 振機の出力は、 200W〜3kWが好ましぐより好ましくは 300W〜2kWであって、特 には 500W〜1. 5kWが好ましい。
[0181] 下引き層形成用塗布液に超音波振動を加える方法に特に制限はないが、下引き 層形成用塗布液を納めた容器中に超音波発振機を直接浸漬する方法、下引き層形 成用塗布液を納めた容器外壁に超音波発振機を接触させる方法、超音波発振機に より振動を加えた液体の中に下引き層形成用塗布液を納めた溶液を浸漬する方法 等が挙げられる。これらの方法の中でも、超音波発振機により振動を加えた液体の中 に下引き層形成用塗布液を納めた溶液を浸漬する方法が好適に用いられる。この場 合、超音波発振機により振動を加える液体としては、水;メタノール等のアルコール類 ;トルエン等の芳香族炭化水素類;シリコーンオイル等の油脂類が挙げられるが、製 造上の安全性、コスト、洗浄性等を勘案すれば、水を用いることが好ましい。
超音波発振機により振動を加えた液体の中に下引き層形成用塗布液を納めた溶 液を浸漬する方法では、該液体の温度により超音波処理の効率が変化するため、該 液体の温度を一定に保つことが好ましい。加えた超音波振動により振動を加えた液 体の温度が上昇することがある。該液体の温度は、通常は 5〜60°C、好ましくは 10 〜50°C、より好ましくは 15〜40°Cの温度範囲において超音波処理することが好まし い。
[0182] 超音波処理する際に下引き層形成用塗布液を納める容器としては、電子写真感光 体用の感光層を形成するのに用いられる下引き層形成用塗布液を入れるのに通常 用いられる容器であればどのような容器でも構わないが、ポリエチレン、ポリプロピレ ン等の樹脂製の容器や、ガラス製容器、金属製の缶が挙げられる。これらの中では 金属製の缶が好ましぐ特に、 JIS Z 1602 に規定される、 18リットル金属製缶が 好適に用いられる。有機溶媒に侵され難ぐ衝撃に強いからである。
[0183] 下引き層形成用塗布液は、粗大な粒子を除去するために、必要に応じて濾過した 後使用される。この場合の濾過メディアとしては、通常濾過するために用いられる、セ ルロース繊維、榭脂繊維、ガラス繊維等、何れの濾過材を用いても構わない。濾過メ ディアの形態としては、濾過面積が大きく効率がよいこと等の理由により、芯材に各 種繊維を巻き付けた、いわゆるワインドフィルターが好ましい。芯材としては従前公知 の何れの芯材も用いることができる力 ステンレスの芯材、ポリプロピレン等の下引き 層形成用塗布液に溶解しない榭脂製の芯材等が挙げられる。
[0184] このようにして製造された下引き層形成用塗布液は、所望により更に結着剤や種々 の助剤等を添加して、下引き層の形成に用いる。
[0185] 酸ィ匕チタン粒子等の金属酸ィ匕物粒子を下引き層用塗布液中に分散させるには、平 均粒子径 5 μ m〜200 μ mの分散メディアを用いることは好まし!/、。
[0186] 分散メディアは通常、真球に近い形状をしているため、例え «JIS Z 8801 : 200 0等に記載のふるいによりふる 、分けする方法、あるいは画像解析により測定するこ とにより平均粒子径を求めることができ、アルキメデス法により密度を測定することが できる。具体的には例えば、 -レコ社製の LUZEX50等に代表される画像解析装置 により、平均粒子径と真球度を測定することが可能である。分散メディアの平均粒子
径としては、通常 5 m〜200 mのものが用いられ、特に 10 m〜100 mである のがより好ましい。一般に小さな粒径の分散メディアの方が、短時間で均一な分散液 を与える傾向があるが、過度に粒径が小さくなると分散メディアの質量が小さくなりす ぎて効率よ!/、分散ができなくなる。
[0187] 分散メディアの密度としては、通常 5. 5gZcm3以上のものが用いられ、好ましくは 5 . 9gZcm3以上、より好ましくは 6. OgZcm3以上のものが用いられる。一般に、より高 密度の分散メディアを使用して分散した方が短時間で均一な分散液を与える傾向が ある。分散メディアの真球度としては、 1. 08以下のものが好ましぐより好ましくは 1. 07以下の真球度を持つ分散メディアを用いる。
[0188] 分散メディアの材質としては、下引き層形成用塗布液に不溶、かつ、比重が下引き 層形成用塗布液より大きなものであって、下引き層形成用塗布液と反応したり、下引 き層形成用塗布液を変質させたりしな!ヽものであれば、公知の如何なる分散メディア も使用することができ、クローム球 (玉軸受用鋼球)、カーボン球 (炭素鋼球)等のスチ ール球;ステンレス球;窒化珪素球、炭化珪素、ジルコユア、アルミナ等のセラミック球 ;窒化チタン、炭窒化チタン等の膜でコーティングされた球等が挙げられる。これらの 中でもセラミック球が好ましぐ特にはジルコユア焼成ボールが好ましい。より具体的 には、特許第 3400836号公報に記載のジルコユア焼成ビーズを用いることが特に 好ましい。
[0189] <下引き層形成方法 >
本発明において、好適な、下引き層は、下引き層形成用塗布液を支持体上に浸漬 塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、スパイラル塗布、リング塗布、バーコート塗布、口 ールコート塗布、ブレード塗布等の公知の塗布方法により塗布し、乾燥すること〖こより 形成される。
[0190] スプレー塗布法としては、エアスプレー、エアレススプレー、静電エアスプレー、静 電工アレススプレー、回転霧化式静電スプレー、ホットスプレー、ホットエアレススプレ 一等があるが、均一な膜厚を得るための微粒ィ匕度、付着効率等を考えると回転霧化 式静電スプレーにお 、て、再公表平 1 - 805198号公報に開示されて ヽる搬送方法 、すなわち円筒状ワークを回転させながらその軸方向に間隔を開けることなく連続し
て搬送することにより、総合的に高い付着効率で膜厚の均一性に優れた下引き層を 持つ電子写真感光体を得ることができる。
[0191] スノ ィラル塗布法としては、特開昭 52— 119651号公報に開示されている注液塗 布機又はカーテン塗布機を用いた方法、特開平 1— 231966号公報に開示されてい る微小開口部から塗料を筋状に連続して飛翔させる方法、特開平 3— 193161号公 報に開示されて 、るマルチノズル体を用いた方法等がある。
浸漬塗布法の場合、通常、下引き層形成用塗布液の全固形分濃度は、通常 1重量 %以上、好ましくは 10重量%以上であって、通常 50重量%以下、好ましくは 35重量 %以下の範囲とし、粘度は好ましくは 0. ImPa's以上、 lOOmPa's以下の範囲とす る。
[0192] その後塗布膜を乾燥するが、必要かつ充分な乾燥が行われる様に乾燥温度、時間 を調整する。乾燥温度は通常 100〜250°C、好ましくは 110°C〜170°C、更に好まし くは 115°C〜140°Cの範囲である。乾燥方法としては、熱風乾燥機、蒸気乾燥機、赤 外線乾燥機及び遠赤外線乾燥機を用いることができる。
[0193] <電荷発生物質 >
導電性支持体上に形成された感光層としては、電荷発生物質と電荷輸送物質が同 一層に存在し、バインダー榭脂中に分散された単層構造のものであっても、若しくは 電荷発生物質がバインダー中に分散された電荷発生層と電荷輸送物質がバインダ ー榭脂中に分散された電荷輸送層とに機能分離された積層構造のものの何れであ つてもよい。
[0194] 本発明においては、必要に応じて、電荷発生物質として、染顔料を使用することが 好ましい。染顔料として、例えば、セレニウム及びその合金、硫ィ匕カドミウム、その他 無機系光導電材料、フタロシアニン顔料、ァゾ顔料、ジチオケトビロロピロール顔料、 スクアレン (スクァリリウム)顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環 キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料等の有機顔料等の各種光 導電材料が使用でき、本発明においては、特に有機顔料、更にはフタロシアニン顔 料、ァゾ顔料が使用されることが好ましい。
[0195] 使用されるフタロシアニンとしては、具体的には、無金属フタロシアニン、銅、インジ
ゥム、ガリウム、錫、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマニウム等の金属、又は その酸化物、ハロゲン化物、水酸化物、アルコキシド等の配位したフタロシアニン類 の各種結晶型が使用される。特に、感度の高い結晶型である X型、 τ型無金属フタ ロシアニン; Α型 (別称 |8型)、 B型 (別称 α型)、 D型 (別称 Υ型)等のチタニルフタ口 シァニン(別称:ォキシチタニウムフタロシアニン);バナジルフタロシアニン;クロ口イン ジゥムフタロシアニン; II型等のクロ口ガリウムフタロシアニン; V型等のヒドロキシガリウ ムフタロシアニン; G型、 I型等の ォキソ ガリウムフタロシア-ンニ量体; Π型等の μ—ォキソ一アルミニウムフタロシア-ンニ量体が好適である。なお、これらのフタ口 シァニンのうち、 Α型( |8型)、 Β型( α型)、 D型 (Υ型)等ォキシチタニウムフタロシア ニン; II型クロ口ガリウムフタロシアニン; V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン; G型 μ ォキソ ガリウムフタロシア-ンニ量体等が特に好ましい。
[0196] 特に、ォキシチタニウムフタロシアニンは、 CuK a特性 X線による粉末 X線回折スぺ タトルにおいて、ブラッグ角(2 0 ±0. 2° ) 27. 3° に主たる明瞭な回折ピークを有 するものが好ましい。また、該ォキシチタニウム二ロシアニンは、 CuK α特性 X線によ る粉末 X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2 0 ±0. 2° ) 9. 0° 〜9. 7° に、 明瞭な回折ピークを有することが好ましい。また、中でもブラッグ角(2 0 ±0. 2° ) 26 . 3° には明瞭な回折ピークを有さないものが好ましい。
[0197] また、該ォキシチタニウムフタロシアニンにおいては、結晶内の塩素含有量が 1. 5 wt%以下であることが好ましい。該塩素含有量は元素分析から求められる。また、該 ォキシチタニウムフタロシアニン結晶内にお 、ては、下記式(3)で表される塩素化ォ キシチタニウムフタロシアニンの割合が、下記式 (4)で表される無置換ォキシチタ-ゥ ムフタロシアニンに対して、マススペクトル強度比で、 0. 070以下であるものである。 また、好ましくはマススペクトル強度比が 0. 060以下であり、より好ましくは 0. 055以 下である。製造の際、非晶質ィ匕に乾式摩砕法を用いる場合は、 0. 02以上が好ましく 、非晶質ィ匕にアシッドペースト法を用いる場合は、 0. 03以上が好ましい。クロル置換 量は、特開 2001— 115054号の手法に基づいて測定する。
m z: 6X0 m z: 576
[0199] これらォキシチタニルフタロシアニンの粒子径は製法、結晶変換方法によって大き く異なるが、分散性を考慮すると、 1次粒子径として、 500nm以下が好ましぐ塗布成 膜性の面からは 300nm以下であることが好ましい。
[0200] また、該ォキシチタニウムフタロシアニンは、塩素化ォキシチタニウムフタロシアニン 以外に、例えば、フッ素原子、ニトロ基、シァノ等で置換されているものでも構わない 。また、スルホン基等の置換基で置換された、各種ォキシチタニウムフタロシアニン誘 導体を含有しても構わない。
[0201] 本発明において、使用が好適な、ォキシチタニウムフタロシアニンは、例えば、フタ 口-トリルとハロゲン化チタンを原料として、ジクロロチタニウムフタロシアニンを合成し たのち、該ジクロ口チタニウムフタロシアニンを加水分解し精製することによりォキシチ タ -ゥムフタロシアニン組成物中間体を製造し、得られたォキシチタニウムフタロシア ニン組成物中間体を非晶質ィ匕して得られた非晶質ィ匕ォキシチタニウムフタロシア- ン組成物を、溶媒中で結晶化することにより製造することができる。
[0202] ハロゲン化チタンとしては、チタン塩ィ匕物が好ましい。チタン塩ィ匕物としては、四塩 化チタン、三塩ィ匕チタン等が挙げられる力 特に四塩ィ匕チタンが好ましい。四塩化チ タンを用いると、得られるォキシチタニウムフタロシアニン組成物に含まれる塩素化ォ キシチタニウムフタロシアニンの含有量を、容易に制御することができる。
[0203] 反応温度は、通常 150°C以上、好ましくは 180°C以上、塩素化ォキシチタニウムフ タロシアニンの含有量を制御するために、より好ましくは 190°C以上であって、通常 3 00°C以下、好ましく 250°C以下、より好ましくは 230°C以下で行われる。通常、チタン 塩ィ匕物は、フタ口-トリルと反応溶媒との混合体に添加される。この際のチタン塩化物 は、その沸点以下であれば直接添加しても、前記高沸点溶媒と混合して添加しても
よい。
[0204] 本発明においては、例えば、反応溶剤としてジァリールアルカンを用い、フタロニト リルと四塩ィ匕チタンを用いてォキシチタニウムフタロシアニンを製造するとき、四塩ィ匕 チタンを 100°C以下の低温と 180°C以上の高温で分割して添加することにより、使用 が好適なォキシチタニウムフタロシアニンの製造をすることができる。
[0205] 得られたジクロロチタニウムフタロシアニンの加熱加水分解処理を行った後、ペイン トシエーカー、ボールミル、サンドグラインドミル等の公知の機械的粉砕装置による粉 砕、又は濃硫酸に溶解した後に冷水中等で固体として得る 、わゆる(前述の)酸ぺー スト法等により、非晶質化する。感度、環境依存等の観点から、酸ペースト法が好まし い。
[0206] 得られた非晶質ォキシチタニウムフタロシアニン組成物を、公知の溶媒により結晶 ィ匕させることにより、本発明において、使用が好適な、ォキシチタニウムフタロシア二 ン組成物を得る。溶媒としては、より具体的には、オルトジクロロベンゼン、クロ口ベン ゼン、クロロナフタレンのようなハロゲン系芳香族炭化水素溶媒;クロ口ホルム、ジクロ ロェタンのようなハロゲン系炭化水素溶媒;メチルナフタレン、トルエン、キシレンのよ うな芳香族炭化水素溶媒;酢酸ェチル、酢酸プチル、のようなエステル系溶媒;メチ ルェチルケトン、アセトン等のケトン溶媒、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパ ノーノレ等のァノレコーノレ、ェチノレエーテノレ、プロピノレエーテノレ、ブチノレエーテノレ、ェチ レンダリコール等のエーテル系溶媒;テルピノレン、ピネン等のモノテルペン系炭化 水素溶媒、流動パラフィン等が好適に用いられ、中でもオルトジクロロベンゼン、トル ェン、メチルナフタレン、酢酸ェチル、ブチルエーテル、ビネン、等が好ましい。
[0207] ォキシチタニウムフタロシアニンの CuK a特性 X線による粉末 X線回折スペクトルは 、通常固体の粉末 X線回折測定に用いられる方法に従って測定することができる。
[0208] フタロシアニン化合物は混晶状態でもよい。ここでのフタロシア-ンィ匕合物ないしは 結晶状態に置ける混合状態として、それぞれの構成要素を後から混合して用いても よいし、合成、顔料化、結晶化等のフタロシア-ンィ匕合物の製造'処理工程において 混合状態を生じせしめたものでもよい。このような処理としては、酸ペースト処理'磨 砕処理 ·溶剤処理等が知られている。混晶状態を生じさせるためには、特開平 10—
48859号公報記載のように、 2種類の結晶を混合後に機械的に摩砕、不定形化した 後に、溶剤処理によって特定の結晶状態に変換する方法が挙げられる。
[0209] また、ァゾ顔料を併用する場合には、ビスァゾ顔料、トリスァゾ顔料等が好適に用い られる。好ましいァゾ顔料の例を下記に示す。下記一般式において、 Cp1ないし、 Cp
3は、カップラーを表す。
[0210] [化 5]
[0211] Cp1ないし Cp3のカップラーとしては、好ましくは以下構造を示すものである。
[化 6]
積層型感光体における電荷発生層に用いられる結着樹脂の例としては、ポリビ- ルブチラール榭脂、ポリビュルホルマール榭脂、ブチラールの一部がホルマールや 、ァセタール等で変性された部分ァセタールイ匕ポリビニルブチラール榭脂等のポリビ 二ルァセタール系榭脂、ポリアリレート榭脂、ポリカーボネート榭脂、ポリエステル榭脂 、変性エーテル系ポリエステル榭脂、フエノキシ榭脂、ポリ塩化ビュル榭脂、ポリ塩ィ匕 ビ-リデン榭脂、ポリ酢酸ビュル榭脂、ポリスチレン榭脂、アクリル榭脂、メタタリル榭 脂、ポリアクリルアミド榭脂、ポリアミド榭脂、ポリビュルピリジン榭脂、セルロース系榭 脂、ポリウレタン榭脂、エポキシ榭脂、シリコーン榭脂、ポリビュルアルコール榭脂、ポ リビュルピロリドン榭脂、カゼイン、塩ィ匕ビュル 酢酸ビュル共重合体、ヒドロキシ変
性塩化ビニル 酢酸ビニル共重合体、カルボキシル変性塩化ビニル 酢酸ビニル 共重合体、塩化ビニル 酢酸ビニル 無水マレイン酸共重合体等の塩化ビュル 酢酸ビュル系共重合体、スチレン ブタジエン共重合体、塩ィヒビユリデンーアタリ口 二トリル共重合体、スチレン—アルキッド榭脂、シリコーン—アルキッド榭脂、フエノー ルーホルムアルデヒド榭脂等の絶縁性榭脂、ポリ— N ビュルカルバゾール、ポリビ 二ルアントラセン、ポリビュルペリレン等の有機光導電性ポリマーの中力も選択し、用 いることができるが、これらポリマーに限定されるものではない。また、これら結着榭脂 は単独で用いても、 2種類以上を混合して用いてもよい。これらの中でも、ポリビ-ノレ ブチラール榭脂、ポリビュルホルマール榭脂、ブチラールの一部がホルマールで変 性された部分ァセタールイ匕ポリビュルプチラール榭脂は好ましぐ特には、プチラー ルの一部がァセタール等で変性された部分ァセタールイ匕ポリビュルブチラール榭脂 等のポリビュルァセタール系榭脂が好まし 、。
結着榭脂を溶解させ、塗布液の作製に用いられる溶媒、分散媒としては例えば、ぺ ンタン、へキサン、オクタン、ノナン等の飽和脂肪族系溶媒;トルエン、キシレン、了二 ソール等の芳香族系溶媒;クロ口ベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハ ロゲン化芳香族系溶媒;ジメチルホルムアミド、 N—メチルー 2—ピロリドン等のアミド 系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、 n—ブタノール、ベンジルアルコ ール等のアルコール系溶媒;グリセリン、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アル コール類;アセトン、シクロへキサノン、メチルェチルケトン、 4ーメトキシー4 メチル 一 2—ペンタノン等の鎖状、分岐、あるいは環状のケトン系溶媒;ギ酸メチル、酢酸ェ チル、酢酸 n ブチル等のエステル系溶媒;塩化メチレン、クロ口ホルム、 1, 2—ジク ロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ジェチルエーテル、ジメトキシェタン、テ トラヒドロフラン、 1, 4 ジォキサン、メチルセルソルブ、ェチルセルソルブ等の鎖状、 あるいは環状のエーテル系溶媒;ァセトニトリル、ジメチルスルホキシド、スルフォラン 、へキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒; n—プチルァミン、イソプロ パノールァミン、ジェチルァミン、トリエタノールァミン、エチレンジァミン、トリエチレン ジァミン、トリェチルァミン等の含窒素化合物;リグ口イン等の鉱油;水等が挙げられ、 後述する下引き層を溶解しないものが好ましく用いられる。またこれらは単独、又は 2
種以上を併用しても用いることが可能である。
[0214] 積層型感光体の電荷発生層にお!/ヽて、前記結着樹脂と電荷発生物質との配合比( 重量)は、バインダー榭脂 100重量部に対して 10から 1000重量部、好ましくは 30か ら 500重量咅の範囲であり、その膜厚は通常 0. 1 m力ら 4 m、好ましくは 0. 15 μ mから 0. 6 mである。電荷発生物質の比率が高すぎる場合は電荷発生物質の凝 集等の問題により塗布液の安定性が低下し、一方低すぎる場合は感光体としての感 度の低下をまねくことから、前記範囲で使用することが好ましい。
前記電荷発生物質を分散させる方法としては、ボールミル分散法、アトライター分 散法、サンドミル分散法等の公知の分散方法を用いることができる。この際粒子を 0. 以下、好ましくは 0. 3 m以下、より好ましくは 0. 15 m以下の粒子サイズに 微細化することが有効である。
[0215] また、積層型感光体の電荷発生層にお ヽては、前述の電荷発生物質を含むが、後 述の電荷輸送物質を含むことが、細線再現性の観点力 好ましい。好ましい配合比 としては、電荷発生剤 1モルに対し、電荷輸送物質を 0. 1モル以上 5モル以下である 。更に好ましくは、 0. 2モル以上であり、更に好ましくは、 0. 5モル以上である。上限 は、大きすぎると、感度が低下する場合があるため、好ましくは 3モル以下であり、更 に好ましくは 2モル以下である。
[0216] <電荷輸送物質 >
導電性支持体上に形成された感光層としては、電荷発生物質と電荷輸送物質が同 一層に存在し、バインダー榭脂中に分散された単層構造のものであっても、若しくは 電荷発生物質がバインダー中に分散された電荷発生層と電荷輸送物質がバインダ ー榭脂中に分散された電荷輸送層とに機能分離された積層構造のものの何れであ つてもよいが、通常はバインダー榭脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを 含有する。該電荷輸送層は、具体的には、例えば電荷輸送物質等とバインダー榭脂 とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを順積層型感光層の場合には電 荷発生層上に、逆積層型感光層の場合には導電性支持体上に、また中間層を設け る場合には中間層上に、塗布、乾燥して得ることができる。
[0217] 本発明における感光体は、電荷輸送物質として、イオン化ポテンシャル 4. 8以上、
5. 5以下の電荷輸送剤を含有することが好ましい。イオンィ匕ポテンシャルは、 AC— 1 (理研社製)を使用して、簡便に、大気中で、粉体、又は、膜を使用して、測定するこ とができる。イオンィ匕ポテンシャルは、小さすぎると、オゾン等に弱くなるため、 4. 9以 上が好ましぐ更に好ましくは 5. 0以上である。イオンィ匕ポテンシャルの値が大きすぎ ると、電荷発生剤からの電荷の注入効率が悪くなるため、 5. 4以下が好ましい。
[0218] 具体的には、本発明における感光体においては、下記一般式(5)に示される化合 物を含有することが好まし 、。
[化 7]
[一般式(5)において、 Ar1ないし Ar6は各々独立に、置換基を有してもよい芳香族 残基、又は、置換基を有してもよい脂肪族残基を表し、 X1は有機残基を表し、 ない し R4は各々独立に、有機基を表し、 nlないし n6は各々独立に、 0ないし 2の整数を 表す。]
[0219] 一般式(5)において、 Ar1ないし Ar6は各々独立に、置換基を有してもよい芳香族 残基、又は、置換基を有してもよい脂肪族残基を表す。具体的な芳香族には、ベン ゼン、ナフタレン、アントラセン、ピレン、ペリレン、フエナントレン、フノレ才レン等の芳 香族炭化水素、チォフェン、ピロール、カルバゾール、イミダゾール、等の芳香族複 素環等が挙げられる。炭素数としては、 5ないし 20が好ましぐ更に好ましくは、 16以 下であり、更に好ましくは、 10以下である。下限は、電気特性の観点から、 6以上が 好ましい。特に、好ましくは、芳香族炭化水素残基であり、ベンゼン残基であることが 好ましい。
[0220] また、具体的な脂肪族としては、炭素数としては、 1ないし 20が好ましぐ更に好まし くは、 16以下であり、更に好ましくは、 10以下である。飽和脂肪族の場合は、炭素数 6以下が好ましぐ不飽和脂肪族の場合は、炭素数 2以上が好ましい。飽和脂肪族と しては、メタン、ェタン、プロパン、イソプロパン、イソブタン、等の分岐、あるいは直鎖
のアルキルが挙げられ、不飽和脂肪族としては、エチレン、ブチレン等のアルケン類 等が挙げられる。
[0221] また、これらに置換する置換基としては、特に制限はないが、具体的には、メチル基 、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基;ァリル基等のァルケ-ル基 ;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;フエ-ル基、インデュル基、 ナフチル基、ァセナフチル基、フエナントリル基、ピレニル基等のァリール基;インドリ ル基、キノリル基、カルバゾリル基等の複素環基が挙げられる。また、これら置換基は 、連結基、又は直接結合して環を形成してもよい。
[0222] また、これらの置換基は、導入することにより、分子内電荷を調節し、電荷移動度を 増大させる効果がある一方で、嵩が大きくなりすぎると、分子内の共役面の歪み、分 子間立体反発によって力えって電荷移動度を下げるため、好ましくは炭素原子数 1 以上であって、好ましくは炭素原子数 6以下、より好ましくは炭素原子数 4以下、特に は炭素原子数 2以下である。
[0223] また、置換基を有する場合は、複数の置換基を有するのは、結晶析出を避けられる ので、好ましいが、多すぎると分子内の共役面の歪み、分子間立体反発等によって かえって電荷移動度を下げるため、好ましくは一つの環につき、 2個以下である。そし て、感光層中における安定性を向上させ、電気特性を向上させるため、立体的に嵩 高くないものが好ましぐより具体的には、メチル基、ェチル基、ブチル基、イソプロピ ル基、メトキシ基等が好ましい。
[0224] 特に、 Ar1な 、し Ar4力 ベンゼン残基である場合は、置換基を有することが好ましく 、この場合好ましい置換基は、アルキル基であり、中でもメチル基が好ましい。また、 Ar5ないし Ar6が、ベンゼン残基である場合、好ましい置換基は、メチル基又はメトキ シ基である。特には、一般式(5)中、 Ar1が、フルオレン構造を有することが好ましい
[0225] また、一般式 (5)中、 X1は、有機残基であり、例えば、置換基を有してもよい、芳香 族残基、飽和脂肪族残基、複素環残基、エーテル構造を有する有機残基、ジビュル 構造を有する有機残基等が挙げられる。特に好ましくは、炭素数 1ないし 15以下の 有機残基であることが好ましぐ中でも、芳香族残基、飽和脂肪族残基は好ましい。
芳香族残基の場合、炭素数 6以上 14以下であることが好ましぐ更に好ましくは、 10 以下である。また、飽和脂肪族残基の場合、炭素数 1以上 10以下であることが好まし ぐ更に好ましくは、 8以下である。
[0226] この有機残基 X1は、上に挙げた構造に置換基を有して 、てもよ 、。これらに置換す る置換基としては、特に制限はないが、メチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピ ル基等のアルキル基;ァリル基等のァルケ-ル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ 基等のアルコキシ基;フエ-ル基、インデュル基、ナフチル基、ァセナフチル基、フエ ナントリル基、ピレニル基等のァリール基;インドリル基、キノリル基、力ルバゾリル基等 の複素環基が挙げられる。また、これら置換基は、連結基、又は直接結合して環を形 成してもよい。また、これらの置換基は、好ましくは炭素原子数 1以上であって、好ま しくは炭素原子数 10以下、より好ましくは炭素原子数 6以下、特には炭素原子数 3以 下である。より具体的には、メチル基、ェチル基、ブチル基、イソプロピル基、メトキシ 基等が好ましい。
[0227] また、置換基を有する場合は、複数の置換基を有するのは、結晶析出をさけるので 、好ましいが、多すぎると分子内の共役面の歪み、分子間立体反発によって、力えつ て電荷移動度を下げるため、好ましくは一つの X1にっき、 2個以下である。
[0228] nlないし n4は、各々独立に、 0ないし 2の整数を表す。 nlは、好ましくは 1であり、 n 2は、好ましくは 0又は 1である。特に好ましくは、 n2は 1である。
[0229] R1ないし R4は、各々独立に、有機基である。好ましくは、炭素数 30以下の有機基 であり、更に好ましくは、 20以下の有機基である。また、該ヒドラゾンの窒素原子には 、水素原子が直接共役結合していないヒドラゾン構造、スチルベン構造を有するもの は好ましい。好ましくは、窒素原子に、炭素が、結合しているものが好ましい。
[0230] n5な!、し n6は、各々独立に、 0な!、し 2を表す。 n5が 0の場合は直結を表し、 n6が 0の場合は、 n5は 0力 子まし!/、。 η5、 η6力ともに 1の場合、 X1はァノレキリデン、ァリー レン、若しくは、エーテル等の構造を有することが好ましい。また、アルキリデンの構 造としては、フエ-ルメチリデン、 2—メチルプロピリデン、 2—メチルブチリデン、シク 口へキシリデン等は好ましい。また、ァリーレンの構造としては、フエ二レン、ナフチレ ン等が好ましい。また、エーテル構造を有する基としては、 O CH—Ο 等が好
ましい。
[0231] n5及び n6がともに 0である場合は、 Ar5は、ベンゼン残基又はフルオレン残基であ ることが好ましい。ベンゼン残基である場合、アルキル基、アルコキシ基を置換するこ とが好ましぐより好ましくは置換基として、メチル基又はメトキシ基であり、窒素原子の p位に置換することが好ましい。 n6が 2の場合は、 X1は、ベンゼン残基であることが好 ましい。
[0232] nlないし n6の具体的な糸且合せの一例としては、以下が挙げられる。
il n2 n3 n4 n5 n6
1 0 0 0 0 0
1 1 0 0 0 0
1 0 1 0 0 1
1 1 1 1 0 1
2 2 0 0 0 0
1 0 0 0 0 0
2 2 2 2 1 1
1 1 1 0 2 1
1 1 1 1 1 2
[0233] 本発明に係る電荷輸送物質として、好適な構造の具体例を以下に示す。
[化 8]
[6^ ] [ zo
C.S0/.00Zdf/X3d 09 96CMT/.00Z OAV
[0235] [化 10]
[0236] 上記式中、 Rは同一でも、それぞれ異なっていても構わない。具体的には、水素原 子又は、置換基であり、置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ァリール基等が 好ましい。特に好ましくは、メチル基、フエ-ル基である。また、 nは 0ないし 2の整数で ある。
[0237] また、一般式 (5)の化合物と、任意の公知の電荷輸送物質を併用しても構わない。
公知の電荷輸送物質の例としては、 2, 4, 7—トリ-トロフルォレノン等の芳香族-ト 口化合物;テトラシァノキノジメタン等のシァノ化合物;ジフエノキノン等のキノンィ匕合物 等の電子吸引性物質;力ルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体 、ォキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘 導体等の複素環化合物;ァニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族ァミン誘導体、ス チルベン誘導体、ブタジエン誘導体、ェナミン誘導体及びこれらの化合物の複数種 が結合したもの;あるいはこれらの化合物力 なる基を主鎖又は側鎖に有する重合体
等の電子供与性物質等が挙げられる。これらの中でも、力ルバゾール誘導体、芳香 族ァミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、ェナミン誘導体、あるいはこ れらの化合物の複数種が結合したものが好ましい。これらの電荷輸送物質は、何れ 力 1種を単独で用いてもよぐ 2種以上を任意の組み合わせで併用してもよい。
[0238] <バインダー榭脂 >
電荷発生層と電荷輸送層を有する機能分離型感光体の電荷輸送層、及び単層型 感光体の感光層形成の際は、膜強度確保のため、化合物を分散させるためバインダ 一樹脂が使用される。機能分離型感光体の電荷輸送層の場合は、電荷輸送物質と 各種バインダー榭脂とを溶剤に溶解、あるいは分散してえられる塗布液を、また、単 層型感光体の場合は、電荷発生物質と電荷輸送物質と各種バインダー榭脂とを溶 剤に溶解、あるいは分散して得られる塗布液を、塗布、乾燥して得ることができる。
ノインダー榭脂としては、例えば、ブタジエン榭脂、スチレン榭脂、酢酸ビニル榭脂 、塩化ビュル榭脂、アクリル酸エステル榭脂、メタクリル酸エステル榭脂、ビュルアル コール榭脂、ェチルビ-ルエーテル等のビ-ルイ匕合物の重合体及び共重合体、ポリ ビュルブチラール榭脂、ポリビュルホルマール榭脂、部分変性ポリビュルァセタール 、ポリカーボネート榭脂、ポリエステル榭脂、ポリアリレート榭脂、ポリアミド榭脂、ポリウ レタン樹脂、セルロースエステル榭脂、フエノキシ榭脂、シリコーン榭脂、シリコーン アルキッド榭脂、ポリ— N ビュルカルバゾール榭脂等が挙げられる。これら榭脂は 珪素試薬等で修飾されて 、てもよ 、。
[0239] 特に、本発明においては、界面重合で得られた一種類以上のポリマーを含有する ことが好ましい。界面重合とは、互いに混ざり合わない 2つ以上の溶媒、多くの場合 は、有機溶媒一水系溶媒の界面で進行される重縮合反応を利用する重合法である 。例えば、ジカルボン酸塩ィ匕物を有機溶媒に、グリコール成分をアルカリ水等に溶か して、常温で両液を混合させて、 2相にわけ、その界面で、重縮合反応を進ませて、 ポリマーを生成させる。他の 2成分の例としては、ホスゲンとグリコール水溶液等が挙 げられる。また、ポリカーボネートオリゴマーを界面重合で重縮合する場合のように、 2 成分をそれぞれ、 2相に分けるのではなぐ界面を重合の場として利用する場合もあ る。
[0240] 反応溶媒としては、有機相と、水相の二層を使用するのは好ましぐ有機相としては 、メチレンクロライド、水相は、アルカリ性水溶液が好ましい。反応時に、触媒を使用 することが好ましぐ反応で使用する縮合触媒の添加量は、グリコール成分であるジ 才ーノレに対して 0. 005〜0. lmol0/0程度、好ましく ίま 0. 03〜0. 08mol0/0である。 0 . lmol%を超えると、重縮合後の洗浄工程で触媒の抽出除去に多大の労力を要す る場合がある。
[0241] 反応温度は、 80°C以下、好ましくは 60°C以下、更に好ましくは 10°C〜50°Cの範囲 にあることが好ましぐまた反応時間は反応温度によっても左右されるが、通常 0. 5分 〜10時間、好ましくは 1分〜 2時間である。反応温度が高すぎると、副反応の制御が できず、一方、低すぎると、反応制御上は好ましい状況ではあるが、冷凍負荷が増大 して、その分コストアップとなる場合がある。
[0242] また、有機相中の濃度は、得られる組成物が可溶な範囲であればよぐ具体的には、 10〜40重量%程度である。有機相の割合はジオールのアルカリ金属水酸化物水溶 液、すなわち水相に対して 0. 2〜1. 0の容積比であることが好ましい。
[0243] また、重縮合によって得られる有機相中の生成樹脂の濃度が 5〜30重量%となるよう に溶媒の量が調整されるのが好ましい。し力る後、新たに水及びアルカリ金属水酸化 物を含む水相を加え、更に重縮合条件を整えるために、好ましくは縮合触媒を添カロ して界面重縮合法に従い、所期の重縮合を完結させる。重縮合時の有機相と水相の 割合は容積比で有機相:水相 = 1: 0. 2〜 1程度が好ま 、。
[0244] 界面重合により生成する該ポリマーとしては、ポリカーボネート榭脂、ポリエステル 榭脂 (特にポリアリレート榭脂が好ましい)が特に好ましい。該ポリマーは、芳香族ジォ ールを原料とするポリマーであることが好ましく、好まし 、芳香族ジオール構造として は、下記式 (A)で表されるものである。
[0245] [化 11]
( A )
[式 (A)中、 X
2は単結合又は連結基を示し、 Y
1ないし Y
8は各々独立に、水素原子又 は原子数 20以下の置換基を示す。 ]
[0246] 式 (A)中、 X2は単結合又は以下の構造で表される連結基であることが好ましい。「 単結合」とは、「X2」なる原子がなぐ式 (A)中の左右 2つのベンゼン環を、単に単結 合で結合した状態をいう。なかでも X2は、環状構造を有しないことが好ましい。
[0247] [化 12]
上記構造中、 R
la及び R ま、それぞれ独立に、水素原子、炭素数 1〜20のアルキ ル基、置換されていてもよいァリール基、又は、ハロゲン化アルキル基を示し、 Zは、 炭素数 4〜20の置換されて 、てもよ 、炭化水素基を示す。
[0248] 特に、下記構造式を有するビスフエノール又はビフエノール成分が含有されるポリ力 ーボネート榭脂、ポリアリレート榭脂が、感度、残留電位等の点から好ましぐなかでも 移動度の面力もポリカーボネート榭脂がより好ましい。
[0249] ポリカーボネート榭脂に好適に用いることのできるビスフエノール、ビフエノールの構 造を以下に例示する。本例示は、趣旨を明確にするために行うものであり、本発明の 趣旨に反しない限りは例示される構造に限定されるものではない。
[0250] [化 13]
[0251] 特に、本発明の効果を最大限に発揮するためには、以下構造を示すビスフエノー ル誘導体を含有するポリカーボネートが好まし ヽ。
[化 14]
[0252] また、機械特性向上のためには、ポリエステル特に、ポリアリレートを使用することが 好ましぐこの場合は、ビスフエノール成分として以下構造を用いるのが好ましぐ [化 15]
[0253] また、テレフタル酸とイソフタル酸を使用する際は、テレフタル酸のモル比が多 、方 が好ましい。
[0254] 積層型感光体の電荷輸送層、及び単層型感光体の感光層に使用されるバインダ ー榭脂と電荷輸送物質の割合は、単層型、積層型共に、通常、バインダー榭脂 100 重量部に対して電荷輸送物質が 20重量部以上であって、残留電位低減の観点から 30重量部以上が好ましぐ更に繰り返し使用時の安定性、電荷移動度の観点から、 40重量部以上がより好ましい。また、一方で感光層の熱安定性の観点から、通常は 150重量部以下、更に電荷輸送物質とバインダー榭脂の相溶性の観点からは好まし くは 120重量部以下、更に耐刷性の観点からは 100重量部以下がより好ましぐ耐傷
性の観点からは 80重量部以下がとりわけ好ましい。
[0255] 単層型感光体の場合には、上記のような配合比の電荷輸送媒体中に、更に前記の 電荷発生物質が分散される。その場合の電荷発生物質の粒子径は充分小さ!ヽこと が必要であり、好ましくは 1 μ m以下が好ましぐより好ましくは 0. 5 μ m以下である。 感光層内に分散される電荷発生物質は少なすぎると充分な感度が得られず、多すぎ ると帯電性の低下、感度の低下の弊害があり、例えば、好ましくは 0. 1〜50重量% の範囲、好ましくは 1〜20重量%の範囲で使用される。
[0256] 単層型感光体の感光層の膜厚は、通常 5〜: LOO μ m、好ましくは 10〜50 μ mの範 囲で使用され、順積層型感光体の電荷輸送層の膜厚は、通常 5〜50 /ζ πιの範囲で 用いられる力 長寿命、画像安定性の観点からは、好ましくは 10〜45 /ζ πι、高解像 度の観点からは 10〜30 mがより好ましい。
[0257] なお、感光層には成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性等を向 上させるために周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レ ベリング剤、可視光遮光剤等の添加物を含有させてもよい。また感光層には必要に 応じて塗布性を改善するためのレべリング剤や酸ィヒ防止剤、増感剤等の各種添加剤 を含んでいてもよい。酸化防止剤の例としては、ヒンダードフエノール化合物、ヒンダ 一ドアミンィ匕合物等が挙げられる。また可視光遮光剤の例としては、各種の色素化合 物、ァゾィ匕合物等が挙げられ、レべリング剤の例としては、シリコーンオイル、フッ素 系オイル等が挙げられる。
[0258] 感光体の最表面層には、感光層の損耗を防止したり、帯電器等から発生する放電 物質等による感光層の劣化を防止 ·軽減する目的で保護層を設けてもよい。保護層 は導電性材料を適当な結着榭脂中に含有させて形成するか、特開平 9 190004 号公報、あるいは特開平 10— 252377号公報に記載のような、トリフエ-ルァミン骨 格等の電荷輸送能を有する化合物を用いた共重合体を用いることができる。
[0259] 導電性材料としては、 TPD (N, N' ジフエ-ルー N, N'—ビス一(m—トリル)ベン ジジン)等の芳香族ァミノ化合物、酸ィ匕アンチモン、酸化インジウム、酸化錫、酸ィ匕チ タン、酸化錫一酸化アンチモン、酸化アルミ、酸化亜鉛等の金属酸化物等を用いるこ とが可能であるが、これに限定されるものではない。
[0260] 保護層に用いる結着榭脂としてはポリアミド榭脂、ポリウレタン榭脂、ポリエステル榭 脂、エポキシ榭脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート榭脂、ポリビュルケトン樹脂、ポリ スチレン榭脂、ポリアクリルアミド榭脂、シロキサン榭脂等の公知の榭脂を用いること ができる。また、特開平 9— 190004号公報、あるいは特開平 10— 252377号公報 の記載のようなトリフ ニルァミン骨格等の電荷輸送能を有する骨格と、上記樹脂の 共重合体を用いることもできる。
[0261] 上記保護層は、電気抵抗が 109〜: ί014 Ω ' cmとなるように構成することが好ましい。
電気抵抗が 1014 Ω ' cmより高くなると、残留電位が上昇しカプリの多い画像となる場 合があり、一方、 109 Ω ' cmより低くなると、画像のボケ、解像度の低下が生じる場合 がある。また、保護層は像露光に照射される光の透過を実質上妨げないように構成さ れなければならない。
[0262] また、感光体表面の摩擦抵抗、ある!/、は摩耗の低減、トナーの感光体から転写べ ルト、紙への転写効率を高める等の目的で、表面層にフッ素系榭脂、シリコーン榭脂 、ポリエチレン榭脂、ポリスチレン榭脂等を含んでいてもよい。また、これらの榭脂から なる粒子や無機化合物の粒子を含んで 、てもよ 、。
[0263] <層形成方法 >
感光体を構成する各層は、各層を構成する材料を含有する塗布液を、支持体上に 公知の塗布方法を用い、各層ごとに塗布 ·乾燥工程を繰り返し、順次塗布していくこ とにより形成される。
[0264] 層形成用の塗布液は、単層型感光体及び積層型感光体の電荷輸送層の場合に は、固形分濃度を、通常 5〜40重量%の範囲で用いられるが、 10〜35重量%の範 囲が好ましい。また、該塗布液の粘度は、通常 10〜500mPa' sの範囲で用いられる 力 50〜400mPa ' sの範囲とするのが好ましい。
[0265] 積層型感光体の電荷発生層の場合には、固形分濃度を、通常 0. 1〜15重量%の 範囲で使用される力 1〜10%の範囲で使用することがより好ましい。塗布液の粘度 は、通常 0. 01〜20mPa ' sの範囲で使用されるが、 0. 1〜: LOmPa ' sの範囲で使用 されるのがより好ましい。
[0266] 塗布液の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピナ
一コーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコー ティング法、ローラーコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティ ング法等が挙げられる力 他の公知のコーティング法を用いることも可能である。 塗布液の乾燥は室温における指触乾燥後、 30〜200°Cの温度範囲で、 1分から 2 時間の間、無風、又は送風下で加熱乾燥させることが好ましい。また加熱温度は一 定であっても、乾燥時に変更させながら行なってもよ!/、。
[0267] <画像形成装置 >
図面により、本発明の画像形成装置を使用した画像形成方法を更に詳細に説明す る。図 1は、画像形成方法の遂行に用いることのできる非磁性一成分トナーを使用し た現像装置の一例を示す説明図である。図 1において、トナーホッパー 17に内蔵さ れているトナー 16は、撹拌羽根 15によりローラー状のスポンジローラー(トナー補給 補助部材) 14に強制的に寄せられ、トナーはスポンジローラー 14に供給される。そし て、スポンジローラー 14に取り込まれたトナーは、スポンジローラー 14が矢印方向に 回転することにより、トナー搬送部材 12に運ばれ、摩擦され、静電的又は物理的に 吸着し、トナー搬送部材 12が矢印方向に強く回転し、スチール性の弾性ブレード (ト ナ一層厚規制部材) 13により均一なトナー薄層が形成されるとともに摩擦帯電する。 その後、トナー搬送部材 12と接触している静電潜像担持体 11の表面に運ばれ、潜 像が現像される。静電潜像は例えば有機感光体に 500Vの DC帯電をした後、露光 して得られる。
[0268] 本発明の画像形成装置に用いられるトナーは、帯電量分布がシャープであるため 、帯電不良のトナーが原因で起こる画像形成装置内の汚染 (トナー飛散)が非常に 少な ヽ。これは特に静電潜像担持体への現像プロセススピードが lOOmmZ秒以上 である高速タイプの画像形成装置においてその効果が顕著に発現される。
[0269] また、本発明の画像形成装置に用いられるトナーは、帯電量分布がシャープである ため、現像性が非常によぐ現像しないで蓄積していくトナー粒子が非常に少ない、 これは、特にトナーの消費スピードが速い画像形成装置においてその効果が発揮さ れるものである。具体的に示すと、下記式(3)を満足する画像形成装置に用いるトナ 一であることが、本発明の上記効果を充分に発揮させるために好ましいものである。
[0270] 現像剤を充填する現像機の保証寿命枚数 (枚) X印字率≥ 500 (枚) (3) 式 (3)において、「印字率」は、画像形成装置の性能である保証寿命枚数を決定す るための印刷物にお!、て、印字部分面積の総和を印字媒体の全面積で除した値で 表され、例えば、「5%」の印字%の「印字率」は「0. 05」である。
[0271] 更に、本発明の画像形成装置に用いられるトナーは粒径の分布が非常にシャープ であるため、潜像の再現性が非常によい。従って特に、静電潜像担持体への解像度 力 S600dpi以上である画像形成装置に用いる時に、本発明の効果が充分に発揮され る。
[0272] 次に、本発明の画像形成装置の電子写真プロセス周辺の形態について、装置の 要部構成を示す図 2を用いて説明する。ただし、実施の形態は以下の説明に限定さ れるものではなぐ本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することがで きる。
[0273] 図 2に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体 1、帯電装置 2、露光装置 3 及び現像装置 4を備えて構成され、更に、必要に応じて転写装置 5、クリーニング装 置 6及び定着装置 7が設けられる。
[0274] 電子写真感光体 1は、上述した本発明の画像形成装置に用いられる電子写真感 光体であれば特に制限はないが、図 2ではその一例として、円筒状の導電性支持体 の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示して 、る。この電子写真 感光体 1の外周面に沿って、帯電装置 2、露光装置 3、現像装置 4、転写装置 5及び クリーニング装置 6がそれぞれ配置されて 、る。
[0275] 帯電装置 2は、電子写真感光体 1を帯電させるもので、電子写真感光体 1の表面を 所定電位に均一帯電させる。図 2では帯電装置 2の一例としてローラー型の帯電装 置(帯電ローラー)を示して 、るが、他にもコロトロンゃスコロトロン等のコロナ帯電装 置、帯電ブラシ等の接触型帯電装置等がよく用いられる。
[0276] なお、電子写真感光体 1及び帯電装置 2は、多くの場合、この両方を備えたカートリ ッジ (以下適宜、感光体カートリッジという)として、画像形成装置の本体から取り外し 可能に設計されている。そして、例えば電子写真感光体 1や帯電装置 2が劣化した 場合に、この感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい感光
体カートリッジを画像形成装置本体に装着することができるようになって!/、る。また、 後述するトナーについても、多くの場合、トナーカートリッジ中に蓄えられて、画像形 成装置本体から取り外し可能に設計され、使用しているトナーカートリッジ中のトナー が無くなった場合に、このトナーカートリッジを画像形成装置本体力 取り外し、別の 新しいトナーカートリッジを装着することができるようになつている。更に、電子写真感 光体 帯電装置 2、トナーが全て備えられたカートリッジを用いることもある。
[0277] 露光装置 3は、電子写真感光体 1に露光を行なって電子写真感光体 1の感光面に 静電潜像を形成することができるものであれば、その種類に特に制限はない。具体 例としては、ハロゲンランプ、蛍光灯、半導体レーザー、 He— Neレーザー等のレー ザ一、 LED等が挙げられる。また、感光体内部露光方式によって露光を行なうように してもよい。露光を行なう際の光は任意である力 例えば、波長が 700nm〜850nm の単色光、波長 600nm〜700nmのやや短波長寄りの単色光、波長 300nm〜500 nmの短波長の単色光等で露光を行なえばょ 、。
[0278] 特に、電荷発生物質としてフタロシアニン化合物を使用する電子写真感光体の場 合には、波長 700ηπ!〜 850nmの単色光を用いることが好ましぐァゾィ匕合物を用い る電子写真感光体の場合には、波長 700nm以下の単色光を用いることが好ま 、。 ァゾィ匕合物を用いる電子写真感光体の場合には、波長 500nm以下の単色光を光 入力用光源としても充分な感度を有する場合があるため、波長 300ηπ!〜 500nmの 単色光を光入力用光源として用いることは特に好適である。
[0279] 現像装置 4は、その種類に特に制限はなぐカスケード現像、一成分導電トナー現 像、二成分磁気ブラシ現像等の乾式現像方式や、湿式現像方式等の任意の装置を 用いることができる。図 2では、現像装置 4は、現像槽 41、アジテータ 42、供給ローラ 一 43、現像ローラー 44、及び、規制部材 45からなり、現像槽 41の内部にトナー Tを 貯留している構成となっている。また、必要に応じ、トナー Tを補給する補給装置(図 示せず)を現像装置 4に付帯させてもよい。この補給装置は、ボトル、カートリッジ等の 容器からトナー Tを補給することが可能に構成される。
[0280] 供給ローラー 43は、導電性スポンジ等から形成される。現像ローラー 44は、鉄、ス テンレス鋼、アルミニウム、ニッケル等の金属ロール、又はこうした金属ロールにシリコ
ーン榭脂、ウレタン榭脂、フッ素榭脂等を被覆した榭脂ロール等力もなる。この現像口 一ラー 44の表面には、必要に応じて、平滑力卩ェゃ粗面カ卩ェをカ卩えてもよい。
現像ローラー 44は、電子写真感光体 1と供給ローラー 43との間に配置され、電子 写真感光体 1及び供給ローラー 43に各々当接している。供給ローラー 43及び現像 ローラー 44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラー 43は、 貯留されているトナー Tを担持して、現像ローラー 44に供給する。現像ローラー 44は 、供給ローラー 43によって供給されるトナー Tを担持して、電子写真感光体 1の表面 に接触させる。
[0281] 規制部材 45は、シリコーン榭脂ゃウレタン榭脂等の榭脂ブレード、ステンレス鋼、ァ ルミ-ゥム、銅、真鍮、リン青銅等の金属ブレード、又はこうした金属ブレードに榭脂 を被覆したブレード等により形成されている。この規制部材 45は、現像ローラー 44に 当接し、ばね等によって、現像ローラー 44側に所定の力で押圧 (一般的なブレード 線圧は 5〜500gZcm)される。必要に応じて、この規制部材 45に、トナー Tとの摩擦 帯電によりトナー Tに帯電を付与する機能を具備させてもよい。
[0282] アジテータ 42は、回転駆動機構によってそれぞれ回転しており、トナー Tを攪拌す るとともに、トナー Tを供給ローラー 43側に搬送する。アジテータ 42は、羽根形状、大 きさ等を違えて複数設けてもょ ヽ。
[0283] トナー Tは、体積中位径(Dv50)が 4. 0 μ m〜7. 0 μ mの小粒径のもので、前記し た特定の粒径分布を有するものが使用される。また、トナーの粒子の形状は球形に 近いものからポテト上の球形力も外れたものまで様々に使用することができる。重合ト ナ一は、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化に好適に用いられる。
[0284] 転写装置 5は、その種類に特に制限はなぐコロナ転写、ローラー転写、ベルト転写 等の静電転写法、圧力転写法、粘着転写法等、任意の方式を用いた装置を使用す ることができる。ここでは、転写装置 5が電子写真感光体 1に対向して配置された転写 チャージヤー、転写ローラー、転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置
5は、トナー Tの帯電電位とは逆極性で所定電圧値 (転写電圧)を印加し、電子写真 感光体 1に形成されたトナー像を記録紙 (用紙、媒体) Pに転写するものである。
[0285] クリーニング装置 6について特に制限はなぐブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナ
一、静電ブラシクリーナー、磁気ローラークリーナー、ブレードクリーナー等、任意の クリーニング装置を用いることができる。クリーニング装置 6は、感光体 1に付着してい る残留トナーをクリーニング部材で搔き落とし、残留トナーを回収するものである。た だし、感光体表面に残留するトナーが少ないか、殆ど無い場合には、クリーニング装 置 6は無くても構わない。
[0286] 定着装置 7は、上部定着部材 (加圧ローラー) 71及び下部定着部材 (定着ローラー ) 72から構成され、定着部材 71又は 72の内部には加熱装置 73がそなえられている 。なお、では、上部定着部材 71の内部に加熱装置 73がそなえられた例を示す。上 部及び下部の各定着部材 71、 72は、ステンレス、アルミニウム等の金属素管にシリコ ンゴムを被覆した定着ロール、更にテフロン (登録商標)榭脂で被覆した定着ロール、 定着シート等が公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材 71、 7
2は、離型性を向上させる為にシリコーンオイル等の離型剤を供給する構成としても よぐパネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
[0287] 記録紙 P上に転写されたトナーは、所定温度に加熱された上部定着部材 71と下部 定着部材 72との間を通過する際、トナーが溶融状態まで熱加熱され、通過後冷却さ れて記録紙 P上にトナーが定着される。なお、定着装置についてもその種類に特に 限定はなぐここで用いたものをはじめ、熱ローラー定着、フラッシュ定着、オーブン 定着、圧力定着等、任意の方式による定着装置を設けることができる。
[0288] 以上のように構成された電子写真装置では、次のようにして画像の記録が行なわれ る。即ち、まず感光体 1の表面 (感光面)力 帯電装置 2によって所定の電位 (例えば -600V)に帯電される。この際、直流電圧により帯電させてもよぐ直流電圧に交流 電圧を重畳させて帯電させてもよい。続いて、帯電された感光体 1の感光面を、記録 すべき画像に応じて露光装置 3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして 、その感光体 1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置 4で行なう。
[0289] 現像装置 4は、供給ローラー 43により供給されるトナー Tを、規制部材 (現像ブレー ド) 45により薄層化するとともに、所定の極性 (ここでは感光体 1の帯電電位と同極性 であり、負極性)に摩擦帯電させ、現像ローラー 44に担持しながら搬送して、感光体 1の表面に接触させる。現像ローラー 44に担持された帯電トナー Tが感光体 1の表面
に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体 1の感光面に形成される。そし てこのトナー像は、転写装置 5によって記録紙 Pに転写される。この後、転写されずに 感光体 1の感光面に残留しているトナー力、クリーニング装置 6で除去される。
[0290] トナー像の記録紙 P上への転写後、定着装置 7を通過させてトナー像を記録紙 P上 へ熱定着することで、最終的な画像が得られる。
[0291] なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができ る構成としてもよい。除電工程は、電子写真感光体に露光を行なうことで電子写真感 光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、 LED等が使用される。 また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の 3倍以上の露光エネルギーを有 する光である場合が多い。
[0292] また、画像形成装置は更に変形して構成してもよぐ例えば、前露光工程、補助帯 電工程等の工程を行なうことができる構成としたり、オフセット印刷を行なう構成とした り、更には複数種のトナーを用いたフルカラータンデム方式の構成としてもよい。
[0293] ブロッキング性等にぉ ヽて優れた本発明の画像形成装置に用いられる上記感光体 と、上記トナーとを併用することにより、画像特性が優れ、画像汚れも少なぐ画像欠 陥の少ない画像形成装置のシステムを構築することができる。
実施例
[0294] 以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越え ない限り、以下の実施例に限定されるものではない。以下の例で「部」とあるのは「重 量部」を意味する。
[0295] <体積平均径 (M )の測定方法と定義 >
V
1 m未満の体積平均径 (M )を有する粒子の体積平均径 (M )は、日機装社製、
V V
型式: Microtrac Nanotrac 150 (以下、「ナノトラック」と略記する)を用いて、ナノトラッ クの取り扱い説明書に従い、日機装社製の解析ソフト Microtrac Particle Analyzer VerlO.1.2.- 019EEを用い、電気伝導度が 0. 5 SZcmのイオン交換水を分散媒に 用い、それぞれ、下記の条件で又は下記の条件を入力し、取り扱い説明書に記載さ れた方法で測定した。
[0296] ワックス分散液及び重合体一次粒子分散液につ!、ては、
•溶媒屈折率: 1. 333
•測定時間 :100秒
•測定回数 :1回
•粒子屈折率: 1. 59
'透過性 :透過
,形状 :真球形
,密度 :1. 04
[0297] 顔料プレミックス液及び着色剤分散液にっ ヽては、
•溶媒屈折率: 1. 333
•測定時間 :100秒
•測定回数 :1回
•粒子屈折率: 1. 59
,透過性 :吸収
,形状 :非球形
,密度 :1. 00
[0298] <体積中位径 (Dv50)の測定方法と定義 >
最終的に得られたトナーの測定前処理は次の様にした。内径 47mm、高さ 51mm の円筒形のポリエチレン(PE)製ビーカーに、スパチュラ一を用いてトナーを 0. 100g
、スポイトを用いて 20質量。/ oDBS水溶液 (第一工業製薬社製、ネオゲン S— 20A)を
0. 15g添加した。この際、ビーカーの縁等にトナーが飛び散らない様にビーカーの 底部にのみトナー及び 20%DBS水溶液を入れた。次に、スパチュラ一を用いてトナ 一と 20%DBS水溶液がペースト状になるまで 3分間攪拌した。この際もビーカーの 縁等にトナーが飛び散らない様にした。
[0299] 続、て、分散媒ァイソトン II (ベックマンコールター社製)を 30g添カ卩し、スパチュラ一 を用いて 2分間攪拌し全体を目視で均一な溶液とした。次に、長さ 31mm直径 6mm のフッ素榭脂コート回転子をビーカーの中に入れて、スターラーを用いて 400rpmで 20分間分散させた。この際、 3分間に 1回の割合でスパチュラ一を用いて気液界面と ビーカーの縁に目視で観察される巨視的な粒をビーカー内部に落とし込み均一な分
散液となるようにした。続いて、これを目開き 63 μ mのメッシュで濾過し、得られたろ 液を「トナー分散液」とした。
[0300] なお、トナー母粒子の製造工程中の粒径の測定については、凝集中のスラリーを 6 3 μ mのメッシュで濾過したろ液を「スラリー液」とした。
[0301] 粒子の体積中位径 (Dv50)は、ベックマンコールター社製マルチサイザ一 III (ァパ 一チヤ一径 100 m) (以下、「マルチサイザ一」と略記する)を用い、分散媒にはアイ ソトン Πを用い、上述の「トナー分散液」又は「スラリー液」を、分散質濃度 0. 03質量 %になるように希釈して、マルチサイザ一 III解析ソフトで、 KD値は 118. 5として測定 した。測定粒子径範囲は 2. 00力ら 64. 00 mまでとし、この範囲を対数目盛で等 間隔となるように 256分割に離散化し、それらの体積基準での統計値をもとに算出し たものを体積中位径 (Dv50)とした。
[0302] <粒径 2. 00 μ m以上、 3. 56 μ m以下のトナーの個数% (Dns)の測定方法と定義
>
外添工程を経たトナーの測定前処理として次の様にした。内径 47mm、高さ 51m mの円筒形のポリエチレン(PE)製ビーカーに、スパチュラ一を用いてトナーを 0. 10 0g、スポイトを用いて 20質量0/ oDBS水溶液 (第一工業製薬社製、ネオゲン S— 20A )を 0. 15g添加した。この際、ビーカーの縁等にトナーが飛び散らない様にビーカー の底部にのみトナー及び 20%DBS水溶液を入れた。次に、スパチュラ一を用いてト ナ一と 20%DBS水溶液がペースト状になるまで 3分間攪拌した。この際もビーカー の縁等にトナーが飛び散らない様にした。
[0303] 続いて、分散媒ァイソトン IIを 30g添加し、スパチュラ一を用いて 2分間攪拌し、全体 を目視で均一な溶液とした。次に、長さ 31mm直径 6mmのフッ素榭脂コート回転子 をビーカーの中に入れて、スターラーを用いて 400rpmで 20分間分散させた。この 際、 3分間に 1回の割合でスパチュラ一を用いて気液界面とビーカーの縁に目視で 観察される巨視的な粒をビーカー内部に落とし込み、均一な分散液となるようにした 。続いて、これを目開き 63 mのメッシュで濾過し、得られたろ液をトナー分散液とし た。
[0304] 粒径 2. 00 μ m以上、 3. 56 μ m以下のトナーの個数0 /0 (Dns)は、マルチサイザ一
(アパーチャ一径 100 /z m)を用い、分散媒にはァイソトン IIを用い、上述の「トナー分 散液」又は「スラリー液」を、分散質濃度 0. 03質量%になるように希釈して、マルチサ ィザー III解析ソフトで、 KD値は 118. 5として測定した。
[0305] 下限の粒径 2. 00 μ mは本測定装置マルチサイザ一の検出限界であり、上限の粒 径 3. 56 mは本測定装置マルチサイザ一におけるチャンネルの規定値である。本 発明では、この粒径 2. 00 m以上、 3. 56 m以下の領域を微粉領域と認定した。
[0306] 測定粒子径範囲は、 2. 00力ら 64. 00 μ mまでとし、この範囲を対数目盛で等間 隔となるように 256分割に離散化し、それらの個数基準での統計値をもとに、 2. 00か ら 3. 56 μ mまでの粒径成分の割合を個数基準で算出して「Dns」とした。
[0307] <平均円形度の測定方法と定義 >
本発明における「平均円形度」は、以下のように測定し、以下のように定義する。す なわち、トナー母粒子を分散媒 (アイソトン II、ベックマンコールター社製)に、 5720〜 7140個 Z Lの範囲になるように分散させ、フロー式粒子像分析装置 (シスメッタス 社製、 FPIA2100)を用いて、以下の装置条件にて測定を行い、その値を「平均円 形度」と定義する。本発明においては、同様の測定を 3回行い、 3個の「平均円形度」 の相加平均値を、「平均円形度」として採用する。
'モード : HPF
•HPF分析量 :0. 35 /z L
•HPF検出個数: 2000〜2500個
[0308] 以下は、上記装置で測定され、上記装置内で自動的に計算されて表示されるもの であるが、「円形度」は下記式で定義される。
[円形度] = [粒子投影面積と同じ面積の円の周長] Z [粒子投影像の周長] そして、 HPF検出個数である 2000〜2500個を測定し、この個々の粒子の円形度の 算術平均 (相加平均)が「平均円形度」として装置に表示される。
[0309] <電気伝導度の測定方法 >
電気伝導度の測定は、導電率計 (横河電機社製のパーソナル SCメータモデル SC 72と検出器 SC72SN—11)を用いて、取扱説明書通り常法に従って行った。
[0310] <融点ピーク温度、融解ピーク半値幅、結晶化温度、及び結晶化ピーク半値幅の測
定方法 >
セイコーインスツルメンッ社製、型式: SSC5200を用い、同社の取り扱い説明書に 記載された方法で、 10°Cから 110°Cまで、 10°CZ分の速度で昇温させた際の吸熱 曲線より、融点ピーク温度、融解ピーク半値幅を測定し、続いて、 110°Cから 10°Cま で 10°CZ分の速度で降温させた際の発熱曲線より、結晶化温度、結晶化ピーク半 値幅を測定した。
[0311] <固形分濃度の測定方法 >
ケット科学研究所社製 固形分濃度測定機 INFRARED MOISTURE DETE RMINATION BALANCE 型式 FD— 100を用い、固形分を含んだ試料 1. OOg を天秤上に精秤し、ヒーター温度 300°C、加熱時間 90分の条件で固形分濃度を測 し 7こ。
[0312] <帯電量分布 (帯電量の標準偏差)の測定方法 >
トナー 0. 8gZキャリア (パウダーテック社製フェライトキャリア: F150) 19. 2gをガラ ス製のサンプル瓶に入れ、レシプロシェーカー NR— 1 (タイテック社製)を用い 250rp mで 30分間撹拌した。撹拌したトナー Zキャリア混合物を E— Spart帯電量分布測 定装置 (ホソカワミクロン社製)を用いて帯電量分布測定を行った。得られたデータか ら個々の粒子についてその帯電量を粒子直径で除した値(一 16. 197CZ w n!〜 + 16. 197。/ /ζ πιの範囲を 0. 2551。/ /ζ πι毎に 128分害 ijに離散ィ匕;)を求め、 3000 個の粒子測定結果の標準偏差を求めて、帯電量の標準偏差とした。
[0313] <実写評価の方法 >
[実写評価 1]
トナー 80gを、感光体として、後述する電子写真感光体 E1を用い、非磁性一成分 現像方式、ローラー帯電、ゴム現像ローラー接触現像方式、現像速度 164mm,秒 、ベルト転写方式、ブレードドラムクリーニング方式で、 5%印字率での保証寿命枚数 30000枚の、 600dpiマシンのカートリッジに装填し、 1%印字率のチャートを 50枚連 続印字した。
[0314] [実写評価 2]
トナー 200gを感光体として、後述する電子写真感光体 E14を用い、非磁性一成分
現像方式で、ローラー帯電、ゴム現像ローラー接触現像方式、現像速度 100mm, 秒、ベルト転写方式、ブレードドラムクリーニング方式で、 5%印字率での保証寿命枚 数 8000枚の、 600dpiマシンのカートリッジに装填し、 5%印字率のチャートをトナー 切れの表示が出るまで連続印字した。
[0315] <汚れ>
後述する電子写真感光体 E1を用いた「実写評価 1」で、 50枚印字後の画像の汚れ を目視観察し、下記の基準で判定した。
◎:全く汚れなし
〇:微少に汚れあるが使用可能なレベル
△:部分的にうつすらと汚れて 、る
X:部分的ある 、は全体的にはっきり汚れが確認できる
なお、表中で、 (-)は、未評価を意味する。
[0316] <残像 (ゴースト) >
後述する電子写真感光体 E14を用いた「実写評価 2」で、ベタ画像を印字し、先端 部分の画像濃度と、そこから現像ローラー 2周分後に印字された部分の画像濃度を それぞれ X— rite 938 (X— Rite社製)で測定し、 2周分後の画像濃度の先端部分 に対する比(%)を求めた。
◎:全く問題なし (98%以上)
〇:微少に画像濃度差あるが使用可能なレベル(95%以上 98%未満) △:やや画像濃度に差あると認知できるレベル (85%以上 95%未満) X:画像濃度にはっきりと差があるレベル (85%未満)
[0317] <かすれ (ベタ追従性) >
後述する電子写真感光体 E14を用いた「実写評価 2」で、ベタ画像を印字し、先端 部分の画像濃度と、後端部分の画像濃度をそれぞれ X— rite 938 (X— Rite社製) で測定し後端部の画像濃度の先端部に対する比(%)を求めた。
◎:全く問題なし (80%以上)
〇:微少に後端が薄 、が使用可能なレベル (70%以上 80%未満) X:後端がかなり薄いレベル (70%未満)
[0318] <クリーニング'性 >
後述する電子写真感光体 E14を用いた「実写評価 2」で、 8000枚印字後の画像の 汚れを目視観察し、ドラムクリーニング不良による画像の汚れがな 、かどうか確認した
〇:汚れなし
△:部分的にうつすらと汚れて 、る
X:部分的ある 、は全体的にはっきり汚れが確認できる。
[0319] トナー製造例 1
<ワックス ·長鎖重合性単量体分散液 A1の調製 >
ノ《ラフィンワックス(日本精鎩社製 HNP— 9、表面張力 23. 5mNZm、熱特性:融 点ピーク温度 82°C、融解熱量 220jZg、融解ピーク半値幅 8. 2°C、結晶化温度 66 °C、結晶化ピーク半値幅 13. 0°C) 27部(540g)、ステアリルアタリレート (東京化成 社製) 2. 8部、 20質量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液 (第一工業製 薬社製、ネオゲン S20A) (以下、「20%DBS水溶液」と略記する) 1. 9部、脱塩水 6 8. 3部を 90°Cに加熱して、ホモミキサー (特殊機化工業社製 マーク II fモデル)を 用い 10分間攪拌した。
[0320] 次いでこの分散液を 90°Cに加熱し、ホモジナイザー(ゴーリン社製、 15-M-8P A型)を用いて 25MPaの加圧条件で循環乳化を開始し、ナノトラックで粒子径を測定 し体積平均径 (Mv)が 250nmになるまで分散して、ワックス '長鎖重合性単量体分 散液 A1 (エマルシヨン固形分濃度 = 30. 2質量%)を作製した。
[0321] <重合体一次粒子分散液 A1の調製 >
攪拌装置 (3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料 ·助剤仕込み装置を備 えた反応器(内容積 21L、内径 250mm、高さ 420mm)に、上記ワックス '長鎖重合 性単量体分散液 A1 35. 6部(712. 12g)、脱塩水 259部を仕込み、攪拌しながら 窒素気流下で 90°Cに昇温した。
[0322] その後、上記液の攪拌を続けたまま、そこへ下記の「重合性モノマー類等」と「乳化 剤水溶液」との混合物を 5時間かけて添加した。この混合物を滴下開始した時間を「 重合開始」とし、下記の「開始剤水溶液」を重合開始 30分後から 4. 5時間かけて添
加し、更に重合開始 5時間後から、下記の「追カ卩開始剤水溶液」を 2時間かけて添カロ し、更に攪拌を続けたまま内温 90°Cのまま 1時間保持した。
[0323] [重合性モノマー類等]
スチレン 76. 8部 (1535. Og)
ァクジノレ酸ブチノレ 23. 2
アクリル酸 1. 5部
へキサンジオールジアタリレート 0. 7部
トリクロロブロモメタン 1. 0咅
[0324] L化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1. 0部
脱塩水 67. 1部
[0325] [開始剤水溶液]
8質量%過酸化水素水溶液 15. 5部
8質量%L ( + ) -ァスコルビン酸水溶液 15. 5部
[0326] [追加開始剤水溶液]
8質量%L ( + )—ァスコルビン酸水溶液 14. 2部
[0327] 重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液 A1を得た。ナノトラック を用いて測定した体積平均径 (Mv)は 280nmであり、固形分濃度は 21. 1質量%で めつに。
[0328] <重合体一次粒子分散液 A2の調製 >
攪拌装置 (3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置及び各原料 ·助剤仕込み装置を備え た反応器(内容積 21L、内径 250mm、高さ 420mm)に、 20質量%DBS水溶液 1. 0部、脱塩水 312部を仕込み、窒素気流下で 90°Cに昇温し、攪拌しながら 8質量% 過酸化水素水溶液 3. 2部、 8質量%L ( + )—ァスコルビン酸水溶液 3. 2部を一括添 カロした。これらを一括添加した時から 5分後の時点を「重合開始」とする。
[0329] 下記の「重合性モノマー類等」と「乳化剤水溶液」との混合物を、重合開始から 5時 間かけて、また、下記の「開始剤水溶液」を重合開始力も 6時間かけて添加し、その 後、更に攪拌しながら内温 90°Cのまま 1時間保持した。
[0330] [重合性モノマー類等]
スチレン 92. 5部 (1850. Og)
アクリル酸ブチル 7. 5部
アクリル酸 0. 5部
トリクロロブロモメタン 0. 5部
[0331] L化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1. 5部
脱塩水 66. 0部
[0332] [開始剤水溶液]
8質量%過酸化水素水溶液 18. 9部
8質量%L ( + ) -ァスコルビン酸水溶液 18. 9部
[0333] 重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液 A2を得た。ナノトラック を用いて測定した体積平均径 (Mv)は 290nmであり、固形分濃度は 19. 0質量%で めつに。
[0334] <着色剤分散液 Aの調製 >
攪拌機 (プロペラ翼)を備えた内容積 300Lの容器に、トルエン抽出液の紫外線吸 光度が 0. 02であり、真密度が 1. 8gZcm3のファーネス法で製造されたカーボンブ ラック(三菱化学社製、三菱カーボンブラック MA100S) 20部(40kg)、 20%DBS水 溶液 1部、非イオン界面活性剤 (花王社製、ェマルゲン 120) 4部、電気伝導度が 2 SZcmのイオン交換水 75部を加えて予備分散して顔料プレミックス液を得た。ナノト ラックで測定した顔料プレミックス後の分散液中カーボンブラックの体積平均径 (Mv) は 90 μ mであった。
[0335] 上記顔料プレミックス液を原料スラリーとして湿式ビーズミルに供給し、ワンパス分 散を行った。なお、ステータの内径は φ 75mm,セパレータの径が φ 60mm,セパレ ータとディスク間の間隔は 15mmとし、分散用のメディアとして直径が 100 μ mのジル コ-ァビーズ (真密度 6. OgZcm3)を用いた。ステータの有効内容積は 0. 5Lであり 、メディアの充填容積は 0. 35Lとしたので、メディア充填率は 70質量%である。ロー タの回転速度を一定 (ロータ先端の周速が 1 lmZ秒)として、供給口より前記顔料プ
レミックス液を無脈動定量ポンプにより供給速度 50LZhrで連続的に供給し、排出 口より連続的に排出することにより黒色の着色剤分散液 Aを得た。着色剤分散液 Aを ナノトラックで測定した体積平均径 (Mv)は 150nmであり、固形分濃度は 24. 2質量 %であった。
[0336] <トナー母粒子 Aの製造 >
下記の各成分を用いて、以下の凝集工程 (コア材凝集工程及びシェル被覆工程) 、円形ィ匕工程、洗浄工程、乾燥工程を連続して実施することによりトナー母粒子 Aを 製造した。
重合体一次粒子分散液 A1 固形分として 95部 (固形分として 998. 2g) 重合体一次粒子分散液 A2 固形分として 5部
着色剤分散液 A 着色剤固形分として 6部
20%DBS水溶液 コア材凝集工程では、固形分として 0. 2部
20%DBS水溶液 円形ィ匕工程では、固形分として 6部
[0337] 〇コア材凝集工程
攪拌装置 (ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料 ·助剤仕込 み装置を備えた混合器 (容積 12L、内径 208mm、高さ 355mm)に重合体一次粒子 分散液 A1と 20%DBS水溶液を仕込み、内温 7°Cで 5分間均一に混合した。続いて 内温 7°Cで、 250rpmで攪拌を続けながら硫酸第一鉄の 5質量%水溶液を FeSO · 7
4
Η Οとして 0. 52部を 5分かけて添加してから、着色剤分散液 Αを 5分かけて添加し、
2
内温 7°Cで均一に混合し、更に同一の条件のまま、 0. 5質量%硫酸アルミニウム水 溶液を 8分かけて滴下した (榭脂固形分に対しての固形分が 0. 10部)。その後、回 転数 250rpmのまま内温を 54. 0°Cに昇温し、マルチサイザ一を用いて体積中位径( Dv50)を測定し 5. 32 μ mまで成長させた。
[0338] 〇シェル被覆工程
その後、内温 54. 0°C、回転数 250rpmのまま、重合体一次粒子分散液 A2を 3分 かけて添加してそのまま 60分保持した。
[0339] 〇円形化工程
続いて、回転数を 150rpm (攪拌羽根先端の周速 1. 56mZ秒、凝集工程回転数
に対して 40%減の攪拌速度)に落としてから、 20%DBS水溶液(固形分として 6部) を 10分かけて添カ卩し、その後 30分かけて 81°Cに昇温して、平均円形度が 0. 943に なるまで、この条件で加熱及び攪拌を続けた。その後 20分かけて 30°Cまで冷却し、 スラリーを得た。
[0340] 〇洗浄工程
得られたスラリーを抜き出し、 5種 C (東洋濾紙社製 No5C)のろ紙を用いてァスピ レーターにより吸引ろ過をした。ろ紙上に残ったケーキを、攪拌機 (プロペラ翼)を備 えた内容積 10Lのステンレス容器に移し、電気伝導度が: L SZcmのイオン交換水 8kgを加え 50rpmで攪拌することにより均一に分散させ、その後 30分間攪拌したま まとした。
[0341] その後、再度 5種 C (東洋濾紙社製 No5C)の濾紙を用いてァスピレーターにより 吸引ろ過をし、再度ろ紙上に残った固形物を、攪拌機 (プロペラ翼)を備え電気伝導 度が: L S/cmのイオン交換水 8kgの入った内容積 10Lの容器に移し、 50rpmで攪 拌することにより均一に分散させ 30分間攪拌したままとした。この工程を 5回繰り返し たところ、ろ液の電気伝導度は 2 SZcmとなった。
[0342] 〇乾燥工程
ここで得られた固形物をステンレス製バットに高さ 20mmとなる様に敷き詰め、 40°C に設定された送風乾燥機内で 48時間乾燥することにより、トナー母粒子 Aを得た。
[0343] <トナー Aの製造 >
〇外添工程
得られたトナー母粒子 A250gに、外添剤としてクラリアント社製 H2000シリカ 1. 55 gとティカ社製 SMT150IBチタ-ァ微粉末 0. 62gを混ぜて、サンプルミル (協立理 工社製)で、 6000rpmで 1分間混合し、 150メッシュで篩別してトナー Aを得た。
[0344] 〇分析工程
ここで得られたトナー Aのマルチサイザ一を用いて測定した「体積中位径 (Dv50)」 は 5. 54 mであり、「粒径 2. 00 m以上 3. 56 m以下のトナーの個数0 /0 (Dns)」 は 3. 83%であり、平均円形度は 0. 943であった。
[0345] トナー製造例 2
<トナー母粒子 Bの製造 >
「トナー母粒子 Aの製造」の凝集工程 (コア材凝集工程及びシェル被覆工程)、円形 化工程、洗浄工程、乾燥工程において、「コア材凝集工程」、「シェル被覆工程」及び 「円形ィヒ工程」を下記の様に変更したこと以外は全てトナー製造例 1の「トナー母粒子 Aの製造」と同様の操作によりトナー母粒子 Bを得た。
[0346] 〇コア材凝集工程
攪拌装置 (ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料 ·助剤仕込 み装置を備えた混合器 (容積 12L、内径 208mm、高さ 355mm)に重合体一次粒子 分散液 A1と 20%DBS水溶液を仕込み、内温 7°Cで 5分間均一に混合した。続いて 内温 7°Cに保持し、 250rpmで攪拌を続けながら、第一硫酸鉄の 5質量%水溶液を F eSO · 7Η Οとして 0. 52部を 5分かけて添加し、その後、着色剤分散液 Αを 5分かけ
4 2
て添加し、内温 7°Cで均一に混合し、更に同一の条件のまま 0. 5質量%硫酸アルミ -ゥム水溶液を 8分かけて滴下した (榭脂固形分に対しての固形分が 0. 10部)。そ の後、回転数 250rpmのまま内温を 55. 0°Cに昇温し、マルチサイザ一を用いて体 積中位径(Dv50)を測定し 5. 86 μ mまで成長させた。
[0347] 〇シェル被覆工程
その後、内温 55. 0°C、回転数 250rpmのまま、重合体一次粒子分散液 A2を 3分 かけて添加してそのまま 60分保持した。
[0348] 〇円形化工程
続いて回転数を 150rpm (攪拌羽根先端の周速 1. 56mZ秒、凝集工程回転数 に対して 40%減の攪拌速度)に落としてから、 20%DBS水溶液(固形分として 6部) を 10分かけて添カ卩し、その後 30分かけて 84°Cに昇温して、平均円形度が 0. 942に なるまで加熱及び攪拌を続けた。その後 20分かけて 30°Cまで冷却しスラリーを得た
[0349] <トナー Bの製造 >
その後、外添剤として H2000シリカの量を 1. 41gに変更し、 SMT150IBチタ-ァ 微粉末の量を 0. 56gに変更した以外は、「トナー Aの製造」と同じ外添工程の操作に よりトナー Bを得た。
[0350] 〇分析工程
ここで得られたトナー Bのマルチサイザ一を用いて測定した体積中位径 (Dv50)は 5. 97 mであり、「粒径 2. 00 m以上 3. 56 m以下のトナーの個数0 /0 (Dns)」は 2. 53%であり、平均円形度は 0. 943であった。
[0351] トナー製造例 3
<トナー母粒子 Cの製造 >
「トナー母粒子 Aの製造」の凝集工程 (コア材凝集工程及びシェル被覆工程)、円形 化工程、洗浄工程、乾燥工程において、「コア材凝集工程」、「シェル被覆工程」及び 「円形ィヒ工程」を下記の様に変更したこと以外は全てトナー製造例 1の「トナー母粒子 Aの製造」と同様の操作によりトナー母粒子 Cを得た。
[0352] 〇コア材凝集工程
攪拌装置 (ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置及び各原料 ·助剤仕込み 装置を備えた混合器 (容積 12L、内径 208mm、高さ 355mm)に重合体一次粒子分 散液 A1と 20%DBS水溶液を仕込み、内温 7°Cで 5分間均一に混合した。続いて内 温 7°Cに保持し、 250rpmで攪拌を続けながら第一硫酸鉄の 5質量%水溶液を FeS 04- 7H Oとして 0. 52部を 5分かけて添加してから、着色剤分散液 Aを 5分かけて添
2
加し、内温 7°Cで均一に混合し、更に同一の条件のまま 0. 5質量%硫酸アルミニウム 水溶液を 8分かけて滴下した (榭脂固形分に対しての固形分が 0. 10部)。その後、 回転数 250rpmのまま内温を 57. 0°Cに昇温し、マルチサイザ一を用いて体積中位 径(Dv50)を測定し 6. 72 μ mまで成長させた。
[0353] 〇シェル被覆工程
その後、内温 57. 0°C、回転数 250rpmのまま、重合体一次粒子分散液 A2を 3分 かけて添加してそのまま 60分保持した。
[0354] 〇円形化工程
続いて、回転数を 150rpm (攪拌羽根先端の周速 1. 56mZ秒、凝集工程回転数 に対して 40%減の攪拌速度)に落としてから、 20%DBS水溶液(固形分として 6部) を 10分かけて添カ卩し、その後 30分かけて 87°Cに昇温して平均円形度が 0. 941に なるまで加熱及び攪拌を続けた。その後 20分かけて 30°Cまで冷却しスラリーを得た
[0355] <トナー Cの製造 >
その後、外添剤として H2000シリカの量を 1. 25gに変更し、 SMT150IBチタ-ァ 微粉末の量を 0. 50gに変更した以外は、「トナー Aの製造」と同じ外添工程の操作に よりトナー Cを得た。
[0356] 〇分析工程
ここで得られたトナー Cのマルチサイザ一を用いて測定した体積中位径 (Dv50)は 6. 75 mであり、「粒径 2. 00 m以上 3. 56 m以下のトナーの個数0 /0 (Dns)」は 1. 83%であり、平均円形度は 0. 942であった。
[0357] トナー製造例 4
<トナー母粒子 Dの製造 >
「トナー母粒子 Aの製造」の凝集工程 (コア材凝集工程及びシェル被覆工程)、円形 化工程、洗浄工程、乾燥工程において、「コア材凝集工程」、「シェル被覆工程」及び 「円形ィヒ工程」を下記の様に変更したこと以外は全てトナー製造例 1の「トナー母粒子 Aの製造」と同様の操作によりトナー母粒子 Dを得た。
[0358] 〇コア材凝集工程
攪拌装置 (ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置及び各原料 ·助剤仕込み 装置を備えた混合器 (容積 12L、内径 208mm、高さ 355mm)に重合体一次粒子分 散液 A1と 20%DBS水溶液を仕込み、内温 7°Cで 5分間均一に混合した。続いて内 温 21°Cに保持し、 250rpmで攪拌を続けながら第一硫酸鉄の5質量%水溶液を 6 SO · 7Η Οとして 0. 52部を 5分かけて添加してから、着色剤分散液 Αを 5分かけて
4 2
添加し、内温 7°Cで均一に混合し、更に同一の条件のまま 0. 5質量%硫酸アルミ- ゥム水溶液を 8分かけて滴下した (榭脂固形分に対しての固形分が 0. 10部)。その 後、回転数 250rpmのまま内温を 54. 0°Cに昇温し、マルチサイザ一を用いて体積 中位径(Dv50)を測定し 5. 34 μ mまで成長させた。
[0359] 〇シェル被覆工程
その後、内温 54. 0°C、回転数 250rpmのまま、重合体一次粒子分散液 A2を 3分 かけて添加してそのまま 60分保持した。
[0360] 〇円形化工程
続いて回転数を 220rpm (攪拌羽根先端の周速 2. 28mZ秒、凝集工程回転数 に対して 12%減の攪拌速度)に落としてから、 20%DBS水溶液(固形分として 6部) を 10分かけて添カ卩し、その後 30分かけて 81°Cに昇温して、平均円形度が 0. 942に なるまで加熱及び攪拌を続けた。その後、 20分かけて 30°Cまで冷却しスラリーを得 た。
[0361] <トナー Dの製造 >
その後、トナー製造例 1における「トナー Aの製造」と同じ外添工程の操作によりトナ 一 Dを得た。
[0362] 〇分析工程
ここで得られたトナー Dのマルチサイザ一を用いて測定した体積中位径 (Dv50)は 5. 48 mであり、「粒径 2. 00 m以上 3. 56 m以下のトナーの個数0 /0 (Dns)」は 4. 51%であり、平均円形度は 0. 943であった。
[0363] トナー製造例 5
<トナー母粒子 Eの製造 >
「トナー母粒子 Aの製造」の凝集工程 (コア材凝集工程及びシェル被覆工程)、円形 化工程、洗浄工程、乾燥工程において、「コア材凝集工程」、「シェル被覆工程」及び 「円形ィヒ工程」を下記の様に変更したこと以外は全てトナー製造例 1の「トナー母粒子 Aの製造」と同様の操作によりトナー母粒子 Eを得た。
[0364] 〇コア材凝集工程
攪拌装置 (ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料 ·助剤仕込 み装置を備えた混合器 (容積 12L、内径 208mm、高さ 355mm)に重合体一次粒子 分散液 A1と 20%DBS水溶液を仕込み、内温 7°Cで 5分間均一に混合した。続いて 内温 21°Cに保持し、 250rpmで攪拌を続けながら第一硫酸鉄の5質量%水溶液を F eSO · 7Η Οとして 0. 52部を 5分かけて添カ卩してから、着色剤分散液 Αを 5分かけて
4 2
添加し、内温 7°Cで均一に混合し、更に同一の条件のまま 0. 5質量%硫酸アルミ- ゥム水溶液を 8分かけて滴下した (榭脂固形分に対しての固形分が 0. 10部)。その 後、回転数 250rpmのまま内温を 55. 0°Cに昇温し、マルチサイザ一を用いて体積
中位径(Dv50)を測定し 5. 86 μ mまで成長させた。
[0365] 〇シェル被覆工程
その後、内温 55. 0°C、回転数 250rpmのまま、重合体一次粒子分散液 A2を 3分 かけて添加してそのまま 60分保持した。
[0366] 〇円形化工程
続いて、回転数を 220rpm (攪拌羽根先端の周速 2. 28mZ秒、凝集工程回転数 に対して 12%減の攪拌速度)に落としてから、 20%DBS水溶液(固形分として 6部) を 10分かけて添カ卩し、その後 30分かけて 84°Cに昇温して平均円形度が 0. 941に なるまで加熱及び攪拌を続けた。その後 20分かけて 30°Cまで冷却しスラリーを得た
[0367] <トナー Eの製造 >
その後、外添剤として H2000シリカの量を 1. 41gに変更し、 SMT150IBチタ-ァ 微粉末の量を 0. 56gに変更した以外は、「トナー Aの製造」と同じ外添工程の操作に よりトナー Eを得た。
[0368] 〇分析工程
ここで得られた現像用トナー Eのマルチサイザ一を用いて測定した体積中位径 (Dv 50)は 5. 93 mであり、「粒径 2. 00 m以上 3. 56 m以下のトナーの個数0 /0 (Dn s)」は 3. 62%であり、平均円形度は 0. 942であった。
[0369] トナー製造例 6
<トナー母粒子 Fの製造 >
「トナー母粒子 Aの製造」の凝集工程 (コア材凝集工程及びシェル被覆工程)、円形 化工程、洗浄工程、乾燥工程において、「コア材凝集工程」、「シェル被覆工程」及び 「円形ィヒ工程」を下記の様に変更したこと以外は全てトナー製造例 1の「トナー母粒子 Aの製造」と同様の操作によりトナー母粒子 Fを得た。
[0370] 〇コア材凝集工程
攪拌装置 (ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料 ·助剤仕込 み装置を備えた混合器 (容積 12L、内径 208mm、高さ 355mm)に重合体一次粒子 分散液 A1と 20%DBS水溶液を仕込み、内温 7°Cで 5分間均一に混合した。続いて
内温 21°Cに保持し、 250rpmで攪拌を続けながら第一硫酸鉄の5質量%水溶液を F eSO · 7Η Οとして 0. 52部を 5分かけて添カ卩してから、着色剤分散液 Αを 5分かけて
4 2
添加し、内温 7°Cで均一に混合し、更に同一の条件のまま 0. 5質量%硫酸アルミ- ゥム水溶液を 8分かけて滴下した (榭脂固形分に対しての固形分が 0. 10部)。その 後、回転数 250rpmのまま内温を 57. 0°Cに昇温し、マルチサイザ一を用いて体積 中位径(Dv50)を測定し 6. 76 μ mまで成長させた。
[0371] 〇シェル被覆工程
その後、内温 57. 0°C、回転数 250rpmのまま、重合体一次粒子分散液 A2を 3分 かけて添加してそのまま 60分保持した。
[0372] 〇円形化工程
続いて、回転数を 220rpm (攪拌羽根先端の周速 2. 28mZ秒、凝集工程回転数 に対して 12%減の攪拌速度)に落としてから、 20%DBS水溶液(固形分として 6部) を 10分かけて添カ卩し、その後 30分かけて 87°Cに昇温して平均円形度が 0. 941に なるまで加熱及び攪拌を続けた。その後 20分かけて 30°Cまで冷却しスラリーを得た
[0373] <トナー Fの製造 >
その後、外添剤として H2000シリカの量を 1. 25gに変更し、 SMT150IBチタ-ァ 微粉末の量を 0. 50gに変更した以外は、「トナー Aの製造」と同じ外添工程の操作に よりトナー Fを得た。
[0374] 〇分析工程
ここで得られたトナー Fのマルチサイザ一を用いて測定した体積中位径 (Dv50)は 6. 77 mであり、「粒径 2. 00 m以上 3. 56 m以下のトナーの個数0 /0 (Dns)」は 2. 48%であり、平均円形度は 0. 942であった。
[0375] トナー比較製造例 1
<トナー母粒子 Gの製造 >
「トナー母粒子 Aの製造」の凝集工程 (コア材凝集工程及びシェル被覆工程)、円形 化工程、洗浄工程、乾燥工程において、「コア材凝集工程」、「シェル被覆工程」及び 「円形ィヒ工程」を下記の様に変更したこと以外は全てトナー製造例 1の「トナー母粒子
Aの製造」と同様の操作によりトナー母粒子 Gを得た。
[0376] 〇コア材凝集工程
攪拌装置 (ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料 ·助剤仕込 み装置を備えた混合器 (容積 12L、内径 208mm、高さ 355mm)に重合体一次粒子 分散液 A1と 20%DBS水溶液を仕込み、内温 7°Cで 5分間均一に混合した。続いて 内温 21°Cに保持し、 250rpmで攪拌を続けながら第一硫酸鉄の5質量%水溶液を F eSO · 7Η Οとして 0. 52部を 5分で一括添加してから、着色剤分散液 Αを 5分で一
4 2
括添加し、内温 7°Cで均一に混合し、更に同一の条件のまま 0. 5質量%硫酸アルミ -ゥム水溶液を 8秒で一括添加した (榭脂固形分に対しての固形分が 0. 10部)。そ の後、回転数 250rpmのまま内温を 57. 0°Cに昇温し、マルチサイザ一を用いて体 積中位径(Dv50)を測定し 6. 85 μ mまで成長させた。
[0377] 〇シェル被覆工程
その後、内温 57. 0°C、回転数 250rpmのまま、重合体一次粒子分散液 A2を 8秒 で一括添加してそのまま 60分保持した。
[0378] 〇円形化工程
続いて、回転数を 250rpm (攪拌羽根先端の周速 2. 59mZ秒、凝集工程回転数 と同じ攪拌速度)のまま、 20%DBS水溶液(固形分として 6部)を 10分かけて添加し 、その後 30分かけて 87°Cに昇温して平均円形度が 0. 942になるまで加熱及び攪拌 を続けた。その後 20分かけて 30°Cまで冷却し、スラリーを得た。
[0379] <トナー Gの製造 >
その後、外添剤として H2000シリカの量を 1. 25gに変更し、 SMT150IBチタ-ァ 微粉末の量を 0. 50gに変更した以外は、「トナー Aの製造」と同じ外添工程の操作に よりトナー Gを得た。
[0380] 〇分析工程
ここで得られた現像用トナー Gのマルチサイザ一を用いて測定した体積中位径 (Dv 50)は 6. 79 mであり、「粒径 2. 00 m以上 3. 56 m以下のトナーの個数0 /0 (Dn s)」は 4. 52%であり、平均円形度は 0. 943であった。
[0381] トナー A〜Gを用いて、感光体として後述する E1を用い、「汚れ」を、前記「実写評
価 1」の方法で評価した。結果を以下の表 2に示す。
[表 2]
[0382] 上記表 2の結果から明らかなように、本発明における式(1)を満たすトナー A〜Fは 、トナー製造例 1〜6に示した製造方法によって実際に製造できた。そして、式(1)を 満たすトナー A〜Fは全て、帯電量の標準偏差が充分小さぐ帯電量分布がシヤー プであった。また、後述の感光体 E1と組み合わせた実写評価 1において、全く汚れ が見られな 、か、微少な汚れはあるが使用可能なレベルであった(実施例 3及び実 施例 6)。
[0383] 一方、式(1)を満たさないトナー Gは、帯電量の標準偏差が大きぐ帯電量分布が シャープでなかった。また、後述の感光体 E1と組み合わせた実写評価 1においても、 全体的にはっきり汚れが確認できた (比較例 1)。
[0384] トナー製造例 7
<ワックス ·長鎖重合性単量体分散液 H 1の調製 >
ノ《ラフィンワックス(日本精鎩社製 HNP— 9、表面張力 23. 5mNZm、熱特性:融 点ピーク温度 82°C、融解ピーク半値幅 8. 2°C、結晶化温度 66°C、結晶化ピーク半 値幅 13. 0°C) 27部(540g)、ステアリルアタリレート (東京化成社製) 2. 8部、 20%D BS水溶液 1. 9部、脱塩水 68. 3部を 90°Cに加熱して、ホモミキサー(特殊機化工業
社製 マーク II fモデル)を用い 10分間攪拌した。
[0385] 次いでこの分散液を 90°Cに加熱し、ホモジナイザー(ゴーリン社製、 15-M-8P A型)を用いて 25MPaの加圧条件で循環乳化を開始し、ナノトラックで粒子径を測定 し体積平均径 (Mv)が 250nmになるまで分散して、ワックス '長鎖重合性単量体分 散液 HI (エマルシヨン固形分濃度 = 30. 2質量0 /0)を作製した。
[0386] <重合体一次粒子分散液 HIの調製 >
攪拌装置 (3枚翼)、加熱冷却装置及び各原料 ·助剤仕込み装置を備えた反応器( 内容積 21L、内径 250mm、高さ 420mm)に、上記ワックス ·長鎖重合性単量体分散 液 HI 35. 6部(712. 12g)、脱塩水 259部を仕込み、攪拌しながら窒素気流下で 90°Cに昇温した。
[0387] その後、上記液の攪拌を続けたまま、そこへ下記の「重合性モノマー類等」と「乳化 剤水溶液」との混合物を 5時間かけて添加した。この混合物を滴下開始した時間を「 重合開始」とし、下記の「開始剤水溶液」を重合開始 30分後から 4. 5時間かけて添 加し、更に重合開始 5時間後から、下記の「追カ卩開始剤水溶液」を 2時間かけて添カロ し、更に攪拌を続けたまま内温 90°Cのまま 1時間保持した。
[0388] [重合性モノマー類等]
スチレン 76. 8部 (1535. Og)
ァクジノレ酸ブチノレ 23. 2
アクリル酸 1. 5部
へキサンジオールジアタリレート 0. 7部
トリクロロブロモメタン 1. 0咅
[0389] L化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1. 0部
脱塩水 67. 1部
[0390] [開始剤水溶液]
8質量%過酸化水素水溶液 15. 5部
8質量%L ( + ) -ァスコルビン酸水溶液 15. 5部
[0391] [追加開始剤水溶液]
8質量%L ( + )—ァスコルビン酸水溶液 14. 2部
[0392] 重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液 HIを得た。ナノトラック を用いて測定した体積平均径 (Mv)は 265nmであり、固形分濃度は 22. 3質量%で めつに。
[0393] <シリコーンワックス分散液 H2の調製 >
アルキル変性シリコーンワックス (熱特性:融点ピーク温度 77°C、融解熱量 97jZg 、融解ピーク半値幅 10. 9°C、結晶化温度 61°C、結晶化ピーク半値幅 17. 0°C) 27 部(540g)、 20%DBS水溶液 1. 9部、脱塩水 71. 1部を 3Lのステンレス容器に入れ 90°Cに加熱してホモミキサー(特殊機化工業社製 マーク II fモデル)で 10分間攪 拌した。次いでこの分散液を 99°Cに加熱し、ホモジナイザー(ゴーリン社製、 15— M 8PA型)を用いて 45MPaの加圧条件で循環乳化を開始し、ナノトラックで測定し ながら体積平均径 (Mv)が 240nmになるまで分散してシリコーンワックス分散液 H2 ( エマルシヨン固形分濃度 = 27. 3%)を作製した。
[0394] <重合体一次粒子分散液 H2の調製 >
攪拌装置 (3枚翼)、加熱冷却装置及び各原料 ·助剤仕込み装置を備えた反応器( 内容積 21L、内径 250mm、高さ 420mm)に、シリコーンワックス分散液 H2を 23. 3 部 (466g)、 20%DBS水溶液 1. 0部、脱塩水 324部を仕込み、窒素気流下で 90°C に昇温し、攪拌しながら 8%過酸ィ匕水素水溶液 3. 2部、 8%L ( + )—ァスコルビン酸 水溶液 3. 2部を一括添加した。これらを一括添加した時から 5分後の時点を「重合開 始」とする。
[0395] 下記の「重合性モノマー類等」と「乳化剤水溶液」との混合物を、重合開始から 5時 間かけて、また、下記の「開始剤水溶液」を重合開始力も 6時間かけて添加し、その 後、更に攪拌しながら内温 90°Cのまま 1時間保持した。
[0396] [重合性モノマー類等]
スチレン 92. 5部 (1850. Og)
アクリル酸ブチル 7. 5部
アクリル酸 1. 5部
トリクロロブロモメタン 0. 6部
[0397] L化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1. 0部
脱塩水 67. 0部
[0398] [開始剤水溶液]
8質量%過酸化水素水溶液 18. 9部
8質量%L ( + ) -ァスコルビン酸水溶液 18. 9部
[0399] 重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液 H2を得た。ナノトラック を用いて測定した体積平均径 (Mv)は 290nmであり、固形分濃度は 19. 0質量%で めつに。
[0400] <着色剤分散液 Hの調製 >
攪拌機 (プロペラ翼)を備えた内容積 300Lの容器に、トルエン抽出液の紫外線吸 光度が 0. 02であり、真密度が 1. 8gZcm3のファーネス法で製造されたカーボンブ ラック(三菱化学社製、三菱カーボンブラック MA100S) 20部(40kg)、 20%DBS水 溶液 1部、非イオン界面活性剤 (花王社製、ェマルゲン 120)4部、電気伝導度が 2 SZcmのイオン交換水 75部を加えて予備分散して顔料プレミックス液を得た。ナノト ラックで測定した顔料プレミックス後の分散液中カーボンブラックの体積平均径 (Mv) は 90 μ mであった。
[0401] 上記顔料プレミックス液を原料スラリーとして湿式ビーズミルに供給し、ワンパス分 散を行った。なお、ステータの内径は φ 75mm,セパレータの径が φ 60mm,セパレ ータとディスク間の間隔は 15mmとし、分散用のメディアとして直径が 100 μ mのジル コ-ァビーズ (真密度 6. OgZcm3)を用いた。ステータの有効内容積は 0. 5Lであり 、メディアの充填容積は 0. 35Lとしたので、メディア充填率は 70質量%である。ロー タの回転速度を一定 (ロータ先端の周速が 1 lmZ秒)として、供給口より前記顔料プ レミックス液を無脈動定量ポンプにより供給速度 50LZhrで連続的に供給し、排出 口より連続的に排出することにより黒色の着色剤分散液 Hを得た。着色剤分散液 Hを ナノトラックで測定した体積平均径 (Mv)は 150nmであり、固形分濃度は 24. 2質量 %であった。
[0402] <トナー母粒子 Hの製造 >
下記の各成分を用いて、以下の凝集工程 (コア材凝集工程及びシェル被覆工程) 、円形ィ匕工程、洗浄工程、乾燥工程を連続して実施することによりトナー母粒子 Hを 製造した。
重合体一次粒子分散液 HI 固形分として 90部 (固形分として 958. 9g) 重合体一次粒子分散液 H2 固形分として 10部
着色剤分散液 H 着色剤固形分として 4. 4部
20%DBS水溶液 コア材凝集工程では、固形分として 0. 15部
20%DBS水溶液 円形ィ匕工程では、固形分として 6部
[0403] 〇コア材凝集工程
攪拌装置 (ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置及び各原料'助剤仕込み装置を備え た混合器 (容積 12L、内径 208mm、高さ 355mm)に重合体一次粒子分散液 HIと 2 0%DBS水溶液を仕込み、内温 10°Cで 10分間均一に混合した。続いて内温 10°C で、 280rpmで攪拌させて、硫酸カリウムの 5質量%水溶液を、 K SOとして 0. 12部
2 4
を 1分かけて連続添加してから、着色剤分散液 Hを 5分かけて連続添加し、内温 10 °Cで均一に混合した。
[0404] その後、脱塩水 100部を 30分かけて連続添カ卩してから、回転数 280rpmのまま内 温を 48. 0°Cに 67分かけて昇温 (0. 5°CZ分)した。次いで、 30分毎に 1°C昇温した 後(0. 03°CZ分)、 54. 0°Cで保持し、マルチサイザ一を用いて体積中位径(Dv50 )を測定し 5. 15 mまで成長させた。
[0405] この時の攪拌条件は以下の通りである。
(a)攪拌容器の直径 (所謂一般的な円筒形として): 208mm
(b)攪拌容器の高さ: 355mm
(c)攪拌羽根先端の周速 : 280rpm、すなわち 2. 78mZ秒。
(d)攪拌羽根の形状:ダブルヘリカル翼(直径 190mm、高さ 270mm、幅 20mm)
(e)攪拌容器内の羽根の位置: 容器の底から 5mm上に配置。
[0406] 〇シェル被覆工程
その後、内温 54. 0°C、回転数 280rpmのまま、重合体一次粒子分散液 H2を 6分 かけて連続添カ卩してそのまま 60分保持した。このとき、粒子の Dv50が 5. 34 μ mで
あった。
[0407] 〇円形化工程
続いて、 20%DBS水溶液(固形分として 6部)と水 0. 04部の混合水溶液を 30分か けて添カ卩しながら 83°Cに昇温し、その後、 30分毎に 1°C昇温させ 88°Cまで昇温して 、 3. 5時間かけて平均円形度が 0. 939になるまで、この条件で加熱及び攪拌を続け た。その後、 10分かけて 20°Cまで冷却し、スラリーを得た。このとき、粒子の Dv50は 5. 33 /z m、平均円形度 0. 937であった。
[0408] 〇洗净工程
得られたスラリーを抜き出し、 5種 C (東洋濾紙社製 No5C)のろ紙を用いてァスピ レーターにより吸引ろ過をした。ろ紙上に残ったケーキを、攪拌機 (プロペラ翼)を備 えた内容積 10Lのステンレス容器に移し、電気伝導度が: L SZcmのイオン交換水 8kgを加え 50rpmで攪拌することにより均一に分散させ、その後 30分間攪拌したま まとした。
[0409] その後、再度 5種 C (東洋濾紙社製 No5C)の濾紙を用いてァスピレーターにより 吸引ろ過をし、再度ろ紙上に残った固形物を、攪拌機 (プロペラ翼)を備え電気伝導 度が: L S/cmのイオン交換水 8kgの入った内容積 10Lの容器に移し、 50rpmで攪 拌することにより均一に分散させ 30分間攪拌したままとした。この工程を 5回繰り返し たところ、ろ液の電気伝導度は 2 SZcmとなった。
[0410] 〇乾燥工程
ここで得られた固形物をステンレス製バットに高さ 20mmとなる様に敷き詰め、 40°C に設定された送風乾燥機内で 48時間乾燥することにより、トナー母粒子 Hを得た。
[0411] <トナー Hの製造 >
〇外添工程
得られたトナー母粒子 H500gに、外添剤としてクラリアント社製 H30TDシリカ 8. 75 gを混ぜて、 9Lヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で、 3000rpmで 30分間混合し た後、丸尾カルシウム社製 HAP— 05NPリン酸カルシウム 1. 4gを混ぜて、 3000rp mで 10分間混合し、 200メッシュで篩別してトナー Hを得た。
[0412] 〇分析工程
ここで得られたトナー Hのマルチサイザ一を用いて測定した「体積中位径 (Dv50)」 は 5. 26 mであり、「粒径 2. 00 m以上 3. 56 m以下のトナーの個数0 /0 (Dns)」 は 5. 87%であり、平均円形度は 0. 948であった。
[0413] トナー製造例 8
<トナー母粒子 Iの製造 >
「トナー母粒子 Hの製造」の凝集工程 (コア材凝集工程及びシェル被覆工程)、円 形化工程、洗浄工程、乾燥工程において、「コア材凝集工程」、「シェル被覆工程」及 び「円形ィヒ工程」を下記の様に変更したこと以外は全てトナー製造例 7の「トナー母粒 子 Hの製造」と同様の操作によりトナー母粒子 Iを得た。
[0414] 〇コア材凝集工程
攪拌装置 (ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料 ·助剤仕込 み装置を備えた混合器 (容積 12L、内径 208mm、高さ 355mm)に重合体一次粒子 分散液 HIと 20%DBS水溶液を仕込み、内温 10°Cで 5分間均一に混合した。続い て内温 10°Cで、 280rpmで攪拌させて硫酸カリウムの 5質量%水溶液 0. 12部を 1分 かけて連続添加してから、着色剤分散液 Hを 5分かけて連続添加し、内温 10°Cで均 一に混合した。その後、脱塩水 100部を 26分かけて連続添加してから、回転数 280r pmのまま内温を 52. 0°Cに 64分力けて昇温し (0. 5°CZ分)した。次いで 30分かけ て 1°C昇温した後(0. 03°CZ分)、 110分間保持し、マルチサイザ一を用いて体積 中位径 (Dv50)を測定し 5. 93 mまで成長させた。この時の攪拌条件はトナー製造 ί列 7と同じとした。
[0415] 〇シェル被覆工程
その後、内温 53. 0°C、回転数 280rpmのまま、重合体一次粒子分散液 H2を 6分 かけて連続添カ卩してそのまま 90分保持した。このとき、粒子の Dv50は 6. 23 μ mで めつに。
[0416] 〇円形化工程
続いて、 20%DBS水溶液(固形分として 6部)と水 0. 04部の混合水溶液を 30分か けて添カ卩しながら 85°Cに昇温し、その後、 130分かけて 92°Cまで昇温して、平均円 形度が 0. 943になるまで、この条件で加熱及び攪拌を続けた。その後、 10分かけて
20°Cまで冷却し、スラリーを得た。このとき、粒子の Dv50は 6. 17 m、平均円形度 0. 945であった。洗浄 '乾燥'外添工程はトナー製造例 7と同様の方法で行った。
[0417] 〇外添工程
得られたトナー母粒子 I500gに、外添剤としてクラリアント社製 H30TDシリカ 7. 5g を混ぜて、 9Lヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で 3000rpmで 30分間混合した後 、丸尾カルシウム社製 HAP— 05NPリン酸カルシウム 1. 2gを混ぜて、 3000rpmで 1 0分間混合し、 200メッシュで篩別してトナー Iを得た。
[0418] 〇分析工程
ここで得られたトナー Iのマルチサイザ一を用いて測定した「体積中位径 (Dv50)」 は 6. 16 mであり、「粒径 2. 00 m以上 3. 56 m以下のトナーの個数0 /0 (Dns)」 は 2. 79%であり、平均円形度は 0. 946であった。
[0419] トナー製造例 9
<トナー母粒子 Jの製造 >
「トナー母粒子 Hの製造」の凝集工程 (コア材凝集工程及びシェル被覆工程)、円 形化工程、洗浄工程、乾燥工程において、「コア材凝集工程」、「シェル被覆工程」及 び「円形ィヒ工程」を下記の様に変更したこと以外は全てトナー製造例 7の「トナー母粒 子 Hの製造」と同様の操作によりトナー母粒子 Jを得た。
[0420] 〇コア材凝集工程
攪拌装置 (ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料 ·助剤仕込 み装置を備えた混合器 (容積 12L、内径 208mm、高さ 355mm)に重合体一次粒子 分散液 HIと 20%DBS水溶液を仕込み、内温 10°Cで 10分間均一に混合した。続い て内温 10°Cで、 280rpmで攪拌させて硫酸カリウムの 5質量%水溶液 0. 12部を 1分 かけて連続添加してから、着色剤分散液 Hを 5分かけて連続添加し、内温 10°Cで均 一に混合した。その後、脱塩水 0. 5部の 26分かけて連続添加してから、回転数 280 rpmのまま内温を 52. 0°Cに 64分力けて昇温(0. 5°CZ分)した。次いで、 30分かけ て 1°C昇温した後(0. 03°CZ分)、 130分間保持し、マルチサイザ一を用いて体積 中位径 (Dv50)を測定し 6. 60 mまで成長させた。この時の攪拌条件はトナー製造 ί列 7と同じとした。
[0421] 〇シェル被覆工程
その後、内温 53. 0°C、回転数 280rpmのまま、重合体一次粒子分散液 H2を 6分 かけて連続添カ卩してそのまま 60分保持した。このとき、粒子の Dv50が 6. 93 μ mで めつに。
[0422] 〇円形化工程
続いて、 20%DBS水溶液(固形分として 6部)と水 0. 04部の混合水溶液を 30分か けて添カ卩しながら 90°Cに昇温し、その後、 60分かけて 97°Cまで昇温して、平均円形 度が 0. 945になるまで、この条件で加熱及び攪拌を続けた。その後、 10分かけて 20 °Cまで冷却し、スラリーを得た。このとき、粒子の Dv50は 6. 93 μ m、平均円形度 0. 945であった。洗浄'乾燥工程はトナー製造例 7と同様の方法で行った。
[0423] 〇外添工程
得られたトナー母粒子 J500gに、外添剤としてクラリアント社製 H30TDシリカ 6. 25 gを混ぜて、 9Lヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で、 3000rpmで 30分間混合し た後、丸尾カルシウム社製 HAP— 05NPリン酸カルシウム 1. Ogを混ぜて、 3000rp mで 10分間混合し、 200メッシュで篩別してトナー Jを得た。
[0424] 〇分析工程
ここで得られたトナー Jのマルチサイザ一を用いて測定した「体積中位径 (Dv50)」 は 6. 97 mであり、「粒径 2. 00 m以上 3. 56 m以下のトナーの個数0 /0 (Dns)」 は 1. 85%であり、平均円形度は 0. 946であった。
[0425] トナー比較製造例 2
<トナー母粒子 Oの製造 >
「トナー母粒子 Hの製造」の凝集工程 (コア材凝集工程及びシェル被覆工程)、円 形化工程、洗浄工程、乾燥工程において、「コア材凝集工程」、「シェル被覆工程」及 び「円形ィヒ工程」を下記の様に変更したこと以外は全てトナー製造例 7の「トナー母粒 子 Hの製造」と同様の操作によりトナー母粒子 Oを得た。
[0426] 〇コア材凝集工程
攪拌装置 (ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料 ·助剤仕込 み装置を備えた混合器 (容積 12L、内径 208mm、高さ 355mm)に重合体一次粒子
分散液 HIと 20%DBS水溶液を仕込み、内温 10°Cで 10分間均一に混合した。続い て内温 10°Cで、 280rpmで攪拌させて硫酸カリウムの 5質量%水溶液 0. 12部を 1分 かけて連続添加してから、着色剤分散液 Hを 5分かけて連続添加し、内温 10°Cで均 一に混合した。その後、脱塩水 100部を 30分かけて連続添加してから、回転数 280r pmのまま内温を 34. 0°Cに 40分かけて昇温した(0. 6°CZ分)。次いで 20分間保持 し、マルチサイザ一を用いて体積中位径 (Dv50)を測定し 3. 81 mまで成長させた
[0427] 〇シェル被覆工程
その後、内温 34. 0°C、回転数 280rpmのまま、重合体一次粒子分散液 H2を 6分 かけて添加してそのまま 90分保持した。
[0428] 〇円形化工程
続いて、回転数を 280rpm (凝集工程回転数と同じ攪拌速度)のまま、 20%DBS水 溶液(固形分として 6部)を 10分かけて添加し、その後 30分かけて 76°Cに昇温して 平均円形度が 0. 962になるまで加熱及び攪拌を続けた。その後 10分かけて 20°Cま で冷却し、スラリーを得た。
[0429] <トナー Kの製造 >
その後、トナー製造例 7のトナー母粒子 Hを 100部に、上記トナー母粒子 Oを 1部混 合して、このトナー母粒子混合物 K500gに、外添剤としてクラリアント社製 H30TDシ リカ 8. 75gを混ぜて、 9Lヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で、 3000rpmで 30分 間混合した後、丸尾カルシウム社製 HAP— 05NPリン酸カルシウム 1. 4gを混ぜて、 3000rpmで 10分間混合し、 200メッシュで篩別してトナー Kを得た。
[0430] 〇分析工程
ここで得られたトナー Kのマルチサイザ一を用いて測定した「体積中位径 (Dv50)」 は 5. 31 mであり、「粒径 2. 00 m以上 3. 56 m以下のトナーの個数0 /0 (Dns)」 は 7. 22%であり、平均円形度は 0. 949であった。
[0431] トナー比較製造例 3
<トナー母粒子 Lの製造 >
「トナー母粒子 Hの製造」の凝集工程 (コア材凝集工程及びシェル被覆工程)、円
形化工程、洗浄工程、乾燥工程において、「コア材凝集工程」、「シェル被覆工程」及 び「円形ィヒ工程」を下記の様に変更したこと以外は全てトナー製造例 7の「トナー母粒 子 Hの製造」と同様の操作によりトナー母粒子 Lを得た。
[0432] 〇コア材凝集工程
攪拌装置 (ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料 ·助剤仕込 み装置を備えた混合器 (容積 12L、内径 208mm、高さ 355mm)に重合体一次粒子 分散液 HIと 20%DBS水溶液を仕込み、内温 10°Cで 10分間均一に混合した。続い て内温 10°Cで、 310rpmで攪拌させて、硫酸カリウムの 5質量%水溶液を K SOとし
2 4 て 0. 12部を 1分かけて連続添加してから、着色剤分散液 Hを 5分かけて連続添加し 、内温 10°Cで均一に混合した。
[0433] その後、脱塩水 100部を 30分かけて連続添カ卩してから、回転数 310rpmのまま内 温を 48. 0°Cに 67分かけて昇温 (0. 5°CZ分)した。次いで 30分毎に 1°C昇温した 後(0. 03°CZ分)、 53. 0°Cで保持し、マルチサイザ一を用いて体積中位径(Dv50 )を測定し 5. 08 μ mまで成長させた。
[0434] この時の攪拌条件は、以下の(c)以外はトナー製造例 7と同様にして行った。
(c)攪拌羽根先端の周速 : 310rpm、すなわち 3. 08mZ秒。
[0435] 〇シェル被覆工程
その後、内温 54. 0°C、回転数 310rpmのまま、重合体一次粒子分散液 H2を 6分 かけて連続添カ卩してそのまま 60分保持した。このとき、粒子の Dv50が 5. 19 μ mで めつに。
[0436] 〇円形化工程
続いて、 20%DBS水溶液(固形分として 6部)と水 0. 04部の混合水溶液を 30分か けて添カ卩しながら 83°Cに昇温し、その後、 30分毎に 1°C昇温させ 90°Cまで昇温して 、 2. 5時間かけて平均円形度が 0. 939になるまで、この条件で加熱及び攪拌を続け た。その後、 10分かけて 20°Cまで冷却し、スラリーを得た。このとき、粒子の Dv50は 5. 18 ^ m,平均円形度 0. 940であった。洗浄.乾燥工程はトナー製造例 7と同様の 方法で行った。
[0437] 〇外添工程
得られたトナー母粒子 L500gに、外添剤としてクラリアント社製 H30TDシリカ 8. 7 5gを混ぜて、 9Lヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で、 3000rpmで 30分間混合し た後、丸尾カルシウム社製 HAP— 05NPリン酸カルシウム 1. 4gを混ぜて、 3000rp mで 10分間混合し、 200メッシュで篩別してトナー Lを得た。
[0438] 〇分析工程
ここで得られたトナー Lのマルチサイザ一を用いて測定した「体積中位径 (Dv50)」 は 5. 18 mであり、「粒径 2. 00 m以上 3. 56 m以下のトナーの個数0 /0 (Dns)」 は 9. 94%であり、平均円形度は 0. 940であった。
[0439] トナー比較製造例 4
<トナー母粒子 Mの製造 >
「トナー母粒子 Hの製造」の凝集工程 (コア材凝集工程及びシェル被覆工程)、円 形化工程、洗浄工程、乾燥工程において、「コア材凝集工程」、「シェル被覆工程」及 び「円形ィヒ工程」を下記の様に変更したこと以外は全てトナー製造例 7の「トナー母粒 子 Hの製造」と同様の操作によりトナー母粒子 Mを得た。
[0440] 〇コア材凝集工程
攪拌装置 (ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料 ·助剤仕込 み装置を備えた混合器 (容積 12L、内径 208mm、高さ 355mm)に重合体一次粒子 分散液 HIと 20%DBS水溶液を仕込み、内温 10°Cで 10分間均一に混合した。続い て内温 10°Cで、 310rpmで攪拌させて硫酸カリウムの 5質量%水溶液を K SOとし
2 4 て 0. 12部を 1分かけて連続添加してから、着色剤分散液 Hを 5分かけて連続添加し
、内温 10°Cで均一に混合した。
[0441] その後、脱塩水 100部を 30分かけて連続添カ卩してから、回転数 310rpmのまま内 温を 52. 0°Cに 56分かけて昇温 (0. 8°CZ分)した。次いで、 30分毎に 1°C昇温した 後(0. 03°CZ分)、 54. 0°Cで保持し、マルチサイザ一を用いて体積中位径(Dv50
)を測定し 5. 96 μ mまで成長させた。
[0442] この時の攪拌条件は、以下の(c)以外はトナー製造例 7と同様にして行った。
(c)攪拌羽根先端の周速 : 310rpm、すなわち 3. 08mZ秒。
[0443] 〇シェル被覆工程
その後、内温 54. 0°C、回転数 310rpmのまま、重合体一次粒子分散液 H2を 6分 かけて連続添カ卩してそのまま 60分保持した。このとき、粒子の Dv50が 5. 94 μ mで めつに。
[0444] 〇円形化工程
続いて、 20%DBS水溶液(固形分として 6部)と水 0. 04部の混合水溶液を 30分か けて添カ卩しながら 88°Cに昇温し、その後、 30分毎に 1°C昇温させ 90°Cまで昇温して 、 2時間かけて平均円形度が 0. 940になるまで、この条件で加熱及び攪拌を続けた 。その後、 10分かけて 20°Cまで冷却し、スラリーを得た。このとき、粒子の Dv50は 5. 88 ^ m,平均円形度 0. 943であった。洗浄 ·乾燥工程はトナー製造例 7と同様の方 法で行った。
[0445] 〇外添工程
得られたトナー母粒子 M500gに、外添剤としてクラリアント社製 H30TDシリカ 7. 5 gを混ぜて、 9Lヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で、 3000rpmで 30分間混合し た後、丸尾カルシウム社製 HAP— 05NPリン酸カルシウム 1. 2gを混ぜて、 3000rp mで 10分間混合し、 200メッシュで篩別してトナー Mを得た。
[0446] 〇分析工程
ここで得られたトナー Mのマルチサイザ一を用いて測定した「体積中位径 (Dv50)」 は 5. 92 mであり、「粒径 2. 00 m以上 3. 56 m以下のトナーの個数0 /0 (Dns)」 は 5. 22%であり、平均円形度は 0. 945であった。
[0447] トナー比較製造例 5
トナー製造例 9のトナー母粒子 J100部に、トナー母粒子 Oを 3部混合して、このトナ 一母粒子混合物 500gに、外添剤としてクラリアント社製 H30TDシリカ 6. 25gを混ぜ て、 9Lヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で、 3000rpmで 30分間混合した後、丸 尾カルシウム社製 HAP— 05NPリン酸カルシウム 1. Ogを混ぜて、 3000rpmで 10分 間混合し、 200メッシュで篩別してトナー Nを得た。
[0448] 〇分析工程
ここで得られたトナー Nのマルチサイザ一を用いて測定した「体積中位径 (Dv50)」 は 6. 88 mであり、「粒径 2. 00 m以上 3. 56 m以下のトナーの個数0 /0 (Dns)」
は 9. 08%であり、平均円形度は。. 952であった。
トナー H〜Nを、後述の感光体 E 14を用いた前記実写評価 2で実写評価を行なつ た。結果を以下の表 3に示す。
[表 3]
[0450] 実施例 7〜9は何れも、残像 (ゴースト)、カスレ(ベタ追従性)及びクリーニング性が 全て良好であった。一方、比較例 2〜5は何れも、残像 (ゴースト)、カスレ(ベタ追従 性)及びクリーニング性の全てに優れたものはなかった。トナー H、 I、 Jは、後述の感 光体 E14と組み合わせて使用すると優れた実写性能を有する力 トナー K、 L、 M、 Nは、後述の感光体 E14と組み合わせて使用しても実写性能に劣っていることが分 かった。
[0451] 図 3はトナー比較製造例 2 (トナー K)、図 4はトナー製造例 7 (トナー H)のトナーの 走査型電子顕微鏡写真 (SEM写真)である。両者を比較すると、図 3 (トナー比較製 造例 2)は、図 4 (トナー製造例 7)と比べて、 3. 56 /z m以下の微粉が多く存在するこ とが分力つた。
[0452] 図 5は、トナー比較製造例 2のトナー(トナー K)の実写評価後、クリーニングブレー ド上のトナーの付着状況を表わす SEM写真である。このような微粉が多 、トナーを 長時間印字すると、図 5に示すように、画像形成装置内のクリーニングブレード上に 付着力が高い 3. 56 m以下の微粉が積極的に堆積して、嵩密度の高い堤防を形 成してトナーの搬送を阻害していることが分力つた。図 5中の楕円で囲まれた部分が 、 3. 56 m以下の微粉が堆積した堤防である。
[0453] <感光体製造 >
CG製造例 1 (CGIの製造)
特開平 10— 007925号公報に記載の「粗 TiOPcの製造例」、「実施例 1」の順に従 つて、 j8型ォキシチタニウムフタロシアニンを調製した。得られたォキシチタニウムフ タロシアニン 18部を、—10°C以下に冷却した 95%濃硫酸 720部中に添加した。この とき硫酸溶液の内温が— 5°Cを超えないようにゆっくりと添加した。添加終了後、濃硫 酸溶液を— 5°C以下で 2時間撹拌した。撹拌後、濃硫酸溶液をガラスフィルターで濾 過し、不溶分を濾別後、濃硫酸溶液を氷水 10800部中に放出することにより、ォキシ チタニウムフタロシアニンを析出させ、放出後 1時間撹拌した。撹拌後、溶液を濾別し 、得られたウエットケーキを再度水 900部中で 1時間洗浄し、濾過を行った。この洗浄 操作を濾液のイオン伝導度が 0. 5mSZmになるまで繰り返すことにより、低結晶性 ォキシチタニウムフタロシアニンのウエットケーキを 185部得た(ォキシチタニウムフタ ロシアニン含有率 9. 5%)。
[0454] 得られた低結晶性ォキシチタニウムフタロシアニンのウエットケーキ 93部を水 190 部中に添加し、室温で 30分撹拌した。その後、 THF39部を添加し、更に室温で 1時 間撹拌した。撹拌後、水を分離し、 MeOH134部を添加し、室温で 1時間撹拌洗浄 した。洗浄後、濾別し、再度 MeOH134部を用いて 1時間撹拌洗浄後、濾別し、真 空乾燥機で加熱乾燥することにより、 CuK a特性 X線 (波長 1. 541A)に対するブラ ッグ角(2 Θ ±0. 2° ) 9. 5° 、 24. 及び 27. 2° に主たる回折ピークを有するォ キシチタニウムフタロシアニン (以下、「CG1」ということがある)を 7. 8部得た。
[0455] 得られたォキシチタニウムフタロシアニンに含まれるクロ口ォキシチタニウムフタロシ ァニンの含有量を、特開 2001— 115054号公報に記載の手法 (マススペクトル法) を用いて調べたところ、ォキシチタニウムフタロシアニンに対し、強度比 0. 003以下 であることを確認した。
[0456] CG製造例 2 (CG2の製造)
特開平 2001— 115054、実施例 1に記載の手法で作製された β型ォキシチタ-ゥ ムフタロシアニンを使用する以外は、 CG製造例 1と同様にして CuK o;特性 X線 (波 長 1. 541 A)【こ対するブラッグ角(2 0 ±0. 2° ) 9. 5° 、 24. 1° 及び 27. 2° 【こ主
たる回折ピークを有するォキシチタニウムフタロシアニン (以下、「CG2」 t 、うことがあ る)を 3部得た。
[0457] 得られたォキシチタニウムフタロシアニンに含まれるクロ口ォキシチタニウムフタロシ ァニンの含有量を、特開 2001— 115054号に記載の手法 (マススペクトル)を用いて 調べたところ、ォキシチタニウムフタロシアニンに対し、強度比 0. 05であることを確認 した。
[0458] CG製造例 3 (CG3の製造)
1, 3—ジィミノイソインドリン 30部、三塩ィ匕ガリウム 9. 1部をキノリン 230部中に入れ 、 200°Cにおいて 4時間反応させた後、得られた生成物を濾別し、 N, N—ジメチル ホルムアミド及びメタノールで洗浄し、次いで、湿ケーキを乾燥することによりクロロガ リウムフタロシアニンの結晶 28部を得た。
[0459] 得られたクロ口ガリウムフタロシアニン 3部を濃硫酸 90部に溶解させた溶液を、 25% アンモニア水 180部と蒸留水 60部の混合溶液に滴下して結晶を析出させ、析出した ヒドロキシガリウムフタロシアニンを蒸留水で十分に洗浄し、乾燥することによりヒドロキ シガリウムフタロシアニン 2. 6部を得た。
[0460] 得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン 2部を N, N—ジメチルホルムアミド 38部と ともに、ボールミルで 24時間湿式粉砕処理を行った。次いで、湿式粉砕後のヒドロキ シガリウムフタロシアニンスラリー 40部を、イオン交換水で洗浄、固形分を濾別し、真 空乾燥機を用いて 60°Cで 48時間乾燥することによりヒドロキシガリウムフタロシアニン 結晶(以下、「CG3」ということがある) 1. 9部を得た。
[0461] CG製造例 4 (CG4の製造)
3—ヒドロキシナフタル酸無水物 10部及び、 o—フエ-レンジァミン 5. 7部を氷酢酸 23部と、ニトロベンゼン 115部との混合溶媒中に溶解攪拌し、酢酸沸点下にて、 2時 間反応させた。反応後室温に冷却し、析出した結晶を濾別し、メタノール 20部にて洗 浄した後、乾燥した。
[0462] 得られた固体 2部、 3—ヒドロキシー2—ナフタァ -リド 1部を N—メチルピロリドン 30 0部中に溶解し、次いで、 2,5—ビス(p—ァミノフエ-ル)一 1, 3, 4—ォキサジァゾ一 ルのテトラゾ-ゥムホウフッ化水素酸塩 2. 1部と、 N—メチルピロリドン 30部との混合
液を滴下し、 30分間撹拌した。次いで、同温度下、酢酸ナトリウム飽和水溶液 7部を ゆっくりと滴下し、カップリング反応させた。滴下終了後、 2時間同温度下、撹拌を続 け、終了後、固体を濾取し、水、 N—メチルピロリドン、メタノールにより洗浄後、乾燥 し、下記化合物の組成物(以下、「CG4」 t 、うことがある)を得た。
[0464] Cp3、 Cp4は、下記構造力 任意に選ばれる c
[化 18]
[0465] <感光体製造例 >
感光体製造例 1
[下引き層用塗布液]
平均一次粒子径 40nmのルチル型酸ィ匕チタン (石原産業社製「TT055N」)と、該 酸ィ匕チタンに対して 3重量%のメチルジメトキシシラン (東芝シリコーン社製「TSL81 17」)とを、ヘンシェルミキサーにて混合して得られた表面処理酸ィ匕チタン 50部と、メ タノール 120部を混合してなる原料スラリー lkgを、直径約 100 μ mのジルコ-アビ ーズ (ニツカトー社製 YTZ)を分散メディアとして、ミル容積約 0. 15Lの寿工業社製 ウルトラァペックスミル(UAM— 015型)を用い、ロータ周速 10mZ秒、液流量 10kg Z時間の液循環状態で 1時間分散処理し、「酸化チタン分散液 Tl」を作製した。
[0466] 前記「酸化チタン分散液 τι」と、メタノール Zi—プロパノール Ζトルエンの混合溶 媒、及び、 ε—力プロラタタム [下記式 (Α)で表わされる化合物] Ζビス (4一アミノー 3 ーメチルシクロへキシル)メタン [下記式 (B)で表わされる化合物] Zへキサメチレンジ
ァミン [下記式 (C)で表わされる化合物] Zデカメチレンジカルボン酸 [下記式 (D)で 表わされる化合物] Zォクタデカメチレンジカルボン酸 [下記式 (E)で表わされる化合 物]の組成モル比率力 60%Z15%Z5%Z15%Z5%力もなる共重合ポリアミド のペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、出力 12 OOWの超音波発振機による超音波分散処理を 1時間行い、更に孔径 mの PTF E製メンブレンフィルター(アドバンテック社製 マイテックス LC)により濾過し、表面 処理酸ィ匕チタン Z共重合ポリアミドを重量比が 3Z1であり、メタノール Z1—プロパノ ール Zトルエンの混合溶媒の重量比が 7Z1Z2であって、含有する固形分の濃度 力 0重量%の下引き層形成用分散液 A1を得た。
[0467] [化 19]
[0468] この下引き層形成用分散液 A1を、陽極酸ィ匕されていないアルミニウムシリンダー( 外径 30mm、厚さ 1. Omm:表面粗さ Ra=0. 02 m)に浸漬塗布し、加熱乾燥して 、乾燥後の膜厚が 1. となるように下引き層を設けた。
[0469] 次に、電荷発生物質として、 CG製造例 1で製造したォキシチタニウムフタロシア- ン (塩素量:元素分析値 0. 1%以下) 20部と 1, 2—ジメトキシェタン 280部を混合し、 サンドグラインドミルで 2時間粉砕して微粒ィ匕分散処理を行なった。続、てこの微細 化処理液に、ポリビュルプチラール (電気化学工業社製、商品名「デンカブチラール 」 # 6000C) 10咅と、 1, 2—ジメトキシェタン 253咅と、 4ーメトキシー4ーメチノレー 2 —ペンタノン 85部とを混合して得られたバインダー液と、前記微細化処理液と、 230 部の 1 , 2—ジメトキシェタンとを混合して分散液 (電荷発生材)を調製した。
[0470] この分散液 (電荷発生材)に、下引き層を設けた前記アルミニウムシリンダーを浸漬
塗布し、乾燥後の膜厚が 0. 3 ^ πι(0. 3gZm2)となるように電荷発生層を作製した。
[0471] 次に、電荷輸送物質として、下記化合物 CT— 1 (イオンィ匕ポテンシャル = 5. 24eV
)を 60部と、電子受容性ィ匕合物 AC— 1を 0. 5部と、バインダー榭脂として下記構造 を繰り返し単位として持つポリカーボネート (B—1 :粘度平均分子量約 30, 000 m: n= 1 : 1) 100部と、
[0472] [化 20]
[0473] 下記構造を有する酸化防止剤 8部と、
[化 21]
[0474] 及びレべリング剤としてシリコーンオイル (商品名 KF96 信越ィ匕学工業社製) 0. 0 5部とを、テトラヒドロフラン/トルエン (8/2)混合溶媒 640部に溶解させた電荷輸送 層用塗布液を、上述の電荷発生層上に、乾燥後の膜厚が 18 mとなるように浸漬塗 布し、積層型感光層を有する感光体ドラム E1を得た。
[0475] 下引き層を設けた直後の下引き層 94. 2cm2を、メタノール 70g 1 プロパノール 3 Ogの混合溶液に浸漬し、出力 600Wの超音波発振機により 5分間超音波処理して 下引き層分散液を得て、該分散液中の金属酸ィ匕物凝集体二次粒子の体積平均粒
子径を、前記 [体積平均粒子径の測定方法]に記載した方法により、 UPAモデルを 用いて測定したところ、体積平均粒子径は 0. 078 /z mであって、累積 90%粒子径が 0. 120 /z mであった。
[0476] 感光体製造例 2
感光体製造例 1において、 CT— 1を使用する代わりに、下記化合物 CT— 2 (イオン ィ匕ポテンシャル 5. 19eV) 35部を使用する以外は、感光体製造例 1と同様にして、 感光体 E2を作製した。
[化 22]
[0477] 感光体製造例 3
感光体製造例 2において、 CT— 2を 35部使用する代わりに、 55部使用し、バイン ダー榭脂として、 B— 1の代わりに、下記構造を繰り返し単位として持つポリアリレート (B— 2 :粘度平均分子量約 40, 000)を使用する以外は、感光体製造例 2と同様にし て、感光体 E3を作製した。
B-2
[0478] 感光体製造例 4
感光体製造例 1において、 CT— 1を使用する代わりに、下記化合物 CT— 3 (イオン ィ匕ポテンシャル 5. 37eV)を 40部、下記化合物 CT— 4 (イオン化ポテンシャル 5. 09eV)を 10部使用し、バインダー榭脂として、 B— 1の代わりに、下記構造を繰り返し 単位として持つポリカーボネート(B— 3 :粘度平均分子量約 40, 000) 100部を使用
する以外は、感光体製造例 1と同様にして、感光体 E4を作製した。
[化 24]
B-3
[0480] 感光体製造例 5
アルミニウム押出し管を、しごきカロェにより、肉厚 1. Omm、外径 30mmのアルミ-ゥ ムシリンダ一を作製した。このアルミニウムシリンダーを、脱脂剤 NG— # 30 (キザィ社 製)の 30gZL水溶液中で、 60°C、 8分間脱脂洗浄を行なった。続いて、水洗を行な つた後、 7%硝酸に 25°Cで 1分間浸漬した。更に水洗後、 180gZLの硫酸電解液中 (溶存アルミニウム濃度 7gZL)で、 1. OAZdm2の電流密度で、陽極酸化を行ない、 平均膜厚 10 μ mの陽極酸化被膜を形成した。
[0481] 次 、で、水洗後、酢酸ニッケルを主成分とする高温封孔剤トップシール DX— 500 ( 奥野製薬工業社製)の lOgZLの水溶液に 95°Cで 40分間浸漬し封孔処理を行なつ
た。続いて、水洗を行なった後、 95°Cの純水熱水浴に 30分間浸漬した。この様にし て十分な封孔処理を行なった。次いで水洗を行なった後、水を含ませたポリエステル 製スポンジを用いて被膜全面を 3回往復させてこすり洗浄を行な 、、最後に水洗し乾 燥し、表面粗さ Ra=0. 21 mの基体を得た。
[0482] この基体上に、感光体製造例 1と同様に、電荷発生層、電荷輸送層を積層し、積層 型感光層を有する感光体ドラム E5を得た。
[0483] 感光体製造例 6
切削加工した外径 30mm、肉厚 lmmのアルミニウムシリンダーを、脱脂剤 NG— # 30 (キザィ社製)の 30gZL水溶液中で 60°C、 5分間脱脂洗浄を行った。続いて水洗 を行った後、 7%硝酸に 25°Cで 1分間浸漬した。
[0484] 更に水洗後、 180gZLの硫酸電解液中(溶存アルミニウム濃度 7gZL)で 1. 2A/ dm2の電流密度で陽極酸化を行い、平均膜厚 6 mの陽極酸化被膜を形成した。次 V、で、水洗後酢酸ニッケルを主成分とする高温封孔剤トップシール DX— 500 (奥野 製薬工業社製)の lOgZL水溶液に 95°Cで 30分間浸漬し封孔処理を行った。続い て水洗を行った後、ポリエステル製スポンジを用いて被膜面を 8回、往復させてこすり 洗浄を行った。最後に水洗し乾燥し、表面粗さ Ra=0. 14 /z mの基体を得た。
[0485] この基体上に、感光体製造例 1で使用した、下引き層形成用分散液 A1の代わり〖こ 、下引き層形成用分散液 A2 (下記 * )を使用する以外は、感光体製造例 1と同様に して、感光体 E6を作製した。
[0486] 下引き層を設けた直後の下引き層 94. 2cm2を、メタノール 70g、 1 プロパノール 3 Ogの混合溶液に浸漬し、出力 600Wの超音波発振機により 5分間超音波処理して 下引き層分散液を得て、該分散液中の金属酸ィ匕物凝集体二次粒子の粒度分布を 感光体製造例 1と同様の方法で測定したところ、体積平均粒子径は 0. 051 ;ζ ΐηであ つて、累積 90%粒子径が 0. 098 μ mであった。
[0487] * [下引き層形成用分散液 A2の調製方法]
下引き層形成用分散液 A1において用いた、直径約 100 mのジルコユアビーズ( ニツカトー社製 YTZ)を使用する代わりに、分散メディアとして直径約 50 μ mのジル コ-ァビーズ (ニツカトー社製 YTZ)を使用する以外は、下引き層形成用分散液 A1
と同様にして下引き層形成用分散液 A2を作製した。
[0488] 感光体製造例 7
感光体製造例 1にお 、て使用したアルミニウムシリンダーの代わりに、アルミニウム シリンダー(外径 30mm、厚さ 1. Omm:表面粗さ Ra = 0. 06 m)を使用する以外は
、感光体製造例 1と同様にして、感光体 E7を作製した。
[0489] 感光体製造例 8
感光体製造例 1にお 、て使用したアルミニウムシリンダーの代わりに、アルミニウム シリンダー(外径 30mm、厚さ 1. Omm:表面粗さ Ra = 0. 11 m)を使用する以外は
、感光体製造例 1と同様にして、感光体 E8を作製した。
[0490] 感光体製造例 9
感光体製造例 1において、 CG— 1を使用する代わりに、 CG— 2を使用し、 CT- 1 を使用する代わりに、下記化合物 CT— 6 (イオンィ匕ポテンシャル 5. 27eV)を使用 し、 AC— 1の代わりに AC— 3を使用する以外は、感光体製造例 1と同様にして、感 光体 E9を作製した。
[0491] [化 26]
[0492] 感光体製造例 10
平均一次粒子径 30nmのルチル型酸ィ匕チタン (石原産業社製「TT055N」)と、該 酸ィ匕チタンに対して 3重量%のメチルジメトキシシラン (東芝シリコーン社製「TSL81 17」)とを、ヘンシェルミキサーにて混合して得られた表面処理酸ィ匕チタン 90部と、メ タノール 30部と、及びテトラヒドロフラン 60部とを混合してなる原料スラリー lkgを、直 径約 100 mのジルコ-ァビーズ(ニツカトー社製 YTZ)を分散メディアとして、ミル 容積約 0. 15Lの寿工業社製ウルトラァペックスミル (UAM— 015型)を用い、ロータ
周速 10mZ秒、液流量 lOkgZ時間の液循環状態で 1時間分散処理し、酸化チタン 分散液 TBIを作製した。
[0493] この酸化チタン分散液 TBIと、ヒドロキシスチレン榭脂と、イソブチル化メラミン榭脂 とを等量(15部ずつ)混合して溶解させ、更に孔径 5 mの PTFE製メンブレンフィル ター(アドバンテック社製 マイテックス LC)により濾過し、下引き層形成用塗布液 S E1を得た。
[0494] 下引き層形成用塗布液 SE1を、外径 30mm、肉厚 0. 75mmのアルミニウム切削管
(表面粗さ Ra = 0. 15 /z m)上に、浸漬塗布により、乾燥後の膜厚が 2 mとなるよう に塗布した後、 150°Cで 2時間、熱硬化させて下引き層を形成した。下引き層の表面 を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ、凝集物は殆ど観察されな力つた。
[0495] 電荷発生物質として、 CG製造例 1で製造したフタロシアニン 20重量部と、 1, 2—ジ メトキシェタン 280重量部を混合し、サンドグラインドミルで 2時間分散処理を行い、分 散液を作製した。続いて、 10重量部のポリビュルプチラール (電気化学工業社製、 商品名「デンカブチラール」 # 6000C)、 253重量部の 1, 2—ジメトキシェタン、 85 重量部の 4ーメトキシー4ーメチルペンタノンー 2とを混合したノインダー液と、上記分 散液と、 234重量部の 1, 2—ジメトキシェタンと、を混合して得られる液を超音波発振 機で処理した後に、孔径 5 μ mの PTFE製メンブレンフィルター(アドバンテック社製 マイテックス LC)でろ過し、電荷発生層用塗布液を作製した。この電荷発生層用塗 布液を、前記下引き層上に乾燥後の膜厚が 0. となるように、浸漬塗布により塗 布、乾燥して電荷発生層を形成した。
[0496] 次にこの電荷発生層の上に、下記に示すヒドラゾンィ匕合物 56部と、
[化 27]
[0497] 下記に示すヒドラゾンィ匕合物 14部と、
[化 28]
[0498] 前記 B— 1で表される繰り返し構造を有するポリカーボネート榭脂 100部と、
[0499] シリコーンオイル 0. 05部とを、テトラヒドロフラン Zトルエン(8Z2)混合溶媒 640部に 溶解させた電荷輸送層用塗布液を、乾燥後の膜厚が 17 111となるように塗布し、室 温において 25分間風乾した。更に 125°Cにおいて 20分間乾燥して電荷輸送層を設 けて電子写真感光体を作製した。この電子写真感光体を感光体 E10とする。
[0500] 感光体製造例 11
前記酸化チタン分散液 TBIと、 1—プロパノール Zトルエンの混合溶媒、及び、感 光体製造例 1で使用した共重合ポリアミドのペレットとフエノキシ榭脂(SK103、住友 ジュレス社製)とを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、更 に孔径 5 μ mの PTFE製メンブレンフィルター(アドバンテック社製 マイテックス LC )により濾過し、表面処理酸ィ匕チタン Z共重合ポリアミド Zフエノキシ榭脂の重量比が 3/0. 5Z0.5であり、メタノール Zテトラヒドロフラン Z1—プロパノール Zトルエンの 混合溶媒の重量比が 1Z2Z2Z1であって、含有する固形分の濃度が 18. 0重量% の下引き層形成用塗布液 SE2を得た。
[0501] 下引き層形成用塗布液 SE2を、外径 30mm、肉厚 0. 75mmのアルミニウム切削管
(表面粗さ Ra = 0. 15 m)上に、浸漬塗布により、乾燥後の膜厚が 3 μ mとなるよう に塗布した後、 150°Cで 2時間、熱硬化させて下引き層を形成した。下引き層の表面 を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ、凝集物は殆ど観察されな力つた。
[0502] この下引層上に、感光体製造例 1と同様にして、電荷発生層、電荷輸送層を順じ積 層させ、感光体 E 11を作成した。
[0503] 感光体製造例 12
感光体製造例 1において、 CG— 1を使用する代わりに、 CG— 2を使用し、 CT- 1 を使用する代わりに、下記化合物 CT— 7を 65部使用し、 B—1を使用する代わりに 下記 B— 4 (粘度平均分子量:約 50000、 m:n= 9 : l)を 80部、 B— 5 (テレフタル酸、 イソフタル酸成分が 1: 1)を 20部使用する以外は、感光体製造例 1と同様にして、感 光体 E 12を作成した。
[0504] [化 30]
[0505] 感光体製造例 13
感光体製造例 1において、 CT 1を使用する代わりに、下記化合物 CT 8を 40部 、 CT— 9を 20部使用し、 AC— 1の代わりに AC— 4を 0. 5部使用し、 B— 1を使用す る代わりに前記 B - 4を 50部、 B— 6 (粘度平均分子量:約 40000)を 50部使用する 以外は、感光体製造例 1と同様にして、感光体 E13を作成した。
[0506] [化 31]
B-6 A C - 5
[0508] 感光体製造例 14
10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した酸化チタン粉体 50部、レゾ ール型フエノール榭脂 25部、メチルセ口ソルブ 20部、メタノール 5部及びシリコーン オイル(ポリジメチルシロキサン'ポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量 3, 000 ) 0. 002部を、 φ lmmガラスビーズを用いたサンドミルで 2時間分散して導電層用塗 料を調製した。アルミニウムシリンダー( φ 30mm,表面粗さ Ra = 0. 28 m)上に、 導電層用塗料を浸漬法で塗布し、 150°Cで 30分間乾燥させ、膜厚力 S12. の 導電層を形成した。導電層上に (感光体製造例 1で使用したものと同じ)ポリアミド 40 . 0咅をメチノレアノレコーノレ 412咅、 n—ブチノレアノレコーノレ 206咅カらなる混合溶媒に 溶解した溶液を浸漬法で塗布し、 100°Cで 10分間乾燥して、膜厚が 0. 65 /z mの中 間層を形成した。
[0509] 次に、 CuK a特性 X線回折におけるブラッグ角 2 0 ±0. 2° の 7. 4° 及び 28. 2 ° に強 、ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(CG製造例 3で製造) 3. 5部を、電気化学工業製 (商品名:デンカブチラール # 6000C) 1部をシクロへキ サノン 19部に溶解した榭脂溶液と混合し、 φ 1mmガラスビーズを用いたサンドミルで 3時間分散して分散液を作り、これにシクロへキサノン 69部と酢酸ェチル 132部をカロ
えて希釈し塗料を調製し、それを用いて膜厚が 0. 3 mの電荷発生層を形成した。
[0510] 次に、電荷発生層上に 2— (ジ— 4—トリル)—ァミノ 9, 9 ジメチルフルオレン 9 部、 5—(ァミノべンジリデン) 5H ジベンゾ [a, d]シクロペンテン 1部及びポリアリ レート(B— 5 :粘度平均分子量 96, 000) 10部をモノクロ口ベンゼン 50部及びジクロ ロメタン 50部カゝらなる混合溶媒に溶解して塗料を調製し、この塗料を電荷発生層上 に浸漬法で塗布し、 120°Cで 2時間乾燥して、膜厚が 15 mの電荷輸送層を形成し 、感光体 E14を作製した。
[0511] 感光体製造例 15
感光体製造例 1にお 、て、 CG製造例 1で製造したフタロシアニンを 20部使用する 代わりに、 CG製造例 1で製造したフタロシアニン 20部、 CG製造例 4で製造したァゾ 組成物を 5部使用する以外は、感光体製造例 1と同様にして、感光体 E15を作製し た。
[0512] 感光体製造例 16
感光体製造例 1にお 、て、 CG製造例 1で製造したフタロシアニンを 20部使用する 代わりに、 CG製造例 4で製造したァゾ組成物を 20部使用する以外は、感光体製造 例 1と同様にして、感光体 E16を作製した。
[0513] 感光体比較製造例 1
感光体製造例 1において、下引き層用塗布液作製時に、酸化チタンを使用せずに 、下引き層塗布液を作製し、下引き層の膜厚を、 0. 8 μ mとする以外は、感光体製造 例 1と同様にして、感光体 P1を作製した。
[0514] 感光体比較製造例 2
感光体製造例 1において、表面粗さ Ra = 0. 01 mのアルミニウムシリンダーを使 用し、下引き層用塗布液作製時に、酸化チタンを使用せずに、下引き層塗布液を作 製し、下引き層の膜厚を、 0. 8 mとする以外は、感光体製造例 1と同様にして、感 光体 P2を作製した。
[0515] [実写評価 3]
A3印刷対応である市販のタンデム型 LEDカラープリンター MICROLINE Pro 9800PS— E ( (株)沖データ社製)用のブラックドラムカートリッジ、及び、ブラックトナ
一カートリッジに、前記感光体 E1〜E16、および P1〜P2に用いたアルミ-ゥムシリン ダ一の全長を、当該プリンター用に適合する全長に変えた以外は、同様にして製造 した感光体及びトナーを、それぞれ搭載し、該カートリッジを上記プリンターに装着し た。なお、用いた感光体は、全長以外は、前記感光体 E1〜E16、 P1〜P2と同じで あるので、それぞれ前記感光体と同様に E1〜E16、 P1〜P2とする。
[0516] MICROLINE Pro 9800PS— Eの仕様:
4連タンデム カラー 36ppm、モノクロ 40ppm
600dpi〜 1200dpi
接触ローラ帯電 (直流電圧印加)
LED露光
除電光あり
[0517] この画像形成装置を用いて、グラデーション画像 (日本画像学会テストチャート)を 1 000枚プリントアウトした後に、白地画像及びグラデーション画像(日本画像学会テス トチャート)をプリントアウトし、白地画像のカプリ値、及び、グラデーション画像でのド ット抜けを評価した。この結果を以下の表 5に示す。
[0518] 「カプリ値」は、標準サンプルの白度が 94. 4となるように白度計を調節し、この白度 計を用いて印刷前の紙の白度を測定し、その同じ紙に対し、全面白色となる信号を 上述のレーザープリンタに入力することにより印刷を行い、その後この紙の白度を再 度測定し、印刷前と印刷後の白度の差を測定することにより求めた。この値が大きい ということは、印刷後の紙は、微小黒点が多く黒ずんでいる、つまり画質が悪いという ことになる。
[0519] グラデーション画像については、どの濃度規格までがドット抜けすることなく印字さ れたかで評価し、ドット抜けすることなく印字された最も低い濃度規格を「対応濃度」と する。対応濃度が小さいほど、より薄い部分まで描画できており良好だということにな る。
[0520] また、「細線再現性」の評価を、 1000枚印刷終了時点で、かぶり、飛び散りの評価 に引き続き行った。まず、潜像のライン幅が 0. 10mmになるように露光して、定着画 像を測定用サンプルとした。このとき、線幅の測定位置はトナーの細線画像の幅方向
に凹凸があるため、凹凸の平均的線幅をもって測定点とした。細線再現性の評価は
、線幅測定値の、潜像線幅 (0. 10mm)に対する比 (線幅比)を算出することによって 評価した。
[0521] 細線再現性の評価基準を以下に示す。
線幅測定値の、潜像線幅に対する比 (線幅比)が、
A : 1. 1未満である。
B : 1. 1以上、 1. 2未満である。
C : 1. 2以上、 1. 3未満である。
D : 1. 3以上である。
[0522] また、グレー画像における、 1. 6cm四方中に観測される微小色点の数を計測した
[0523] [表 4]
N o . 卜ナー 感光体 力プリ値 対応濃度 細線再現性 微小色点 実施例 1 1 A E 1 1 . 2 0 . 0 8 A 1 2 実施例 1 2 B E 1 1 . 3 0 . 1 0 B 1 3 実施例 1 3 C E 1 1 . 2 0 - 0 8 A 1 5 実施例 1 4 D E 1 1 . 3 0 . 0 9 C 1 3 実施例 1 5 E E 1 1 . 2 0 . 0 7 A 1 5 実施例 1 6 F E 1 1 . 3 0 . 0 9 A 9 比較例 1 1 G E 1 1 . 7 0 . 1 3 D 4 9 比較例 1 2 G E 2 1 . 9 0 . 1 6 D 5 4 実施例 1 7 A E 2 1 . 1 0 . 0 9 A 1 9 実施例 1 8 A E 3 1 . 2 0 . 1 0 A 1 2 実施例 1 9 A E 4 1 . 4 0 . 1 3 A 1 8 実施例 2 0 A E 5 1 . 3 0 . 0 9 A 2 0 実施例 2 1 A E 6 1 . 3 0 . 1 2 A 2 1 実施例 2 2 A E 7 1 . 4 0 . 1 3 B 1 4 実施例 2 3 A E 8 1 . 2 0 - 0 8 A 1 5 実施例 2 4 A E 9 1 . 2 0 - 0 8 A 1 0 実施例 2 5 A E 10 1 . 3 0 . 1 2 B 2 0 実施例 2 6 A E l l 1 . 1 0 . 0 9 A 1 7 実施例 2 7 A E 12 1 . 1 0 . 0 9 A 1 3 実施例 2 8 B E 13 1 . 1 0 . 0 9 B 2 1 実施例 2 9 A E 14 1 . 4 0 . 1 0 A 1 9 実施例 3 0 A E 15 1 . 3 0 . 0 8 A 2 0 実施例 3 1 A E 16 1 . 2 0 . 1 0 B 1 1 参考例 1 A P 1 1 . 5 0 . 1 4 B 5 2 比較例 1 3 A P 2 1 . 7 0 . 1 7 C 5 8
[0524] 実施例 11〜31では何れも、カプリ値、対応濃度(ドット抜け)、細線再現性及び微 小式点が良好であつたが、比較例 13では、カプリ値、対応濃度(ドット抜け)、細線再 現性及び微小式点が不良であった。また、参考例 1においては、テストチャート 1千枚 の耐刷の後に、リークが発生した。比較例 13においては、グレーゾーンに、モアレが 認められた。
[0525] [実写評価 4]
トナー製造例又はトナー比較製造例で製造したトナー A、 G、並びに、感光体 Elを 、 A3印刷対応である市販のタンデム型 LEDカラープリンター MICROLINE Pro 9800PS— E ( (株)沖データ社製)用のブラックドラムカートリッジ、及び、ブラックトナ 一カートリッジにそれぞれ搭載し、該カートリッジを上記プリンターに装着した。そして 、この装置のクリーニングブレードを取り除いた後、実写評価 3と同様に画像の評価を
行ったところ、トナー Aを使用した場合は、実写評価 3と大きな変化は現れな力 たが 、トナー Gを使用した場合は、大きな画像劣化が認められた。
[0527] [実写評価 5]
得られたトナー Aを非磁性一成分 (感光体 E1使用)でゴム現像ローラー接触現像 方式、現像速度 164mmZs、ベルト転写方式で、 5%印字率での保証寿命枚数 300 00枚の 600dpiマシンのカートリッジに装填し、 1%印字率のチャートを 50枚連続印 字して画像の汚れを目視観察したところ、肉眼でははつきりした汚れは認められなか つた o
[0528] 上記の結果力も明らかなように、式(1)を満たすトナー A〜Fは全て、帯電量の標準 偏差が充分小さぐ帯電量分布がシャープであった。また、中間層を有する電子写真 感光体を用いた実写評価においても、全く汚れが見られないか、微少な汚れはある が使用可能なレベルであった。
[0529] 一方、式(1)を満たさないトナー Gを用いた画像形成装置は帯電量の標準偏差が 大きぐ帯電量分布がシャープでな力つた。また、実写評価においても、本発明の電 子写真感光体を使用することによる相乗効果を確認できた。
[0530] [実写評価 6]
A3印刷対応である MICROLINE Pro 9800PS— E (沖データ社製)の露光部 を改造し、日進電子社製、小型スポット照射型青色 LED (B3MP 8: 470nm)が感 光体に照射できるようにした。この改造装置に、トナー C、感光体ドラム E16を装着し 、線を描かせたところ、良好な画像が得られた。
[0531] また、上記小型スポット照射型青色 LEDに、ストロボ照明電源 LPS— 203KSを接 続し、点を書かせたところ、直径 8mmの点画像を得ることができた。
[0532] [実写評価 7]
感光体 E14を、ヒューレットパッカード製 HP— 4600改造機に導入し、現像剤として
、前記で製造したトナー Bを導入し、印刷したところ、良好な画像が得られた 産業上の利用可能性
本発明の画像形成装置は、長期使用時の画像安定性に優れているため、一般の プリンター、複写機等への利用はもちろんのこと、近年開発がなされてきた高解像度 、高寿命、高速印刷による画像形成方法等にも広く利用されるものである。 なお、 2006年 3月 30曰〖こ出願された曰本特許出願 2006— 092751号の明細書 、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開 示として、取り入れるものである。