WO2005101799A1

WO2005101799A1 - 携帯製品用スライドユニット及び携帯製品

Info

Publication number: WO2005101799A1
Application number: PCT/JP2005/006772
Authority: WO
Inventors: Kiyoshi Chikashige; Masahiro Kobayashi
Original assignee: Advanex Inc.
Priority date: 2004-04-12
Filing date: 2005-04-06
Publication date: 2005-10-27

Abstract

　本発明は、カバーを携帯製品本体に対して開方向又は閉方向に付勢する携帯製品用スライドユニット１０であって、ケース１１と、ケース１１に沿って摺動可能なスライダと、スライダを付勢するコイルばねと、スライダに一端が支持されるカムフォロアと、このカムフォロアの他端２４ａを案内し端部にハートカム機構を有するガイド３０と、スライダに連結し、携帯製品本体あるいはカバーの一方に連結する連結部材１２とを備える。この携帯製品用スライドユニット１０では、連結部材１２が、ケース１１の外側を挟持した状態でケース１１に対し摺動可能に設けられた挟持体１３と、挟持体１３と一体に形成され、かつ携帯製品本体あるいはカバーの一方に係止する係止部１４とからなる。

Description

明細書

携帯製品用スライドユニット及び携帯製品

技術分野

[0001] 本発明は、携帯製品用のスライドユニットと、このスライドユニットを備えた携帯電話等の携帯製品に関する。

本願は、 2004年 4月 12日に出願された特願 2004— 116763号および 2004年 4 月 12日に出願された特願 2004— 116764号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

背景技術

[0002] 従来、例えばデジタルカメラや携帯電話に代表される携帯製品の中には、表示部又はレンズの保護、あるいはスィッチ類の誤操作の防止等を目的とするカバーを備えたものがある。このようなカバーの中でも特にスライドカバーは、持ち運び時に誤操作力く開閉操作が容易であることから、持ち歩いて使用する際の使い勝手がよぐ様々な携帯製品に採用されて、る。

[0003] 近年、スライドカバーにおいてはさらなる商品性の向上が要望されている。例えば開閉状態を保持するロック機構を設けたスライドカバーが知られている (例えば、特許文献 1参照。）。

ところで従来、携帯製品等においてカード等の出し入れなどを行うための機構としては、ハートカム機構によるプッシュ 'プッシュ方式、すなわち、カード等を押圧することでカードを収納部に収納し、その後、カードを取り出す場合にも押圧することで行う方式が多く利用されている。このようなハートカム機構によるプッシュ 'プッシュ方式は、操作荷重が小さいにもかかわらず比較的大きな節度感 (操作時の感触)を得ることができるなどの利点があり、スライドカバーに応用することが検討されている。

特許文献 1：特開 2001— 119456号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] し力しながら、前述したロック機構を設けたスライドカバーの場合、前記カバーのロック状態を解除するためには、より大きい操作荷重を前記スライドカバーに加える必要があり、特に手荷物を持ったような、力を加えにくい状態では容易に前記スライドカバ一の開閉操作を行うことができず、操作者の負担が増カロしてしまう。

また、前記スライドカバーの開閉時に大きい操作荷重が必要となることから、このスライドカバーを迅速に開閉することが難しぐ操作性に問題がある。

さらに、大きい操作荷重が力かると、必然的に電話機本体とスライドカバーとの間を連結する部材に大きな負荷がかかり、この部分における耐久性が問題になってしまう

[0005] また、前記のハートカム機構によるプッシュ 'プッシュ方式をスライドカバーに応用した場合、スライドカバーをプッシュ ·プッシュ方式で開閉する方式になれてヽな、利用者は誤操作によりハートカム機構を破損してしまい、スライドカバーの機能を損なってしまうおそれがある。

[0006] 本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、小さい操作荷重で容易に且つ迅速にスライドカバーの開閉を可能にし、さらには電話機本体とスライドカバーとの間の連結部材の耐久性を向上した携帯製品用スライドユニットと、この携帯製品用スライドュ- ットを備えた携帯製品を提供することを目的としている。

[0007] また本発明はスライドカバーの開閉を小さ!/ヽ操作荷重で容易に且つ迅速に行えるようにし、しかも通常の操作で容易かつ迅速な開閉を可能にした携帯製品用スライドユニットと、この携帯製品用スライドユニットを備えた携帯製品を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

[0008] 本発明の携帯製品用スライドユニットは、携帯製品本体とこの携帯製品本体の正面をスライド可能に覆うカバーとの間に介装され、カバーを携帯製品本体に対して開方向又は閉方向に付勢する携帯製品用スライドユニットであって、前記カバーの開閉方向に沿って配置されたケースと、前記ケースに沿って摺動可能なスライダと、前記スライダを付勢するコイルばねと、前記スライダに一端が支持されるカムフォロアと、このカムフォロアの他端を案内し端部にハートカム機構を有するガイドと、前記スライダに連結し、かつ前記携帯製品本体あるいはカバーの、ずれか一方に連結する連結部材とを備えてなり、前記連結部材が、前記ケースの外側を挟持した状態で該ケースに対し摺動可能に設けられた挟持体と、該挟持体と一体に形成され、かつ前記携帯製品本体あるいはカバーのいずれか一方に係止する係止部とからなることを特徴としている。

[0009] この携帯製品用スライドユニットによれば、コイルばねを用いてストローク量を十分に確保するとともに、前記コイルばねの付勢力で前記カバーを開方向又は閉方向にスライドさせることが可會となる。

また、前記ハートカム機構を設けたことで、操作荷重を低減しても節度感 (操作時の感触)を得ることが可能となる。

さらに、前記連結部材が挟持体と、この挟持体に一体に形成された係止部とからなつて、るので、携帯製品本体あるいはカバーの!/、ずれか一方に係合した係止部に大きい操作荷重がカゝかっても、操作荷重が挟持体に伝わって分散されるため、係止部自体で受ける負荷 (荷重）が小さくなり、したがって係止部における耐久性が向上する。

[0010] 前記携帯製品用スライドユニットにおいては、前記ガイドにおけるハートカム機構が

、前記ケースの外側で、かつ前記連結部材の係止部側に設けられているのが好ましい。

このようにケースの外側にハートカム機構を設けることにより、ケース自体の厚さを薄くすることが可能となる。また、ハートカム機構をケースの外側に設けても、連結部材の係止部側にある係止部と一体の挟持体と、前記ハートカム機構とをほぼ同じ厚さとすれば、全体の実質的な厚みの増加をなくすことが可能になる。

[0011] 前記携帯製品用スライドユニットにおいては、前記スライダを付勢するコイルばねが

、複数本並列に設けられているのが好ましい。

コイルばねのばね定数については、スライダに対して所望の付勢力を発生できるように予め設定しておく必要がある。 1本のコイルばねで所望の付勢力を得るためには

、比較的高いばね定数が必要になることから、多数回の伸縮動作によってばねがへたり（弱り）、付勢力の低下が生じ易くなつてしまう。これに対し、コイルばねを複数本並列に設け、全体で所望の付勢力を得るようにすることにより、個々のコイルばねについては前記の 1本し力設けない場合に比べ、そのばね定数を低くすることができる

。その結果、個々のコイルばねの付勢力の低下が防止されるので、前記の携帯製品用スライドユニットは、全体として耐久性が向上する。また、このようにコイルばねを複数設けることで、合計した付勢力が大きくなり、 1本の場合に比べ個々のコイルばねの長さを短くすることが可能となるので、携帯製品用スライドユニット全体の長さを短くすることが可能になる。

[0012] 前記携帯製品用スライドユニットにおいては、前記ケースに、前記連結部材の挟持体の摺動を抑制する抑制部が設けられて、るのが好まし、。

コイルばねの付勢力で前記カバーを開方向又は閉方向にスライドさせた際、コイルばねの付勢力が強すぎるとカバーが勢いよくスライドし、携帯製品に対し好ましくない機械的衝撃が与えられてしまう。

そこで、前記連結部材の挟持体に対して摺動する抑制部を設け、挟持体と抑制部との摩擦抵抗によって摺動速度を緩め、カバーが勢いよくスライドするのを防止することが可能になる。

[0013] また、本発明の携帯製品用スライドユニットは、携帯製品本体とこの携帯製品本体の正面をスライド可能に覆うカバーとの間に介装され、カバーを携帯製品本体に対して開方向又は閉方向に付勢する携帯製品用スライドユニットであって、前記カバーの開閉方向に沿って配置されたケースと、前記ケースに沿って摺動可能なスライダと、前記スライダを付勢するコイルばねと、前記スライダに一端が支持されるカムフォロアと、このカムフォロアの他端を案内するガイドと、前記スライダに連結し、かつ前記携帯製品本体あるいはカバーのいずれか一方に連結する連結部材とを備えてなり、前記ガイドの一端部側に、前記スライダが前記コイルばねの付勢に杭して移動した際、前記カムフォロアの他端の移動を、弾性変形に基づく付勢力によって規制する付勢部材が設けられて、ることを特徴として、る。

[0014] この携帯製品用スライドユニットによれば、コイルばねを用いてストローク（可動距離 )を十分に確保するとともに、前記コイルばねの付勢力により、前記カバーを開方向又は閉方向に小さい操作荷重でスライドさせることが可能となる。

また、カムフォロアの他端を案内するガイドの一端部側に、カムフォロアの他端の移動を規制する付勢部材を設けたので、前記スライダが前記コイルばねの付勢に抗して移動した際、スライダの移動が前記付勢部材によって規制されることにより、カムフォロアが連結するスライダも前記付勢部材によってロックされる。したがって、スライダを介して連結部材もロックされることから、携帯製品本体に対してカバーが例えば開いた状態にロックされるようになる。また、この状態からロックを外すには、前記付勢部材の付勢に杭してカムフォロアの他端を移動させればよいが、その際、コイルばねがカムフォロアの他端のロックを外す方向に付勢して、るため、より小さ、操作荷重で容易に且つ迅速にロックを外すことが可能となる。

さらに、このような操作は、カバーを開く方向に移動させ操作と、閉じる方向に移動させる操作力もなるため、プッシュ ·プッシュ方式でなく通常の開閉操作となる。

[0015] 前記携帯製品用スライドユニットにおいては、前記付勢部材が、板ばねによって形成されているのが好ましい。

このようにすれば、簡単な構成でしかも安価に付勢部材を形成することが可能になる。

[0016] 前記携帯製品用スライドユニットにお、ては、前記連結部材が、前記ケースの外側を挟持した状態で該ケースに対し摺動可能に設けられた挟持体と、該挟持体と一体に形成され、かつ前記携帯製品本体あるいはカバーのいずれか一方に係止する係止部と力もなつて、るのが好ま U、。

このようにすれば、連結部材が挟持体と挟持体に一体に形成された係止部とからなつて、るので、携帯製品本体あるいはカバーの!/、ずれか一方に係合した係止部に大きい操作荷重がカゝかっても、操作荷重が挟持体に伝わって分散されるため、係止部自体で受ける負荷 (荷重）が小さくなり、したがって係止部における耐久性が向上する。

[0017] 前記携帯製品用スライドユニットにおいては、前記スライダを付勢するコイルばねが、複数本並列に設けられているのが好ましい。

コイルばねのばね定数については、スライダに対して所望の付勢力を発生できるように予め設定しておく必要がある。 1本のコイルばねで所望の付勢力を得るためには、比較的高いばね定数が必要になることから、多数回の伸縮動作によってばねがへたり（弱り）、付勢力の低下が生じ易くなつてしまう。これに対し、コイルばねを複数本並列に設け、全体で所望の付勢力を得るようにすることにより、個々のコイルばねについては前記の 1本し力設けない場合に比べ、そのばね定数を低くすることができる

[0018] 前記携帯製品用スライドユニットにおいては、前記ケースに、前記連結部材の挟持体の摺動を規制する抑制部が設けられて、るのが好まし、。

そこで、前記連結部材の挟持体に対して摺動する抑制部を設け、挟持体がと抑制部との摩擦抵抗によって摺動速度を緩め、カバーが勢いよくスライドするのを防止することが可能になる。

[0019] 本発明の携帯製品は、前記の携帯製品用スライドユニットを備えたことを特徴としている。なお、このような携帯製品としては、特に携帯電話とするのが好ましい。

この携帯製品にあっては、前述したようにコイルばねの付勢力でカバーを開方向又は閉方向にスライドさせることができ、また、ハートカム機構を設けたことで操作荷重を低減しても節度感を得ることができ、しカゝも、係止部における耐久性を向上したスライドユニットを備えているので、操作性に優れ、さらに耐久性にも優れたものとなる。

[0020] また、この携帯製品にあっては、前述したようにコイルばねの付勢力により、前記力バーを開方向又は閉方向に小さい操作荷重でスライドさせることができ、また、携帯製品本体に対してカバーを例えば開いた状態にロックすることができるとともに、この状態から、より小さい操作荷重で容易に且つ迅速にロックを外すことができ、さらに、このような操作が、プッシュ'プッシュ方式でなく通常の開閉操作となる携帯製品用スライドユニットを備えているので、操作性に優れ、さらに耐久性にも優れる。また、この携帯製品を携帯電話とした場合に、誤操作をなくすためキー操作部を力バーで覆いつつも、カバーの開閉操作を容易に行うことが可能になる。

発明の効果

[0021] 本発明の携帯製品用スライドユニットは、コイルばねの付勢力でカバーを開方向又は閉方向にスライドさせることができ、またノ、ートカム機構を設けたことで操作荷重を低減しても節度感を得ることができるなど、操作性を向上することができ、しかも、係止部における耐久性を向上することもできる。

[0022] また、本発明の携帯製品用スライドユニットは、コイルばねの付勢力でカバーを開方向又は閉方向に小さい操作荷重でスライドさせることができる。また、付勢部材を設けたことで、カバーのロックを小さ、操作荷重で容易に且つ迅速に外すことができ、したがってカバーの開閉を容易に且つ迅速に行うことができる。さらに、このような操作を、いわゆるプッシュ 'プッシュ方式でなく通常の開閉操作で行うことができ、したがつて誤操作によりスライドカバーの機能が損なわれることを防止することができる。

[0023] 本発明の携帯製品は、前記の携帯製品用スライドユニットを備えているので、この携帯製品自体も操作性に優れ、またスライドカバーの機能の損傷が防止されたものとなる。

図面の簡単な説明

[0024] [図 1]本発明の一実施形態としての携帯電話を示す斜視図である。

[図 2]図 1に示した携帯電話の、スライドカバーを外した状態を示す斜視図である。

[図 3]本発明のスライドユニットの概略構成を示す斜視図である。

[図 4]図 1に示した携帯電話の A— A線矢視断面図である。

[図 5]図 3に示したスライドユニットにおけるケースの分解斜視部である。

[図 6]図 5に示したケースにおける下ケース側の分解斜視部である。

[図 7]ハートカム機構部の概略構成を示す斜視図である。

[図 8]上ケースに取り付けられた状態のハートカム機構部の斜視図である。

[図 9]ハートカム機構の説明図である。

[図 10]本発明の他の実施形態としての携帯電話を示す斜視図である。

[図 11]本発明の他の実施形態としての携帯電話を示す斜視図である。 [図 12]図 11に示した携帯電話の B— B線矢視断面図である。

[図 13]本発明の一実施形態としての携帯電話を示す斜視図である。

[図 14]図 13に示した携帯電話の、スライドカバーを外した状態を示す斜視図である。

[図 15]本発明のスライドユニットの概略構成を示す斜視図である。

[図 16]図 13に示した携帯電話の C C線矢視断面図である。

[図 17]図 315に示したスライドユニットにおけるケースの分解斜視部である。

[図 18]図 517に示したケースにおける下ケース側の分解斜視部である。

[図 19]付勢部材を構成する板ばねの概略構成を示す斜視図である。

[図 20]カムフォロアの他端部の動作を説明するため模式図である。

[図 21]は本発明の他の実施形態としての携帯電話を示す斜視図である。

[図 22]本発明の他の実施形態としての携帯電話を示す斜視図である。

[図 23]図 22に示した携帯電話の D—D線矢視断面図である。

[図 24]は付勢部材の別の例を示す斜視図である。

[図 25]は付勢部材の別の例を示す斜視図である。

符号の説明

[0025] 1, 40, 101, 140…携帯電話 (携帯製品）、 2, 41, 102, 141…電話機本体 (携帯製品本体)、 3, 103···スライドカバー (カバー）、 10, 110···スライドユニット (携帯製品用スライドユニット）、 11, 111…ケース、 12, 112…連結部材、 13, 113…挟持体、 14, 114···ピン (係止部）、 20, 120···下ケース、 21, 121···上ケース、 22, 122 …スライダ、 23, 123···コイルばね、 24, 124···カムフォロア、 24a, 124a…他端部（他端）、 30, 130…ガイド、 31···ハートカム機構部、 32···カム溝、 35, 135…抑制部、42···^7ノ一、 131, 136, 137··· §^ 132···†反 ί ね、 142···^7ノー

発明を実施するための最良の形態

[0026] 以下、本発明の第 1の実施形態を詳しく説明する。

図 1は、本発明の携帯製品を携帯電話とした場合の一実施形態を示す図であり、図 1中、符号 1は携帯電話 (携帯製品)である。この携帯電話 1は、電話機本体 (携帯製品本体) 2と、この電話機本体 2の正面側 (表面側）を覆うスライドカバー (カバー） 3 とから構成されたものである。 [0027] 電話機本体 2には、その正面上部に例えば電話番号や各種情報等を表示する表示部 4が設けられ、正面下部には、例えば電話番号やメールの文字を入力するための複数の操作ボタン力もなる操作部 5が設けられて、る。表示部 4と操作部 5とは段差部を有した状態に成型されて形成されている。また、この電話機本体 2の正面上部には、正面下部との境界部分に下側に向力う半円形上の凸部 6が設けられている。電話機本体 2の側面には、前記スライドカバー 3を案内する案内溝 7が設けられている。

[0028] 前記スライドカバー 3は、電話機本体 2に対するスライド移動によって前記操作部 5 を開閉自在に覆うもので、前記電話機本体 2の正面覆う上壁から側面を覆う側壁に回り込んで断面略 U字状に形成されたものである。前記スライドカバー 3の上壁外面は電話機本体 2の正面の前記表示部 4が配置された部分とほぼ同一面となるように形成されている。前記スライドカバー 3の上縁には凸部 6に整合した凹部 8が形成されている。つまり、前記スライドカバー 3を全閉にすると、スライドカバー 3の凹部 8が前記凸部 6に嵌合するとともに、スライドカバー 3の上縁が前記操作部 5上縁の段差に密着するので、前記操作部 5は前記スライドカバー 3によって密閉される。

[0029] 図 2に示すように、前記スライドカバー 3の側壁内側には、スライドカバー 3のスライド移動をガイドするための突条 9が設けられている。これら突条 9は、前記案内溝 7に係合した状態で該案内溝 7内を摺動するもので、スライドカバー 3の上縁部力前記案内溝 7の長さ方向に沿って形成配置される。

[0030] また、前記突条 9の近傍には、前記スライドカバー 3の側壁内側かつ前記スライド力バー 3の上壁近傍に、本発明の携帯製品用スライドユニットの一実施形態となるスライドユニット 10が取り付けられている。これらスライドユニット 10は、前記スライドカバ一 3よりも長さが短く形成されたもので、前記突条 9の長さ方向に沿って配設されたものである。スライドユニット 10は、前記スライドカバー 3と前記電話機本体 2との間に介装されている。

[0031] スライドユニット 10は、図 3に示すようにその内部及び外部に付勢機構を有したケース 11と、このケース 11に対し移動可能に設けられた連結部材 12とからなる。連結部材 12は、前記ケース 11の外側を挟持してケース 11に対して摺動可能に設けられた挟持体 13と、該挟持体 13と一体に形成されかつ前記電話機本体 2に係止する円柱状のピン (係止部） 14とからなる。ピン 14の上面側には雌螺子孔 14aが形成されている。雌螺子孔 14aに雄螺子（図示せず)が締結されることにより、ピン 14は電話機本体 2に一体的に取り付けられる。

[0032] すなわち、図 2に示したように電話機本体 2の下部側面には、前記案内溝 7より正面側（表面側）に係止穴 15が形成されており、図 4に示すようにこれら係止穴 15には、前記のピン 14がそれぞれ係止している。そして、電話機本体 2の内側から係止穴 15 内のピン 14に対し、その雌螺子部（図示せず）に係止する雄螺子 14bが締結されることにより、ピン 14は電話機本体 2に一体的に取り付けられている。このスライドカバー 3は、スライドユニット 10を介して電話機本体 2に対し移動可能に取り付けられているなお、図 4では電話機本体 2の内部構成についての図示を省略している。

[0033] 前記電話機本体 2には、図 2に示すように通話するためのスピーカ用の音孔 16とマイク用の音孔 17とがそれぞれ前記表示部 4の上縁近傍と前記操作部 5の下部に設けられている。前記スライドカバー 3にも音孔 18が形成されている。この音孔 18は、前記スライドカバー 3が全閉時に前記マイク用の音孔 17の真上に位置するように形成されている。

前記表示部 4の下縁近傍には、例えばリダイヤルや受信 (応答)等の操作を行うための操作ボタン 19a, 19b, 19c力設けられている。これら操作ボタン 19a, 19b, 19c は前記表示部 4の近傍に配置され、前記スライドカバー 3が全閉の状態であっても操作することが可能となって、る。

電話機本体 2の上面にはアンテナ 20が設けられている。図 1ではスライドカバー 3 が全開の状態を示している。

[0034] スライドユニット 10は、図 3に示したように略直方体状に形成されたケース 11を有し、このケース 11に設けられた付勢機構によって、連結部材 12を介してスライドカバー 3を一方の方向、本実施形態ではスライドカバー 3を閉方向、すなわち閉じる方向に付勢する。

ケース 11は、図 5に示すように細長い下ケース 20と、この下ケース 20の上部開口側を覆う上ケース 21と力もなる。これら下ケース 20及び上ケース 21は、いずれも板金製で、切り欠き加工や折り曲げ加工によって成形される。これら下ケース 20及び上ケース 21には、それぞれの長辺側に係合部（図示せず）が形成されており、これら係合部が互いに係合させられることにより、下ケース 20と上ケース 21とは一体ィ匕されてケース 11を構成する。

[0035] 下ケース 20は、その端面形状力底部側が狭く上部側が広!、略 T字状のもので、その底部には取付片（図示せず)が切り欠き加工や折り曲げ加工によって形成されている。この取付片が螺子止め等によってスライドカバー 3に取り付けられることにより、該下ケース 20はスライドカバー 3に取り付けられている。この下ケース 20の内部には、該下ケース 20の長辺方向に沿って摺動可能なスライダ 22と、このスライダ 22を付勢する 2本のコイルばね 23と、前記スライダ 22に一端が支持されたカムフォロア 24とが設けられている。この下ケース 20には、図 6に示すように、底面の一部が切り欠かれ、さらに折り曲げられ立ち上げられてなる仕切り 25が、下ケース 20の長辺方向に沿って二列に形成されて、る。

[0036] この下ケース 20の一方の端部側には、前記コイルばね 23の端部に当接するストツパー 26が、前記仕切り 25と同様に底面の一部が切り欠かれ、立ち上げられたことによって形成されている。これらストッパー 26よりさらに端部側には、板ばね 20aが、底面の一部が切り欠かれ、立ち上げられたことによって形成されている。この板ばね 20 aは、後述するカムフォロア 24の他端部 24aを上ケース 21側に付勢している。したがつて他端部 24aは、カム溝 32内に入り込んでその底面上を良好に走行する。

[0037] スライダ 22は、平面視 T字状のもので、下ケース 20の幅方向（短辺方向）に沿って設けられる受け部 22aと、下ケース 20の長さ方向（長辺方向）に沿って設けられるガイド部 22bとからなる榭脂製のものである。ガイド部 22bは、スライダ 22が下ケース 20 の長辺方向に沿って摺動した際、前記の仕切り 25に干渉されることなぐこれら仕切り 25の間を通り抜けることができるように形成、配置されている。受け部 22aには、その底部側に 2本の溝 27が形成されている。これら溝 27が前記の仕切り 25と対応した位置に形成されていることにより、受け部 22aも仕切り 25に干渉されることなぐ仕切り 25の上を通過することができる。 [0038] このスライダ 22の、受け部 22aにおけるガイド部 22b側の側壁面には、 2本のコイルばね 23の一端側がそれぞれ当接している。これらコイルばね 23は、図 5に示したようにスライダ 22の受け部 22aと前記ストッパー 26との間に、並列に設けられたものである。これらコイルばね 23は、前記スライドカバー 3のストロークに対応した圧縮ストロークを有し、その圧縮方向で使用する押しばね (圧縮パネ)である。つまりこのコイルばね 23は、スライドカバー 3の可動距離よりも大きな範囲 (ストローク)で伸縮可能である。押しばねは、端部にフックを必要とする引きばね（引張パネ)よりも実質的なストロークを長く確保できるため、寸法を短くする上で有利である。

[0039] 前記スライダ 22のガイド部 22bには、図 6に示すように支持孔 28が形成されている。この支持孔 28には、カムフォロア 24の一端部（一端）が下側力も上に向けて挿入され、保持されている。このカムフォロア 24は、両端がほぼ 90° に折り曲げられた略 U 字細棒状のもので、一端部が前記支持孔 28に回動可能に保持されたことによって他端部 24a側では水平方向にある程度の傾動が許容されている。このカムフォロア 24 は、例えばピアノ線等の弾性を有した線材の両端を曲げカ卩ェによって略垂直方向に折曲して形成される。

前記スライダ 22のガイド部 22bには、カムフォロア 24を取り付けるための支持孔 28 とは別に、前記連結部材 12を連結するための連結孔 29が形成されている。

[0040] 上ケース 21は、図 5に示したように平面視した状態で下ケース 20とほぼ同一の形状を有したもので、その上面には、前記カムフォロア 24の他端部 24aを案内するための開口力もなるガイド 30が形成されている。このガイド 30は、前記他端部 24aを直線的に案内する直線部 30aと、ハートカム機構に対応した略ノヽート形状のハート部 30b とからなっている。

[0041] 図 3に示したように前記連結部材 12の挟持体 13には貫通孔 13aが形成されている。この貫通孔 13aには取付ピン 13bが揷通されている。この取付ピン 13bは、前記ガイド 30の直線部 30aを通って前記スライダ 22の連結孔 29に係止している。このような構成の連結部材 12は、取付ピン 13bによってスライダ 22に連結しており、かつ、スライダ 22の移動（摺動）に伴われてケース 11上を摺動する。

[0042] ガイド 30の、前記ハート部 30b上には、ハート部 30bを覆うハートカム機構部 31が取り付けられている。このハートカム機構部 31は、図 7に示すようにその裏面側、すなわち前記ハート部 30bに向く側に、前記カムフォロア 24とともに本発明におけるハートカム機構を構成するカム溝 32が形成されている。このカム溝 32は、平面視略ハート状のもので、前記カムフォロア 24の他端部 24aがカム溝 32内を相対的に摺動することで、前記スライドカバー 3の位置を決める。このハートカム機構部 31には、前記カム溝 32の外側に、二つの係合突起 33が形成されている。これら係合突起 33が図 5に示した上ケース 21の係合孔 34に係合することにより、ハートカム機構部 31は図 8に示すように上ケース 21に取付固定されて、る。

[0043] 前記カム溝 32は、図 8に示すように上ケース 21に前記ガイド 30のハート部 30b内に臨むよう形成配置されている。この構造により、ケース 11内に設けられたカムフォロァ 24の他端部 24aは、このカム溝 32内を相対的に摺動できる。

前記カム溝 32には、図 9に示すように、前記カムフォロア 24の他端部 24aが矢印方向に一方通行で進むベぐ各所定位置に段差や傾斜が設けられている。すなわち、前述のスライドカバー 3が開かれておらず、したがって前記スライダ 22が前記ピン 14 によって移動させられてヽな、初期状態にぉ、て、前記カムフォロア 24の他端部 24 aは、ガイド 30における直線部 30aの、カム溝 32と反対の側に位置することとなる。

[0044] そして、前記スライドカバー 3が開かれて前記スライダ 22がケース 11内をその長辺方向（スライドカバー 3の開閉方向）に相対的に前進すると、前記ガイド 30及びカム溝 32は、カムフォロア 24の他端部 24aを、矢印に沿って a、 b、 cの各地点を通って走行させ、さらに地点 dに至らせる。地点 bでは、前記カム溝 32が 2方向に分岐しているものの、一方の側に段差を形成していることにより、矢印に沿って地点 cに向けてカムフォロア 24の他端部 24aを走行させるようになって、る。

[0045] また、カムフォロア 24の他端部 24aが地点 cを経て地点 dに至ると、前記スライドカバ一 3への押圧が解除されることでスライダ 22の移動が停止させられ、スライドユニット 1 0はこの状態に保持される。

この状態力再度スライドカバー 3が押圧され、スライダ 22が前進させられると、カム溝 32は、カムフォロア 24の他端部 24aを、矢印に沿って e地点を通って地点 bに走行させ、さらに地点 aに復帰させる。地点 dでは、地点 cに戻る方向に段差が形成されて、ることにより、カムフォロア 24の他端部 24aを必ず地点 eに向けて走行させるようになっている。

[0046] 上ケース 21には、図 3、図 5に示したように前記ハートカム機構部 31と反対の端部側の上面に、前記連結部材 12の挟持体 13の摺動を抑制する抑制部 35が設けられている。この抑制部 35は、ガイド 30における直線部 30aの両側にそれぞれ形成されたもので、上ケース 21の一部を前記直線部 30aの長さ方向に沿って 2箇所切り欠き、これら切り欠きの間の長手方向に沿う中央部が上方に突出するように曲げ加工することにより、板状に形成される。このように曲げカ卩ェされた抑制部 35にはばね性が付与されているので、前記挟持体 13が摺動してこの抑制部 35を通過する際、抑制部 3 5は板ばねとして機能して挟持体 13に押し付けられ、抑制部 35と挟持体 13との摩擦抵抗によって挟持体 13の摺動を抑制する。

[0047] このような構成の携帯電話 1を使用するべぐ図 1に示したように利用者力スライド力バー 3を開くと、このスライドカバー 3に取り付けられたスライドユニット 10も、スライド力バー 3とともに移動する。すると、スライドユニット 10において連結部材 12のピン 14が電話機本体 2に一体的に取り付けられているので、連結部材 12の挟持体 13がケース 11上を相対的に摺動する。このとき、連結部材 12には、取付ピン 13bによってケース 11内のスライダ 22が連結されているため、スライダ 22は、コイルばね 23の付勢力に抗してケース 11内を相対的に移動（摺動）する。

[0048] すると、スライダ 22が移動することにより、スライダ 22に一端が支持されたカムフォロァ 24もともに移動し、その他端部 24aが、図 9に示したようにガイド 30の直線部 30aを通ってハート部 30b、すなわちカム溝 32内に至る。そして、他端部 24aはさらにカム溝 32内を相対的に移動し、矢印に沿って地点 b、 cの各地点を通り、地点 dに至る。このようにしてスライドカバー 3を開き、スライダ 22を相対移動させると、スライダ 22に一方の側が当接するコイルばね 23がストッパー 26に押圧されて収縮し、スライダ 22を反対方向 (スライドカバー 3を閉じる方向）に付勢する付勢力を発生する。

[0049] 特にカムフォロア 24の他端部 24aが地点 aから地点 bを通って地点 cに至ると、図 9 に示すように他端部 24aはそれ以上進めなくなるので、操作者はこの状態を指先等で感知する。そこで、操作者力 Sスライドカバー 3を開く操作を止めると、スライダ 22は前記のコイルばね 23の付勢力によって移動させられるので、カムフォロア 24の他端部 24aは地点 cから地点 dに移動する。そして、この地点 dにてカムフォロア 24の他端部 24aはそれ以上コイルばね 23の付勢方向に進めなくなり、停止する。したがって、カムフォロア 24の他端部 24aに伴われてスライドカバー 3も移動し、図 1に示したようなスライドカバー 3が全開した位置に保持される。

[0050] そして、携帯電話 1の使用が終了し、スライドカバー 3を閉じるには、スライドカバー 3を再度開く方向に押圧する（引っ張る）。すると、スライダ 22がケース 11に対して移動することで、カムフォロア 24の他端部 24aが再度カム溝 32内を移動し、図 9に示すように地点 dから地点 eに移動する。地点 eに至ると、他端部 24aはそれ以上進めなくなるので、操作者はこの状態を指先等で感知する。そこで、操作者力スライドカバー 3 の押圧（引っ張り）を止めると、スライダ 22は前記のコイルばね 23の付勢力によって移動させられるので、カムフォロア 24の他端部 24aは地点 eから（地点 d, cを通らずに )地点 bを通って初期位置である地点 aに戻り、停止する。これにより、スライドカバー 3 は電話機本体 2に対して閉じた状態となる。

[0051] このとき、上ケース 21には抑制部 35が設けられているので、スライダ 22がコイルばね 23の付勢力によって移動させられて連結部材 12の挟持体 13がケース 11を摺動する際、挟持体 13は抑制部 35による付勢力によってその移動 (摺動）が抑制される。したがって、挟持体 13とこれに連結するスライダ 22及びスライドカバー 3は、抑制部 3 5による抑制（摩擦抵抗）によってその摺動速度が緩められる。したがって、スライド力バー 3が電話機本体 2に対して勢いよくスライドするのが防止される。

[0052] このような構成のスライドユニット 10にあっては、コイルばね 23を用いてスライダ 22 のストローク量を十分に確保するとともに、該コイルばね 23の付勢力で前記スライド力バー 3を閉方向に付勢することができる。

また、ハートカム機構を設けたことで、より少ない操作荷重で前記スライドカバー 3を操作しても節度感を得ることができるため、前記スライドカバー 3の開閉を容易に行うことができる。

さらに、連結部材 12が挟持体 13とこれに一体に形成されたピン 14とからなっているので、電話機本体 2に係合したピン 14に大きい操作荷重がカゝかっても、操作荷重が挟持体 13に伝わって分散されるため、ピン 14自体で受ける負荷が小さくなり、した力 Sつてピン 14における耐久性を向上させることができる。

[0053] また、ケース 11の外側にハートカム機構部 31を設けたことにより、ケース 11自体の厚さを薄くすることができる。なお、連結部材 12のピン 14側にはピン 14と一体の挟持体 13があるが、前記ハートカム機構部 31を挟持体 13とほぼ同じ厚さとすることにより、ハートカム機構部 31をケース 11の外側に設けたことによる全体の実質的な厚みの増加をなくすことができる。したがってスライドユニット 10全体の厚みの低減ィ匕を図ることができる。よって、携帯電話 1 (携帯製品）のさらなる小型化を可能にすることができる。

[0054] また、スライダ 22を付勢するコイルばね 23を、 2本並列に設けて全体で所望の付勢力を得るようにして、るので、個々のコイルばねにつ!ヽては 1本しか設けな!/、場合に比べ、そのばね定数を低くすることができる。その結果、個々のコイルばね 23についてはへたりによる付勢力の低下が防止されるので、スライドユニット 10は、全体として耐久性が向上したものとなる。また、このようにコイルばねを複数設けることで、合計した付勢力を大きくすることができることから、 1本の場合に比べ個々のコイルばねの長さを短くすることができる。したがってスライドユニット 10全体の長さを短くすることができる。

[0055] また、上ケース 21に抑制部 35を設けたので、抑制部 35による抑制（摩擦抵抗）によつてスライドカバー 3が、電話機本体 2に対して勢いよくスライドするのを防止することができる。したがって、電話機本体 2に対して機械的衝撃が与えられてしまうのを防止できる。

[0056] また、このようなスライドユニット 10を備えた携帯電話 (携帯製品） 1は、前述したようにコイルばね 23の付勢力でスライドカバー 3を閉方向にスライドさせることができ、また、ハートカム機構を設けたことで操作荷重を低減しても節度感を得ることができ、し力も、ピン 14における耐久性を向上したスライドユニット 10を備えているので、操作性に優れ、さらに耐久性にも優れたものとなる。

さらに、携帯電話として、誤操作をなくすためキー操作部 5をスライドカバー 3で覆いつつも、スライドカバー 3の開閉操作を容易に行うことができる。 [0057] 図 10、 11は、本発明の携帯製品を携帯電話とした場合の他の実施形態を示す図であり、図 10、 11中、符号 40は携帯電話 (携帯製品）、 41は電話機本体、 42はカバ一である。この携帯電話 40が図 10、 11に示した実施形態の携帯電話 1と主に異なるところは、カバー 42が電話機本体 41の上面 (正面）にのみ摺動可能に載っており、本発明におけるスライドユニット 10力カバー 42の下面側にあって、カバー 42と電話機本体 41との間にそれぞれ設けられている点にある。本実施形態においては、カバ一 42の上面にテレビの表示部 43が設けられているので、携帯電話 40は、電話機などとしての機能以外に、テレビ機能も有している。

[0058] このような携帯電話 40において、スライドユニット 10は、前記実施形態におけるスライドユニット 10と同じ構成を有しており、図 12に示すようにカバー 42の下面側に形成された収納部 44内に収納され、取り付けられている。すなわち、ケース 11の下ケース 20側がカバー 42に螺子止め等によって固定され、連結部材 12のピン 14が雄螺子 1 4bによって電話機本体 41に固定されて、る。

[0059] このような構成のもとに、この携帯電話 40におけるスライドユニット 10も、コイルばね 23の付勢力でスライドカバー 3を閉方向にスライドさせることができ、また、ハートカム機構を設けたことで操作荷重を低減しても節度感 (操作時の感触)を得ることができ、し力も、ピン 14における耐久性を向上することができる。

[0060] なお、本発明は前記実施形態に限定されることなぐ本発明の要旨を逸脱しない限り種々の変更が可能である。例えば、前記実施形態では本発明のスライドユニット 10 (ケース 11)は、スライドカバー 3, 42に設けたが、電話機本体 2, 41に設けるようにしてもよい。また、コイルばね 23についても、これを 2本用いるのに代えて、 1本のみ、あるいは 3本以上用いるようにしてもよい。さらに、コイルばね 23によるスライダ 22の付勢方向を、スライドカバー 3, 42が閉じる方向でなぐスライドカバー 3, 42が開く方向に付勢するように構成してもよい。また、ハートカム機構部 31を、ケース 11の外側で、電話機本体 2に対向するように設けたが、スライドカバー 3に対向するように設けるようにしてもよい。

[0061] また、前記実施形態では、本発明の携帯製品を携帯電話とした場合について説明したが、本発明は、携帯電話以外にも、デジタルカメラ等の各種の携帯製品に適用することができる。

[0062] 以下、本発明の第 2の実施形態を詳しく説明する。

図 13は、本発明の携帯製品を携帯電話とした場合の一実施形態を示す図であり、図 13中、符号 101は携帯電話 (携帯製品)である。この携帯電話 101は、電話機本体 (携帯製品本体） 102と、この電話機本体 102の正面側 (表面側）を覆うスライド力バー (カバー） 103とから構成されたものである。

[0063] 電話機本体 102には、その正面上部に例えば電話番号や各種情報等を表示する表示部 104が設けられ、正面下部には、例えば電話番号やメールの文字を入力するための複数の操作ボタン力もなる操作部 105が、段差部を有した状態に成型されて形成されている。また、この電話機本体 102の正面上部には、正面下部との境界部分に下側に向力半円形上の凸部 106が設けられている。電話機本体 102の側面には、前記スライドカバー 103を案内する案内溝 107が設けられている。

[0064] 前記スライドカバー 103は、前記操作部 105をスライド操作によって開閉自在に覆うもので、前記電話機本体 102の正面側を構成する上壁力も側面側を構成する側壁に回り込んで形成されたものである。前記スライドカバー 103の上面は前記表示部 1 04が配置された電話機本体 102の正面とほぼ同一面となるように形成されて!、る。前記スライドカバー 103の上縁には凸部 106に整合した凹部 108が形成されている。つまり、前記スライドカバー 103を全閉にすると、スライドカバー 103の凹部 108が前記凸部 106に嵌合するとともに、スライドカバー 103の上縁が前記操作部 105上縁の段差に密着するので、前記操作部 105は前記スライドカバー 103によって密閉される。

[0065] 図 14に示すように、前記スライドカバー 103の側壁内側には、スライドカバー 103のスライド動作をガイドするための突条 109が設けられている。これら突条 109は、前記案内溝 107に係合した状態で該案内溝 107内を摺動するもので、スライドカバー 10 3の上縁部力も前記案内溝 107の長さ方向に沿って形成配置されたものである。

[0066] また、前記突条 109の近傍には、前記スライドカバー 103の側壁内側かつ前記スライドカバー 103の上壁側に、本発明の携帯製品用スライドユニットの一実施形態となるスライドユニット 110が取り付けられている。これらスライドユニット 110は、前記スライドカバー 103よりも長さが短く形成されたもので、前記突条 109の長さ方向に沿って配設されたものである。スライドユニット 110は、前記スライドカバー 103と前記電話機本体 102との間に介装されている。

[0067] スライドユニット 110は、図 15に示すようにその内部に付勢機構を有したケース 11と、このケース 111に対し移動可能に設けられた連結部材 112とからなる。連結部材 1 12は、前記ケース 111の外側を挟持しケース 111に対して摺動可能に設けられた挟持体 113と、該挟持体 113と一体に形成されかつ前記電話機本体 102に係止する円柱状のピン (係止部） 114とからなるものである。ピン 114には、その上面側には雌螺子孔 114aが形成されている。雌螺子孔 114aに雄螺子（図示せず)が締結されることにより、ピン 114は電話機本体 102に一体的に取り付けられる。

[0068] すなわち、図 14に示したように電話機本体 102の下部側面には、前記案内溝 107 より正面に近い位置 (表面側）に係止穴 115が形成されており、図 16に示すようにこれら係止穴 115には、前記のピン 114がそれぞれ係止している。そして、電話機本体 2の内側力も係止穴 115内のピン 114に対し、その雌螺子部（図示せず）に係止する雄螺子 114bが締結されることにより、ピン 114は電話機本体 102に一体的に取り付けられている。このスライドカバー 103は、スライドユニット 110を介して電話機本体 1 02に対し移動可能に取り付けられている。

なお、図 16では電話機本体 102の内部構成についての図示を省略している。

[0069] 前記電話機本体 102には、図 14に示すように通話するためのスピーカ用の音孔 1 16とマイク用の音孔 117とがそれぞれ前記表示部 104の上縁近傍と前記操作部 10 5の下部に設けられている。前記スライドカバー 103にも音孔 118が形成されている。この音孔 118は、前記スライドカバー 103が全閉時に前記マイク用の音孔 117の真上に位置するように形成されてヽる。

前記表示部 104の下縁近傍には、例えばリダイヤルや受信 (応答)等の操作を行うための操作ボタン 119a, 119b, 119c力設けられている。これら操作ボタン 119a, 1 19b, 119cは前記表示部 104の近傍に配置され、前記スライドカバー 103が全閉の状態であっても操作することが可能となって、る。

電話機本体 102の上面にはアンテナ 120が設けられて!/、る。図 13ではスライドカバ一 103が全開の状態を示している。

[0070] スライドユニット 110は、図 15に示したように略直方体状に形成されたケース 111を有し、このケース 111に設けられた付勢機構によって、連結部材 112を介してスライドカバー 103を一方の方向、本実施形態ではスライドカバー 103を閉方向、すなわち閉じる方向に付勢する。

ケース 111は、図 17に示すように細長い下ケース 120と、この下ケース 120の上部開口側を覆う上ケース 121とからなる。これら下ケース 120及び上ケース 121は、いずれも板金製で、切り欠き加工や折り曲げ加工によって成形される。これら下ケース 1 20及び上ケース 121には、それぞれの長辺側に係合部（図示せず）が形成されており、これら係合部が互いに係合させられることにより、下ケース 120と上ケース 121とは一体ィ匕されてケース 111を構成する。

[0071] 下ケース 120は、その端面形状力底部側が狭く上部側が広い略 T字状のもので、その底部には取付片（図示せず)が切り欠き加工や折り曲げ加工によって形成されている。この取付片が螺子止め等によってスライドカバー 103に取り付けられることにより、該下ケース 120はスライドカバー 103に取り付けられている。この下ケース 120の内部には、該下ケース 120の長辺方向に沿って摺動可能なスライダ 122と、このスライダ 122を付勢する 2本のコイルばね 123と、前記スライダ 122に一端が支持されたカムフォロア 124とが設けられている。この下ケース 120には、図 18に示すように、底面の一部が切り欠かれ、さらに折り曲げられ立ち上げられてなる仕切り 125が、下ケース 120の長辺方向に沿って二列に形成されている。

[0072] この下ケース 120の一方の端部側には、前記コイルばね 123の端部に当接するストッパー 126が、前記仕切り 125と同様に底面の一部が切り欠かれ、立ち上げられたことによって形成されている。

スライダ 122は、平面視 T字状のもので、下ケース 120の幅方向（短辺方向）に沿つて設けられる受け部 122aと、下ケース 120の長さ方向（長辺方向）に沿って設けられるガイド部 122bとからなる榭脂製のものである。ガイド部 122bは、スライダ 122が下ケース 120の長辺方向に沿って摺動した際、前記の仕切り 125に干渉されることなく、これら仕切り 125の間を通り抜けることができるように形成配置されている。受け部 1 22aには、その底部側に 2本の溝 27が形成されている。これら溝 127が前記の仕切り 125と対応した位置に形成されていることにより、受け部 122aも仕切り 125に干渉されることなく、これら仕切り 125の上を通過することができる。

[0073] このスライダ 122の、受け部 122aにおけるガイド部 122b側の側壁面には、 2本のコィルばね 123の一端側がそれぞれ当接している。すなわち、これらコイルばね 123は、図 17に示したようにスライダ 122の受け部 122aと前記ストッパー 126との間に、並列に設けられたものである。これらコイルばね 123は、前記スライドカバー 103のストロークに対応した圧縮ストロークを有したもので、その圧縮方向で使用する押しばね（圧縮パネ）である。つまりこのコイルばね 123は、スライドカバー 103の可動距離よりも大きな範囲 (ストローク)で伸縮可能である。押しばねは、端部にフックを必要とする引きばね（引張パネ)よりも実質的なストロークを長く確保できるため、ばねの寸法を小さくする上で有利である。

[0074] 前記スライダ 122のガイド部 122bには、図 18に示すように支持孔 128が形成されている。この支持孔 128には、カムフォロア 124の一端部（一端）が下側から上に向けて挿入され、保持されている。このカムフォロア 124は、両端がほぼ 90° に折り曲げられた略 U字状細棒状のもので、一端部が前記支持孔 128に回動可能に保持されたことによって他端部 124a側では水平方向にてある程度の傾動が許容されて、る。このカムフォロア 124は、例えばピアノ線等の弾性を有した線材の両端を曲げ力卩ェによって略垂直方向に折曲して形成される。

前記スライダ 122のガイド部 122bには、カムフォロア 124を取り付けるための支持孔 128とは別に、前記連結部材 112を連結するための連結孔 129が形成されている

[0075] 上ケース 121は、図 17に示したように平面視した状態で下ケース 120とほぼ同一の形状を有したもので、その上面には、前記カムフォロア 124の他端部 124aを案内するための直線状の開口力なるガイド 130が形成されている。このガイド 130は、前記他端部 124aを直線的に案内するもので、その一端部側、すなわち図 17に示したように下ケース 120のストッパー 126が形成された側の開口内に、付勢部材 131が設けられている。 [0076] この付勢部材 131は、前記カムフォロア 124の他端部 124aがガイド 130に案内されて移動してきた際、他端部 124aの移動を規制するためのもので、本実施形態では一対の板ばね 132によって構成されている。これら板ばね 132は、図 19に示すように一枚の細長い金属板が折り曲げ加工されて形成されたもので、取付部 132aと、取付部 132aに対して約 90° 折り曲げられ、さらに板ばねとして機能させるベぐ内側が凸状となるように折り曲げられて形成されたばね部 132bとからなる。このようにして形成された板ばね 132は、図 17に示したように取付部 132aが上ケース 121に対して例えばスポット溶接で取り付けられ、さらにばね部 132bの取付部 132a側が上ケース 121 に形成された切欠（図示せず）に係止させられたことにより、一対の板ばね 132が、そのばね部 132bの凸状部分を密着させて配設されている。すなわち、ばね部 132bはそれぞれ外側に向けてやや弾性変形した状態に取り付けられているので、その弾性復帰により、互いに内側に向けた付勢力を発生し、その凸状部分を密着させている。

[0077] このような板ばね 132からなる付勢部材 131は、板ばね 132間に前記カムフォロア 1 24の他端部 124aが強制的に通された後、前記コイルばね 123の付勢力がカムフォロア 124の他端部 124aを弓 |き戻す方向に作用しても、その移動を規制するようになつている。すなわち、板ばね 132の弾性変形に基づく付勢力（前述した弾性復帰による内側に向けた付勢力）により、前記他端部 124aはその移動が規制され、板ばね 13 2間を通り抜けて元の位置に戻れな、ようになる。

[0078] 図 15に示したように前記連結部材 112の挟持体 113には貫通孔 113aが形成されている。この貫通孔 113aには取付ピン 113bが揷通されている。この取付ピン 113b は、前記ガイド 130を通って前記スライダ 122の連結孔 129に係止している。このような構成の連結部材 112は、取付ピン 113bによってスライダ 122に連結しており、かつ、スライダ 122の移動（摺動）に伴われてケース 111上を摺動する。

[0079] 上ケース 121には、図 15、図 17に示したように前記付勢部材 131と反対の側の上面に、前記連結部材 112の挟持体 113の摺動を抑制する抑制部 135が設けられている。この抑制部 135は、前記ガイド 130の両側にそれぞれ形成されたもので、上ケース 121の一部を前記ガイド 130の長さ方向に沿って 2箇所切り欠き、これら切り欠きの間の長手方向に沿う中央部が上方に突出するように曲げ加工することにより、板状に形成される。このように曲げ加工された抑制部 135にはばね性が付与されてヽるので、前記挟持体 113が摺動してこの抑制部 135を通過する際、抑制部 135は板ばねとして機能して挟持体 113に押し付けられ、抑制部 135と挟持体 113との摩擦抵抗によって挟持体 113の摺動を抑制する。

[0080] このような構成の携帯電話 101を使用するべぐ図 13に示したように利用者カ^ライドカバー 103を開くと、このスライドカバー 103に取り付けられたスライドユニット 110 も、スライドカバー 103とともに移動する。すると、スライドユニット 110において連結部材 112のピン 114が電話機本体 102に一体的に取り付けられて、るので、連結部材 112の挟持体 113がケース 111上を相対的に摺動する。このとき、連結部材 112には、取付ピン 113bによってケース 111内のスライダ 122が連結されているため、スライダ 122は、コイルばね 123の付勢力に抗してケース 111内を相対的に移動（摺動）する。

[0081] すると、スライダ 122が移動することにより、スライダ 122に一端が支持されたカムフォロア 124もともに移動し、カムフォロア 124の他端部 124aが、図 20に示すようにガイド 130を通ってカムフォロア 124の一端部側、すなわち図 20中に地点 fとして示す付勢部材 131の直前に至る。そして、付勢部材 131 (板ばね 132)の付勢力に抗してさらにスライドカバー 103を開くと、カムフォロア 124の他端部 124aは板ばね 132間を通り抜け、図 20中の地点 gに至る。なお、このようにしてスライドカバー 103を開き、スライダ 122を相対移動させると、スライダ 122に一方の側が当接するコイルばね 12 3がストッパー 126に押圧されて収縮するので、スライダ 122を反対方向に付勢する付勢力を発生する。

[0082] 特にカムフォロア 24の他端部 124aが地点 fから板ばね 132間を通り抜けて地点 g に至ると、操作者はこの状態を指先等で感知する。そこで、操作者力 Sスライドカバー 1 03を開くのを止めると、スライダ 122は前記のコイルばね 123の付勢力によって移動させられるので、カムフォロア 124の他端部 124aはー且地点 gを越えても、再度地点 gに戻され、その位置に停止する。すなわち、前述したように板ばね 132の弾性変形に基づく付勢力により、他端部 124aはその移動が規制され、板ばね 132間を通り抜けて元の位置に戻れないようになる。したがって、他端部 124aに伴われてスライド力バー 103も移動し、図 13に示したようなスライドカバー 103が全開した位置に保持される。

[0083] そして、携帯電話 101の使用が終了し、スライドカバー 103を閉じるには、スライド力バー 103を、通常の開閉動作と同様に閉じる方向に押圧する。すると、スライダ 122 が相対移動することでカムフォロア 124の他端部 124aが再度板ばね 132間を通り抜け、図 20中地点 hで示す元の位置 (初期位置）に引き戻され、停止する。これにより、スライドカバー 103は電話機本体 102に対して閉じた状態となる。

[0084] このとき、上ケース 121には抑制部 135が設けられているので、スライダ 122がコィルばね 123の付勢力によって移動させられて連結部材 112の挟持体 113がケース 1 11を摺動する際、挟持体 113は抑制部 135による付勢力によってその移動 (摺動）が規制される。したがって、挟持体 113とこれに連結するスライダ 122及びスライド力バー 103は、抑制部 135による規制（摩擦抵抗）によってその摺動速度が緩められる。したがって、スライドカバー 103が電話機本体 102に対して勢いよくスライドするのが防止される。

[0085] このような構成のスライドユニット 110にあっては、コイルばね 123を用いてストローク量を十分に確保するとともに、該コイルばね 123の付勢力により、前記スライドカバ一 103を閉方向に小さヽ操作荷重でスライドさせることができる。

また、カムフォロア 124の他端部 124aを案内するガイド 130の一端部側に付勢部材 131を設けたので、この付勢部材 131により、カムフォロア 124が連結するスライダ 122を介して連結部材 112もロックすることができ、電話機本体 102に対してスライドカバー 103を開いた状態にロックすることができる。また、この状態からロックを外すには、前記付勢部材 131の付勢に杭してカムフォロア 124の他端部 124aを移動させればよいが、その際、コイルばね 123がカムフォロア 124の他端部 124aを移動させる方向に付勢して、るため、より小さ、操作荷重で容易に且つ迅速にロックを外すことができる。したがってスライドカバー 103の開閉を容易に且つ迅速に行うことができる。さらに、このような操作を、いわゆるプッシュ 'プッシュ方式でなく通常の開閉操作で行うことができ、したがって誤操作によりスライドカバー 103の機能が損なわれることを防止することができる。 [0086] また、スライダ 122を付勢するコイルばね 123を、 2本並列に設けて全体で所望の付勢力を得るようにして、るので、個々のコイルばねにっ、ては 1本しか設けな！/、場合に比べ、そのばね定数を低くすることができる。その結果、個々のコイルばね 123 についてはへたりによる付勢力の低下が防止されるので、スライドユニット 110は、全体として耐久性が向上したものとなる。また、このようにコイルばねを複数設けることで、合計した付勢力を大きくすることができることから、 1本の場合に比べ個々のコイルばねの長さを短くすることができる。したがってスライドユニット 110全体の長さを短くすることができる。

[0087] また、前述したように上ケース 121に抑制部 135を設けたので、抑制部 135これに規制によってスライドカバー 103が、電話機本体 102に対して勢いよくスライドするのを防止することができる。したがって、電話機本体 102に対して機械的衝撃が与えられてしまうのを防止することができる。

[0088] また、このようなスライドユニット 110を備えた携帯電話 (携帯製品） 101は、前述したようにコイルばね 123の付勢力でスライドカバー 103を閉方向にスライドさせることができ、また、電話機本体 102に対してスライドカバー 103を例えば開いた状態に口ックすることができるとともに、この状態から、より小さい操作荷重で容易に且つ迅速にロックを外すことができ、さらに、このような操作が、プッシュ 'プッシュ方式でなく通常の開閉操作となるスライドユニット 110を備えているので、操作性に優れ、さらに耐久性にも優れたものとなる。

さらに、携帯電話として、誤操作をなくすためキー操作部 105をスライドカバー 103 で覆いつつも、カバー 103の開閉操作を容易に行うことができる。

[0089] 図 21、 22は、本発明の携帯製品が携帯電話である場合の他の実施形態を示す図であり、図 21、 22中の符号 140は携帯電話 (携帯製品）、 141は電話機本体、 142 はカバーである。この携帯電話 140が図 13に示した実施形態の携帯電話 101と主に異なるところは、カバー 142が電話機本体 141の上面 (正面）にのみ摺動可能に載つており、本発明におけるスライドユニット 110力カバー 142の下面側にあって、カバ一 142と電話機本体 141との間にそれぞれ設けられている点にある。なお、本実施形態においては、カバー 142の上面にテレビの表示部 143が設けられているので、携帯電話 140は、電話機などとしての機能以外に、テレビ機能も有したものとなっている。

[0090] このような携帯電話 140において、スライドユニット 110は、前記実施形態におけるスライドユニット 110と同じ構成を有しており、図 23に示すようにカバー 142の下面側に形成された収納部 144内に収納され、取り付けられている。すなわち、ケース 111 の下ケース 120側がカバー 142に螺子止め等によって固定され、連結部材 112のピン 114が雄螺子 114bによって電話機本体 141に固定されて、る。

[0091] このような構成のもとに、この携帯電話 140におけるスライドユニット 110も、コイルばね 123の付勢力でスライドカバー 103を閉方向にスライドさせることができ、また、電話機本体 102に対してスライドカバー 103を例えば開いた状態にロックすることができるとともに、この状態から、より小さい操作荷重で容易に且つ迅速にロックを外すことができ、さらに、このような操作力プッシュ 'プッシュ方式でなく通常の開閉操作となる。

[0092] なお、本発明は前記実施形態に限定されることなぐ本発明の要旨を逸脱しない限り種々の変更が可能である。例えば、前記実施形態ではカバー 103, 142側に、本発明のスライドユニット 110のケース 111側を設けたが、ケース 111側を電話機本体 1 02, 141側に設けるようにしてもよい。また、コイルばね 123についても、これを 2本用いるのに代えて、 1本のみ、あるいは 3本以上用いるようにしてもよい。さらに、コイルばね 123によるスライダ 122の付勢方向を、カバー 103, 142が閉じる方向でなぐ力バー 103, 142が開く方向に付勢するように構成してもよ、。

[0093] また、付勢部材 131についても、前述したような独立した一対の板ばね 132に限定されることなぐ例えば図 24に示すように一対の板ばね部 136aを有する付勢部材 13 6や、図 25に示すようにワイヤ力もなる付勢部材 137であってもよぐさらには、ゴムや軟質の合成樹脂等の、弾性変形可能な材料によって付勢部材を形成してもよヽ。

[0094] なお、図 24に示した付勢部材 136は、一対の板ばね部 136aと、これら板ばね部 1 36a間を連結させる断面略 U字状の取付部 136bとからなるものであり、取付部 136b に、カムフォロア 124の他端部 124aが移動した際に取付部 136bに干渉するのを避けるため、凹溝 136cを形成したものである。このような付勢部材 136にあっても、その取付部 136bが上ケース 121に形成された切欠（図示せず）に取り付けられ、固定されることにおり、前記付勢部材 131と同じ作用を奏する。また、付勢部材 136がー体物となって!/ヽるため、加工や組み付け工程が容易になる。

また、図 25に示した付勢部材 137は、図 24に示した付勢部材 136が金属板によつて形成されているのに対し、ワイヤ (金属線)で形成されている点だけが異なり、他の構成については前記付勢部材 136と同様である。したがって、この付勢部材 137にあっても、前記付勢部材 131と同じ作用を奏する。また、この付勢部材 137も一体物となって!/、るため、加工や組み付け工程が容易になる。

[0095] また、前記実施形態では、本発明の携帯製品が携帯電話である場合について説明したが、本発明は、携帯電話以外にも、デジタルカメラ等の各種の携帯製品を適用することができる。

[0096] 以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなぐ添付のクレームの範囲によってのみ限定される。

産業上の利用可能性

[0097] 本発明の携帯製品用スライドユニットは、コイルばねの付勢力でカバーを開方向又は閉方向にスライドさせることができ、またノ、ートカム機構を設けたことで操作荷重を低減しても節度感を得ることができるなど、操作性を向上することができ、しかも、係止部における耐久性を向上することもできる。

[0098] また、本発明の携帯製品用スライドユニットは、コイルばねの付勢力でカバーを開方向又は閉方向に小さい操作荷重でスライドさせることができる。また、付勢部材を設けたことで、カバーのロックを小さ、操作荷重で容易に且つ迅速に外すことができ、したがってカバーの開閉を容易に且つ迅速に行うことができる。さらに、このような操作を、いわゆるプッシュ 'プッシュ方式でなく通常の開閉操作で行うことができ、したがつて誤操作によりスライドカバーの機能が損なわれることを防止することができる。

Claims

請求の範囲

[1] 携帯製品本体とこの携帯製品本体の正面をスライド可能に覆うカバーとの間に介装され、カバーを携帯製品本体に対して開方向又は閉方向に付勢する携帯製品用スライドユニットであって、

前記カバーの開閉方向に沿って配置されたケースと、前記ケースに沿って摺動可能なスライダと、前記スライダを付勢するコイルばねと、前記スライダに一端が支持されるカムフォロアと、このカムフォロアの他端を案内し端部にハートカム機構を有するガイドと、前記スライダに連結し、かつ前記携帯製品本体あるいはカバーのいずれか一方に連結する連結部材とを備えてなり、

前記連結部材が、前記ケースの外側を挟持した状態で該ケースに対し摺動可能に設けられた挟持体と、該挟持体と一体に形成され、かつ前記携帯製品本体あるいはカバーのいずれか一方に係止する係止部とからなることを特徴とする携帯製品用スライドユニット。

[2] 請求項 1記載の携帯製品用スライドユニットであって、

前記ガイドにおけるハートカム機構力前記ケースの外側で、かつ前記連結部材の係止部側に設けられていることを特徴とする携帯製品用スライドユニット。

[3] 請求項 1記載の携帯製品用スライドユニットであって、

前記スライダを付勢するコイルばねが、複数本並列に設けられていることを特徴とする携帯製品用スライドユニット。

[4] 請求項 1記載の携帯製品用スライドユニットであって、

前記ケースに、前記連結部材の挟持体の摺動を規制する抑制部が設けられて、ることを特徴とする携帯製品用スライドユニット。

[5] 請求項 1に記載の携帯製品用スライドユニットを備えたことを特徴とする携帯製品。

[6] 携帯電話であることを特徴とする請求項 5記載の携帯製品。

[7] 携帯製品本体とこの携帯製品本体の正面をスライド可能に覆うカバーとの間に介装され、カバーを携帯製品本体に対して開方向又は閉方向に付勢する携帯製品用スライドユニットであって、

前記カバーの開閉方向に沿って配置されたケースと、前記ケースに沿って摺動可能なスライダと、前記スライダを付勢するコイルばねと、前記スライダに一端が支持されるカムフォロアと、このカムフォロアの他端を案内するガイドと、前記スライダに連結し、かつ前記携帯製品本体ある、はカバーの、ずれか一方に連結する連結部材とを備えてなり、

前記ガイドの一端部側に、前記スライダが前記コイルばねの付勢に杭して移動した際、前記カムフォロアの他端の移動を、弾性変形に基づく付勢力によって規制する付勢部材が設けられていることを特徴とする携帯製品用スライドユニット。

[8] 請求項 7に記載の携帯製品用スライドユニットであって、

前記付勢部材が、板ばねによって形成されていることを特徴する携帯製品用スライドユニット。

[9] 請求項 7に記載の携帯製品用スライドユニットであって、

[10] 請求項 7に記載の携帯製品用スライドユニットであって、

[11] 請求項 7に記載の携帯製品用スライドユニットであって、

前記ケースに、前記連結部材の挟持体の摺動を規制する抑制部が設けられて、ることを特徴とする請求項 1〜4のいずれか一項に記載の携帯製品用スライドユニット。

[12] 請求項 7に記載の携帯製品用スライドユニットを備えたことを特徴とする携帯製品。

[13] 携帯電話であることを特徴とする請求項 12記載の携帯製品。