WO1994019620A1 - Toothed belt - Google Patents

Description

明 細 書

歯 付 き ベ ル ト

本発明は動力伝達用の歯付きベル ト に関する も のであ る

一般に歯付きベル ト とは、 図 1 に歯付きベル ト 1 と し て示されている よ う に、 ゴム製の本体部分 2 の片面に嚙 合歯 3 が形成されてお り 、 本体部分 2 にはその長さ方向 に抗張体 4 が埋入されている構造を有する。 そ してその 歯付きベル ト 1 の嚙合面には、 歯形の表面に沿って帆布 5 が貼付け られている。

こ の歯付きベル ト 1 を製造する際には、 図 2 に示すよ う に、 表面に嚙合歯 3 の雌型 6 を刻設 した円筒状の金型 7 の外周 に、 RFL t resorcinol - formaldehyde - latex ： レ ゾルシ ン · ホルムアルデヒ ド · ラテ ッ ク ス） な どの接着 処理を施 した筒状の帆布 5 を嵌合 し、 その外側に抗張体 4 を巻回 し、 さ らにその外側にゴム生地 8 を配置する。 そ して こ の ゴム生地 8 を加熱加圧する と、 図 3 に示すよ う にその ゴム生地 8 は抗張体 4 の間隔を通 して雌型 6 に 押込まれ、 加硫されて嚙合歯 3 が成型される。 こ の とき 帆布 5 は、 ゴム生地 8 と共に雌型 6 に押込まれ、 嚙合歯 3 の表面に沿って嚙合面を形成するが、 初めは歯付きべ ノレ ト 1 の周長にほぼ一致する長さを有 し、 嚙合歯 3 の成 型時には、 その歯付きベル ト 1 の歯形に沿っ た長さを有 する もの となる必要があ り 、 そのため帆布 5 は、 歯付き ベル ト 1 の長さ方向に向 って容易に伸長する こ とができ る ものである こ とが必要と される。

従来、 こ の種の歯付きベル ト用帆布 5 においては、 歯 付きベル ト 1 の長さ方向に延びる糸条と して、 伸縮性を 有する糸条が使用 されている。 以下こ の明細書において は、 こ の糸条をたて糸 9 と言い、 これと交差する糸条を よ こ糸 10と言う 。 ただ し、 この 「たて糸」 及び 「よ こ糸」 の語は、 織物構造においていう経糸及び緯糸の用語と必 ずし も一致する とは限らない。

実開昭 62- 204059号公報、 アメ リ カ特許第 4 , 826 , 472号、 ヨーロ ッパ特許第 2 7 1， 5 8 7号などには、 かかる伸縮性を 有する糸条と して、 ナイ ロ ンな どのウー リ 一加工糸を使 用する こ とが示されているが、 近年、 歯付きベル ト につ いては、 例えば自動車用エ ン ジ ンのカム シ ャ フ ト、 バラ ンサシ ャ フ トな どの駆動用 と して歯付きベル トが使用 さ れてお り、 近年、 自動車のエ ン ジ ンの高性能化に伴いェ ンジ ンルームが高温とな っているため、 かかる高温雰囲 気下において も、 十分な耐久性を有する こ とが求め られ ている。

そこで最近では、 耐熱性や強度に優れた、 芳香族ポ リ ア ミ ド繊維糸な どの高強度高耐熱性繊維を、 歯付きベル 卜 における帆布 5 のたて糸 9 と して使用する こ とが検討 されている。

しか しながら、 一般に高強度高耐熱性繊維はウー リ ー 加工が困難であ り、 十分な伸縮性を付与する こ とが困難 であるので、 実公昭 63- 15628号公報には、 歯付きベル ト 1 の帆布 5 のたて糸 9 と して、 ポ リ ウ レタ ン弾性糸 1 1の 周囲にァラ ミ ド繊維 12をスパイ ラ ル状に巻回 した複合糸 条 13を使用する こ とが示されている。

こ の複合糸条 13は、 ポ リ ウ レタ ン弾性糸 1 1が収縮 した 状態においてスパイ ラル状のァラ ミ ド繊維 12に弛みが生 じ、 その弛みに相当する長さ分だけ、 複合糸条 13の伸縮 が可能となる ものである。 しか しながら、 こ の糸条にお いては、 ポ リ ゥ レタ ン弾性糸 1 1の周囲に十分に長いァラ ミ ド繊維 12が巻回される こ と とな り 、 ポ リ ウ レタ ン弾性 糸 1 1とァラ ミ ド繊維 12との間に、 互いに拘束 し合う力が 作用 しない。 そのため両者間に互いに滑り が生 じ、 図 4 に示すよ う にァラ ミ ド繊維 12の弛み分が不規則なループ 14とな って現れ、 こ の複合糸条 13をたて糸 9 と して帆布 5 を織成する と、 そのループ 1.4が帆布 5 の表面に突出 し , 厚い ものとなる。

歯付きベル ト 1 はその使用目的からみて、 抗張体 4 が 嚙合歯 3 の歯底に可及的に接近して設け られているのが 好ま し く 、 帆布 5 が厚 く なる こ とは避けなければな らな い。 しかも多数のループ 14が不規則に突出する と外観が 悪 く なるのみな らず、 プー リ ーの歯との接触によ り特に 歯底において局部的に摩耗な どを受けやす く 、 歯付きべ ル ト 1 の耐久性が低下する。

また前記複合糸条 13においては、 ァラ ミ ド繊維 12が複 合糸条 13の最外部に露出 しているため、 ァラ ミ ド繊維 12 と本体部分 2及び嚙合歯 3 のゴム とが直接接着 して一体 ィ匕 してお り 、 ァラ ミ ド繊維 12がゴムによ り拘束されて自 由度が小さ く な つている。 そのため歯付きベル ト 1 に繰 返 し変形が加え られる と、 それに伴ってァラ ミ ド繊維 1 2 も繰返 し伸長、 屈曲の変形を受け、 疲労によ り強度が低 下 して歯付きベル ト 1 の耐久性が著 し く 低下する。

本発明は、 かかる事情に鑑みなされた ものであ って、 耐熱性に優れ、 耐摩耗性や耐久性に も優れた歯付きベル トを提供する こ とを目的とする ものである。

本発明は、 嚙合面に帆布を貼着した歯付きベル ト にお いて、 前記帆布における歯付きベル ト の長さ方向に延び るたて糸が、 弾性糸よ り なる芯糸の周囲に、 高強度高耐 熱性繊維糸を巻、回 し、 さ らにその周囲に通常の合成繊維 糸を巻回 してなる複合糸条である こ とを特徴とする。

前記通常の合成繊維糸と しては、 ナイ ロ ン繊維又はポ リ エステル繊維の嵩高加工糸である こ とが好ま し く 、 そ の嵩高加工糸は伸縮性を有する ものである こ とが好ま し

'い o

また前記合成繊維糸の巻回数は、 高強度高耐熱性繊維 糸の巻回数よ り大きいこ とが好ま し く 、 またその合成繊 維糸を、 高強度高耐熱性繊維糸の巻回方向 とは逆方向に 巻回するのが望ま しい。

本発明における上記の高強度高耐熱性繊維糸は、 通常 の合成繊維糸よ り も大巾に強度が大き く 且つ耐熱性に優 れた繊維であ っ て、 その強度が 1 0 9 Z d以上であ り 、 2 0 0 °C以上の高温下において使用可能な繊維である こ と が好ま しい。 かかる高強度高耐熱性繊維糸と しては、 芳 香族ポ リ ア ミ ド繊維糸が適当であるが、 その他全芳香族 ポ リ エステル繊維、 金属繊維、 炭素繊維、 ガラ ス繊維な どの糸を使用する こ と もでき る。

さ らに こ の高強度高耐熱性繊維糸と しては、 紡績糸又 は嵩高加工糸を使用するのが好ま しい。

図 5 は本発明において使用する複合糸条 15を示すもの である。 こ の複合糸条 15において、 16は芯糸であ って、 ポ リ ゥ レタ ン弾性糸な どの弾性糸よ り な っている。

1 7は高強度高耐熱性繊維糸と しての芳香族ポ リ ア ミ ド 繊維糸であ って、 前記芯糸 16の周囲に螺旋状に巻回され ている。 この芳香族ポ リ ア ミ ド繊維糸 17と しては、 紡績 糸又は嵩高加工糸を使用するのが好ま しい。

18はナイ 口 ン繊維又はポ リ エステル繊維な どの通常の 合成繊維糸であ って、 前記芳香族ポ リ ア ミ ド繊維糸 17の 周囲に螺旋状に巻回されている。 こ の合成繊維糸 18はナ ィ ロ ン繊維又はポ リ エステル繊維の、 伸縮性を有する嵩 高加工糸を使用するのが好ま しい。

また合成繊維糸 18を芳香族ポ リ ア ミ ド繊維糸 17の周囲 に巻回するに当 っては、 芳香族ポ リ ア ミ ド繊維糸 17の芯 糸 16に対する巻回方向 とは逆方向に、 且つ芳香族ポ リ ア ミ ド繊維糸 17の芯糸 16に対する巻回数よ り大きい巻回数 で、 螺旋状に巻回するのが好ま しい。

而 して前記帆布 5 は、 前記複合糸条 15をたて糸 9 と し 任意の糸をよ こ糸 10と して織成する。 こ の織成に際 して は、 たて糸 9 と よ こ糸 10とのいずれを織成時の経糸と し いずれを緯糸と して もよい。

そ して このよ う に して得 られた帆布 5 を、 歯付きベル ト 1 の歯形の表面に貼着する。 本発明における帆布 5 を 使用 した歯付きベル ト 1 は、 従来の歯付きベル ト 1 と全 く 同様に製造する こ とができ る。

本発明によ る歯付きベル ト は、 たて糸 9 である複合糸 条 15が、 弾性糸よ り なる芯糸 16の周囲に高強度高耐熱性 繊維糸 17を巻回 し、 さ らにその周囲に通常の合成繊維糸 18を巻回 した糸条であるので、 剛直で耐摩耗性に劣る高 強度高耐熱性繊維糸 17が合成繊維糸 18で覆われて保護さ れてお り 、 高強度高耐熱性繊維糸 17が直接外部に露出 し て摩耗を受ける こ とがない。

また歯付きベル ト 1 を構成す.る ゴムとは合成繊維糸 18 が接着 し、 高強度高耐熱性繊維糸 17は合成繊維糸 18の内 側で直接ゴムに拘束される こ とがないので、 自由度が大 き く 、 伸長、 屈曲によ る疲労が生 じに く い。

また合成繊維糸 18と して嵩高加工糸を使用する こ とに よ り 、 合成繊維糸 18と高強度高耐熱性繊維糸 17との摩擦 係数が大き く な り 、 高強度高耐熱性繊維糸 17は合成繊維 糸 18に保持される と共に、 合成繊維糸 18の嵩が高 く 高強 度高耐熱性繊維糸 17を内部に包み込んで露出させる こ と がないため、 耐摩耗性や耐久性がさ らに向上する。

ま た帆布 5 の ゴム と の接着性を向上 さ せる ために、 R F Lな どの接着処理を施すこ とが行われるが、 嵩高加工 糸を使用する こ とによ り 処理剤が合成繊維糸 18の繊維間 を通 して浸透 し易 く 、 処理剤の付着量を多 く でき るので ゴムとの接着性がよ り 向上する。

さ らに嵩高加工糸と して伸縮性を有する ものを使用す る こ とによ り 、 当該嵩高加工糸の巻回が容易になる と共 に、 巻回後に嵩高加工糸が収縮するため過度の弛みを生 じる こ とがな く 、 また高強度高耐熱性繊維糸 1 7を抱持し てその露出を阻止する こ とができ る。

また合成繊維糸 18の巻回数を高強度高耐熱性繊維糸 1 7 の巻回数よ り多 く する こ とによ り 、 よ り確実に高強度高 耐熱性繊維糸 1 7を抱持し、 高強度高耐熱性繊維糸 17の露 出を防止でき る。

さ らに合成繊維糸 18を高強度高耐熱性繊維糸 17の巻回 方向 とは逆方向に巻回する こ とによ り 、 合成繊維糸 18で 高強度高耐熱性繊維糸 17を芯糸 16の表面に押え込むこ と とな り、 高強度高耐熱性繊維糸 17が表面に露出する のを 有効に防止でき る。

また高強度高耐熱性繊維糸 17と して紡績糸又は嵩高加 ェ糸を使用する こ とによ り、 かかる糸条は柔軟であ って 剛性が小さ く 、 且つ合成繊維糸 18と絡み易いため、 高強 度高耐熱性繊維糸 17の不規則なループが生 じに く く 、 複 合糸条 15の表面に露出する こ とがな く なる。

本発明によれば、 歯付きベル ト 1 の帆布 5 におけるた て糸 9 と して、 強度、 耐熱性な どに優れた高強度高耐熱 性繊維糸 17を使用 しているので、 帆布 5 の強度が大き く またプー リ ーに接触して駆動 した とき も、 たて糸 9 が摩 耗された り摩擦熱によ り 劣化 した り する こ とがない。 従 つて帆布 5 が切断された り嚙合歯 3 に亀裂が生 じた り す る こ とがな く 、 極めて耐久性に優れた歯付きベル ト 1 が 提供される。

また本発明の歯付きベル ト においては、 こ の高強度高 耐熱性繊維糸 17が芯糸 16に巻回されてお り 、 さ らにその 外側か ら合成繊維糸 18で拘束されているので、 高強度高 耐熱性繊維糸 17は芯糸 16の周囲に螺旋状に配置されてお り、 それ自体は伸縮性を有 しないに も拘 らずその螺旋が 延びる こ とによ り複合糸条 15は大きな伸縮性を有 し、 帆 布 5 は歯付きベル ト 1 の長さ方向に向って大きな伸長性 を有 し、 容易に歯付きベル ト 1 を成型する こ とができ る さ らに複合糸条 15において、 高強度高耐熱性繊維糸 17の 彎曲によ り ループ 14が生じて も、 その外側から合成繊維 糸 18で拘束されているので帆布 5 の表面に大きなループ が不規則に形成される よ う なこ とがな く 、 帆布 5 が不必 要に厚 く なる こ とがな.い。

従って帆布 5 の外観が優れ、 また柔軟である と共に、 帆布 5 の厚さを薄 く する こ とができ、 歯付きベル ト 1 の 抗張体 4 が歯底に極めて接近して形成され、 性能の良い 歯付きベル ト 1 となる。

さ らに歯付きベル ト 1 における ゴムは最外層の合成繊 維糸 18と接着するため、 接着力が向上する と共に、 その 合成繊維糸 18の内部の高強度高耐熱性繊維糸 17はゴムに 拘束される こ とがないので自由度が大き く 、 局部的に摩 耗を受けた り伸長、 屈曲によ る疲労によ り 強度低下を生 じる こ とがな く 、 耐摩耗性及び耐久性に優れた もの とな る o

実施例

以下本発明の実施例について説明する。 以下に述べる 各実施例及び比較例に記載されたとお り の要件によ り 帆 布を製作 した。

実施例 1

たて糸 ： 複合糸条

芯糸 ： ポ リ ウ レタ ン弾性糸 420d

芳香族ポ リ ア ミ ド繊維糸 200dフ イ ラ メ ン ト糸 巻回方向 S方向 巻回数 ： 650回 Z m

合成繊維糸 ナ イ ロ ン 66糸 100dフ ィ ラ メ ン ト糸 巻回方向 Z方向 巻回数 ： 850回 Z m

芯糸を約 1. 7倍に伸長 した状態で芳香族ポ リ ア ミ ド繊 維糸及び合成繊維糸を上記の通 り巻回 し、 卷回後は、 ほ ぼ芯糸の原長まで復帰させる。

よ こ糸 ： ナ イ ロ ン 66糸 210dフ イ ラ メ ン ト糸 織糸旦織 2 Z 2綾織り

糸密度 たて糸 80本 Z25««

よ こ糸 82本 / 25««

実施例 2

たて糸 複合糸条

芯糸 ポ リ ウ レタ ン弾性糸 420d 芳香族ポ リ ア ミ ド繊維糸 200d紡績糸

巻回方向 ： S方向 巻回数 ： 650回

合成繊維糸 ： ナイ 口 ン 66糸 100dウー リ ー加工糸 巻回方向 ： Z方向 巻回数 ： 850回 Z m

卷回方法は実施例 1 に同 じ。

よ こ糸 ナイ ロ ン 66糸 210dフ イ ラ メ ン ト糸 織組織 2ノ 2綾織り

糸密度 たて糸 80本 25駕》

よ こ糸 82本 / 25*»

比較例 1

たて糸 複合糸条

芯糸 ポ リ ウ レ タ ン弾性糸 420d

芳香族ポ リ ア ミ ド繊維糸 200dフ イ ラ メ ン ト糸 巻回方向 ： S方向 巻回数 ： 650回

巻回方法は実施例 1 に同 じ。 ただし合成繊維糸は卷 回せず。

よ こ糸 ： ナイ ロ ン 66糸 210dフ イ ラ メ ン ト糸 織組織 ： 2 Z 2綾織り

糸密度 ： たて糸 86本 / 25««

よ こ糸 82本 / 25««

比較例 2

たて糸 複合糸条

芯糸 ポ リ ウ レ タ ン弾性糸 420d

芳香族ポ リ ア ミ ド繊維糸 100dフ ィ メ ン ト糸 巻回方向 ： S方向 巻回数 ： 650回 Z m 芳香族ポ リ ア ミ ド繊維糸 100dフ イ ラ メ ン ト糸 巻回方向 ： Z方向 巻回数 ： 850回

巻回方法は実施例 1 に同 じ。

よ こ糸 ナ イ ロ ン 66糸 210dフ ィ ラ メ ン ト糸 織組織 2 Z 2綾織り

糸密度 たて糸 86本 /25«t»t

よ こ糸 82本 Z 25««

各実施例及び比較例によ り得 られた各帆布の厚さ及び 強度は、 表 1 に示す通 り であ った。

以上の各実施例及び比較例の各帆布を使用 して、 当該 帆布を歯形の嚙合面に貼着 した歯付きベル ト （歯 ピ ッ チ ： 9. 525 «m 歯数 ： 92、 ベノレ ト幅 ： 19. を製作し 耐久 διί験

こ の各歯付きベル ト を、 図 6 に示す試験機 19にかけて 駆動試験を行っ た。 こ の試験機 19は、 原動プー リ ー 20 (歯数 20) と被動プー リ 一 21 (歯数 40) と に歯付きベル ト 1 を掛渡 し、 アイ ドルプー リ ー 22でテ ン シ ョ ンを調整 し、 これを加熱ボッ ク ス 23内に収容する ものであ って、 加熱ボッ ク ス 23内を所定の温度条件に設定 した状態で、 原動プー リ ー 20で歯付きベル ト 1 を回転駆動 し、 その耐 久性を測定する ものである。

試験条件と しては、 加熱ボッ ク ス 2 3内の温度を 1 2 0 °C 及び 140°Cと し、 原動プ一 リ一 20の駆動回転数を 6000 rpm に設定 した。

試験の結果を表 2 に示す。

2

表 1 から理解でき る よ う に帆布のたて糸量がほぼ同 じ であ って も、 本発明の歯付きベル ト においては、 従来の 構造の も のに比べて帆布の厚みを薄 く する こ とができ o

また表 2 によ り 、 本発明の歯付きベル ト は従来の もの に比べて帆布の強度が小さいに も拘らず、 歯付きベル ト と しての耐摩耗性や耐久性が著 し く 向上 している こ とが 理解でき る。 実施例 1 の も のの構造においては、 1 2 0 °Cの条件下で 比較例の ものの 4 〜 5倍、 140 °Cでは 8. 5〜 17倍の耐久性 を有 してお り 、 さ らに合成繊維糸 18と して巻縮加工糸を 使用 した実施例 2 においては、 実施例 1 のさ らに 1 . 5倍 の耐久性を有 している こ とが判る。

従って本発明の歯付きベル ト は、 特に高温雰囲気下に おける耐久性に優れている。 なお本発明における芳香族 ポ リ ア ミ ド繊維糸 17に代えて、 通常のナイ 口 ン 66糸ゃポ リ エステル繊維糸を使用 した ものにあっては、 特に比較 試験は行わなかっ たが、 これらの繊維の耐熱性から考察 して上記のよ う な高温雰囲気下においては、 極めて早期 に摩耗される もの と推測される。

図面の簡単な説明

図 1 本発明の歯付きベル ト の斜視図

図 2 歯付きベル トを製造 しょ う とする状態の縦断面 図

図 3 歯付きベル トを製造 した状態の縦断面図 図 4 従来の複合糸条の正面図

図 5 本発明の帆布のたて糸と して使用 される複合糸 条の正面図

図 6 歯付きベル ト の耐久試験機の斜視図

符号の説明

1 歯付きベル ト

2 本体部分

3 嚙合歯 4 抗張体

5 帆布

9 たて糸

1 0 よ こ糸

1 5 複合糸条

1 6 芯糸

1 7 芳香族ポ リ ア ミ ド繊維糸 1 8 合成繊維糸

10

15

20

25

Claims

請 求 の 範 囲

1. 嚙合面に帆布（5)を貼着 した歯付きベル ト （1)におい て、 前記帆布（5)における歯付きベル ト （1)の長さ方向 に延びるたて糸（9)が、 弾性糸よ りなる芯糸（16)の周 囲に、 高強度高耐熱性繊維糸（17)を卷回 し、 さ らにそ の周囲に通常の合成繊維糸（18)を巻回 してなる複合糸 条（15)である こ とを特徵とする、 歯付きベル ト。

2. 前記高強度高耐熱性繊維糸（17)が芳香族ポ リ ア ミ ド 繊維糸である こ とを特徴とする、 請求項 1 に記載の歯 付きベル ト 。

3. 前記合成繊維糸（18)が、 通常のナ イ ロ ン繊維又はポ リ エス テル繊維の嵩高加工糸である こ とを特徴とする 請求項 1又は 2 に記載の歯付きベル ト。

4. 前記嵩高加工糸が伸縮性を有する こ とを特徴とする、 請求項 3に記載の歯付きベル ト。

5. 前記合成繊維糸（18)の卷回数が、 高強度高耐熱性繊 維糸（17)の卷回数よ り大きいこ とを特徵とする、 請求 項 1、 2、 3又は 4に記載の歯付きベル ト。

6. 高強度高耐熱性繊維糸（17)が紡績糸又は嵩高加工糸 である こ とを特徴とする、 請求項 1、 2、 3、 4又は

5に記載の歯付きベル ト。

7. 前記合成繊維糸（18)を、 高強度高耐熱性繊維糸（17) の巻回方向とは逆方向に巻回 したこ とを特徴とする、 請求項 1、 2、 3、 4、 5又は 6 に記載の歯付きベル 卜 o