JPWO2020149385A1 - 架橋性ブロック共重合体及びコーティング剤 - Google Patents

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章滋 桑原
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Abstract

本発明は、強靭で且つタックレスな皮膜を形成することが可能である架橋性ブロック共重合体及びこれを用いたコーティング剤を提供する。本発明の架橋性ブロック共重合体は、重合体ブロックBと、上記重合体ブロックBの両末端のそれぞれに結合し且つ架橋性を有するモノマー単位を含有する重合体ブロックAとを含み、架橋させた後において、40℃での1HパルスNMR(20MHz)においてSolid echo法により得られる減衰曲線を非線形最小二乗法を用いて2成分緩和曲線フィッティングさせたとき、短い方のスピン−スピン緩和時間T2(1)が18〜35μ秒であり、上記スピン−スピン緩和時間T2(1)を有する緩和曲線の成分比A1が40〜70%であることを特徴とする。

Description

本発明は、架橋性ブロック共重合体及びコーティング剤に関する。
アクリル系ブロック共重合体は、成形性及び柔軟性に優れていることから、コーティング分野への展開がなされ、実用化されている(特許文献1及び2)。
近年では、ウエアラブルデバイスやフレキシブルディスプレイをはじめとした装置の可動部へのコーティング性が要求されており、コーティング剤には、特に繰り返し行われる屈曲性及び伸縮性に対する耐性が要求される。
これらの要求をクリアするためには、化学的架橋によって強靭な皮膜を形成することが考えられる。
特許文献1には、多環式脂肪族炭化水素基を有するビニルモノマーに由来する構造単位を有するAブロックと、ビニルモノマーに由来する構造単位を有するBブロックとを有し、前記Aブロックの平均ガラス転移温度が25℃以上であり、前記Bブロックの平均ガラス転移温度が前記Aブロックの平均ガラス転移温度よりも低く、前記Aブロックの平均ガラス転移温度と前記Bブロックの平均ガラス転移温度との差が50℃以上であるブロック共重合体が提案されている。
特許文献2には、メタアクリル酸メチルからなるメタアクリル系重合体ブロック(a)45〜67重量%と、アクリル酸ブチルからなるアクリル系重合体ブロック(b)55〜33重量%からなるブロック共重合体(A)を成型してなる金属板被覆用フィルムが開示されている。
WO2018/016407 特許第4733858号
しかしながら、特許文献1及び2において開示されているブロック共重合体は、皮膜強度が低いという問題点を有していると共に、粘着性を有しており、埃や塵などが付着し易いという問題点も有している。
本発明は、強靭で且つタックレスな皮膜を形成することが可能である架橋性ブロック共重合体及びこれを用いたコーティング剤を提供する。
架橋性ブロック共重合体は、
重合体ブロックBと、
上記重合体ブロックBの両末端のそれぞれに結合し且つ架橋性を有するモノマー単位を含有する重合体ブロックAとを含み、
架橋させた後において、40℃での1HパルスNMR(20MHz)においてSolid echo法により得られる減衰曲線を非線形最小二乗法を用いて2成分緩和曲線フィッティングさせたとき、短い方のスピン−スピン緩和時間T2(1)が18〜35μ秒であり、上記スピン−スピン緩和時間T2(1)を有する緩和曲線の成分比A1が40〜70%であることを特徴とする。
架橋性ブロック共重合体は、重合体ブロックBの両末端に重合体ブロックAが結合してなるA−B−A型の架橋性ブロック共重合体であって、
上記重合体ブロックAは、架橋性を有するモノマー単位を含み、
上記架橋性ブロック共重合体を架橋させた後において、40℃での1HパルスNMR(20MHz)においてSolid echo法により得られる減衰曲線を非線形最小二乗法を用いて2成分緩和曲線フィッティングさせたとき、短い方のスピン−スピン緩和時間T2(1)が18〜35μ秒であり、上記スピン−スピン緩和時間T2を有する緩和曲線の成分比A1が40〜70%であることを特徴とする。
[架橋性ブロック共重合体]
本発明の架橋性ブロック共重合体は、重合体ブロックBの両末端に重合体ブロックAが結合してなるA−B−A型トリブロック共重合体である。
架橋性ブロック共重合体の重合体ブロックAを構成しているモノマーとしては、特に限定されず、ラジカル重合、カチオン重合又はアニオン重合などの重合反応し得るモノマーが挙げられ、エチレン性不飽和結合を有するモノマーが好ましい。
重合体ブロックAを構成しているモノマーのうち、後述する架橋性を有するモノマー以外のモノマー、即ち、架橋性を有しないモノマー(以下、「架橋性基を含有しないモノマー」又は「非架橋性モノマー」ということがある)としては、例えば、ビニル系モノマー、(メタ)アクリル系モノマー、(メタ)アクリルアミド系モノマーなどが挙げられ、ラジカル重合反応性に優れているので、(メタ)アクリル系モノマー及び(メタ)アクリルアミド系モノマーが好ましい。なお、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
ビニル系モノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレンなどのスチレン系モノマーなどが挙げられる。なお、ビニル系モノマーは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)メタクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,5,5−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレートなどのアクリレートなどが挙げられる。(メタ)アクリレート系モノマーは、架橋性ブロック共重合体の架橋後に形成される皮膜の強靱性及びタックレス性が向上するので、(メタ)アクリレートが好ましく、イソボルニル(メタ)アクリレート及びブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートがより好ましく、イソボルニルアクリレート及び4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートがより好ましく、イソボルニルアクリレート及び4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレートがより好ましい。なお、(メタ)アクリル系モノマーは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。(メタ)アクリレートは、メタクリレート又はアクリレートを意味する。
(メタ)アクリルアミド系モノマーとしては、例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、N−イソボルニル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−ジシクロペンタニル(メタ)アクリルアミド、N−ジシクロペンテニル(メタ)アクリルアミド、N−アダマンチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジフェニル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルフォリンなどが挙げられ、N−(メタ)アクリロイルモルフォリンが好ましく、N−アクリロイルモルフォリンがより好ましい。なお、(メタ)アクリルアミド系モノマーは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
重合体ブロックAを構成している架橋性を有しないモノマー単位は、飽和脂肪族環構造を有するモノマー単位を含有していることが好ましく、イソボルニル(メタ)アクリレート単位、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート単位及びN−(メタ)アクリロイルモルフォリン単位からなる群から選ばれた少なくとも一種のモノマー単位を含有することが好ましい。重合体ブロックAを構成している架橋性を有しないモノマーが、飽和脂肪族環構造を有するモノマー単位を含有していると、架橋性ブロック共重合体の架橋後に形成される皮膜の強靱性及びタックレス性が向上する。なお、飽和脂肪族環構造とは、炭素原子が環状に結合した構造をもつ炭素環式構造のうち、芳香族性を有しない構造をいう。飽和脂肪族環構造には、窒素原子や酸素原子などのヘテロ原子が含まれていてもよい。
飽和脂肪族環構造を有するモノマーとしては、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,5,5−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、N−イソボルニル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−ジシクロペンタニル(メタ)アクリルアミド、N−アダマンチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルフォリンなどが挙げられる。なお、飽和脂肪族環構造を有するモノマーは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
重合体ブロックAを構成しているモノマー単位中において、架橋性を有しないモノマー単位の含有量は、架橋性ブロック共重合体の架橋後に形成される皮膜の強靱性及びタックレス性が向上するので、60質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がより好ましく、98質量%以上が特に好ましい。重合体ブロックAを構成しているモノマー単位中において、架橋性を有しないモノマー単位の含有量は、架橋性ブロック共重合体の架橋後に形成される皮膜の強靱性が向上するので、99.9質量%以下が好ましく、99.8質量%以下がより好ましく、99.7質量%以下が特に好ましい。
重合体ブロックAを構成しているモノマー単位中において、飽和脂肪族環構造を有するモノマー単位の含有量は、架橋性ブロック共重合体の架橋後に形成される皮膜の強靱性及びタックレス性が向上するので、60質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がより好ましい。重合体ブロックAを構成しているモノマー単位中において、飽和脂肪族環構造を有するモノマー単位の含有量は、架橋性ブロック共重合体の架橋後に形成される皮膜の強靱性が向上するので、99.9質量%以下が好ましく、99.8質量%以下がより好ましく、99.7質量%以下がより好ましい。
重合体ブロックAは、架橋性を有するモノマー単位を含有している。重合体ブロックAが架橋性を有するモノマー単位を含有していることによって、重合体ブロックA及び重合体ブロックBの極性を互いに相違させることによって層分離構造を発現させていると共に、重合体ブロックAに積極的に架橋構造を導入させることによって、架橋性ブロック共重合体は架橋後において強靱な皮膜を形成する。
架橋性を有するモノマー(架橋性モノマー)とは、紫外線、電子線などの放射線の照射、加熱、湿気(水)、酸、塩基及び/又は架橋剤との反応などの架橋処理によって化学結合を形成して架橋可能な架橋性基を有するモノマーをいう。架橋性を有するモノマーとしては、放射線の照射によって化学結合を形成して架橋可能な架橋性基を有するモノマー(放射線架橋性モノマー)が好ましく、紫外線の照射によって化学結合を形成して架橋可能な架橋性基を有するモノマー(紫外線架橋性モノマー)がより好ましい。「架橋性」とは、紫外線、電子線などの放射線の照射、加熱、湿気(水)、酸、塩基及び/又は架橋剤との反応などの架橋処理によって化学結合を形成して架橋可能であることをいう。
架橋性基としては、特に限定されず、例えば、ヒドロキシル基、チオール基、カルボキシル基、グリシジル基、オキセタニル基、トリメトキシシリル基、イソシアネート基、アミノ基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、ベンゾフェノン基、ベンゾイン基、チオキサントン基などが挙げられ、グリシジル基、ベンゾフェノン基、ベンゾイン基及びチオキサントン基が好ましく、グリシジル基、ベンゾフェノン基がより好ましい。なお、(メタ)アクリロイルは、メタクリロイル又はアクリロイルを意味する。(メタ)アクリロキシは、メタクリロキシ又はアクリロキシを意味する。重合体ブロックAを構成するモノマーが、架橋性基としてベンゾフェノン基を有する架橋性を有するモノマーを含むと、架橋性ブロック共重合体を架橋させて形成される皮膜は、より優れた強靱性及びタックレス性を有する。
架橋性を有するモノマーとしては、特に限定されず、例えば、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、4−(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン、4−[2−((メタ)アクリロイルオキシ)エトキシ]ベンゾフェノン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−4’−メトキシベンゾフェノン、4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−4’−メトキシベンゾフェノン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−4’−ブロモベンゾフェノン、4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−4’−ブロモベンゾフェノンなどが挙げられ、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、4−(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン及び4−[2−((メタ)アクリロイルオキシ)エトキシ]ベンゾフェノンが好ましい。架橋性基を有するモノマーは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。なお、(メタ)アクリロイルオキシは、メタクリロイルオキシ又はアクリロイルオキシを意味する。
重合体ブロックAを構成しているモノマー中において、架橋性を有するモノマー単位の含有量は、架橋性ブロック共重合体の架橋後に形成される皮膜の強靱性及びタックレス性が向上するので、40質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下がより好ましく、2質量%以下が特に好ましい。重合体ブロックAを構成しているモノマー中において、架橋性を有するモノマー単位の含有量は、架橋性ブロック共重合体の架橋後に形成される皮膜の強靱性が向上するので、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上が特に好ましい。
重合体ブロックAは、後述する重合体ブロックBの両末端に結合しており、架橋性ブロック共重合体は、A−B−A型のトリブロック構造を有している。重合体ブロックBの両末端に結合している2個の重合体ブロックAは、同一である必要はなく相違していてもよい。即ち、重合体ブロックBの両末端に結合している2個の重合体ブロックAは、これを構成しているモノマー単位の種類及び含有量は同一であっても相違していてもよいし、分子量が同一であっても相違していてもよい。
重合体ブロックAを構成している重合体の分子量は、2000以上が好ましく、7000以上がより好ましく、10000以上がより好ましい。重合体ブロックAを構成している重合体の分子量は、100000以下が好ましく、80000以下がより好ましく、30000以下がより好ましい。重合体ブロックAを構成している重合体の分子量が2000以上であると、架橋性ブロック共重合体の架橋後に形成される皮膜の強靱性が向上する。重合体ブロックAを構成している重合体の分子量が100000以下であると、架橋性ブロック共重合体の架橋後に形成される皮膜の強靱性が向上する。
重合体ブロックBの両末端に結合している2個の重合体ブロックAの分子量の比は、2.0以下が好ましく、1.6以下がより好ましく、1.2以下が特に好ましい。分子量の比が上記範囲内であると、架橋性ブロック共重合体の架橋後において、重合体ブロックAと重合体ブロックBとの間で層分離構造を良好に形成することができ、架橋性ブロック共重合体の架橋後に形成される皮膜の強靱性が向上する。なお、分子量の比は、2個の重合体ブロックA、Aの分子量のうち、大きい分子量を小さい分子量で除した値をいう。
なお、本発明において、重合体ブロックAを構成している重合体の分子量は、重合体ブロックA部分重合物のピークトップ分子量と、架橋性ブロック共重合体のピークトップ分子量から重合体ブロックA−重合体ブロックB部分重合物のピークトップ分子量を引いた値とをいう。
架橋性ブロック共重合体の重合体ブロックBを構成しているモノマーは、架橋性を有しないこと(非架橋性であること)が好ましい。即ち、架橋性ブロック共重合体の重合体ブロックBを構成しているモノマーは、架橋性基を有しないモノマー(以下「非架橋性モノマー」ということがある)であることが好ましい。重合体ブロックBを構成しているモノマーが架橋性を有していないと、架橋性ブロック共重合体の架橋後に形成される皮膜の強靱性が向上する。
架橋性ブロック共重合体の重合体ブロックBを構成しているモノマーとしては、特に限定されず、ラジカル重合、カチオン重合又はアニオン重合などの重合反応し得るモノマーが挙げられ、エチレン性不飽和結合を有するモノマーが好ましい。
重合体ブロックBを構成しているモノマーとしては、例えば、ビニル系モノマー、(メタ)アクリル系モノマー、(メタ)アクリルアミド系モノマーなどが挙げられ、ラジカル重合反応性に優れているので、(メタ)アクリル系モノマー及び(メタ)アクリルアミド系モノマーが好ましい。なお、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
ビニル系モノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレンなどのスチレン系モノマーなどが挙げられる。なお、ビニル系モノマーは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)メタクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,5,5−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸などが挙げられ、(メタ)アクリレートが好ましく、アルキル(メタ)アクリレートがより好ましい。なお、(メタ)アクリル系モノマーは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の炭素数は、2以上が好ましく、4以上がより好ましい。アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の炭素数は、12以下が好ましく、10以下がより好ましく、8以下がより好ましい。アルキル基の炭素数が2以上であると、架橋性ブロック共重合体を架橋して形成される皮膜の強靱性が向上する。アルキル基の炭素数が12以下であると、架橋性ブロック共重合体を架橋して形成される皮膜の強靱性が向上する。
(メタ)アクリルアミド系モノマーとしては、例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、N−イソボルニル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−ジシクロペンタニル(メタ)アクリルアミド、N−ジシクロペンテニル(メタ)アクリルアミド、N−アダマンチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジフェニル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルフォリンなどが挙げられ、N−(メタ)アクリロイルモルフォリンが好ましく、N−アクリロイルモルフォリンがより好ましい。なお、(メタ)アクリルアミド系モノマーは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
重合体ブロックBを構成しているモノマーと、重合体ブロックAを構成しているモノマーのうちの架橋性を有しないモノマーとは、同一であっても相違していてもよい。
重合体ブロックBを構成している重合体の分子量は、5000以上が好ましく、20000以上がより好ましく、30000以上がより好ましい。重合体ブロックBを構成している重合体の分子量は、300000以下が好ましく、240000以下がより好ましく、140000以下が特に好ましい。重合体ブロックBを構成している重合体の分子量が5000以上であると、架橋性ブロック共重合体の架橋後に形成される皮膜の強靱性が向上する。重合体ブロックAを構成している重合体の分子量が300000以下であると、架橋性ブロック共重合体の架橋後に形成される皮膜の強靱性が向上する。
なお、本発明において、重合体ブロックBを構成している重合体の分子量は下記の要領で算出された値をいう。リビング重合を活性化しうる構造(例えば、交換連鎖反応部位など)を1分子当たり1個有する化合物を用いて重合された架橋性ブロック共重合体の場合、重合体ブロックBを構成している重合体の分子量は、重合体ブロックA−重合体ブロックB部分重合物のピークトップ分子量から、重合体ブロックA部分重合物のピークトップ分子量を引いた値をいう。リビング重合を活性化しうる構造(例えば、交換連鎖反応部位など)を1分子当たり2個有する化合物を用いて重合された架橋性ブロック共重合体の場合、重合体ブロックBを構成している重合体の分子量は、架橋性ブロック共重合体のピークトップ分子量から重合体ブロックA部分重合物のピークトップ分子量を引いた値をいう。
架橋性ブロック共重合体において、重合体ブロックAの総含有量は、31質量%以上が好ましく、33質量%以上がより好ましく、35質量%以上がより好ましい。重合体ブロックAの総含有量が上記範囲内であると、架橋性ブロック共重合体の架橋後に形成される皮膜の強靱性が向上する。
架橋性ブロック共重合体において、重合体ブロックAの総含有量は、59質量%以下が好ましく、57質量%以下がより好ましく、55質量%以下が特に好ましい。重合体ブロックAの総含有量が上記範囲内であると、架橋性ブロック共重合体の架橋後に形成される皮膜の強靱性が向上する。
架橋性ブロック共重合体において、重合体ブロックBの含有量は、41質量%以上が好ましく、43質量%以上がより好ましく、45質量%以上がより好ましい。重合体ブロックBの含有量が上記範囲内であると、架橋性ブロック共重合体の架橋後に形成される皮膜の強靱性が向上する。
架橋性ブロック共重合体において、重合体ブロックBの含有量は、69質量%以下が好ましく、67質量%以下がより好ましく、65質量%以下が特に好ましい。重合体ブロックBの含有量が上記範囲内であると、架橋性ブロック共重合体の架橋後に形成される皮膜の強靱性が向上する。
架橋性ブロック共重合体において、重合体ブロックAの分子量と重合体ブロックBの分子量との比(重合体ブロックAの分子量/重合体ブロックBの分子量)は、0.10以上が好ましく、0.15以上がより好ましく、0.20以上が特に好ましい。架橋性ブロック共重合体において、重合体ブロックAの分子量と重合体ブロックBの分子量との比(重合体ブロックAの分子量/重合体ブロックBの分子量)は、0.60以下が好ましく、0.50以下がより好ましく、0.35以下が特に好ましい。重合体ブロックAの分子量と重合体ブロックBの分子量との比が0.10以上であると、架橋性ブロック共重合体の架橋後に形成される皮膜の強靱性及びタックレス性が向上する。重合体ブロックAの分子量と重合体ブロックBの分子量との比が0.60以下であると、架橋性ブロック共重合体の架橋後に形成される皮膜の強靱性が向上する。なお、重合体ブロックAの重量平均分子量は、重合体ブロックBの両末端に結合している重合体ブロックAの分子量の相加平均値をいう。
架橋性ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)は、10000以上が好ましく、40000以上がより好ましく、45000以上がより好ましく、50000以上がより好ましい。架橋性ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)は、500000以下が好ましく、400000以下がより好ましく、300000以下がより好ましく、200000以下がより好ましい。重量平均分子量(Mw)が10000以上であると、架橋性ブロック共重合体を架橋して形成される皮膜は、より優れた強靱性を有する。重量平均分子量(Mw)が500000以下であると、架橋性ブロック共重合体を架橋して形成される皮膜は、より優れたタックレス性を有する。
架橋性ブロック共重合体の分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、3.0以下が好ましく、2.5以下がより好ましく、2.0以下が特に好ましい。分散度が3.0以下であると、架橋性ブロック共重合体を架橋して形成される皮膜は、より優れた強靱性及びタックレス性を有する。
架橋性ブロック共重合体の重合体ブロックを構成している重合体の分子量、並びに、重量平均分子量及び数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法によって測定されたポリスチレン換算した値である。具体的には、架橋性ブロック共重合体0.01gを採取し、採取した架橋性ブロック共重合体を試験管に供給した上で、試験管にTHF(テトラヒドロフラン)を加えて架橋性ブロック共重合体を500倍に希釈し、フィルタリングを行って、測定試料を作製する。
この測定試料を用いてGPC法によって、架橋性ブロック共重合体の重合体ブロックを構成している重合体の分子量、並びに、架橋性ブロック共重合体の重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnを測定することができる。
架橋性ブロック共重合体の重合体ブロックを構成している重合体の分子量、並びに、架橋性ブロック共重合体の重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnは、例えば、下記測定装置及び測定条件にて測定することができる。
測定装置 Waters社製 ACQUITY APCシステム
測定条件 カラム:Waters社製 HSPgel(TM)HR MB−M
移動相:テトラヒドロフラン使用 0.5mL/分
検出器:RI検出器
標準物質:ポリスチレン
SEC温度:40℃
架橋性ブロック共重合体において、40℃での1HパルスNMR(20MHz)にてSolid echo法により得られる減衰曲線を非線形最小二乗法を用いて2成分緩和曲線フィッティングさせたとき、短い方のスピン−スピン緩和時間T2(1)(以下、単に「緩和時間T2(1)」ということがある)は、18μ秒以上が好ましく、20μ秒以上が好ましい。架橋性ブロック共重合体において、40℃での1HパルスNMR(20MHz)にてSolid echo法により得られる減衰曲線を非線形最小二乗法を用いて2成分緩和曲線フィッティングさせたとき、短い方のスピン−スピン緩和時間T2(1)は、35μ秒以下が好ましく、30μ秒以下が好ましい。スピン−スピン緩和時間T2(1)が18μ秒以上であると、架橋性ブロック共重合体を架橋して形成される皮膜の強靱性が向上する。スピン−スピン緩和時間T2(1)が35μ秒以下であると、架橋性ブロック共重合体を架橋して形成される皮膜の強靱性及びタックレス性が向上する。
架橋性ブロック共重合体において、上記2個の緩和曲線の緩和時間のうち、長い方の緩和時間T2(2)(以下、単に「緩和時間T2(2)」ということがある)は、500μ秒以上が好ましく、600μ秒以上がより好ましい。架橋性ブロック共重合体において、上記2個の緩和曲線の緩和時間のうち、長い方の緩和時間T2(2)は、1000μ秒以下が好ましく、800μ秒以下がより好ましい。スピン−スピン緩和時間T2(2)が500μ秒以上であると、架橋性ブロック共重合体を架橋して形成される皮膜の強靱性が向上する。スピンースピン緩和時間T2(2)が1000μ秒以下であると、架橋性ブロック共重合体を架橋して形成される皮膜の強靱性が向上する。
架橋性ブロック共重合体を架橋して得られるブロック共重合体において、40℃での1HパルスNMR(20MHz)にてSolid echo法により得られる減衰曲線を非線形最小二乗法を用いて2成分緩和曲線フィッティングさせたとき、短い方のスピン−スピン緩和時間T2(1)は、18μ秒以上であり、20μ秒以上が好ましい。架橋性ブロック共重合体を架橋して得られるブロック共重合体において、40℃での1HパルスNMR(20MHz)にてSolid echo法により得られる減衰曲線を非線形最小二乗法を用いて2成分緩和曲線フィッティングさせたとき、短い方のスピン−スピン緩和時間T2(1)は、35μ秒以下であり、30μ秒以下が好ましい。スピン−スピン緩和時間T2(1)が18μ秒以上であると、架橋性ブロック共重合体を架橋して形成される皮膜の強靱性が向上する。スピン−スピン緩和時間T2(1)が35μ秒以下であると、架橋性ブロック共重合体を架橋して形成される皮膜の強靱性及びタックレス性が向上する。
架橋性ブロック共重合体を架橋して得られるブロック共重合体において、上記2個の緩和曲線のスピン−スピン緩和時間のうち、長い方のスピン−スピン緩和時間T2(2)は、500μ秒以上が好ましく、600μ秒以上がより好ましい。架橋性ブロック共重合体を架橋して得られるブロック共重合体において、上記2個の緩和曲線のスピン−スピン緩和時間のうち、長い方のスピン−スピン緩和時間T2(2)は、1000μ秒以下が好ましく、800μ秒以下がより好ましい。緩和時間T2(2)が500μ秒以上であると、架橋性ブロック共重合体を架橋して形成される皮膜の強靱性が向上する。緩和時間T2(2)が1000μ秒以下であると、架橋性ブロック共重合体を架橋して形成される皮膜の強靱性が向上する。
架橋前後における架橋性ブロック共重合体において、緩和時間T2(2)の変化率は、12%以下が好ましく、10%以下がより好ましく、8%以下が特に好ましい。緩和時間T2(2)の変化率が12%以下であると、架橋性ブロック共重合体の重合体ブロックAがより選択的に架橋され、架橋性ブロック共重合体を架橋して形成される皮膜の強靱性が向上する。
なお、架橋前後における架橋性ブロック共重合体の緩和時間T2(2)の変化率(以下、単に「T2(2)の変化率」ということがある)は、下記式に基づいて算出された値をいう。
2(2)の変化率(%)
=100×(架橋性ブロック共重合体(架橋前)のスピンースピン緩和時間T2(2)−架橋性ブロック共重合体の架橋後のブロック共重合体のスピンースピン緩和時間T2(2))/架橋性ブロック共重合体(架橋前)のスピンースピン緩和時間T2(2)
更に、架橋性ブロック共重合体において、40℃での1HパルスNMR(20MHz)においてSolid echo法により得られる減衰曲線を後述の要領でフィッティングして得られた2成分の緩和曲線のスピン−スピン緩和時間のうち、短い方のスピン−スピン緩和時間T2(1)を有する緩和曲線の成分比A1は、35%以上であり、38%以上が好ましく、40%以上がより好ましい。架橋性ブロック共重合体において、40℃での1HパルスNMR(20MHz)においてSolid echo法により得られる減衰曲線を後述の要領でフィッティングして得られた2成分の緩和曲線のスピン−スピン緩和時間のうち、短い方のスピン−スピン緩和時間T2(1)を有する緩和曲線の成分比A1は、65%以下が好ましく、60%以下がより好ましく、55%がより好ましい。成分比A1が35%以上であると、架橋性ブロック共重合体を架橋して形成される皮膜の強靱性及びタックレス性が向上する。成分比A1が65%以下であると、架橋性ブロック共重合体を架橋して形成される皮膜の強靱性が向上する。
架橋性ブロック共重合体において、40℃での1HパルスNMR(20MHz)においてSolid echo法により得られる減衰曲線を後述の要領でフィッティングして得られた2成分の緩和曲線のスピン−スピン緩和時間のうち、長い方のスピン−スピン緩和時間T2(2)を有する緩和曲線の成分比A2は、35%以上が好ましく、40%以上がより好ましく、45%以上が特に好ましい。架橋性ブロック共重合体において、40℃での1HパルスNMR(20MHz)においてSolid echo法により得られる減衰曲線を後述の要領でフィッティングして得られた2成分の緩和曲線のスピン−スピン緩和時間のうち、長い方のスピン−スピン緩和時間T2(2)を有する緩和曲線の成分比A2は、65%以下が好ましく、62%以下がより好ましく、60%以下が特に好ましい。成分比A2が35%以上であると、架橋性ブロック共重合体を架橋して形成される皮膜の強靱性が向上する。成分比A2が65%以下であると、架橋性ブロック共重合体を架橋して形成される皮膜の強靱性及びタックレス性が向上する。
更に、架橋性ブロック共重合体を架橋して得られるブロック共重合体において、40℃での1HパルスNMR(20MHz)においてSolid echo法により得られる減衰曲線を後述の要領でフィッティングして得られた2成分の緩和曲線のスピン−スピン緩和時間のうち、短い方のスピン−スピン緩和時間T2(1)を有する緩和曲線の成分比A1は、40%以上であり、42%以上が好ましく、44%以上がより好ましい。架橋性ブロック共重合体を架橋して得られるブロック共重合体において、40℃での1HパルスNMR(20MHz)においてSolid echo法により得られる減衰曲線を後述の要領でフィッティングして得られた2成分の緩和曲線のスピン−スピン緩和時間のうち、短い方のスピン−スピン緩和時間T2(1)を有する緩和曲線の成分比A1は、70%以下であり、65%以下が好ましく、58%以下がより好ましい。成分比A1が40%以上であると、架橋性ブロック共重合体を架橋して形成される皮膜の強靱性及びタックレス性が向上する。成分比A1が70%以下であると、架橋性ブロック共重合体を架橋して形成される皮膜の強靱性が向上する。
架橋性ブロック共重合体を架橋して得られるブロック共重合体において、40℃での1HパルスNMR(20MHz)においてSolid echo法により得られる減衰曲線を後述の要領でフィッティングして得られた2成分の緩和曲線のスピン−スピン緩和時間のうち、長い方のスピン−スピン緩和時間T2(2)を有する緩和曲線の成分比A2は、30%以上が好ましく、35%以上がより好ましく、42%以上がより好ましい。架橋性ブロック共重合体を架橋して得られるブロック共重合体において、40℃での1HパルスNMR(20MHz)においてSolid echo法により得られる減衰曲線を後述の要領でフィッティングして得られた2成分の緩和曲線のスピン−スピン緩和時間のうち、長い方のスピン−スピン緩和時間T2(2)を有する緩和曲線の成分比A2は、60%以下が好ましく、58%以下がより好ましく、56%以下がより好ましい。成分比A2が30%以上であると、架橋性ブロック共重合体を架橋して形成される皮膜の強靱性が向上する。成分比A2が60%以下であると、架橋性ブロック共重合体を架橋して形成される皮膜の強靱性及びタックレス性が向上する。
架橋性ブロック共重合体を架橋させて得られるブロック共重合体が、緩和時間T2(1)と、緩和時間T2(1)を有する緩和曲線の成分比A1とが上述の範囲を満たすことによって、硬質成分と軟質成分とが所定の割合で存在しており、架橋性ブロック共重合体を架橋させて得られるブロック共重合体は、良好な層分離構造を発現すると共に、上記硬質成分が適度な硬さを有していることから、架橋性ブロック共重合体を架橋させて得られるブロック共重合体は、優れた強靱性を有する皮膜を形成する。
架橋性ブロック共重合体は、A−B−A型トリブロック共重合体であり、硬質成分は、重合体ブロックA及びBのうちのガラス転移温度の高い重合体ブロックによって主に構成される一方、軟質成分は、重合体ブロックA及びBのうちのガラス転移温度の低い重合体ブロックによって主に構成される。
硬質成分を主に重合体ブロックAによって構成し且つ軟質成分を主に重合体ブロックBによって構成すると共に、重合体ブロックAに積極的に架橋構造を導入することによって、架橋性ブロック共重合体に適度な硬さを付与しつつ、架橋性ブロック共重合体を架橋させて得られるブロック共重合体の重合体ブロックA及びB間の極性差に起因した層分離構造を良好に形成することができ、架橋性ブロック共重合体を架橋させて得られるブロック共重合体は、優れた強靱性を有する皮膜を形成することができ好ましい。
重合体ブロックAを構成する架橋性を有しないモノマーとしてイソボルニル(メタ)アクリレート及び4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートのうちの少なくとも一種のモノマーを含有させることによって、硬質成分を高い比率で重合体ブロックAから構成することができ、架橋性ブロック共重合体を架橋させて得られるブロック共重合体はより優れた強靱性を有する皮膜を形成する。重合体ブロックAを構成する架橋性を有しないモノマーとしてN−(メタ)アクリロイルモルフォリンを含有することによって、架橋性ブロック共重合体を架橋させて得られるブロック共重合体はより優れた強靱性を有する皮膜を形成する。
架橋性ブロック共重合体の40℃での1HパルスNMR(20MHz)による減衰曲線の測定方法、得られた減衰曲線を非線形最小二乗法を用いて2成分緩和曲線フィッティングする方法、及び、緩和曲線に基づいてスピンースピン緩和時間及び成分比を定める方法を説明する。
1HパルスNMR測定装置を用いる。1HパルスNMR測定装置は、測定試料中に存在する全プロトンに対し永久磁石による低周波数(数10MHz)下でパルス状のラジオ波を照射して核磁気共鳴を引き起こし、その応答(スピンースピン緩和時間)を観測する測定装置である。
架橋前の架橋性ブロック共重合体又は架橋後のブロック共重合体をNMRチューブの底部にそれぞれ約0.2gずつ測り取り、1HパルスNMR測定装置にセットし、以下の条件にて測定を行って減衰曲線を得る。なお、1HパルスNMR測定装置として、ブルカー社から商品名「minispec mq20」にて市販されている測定装置を用いることができる。
周波数:20MHz
測定温度:40℃
測定条件:Solid−echo法
scans:64
Recycle delay:1s
Detection Mode:Magnitude
acquisition scales:3ms
上記架橋後のブロック共重合体は、次の要領で作製する。離型処理されたポリエチレンテレフタレートシート上に、架橋前の架橋性ブロック共重合体を厚みが20μmとなるように塗工する。次に、架橋性ブロック共重合体をゲル分率が50〜90質量%となるように架橋させて、架橋後のブロック共重合体を作製する。
例えば、架橋性ブロック共重合体に紫外線照射装置を用いてUV−C照射強度約48mW/cm2、UV−C積算光量100mJ/cm2の条件下にて紫外線を照射して架橋性ブロック共重合体を架橋させて、架橋後のブロック共重合体を作製する。なお、紫外線照射装置としては、例えば、ヘレウス(旧フュージョンUVシステムズ)社から商品名「Light Hammer6」(Hバルブ使用)にて市販されている紫外線照射装置を用いることができる。照度計としては、例えば、EIT Instrument Markets社から商品名「UV Power Puck II」にて市販されている照度計を用いることができる。
次に、解析用ソフトウェアを用いて、上述の要領で測定された架橋前の架橋性ブロック共重合体又は架橋後のブロック共重合体の減衰曲線を2成分の緩和曲線に分解する。2個の緩和曲線ともワイブル係数を1(指数関数)とし、非線形最小二乗法を用いてフィッティングを行う。即ち、下記式におけるスピン−スピン緩和時間Tおよび成分比Aを算出する。その際、[SSR/err]の[err]が0又は1判定であり、2成分フィッティング後のデータが実測減衰曲線と充分に近似であることを確認する。なお、「^」は、累乗を意味する。
f(t) = A1×exp{-1/W(1)(t/T2(1))^W(1)}+A2×exp{-1/W(2)(t/T2(2))^W(2)}
スピンースピン緩和時間のうちの短い方のスピンースピン緩和時間をスピンースピン緩和時間T2(1)とし、長い方のスピンースピン緩和時間をスピンースピン緩和時間T2(2)とする。スピンースピン緩和時間T2(1)を有する緩和曲線の成分比をA1とし、スピンースピン緩和時間T2(2)を有する緩和曲線の成分比をA2とする。W(1)及びW(2)を各緩和曲線のワイブル係数(いずれも1)とする。なお、解析用ソフトウェアとして、ブルカー社から商品名「TD−NMR Analyzer」にて市販されている解析用ソフトウェアを用いることができる。
架橋性ブロック共重合体及びこれの架橋後のブロック共重合体において、硬質成分を主に形成する重合体ブロックを構成するモノマーのガラス転移温度を高くする程、スピン−スピン緩和時間T2を短くすることができる。硬質成分を主に形成する重合体ブロックを構成するモノマーのガラス転移温度を低くする程、スピン−スピン緩和時間T2を長くすることができる。軟質成分を主に形成する重合体ブロックを構成するモノマーのガラス転移温度を高くする程、スピン−スピン緩和時間T2を短くすることができる。軟質成分を主に形成する重合体ブロックを構成するモノマーのガラス転移温度を低くする程、スピン−スピン緩和時間T2を長くすることができる。
架橋性ブロック共重合体及びこれの架橋後のブロック共重合体において、硬質成分を主に形成する重合体ブロックの含有量を多くする程、成分比A1を高くすることができる。軟質成分を主に形成する重合体ブロックの含有量を多くする程、成分比Aを低くすることができる。
架橋性ブロック共重合体において、硬質成分を主に形成する重合体ブロック中における非架橋性モノマーの含有量は、30.0質量%以上が好ましく、32.0質量%以上がより好ましく、35.0質量%以上がより好ましく、39.6質量%以上がより好ましい。架橋性ブロック共重合体において、硬質成分を主に形成する重合体ブロック中における非架橋性モノマーの含有量は、59.6質量%以下が好ましく、57.0質量%以下がより好ましく、55.0質量%以下がより好ましく、50.0質量%以下がより好ましい。硬質成分を主に形成する重合体ブロック中における非架橋性モノマーの含有量は、30.0質量%以上であると、架橋性ブロック共重合体を架橋して形成される皮膜のタックレス性が向上する。硬質成分を主に形成する重合体ブロック中における非架橋性モノマーの含有量は、59.6質量%以下であると、架橋性ブロック共重合体を架橋して形成される皮膜の強靱性が向上する。
架橋性ブロック共重合体において、軟質成分を主に形成する重合体ブロック中における非架橋性モノマーの含有量は、40.4質量%以上が好ましく、45.0質量%以上がより好ましく、50.0質量%以上がより好ましい。架橋性ブロック共重合体において、軟質成分を主に形成する重合体ブロック中における非架橋性モノマーの含有量は、70.0質量%以下が好ましく、65.0質量%以下がより好ましく、60.0質量%以下がより好ましい。軟質成分を主に形成する重合体ブロック中における非架橋性モノマーの含有量は、40.4質量%以上であると、架橋性ブロック共重合体を架橋して形成される皮膜の強靱性が向上する。軟質成分を主に形成する重合体ブロック中における非架橋性モノマーの含有量は、70.0質量%以下であると、架橋性ブロック共重合体を架橋して形成される皮膜のタックレス性が向上する。
次に、架橋性ブロック共重合体の製造方法を説明する。架橋性ブロック共重合体は、汎用の重合方法を用いて製造することができるが、リビング重合を用いて製造することが好ましい。
リビング重合は、例えば、リビングラジカル重合、リビングカチオン重合、リビングアニオン重合が挙げられるが、高い汎用性と重合反応の安全性の点からリビングラジカル重合が好ましい。
リビングラジカル重合法としては、例えば、イニファーター重合、ニトロキシド介在重合(NMP)、遷移金属触媒による原子移動ラジカル付加重合(ATRP)、ジチオエステル化合物による可逆的連鎖移動重合(RAFT)、有機テルル化合物による重合(TERP)、有機化合物触媒による可逆移動触媒重合(RTCP)、可逆配位媒介重合(RCMP)などが挙げられる。
特に、可逆的連鎖移動重合(RAFT)は、(1)モノマー汎用性が高いこと、(2)酸素及び光に対して極端な反応性低下を生じないこと、(3)極端な低温又は高温でなくても反応が進行することから簡便な重合反応環境で実施可能でき高い生産性を有すること、(4)金属及びハロゲンなどの毒物を使用しないこと、(5)十分な分子量を有する架橋性ブロック共重合体を製造できることから好ましい。
可逆的連鎖移動重合(RAFT)を実施するために用いられるジチオエステル化合物としては、交換連鎖反応性を有するジチオエステル化合物であれば、特に限定されず、例えば、ジチオベンゾエート化合物、トリチオカーボネート化合物、ジチオカルバメート化合物、キサンテート化合物などが挙げられ、トリチオカーボネート化合物が好ましい。
トリチオカーボネート化合物としては、特に限定されないが、例えば、2−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]プロパン酸、4−{[(2−カルボキシエチル)スルファニルチオカルボニル]スルファニル}プロパン酸、4−シアノ−4−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]ペンタン酸、4−[(2−カルボキシエチルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]−4−シアノペンタン酸などの交換連鎖反応部位を1個のみ有するトリチオカーボネート化合物、S,S−ジベンジルトリチオカーボネート、ビス{4−[エチル−(2−ヒドロキシエチル)カルバモイル]ベンジル}トリチオカーボネート、1,4−ビス{[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]メチル}ベンゼンなどの交換連鎖反応部位を2個有するトリチオカーボネート化合物など挙げられ、交換連鎖反応部位を1個のみ有するトリチオカーボネート化合物が好ましく、2−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]プロパン酸及び4−{[(2−カルボキシエチル)スルファニルチオカルボニル]スルファニル}プロパン酸がより好ましく、2−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]プロパン酸がより好ましい。
トリチオカーボネート化合物を用いて製造される架橋性ブロック共重合体において、トリチオカーボネート化合物の化学構造に起因して、架橋性ブロック共重合体中におけるトリチオカーボネート化合物残基の導入位置が異なる。トリチオカーボネート化合物が1個のトリチオカーボネート基に対し1個の交換連鎖反応部位のみを有している場合、トリチオカーボネート化合物残基は、架橋性ブロック共重合体を構成している重合体ブロックの末端に導入される。一方、トリチオカーボネート化合物が1個のトリチオカーボネート基に対し2個の交換連鎖反応部位を有している場合、トリチオカーボネート化合物残基は、架橋性ブロック共重合体を構成している重合体ブロックの内部に導入される。そして、交換連鎖反応部位を1個のみ有するトリチオカーボネート化合物を用いて可逆的連鎖移動重合(RAFT)によって製造された架橋性ブロック共重合体は、熱や光によってトリチオカーボネート化合物残基が分解しても、架橋性ブロック共重合体構造自体は分解されないことから、熱安定性及び紫外線架橋反応性に更に優れている。
架橋性ブロック共重合体は、上述の通り、ジチオエステル化合物による可逆的連鎖移動重合(RAFT)により製造されることが好ましい。可逆的連鎖移動重合(RAFT)の重合形態としては、例えば、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などが挙げられ、溶液重合が好ましい。なお、架橋性ブロック共重合体を溶液重合によって製造する場合、架橋性ブロック共重合体をコーティング剤とするためには、系内の溶剤を脱処理する必要がある。
架橋性ブロック共重合体を製造するには多段階重合が行われる。例えば、交換連鎖反応部位を1個のみ有するジチオエステル化合物を用いて可逆的連鎖移動重合(RAFT)を行う場合、先ず、重合体ブロックAを構成するモノマーを、ジチオエステル化合物を用いて(ジチオエステル化合物の存在下にて)十分に重合させて、重合体ブロックA部分重合物を得る(1段階目重合)。次に、重合反応系内に重合体ブロックBを構成するモノマーを供給して十分に重合させ、重合体ブロックA−重合体ブロックB部分重合物を得る(2段階目重合)。更に、重合反応系内に重合体ブロックAを構成するモノマーを供給して十分に重合させて、重合体ブロックBの両末端に重合体ブロックAが結合してなるA−B−A型トリブロック共重合体である架橋性ブロック共重合体を得ることができる。
又、交換連鎖反応部位を2個有するジチオエステル化合物を用いて可逆的連鎖移動重合(RAFT)を行う場合(特に、S,S−ジベンジルトリチオカーボネートのようなジチオエステル構造を1個のみ有するジチオエステル化合物を用いて可逆的連鎖移動重合(RAFT)を行う場合)、重合体ブロックAを構成するモノマーを、ジチオエステル化合物を用いて(ジチオエステル化合物の存在下にて)十分に重合させて、重合体ブロックA部分重合物を得る(1段階目重合)。次に、重合反応系内に重合体ブロックBを構成するモノマーを供給し重合する(2段階目重合)ことによって、重合体ブロックA部分重合物の中間部に重合体ブロックBを形成し、A−B−A型トリブロック共重合体である架橋性ブロック共重合体を得ることができる。1,4−ビス{[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]メチル}ベンゼンのようなジチオエステル構造を2個有するジチオエステル化合物を用いて可逆的連鎖移動重合(RAFT)を行う場合、重合体ブロックBを構成するモノマーを、ジチオエステル化合物を用いて(ジチオエステル化合物の存在下にて)十分に重合させて、重合体ブロックB部分重合物を得る(1段階目重合)。次に、重合反応系内に重合体ブロックAを構成するモノマーを供給し重合する(2段階目重合)ことによって、重合体ブロックB部分重合物の両末端部に重合体ブロックAを形成し、A−B−A型トリブロック共重合体である架橋性ブロック共重合体を得ることができる。
重合体ブロックAを生成するための原料となるモノマー中において、架橋性を有しないモノマーの含有量は、架橋性ブロック共重合体の架橋後に形成される皮膜の強靱性及びタックレス性が向上するので、60質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がより好ましく、98質量%以上が特に好ましい。重合体ブロックAを生成するための原料となるモノマー中において、架橋性を有しないモノマーの含有量は、架橋性ブロック共重合体の架橋後に形成される皮膜の強靱性が向上するので、99.9質量%以下が好ましく、99.8質量%以下がより好ましく、99.7質量%以下が特に好ましい。
重合体ブロックAを生成するための原料となるモノマー中において、架橋性を有するモノマーの含有量は、架橋性ブロック共重合体の架橋後に形成される皮膜の強靱性及びタックレス性が向上するので、40質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下がより好ましく、2質量%以下が特に好ましい。重合体ブロックAを生成するための原料となるモノマー中において、架橋性を有するモノマーの含有量は、架橋性ブロック共重合体の架橋後に形成される皮膜の強靱性が向上するので、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上が特に好ましい。
ジチオエステル化合物を用いて製造された架橋性ブロック共重合体は、その化学構造に由来する着色や、硫黄原子に由来する独特の臭気を有する場合がある。このような着色及び臭気の低減又は除去を目的として、架橋性ブロック共重合体中のジチオエステル化合物残基の低減又は除去処理、及び、架橋性ブロック共重合体中に混入している残存ジチオエステル化合物の低減又は除去処理を行うことが好ましい。ジチオエステル化合物残基又は残存ジチオエステル化合物の低減又は除去処理方法としては、例えば、熱による処理、紫外線による処理、過剰のラジカル開始剤による処理、求核試薬や還元剤による処理、酸化剤による処理、金属触媒による処理、ジエン化合物とのヘテロDiels−Alder反応による処理などが挙げられる。上記処理によって、ジチオエステル化合物残基又は残存ジチオエステル化合物の低減又は除去処理されたとしても架橋性ブロック共重合体の奏する作用効果に変化はない。
上記架橋性ブロック共重合体は、必要に応じて光酸発生剤などの添加剤を添加することによってコーティング剤として好適に用いることができる。
架橋性ブロック共重合体は、架橋処理が施されることによって、重合体ブロックA中に含まれる架橋性を有するモノマー単位の架橋性基が架橋構造を形成し、重合体ブロックA中に架橋構造が導入される。架橋構造が導入されたブロック共重合体は、優れた強靱性を及びタックレス性を有する皮膜を形成する。
架橋性ブロック共重合体を架橋して得られる皮膜のプローブタックは、3N以下が好ましく、2N以下がより好ましく、1N以下が特に好ましい。
なお、架橋性ブロック共重合体を架橋して得られる皮膜のプローブタックは下記の要領で測定された値をいう。
先ず、50μmの厚みを有するポリエチレンテレフタレートフィルム上に架橋性ブロック共重合体溶液を溶媒除去後の架橋性ブロック共重合体の厚みが20μmとなるように塗工する。
架橋性ブロック共重合体を架橋させて皮膜を形成する。得られた皮膜のゲル分率が50〜90質量%となるように架橋性ブロック共重合体の架橋を調整する。
なお、例えば、架橋性を有するモノマーが、紫外線の照射によって化学結合を形成する架橋性基を有するモノマー(紫外線架橋性モノマー)である場合、紫外線照射装置を用いて、UV−C照射強度:約48mW/cm2、UV−C積算光量:60mJ/cm2にて紫外線(UV−C)を照射する。紫外線照射装置としては、例えば、ヘレウス(旧フュージョンUVシステムズ)社から商品名「Light Hammer6」(Hバルブ使用)にて市販されている紫外線照射装置を用いることができる。照度計としては、例えば、EIT Instrument Markets社から商品名「UV Power Puck II」にて市販されている照度計を用いることができる。
得られた皮膜を一辺が20mmの平面正方形状に切り出して試験片を作製する。プローブタック測定装置を用いて、試験片のプローブタックをプローブ荷重20g(100g/cm2)及び接触時間1秒の測定条件下にて任意の10箇所にて測定する。10点のデータのうち、最大値、2番目に高い値、2番目に低い値及び最小値の4点を排除し、残った6点のプローブタックの相加平均値を皮膜のプローブタック(N)とする。
又、皮膜のゲル分率は、次の要領により測定された値をいう。皮膜0.2gをガラス瓶に供給する。テトラヒドロフラン30gをガラス瓶に供給し、常温にて24時間放置し、架橋後のブロック共重合体を膨潤させた。
膨潤させた架橋後のブロック共重合体を200メッシュの金網でろ過し、80℃に昇温した恒温槽にて架橋後のブロック共重合体を金網ごと乾燥させた。乾燥後の架橋後のブロック共重合体の質量Ygを測定し、下記の要領に従ってゲル分率を算出する。
ゲル分率(質量%)=100×Y/0.2
コーティング剤は、その物性を損なわない範囲内において、紫外線重合開始剤、可塑剤、酸化防止剤、着色剤、難燃剤及び帯電防止剤などの添加剤が含まれていてもよい。
本発明の架橋性ブロック共重合体は、架橋することによって、強靱性及びタックレス性に優れた皮膜を形成することができる。
実施例1で得られた架橋性ブロック共重合体の減衰曲線及びこの減衰曲線を2成分緩和曲線フィッティングさせて得られた緩和曲線を示したグラフである。
以下に、本発明を実施例を用いてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
(実施例1〜13及び比較例1〜4)
攪拌機、冷却管、温度計及び窒素ガス導入口を備えたセパラブルフラスコに、非架橋性モノマーとしてイソボルニルアクリレート、N−アクリロイルモルフォリン、4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレート及びn−ブチルアクリレートと、架橋性モノマーとして4−アクリロイルオキシベンゾフェノン、4−[2−(アクリロイルオキシ)エトキシ]ベンゾフェノン及び4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルと、トリチオカーボネート化合物として2−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]プロパン酸及び4−{[(2−カルボキシエチル)スルファニルチオカルボニル]スルファニル}プロパン酸と、溶剤として酢酸エチルとをそれぞれ表1及び2に示した配合量ずつ供給し、攪拌して反応液を作製した。
セパラブルフラスコ内を窒素ガスで置換した後、ウォーターバスを用いて反応液を60℃に保持した。次に、セパラブルフラスコ内の反応液に重合開始剤として2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を表1及び2に示した配合量供給して可逆的連鎖移動重合(RAFT)を開始した。反応液を6時間に亘って60℃に保持し、重合体ブロックA部分重合物を得た。重合体ブロックA部分重合物のピークトップ分子量及び重量平均分子量を表1及び2に示した。
重合体ブロックA部分重合物を含む反応液に、非架橋性モノマーとしてn−ブチルアクリレート及びエチルアクリレートと、架橋性モノマーとして4−アクリロイルオキシベンゾフェノンと、溶剤として酢酸エチルとをそれぞれ表1及び2に示した配合量ずつ供給した。反応液を6時間に亘って60℃に保持して可逆的連鎖移動重合(RAFT)を行い、重合体ブロックA−重合体ブロックB部分重合物を得た。重合体ブロックA−重合体ブロックB部分重合物のピークトップ分子量及び重量平均分子量を表5及び表6に示した。
重合体ブロックA−重合体ブロックB部分重合物を含む反応液に、非架橋性モノマーとしてイソボルニルアクリレート、N−アクリロイルモルフォリン、4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレート及びn−ブチルアクリレートと、架橋性モノマーとして4−アクリロイルオキシベンゾフェノン、4−[2−(アクリロイルオキシ)エトキシ]ベンゾフェノン及び4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルと、溶剤として酢酸エチルとをそれぞれ表1及び2に示した配合量供給した。反応液を6時間に亘って60℃に保持して可逆的連鎖移動重合(RAFT)を行って架橋性ブロック共重合体を作製した。架橋性ブロック共重合体の含有量が50質量%となるように反応液に酢酸エチルを加えて架橋性ブロック共重合体溶液を得た。架橋性ブロック共重合体は、重合体ブロックBの両末端に重合体ブロックAが結合してなるA−B−A型トリブロック共重合体であった。架橋性ブロック共重合体のピークトップ分子量、重量平均分子量及び分散度を表5及び表6に示した。架橋性ブロック共重合体の重合体ブロックAの総含有量及び重合体ブロックBの含有量を表5及び表6に示した。
(比較例5)
攪拌機、冷却管、温度計及び窒素ガス導入口を備えたセパラブルフラスコに、非架橋性モノマーとしてn−ブチルアクリレート及びイソボルニルアクリレートと、架橋性モノマーとして4−アクリロイルオキシベンゾフェノンと、トリチオカーボネート化合物として2−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]プロパン酸と、溶剤として酢酸エチルとをそれぞれ表3に示した配合量ずつ供給し、攪拌して反応液を作製した。
セパラブルフラスコ内を窒素ガスで置換した後、ウォーターバスを用いて反応液を60℃に保持した。次に、セパラブルフラスコ内の反応液に重合開始剤として2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を表3に示した配合量供給して可逆的連鎖移動重合(RAFT)を開始した。反応液を6時間に亘って60℃に保持して可逆的連鎖移動重合(RAFT)を行って架橋性ランダムポリマーを得た。架橋性ランダムポリマーの含有量が50質量%となるように反応液に酢酸エチルを加えて架橋性ランダムポリマー溶液を得た。架橋性ランダムポリマーのピークトップ分子量、重量平均分子量及び分散度を表3に示した。
(比較例6)
攪拌機、冷却管、温度計及び窒素ガス導入口を備えたセパラブルフラスコに、非架橋性モノマーとしてn−ブチルアクリレートと、トリチオカーボネート化合物として1,4−ビス{[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]メチル}ベンゼンと、溶剤として酢酸エチルとをそれぞれ表4に示した配合量ずつ供給し、攪拌して反応液を作製した。
セパラブルフラスコ内を窒素ガスで置換した後、ウォーターバスを用いて反応液を60℃に保持した。次に、セパラブルフラスコ内の反応液に重合開始剤として2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を表4に示した配合量供給して可逆的連鎖移動重合(RAFT)を開始した。反応液を6時間に亘って60℃に保持し、重合体ブロックB部分重合物を得た。重合体ブロックB部分重合物のピークトップ分子量及び重量平均分子量を表4に示した。
重合体ブロックB部分重合物を含む反応液に、非架橋性モノマーとしてN−アクリロイルモルフォリンと、架橋性モノマーとして4−アクリロイルオキシベンゾフェノンと、溶剤として酢酸エチルとをそれぞれ表4に示した配合量ずつ供給した。反応液を6時間に亘って60℃に保持して可逆的連鎖移動重合(RAFT)を行い、架橋性ブロック共重合体を作製した。架橋性ブロック共重合体の含有量が50質量%となるように反応液に酢酸エチルを加えて架橋性ブロック共重合体溶液を得た。架橋性ブロック共重合体は、重合体ブロックBの両末端に重合体ブロックAが結合してなるA−B−A型トリブロック共重合体であった。架橋性ブロック共重合体のピークトップ分子量、重量平均分子量及び分散度を表4に示した。架橋性ブロック共重合体の重合体ブロックAの総含有量及び重合体ブロックBの含有量を表4に示した。
(コーティング剤の作製)
実施例1、2及び4〜13、並びに、比較例1〜4及び6の架橋性ブロック共重合体溶液及び比較例5の架橋性ランダムポリマー溶液を何ら処理することなくコーティング剤として用いた。
実施例3の架橋性ブロック共重合体溶液100質量部に光酸発生剤(UVカチオン発生剤)としてトリアリールスルホニウム塩系光酸発生剤(サンアプロ社製 商品名「CPI−200K」)2質量部を添加して均一に混合してコーティング剤を得た。
実施例及び比較例で得られた架橋性ブロック共重合体及びこの架橋性ブロック共重合体を架橋させたブロック共重合体について、上述の要領で減衰曲線を測定し、この減衰曲線に基づいて、スピンースピン緩和時間T2(1)及びT2(2)、並びに、成分比A1及びA2を得た。緩和時間T2(2)の変化率(%)も算出した。架橋後のブロック共重合体及びランダムポリマーのゲル分率を表3〜6に記載した。
実施例1で得られた架橋性ブロック共重合体の減衰曲線及びこの減衰曲線を2成分緩和曲線フィッティングさせて得られた緩和曲線を示したグラフを図1に示した。なお、縦軸は、「減衰曲線の最大強度を1としたときの信号強度比」である。緩和曲線の成分比A1は、スピン−スピン緩和時間T2(1)を有する緩和曲線のY軸の切片の値から読み取ることができる。緩和曲線の成分比A2は、スピン−スピン緩和時間T2(2)を有する緩和曲線のY軸の切片の値から読み取ることができる。
実施例及び比較例で得られた架橋性ブロック共重合体及び架橋性ランダムポリマーを架橋して形成される皮膜のプローブタックを上述の要領で測定し、その結果を表3〜6に記載した。皮膜のゲル分率を表3〜6の「プローブタック測定時のゲル分率」の欄に記載した。
実施例及び比較例で得られた架橋性ブロック共重合体及び架橋性ランダムポリマーについて、架橋前後の破断応力及び破断伸度を下記の要領で測定し、その結果を表3〜6に示した。
(破断応力及び破断伸度)
離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム上に、架橋性ブロック共重合体溶液又は架橋性ランダムポリマー溶液を溶媒除去後の架橋性ブロック共重合体又は架橋性ランダムポリマーの厚みが50μmとなるように塗工する。ポリエチレンテレフタレートフィルムをオーブンに供給して80℃にて3分間に亘って加熱して酢酸エチルを除去し、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗工膜が積層されてなる2枚の塗工フィルムを作製した。1枚の塗工フィルムから縦100mm×横50mmの平面長方形状の塗工試験片を切り出した。
紫外線照射装置(ヘレウス(旧フュージョンUVシステムズ)社製 商品名「Light Hammer6」(Hバルブ使用))を用いて、UV−C照射強度:約48mW/cm2、UV−C積算光量:100mJ/cm2にて紫外線(UV−C)を残り1枚の塗工フィルムの塗工膜に照射して、ポリエチレンテレフタレート上に皮膜が積層されてなる皮膜フィルムを作製した。皮膜フィルムから縦100mm×横50mmの平面長方形状の皮膜試験片を切り出した。
塗工試験片及び皮膜試験片の縦方向の両端部25mmずつをマスキングして、塗工試験片の塗工膜及び皮膜試験片の皮膜を一辺50mmの平面正方形状に露出させた。塗工試験片及び皮膜試験片からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、応力−歪曲線測定用のサンプルを作製した。応力−歪曲線測定用のサンプルをオートグラフ(島津製作所社製 商品名「AGS−X100N」)を用いて引張速度500mm/minにて引張試験を行なった。応力−歪曲線測定用のサンプルが破断したときの試験力(N)及び変位(mm)を読み取り、破断応力及び破断伸度を下記式に基づいて算出した。
破断応力(N/mm2
=試験力(N)/[応力−歪曲線測定用のサンプル厚み(μm)×50(mm)]
破断伸度(%)=変位(mm)×2
Figure 2020149385
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本発明によれば、強靭で且つタックレスな皮膜を形成することが可能である架橋性ブロック共重合体及びこれを用いたコーティング剤を提供することができる。
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年1月16日に出願された日本国特許出願第2019−5254号に基づく優先権を主張し、この出願の開示はこれらの全体を参照することにより本明細書に組み込まれる。
C 減衰曲線を非線形最小二乗法を用いて2成分緩和曲線フィッティングさせて得られる緩和曲線のうち、短い方のスピン−スピン緩和時間T2(1)を有する緩和曲線
D 減衰曲線を非線形最小二乗法を用いて2成分緩和曲線フィッティングさせて得られる緩和曲線のうち、長い方のスピン−スピン緩和時間T2(2)を有する緩和曲線
E 減衰曲線

Claims (7)

  1. 重合体ブロックBと、
    上記重合体ブロックBの両末端のそれぞれに結合し且つ架橋性を有するモノマー単位を含有する重合体ブロックAとを含み、
    架橋させた後において、40℃での1HパルスNMR(20MHz)においてSolid echo法により得られる減衰曲線を非線形最小二乗法を用いて2成分緩和曲線フィッティングさせたとき、短い方のスピン−スピン緩和時間T2(1)が18〜35μ秒であり、上記スピン−スピン緩和時間T2(1)を有する緩和曲線の成分比A1が40〜70%であることを特徴とする架橋性ブロック共重合体。
  2. 重合体ブロックAは、飽和脂肪族環構造を有するモノマー単位を含有していることを特徴とする請求項1に記載の架橋性ブロック共重合体
  3. 飽和脂肪族環構造を有するモノマー単位は、イソボルニル(メタ)アクリレート単位及び4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート単位からなる群から選ばれた少なくとも一種のモノマー単位を含有することを特徴とする請求項2に記載の架橋性ブロック共重合体。
  4. 重合体ブロックAを構成しているモノマー単位中において、飽和脂肪族環構造を有するモノマー単位の含有量は、30.0〜59.6質量%であることを特徴とする請求項2に記載の架橋性ブロック共重合体。
  5. 重合体ブロックAは、N−(メタ)アクリロイルモルフォリン単位を更に含有することを特徴とする請求項3に記載の架橋性ブロック共重合体。
  6. 架橋性を有するモノマー単位は、放射線架橋性モノマー単位を含むことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の架橋性ブロック共重合体。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の架橋性ブロック共重合体を含むことを特徴とするコーティング剤。
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