JPWO2020105584A1 - 樹脂成形体及び樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

広角X線回折測定において散乱ベクトルsが3.86±0.1nm−1の位置に回折ピークを有し、示差走査熱量測定において129℃以下と159℃以上の各領域に少なくとも1つずつ融解ピークを有し、かつ動的粘弾性測定においてtanδのピークが−40±10℃の範囲に観測される樹脂成形体、及びその調製に好適な樹脂組成物。

Description

本発明は、セルロース繊維を含有する樹脂成形体及びその調製に好適な樹脂組成物に関する。
樹脂に補強成分等を混合して、様々な用途に向けて樹脂の物性を改質する技術が知られている。例えば、ポリオレフィン樹脂と、セルロース繊維、古紙、パルプ等の木質系材料とを混合し、均一化したポリオレフィン強化樹脂組成物が提案されている。
自動車関連分野においては、資源節約の観点、燃費向上の観点等から、車両の軽量化の要求が高まっている。木質系材料を含む強化樹脂組成物は、軽量で高い剛性を有するものが多いことから、軽量化を実現する自動車部品等の材料として着目されている。例えば、ポリプロピレン樹脂にセルロース繊維を混合して均一化した強化樹脂組成物が自動車部品等の材料として使用されている。
また、ゴム成分の添加により樹脂の衝撃強度を高める技術が知られている。例えば、特許文献1は、耐熱性等の樹脂の特性を低下させることなく、耐衝撃強度等の機械的強度を向上させた樹脂組成物として、アミノ基を有する熱可塑性樹脂のマトリックス相中に、加硫した酸変性ニトリルゴムが粒子状に分散した熱可塑性樹脂組成物を開示している。
特許第5047414号公報
本発明らは上述した従来の強化樹脂組成物を用いた成形体の物性について検討を進めたところ、上述したポリプロピレン樹脂とセルロース繊維とを含有する強化樹脂組成物による成形体は剛性には優れるが、耐衝撃強度の点で十分とはいえず、また、ゴム成分を添加した強化樹脂組成物による成形体は耐衝撃強度が高められるものの、剛性が低下してしまう問題があることがわかってきた。
本発明は、剛性と耐衝撃性の両特性の両立を、所望の優れたレベルで実現する樹脂成形体、及びこの成形体の調製に好適な樹脂組成物を提供することを課題とする。
すなわち、本発明の上記課題は、以下の手段によって達成された。
〔1〕
広角X線回折測定において散乱ベクトルsが3.86±0.1nm−1の位置に回折ピークを有し、示差走査熱量測定において129℃以下と159℃以上の各領域に少なくとも1つずつ融解ピークを有し、かつ動的粘弾性測定においてtanδのピークが−40±10℃の範囲に観測される樹脂成形体。
〔2〕
示差走査熱量測定の159℃以上の領域に融解ピークを持つ成分の融解熱量(ΔHPP)に対する、129℃以下の領域に融解ピークを持つ成分の融解熱量(ΔHPE)の割合([ΔHPE/ΔHPP]×100)が、5%を超えて250%未満である、〔1〕に記載の樹脂成形体。
〔3〕
前記tanδのピーク値が0.03〜0.05である〔1〕又は〔2〕に記載の樹脂成形体。
〔4〕
前記示差走査熱量測定において、124±5℃の範囲及び164±5℃の範囲に融解ピークを少なくとも1つずつ有する〔1〕〜〔3〕のいずれか1つに記載の樹脂成形体。
〔5〕
〔1〕〜〔4〕のいずれか1つに記載の樹脂成形体の調製に用いる樹脂組成物であって、広角X線回折測定において散乱ベクトルsが3.86±0.1nm−1の位置に回折ピークを有し、示差走査熱量測定において129℃以下と159℃以上の各領域に少なくとも1つずつ融解ピークを有する樹脂組成物。
本発明の樹脂成形体は、剛性及び耐衝撃性のいずれにも優れ、自動車部品等の、剛性に加えて耐衝撃性を求められる部材ないし材料等の種々の用途に用いることができる。
また、本発明の樹脂組成物は、上記樹脂成形体の調製に好適に用いることができる。
〈樹脂成形体〉
本発明の樹脂成形体は、動的粘弾性測定において−40±10℃の範囲にtanδ(損失正接)のピークを有する。動的粘弾性測定において、室温(25℃)よりも十分低い温度範囲である−40±10℃の範囲にtanδのピークが表れることは、本発明の樹脂成形体が室温において運動性が一定の高いレベルにある(粘性を示す)ことを意味する。上記温度範囲にtanδのピークが表れることは、耐衝撃性の向上に寄与すると考えられる。樹脂成形体は、tanδのピークを−50〜−36℃の範囲に有することが好ましい。
本発明の樹脂成形体において、上述のtanδのピーク値(ピーク高さ)が0.03〜0.05であることが好ましい。樹脂成形体が、ピーク値を上記範囲に有すると、運動性の高い成分の量とそれ以外の成分の量とが適度な比となり、室温での剛性(例えば曲げ弾性率)を維持しつつ、耐衝撃性をより高めることができる。
動的粘弾性測定は、JIS―K7244に準拠して行う。より詳細には、実施例に記載の方法及び条件により動的粘弾性を決定する。
本発明の樹脂成形体は、広角X線回折測定において散乱ベクトルsが3.86±0.1nm−1の位置に回折ピークを有し、示差走査熱量測定において129℃以下と159℃以上の各領域に少なくとも1つずつ融解ピークを有する。広角X線回折測定における散乱ベクトルsが3.86±0.1nm−1の位置の回折ピークは、セルロース繊維中のセルロースのIβ型結晶の(004)面由来の回折ピークである。示差走査熱量測定における129℃以下の領域の融解ピーク及び159℃以上の領域の融解ピークは、それぞれ、樹脂成形体を構成するベース樹脂に主に由来する融解ピークである。すなわち、本発明の樹脂成形体は、ベース樹脂とセルロース繊維とを含有する。
本発明の樹脂成形体は、示差走査熱量測定において、上記の各温度領域に少なくとも1つずつ融解ピークを有していればよく、それぞれの温度領域に複数の融解ピークを有する態様も含む。
上記2つの温度領域の融解ピークは、単独の樹脂に由来するものでもよく、複数の樹脂に由来するものでもよい。
樹脂成形体は、示差走査熱量測定における129℃以下の領域の融解ピークを、128℃以下の領域に有することが好ましい。
広角X線回折測定及び示差走査熱量測定は、それぞれ実施例に記載の方法及び条件により行うことができる。
本発明の樹脂成形体は、示差走査熱量測定において124±5℃の範囲及び164±5℃の範囲に融解ピークを少なくとも1つずつ有することが好ましい。このような樹脂成形体は、例えば、ベース樹脂としてポリエチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂を組合せて有する形態である。
示差走査熱量測定の159℃以上の領域に融解ピークを持つ成分の融解熱量(ΔHPP)に対する、129℃以下の領域に融解ピークを持つ成分の融解熱量(ΔHPE)の割合(100×[ΔHPE/ΔHPP])は、5%を超えて250%未満が好ましく、50%以上180%以下がより好ましい。
本発明の成形体は、ベース樹脂としてポリオレフィン樹脂を含むことが好ましい。
ベース樹脂としては、ポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹脂とを用いることが好ましい。ポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹脂の含有量の比(ポリプロピレン樹脂/ポリエチレン樹脂、質量比)は、95/5〜50/50が好ましく、95/5〜60/40がより好ましく、90/10〜65/35がさらに好ましい。
本発明の樹脂成形体は、架橋構造を有することが好ましい。架橋構造を有する場合、−40±10℃という、室温よりも低温の温度範囲に、tanδのピークを有する形態となりやすい。
ここでいう架橋構造とは、ベース樹脂(例えば、ポリエチレン樹脂)を構成するポリマー分子間に形成される架橋構造(a)、及びベース樹脂を構成するポリマー分子とセルロース繊維を構成するセルロース分子との間に形成される架橋構造(b)を含む意味である。すなわち、樹脂成形体は、このような架橋構造(a)及び/又は(b)を有することが好ましい。
これらの架橋構造は、樹脂成形体の原料を、例えば、有機過酸化物の存在下で反応させることにより、形成することができる。具体的には、有機過酸化物から生じたラジカルにより、ベース樹脂のポリマー分子の主鎖やセルロース繊維のポリマー分子の主鎖から水素原子が引き抜かれ、ベース樹脂のポリマー分子の炭素原子間における架橋構造や、ベース樹脂とセルロース繊維との炭素原子間における架橋構造が形成される。
また、樹脂成形体が、後述する酸変性ポリエチレン樹脂を含有する場合には、酸変性ポリエチレン樹脂が有するカルボキシ基等とセルロース繊維の水酸基が反応して形成される、エステル結合も、上記架橋構造に含まれる。
「架橋構造を有する」とは、少なくとも部分的に架橋構造を有することを意味する。すなわち、樹脂成形体の原料の、架橋可能な部位の少なくとも一部が架橋されていることを意味し、すべての架橋可能な部位が架橋されていてもよい。
本発明の樹脂成形体は、ポリエチレン樹脂を含有し、その少なくとも一部(好ましくは一部)が酸変性ポリエチレン樹脂であることが好ましい。
ポリエチレン樹脂を含有し、その少なくとも一部が酸変性ポリエチレン樹脂を含有すると、樹脂成形体中におけるセルロース繊維の分散性を高めることができる。これは、酸変性ポリエチレン樹脂は、主鎖部分ではベース樹脂に含まれるポリエチレン樹脂と構造的に類似しており、ベース樹脂を他の成分と相溶性の高い状態とすることができること、また、酸変性ポリエチレン樹脂中に存在するカルボキシ基等とセルロース繊維表面との相互作用が寄与していると考えられる。
本発明の樹脂成形体は、ベース樹脂としてポリエチレン樹脂を含有し、その少なくとも一部(好ましくは一部)が酸変性ポリエチレン樹脂であり、かつ、架橋構造を有することがより好ましい。
ポリエチレン樹脂の一部が酸変性ポリエチレン樹脂である場合、ベース樹脂100質量%中に、酸変性ポリエチレン樹脂を0.2〜3質量%含有することが好ましく、0.5〜2質量%含有することがより好ましい。
また、ベース樹脂を構成する全ポリエチレン樹脂に占める酸変性ポリエチレン樹脂の割合(酸変性ポリエチレン樹脂/全ポリエチレン樹脂、質量比)が、0.01〜0.10であることが好ましい。
上記樹脂成形体中のセルロース繊維の含有量は、ベース樹脂100質量部に対して、10〜100質量部が好ましく、25〜66.7質量部がより好ましい。
上記樹脂成形体は、本発明の効果を損なわない範囲で、セルロース繊維に加えてさらに無機フィラーを含有していてもよい。
本発明の樹脂成形体は、JIS K7171に準拠して測定した曲げ弾性率が、2500MPa以上であることが好ましく、2878MPa以上であることがより好ましく、2900MPa以上であることがさらに好ましい。上限は特に制限されないが、3030MPa以下が実際的である。
また、JIS K7111に準拠して測定した衝撃強さが4.0kJ/m以上であることが好ましく、5.0kJ/m以上であることがより好ましい。曲げ弾性率を損なわない範囲において上限は特に制限されない。この上限は、ベース樹脂の種類にもよるが、例えば、50kJ/m以下とすることができる。
以下、本発明の樹脂成形体に用いる原料について説明する。併せて、後述の、樹脂組成物及び樹脂成形体の調製の際に使用する有機過酸化物についても説明する。
本発明の樹脂成形体に用いるベース樹脂は、単独に又は複数種を組合せて用いることにより、成形体としたときに上記の2つの融解ピークを示すものであればよい。ベース樹脂としては、ポリオレフィン樹脂が好ましく、ポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹脂との組合せがより好ましい。
ベース樹脂としてポリプロピレン樹脂及びポリエチレン樹脂を用いる場合には、本発明の効果を損なわない範囲で、ベース樹脂としてさらにポリプロピレン樹脂及びポリエチレン樹脂以外の樹脂を含んでもよい。
また、ベース樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、各種慣用添加物、例えば、酸化防止剤、光安定剤、可塑剤、難燃剤等を含むことができる。
−ポリプロピレン樹脂−
ポリプロピレン樹脂は、樹脂成形体中において、少なくともポリプロピレンの一部が常温(25℃)で結晶構造を形成するものが好ましい。このようなポリプロピレン樹脂を含有する樹脂成形体について、示差走査熱量測定(DSC測定)を行うと、164±5℃にポリプロピレン結晶の融解に伴う融解ピークがみられる。
ポリプロピレン樹脂としては、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレンブロック共重合体(プロピレン単独重合体成分又は主にプロピレンからなる共重合体成分と、エチレン及びα−オレフィンから選択されるモノマーの少なくとも1種とプロピレンとを共重合して得られる共重合体成分とからなる共重合体)の樹脂などが挙げられる。これらのポリプロピレン樹脂は単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。なお、本発明においては、エチレン成分とプロピレン成分の両成分を含む樹脂については、ポリプロピレン樹脂に分類するものとする。
ポリプロピレン樹脂に用いられるα−オレフィンは、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、及び1−デセンの少なくとも1種が好ましく、1−ブテン、1−ヘキセン、及び1−オクテンの少なくとも1種がより好ましい。
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体としては、例えば、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−1−ヘキセンランダム共重合体、プロピレン−1−オクテンランダム共重合体などが挙げられる。
プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体としては、例えば、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−エチレン−1−オクテン共重合体などが挙げられる。これらはランダム共重合体が好ましい。
プロピレンブロック共重合体としては、例えば、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン−1−ヘキセン)共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−1−ブテン)共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−1−ヘキセン)共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−エチレン)共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−エチレン−1−ヘキセン)共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−1−ブテン)共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−1−ヘキセン)共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン)共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン−1−ヘキセン)共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ブテン)共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ヘキセン)共重合体などが挙げられる。
これらのポリプロピレン樹脂のうち、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体、及びプロピレンブロック共重合体が好ましく、ポリプロピレン樹脂としてこれらの1種又は2種以上を用いることができる。
ポリプロピレン樹脂のメルトフローレート(MFR)は、好ましくは0.1〜100g/10分であり、より好ましくは10〜30g/10分である。ポリプロピレンについては、JIS K7210に準拠し、230℃、2.16kg荷重下における値である。
ポリプロピレン樹脂の密度は、0.90〜0.91g/cmが好ましい。
−ポリエチレン樹脂−
ポリエチレン樹脂は、樹脂成形体中において、少なくともポリエチレンの一部が常温(25℃)で結晶構造を形成するものが好ましい。このようなポリエチレン樹脂を含有する樹脂成形体について、示差走査熱量測定(DSC測定)を行うと、124±5℃にポリエチレン結晶の融解に伴う融解ピークがみられる。後述する酸変性ポリエチレン樹脂を用いた場合にも、124±5℃にポリエチレン結晶の融解に伴う融解ピークがみられる。
ポリエチレン樹脂としては、エチレン単独重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体などが挙げられる。このα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、及び1−オクテンの少なくとも1種が好ましい。
エチレン−α−オレフィン共重合体としては、例えば、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体などが挙げられる。これらはランダム共重合体であることが好ましい。
なお、密度もしくは性状等で分類した場合、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMW−PE)のいずれのポリエチレン樹脂を用いてもよい。
ポリエチレン樹脂は、酸変性されたポリエチレン樹脂でもよく、また、酸変性されていないポリエチレン樹脂とともに酸変性されたポリエチレン樹脂を含んでもよい。すなわち、本発明において「ポリエチレン樹脂」という場合、酸変性されたポリエチレン樹脂を含む意味である。
酸変性されたポリエチレン樹脂としては、ポリエチレン樹脂を、例えば、不飽和カルボン酸もしくはその誘導体によりグラフト変性したものが挙げられる。不飽和カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられ、不飽和カルボン酸誘導体としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸グリシジル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、フマル酸ジメチルエステル等が挙げられる。不飽和カルボン酸誘導体としては不飽和カルボン酸無水物が好ましい。これらの不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体のうち、好ましくは無水マレイン酸である。
酸変性ポリエチレン樹脂における酸変性量(カルボン酸又はその誘導体の含有量)は、特に限定しないが、(変性前の)ポリエチレン樹脂に対し、1〜10質量%が好ましく、さらには1〜5質量%が好ましい。
ポリエチレン樹脂のメルトフローレート(MFR)は、好ましくは0.1〜100g/10分であり、より好ましくは1〜10g/10分である。なお、MFRは、特段の断りがない限り、JIS K7210に準拠し、190℃、2.16kg荷重下で10分間あたりに流出するポリマーの質量(g/10分)である。
ポリエチレン樹脂は、その密度が0.92〜0.96g/cmであることが好ましい。
ポリエチレン樹脂を2種以上含む場合、ポリエチレン樹脂の少なくとも一種の密度が0.92〜0.96g/cmであることが好ましい。
−セルロース繊維−
セルロース繊維は、ベース樹脂に比較して高強度、高剛性を有する。このため、セルロース繊維は、ベース樹脂を補強し、樹脂成形体の剛性を高める。
本発明で使用するセルロース繊維は、繊維状のセルロースである。工業的な利用方法が確立されており、入手しやすいため、植物由来のセルロース繊維が好ましく、特に、微細な植物由来のセルロース繊維(粉状パルプ)が好ましい。
パルプは、紙の原料ともなるもので、植物から抽出される仮道管を主成分とする。化学的に見ると、主成分は多糖類であり、その主成分はセルロースである。
植物由来のセルロース繊維は、特に限定されるものではないが、例えば、木材、竹、麻、ジュート、ケナフ、農作物残廃物(例えば、麦や稲などの藁、とうもろこし、綿花などの茎、サトウキビ)、布、再生パルプ、古紙、木粉などの植物に由来のものが挙げられる。本発明では、木材もしくは木材由来のものが好ましく、木粉がより好ましく、クラフトパルプが特に好ましい。
なお、クラフトパルプは、木材もしくは植物原料から、苛性ソーダなどの化学処理によって、リグニン及びヘミセルロースを除去し、純粋に近いセルロースを取り出したパルプの総称であり、セルロース分子を主成分として、ヘミセルロース及びリグニンから構成される。
一般に、植物由来のセルロース繊維は、30〜40分子が束となり、直径約3nm、長さは数百nmから数十μmの超極細幅で高結晶性のミクロフィブリルを形成し、これらが軟質な非結晶部を介しながら束となった構造を形成している。本発明の原料として好ましく使用する粉末状セルロース(粉状パルプ)は、この束状の集合体である。
なお、本発明において、セルロース繊維という場合、上記のミクロフィブリルの束(未解繊の状態)の他に、解繊されて生じたミクロフィブリルの状態を含む意味で用いる。
セルロース繊維の平均繊維径は特に限定されず、用途等によって適宜選択することができる。1〜50μmが好ましく、5〜30μmがより好ましい。
セルロース繊維の平均繊維長は特に限定されず、用途等によって適宜選択することができる。10〜3000μmが好ましく、20〜2500μmがより好ましい。
上記平均繊維径及び平均繊維長は、電子顕微鏡で観察されたセルロース繊維の長手を繊維長、短手を繊維径とし、それらを平均化したものである。
樹脂成形体中に、セルロース繊維が含まれる場合には必ずセルロース結晶が含まれるため、樹脂成形体について広角X線回折測定を行うと、セルロース結晶由来の回折ピークが散乱ベクトルsが3.86±0.1nm−1の位置に観測される。
−無機フィラー−
無機フィラーは、ベース樹脂に比較して高強度、高剛性を有する。このため、無機フィラーは、ベース樹脂を補強し、樹脂成形体の剛性を高める。
本発明で使用する無機フィラーは、特に限定されず、強化樹脂成形体に通常用いられる無機フィラーを特に制限されることなく用いることができる。その表面に、ベース樹脂等と水素結合若しくは共有結合等、又は分子間結合により、化学結合しうる部位を有するものが好ましい。このような無機フィラーとしては、例えば、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等が挙げられる。
無機フィラーの平均粒径は、使用する無機フィラーの種類、目的等により異なるため、特に制限されない。無機フィラーとしてタルクを用いる場合には、タルクの平均粒径は0.1〜50μmが好ましい。無機フィラーの平均粒径は、樹脂成形体を電子顕微鏡で観察し、観察面における無機フィラー粒子の最大長さを粒径とし、50個の粒径の平均値として求めることができる。
−その他の成分−
本発明の樹脂成形体は、上記以外に、酸化防止剤、光安定剤、ラジカル捕捉剤、紫外線吸収剤、着色剤(染料、有機顔料、無機顔料)、充填剤、滑剤、可塑剤、アクリル加工助剤等の加工助剤、発泡剤、パラフィンワックス等の潤滑剤、表面処理剤、結晶核剤、離型剤、加水分解防止剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、防徽剤、イオントラップ剤、難燃剤、難燃助剤等の他の成分を、上記目的を損なわない範囲で適宜含有することができる。
−有機過酸化物−
有機過酸化物は、少なくとも熱分解によりラジカルを発生して、上記架橋構造を形成する反応を生起させる働きをする。有機過酸化物は、強化樹脂成形体等に通常使用されるものを特に制限されずに使用できる。
有機過酸化物は、炭素原子と−O−O−結合を有する化合物であり、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、アシルパーオキサイド、アルキルパーエステル、ジアシルパーオキサイド、モノパーオキシカーボネート、パーオキシジカーボネートが挙げられる。
このうち、本発明では、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、アルキルパーオキシエステル及びモノパーオキシカーボネートが好ましく、特にジアルキルパーオキサイドが好ましい。
有機過酸化物は、以下の具体例が挙げられる。
(1)ケトンパーオキサイド化合物
シクロヘキサノンパーオキサイド、鎖状メチルエチルケトンパーオキサイド等
(2)パーオキシケタール化合物
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、環状メチルエチルケトンパーオキサイド等
(3)ハイドロパーオキサイド化合物
t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド等
(4)ジアルキルパーオキサイド化合物
ジt−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等
(5)アシルパーオキサイド化合物
アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、サクシニックアシッドパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド等
(6)アルキルパーオキシエステル化合物
t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、クミルパーオキシオクトエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシネオヘキサノエート、クミルパーオキシネオヘキサノエート等
(7)ジアシルパーオキサイド化合物
ジアセチルパーオキサイド、ジイソブチリルパーオキサイド、ジオクタノイルパーオキサイド、ジデカノイルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ビス(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ビス(2,4−ジクロロベンゾイル)パーオキサイド、ビス(m−トルオイル)パーオキサイド等
(8)モノパーオキシカーボネート化合物
t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート等
(9)パーオキシジカーボネート化合物
ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−s−ブチルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ビス(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート等
有機過酸化物の1分間半減期温度は、130〜190℃が好ましい。
ここで、有機過酸化物の半減期とは、有機過酸化物が熱によって分解して、その活性酸素量が分解前の量の半分になるまでの時間である。1分間半減期温度は、半減期が1分間になる温度を言う。
有機過酸化物の1分間半減期温度が高すぎると二軸押出機等での温度設定が困難になり、逆に低すぎると有機過酸化物自体が不安定となり、保管中に分解してしまう。
有機過酸化物の1分間半減期温度を上記のような範囲とすることで、通常に行われる二軸押出機で加熱混練が容易となる。
有機過酸化物の1分間半減期温度は、ベンゼン等の比較的不活性な溶剤を使用し、0.1モル/L濃度の有機過酸化物溶液を調整して、熱分解させたときの有機過酸化物濃度の時間変化を測定して求められる(「架橋剤ハンドブック(初版)」大成社発行、第162頁参照)。
有機過酸化物の分解からなるRO・(ラジカル)は、ベース樹脂及びセルロース繊維の水素原子をそれぞれ引き抜き、これらのラジカルを生成する。生成したベース樹脂のラジカルとセルロース繊維のラジカルが結合反応して、ベース樹脂とセルロース間の界面が接着すると推測される。
上記の界面密着反応を、ベース樹脂をポリエチレンとした場合を例にとると、下記の通りである。
Figure 2020105584
ここで、PE−Hはポリエチレンを、Cellulose−Hはセルロース繊維を示し、PE・、Cellulose・は生じたラジカルを示す。
本発明の樹脂成形体によれば、剛性と耐衝撃性とを高いレベルで両立することができる。その理由は、まだ定かではないが、セルロース繊維とベース樹脂とを使用し、特定の融解ピークを示す形態としたことにより、成形体中に運動性の高い領域が形成され、この運動性の高い領域が衝撃を吸収することなどが一因と考えられる。これにより、樹脂成形体において剛性と耐衝撃性とをバランスよく両立できると考えられる。
〈樹脂組成物〉
本発明の樹脂組成物は、上述の樹脂成形体の調製に好適な樹脂組成物であり、広角X線回折測定において散乱ベクトルsが3.86±0.1nm−1の位置に回折ピークを有し、示差走査熱量測定において129℃以下と159℃以上の各領域に少なくとも1つずつ融解ピークを有する樹脂組成物である。
本発明の樹脂組成物は、示差走査熱量測定において124±5℃の範囲及び164±5℃の範囲に融解ピークを少なくとも1つずつ有することが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、その成分として、上述のベース樹脂及びセルロース樹脂を含有することが好ましく、ポリオレフィン樹脂とセルロース繊維を含有することがより好ましく、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、及びセルロース繊維を含有することがさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物は、さらに上述の添加剤や溶媒等を含んでいてもよい。
ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、セルロース繊維、及びその他の添加剤は、上述の樹脂成形体において説明したものと同じであり、好ましい形態も同じである。また、樹脂組成物中の、上記各成分の好ましい含有量についても、上述の樹脂成形体において説明した好ましい含有量と同様である。
本発明の樹脂組成物は、動的粘弾性測定においてtanδのピークを−40±10℃の範囲に有していてもよく、有していなくてもよい。
〈樹脂成形体及び樹脂組成物の製造方法〉
本発明の樹脂組成物の製造方法は、上記各成分を用いて、上記特定の回析ピーク及び融解ピークを有する樹脂組成物となれば、その製造方法は特に限定されない。
本発明の樹脂成形体の製造方法は、上記各成分を用いて、上記特定の、回析ピーク、融解ピーク及びtanδのピークを有する成形体となれば、その製造方法は特に制限されない。
以下、本発明の樹脂組成物及び樹脂成形体の好ましい製造方法の一態様を、ベース樹脂としてポリプロピレン樹脂及びポリエチレン樹脂を用いた場合を例として説明する。ベース樹脂として、これらの樹脂以外の樹脂を使用する場合でも、原料をかえること以外は同様にして製造することができる。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、好ましくは、セルロース繊維と、ポリプロピレン樹脂と、ポリエチレン樹脂とを、溶融混練する工程Aを有する。
工程Aにおいて、上記溶融混練は、有機過酸化物の存在下で行ってもよい。すなわち、本発明の樹脂組成物の製造方法の一態様は、セルロース繊維と、ポリプロピレン樹脂と、ポリエチレン樹脂とを、有機過酸化物の存在下で溶融混練する工程を含む、製造方法である。有機過酸化物の存在下で溶融混練することにより、有機過酸化物から発生したラジカルにより、ベース樹脂間等を架橋反応させて、上述の架橋構造を含む樹脂組成物を得ることができる。
上記溶融混練の際に、ポリエチレン樹脂の一部として酸変性ポリエチレン樹脂を用いることも好ましい。
工程Aにおいて、ポリエチレン樹脂の一部として酸変性ポリエチレン樹脂を用い、さらに有機過酸化物の存在下で、溶融混練を行ってもよい。
工程Aにおいて、上記各原料成分の混合順は特に限定されず、上記成分をどの順で混合してもよい。
例えば、ポリプロピレン樹脂とセルロース繊維とを含有する組成物aを予め調製し、この組成物aと、ポリエチレン樹脂と有機過酸化物とを溶融混練してもよい。また、ポリエチレン樹脂と有機過酸化物とを含有する混合物bを予め調製し、この混合物bとポリプロピレン樹脂とセルロース繊維とを溶融混練してもよい。さらに、ポリエチレン樹脂と有機過酸化物とを溶融混練して反応させた組成物cを予め調製し、この組成物cとポリプロピレン樹脂とセルロース繊維とを溶融混練してもよい。
工程Aにおいて、各原料成分は、樹脂組成物中での各成分の含有量が上述の範囲となる配合量で配合されることが好ましい。
工程Aにおいて、ポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹脂の配合量の比(ポリプロピレン樹脂/ポリエチレン樹脂、質量比)は、95/5〜50/50が好ましく、95/5〜60/40がより好ましく、90/10〜65/35がさらに好ましい。
工程Aにおいて溶融混練を有機過酸化物の存在下で行う態様では、有機過酸化物の配合量は、ベース樹脂100質量部に対して、0.001〜0.1質量部が好ましく、0.005〜0.08質量部がより好ましく、0.005〜0.05質量部がさらに好ましい。
工程Aにおいて溶融混練を有機過酸化物の存在下で行う態様では、ポリエチレン樹脂に対する有機過酸化物の配合量(有機過酸化物/ポリエチレン樹脂、質量比)は、0.01〜0.2が好ましく、0.05〜0.15がより好ましい。
工程Aにおいて溶融混練を有機過酸化物の存在下で行う態様では、溶融混練温度は、有機過酸化物の1分間半減期温度より高い温度であれば特に限定されない。溶融混練温度は、ベース樹脂の高温側の融解ピーク温度(融点、159℃以上)及び有機過酸化物の1分間半減期温度より20℃程度高い温度のうち、高い方の温度(温度A)を指標として決定することが好ましい。例えば、[温度A]〜[温度A+20℃]程度の温度に溶融混練温度を設定することが好ましい。
工程Aにおいて溶融混練を有機過酸化物の存在下で行う態様では、溶融混練温度は、使用する有機過酸化物及びベース樹脂の種類にもよるが、170〜230℃が好ましい。
工程Aにおいて溶融混練を、有機過酸化物を用いずに行う態様では、溶融混練温度は、例えば、使用するベース樹脂の高温側の融点以上の温度に設定することができる。この溶融混練温度は、170〜230℃が好ましく、180〜200℃がより好ましい。
工程Aにおける溶融混練温度は、セルロース繊維の熱分解が少ない温度を上限とすることが望ましい。したがって、上限温度は300℃以下が好ましく、250℃以下がより好ましく、230℃以下がさらに好ましい。
工程Aにおける混練時間は、適宜設定することができる。
溶融混練に用いられる装置としては、有機過酸化物が熱分解する温度、又はベース樹脂の溶融温度で溶融混練が可能なものであれば特に限定されず、例えば、ブレンダー、ニーダー、ミキシングロール、バンバリーミキサー、一軸もしくは二軸の押出機などが挙げられる。二軸押出機が好ましい。
成形時の取扱性の観点から、得られた溶融混練物は、ペレット状に加工することが好ましい。
溶融混練に先立って、各成分を、ドライブレンドしてもよい。
このようにして、本発明の樹脂組成物を得ることができる。
本発明の樹脂成形体は、少なくともポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、及びセルロース繊維を溶融混練し、溶融混練物を目的の形状へと成形する工程を経て製造することが好ましい。溶融混練は、上記樹脂組成物の製造方法における溶融混練(工程A)と同様に行うことができる。成形は、射出成形、押出成形等の通常の成形工程により行うことができる。また、本発明の樹脂組成物を溶融して、溶融物を目的の形状へと成形することにより製造することも好ましい。本発明の樹脂組成物を溶融する場合の溶融温度も、上記溶融混練温度と同様に設定することができる。
特に、溶融混練時の温度及び/又は成形時に用いる溶融物の溶融温度を上記のように調整することにより、上記特定の、回析ピーク、融解ピーク及びtanδのピークを有する成形体を効率よく形成できる傾向にある。
また、上記成形工程において、例えば、射出成形時の成形金型温度を、ベース樹脂の低温側の融解ピーク温度(融点、129℃以下)より50〜90℃低い温度に設定することによっても、上記特定の、回析ピーク、融解ピーク及びtanδのピークを有する成形体を形成することができる。
本発明の樹脂成形体は、以下の製品、部品及び/又は部材等の材料として用いることができる。例えば、輸送機器(自動車、二輪車、列車、及び航空機など)、ロボットアームの構造部材、アミューズメント用ロボット部品、義肢部材、家電材料、OA機器筐体、情報処理機器、携帯端末、建材、ハウス用フィルム、排水設備、トイレタリー製品材料、各種タンク、コンテナー、シート、包装材、玩具、及びスポーツ用品などが挙げられる。
輸送機器用材料として車両用材料が挙げられる。車両用材料としては、例えば、ドアートリム、ピラー、インストルメンタルパネル、コンソール、ロッカーパネル、アームレスト、ドアーインナーパネル、スペアタイヤカバー、ドアノブ、ライト等の内装部品や、バンパー、スポイラー、フェンダー、サイドステップ、ドア・アウターパネル等の外装部品、その他エアインテークダクト、クーラントリザーブタンク、ラジエターリザーブタンク、ウインドウ・ウオッシャータンク、フェンダーライナー、ファン及びプーリーなどの回転部材、ワイヤーハーネスプロテクター等の部品、接続箱またはコネクタ、また、フロント・エンドパネル等の一体成形部品等が挙げられる。
以下に、本発明を実施例に基づいて、さらに詳細に説明するが、これは本発明を制限するものではない。
下記実施例及び比較例において、「部」は特に断らない限り、「質量部」を意味する。
−使用材料−
以下に、使用した材料を示す。
(1)ポリオレフィン樹脂
・高密度ポリエチレン樹脂〔MFR=5g/10分(190℃/2.16kg)、密度=0.953g/cm
・ポリプロピレン樹脂〔MFR=15g/10分(230℃/2.16kg)、密度=0.900g/cm
・無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂〔MFR(190℃/2.16kg)=9.0g/10分〕
(2)セルロース繊維
・B400〔商品名、Rettenmaier社製、平均繊維径20μm、平均繊維長900μm〕
(4)有機過酸化物
・ジアルキルパーオキサイドA〔日油社製、商品名:パーヘキサ25B〕(1分間半減期温度:179.8℃)
(実施例1)
ポリプロピレン樹脂、セルロース繊維、高密度ポリエチレン樹脂、無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂、及び有機過酸化物を、表1に示す量となるように、それぞれ時間当たり供給質量で制御したフィーダーにより、スクリュー径15mm、L/D=45の二軸押出機〔テクノベル社製 KZW15TW−45MG−NH〕のホッパーに投入した。バレル温度は有機過酸化物の1分間半減期温度より20℃高く設定し、スクリュー回転速度は100rpmで、溶融混練してポリオレフィン樹脂組成物を得た。得られたポリオレフィン樹脂組成物をペレット化した。
前記で得られたポリオレフィン樹脂組成物ペレットを80℃で24時間乾燥し、射出成形機〔ファナック社製、商品名:ロボットショット α−S30iA〕(溶融温度200℃)にて、金型温度40℃で成形を行い、JIS−K7139多目的試験片(樹脂成形体)を作製した。
(実施例2〜5)
ポリプロピレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂及び有機過酸化物の配合量をそれぞれ表1に示す配合量に変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリオレフィン樹脂組成物を得、さらに上記試験片を作製した。
(実施例6)
無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂を配合せず、高密度ポリエチレン樹脂の配合量を表1に示す配合量に変更した以外は、実施例4と同様にして、ポリオレフィン樹脂組成物を得、さらに上記試験片を作製した。
(実施例7)
ポリプロピレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂及び有機過酸化物の配合量をそれぞれ表1に示す配合量に変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリオレフィン樹脂組成物を得、さらに上記試験片を作製した。
(比較例1)
ポリプロピレン樹脂を表1に示す配合量とし、高密度ポリエチレン樹脂、無水マレイン酸ポリエチレン樹脂、及び有機過酸化物を配合しない以外は、実施例1と同様にして、ポリオレフィン樹脂組成物を得、さらに上記試験片を作製した。
(比較例2)
無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂及び有機過酸化物を配合せず、高密度ポリエチレン樹脂の配合量を表1に示す配合量に変更した以外は、実施例4と同様にして、ポリオレフィン樹脂組成物を得、さらに上記試験片を作製した。
(動的粘弾性測定)
上記JIS−K7139多目的試験片から幅2mm、厚さ1mm、長さ40mmの試験片を切り出し、動的粘弾性試験に供した。測定装置は、RSA−G2(商品名、TA Instruments社製)であり、測定温度範囲−90℃から150℃までの温度範囲、昇温速度5℃/min、測定周波数は1Hz、つかみ間長を20mmとし、ひずみ0.05%とした。
上記動的粘弾性試験の測定により得られた曲線(縦軸:tanδ−横軸:温度)を用いて、tanδのピークの位置(ピーク温度)を求めた。
また、tanδのピーク値は、上記測定により得られた曲線の−50℃から−30℃の範囲(−40±10℃の範囲)においてtanδが極大となる点の当該tanδの極大値(ピーク高さ)とした。
(示差走査熱量測定)
示差走査熱量測定はTA−60A(商品名、島津製作所社製)を用いて測定を行った。JIS−K7139多目的試験片を5〜10mgに切り出しアルミパンに詰め、上記装置にセットし40℃〜200℃の温度範囲で10℃/minの条件で昇温測定を実施した。得られたDSC曲線を、ソフトウェアTA60(商品名、島津製作所社製)を用いて、設定“指定した範囲”によって融解ピーク温度、及び融解ピークの開始点から終了点の範囲における融解熱量(ピーク面積、ΔHPEとΔHPP)をそれぞれ求めた。融解ピークの2つが明確に区分できないときには、TA60を用いて、1つ目の融解ピーク(融解ピークの頂点が129℃以下の範囲にあるもの、例えばポリエチレンの融解ピーク)の頂点から終了点に向かった立ち上がりと、2つ目の融解ピーク(融解ピークの頂点が159℃以上の範囲にあるもの、例えばポリプロピレンの融解ピーク)の頂点から開始点へ向かった立ち上がりと、の交点を境目としてそれぞれの融解ピークの融解熱量を求めた。
(広角X線回折測定 セルロースの存在確認方法)
D8 DISCOVER(商品名、Bruker AXS社製)を用いて広角X線回折測定により確認を行った。サンプルステージをθ=17.3°傾けた状態でセットした試験片に、CuKα線をφ1.0mmに絞ったピンホールコリメータで照射して得られた回折を、カメラ長10cmに設置した2次元検出器VANTEC500(商品名、Bruker AXS社製)で検出し2次元回折像を得た。得られた2次元回折像をs=1.13〜4.44nm−1、2θ=10〜40°の範囲で方位角方向0〜120°で積分平均化処理を行い、1次元データを得た。1次元データに対して、X線の透過率に合わせて空気散乱を引き算する補正を行った後に、ガウス関数を用いてカーブフィッティングを行い、ポリエチレンおよびポリプロピレン結晶由来の回折成分とセルロース繊維由来の回折成分を分離し、s=3.85〜3.87nm−1の範囲に回折ピークが観測された場合には、成形体中にセルロース繊維が存在しているとした。セルロース繊維の(004)面由来の回折ピークは、通常s=3.85〜3.87nm−1の範囲に表れるためである。
(曲げ弾性率の評価方法)
剛性の指標として、曲げ弾性率を評価した。
上記で作製した多目的試験片の曲げ弾性率(MPa)をJIS K7171に準拠して、万能試験機〔島津製作所社製、商品名:オートグラフAGS−X〕により、試験速度:2mm/minの条件で測定した。
曲げ弾性率が2500MPa以上のものを合格とした。
(耐衝撃性の評価方法)
耐衝撃性の指標として、シャルピー衝撃強さ(衝撃強度)を評価した。
上記で作製した多目的試験片の耐衝撃性として、JIS K7111に準拠して、衝撃試験機〔東洋精機社製、IT型〕によりノッチ付きシャルピー衝撃強さを測定した。
衝撃強さが4.0kJ/m以上のものを合格とした。
Figure 2020105584
表1に示されるように、−40±10℃の範囲にtanδの明確なピークが認められなかった比較例1及び2は、それぞれシャルピー衝撃強さが2.7kJ/m、3.1kJ/mであり、耐衝撃性に劣っていた。
これに対し、セルロース繊維を含有し、上記特定の2つの融解ピークを有し、tanδのピークを特定の温度範囲に有する実施例1〜7は、いずれも、曲げ弾性率に優れ十分に高い剛性を有し、かつシャルピー衝撃強さが4.0kJ/mを超える値を示した。すなわち、剛性と耐衝撃性の両特性の両立を高度なレベルで実現したものであった。実施例1〜7では、ベース樹脂としてポリプロピレン樹脂だけを用いた比較例1に対し、曲げ弾性率を85%以上維持し、かつシャルピー衝撃強さを150%以上にまで向上させることができている。
本発明をその実施態様とともに説明したが、我々は特に指定しない限り我々の発明を説明のどの細部においても限定しようとするものではなく、添付の請求の範囲に示した発明の精神と範囲に反することなく幅広く解釈されるべきであると考える。
本願は、2018年11月20日に日本国で特許出願された特願2018−217610に基づく優先権を主張するものであり、これはここに参照してその内容を本明細書の記載の一部として取り込む。

Claims (5)

  1. 広角X線回折測定において散乱ベクトルsが3.86±0.1nm−1の位置に回折ピークを有し、示差走査熱量測定において129℃以下と159℃以上の各領域に少なくとも1つずつ融解ピークを有し、かつ動的粘弾性測定においてtanδのピークが−40±10℃の範囲に観測される樹脂成形体。
  2. 示差走査熱量測定の159℃以上の領域に融解ピークを持つ成分の融解熱量(ΔHPP)に対する、129℃以下の領域に融解ピークを持つ成分の融解熱量(ΔHPE)の割合([ΔHPE/ΔHPP]×100)が、5%を超えて250%未満である、請求項1に記載の樹脂成形体。
  3. 前記tanδのピーク値が0.03〜0.05である請求項1又は2に記載の樹脂成形体。
  4. 前記示差走査熱量測定において、124±5℃の範囲及び164±5℃の範囲に融解ピークを少なくとも1つずつ有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂成形体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂成形体の調製に用いる樹脂組成物であって、広角X線回折測定において散乱ベクトルsが3.86±0.1nm−1の位置に回折ピークを有し、示差走査熱量測定において129℃以下と159℃以上の各領域に少なくとも1つずつ融解ピークを有する樹脂組成物。
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