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明 細 書
高圧水銀蒸気放電ランプおよびランプュニッ 卜 技術分野
本発明は、 高圧水銀蒸気放電ランプおよびランプュニッ卜に関し、 特に超高圧で明るい光を放射することができる割れにくい高圧水銀 蒸気放電ランプに関している。 背景技術
水銀ランプは、 点灯時の水銀圧力の増加とともにラインスぺクト ルから連続スぺク卜ルへと分光分布が変化し、 輝度も向上する。 高 圧水銀蒸気放電ランプは輝度が高ぐ、 従来より、 半導体製造装置の 露光用に用いられてき^が、 プロジェクタなどのより強力な光源と して用いられる場合には、 水銀圧力 (動作圧力) を更に高めること が求められている。 '- 高圧水銀蒸気放電ランプの従来技術は、 例えば、 特開平 6— 5 2 8 3 0号公報に記載されている。 この高圧水銀蒸気放電ランプは、 石英ガラスのランプ容器と、 ランプ容器の放電スペース内に配され た一対のタングステン電極と、 放電スペース内に封入された所定量 の水銀、 ハロゲンおよび希ガスとを有している。 放電スペースは楕 円体形状を有している。 このランプの動作時の消費電力 (ランプ電 力) は了 0〜1 5 0 [W] の範囲内にある。 上記の先行技術文献は, 楕円体の放電スペース内形状として、 放電路方向 (楕円体の長径)
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の寸法、 放電路を横切る最大直径 (楕円体の短径) ならびにランプ 容器の最大外径、 放電路の長さを所定の範囲内に規定することを記 載している。
ま 、 上記先行技術文献は、 ランプ電力を了 0〜1 5 0 [W] と することによりより、 多くの光束を確保する一方で、 ランプ容器内 側の温度が所定の温度範囲となることを実現できることを教示して いる。 その理由として、 放電スペース内に所定の温度範囲外の部分 が存在する場合、 封入されている所定量のハロゲンによって生じて いるハロゲンサイクルが機能しな <なり、 容器の黒化ゆ電極の腐食 が生じランプ短寿命の原因になると記載されている。 この原因を克 服することが、 上記先行技術文献に開示されている発明の解決しよ うとする課題であった。
特開平 2— 1 4 8 5 6 1号公報は、 高圧水銀蒸気放電ランプの他 の従来例を開示している。 この先行技術文献も、 特開平 6— 5 2 8 3 0号公報と同様に、 放電容器と、 タングステン電極と、 所定量の 水銀およびンとを有するランプを開示し、 その銀蒸気圧を 2 0〇バ ールより大きく、 管壁負荷を 1 [W/ m m2] より大きく設定する ことを教示している。 このように規定されている理由は、 先の特閧 平 6— 5 2 8 3 0号公報で述べられている内容とほぽ同じである。 具体的には、 規定範囲内でランプを構成することにより、 十分な光 束を確保する一方で、 電極から蒸発するタングステンによる容器壁 の黒化を防ぐことを目的としている。
しかし、 特開平 2— 148561号公報で開示されているランプ は、 細長く、 狭い放電容器形状をしており、 ランプ電力も 50
[W] である。 このため、 経時にともなし、、 +分な光束を得るには ランプ電力が不十分であり、 黒化防止に十分な放電容器内温度が得 られない。
特開 2〇〇1一 283782号公報は、 ランプ電力が 18〇
[W] 以上の高圧水銀蒸気放電灯を開示している。 このランプには、 所定量の水銀と八ロゲンが封入され、 発光管最大径部の内径、 発光 管最大径部の肉厚、 電極間距離の三値が所定の関係を有することが 規定されている。 このように規定されている理由は、 上記三値が満 される条件を満足するランプが、 光学特性および寿命試験におい て、 良好な結果を示し と記述されている。 特開 2001— 283 782号公報において試験結果が記載されているランプは、 ラこの 文献の表 1によると、 水銀封入量が規定範囲の上限である 0. 25 mgZmm3の場合、 ランプ電力が 200 [W] で、 動作圧力は 2 50気圧前後と概算される。 すなわち、 このランプの動作圧力の上 限は、 250気圧前後であると理解される。 近年、 プロジェクタに用いられる光源には、 より高い光出力が求 ぬられ、 高効率化および小形化の要求は益々強くなつてきている。 このような光源に高圧水銀蒸気放電ランプを用いる場合、 上記の先 行技術文献に閧示されている知見によっては解決できない課題が発 生している。
ランプの高光出力化という観点から、 光束の総量を増加させるた めに定格ランプ電力の増加が進み、 1 50 [W] より大きく、 20 0〜300 [W] クラスの需要が増えている。
高効率化に関しては、 ランプ点灯時の動作圧力を増加させること による放電発光の可視域の発光効率の向上が有効である。 その観点 から、 近年、 250気圧以上の動作圧力が望まれている。 このよろ な動作圧力の増加は、 電極間距離の短縮化 (短アーク化) を進める 上でも必要である。 プロジェクタの光源に高圧水銀蒸気放電ランプ を用いる場合、 電極間距離を短くすることにより、 投写時の光利用 効率が良くなる。 特開平 6— 52830号公報は、 ランプ電力 1 3 0 [W] 〜1 50 [W] で、 電極間距離が 1 . 8〜2. Ommのラ ンプを開示している。 上記の理由から、 200〜3〇0 [W] クラ スのランプにおいても、 電極間距離 1. 〇〜1. 5 mm以下を達成 することが強く望まれてし、る。
電極間距離を短くする際に動作圧力を増加させる理由は、 電極間 に印加される単位長さあ りの電圧が動作圧力に比例するためであ る。 仮に、 ランプ電力および動作圧力が変化しない状況 (発光管内 の単位体積あたりの封入水銀量が一定の場合など) で、 電極間距離 が短くなれば、 その分、 ランプ電圧は減少し、 ランプ電流が増加す る。 ランプ電流の増加は、 放電電極に熱的に大きな負担を強いるこ とによるランプ短寿命化を招く。 更には、 点灯回路の最大許容電流 の増加に伴ろ追加安全対策が必要となる。 このように、 ランプ電流 の増加は好ましくない。
—方、 プロジェクタなどの製品筐体寸法の小形化に伴し、、 ランプ 自身を更に小形化することが強く望まれている。
ランプ電力および動作圧力が増大し、 ランプが小形化することに より、 ランプ破損対策がこれまで以上に重要になってきている。 従 来からも、 ランプ破損に関する指摘は多く存在し 7 が、 これらは、 長期のランプ寿命点灯中に石英ガラスが失透などを生じ変形し、 破 損に至るという現象を想定している。
しかしながら、 ランプ電力および動作圧力が増大し、 ランプ自身 が小形化すると、 熱的負荷および発光管内の圧力負荷が飛躍的に増 大する め、 石英ガラスに失透ゆ変形などが生じる前に、 より具体 的にはランプ寿命の初期段階で破損に至る場合がある。
本発明者が、 上記のランプ破損が生じ 後の残骸を観察したとこ ろ、 石英ガラスに失透ゆ変形はなく、 発光管膨部の一部が起点とな つて左右真二つに割れていた。 このような破損の様子を図了に示す 図了に示す高圧水銀蒸気放電ランプ了〇〇は、 石英ガラスからなる 発光管 (バルブ) 1 0 1 と、 発光管 1 0 1から延在し 側管部 1 0 6とを有し、 側管部 1 0 6には、 電極 1 0 2の一部と、 電極 1 0 2 に溶接された金属箔 1 0 7と、 外部リード線 1 0 8の一部が埋設さ れている。
図了からわかるように、 発光管 1 0 1 の発光管膨部 1 0 9は、 そ の一部が起点となって左右に真っ二つに割れて破損している。 この 破損の形態は、 これまでの破損とは全く異なる形態である。 従来の 高圧水銀蒸気放電ランプでは、 発光管内壁が黒化や失透を生じ、 そ
れが原因となって発光管が変形を生じ、 破損に至っていた。 このよ うな破損のメカニズムとは全く異なるメカニズムで図 7に示す破損 は生じていると考えられる。
本発明は、 上記の新しい課題を解決する めになされ ちのであ り、 その目的とするところは、 ランプ電力および動作圧力が増大し た場合においてち、 発光管膨部の一部が起点となって左右真二つに' 割れることを抑制し 高圧水銀蒸気放電ランプを提供することにあ る。
発明の開示
本発明の高圧水銀蒸気放電ランプは、 石英ガラスから形成され、 略楕円体状の内部空間を有する発光管と、 前記発光管の内部空間に 封入され 少なくとも水銀及び希ガスを含 ガスと、 前記発光管の 内部空間に対向して配置された 2以上の電極と、 を備え 高圧水銀 蒸気放電ランプであって、 点灯動作時におけるランプ電力を W [ヮ ッ 卜] 、 前記発光管の内部空間における動作圧力を P [気圧] 、 前 記内部空間の短半径を r s [mm] 、 前記内部空間の長半径を r 1 [mm] ( r 1 r s ) 、 前記内部空間を規定する膨部の肉厚を t [mm] とし とき、 W≥ 1 50 [ワット] 、 P≥250 [気圧] 、 及び t≤5 [mm] の関係を満足するとともに、 r I ≤0. 01 0 3 XW-O. 00562 X P-0. 31 6 X r s + 0. 61 5 X t +1. 93の関係をも満足する。
好ましい実施形態において、 アーク長が 2 mm以下である。
好ましい実施形態において、 点灯動作時における前記発光管の膨 部内壁表面における引張麻力が 5 [N/mm2] 以下である。
好ましい実施形態において、 W≥2〇〇 [ヮッ卜] を満足する。 好ましい実施形態において、 244X r s + 1 1 l X r l +40. 2X t≥4. 47 XW+ 1 38の関係を更に満足する。
好ましい実施形態において、 前記発光管に結合された 2つの側管 部を備え、 前記 2つの側管部の各 は、 前記発光管からアーク長方 向に平行に延びる柱状部分を有しており、 前記柱状部分は、 略円筒 状の第 1のガラス部と、 前記第 1 のガラス部の内側の少なくとも一 部に設けられた第 2のガラス部とを有しており、 かつ、 圧縮麻力 が印加されている部位を含んでいる。
好ましい実施形態において、 前記圧縮^力が印加されている部位 は、 前記第 2のガラス部、 前記第 2のガラス部と前記第 1 のガラ ス部との境界部、 前記第 2ガラス部の ちの前記第 1 のガラス部 側の部分、 および、 前記第 1 ガラス部のうちの前記第 2ガラス部 側の部分のいずれかである。
好ましい実施形態において、 前記第 1 のガラス部と前記第 2の ガラスでとの境界近傍には、 両者の麻力差に起因する歪みが境界領 域が存在している。
好ましい実施形態において、 前記圧縮麻力の少なくとも一部は、 前記側管部の長手方向に印加されている。
本発明の高圧水銀蒸気放電ランプは、 石英ガラスから形成され、 略楕円体伏の内部空間を有する発光管と、 前記発光管の内部空間に
封入され 少な <とち水銀及び希ガスを含 ガスと、 前記発光管の 内部空間に対向して設置された 2以上の電極とを備え^高圧水銀蒸 気放電ランプであって、 点灯動作時におけるランプ電力を W [ヮッ 卜] 、 前記発光管の内部空間における動作圧力を P [気圧] 、 前記 内部空間を規定する膨部の肉厚を t [mm] としたとき、 W≥ 1 5 0 [ワット] 、 P≥250 [気圧] 、 及び t≤5 [mm] の関係を 満足するととちに、 点灯動作時における前記発光管の膨部内壁表面 における引張 力が 5 [N/mm2] 以下である。
本発明のランプュニッ卜は、 上記 ( ずれかの高圧水銀蒸気放電ラ ンプと、 前記高圧水銀蒸気放電ランプの前記発光管から出 光を反 射する反射鏡とを備え、 前記発光管の内部空間の長半径方向が地上 に対して水平になるよろにして点灯される。 図面の簡単な説明
図 1は、 本発明の実施形態 1における高圧水銀蒸気放電ランプの 図である。
図 2 (a) は、 実施形態 1における発光管膨部石英ガラス内に発 生する一般的な ¾力のグラフ、 (b) は 「位置」 を示す図である。 図 3は、 本発明の実施形態 1における F EMモデルの図である。 図 4は、 本発明の実施形態 1における F EM計算結果の一例を示 した図である。
図 5は、 本発明の実施形態 1における F EM計算結果の一例を示 レた図である。
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図 6は、 図 4における発光管内部最表面の麻力と発光管内部長半 径との関係を示す図である。
図了は、 発光管膨部から真っ二つに割れ 従来の高圧水銀蒸気放 電ランプを示す図である。
図 8 (a) は、 本発明による高圧水銀蒸気放電ランプの第 2の実 施形態の全体構成を模式的に示す断面図である、 図 8 (b) は、 図 8 (a) 中の線 b— b線における発光管 1 01側から見た側管部 2 の断面構成を模式的に示す図である。
図 9 (a) は、 本発明の第 2実施形態における第 2のガラス部了 が設けられたランプ 200の構成を示す断面図であり、 図 9 (b) は、 第 2のガラス部了の無いランプ 200' の構成を示す断面図で ある。
図 1 0は、 本発明のランプについて求めた麻力値の結果を示す棒 グラフである。
図 1 1 は、 本発明によるランプユニッ トの実施形態を示す断面図 である。 発明を実施する めの最良の形態
(実施形態 1 )
図 1 を参照しながら、 本発明による高圧水銀蒸気放電ランプの第
1 の実施形態を説明する。 図 1 は、 本実施形態の高圧水銀蒸気放電 ランプ 1 00の構成を示す断面図である。
本実施形態の高圧水銀蒸気放電ランプ 1 0〇は、 石英ガラスによ つて作られ 発光管 1 0 1 と、 発光管 1 0 1 から延在し 2つの側 管部 1 〇6とを備えている。
発光管 1 0 1 は、 放電スペースとして機能する内部空間を有して おり、 この内部空間の形状は略楕円体である。 発光管 1 0 1 の内部 空間には、 一対の電極 1 0 2が突出しており、 電極 1 0 2の先端が 所定の距離を置いて対向している。 一対の電極 1 0 2の間でアーク 放電が生じ、 アーク長は、 電極 1 0 2の先端の間隔によって規定さ れる。 なお、 発光管 1 0 1の内部空間には、 封入物質として、 水銀 3、 ハロゲン (不図示) 、 希ガス (不図示) が封入されている。 側管部 1 0 6は、 発光管 1 0 1からアーク長方向 (図 1 における 水平横方向) に平行に延びており、 発光管 1 0 1 の気密性を保持す る 「封止部 (シール部) 」 として機能する。 側管部 1 0 6には、 電 極 1 0 2の一部と、 電極 1 0 2に溶接された金属箔 1 0了と、 電極 1 0 2が溶接されている側の反対の側で金属箔 1 0了に溶接された 外部リード線 1 0 8の一部が埋設されている。 本実施形態における 電極 1 0 2はタングステンから形成され、 金属箔 1 〇了および外部 リード線 1 〇 8はモリブテンから形成されている。
発光管 1 〇 1の内部空間に突出している各電極 1 0 2の先端部分 には、 熱容鼉を大きくする めにタングステンコイルが巻かれてい る。
本明細書では、 点灯動作時におけるランプ電力を W [ヮッ卜] 、 発光管の内部空間における動作圧力を P [気圧] 、 発光管の内部空
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間の短半径を r s [mm] 、 発光管の内部空間の長半径を r 〗 [m ml ( r 1 ≥ r s) 、 発光管の内部空間を規定する膨部の肉厚を t [mm] と標記するる。 これらのパラメータを種々の大きさに設定 した 1 1種類のランプを作製し、 ランプ寿命点灯後初期のうちに破 損に至ったかどうかを評価した。 評価結果を、 以下の表 1に示す。 ランプが破損した場合を 「X」 、 破損しなかった場合を 「〇」 で示 してし、る。
【表 1】
(表 1 ) 内の動作圧力 P [気圧] は、 一般に用いられる次の経験 式 (式 1 ) で定義している。
【式 1】 封入水銀量 [mg]
動作圧力 P [気圧] ≡
発光管内容積 [cmd
(式 1 ) のように定義可能な理由は、 次のとおりである。
蒸発し 水銀蒸気で満たされている発光管内部の微小体積△ V s [m3] において、 理想気体の伏態方程式 P · AVs = An s · R · T sが成立する。 ここで、 Pは圧力 [P a:! 、 Δ n sは水銀量 [mo 〗 ] 、 Rは 8. 31 4 [ J/Mo I /K] 、 T sは温度
[K] である。
この式を、 P [気圧] 、 A n s [mg] 、 Δ V s [cm3] を用 いて書き換え、 全内容積にわたって積分 (ΣΔ η≡η) すると、 次 式が得られる。
【式 2】
η
Ρ = 4. 1 4 X 1 0— 4 '
厶 V s
T s
このとき、 発光管内水銀蒸気が場所に関係な <一定と仮定すれば, 【式 3】 η
Ρ = 4 4 X 1 0一4 · Τ
V
= A · (n/V) (∑ Δ V s≡ V) と表される。
発光管内水銀蒸気の温度は場所によって異なるが、 発光管内壁 I 負荷される圧力は各 Δ V sの圧力の荷重平均である。 このため、
△ Vsが均等分割されていると考えれば、 各 AVsにおける T s の発光管内容積に対する荷重平均鐘でもって (式 3) 中の Tを代用 することは妥当である。 一般にプロジェクタなどに用いられる電極 間距離 1. 〇〜2. Ommの高圧水銀蒸気放電ランプの発光管内温 度分布は放電中央部が 6000〜了 000 K、 発光管内壁表面温度 が 1 〇0〇〜1 500Κである。 このことから発光管内の荷重平均 温度は 20〇0〜3000Κと推定され、 この値を (式 3) の丁に 代入すれば、 定数 Α二 0. 828〜1. 242となり 1に近いこと から、 これが経験式 (式 1 ) の妥当性を説明する理由である。
(式 1 ) に示した破損評価は点灯後エージング中の 6時間以内に 破損したものを 「X」 と示した。 「X」 印のいずれのランプについ て、 破損後の残骸を確認し 。 発光管内表面にあ る石英ガラスに 失透や黒化などは生じていない。 ま 、 図 1の電極封止部 1 04 (電極 102と発光管 1 01 との境界付近) から亀裂が進展した様 子もなく、 いずれも発光管膨部 1 09の一部が破損の起点となって 真っ二つになって破損したことが推察された。
これらの評価結果に基づき、 我々は、 以下のことを見出した。 すなわち、 従来のようにランプ電力が 1 〇 0 [W] クラス、 点灯 時の動作圧力ち 2〇 0気圧前後であれば、 従来からの課題である堯 光管の失透、 黒化、 およびそれらに伴うランプ寿命の低下を抑制す るようにランプの構造を決定すればよかった。 しかし、 ランプ電力 が 200 [W] 以上に上昇し、 点灯時の動作圧力も、 これまでにな
い 2 5 0気圧以上に高められると、 ランプ点灯の初期段階における 発光管膨部中央の破損を防止することが重要になってきた。
このよラな新しい課題を解決する めには、 増大するランプ点灯 時の熱的負荷 ·圧力負荷に十分耐えうる発光管の機械的強度を確保 する めの新しいランプ設計の指針が必要である。
我々が着目したのは、 ランプの水平点灯時における発光管内壁に 生じる麻力である。 ランプ点灯時、 発光管内壁には、 熱的負荷によ る麻力 (熱麻力) と水銀蒸気の圧力による麻力とが組み合わさっ 麻力が発生している。 この熱麻力は、 発光管内の略中央に位置する 放電アーク 5が熱源となって生じる。 ランプ発光管部の温度分布は、 熱源で最大値を示し、 この熱源を中心におよそ同心状に石英ガラス 外表面に向かって徐々に減少する。 石英ガラス外表面では、 外気に 対する強い輻射放熱が生じるため、 石英ガラス内のランプ点灯時に おける熱麻力は、 内表面から外表面に向かって、 同心状に大きくな つていく。 この め、 発光管の外表面における熱麻力に対して内表 面における熱麻力は、 「圧縮」 麻力の傾向を示す。
一方、 圧力による麻力は、 ランプ点灯時における発光管内部に発 生する水銀蒸気圧によって発生する。 この麻力は、 発光管の内表面 で最も大きく、 外表面に向かって同心状に減少していく。
なお、 本明細書における 「水平点灯」 とは、 発光管の略楕円体形 状の内部空間の長半径方向 (二アーク長方向) が、 地上に対して略 水平になる状態でランプが動作することを意味する。 例えばプロジ ェクタに甩いられるランプュニヅ卜では、 発光管 1 0 1からの光を
反射する反射鏡と、 水平点灯を行うランプとが組み合わせて用いら れることがある。 高圧水銀蒸気放電ランプの水平点灯は、 プロジェ クタの光源として用いられる場合に限定されず、 照明用のランプと して使用される場合にも行われ得る。
図 2 ( a ) および (b ) は、 図 1 に示す構成を有する高圧水銀蒸 気放電ランプにおける発光管に発生する麻力の分布の一例を模式的 に示す。 図 2 ( a ) のグラフには、 発光管膨部 1 0 9の肉厚部分に 生じている熱麻力、 圧力による麻力、 それらの和として最終的に生 じる l 力が示されている。 グラフの横軸は、 発光管の内表面 aから 外表面 bに向かう直線上の位置を示し、 縦軸は、 麻力の相対値を示 している。 正の応力は引張麻力、 負の麻力は圧縮^力を表している c 図 2からわかるように、 熱麻力は、 内表面 aにおいて負の極性を 示す (圧縮麻力) が、 内表面 aから離れて外表面 bに近づくにつれ て熱庙力は正の方向に増加する。 熱麻力の極性は、 内表面 aと外表 面 bとの間で 「正」 に変化し、 外表面 bの近傍では引張応力になる ( これに対して、 圧力による ¾力は、 内表面 aで最大となり、 内表面 aから外表面 bに向かって低下しているが、 内表面 aから外表面 b までの全範囲で正の極性を示し、 常に引張麻力の状態にある。
石英ガラスの内部に生じる麻力は、 上記二つの麻力の和である。 図 2からわかるよ に、 熱麻力および圧力にょる庙力の勾配は、 発 光管の内表面 aで最も大きく、 極性は反対である。 発光管の内表面 aに生じる麻力は、 熱麻力の絶対値と圧力による麻力の絶対値との 差によって規定されるため、 これらの麻力の変化に極めて敏感であ
る。 従って、 発光管の形状をどのように設計するかによって、 発光 管の内表面 aに生じる麻力は大きく変化し、 発光管膨部の割れ易さ が決まる。
そこで我々は、 破損時に亀裂の起点となっていると推測される発 光管膨部 1 09における ¾カ值に着目し、 ランプ点灯時に発光管内 壁表面に生じる応力值を、 汎用有限要素法構造解析プログラム (F i n i t e E l em e n t M e t h o d ) を利用して計算し;^ この計算の手順を以下に述べる。
図 3は、 F EMに用い モデルの一例を示している。 このモデル では、 小さな楕円体の中空を内部に含む相対的に大きな楕円体によ つて構成される発光管を計算の対象としている。 図 3には、 発光管 の 8分の 1の部分の断面が示されている。
F EMに用いた上記モデルの形状を規定するパラメータは、 発光 管内部短半径「 s [mm] 、 発光管内部長半径 r 〗 [mm] 、 及び、 発光管膨部肉厚 t [mm] である。 ここで、 r s≤「 1 の関係を与 えている。
図 1 に示す電極 1 02は、 モデルに含めず省略している。 破損時 の様子からみて、 図 1の電極封止部 1 04が亀裂の起点になってい ない め、 應力の計算上、 無視できると判断したためである。 この ため、 放電容器である発光管部のみの麻力分布が発光管形状にどの ような相関関係を持つのかを明確にするモデルを採用し 。
実際のランプは、 図 1 に示すように、 側管部 1 06 (図 1参照) を有している。 この側管部 1 06の形状がランプ各部温度分布ゃ¾
力分布に影響を与えることも考えられる。 S. Na k aoらの文献 (S. N a k a o他 : I DW' 〇0予稿集 LAD 2— 4) によれば、 側管部 1 〇 6の形状がゆや複雑な場合に、 当該部分に集中する麻力 が側管部 1 06の形状に依存する。 このことは、 側管部 1 06がラ ンプ破損の亀裂の起点になることを想定しており、 上記文献に記載 されている破損は、 本発明の課題である発光管膨部の破損とは異な る現象である。 本発明は、 側管部 1 06における破損の問題を解決 したランプにおいて特に重要な効果をもたらす。
我々が行った上記計算における設定条件を更に述べる。 この計算 ば、 モデル作成後、 まず石英ガラス内に発生する温度分布を計算し 。 そして、 その結果を用いて、 l 力分布を計算した。 これは、 熱 一構造練成解析の通常の手順に従っている。
最初の温度分布の計算に用いた設定条件は、 次の通りである。 す なわち、 ランプ点灯時に、 投入し エネルギのうち、 熱エネルギー として消費される部分を、 発光管の内壁全表面に一様に分配した。 ランプ点灯時に熱エネルギーとして消費される割合は、 全消費エネ ルギ一 (二ランプ電力) の 30%>とし (E L ENBAAS : 「T HE H I GH PRESSURE MERCURY VAPOU R D I SCHARGEJ 、 NORTH- HOL LAND PUB L I SH I NG COMPAN丫、 1 951 ) 。
発光管の内表面および外表面では、 輻射放熱を考慮し、 モデルの 最外郭には空気領域を設けた。 ただし、 空気領域における対流は無 視した。
実際のランプでは、 発光管内部に対流を生じる水銀蒸気領域が存 在するが、 ランプ点灯時の熱エネルギーがランプ電力の 30%とし、 う値を採用することによって、 水銀蒸気領域を設定する必要はなく なる。 よって、 本モデルでは、 水銀蒸気領域は設定していない。 石英ガラスの密度は 2200 [ k g/m3] 、 比熱は 1 1 52.
55 [JZk gK] 、 熱伝導率は 1. 7 [W/mK] とし 。
麻力分布の計算を行 ための設定条件は、 次の通りである。 すな わち、 モデル各部の温度が室温 (1 8 ) から上昇することによつ て発生する熱麻力と、 発光管の内壁表面に対して一様に及 ^動作圧 力とに基づいて計算した。 温度の上昇は、 先に計算で得られた温度 分布に基づいて決定した。 麻力の計算に必要な、 物理的なパラメ一 夕については、 石英ガラスのヤング率を了 31 00 [N/mm2] 、 ポアソン比を 0. 1 了、 線膨張係数を 5. 6X1 0—7に設定した。 ランプ電力 Wは 1 50、 200, 300 [W] の 3条件、 動作圧 力 Pは 250、 350、 450 [気圧] の 3条件、 発光管内部短半 径 r sは 1. 5、 2. 5、 3. 5 [mm] の 3条件、 発光管内部長 半径 r l は 1. 5、 2. 5、 3. 5、 4. 5、 5. 5、 6. 5 [m m] の中から r s≤ r I を満 す最小値から順に 4条件、 発光管膨 部肉厚 tは 2、 4 [mm] の 2条件で行っ 。 r s二 r I となる中 空真円球の場合も含め、 計 21 6通りの条件について計算を行っ c 図 4は、 計算結果の一例を示すグラフである。 図 4に示す計算結 果は、 ランプ電力 W二 200 [W] 、 動作圧力 P二 350 [気圧] , 発光管内部短半径 r s二 1. 5 [mm] 、 発光管内部長半径 r 】 二
1. 5、 2. 5、 3. 5、 4. 5 [mm] 、 肉厚 t二 2 [mm] と し 場合に得られ ものである。
図 4のグラフの横軸は、 「肉厚位置 [mm] 」 を示している。 こ の肉厚位置は、 図 3のモデルの原点座標をゼロとし、 発光管膨部の 内表面から外表面に かう直線上における原点からの距離 (位置) を表している。 グラフの縦軸は、 ランプ点灯時の麻力 [NZmm 2] (熱麻力と圧力による麻力の和) を表している。 ここで、 麻力 の正値は引張麻力を表し、 負値は圧縮疝力を表す。
図 4からわかるように、 ランプ電力 W、 動作圧力 P、 発光管内部 短半径 r s、 発光管膨部肉厚 tが同じ場合であっても、 発光管内部 長半径 r 〗が異なると、 庙カ分布が異なる。 麻力の儘の発光管内部 長半径「 1 への依存度は、 発光管の内表面で最も強い。
図 4に結果を示し 条件以外の条件においてち、 図 4に示す傾向 と同様の傾向が観察された。 図 5のグラフは、 ランプ電力 W二 1 5 0 [W] 、 動作圧力 P = 450 [気圧] 、 発光管内部短半径「 s二 1. 5 [mm] 、 発光管内部長半径「 】 ニ1. 5、 2. 5、 3. 5. 4. 5 [mm] 、 肉厚 t =4 [mm] の場合に得られ 計算結果を 示している。 図 5に示される麻力分布についてち、 図 4に示される 麻力分布と同様の傾向が観察される。
図 6は、 図 4のデータに基づいて作成したグラフであり、 発光管 の内表面 (肉厚位置 : 1. 5 mm) における麻力の r 〗 依存性を示 している。 図 6のグラフ中の実線は、 回帰曲線を示している め、 ランプ電力 W、 動作圧力 P、 発光管内部短半径 r s、 発光管膨部肉
厚 tを固定し とき、 所望の発光管の内表面における^力を所望の 大きさにする めに必要な発光管内部長半径 r 1が求められる。 す ベての計算結果ついても、 同様の整理を行っ 。
(表 1 ) に示すランプ 1〜1 〇についても、 各パラメータ (ラン プ電力 W、 動作圧力 P、 発光管内部短半径 r s、 発光管内部長半径 r I、 発光管膨部肉厚 t) をもとに、 F EMプログラムを用いて、 発光管の内表面における麻力値を計算した。 計算結果と、 そのとき の破損評価結果を並べて (表 2) に示す。
【表 2】 ランブ No. 1 2 3 4 5
応力 [N/mm2] 5.45 1.32 5.36 1.95 10.48
破損評価 X 〇 〇 〇 X ランプ No. 6 7 8 9 10 11 応力 [N/mm2] 4.46 -13.21 -5.86 10.32 -7.28 -5.31 破損評価 〇 O o X O 〇 表 2から、 発光管膨部の内表面に生じる麻力が、 5 [N/mm 2] 前後で破損が生じる。 言い換えると、 発光管膨部の内表面に生 じる麻力を 5 [N/mm2] 以下に抑えられれば、 破損を防止でき る可能性が高まる。 そこで、 先に行った全ての計算結果を用い、 発光管膨部内表面に 生じる麻力が 5 [N/mm2] 以下となる めの重回帰式を求めた < ここで、 r 1を目的変数として、 W、 P、 r s、 tを説明変数とし た。
例えば、 図 6のグラフに示すランプの場合、 発光管膨部内表面に 生じる) S力が 5 [N/mm2] となる「 1は、 回帰曲線より、 2. 46 [mm] であることがわかる。 これは、 図 4のグラフについて 説明したとおり、 W二 20〇 [W] 、 動作圧力 P二 350 [気圧] 、 発光管内部短半径 r s = 1. 5 [mm] 、 肉厚 t二 2 [mm] の時 のランプに関する値である。 このようなセッ 卜を全て抽出し、 重回 帰分析を行えばよい。
発光管膨部内表面に生じる応力が引張麻力 5 [NZmm2] 以下 となる めの重回帰式として、 (式 4) が得られた。
【式 4】
r 1 ≤ 0. 0 1 0 3 XW— 0. 0 0 5 6 2 X P
一 0. 3 1 6 X r s + 0. 6 1 5 X t + 1 . 9 3 重回帰分析の重相関係数は〇. 90であっ 。 つまり、 F EM計 算によって得られた実績値は、 (式 4) において計算される理論鐘 によって十分な精度で表現されることが明らかとなった。
なお、 本発明では、 ランプ電力 W≥ 1 50 [ヮッ卜] 、 動作圧力 ガラス肉厚 P≥250 [気圧] 、 及び t≤5 [mm] の関係を満足 するとともに、 (式 4) を満足するように高圧水銀蒸気放電ランプ を設計する。
(式 4) を満だすランプ電力 W、 動作圧力 P、 発光管内部短半径 r s、 発光管膨部肉厚 t、 発光管内部長半径「 〗 の組み合わせとす ることにより、 ランプ電力 Wの増加および動作圧力 Pの上昇に対し, ランプ寿命点灯後初期のうちに発光管膨部の一部が起点となり、 左
405
右真二つに割ったように破損する現象を抑制することが可能となる わけであるが、 ランプ実用面からすると、 ランプ長寿命化も合わせ て実現する必要がある。
そこで、 (表 1 ) に示す 1 1種類のランプについて、 寿命試験を 行っ 。 点灯のベ時間 1 0 0 0時間までの点滅点灯試験において、 点灯試験中に発生する石英ガラス発光管の破損、 極端な変形の吠態 を目視にて評価した。 評価結果を (表 3 ) に示す。 まだ、 各ランプ について、 前述し F E M計算を行っ 際に得られ 温度分布に基 づし、て、 発光管膨部内表面の温度 (水平点灯の場合において、 上側 部に相当) を算出し 。 この結果も表 3に示している。
【表 3】
ここで寿命評価の判断基準は、 「〇」 は、 わずかな変形のみ、
「X」 は、 極端な変形を生じて破損に至っ もの、 「△」 は、 変形 は生じ が破損しなかっ ものである。
ここでの前述した F E M計算を行った際にあらかじめ得だ温度分 布の結果から、 発光管膨部内表面の温度を算出した方法について述 ベる。 前述し 計 2 1 6種類の各温度分布計算結果から発光管膨部 内表面の温度 Tを抽出し、 目的変数を温度 T、 説明変数を W、 r s、
r 1、 tとして先と同様重回帰分析により重回帰式を求めた。 前述 したよ に結果としての熱エネルギーを発光管内部表面に直接設定 しているので、 温度 Tは水銀蒸気の動作圧力 Pには依存しない。 得 られた重回帰式は (式 5) となっ 。
【式 5】
T = 4. 4 7 XW- 2 4 4 X r s
- l l l X r l - 4 0. 2 X t + 1 7 8 8 重回帰分析の重相関係数は 0. 96であった。 (式 5) を用いて 得た (表 3) の結果をみると、 寿命評価が 「〇」 となるか否かは発 光管膨部内表面温度 1 65 TC前後が、 寿命特性を左右する閾値で あることが推察される。 1 650°Cという数字は一般に言われる石 英ガラスの軟化点温度に近い。 通常ならランプは早期に変形を生じ ると考えられるが、 同時に内部最表面に生じる圧縮麻力が変形を抑 制する方向に働いていると考えられる (ランプ No. 8、 1 1 ) 。 そこで、 (式 4) に示し 各パラメータの組み合わせに加えて、 膨部内表面温度は 1 65 O :以下が望ましいという観点から、 (式 5) から以下の (式 6) を得た。
【式 6】
T = 4. 4 7 XW- 2 44 X r s
- 1 1 l X r 1 - 4 0. 2 X t + 1 7 8 8 ≤ 1 6 5 0 の (式 6) を更に変形して以下の (式了) を得た t
【式了】
24 4 X r s + l l l X r l + 4 0. 2 X t
≥ 4. 47 XW+ 1 3 8
(式 4) および (式 7) を同時に満足するようにランプ電力 W、 動作圧力 P、 発光管内部短半径 r s、 発光管膨部肉厚 t、 発光管内 部長半径「 〗 を適切に設定することにより、 ランプ電力 Wが増加し、 動作圧力 Pが高くなつてち、 ランプ寿命点灯後初期に発光管膨部の 一部が起点となって左右真二つに割れる現象をより確実に抑制でき、 長寿命化の実現が容易になる。
発光管膨部の内壁表面における引張応力を 5 [N/mm2] 以下 することは、 ランプ電力 Wが低く、 かつ動作圧力 Pが低い条件のも とでは比較的簡単に実現できる。 逆に、 動作圧力 Wが高くなると (1 50ヮッ ト以上、 更には 200ヮッ卜以上) 、 発光管膨部の内 表面に生じる圧力による応力 (図 2参照) が増大し、 発光管膨部の 内壁表面における引張麻力を 5 [N/mm2] 以下にすることが非 常に困難になる。
一方、 内表面における熱廂力の最小値と外表面における熱麻力の 最大値の差は、 両表面間の温度差によって決定される。 ランプにお いて同じ熱エネルギーをちつてこの温度差を付けようとするならば、 肉厚を厚くすればよい。 低動作圧力の場合は発光管膨部内表面の圧 力による麻力 (引張麻力) が小さいため、 発光管強度を維持するだ めの圧縮方向の熱麻力の必要性も少な <、 したがって肉厚 tを厚く する必要も少ない。 加えてランプ電力 Wが低いと、 熱として消費さ
れるエネルギー量も少ない^め、 発光管内表面が軟化点温度に近く なることちほとんどなく、 形状設計における自由度は多し、。 それに 比較して、 ランプ電力 Wが 1 5 0ヮッ卜以上、 動作圧力 Pが 2 5 0 気圧以上になると、 増大する発光管膨部内表面の圧力による麻力 (引張麻力) を緩和する めに、 熱 力によってバランスをとる必 要がある。 しかし、 発光管の肉厚 tが 5 m mを超えて厚くなること は、 ランプの小型輊量化を阻み、 また、 ガラスの光透過率を低下さ せることになる め、 好ましくない。
このように、 高圧水銀蒸気放電ランプのランプ電力 Wおよび動作 圧力 Pが増加すると、 設計の自由度が少なくなり、 安全で長寿命な ランプを提供することが困難になる め、 今後益々、 本発明の効杲 が重要になってくる。
なお、 上記計算結果および実験結果は、 ランプ電力 Wが 1 5 0 [W] 以上の場合に得られたものであるが、 ランプ電力 Wが 2 0〇 [W] 以上の場合に、 本発明は更に有益な効果をち らす。 また、 動作圧力 Pが 2 5 0気圧以上である場合は、 発光管と側管部との境 界部での亀裂も生じやすくなる。 このような亀裂を抑制するために は、 以下に説明する実施形態 2の構成を採用することが好ましい。 本発明は、 実施形態 2に示すよ な構成を採用することにより、 膨 部中央での破損が最も重要な問題になる場合に特に有益な効果をち らすといえる。
(実施形態 2 )
次に、 図 8から図 1 0を参照しながら、 本発明による高圧水銀蒸 気放電ランプの第 2の実施形態を説明する。
本実施形態の高圧水銀蒸気放電ランプは、 実施形態 1 について説 明した設計手法で設計された構造を有するとともに、 これに加えて, 発光管と側管部との境界部分での割れを抑制する構造を備えている t 図 8 ( a ) および (b ) は、 本実施形態の高圧水銀蒸気放電ラン プ 2〇〇の構成を模式的に示している。 本実施形態のランプ 2 0〇 は、 発光物質 6が封入される発光管 1 と、 発光管 1から延在した側 管部 2とを備えている。 図 8 ( a ) は、 ランプ 2 0 0の全体構成を 模式的に示しており、 図 8 ( b ) は、 図 8 ( a ) 中の線 b— b線に おける発光管 1 0 1側から見た側管部 2の断面構成を模式的に示し てし、る。
ランプ 2 0 0の側管部 2は、 発光管 1の内部 1 0の気密性を保持 する 「封止部」 として機能する。 ランプ 2 0 0は、 2つの側管部 2 を備えたダブルェンド型のランプである。
本実施形態における側管部 2は、 発光管 1から延在した略円筒状 の第 1 のガラス部 8と、 第 1 のガラス部 8の内側 (中心側) の少な くとち一部に設けられた第 2のガラス部了とを有している。 また、 側管部 2は、 圧縮庙力が印加されている部位 7を有しており、 本実 施形態において、 圧縮麻力が印加されている部位は、 第 2のガラス 部 7に相当する部分である。 側管部 2の断面形状は、 囡8 ( b ) に 示すように、 略円形であり、 側管部 2内に、 ランプ電力を供給する
ための金属部 4が設けられている。 この金属部 4の一部は、 第 2の ガラス部 7と接しており、 本実施形態では、 第 2のガラス 7の中心 部に金属部 4が位置している。 第 2のガラス 7は、 側管部 2の中心 部に位置しており、 第 2のガラス部 7の外周は、 第 1 のガラス部 8 によって覆われている。
本実施形態のランプ 2 0 0に対して、 光弾性効果を利用した鋭敏 色板法による歪み測定を実行して、 側管部 2を観察すると、 第 2の ガラス部 7に相当する部分に圧縮 ¾力が存在していることが確認さ れる。 鋭敏色板法による歪み測定では、 ランプ 2 0 0の形状を維持 したまま、 側管部 2を輪切り伏にした断面内の歪み (麻力) の観測 を行うことができないのであるが、 第 2のガラス部 7に相当する部 分に圧縮麻力が観測されたということは、 第 2のガラス部 7の全体 または大半に圧縮麻力が印加されている場合の他、 第 2のガラス部 了と第 1ガラス部 8との境界部に圧縮麻力が印加されている場合、 第 2ガラス部了のうちの第 1のガラス部 8側の部分、 まだは、 第 1 ガラス部 8のうちの第 2のガラス部了側の部分に圧縮麻力が印加さ れている場合のいずれか又はそれらが複合し 形で、 側管部 2の一 部に圧縮¾力が印加されているということになる。 ま 、 この測定 では、 側管部 2の長手方向に圧縮する麻力 (または歪み) は積分値 で観測される。
側管部 2における第 1 のガラス部 8は、 S 1 〇2を9 9重量%>以 上含 ものであり、 例えば、 石英ガラスから構成されている。 一方, 第 2のガラス部了は、 1 5重量%以下の A 2〇3および 4重量%
以下の Bのうちの少なくとち一方と、 S i 〇2とを含 ものであり、 例えば、 バイコールガラスから構成されている。 S i 〇2に A 1 2 03ゆ Bを添加すると、 ガラスの軟化点は下げるため、 第 2のガラ ス部 7の軟化点は、 第 1のガラス部 8の軟化点温度よりも低い。 な お、 バイコールガラス (V y c o r g l a s :商品名) とは、 石 英ガラスに添加物を混入させて軟化点を下げて、 石英ガラスよりも 加工性を向上させたガラスであり、 例えば、 ホウケィ酸ガラスを 熱 ·化学処理して、 石英の特性に近づけることによって作製するこ とができる。 バイコールガラスの組成は、 例えば、 シリカ (S i O 2) 96. 5重量%>、 アルミナ (A〗 203) 0. 5重量%»、 ホウ素 (B) 3重量%である。 本実施形態では、 バイコールガラス製のガ ラス管から、 第 2のガラス部了は形成されている。 なお、 バイコー ル製のガラス管の代わりに、 S i〇2 : 62重量%、 A 1 203 : 1 3. 8重量%、 C u O : 23. 了重量%»を成分とするガラス管を用 いてち良い。
側管部 2の一部に印加されている圧縮麻力は、 実質的にゼロ (す なわち、 O k g f Zcm2) を超え ちのであればよい。 なお、 こ の圧縮^力は、 ランプが点灯していない状態のものである。 この圧 縮麻力の存在により、 従来の構造よりち耐圧強度を向上させること ができる。 この圧縮 ¾力は、 約 1 〇 k g f Z c m2以上 (約 9. 8 X1 〇5NZm2以上) であることが好ましい。 そして、 約 50 k g f /cm2以下 (約 4. 9 X1 06NZm2以下) であることが好 ましい。 1 0 k g f / c m 2未満であると、 圧縮歪みが弱く、 ラン
プの耐圧強度を十分に上げられない場合が生じ得るからである。 そ して、 50 k g f / c m2を超えるような構成にするには、 それを 実現させるのに、 実用的なガラス材料が存在しないからである。 だし、 1 〇 k g f Z c m 2未満であっても、 実質的に Oの値を超え れば、 従来の構造よりも耐圧を上げることができ、 また、 50 k g f / c m2を超えるよ な構成を実現できる実用的な材料が開発さ れ ならば、 50 k gZ c m2を超える圧縮麻力を第 2のガラス部 了が有していてもよい。
ランプ 200を歪検査器で観測した結果から推測すると、 第 1の ガラス部 8と第 2のガラス部了との間の境界周辺には、 両者の圧縮 麻力の差によって生じ 歪み境界領域 20が存在していると思われ る。 このことは、 圧縮 ¾力は、 専ら、 第 2のガラス部 7 (ま は、 第 2のガラス部了の外周近傍領域) に存在しており、 第 1のガラス 部 8全体には、 第 2のガラス部 7の圧縮麻力がそれほど (または、 ほとんど) 伝わってないことを意味していると考えられる。 両者 (8、 了) の圧縮 ¾力の差は、 例えば、 約 1 0 k g f / cm2から 約 50 k g f / c m2の範囲内となり得る。
ランプ 200の発光管 1 は、 略球形をしており、 第 1のガラス部 8と同様に、 石英ガラスから構成されている。 なお、 長寿命などの 優れ 特性を発揮する高圧水銀ランプ (特に、 超高圧水銀ランプ) を実現する上では、 発光管 1 を構成する石英ガラスとして、 アル力 リ金属不純物レベルの低い (例えば、 1 p p m以下) 高純度の石英 ガラスを用いることが好ましい。 なお、 勿論、 通常のアルカリ金属
不純物レベルの石英ガラスを用いることも可能である。 発光管 1の 外径は例えば 5mm〜20mm程度であり、 発光管 1のガラス厚は 例えば 1 mm〜5mm程度である。 発光管 1 内の放電空間 (1 0) の容積は、 例えば〇. 01〜1 c c程度 (0. 〇 1〜1 c m3) で ある。 本実施形態では、 外径 9mm程度、 内径 4mm程度、 放電空 間の容量 0. 06 c c程度の発光管 1 が用いられる。
発光管 1内には、 一対の電極棒 (電極) 3が互いに対向して配置 されている。 電極棒 3の先端は、 0. 2〜5mm程度 (例えば、 〇. 6〜1. 〇mm) の間隔 (アーク長) Dで、 発光管 1 内に配置され ており、 電極棒 3のそれぞれは、 タングステン (W) から構成され ている。 電極棒 3の先端には、 ランプ動作時における電極先端温度 を低下させることを目的として、 コイル 1 2が巻かれている。 本実 施形態では、 コイル 1 2として、 タングステン製のコイルを用いて いるが、 トリウム一タングステン製のコイルを用いてもよい。 また, 電極棒 3も、 タングステン棒だけでなく、 卜リウ厶ータングステン から構成されだ棒を使用してちょい。
発光管 1 内には、 発光物質として、 水銀 6が封入されている。 超 高圧水銀ランプとしてランプ 200を動作させる場合、 水銀 6は、 例えば、 2〇0m gZc c程度ま はそれ以上 (220mgZc c 以上または 23〇m g/ c c以上、 あるいは 250 m g Z c c以 上)、 好ましくは、 300m gZ c c程度ま はそれ以上 (例えば, 300m g/c c〜50〇m gZ c c) の水銀と、 5〜3〇 k P a の希ガス (例えば、 アルゴン) と、 必要に麻じて、 少量のハロゲン
とが発光管 1内に封入されている。
発光管 1内に封入される八ロゲンは、 ランプ動作中に電極棒 3か ら蒸発し W (タングステン) を再び電極棒 3に戻す八ロゲンサイ クルの役割を担っており、 例えば、 臭素である。 封入する八ロゲン は、 単体の形態だけでなく、 ハロゲン前駆体の形態 (化合物の形 態) のものでもよく、 本実施形態では、 ハロゲンを CH2B r 2の 形態で発光管 1 0内に導入している。 また、 本実施形態における C H2B r 2の封入量は、 0. 001 了〜〇. 1 了 mg/c c程度で あり、 これは、 ランプ動作時のハロゲン原子密度に換算すると、 〇. 01〜1 imo 1 /c c程度に相当する。 なお、 ランプ 200の耐 圧強度 (動作圧力) は、 20MP a以上 (例えば、 30〜5〇MP a程度、 ま はそれ以上) にすることができる。 ま 、 管壁負荷は, 例えば、 6 OWZ cm2程度以上であり、 特に上限は設定されない < 例示的に示すと、 管壁負荷は、 例えば、 6 OW/ cm2程度以上か ら、 30 OWZc m2程度の範囲 (好ましくは、 80〜20〇WZ cm2程度) のランプを実現することができる。 冷却手段を設けれ ぱ、 30 OW/ c m2程度以上の管壁負荷を達成することも可能で ある。 なお、 定格電力は、 例えば、 1 5〇W (その場合の管壁負荷 は、 約 1 3 OW/ cm2に相当) である。
放電空間 1 0内に一端が位置する電極棒 3は、 側管部 2内に設け られた金属箔 4に溶接により接続されており、 金属箔 4の少なくと も一部は、 第 2のガラス部了内に位置している。 図 8に示した構成 では、 電極棒 3と金属箔 4との接続部を含 箇所を、 第 2のガラス
部 7が覆うような構成にしている。 図 8に示し 構成における第 2 のガラス部了の寸法を例示すると、 側管部 2の長手方向の長さで、 約 2〜20mm (例えば、 3mm、 5mm、 7 mm) であり、 第 1 のガラス部 8と金属箔 4との間に挟まっている第 2のガラス部 7の 厚さは、 約 0. 01〜2mm (例えば、 0. 1 mm) である。 第 2 のガラス部 7の発光管 1側の端面から、 発光管 1の放電空間 1 〇ま での距離 Hは、 約 Omm〜約 6mm (例えば、 Omm〜約 3mm、 ま は、 1 mm~6mm) である。 第 2のガラス部了を放電空間 1 0内に露出させ くない場合には、 距離 Hは Ommよりも大き <な り、 例えば、 1 mm以上となる。 そして、 金属箔 4の発光管 1側の 端面から、 発光管 1の放電空間 1 〇までの距離 B (言い換えると、 電極棒 3だけで側管部 2内に埋まっている長さ) は、 例えば、 約 3 mmである。
上述し ょラに、 側管部 2の断面形状は、 略円形であり、 その略 中央部に金属箔 4が設けられている。 金属箔 4は、 例えば、 矩形の モリブデン箔 (Mo箔) であり、 金属箔 4の幅 (短辺側の長さ) は、 例えば、 1. 0mm〜2. 5mm程度 (好ましくは、 1. 〇mm〜 1. 5mm程度) である。 金属箔 4の厚さは、 例えば、 1 5wm〜 3〇 m程度 (好ましくは、 1 5 m〜20 m程度) である。 厚 さと幅との比は、 だい い 1 : 1 0〇程度になっている。 また、 金 属箔 4の長さ (長辺側の長さ) は、 例えば、 5 〜50|71111程度 である。
電極棒 3が位置する側と反対側には、 外部リード 5が溶接により
設けられている。 金属箔 4のうち、 電極棒 3が接続された側と反対 側には、 外部リード 5が接続されており、 外部リード 5の一端は、 側管部 2の外まで延びている。 外部リード 5を点灯回路 (不図示) に電気的に接続することにより、 点灯回路と、 一対の電極棒 3とが 電気的に接続されることになる。 側管部 2は、 封止部のガラス部 (了、 8 ) と金属箔 4とを圧着させて、 発光管 1 内の放電空間 1 0 の気密を保持する役割を果たしている。 側管部 2によるシール機構 を以下に簡単に説明する。
側管部 2のガラス部を構成する材料と、 金属箔 4を構成するモリ ブデンとは互いに熱膨張係数が異なるので、 熱膨張係数の観点から みると、 両者は、 一体化され 状態にはならない。 だし、 本構成 (箔封止) の場合、 封止部のガラス部からの圧力により、 金属箔 4 が塑性変形を起こして、 両者の間に生じる隙間を埋めることができ る。 それによつて、 側管部 2のガラス部と金属箔 4とを互いに圧着 させた状態にすることができ、 側管部 2で発光管 1 内のシールを行 うことができる。 すなわち、 側管部 2のガラス部と金属箔 4との圧 着による箔封止によって、 側管部 2のシールは行われている。 本実 施形態では、 圧縮歪みのある第 2のガラス部了が設けられているの で、 このシール構造の信頼性が向上されている。
次に、 側管部 2における圧縮歪みについて説明する。 図 9 ( a ) および (b ) は、 側管部 2の長手方向 (電極軸方向) に沿っ 圧縮 歪みの分巿を模式的に示しており、 図 9 ( a ) は、 第 2のガラス部 了が設けられ ランプ 2 0 0の構成の場合、 一方、 図 9 ( b ) は、
第 2のガラス部 7の無いランプ 2 0 0 ' の構成 (参考例) の場合を 示している。
図 9 ( a ) に示し 側管部 2のうち、 第 2のガラス部 7に相当す る領域 (網掛け領域) に圧縮麻力 (圧縮歪み) が存在し、 第 1のガ ラス部 8の箇所 (斜線領域) における圧縮 JiSi力の大きさは、 実質的 にゼロである。 一方、 図 9 ( b ) に示すように、 第 2のガラス部了 の無い側管部 2の場合、 局所的に圧縮歪みが存在している箇所はな <、 第 1のガラス部 8の圧縮^力の大きさは、 実質的にゼロである 本願発明者は、 実際にランプ 2 0 0の歪みを定量的に測定し、 側 管部 2のろち第 2のガラス部了に圧縮麻力が存在することを観測し た。 この歪みの定量化は、 光弾性効果を利用し 鋭敏色板法を用い て行うことができる。 この手法によると、 歪み (麻力) のある箇所 の色が変化して見え、 その色を歪み標準器と比較して歪みの大きさ を定量化することができる。 つまり、 測定したい歪みの色と同色の 光路差を読みとることで、 力を算出することができる。 歪みの定 量化のために使用した測定器は、 歪検査器 (東芝製: S V P— 2 0 0 ) であり、 この歪検査器を用いると、 側管部 2の圧縮歪みの大き さを.、 側管部 2に印加されている 力の平均値として求めることが できる。
本願発明者は、 側管部 2における光の透過距離し、 すなわち、 側 管部 2の外径 Lを測定し、 そして、 歪み標準器を用いて、 測定時の 側管部 2の色から光路差 Rを読みとつた。 また、 光弾性常数 Cは、 石英ガラスの光弾性常数 3. 5を使用し 。 これらを上記式に代入
し、 算出された麻力値の結果を図 "1 〇の棒グラフに示す。
図 1 〇に示すように、 麻力が〇 [ k g f Z c m2] であったラン プ本数は、 〇本であり、 1 〇. 2 [ k g f / cm2] であったラン プ本数は、 43本であり、 20. 4 [ k g f /c m2] であったラ ンプ本数は、 1 7本であり、 そして、 35. 7 [ k g f /c m2] であっ ランプ本数は、 0本であった。
—方、 参考例のランプ 200' の場合、 測定した全てのランプに ついて、 麻力は、 0 [ k g f Z c m2] であっ 。 なお、 測定原理 上、 側管部 2に印加されている麻力の平均値から、 側管部 2の圧縮 麻力を算定したが、 第 2のガラス部了を設けることで側管部 2の一 部に圧縮麻力が印加された状態になることは、 図 1 〇の結果より容 易に結論付けることができる。 なぜならば、 参考例のランプ 20 0' については、 側管部 2に圧縮麻力は存在しなかったからである ( また、 m 1 ◦は、 離散的な庙力値を示しているが、 これは、 歪み標 準器から読み取る光路差が離散的なちのであることに起因している : 従って、 應カ値が離散的なのは、 鋭敏色板法による歪み測定の原理 によるものである。 実際には、 例えば、 1 0. 2 [ k g f c m 2] と 20. 4 [ k g f / c m2] との間の值を示す麻力値も存在 するちのと思われるが、 第 2のガラス部了もしくは第 2のガラス部 7の外周周辺領域に、 所定量の圧縮麻力が存在していることにはか わりなし、。
なお、 本測定では、 側管部 2の長手方向 (電極軸 3が延びる方 向) についての麻力を観察したが、 このことは、 他の方向において
、
圧縮麻力が存在していないことを意味するものではない。 側管部 2 の径方向 (中心一外周方向)、 または、 側管部 2の周方向 (例えば、 時計周り方向) について圧縮麻力が存在しているかどうかを測定す るには、 発光管 1ゆ側管部 2を切断する必要があるのであるが、 そ のよラな切断を行つ と ん、 第 2のガラス部了の圧縮 ¾力が緩和 されてしまう。 従って、 ランプ 200に対して切断を行わない状態 で測定できるのは、 側管部 2の長手方向についての圧縮麻力である だめ、 本願発明者は、 少なくとち、 その方向での圧縮麻力を定量化 したのである。
本実施形態のランプ 200では、 第 1のガラス部 8の内側の少な くとも一部に設けられだ第 2のガラス部 7に圧縮歪み (少なくとも 長手方向への圧縮歪み) が存在しているので、 高圧放電ランプの耐 圧強度を向上させることができる。 言い換えると、 図 8および図 9 (a) に示し 本実施形態のランプ 200の方が、 図 9 (b) に示 した参考例のランプ 200' よりも、 耐圧強度を高くすることがで きる。 図 8に示した本実施形態のランプ 20〇は、 従来の最高レべ ルの動作圧である 2 OMP a程度を超える、 3〇MP a以上の動作 圧で動作させることが可能である。 (実施形態 3)
次に、 図 1 1 を参照しながら、 本発明によるランプュニッ 卜の実 施形態を説明する。 本実施形態では、 前述のランプ 1 0〇および 2
〇〇が、 反射鏡と組み合わせられ、 ミラー付きランプま はランプ ュニッ卜を構成している。
m i 1 は、 本発明の実施形態であるランプ 2 0 0を備え ミラー 付きランプ 9〇〇の断面を模式的に示している。 ミラー付ランプ 9 0 0は、 略球形の発光管 1 と一対の側管部 2とを有するランプ 2 0 0と、 ランプ 2 0 0から発せられ 光を反射する反射鏡 6〇とを備 えている。 なお、 ランプ 2 0 0は、 例示であり、 ランプ 1 0 0であ つてもよい。 ま 、 ミラー付ランプ 9 0 0は、 反射鏡 6 0を保持す るランプハウスを更に備えていてもよい。 ここで、 ランプハウスを 備えた構成のものは、 ランプュニッ卜に包含されるものである。 反射鏡 6 0は、 例えば、 平行光束、 所定の微小領域に収束する集 光光束、 ま は、 所定の微小領域から発散したのと同等の発散光束 になるよ にランプ 1 0 0からの放射光を反射するように構成され ている。 反射鏡 6 0としては、 例えば、 放物面鏡ゆ楕円面鏡を用い ることができる。
本実施形態では、 ランプ 2 0 0の一方の側管部 2に口金 5 6が取 り付けられており、 当該側管部 2から延び 外部リード 5と口金 5 6とは電気的に接続されている。 側管部 2と反射鏡 6 0とは、 例え ば無機系接着剤 (例えばセメントなど) で固着されて一体化されて いる。 反射鏡 6 0の前面開口部側に位置する側管部 2の外部リード 5には、 引き出しリード線 6 5が電気的に接続されており、 引き出 しリード線 6 5は、 リード線 5から、 反射鏡 6 0のリード線甩開口 部 6 2を通して反射鏡 6 0の外にまで延ばされている。 反射鏡 6 0
の前面開口部には、 例えば前面ガラスを取り付けることができる。 このようなミラ一付ランプま はランプユニッ トは、 例えば、 液 晶ゅ DM D (D i i t a l M i c r om i r o r D Θ v i c e) を用いたプロジェクタのような画像投影装置に取り付けること ができ、 画像投影装置用光源として使用される。 また、 このよ な ミラ一付ランプまたはランプュニッ卜と、 画像表示素子 (DMDパ ネルゆ液晶パネルなど) を含 光学系とを組み合わせることにより 画像投影装置を構成することができる。 例えば、 DMDを用いたプ ロジェクタ (デジタルライ卜プロセッシング (D L P) プロジェク タ) ゆ、 LCOS (L i q u i dC r y s t a l o n S i l i e on) 構造を採用した反射型のプロジェクタを提供することができ る。 更に、 本実施形態のランプおよびランプュニッ卜は、 画像投影 装置用光源の他に、 紫外線ステツパ用光源、 または競技スタジアム 用光源ゆ自動車のへッドライ卜用光源、 道路標識を照らす投光器用 光源などとしても使用することができる。 産業上の利用可能性
本発明は、 従来と比較して、 ランプ電力の高電力化ならびに発光 管内動作圧力の高圧力化に最適な設計指針を明示できたことにより、 ランプ寿命点灯後初期のうちに発光管膨部の一部が起点となり、 左 右真二つに割ったように破損する現象を抑制することが可能となり、 更に長寿命化も合わせて実現することが可能となった。 同時にラン プ自体の性能としても高光出力化、 高効率化が実現する。 このよう
なランプをプロジェクタに搭載することにより、 プロジェクタ性能 においてもランプ破損抑制による安全性、 ランプ長寿命化による長 時間動作信頼性ならびにランプ交換頻度が少なくなることによるメ ンテナンス費用の低コス卜化、 加えて高光出力化によるスクリーン 照度向上、 高効率化による省エネルギー効果など訴求ポイン卜は数 多くなり、 その効果は計り知れない。