明 細 書 携帯電話機 技術分野
この発明は、複数の周波数帯域の信号を送受信できる携帯電話機に関 する。 背景技術
従来の発明として、特開平 8— 3 3 1 0 0 1号公報に記載されるよう な技術があった。
この従来技術は、 内部にマイク、 スィッチ、 アンテナ等の電子部品が 配されたフリップを有する携帯無線機(例えば、携帯電話機)において、 その電子部品のリード線のグランド側の長さを、携帯無線機が使用する 周波数の波長; Iに対して人 / 2に設定して、無線機本体側より見た電子 部品のリード線のグランド側をオープンの状態にすることにより、 フリ ップの開閉によってアンテナ性能や放射パ夕一ンに影響を与えないよ うにするものである。
しかし、 この従来技術には次のような課題がある。
その課題は、 1つの周波数帯域のみを利用する携帯無線機の場合には、 その周波数帯域において携帯無線機のアンテナ特性を極めて良好にで きるが、 2つ以上の複数の周波数帯域を利用する携帯無線機の場合には、 それらの周波数帯域において携帯無線機のアンテナ特性を夫々極めて 良好にすることはできないというものである。
したがって、従来の携帯電話機では、 複数の周波数帯域の信号を夫々 極めて良好に送受信することはできなかった。
発明の開示
この発明は上記課題を解決し、携帯電話機が複数の周波数帯域を利用 する場合に、いずれの周波数帯域においてもアンテナ特性の極めて良好 な携帯電話機を提供することを目的とする。
この発明は、アンテナおよびグランド用部材を有する第 1の部分体と、 この第 1の部分体に係合される第 2の部分体とを備え、複数の周波数帯 域の信号を使用する携帯電話機であって、
前記第 2の部分体は、 使用者の声を集音するマイクと、 このマイクと 前記第 1の部分体の前記グランド用部材との間に設けられ、使用する信 号の周波数に応じて実効的なグランド長さを変動させるグランド用接 続線とを備えるものである。
その結果、 2つ以上の周波数帯域の信号を利用する携帯電話機の場合 であっても、異なる周波数帯域のそれそれの信号に対してアンテナ特性 の極めて良好な携帯電話機を実現できる。 図面の簡単な説明
第 1図は、実施の形態 1による携帯電話機の構成を概念的に示す斜視
-図である。
第 2図は、実施の形態 1による携帯電話機の第 2の部分体に配置され る第 1の並列共振回路を示す図である。
第 3図は、 プリント基板上で実現した並列共振回路を示す図である。 第 4図は、実施の形態 1による携帯電話機の第 2の部分体に配置され る第 2の並列共振回路を示す図である。
第 5図は、実施の形態 1による携帯電話機がフリップを閉じていると きの状態を示す図である。
第 6図は、実施の形態 1による携帯電話機がフリップを開いていると
きの状態を示す図である。
第 7図は、実施の形態 1による携帯電話機の第 1および第 2の並列共 振回路のインピーダンス特性と、一般的なマイク用ノイズフィルタが有 するインピーダンス特性を表した図である。
第 8図は、 実施の形態 2において、 並列共振回路の配置位置とアンテ ナ放射効率との闋係を表すシミュレーション結果である。
第 9図は、 実施の形態 2において、 並列共振回路の配置位置とアンテ ナ放射効率との関係を表すシミュレーション結果である。
第 1 0図は、 実施の形態 2において、 シミュレーションを行うのに際 して設定した携帯電話機の形状を示す図である。
第 1 1図は、実施の形態 3による携帯電話機の構成を概念的に示す斜 視図であって、スライ ド式カバーが外装筐体本体に重畳しているときの 状態を示している。
第 1 2図は、実施の形態 3による携帯電話機の構成を概念的に示す斜 視図であって、スライ ド式カバーが外装筐体本体とずれているときの状 態を示している。
第 1 3図は、 実施の形態 3による携帯電話機において、 スライ ド式カ バーのマイクが取り付けられている面の裏面を眺めた斜視図である。 第 1 4図は、 実施の形態 3による携帯電話機において、 スライ ド式カ バーを外装筐体本体から取り外し、外装筐体本体を眺めたときの斜視図 である。
第 1 5図は、スライ ド式カバ一が外装筐体本体と重畳しているときの 状態およびずれているときの状態を説明するための図である。 発明を実施するための最良の形態
実施の形態 1 .
実施の形態 1による携帯電話機は、 複数の周波数帯域 (例えば、 1 . 5 [ G H z ]程度の周波数帯域と 1 [ G H z ]程度の周波数帯域) を使 用する携帯電話機である。
第 1図は、実施の形態 1による携帯電話機の要部の構成を概念的に示 す斜視図である。
第 1図に基づいて、実施の形態 1による携帯電話機の構成を説明する。 符号 2は実施の形態 1 による携帯電話機、 符号 4は A B S (ACRYCONITRILE BUTADIENE STYRENE) 樹脂等の非金属で作製される携 帯電話機 2の外装筐体、 符号 4 aは外装筐体 4の一部 (第 1の部分体) であって、 ディスプレイ (図示せず) やテンキー (図示せず) 等の携帯 電話機 2の主用な部品が搭載される部分の外装部分である外装筐体本 体である。
また、 符号 4 bは、 外装筐体本体 4 a (第 1の部分体) に開閉自 に 設けられる蓋 (第 2の部分体)、 符号 4 cは、 蓋 4 b (第 2の部分体) と外装筐体本体 4 a (第 1の部分体) とを回転自在に連結するヒンジで ある。
なお、 蓋 4 bとヒンジ 4 cとを含む構成部分をフリップと呼ぶ。
また、 フリップが閉じた状態とは、 蓋 4 bが外装筐体本体 4 aの近傍 に位置している状態をいう。 (第 5図参照)
携帯電話機 2が通話に使用されていない場合、携帯電話機 2はフリッ プの閉じた状態に維持されることが多い。
一方、 フリップが開いた状態とは、 第 1図に示すように、 蓋 4 bがヒ ンジ 4 cによって回転し、 外装筐体本体 4 aから離れた状態をいう。 なお、携帯電話機 2が通話に使用されている場合、携帯電話機 2はフ リップの開いた状態に維持されることが多い。
また、 符号 6は外装筐体 4の内部に設けられ、 金属製の部材等で構成
され、 携帯電話機 2のグランドとして使用されるグランド用部材、 符号 8はグランド用部材 6に電気的に接続されるアンテナ部品、符号 1 0は 蓋 4 b上に設けられ、グランド用端子 1 0 aと音声信号用端子 1 0 と を有し、 使用者の声を集めるマイク、 符号 1 2はグランド用部材 6の内 部に設けられ、アナログ信号をデジタル信号に変換する A/Dコンパ一 夕である。
また、符号 1 4は A/Dコンバータ 1 2とマイク 1 0とを電気的に接 続し、 音声信号を伝達する音声信号線、 符号 1 6は音声信号線 1 4上の A/Dコンパ一夕 1 2の近傍に配置され、音声信号と比較して高い周波 数の信号を力ッ トする音声信号用ノイズフィル夕である E M I (Electro Magnetic Interference; フィゾレ夕でめる。
また、符号 1 7はマイク 1 0とグランド用部材 6とを電気的に接続し、 1 . 5 [ G H z ] の周波数帯域の信号に対して共振する第 1の並列共振 回路 2 0と、 1 [ G H z ] の周波数帯域の信号に対して共振する第 2の 並列共振回路 2 2とを有するグランド用接続線である。
また、 グランド用接続線 1 7は、 グランド用部材 6と第 1の並列共振 回路 2 0とを第 1の接続線 1 8 aによって電気的に接続し、第 1の並列 共振回路 2 0と第 2の並列共振回路 2 2とを第 2の接続線 1 8 bによ つて電気的に接続し、第 2の並列共振回路 2 2とマイク 1 0とを第 3の 接続線 1 8 cによって電気的に接続する。
即ち、 グランド用接続線 1 7は、 第 1の並列共振回路 2 0、 第 2の並 列共振回路 2 2、 第 1の接続線 1 8 a、 第 2の接続線 1 8 b、 第 3の接 続線 1 8 cとで構成されている。
第 2図は、 第 1の並列共振回路 2 0の回路図である。
第 1の並列共振回路 2 0は、コンデンサ 2 0 aとコイル 2 0 bとが並 列に接続されている。
コンデンサ 20 aとコイル 20 bは、一般に知られる式の条件を満た すことによって、 1. 5 [GHz]の信号を受信する場合に、 共振が起 こるように構成する。
一般に知られる式とは、 次に示す式 (1)であり、 周波数 。 [Hz] の信号に共振するためには、 L[H]のィンダク夕ンスをもつコイルと、 C [F]の容量をもつコンデンサを組み合わせれば良いという式である。
f o= 1/27T (LC) 1/2 式 (1) この式に基づけば、 1. 5 [GHz] の周波数に共振する回路を作る ためには、 例えば、 コンデンサ 20 aとして、 2 [pF]の容量を持つ コンデンサを選択し、 コイル 2 Obとして、 5. 6 [nH]のインダク 夕ンスを持つコイルを選択すれば良い。
また、 第 3図は、 プリント基板上で実現する並列共振回路を示した図 である。
第 3図で、 2 l aはコンデンサ部、 2 lbはコイル部である。
このように、 プリント基板上で並列共振回路を実現すれば、 軽量化、 低コスト化等において有効である。
第 4図は、 第 2の並列共振回路 22の回路図である。
第 2の並列共振回路 22は、コンデンサ 22 aとコイル 22 bとが並 列に接続されている。
コンデンサ 22 aとコイル 22 bは、式( 1 )を満たすことによって、 1 [GHz] の信号を受信する場合、 共振が起こるように構成する。 式 ( 1) に基づき、 例えば、 コンデンサ 22 aとして、 2 [pF]の 容量を持つコンデンサを選択し、 コイル 22 bとして、 12. 6 [nH] のィンダク夕ンスを持つコイルを選択すれば良い。
また、 第 2の並列共振回路 22も、 第 3図で表すプリント基板のよう に実現すれば、 軽量化、 低コスト化等において有効である。
次に、 実施の形態 1による携帯電話機 2の動作を説明する。
まず、 実施の形態 1による携帯電話機 2について、 送信時または受信 時に、従来と比べて携帯電話機 2の通話品質が向上することに関連した 動作を説明する。
なお、実施の形態 1による携帯電話機 2のグランド用部材 6の寸法は、 アンテナ特性を十分良好にできる寸法であるが、アンテナ特性を極めて 良好にできる寸法には、 長さが不足している。
デザィンまたは実装技術等から寸法が決定される外装筐体 4 a内に、 グランド用部材 6を収める必要から、 このような状況が生じ得る。
第 5図は、実施の形態 1による携帯電話機 2がフリップを閉じている ときの状態を示す図である。
フリップが閉じた状態における携帯電話機 2の動作を、第 5図に基づ いて説明する。
なお、 第 5図においては、 グランド用接続線 1 7を主体に説明するた め、 第 1図に示されている携帯電話機 2の構成要素のうち、 A/Dコン バ一夕 1 2、音声信号線 1 4および E M Iフィルタ 1 6が省略されてい o
フリップが閉じている場合、蓋 4 b内に配置されたグランド用接続線 1 7は、グランド用部材 6の近傍に位置するので、アンテナ特性に関し、 この存在がないものとして取り扱っても差し支えない。つまり、 アンテ ナ特性は十分良好であるが、 極めて良好ではない状態である。
第 6図は、実施の形態 1による携帯電話機 2がフリップを閧いている ときの状態を示す図である。
次に、 携帯電話機 2がフリップを開いている場合の動作を、 第 6図に 基づいて説明する。
なお、 第 6図においても、 グランド用接続線 1 7を主体的に説明する
ため、 第 1図に示されている携帯電話機 2の構成要素のうち、 A/Dコ ンバ一夕 12、音声信号線 14および EMIフィル夕 16が省略されて いる。
フリヅプが開いている場合、 グランド用接続線 17は、 蓋 4 bと共に 移動し、 グランド用部材 6から突出した状態となる。
この状態では、携帯電話機 2は、 グランド用部材 6の長さをあたかも 延長したかのようなアンテナ特性となる。従って、 フリヅプを開けるこ とが、 グランド用部材 6の、 アンテナ特性を極めて良好にできる寸法に は不足している長さを補うことに相当する。
さらに、 フリップが開いている場合、 グランド用接続線 17の実効的 な長さ (グランド部として機能する部分の長さ) は、 周波数毎に、 任意 の長さにできる。
したがって、 1. 5 [GHz] または 1 [GHz]のいずれの周波数 帯の信号を送受信しているときであっても、携帯電話機 2は、 アンテナ 特性を、 極めて良好にできる。
一般に、 並列共振回路は、 この回路が同調する周波数の信号を受信し た場合に、 その回路のインピーダンスが最大になる。
したがって、 携帯電話機 2が 1. 5 [GH z]の信号を送受信してい る場合、 第 1の並列共振回路 20は共振するよう設計されるので、 第 1 の並列共振回路 20は共振してインピーダンスが上昇し、第 1の並列共 振回路 20がオープンの状態になる。
すなわち、 グランド用接続線 17の実効的な長さが、 グランド用部材 6に電気的に接続される第 1の接続線 18 aとなる。
また、 携帯電話機 2が 1 [GHz]の信号を送受信している場合、 第 2の並列共振回路 22は共振するよう設計されるので、第 2の並列共振 回路 22は共振してインピーダンスが上昇し、第 2の並列共振回路 22
がオープンの状態になる。
すなわち、 グランド用接続線 1 7の実効的な長さは、 グランド用部材 6に電気的に接続される第 1の接続線 1 8 a、第 1の並列共振回路 2 0 および第 2の接続線 1 8 bとなる。
なお、 実施の形態 1では、 蓋 4 b内に、 第 2の並列共振回路 2 2およ び第 3の接続線 1 8でが設けられているが、第 2の並列共振回路 2 2お よび第 3の接続線 1 8 cを設けずに、第 2の接続線 1 8 bをグランド用 端子 1 0 aに直接電気的に接続しても、グランド用接続線 1 7の実効的 な長さを変動させることはできる。
次に、 実施の形態 1による携帯電話機 2について、 送信時に、 マイク 1 0から出力する信号内に混在するノイズを削減することに関連した 作用を第 7図に基づいて説明する。
第 7図は、第 1の並列共振回路 2 0および第 2の並列共振回路 2 2の インピーダンスと、 一般にマイクを使用する場合に、 そのマイクのグラ ンド用接続線に設けるノイズフィル夕 (以下、 「マイク用ノイズフィル 夕」 という)が有するィンピ一ダンスを周波数に応じて表したものであ 即ち、 第 7図は、 第 1および第 2の並列共振回路のインピーダンス特 性と、一般的なマイク用ノイズフィル夕に要求されるインピーダンス特 性を表したものである。
第 7図において、 第 1の並列共振回路 2 0のインビ一ダンス特性は 実線 Aで示され、 共振周波数 1 . 5 [ G H z ] において第 1の並列共振 回路 2 0のィンピ一ダンスはピークとなる。
同様に、第 2の並列共振回路 2 0のィンピーダンス特性は波線 Bで示 され、 共振周波数 1 [ G H z ] において第 2の並列共振回路 2 2のイン ピ一ダンスはピークとなる。
また、 2点鎖線 Cは、 一般にマイクを使用する場合に、 そのマイクの グランド用接続線に設けるマイク用ノイズフィル夕に要求されるィン ピーダンス特性である。
第 7図から明らかなように、一般的にマイク用ノイズフィル夕のィン ピーダンスは、 周波数に関わらず、 数百 [Ω]のインピーダンスが必要 である。 '
それに対して、 第 1の並列共振回路 20のインピーダンスは、 1. 5 [GHz]の周波数の近傍において、 15000 [Ω]以上のインビ一 ダンスとなる。
また、 第 2の並列共振回路 22のインピーダンスは、 1 [GHz] の 周波数の近傍において、 10000 [Ω]以上のィンビーダンスとなる。 すなわち、 携帯電話機 2が 1. 5 [GHz]の周波数帯の信号を送受 信する場合は、第 1の並列共振回路 20がマイク用ノイズフィル夕とし て動作し、 携帯電話機 2が 1 [GHz]の周波数帯の信号を送受信する 場合は第 2の並列共振回路 22がマイク用ノイズフィル夕として動作 する。 .
したがって、 グランド用接続線 17が第 1の並列共振回路 20および 第 2の並列共振回路 22を有するため、別途マイク用ノイズフィル夕を 設ける必要がない。
次に、 実施の形態 1による携帯電話機 2において、 1つのノイズフィ ル夕で、 送信時に、 マイク 10から出力されるノイズを有効に減衰させ る作用について説明する。
通常、 マイクを使用する場合、 そのマイクが有するグランド用接続線 および音声信号線の両方から生じるノイズをカッ トする必要がある。 その場合、それそれに独立したノイズフィルタを設けることは部品数 およびコス卜の増加を招くために一般的な手法ではなく、両者に共通し
たノイズフィル夕を 1つ設けることが一般的な手法である。
しかし、 グランド用接続線から生じるノイズは、 音声信号線 1 4から 生じるノイズと周波数が異なることが多いので、 1つのノイズフィル夕 によって、いずれの周波数においても最適にノイズをカヅ トすることは 困難である。
実施の形態 1による携帯電話機 2においては、 前述したように、 第 1 の並列共振回路 2 0および第 2の並列共振回路 2 2はマイク 1 0のグ ランド用接続線からのノイズフィルタとしても機能する。
そのため、 グランド用接続線 1 7より生じるノイズについては考慮す る必要がなく、音声信号線 1 4に被るノイズのカツ トだけを目的とした 1つの E M Iフィル夕 1 6を音声信号線 1 4に設けるだけでよい。 (図 1を参照)
これにより、有効に音声信号線 1 4に被るノイズをカツ 卜することが できる。
なお、 E M Iフィル夕 1 6は、 A/Dコンパ'一夕 1 2の近傍であれば あるほど良い。
また、 E M Iフィルタ 1 6と同様の特性をもつフィル夕として、 チヨ ークコイルを用いるフィル夕等がある。
実施の形態 1による携帯電話機 2によれば、 グランド用部材 6を有す る外装筐体本体 4 a (第 1の部分体) と、 この外装筐体本体 4 aに回転 自在に接続される蓋 4 b (第 2の部分体) とを備え、 複数の周波数 (例 えば、 1 . 5 [ G H z ] の周波数と 1 [ G H z ] の周波数) とを使用す る携帯電話機 2において、 蓋 4 b上に設けられる電子部品 (例えば、 マ イク 1 0 ) と、 この電子部品 (マイク 1 0 ) とグランド用部材 6との間 に設けられ、携帯電話機 2が使用する複数の周波数のそれそれに共振す る第 1の並列共振回路および第 2の並列共振回路を配置することによ
り実効的なグランド長さを変動させることのできるグランド用接続線
1 7とを備えている。
従って、携帯電話機 2が、携帯電話機 2の使用する周波数のいずれの 周波数の信号を送受信する場合であっても、グランド用接続線 1 7の実 効的な長さを周波数に応じた最適な長さにできる。
そのため、 フリヅプ上のグランド用接続線 1 7が、 グランド部材 6の 長さを、周波数に応じた最適な長さに延長したかのような効果を奏する ことができ、 複数の (例えば、 2つの) 周波数帯域の信号のそれぞれに 対してアンテナ特性が極めて良好な携帯電話機 2を実現できる。
また、 実施の形態 1によれば、 電子部品がマイク 1 0であるので、 マ イク 1 0に使用するマイク用ノイズフィル夕を別途設ける必要がなく なる。
また、 実施の形態 1によれば、 マイク 1 0が有する音声信号線 1 4に E M Iフィルタ 1 6を設けることにより、音声信号線 1 4に被るノイズ を有効に減衰させることができる。
また、 実施の形態 1によれば、 蓋 4 bのグランド用接続線 1 7に配置 される第 1および第 2の並列共振回路は、プリントされていることを特 徴とするので、 軽量に、 または安価に、 フリップを実現できる。
実施の形態 2 .
実施の形態 2は、実施の形態 1による携帯電話機 2のグランド用接続 線 1 7において、アンテナ放射効率が極めて良好となる実効的なグラン ド長をシミュレーションにより求める方法とその結果を示したもので ある。
第 8図および第 9図は、 株式会社ェ一 ·ィ一'ティ一 'ジャパンから 販売されている MW— S T U D I Oという 3次元電磁界解析ソフ トを 用いて、並列共振回路の配置位置とアンテナ放射効率との関係をシミュ
レ一シヨンした結果を表したものである。
また、 第 10図は、 そのシミュレーションをするにあたって設定した 携帯電話機の形状を表す図である。
シミュレ一シヨンの設定について、 第 10図に基づいて説明する。 符号 6 sは、 シミュレーションにおいて、長さ Lb = 100 [mm] 幅 W=30 [mm], 厚さ T=5 [mm] と設定されるグランド用部材 である。
また、符号 8 sはグランド用部材 6 sの端部に取り付けられるアンテ ナ部品で、携帯電話機 2が 1 [GH z]の周波数帯域を使用する場合は、 アンテナ部品の長さ L a = 7 5 [mm], 携帯電話機 2が 1. 5 [GH z ]の周波数帯域を使用する場合は、アンテナ部品の長さ L a = 50 [m m] と設定する。
ただし、 この設定は計算を簡単にするためのもので、 実際のアンテナ 部品の長さは、 携帯電話機 2が 1 [GHz] または 1. 5 [GHz] の いずれの周波数帯域を使用する場合であっても、同じ長さで送受信可能 なアンテナ部品を用いても良い。
符号 17 sは、 グランド用部材 6 sに電気的に接続され、 第 1の並列 共振回路 20 sおよび第 2の並列共振回路 22 sを備えるグランド用 接続線である。
また、 符号 18 a sは、 グランド用部材 6 sと第 1の並列共振回路 2 0 sとを電気的に接続し、 長さ L 11 [mm] を有する第 1の接続線、 符号 18 b sは、第 1の並列共振回路 20 sと第 2の並列共振回路 22 sとを電気的に接続し、 長さ L 12 [mm] を有する第 2の接続線、 符 号 18 c sは、第 2の並列共振回路 22 sとマイクのグランド用端子 1 0 a sとを電気的に接続し、 長さ!: 13 [mm]を有する第 3の接続線 18 c sである。
また、第 1の並列共振回路 2 0 sおよび第 2の並列共振回路 2 2 sは、 1 [mm] の長さと設定する。
また、 第 1 0図で、 グランド用接続線 1 7 sが第 1の並列共振回路 2 0 sおよび第 2の並列共振回路 2 2 sを有しているが、第 1の並列共振 回路 2 0 sまたは第 2の並列共振回路 2 2 sのいずれか一方が無い場 合について説明する。
この場合に、 シミュレーションするとき、 第 1の並列共振回路 2 0 s または第 2の並列共振回路 2 2 sのいずれか無い部分を 1 [mm]のグ ランド用接続線が存在するとしてシミュレーションする。
第 8図において、 実線 Aは、 第 1の並列共振回路 2 0 sを有し、 第 2 の並列共振回路 2 2 sは有さないグランド用接続線 1 7 s (以降、 「第 1のグランド用接続線 1 7 s 1」 という) の、 第 1の並列共振回路 2 0 sが共振している場合の、 アンテナ放射効率である。
また、 このアンテナ放射効率は、 アンテナ特性への影響に関し、 実効 的な長さ (以降、 「第 1のグランド部分長」 という) L g lに応じて表 されている。
また、 第 8図において、 破線 Bは、 第 2の並列共振回路 2 2を有し、 第 1の並列共振回路 2 0 sを有さないグランド用接続線 1 7 s (以降、 「第 2のグランド用接続線 1 7 s 2」 という) の、 第 2の並列共振回路 2 2 sが共振している場合の、 アンテナ放射効率である。
また、 このアンテナ放射効率は、 実効的な長さ (以降、 「第 2のグラ ンド部分長」 という) L g 2に応じて表されている。
まず、 第 1のグランド部分長 L g lについて説明する。
第 1のグランド用接続線 1 7 s 1は、携帯電話機 2が 1 . 5 [ G H z ] の周波数帯を使用する場合、第 1の並列共振回路 2 0 sがオープンとな り、 第 1のグランド部分長 L g lが、 第 1の接続線 1 8 a sの長さ L 1
1となる。
第 8図によると、 第 1のグランド部分長 L g lが、 0 [mm] 〜4 0 [mm]程度の長さである場合に、 アンテナ放射効率が 9 0 %以上とな り、 極めて良好なアンテナ特性となる。
次に、 第 2のグランド部分長 L g 2について説明する。
第 2のグランド用接続線 1 7 s 2は、 携帯電話機 2が 1 [ G H z ] の 周波数帯を使用する場合、第 2の並列共振回路 2 2 sがオープンとなり、 第 2のグランド部分長 L g 2が、 第 1の接続線 1 8 a sの長さ L 1 1、 並列共振回路の長さとしての 1 [mm]および第 2の接続線 1 8 b sの 長さ L 1 2を合計した長さ (L 1 1 + 1 + L 1 2 ) となる。
第 8図によると、第 2のグランド部分長 L g 2が、 7 0〜9 0 [mm] 近傍である場合に、 アンテナ放射効率が 9 0 %以上となり、極めて良好 なアンテナ特性となる。
第 9図において、 実線 Aは、 第 1の並列共振回路 2 0 sおよび第 2の 並列共振回路 2 2 sを備えるグランド用接続線 1 7 s (以降、 「第 3の グランド用接続線 1 7 s 3」 という) の、 第 1の並列共振回路 2 0 sが 共振している場合のアンテナ放射効率を表す。
また、 このアンテナ放射効率は、 長さ (以降、 「第 3のグランド部分 長」 という) L g 3に応じて表されている。
また、 第 9図において、 波線 Bは、 第 2の並列共振回路 2 2 sが共振 している場合のアンテナ放射効率を表す。
またこのアンテナ放射効率は、 アンテナ特性への影響に関して、 長さ (以降、 「第 4のグランド部分長」 という) L g 4に応じて表される。 なお、 第 3のグランド用接続線 1 7 s 3は、 第 1の接続線 1 8 a sの 長さ L 1 1を 2 0 [mm]で固定し、 第 2の接続線 1 8 b sの長さ L 1 2を可変とする。
第 9図によれば、 1 . 5 [ G H z ] の周波数の信号を送受信する場合 には、 L 1 1の長さが固定されているため、 一定して 9 7 %のアンテナ 放射効率となるが、 1 [ G H z ]の周波数の信号を送受信する場合には、 ( L 1 1 + 1 + L 1 2 ) の長さが 6 0〜7 5 [mm]程度のときに、 ァ ンテナ放射効率が 9 0 %以上となり、極めて良好なアンテナ特性になる。 以上のシミュレーション結果より、 グランド用接続線の第 1の並列共 振回路とグランド用部材とを接続する部分の長さが 4 0 [ mm]以下の 長さであれば、 アンテナ放射効率が極めて良好であることが判る。
また、グランド用接続線の第 2の並列共振回路とグランド用部材とを 接続する部分の長さが 6 0〜7 5 [mm]程度の長さであれば、アンテナ 放射効率が極めて良好であることが判る。
実施の形態 3 .
前述の実施の形態 1による携帯電話機は、第 2の部分体である蓋 4 b がヒンジ 4 cによって外装筐体本体 4 aに開閉自在に設けられたフリ ップ式であった。
これに対して、 本実施の形態による携帯電話機は、 実施の形態 1によ る携帯電話機の第 2の部分体である蓋 4 bに相当するスライ ド式カバ —が外装筐体本体にスライ ド自在に設けられていることを特徴する。 第 1 1図は、実施の形態 3による携帯電話機に備えられるスライ ド式 カバーが外装筐体本体に重畳している状態(以下、 「重畳状態」 という) の携帯電話機の斜視図である。
第 1 2図は、 実施の形態 3による携帯電話機において、 スライ ド式カ バーが外装筐体本体とずれている状態 (以下、 「ずれ状態」 という) を 示す斜視図である。
第 1 3図は、実施の形態 3による携帯電話機においてスライ ド式カバ —を外装筐体本体から取り外し、そのスライ ド式カバ一のマイクが取り
付けられている面の裏面を眺めた斜視図である。
第 1 4図は、実施の形態 3による携帯電話機においてスライ ド式カバ 一を外装筐体本体から取り外し、外装筐体本体を眺めたときの斜視図で める。
実施の形態 3による携帯電話機の構成について、第 1 1図から第 1 4 図に基づいて説明する。
第 1 1図または第 1 2図において、符号 4 2は実施の形態 3による携 帯電話機、 符号 4 4は携帯電話機 4 2の外装筐体 符号 4 4 aは外装筐 体 4 4の一部である外装筐体本体 (第 1の部分体) である。
また、 符号 4 4 bは外装筐体 4 4の一部で、 外装筐体本体 4 4 a (第 1の部分体) にスライ ド自在に設けられ、 非通話時は外装筐体本体 4 4 aに対して重畳状態であり、通話時は外装筐体本体 4 4 aに対してずれ 状態であるスライ ド式カバー、符合 4 5は外装筐体本体 4 4 aに設けら れる受話部、符合 4 7は外装筐体本体 4 4 aに設けられるディスプレイ である。
また、符合 4 9は外装筐体本体 4 4 a (第 1の部分体)上に設けられ、 スライ ド式カバ一 4 4 bが重畳状態の場合は、スライ ド式カバ一 4 4 b (第 2の部分体) に覆われ、 スライ ド式カバーがずれ状態の場合には、 スライ ド式カバ一から露出するテンキーである。
また、 符合 5 0はスライ ド式カバ一 4 4 bに設けられるマイク、 符合 5 1 aは、スライ ド式カバ一 4 4 bと外装筐体本体 4 4 aとがスライ ド 自在に接続されるように、外装筐体本体 4 4 aの側面に設けられるスラ ィ ド用溝である。
また、 外装筐体本体 4 4 aにおいて、 スライ ド用溝 5 1 aが設けられ る側面と対向する側面にも、スライ ド用溝 5 1 aと同様のスライ ド用溝 であるスライ ド用溝 5 1 b (図示せず) が設けられている。
第 1 3図および第 1 4図において、符合 4 6は外装筐体本体 4 4 aの 内部に設けられるグランド用部材、符号 5 3 aはスライ ド式カバー 4 4 bに設けられ、スライ ド用溝 5 1 aとスライ ド自在に係合される爪であ る。
また、 スライ ド式カバ一 4 4 bにおいて、 爪 5 3 aが設けられる面と 対向する面にも、 爪 5 3 aと同様に、 スライ ド用溝 5 1 b (図示せず) とスライ ド自在に係合される爪 5 3 b (図示せず) が設けられる。
符合 5 4はスライ ド式カバ一 4 4 b上に設けられ、金属板等で構成さ れ、マイク 5 0の音声信号用端子 5 0 bと電気的に接続される音声信号 線、符号 5 7はマイク 5 0のグランド用端子 5 0 aと電気的に接続され、 1 . 5 [ G H z ] の周波数帯域の信号に対して共振する第 1の並列共振 回路 6 0と、 1 [ G H z ] の周波数帯域の信号に対して共振する第 2の 並列共振回路 6 2とを有するグランド用接続線である。
また、 グランド用部材 4 6と第 1の並列共振回路 6 0とは、 金属板等 で構成される第 1の接続線 5 8 aと後述する突設部 6 6とによって電 気的に接続され、第 1の並列共振回路 6 0と第 2の並列共振回路 6 2と は金属板等で構成される第 2の接続線 5 8 bによって電気的に接続さ れ、第 2の並列共振回路 6 2とマイク 5 0とは金属板等で構成される第 3の接続線 5 8 cによって電気的に接続される。
符号 6 4は、グランド用部材 4 6の内部に設けられる A/Dコンパ一 夕 (図示せず) と電気的に接続され、 音声信号線 5 4と接触し、 外装筐 体本体 4 4 aの表面に突設される突設部、符号 6 6はグランド用部材 4 6に電気的に接続され、第 1の接続線 5 8 aが有する接触部 5 9 bまた は第 2の接続線 5 8 bが有する接触部 5 9 aと電気的に接続され、外装 筐体本体 4 4 aの表面に突設される突設部である。
なお、 グランド用接続線 5 7はスライ ド式カバー 4 4 bが突設部 6 6
上をスライ ド自在となるように構成する。
例えば、 第 1 3図のように、 第 1の並列共振回路 6 0または第 2の並 列共振回路 6 2のいずれか一方または両方が立体的な形状を持つ場合、 スライ ド式カバ一 4 4 bがスライ ドすることによりグランド用接続線 5 7が移動し、 グランド用接続線 5 7と突設部 6 6とが摺動したとき、 第 1の並列共振回路 6 0または第 2の並列共振回路 6 2のいずれか一 方または両方が摺動部分に配置されないように考慮する。
その理由は、第 1の並列共振回路 6 0または第 2の並列共振回路 6 2 によって、 摺動が妨げられる場合があるからである。
また、 ずれ状態および重畳状態において、 グランド用接続線 5 7が突 設部 6 6と接触しているよう考慮する。
その理由は、グランド用接続線 5 7が突設部 6 6と接触することによ つて、グランド用接続線 5 7の電位がグランド用部材 4 6と同じになる からである。
第 1 5図は、スライ ド式カバ一 4 4 bが外装筐体本体 4 4 aと重畳し ているときの状態およびずれているときの状態を説明するための図で あり、 第 1 5図 (a ) は携帯電話機 4 2において、 スライ ド式カバ一 4 4 bが重畳状態である場合に、 グランド用部材 4 6、 グランド用接続線 5 7、音声信号線 5 4、突設部 6 4および突設部 6 6を描いた図である。 また、 第 1 5図 (b ) は携帯電話機 4 2において、 スライ ド式カバ一 4 4 bがずれ状態である場合に、 グランド用部材 4 6、 グランド用接続 線 5 7、音声信号線 5 4、突設部 6 4及び突設部 6 6を描いた図である。 本実施の形態による携帯電話機 4 2の動作を説明する。
使用者が携帯電話機 4 2を使用する場合の動作について、第 1 1図ま たは第 1 2図に基づいて説明する。
この携帯電話機 4 2は、通話に使用されない場合は、 スライ ドカバ一
4 4 bが外装筐体本体 4 4 aと重畳状態にある。
この状態において、 携帯電話機 4 2は収容性に優れている。
使用者は、携帯電話機 4 2を通話に使用しょうとする場合、 スライ ド 式カバー 4 4 bを外装筐体本体内 4 4 bとずれた状態にすることによ つて、 受話部 4 5とマイク 5 0との位置を引き離し、 通話を行う。 受話部 4 5とマイク 5 0との位置を引き離すことは、マイク 5 0が重 畳状態では使用者の声を十分拾うことが出来ない場合に、 より十分に使 用者の声を拾うための手段として有効である。
また、 マイク 5 0が、 重畳状態で使用者の声を十分拾える性能を備え ている場合であっても、通話中は使用者の口元にマイク 5 0を配置する ことを望む使用者からの要求を満たすことができる。
スライ ド式カバ— 4 4 bが重畳状態である場合の、携帯電話機 4 2の アンテナ特性に関する動作を第 1 5図 (a ) に基づいて説明する。 この状態では、 グランド用接続線 5 7は、 グランド用部材 4 6の近傍 に位置するために、 アンテナ特性に関する影響において、 あたかもグラ ンド用部材 4 6の内部にあるかのような振る舞いをする。
ただし、グランド用部材 4 6の長さはアンテナ特性を極めて良好にす るためには、 若干長さが足りないので、 この状態では、 アンテナ特性は 十分良好であるが、 極めて良好ではない。
スライ ド式カバ一 4 4 bがずれ状態にある場合の、携帯電話機 4 2の 動作を第 1 5図 (b ) に基づいて説明する。
この状態では、グランド用接続線 5 7がグランド用部材 4 6から飛び 出ている。
したがって、 グランド用接続線 5 7が、 アンテナ特性に関し、 あたか もグランド用部材 4 6の長さ方向の延長部分であるかのような振る舞 いをする。
また、第 1の並列共振回路 6 0と第 2の並列共振回路 6 2とを備える ので、 前述の実施の形態 1で説明したように、 グランド用接続線 5 7の 実効的な長さは、 周波数に応じて変動させることができ、 グランド用部 材 4 6の長さを最適とすることができる。
実施の形態 3による携帯電話機は、グランド用部材 4 6を有する外装 筐体本体 4 4 a (第 1の部分体) と、 この外装筐体本体 4 4 aにスライ ド自在に接続されるスライ ド式カバ一 4 4 b (第 1 2部分体)とを備え、 複数の周波数帯域を使用する携帯電話機において、スライ ド式カバー 4 4 bに設けられる電子部品と、 この電子部品とグランド用部材 4 6との 間に設けられ、 携帯電話機 4 2が使用する周波数に応じて、 アンテナ特 性への影響に関し、実効的な長さが変動するグランド用接続線 5 7とを 備えるので、複数の周波数のいずれの周波数を使用するときであっても、 アンテナ特性が極めて良好な携帯電話機 4 2を実現できる。
また、 実施の形態 3は、 スライ ド式カバ一 4 4 bを引き出すことによ つて、 アンテナ特性を向上させることができるので、 使用者からの、 部 材を引き出すことでアンテナ特性向上の実感を得たいとする要求に、特 に応えられる携帯電話機を実現できる。
なお、部材を引き出すことでアンテナ特性向上の実感を得たいとする 要求は、 従来引き出し式の携帯電話機において、 アンテナを引き出すこ とによってアンテナ特性の向上を図ることが多かったことに由来して いる。 産業上の利用可能性
この発明は、 携帯電話機等の移動通信装置に利用でき、 特に、 周波数 が異なる複数周波数帯域の信号を用いて送受信を行う携帯電話機ある いは移動通信装置に非常に有効である。