WO2007015405A1

WO2007015405A1 - 便器洗浄装置及び吸気装置

Info

Publication number: WO2007015405A1
Application number: PCT/JP2006/314793
Authority: WO
Inventors: Yasuhiro Shirai; Osamu Matsumoto; Aki Shirako; Haruo Yamasaki; Kenichi Ito; Yasuhiro Kondo; Ken Hirabayashi; Atsushi Ito
Original assignee: Inax Corporation
Priority date: 2005-08-01
Filing date: 2006-07-26
Publication date: 2007-02-08
Also published as: TW200718839A

Abstract

　より高い排出能力とより高い節水効果とを両立し得る便器洗浄装置及び便器洗浄方法を実現する。　便器洗浄装置は、便器１の便鉢２に洗浄水を供給する給水手段と、便器１の水封部４の下流側に連なる排水流路５と、排水流路５から空気を吸引する吸気手段と、給水手段及び吸気手段を制御する制御手段とを備えている。吸気手段は、洗浄水が通水されることにより負圧を生じるエゼクタ２１と、エゼクタ２１が内部の空気を吸引することにより生じる負圧を蓄えるタンク２０と、タンク２０と排水流路５とを連通する吸気管と、吸気管に設けられ、制御手段によって開閉される弁Ｖ５とを有している。

Description

明細書

便器洗浄装置及び吸気装置

技術分野

[0001] 本発明は、便器洗浄装置及び吸気装置に関する。

背景技術

[0002] 従来、便器にぉレ、て、その便鉢の下部及びそれに連なる上昇管路により形成される水封部に洗浄水を供給し、この水封部の下流側に連なる排水流路から空気を吸引してサイホン作用を発生させる便器洗浄装置が提案されている (特許文献 1)。特許文献 1気合の一例の便器洗浄装置は、便器のリム通水路に吐水するための給水管の途中に設けたェゼクタ（ejector) (特許文献 1では、「ァスビレータ（aspirator)」と称してレ、る。）と、ェゼクタの下流側の給水管に設けられた切換弁とを備えている。ェゼクタの吸入口には排水流路に繋がる配管が接続されており、切換弁は配管の途中にも位置している。

[0003] この便器洗浄装置による便器の洗浄では、先ず、ェゼクタに洗浄水を供給しながら、リム通水路への洗浄水の供給を開始する。その後、すぐに切換弁を切換え、ェゼクタの吸入口を排水流路に連通させる。これにより、ェゼクタは、吸入口に発生した負圧によって排水流路から空気を吸引する。このため、サイホン作用が発生する。

[0004] また、特許文献 2の便器洗浄装置も提案されてレ、る。特許文献 2記載の一例の便器洗浄装置は、洗浄水を供給するための給水管カ^ム通水路に吐水するための配管と、ェゼクタ（特許文献 2では、「ジェットポンプ」と称している。）に接続するための配管とに分岐され、ェゼクタの吸気口が配管によって排水流路に接続されたものである。

[0005] この便器洗浄装置による便器の洗浄では、リム通水路への洗浄水の供給開始と同時にェゼクタへ洗浄水の供給が開始される。これにより、ェゼクタは、吸入口に発生した負圧によって排水流路から空気を吸引する。このため、サイホン作用が発生する

[0006] 特許文献 1 :特開平 10— 96255号公報

特許文献 2 :特開 2002— 61262号公報発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0007] しかし、上記特許文献 1、 2記載の便器洗浄装置では、ェゼクタ（ァスビレータ、ジェットポンプ）が配管を介して排水流路に直接接続されている。このため、排水流路からの空気の吸引は、ェゼクタの吸引能力に依存することになる。この場合、ェゼクタへの洗浄水の供給流量が少ないと、ェゼクタの吸引能力は低下し、サイホン作用が起こりづらくなり、便鉢内の汚物等の排出が不十分となる。

[0008] 一方、ェゼクタの吸引能力を高く維持するためには、ェゼクタへの洗浄水の供給流量を増加しなければならず、これでは節水に反することとなる。

[0009] 本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、より高い排出能力とより高い節水効果とを両立し得る便器洗浄装置及び吸気装置を実現することを解決すべき課題としている。

課題を解決するための手段

[0010] 本発明の便器洗浄装置は、便器の便鉢に洗浄水を供給する給水手段と、該便器の水封部の下流側に連なる排水流路と、該排水流路から空気を吸引する吸気手段と、該給水手段及び該吸気手段を制御する制御手段とを備えてレ、る便器洗浄装置において、

前記吸気手段は、前記洗浄水が通水されることにより負圧を生じるェゼクタと、該ェゼクタが内部の空気を吸引することにより生じる負圧を蓄えるタンクと、該タンクと前記排水流路とを連通する吸気管と、

該吸気管に設けられ、前記制御手段によって開閉される弁とを有していることを特徴とする。

[0011] 本発明の便器洗浄装置では、便器の洗浄に際し、ェゼクタで発生した負圧をエアタンクに蓄え、このエアタンク内の負圧によって水封部の下流側の排水流路から空気を吸引する。このため、弁を開放するタイミングの自由度が増し、また急激な吸引を行うことができる。このため、サイホン作用が早期に確実に生じ、便鉢内の汚物等が排水流路へ排出される。そのため、洗浄水の供給流量が少なくても、便鉢内の汚物等の排出を十分行なえる。 [0012] したがって、本発明の便器洗浄装置によれば、より高い排出能力とより高い節水効果とを両立することができる。

[0013] 給水手段は、便器の便鉢に洗浄水を供給するものであれば、種々のものが採用され得る。水道管から直接洗浄水を供給する給水手段であることが制御性の点で好ましい。排水流路は便器の水封部の下流側に連なる部分であり、排水流路は、便器と一体であってもよぐ便器と別体であってもよい。制御手段は、給水手段及び該吸気手段を制御するものであれば、種々のものが採用され得る。

[0014] 本発明の便器洗浄装置において、ェゼクタはタンク内に設置されていることが好ましレ、。こうであれば、ェゼクタの設置スペースを省略することができる。また、ェゼクタの結露水や漏水がエアタンクの底に溜まるので、トイレルームの床にこぼれることがなレ、。

[0015] 本発明の便器洗浄装置において、ェゼクタにはタンク内の空気を吸引する吸引用配管が接続されていることが好ましい。こうであれば、タンクの任意の箇所から空気を吸引することができる。

[0016] 本発明の便器洗浄装置において、ェゼクタは、タンクの外、特にエアタンクの外壁に設置されていることが好ましい。また、タンクに連通し、タンク内の空気を吸引する吸引用配管が接続されていることが好ましい。こうであれば、ェゼクタ及びエアタンクの製造が容易になる。

[0017] 本発明の便器洗浄装置において、吸引用配管の先端がタンク内の底部近傍に配置されていることが好ましい。こうであれば、このエアタンクの底に溜まった水をェゼクタによって吸引することができる。

[0018] 本発明の吸気装置は、負圧を生じるェゼクタと、該ェゼクタが内部の空気を吸引することにより生じる負圧を蓄えるタンクと、便器の水封部の下流側に連なる前記排水流路と該タンクとを連通する吸気管と、該吸気管に設けられた開閉弁とを有していることを特徴とする。

[0019] 本発明の吸気装置は便器の洗浄洗浄装置に用いられれば、本発明の便器洗浄装置と同様、より高い排出能力とより高い節水効果とを両立することができる。

図面の簡単な説明 [0020] [図 1]実施例の便器洗浄装置の模式図である。

[図 2]図 1の便器洗浄装置の作動を説明するタイミングチャートである。

[図 3]非洗浄時における図 1の便器洗浄装置の作動を説明する模式図である。

[図 4]便鉢内の水位上昇行程における図 1の便器洗浄装置の作動を説明する模式図である。

[図 5]汚物排出行程における図 1の便器洗浄装置の作動を説明する模式図である。

[図 6]水封部と滞留部との間の大気開放行程における図 1の便器洗浄装置の作動を説明する模式図である。

[図 7]覆水'負圧蓄積行程における図 1の便器洗浄装置の作動を説明する模式図である。

[図 8]待機状態における図 1の便器洗浄装置の作動を説明する模式図である。

[図 9]別の便器洗浄装置の模式図である。

[図 10]さらに別の便器洗浄装置の模式図である。

[図 11]異なる便器洗浄装置の模式図である。符号の説明

[0021] 1…便器

2…便鉢

3…リム

4…水封部

5…排水流路

6…滞留部

7…排水口

10…給水管

11…水車ユニット

20, 20A, 20B, 20C…エアタンク

21…ェゼクタ

22…空気吸引配管

23…逆止弁 30…フロート弁装置

40…カムシャフト

41 , 42, 43, 44…カム

発明を実施するための最良の形態

[0022] 以下、図面を参照しつつ、本発明の実施例を説明する。

[0023] 図 1は実施例の便器洗浄装置の模式図、図 2は図 1の便器洗浄装置の作動を説明するタイミングチャートである。図 3〜図 8は、図 1の便器洗浄装置が、それぞれ順に、非洗浄時、便鉢内の水位上昇行程、汚物排出行程、水封部と滞留部との間の大気開放行程、覆水'負圧蓄積行程及び待機状態における作動を説明する模式図である。なお、図 3〜図 8では、見易くするために、図 1のうちの一部の図示を省略している。

[0024] 陶器製の便器 1は、便鉢 2の上部内周にリム 3が設けられている。便鉢 2の下部及びそれに連なる上昇管路により水封部 4が形成されている。水封部 4は、排水流路 5 及び滞留部 6を介して排水口 7と連通している。この排水流路 5は、水封部の最高位部 4aから、下方に屈曲して滞留部 6に連なっている。排水口 7は排水管に接続される

[0025] この滞留部 6は、排水流路 5の管壁下部の最低位部 6bの下側を回り込み、次いで溢出用の最高位部 6aに到る U字状流路によって構成されている。この滞留部 6の最高位部 6aの高さは、最低位部 6bよりも若干高位となっており、便器の非使用時に最低位部 6bが滞留部 6の封水中に没してレ、る。

[0026] 但し、最低位部 6bは、最高位部 6aよりも若干高位とされ、便器非使用時の滞留部 6 の封水面よりも若干上位に位置してもよい。このように最低位部 6bが封水面よりも上位となっていても、排水流路 5に負圧がかけられたり、滞留部 6に水が流れ込んだりして水位が上昇したときには、最低位部 6bが封水中に浸り、排水流路 5内と排水口 7側との間を封鎖することが可能である。

[0027] 給水手段は、以下に説明するように、給水管 10と、給水管 10に設けられた主弁 V

1 と、主弁 Vの下流で給水管 10に設けられた調圧弁 V と、主弁 V及び調圧弁 V

1 REG 1 REG の下流で給水管 10に設けられたバキュームブレーカ 14と、主弁 Vを開弁するための第 1起動弁 V及び第 2起動弁 Vとから構成されている。

2 7

[0028] 給水管 10はリム 3に対し接続されている。なお、この便器 1は、リム 3に対し便鉢後方側から右側又は左側にのみ水が供給される片回り給水方式となってレ、る。給水管 10より便鉢後方側から右側又は左側のリム 3に向って水が前方に供給されると、便鉢 2内に右回り又は左回りの旋回流が形成される。

[0029] この給水管 10には、上流側から順次に主弁 V、調圧弁 V 、水車 12を有する水

1 REG

車ユニット 11及びバキュームブレーカ 14が設けられている。

[0030] この主弁 Vは、弁体のヘッド側に給水圧を印加して弁体を弁シート部に着座させて

1

閉弁させると共に、このヘッド側の水圧を配管 18a、 18bで第 1起動弁 V又は第 2起

2

動弁 Vによって開放することにより開弁する水圧管制式の弁である。

[0031] この第 1起動弁 Vの排水側は配管 18aを介して主弁 Vと調圧弁 V との間に接続

2 1 REG

されている。第 2起動弁 Vの排水側は後述するケーシング 50内に連通している。第 1 起動弁 Vは、押すことにより開弁し、手を離すと閉弁する自閉弁よりなる。

2

[0032] 吸気手段は、以下に説明するように、ェゼクタ 21と、ェゼクタ用給水弁 Vを備えた

4 配管 15と、負圧を蓄積するエアタンク 20と、逆止弁 23を備えた空気吸引用の配管 2 2と、エアタンク 20と排水流路 5とを連通する吸気管（負圧伝達用の配管 24、配管 25 及びフロート弁装置 30)と、吸気管に設けられた開閉弁 Vと、ェゼクタ 20の流出口に

5

接続された配管 16と、開閉弁 Vを備えた配管 26とから構成されている。

6

[0033] 給水管 10の水車ユニット 11とバキュームブレーカ 14との間の位置から、ェゼクタ用給水弁 Vを備えた配管 15が分岐している。この配管 15の末端は、負圧を蓄積する

4

エアタンク 20内に配置されたェゼクタ 21の流入口に接続されている。

[0034] なお、このようにェゼクタ 21をエアタンク 20内に配置しているので、ェゼクタ 21をェァタンク 20外に配置する場合に比べて設置スペースが小さくて足りる。また、ェゼクタ 21が結露したり、万一ェゼクタ 21やその配管との継目等から漏水が発生しても、この結露水や漏水はエアタンク 20の底に溜まり、トイレルームの床を濡らすことはない。

[0035] ェゼクタ 21のスロート部に設けられた空気吸引口に、逆止弁 23を備えた空気吸引用の配管 22の基端が接続されている。配管 22の先端はエアタンク 20の底面近傍に配置されており、エアタンク 20内に水が溜っても、ェゼクタ 21の作動時にこの水を配管 22を介して吸引することが可能とされている。

[0036] 逆止弁 23は、空気が空気吸引用の配管 22からェゼクタ 21へ流れることを許容し、これと反対方向へ空気が流れることを阻止するものである。

[0037] ェゼクタ 21の流出口に配管 16の一端が接続されており、配管 16の他端はエアタンク 20の外に引き出され、フロート弁装置 30の上部の水用ポート 30aに接続されている。このフロート弁装置 30の下部は配管 33を介して排水流路 5の上部に連通している。フロート弁装置 30の構成については後述する。

[0038] ェゼクタ 21は通水方向を上向きとして設置されており、配管 15はェゼクタ用給水弁

V力も立ち下ってェゼクタ 21の下端の流入口に連なっている。配管 16は、ェゼクタ

4

21の上端の流出口に連なって上方に立ち上つている。これらの配管 15、ェゼクタ 21 及び配管 16により、略 U字形のトラップが構成されている。このトラップは、配管 16から配管 15側への水の流れを阻止する機能を有する。

[0039] 但し、ェゼクタ 21の向きを上下反転し、通水方向を下向きとして設置してもよい。この場合、配管 15はェゼクタ給水弁 V力立ち下ってェゼクタ 21の上端の流入口に

4

連なる。また、配管 16は、ェゼクタ 21の下端の流出口に連なって上方に立ち上る。

[0040] エアタンク 20の上部に負圧伝達用の配管 24が接続されており、この配管 24は開閉弁 V及び配管 25を介してフロート弁装置 30の上端部の負圧用ポート 30bに接続

5

されている。

[0041] フロート弁装置 30内の下部にはフロート弁支持体 32が設けられており、このフロート弁支持体 32の上側に上下方向に遊動可能なフロート弁 31が配置されている。フロート弁 31が支持体 32上に載っているときには、ポート 30a、 30bは配管 33を介して排水流路 5に連通している。配管 33を介して排水流路 5から水がフロート弁装置 30 内に流入してきたときには、このフロート弁 31はこの水に乗って上昇し、ポート 30bに下側から着座してポート 30bを塞ぎ、汚水が配管 25からエアタンク 20側へ流入することを阻止する。

[0042] 配管 25の途中部分から配管 26が分岐しており、この配管 26の末端が滞留部 6よりも下流側 (排水口 7の近傍）に接続されている。この配管 26に開閉弁 Vが設けられて

6

いる。 [0043] ェゼクタ用給水弁 Vは弁体のヘッド側に給水圧を印加して弁体を弁シート部に着

4

座させて閉弁させると共に、このヘッド側の水圧を起動弁 Vによって開放することに

8

より開弁する水圧管制式の弁である。この起動弁 Vは配管 35によって該ェゼクタ用

8

給水弁 Vのヘッド側に連通している。

4

[0044] 制御手段は、以下に説明するように、水車 12と、歯車列 45と、カムシャフト 40と、力ム 41、 42、 43、 44と、カムロッド 41a、 42a、 43a、 44aと、手動レバー 46と力、ら構成されている。

[0045] 主弁 Vの管制用の第 2起動弁 Vと、このェゼクタ用給水弁 Vの管制用の起動弁 V

1 7 4

と、開閉弁 V、 Vとは、いずれもカム駆動式となっており、共通のカムシャフト 40に

8 5 6

固着されたカム 41、 42、 43、 44とカムロッド 41a、 42a、 43a、 44aとによって作動される。このカムシャフト 40は、水車ユニット 11内の水車 12に対し歯車列 45を介して連結されている。また、このカムシャフト 40には手動レバー 46が固着され、手動によつても回動可能とされている。

[0046] 起動弁 V、 Vを囲むようにケーシング 50が設けられている。起動弁 V、 V力の

7 8 7 8 排水は、ケーシング 50から配管 51を介してリム 3へ排出される。

[0047] このように構成された便器洗浄装置の作動について次に説明する。

[0048] [非洗浄時（図 3) ]

図 2において、 t時点よりも前の非洗浄時には、主弁 V及び主弁用の第 1、第 2起

1 1

動弁 V、 Vは閉弁している。

2 7

[0049] この状態では、ェゼクタ起動弁 Vが開とされており、ェゼクタ給水弁 Vも開となって

8 4

いる。但し、給水管 10には通水されていないので、ェゼクタ 21は停止している。

[0050] この状態では、開閉弁 Vは閉弁しており、エアタンク 20内が密閉されている。従つ

5

て、後述する覆水 ·負圧蓄圧行程にぉレ、てエアタンク 20内に蓄圧された負圧がそのまま保持されている。

[0051] また、この状態では、開閉弁 Vは開弁している。開閉弁 Vが開弁しているため、排

6 6

水流路 5は排水管内と連通し、通常は大気圧となっている。

[0052] [便鉢内の水位上昇行程（図 4) ]

用便後、便器使用者によって第 1起動弁 V又は手動レバー 46が操作される。 [0053] 説明の便宜上、ここでは第 1起動弁 Vが操作された場合について説明する。

2

[0054] 第 1起動弁 Vが操作されたときには、主弁 Vのヘッド側の水圧が第 1起動弁 Vを

2 1 2 介して主弁 Vの下流側へ抜け、主弁 Vが開弁する。これにより、給水管 10から洗浄

1 1

水カ^ム 3に供給され、便鉢 2の内面に沿って旋回しながら流れ落ち、便鉢 2内に旋回流が形成される。このとき、便鉢 2内の水の一部は水封部の最高位部 4aを溢流して流出するが、リム 3からの流入水量の方が多いので、便鉢 2内の水位が上昇する。この旋回流により、汚物が便鉢の中央側に集められると共に、紙がほぐれて水となじみ、水中に分散するようになるので、後にサイホン作用により排出流が形成されると、汚物及び紙力 Sスムーズに排出される。なお、水封部の最高位部 4aを溢流した水は滞留部 6に溜まり排水流路 5側の水位が上昇する。乾燥等によって滞留部 6内の水位が低下していた場合にあっても、この溢流水によって滞留部 6内の水位が上昇して排水流路 5内と排水口 7側との間は封鎖される。これにより、後述するサイホン作用による排出流の形成が容易になる。

[0055] また、給水管 10内に洗浄水が流れると、水車ユニット 11内の水車 12が回転し、歯車列 45を介してカムシャフト 40が水車 11の回転よりも減速して回転する。

[0056] カムシャフト 40の回転に伴ってカム 42、 43、 44も回転し、弁 V、 V、 Vが所定のタ

8 5 6 イミングで開弁する。

[0057] この開弁ゃ閉弁のタイミングについて図 2を参照して説明する。

[0058] t時点でカムシャフト 40の回転が開始すると、直ちに主弁用の第 2起動弁 Vが開弁する。そのため、第 1起動弁 Vから手を離して該第 1起動弁 Vが閉弁した後も、主

2 2

弁 Vのヘッド側には水圧が力からず、主弁 Vは開のままとなる。なお、主弁 Vは、後

1 1 1 述の通り、第 2起動弁 Vが閉となるまで開のままである。

[0059] 主弁 Vの開の後、所定時間は便鉢 2内の水位が上昇すると共に鉢面が洗浄され、

1

また、前述の通り旋回流が形成される。

[0060] このとき、ェゼクタ用起動弁 Vが開のままでありェゼクタ用給水弁 Vも開となってい

8 4

るので、給水管 10に水が流れるとェゼクタ 21にも水が流れて負圧が発生し、この負圧によってエアタンク 20内の空気が吸引されて、エアタンク 20内に負圧が蓄積される。なお、ェゼクタ 21の排出水は、配管 16、フロート弁装置 30を介して排水流路 5へ排出される。このときのェゼクタからの排水により、フロート弁装置 30内が水洗いされる。また、このェゼクタからの排水は、排水流路 5を通って滞留部 6内に溜まり、これにより滞留部 6の排水流路 5側の水位が上昇する。

[0061] 所定時間が経過した時点 tになると、ェゼクタ用起動弁 Vが閉となり、ェゼクタ用給

2 8

水弁 Vが閉となる。これにより、給水管 10を通る水のすべてが便鉢 2へ供給されるよ

4

うになる。

[0062] この tと同一又は近接した時点 tに達すると、開閉弁 Vが閉とされ、排水流路 5と排

2 3 6

水口 7側との配管 25、 26を介した連通が遮断され、排水流路 5が閉空間となる。

[0063] [汚物排出行程 (図 5) ]

tの時点に達すると開閉弁 Vが開放する。これにより、エアタンク 20内の負圧が配

4 5

管 24、 25、フロート弁装置 30及び配管 33を介して排水流路 5に伝達され、排水流路 5内の空気が吸引される。このとき、便鉢 2内の水位は図 1の Δ Ηで示されるように十分に高くなつており、水封部の最高位部 4aとの間の水頭差 Δ Ηが十分に大きなものとなつている。このため、便鉢 2内の汚水は、この水頭差 Δ Ηによる位置エネルギ一及びリム 3から弁鉢 2へ供給される洗浄水の運動エネルギーが排水流路 5内の負圧との重畳した付勢力により水封部 4から排水流路 5へ勢いよく排出され、水封部 4 及び排水流路 5内に強力なサイホン作用による排出流が形成される。

[0064] このように、本行程では負圧蓄圧のためにェゼクタ 21に水を供給する必要がないため、給水管 10を通るすべての水が便鉢 2へ供給される。このため、便鉢 2内の水位が十分に大きなものとなり、便鉢 2へ供給される洗浄水の水流も十分強いものであるため強力なサイホン作用による排出流が形成される。また、便鉢内の水位上昇行程で予めエアタンク 20内に十分に負圧が蓄積され、この負圧が本行程で排水流路 5に伝達されるため、排水流路 5内が瞬間的に減圧され、早期にサイホン排出流が形成される。

[0065] なお、排水流路 5内の汚水がフロート弁装置 30内に吸引された場合、フロート弁 31 が浮力によって上昇し、ポート 30bを閉止する。これにより、排水流路 5内の汚水が配管 25やエアタンク 20内に逆流することが防止される。また、汚水で汚染されたフロート弁装置 30の内面は、前述の通り、ェゼクタ 21の動作時にェゼクタ排出水により水洗いされる。

[0066] この汚物排出行程の末期の時点 tになると、開閉弁 Vが閉弁し、エアタンク 20から

5 5

の負圧伝達が停止される。

[0067] [水封部と滞留部との間の大気開放行程 (図 6) ]

その後、 t 'の時点になると、開放弁 Vが開となり、水封部 4と滞留部 6との間が排

5 6

水口 7と連通し、この水封部 4と滞留部 6との間が大気圧に戻る。これにより、後述する覆水 '負圧蓄積行程において、便鉢 2、水封部 4及び滞留部 6への覆水を安定して行うことができる。

[0068] [覆水'負圧蓄積行程 (図 7) ]

その後、 tの時点になると、ェゼクタ用起動弁 Vが開とされ、これによりェゼクタ用

6 8

給水弁 Vが開とされる。また、開閉弁 V力開とされる。この tの時点では便鉢 2内の

4 6 6

汚水はほぼ全量が排出されており、汚水と空気とが混合して所謂ゴボゴボと音をたてて排水流路 5に向って流れている。このとき、開閉弁 Vが閉とされているので、エアタ

5

ンク 20へ大気が流入することがなぐエアタンク 30内の負圧の無駄な消費が回避される。

[0069] tの時点で開閉弁 Vが開とされることにより排水流路 5の負圧が解消し、便鉢 2から

6 6

の排水も停止する。このとき、主弁 V、給水管 10を介してリム 3への給水が継続して

1

いるので、便鉢 2内に徐々に水が溜まり、覆水が行われる。便鉢 2内の水位は、水封部 4の最高位部 4aと同水位まで上昇する。

[0070] なお、 tの時点でェゼクタ用給水弁 Vが開となることにより、ェゼクタ 21が起動し、

6 4

エアタンク 20内に再び負圧が蓄積される。

[0071] [待機状態（図 8) ]

tの時点になると、主弁用第 2起動弁 Vが閉となり、これに追従して主弁 Vが閉となり、給水管 10の通水が停止する。これにより、便器洗浄装置は待機状態となる。

[0072] 給水管 10の通水停止に伴って、ェゼクタ 21への通水も停止する。ェゼクタ 21のスロート部とエアタンク 20との間には逆止弁 23が設けられているので、停止したェゼクタ 21からエアタンク 20内へ大気が流入することはなぐエアタンク 20内に蓄積された負圧がそのまま維持される。 [0073] なお、 tの時点になってもェゼクタ用給水弁 V、開閉弁 Vは開のままであり、この

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状態が次回の便器洗浄 (第 1起動弁 Vの操作)まで継続する。

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[0074] <手動ハンドル時の動作 >

上記の動作説明は主弁用第 1起動弁 Vを操作した場合であるが、手動ハンドル 46

2

を操作した場合にも同様の一連の動作が行われる。この場合、主弁用第 1起動弁 V

2 は閉のままである。主弁 Vは第 2起動弁 Vの開閉に追従して開閉する。その他の弁

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V〜V , Vの動作順序は図 2と同一である。

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[0075] < tと tとの時間差 >

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主弁 Vが開となり、リム 3へ給水が開始される時点 tと、排水流路 5内の空気を吸引

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開始する時点 tとの時間差は 3〜20秒、特に 7〜： 15秒程度が好ましい。このように t

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〜tの間隔を時間差で設定する代りに、リム 3への給水量で設定してもよい。

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[0076] <別態様>

本実施例は本発明の一例であり、本発明は上記実施例に何ら限定されない。例えば、図 9のようにェゼクタ 21をエアタンク 20Aの側壁に設置してもよぐ図 10のようにェゼクタ 21をエアタンク 20Bの上壁に設置してもよぐ図 11のようにェゼクタ 21をェァタンク 20Cの下壁に設置してもよレ、。なお、図 11の場合、エアタンク 20C内に溜まつた水を逆止弁 23を介してェゼクタ 21によって吸引することができる。

[0077] また、すべて又は一部の弁の開閉を電気制御により行ってもよい。

[0078] 上記実施の形態はサイホン式洗浄である力サイホンジェット式洗浄としてもよい。

[0079] また、大便と小便とで洗浄行程を異なるものとしてもよい。

産業上の利用可能性

[0080] 本発明は、水洗式便器に利用可能である。

Claims

請求の範囲

[1] 便器の便鉢に洗浄水を供給する給水手段と、該便器の水封部の下流側に連なる排水流路と、該排水流路から空気を吸引する吸気手段と、該給水手段及び該吸気手段を制御する制御手段とを備えている便器洗浄装置において、

該吸気管に設けられ、前記制御手段によって開閉される弁とを有していることを特徴とする便器洗浄装置。

[2] 請求項 1において、前記ェゼクタは前記タンク内に設置されていることを特徴とする便器洗浄装置。

[3] 請求項 2において、前記ェゼクタには前記タンク内の空気を吸引する吸引用配管が接続されてレ、ることを特徴とする便器洗浄装置。

[4] 請求項 1において、前記ェゼクタは前記タンクの外に設置されており、該タンクに連通し、該タンク内の空気を吸引する吸引用配管が接続されていることを特徴とする便器洗浄装置。

[5] 請求項 3又は 4において、前記吸引用配管の先端が前記タンク内の底部近傍に配置されてレ、ることを特徴とする便器洗浄装置。

[6] 負圧を生じるェゼクタと、

該ェゼクタが内部の空気を吸引することにより生じる負圧を蓄えるタンクと、便器の水封部の下流側に連なる前記排水流路と該タンクとを連通する吸気管と、該吸気管に設けられた開閉弁とを有していることを特徴とする吸気装置。