• 明 細 書 発明の名称
ポリエステル重合触媒、 ポリエステル、 およ'ぴポリエステルの製造方法
[技 術 分 野]
本発明はポリエステル重合触媒、 ポリエステルおよぴポリエステルの製造方法 に関するものであり、 さらに詳しくは、 成形時のフィルター詰まり等が改善され たポリエステノレを与えるポリエステル重合触媒、 ポリエステルおよぴポリエステ ルの製造方法に関するものである。
' [背 景 技 術]
ポリエステル、 特にポリエチレンテレフタレート (以下、 PET と略す) は、 機 械的特性おょぴ化学的特性に優れており、 多用途への応用、 例えば、 衣料用や産 業資材用の繊維、 包装用や磁気テープ用などの各種フィルムやシート、 ボトルや エンジニアリングプラスチックなどの成形物への応用がなされている。
PET は、 工業的にはテレフタル酸もしくはテレフタル酸ジメチルとエチレング リコールとのエステル化もしくはエステル交換によってビス (2 -ヒドロキシェチ ル) テレフタレートを製造し、 これを高温、 真空下で触媒を用いて重縮合するこ とで得られる。 重縮合時に用いられる触媒としては、 三酸化アンチモンが広く用 いられている。 三酸化アンチモンは、 安価で、 かつ優れた触媒活性をもつ触媒で あるが、 重縮合時に金属アンチモンが析出するため、 PET に黒ずみや異物が発生 するといつた問題点を有している。 このような経緯で、 アンチモンを全く含まな いか或いはアンチモンを角 ¾媒主成分として含まないポリエステルが望まれている なおポリエステル中の上記の異物は例えば以下のような問題を起こす。
( 1 ) フィルム用のポリエステルにおいては、 金属アンチモンの析出は、 ポリエ ステル中の異物となり、 溶融押し出し時の口金汚れの原因になるだけでなく、 フ イルムの表面欠点の原因にもなる。 また、 中空の成形品等の原料とした場合には
、 透明性の僂れた中空成形品を得ることが困難である。
( 2 ) 繊維用のポリエステル中の異物は、 繊維中に強度低下をもたらす異物とな り、 製糸時の口金汚れやフィルターの濾圧上昇の原因となる。 ポリエステル繊維 の製造においては、 主に操業性の観点から、 異物の発生のないポリエステル重合 触媒が求められる。
重縮合触媒として、 三酸化アンチモンを用いて、 カゝっ PETの黒ずみや異物の発 生を抑制す.る試みが行われている。 例えば、 特許第 2666502号においては、 重縮 合触媒として三酸化ァンチモンとビスマスおよびセレンの化合物を用いることで 、 PET 中の黒色異物の生成を抑制している。 また、 特開平 9- 291141号においては 、 重縮合触媒としてナトリゥムおよび鉄の酸化物を含有する三酸化アンチモンを 用いると、 金属アンチモンの析出が抑制されることを述べている。 ところが、 こ れらの重縮合触媒では、 結局アンチモンの含有量を低減するという目的は達成で きない。
ァンチモン化合物以外の重縮合触媒としては、 チタン化合物ゃスズ化合物がす でに提案されているが、 これらを用いて製造されたポリエステルは溶融成形時に 熱劣化を受けやすく、 またポリエステルが著しく着色するという問題点を有する このような、 チタン化合物を重縮合触媒として用いたときの問題点を克服する 試みとして、 例えば、 特開昭 5 5 - 1 1 6 7 2 2号では、 テトラアルコキシチタ ネートをコパルト塩およぴカルシゥム塩と同時に用いる方法が提案されている。 また、 特開平 8— 7 3 5 8 1号によると、 重縮合触媒としてテトラアルコキシチ タネートをコバルト化合物と同時に用い、 力つ蛍光増白剤を用いる方法が提案さ れている。 ところが、 これらの技術では、 テトラアルコキシチタネートを重縮合 触媒として用いたときの P E Tの着色は低減されるものの、 P E Tの熱^を効 果的に抑制することは達成されていない。
ァノレミニゥム化合物は一般に触媒活性に劣ることが知られている。 アルミニウム 化合物の中でも、 アルミニウムのキレート化合物は他のアルミニウム化合物に比 ベて重縮合触媒として高い触媒活性を有することが報告されているが、 上述のァ ンチモン化合物やチタン化合物と比べると十分な触 性を有しているとは言え
ず、 しかもアルミ-ゥム化合物を触媒として用いて長時間を要して重合したポリ エステルは熱安定性や熱酸化安定性に劣るという問題点があった。 また、 アルミ 二ゥムィ匕合物を触媒として用いて重合したポリエステルは、 ポリエステルに不溶 性の異物が多く生成し、 ポリエステルの成形時に該異物に起因したフィルター詰 まりが起こり、 かつ繊維に使用したときには紡糸時の糸切れ等が頻繁に起こり、 またフィルムに使用したときはフィルム物性などが悪化するという問題を有して いた。
—方、 アルカリ金属またはそのィ匕合物とアルミニウムのキレート化合物とを共 存すると優れた触媒活性が発現することが特公昭 46 - 41031号に開示されている。 該公報に記載の方法に従つて重合したポリエステルは、 熱安定性には優れるもの ヽ 熱酸ィ匕安定性には依然劣るという問題を有しており、 また、 ポリエステルに 不溶性の異物が多く生成し、 ポリエステルの成形時に該異物に起因したフィルタ 一詰まりが起こり、 かつ繊維に使用したときには紡糸時の糸切れ等が頻繁に起こ り、 またフィルムに使用したときはフィルム物性などが悪化するという問題を有 しており、 実用には向かなかった。 ·
アルミ -ゥム化合物にアル力リ土類金属化合物を添加して十分な触 性を有 する触媒とする技術もある力 実用的な触媒活性を得ようとするとアルカリ土類 金属化合物の 量が多く必要であり、 その結果得られるポリエステルの熱安定 性、 熱酸化安定性が低下し、 加熱による着色が大きく、 ポリエステルに不溶性の 異物の発生量も多くなる。
ァンチモン化合物以外で優れた触媒活性を有し力ゝっ上記の問題を有しないポリ エステルを与える触媒としては、 ゲルマニウム化合物がすでに実用化されている が、 この触媒は非常に高価であるという問題点や、 重合中に反応系から外へ留出 しゃすレヽため反応系の触媒濃度が変化し重合の制御が困難になるという課題を有 しており、 触媒主成分として使用することには問題がある。
また、 ポリエステルの溶融成形時の熱劣化を抑制する方法として、 ポリエステ ルから触媒を除去する方法も挙げられる。 ポリエステルから触媒を除去する方法 としては、 例えば特開平 1 0— 2 5 1 3 9 4号公報には、 酸性物質の存在下にポ リエステノレ樹脂と超臨界流体である抽出剤とを接触させる方法が開示されている
。 しかし、 このような超臨界流体を用いる方法は技術的に困難である上に製品の コストアップにもつながるので好ましくない。
以上のような経緯で、 ァンチモンぉよぴゲルマニウム以外の金属成分を触媒の 主たる金属成分とする重合触媒であり、 触媒活性に優れ、 カゝっ溶融成形時に熱劣 化をほとんど起こさない熱安定性に優れたポリエステルを与える重合触媒が望ま れている。
ポリエステルの溶融成形時の熱^?による分子量低下.は溶融成形品の耐熱性や 力学特性を低下させてしまう原因となるだけでなく、 熱分解による副生物に由来 する成形品の品質低下、 例えば着色の増加などにつながる。 公知のァンチモン触 媒ゃゲルマ-ゥム触媒は他のチタン触媒などに比べて、 溶融成形時の熱安定性に 比較的優れたポリエステルを与えるものの、 依然として溶融成形時の熱劣化は完 全には防ぐことができない。 このような経緯で、 ポリエステルの溶融成形時の熱 劣化を極力抑えられるようなポリエステルを与えるポリエステル重合触媒が望ま れている。
WO 9 8 / 4 2 7 6 9や特表平 1 1— 5 0 7 6 9 4号などではアルミニウム化 合物を重合触媒として用いる技術が提案されている。 ア ミニウム化合物として は、 アルミ-ゥムァセチルァセトネート等のアルミニウムのキレート化合物、 塩 化アルミニウムや水酸ィヒアルミニウム等の無機酸塩、 カルボン酸のアルミニウム 塩、 あるいはアルミニウムアルコキサイドなどが例示されている。 このうち、 了 ルミニゥムァセチルァセトネート等のアルミニウムのキレート化合物は一般に高 価であり、 かつ化合物中のアルミニウム含有量が低いためコストアップにつなが るという問題やエチレンダリコール等の溶媒に対する溶解度が低く添加方法が制 限されるという問題を有している。 水酸化アルミニウムやアルミニウムアルコキ サイドは系への溶角針生が低く触媒活性が低 、という問題ゃポリエステル中に不溶 性の異物が発生するという問題を有している。 塩ィ匕アルミニウム等の塩素を含有 する無機酸塩は触媒活性には比較的優れるが、 装置に対する腐食性が高いという 問題や得られるポリマーの着色が大きいという問題を有する。
—方、 カルボン酸のアルミニウム塩としては、 酢酸アルミニウム、 塩基性酢酸 アルミニウム、 乳酸アルミニウム、 安息香酸アルミ-ゥムなどが例示されており
、 これらは、 一般に安価で装置に対する 食性は低いが、 ポリエステルに対する 溶解性が低いため、 触 性に劣るとともに、 得られるポリエステルに濁りが生 じるといった問題を有しており触媒として使用するには問題があった。 例えば、 特開平 1 0— 3 2 4 7 4 1号では、 酢酸アルミニウムを触媒として用いたポリエ ステルは不溶性の異物を形成しやすく、 製糸性に劣るといった問題が生じること が記載されている。
本発明の目的は、 ァンチモンおよびゲルマニウム以外の金属成分を触媒の主た る金属成分とする重合触媒を用いて製造されたポリエステルであって、 かつ成形 時のフィルタ一詰まり等が改善されたポリエステルおよぴその製造方法を提供す るものである。
本発明の別の目的は、 ァンチモン化合物およびゲルマ-ゥム化合物以外の新規 なポリエステル重合触媒を使用してポリエステルを製造する方法おょぴ該方法に より製造されたポリエステルを提供しょうとするものである。
本発明の別の目的は、 ァンチモン化合物又はゲルマ二ゥム化合物を触媒主成分 として含まず、 触^ ¾性に優れ、 カゝっ触媒の失活もしくは除去をすることなしに 、 溶融成形時の熱劣化が効果的に抑制されて熱安定性に優れたポリエステルを与 えるポリエステル重合触媒を提供するものである。
本発明はまた、 前記触媒を使用した、 フイノレム、 ボトル等の中空成形品、 繊維 、 エンジニアリングプラスチック等の溶融成形を行う際の熱安定性が改善されて おり、パージンの樹脂を使用してもまた成形時に発生する屑を再利用しても品位 に優れた製品が得られるポリエステル、 並びに前記ポリエステル重合触媒を使用 したポリエステルの製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、 溶融成形時の熱劣ィ匕を極力抑えられるようなポリエステ ルを与えるポリエステル重合触媒であって、 前記触媒を使用した、 フィルム、 ボ トル等の中空成形品、 繊維、 エンジニアリングプラスチック等の溶融成形を行う 際の熱安定性が顕著に改善されており、 バージンの樹脂を使用してもまた成形時 に発生する屑を再利用しても品位に優れた製品が得られるポリエステル、 並びに 前記ポリエステル重"^虫媒を使用したポリエステルの製造方法を提供することに める。
本発明の別の目的は、 アンチモン化合物又はゲルマニウム化合物を触媒主成分 として含まず、 アルミニウムを主たる金属成分とし、 安価で、 触媒活性に優れ、 装置への腐食が少なく、 さらにはポリエステルに不溶性の異物の生成が低減した ポリエステルを与えるポリエステル重合触媒およびその製造方法を提供すること にある。 本発明はまた、 前記触媒を使用したポリエステルの製造方法ならぴにポ リエステルを提供する。
[発 明 の 開 示]
本発明者らは、 上記課題の解決を目指して鋭意検討を重ねた結果、 アルカリ金 属化合物あるいはアル力リ土類金属化合物とアルミニゥムィ匕合物とを共存した触 媒を用いて重合したときに生成するポリエステルに不溶性の異物は、 主にアル力 リ金属化合物あるいはアルカリ土類金属化合物に起因することを見いだし、 さら に、 ポリエステル中のアル力リ金属化合物おょぴアル力リ土類金属化合物とアル ミニゥムィ匕合物の含有量を特定の範囲内にすることによって、 この不溶性の異物 の生成は効果的に抑えられ、 ポリエステルを成形する時のフィルター詰まり等の 問題が改善されることを見いだし本発明を完成した。
すなわち、 本発明は上記課題の解決法として、 アルカリ金属おょぴそれらの化 合物ならぴにアルカリ土類金属およびそれらの化合物からなる群より選ばれる少 なくとも一種と、 アルミニウムおよびそのィ匕合物からなる群より選ばれる少なく とも一種を含有し、 かつそれらを下記 (1 ) および (2 ) 式を満足する * ^有す ることを特徴とするポリエステルを提供する。
( 1 ) 輔 < 0 . 0 5
( 2 ) 《M》 Z《A 1》 ≤2 0
(式 (1 ) , (2 ) 中、 《M》はポリエステル中の酸成分に対するアルカリ金属 原子とアル力リ土類金属原子の合計のモル0 /0を示し、 《A 1》 はポリエステル中 の酸成分に対するアルミニウム原子のモル%を示す。 )
また、 本発明者らは、 上記課題の解決を目指して鋭意検討を重ねた結果、 アル 力リ金属化合物またはアル力リ土類金属化合物とアルミニゥム化合物とを共存し た触媒を用いて重合したときに生成するポリエステルに不溶性の異物は主に、 了
ルカリ金属化合物やアル力リ土類金属化合物に起因することを見いだし、 さらに 検討を進めた結果、 リン化合物を共存することでこれらの異物は効果的に低減し 、 さらにポリエステル中の上記金属化合物ゃリン化合物の含有量を特定の範囲内 にすることによって、 ポリエステルに不溶性の異物の生成が効果的に抑えられ、 ポリエステルを成形する時のフィルター詰まり等の問題が改善されることを見い だし本発明に到達した。
すなわち、 本発明は上記課題の解決法として、 アルカリ金属およびそれらの化 合 ならびにアルカリ土類金属およびそれらの化合物からなる群より選ばれる少 なくとも一種と、 アルミニウムおよびその化合物からなる群より選ばれる少なく とも一種、 ならびにリン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有し
、 かつそれらを下記 (4 ) 〜 (6 ) 式を満足する量含有することを特徴とするポ リエステルを提供する。
( 4 ) 0 . 1≤ [M] ≤ 1 5 0
( 5 ) [M] / [ A 1 ] ≤ 4 0
( 6 ) [P ] / [A 1≥0 . 0 1
(式 (4 ) 〜 (6 ) 中、 [M] はポリエステル中に含まれるアルカリ金属原子と アル力リ土類金属原子の合計量 ( p p m) を示し、 [ A 1 ] および [ P ] はポリ エステル中に含まれるアルミニウム原子とリン原子の量 (p p m) をそれぞれ示 す。 )
また、 本発明者らは、 上記課題の解決を目指して鋭意検討を重ねた結果、 アル 力リ金属化合物またはァノレ力リ土類金属化合物とアルミニゥム化合物とを共存し た触媒を用いて重合したときに生成するポリエステルに不溶性の異物は、 主にァ ルカリ金属化合物やアル力リ土類金属化合物に起因することを見いだし、 さらに 検討を進めた結果、 アル力リ金属化合物ま はアル力リ土類金属化合物の中でも リチウム、 ナトリウム、 カリウム、 ベリリウム、 マグネシウム、 カルシウムおよ ぴそれらのィ匕合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を使用し、 かつそれら のポリエステル中における含有量を特定の範囲内にし、 さらにリン化合物を共存 することでポリエステルに不溶性の異物の生成が効果的に抑えられ、 ポリエステ ルを成形する時のフィルタ一詰まり等の問題が改善されることを見いだし本発明
に SI達した。
すなわち、 本発明は上記課題の解決法として、 リチウム、 ナトリウム、 力リウ ム、 ベリリウム、 マグネシウム、 カルシウムおよびそれらのィ匕合物からなる群よ り選ばれる少なくとも一種と、 アルミニウムおよびその化合物からなる群より選 ばれる少なくとも一種、 ならびにリン化合物からなる群より選ばれる少なくとも —種を含有し、 かつリチウム、 ナトリウム、 カリウム、 ベリリウム、 マグネシゥ ム、 カルシウムおよびそれらの化合物の含有量の合計がポリマー 1 0 6 g当たり 金属原子換算で 7 . 0モル以下であることを特徴とするポリエステルおよびその 製造方法を提供する。
また、 本発明者らは、 上記課題の解決を目指して鋭意検討を重ねた結果、 アル ミニゥムを主たる金属成分とする重合触媒を用いて製造されたポリエステルであ つて、 かつリン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種ならぴにフエノー ル系化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有レ、 さらにリン原子と アルミニウム原子の含有比を特定の範囲にしたポリエステルは、 成形時のフィル ター詰まりの問題や熱酸化安定性が改善されたものであることを見いだし本発明 に到達した。
すなわち、 本発明は上記課題の解決法として、 アルミニウムおよびそのィ匕合物 からなる群より選ばれる少なくとも一種、 およびリン化合物からなる群より選ば れる少なくとも一種ならぴにフ ノール系化合物からなる群より選ばれる少なく とも一種を含有するポリエステルであって、 かつポリエステル中に含まれるリン 原子の量 (ppm) とアルミニウム原子の量 (ppm) の比が 0 . 0 1〜5 0の範囲であ ることを特徴とするポリエステルおよびその製造方法を提供する。
また、 本発明者らは、 上記課題の解決を目指して鋭意検討を重ねた結果、 アル ミニゥム化合物を触媒として用いて重合したときに生成するポリエステノレに不溶 性の異物は主にアルミニウム化合物に起因することを見いだし、 さらに検討を進 めた結果、 ポリエステル中にアルミニウム化合物とリン化合物を共存し、 かつ了 ルミニゥム化合物とリン化合物の含有量を特定の比にすることでこれらの異物は 効果的に低減し、 ポリエステルを成形する時のフィルター詰まり等の問題が改善 されることを見いだし本発明に到達した。
すなわち、 本発明は上記課題の解決法として、 アルミニウムおよびそのィ匕合物 からなる群より選ばれる少なくとも一種とリン化合物からなる群より選ばれる少 なくとも一種を含有するポリエステルであって、 ポリエステル中に含まれるリン 原子の量 (ppm) のアルミニウム原子の量 (PPm) に対する比が 0 . 5〜2 0の範囲 にあることを特徴とするポリエステルを提供する。
また本発明は、 上記金属および/または化合物を触媒として用いて製造された 上記ポリエステルおよぴその製造方法を提供する。
また、 本発明者らは、 上記課題の解決を目指して鋭意検討を重ねた結果、 アル ミニゥム化合物はもともと触媒活性に劣るが、 これに特定量のリン化合物を組み 合わせることによって、 重合触媒として十分な活性をもつようになることを見い だし本発明に到達した。 本発明の重合触媒を用いると、 アンチモン化合物を用い ない品質に優れたポリエステルを安価に得ることができる。
すなわち、 本発明は上記課題の解決法として、 アルミニウムおよびその化合物 からなる群より選ばれる少なくとも一種とリン化合物からなる群より選ばれる少 なくとも一種を添加し、 かつ添加したリン原子とアルミニゥム原子のモル比が 0 . 5〜 2 0の範囲にあることを特徴とするポリエステルの製造方法、 および該方 法により製造されたポリエステルを提供する。 本発明はまた、 アルミニウムおよ びそのィ匕合物からなる群より選ばれる少なくとも一種とリン化合物からなる群よ り選ばれる少なくとも一種とからなるポリエステル重合触媒であって、 リン原子 とアルミニウム原子のモル比が上記の範囲にあることを特徴とするポリエステル 重合触媒およびこれを用いて製造されたポリエステルならびにポリエステルの製 造方法を提供する。
また、 本発明者らは、 上記課題の解決を目指して鋭意検討を行った結果、 金属 または金属化合物自体は触媒活性が低いものであっても、 これにリンィ匕合物を組 み合わせることで触媒活性が向上するようなポリエステノレ重合触媒となり、 そし てこのような、 金属または金属化合物とリン化合物とからなるポリエステル重合 触媒は触 性に優れ、 力 触媒の失活もしくは除去をすることなしに、 溶融成 形時の熱劣化が効果的に抑制されて熱安定性に優れたポリエステルを与えるポリ エステル重合触媒となることを見いだし、 本発明を完成した。 。
すなわち、 本発明は上記課題の解決法として、 金属または金属化合物とリンィ匕 合物とからなるポリエステル重合触媒であって、 活性パラメータ (AP) が下記 (10) 式を満足することを特徴とするポリエステル重合触媒を提供する。
(10) AP (m i n) <APX (m i n)
(上記式中.、 A Pは所定量の触媒を用いて 275 °C、 0. lTo r rの減圧度で 固有粘度が 0. 65 d 1 Zgのポリエチレンテレフタレート (PET) を重合す るのに要する時間 (mi n) を示す。 A PXは上記触媒のうち金属または金属化 合物のみを上記と同じ量だけ用いて上記と同じ条件で: P E Tを重合するのに要す る時間 (mi n) を示す。 )
別の本発明は、 ポリエステノレ重合触媒であって、 この触媒を用いて重合したポ リエチレンテレフタレート (; PET) の熱安定性パラメータ (TS) が下記 (9 ) 式を満たすことを特徴とする。 該ポリエステル重合触媒を用いて重合したポリ エステルからなるフィルム、 ボトル等の中空成形品、 繊維、 エンジニアリングプ ラスチック等の溶融成形を行う際の熱安定性が顕著に改善されており、 パージン の樹脂を使用してもまた成形時に発生する屑を再利用しても品位に優れた製品が 得られる。
(9) TS< 0. 20
(上記式中、 T Sは固有粘度 ( [ェ コ ! :! が 64〜0. 66 d l/gの P ET1 gをガラス試験管に入れ 130°Cで 12時間真空乾燥した後、 非流通窒素 雰囲気下で 300°Cにて 2時間溶融状態に維持した後の固有粘度 ( [ I V] f ) から、 次式により計算される数値である。
TS = 0. 245 { [I V] f 一1' 47 一 [IV] i -1· 47 }
固有粘度が 0. 64〜0. 66 d lZgの PETは、 実際には PET重合反応 容器の撹拌トルクと固有粘度の相関性を予め測定しておき、 重合状態をこの撹拌 トルクにて管理し、 撹拌トルクが所定値に達した時に重合を停止することにより 得ることができる。
また、 本発明者らは、 カルボン酸のアルミニウム塩の触 性を向上すること を目指して鋭意検討を重ねた結果、 カルボン酸アルミニウム塩を予め水や有機溶 媒に溶解したものを触媒として用いることで触媒活性が向上することを見いだし
本発明を提案するに到った。 ' すなわち、 本発明は上記課題の解決方法として、 水および zまたは有機溶媒に
、 カルボン酸アルミニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも 1種を溶解した 溶液からなるポリエステル重 虫媒ならぴに該溶液の製造方法を提供する。
[発明を実施するための最良の形態]
本発明のポリエステルは、 アル力リ金属およびそれらの化合物ならぴにアル力 リ土類金属およびそれらの化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を、 ポ リエステルのジカルボン酸や多価カルボン酸などのカルボン酸成分の全構成ュニ ットのモル数に対して金属原子として合計して 0. 05モル0 /0未満の量で含有してい なければならない。 また、 0. 005 モル%以上含有することが好ましい。 含有量が 0. 05モノレ%以上だと、 ポリエステルに不溶性の異物が多く生じ、 その結果、 紡糸 時の糸切れや成形時のフィルター詰まり等が頻繁に起こるという問題が発生する 。 また、 レジンの着色が顕著になり、 成形品の外観が損なわれるという問題ゃレ ジンの耐加水分解性が低下するという問題が発生する。 含有量が 0. 005 モル0 /0よ り少ないとレ ンの熱安定性に乏しくなるという問題が発生するとともに、 触媒 として用いる場合に触媒活性が顕著に低下するため好ましくない。 含有量のより 好ましい範囲としては、 0. 008 モル%から 0. 03モル%であり、 さらに好ましくは 0. 01モル0 /0から 0. 02モル0 /0の範囲である。
本発明のポリエステルは、 上記のアルカリ金属おょぴそれらの化合物ならびに アルカリ土類金属およびそれらのィ匕合物からなる群より選ばれる少なくとも一種 に加えてアルミニウムおよぴその化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種 を含有していなければならない。 また、 アルカリ金属およびそれらの化合物なら ぴにアル力リ土類金属およぴそれらの化合物からなる群より選ばれる少なくとも 一種とアルミニウムおよびその化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の 含有量を、 アル力リ金属原子とアル力リ土類金属原子の合計とアルミニゥム原子 'のモル比が 20以下となるようにすることが必要である。 この比は 0、 1 以上である ことが好ましい。 比が 20を越えると、 ポリエステルに不溶性の異物が多く生じ、 その結果、 紡糸時の糸切れや成形時のフィルター詰まり等が頻繁に起こるという
問題が発生する。 また、 触媒として用いる場合に触 性が顕著に低下するとい う問題が発生する。 比が 0. 1 より小さいと、 アルミニウム化合物に起因するポリ エステルに不溶性の異物が多く生成し、 またポリエステルの熱安定性も低下する ため好ましくない。 比のより好ましい範囲としては 0. 5 から 10の範囲である。 ポリエステル中における、 アル力リ金属おょぴそれらの化合物ならびにアル力 リ土類金属およびそれらの化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種とアル ミニゥムおよぴその化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の含有量を上 記範囲とすることで、 ポリエステルに不溶性の異物の発生が効果的に抑制され、 紡糸時の糸切れや成形時のフィルター詰まり等の問題が改善される。
また、 本発明のアルミニウムおよびその化合物の含有量は、 ポリエステルのジ カルボン酸や多価カルボン酸などのカルボン酸成分の全構成ュ-ットのモル数に 対して、 アルミニウム原子として 0. 001 モル0 /0から 0. 05モル0 /0の範囲にあること が好ましい。 アルミニウム原子の含有量が 0. 05モル0 /0を越えると、 生成するポリ エステルの熱安定性が低下するため好ましくない。 アルミニウム原子の含有量が 0. 001 モ^^ /0以下であると、 触媒として用いる場合に触 性が顕著に低下する ため好ましくない。 より好ましくは、 0. 005 モル0 /0から 0. 04モル%の範囲であり 、 さらに好ましくは 0. 01モル0 /0から 0· 03モル0 /0の範囲である。
本発明のポリエステルとしては、 アル力リ金属原子とアル力リ土類金属原子を 合計で 2 5 p p m以下の量で含有することが異物低減の観点から好ましい。 この 含有量は 2 0 p p m以下であることがより好ましく、 1 5 p 以下であること がさらに好ましい。
また、 本発明のポリエステルには、 上記したようにアルカリ金属おょぴそれら の化合物ならびにアル力リ土類金属およびそれらの化合物からなる群より選ばれ る少なくとも一種を含有することが必要であるが、 このうち、 アルカリ土類金属 またはそれらの化合物を含有するポリエステルは、 熱安定性がより低下し、 加熱 による着色が大きく、 異物の発生量も比較的多いため、 本発明のポリエステルに は、 アル力リ土類金属が含有されずにアル力リ金属が含有されていることが好ま しい。
また、 本発明のポリエステルはリン化合物を含有することが好ましい。 リン化
合物を含有することで、 アル力リ金属やアル力リ土類金属に由来する異物の発生 が抑制されるという効果が得られるとともに、 ポリエステルの熱安定性も改善す る。
アルミユウム又はそのィヒ合物およびアル力リ土類金属またはそれらの化合物を 含有するポリエステルは、 上述したように、 熱安定性に劣る傾向があり、 異物の 発生量も比較的多いが、 アルカリ土類金属を本発明の範囲で含有し、 さらにリン 化合物を含有することで、 ポリエステルの熱安定性や異物の問題が改善する。 本発明の方法に従ってポリエステルを製造する際にリン化合物を添加すると、 ポリエステルに不溶性の異物の生成が効果的に抑制されるため好ましい。 また、 リン化合物を添加することで、 ポリエステルの熱安定性等も向上することが可能 であるため好ましい。
本発明のリン化合物の使用量としては、 重合して得られるポリエステルのジカ ルポン酸ゃ多価カルボン酸などのカルボン酸成分の全構成ュニットのモル数に対 して 5 X10— 5モル%から 1 モル0 /0の範囲であることが好ましく、 更に好ましくは
1 xicr4モル0 /0から 0. 5 モル0 /0の範囲であることである。
また、 別の本発明のポリエステルは、 アルカリ金属おょぴそれらの化合物なら ぴにアル力リ土類金属およびそれらの化合物からなる群より選ばれる少なくとも 一種を、 ポリエステル中に金属原子として合計して 0. lppm以上 150ppm以下の量で 含有していなければならない。 含有量が 150ppmより多いと、 ポリエステルに不溶 性の異物が多く生じ、 その結果、 紡糸時の糸切れや成形時のフィルター詰まり等 が頻繁に起こるという問題が発生する。 また、 レジンの着色が顕著になり、 成形 品の^ IIが損なわれるという問題やレジンの熱安定性ゃ耐加水:^性が低下する という問題が発生する。 含有量が 0. lppmより少ないとレジンの熱安定性に乏しく なるという問題が発生するとともに、 触媒として用いる場合に触媒活性が顕著に 低下するという問題が発生する。 含有量のより好ましい範囲としては、 lppm以上 lOOppm以下であり、 さらに好ましくは 5ppm以上 50ppm以下である。
本発明のポリエステルは、 上記のアル力リ金属おょぴそれらの化合物ならぴに アルカリ土類金属およびそれらの化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種 に加えてアルミニウムおよびその化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種
を含有していなければならない。 また、 アルカリ金属おょぴそれらの化合物なら ぴにアル力リ土類金属およびそれらの化合物からなる群より選ばれる少なくとも 一種とアルミニウムおよぴその化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の 含有量を、 ポリエステル中のアル力リ金属原子とアル力リ土類金属原子の合計の 含有量 (ppm) とアルミニウム原子の含有量 (Ppm〉 の比が 40以下となる うにする ことが必要である。 この比は 0. 05以上であることが好ましい。 比が 40を越えると 、 ポリエステルに不溶性の異物が多く生じ、 その結果、 紡糸時の糸切れや成形時 のフィルター詰まり等が頻繁に起こるという問題が発生する。 また、 触媒として 用いる場合に触媒活性が顕著に低下するという問題が発生する。 比が 0. 05より小 さレヽと、 アルミニゥム化合物に起因するポリエステルに不溶' ¾の異物が多く生成 し、 またポリエステルの熱安定性も低下するため好ましくない。 比のより好まし い範囲としては、 0. 1 以上 20以下であり、 さらに好ましくは 0. 5以上 10以下であ る。
本努明のポリエステルは、 アル力リ金属およびそれらの化合物ならびにアル力 リ土類金属およびそれらの化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種とアル ミニゥムおよびその化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種に加えてリン 化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有していなければならない。 また、 リン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種とアルミ-ゥムおよび その化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の含有量を、 ポリエステル中 のリン原子の含有量 (ppm) とアルミェゥム原子の含有量 (ppm) の比が 0. 01以上と なるようにすることが必要である。 この比は 30以下であることが好ましい。 比が 0. 01より小さいと、 アルミユウムィ匕合物に起因するポリエステルに不 '溶性の異物 が多く生成するという問題ゃポリエステルの熱安定性が低下するという問題が発 生する。 比が 30を越えると、 ポリエステルに不溶性の異物が多く生成し、 また触 媒として用 ヽる に触媒活性が顕著に低下するとレ、う問題が発生するため好ま しくない。 比のより好ましい範囲としては、 0. 1 以上 20以下であり、 さらに好ま しくは 1 以上 10以下である。
ポリエステル中における、 アルカリ金属おょぴそれらの化合物ならびにアル力 リ土類金属およびそれらの化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種とアル
ミニゥムおよびその化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種、 ならびにリ ン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の含有量を上記範囲とすること で、 ポリエステルに不溶性の異物の発生が効果的に抑制され、 紡糸時の糸切れや 成形時のフィルター詰まり等の問題が改善される。 .
また、 本発明におけるアルミニウムおよびそのィヒ合物は、 ポリエステル中にァ ルミニゥム原子として 0. 5ppm以上 500ppm以下の範囲で含有されていることが好ま しい。 アルミニウム原子の含有量が 500ppmを越えると、 アルミ-ゥム化合物に起 因するポリエステルに不溶性の異物が多く生成したりポリエステルの熱安定性が 低下するため好ましくない。 アルミニウム原子の含有量が 0. 5ppmより少ないと、 アル力リ金属化合物やアル力リ土類金属化合物に起因する異物が多く生成したり 、 触媒として用いる場合に触媒活性が顕著に低下するため好ましくない。 より好 ましくは、 5ppm以上 70ppm以下の範囲であり、 さらに好ましくは lOppm以上 30pp m以下の範囲である。
また、 本発明におけるリン化合物は、 ポリエステル中にリン原子として lppm以 上 lOOOppm以下の範囲で含有されていることが好ましい。 リン原子の含有量が lp pmより少ないと、 ポリエステルに不溶性の異物の生成を抑制する効果に乏しく、 またポリエステルの熱安定性が低くなるため好ましくない。 リン原子の含有量が lOOOppmを越えると、 ポリエステルに不溶性の異物が多く生成するため好ましく ない。 より好ましくは、 lOppm以上 200ppm以下の範囲であり、 さらに好ましくは 20ppm以上 lOOppm以下の範囲である。
本発明のポリエステルには、 アルカリ金属おょぴそれらの化合物ならびにアル 力リ土類金属およびそれらの化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含 有することが必要であるが、 これらのうち、 リチウム、 ナトリウム、 カリウム、 マグネシウム、 カルシウムおよびそれらの化合物からなる群より選ばれる少なく とも一種を含有することが、 ポリエステル中の異物の低減ゃポリエステルの着色 の低減の観点から好ましい。 これらの中でも、 リチウム、 カルシウムおよびそれ らの化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有するとポリエステルの 熱安定性が優れるため好ましい。 さらにポリエステルの着色低減の観点からカル シゥムおよぴそれらの化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有する
ことが好ましい。
本発明は、 上記した金属および Zまたは化合物を触媒として用いて製造された ポリエステルおよびその製造方法にも関する。 金属および zまたは化合物の添加 量としては、 最終的に得られるポリエステル中における金属原子の含有量が上記 のようになることが必要である。 該方法により製造されたポリエステルは、 ポリ エステルに不溶性の異物の発生が効果的に抑制され、 紡糸時の糸切れや成形時の フィルター詰まり等の問題が改善される。
本発明において重合触媒として使用するアルカリ金属およびそれらの化合物な らびにアルカリ土類金属およびそれらの化合物としては、 L i , N a , K, R b , C s , B e , M g , C a , S r , B aから選択される少なくとも 1種の金属な いしその化合物であることが好ましく、 このうちアル力リ金属ないしその化合物 を使用するとポリエステルに不溶性の異物が低減し、 ポリエステルの熱安定性に も優れるためより好ましい。 アルカリ金属ないしその化合物を使用する場合、 L i , N a , Kないしそれらの化合物の使用が好ましく、 このうち L iないしその 化合物を使用するとポリエステルに不溶性の異物がより低減するためとくに好ま しい。
また、 別の本発明のポリエステルは、 リチウム、 ナトリウム、 カリウム、 ベリ リウム、 マグネシウム、 カルシウムおよびそれらの化合物からなる群より選ばれ る少なくとも一種と、 アルミニウムおよびその化合物からなる群より選ばれる少 なくとも一種、 ならびにリン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含 有し、 力つリチウム、 ナトリウム、 カリウム、 ベリリウム、 マグネシウム、 カル シゥムおよびそれらの化合物の含有量の合計がポリマー 1 O e g当たり金属原子 換算で 7 . 0モル以下であることを特徴とする。 該含有量が 7. 0モルより多い と、 ポリエステルに不溶性の異物が多く生じ、 その結果、 紡糸時の糸切れや成形 時のフィルター詰まり等が頻繁に起こるという問題が発生する。 また、 レジンの 着色が顕著になり、 成形品の外観が損なわれるという問題やレジンの熱安定性や 耐加水分解性が低下するという問題が発生する。 該含有量は 0. 0 5モル以上で あることが好ましく、 これより少ないとレジンの熱安定性に乏しくなる場合があ り、 また触媒として用いる場合に触媒活性が顕著に低下する場合がある。 該含有
量は' 0 . 1〜4 . 0モルであることがより好ましく、 さらに好ましくは 0 . 2〜 2 . 5モルであり、 特に好ましくは 0 . 2〜1 . 2.モルである。 このようなポリ エステルは、 ポリエステルに不溶性の異物の発生が効果的に抑制され、 紡糸時の 糸切れや成形時のフィルター詰まり等の問題が改善される。
本発明のポリエステル中のアルミニウムおよびその化合物の含有量は、 アルミ ニゥム原子として 0. 5 〜500ppmであることが好ましい。 アルミニウム原子の含有 量が 500ppmを越えると、 アルミニウムィ匕合物に起因するポリエステルに不溶性の 異物が多く生成したりポリエステルの熱安定性が低下するため好ましくない。 ァ ルミニゥム原子の含有量が 0. 5ppmより少ないと、 アルカリ金属化合物やアル力リ 土類金属化合物に起因する異物が多く生成したり、 触媒として用いる場合に触媒 活性が顕著に低下するため好ましくない。 より好ましくは、 5 ~70ppm の範囲で あり、 さらに好ましくは 10〜40ppm の範囲であり、 特に好ましくは 15〜25ppm の 範囲である。
また、 本発明のポリエステル中のリン化合物の含有量は、 リン原子として 1 〜 lOOOppmであることが好ましい。 リン原子の含有量力 Slppmより少ないと、 ポリエ ステルに不溶性の異物の生成を抑制する効果に乏しく、 またポリエステルの熱安 定性が低くなるため好ましくない。 リン原子の含有量が lOOOppm を越えると、 ポ リエステルに不溶性の異物が多く生成するため好ましくない。 より好ましくは、 10〜200ppmの範囲であり、 さらに好ましくは 20〜100ppmの範囲である。
本発明のポリエステルは、 リチウム、 ナトリウム、 カリウム、 ベリリウム、 マ グネシゥム、 カルシウムおよびそれらの化合物からなる群より選ばれる少なくと も一種を含有することが必要であるが、 これらのうち、 リチウム、 ナトリウム、 マグネシウム、 カルシウムおよびそれらのィ匕合物からなる群より選ばれる少なく とも一種を含有することが、 ポリエステル中の異物の低減ゃポリエステルの着色 の低減や熱安定性の向上の観点から好ましい。 これらの中でも、 リチウム、 ナト リゥムおよびそれらの化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有する ことが好ましい。
本発明は、 リチウム、 ナトリウム、 カリウム、 ベリリウム、 マグネシウム、 力 ルシゥムおよびそれらのィ匕合物からなる群より選ばれる少なくとも一種と、 アル
ミエゥムおよびその化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種、 ならびにリ ン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を、 それらの含有量が最終的に 得られるポリエステルに対して上述したような範囲となるように、 触媒として用 いてポリエステルを製造する方法にも関する。 該方法により得られるポリエステ ルは、 ポリエステルに不溶性の異物の発生が効果的に抑制され、 紡糸時の糸切れ や成形時のフィルター詰まり等の問題が改善される。
また、 別の本発明のポリエステルは、 アルミニウムおよびその化合物からなる 群より選ばれる少なくとも一種、 およびリン化合物からなる群より選ばれる少な くとも一種ならぴにフヱノール系化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種 を含有するポリエステルであって、 かつポリエステル中に含まれるリン原子の量
(ppm) とアルミニゥム原子の量 (ppm) の比が 0 . 0 1〜 5 0の範囲であることを 特徴とする。 リン原子の量 (ppm) とアルミニウム原子の量 (ppm) の比 (リン原子 量/アルミニウム原子量) が 0 . 0 1より小さいと、 アルミニウムィ匕合物に起因 するポリエステルに不溶性の異物が多く生じ、 その結果、 紡糸時の糸切れや成形 時のフィルター詰まり等が頻繁に起こるという問題が発生する。 また、 レジンの 着色が顕著になり、 成形品の^ IIが損なわれるという問題やレジンの熱安定性や 熱酸化安定性が低下するという問題が発生する。 比が 5 0を越えた場合も、 ポリ エステルに不溶性の異物が多く生じ、 その結果、 紡糸時の糸切れや成形時のフィ ルター詰まり等が頻繁に起こるという問題が発生する。 また、 触媒として用いる 場合に触 性が顕著に低下するという問題が発生する。 比の好ましい範囲は 0 . 1〜2 0であり、 より好ましくは 0 . 5〜1 0である。
本発明のポリエステル中のアルミニウムおよびその化合物の含有量は、 アルミ ニゥム原子として 0. 5 〜500ppmであることが好ましい。 アルミニウム原子の含有 量が 500PPmを越えると、 アルミニウム化合物に起因するポリエステルに不溶性の 異物が多く生成したりポリエステルの熱安定性や熱酸化安定性が低下するため好 ましくない。 アルミニウム原子の含有量が 0. 5ρρηιより少ないと、 触媒として用い る場合に触媒活性が顕著に低下するため好ましくない。 より好ましくは、 5 〜70 ppm の範囲であ.り、 さらに好ましくは 10〜40ppm の範囲であり、 特に好ましくは 15〜25ppmの範囲である。
本発明のポリエステルは、 リン化合物を含有することでアルミニウム化合物の 触媒活性を向上する効果にカ卩えて、 異物の発生が抑えられ、 かつポリエステルの 熱安定性や熱酸化安定性が改善されたものである。 さらに、 フエノール系化合物 を含有することで、 ポリエステルの熱酸ィヒ安定性がより一層向上し、 その結果ポ リエステルの熱劣化や黄変が抑制される。
また、 別の本発明は、 リン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種なら ぴにフエノ一ル系ィ匕合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有するポリ エステルであって、 かつポリエステル中に含まれる金属原子の総量がポリエステ ルに対して 1 0 0 p p m以下であることを特徴とする。 該ポリエステルは、 成形 時のフィルタ一詰まりの問題が改善されており、 さらに熱安定性や熱酸ィヒ安定性 が改善されており、 かつ金属原子の量が少量であるためポリエステル中の異物が 低減されており、 ポリエステルからの抽出物も低減される。 金属原子の総量が 1 0 0 p p mを越えると、 ポリエステル中の異物が増カ卩しポリエステルの品質が損 なわれるため好ましくない。 金属原子は総量で 1 p p m以上ポリエステル中に含 有されること力 該金属種を触媒として用いる場合に触媒活性が効果的に発揮さ れるため好ましい。 金属原子の総量は 3〜5 0 p p mであることが好ましく、 5 〜3 0ppmであることがとくに好ましい。 金属種としてはとくに限定はされない が、 アルカリ金属、 アルカリ土類金属、 アルミニウムから選ばれる 1種以上であ ることが好ましい。
本発明のポリエステル中のリン化合物の含有量は、 リン原子として 1〜1000pp mであることが好ましい。 リン原子の含有量が lppmより少ないと、 ポリエステル に不溶性の異物の生成を抑制する効果に乏しく、 またポリエステルの熱安定性や 熱酸化安定性が低くなるため好ましくない。 リン原子の含有量が lOOOppm を越え ると、 ポリエステルに不溶性の異物が多く生成するため好ましくない。 より好ま しくは、 10〜200ppmの範囲であり、 さらに好ましくは 20〜100ppmの範囲である。 また一方で、 本発明のポリエステルには、 アルカリ金属およびそれらの化合物 ならびにアル力リ土類金属およびそれらの化合物からなる群より選ばれる少なく とも一種を含有すると、 .ポリエステルの熱安定性等の物性が向上するため好まし レ、。 これらのうち、 リチウム、 ナトリウム、 カリウム、 マグネシウム、 カルシゥ
ムおよびそれらの化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有すること が、 ポリエステル中の異物の低減ゃポリエステルの着色の低減の観点から好まし い。 これらの中でも、 リチウム、 カルシウムおよびそれらの化合物からなる群よ り選ばれる少なくとも一種を含有するとポリエステルの熱安定性が優れるため好 ましい。 さらにポリエステルの着色低減の観点からカルシウムおよびそれらの化 合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましい。
本発明のポリエステルにアル力リ金属、 アル力リ土類金属並びにそれらの化合 物を含有する場合、 その含有量は、 ポリエステルを構成する全ポリカルボン酸ュ ニットのモル数に対して、 1 X 1 0—6以上 0 . 1モル0 /0未満であることが好まし く、 より好ましくは 5 X 1 0— 6〜0 . 0 5モル0 /0であり、 さらに好ましくは I X 1 0— 5〜 0 . 0 3モル0 /0であり、 特に好ましくは、 1 X 1 0— 5〜0 . 0 1モノレ0 /0 である。 アルカリ金属、 アルカリ土類金属の含有量が少量であるため、 熱安定性 低下、 耐加水分解性の低下、 異物の発生、 着色等の問題が低減される。 アルカリ 金属、 アル力リ土類金属並びにその化合物の含有量が 0 . 1モル%以上になると 熱安定性の低下、 異物発生や着色の増加、 耐加水分解性の低下等が製品加工上問 題となる場合が発生する。 含有量が 1 X 1 0— 6モル%未満では、 含有してもその 効果が明確ではな!/,、。
本発明は、 記した化合物を触媒として用いて上記してきたようなポリエステ ルを製造する方法にも関する。
また、 別の本発明のポリエステルは、 アルミニウムおよびその化合物からなる 群より選ばれる少なくとも一種とリン化合物からなる群より選ばれる少なくとも 一種を含有するポリエステルであり、 かつポリエステル中に含まれるリン原子の 量 (ppm) のアルミニウム原子の量 (ppm) に対する比が 0 . 5〜2 0の範囲にある ことが必要である。 この比が 0 . 5より小さいと、 アルミニウム化合物に起因す るポリエステルに不溶性の異物が多く生じ、 その結果、 紡糸時の糸切れや成形時 のフィルター詰まり等が頻繁に起こるという問題が発生する。 また、 レジンの着 色が顕著になり、 成形品の外観が損なわれるという問題やレジンの熱安定性が低 下するという問題が発生する。 比が 2 0を越えた場合も、 ポリエステルに不溶性 の異物が多く生じ、 その結果、 紡糸時の糸切れや成形時のフィルター詰まり等が
頻繁に起こるという問題が発生する。 また、 触媒として用いる場合に触媒活性が 顕著に低下するという問題が発生する。 比の好ましい範囲は 1〜1 5であり、 よ り好ましくは 3〜1 0である。
ポリエステル中における、 アルミニウムおよぴその化合物からなる群より選ば れる少なくとも一種とリン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の含有 量を上記範囲とすることで、 ポリエステルに不溶性の異物の発生が効果的に抑制 され、 紡糸時の糸切れや成形時のフィルター詰まり等の問題が改善される。 また、 本発明のァノレミニゥムおよびその化合物は、 ポリエステル中にアルミ- ゥム原子として lppm以上 lOOppm以下の範囲で含有されていることが好ましい。 ァ ルミ-ゥム原子の含有量が lOOppmを越えると アルミニウム化合物に起因するポ リエステルに不溶性の異物が多く生成したりポリエステルの熱安定性が低下する ため好ましくない。 アルミニウム原子の含有量力 Slppmより少ないようにすると、 触媒として用いる場合に触媒活性が顕著に低下するため好ましくない。 より好ま しくは、 5pPm以上 70ppm以下の範囲であり、 さらに好ましくは lOppm以上 30ppm 以下の範囲である。
また、 本発明のリン化合物は、 ポリエステノレ中にリン原子として 5ppm以上 200p pm以下の範囲で含有されていることが好まし 、。 リン原子の含有量が5 ppmより少 ないと、 ポリエステルに不溶性の異物の生成を抑制する効果に乏しく、 またポリ エステルの熱安定性が低くなるため好ましくない。 リン原子の含有量が 200ppmを 越えると、 ポリエステルに不溶性の異物が多く生成するため好ましくない。 より 好ましくは、 lOppm以上 lOOppm以下の範囲であり、 さらに好ましくは 20ppm以上 80ppm以下の範囲である。
本発明のリン化合物のポリマー中における存在形態は特に限定はされないが、 ポリエステル重合触媒として、 ホスホン酸系化合物、 ホスフィン酸系化合物、 ホ スフインオキサイド系化合物、 亜ホスホン酸系化合物、 亜ホスフィン酸系化合物 、 ホスフィン系化合物のいずれかの形態で用いることが好ましい。 ポリエステル の重合時に、 これらの構造を有するリン化合物をアルミ-ゥムィ匕合物と共存して 用いることで触媒活性の向上効果が見られる。 これらの中でも、 ホスホン酸系ィ匕 合物の形態であるようにすると、 触媒として用いた場合に触媒活性の向上効果が
大きく好ましい。 ホスホン酸系化合物の中でも、 芳香環構造を有する形態である ようにすると、 触媒として用いた場合に触 性の向上効果がとくに大きく好ま しい。
また一方で、 本発明のポリエステルには、 アルカリ金属おょぴそれらのィヒ合物 ならぴにアル力リ土類金属およびそれらの化合物からなる群より選ばれる少なく とも一種を含有すると、 ポリエステルの熱安定性等の物性が向上するため好まし レ、。 これらのうち、 リチウム、 ナトリウム、 カリウム、 マグネシウム、 カルシゥ ムおよびそれらの化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有すること が、 ポリエステル中の異物の低減ゃポリエステルの着色の低減の観点から好まし い。
本発明のポリエステルにアル力リ金属、 アル力リ土類金属並びにそれらの化合 物を含有する場合、 その含有量は、 ポリエステルを構成する全ポリカルボン酸ュ ニットのモノレ数に対して、 1 X 1 0— 6以上 0 . 1モル0 /0未満であることが好まし く、 より好ましくは 5 X 1 0— s〜0 . 0 5モル0 /0であり、 さらに好ましくは I X 1 0— 5〜0 . 0 3モル0 /0であり、 特に好ましくは、 1 X 1 0— 5〜0 . 0 1モル0 /0 である。 アルカリ金属、 アルカリ土類金属の含有量が少量であるため、 熱安定性 低下、 耐加水分解性の低下、 異物の発生、 着色等の問題が低減される。 アルカリ 金属、 アルカリ土類金属並びにその化合物の含有量が 0 . 1モル%以上になると 熱安定性の低下、 異物発生や着色の増加、 耐加水分解性の低下等が製品加工上問 題となる場合が発生する。 含有量が 1 X 1 0— 5モル%未満では、 含有してもその 効果が明確ではない。
本発明は、 上記した金属および化合物を触媒として用いて製造されたポリエス テルおよびその製造方法にも関する。 金属および化合物の添加量としては、 最終 的に得られるポリエステル中における金属原子ゃリン原子の含有量が上記のよう になることが必要である。 該方法により、 ポリエステルに不溶性の異物の発生が 効果的に抑制され、 紡糸時の糸切れや成形時のフィルター詰まり等の問題が改善 される。
本発明のポリエステルは、 アンチモン化合物、 ゲルマニウム化合物、 チタンィ匕 合物、 スズ化合物などの重 虫媒を用いて製造されたものでないことが好ましい
また一方で、 本発明のポリエステルは、 アンチモン化合物、 ゲルマニウム化合 物、 チタン化合物、 スズ化合物などの重合触媒を、 これらの成分の添加が前述の ようなポリエステルの特性、 加工性、 色調等製品に問題を生じない添加量の範囲 内において共存させて用いることは、 これらを重合触媒として用いる場合に重合 時間の短縮による生産性を向上させる際に有効であり、 好ましい。
本発明のポリエステルはアンチモン原子の含有量がポリエステルに対して 5 0 p p m以下の量になるようにすると、 ポリエステルの黒ずみや異物の発生が抑制 されるため好ましい。 より好ましくは 3 0 p p m以下であり、 さらに好ましくは l O p p m以下である。 また一方で、 本発明のポリエステルはアンチモン原子を 含有していないことが好ましい。
また、 本発明のポリエステルはゲルマニウム原子の含有量がポリエステルに対し て 2 0 p p m以下の量になるようにすると、 コスト的に不利にならないため好ま しい。 より好ましくは 1 0 p p m以下であり、 さらに好ましくは 5 p 以下で ある。 また一方で、 本発明のポリエステルはゲルマニウム原子を含有していない ことが好ましい。
また、 本発明のポリエステルはチタン原子の含有量がポリエステルに対して 5 m以下の量になるようにすると、 ポリエステルの熱安定性や色調に優れるた め好ましい。 より好ましくは 3 p p m以下であり、 さらに好ましくは 1 p p m以 下である。 また一方で、 本発明のポリエステルはチタン原子を含有していないこ とが好ましい。
本発明のポリエステルには、 さらに、 コバルトまたはその化合物を含有するこ とが、 ポリエステルの着色を低減する観点から好ましい。 ただし、 ポリエステノレ 中のコバルトまたはそのィ匕合物の含有量としては、 コバルト原子としてポリエス テルに対して 1 0 p p m未満の量で含有する事が好ましい。 より好ましくは 5 p p m未満であり、 さらに好ましくは 3 p p m以下である。
コバルト化合物はそれ自体ある程度の触 性を有していることは知られてい るが、 十分な触媒効果を発揮する程度に添加すると得られるポリエステル重合体 の明るさの低下や熱安定性の低下が起こる。 本発明においては、 コバルト化合物
を上記のような少量で添加による触媒効果が明確でないような添加量にて添加す ることにより、 得られるポリエステルの明るさや熱安定性の低下を起こすことな く着色をさらに効果的に消去できる。 なお本発明におけるコバルト化合物は、 着 色の消去が目的であり、 添加時期は重合のどの段階であってもよく、 重合反応終 了後であってもかまわない。
また一方で、 ポリエステル重合体の熱安定性や明るさが優れたものとなるため 、 本発明のポリエステルはコパルト原子を含有していないことが好ましい。 また、 別の本発明のポリエステル重合触媒は、 アルミニウムおよびその化合物 からなる群より選ばれる少なくとも一種とリン化合物からなる群より選ばれる少 なくとも一種とからなり、 リン原子とアルミニウム原子のモノレ比が 0. 5〜20 の範囲にあることを特徴とする。 また、 本発明のポリエステルの製造方法は、 上 記範囲でアルミニウムおよびその化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種 とリン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を添カロしてポリエステルを 製造することを特徴とする。 モル比が 0. 5より小さいと、 触媒活性が顕著に低 下し、 所定の粘度のポリエステルを重合するのに多大な時間を要する。 また、 ポ リエステルに不溶性の異物の発生やレジンの着色が顕著になったり、 レジンの熱 安定性が低下したりするという問題が発生する。 モル比が 20を越えた場合も、 触媒活性が顕著に低下し、 所定の粘度のポリエステルを重合するのに多大な時間 を要する。 モル比の好ましい範囲は 2〜15であり、 より好ましくは 3〜 10で あり、 特に好ましくは 4〜 8である。
本発明のアルミニウムおよびその化合物の添加量は、 得られるポリエステルを 構成する全ポリカルボン酸ュニットのモル数に対して、 アルミニウム原子として 0. 00 lmo 1 %〜 0. 1 m o 1 %の範囲にあることが好ましい。 添加量が 0
. 1 m o 1 %を越えると、 ポリエステルの熱安定性や熱酸化安定性の低下や、 ポ リエステルに不溶性の異物の発生やレジンの着色の増カ卩が問題になる場合が発生 する。 添加量が 0. 001 m o 1 %より少ないと触媒活性が十分に発揮されない 場合がある。 添加量のより好ましい範囲は、 0. 003mo l %〜0. 0.5mo 1 %であり、 さらに好ましくは 0. 005mo l 0/o〜0. 02mo l %であり、 0. 007mo l %〜0. 015mo 1 %が特に好ましい。 この様にアルミ-ゥ
ム成分の添加量が少なくても本発明の重合触媒は十分な触媒活性を示す点に大き な特徴を有する。 その結果熱安定性や熱酸化安定性が優れ、 アルミニウムに起因 する異物や着色が低減される。
本発明のリン化合物の添加量は、 得られるポリエステルを構成する全ポリカル ボン酸ユニットのモル数に対して、 リン原子として 0. 005mo l%〜0. 2 m o 1 %の範囲にあることが好ましい。 添加量が 0. 005 m o 1 %未満の場合 には添加効果が発揮されない場合があり、 0. 2 m o 1 %を越えて添加すると逆 にポリエステル重合触媒としての触 性が低下する場合がある。 添加量のより 好ましい範囲は、 0. 007mo lo/0〜0. 05 mo 1 %であり、 さらに好まし くは 0. 01ηαο 1%〜0. 02mo l %である。
リン化合物を使用せず、 アルミニウム化合物を主たる触媒成分とする技術であ つて、 アルミニウム化合物の使用量を低減し、 さらにコバルト化合物を添加して アルミニウム化合物を主触媒とした場合の熱安定性の低下による着色を防止する 技術があるが、 コパルト化合物を十分な触媒活性を有する程度に添加するとやは り熱安定性が低下する。 従って、 この技術では両者を両立することは困難である 本発明によれば、 リン化合物を特定量で使用することにより、 熱安定性の低下 、 異物発生等の問題を起こさず、 しかも金属含有成分のアルミニウムとしての添 加量が少量でも十分な触媒効果を有する重合触媒が得られ、 この重^ 媒を使用 する事によりポリエステルフィルム、 ボトル等の中空成形品、 繊維やエンジニア リングプラスチック等の溶融成形時の熱安定性が改善される。 本発明のリン化合 物の中でもリン酸ゃトリメチルリン酸等のリン酸エステルを添加しても添加効果 がほとんど見られないため好ましくない。 また、 本宪明のリン化合物を本発明の 添加量の範囲で従来のアンチモンィ匕合物、 チタン化合物、 スズ化合物、 ゲルマ二 ゥム化合物等の金属含有ポリエステル重合触媒と組み合わせて使用しても、 溶融 重合反応を促進する効果は認められない。
また、 別の本発明の特徴は、 ポリエステル重合触媒であって、 この触媒を用い て重合したポリエチレンテレフタレート (PET) の熱安定性パラメ ^"タ (TS ) が下記 (9) 式を満たすことを特徴とする。
(9) TS< 0. 20
ただし、, TSは固有粘度 ( [I V] , ) が 0. 64〜0. 66 d l/gの PE Tl gをガラス試験管に入れ 130°Cで 12時間真空乾燥した後、 非流通窒素雰 囲気下で 300°Cにて 2時間溶融状態に維持した後の固有粘度 ( [IV] f ) か ら、 次式により計算される数値である。
TS = 0. 245 { [IV] f - 1 47 - [I V] i -1· 47 }
非流通窒素雰囲気とは、 流通しない窒素雰囲気を意味し、 例えば、 レジンチッ プを入れたガラス試験管を真空ラインに接続し、 減圧と窒素封入を 5回以上繰り 返した後に l O OTo r rとなるように窒素を封入して封管した状態である。 力かる構成の触媒の使用によりフィルム、 ボトル、 繊維等の成形品を製造する 際等の加熱溶融に対する溶融熱安定性が顕著に優れ、 分子量低下や着色や異物の 発生の少な 、成形品を与えるポリエステルが得られる。
TSは、 0. 1 7以下であることがより好ましく、 0. 15以下であることが 特に好ましい。
従来、 T Sが上記範囲となるような P E Tを与えるポリエステル重合触媒は知 られていなかった。 本発明では、 TSが上記範囲となるような PETを与えるポ リエステル重合触媒を見いだし、 該ポリエステル重合触媒を用いて重合したポリ エステルからなるフィルム、 ボトル等の中空成形品、 繊維、 エンジニアリングプ ラスチック等の溶融成形を行う際の熱安定性が顕著に改善されており、 バージン の樹脂を使用してもまた成形時に発生する屑を再利用しても品位に優れた製品が 得られることを見いだしたことが別の特徴である。
上述のポリエステル重合触媒はリン化合物からなる群より選ばれる少なくとも 1種を触^ It成成分として含むことが好ましい。
別の本発明のポリエステル重合触媒は、 金属または金属化合物とリン化合物と からなるものであって、 活性パラメータ (AP) が下記 (10) 式を満足すること を特 ί敷とする。
(10) AP (m i n) <APX (m i n)
ただし、 A Pは所定量の触媒を用いて 275 °C、 0. lTo r rの減圧度で固有 粘度が 0. 65 d l "gのポリエチレンテレフタレート (PET) を重合するの
に要する時間 (mi n) を示し、 APXは上記触媒のうち金属または金属化合物 のみを上記と同じ量だけ用いた場合の A Pである。
APの測定方法は、 具体的には以下の通りである。
1) (B HE T製造工程) テレフタル酸とその 2倍モル量のエチレングリコール を使用し、 エステル化率が 95 %のビス ( 2—ヒドロキシェチル) テレフタレー ト (BHET) 及ぴオリゴマーの混合物 (以下、 BHET混合物という) を製造 する。 .
2) (触媒添加工程) 上記の BHET混合物に所定量の触媒を添加し、 窒素雰囲 気下常圧にて 245°Cで 10分間撹拌し、 次いで 50分間を要して 275でまで 昇温しつつオリゴマーの混合物の反応系の圧力を徐々に下げて 0. 1 T o r rと する。
3) (重縮合工程) 275°C、 0. ITo r rで重縮合反応を行い、 ポリエチレ ンテレフタレートの固有粘度 (I V) が 0. 65 d 1 gに到達するまで重合す る。
4) 重縮合工程に要した重合時間を A P (mi n) とする。
これらは、 バッチ式の反応装置を用いて行う。
1) (BHET製造工程) における BHET混合物の製造は、 公知の方法で行 われる。 例えば、 テレフタル酸とその 2倍モル量のエチレングリコールを撹拌機 付きのパッチ式オートクレーブに仕込み、 0. 25 MP aの加圧下に 245 に て水を系外に留去しつつエステル化反応を行うことにより製造される。
活性パラメータ A Pを上記範囲内とすることにより、 リン化合物を共存するこ とによる熱安定性の向上に加えて、 反応速度がより速く、 重縮合によりポリエス テルを製造する時間がより短縮される。 APは 0. 9 APX以下であることがよ り好ましく、 0. 8 APX以下であることがさらに好ましく、 0. 7APX以下 であることが特に好ましい。
2) (触媒添加工程) における 「所定量の触媒」 とは、 触媒の活性に応じて変 量して使用される触媒量を意味し、 活性の高い触媒では少量であり、 活性の低い 触媒ではその量は多くなる。
一般に、 リン化合物はポリエステルの安定剤として知られており、 ポリエステ
ルの熱劣ィ匕を抑制することが可能であることが知られているが、 従来、 活性パラ メータ A P力 上記の範囲になるような金属または金属化合物とリン化合物とか らなるポリエステル重合触媒は知られていなかった。 実際に、 ポリエステル重合 の代表的な触媒であるアンチモン化合物、 チタン化合物、 あるいはゲルマニウム 化合物を重合触媒としてポリエステルを重合する際に、 リン化合物を添加しても 実質的に有用なレベルまで重合が促進されることは認められない。 本発明では、 活性パラメータ AP力 S、 上記の範囲になるような金属または金属化合物とリン化 合物とからなるポリエステル重合触媒を見 、だし、 該重合触媒を用いることで触 媒活性に優れ、 かつ触媒の失活もしくは除去をすることなしに、 溶融成形時の熱 劣化が効果的に抑制されて熟安定性に優れたポリエステルが与えられることを見 いだしたことに特徴を有する。
■ 上述のポリエステル重合触媒は、 さらに、 該触媒を用いて重合したポリエチレ ンテレフタレート (PET) の熱安定性パラメータ (TS) が下記 (9) 式を満 たすことが好ましい。
(9) TS< 0. 20
力かる構成の触媒の使用により、 触媒活性に優れ、 かつフィルム、 ボトル、 繊 維等の成形品を製造する際等の加熱溶融に対する溶融熱安定性が顕著に優れ、 分 子量低下や着色や異物の発生の少ない成形品を与えるポリエステルが得られる。
TSは、 0. 18以下であることがより好ましく、 0. 15以下であることが 特に好ましい。
本発明のポリエステノレ重合触媒は、 該触媒を用いて重合したポリエチレンテレ フタレート (PET) の熱酸ィ匕安定性パラメータ (TOS) が下記式 (11) を 満たすことが好ましい。
(11) TOS< 0. 10
上記式中、 TOSは溶融重合した I Vが 0. 64〜0. 66 d l/gの] PET レジンチップを冷凍粉砕して 20メッシュ以下の粉末として 130 °Cで 12時間 真空乾燥したもの 0. 3 gをガラス試験管に入れ 70 で 12時間真空乾燥した 後、 シリカゲルで乾燥した空気下で 230 °C、 15分間加熱した後の I Vから、 下記計算式を用いて求められる。
TOS = 0. 245 { [IV] t'1- 47 一 [IV] s
[IV] i および [IV] „はそれぞれ加熱試験前と加熱試験後の IV (d 1/ g) を指す。
シリカゲノレで乾燥した空気下で加熱する方法としては、 例えば、 シリカゲルを 入れた乾燥管をガラス試験管上部に接続し、 乾燥した空気下で加熱する方法が例 示できる。
上述の構成のポリエステル重合触媒の使用により、 耐熱老ィ匕性にも優れたフィ ルムゃポトルのような成形品を与えるポリエステルが得られる。
TOSは、 より好ましくは 0. 09以下、 さらに好ましくは 0. 08以卞であ る。
本発明において、 TS、 TOSを測定するために使用する PETレジンチップ は、 上記 1) 〜3) の工程を経た後、 溶融状態からの急冷によって作製されたも のを使用する。 これらの測定に用いるレジンチップの形状としては、 例えば、 長 さ約 3mni、 直径約 2 mmのシリンダ一形状のレジンチップを使用する。
また本発明のポリエステル重合触媒は、 活性パラメータ (AP) が下記式 (1 2) を満たすことが好ましい。
(12) AP (mi n) < 2T (m i n)
Tは三酸ィ匕ァンチモンを触媒として生成ポリエチレンテレフタレート中の酸成 分に対してアンチモン原子として 0. 05mo 1 %となるように添加した場合の APである。
本発明において比較の為に使用する三酸化アンチモンは、 純度 99%以上の三 酸化アンチモンを使用する。 例えば、 市販品の Antimony (III) oxide (ALDRICH CHEMICAL社製、 純度 99. 999%) を使用する。
活性パラメータ APを上記範囲内とすることにより、 反応速度が速く、 重縮合 によりポリエステルを製造する時間が されるため好ましい。 APは 1. 5T 以下であることがより好ましく、 1. 3T以下であることがさらに好ましく、 1 . 0T以下であることが特に好ましい。
本発明のポリエステル重合触媒を構成する金属成分としては、 アンチモン、 チ タン、 ゲルマニウム以外であればとくに限定はされないが、 アルカリ金属、 アル
カリ土類金属、 アルミニウムやガリウム等の ΙΠΑ族の元素、 ケィ素等の IV Α族の 元素、 各種の遷移金属、 およびランタノイド元素などが挙げられる。 このうち、 ΙΠΑ族の元素が好ましく、 それらの中でもアルミニウムがとくに好ましい。 これ らの金属の化合物としては、 特に限定はされないが、 具体的には、 これら金属の ギ酸、 酢酸、 プロピオン酸、 酪酸、 蓚酸などの飽和脂肪族カルボン酸塩、 アタリ ル酸、 メタクリル酸などの不飽和脂肪族カルボン酸塩、 安息香酸などの芳香族力 ルポン酸塩、 トリクロロ酢酸などのハロゲン含有カルボン酸塩、 乳酸、 クェン酸
、 サリチル酸などのヒドロキシカノレポン酸塩、 炭酸、 硫酸、 硝酸、 リン酸、 ホス ホン酸、 炭酸水素、 リン酸水素、 硫化水素、 亜硫酸、 チォ硫酸、 塩酸、 臭化水素 酸、 塩素酸、 臭素酸などの無機酸塩、 1一プロパンスルホン酸、 1一ペンタンス ルホン酸、 ナフタレンスルホン酸などの有機スルホン酸塩、 ラウリル硫酸などの 有機硫酸塩、 メトキシ、 エトキシ、 n—プロボキシ、 i s o—プロポキシ、 n— ブトキシ、 t e r t—ブトキシなどのアルコキサイド、 ァセチノレアセトネートな どとのキレート化合物、 水素化物、 酸化物、 水酸ィヒ物などが挙げられる。
ポリエステルを製造する際の上記の金属成分の好ましい使用量は、 用いる金属 種によって異なるが、 ポリエステルを構成する全ポリカルボン酸ュ-ットのモル 数に対して、 金属原子として 1 X 1 0ー6以上 0. 5モル。 /0以下であることが好ま しく、 より好ましくは 5 X 1 0— 5〜0 . 1モル0 /0である。 添加量が 0 . 5モル0 /0 を越えると、 得られるポリエステルの熱安定性や色調などの品質が低下するため 好ましくない。 添加量が 1 X 1 0— 6モル%未満では、 添加してもその効果が明確 ではない。
本発明のポリエステル重合触媒はアルミ二ゥムおよびその化合物からなる群よ り選ばれる少なくとも 1種を触媒構成成分として含むことが好ましい。
本発明のアルミニウムないしアルミニウム化合物の使用量としては、 得られる ポリエステルのジカルボン酸や多価カルボン酸などのカルポン酸成分の全構成ュ ニットのモノレ数に対して 0 . 0 0 1〜0 . 0 5モル0 /0が好ましく、 さらに好まし くは、 0 . 0 0 5〜0. 0 2モル0 /0である。 使用量が 0 . 0 0 1モル0 /0未満であ ると触 ^性が十分に発揮されな!/、場合があり、 使用量が 0 . 0 5モル%以上に なると、 熱安定性や熱酸ィ匕安定性の低下、 アルミニウムに起因する異物の発生や
着色の增加が問題になる場合が発生する。 この様にアルミニウム成分の添加量が 少なくても本発明の重合触媒は十分な触媒活性を示す点に大きな特徴を有する。 その結果熱安定性や熱酸ィ匕安定性が優れ、 アルミニウムに起因する異物や着色が 低減される。
本発明のリン化合物の使用量としては、 得られるポリエステルのポリカルボン 酸成分の全構成ュニットのモル数に対して 0. 0001〜0. 1 モル0 /0が好ましく、 0. 00 5 〜0. 05モル%であることがさらに好ましい。 リン化合物の添加量が 0. 0001モル %未満の場合には添加効果が発揮されない場合があり、 0. 1 モル%を超えて添加 すると逆にポリエステル重 媒としての触媒活性が低下する場合がある。
リン化合物を使用せず、 アルミニウム化合物を主たる触媒成分とする技術であ つて、 アルミニウム化合物の使用量を低減し、 さらにコバルト化合物を添加して アルミニウムィ匕合物を主触媒とした場合の熱安定性の低下による着色を防止する 技術があるが、 コパノレト化合物を十分な触媒活性を有する程度に添加するとやは り熱安定性が低下する。 従って、 この技術では両者を両立することは困難である 本発明によれば、 上述のリンィヒ合物の使用により、 熱安定性の低下、 異物発生 等の問題を起こさず、 しかも金属含有成分のアルミ-ゥムとしての添加量が少量 でも十分な触媒効果を有する重合触媒が得られ、 この重合触媒を使用する事によ りポリエステノレフイノレム、 ポトル等の中空成形品、 繊維やエンジニアリンダプラ スチック等の溶融成形時の熱安定性が改善される。 本発明のリン化合物の中でも リン酸ゃトリメチルリン酸等のリン酸エステルを添加しても触媒活性向上効果が 見られないため好ましくない。 また、 本発明のリン化合物を本発明の添加量の範 囲で従来のアンチモンィヒ合物、 チタン化合物、 ゲルマニウムィ匕合物と組み合わせ て使用しても、 溶融重合反応を促進する効果は認められない。
本発明のポリエステノレ重合触媒を構成する成分として、 リン化合物のアルミ二 ゥム塩から選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。 リン化合物のァノレ ミニゥム塩に他のァノレミニゥム化合物やリン化合物などを組み合わせて使用する ことも好ましい。
本発明のリンィヒ合物のアルミニウム塩の使用量としては、 得られるポリエステ
ルのポリカルボン酸成分の全構成ュ-ットのモル数に対して 0. 0001〜0. 2 モル0 /0 が好ましく、 0. 005 〜0. 1 モノレ%であることがさらに好ましい。
また、 別の本発明は、 カルボン酸アルミニウム塩を予め水および/または有機 溶媒に溶解したものを触媒として用いることに特徴を有する。
本発明のカルボン酸アルミニウム塩としては、 具体的には、 ギ酸アルミニウム 、 酢酸アルミニウム、 塩基性酢酸アルミニウム、 プロピオン酸アルミニウム、 シ ユウ酸アルミニウム、 アクリル酸アルミニウム ラウリン酸アルミニウム、 ステ アリン酸アルミニウム、 安息香酸アルミニウム、 トリクロ口酢酸アルミニウム、 乳酸アルミニウム、 クェン酸アルミニウム、 酒石酸アルミニウム、 サリチル酸ァ ルミユウムなどが挙げられるが、 これらのうち酢酸アルミニウム、 塩基性酢酸ァ ノレミニゥム等の酢酸のァノレミニゥム塩の構造を有するものや ¾酸アルミニゥムが 系への溶解性や触媒活性の観点から好ましい。
カルボン酸のアルミエゥム塩をポリエステル重合触媒として用いた例としては 、 酢酸アルミニウム、 塩基性酢酸アルミ-ゥム、 乳酸アルミニウム、 安息香酸ァ ルミユウムなどがこれまでに例示されているが、 これらはいずれもポリエステル に対する溶解性が低いため、 触媒活性に劣るとともに、 得られるポリエステルに 不溶性の異物が生 するといつた問題を有しており、 これらのィ匕合物をそのまま 触媒として使用するには問題があった。 本発明では、 これらを水および Zまたは 有機溶媒に予め溶解したものを触媒として用いることで十分な触媒活性を持たせ ることができることを見いだしたことに特徴を有する。
本発明のカルボン酸アルミニウム塩は、 ポリエステルの重合系に添加する前に 、 予め水および Zまたは有機溶媒に溶解した状態にして、 重合系に添加しなけれ ばならない。 有機溶媒としては、 グリコール類の使用が好ましく、 P E Tを製造 する場合は、 エチレンダリコールを用いることが好ましい。
酢酸のアルミニウム塩の構造を有するものとしては、 塩基性酢酸アルミニウム 、 トリ酢酸ァノレミ-ゥム、 酢酸アルミニウム溶液などが挙げられるが、 これらの 中でも、 溶解性およぴ?薪夜の安定性の観点から、 塩基性酢酸アルミニゥムの使用 が好ましい。 塩基性酢酸アルミニウムの中でも、 モノ酢酸アルミニウム、 あるい はジ酢酸アルミニウムの使用が好ましい。 いずれの塩基性酢酸アルミニウムも水
および zまたは有機溶剤に溶解したものを触媒として用いることが必要である。 かかる構成の触媒を使用することにより、 触媒活性に優れ、 品質に優れたポリエ ステルを得ることが可能になる。 溶剤としては、 水ゃジオール類の使用が好まし く、 P E Tを製造する場合は、 水およぴ Zまたはエチレングリコールの使用が好 ましい。
また別の本発明では、 カルボン酸アルミニウム塩が、 ホウ酸等で安定ィ匕された ものを触媒として用いると、 溶解性や溶液の安定性が優れ、 触媒活性に優れると ともに、 品質に優れたポリエステルが得られることを見いだしたことに特徴を有 する。 カルポン酸アルミェゥム塩としては、 酢酸のアルミニウム塩の構造を有す るものが好ましく、 その中でも塩基性酢酸アルミニウムの使用が好ましい。 安定 剤としては、 ホウ酸以外に尿素、 チォ尿素などが挙げられるが、 ホウ酸の使用が 好ましい。 ホウ酸で安定ィヒされたものを用いる場合、 アルミニウムに対して等モ ル以下の量のホウ酸で安定化されたものを用いることが好ましく、 とくに 1 / 2 〜 1 / 3モル量のホウ酸で安定ィ匕されたアルミ二ゥム化合物の使用が好ましい。 力ルポン酸アルミニゥム塩がホゥ酸等で安定化されたものを触媒として用いる場 合、 これらを予め水および/または有機溶剤に溶解した状態にして重合系に添加 すること力 触媒 性およびポリエステルの品質の観点から好ましい。 有機溶媒 としては、 グリコール類の使用が好ましく、 P E Tを製造する場合は、 エチレン グリコールを用いることが好ましい。 '
塩基性酢酸アルミニウムを予め水酸化テトラ チルアンモニゥム等のアル力リ 化合物と混合したものを触媒として用いることが、 W0 9 8ノ 4 2 7 6 9に開示 されている。 該方法によって不溶性異物の形成が抑制されることが述べられてい るが、 当該技術ではアルカリ化合物の使用が必須であるため、 アルカリ化合物に 起因するポリエステルの着色や異物の生成が問題となる。 本発明では、 当該特許 に記載のアル力リ化合物と本発明のアルミ-ゥムィ匕合物を予め混合することが必 須ではない為、 上述の着色や異物の問題が低減したポリエステルを得ることがで きる。
本発明の力ルポン酸アルミニゥム塩を水およぴ Zまたは有機溶媒に溶解した溶 液を製造するために、 カルボン酸アルミニウム塩を予め水に溶解した溶液を用い
ることが好ましい。 該水溶液に必要に応じてジオール類等の有機溶剤を加えるこ とが好ましい。 該水溶液をそのまま重合系に添加してもよいが、 添加時のヒート ショックをやわらげる為に、 該水溶液をエチレンダリコール等のジオール類で希 釈したものを重合系に添加するカゝ、 あるいは、 ジオール類で希釈した溶液を液一 液置換することで水を留去したものを重合系に添加することが好ましい。
カルボン酸アルミニウム塩の水溶液をエチレングリコール等のジオール類で希 釈する場合、 水に対して容量比で 0. 5〜 5 0倍量のジオール類で希釈すること が好ましい。 また、 重合系に添加するカルボン酸アルミ-ゥム塩の溶液の濃度と しては、 ァノレミ-ゥム原子換算で 0 . 0 1〜1モノレ/ リットノレとすると、 得られ るポリエステル中に不溶性の異物の生成がとくに抑制されるため好ましい。 カルボン酸アルミニウム塩を水および/または有機溶剤に溶解する際、 あるい は溶解した溶液に、 ホウ酸等の安定剤やくえん酸、 乳酸、 蓚酸等の酸を添加する ことで溶解性や溶液の安定性が高まるため好ましい。
以下に、 本発明で用いられる塩基性酢酸アルミ二ゥムを水および/または有機 溶剤に溶解した溶液の調製方法の具体例を示す。
く塩基性酢酸アルミニゥムの水溶液の調製例 >
塩基性酢酸アル 二ゥムに水を加え室温で数時間以上撹拌する。 撹拌時間は、 1 2時間以上であることが好ましい。 その後、 6 0 °C以上で数時間以上撹拌を行 う。 この場合の温度は、 6 0〜 8 0 °Cの範囲であることが好ましい。 撹拌時間は 、 3時間以上であることが好ましい。 7_溶液の濃度は、 5 g/l 〜1 0 0 g/l が好 ましく、 とくに 1 O g/1 〜3 O g/1 が好ましい。
<塩基性酢酸アルミニゥムのエチレングリコール溶液の調製例 >
上述の水溶液に対してエチレングリコールを加える。 エチレングリコールの添 加量は水溶液に対して容量比で 1〜 5倍量が好ましい。 より好ましくは 2〜 3倍 量である。 該^ Sを数時間常温で撹拌することで均一な水 Zエチレングリコール 混令溶液を得る。 その後、 該溶液を加熱し、 水を留去することでエチレングリコ ール? 夜を得ることができる。 温度は 8 0 °C以上が好ましく、 1 2 0°C以下が好 ましい。 より好ましくは 9 0〜 1 1 0 °Cで数時間撹拌して水を留去することが好 ましい。
以下に、 本発明で用いられる乳酸アルミニウムのエチレンダリコール溶液の調 製方法の具体例を示す。
乳酸アルミニウムの水溶液を調製する。 調製は室温下でも加熱下でもよいが室 温下が好ましい。 7_R溶液の濃度は 2 0 g Z l〜1 0 0 g / lが好ましく、 5 0〜
8 0 g / 1がとくに好ましい。 該水溶液にエチレングリコールを加える。 ェチレ ングリコールの添加量は水溶液に対して容量比で 1〜 5倍量が好ましい。 より好 ましくは 2〜 3倍量である。 該溶液を常温で撹拌し均一な水/エチレングリコー ル混合溶液を得た後、 該親夜を加熱し、 水を留去することでエチレングリコール 溶液を得ることができる。 温度は 8 0 °C以上が好ましく、 1 2 0 °C以下が好まし い。 より好ましくは 9 0〜 1 1 0 °Cで数時間撹拌して水を留去することが好まし い。
本発明のポリエステル重合触媒であるカルボン酸アルミニウム塩を水おょぴ Z または有機溶剤に溶解した溶液に、 リン化合物からなる群より選ばれる少なくと も 1種を添加すると、 溶液の安定性が向上し、 異物の形成が抑えられるため好ま しい。 カルボン酸アルミ二ゥム塩を水および/または有機溶剤に溶解した溶液を 調製する際に、 リン化合物からなる群より選ばれる少なくとも 1種を共存させて もよい。 リン化合物の添加量は、 アルミニウム原子に対してリン原子がモル比で 0 . 1〜1 0の範囲となるようにすることが好ましい。 リン化合物の添加方法と しては、 予め調製したアルミニウム化合物の溶液にリン化合物を添加してもよい し、 予め調製したリン化合物の溶液にアルミニウムィ匕合物を溶解してもよい。 あ るいは、 両者の溶液を混合して調製してもよいし、 両者を同時に溶剤に溶解して もよい。 溶剤としては、 水ゃジオール類の使用が好ましく、 P E Tを製造する場 合は、 水おょぴ またはエチレングリコールを用いることが好ましい。
本突明の方法に従ってポリエステルを製造する際の、 アルミニゥム化合物の使 用量としては、 得られるポリエステルのジカルボン酸や多価カルボン酸などの力 ルボン酸成分の全構成ュニットのモル数に対してアルミニウム原子として 0. 0 0 1〜0. 0 5モル0 /0が好ましく、 更に好ましくは 0 . 0 0 5〜0 . 0 2モル0 /0 である。 使用量が 0 . 0 0 1モル%未満であると触 性が十分に発揮されない 場合があり、 使用量が 0 . 0 5モル0 /0より多いと、 熱安定性や熱酸ィヒ安定性の低
下、 アルミニウムに起因する異物の発生や着色の増加が問題になる場合が発生す る。 この様にアルミニウム成分の添加量が少なくても本発明の重合触媒は十分な 触媒活性を示す点に大きな特徴を有する。 その結果熱安定性や熱酸化安定性が優 れ、 アルミニウムに起因する異物や着色が低減される。
本発明の方法に従って、 ポリエステルを製造する際に、 リン化合物からなる群 より選ばれる少なくとも 1種を用いるとポリエステルの熱安定性等の物性が改善 する効果が見られるため好ましい。
本発明の方法に従ってポリエステルを製造する際のリン化合物の使用量として は、 得られるポリエステルのポリカルボン酸成分の全構成ュ-ットのモル数に対 して 0 . 0 0 0 1〜0 . 1モル0 /0が好ましく、 0 . 0 0 5〜0 . 0 5モノレ0 /0であ ることがさらに好ましレ、。 本発明のポリエステル重合触媒であるカルボン酸ァノレ ミニゥム塩の にリン化合物を添加したものを触媒として用いる場合は、 リン 化合物の添加量が上記の範囲となるように触媒の添加量を調節することが好まし い。 リン化合物を触媒溶液とは別に添加する場合は、 重合系に添加されるリン化 合物の合計量が上記の範囲となるようにすることが好ましい。
本発明のリン化合物を併用することにより、 ポリエステル重合触媒中のアルミ 二ゥムとしての添 ξιπ量が少量でも十分な触媒効果を発揮する触媒が得られる。 リ ン化合物の添加量が 0 . 0 0 0 1モル%未満の場合には添加効果が発揮されない 場合があり、 また 0 . 1モル%を超えて添加すると逆にポリエステル重合触媒と しての触媒活性が低下する場合があり、 その低下の傾向は、 アルミニウムの使用 量等により変化する。
本発明の方法に従ってポリエステルを製造する場合には、 アルカリ金属、 アル 力リ土類金属、 もしくはこれらのィ匕合物を添加しないことが好ましい。
また一方で、 本発明においてアルミニウムもしくはその化合物に加えて少量の アル力リ金属、 アル力リ土類金属並びにその化合物から選択される少なくとも 1 種を第 2金属含有成分として添加することが好ましい態様である。 また、 本発明 のポリエステル重 虫媒として、 上記第 2金属含有成分を共存することは好まし い態様である。 また、 本発明のポリエステル重合.触媒の溶液にアルカリ金属、 了 ルカリ土類金属並びにその化合物から選択される少なくとも 1種を予め含有させ
たものを重合時に添加してもよいし、 触媒溶液とは別にアルカリ金属、 アルカリ 土類金属並びにその化合物から選択される少なくとも 1種を添加してもよい。 か 力る第 2金属含有成分を添加することは、 ジエチレングリコールの生成を抑制す る効果に加えて触媒活性を高め、 従って反応速度をより高めた触媒成分が得られ 、 生産性向上に有効である。
アルミニウム化合物にアル力リ金属化合物又はアル力リ土類金属化合物を添加 して十分な触媒活性を有する触媒とする技術は公知である。 かかる公知の触媒を 使用すると熱安定性に優れたポリエステルが得られるが、 アル力リ金属化合物又 はアル力リ土類金属化合物を併用した公知の触媒は、 実用的な触媒活性を得よう とするとそれらの添加量が多く必要であり、 アル力リ金属化合物を使用したとき はそれに起因する異物量が多くなり、 繊維に使用したときには製糸性や糸物性が 、 またフィルムに使用したときはフィルム物性、 透明性、 熱安定性、 熱酸化安定 性、 耐加水分解性などが悪ィヒする。 さらには繊維やフィルム等の溶融成形品の色 調が悪化する。 またアルカリ土類金属化合物を併用した場合には、 実用的な活性 を得ようとすると得られたポリエステルの熱安定性、 熱酸化安定性が低下し、 加 熱による着色が大きく、 異物の発生量も多くなる。
アルカリ金属、 アルカリ土類金属並びにその化合物を添加する場合、 その使用 量 M (モル0/。) は、 ポリエステルを構成する全ポリカルボン酸ユニットのモル数 に対して、 1 X 1 0— 6以上 0 . 1モル0 /0未満であることが好ましく、 より好まし くは 5 X 1 0—6〜0 . 0 5モル0 /0であり、 さらに好ましくは 1 X 1 0— 5〜0 . 0 3モル0 /0であり、 特に好ましくは、 1 X 1 0— 5〜0 . 0 1モル0 /0である。 アル力 リ金属、 アルカリ土類金属の添加量が少量であるため、 熱安定性低下、 異物の発 生、 着色等の問題を発生させることなく、 反応速度を高めることが可能である。 また、 耐加水^?性の低下等の問題を発生させることなく、 反応速度を高めるこ とが可能である。 アル力リ金属、 アル力リ土類金属並びにその化合物の使用量 M が 0 . 1モル%以上になると熱安定性の低下、 異物発生や着色の増加、 耐加水分 解性の低下等が製品加工上問題となる場合が発生する。 Mが 1 X 1 0— 6モル%未 満では、 添加してもその効果が明確ではない。
本発明の方法に従ってポリエステルを製造する際には、 さらに、 コバルト化合
物をコバルト原子としてポリエステルに対して 1 0 p p m未満の量で添加する事 が好ましい態様である。 より好ましくは 5 p p m未満であり、 さらに好ましくは 3 p p m以下である。 また、 本発明のポリエステル重合触媒の溶液に予めコパル トィ匕合物を含有させたものを重合時に添加してもよいし、 触媒溶液とは別にコパ ルトィ匕合物を添加してもよい。
また、 一方で本発明の方法に従ってポリエステルを製造する際には、 コノ ルト 化合物を使用しないことが好ましい。
本発明の方法に従ってポリエステルを製造する際は、 アンチモン化合物、 チタ ン化合物、 ゲルマニウム化合物、 スズ化合物等の他の重合触媒 、 これらの成分 の添加が前述の様なポリエステルの特性、 加工性、 色調等製品に問題が生じない 添加量の範囲内において共存させて用いることは、 重合時間の短縮による生産性 を向上させる際に有利であり、 好ましい。
ただし、 アンチモン化合物としては重合して得られるポリエステルに対してァ ンチモン原子として 50ppm以下の量で添加可能である。 より好ましくは 30ppm以 下の量で添加することである。 アンチモンの添加量を 50ppm より多くすると、 金 属アンチモンの析出が起こり、 ポリエステルに黒ずみや異物が発生するため好ま しくない。 ,
チタン化合 としては重合して得られるポリマーに対して ΙΟρρπι以下の範囲で 添加する事が可能である。 より好ましくは 5ppm以下、 さらに好ましくは 2ppm以下 の量で添加することである。 チタンの添加量を lOppm より多くすると得られるレ ジンの熱安定性が著しく低下する。
ゲルマ二ゥム化合物としては重合して得られるポリエステル中にゲルマ -ゥム 原子として 20ppm以下の量で添カロすることが可能である。 より好ましくは lOppm 以下の量で添加することである。 ゲルマニウムの添加量を 20ppm より多くすると コスト的に不利となるため好ましくない。
本発明の方法に従ってポリエステルを重合する際には、 アンチモン化合物、 チ タン化合物、 ゲルマニウム化合物、 スズ化合物を 1種又は 2種以上使用できる。 本発明のアル力リ金属おょぴそれらの化合物ならびにアル力リ土類金属および それらの化合物としては特に限定はされないが、 例えば、 これら金属のギ酸、 酢
酸、 プロピオン酸、 酪酸、 蓚酸などの飽和脂肪族カルボン酸塩、 アクリル酸、 メ タクリル酸などの不飽和脂肪族カルボン酸塩、 安息香酸などの芳香族カルボン酸 塩、 トリクロ口酢酸などのハ口ゲン含有カルボン酸塩、 乳酸、 クェン酸、 サリチ ル酸などのヒドロキシカルボン酸塩、 炭酸、 硫酸、 硝酸、 リン酸、 ホスホン酸、 炭酸水素、 リン酸水素、 硫化水素、 亜硫酸、 チォ硫酸、 塩酸、 臭化水素酸、 塩素 酸、 臭素酸などの無機酸塩、 1一プロパンスルホン酸、 1一ペンタンスルホン酸
、 ナフタレンスルホン酸などの有機スルホン酸塩、 ラウリル硫酸などの有機硫酸 塩、 メ トキシ、 エトキシ、 n—プロポキシ、 i s o—プロポキシ、 n—ブトキシ 、 t e r t—ブトキシなどのアルコキサイド、 ァセチルァセトネートなどとのキ レート化合物、 水素化物、 酸化物、 水酸化物などが挙げられる。
これらの化合物のうち、 水酸ィ匕物等のアルカリ性の強いものを用いる場合、 こ れらはエチレンダリコール等のジオールもしくはアルコール等の有機溶媒に溶解 しにくい傾向があるため、 水溶液で重合系に添加しなければならず重合工程上問 題となる場合が有る。 さらに、 水酸ィ匕物等のアルカリ性の強いものを用いた場合 、 重合時にポリエステルが加水分解等の副反応を受け易くなるとともに、 重合し たポリエステルは着色し易くなる傾向があり、 耐加水分解性も低下する傾向があ る。 従って、 本発明のアルカリ金属またはそれらの化合物あるいはアルカリ土類 金属またはそれらの化合物として好適なものは、 これらの金属の飽和脂肪族カル ボン酸塩、 不飽和脂肪族カルボン酸塩、 芳香族カルボン塩、 ハロゲン含有力ルポ ン酸塩、 ヒドロキシカルボン酸塩、 硫酸、 硝酸、 リン酸、 ホスホン酸、 リン酸水 素、 硫化水素、 亜硫酸、 チォ硫酸、 塩酸、 臭化水素酸、 塩素酸、 臭素酸から選ば れる無機酸塩、 有機スルホン酸塩、 有機硫酸塩、 キレート化合物、 および酸化物 である。 これらの中でもさらに、 取り扱い易さや入手のし易さ等の観点から、 飽 和脂肪族カルボン酸塩、 特に酢酸塩の使用が好ましい。
本発明のアルミニウムまたはその化合物としては特に限定はされないが、 金属 アルミニウムの他に、 例えば、 ギ酸アルミニウム、 酢酸アルミニウム、 塩基性酢 酸アルミニウム、 プロピオン酸アルミニウム、 蓚酸アルミニウム、 アクリル酸ァ ルミ二ゥム、 ラウリン酸アルミニウム、 ステアリン酸アルミニウム、 安息香酸ァ ルミ二ゥム、 トリクロ口酢酸アルミニウム、 乳酸アルミニウム、 酒石酸アルミ二
ゥム、 クェン酸アルミニウム、 サリチル酸アルミニウムなどのカルボン酸塩、 塩 化アルミニウム、 水酸化アルミニウム、 水酸化塩化アルミニウム、 ポリ塩化アル ミニゥム、 硝酸ァノレミニゥム、 硫酸アルミニウム、 炭酸ァノレミニゥム、 リン酸ァ ルミ二ゥム、 ホスホン酸アルミニウムなどの無機酸塩、 アルミニウムメ トキサイ ド、 アルミニウムェトキサイ ド、 アルミニウム n-プロポキサイド、 アルミユウム iso-プロポキサイド、 アルミニウム n-プトキサイド、 アルミニウム プトキサ イドなどアルミニウムアルコキサイド、 ァノレミニゥムァセチノレアセトネート、 ァ ルミユウムァセチルァセテート、 アルミニウムェチノレアセトアセテート、 アルミ 二ゥムェチノレアセトアセテートジ iso-プロポキサイドなどのァノレミニゥムキレー ト化合物、 トリメチルアルミニウム、 トリェチルアルミェゥムなどの有機アルミ ニゥム化合物あるいはこれらの部分加水^物、 ァノレミユウムのアルコキサイド やアルミニウムキレート化合物とヒドロキシカルボン酸からなる反応生成物、 酸 化アルミニウム、 超微粒子酸化アルミユウム、 アルミニウムシリケート、 アルミ 二ゥムとチタンやケィ素やジルコニウムやアルカリ金属やアルカリ土類金属など との複合酸化物などが挙げられる。 これらのうちカルボン酸塩、 無機酸塩おょぴ キレート化合物が好ましく、 これらの中でもさらに塩基性酢酸アルミニウム、 塩 ィ匕アルミニウム、 水酸化アルミニウム、 水酸化塩化アルミニウムおよびアルミ二 ゥムァセチノレアセトネートがとくに好ましい。 塩基性酢酸アルミニウムはホウ酸 等の添加剤で安定化されたものを用いてもよい。
本発明のリン化合物としては、 特に限定はされないが、 リン酸ならぴにトリメ チルリン酸、 トリェチルリン酸、 フエニルリン酸、 トリフエニルリン酸等のリン 酸エステル、 亜リン酸ならびにトリメチルホスファイ ト、 トリェチルホスフアイ ト、 トリフエ-ノレホスファイ ト、 トリス (2, 4-ジ- tert-ブチノレフエニル) ホスフ アイト、 テトラキス (2, 4 -ジ- tert-ブチルフエニル) 4, 4' - ビフエ二レンジホス フアイト等の亜リン酸エステルなどが挙げられる。
本発明のより好ましいリン化合物は、 ホスホン酸系化合物、 ホスフィン酸系化 合物、 ホスフィンオキサイド系化合物、 亜ホスホン酸系化合物、 亜ホスフィン酸 系化合物、 ホスフィン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のリンィ匕 合物である。 これらのリン化合物を含有することで本発明の課題であるポリエス
テルの物性改善効果が高まることにカ卩えて、 ポリエステルの重合時に、 これらの リン化合物を本発明のアルミ-ゥムィ匕合物と共存して用いることで蝕 ^¾性の向 上効果が見られる。 これらの中でも、 ホスホン酸系化合物を用いると物性改善効 果ゃ触媒活性の向上効果が大きく好ましい。 上記したリン化合物の中でも、 芳香 環構造を有する化合物を用いると物性改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好 ましい。 本発明のポリエステルの製造時にこのようなリン化合物を用いることで 、 アル力リ金属化合物やアル力リ土類金属化合物の添加量が少量であっても十分 な触媒効果を発揮する触媒が得られる。
本発明で言うホスホン酸系化合物、 ホスフィン酸系化合物、 ホスフィンォキサ イド系化合物、 亜ホスホン酸系化合物、 亜ホスフィン酸系化合物、 ホスフィン系 化合物とは、 それぞれ下記式 (ィ匕 1) 〜 (ィ匕 6) で表される構造を有する化合物 のことを言う。
[化 1]
o
II
-0-P-0-
[化 2]
o
-P-0-
[化 3]
o
P一
一 4
[化 4]
一 O— P—〇一
[化 5 ]
- P - 0 -
[化 6 ]
- P
本発明のホスホン酸系ィ匕合物としては、 例えば、 メチルホスホン酸ジメチレ、 メチノレホスホン酸ジフエ二ノレ、 フエ二ノレホスホン酸ジメチノレ、 フエ ノレホスホン 酸ジェチル、 フエニルホスホン酸ジフエニル、 ベンジルホスホン酸ジメチル、 ベ ンジルホスホン酸ジェチルなどが挙げられる。 本発明のホスフィン酸系化合物と しては、 例えば、 ジフエニルホスフィン酸、 ジフエ二ノレホスフィン酸メチノレ、 ジ フエ二ノレホスフィン酸フエ二ノレ、 フエ二ノレホスフィン酸、 フエ二ノレホスフィン酸 メチル、 フエニルホスフィン酸フエニルなどが挙げられる。 本発明のホスフィン ォキサイド系化合物としては、 例えば、 ジフエエルホスフィンォキサイド、 メチ ルジフエ二ノレホスフィンォキサイ ド、 トリフエニルホスフィンォキサイドなどが 挙げられる。
ホスフィン酸系化合物、 ホスフィンオキサイド系化合物、 亜ホスホン酸系ィ匕合物 、 亜ホスフィン酸系化合物、 ホスフィン系化合物の中では、 本発明のリン化合物 としては、 下記式 (ィ匕 7 ) 〜 (ィ匕 1 2 ) で表される化合物が好ましい。
[化 9]
[化 11]
[ (CH3 ) (CH2 ) 7 ] a P 上記したリン化合物の中でも、 芳香環構造を有する化合物を用いると物性改善 効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
また、 本発明のリン化合物としては、 下記一般式 (化 13) 〜 (化 15) で表 される化合物を用いると物性改善効果や触媒活性の向上効果が特に大きく好まし い。
[化 13]
P (=0) R1 (OR2 ) (OR3 ) [化 14]
P (=0) 1 R4 (OR2 ) [化 15]
P (=0) R1 R5 R8
(式 (化 13) 〜 (ィ匕 15) 中、 R1 、 R4 、 R5 、 R6 はそれぞれ独立に水素 、 炭素数 1〜 50の炭化水素基、 7j<酸基またはハ口ゲン基またはアルコキシル基 またはアミノ基を含む炭素数 1〜 50の炭化水素基を表す。 R2 、 R3 はそれぞ れ独立に水素、 炭素数 1〜50の炭化水素基、 水酸基またはアルコキシル基を含 む炭素数 1〜 50の炭化水素基を表す。 ただし、 炭化水素基はシク口へキシル等 の脂環構造やフエニルゃナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよレ、。 ) 本発明のリン化合物としては、 上記式 (ィ匕 13) 〜 (ィ匕 15) 中、 R1 、 R4 、 R5 、 R6 が芳香環構造を有する基である化合物がとくに好ましい。
本発明のリン化合物としては、 例えば、 メチノレホスホン酸ジメチル、 メチルホ スホン酸ジフエ二ノレ、 フエ二ノレホスホン酸ジメチノレ、 フエ二ノレホスホン酸ジェチ ル、 フェニノレホスホン酸ジフエ二ノレ、 ベンジルホスホン酸ジメチル、 ベンジルホ スホン酸ジェチノレ、 ジフエ二ノレホスフィン酸、 ジフエ-ノレホスフィン酸メチノレ、 ジフエ二ノレホスフィン酸フエ二ノレ、 フエ二ノレホスフィン酸、 フエ二ノレホスフィン 酸メチノレ、 フエ二ノレホスフィン酸フエ二ノレ、 ジフエ二ノレホスフィンオキサイ ド、 メチノレジフエ二ノレホスフィンォキサイ ド、 トリフエ-ノレホスフィンォキサイ ドな どが挙げられる。 これらのうちで、 フエニルホスホン酸ジメチル、 ベンジノレホス ホン酸ジェチルがとくに好まし!/、。
上逮したリン化合物の中でも、 本発明では、 リン化合物としてリンの金属塩化 合物が特に好ましい。 リンの金属塩化合物は、 リン化合物の金属塩であれば特に 限定はされないが、 ホスホン酸系化合物の金属塩を用いると本発明の課題である ポリエステルの物性改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。 リン化合 物の金属塩としては、 モノ金属塩、 ジ金.属塩、 トリ金属塩などが含まれる。 また、 上記したリン化合物の中でも、 金属塩の金属部分が、 L i、 N a、 K:、 B e、 M g、 S r、 B a、 Mn、 N i、 C u、 Z nから選択されたものを用いる と触媒活性の向上^!果が大きく好ましい。 これらのうち、 L i、 N a、 M gがと くに好ましい。
本発明のリンの金属塩化合物としては、 下記一般式 (ィ匕 1 6 ) で表されるィ匕合 物から選択される少なくとも一種を用いると物性改善効果や触 性の向上効果 が大きく好ましい。
[化 1 6 ]
(式 (ィ匕 1 6 ) 中、 R 1 は水素、 炭素数 1〜 5 0の炭化水素基、 7酸基またはハ 口ゲン基またはアルコキシル基またはァミノ基を含む炭素数 1〜 5 0の炭化水素 基を表す。 2 は、 水素、 炭素数 1〜5 0の炭化水素基、 7酸基またはアルコキ シノレ基を含む炭素数 1〜 5 0の炭化水素基を表す。 R 3 は、 水素、 炭素数 1〜5 0の炭化永素基、 水酸基またはアルコキシル基またはカノレポ二ノレを含む炭素数 1 〜5 0の炭化水素基を表す。 1 は 1以上の整数、 mは 0 または 1以上の整数を表 し、 1+mは 4以下である。 Mは(1+m) 価の金属カチオンを表す。 n は 1以上の整 数を表す。 炭化水素基はシキロへキシル等の脂環構造や分岐構造やフエ二ルゃナ フチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。 )
上記の R 1 としては、 例えばフエニル、 1一ナフチル、 2—ナフチル、 9一了 ンスリル、 4—ビフエ二ノレ、 2—ビフエエルなどが挙げられる。 上記の; R 2 とし ては例えば、 水素、 メチノレ基、 ェチル基、 プロピル基、 イソプロピル基、 n—プ チル基、 s e c一プチル基、 t e r t一ブチル基、 長鎖の脂肪族基、 フエニル基 、 ナフチル基、 置換されたフエ-ル基ゃナフチル基、 一 C H2 C H2 OHで表さ れる基などが挙げられる。 R 3 O— としては例えば、 水酸化物イオン、 アルコラ 一トイオン、 アセテートイオンゃァセチルアセトンイオンなどが挙げられる。 上記一般式 (ィ匕 1 6 ) で表される化合物の中でも、 下記一般式 (ィ匕 1 7 ) で表 される化合物から選択される少なくとも一種を用いることが好ましい。
[化 17]
M (R30") m
(式 (化 17) 中、 R1 は水素、 炭素数 1〜 50の炭化水素基、 水酸基またはハ 口ゲン基またはアルコキシル基またはァミノ基を含む炭素数 1〜 50の炭化水素 基を表す。 R3 は、 水素、 炭素数 1〜 50の炭化水素基、 水酸基またはアルコキ シル基またはカルボニルを含む炭素数 1〜 50の炭化水素基を表す。 1 は 1以上 の整数、 mは 0 または 1以上の整数を表し、 1+mは 4以下である。 Mは(1+m) 価 の金属カチオンを表す。 炭化水素基はシキ口へキシル等の脂環構造や分岐構造や フェ -ルゃナフチル等の芳香環構造を含んでレ、てもよい。 )
上記の R1 としては、 例えば、 フエニル、 1一ナフチル、 2—ナフチル、 9― アンスリル、 4ービフエニル、 2—ビフエニルなどが挙げられる。 R3 O— とし ては例えば、 水酸化物イオン、 アルコラ一トイオン、 アセテートイオンやァセチ ルァセトンィオンなどが挙げられる。
上記したリン化合物の中でも、 芳香環構造を有する化合物を用いると物性改善 効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
上記式 (ィ匕 1 '7) の中でも、 Mが、 L i, Na、 K:、 Be、 Mg、 S r、 B a 、 Mn、 N i、 Cu、 Znから選択されたものを用いると触 性の向上効果が 大きく好ましレ、。 これらのうち、 L i、 Na、 Mgがとくに好ましい。
本発明のリンの金属塩化合物としては、 リチウム [ (1—ナフチル) メチルホ スホン酸ェチル] 、 ナトリウム [ (1一ナフチル) メチルホスホン酸ェチル] 、 マグネシウムビス [ (1一ナフチル) メチルホスホン酸ェチル] 、 カリウム [ ( 2一ナフチル) メチルホスホン酸ェチル]、マグネシウムビス [ (2—ナフチル ) メチルホスホン酸ェチル] 、 リチウム [ペンジルホスホン酸ェチル] 、 ナトリ
ゥム [ベンジノレホスホン酸ェチル] 、 マグネシウムビス [ベンジルホスホン酸ェ チル] 、 ベリリウムビス [ベンジルホスホン酸ェチル] 、 ストロンチウムビス [ ベンジルホスホン酸ェチル] 、 マンガンビス [ベンジルホスホン酸ェチル] 、 ベ ンジ/レホスホン酸ナトリウム、 マグネシウムビス [ベンジルホスホン酸] 、 ナト リウム [ ( 9一アンスリル) メチルホスホン酸ェチル] 、 マグネシウムビス [ ( 9一アンスリル) メチルホスホン酸ェチル] 、 ナトリウム [ 4—ヒドロキシベン ジノレホスホン酸ェチノレ] 、 マグネシウムビス [ 4ーヒドロキシベンジノレホスホン 酸ェチル] 、 ナトリウム [ 4—クロ口べンジノレホスホン酸フエニル] 、 マグネシ ゥムビス [ 4一クロ口べンジルホスホン酸ェチル ]·'、 ナトリウム [ 4—ァミノべ ンジノレホスホン酸メチノレ] 、 マグネシウムビス [ 4ーァミノべンジルホスホン酸 メチル] 、 フエニルホスホン酸ナトリウム、 マグネシウムビス [フエニルホスホ ン酸ェチル] 、 亜鉛ビス [フエニルホスホン酸ェチル] などが挙げられる。 これ らの中で、 リチウム [ ( 1—ナフチル) メチルホスホン酸ェチル] 、 ナトリウム [ ( 1一ナフチル) メチルホスホン酸ェチル] 、 マグネシウムビス [ ( 1—ナフ チル) メチルホスホン酸ェチル] 、 リチウム [ベンジルホスホン酸ェチル] 、 ナ トリウム [ベンジノレホスホン酸ェチノレ] 、 マグネシウムビス [ベンジルホスホン 酸ェチノレ] 、 ベンジノレホスホン酸ナトリウム、 マグネシウムビス [ベンジノレホス ホン酸] がとくに好ましい。
上述したリン化合物の中でも、 本発明では、 リン化合物として P— O H結合を 少なくとも一つ有するリンィヒ合物がとくに好ましい。 これらのリン化合物を含有 することで本発明の課題であるポリエステノレの物' I"生改善効果がとくに高まること に加えて、 ポリエステルの重合時に、 これらのリン化合物を本発明のアルミ-ゥ ム化合物と共存して用いることで触媒活性の向上効果が大きく見られる。
P - 0H結合を少なくとも一つ有するリン化合物とは、 分子内に P— O Hを少なくと も一つ有するリン化合物であれば特に限定はされない。 これらのリン化合物の中 でも、 P— OH結合を少なくとも一つ有するホスホン酸系化合物を用いるとポリ エステルの物性改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。 - 上記したリン化合物の中でも、 芳香環構造を有する化合物を用いると物性改善 効果や触 ¾性の向上効果が大きく好ましい。
本発明の P— O H結合を少なくとも一つ有するリン化合物としては、 下記一般 式 (ィヒ 1 8 ) で表される化合物から選択される少なくとも一種を用いると物性改 善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
[化 1 8 ]
0
II
R ~(CH2)n- •P- ■〇H
OR 2
(式 (ィヒ 1 8 ) 中、 R 1 は水素、 炭素数 1〜5 0の炭化水素基、 水酸基またはハ 口ゲン基またはァノレコキシノレ基またはァミノ基を含む炭素数 1〜 5 0の炭化水素 基を表す。 R 2 は、 水素、 炭素数 1〜 5 0の炭ィヒ水素基、 7_K酸基またはアルコキ シル基を含む炭素数 1〜5 0の炭化水素基を表す。 η は 1以上の整数を表す。 炭 化水素基はシキロへキシル等の脂環構造や分岐構造やフエニルゃナフチル等の芳 香環構造を含んでいてもよい。. )
上記の R1 としては、 例えば、 フエニル、 1一ナフチル、 2—ナフチル、 9― アンスリル、 4—ビフエ二 2—ビフエニルなどが挙げられる。 上記の R2 と しては例えば、 水素、 メチノレ基、 ェチル基、 プロピノレ基、 イソプロピル基、 η - ブチル基、 s e c一ブチル基、 f e r t一ブチル基、 長鎖の脂肪族基、 フエ-ル 基、 ナフチル基、 置換されたフエ二ル基ゃナフチル基、 一 C H2 C H2 OHで表 される基などが挙げられる。
上記したリン化合物の中でも、 芳香環構造を有する化合物を用いると物性改善 効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
本発明の P— O H結合を少なくとも一つ有するリン化合物としては、 ( 1ーナ フチル) メチルホスホン酸ェチル、 (1一ナフチル) メチルホスホン酸、 (2— ナフチル) メチルホスホン酸ェチル、 ベンジルホスホン酸ェチル、 ベンジルホス ホン酸、 (9一アンスリル) メチルホスホン酸ェチル、 4ーヒドロキシベンジル
ホスホン酸ェチノレ、 2—メチノレべンジノレホスホン酸ェチル、 4一クロ口べンジノレ ホスホン酸フエニル、 4—ァミノべンジルホスホン酸メチル、 4—メ トキシベン ジルホスホン酸ェチルなどが挙げられる。 これらの中で、 (1一ナフチル) メチ ルホスホン酸ェチル、 ベンジルホスホン酸ェチルがとくに好ましい。
本発明の好ましいリン化合物としては、 化学式 (化 19) であらわされるリン 化合物が挙げられる。 '
[化 1 9]
R1 -CH2 -P (=0) (OR2 ) (OR3 )
(式 (ィヒ 19) 中、 R1 は炭素数:!〜 49の炭化水素基、 または水酸基またはハ ロゲン基またはアルコキシル基またはアミノ基を含む炭素数 1〜49の炭化水素 基を表し、 R2, R3 はそれぞれ独立に水素、 炭素数 1〜50の炭ィヒ水素基、 水酸 基またはアルコキシル基を含む炭素数 1〜 50の炭化水素基を表す。 炭化水素基 は脂環構造や分岐構造や芳香環構造を含んでいてもよい。 )
また、 更に好ましくは、 化学式 (ィヒ 19) 中の R1 , R2 , R3 の少なくとも 一つが芳香環構造を含む化合物である。
これらのリン化合物の具体例を以下に示す。
[化 20]
BPADE
[化 21]
置 A
[化 22]
2督 A
[化 23]
AMPA
[化 2 4]
4PBPADE
2PBPADE
また、 本発明のリン化合物は、 分子量が大きいものの方が萆合時に留去されに くいため効果が大きく好ましい。
本発明のリン化合物としてはフエノール部を同一分子内に有するリン化合物を 用いることが好ましい。 また、 本 明のリン化合物とフエノール系化合物は互い に結合した化合物、 すなわちフエノール部を同一分子內に有するリン化合物であ ることが好ましい。 フエノール部を同一分子内に有するリン化合物を含有するこ とで本発明の課題であるポリエステルの物性改善効果が高まることに加えて、 ポ リエステルの重合時にフエノール部を同一分子内に有するリン化合物を用いるこ とで触 性を高める効果がより大きく、 従ってポリエステルの生産性に優れる 。 フエノール部を同一分子内に有するリン化合物を用いる場合、 その含有量は、 ポリエステル中におけるアルミニウム原子とリン原子の含有量が本発明の特許請
求の範囲内になるようにすることが必要である。
フエノ一ル部を同一分子内に有するリン化合物としては、 フエノール構造を有 するリンィ匕合物であれば特に限定はされないが、 フエノール部を同一分子内に有 する、 ホスホン酸系化合物、 ホスフィン酸系化合物、 ホスフィンオキサイド系化 合物、 亜ホスホン酸系化合物、 亜ホスフィン酸系化合物、 ホスフィン系ィ匕合物か らなる群より選ばれる一種または二種以上の化合物を用いるとポリエステルの物 性改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。 これらの中でも、 一種また は二種以上のフエノール部を同一分子内に有するホスホン酸系化合物を用いると ポリエステルの物性改善効果や触媒活性の向上効果がとくに大きく好ましい。 フエノール部を同一分子内に有するリン化合物はヒンダードフエノールの構造 を有するものが好ましい。
本発明のフエノール部を同一分子内に有するリン化合物としては、 下記一般式
(ィ匕 26) 〜 (ィ匕 28) で表されるィ匕合物が好ましい。
[ィ匕 26], '
P (=0) R1 (OR2 ) (OR3 ) [化 27]
P (=0) R1 R4 (OR2 ) [化 28]
P (=0) R1 R5 R6
(式 (ィヒ 26) 〜 (化 28) 中、 R1 はフエノール部を含む炭素数 1〜50の炭 化水素基、 水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基またはァミノ基などの 置換基おょぴフエノ一ル部を含む炭素数 1〜 50の炭化水素基を表す。 R 4, R 5 , 6 はそれぞれ独立に水素、 炭素数 1〜50の炭化水素基、 水酸基またはハ
口ゲン基またはァノレコキシル基またはァミノ基などの置換基を含む炭素数 1〜 5 0の炭化水素基を表す。 2 , R 3 はそれぞれ独立に水素、 炭素数 1〜5 0の炭 化水素基、 水酸基またはアルコキシル基などの 換基を含む炭素数:!〜 5 0の炭 化水素基を表す。 ただし、 炭化水素基は分岐構造ゃシクロへキシル等の脂環構造 やフエニルゃナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。 R 2 と R4 の末端ど うしは結合していてもよい。 )
本発明のフエノール部を同一分子内に有するリンィ匕合物としては、 例えば、 p ーヒ ドロキシフエ二ノレホスホン酸、 ; —ヒ ドロキシフエニルホスホン酸ジメチノレ 、 p—ヒ ドロキシフエ二ノレホスホン酸ジェチノレ、 p—ヒ ドロキシフエ二ノレホスホ ン酸ジフエ-ノレ、 ビス (p—ヒ ドロキシフエニル) ホスフィン酸、 ビス (ρ—ヒ ドロキシフエ二ノレ) ホスフィン酸メチノレ、 ビス (p—ヒ ドロキシフエ-ノレ) ホス フィン酸フエ二ノレ、 ρ—ヒドロキシフエ-ノレフエ二ノレホスフィン酸、 ρ—ヒドロ キシフエ二ノレフエ二ノレホスフィン酸メチノレ、 p—ヒ ドロキシフエニルフェニノレホ スフイン酸フエ-ノレ、 ρ—ヒドロキシフエ二ノレホスフィン酸、 : —ヒドロキシフ ェニノレホスフィン酸メチノレ、 p—ヒ ドロキシフエ二ノレホスフィン酸フエ二ノレ、 ビ ス (p—ヒ ドロキシフエニル) ホスフィンオキサイド、 トリス (p—ヒ ドロキシ フエ二ノレ) ホスフィンォキサイ ド、 ビス ( p—ヒ ドロキシフエ二ノレ) メチルホス フィンオキサイド、 および下記式 (ィ匕 2 9 ) 〜 (ィヒ 3 2) で表される化合物など が挙げられる。 これらのうちで、 下記式 (ィヒ 3 1 ) で表される化合物および p— ヒドロキシフエ二 ホスホン酸ジメチ^^がとくに好ましい。
[化 2 9 ]
[化 31]
[化 32]
上記の式 (ィ匕 31) にて示されるィ匕合物としては、 S厘 0-220 (三光株式会社 製) があり、 使用可能である。
本 明のフエノール部を同一分子内に有するリンィ匕合物の中でも、 下記一般式 (ィ匕 33) で表される特定のリンの金属塩化合物から選択される少なくとも一種 がとくに好ましい。
[化 33]
( (式 (化 3 3) 中、 1^、 1 2 はそれぞれ独立に水素、 炭素数 1〜30の炭ィ匕 水素基を表す。 R3 は、 水素、 炭素数 1〜50の炭化水素基、 水酸基またはアル コキシル基を含む炭素数 1〜 50の炭化水素基を表す。 4 は、 水素、 炭素数 1 〜50の炭化水素基、 水酸基またはアルコキシル基またはカルボ-ルを含む炭素 数 1〜 50の炭ィヒ水素基を表す。 R4 O— としては例えば、 水酸化物イオン、 ァ ルコラートイオン、 ァセテ一トイオンゃァセチルアセトンイオンなどが挙げられ る。 1 は 1以上の整数、 mは 0 または 1以上の整数を表し、 1+mは 4以下である
。 Mは (1+m) 価の金属カチオンを表す。 n は 1以上の整数を表す。 炭化水素基は シキロへキシル等 脂環構造や分岐構造やフエニルゃナフチル等の芳香環構造を 含んでいてもよい。 )
これらの中でも、 下記一般式 (化 34) で表される化合物から選択される少な くとも一種が好ましい。
[化 34]
(式 (ィ匕 34) 中、 Mn+は n価の金属カチオンを表す。 nは 1, 2, 3または 4
を表す。 )
上記式 (ィ匕 3 3 ) または (ィ匕 3 4 ) の中でも、 Mが、 L i , N a、 K、 B e、 M g、 S r、 B a、 Mn、 N i、 C u、 Z nから選択されたものを用いると触媒 活性の向上効果が大きく好ましい。 これらのうち、 L i、 N a、 M gがとくに好 ましい。
本発明の特定のリンの金属塩化合物としては、 リチウム [3, 5 —ジ— tert—ブ チノレー 4 ーヒドロキシベンジルホスホン酸ェチル] 、 ナトリウム [3, 5 —ジー te rt—ブチ —ヒドロキシベンジルホスホン酸ェチル] 、 ナトリウム [3, 5 — ジ一 tert—ブチノレー 4 ーヒドロキシベンジノレホスホン酸] 、 カリウム [3, 5 —ジ 一 tert—ブチルー 4 ーヒドロキシベンジルホスホン酸ェチル] 、 マグネシウムビ ス [3, 5 —ジ一 tert—プチル— 4 —ヒドロキシベンジルホスホン酸ェチル] 、 マ グネシゥムビス [3, 5 —ジ一tert—プチ _ /レー 4 ーヒドロキシベンジルホスホン酸 ] 、 ベリリウムビス [3, 5 —ジー tert—ブチルー 4 ーヒドロキシベンジルホスホ ン酸メチル] 、 ストロンチウムビス [3, 5 ージー tert—ブチルー 4 ーヒドロキシ ベンジルホスホン酸ェチル] 、 バリウムビス [3, 5 —ジ— tert—ブチル一4 ーヒ ドロキシベンジノレホスホン酸フエ-ノレ] 、 マンガンビス [3, 5 —ジ一tert—ブチ ルー 4 ーヒドロキシベンジルホスホン酸ェチル] 、 エッケノレビス [3, 5 —ジー te rt一ブチ^/ _4 ーヒドロキシベンジルホスホン酸ェチル] 、 銅ビス [3, 5 —ジ一 tert—プチルー 4 ーヒドロキシベンジルホスホン酸ェチル] 、 亜鉛ビス [3, 5 — ジー tert—プチノレ _4 ーヒドロキシべンジノレホスホン酸ェチノレ] などが挙げられ る。 これらの中で、 リチウム [3, 5 ージー tert—プチル一 4 ーヒドロキシベンジ ルホスホン酸ェチル] 、 ナトリウム [3, 5 —ジ一tert—プチルー 4 —ヒドロキシ ベンジルホスホン酸ェチノレ] 、 マグネシウムビス [3, 5 ージー tert—ブチルー 4 —ヒドロキシべンジルホスホン酸ェチル] がとくに好ましい。
本努明のフエノール部を同一分子内に有するリン化合物の中でも、 下記一般式
(化 3 5 ) で表される P— OH結合を少なくとも一つ有する特定のリン化合物か ら選択される少なくとも一種がとくに好ましい。
[化 35]
( (式 (ィヒ 35) 中、 R1 、 R2 はそれぞれ独立に水素、 炭素数 1〜30の炭化 水素基を表す。 R3 は、 水素、 炭素数:!〜 50の炭化水素基、 水酸基またはアル コキシル基を含む炭素数 1〜50の炭化水素基を表す。 nは 1以上の整数を表す 。 炭化水素基はシキ口へキシノレ等の脂環構造や分岐構造ゃフェニルゃナフチル等 の芳香環構造を含んでいてもよい。 )
これらの中でも、 下記一般式 (ィヒ 36) で表される化合物から選択される少な くとも一種が好ましい。
[化 36]
(式 (ィヒ 36) 中、 R3 は、 水素、 炭素数 1〜50の炭化水素基、 水酸基または アルコキシル基を含む炭素数:!〜 50の炭化水素基を表す。 炭化水素基はシキロ へキシル等の脂環構造や分岐構造やフエニルゃナフチル等の芳香環構造を含んで いてもよい。 )
上記の R3 としては例えば、 水素、 メチル基、 ェチノレ基、 プロピル基、 イソプ 口ピル基、 n—ブチノレ基、 s e c—プチル基、 t e r ΐ—ブチノレ基、 長鎖の脂肪
族基、 フエニル基、 ナフチル基、 置換されたフエ二ル基ゃナフチル基、 一 C H 2 C H2 〇Hで表される基などが拳げられる。
本努明の] P— O H結合を少なくとも一つ有する特定のリン化合物としては、 3, 5 ージー tert—ブチルー 4 ーヒドロキシベンジルホスホン酸ェチル、 3, 5 —ジー tert—ブチルー 4 —ヒドロキシベンジルホスホン酸メチル、 3, 5 —ジ— ter—ブ チル一 4 ーヒドロキシベンジルホスホン酸イソプロピル、 3, 5 —ジ一 tert—プチ ノレ一 4 ーヒドロキシベンジルホスホン酸フエ二ノレ、 3, 5 ージー tert—ブチノレー 4 ーヒドロキシベンジルホスホン酸ォクタデシル、 3, 5 —ジ一tert—プチルー 4 - ヒドロキシベンジルホスホン酸などが挙げられる。 これらの中で、 3, 5 —ジー te 一プチノレ一 4 ーヒドロキシベンジノレホスホン酸ェチノレ、 3, 5 —ジー tert—プチ' ルー 4 一ヒドロキシベンジノレホスホン酸メチルがとくに好ましい。
本突明のフエノール部を同一分子内に有するリン化合物の中でも、 下記一般式
(化 3 7 ) で表される特定のリン化合物から選ばれる少なくとも一種のリン化合 物が好ましい。
[化 3 7 ]
(上記式 (ィ匕 3 7 ) 中、 R 1 、 R 2 はそれぞれ独立に水素、 炭素数 1〜 3 0の炭 化水素基を表す。 R 3 、 R 4 はそれぞれ独立に水素、 炭素数 1〜 5 0の炭化水素 基、 水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数 1〜 5 0の炭化水素基を表す。 n は 1以上の整数を表す。 炭化水素基はシク口へキシル等の脂環構造や分岐構造や フエニルゃナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。 )
上記一般式 (ィ匕 3 7 ) の中でも、 下記一般式 (ィヒ 3 8 ) で表されるィ匕合物から 選択される少なくとも一種を用いるとポリエステルの物性改善効果や触 性の 向上効果が高く好ましい。
[化 3 8 ]
(上記式 (ィ匕 3 8 ) 中、 R 3 、 4 はそれぞれ独立に水素、 炭素数 1〜5 0の炭 化水素基、 水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数 1〜 5 0の炭化水素基を表 す。 炭化水素基はシク口へキシル等の脂環構造や分岐構造やフエニルゃナフチル 等の芳香環構造を含んでいてもよい。 )
上記の R 3 、 4 としては例えば、 水素、 メチル基、 プチル基等の短鎖の脂肪 族基、 ォクタデシル等の長鎖の脂肪族基、 フエニル基、 ナフチル基、 置換された フエ二ル基ゃナフチル基等の芳香族基、 - CH2 CH2 OHで表される基などが 挙げられる。
本発明の特定のリン化合物としては、 3, 5 —ジー tert—プチルー 4 ーヒドロキ シベンジルホスホン酸ジイソプロピル、 3, 5 —ジー tert—プチノレ _4 —ヒドロキ シベンジノレホスホン酸ジー n—ブチ^/、 3, 5 —ジー tert—ブチノレー 4 —ヒドロキ シべンジノレホスホン酸ジォクタデシノレ、 3, 5 —ジー tert—プチルー 4 —ヒドロキ シベンジルホスホン酸ジフエ-ルなどが挙げられる。 これらの中で、 3, 5 —ジー tert—ブチノレー 4 ーヒドロキシベンジルホスホン酸ジォクタデシノレ、 3, 5 —ジー •tert—プチノレ一 4 ーヒドロキシベンジルホスホン酸ジフエエルがとくに好ましい 本発明のフエノール部を同一分子内に有するリン化合物の中でも、 本発明でと くに望ましい化合物は、 化学式 (ィヒ 3 9 ) 、 (ィ匕 4 0 ) で表される化合物から選 ばれる少なくとも一種のリン化合物である。
[化 39]
[化 40]
上記の化学式 (ィ匕 39) にて示されるィ匕合物としては、 I r g a n o x l 22 2 (チバ .スペシャルティーケミカノレズ社製) が市販されており、 また化学式 ( ィ匕 40) にて示されるィ匕合物としては I r g a n o X 1425 (チバ ·スぺシャ ルティ一ケミカルズネ環) が市販されており、 使用可能である。
本発明のリンィ匕合物としては、 リン化合物のアルミニウム塩から選択される少 なくとも一種を用いることが好ましい。 また、 本発明のポリエステルに含有され るアルミニウム化合物とリン化合物はリンィ匕合物のアルミニウム塩から選択され る少なくとも一種からなるものであることが好ま! い。 リン化合物のアルミ-ゥ ム塩を含有することで本発明の課題であるポリエステルの物性改善効果が高まる ことに加えて、. ポリエステルの重合時にリン化合物のアルミニウム塩を用いるこ とで触 性が高く、 従ってポリエステルの生産性に優れる。 リン化合物のアル ミニゥム塩に他のアルミニゥム化合物やリン化合物ゃフェノール系化合物を共存 することも可能である。 リン化合物のアルミニウム塩を用いる 、 その含有量 は、 ポリエステル中におけるアルミニウム原子とリン原子の含有量が本発明の特
許請求の範囲内になるようにすることが必要である。
リン化合物のアルミニウム塩とは、 アルミニウム部を有するリン化合物であれ ば特に限定はされないが、 ホスホン酸系化合物のアルミニゥム塩を用いるとポリ エステルの物性改善効果や触媒活性が高いため好ましい。 リン化合物のアルミ二 ゥム塩としては、 モノアノレミニゥム塩、 ジァノレミニゥム塩、 トリアノレミニゥム塩 などが含まれる。
上記したリン化合物のアルミニウム塩の中でも、 芳香環構造を有する化合物を 用いるとポリエステルの物性改善効果や蝕 性が高いため好ましい。
本発明のリン化合物のアルミニウム塩としては、 下記一般式 (ィ匕 4 1 ) で表さ れる化合物から選択される少なくとも一種を用いるとポリエステルの物性改善効 果ゃ触 性が高いため好ましい。
[化 4 1 ]
( (式 (ィ匕 4 1 ) 中、 R 1 は水素、 炭素数 1〜 5 0の炭化水素基、 水酸基または ハ口ゲン基またはアルコキシル基またはァミノ基を含む炭素数 1〜 5 0の炭化水 素基を表す。 R 2 は、 水素、 炭素数 1〜 5 0の炭化水素基、 水酸基またはアルコ キシル基を含む炭素数 〜 5 0の炭化水素基を表ず。 R 3 は、 水素、 炭素数 1〜 5 0の炭化水素基、 水酸基またはアルコキシル基またはカルボニルを含む炭素数 1〜5 0の炭化水素基を表す。 1 は 1以上の整数、 mは 0 または 1以上の整数を 表し、 1+m は 3 である。 n は 1以上の整数を表す。 炭化水素基はシキロへキシノレ 等の脂環構造や分岐構造やフエ-ルゃナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよ い。 )
上記の R 1 としては、 例えば、 フエニル、 1一ナフチノレ、 2—ナフチノレ、 9一 アンスリル、 4ービフエ二ノレ、 2一ビフエ二ノレなどが挙げられる。 上記の R 2 と しては例えば、 水素、 メチル基、 ェチノレ基、 プロピル基、 イソプロピル基、 n -
ブチル基、 s e c一ブチル基、 t e r ΐ—プチノレ基、 長鎖の脂肪族基、 フエ二ノレ 基、 ナフチル基、 置換されたフヱニル基ゃナフチル基、 一 C H2 C H2 OHで表 される基などが挙げられる。 上記の R 3 O— としては例えば、 水酸化物イオン、 ァノレコラートイオン、 エチレングリコラートイオン、 アセテートイオンやァセチ ルアセトンイオンなどが挙げられる。
本発明のリン化合物のアルミニウム塩としては、 (1一ナフチル) メチルホス ホン酸ェチルのアルミニウム塩、 一ナフチル) メチルホスホン酸のアルミ二 ゥム塩、 (.2—ナフチノレ) メチルホスホン酸ェチルのァノレミニゥム塩、 ベンジノレ ホスホン酸ェチノレのァノレミニゥム塩、 ベンジルホスホン酸のアルミニウム塩: ( 9一アンスリル) メチルホスホン酸ェチルのアルミニウム塩、 4ーヒドロキシべ ンジルホスホン酸ェチルのアルミニウム塩、 2—メチルベンジルホスホン酸ェチ ルのアルミニゥム塩、 4—クロ口ベンジルホスホン酸フェニルのアルミニゥム塩 、 4—ァミノべンジルホスホン酸メチルのアルミニウム塩、 4ーメ トキシべンジ ルホスホン酸ェチルのアルミニウム塩、 フエ -ルホスホン酸ェチルのアルミニゥ ム塩などが挙げられる。 これらの中で、 (1—ナフチル) メチルホスホン酸ェチ ルのアルミニウム塩、 ベンジルホスホン酸ェチルのアルミニウム塩がとくに好ま しい。
本発明のリン化合物のアルミニウム塩としては、 フエノール構造を有するリン ィ匕合物のアルミニゥム塩から選択される少なくとも一種からなるものであること が好ましい。 また、 本発明のポリエステルに含有されるアルミニウム化合物とリ ン化合物とフエノ一ル系ィ匕合物はフエノール構造を有するリンィ匕合物のアルミ二 ゥム塩から選択される少なくとも一種からなるものであることが好ましい。 フエ ノール構造を有するリン化合物のアルミ二ゥム塩を含有することで本発明の課題 であるポリエステルの物性改善効果が高まることに加えて、 ポリエステルの重合 時にフエノール構造を有するリン化合物のアルミニウム塩を用いることで触 性が高く、 従ってポリエステルの生産性に優れる。 フエノール構造はヒンダード フエノールの構造であることが好ましい。 フエノール構造を有するリン化合物の アルミユウム塩に他のアルミ二ゥム化合物やリン化合物やフエノール系化合物を 共存することも可能である。 フエノール構造を有するリン化合物のアルミニゥム
塩を用いる場合、 その含有量は、 ポリエステル中におけるアルミニウム原子とリ ン原子の含有量が本発明の特許請求の範囲内になるようにすることが必要である 本発明のフエノール構造を有するリン化合物のアルミ ゥム塩の中でも、 下記
—般式 (化 4 2 ) で表される特定のリン化合物のアルミ ゥム塩から選択される 少なくとも一種がとくに好ましい。
[化 4 2 ]
( (式 (化 4 2) 中、 R 1 、 R 2 はそれぞれ独立に水素、 炭素数 1〜3 0の炭化 水素基を表す。 3 は、 水素、 炭素数:!〜 5 0の炭化水素基、 水酸基またはアル コキシル基を含む炭素数 1〜5 0の炭化水素基を表す。 R4 は、 水素、 炭素数 1 〜5 0の炭化水素基、 水酸基またはアルコキシル基またはカルボニルを含む炭素 数 1〜 5 0の炭化水素塞を表す。 1 は 1以上の整数、 m は 0'または 1以上の整数 を表し、 1+mは 3 である。 n は 1以上の整数を表す。 炭化水素基はシキロへキシ ノレ等の脂環構造や分岐構造やフエニルゃナフチル等の芳香環構造を含んでいても よい。 )
これらの中でも、 下記一般式 (ィ匕 4 3 ) で表されるィ匕合物から選択される少な くとも一種が好ましい。
[化 4 3 ]
(式 (化 4 3 ) 中、 R3 は、 水素、 炭素数 1〜 5 0の炭化水素基、 水酸基または アルコキシル基を含む炭素数 1〜5 0の炭化水素基を表す。 R 4 は、 水素、 炭素 数 1〜 5 0の炭化水素基、 7k酸基またはアルコキシル基または力ルポエルを含む 炭素数 1〜 5 0の炭化水素基を表す。 1 は 1以上の整数、 m は 0 または 1以上の 整数を表し、 1+m は 3である。 炭ィヒ水素基はシキロへキシル等の脂環構造や分岐 構造やフエニルゃナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよレ、。 )
上記の R 3 としては例えば、 水素、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基、 イソプ 口ピル基、 n—プチル基、 s e c一ブチル基、 t e r t一プチル基、 長鎖の脂肪 族基、 フエ二ノレ基 ナフチル基、 置換されたフエ二ル基ゃナフチル基、 - CH 2 C H2 OHで表される基などが挙げられる。 上記の R 4 O— としては例えば、 水 酸ィ匕物イオン、 アルコラ一トイオン、 エチレングリコラートイオン、 アセテート イオンゃァセチルァセトンイオンなどが挙げられる。
本発明の特定のリン化合物のアルミニウム塩とじては、 3, 5 ージー tert—ブチ ルー 4 ーヒ ドロキシベンジルホスホン酸ェチルのアルミ-ゥム塩、 3, 5 ージ一 te rt一プチルー 4 ーヒドロキシベンジノレホスホン酸メチノレのァノレミ-ゥム塩、 3, 5 ージー tert—ブチルー 4 —ヒドロキシベンジル.ホスホ^/酸イソプロピルのアルミ ニゥム塩、 3, 5 —ジー tert—ブチル一4 —ヒドロキシベンジルホスホン酸フエ二 ノレのァノレミニゥム塩、 3, 5 —ジー tert—ブチルー 4 —ヒ ドロキシベンジルホスホ ン酸のアルミユウム塩などが挙げられる。 これらの中で、 3, 5 —ジ一 tert—プチ ルー 4 ーヒドロキシベンジノレホスホン酸ェチルのアルミユウム塩、 3, 5 ージ一 te rt一プチルー 4 ーヒドロキシベンジノレホスホン酸メチルのアルミニウム塩がとく
に好ましい。
上記したリン化合物の中で、 アル力リ金属、 アル力リ土類金属またはアルミ二 ゥムの塩を用いる場合、 それらの添加量としては、 最終的に得られるポリエステ ル中における金属原子ゃリン原子の含有量が本発明の特許請求の範囲内になるよ うにすることが必要である。 該方法により、 ポリエステルに不溶性の異物の発生 が効果的に抑制され、 紡糸時の糸切れや成形時のフィルター詰まり等の問題が改 善される。
本発明において重合触媒として添加可能なアンチモン化合物としては、 好適な ィ匕合物として三酸化アンチモン、 五酸化アンチモン、 酢酸アンチモン、 アンチモ ングリコキサイドなどが挙げられ、 特に三酸化アンチモンの使用が好ましい。 ま た、 ゲノレマニウム化合物としては、 二酸化ゲルマニウム、 四塩化ゲルマユゥムな どが挙げられ、 特に二酸ィヒゲルマニウムが好ましい。 二酸化ゲルマニウムとして は結晶性のものと非晶性のものの両方が使用できる。
また、 チタン化合物、 スズ化合物などの他の重^虫媒としては、 チタン化合物 としては、 テトラー n—プロピルチタネート、 テトライソプロピルチタネート、 テトラ一 n—プチルチタネート、 テトライソブチルチタネート、 テトラ _ t e r t—ブチルチタネート、 テトラシクロへキシノレチタネート、 テトラフ 二ノレチタ ネート、 テトラベンジ^^チタネート、 參酸チタン酸リチウム、 蓚酸チタン酸カリ ゥム、 篠酸チタン酸アンモニゥム、 酸化チタン、 チタンとケィ素やジルコニウム やアル力リ金属やアル力リ土類金属などとの複合酸化物、 チタンのオルトエステ ルまたは縮合オルトエステル、 チタンのオルトエステルまたは縮合オルトエステ ルとヒ ドロキシカルボン酸からなる反応生成物、 チタンのオルトエステノレまたは 縮合オルトエステルとヒドロキシカルボン酸とリン化合物からなる反応生成物、 チタンのオルトエステルまたは縮合オルトエステルと少なくとも 2個のヒ ドロキ シル基を有する多価アルコール、 2—ヒドロキシカルボン酸および塩基からなる 反応生成物などが挙げられ、 このうちチタンとケィ素の複合酸化物、 チタンとマ グネシゥムの複合酸ィ匕物、 チタンのオルトエステルまたは縮合オルトエステルと ヒドロキシカルボン酸とリン化合物からなる反応生成物が好ましい。 またスズィ匕 合物としては、 ジブチノレスズオキサイド、 メチノレフエニノレスズオキサイド、 テト
ラエチノレスズ、 へキサェチノレジスズオキサイド、 トリエチノレスズハイド口ォキサ イ ド、 モノプチルヒ ドロキシスズオキサイ ド、 トリイソプチルスズアセテート、 ジフエニルスズジラウレート、 モノプチ/レスズトリクロライド、 ジブチルスズサ ルファイ ド、 ジブチノレヒ ドロキシスズォキサイ ド、 メチルスタンノン酸、 ェチル スタンノン酸などが挙げられ、 特にモノブチルヒドロキシスズォキサイドの使用 が好ましい。
本発明において添加可能なコバルト化合物としては特に限定はないが、 具体的 には例えば、 酢酸コバルト、 硝酸コバルト、 塩化コバルト、 コバルトァセチルァ セトネート、 ナフテン酸コバルトおよびそれらの水和物等が挙げられる。 その中 でも特に酢酸コバルト四水塩が好ましい。
本発明の方法に従ってポリエステルを製造する際にフエノール系化合物を添加 すると、 ポリエステルの熱安定性が効果的に向上するため好ましい。 また、 フエ ノール系化合物を添加することで、 触 性の向上効果も見られる。
本発明のフエノール系化合物としては、 フエノール構造を有する化合物であれ ば特に限定はされないが、 例えば、 2, 6-ジ- tert-ブチル- 4一メチルフエノール、 2, 6 -ジ- tert -プチノレ -4—ェチルフェノール、 2, 6-ジシク口へキシル- 4一メチルフ ェノール、 2, 6—ジィソプロピル— 4—ェチルフェノ一ノレ、 2, 6—ジー tert—ァミルー 4一 メチルフェノール、 2, 6 -ジ- tert-オタチル- 4- n—プロピルフェノール、 2, 6-ジシ クロへキシル- 4 - n - オタチノレフエノーノレ、 2-イソプロピノレ- 4 - メチノレ- 6- tert -ブ チノレフエノーノレ、 2- tert- ブチノレ- 2- ェチノレ- 6 - tert-ォクチ/レフエノーノレ、 2-ィ ソプチノレ- 4- ェチノレ- 6- tert-へキシノレフエノーノレ、 2-シクロへキシル -4 - n—プチ ル- 6—イソプロピルフエノール、 1, 1,卜トリス(4—ヒ ドロキシフエ-ル) ェタン 、 1, 1, 3-トリス (2-メチル- 4- ヒ ドロキシ- 5 - tert -ブチルフエニル) ブタン、 ト リエチレングリコ一ルービス [3- (3- tert―プチル- 5—メチノレ- 4一ヒ ドロキシフ ェニル) プロピオネート] 、 1, 6-へキサンジオール一ビス [3- (3, 5-ジ- tert -ブ チル- 4 - ヒ ドロキシフヱ二ノレ) プロピオネート] 、 2, 2 -チオジェチレンビス [3 - (3, 5-ジ- tert -プチル- 4, 4ーヒ ドロキシフエニル) プロピオネート] 、 Ν, Ν'—へ キサメチレンビス (3, 5-ジ -tert -ブチノレ- 4一ヒ ドロキシ一ヒ ドロシンナミ ド) 、 1, 3, 5-トリス (2, 6 -ジメチノレ- 3—ヒ ドロキシ- 4- tert -ブチノレべンジノレ) ィソシァ
ヌレート、 1, 3, 5-トリス (3, 5 -ジ- tert -プチルー 4—ヒドロキシベンジノレ) イソシ ァヌレート、 1, 3, 5-トリス [ (3, 5-ジ- tert-ブチル -4一ヒドロキシフエニル) プ 口ピオニルォキシェチル] ィソシァヌレート、 トリス (4 - tert -プチノレ一 2, 6 -ジ メチ/レ -3- ヒドロキシベンジル) イソシァヌレート、 2, 4 -ビス (n—ォクチルチ ォ) -6— (4-ヒドロキシ- 3, 5—ジ- tert -プチルァニリノ) -1, 3, 5—トリアジン、 テトラキス [メチレン (3, 5-ジ- tert-ブチル- 4一ヒドロキシ) ヒドロシンナメー ト] メタン、 ビス [ (3, 3-ビス (3- tert—ブチノレ- 4ーヒドロキシフェニ^/) プチ リックアシッド) グリコーノレエステノレ、 Ν,Ν' —ビス [3- (3, 5 -ジ -tert -プチル- 4 —ヒドロキシフヱ二ノレ) プロピオ-ノレ] ヒドラジン、 2, 2' _オギザミドビス [ェ チノ 3— (3, 5-ジ -tert -ブチル- 4ーヒ ドロキシフエニル) プロピオネート] 、 ビ ス [2 - "tert—プチル- 4ーメチル- 6— (3 - tert- ブチル -5—メチルー 2-ヒドロキシ ベンジル) フエニル] テレフタレート、 1, 3, 5 -トリメチノレ— 2, 4, 6—トリス (3, 5 - ジ- tert-プチノレ- 4 - ヒドロキシベンジノレ) ベンゼン、 3, 9-ビス [1,卜ジメチル 2-
{ β - (3- tert—プチノレ- 4ーヒドロキシ- 5- メチルフエ-ル) プロピオニルォキ シ} ェチル] - 2, 4, 8, 10-テトラオキサスピロ [5, 5 ] ゥンデカン、 2, 2 -ビス [4 -
(2- (3, 5-ジ- tert-ブチル -4ーヒドロキシシンナモイノレオキシ) ) エトキシフエ 二ノレ] プロパン、 β— (3, 5-ジ- tert-ブチノレ -4- ヒ ドロキシフエ二ノレ) プロピオ ン酸アルキルエステル、 テトラキス- [メチル- 3- (3', 5' -ジ- tert-ブチノ 4_ヒド ロキシフエ-ル) プロピオネート] メタン、 ォクタデシル- 3- (3, 5-ジ- tert-ブチ ル— 4一ヒドロキシフエニル) プロピオネート、 1, 1, 3 -トリス(2—メチル—4—ヒド 口キシ- 5- tert-プチルフェニル) ブタン、 チオジェチレン一ビス [3- (3, 5-ジ- ter 1: -ブチル -4 - ヒドロキシフエニル) プロピオネート] エチレンビス (ォキシェチ レン) ビス [3 -(5 - tert - ブチル -4 - ヒドロキシ- m—トリル) プロピオネート] 、 へキサメチレンビス [3- (3, 5-ジ- tert -ブチノレ- 4一ヒドロキシフェ -ノレ) プロピオ ネート、 トリエチレングリコーノレ一ビス- [-3- (3' - tert -プチ/レ- 4一ヒドロキシ- 5 —メチノレフエ二ノレ) ]プロピオネート、 1,1,3—トリス [2— メチノレー 4— [3 -(3, 5—ジ— t ert-ブチル -4—ヒドロキシフエニル) プロピオ二ルォキシ]- 5- tert—ブチノレフェ 二ノレ] ブタンなどを挙げることができる。 これらは、 同時に二種以上を併用する こともできる。 これらのうち、 1, 3, 5 -トリメチノレー 2, 4, 6— トリス (3, 5 -ジー tert -
ブチノレ- 4- ヒ ドロキシベンジル) ベンゼン、 テトラキス- [メチル- 3- (3,, 5,-ジ- ert-ブチノレ- 4- ヒ ドロキシフエニル) プロピオネート] メタン、 チオジェチレン 一ビス [3 -(3, 5-ジ- tert-プチル- 4- ヒ ドロキシフエ二ノレ) プロピオネート] が好 ましい。
本発明のフエノール系化合物はヒンダードフエノールの構造を有するものが好 ましい。
本発明のフエノール系化合物の使用量としては、 重合して得られるポリエステ ルのジカルボン酸や多価カルボン酸などのカルボン酸成分の全構成ュニットのモ ル数に対して 5 X 1 0— 5モル0 /0から 1 モル%の範囲であることが好ましく、 更に 好ましくは 1 X 1 0 _4モル0 /0から 0. 5 モル%の範囲であることである。
本発明によるポリエステルの製造は、 従来公知の方法で行うことができる。 例 えば、 P E Tを製造する場合は、 テレフタル酸とエチレングリコールとのエステ ル化後、 重縮合する方法、 もしくは、 テレフタル酸ジメチルなどのテレフタル酸 のアルキノレエステルとエチレングリコールとのエステル交換反応を行った後、 重 縮合する方法のいずれの方法でも行うことができる。 また、 重合の装置は、 回分 式であっても、 連続式であってもよい。
本発明の方法に従ってポリエステルを重合する際に使用する触媒は、 重縮合反 応のみならずエステル化反応およびエステル交換反応にも触媒活性を有する。 テ レフタル酸ジメチノレなどのジカルポン酸のアルキルエステルとエチレングリコー ルなどのグリコールとのエステル交換反応は、 通常亜鉛などのエステル交換触媒 の存在下で行われるが、 これらの触媒の代わりかもしくはこれらの触媒と共存し て本発明の触媒を用いることもできる。 また、 本発明の方法に従ってポリエステ ルを重合する際に使用する触媒は、 溶融重合のみならず固相重合や溶液重合にお いても触 性を有しており、 ヽずれの方法によってもポリエステルを製造する ことが可能である。 . . 本発明の方法に従ってポリエステルを重合する際に使用する触媒は、 重合反応 の任意の段階で反応系に添加することができる。 例えば、 エステル化反応もしく はエステル交換反応の開始前および反応途中の任意の段階、 もしくは重縮合反応 の開始直前あるいは反応途中に反応系へ添加することができる。 特に、 ァノレミニ
ゥムないしその化合物は重縮合反応の開始直前に添加することが好ましい。 本発明の方法に従ってポリエステルを重合する際に使用する触媒あるいはその 他の化合物の添加方法は、 粉末状もしくはニート状であってもよいし、 エチレン グリコールなどの溶媒のスラリ一状もしくは溶液であってもよく、 特に限定され ない。 また、 触媒の構成成分おょぴその他のィヒ合物を予め混合したものを添加し てもよいし、 これらを別々に添加してもよい。 また、 本発明のアルミニウム化合 物の触媒溶液とその他の化合物とを予め混合した混合物として添加してもよいし 、 これらを別々に添加してもよい。 また、 触媒の構成成分およびその他の化合物 を同じ添加時期に重合系に添加してもよく、 それぞれの成分を別々の添加時期に 添加してもよい。 また、 触媒およびその他の化合物の全量を一度に添加しても、 複数回に分けて添カロしてもよい。
本発明に言うポリエステルとは、 ジカルポン酸を含む多価力ルポン酸およびこ れらのエステル形成性誘導体から選ばれる一種または二種以上とダリコールを含 む多価アルコールから選ばれる一種または二種以上とから成るもの、 またはヒド 口キシカルポン酸おょぴこれらのエステル形成性誘導体から成るもの、 または環 状エステルから成るものをいう。
ジカルボン酸としては、 蓚酸、 マロン酸、 コハク酸、 グルタノレ酸、 アジピン酸 、 ピメリン酸、 スベリン酸、 ァゼライン酸、 セバシン酸、 デカンジカルボン酸、 ドデカンジカルボン酸、 テトラデカンジカルボン酸、 へキサデカンジカルボン酸 、 1 , 3—シクロブタンジカノレポン酸、 1 , 3—シクロペンタンジカルボン酸、 1 , 2—シクロへキサンジカノレポン酸、 1 , 3—シクロへキサンジカルボン酸、 1 , 4ーシクロへキサンジカルボン酸、 2, 5—ノルポルナンジカルボン酸、 ダイ マ一酸などに例示される飽和脂肪族ジカルポン酸またはこれらのエステル形成性 誘導体、 フマル酸、 マレイン酸、 ィタコン酸などに例示される不飽和脂肪族ジカ ルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体、 オルソフタル酸、 イソフタル酸 、 テレフタル酸、 5— (アルカリ金属) スルホイソフタル酸、 ジフエユン酸、 1 , 3—ナフタレンジ力ノレボン酸、 1, 4一ナフタレンジカノレポン酸、 1, 5—ナ フタレンジカルボン酸、 2 , 6—ナフタレンジ力ノレボン酸、 2 , 7—ナフタレン ジカノレポン酸、 4 , 4, ービフエニルジカルボン酸、 4, 4, 一ビフエ-ルスル
ホンジカルボン酸、 4, 4, ービフエ-ルエーテルジカルボン酸、 1, 2—ビス (フエノキシ) ェタン一 p , p, ージカ ^ /ボン酸、 パモイン酸、 アントラセンジ 力ルポン酸などに例示される芳香族ジカルポン酸またはこれらのエステノレ形成性 誘導体が挙げられ、 これらのジカルボン酸のうちテレフタル酸おょぴナフタレン ジカルボン酸とくに 2 , 6—ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
これらジカルボン酸以外の多価カルボン酸として、 ェタントリカルボン酸、 プ 口パントリカルボン酸、 ブタンテトラカルポン酸、 ピロメリット酸、 トリメリッ ト酸、 トリメシン酸、 3 , 4 , 3 ' , 4 ' —ビフエニルテトラカルボン酸、 およ びこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
グリコールとしてはエチレングリコール、 1 , 2—プロピレングリコール、 1 , 3—プロピレングリコーノレ、 ジエチレングリコーノレ、 トリエチレングリコーノレ 、 1, 2—ブチレングリコール、 1 , 3—ブチレングリコール、 2 , 3—ブチレ ングリ コーノレ、 1, 4ーブチレングリコーノレ、 1, 5—ペンタンジォーノレ、 ネオ ペンチノレグリコール、 1, 6—へキサンジオール、 1, 2—シクロへキサンジォ 一ノレ、 1, 3—シクロへキサンジォーノレ、 1, 4ーシク口へキサンジォ一ノレ、 1 , 2—シク口へキサンジメタノーノレ、 1 , 3—シク口へキサンジメタノール、 1 , 4—シク口へキサンジメタノール、 1, 4ーシク口へキサンジエタノーノレ、 1 , 1 0—デカメチレングリ コーノレ、 1 , 1 2—ドデカンジオール、 ポリエチレン グリコール、 ポリ トリメチレングリコール、 ポリテトラメチレングリコールなど に例示される脂肪族グリコール、 ヒドロキノン、 4, 4 ' —ジヒドロキシビスフ エノーノレ、 1, 4一ビス —ヒドロキシエトキシ) ベンゼン、 1, 4一ビス ( β—ヒ ドロキシエトキシフエェノレ) スノレホン、 ビス ( ρ—ヒドロキシフエ二ノレ) ェ一テノレ、 ビス (J)ーヒ ドロキシフエ-ノレ) スノレホン、 ビス (ρ—ヒ ドロキシフ ェニノレ) メタン、 1 , 2—ビス ( ρ—ヒドロキシフエ二ノレ) ェタン、 ビスフエノ —ル Α、 ビスフエノール C、 2 , 5—ナフタレンジォーノレ、 これらのグリコーノレ にエチレンォキシドが付加したダリコール、 などに例示される芳香族ダリコール が挙げられ、 これらのグリコールのうちエチレングリコールおよぴ 1, 4一プチ レングリコールが好ましい。
これらグリコール以外の多価アルコールとして、 トリメチロールメタン、 トリ
メチローノレェタン、 トリメチロールプロパン、 ペンタエリスリ トール、 グリセ口 ール、 へキサントリオールなどが挙げられる。
ヒドロキシカルポン酸としては、 乳酸、 クェン酸、 リンゴ酸、 酒石酸、 ヒドロ キシ酢酸、 3—ヒドロキシ酪酸、 p—ヒドロキシ安息香酸、 - ( 2—ヒドロ キシエトキシ) 安息香酸、 4—ヒドロキシシクロへキサン力 ボン酸、 またはこ れらのエステル形成' [·生誘導体などが挙げられる。
環状エステルとしては、 ε—力プロラク トン、 一プロピオラタトン、 β—メ チルー 13—プロピオラタトン、 δ—バレロラタトン、 グリコリ ド、 ラクチドなど が挙げられる。
また、 本発明のポリエステルには公知のリン系ィ匕合物を共重合成分として含む ことができる。 リン系化合物としては二官能性リン系化合物が好ましく、 例えば 、 フエニルホスホン酸ジメチル、 フエニルホスホン酸ジフエニル、 (2-カルポキ シルェチル) メチルホスフィン酸、 (2-カルポキシルェチル) フエニルホスフィ ン酸、 (2 -メ トキシカルポキシルェチル) フェ -ルホスフィン酸メチル、 (4 -メ トキシカノレポ二ノレフエ二ノレ) フエ-ノレホスフィン酸メチノレ、 [2— (j3—ヒドロキ シェトキシカノレポ二ノレ) ェチノレ] メチノレホスフィン酸のエチレングリコーノレエス テル、 (1, 2-ジカノ <レポキシェチル) ジメチルホスフィンォキサイド、 9, 10—ジヒ ドロ- 10-ォキサ一 (2, 3-カルボキシプロピノレ) -10-ホスファフェナンスレン- 10- ォキサイドなどが挙げられる。 これらのリン系化合物を共重合成分として含むこ とで、 得られるポリエステルの難燃性等を向上させることが可能である。
多価カルボン酸もしくはヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体として は、 これらのアルキノレエステル、 酸クロライド、 酸無水物などが挙げられる。 本発明で用いられるポリエステルは主たる酸成分がテレフタル酸またはそのェ ステル形成性誘導体もしくはナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性 誘導体であり、 主たるグリコール成分がァ キレングリコールであるポリエステ ルが好ましい。 主たる酸成分がテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体も しくはナフタレンジカルボン酸またはそのエステ/ 成性誘導体であるポリエス テルとは、 全酸成分に対してテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体とナ
'ボン酸またはそのエステル形成性誘導体を合計して 70モル%以上
含有するポリエステルであることが好ましく、 より好ましくは 80モル%以上含有 するポリエステルであり、 さらに好ましくは 90モル0 /0以上含有するポリエステル である。 主たるダリコール成分がアルキレンダリコールであるポリエステルとは 、 全グリコール成分に対してァノレキレンダリコールを合計して 70モル%以上含有 するポリエステルであることが好ましく、 より好ましくは 80モル%以上含有する ポリエステルであり、 さらに好ましくは 90モル0 /0以上含有するポリエステルであ る。 ここで言うアルキレングリコールは、 分子鎖中に置換基や脂環構造を含んで いても良い。
本発明で用いられるナフタレンジ力ルポン酸またはそのエステノレ形成性誘導体
、 1 , 5—ナフタレンジカルポン酸、 2 , 6—ナフタレンジカノレポン酸、 2, 7 一ナフタレンジカルボン酸、 又はこれらのエステル形成性誘導体が好ましい。 本発明で用いられるァノレキレングリコー としては、 エチレングリコー Λ 1 , 2—プロピレングリコーノレ、 1 , 3—プロピレングリコーノレ、 1, 2—ブチレ ングリコーノレ、 1 , 3ーブチレングリコーノレ、 2, 3ーブチレングリコーノレ、 1 , 4—プチレングリコーノレ、 1 , 5—ペンタンジォーノレ、 ネ才ペンチノレグリコー ル、 1, 6—へキサンジオール、 1, 2—シクロへキサンジオール、 1 , 3—シ ク口へキサンジ才ーノレ、 1, 4ーシク口へキサンジォーノレ、 1 , 2—シクロへキ サンジメタノール、 1 , 3—シク口へキサンジメタノーノレ、 1, 4ーシグロへキ サンジメタノール、 1 , 4ーシク口へキサンジエタノール、 1, 1 0—デカメチ レングリコール、 1, 1 2—ドデカンジオール等があげられる。 これらは同時に 2種以上を使用しても良い。
本発明のポリエステルには、 テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体、 ナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体以外の酸成分として蓚 酸、 マロン酸、 コハク酸、 グルタル酸、 アジピン酸、 ピメリン酸、 スベリン酸、 ァゼライン酸、 セパシン酸、 デカンジカルボン酸、 ドデカンジ力 Λ ^ボン酸、 テ トラデカンジカルボン酸、 へキサデカンジカルポン酸、 1, 3—シクロブタンジ カルボン酸、 1 , 3—シクロペンタンジカルボン酸、 1 , 2—シクロへキサンジ カノレポン酸、 1, 3—シクロへキサンジカルボン酸、 1 , 4—シクロへキサンジカ
ルボン酸、 2, 5—ノルボルナンジカルボン酸、 ダイマー酸などに例示される飽 和脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体、 フマル酸、 マレイ ン酸、 イタコン酸などに例示される不飽和脂肪族ジカルボン酸またはこれらのェ ステル形成性誘導体、 オルソフタル酸、 イソフ ル酸、 5— (アルカリ金属) ス ルホイソフタル酸、 ジフェニン酸、 4, 4, ービフエ-ルジカルボン酸、 4, 4 ' 一ビフエニルスルホンジカルボン酸、 4 , 4, -ビフエニルエーテルジカノレポ ン酸、 1 , 2—ビス (フエノキシ) エタンー p, ' —ジカルポン酸、 パモイン 酸、 アントラセンジカルボン酸などに例示される芳香族ジカルボン酸またはこれ らのエステル形成性誘導体、 ェタントリカルボン酸、 プロパントリカルボン酸、 ブタンテトラカルボン酸、 ピロメリット酸、 トリメリット酸、 トリメシン酸、 3 , 4, 3 ' , 4, 一ビフエニルテトラカルポン酸などに例示される多価カルボン 酸おょぴこれらのエステル形成性誘導体などを共重合成分として含むことができ る。 また、 乳酸、 クェン酸、 リンゴ酸、 酒石酸、 ヒドロキシ酢酸、 3—ヒドロキ シ酪酸、 p—ヒ ドロキシ安息香酸、 P - ( 2—ヒ ドロキシエトキシ) 安息香酸、 4—ヒ ドロキシシクロへキサンカルボン酸などに例示されるヒ ドロキシカルボン 酸またはそのエステル形成性誘導体を含むこともできる。 また、 ε—力プロラタ トン、 β一プロピオラク トン、 βーメチノレー β—プロピオラタ トン、 δ一パレ口 ラタトン、 グリコリ ド、 ラクチドなどに例示される環状エステルを含むこともで さる。
本発明のポリエステルには、 ァノレキレングリコール以外のグリコール成分とし て、 ジエチレングリコーノレ、 トリエチレングリコーノレ、 ポリエチレングリコーノレ
、 ポリ トリメチレングリコール、 ポリテトラメチレングリコールなどに例示され る脂肪族グリコール、 ヒ ドロキノン、 4, 4, ージヒ ドロキシビスフエノール、 1, 4一ビス ( β—ヒ ドロキシェトキシ) ベンゼン、 1, 4一ビス ( —ヒ ドロ キシェトキシフエニル) スノレホン、 ビス ( ρ—ヒ ドロキシフエ二ノレ) エーテル、 ビス (ρ—ヒ ドロキシフエ二ノレ) スノレホン、 ビス (ρ—ヒ ドロキシフエ-ノレ) メ タン、 1, 2一ビス ( ρ—ヒ ドロキシフエ二ノレ) ェタン、 ビスフエノーノレ Α、 ビ スフエノーノレ C、 2, 5—ナフタレンジォーノレ、 これらのグリコー^^にエチレン ォキシドが付加したダリコールなどに例示される芳香族ダリコール、 トリメチロ
ールメタン、 トリメチローノレェタン、 トリメチローノレプロパン、 ペンタエリスリ トール、 グリセロール、 へキサントリオールなどに例示される多価アルコールな どを共重合成分として含むことができる。
また、 本発明のポリエステルには公知のリン系化合物を共重合成分として含む ことができる。 リン系化合物としては二官能性リン系化合物が好ましく、 例えば
、 フエ二ノレホスホン酸ジメチノレ、 フエ二ノレホスホン酸ジフエ二ノレ、 (2-力ノレボキ シルェチル) メチルホスフィン酸、 (2-カルボキシノレエチル) フエニルホスフィ ン酸、 (2 -メ トキシカルポキシノレエチル) フエニルホスフィン酸メチル、 (4-メ トキシカノレポ二ノレフエ二ノレ) フエ二ノレホスフィン酸メチノレ、 [2- ( jS—ヒ ドロキ シェトキシカノレボニノレ) ェチノレ] メチルホスフィン酸のェチレングリコールェフヽ テル、 (1, 2-ジカ ポキシェチノレ) ジメチ^/ホスフィンオキサイド、 9, 10—ジヒ ドロ- 10-ォキサ一 (2, 3-カルポキシプロピル) - 10-ホスファフェナンスレン- 10 - ォキサイドなどが挙げられる。 これらのリン系化合物を共重合成分として含むこ とで、 得られるポリエステルの難燃性等を向上させることが可能である。
本発明のポリエステ としてはポリエチレンテレフタレート、 ポリブチレンテ レフタレート、 ポリプロピレンテレフタレート、 ポリ (1,4 ーシクロへキサンジ メチレンテレフタレート) 、 ポリエチレンナフタレート、 ポリブチレンナフタレ ート、 ポリプロピレンナフタレートおょぴこれらの共重合体が好ましく、 これら のうちポリエチレンテレフタレートおよびこの共重合体が特に好ましい。
本発明のポリエステノレの構成成分として、 ポリエステルを繊維として使用した 場合の染色性改善のために、 スルホン酸アル力リ金属塩基を有するポリカルボン 酸を共重合成分とすることは好ましい態様である。
共重合モノマーとして用いる金属スルホネート基含有化合物としては、 特に限 定されるものではないが、 5—ナトリウムスルホイソフタル酸、 2—ナトリウム スルホテレフタノレ酸、 5 _リチウムスルホイソフタノレ酸、 2—リチウムスルホテ レフタノレ酸、 5—力リウムスノレホイソフタノレ酸、 2—力リウムスノレホテレフタノレ 酸、 またはそれらの低級アルキルエステル誘導体などが挙げられる。 本発明では 特に 5—ナトリゥムスルホイソフタル酸またはそのエステル形成性誘導体の使用 が好ましい。
金属スルホネート基含有化合物の共重合量はポリエステルを構成する酸性分に 対して、 0. 3 〜10. 0モル0 /0が好ましく、 より好ましくは 0. 80〜5. 0 モル0 /0である
。 共重合量が少なすぎると塩基性染料可染性に劣り、 多すぎると繊維とした場合 、 製糸性に劣るだけでなく、 増粘現象により繊維として十分な強度が得られなく なる。 また、 金属スルホネート含有化合物を 2. 0 モル0 /。以上共重合すると、 得ら れた改質ポリエステル繊維に常圧可染性を付与することも可能である。 また適切 な易染ィヒモノマーを選択することで金属スルホネート基含有化合物の使用量を適 宜減少させることは可能である。 易染化モノマーとしては特に限定はしないが、 ポリエチレンダリコール、 ポリテトラメチレンダリコールに代表される長鎖ダリ コール化合物やアジピン酸、 セパシン酸、 ァゼライン酸に代表される脂肪族ジカ ルボン酸が挙げられる。
本発明の方法に従ってポリエステル重合をした後に、 このポリエステルから触 媒を除去するか、 またはリン系化合物などの添加によって触媒を失活させること によって、 ポリエステルの熱安定性をさらに高めることができる。
本発明のポリエステノレ中にはフエノール系、 芳香族アミン系等の酸化防止剤を 含むことができ、 これらを一種もしくは二種以上含有することによって、 例えば ポリエステノレの熱安定' 1·生を高めることなどができる。
本発明のポリエステル中には、 青み付け剤、 有機系、 無機系、 あるいは有機金 属系の染料、 顔料、 ならびに蛍光増白剤などを含むことができ、 これらを一種も しくは二種以上含有することによって、 ポリエステルの黄み等の着色を抑えるこ とができる。
本発明のポリエステル中には他の任意の重合体や安定剤、 酸化防止剤、 制電剤 、 消泡剤、 染色性改良剤、 染料、 顔料、 艷消剤、 その他の添加剤が含有されてい て.もよい。
これらの添加剤は、 ポリエステルの重合時もしくは重合後、 あるいはポリエス テルの成形時の任意の段階で添加することが可能であり、 どの段階が好適かは化 合物の特性ゃポリエステル成形体の要求性能に応じてそれぞれ異なる。
以下、 本発明を実施例により説明するが本突明はもとよりこれらの実施例に限 定されるものではない。
本発明の実施例で用いた評価方法について以下に示す。
(1) ポリマー中の金属おょぴリンの含有量
リン、 アンチモンおょぴゲルマニウムの含有量は蛍光 X線法で測定した。 測定 試料ポリエステルを写真用フエ口タイプ板上に置いた高さ 5 mm、 直径 4 Omm nステンレス製リング内に投入し、 オーブン内で 300。C、 10分間加熱し溶融 する。 これを取り出し、 冷却後リングから成形サンプルを取り出し、 平滑な面に ついて測定した。 また別途、 化学分析法で含有量が定められたポリエステル数点 を上記の方法で成形し、 蛍光: X線強度を測定し、 化学分析法で求められた値と蛍 光 X線強度の検量線を作成した。 測定試料ポリエステルの蛍光 X線強度データか ら検量線を基に個々のサンプル中のリン、 アンチモン、 およびゲルマニウム含有 量を算出した。
その他の金属の含有量の測定は以下の方法で行った。 白金るつぼにポリエステ ル 1. ,0 gを秤取し炭ィ匕したのち電気炉で 550°Cで灰ィ匕し、 室温まで冷却後灰 分を 6 N塩酸 (チタンの場合はフッ酸/塩酸混合物) に溶解し、 蒸発乾固後 1. 2 N塩酸に溶解し、,高周波プラズマ発光分析 (島津製作所製 ICPS- 2000 ) および 原子吸光分析 (島津製作所製 M - 640-12 ) に供するサンプルとした。 また別途、 測定金属毎に市販原子吸光用標準溶液を用いて 0. 01〜30mgZlの濃度範 囲の検量線作成用溶液をつくり、 高周波プラズマ発光分析 (Al, Ca, Mg, Co ) およ ぴ原子吸光分析 (Na,Li,K ) を行い、 検量線を作成し、 この検量線に基づき個々 のサンプルの分析データからポリエステル中の金属含有量を算出した。
(2) ポリエステルの固有粘度 ( I V)
ポリエステノレ O.lgをフエノーノレ I 1,1, 2, 2-テトラクロロェタンの重量比で 6 / 4混合溶媒 25mlに溶解し、 ウベローデ粘度計を用いて温度 30 °Cで測定し た。
(3) 酸価
ポリエステルを冷凍粉碎し、 i 3 0°cで 12時間以上真空乾燥する。 試料 0. 1 gを試験管に精秤し、 ベンジルアルコール 10mlを加え、 溶解させる。 溶解
後、 zk浴で冷却する。 1 Omlのクロ口ホルムを加え、 フエノールフタレインを 指示薬として、 0. 1 Nの Na OHのメタノーノレ Zベンジルアルコール == 1/9 の溶液を使用して滴定して、 酸価を求めた。
(4) ジエチレングリコール含量 (DEG)
ポリエステル 0. 1 gをメタノール 2 m 1中で 250 °Cで加熱分解した後、 ガ スクロマトグラフィー (島津製作所製 GC- MBを使用) により定量して求めた。 力 ラムは、 ジーェノレサイエンス製 PEG— HTを充填したカラムを使用した。
(5) 示差走査熱量分析 (DSC)
TAィンスッノレメントネ ±$|D S C 2920を用いて測定した。 ポリエステノレ約 10. Omgを TAィンスツルメントネ土製ォートサンプラ用専用アルミパンに入れ密封 し、 50°C/分の昇温速度で 280°Cまで加熱し、 280°Cに達してから 1分間 保持した後即座に、 液体窒素中でタエンチした。 その後、 室温から 20°CZ分の 昇温速度で 300°Cまで昇温し、 昇温時結晶化温度 T c 1ならびに融点 Tmを求 めた。 300°Cに達してから 2分間保持した後に、 10°C/分で降温し、 降温時 結晶化温度 T c 2を求めた。 Te l, Tm、 T c 2はそれぞれのピークの極大部 分の温度とした。
(6) 色相 ,
色差計 (東京電色 (株) 雜 ODEL TC-1500MC-88) を使用して、 ハンタ"の L値 、 a値、 b値として測定した。 ポリ: tステルレジンチップを測 料とする場合 は、 実施例に記載の方法で得られた直径約 2 mm、 長さ約 3 mmのチップを約一 昼夜室温にて濾紙の上で風乾した後、 力ラ一測定に使用した。
( 7 ) 紡糸時の濾庄上昇および延伸時の糸切れの評価
溶融重合で得られた PETレジンチップを乾燥後、 溶融押出機に供給し、 フィ ルターとして 20 μΐηのものを使用し、 孔径 0. 14πηηΦのオリフィスを 10
8個有する紡糸口金から 290°Cで吐出させ、 常法に従って冷却、 オイリング後 、 172 Om /分で引き取った。 引き続き、 予熱ローラー 80°C、 セット温度 1
50°Cで 2. 127倍に延伸して 47デシテックス、 108フィラメントのポリ エステル延伸糸を得た。 なお、 実施例 1〜5はそれぞれ異なる紡糸機台を用いて 評価を行った。
紡糸時の濾圧上昇の程度により、 以下のように評価した。
〇:濾圧上昇がほとんど認められない
△:濾圧上昇が認められる
X :顕著に濾圧が上昇する
延伸時の糸切れの頻度により、 以下のように評価した。
〇:糸切れがほとんど起こらない
△:糸切れが起こる
X :糸切れが多発する
(8) 熱安定性パラメータ (TS)
溶融重合した I Vが 0. 64〜0. 66 d 1/g (溶融試験前; [ I V] , ) の P E Tレジンチップ 1 gを内径約 14 mmのガラス試験管 入れ 130でで 1 2時間真空乾燥した後、 ガラス試験管を真空ラインに接続し、 減圧と窒素封入を 5回以上繰り返した後に 10 OTo r rとなるように窒素を封入して封管した。 この試験管を 300°Cの塩バスに浸漬して 2時間溶融状態に維持した後、 サンプ ルを取り出して冷凍粉碎し、 真空乾燥後、 IV (溶融試験後; [ I V] f ) を測 定した。 この [I V] f カ^、 下記計算式を用いて TSを求めた。 式は、 既報 ( 上山ら: ョ本ゴム協会誌第 63卷第 8号 497頁 1990年) 力 ら引用した。
TS = 0. 245 { [I V] f -1· 47 - [IV] 1 -1· 47 }
(9) 熱酸化安定生パラメータ (TOS)
溶融重合した I Vが 0. 64〜0. 66 d 1/gの PETレジンチップを常法 により冷凍 ¾、薛して 20メッシュ以下の粉末にした。 その粉末を 130 °Cで 12 時間真空乾燥したもの 0. 3 gを内径約 8mm、 長さ約 140 mmのガラス試験 管に入れ 70°Cで 12時間真空乾燥した後、 シリカゲルを入れた乾燥管を試験管 上部に接続し、 乾燥した空気下で 230°Cの塩パスに浸漬して 15分間加熱した 。 カロ熱試験後の PETの I Vから、 上記した TSと同じ下記計算式を用いて求め た。 ただし、 [I V] i および [I V] „はそれぞれ加熱試験前とカロ熱試験後の I V (d 1/g) を指す。
冷凍粉碎は、 フリーザーミル (米国スペックスネ: h¾6750型) を用いて行つ た。 専用セルに約 2 gのレジンチップと専用のインパクターを入れた後、 セルを
装置にセットし液体窒素を装置に充填して約 10分間保持し、 その後、 RATE 10 (インパクターが 1秒間に約 20回前後する) にて 5分間粉砕を行った。 TOS = 0. 245 { [IV] fi I"1· 47 - [IV] , .47 }
(10) フイノレムの熱安定 '14
(i) フィルムの製膜
後述する各実施例おょぴ比較例において溶融重合で得られた P E Tレジンチッ プを 135 °Cで 6時間真空乾燥した。 その後、 押出機に供給し、 280°Cでシー ト状に溶融押し出しして、 表面温度 20 °Cに保った金属口ール上で急冷固化し、 厚さ 1400 μπιのキャス トフイノレムを得た。
次に、 このキャストフィルムを加熱された口ール群及ぴ赤外線ヒータ一で 10 0 °Cに加熱し、 その後周速差のある口ール群で長手方向に設定値で 3. 5倍延伸 して一軸配向 PETフィルムを得た。 引き続いて、 テンターで、 120°Cで幅方 向に設定値で 4. 0倍に延伸し、 フィルム幅長を固定した状態で、 260°C、 0 . 5秒間赤外線ヒーターで加熱し、 さらに 200°Cで 23秒間 3 %の弛緩処理を し、 厚さ 100 μπιの二軸配向 PETフィルムを得た。
(11) 回収ペレットによるフィルムの製膜
上記 (i) に記載の方法で得られた PETフィルムを短冊状に裁断し、 真空乾 燥後、 押出機に投入し、 温度設定 280°Cで溶融樹脂を径 5mmのノズルから押 し出した後、 水で冷却、 切断することによつて回収ぺレットを得た。
溶融重合で得られた PETレジンチップと前述の回収ペレットを 50 : 50の 重量比で混合し、 135°Cで 6時間真空乾燥した。 その後、 押出機に供給し、 2 80°Cでシート状に溶融押し出しして、 表面温度 20°Cに保った金属ロール上で 急冷固化し、 厚さ 1400 imのキャストフイルムを得た。
次に、 このキャストフイルムを加熱されたロール群及び赤外線ヒーターで 10 0 °Cに加熱し、 その後周速差のある口ール群で長手方向に設定値で 3. 5倍延伸 して一軸配向 PETフィルムを得た。 続いて、 テンターで、 120°Cで幅方向に 設定値で 4. 0倍に延伸し、 厚さ 100 μ mの二軸配向 P E Tフィルムを得た。 得られたフィルムを再度短冊状に裁断し、 上記と同様にして回収ペレツトを得 てフィルムの製膜を行った。 本操作を 5回以上繰り返し行つた。
(iii) フィルムの熱安定性評価
得られたフィルムを長さ 8 cm、 幅 4 cmの試験片に切り出し、 得られたフィ ルムを長さ方向に徐々に引っ張りその切れ易さにより評価した。 切れにくいもの ほど良好として評価した。 〇:良好、 X :不良。
(1 1) フィルム耐熱老化性
上記 (10) ( i) の方法で得られたフィルムを、 長さ 10 cm、 幅 5 cmの 試験片に切り出し、 試験片をギヤ一式熱風乾燥機を用いて 200°C、 100時間 処理した後のフィルムを長さ方向に徐々に引っ張ったときの切れやすさによりフ イルム耐熱老ィ匕性を評価した。 切れにくいものほど良好として評価した。 〇:良 好、 X 不良。
(1 2) 合成したリン化合物の NMR測定
ィ匕合物を CDC13 または d6-DMS0 に溶解させ、 室温下で Varian GEMINI - 200 を使 つて彻 j定した。
(1 3) 合成したリン化合物の融点測定
化合物をカバーガラス上にのせ、 Yanaco MICRO MELTING POINT APPARATUSを使 つて 1 °C/minの昇温速度で測定した。
(14) 合成したリン化合物の元素分析
リンの分析は、 PETレジンチップを湿式分解後、 モリブデンブルー比色法に より行った。 その他の金属は、 灰化 Z酸溶解後、 高周波プラズマ発光分析および 原子吸光分析により行つた。
(実施例 1一 1)
(リン化合物の合成例)
下記式 (化 44) で表されるリン化合物 (リン化合物 A) の合成
[ィ匕 4 4 ]
Sodium (0-ethyl 3, 5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate)の合成
50% 7酸化ナトリゥム水溶液 6. 5g (84mmol) とメタノール 6. lml の混合?新夜中 に diethyl (3, 5— di— tert—butyi— 4— hydroxybenzyl) phosphonate (Irganoxl222 (テ ノ -スペシャルティーケミカルズネ環) ) 5g (l½mol) のメタノール溶液 6. lm 1 を加え、 窒素雰囲気下 24時間加熱還流を行った。 反応後、 反応混合物を冷却し ながら濃塩酸 7. 33g (70mmol) を加え、 析出物をろ取、 イソプロパノールで洗浄 後、 ろ液を減圧留去した。 得られた残渣を熱イソプロパノールに溶解させ、 不溶 分をろ取し、 イソプロパノールを減圧留去後、 残渣を熱ヘプタンで洗浄、 乾燥し X Sodium (0-ethyl . 3, 5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate) ¾"3. 4g ( 69% ) 得た。
形状:白色粉体
融点: 294-302 °C (^ )
—腿 (d6 - DMS0, δ ) : 1. 078 (3Η, t, J=7Hz) , 1. 354 (18H, s), 2. 711 (2H, d) ,
3 . 724 (2H, m, J=7Hz) , 6. 626 (1H, s), 6. 9665 (2H, s)
元素分析 (カツコ内は理論値) : Na 6. 36% (6. 56%) , P 9. 18% (8. 84%)
0-ethyl 3, 5- di - tert - butyi - 4 -] ydroxybenzylphosphonic acid (ジンィ匕合物 A) の合成
室温で撹拌下の Sodium (0- ethyl 3, 5 - di- tert - butyl - 4- hydroxybenzyl- phosphonate) lg (2. 8mmol ) の水溶液 20mlに濃塩酸 1. 5gを加えて 1 時間撹拌し た。 反応混合物に水 150ml を加え、 析出した結晶をろ取、 洗、 乾燥して 0- ethy 1 3, 5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonic acidを 826mg (88% ) 得た。
形状:板状結晶 '
融点: 126-127 °C
- MR(CDC13, δ):1.207(3Η, t, J=7Hz), 1.436(18H, s), 3.013(2H, d), 3.88 8 (2H, m, J=7Hz) , 7.088 (2H, s), 7.679-8.275 (1H, br)
(ポリエステル重合例)
撹拌機付きの 2リッターステンレス製オートクレープを用いて、 高純度テレフ タル酸とエチレングリコールから常法に従って製造したビス (2—ヒドロキシェ チル) テレフタレートおょぴオリゴマーの混合物に対し、 重縮合触媒としてアル ミニゥムトリスァセチルァセトネートの 2. 5 g/1のエチレングリコーノレ溶液 と上述のリン化合物 Aの 20も/ 1エチレングリコール溶液と酢酸ナトリゥムの 50 g/1エチレンダリコール溶液を加えた。 これらの化合物は最終的に得られ るポリマー中の各金属原子おょぴリン原子の含有量が表 1に示す量となるように 添加した。 添加した触媒中の金属成分は重合中、 成形中に揮散することが少ない ので分析結果で得られた数値が仕込み量とほぼ同様であるが、 リン成分は重合中 、 成形中に揮散するので分析結果より多めに添加した。 また添加量は、 重合に用 いた反応器の特性や重合条件に応じて適切な量を選んだ。 上記溶液の添加後、 窒 素雰囲気下常圧にて 245°Cで 10分間撹拌した。 次いで 50分間を要して 27 5 °Cまで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて 0. lTo r rとしてさらに 2 75°C、 0. 1 T o r rで重縮合反応を行った。 ポリエチレンテレフタレートの I Vが 0. 65 d l/gに到達するまでに要した重合時間を表 1に示す。 また、 上記の重縮合にて得られた I Vが 0. 65 d 1 / gのポリエチレンテレフタレー トを常法に従ってチップ化した。 すなわち、 溶融重合で所定の撹拌トルクに到達 した時点でオートクレープに窒素を導入し常圧に戻し重縮合反応を停止させた後 、 約 0. IMPaの加圧下、 溶融ポリマーを連続的に反応缶下部の吐出ノズルより冷水 中にストランド状に押し出して急冷し、 カッターによって、 長さ約 3ηπη、 直径 約 2 mmのシリンダ一形状のレジンチップを得た。 冷水中での保持時間は約 20 秒間であった。 このレジンチップを用いて PETの物性を測定した。 結果は、 IV は 0.65dl/gであり、 酸価は 2eq/tonであり、 DEG は 2. lmol°/oであり、 Tmは 256.6 。C、 Tel は 166.0 °C、 Tc2 は 188.6 °Cであった。 また、 L値は 66.0、 a値は - 1.8
、 ゎ値は3. 6 であった。
この P E Tレジンチップを用いて紡糸時の濾圧上昇および延伸時の糸切れの評 価を行った。 評価結果を表 1に示す。
(実施例 1ー2〜1一 3、 比較例 1一 1 )
触媒を変更したこと以外は実施例 1一 1と同様にしてポリエステルを重合した 。 各実施例および比較例で、 触媒として用いた化合物を表 1にそれぞれ示す。 こ れらの化合物は最終的に得られるポリマー中の各金属原子おょぴリン原子の含有 量が表 1に示す量となるように添加した。 各実施例および比較例の重合結果と紡 糸時の濾圧上昇および延伸時の糸切れの評価結果を表 1に示す。 I r g a n o X 1 4 2 5はチバ ·スペシャルティーケミ ルス、社製のものを使用し、 リン化合物 Aは実施例 1— 1と同じ方法で合成したものを使用した。
上記した実施例および比較例から明らかなように、 ポリエステル中の金属の含 有量が本発明の特許請求の範囲にあるものは、 紡糸および延伸の操業性に優れる のに対して、 本発明の特許請求の範囲外のものは、 紡糸時に濾圧上昇が顕著に起 こったり、 延伸時に糸切れが多発したりし、 操業性に劣る結果となる。
(実施例 2 - 1 )
高純度テレフタノレ酸とエチレンダリコールから常法に従って製造したビス (2 —ヒドロキシェチノレ) テレフタレートおょぴオリゴマーの混合物に対し、 重縮合 触媒としてアルミニウムトリスァセチルァセトネートの 2. 5 g / 1のエチレン グリコール薪夜と酢酸リチウムニ水和物 5 0 g Z 1のェチレングリコール溶液を 加えた。 これらの化合物は最終的に得られるポリマー中の含有量として表 1に示 す量となるように添加した。 ただし、 含有量はポリマー中の酸成分に対する金属 原子としてのモノレ%を示す。 添加量は、 重合に用いた反応器の特性や重合条件に 応じて適切な量を選んだ。 上記溶液の添加後、 窒素雰囲気下常圧にて 2 4 5 °Cで 1 0分間撹拌した。 次いで 5 0分間を要して 2 7 5 °Cまで昇温しつつ反応系の圧 力を徐々に下げて 0 . 1 T o r rとしてさらに 2 7 5 °C、 0 . 1 T o r rで重縮 合反応を行った。 ポリエチレンテレフタレートの I Vが 0 . 6 5 d l / gに到達 するまでに要した重合時間を表 2に示す。 また、 上記の重縮合にて得られた I V が 0 . 6 5 d l Z gのポリエチレンテレフタレートを常法に従ってチップィ匕した
∞ w 1
[表 1]
1) ポリ; ステル 106g当たりの金属原子の含有量。
2) ポリエステル 106g当たりのアルカリ金属原子とアルカリ土類金属原子の含有量の合計。
'を用いて紡糸時の濾圧上昇および延伸時の糸切れの評 価を行った。 評価結果を表 2に示す。
(実施例 2— 2〜 2— 6、 比較例 2-1— 2-2)
触媒を変更したこと以外は実施例 2— 1と同様にしてポリエステルを重合した 。 結果を表 2に示す。 実施例 2— 6においては、 重縮合触媒として酢酸マグネシ ゥムと酉乍酸アルミニゥムを添加したことに加えて、 フェエルホスホン酸ジメチル をポリマー中の酸成分に対して 0.01mol°/。添加した。
上記した実施例および比較例から明らかなように、 ポリエステル中の金属の含 有量が本発明の特許請求の範囲にあるものは、 紡糸および延伸の操業性に優れる のに対して、 本発明の特許請求の範囲外のものは、 紡糸時に濾圧上昇が顕著に起 こったり、 延伸時に糸切れが多発したりし、 操業性に劣る。
(実施例 3 - 1)
高純度テレフタル酸とエチレンダリコーノレから常法に従って製造したビス (2 —ヒドロキシェチル) テレフタレートおょぴオリゴマーの混合物に対し、 重縮合 触媒としてアルミニウムトリスァセチルァセトネートの 2. 5 g/lのエチレン グリコール溶液と I r g ano x l 425 (チバ ·スペシャルティーケミカルズ 社製) の 10 g/ュエチレングリコール溶液を加えた。 これらの化合物は最終的 に得られるポリマー中の金属おょぴリンの含有量が表 3に示す量となるように添 加した。 添加量は、 重合に用いた反応器の特性や重合条件に応じて適切な量を選 んだ。 上記溶液の添加後、 窒素雰囲気下常圧にて 245°Cで 10分間撹拌した。 次いで 50分間を要して 275 °Cまで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて 0 . lTo r rとしてさらに 275° (、 0. lTo r rで重縮合反応を行った。 ポ リエチレンテレフタレートの IVが 0. 65 d lZgに到達するまでに要した重 合時間を表 1に示す。 また、 上記の重縮合にて得られた IVが 0. 65 d 1/g のポリエチレンテレフタレートを常法に従ってチップィヒした。 このレジンチップ を用いて P E Tの物性を測定した。 結果は、 I Vは 0.65dl/gであり、 酸価は 6eq/ tonであり、 DEGは 2. lmol°/。であり、 Tmは 256.3 °C、 Tc2 は 186.2 °Cであった 。 また、 L値は 68.9、 a値は- 2.56 、 b値は 5.49であった。
'を用いて紡糸時の濾圧上昇およぴ延伸時の糸切れの評
[表 2]
CO
1 ) ポリエステル中のアルカリ金属とアルカリ土類金属のモル%の合計 (Μ) とアルミニウムのモル% (A I ) の比
2) ポリエステル中のアルガリ金属とアルカリ土類金属の合計量(ppm)
Eを行った。 評価結果を表 3に示す。
(実施例 3— 2〜 3— 9、 比較例 3-1— 3-3)
触媒を変更したこと以外は実施例 3— 1と同様にしてポリエステルを重合した 。 各実施例おょぴ比較例で、 触媒として用いた化合物を表 3にそれぞれ示す。 こ れらの化合物は最終的に得られるポリマー中の金属おょぴリンの含有量が表 3に 示す量となるように添加した。 添加量は、 重合に用いた反応器の特性や重合条件 に応じて適切な量を選んだ。 実施例 3— 9においては、 触媒として三酸化アンチ モンを併用した。 三酸ィ匕アンチモンは最終的に得られるポリマー中のアンチモン 原子の含有量が 50 p pmとなるように添加した。 各実施例およぴ比較例の重合 結果と紡糸時の濾圧上昇および延伸時の糸切れの評価結果を表 3に示す。 I r g a n o x 1425はチノ ·スペシャルティーケミカルズネ: のものを使用し、 リ ンィ匕合物 Aは上述の方法で合成したものを使用した。
上記した実施例おょぴ比較例から明らかなように、 ポリエステル中の金属およ ぴリンの含有量が本発明の特許請求の範囲にあるものは、 紡糸および延伸の操業 性に優れるのに対して、 本発明の特許請求の範囲外のものは、 紡糸時に濾圧上昇 が顕著に起こったり、 延伸時に糸切れが多発したりし、 操業性に劣る結果となる
(実施例 4一 1)
撹拌機付きの 2リッターステンレス製オートクレープを用いて、 高純度テレフ タ/レ酸とエチレングリコールから常法に従って製造したビス (2—ヒドロキシェ チル) テレフタレートおょぴオリゴマーの混合物に対し、 重縮合触媒として塩化 アルミニウムの 13 g/ 1のエチレングリコール溶液をポリエステルを構成する 酸成分に対してアルミニウム原子として 0. 014mo l%加え、 I r g a no 1425 (チパ ·スペシャルティーケミカルズ社製) の 10 gZ 1エチレング リコール溶液をポリエステルを構成する酸成分に対して I r g a n ox l 425 として 0. 022mo l %加えて、 窒素雰囲気下常圧にて 245でで 10分間撹 拌した。 次いで 50分間を要して 275 °Cまで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に 下げて 0. lTo r rとしてさらに 275°C、 0. 1 T o r rで重縮合反応を行 つた。 ポリエチレンテレフタレートの I Vが 0. 65 d lZgに到達するまでに
[表 3]
00
1) ポリエステル中のアルカリ金属原子とアルカリ土類金属原子の含有量の合計 (ppnt)
2) ポリエステル中のアルカリ金厲原子とアルカリ土類金属原子の含有量の合計(ppm) とアルミニウム原子の含有量(ppm)の比
3) ポリエステル Φのリン原子の含有盘 (pm) とアルミニウム原子の含有量(卯 in)の比
4)ポリエステル.中にアンチ 原子として 5 Oppm含有
要した重合時間を表 4に示す。 また、 上記の重縮合にて得られた I Vが 0. 65 d lZgのポリエチレンテレフタレートを常法に従ってチップ化した。 このレジ ンチップ中に含まれるアルミニウム原子の量とリン原子の量を測定した結果、 な らぴにリン原子に対するアルミニウム原子の比を表 4に示す。 PETレジンチッ プ中に含まれるカルシウム原子の量は 45 p pmであり、 従って金属原子の総含 有量は 65 p p mであった。 この P E Tレジンチップを用いて熱酸化安定性の評 価ならびに紡糸時の濾圧上昇およぴ延伸時の糸切れの評価を行つた。 評価結果を 表 4に示す。
(実施例 4 _ 2)
(リン化合物の合成例)
下記式 (ィ匕 21) で表されるリン化合物 (NMPA) の合成
窒素雰囲気下、 亜リン酸トリェチル 8.31g(50醒 ol) と 1 -クロロメチルナフタレ ン 8.83g(50mmol) の混合物を 200 °C (外温) でガス(C2H5C1)の発生が終わるまで 約 30分間加熱した。 室温まで冷却後、 無色の油状液体である MPAを 10.38g(粗 収率 75%)得た。
^-NMR (CDCls, δ ): 1.151 (6Η, t), 3.641 (2H, d), 3.948 (4H, m), 7.381— 7.579 ( 4H, m), 7.749-7.867 (2H, m), 8.088- 8· 133 (1H, m)
(ポリエステル重合例)
触媒を変更したこと以外は実施例 4— 1と同様にしてポリエステルを重合した 。 本実施例においては、 重縮合触媒としてアルミニウムトリスァセチルァセトネ ートの 2. 5 g/ 1のエチレングリコール溶液をポリエステルを構成する酸成分 に対してアルミニウム原子として 0. 014mo 1 %、 上述の NMPAの 50 g / 1エチレングリコール溶液をポリエステルを構成する酸成分に対して NMPA として 0. 02mo l 0/0、 I r g a n o x l 330 (チバ *スペシャルティーケ ミカルズネ: fc ) を最終的に得られるポリエステル換算で 0. 1重量0 /0、 酢酸リチ ゥムニ水和物の 50 g/ 1エチレンダリコール溶液をポリエステルを構成する酸 成分に対してリチウム原子として 0. 01 m o 1 %使用した。
ポリエチレンテレフタレートの IVが 0. 65 d 1 Zgに到達するまでに要し た重合時間、 得られた P E Tレジンチップ中に含まれるアルミニウム原子の量と
リン原子の量を測定した結果、 ならびにリン原子に対するアルミニウム原子の比 を表 4に示す。 PETレジンチップ中に含まれるリチウム原子の量は 4 p pmで あ.り、 従って金属原子の総含有量は 24 p であった。 PETレジンチップを 用いて熱酸ィ匕安定性の評価ならぴに紡糸時の濾圧上昇および延伸時の糸切れの評 価を行つた結果を表 4に示す。
(比較例 4一 1)
触媒を変更したこと以外は実施例 4一 1と同様にしてポリエステルを重合した 。 重縮合触媒として塩化アルミニウムの 13 gZ 1のエチレンダリコール溶液を ポリエステルを構成する酸成分に対してアルミニウム原子として 0. 015mo 1 %、 酢酸リチウム二水和物の 50 g/1エチレングリコール溶液をポリエステ ルを構成する酸成分に対してリチウム原子として 0. 06 m o 1 %使用した。 ポリエチレンテレフタレートの I Vが 0. 65 d 1/gに到達するまでに要し た重合時間を表 4に示す。 得られた IVが 0. 65 d lZgの PETレジンチッ プを用いて熱酸化安定性の評価ならびに紡糸時の濾圧上昇およぴ延伸時の糸切れ の評価を行つた結果を表 4に示す。
上記した実施例および比較例から明らかなように、 アルミニウム化合物とリン 化合物とフエノール系化合物を用 ヽて重合したポリエステルであって、 ポリエス テル中のリン原子とアルミ-ゥム原子の比が本発明の特許請求の範囲にあるもの は、 ポリエステルの熱酸ィヒ安定性に優れ、 かつ紡糸および延伸の操業性に優れて いる。 一方、 リン化合物とフエノール系化合物を用いないものは、 熱酸化安定性 に劣るとともに、 紡糸時に濾圧上昇が顕著に起こったり、 延伸時に糸切れが多発 したりし、 操業性に劣る結果となる。
(実施例 5 - 1)
(ポリエステルの重合例)
高純度テレフタル酸とエチレンダリコールから常法に従って製造したビス (2 —ヒドロキシェチル) テレフタレートおよびオリゴマーの混合物に対し、 重縮合 触媒としてアルミニウムトリスァセチルァセトネートの 2. 5 g/ 1のエチレン グリコール溶液と上述のリン化合物 Aの 10 gZ 1エチレンダリコール溶液を加 えた。 これらの化合物は最終的に得られるポリマー中のアルミニウム原子おょぴ
[表 4]
1 ) ポリエステル中に含まれるリン原子の量(ppm) とアルミニウム原子の量(pptn) の比
リン原子の含有量が表 5に示す量となるように添カ卩した。 添加量は、 重合に用い た反応器の特性や重合条件に応じて適切な量を選んだ。 上記溶液の添加後、 窒素 雰囲気下常圧にて 245°Cで 10分間撹拌した。 次いで 50分間を要して 275 °Cまで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて 0. lTo r rとしてさらに 27 5 °C、 0. 1 To r rで重縮合反応を行つた。 ポリエチレンテレフタレートの I Vが 0. 65 d l/gに到達するまでに要した重合時間を表 1に示す。 また、 上 記の重縮合にて得られた I Vが 0. 65 d 1 / gのポリエチレンテレフタレート を常法に従ってチップィ匕した。 この PETレジンチップを用いて紡糸時の濾圧上 昇およぴ延伸時の糸切れの評価を行つた。 評価結果を表 5に示す。
(実施例 5 2)
高純度テレフタル酸とエチレングリコールから常法に従って製造したビス (2 ーヒドロキシェチル) テレフタレートおょぴオリゴマーの混合物に対し、 重縮合 触媒としてアルミニウムトリスァセチルァセトネートの 2. 5 g/ 1のエチレン グリコール溶液と I r g ano x l 425 (チパ ·スペシャルティーケミカルズ 社製) の 10 g/ 1エチレングリコール溶液を加えた。 これらの化合物は最終的 に得られるポリマー中のアルミ-ゥムおよびリンの含有量が表 5に示す量となる ように添加した。 添加量は、 重合に用いた反応器の特性や重合条件に応じて適切 な量を選んだ。 上記溶液の添加後、 窒素雰囲気下常圧にて 245°Cで 10分間撹 拌した。 次いで 50分間を要して 275 °Cまで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に 下げて 0. lTo r rとしてさらに 275°C、 0. 1 T o r rで重縮合反応を行 つた。 ポリエチレンテレフタレートの I Vが 0. 65 d.1/gに到達するまでに 要した重合時間を表 1に示す。 また、 上記の重縮合にて得られた I Vが 0. 65 d 1ノ gのポリエチレンテレフタレートを常法に従ってチップ化した。 この PE Tレジンチップを用いて紡糸時の濾圧上昇および延伸時の糸切れの評価を行った 。 評価結果を表 5に示す。
(比較例 5— 1〜5— 2)
触媒を変更したこと以外は実施例 5— 1と同様にしてポリエステルを重合した 。 各実施例および比較例で、 触媒として用いた化合物を表 5にそれぞれ示す。 こ れらのィ匕合物は最終的に得られるポリマー中のアルミニゥムおよぴリンの含有量
が表 5に示す量となるように添加した。 添加量は、 重合に用いた反応器の特性や 重合条件に応じて適切な量を選んだ。 重合結果と紡糸時の濾圧上昇および延伸時 の糸切れの評価結果を表 5に示す。 リン化合物 Aは上述のものを使用した。 上記した実施例おょぴ比 例から明らかなように、 ポリエステノレ中のァノレミ二 ゥムおよぴリンの含有量が本発明の特許請求の範囲にあるものは、 紡糸および延 伸の操業性に優れるのに対して、 本発明の特許請求の範囲外のものは、 紡糸時に 濾圧上昇が顕著に起こったり、 延伸時に糸切れが多発したりし、 操業性に劣る結 果となる。
(実施例 6 - 1)
(ポリエステルの重合例)
撹拌機付きの 2リッターステンレス製オートクレープに高純度テレフタル酸と その 2倍モル量のエチレンダリコールを仕込み、 トリェチルアミンを酸成分に対 して 0. 3mo l %加え、 0. 25 MP aの加圧下 245°Cにて水を系外に留去 しながらエステル化反応を 120分間行いビス (2—ヒ ドロキシェチル) テレフ タレートおよびオリゴマーの混合物を得た。 この混合物に対し、 重縮合触媒とし てアルミニウムトリスァセチノレアセトネートの 2. 5 g/ 1のエチレングリコー ル溶液をポリエステル中の酸成分に対してアルミニウム原子として 0. 07 mo 1 %加え、 上述のリン化合物 Aの 10 g / 1エチレングリコール溶液をポリエス テル中の酸成分に対してリン原子として 0. 2 m o 1 %添加し、 窒素雰囲気下常 圧にて 245°Cで 10分間撹拌した。 次いで 50分間を要して 275 °Cまで昇温 しつつ反応系の圧力を徐々に下げて 0. lTo r rとしてさらに 275°C、 0. 1 To r rで重縮合反応を行った。 ポリエチレンテレフタレートの IVが 0. 6 5 d 1 / gに到達するまでに要した重合時間を表 6に示す。
(実施例 6— 2〜 6— 3, 比較例 6— 1〜 6— 3 )
触媒を変更したこと以外は実施例 6— 1と同様にしてポリエステルを重合した 。 各実施例おょぴ比較例で、 触媒として用いた化合物と添加量を表 6にそれぞれ 示す。 添加量はポリマー中の酸成分に対するアルミニウム原子おょぴリン原子と しての量を示す。 重合結果を表 6に示す。 リン化合物 Aは上述のものを使用し、 I r g a n o x l 425はチパ ·スペシャルティーケミカルズ社製のものを使用
[表 5 ]
1 ) ポリエステル中のリン原子の含有量 (ppm) とアルミニウム原子の含有量 (ppm) の比
した。 比較例 6- 3においては 1 20分間以上重合を行ったが所定の粘度まで到 達しなかった。
(実施例 6 - 4)
重縮合触媒として用いるアルミ-ゥムトリスァセチルァセトネートと I r g a n o x 1425を予めエチレンダリコール中で混ぜ合わせた溶液を調製した。 該 溶液を触媒として添加したこと以外は実施例 6— 3と同様にしてポリエステルを 重合した。 ポリエチレンテレフタレートの I Vが 0. 65 d l/gに到達するま でに要した重合時間は実施例 6— 3とほぼ同じであった。
上記した実施例および比較例から明らかなように、 アルミニウム化合物とリン 化合物の添加量比が本発明の特許請求の範囲にあるものは、 触媒活性に優れ、 従 つてポリエステルの生産性に優れるのに対して、 本発明の特許請求の範囲外のも のは、 触媒活性に劣り、 ポリエステルの生産性に劣る結果となる。
(実施例 7— 1)
(ポリエステルの重合例)
撹拌機付きの 2リッターステンレス製オートクレープに高純度テレフタル酸と その 2倍モノレ量のエチレングリコールを仕込み、 ト.リエチルァミンを酸成分に対 して 0. 3mo l °/0加え、 0. 2 5 MP aの加圧下 245°Cにて水を系外に留去 しながらエステル化反応を 1 20分間行いビス ( 2—ヒドロキシェチル) テレフ タレートおよぴォリゴマーの混合物を得た。 この混合物に対し、 重縮合触媒とし てアルミニウムトリスァセチルァセトネートの 2. 5 g/ 1のエチレングリコー ル? 夜をポリエステル中の酸成分に対してアルミニウム原子として 0. 0 14m o 1 %加え、 上述のリン化合物 Aの 1 0 gZ 1エチレングリコール溶液をポリェ ステル中の酸成分に対してリン原子として 0. 03mo l %添加し、 酢酸リチウ ムニ水和物 50 g/ 1のエチレングリコール溶液を酸成分に対してリチウム原子 として 0. 0 1モル%を加えて、 窒素雰囲気下常圧にて 245 °Cで 10分間撹拌 した。 次いで 50分間を要して 27 5 °Cまで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下 げて 0. 1 T o r rとしてさらに 275°C、 0. 1 T o r rで重縮合反応を行つ た。 ポリエチレンテレフタレートの I Vが 0. 6 5 d 1/gに到達するまでに要 した重合時間 (AP) を表 7に示す。
[表 6]
CD
1 ) リン原子とアルミニウム原子のモル比
また、 上記の重縮合にて得られた I Vが 0. 65 d 1/gのポリエチレンテレ フタレートを常法に従つてチップ化した。 この; P E Tレジンチップを用いて熱安 定性パラメ一夕 (TS) と熱酸化安定性パラメータ '(TOS) を求めた。 結果を 表 7に示す。
また、 上記] PETレジンチップを用いてフィルムの製膜、 回収ペレットの作成 、 ならびに回収べレットによるフイノレムの製膜を行つた。 フィルムの熱安定性と 耐熱老化性を ,した結果を表 7に示す。
本発明の触媒は触 E¾性が高く、 これを使用して得られた: P E Tからなるフィル ムは熱安定性と耐熱老化性の両者ともに優れるものであった。
(実施例 7 - 2)
(リン化合物の合成例)
下記式化 45で表されるリン化合物 (リン化合物 B ) の合成
[ィ匕 45]
1 - (1- naphthyl)methy丄 phosphonic acid dieth esterの合成
窒素雰囲気下、 亜リン酸トリェチノレ 8.31g(50腿 ol) と卜クロロメチルナフタレ ン 8.83g(50mmol) の混合物を 200 °C (外温) でガス(EtCl)の発生が終わるまで約 30分間加熱した。 室温まで冷却後、 無色の油状液体である(1- naphthyi ethyl phosphonic acid diethylesterを 10.38g(粗収率 75%)得た。
'H-NMR (CDCI3, δ):1.151(6Η, t), 3.641 (2H, d), 3.948 ( H, m), 7.381-7.579 ( 4H, m), 7.749-7.867 (2H, m), 8.088 - 8.133 (1H, m)
2. Sodium [0-ethyl (1 - napirtyl)raethylphosphonate]の合成
50%水酸化ナトリゥム水溶液 6.5g (8½mol) とメタノール 6. lml の混合溶液中に (1-naphthyl) methylphosphonic acid diethylester 5g (18mmol) のメタノール 溶液 6. lml を加え、 窒素雰囲気下 24時間加熱還流を行った。 反応後、 反応混合物 を冷却しながら濃塩酸 6.59g (63mmol) を加え、 析出物をろ取、 イソプロパノー ルで洗浄後、 ろ液を減圧留去した。 得られた残渣を熱イソプロパノールに溶解さ せ、 不溶分をろ取し、 イソプロパノールを減圧留去した。 残渣を熱 n-ヘプタンで 洗浄後、 イソプロパノールで再結晶し、 乾燥して Sodium [0- ethyl (l-naphtyl)me thylp osphonate]を 3.8g (78% ) 得た。
形状:針状結晶
融点: 277- l °C (分解)
aH-NMR(d6-DMS0, δ):0.961 (3Η, t, J=7Hz), 3.223 (2H, d), 3.589 (2H, m), 7.3 65-7.468 (4H, m, J=7Hz), 7.651-8.314 (3H, m)
3. 0- ethyl (1-naphtyl) methylphosphonic acid (リン化合物 B) の合成 室温で撹拌下の Sodium [0- ethyl (1-naphtyl) methylphosphonate] lg (3.7應 ol ) の水溶液 10mlに濃塩酸 1.9gを加えて 1 時間撹拌した。 反応混合物をトルエンで 抽出し、 トルエン相を水洗後、 トルエンを減圧留去して 0-ethyl (l-naphtyl)met hylp osphonic acidを 497mg (54% ) ネ守に。
形状:無色油状液体
- NMR(CDC13, δ):1.085 (3H, t, J=7Hz), 3.450 (2H, d), 3.719 (2H, m, 7Hz), 7.369-7.532 (4H, m), 7.727-8.043 (3H, m), 10.939(1H, s)
(ポリエステノレの重合例)
触媒を変更したこと以外は実施例 7— 1と同様にしてポリエステルを重合した 。 触媒として用いた化合物と添加量を表 7に示す。 アルミニウム化合物の添加量 はポリエステル中の酸成分に対するアルミニウム原子としての添加量を示し、 リ ン化合物 Bの添加量はポリエステル中の酸成分に対するリン原子どしての添加量 を示す。 ポリエチレンテレフタレートの I Vが 0. .65 d lZgに到達するまで に要した重合時間 (AP) を表 7に示す。
また、 上記の重縮合にて得られた I Vが 0. 65 d 1/gのポリエチレンテレ フタレートを常法に従ってチップィ匕した。 この: PETレジンチップを用いて熱安
定性パラメ一夕 (TS) と熱酸化安定性パラメータ (TOS) を求めた。 結果を 表 7に示す。
また、 上記: PETレジンチップを用いてフィルムの製膜、 回収ペレットの作成 、 ならびに回収ペレットによるフィルムの製膜を行った。 フィルムの熱安定性と 耐熱老化性を評価した結果を表 7に示す。
本発明の触媒は触 性が比較的高く、 これを使用して得られた: P E Tからなる フィルムは熱安定性と耐熱老ィヒ性の両者ともに優れるものであった。
(比較例 7—1)
触媒として三酸化アンチモンを、 その添加量が PET中の酸成分に対してアン チモン原子として 0. 05モル0 /0となるように使用した以外は実施例 7— 1と同 様の操作を行った。 三酸化アンチモンとしては、 巿販の Antimony (III) oxide ( ALDRICH CHEMICALネ ± 、 純度 99. 999%) を使用した。 三酸化アンチモンは 、 濃度が約 l O gZlとなるようにエチレングリコールに 150 °Cで約 1時間撹 拌して溶解させた溶液を使用した。 ポリエチレンテレフタレートの IVが 0. 6 5 d 1/gに到達するまでに要した重合時間 (A P ) を表 7に示す。
また、 上記の重縮合にて得られた I Vが 0. 65 d lZgのポリエチレンテレ フタレートを常法に従ってチップ化した。 この PETレジンチップを用いて熱安 定性パラメータ (TS) と熱酸化安定性パラメータ (TOS) を求めた。 結果を 表 7に示す。
また、 上記 PETレジンチップを用いてフィルムの製膜、 回収ペレットの作成 、 ならびに回収ペレットによるフィルムの製膜を行った。 フィルムの熱安定性と 耐熱老ィ匕性を評価した結果を表 7に示す。
本発明の触媒は触媒活性には優れるが、 これを使用して得られた P E Tからなる フィルムの熱安定性は、 実施例のものに比べて劣るものであつた。
(比較例 7— 2)
比較例 7-1の触媒に、 さらに上述のリン化合物 Aをその添加量が P E T中の 酸成分に対してリン原子として 0. 03モル%となるように加えたこと以外は比 較例 7— 1と同様の操作を行った。 三酸化アンチモンとしては、 市販の Antimony (III) oxide (ALDRICH CHEMICAL據、 純度 99 · 999%) を使用した。 三酸
ィ匕アンチモンは、 濃度が約 10 g/ となるようにエチレングリコーノレに 150 。(で約 1時間撹拌して溶解させた溶液を使用した。 ポリエチレンテレフタレート の IVが 0. e s d iZgに到達するまでに要した重合時間 (A P ) を表 7に示 す。 リン化合物 Aを併用することによる三酸化ァンチモンの触媒活性の変ィ匕はほ とんど認められなかった。
(比較例 7— 3)
触媒として二酸化ゲルマニウムを、 その添加量が PET中の酸成分に対してゲ ルマニゥム原子として 0. 03モル0 /0となるように使用した以外は実施例 7—1 と同様の操作を行った。 ポリエチレンテレフタレートの IVが 0. e s d iZg に到達するまでに要した重合時間 (AP) を'表 7に示す。
また、 上記の重縮合にて得られた I Vが 0. 65 d 1/gのポリエチレンテレ フタレートを常法に従つてチップィ匕した。 この: P E Tレジンチップを用いて熱安 定性パラメータ (TS) と熱酸ィ匕安定性パラメータ (TOS) を求めた。 結果を 表 7に示す。
また、 上記 PETレジンチップを用いてフィルムの製膜、 回収ペレットの作成 、 ならびに回収ペレットによるフィルムの製膜を行った。 フィルムの熱安定性と 耐熱老ィ匕性を評価した結果を表 7に示す。
本発明の触媒は触媒活性には優れるが、 これを使用して得られた P E Tからな るフィルムの熱安定性およぴ耐熱老ィ匕性は 、ずれも、 実施例のものに比べて劣る ものであった。
(比較例 7 - 4)
触媒としてアルミニウムァセチルァセトネートを、 その添加量が PET中の酸 成分に対してアルミニウム原子として 0. 014モル%となるように使用した以 外は実 例 7— 1と同様の操作を行つた。 150分間以上重合を行つたが、 ポリ エチレンテレフタレートの IVが 0. 65 d 1/gに到達しなかった。
(比較例 7— 5)
触媒として酢酸リチウム二水和物を、 その添加量が PET中の酸成分に対して リチウム原子として 0. 01モル0 /0となるように使用した以外は実施例 7— 1と 同様の操作を行った。 150分間以上重合を行ったが、 ポリエチレンテレフタレ
ートの I Vが 0. 65 d lZgに到達しなかった。
上記した実施例および比較例から明らかなように、 PETレジンチップの熱安 定性パラメータが本発明の特許請求の範囲にあるものは、 フィルムの熱安定性に 優れたものになり、 フィルム品位に優れるとともに、 屑フィルムを再利用したも のも品位に優れたものとなる。 一方、 本発明の特許請求の範囲外のものは、 フィ ルムの熱安定性に劣るため、 屑フィルムを再利用したフィルムの品位は劣るもの し力心得られない。
また、 ァノレミニゥム化合物およびリチウム化合物はもともと触媒活性に劣るが 、 これにリン化合物を共存した本発明の触媒は触媒活性に優れ、 得られるポリエ ステルの熱安定性にも優れたものが得られる。 一方、 リン化合物をアンチモンィ匕 合物と共存して用いても、 ァンチモン化合物の触媒活性は影響を受けない。
(実施例 8 - 1)
(塩基性酢酸アルミニゥムの水溶液の調製例)
塩基性酢酸アルミニゥム (ヒ ドロキシアルミユウムジァセテート ; ALDRICH製 ) 1 gに対して 50 m 1の割合で脱ィオン水を加え約 12時間常温で撹拌した。 その後、 徐々に液温を上昇しながら撹拌を続けた。 液温が約 60°Cに到達した時 点で温度を保持して約 2時間撹拌し、 さらに液温を上昇しながら撹拌を続け、 約 75°Cに到達した時点で 2時間以上撹拌してクリァ一な水溶液を得た。
(ポリエステル重合例)
高純度テレフタル酸とその 2倍モル量のェチレングリコールから常法に従つて 製造したビス (2—ヒ ドロキシェチノレ) テレフタレート及ぴォリゴマーの混合物 に対し、 重縮合触媒として上記塩基性酢酸アルミニウムの水?親夜をポリエステル 中の酸成分に対してアルミニウム原子として 0. 035mo l%と I r g a n o X 1425 (チパ 'スペシャルティーケミカルズ社製) の l O g/1エチレング リコール溶液を酸成分に対して I r g a n o x l 425として 0. 02mo l % を加えて、 窒素雰囲気下、 常圧にて 245°Cで 15分間撹拌した。 次いで 55分 間を要して 275 °Cまで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて 66. 5P a ( 0. 5To r r) としてさらに 275°C、 66. 5 P aで 90分間重縮合反応を 行った。 得られた PETの IVと Tmを表 8に示す。
7] フイルム熱 フィル厶耐 /
ィ匕合物 添カロ里 Zmo l l¾ A n ノ、 t o 丁 l nUoc
女疋 ffi ¾i¾1 L !±. ソ レ 一 -ノ \ 卜 リ I
実施例 チルァセトネ一ト 0.014
7-丄 WF リナウ厶ー水和物 0.01
IノIン-^ 1し口物 A リ■ ^ 7Α 0 16 0 01以下 o π アルミニウム卜リスァセ
〇 実施例 チルァセトネ一ト 0.014
7 - 2 リン化合物 B 0.03 116 0.14 0.04 〇 〇 比較例 7 - 1 三酸化アンチモン 0.05 75 0.23 0.01 下 X 〇 比較例 7 - 2 三酸化アンチモン 0.05'
リン化合物 A 0.03 77
比較例7一3 二酸化ゲルマニウム 0.03 68 0.20 0.23 X X アルミニウムトリスァセ
比較例.7一 4■チルァセトネ一卜 0.014 150以上
比較例7一5 酢酸リチウム二水和物 0.01 150以上
(実施例 8 - 2) .. (塩基性酢酸アルミニゥムのエチレングリコール溶液の調製例)
塩基性酢酸アルミニウム (CH3C00A1(0H)2 · 1/3H3B03; ALDRICH製) をェチレ ングリコール中で丄 2時間以上撹拌し、 約 5g/l濃度のエチレングリコール溶液を 得た。
(ポリエステル重合例)
重縮^ 媒として、 上記塩基' !·生酢酸アルミニゥムのェチレングリコール溶液を ポリエステル中の酸成分に対してアルミニウム原子として 0. 035mo 1%と I r g a n o x l 425 (チパ ·スぺシヤノレティーケミカノレズネ; h^) の 10 gZ 1エチレンダリコール溶液を酸成分に対して I r g a n o x l 425として 0. 02mo 1 %を加えた以外は実施例 8— 1.と同様の操作を行った。 得られた P E 丁の I Vと Tmを表 8に示す。
(比較例 8— 1)
重縮合触媒として、 塩基性酢酸アルミニウム (ヒドロキシァノレミニゥムジァセ テート; ALDRICH製) の約 10 g/1エチレンダリコー _レスラリーをポリエステ ル中の酸成分に対してアルミニウム原子とレて 0. 035mo 1 %と I r g a n 0 x 1425 (チ^ ·スペシャルティーケミカルズ據) の 10 gZlエチレン グリコール?額夜を酸成分に対して I r g a no x l 425として 0, 02m o l %を加えた以外は実施例 8— 1と同様の操作を行つた。 得られた P E Tの I Vと 丁111を表8に示す!3
(実施例 8 3)
(塩基性酢酸アルミニゥムのエチレングリコール溶液の調製例)
約 1 Z 16モル量のホゥ酸で安定化された塩基性酢酸アルミニゥム 1 gに対し て 10m 1の割合で脱イオン水を加え数時間常温で撹拌した。 その後、 約 70°C で約 12時間撹拌してクリア一な水溶液を得た。 該水溶液に対して容量比で 20 倍量のエチレングリコールを加え、 室温で数時間撹拌した。 その後、 該溶液を約 100°Cで数時間撹拌しながら系から水を留去してエチレンダリコ^ ~ル溶液を得 た。
(ポリエステノレ重合例)
高純度テレフタル酸とその 2倍モル量のェチレングリコールから常法に従つて 製造したビス ( 2—ヒ ドロキシェチル) テレフタレート及ぴォリゴマーの混合物 に対し、 重縮合触媒として上記塩基性酢酸アルミニゥムのエチレングリコール溶 液をポリエステル中の酸成分に対してアルミニウム原子として 0. 014mo 1 %と I r g a no x l 425 (チパ ·スペシャルティーケミカルズ社製) の 10 1エチレングリコール溶液を酸成分に対して I r g ano x l 425として 0. 0 lmo 1 %を加えて、 窒素雰囲気下、 常圧にて 245°Cで 10分間撹拌し た。 次いで 45分間を要して 275 °Cまで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げ て 66. 5 P a (0. 5To r r ) としてさらに 275°C、 66. 5P aで 12 0分間重縮合反応を行った。 1 が0. 38 d 1 /gの PETが得られた。 (実施例 8— 4)
(塩基性酢酸アルミニゥムの水 Zェチレングリコール混合溶液の調製例) 塩基性酢酸アルミニウム (ヒドロキシアルミニウムジアセテート ; ALDRICH製 ) 1 gに対して 5 Omlの割合で脱イオン水を加え 12時間常温で撹拌した。 そ の後、 約 70°Cで 6時間撹拌してクリァ一な水溶液を得た。 この水溶液 1に対し て 3倍量 (容量比) のエチレングリコールを添加して、 室温で 6時間撹拌して触 媒溶液を得た。 ,
(ポリエステルの重合例)
撹拌機付きの熱媒循環式 2リッターステンレス製オートクレープに高純度テレ フタル酸とその 2倍モル量のエチレングリコールを仕込み、 トリェチルァミンを 酸成分に対して 0.3mol%加え、 0.25MPa の加圧下 250 にて水を系外に留去しな がらエステル化反応を 115分間行いエステノレ化率力95%以上のビス (2-ヒドロキ シェチル) テレフタレート (BHET) およびオリゴマーの混合物 (以下、 BHET混合 物という) を得た。 この BHET混合物に対して、 重縮合触媒として上記塩基性酢酸 アルミ -ゥムの水ノエチレングリコール混合溶液をポリエステル中の酸成分に対 してアルミニウム原子として 0. 014mo l%と I r g a n o x l 425 (チ バ ·スペシャルティーケミカルズ社製) の 100 g Z 1エチレングリコール溶液 を酸成分に対して I r g a n o X 1425として 0. 0 lmo 1%を加えて、 窒素雰囲気下常圧にて 250 °Cで 15分間撹拌した。 次いで 60分間を要して 275 °Cま
で昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて 66.5Pa (0.5Torr ) としてさらに 275 °C、 66.5Paで重縮合反応を行つた。 I Vが 0. 61 dl/gの PETを得るのに要し た重縮合時間は 132分であり、 本触媒は実用的な触媒活性を有するものであつ た。 得られた: P E Tの物性を表 9に示す。
(実施例 8 - 5)
(塩基性酢酸アルミニゥムのエチレングリコール? 夜の調製例)
上述の塩基性酢酸アルミニゥムの水 Zェチレングリコール混合溶液を 90〜 1
10°Cで数時間撹拌しながら系から水を留去した。 その結果、 約 6. 5 g/l濃 度のェチレングリコール溶液を得た。
(ポリエステル重合例)
重縮合触媒として上記塩基性酢酸アルミニウムのエチレンダリコール溶液をポ リエステル中の酸成分に対してアルミニウム原子として 0. 014mo 1 %と I r g a no x 1425 (チバ ·スペシャルティーケミカルズ社製) の 100 g / 1エチレンダリコール^¾を酸成分に対して I r g a n o x 1425として 0. 0 lmo 1 %を加えたこと以外は実施例 8— 4と同様にしてポリエステルを 重合した。 重合時間は、 133分、 得られた PETの I Vは 0. 6 Odl/gであつ た。 その他の物性を表 9に示す。
(実施例 8— 6)
(塩基性酢酸アルミニウムのエチレングリコール溶液の調製例)
塩基性酢酸アルミニウム (CHsCOOAl (0H) 2 · 1/3H3B03; ALDRICH製) をェチレ ングリコール中で約 70°Cで 5時間撹拌し、 約 5g/l濃度のエチレンダリコール溶 液を得た。
(ポリエステル重合例)
高純度テレフタル酸とエチレングリコールから常法に従って製造したビス (2 ーヒドロキシェチル) テレフタレート及びオリゴマーの混合物に対し、 重縮合触 媒として上記塩基性酢酸アルミニウムの 5g/lエチレングリコール溶液をポリエス テル中の酸成分に対してアルミニウム原子として 0. 014mo l%と I r g a n o X 1425 (チバ ·スペシャルティーケミカノレズ社製) の 10 g Z 1ェチ レングリコール溶液を酸成分に対して I r g a n o x 1425として 0. 01
mo 1%を加えて、 窒素雰囲気下、 常圧にて 245°Cで 10分間撹拌した。 次い で 50分間を要して 275 °Cまで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて 13. 3 P a (0. IT o r r) としてさらに 275°C、 13. 3 P aで重縮合反応を 行った。 90分間重縮合反応を行い I V0. 65.dl/gの PETを得た。 得られた ?£丁の入¥は2当量ダトン、 Tmは 256°C、 値は68. 9、 a値は一 2. 3、 b値は 4. 2であった。
(実施例 8 - 7)
(乳酸アルミニゥムのエチレングリコール溶液の調製例)
乳酸アルミニウムの約 67 gZ 1の水溶液を常温で調製した。 その後、 ェチレ ングリコールを加え、 約 100°Cで加熱することで水を留去し、 約 29g/l のェ チレングリコール溶液を得た。
(ポリエステル重合例)
重縮合触媒として上記乳酸アルミニゥムのエチレングリコール溶液をポリエス テル中の酸成分に対してァノレミニゥム原子として 0. 014mo 1 %と I r g a n o x 1425 (チパ ·スペシャルティーケミカルズ社製) の 100 g/ 1ェ チレンダリコール溶液を酸成分に対して I r g a n o x l 425として 0. 01 mo 1 °/0を加えた と以外は実施例 8— 4と同様にしてポリエステルを重合した 。 重合時間は、 124分、 得られた PETの I Vは 0. 60dl/gであった。 その 他の物性を表 9に示す。
(比較例 8— 2)
重縮^ ^虫媒として、 乳酸アルミニウムの約 5 g/ 1エチレングリコールスラリ 一をポリエステル中の酸成分に対してアルミニウム原子として 0. 014mo 1 %と I r g a no x 1425 (チバ ·スぺシヤノレティーケミカ/レズネ ±¾) の 1 00 g/1エチレングリコール溶液を酸成分に対して I r g a n o x l 425と して 0. 01 mo 1 %を加えたこと以外は実施例 8— 4と同様にしてポリエステ ルを重合した。 重合時間は 168分、 得られた P E Tの I Vは 0. 61 dl/gであ り、 触媒活性に劣るものであった。
(評価結果)
本発明の実施例およぴ比較例から、 カルボン酸アルミニゥム塩を溶解した溶液
を触媒として用いた: ^はいずれも重合活性に優れ、 得られるポリエステルの品 質にも優れるのに対して、 溶解せずに触媒として用いた ^^は重合活性に劣る結 果、となる。 . . —
δ菌 .
一
養 i.
s卜
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[産業上の利用分野]
本発明のポリエステルは、 例えば、 衣料用繊維、 カーテン、 カーペット、 ふと んわた等に代表されるインテリア '寝装用繊維、 タイヤコード、 ロープ等に代表 される産業資材用繊維、 各種織物、 各種編物、 短繊維不織布、 長繊維不織布等の 繊維、 包装用フィルム、 工業用フィルム、 光学用フィルム、 磁気テ プ用フィル ム、 写真用フィルム、 街ラミネート用フィルム、 コンテンサ用フィルム、 熱収縮 フイノレム、 ガスパリアフィルム、 白色フィルム、 易カツトフイノレム等のフィルム 、 非而 ί熱延伸ボトル、 耐熱延伸ボトル、 ダイレクトブローボトル、 ガスバリアポ トル、 耐圧ボトル、 耐熱圧ボトル等の中空成形体、 A— P E Tや C— P E T等の シート、 ガラス繊維強化ポリエステル、 エラストマ一等に代表されるエンジニア リングプラスチックなどの各種成形物、 および塗料や接着剤などへの応用が可能 である。