WO2004059143A1

WO2004059143A1 - プレッシャバルブ付きラジエータキャップ

Info

Publication number: WO2004059143A1
Application number: PCT/JP2003/016439
Authority: WO
Inventors: Satoru Torigoe; Hiroshi Watanabe; Takaji Igami; Hiroo Fukunaga; Hideaki Kanazawa; Takayuki Watanabe
Original assignee: Toyo Radiator Co., Ltd.; Calsonic Products, Inc.
Priority date: 2002-12-25
Filing date: 2003-12-19
Publication date: 2004-07-15
Also published as: JP3932513B2; JP2004218631A

Abstract

エンジン冷却用ラジエータのキャップであって、それが少し緩んだハーフロック時にもシール性を確保することができるものを提供するため、プレッシャバルブ7の最大直径をリテーナ5のそれ以下とし、プレッシャバルブ7をリテーナ5内で上下動自在に支持する。そしてリテーナ5と板バネ4との間にフィラネックシール体9を配置し、フィラネックシール体9の下面側から断面T字状に環状の筒状部9bを突設させる。そしてその筒状部9bとフィラネック2の内面との間を圧接状態にすると共に、フィラネック2の上端面21とフィラネックシール体9のフランジ部9aとを圧接するように構成する。

Description

プレツシャバノレプ付きラジェ一タキヤップ技術分野

本発明は、エンジン冷却用ラジェ一明タのプレツシャパルプ付きキャップに関し、特にそのシール性を向上させるため二重シー田ルが施されたものに関する。背景技術

エンジン冷却水を冷却するラジエータのタンク上端にはフィラネックが設けられ、そのフイラネックにプレツシャバルブ付きキヤップが着脱自在に被着されている。このフイラネック外周には小パイプが突設され、そのパイプ先端とサージタンクとがホースを介して連結されている。そしてエンジン駆動中に冷却水温度が高温となり、タンク内圧が設定圧を越えるとスプリングに抗してプレツシャパルプが上昇し、内部の蒸気および冷却水をフイラネックからサージタンクに移動させる。また、エンジンが停止しタンク内が負圧になると、プレツシャバルブの中心に設けられている負圧弁が開放され、サージタンク内の冷却水がラジェータタンクに戻される。

このようなプレツシャパルプ付きキャップにおいて、二重シール構造としたものが、特開昭 5 5 - 4 1 3 9 1号として知られている。これは、キャップが僅かに緩んでもそのシール性を確保して、プレツシャバルブの開弁時に蒸気等が外部に流出するのを防止し且つ、タンク内の気密性を保持し、エンジン停止時に負圧弁を確実に作動させるものである。

このラジェ一タキヤップは、二重筒状の厚肉のシール体を有し、その内筒部をキヤップ中心のステ一に嵌着させると共に、内筒の外周にプレツシャバルブ付勢用のコィルスプリングの弁座を設ける。さらに外筒内周に溝を形成し、そこにリングパネを配置したものである。また、外筒の上縁にフランジを半径方向外方に突設し、外筒外周に環状凸部を形成したものである。

そしてその外筒の環状凸部とフイラネック内面との間を圧接状態にしてシールを行うと共に、外筒上端のフランジ部をフイラネックの上端面に圧接することにより二重シール構造を形成したものである。

従来の二重筒型ゴムシールを用いたラジェ一タキヤップは、その構造が複雑でプレッシャキヤップ全体の組立てが面倒である欠点があると共に、フイラネック内面とのシール性が充分ではない欠点があった。即ち、リングバネによって外筒内周を部分的に押さえているため、押さえ力が充分ではない。

また、キャップをフイラネックに挿脱する際に、パッキンの外筒外周に設けた環状凸部が変形して、パッキンが正規の位置に装着されないおそれがある。これは、剛性を有するリングパネの抵抗を受けて、キャップ装着時にその平面が変形するおそれがあるからである。即ち、その平面の軸線とキャップの軸線とが不一致になるおそれがあり、その場合にはシール性を確保できない。

さらに、リングパネを使用しているため耐久性に乏しい欠点がある。

そこで、本発明は、製造し易く且つ組立性が良く信頼性の高い二重シール構造のプレツシャバルブ付きラジェ一タキャップを提供することを課題とする。発明の開示

請求項 1に記載の本発明は、ラジェータタンク（1) のフイラネック（2) の開口に着脱自在に被着されるプレツシャバルブ付きラジェ一タキヤップにおいて、フイラネック（2) の上端開口に係脱自在に係止され.るキヤップ本体 (3) と、キャップ本体（3) の下面に取付けられ、そのキャップの平面方向に延在された平面外周が円形の板パネ（4) と、

その板パネ（4) の軸線方向外側に位置して、外直径がその板パネ（4) の外直径より小に形成されると共に、逆向きの鍋形に形成されその中心が前記キャップ本体 (3) に支持されたリテーナ (5) と、

そのリテーナ（5) の内周面に外周が上下動自在に案内され且つ、そのリテーナ（5) の鍋底との間にスプリング（6) を介して下方に付勢され、その最大直径が実質的にリテーナ（5) 外周直径以下に形成されて、フイラネック（2) の下端の弁座 (31)に接離自在に着座されるプレツシャバルブ（7) と、

前記リテーナ（5) の前記鍋底と前記板パネ（4) との間に挟持され、半径方向外方が前記リテーナ (5) の外周より充分外方へ突出するフランジ部（9a)を有し且つ、そのリテーナ (5) の外周を被嵌する筒状部 (％)が前記フランジ部 (9a)と一体に形成されたフイラネックシール体 (9) と、を具備し、

フイラネックシール体 (9) の前記筒状部（ )の最大直径が、前記フイラネック（2) の内直径より僅かに大に形成され、

キヤップ本体 (3) をフイラネック（2) の開口に確実に係止被着させる完全係止状態にしたとき、

フイラネック（2) の上端面（21)が前記フイラネックシール体 (9) の前記フランジ部 (9a)に圧接すると共に、フイラネック（2) の内周面が前記筒状部（％)の外周に圧接するように構成され且つ、前記リテーナ（5) 1S フイラネックシール体 (9) の前記筒状部（ )の内周に接するように構成され、

キャップ本体 (3) をフイラネック（2) の開口に不完全係止状態にしたとき、の内周面と前記筒状部（9b)の外周との接触部が、そのシール性を保つ状態にあることを特徴とするプレツシャバルブ付きラジェ一タキヤップである。請求項 2に記載の本発明は、請求項 1において、

前記キャップ本体（3) をフイラネック（2) に係止させたとき、フイラネック（2) の上端面 (21)が前記フィラネックシール体 (9) の前記フランジ部 (9a)に圧接すると共に、その圧接部から下方に離間した位置で、フイラネック（2) の内周面が前記筒状部（9b) の外周に圧接するように構成され、

前記不完全係止状態でも、そのフイラネック（2) の内周面と前記筒状部（9b)の外周とが圧接状態を保持するように構成したプレツシャバルブ付きラジエータキャップである。

請求項 3に記載の本発明は、請求項 2において、

フイラネック（2) の上端より下方に離間した位置で、前記筒状部 ( )とそのフイラネック（2) の内周面との何れか一方に環状凸部が形成され、その環状凸部を介して筒状部（9b)の外面とフイラネック（2) の内面とが圧接するように形成されたプレツシャバルブ付きラジエータキヤップである。

請求項 4に記載の本発明は、請求項 3において、

前記フィラネックシール体 (9) の筒状部（ )の外周面にシール用環状凸部（20)が突設されると共に、そのシール用環状凸部 (20)に整合する軸線方向高さ位置で、筒状部 (9b)の内周面に環状凹部（20a) が形成されたプレツシャバルブ付きラジェータキヤップである。

請求項 5に記載の本発明は、請求項 3において、

前記フイラネックシール体 (9) の筒状部（9b)の外周面に、軸線方向に互いに離間して、複数のシール用環状凸部（20)が突設されたプレッシャバルブ付きラジエータキャップである。

本発明のプレツシャパルプ付きラジェ一タキャップは以上の構成からなり、次の効果を有する。即ち、フイラネックシール体 9がリテーナ 5の外周に被嵌されると共に、それがリテーナ 5の鍋底と板パネ 4との間に介装される。そしてそのフイラネックシール体 9は、円板状のフランジ部 9 aと筒状部 9 bとを有し、そのフランジ部 9 aがフイラネック 2の上端面 21に圧接すると共に、筒状部 9 bがフイラネック 2の内面に圧接するものである。

しかも、そのフイラネックシール体 9はリテーナ 5の外周に接し、筒状部 9 bを位置決めする。そして、フイラネック 2と筒状部 9 bとの圧接時に生じる筒状部 9 の反力を確実に保持し、両者間のシール性を保持できる。

それによつて、キャップ本体 3に緩みが存在しても、プレツシャバルブ 7の開弁時にキヤップから水蒸気や熱湯が噴出することを防止できる。即ち、キヤップに緩みが存在しても、フイラネック 2と筒状部 9 bとの圧接状態を保持して気密性を確保するので、フイラネック 2およびキャップ本体 3の外側に蒸気等が漏れ出るおそれがない。しかも、リテーナ 5がガイドとなり、キャップをフイラネック 2に挿入する際、フィラネックシール体 9が不用意に変形することがなく、シールの信頼性が高い。また、常に一定の位置にシールを設定できるので、キヤップ本体に緩みがある場合のシール性も確保できる。

また、本発明のラジェ一タキヤップは、プレツシャバルブ 7の最大直径がリテーナ 5よりも実質的に小に形成されているから、フイラネックシール体 9の筒状部 9 bの厚みを比較的小として、コンパクトなキャップとなり得る。逆にいうと、二重シールの従来型のようにプレツシャバルブ 7の最大直径がリテーナ 5の外周よりも大である場合には、フイラネックシール体の筒状部の厚みを極めて厚くする必要があり且つ、構造が複雑となり、その取付けが面倒であると共に、そのシールの信頼性を確保し得ない。し力しながら、本発明は、プレツシャバルブ 7の最大直径が実質的にリテーナ 5よりも小であるから、フイラネックシール体 9の肉厚を比較的薄くし、リテーナ 5 の外周をフイラネック 2の内面に近接し、シール効果を高めることができる。即ち、リテーナ 5の外周がフィラネックシール体 9の筒状部 9 bを確実に位置決めし、シールの信頼性を高めることができる。

上記構成において、フイラネックシール体 9の筒状部 9 bとフイラネック 2の內周面との圧接位置を、フイラネック 2の上端面 21とフイラネックシール体 9のフランジ部 9 aとの圧接位置よりも下方に位置させることができる。

このようにすることにより、さらに確実にキャップの緩みに伴う蒸気漏れ等を防ぐことができる。

上記構成において、フイラネックシール体 9の筒状部 9 bとフイラネック 2の内周面との何れか一方に環状凸部を形成させ、その環状凸部を介して筒状部 9 bとフイラネック 2の内面とを圧接するように構成することができる。

このように構成することにより、キャップの着脱が容易で且つフイラネック 2の内周面とフイラネックシール体 9の筒状部 9 bとのシールを確実に行うことができる。上記構成において、フイラネックシール体 9の筒状部 9 bの外周面にシール用環状凸部 20を突設し、その凸部 20に整合する軸線方向高さ位置で、筒状部 9 bの内周面に環状凹部 20 aを形成することができる。

このように構成することにより、キャップの着脱時にシール用環状凸部 20が容易に変形し、キャップをフイラネックに容易に装着することができる。

上記構成において、フィラネックシール体 9の筒状部 9 bの外周面に、軸線方向に互いに離間して、複数のシール用環状凸部 20を突設させることができる。この場合には、より小さなシール用環状凸部 20を夫々形成することができ、それによりキヤップの着脱時にシール用環状凸部 ²0の変形を容易にして、その装着性を良くすると共に、キャップとフイラネックとのシールを確実に行うことができる。図面の簡単な説明

図 1は本発明のプレツシャバルブ付きラジェ一タキヤップであって、図 3の I一 I 線上における縦断面図。

図 2は同キャップをフイラネック 2に装着した状態を示す縦断面図。

図 3は本ラジエータキヤップが取付けられるフイラネック 2の一例を示す斜視略図。

図 4は本発明のプレツシャバルブ付きラジエータキャップのシール構造説明図。図 5は本発明のプレッシャバルブ付きラジェ一タキャップの他の例を示すシール構造説明図。

図 6はキヤップ本体 3が緩んだ状態におけるシール構造説明図。

図 7は本発明のプレツシャバルブ付きラジェータキヤップの他の例を示す要部縦断面図。

図 8は本発明のプレツシャバルブ付きラジエータキャップのさらに他の例を示す要部縦断面図。

図 9は本発明のプレツシャバルブ付きラジェ一タキヤップのさらに他の例を示す要部縦断面図。発明を実施するための最良の形態

次に、図面に基づいて本発明の実施の形態につき説明する。図 1は本発明のプレツシャバルブ付きラジェ一タキヤップであって、図 3の I一 I 線上における縦断面図である。また、図 2はそのキャップをフイラネック 2に完全に被着した状態を示す縦断面図である。さらに図 3は本キヤップが被着されるフイラネック 2の一例を示す斜視略図である。

このラジェ一タキヤップは、図 2に示す如くフイラネック 2の開口に着脱自在に被着されるものであり、そのキャップ本体 3は外周縁が下方に立ち下げされ、その立ち下げの下縁の一部に一対の爪部 11が折り曲げ形成されている。この爪部 11は、後述するフイラネック 2のカム用フランジ 23 a下面のカム面 23に係脱自在に係止されるものである。

キャップ本体 3の中心には中心孔が形成され、その中心孔に皿状金具 10の底部が嵌着され、その上縁が孔縁部に摺接する。そして皿状金具 10の底部外面が、リテーナ 5 の鍋底外面に接続されと共に、リテーナ 5の鍋底とキヤップ本体 3の内面との間には、キヤップ本体 3の平面方向に延在された板バネ 4が介装される。

このリテーナ 5は、その板パネ 4の軸線方向外側に位置して、外直径がその板バネ 4の外直径より小に形成されると共に、逆向きの鍋形に形成されその中心が前記キヤップ本体に支持されている。また、そのリテーナ（5) の最大直径が実質的にプレツシャバルブ 7の最大直径以上に形成されてレ、る。

次に、そのリテーナ 5と板バネ 4との間に、フイラネックシール体 9が介装される。このフイラネックシール体 9は円板状に形成された部分と、その外周近傍から下方に円筒状に突設された筒状部 9 b部分とが一体に形成されている。円板状部分の外周縁は、筒状部 9 bよりも半径方向外方に充分突出されてフランジ部 9 aを構成する。筒状部 9 bの外周には、図 4に示す如くシール用環状凸部 20がフランジ部 9 a力ゝら離れた位置に突設されている。また、リテーナ 5の下端部内周には環状ストッパ 13が曲折形成されている。そしてこの環状ストッパ 13にプレツシャバルブ 7の上端外周の係止用環状凸部 12が着脱自在に係止される。そのプレツシャバルブ 7はプラスチックの成形体よりなり、段付筒状に形成され、その中心に連通孔 17が設けられている。そしてプレツシャバルブ 7の内面とリテーナ 5との間にコイル状のスプリング 6が介装され、プレツシャバルブ 7 を下方に付勢する。その付勢力により、プレツシャバルブ 7上縁の係止用環状凸部 12 が環状ストッパ 13に着座する。プレツシャバルブ 7の下端面の環状座部には、バルブシール 18が被着される。また、連通孔 17には負圧バルブ 16のステム 14が揷入され、その上端に抜け止め 15が設けられる。そして負圧バルブ 16の下端の上面にはバルブシール 19が設けられ、それらが上下動自在に配置されている。

このようにしてなる本発明のキャップは、図 2の如く、フイラネック 2に着脱自在に係止被嵌される。図示しないエンジンが駆動され、ラジェータタンク 1内の冷却水がある程度高温になると、その內圧により負圧バルブ 16が、図 2の状態から上方に持ち上げられ、フイラネック 2の内部を気密に閉塞する。

なお、このキャップをフイラネック 2に被嵌するときには、キャップ本体 3の爪部 11が図 3におけるカム用フランジ 2；3 aの存在しない切欠き部 25から挿入され、次いでキャップ本体 3を回転させることにより爪部 11がカム面 23を移動し、その爪部 11をストツパ部 24に止着させる。このようにすることにより、本発明のキャップは完全にフイラネック 2に係止被着される。このとき、フイラネック 2の上端面 21はフイラネックシール体 9のフランジ部 9 aを押し上げ板バネ 4を変形させ、その上端面 21とフランジ部 9 aとの間を圧接状態にする。それと共に、フイラネック 2の内周面とフイラネックシール体 9の筒状部 9 bとが図 4の如く、シール用環状凸部 20において圧接する。次に、キャップ本体 3がフイラネック 2に不完全な状態で係止された場合、即ち、図 3においてキヤップ本体 3の爪部 11がストツパ部 24に着座しない途中の状態では、図 4における上端面 21の先端はフィラネックシール体 9のフランジ部 9 aに僅かに接触する程度である。その程度では、フイラネック上端面 21とフランジ部 9 aとのシ一ル性は完全ではない。しかしながら、シール用環状凸部 20とフイラネック 2の内面とのシール性は完全な状態にある。そのため、フイラネック 2内の内圧が設定圧以上に高くなり、プレツシャバルブ 7が上昇しても内部の蒸気や高温の冷却水がキヤップ本体 3の外側に漏れるおそれはない。

次に、図 5はフイラネックシール体 9とブイラネック 2の内面とのシール構造の他の例であり、この例ではフイラネック 2の内周面にシール用内環状凸部 22が部分的に突出されている。そして、このシール用内環状凸部 22とフイラネックシール体 9の筒状郭 9 bの外面とが圧接するものである。

なお、この例でもキャップ本体 3の係止状態が不完全なときには、図 6の如く、フイラネック 2の上端面 21とフイラネックシール体 9のフランジ部 9 aとの接触は不完全である。しかしながら、フイラネック 2のシール用内環状凸部 22と筒状部 9 bとは圧接状態にあり、弁のシールを完全に行うことができる。

次に、図 7は本発明のラジェ一タキヤップの他の例を示す要部縦断面図であって、図 1の変形例である。

この例が図 1と異なる点は、フイラネックシール体 9の筒状部 9bの内面に環状凹部 20 aを設けたことである。この環状凹部 20 aは、筒状部 9bの外面側のシール用環状凸部 20の軸方向高さに整合する位置に形成され、その凸部と凹部とによつて筒状部 9bの一部の断面が波形に曲折されたものである。なお、このフイラネックシール体 9の圧

2の内周面は、図 2のそれと同一である。図 7の例のように、シール用環状凸部 20に整合する位置の内面側に環状凹部 20 aを設けることにより、キャップをフイラネックに装着する際の装着抵抗を減少させ、装着性を良好に行うことができる。

即ち、キャップをフイラネック 2に嵌着する際、シール用環状凸部 20とフイラネック 2の内面とは圧接されつつ、キヤップ本体 3と共にフイラネックシール体 9が軸方向に進入する。その際に、比較的大きな進入抵抗となるが、内面側に環状凹部 20 aが存在するとシール用環状凸部 20を比較的容易に変形させ、フイラネック 2の內周面との圧接抵抗を減少させ、キヤップ本体 3をフイラネック 2に容易に装着することができる。

なお、実験によれば、フイラネックシール体 9の筒状部 9bの直径が 30讓程度のものにおいては、環状凹部 20 aの断面における半径 R₂は 0. 4腿程度で、シール用環状凸部 20の断面における突出半径は 0. 6腿程度で充分である。このときのシール用環状凸部 20の突出量 tは 0. 2mm程度である。これらにより、ラジェ一タキヤップの装着性を良好とすると共に、フイラネックとのシール性を充分に確保し得る。

次に、図 8は本発明のラジェ一タキヤップのさらに他の例であって、図 7と同様に装着性を考慮.したものである。

この実施の形態が図 1のそれと異なる点は、シール用環状凸部 20が複数突出すると共に、夫々のシール用環状凸部 20の断面における突出半径および突出幅が図 1の例よりも著しく小さく形成されていることである。

即ち、この例は、図 1のシール用環状凸部 20の断面における突出半径の 1 / 3 程度の突出半径 _{R l} を有すると共に、その断面における上下方向の幅も著しく小さく形成されている。なお、突出量 tは図 1のそれと同一程度とすることができる。この例においても、キャップをフイラネックに装着する際、夫々小さなシール用環状凸部 20が容易に変形し、装着時の抵抗を減少させ、装着性を良くし得る。し力も、複数のシール用環状凸部 20によつて良好なシール性を保ち得る。

次に、図 9は図 8の変形例であって、この例は小さなシール用環状凸部 20がフィラネックシール体 9の筒状部 9bの外面に一条のみ形成されたものである。

この例は、キャップをフイラネックに装着する際の装着性をさらに良好にしたものである。

Claims

請求の範囲

1 . ラジェータタンクひ) のフイラネック（2) の開口に着脱自在に被着されるプレツシャバルブ付きラジェータキヤップにおいて、

フイラネック（2) の上端開口に係脱自在に係止されるキヤップ本体（3) と、キャップ本体（3) の下面に取付けられ、そのキャップの平面方向に延在された平面外周が円形の板パネ（4) と、

その板パネ（4) の軸線方向外側に位置して、外直径がその板パネ（4) の外直径より小に形成されると共に、逆向きの鍋形に形成されその中心が前記キャップ本体 (3) に支持されたリテーナ（5) と、

そのリテーナ（5) の内周面に外周が上下動自在に案内され且つ、そのリテーナ（5) の鍋底との間にスプリング (6) を介して下方に付勢され、その最大直径が実質的にリテーナ (5) 外周直径以下に形成されて、フイラネック（2) の下端の弁座 (31)に接離自在に着座されるプレツシャバルブ（7) と、

前記リテーナ (5) の前記鍋底と前記板パネ（4) との間に挟持され、半径方向外方が前記リテーナ（5) の外周より充分外方へ突出するフランジ部 (9a)を有し且つ、そのリテーナ（5) の外周を被嵌する筒状部（ )が前記フランジ部（9a)と一体に形成されたフイラネックシール体 (9) と、を具備し、

フイラネックシール体 (9) の前記筒状部（ )'の最大直径が、前記フイラネック（2) の內直径より僅かに大に形成され、

キャップ本体 (3) をフイラネック（2) の開口に確実に係止被着させる完全係止状態にしたとき、

フイラネック（2) の上端面（21)が前記フイラネックシール体 (9) の前記フランジ部 (9a)に圧接すると共に、フイラネック（2) の内周面が前記筒状部（％)の外周に圧接するように構成され且つ、前記リテーナ (5) 、フイラネックシール体 (9) の前記筒状部（9b)の内周に接するように構成され、

キャップ本体 (3) をフイラネック（2) の開口に不完全係止状態にしたとき、フイラネック（2) の内周面と前記筒状部（9b)の外周との接触部が、そのシール性を保つ状態にあることを特徴とするプレツシャバルブ付きラジェ一タキャップ。

2 . 請求項 1において、

前記キャップ本体 (3) をフイラネック（2) に係止させたとき、フイラネック（2) の上端面 (21)が前記フィラネックシール体 (9) の前記フランジ部（9a)に圧接すると共に、その圧接部から下方に離間した位置で、フイラネック（2) の内周面が前記筒状部（9b) の外周に圧接するように構成され、

前記不完全係止状態でも、そのフイラネック（2) の内周面と前記筒状部 (9b)の外周とが圧接状態を保持するように構成したプレツシャバルブ付きラジェータキヤップ。

3 . 請求項 2において、

フイラネック（2) の上端より下方に離間した位置で、前記筒状部（9b)とそのフイラネック（2) の内周面との何れか一方に環状凸部が形成され、その環状凸部を介して筒状部（9b)の外面とフイラネック（2) の内面とが圧接するように形成されたプレツシャバノレブ付きラジエータキヤップ。

4 . 請求項 3において、

前記ブイラネックシール体 (9) の筒状部（ )の外周面にシール用環状凸部（20)が突設されると共に、そのシール用環状凸部 (20)に整合する軸線方向高さ位置で、筒状部 (9b)の内周面に環状凹部（20a) が形成されたプレツシャバルブ付きラジェ一タキャップ。

5 . 請求項 3において、前記フイラネックシール体 (9) の筒状部（9b)の外周面に、軸線方向に互いに離間して、複数のシール用環状凸部（20)が突設されたプレツシャバルブ付きラジエータキャップ。