JPWO2019203320A1 - 組成物および物品 - Google Patents

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Abstract

耐摩擦性および保護フィルムとの密着性に優れた表面層を形成できる組成物および物品の提供。R11−(OX)m−Y−Z(R12)q(R13)r−qで表される化合物1、および、(OX2)で表される単位を含むポリ(オキシフルオロアルキレン)鎖と−Si(R2)n2L23−n2とを有する化合物2からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と、(OX3)m3で表される単位を含むポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖と、2個以上の−Si(R3)n3L33−n3とを有し、式21で表される繰り返し単位を含まない化合物3とを含む、組成物。R11はフルオロアルキル基、Xはフッ素原子を有するアルキレン基、mは0〜4、Yは単結合または2価の連結基、X2は水素原子を有するフルオロアルキレン基、X3はペルフルオロアルキレン基、m3は5以上、−Z(R12)q(R13)r−q、−Si(R2)n2L23−n2、−Si(R3)n3L33−n3は加水分解性基を有する基である。

Description

本発明は、耐摩擦性、密着性に優れた表面層を形成できる組成物および物品に関する。
含フッ素化合物は、高い潤滑性、撥水撥油性等を示すため、表面処理剤に好適に用いられる。表面処理剤によって基材の表面に撥水撥油性を付与すると、基材の表面の汚れを拭き取りやすくなり、汚れの除去性が向上する。上記含フッ素化合物の中でも、ペルフルオロアルキレン鎖の途中にエーテル結合(−O−)が存在するポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖を有する含フッ素エーテル化合物は、柔軟性に優れる化合物であり、特に油脂等の汚れの除去性に優れる。
上記含フッ素エーテル化合物を含む表面処理剤は、指で繰り返し摩擦されても撥水撥油性が低下しにくい性能(耐摩擦性)および拭き取りによって表面に付着した指紋を容易に除去できる性能(指紋汚れ除去性)が長時間維持されるのが求められる用途、たとえば、タッチパネルの指で触れる面を構成する部材の表面処理剤として用いられる。
上記含フッ素エーテル化合物としては、ポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖を有し、末端に加水分解性シリル基を有する化合物が広く用いられている。このような化合物の中でも、特許文献1には、加水分解性シリル基を複数有する含フッ素エール化合物が好ましいことが示されている。
日本特開2016−037541号公報
上記表面処理剤を用いて基材上に表面層を形成した後、表面層が形成された基材を次工程で使用するまでの間、表面層が形成された基材を保護するために、剥離可能な保護フィルムを表面層上に貼着する場合がある。
ここで、特許文献1に記載の加水分解性シリル基を複数有する含フッ素エーテル化合物を含む表面処理剤は、耐摩擦性に優れた表面層を形成できる。しかしながら、表面層と保護フィルムとの密着性が不充分であるため、表面層が形成された基材の保存時や運搬時に、保護フィルムが表面層から剥離する場合や、保護フィルムと表面層との間に生じた隙間にゴミが入り込む場合があった。
本発明は、上記課題に鑑みて、耐摩擦性および保護フィルムとの密着性に優れた表面層を形成できる組成物および物品の提供を目的とする。
本発明は、上記目的を達成するものであり、下記の態様を有するものである。
[1]式1で表される化合物1、および、式21で表される繰り返し単位を含むポリ(オキシフルオロアルキレン)鎖と式22で表される基とを有する化合物2からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と、
式31で表される繰り返し単位を含むポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖と、2個以上の式32で表される基とを有し、式21で表される繰り返し単位を含まない化合物3と、を含む、組成物。
11−(OX)−Y−Z(R12(R13r−q 式1
ただし、式1中、
11は、フルオロアルキル基である。
Xは、1個以上のフッ素原子を有する炭素数1以上のフルオロアルキレン基である。
mは、0〜4の整数である。
Yは、−O−、−C(O)N(R14)−もしくは−C(O)−を有していてもよいアルキレン基、単結合、−O−、−C(O)N(R14)−または−C(O)−である。上記−O−、−C(O)N(R14)−または−C(O)−を有していてもよいアルキレン基は、フッ素原子を有していてもよい。ただし、上記Yが−OCF−を含むアルキレン基である場合、上記アルキレン基中の−OCF−の数は1個である。
14は、水素原子またはアルキル基である。
Zは、炭素原子、ケイ素原子または窒素原子である。
12は、水素原子、水酸基またはアルキル基である。
13は、−L−Si(Rn13−n1である。Rは、1価の炭化水素基である。Lは、加水分解性基または水酸基である。n1は、0〜2の整数である。Lは、−O−を有していてもよいアルキレン基である。
Zが炭素原子またはケイ素原子の場合、rは3であり、qは0〜1の整数である。Zが窒素原子の場合、rは2であり、qは0である。
(OX) 式21
−Si(Rn2 3−n2 式22
ただし、式21および式22中、
は、1個以上の水素原子を有するフルオロアルキレン基である。
は、1価の炭化水素基である。
は、加水分解性基または水酸基である。
n2は、0〜2の整数である。
(OXm3 式31
−Si(Rn3 3−n3 式32
ただし、式31および式32中、
は、ペルフルオロアルキレン基である。
m3は、5以上の整数である。
は、1価の炭化水素基である。
は、加水分解性基または水酸基である。n3は、0〜2の整数である。
[2]上記式(1)におけるmが0または1である、[1]に記載の組成物。
[3]上記化合物2が式2で表される化合物である、[1]または[2]に記載の組成物。
21−[(OXm2(OX21m20]−Y−Z(R22q2(R23r2−q2 式2
ただし、式2中、
21は、フッ素原子を有していてもよいアルキル基、または、−Y−Z(R22q2(R23r2−q2である。
は、1個以上の水素原子を有するフルオロアルキレン基である。
21は、ペルフルオロアルキレン基である。
は、単結合または2価の連結基である。
は、炭素原子、ケイ素原子または窒素原子である。
22は、水素原子、水酸基またはアルキル基である。
23は、−L21−Si(Rn2 3−n2である。L21は、−O−を有していてもよいアルキレン基である。Rは、1価の炭化水素基である。Lは、加水分解性基または水酸基である。n2は、0〜2の整数である。
m2は2以上の整数であり、m20は0以上の整数であり、m2+m20は5以上の整数である。
が炭素原子またはケイ素原子の場合、r2は3であり、q2は0〜2の整数である。Zが窒素原子の場合、r2は2であり、q2は0〜1の整数である。
[4]上記化合物3が式3で表される化合物である、[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
[A−(OXm3−][−Si(Rn3 3−n3 式3
ただし、式中、
Aは、ペルフルオロアルキル基または−Q[−Si(Rn3 3−n3である。
Qは、(k+1)価の連結基である。
kは1〜10の整数である。
は、1価の炭化水素基である。
は、加水分解性基または水酸基である。n3は、0〜2の整数である。
は、ペルフルオロアルキレン基である。
m3は、5以上の整数である。
は、(j+g)価の連結基である。
jは、1以上の整数である。
gは、1以上の整数である。ただし、Aがペルフルオロアルキル基の場合、gは、2以上の整数であり、Aが−Q[−Si(Rn3 3−n3の場合、g+kは、2以上の整数である。
[5]前記化合物1および化合物2からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と、化合物3と、の数平均分子量の差が0〜3,000である、[1]〜[4]のいずれかに記載の組成物。
[6]上記化合物1および上記化合物2の含有量の合計に対する、上記化合物3の含有量が、質量比で0.1〜4である、[1]〜[5]のいずれかに記載の組成物。
[7]フッ素系有機溶媒、非フッ素系有機溶媒、または水を含む液状媒体を含む、[1]〜[6]のいずれかに記載の組成物。
[8]基材と、上記基材上に、[1]〜[7]のいずれかに記載の組成物から形成されてなる表面層と、を有することを特徴とする物品。
[9]前記組成物からドライコーティング法により形成されてなる、[8]に記載の物品。
[10]前記基材が、金属、樹脂、ガラス、サファイア、セラミック、石、または、これらの複合材料である、[8]または[9]に記載の物品。
[11]前記表面層の膜厚が、1〜100nmである、[8]〜[10]のいずれかに記載の物品。
[12]前記表面層の表面に保護フィルムが貼着されている、[8]〜[11]のいずれかに記載の物品。
本発明によれば、耐摩擦性を有し、基材や、保護フィルムとの密着性に優れた表面層を形成できる組成物、および物品を提供できる。
本明細書における用語の意味及び記載の仕方は下記のとおりである。
「式21で表される繰り返し単位」を単位21と記す。他の式で表される繰り返し単位もこれに準じて記す。
「式22で表される基」を基22と記す。他の式で表される基もこれに準じて記す。
「アルキレン基がA基を有していてもよい」という場合、アルキレン基は、アルキレン基中の炭素−炭素原子間にA基を有していてもよいし、アルキレン基−A基−のように末端にA基を有していてもよい。
「2価のオルガノポリシロキサン残基」とは、下式で表される基である。下式におけるRは、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、または、フェニル基である。また、g1は、1以上の整数であり、1〜9の整数が好ましく、1〜4の整数が特に好ましい。
Figure 2019203320
「シルフェニレン骨格基」とは、−Si(RPhSi(R−(ただし、Phはフェニレン基であり、Rは1価の有機基である。)で表される基である。Rとしては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10)が好ましい。
「ジアルキルシリレン基」は、−Si(R−(ただし、Rはアルキル基(好ましくは炭素数1〜10)である。)で表される基である。
「表面層」とは、基材上に形成される層を意味する。なお、表面層は、基材上に直接形成されてもよいし、基材の表面に形成された他の層を介して基材上に形成されてもよい。
「数平均分子量(以下、Mnともいう。)」は、H−NMRおよび19F−NMRによって、末端基を基準にしてオキシフルオロアルキレン基の数(平均値)を求めることによって算出される。
加水分解性シリル基は、加水分解反応によりSi−OHで表されるシラノール基となる基を意味する。シラノール基は、シラノール基間で反応してSi−O−Si結合を形成する。また、シラノール基は、基材の表面の水酸基(基材−OH)と脱水縮合反応して、化学結合(基材−O−Si)を形成できると考えられる。加水分解性シリル基は、たとえば化合物1における−Si(Rn13−n1である。
〔組成物〕
本発明の組成物(以下、「本組成物」ともいう。)は、式1で表される化合物1、および、単位21を含むポリ(オキシフルオロアルキレン)鎖と基22とを有する化合物2からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と、単位31を含むポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖と2個以上の基32とを有し、単位21を含まない化合物3と、を含む。
本組成物を用いて形成される表面層は、耐摩擦性に優れる。この理由としては、基32を2個以上有する化合物3を用いることで、本組成物と基材との反応点が増加して、表面層と基材との密着性が良好になったためと推測される。
また、本組成物を用いて形成される表面層は、保護フィルムとの密着性に優れる。この理由としては、化合物1における(OX)で表されるオキシフルオロアルキレン鎖の繰り返し単位数(m)が0〜4と少ないことで、保護フィルムが有する粘着剤との親和性が向上したためと考えられる。また、化合物2が水素原子を有する単位21を含むポリ(オキシフルオロアルキレン)鎖を有することで、水素原子を有しないポリ(オキシフルオロアルキレン)鎖を用いた場合と比較して、表面張力が増大したためと考えられる。
保護フィルムとしては、粘着剤付き樹脂フィルムが挙げられる。粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤またはシリコーン系粘着剤が挙げられ、剥離しやすい観点からアクリル系粘着剤が好ましい。樹脂フィルムとしては、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエステルフィルムまたはポリウレタンフィルムが挙げられる。剥離しやすい観点からポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルムまたはポリプロピレンフィルムが好ましい。
(化合物1)
化合物1は、式1で表される。
11−(OX)−Y−Z(R12(R13r−q 式1
11は、フルオロアルキル基(1個以上のフッ素原子を有するアルキル基)であり、ペルフルオロアルキル基であることが好ましい。
フルオロアルキル基中の炭素数は、表面層の耐候性および耐食性がより優れる点から、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜6がさらに好ましく、1〜3が特に好ましい。フルオロアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状および環状のいずれでもよい。
Xは、1個以上のフッ素原子を有する炭素数1以上のフルオロアルキレン基である。
フルオロアルキレン基の炭素数は、1以上であり、表面層の耐候性および耐食性がより優れる点から、2以上が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜3が特に好ましい。
フルオロアルキレン基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよいが、本発明の効果がより優れる点から、直鎖状が好ましい。
フルオロアルキレン基は、フッ素原子を1個以上有する。フルオロアルキレン基のフッ素原子の数は、表面層の耐食性がより優れる点から、2〜10個が好ましく、2〜4個が特に好ましい。
フルオロアルキレン基は、フルオロアルキレン基中の全ての水素原子がフッ素原子に置換された基(ペルフルオロアルキレン基)であってもよい。
(OX)の具体例としては、OCHF、OCF、OCHFCF、OCFCF、OCF(CF)CFが挙げられる。
mは、0〜4の整数であり、保護フィルムに対する表面層の密着性と表面層の耐摩擦性とのバランスに優れる点で、0〜3が好ましく、0または1がより好ましい。
mが0の場合、(OX)は単結合である。
なお、mが2以上の場合、複数のOXは同一であっても異なっていてもよい。つまり、(OX)は、異なる2種以上のOXから構成されていてもよい。2種以上の(OX)の結合順序は限定されず、ランダム、交互、ブロックに配置されてもよい。
Yは、−O−、−C(O)N(R14)−もしくは−C(O)−を有していてもよいアルキレン基、単結合、−O−、−C(O)N(R14)−または−C(O)−である。
アルキレン基が−O−、−C(O)N(R14)−または−C(O)−を有する場合、炭素−炭素原子間および(OX)側の末端の少なくとも一方にこれらの基を有することが好ましい。
アルキレン基は、−O−、−C(O)N(R14)−および−C(O)−からなる群から選択される基を複数有していてもよい。アルキレン基が−O−、−C(O)N(R14)−および−C(O)−からなる群から選択される基を複数有する場合、炭素−炭素原子間および(OX)側の末端の両方にこれらの基を有することが好ましい。
−O−、−C(O)N(R14)−または−C(O)−を有していてもよいアルキレン基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜6が特に好ましい。
−O−、−C(O)N(R14)−または−C(O)−を有していてもよいアルキレン基は、フッ素原子を有していてもよい。つまり、アルキレン基中の水素原子が、フッ素原子で置換されていてもよい。
14は、水素原子またはアルキル基(好ましくは炭素数1〜10)である。
ここで、Yが−OCF−を含むアルキレン基である場合、上記アルキレン基中の−OCF−の数は1個である。たとえば、−OCF−で表されるアルキレン基、−OCFCHOCHCHCH−で表されるアルキレン基および−OCFC(O)NHCH−で表されるアルキレン基はいずれも、−OCF−の数が1個であり、Yの定義を満たす。これに対して、−OCFOCF−で表されるアルキレン基および−OCFOCFOCF−で表されるアルキレン基等、−OCF−の数が2個以上のアルキレン基は、Yの定義を満たさない。
−O−、−C(O)N(R)−または−C(O)−を有していてもよいアルキレン基の具体例としては、−CHCH−、−C(O)NHCH−、−C(O)N(CH)CH−、−OCFC(O)NHCH−、−OCH−、−OCF−、−CHOCHCHCH−、OCFCHOCHCHCH−、−CHCHOCHCHCH−が挙げられる。
Zは、炭素原子、窒素原子またはケイ素原子である。
Zが炭素原子またはケイ素原子の場合、rは3であり、qは0〜1の整数(好ましくは0)である。Zが窒素原子の場合、rは2であり、qは0である。
12は、水素原子、水酸基またはアルキル基である。
アルキル基の炭素数は、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましく、1が特に好ましい。
13は、−L−Si(Rn13−n1である。
は、−O−を有していてもよいアルキレン基である。
アルキレン基が−O−を有する場合、炭素−炭素原子間またはZ側の末端に−O−を有することが好ましい。
の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4が特に好ましい。
13が1分子中に複数ある場合、複数あるR13は、同じであっても異なっていてもよい。原料の入手容易性や化合物1の製造容易性の点からは、互いに同じであることが好ましい。
は、1価の炭化水素基であり、1価の飽和炭化水素基が好ましい。Rの炭素数は、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましく、1または2が特に好ましい。
Lは、加水分解性基または水酸基である。すなわち、Lが加水分解性基である場合、Si−Lで表される基は加水分解性シリル基である。
Lの具体例としては、アルコキシ基、ハロゲン原子、アシル基、イソシアナート基(−NCO)が挙げられる。アルコキシ基としては、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましい。ハロゲン原子としては、塩素原子が好ましい。
Lとしては、化合物1の製造がより容易である点から、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲン原子が好ましい。Lとしては、塗布時のアウトガスが少なく、化合物1の保存安定性がより優れる点から、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、化合物1の長期の保存安定性が必要な場合にはエトキシ基が特に好ましく、塗布後の反応時間を短時間とする場合にはメトキシ基が特に好ましい。
n1は、0〜2の整数である。
n1は、0または1が好ましく、0が特に好ましい。Lが複数存在することによって、表面層の基材への密着性がより強固になる。
n1が1以下である場合、1分子中に存在する複数のLは同じであっても異なっていてもよい。原料の入手容易性や化合物1の製造容易性の点からは、互いに同じであることが好ましい。
化合物1の具体例としては、以下の例示1〜48が挙げられる。
Figure 2019203320
Figure 2019203320
化合物1は、公知の製造方法によって製造できる。たとえば、化合物1は、式1Aで表される化合物をHSi(Rn13−n1(R、L、n1の定義は上述の通りである。)とヒドロシリル化反応させることによって製造できる。
11−(OX)−Y−Z(R12(L1A−CH=CHr−q 式1A
式中、R11、X、m、Y、Z、R12、q、rの定義は上述の通りであり、L1Aは−O−を有していてもよいアルキレン基、単結合または−O−であり、L1A−CH=CHがヒドロシリル化されると化合物1のLになる。式1Aで表される化合物は、たとえばYが−C(O)NHCH−の場合、R11−OH(R11の定義は上述の通りである。)を原料として公知の方法でR11−(OX)−C(O)OR1B(R1Bは炭素数1〜6のアルキル基。)を得て、NH−CH−Z(R12(L1A−CH=CHr−qと反応させて製造できる。
(化合物2)
化合物2は、単位21を含むポリ(オキシフルオロアルキレン)鎖を有する。
(OX) 式21
は、1個以上の水素原子を有するフルオロアルキレン基である。
フルオロアルキレン基の炭素数は、1〜6が好ましく、2〜4が特に好ましい。
フルオロアルキレン基が有する水素原子は、1個以上であり、保護フィルムに対する表面層の密着性と表面層の耐摩擦性とのバランスに優れる点で、1〜3個が好ましく、1または2個が特に好ましい。
フルオロアルキレン基は、1個以上のフッ素原子を有する。フルオロアルキレン基が有するフッ素原子は、1個以上であり、保護フィルムに対する表面層の密着性と表面層の耐摩擦性とのバランスに優れる点で、1〜11個が好ましく、2〜7個が特に好ましい。
は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、表面層の耐摩擦性がより優れる点から直鎖状が好ましい。
単位21の具体例としては、OCHF、−OCFCHF−、−OCHFCF−、−OCFCH−、−OCHCF−、−OCFCFCHF−、−OCHFCFCF−、−OCFCFCH−、−OCHCFCF−、−OCFCFCFCH−、−OCHCFCFCF−、−OCFCFCFCFCH−、−OCHCFCFCFCF−、−OCFCFCFCFCFCH−、−OCHCFCFCFCFCF−が挙げられる。
ポリ(オキシフルオロアルキレン)鎖中に含まれる単位21の繰り返し数m2は、2以上の整数が好ましく、2〜200の整数がより好ましく、5〜150の整数がさらに好ましく、5〜100の整数が特に好ましく、10〜50の整数が最も好ましい。
ポリ(オキシフルオロアルキレン)鎖は、1種のみの単位21を含んでいてもよく、2種以上の単位21を含んでいてもよい。
2種以上の単位21としては、たとえば、炭素数の異なる2種以上の単位21、水素原子の数が異なる2種以上の単位21、炭素数が同じであっても側鎖の有無や側鎖の種類が異なる2種以上の単位21が挙げられる。
2種以上の単位21の結合順序は限定されず、ランダム、交互、ブロックに配置されてもよい。
ポリ(オキシフルオロアルキレン)鎖が有する(OXm2としては、(OCHF)m21(OCma(4−ma)m22(OCmb(6−mb)m23(OCmc(8−mc)m24(OCmd(10−md)m25(OCme(12−me)m26が好ましい。
maは1〜3の整数であり、mbは1〜5の整数であり、mcは1〜7の整数であり、mdは1〜9の整数であり、meは1〜11の整数である。
m21、m22、m23、m24、m25およびm26は、それぞれ独立に、0以上の整数であり、100以下が好ましい。
m21+m22+m23+m24+m25+m26は2以上の整数であり、2〜200の整数がより好ましく、5〜150の整数がより好ましく、5〜100の整数がさらに好ましく、10〜50の整数が特に好ましい。
なかでも、化合物2の非フッ素系有機溶媒に対する溶解性がより優れる点で、m22は1以上の整数が好ましく、2〜200の整数が特に好ましい。
また、Cmb(6−mb)、Cmc(8−mc)、Cmd(10−md)およびCme(12−me)は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、表面層の耐摩擦性がより優れる点から直鎖状が好ましい。
なお、m21個の(OCHF)、m22個の(OCma(4−ma))、m23個の(OCmb(6−mb))、m24個の(OCmc(8−mc))、m25個の(OCmd(10−md))、m26個の(OCme(12−me))の結合順序は限定されない。
m21が2以上の場合、複数の(OCHF)は同一であっても異なっていてもよい。
m22が2以上の場合、複数の(OCma(4−ma))は同一であっても異なっていてもよい。
m23が2以上の場合、複数の(OCmb(6−mb))は同一であっても異なっていてもよい。
m24が2以上の場合、複数の(OCmc(8−mc))は同一であっても異なっていてもよい。
m25が2以上の場合、複数の(OCmd(10−md))は同一であっても異なっていてもよい。
m26が2以上の場合、複数の(OCme(12−me))は同一であっても異なっていてもよい。
なかでも、化合物2の非フッ素系有機溶媒に対する溶解性がより優れる点で、ポリ(オキシフルオロアルキレン)鎖が有する(OXm2としては、以下の(1)〜(4)が好ましい。
(1)(OCma(4−ma)m22(OCmb(6−mb)m23
(2)(OCma(4−ma)m22(OCmc(8−mc)m24
(3)(OCma(4−ma)m22(OCmd(10−md)m25
(4)(OCma(4−ma)m22(OCme(12−me)m26
上記(1)は、m21、m24、m25およびm26が0の態様に該当し、m22+m23は2以上の整数である。上記(2)は、m21、m23、m25およびm26が0の態様に該当し、m22+m24は2以上の整数である。上記(3)は、m21、m23、m24およびm26が0の態様に該当し、m22+m25は2以上の整数である。上記(4)は、m21、m23、m24およびm25が0の態様に該当し、m22+m26は2以上の整数である。
ポリ(オキシフルオロアルキレン)鎖は、単位21以外に、さらにオキシペルフルオロアルキレン単位を含んでいてもよい。
具体的には、ポリ(オキシフルオロアルキレン)鎖は、単位23を含んでいてもよい。
(OX21) 式23
21は、ペルフルオロアルキレン基である。ペルフルオロアルキレン基の炭素数は、1〜6が好ましい。
ペルフルオロアルキレン基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、表面層の耐摩擦性がより優れる点から直鎖状が好ましい。
ポリ(オキシフルオロアルキレン)鎖は、1種のみの単位23を含んでいてもよく、2種以上の単位23を含んでいてもよい。
2種以上の単位23としては、たとえば、炭素数の異なる2種以上の単位23、炭素数が同じであっても側鎖の有無や側鎖の種類が異なる2種以上の単位23が挙げられる。
単位23の具体例としては、−OCF−、−OCFCF−、−OCFCFCF−、−OCF(CF)CF−、−OCFCFCFCF−、−OCF(CF)CFCF−、−OCFCFCFCFCF−、−OCFCFCFCFCFCF−が挙げられる。
ポリ(オキシフルオロアルキレン)鎖中に含まれる単位23の繰り返し数m20は、0以上の整数であり、0〜200の整数が好ましく、0〜50の整数がより好ましく、0〜10の整数がさらに好ましく、0〜2の整数が特に好ましい。
ポリ(オキシフルオロアルキレン)鎖が、単位21および単位23を含む場合、単位21と単位23との結合順序は限定されない。たとえば、単位21と単位23とは、ランダム、交互、ブロックに配置されてもよい。
ポリ(オキシフルオロアルキレン)鎖が、単位21のm2個と単位23のm20個を含む場合、m2+m20は、5以上の整数であり、5〜400の整数が好ましく、5〜200の整数がより好ましく、5〜120の整数がさらに好ましく、10〜52の整数が特に好ましい。
化合物2は、基22を有する。
−Si(Rn2 3−n2 式22
化合物2が有する基22の数は、1個以上であり、表面層の耐摩擦性がより優れる点で、2個以上が好ましく、2〜10個がより好ましく、2〜5個がさらに好ましく、2または3個が特に好ましい。
基22が1分子中に複数ある場合、複数ある基22は、同じであっても異なっていてもよい。原料の入手容易性や化合物2の製造容易性の点からは、互いに同じであることが好ましい。
は、1価の炭化水素基であり、1価の飽和炭化水素基が好ましい。Rの炭素数は、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましく、1または2が特に好ましい。
は、加水分解性基または水酸基である。すなわち、Lが加水分解性基である場合、Si−Lで表される基は加水分解性シリル基である。
の具体例としては、アルコキシ基、ハロゲン原子、アシル基、イソシアナート基(−NCO)が挙げられる。アルコキシ基としては、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましい。ハロゲン原子としては、塩素原子が好ましい。
としては、化合物2の製造がより容易である点から、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲン原子が好ましい。Lとしては、塗布時のアウトガスが少なく、化合物2の保存安定性がより優れる点から、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、化合物2の長期の保存安定性が必要な場合にはエトキシ基が特に好ましく、塗布後の反応時間を短時間とする場合にはメトキシ基が特に好ましい。
n2は、0〜2の整数である。
n2は、0または1が好ましく、0が特に好ましい。Lが複数存在することによって、表面層の基材への密着性がより強固になる。
n2が1以下である場合、1分子中に存在する複数のLは同じであっても異なっていてもよい。原料の入手容易性や化合物2の製造容易性の点からは、互いに同じであることが好ましい。n2が2である場合、1分子中に存在する複数のRは同じであっても異なっていてもよい。原料の入手容易性や化合物2の製造容易性の点からは、互いに同じであることが好ましい。
なお、化合物1および化合物2の両方に該当する化合物は、化合物1または化合物2の一方のみに該当するとして取り扱う。
化合物2としては、化合物2の保護フィルムに対する表面層の密着性および表面層の耐摩擦性により優れる点で、式2で表される化合物が好ましい。
21−[(OXm2(OX21m20]−Y−Z(R22q2(R23r2−q2 式2
21は、フッ素原子を有していてもよいアルキル基、または、−Y−Z(R22q2(R23r2−q2である。なお、Y、Z、R、R23、r2およびq2の定義は、後述する通りである。
フッ素原子を有していてもよいアルキル基中の炭素数は、保護フィルムに対する表面層の密着性および表面層の耐摩擦性により優れる点で、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜6がさらに好ましく、1〜3が特に好ましい。
フッ素原子を有していてもよいアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、表面層の耐摩擦性がより優れる点から直鎖状が好ましい。
フッ素原子を有していてもよいアルキル基は、アルキル基中の全ての水素原子がフッ素原子に置換された基(ペルフルオロアルキル基)であってもよい。
フッ素原子を有していてもよいアルキル基の具体例としては、CH−、CF−、CFCH−、CFCF−、CFCFCF−、(CFCH−、CFCFCFCFCHCH−、CFCFCFCFCFCFCHCH−が挙げられる。
[(OXm2(OX21m20]で表される基は、ポリ(オキシフルオロアルキレン)鎖である。
、X21、m2およびm20の定義は、上述した通りである。ただし、式2におけるm2+m20は、5以上の整数であり、5〜400の整数が好ましく、5〜200の整数がより好ましく、5〜120の整数がさらに好ましく、10〜52の整数が特に好ましい。
[(OXm2(OX21m20]において、(OX)と(OX21)との結合順序は限定されない。たとえば、(OX)と(OX21)とは、ランダム、交互、ブロックに配置されてもよい。
また、複数の(OX)は、同一であっても異なっていてもよい。つまり、(OXm2は、Xが異なる2種以上の(OX)から構成されていてもよい。2種以上の(OX)の結合順序は限定されず、ランダム、交互、ブロックに配置されてもよい。
さらに、m20が2以上の場合、複数の(OX21)は、同一であっても異なっていてもよい。つまり、(OX21m20は、X21が異なる2種以上の(OX21)から構成されていてもよい。2種以上の(OX21)の結合順序は限定されず、ランダム、交互、ブロックに配置されてもよい。
[(OXm2(OX21m20]で表される基としては、[(OCHF)m21(OCma(4−ma)m22(OCmb(6−mb)m23(OCmc(8−mc)m24(OCmd(10−md)m25(OCme(12−me)m26(OX21m20]が好ましい。
m21、m22、m23、m24、m25、m26、ma、mb、mc、mdおよびmeの定義は、上述した通りである。
は、単結合または2価の連結基である。
2価の連結基としては、たとえば、2価の炭化水素基(2価の飽和炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基、アルケニレン基、アルキニレン基であってもよい。2価の飽和炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状または環状であってもよく、たとえば、アルキレン基が挙げられる。炭素数は1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜6が特に好ましい。また、2価の芳香族炭化水素基は、炭素数5〜20が好ましく、たとえば、フェニレン基が挙げられる。それ以外にも、炭素数2〜20のアルケニレン基、炭素数2〜20のアルキニレン基であってもよい。)、2価の複素環基、−O−、−S−、−SO−、−N(R24)−、−C(O)−、−Si(R25−およびこれらを2種以上組み合わせた基が挙げられる。R24は、水素原子またはアルキル基(好ましくは炭素数1〜10)である。R25は、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10)またはフェニル基である。
なお、上記これらを2種以上組み合わせた基としては、たとえば、−C(O)N(R24)−、−C(O)N(R24)−アルキレン基−、−O−アルキレン基−、−OC(O)−が挙げられる。
なかでも、化合物2の合成がより容易である点から、Yは、単結合、−O−、−C(O)−、−C(O)N(R24)−、−C(O)N(R24)−アルキレン基−、−O−アルキレン基−が好ましい。
は、炭素原子、窒素原子またはケイ素原子である。
22は、水素原子、水酸基またはアルキル基である。
アルキル基の炭素数は、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましく、1が特に好ましい。
q2が2の場合、2個あるR22は、同じであっても異なっていてもよい。原料の入手容易性や式2で表される化合物の製造容易性の点からは、互いに同じであることが好ましい。
23は、−L21−Si(Rn2 3−n2である。
、Lおよびn2の定義は、上述した通りである。
21は、−O−を有していてもよいアルキレン基である。
アルキレン基が−O−を有する場合、炭素−炭素原子間またはZ側の末端に−O−を有することが好ましい。
21の炭素数は1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4が特に好ましい。
が炭素原子またはケイ素原子の場合、r2は3であり、q2は0〜2の整数である。Zが窒素原子の場合、r2は2であり、q2は0〜1の整数である。
23が1分子中に複数ある場合、複数あるR23は、同じであっても異なっていてもよい。原料の入手容易性や化合物2の製造容易性の点からは、互いに同じであることが好ましい。
化合物2としては、化合物2の保護フィルムに対する表面層の密着性および表面層の耐摩擦性により優れる点で、式20で表される化合物が好ましい。
21−[(OCHF)m21(OCma(4−ma)m22(OCmb(6−mb)m23(OCmc(8−mc)m24(OCmd(10−md)m25(OCme(12−me)m26(OX21m20]−Y−Z(R22q2(R23r2−q2 式20
各基の定義は、上述した通りである。
化合物2の具体例としては、以下の例示1〜68が挙げられる。以下の表中、tは1以上の整数を表す。tは50以下の整数が好ましい。
Figure 2019203320
Figure 2019203320
Figure 2019203320
Figure 2019203320
Figure 2019203320
化合物2は、公知の製造方法によって製造できる。たとえば、化合物2の一態様である式2で表される化合物は、式2Aで表される化合物をHSi(Rn2 3−n2(R、L、n2の定義は上述の通りである。)とヒドロシリル化反応させることによって、製造できる。
21A−[(OXm2(OX21m20]−Y−Z(R22q2(L2A−CH=CHr2−q2 式2A
式中、X、X21、Y、Z、R22、m2、m20、q2、r2の定義は上述の通りであり、R21Aはフッ素原子を有してもよいアルキル基、または−Y−Z(R22q2(L2A−CH=CHr2−q2であり、L2Aは−O−を有していてもよいアルキレン基、単結合または−O−であり、L2A−CH=CHがヒドロシリル化されると式2で表される化合物のLになる。式2Aで表される化合物は、たとえばYが−C(O)NHCH−の場合、R21A−OHを原料として公知の方法でR21A−[(OXm2(OX21m20]−C(O)OR2B(R2Bは炭素数1〜6のアルキル基。)を得て、NH−CH−Z(R22q2(L2A−CH=CHr2−q2と反応させて製造できる。
(化合物3)
化合物3は、式31で表される繰り返し単位を含むポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖を有する。
(OXm3 式31
は、ペルフルオロアルキレン基である。
ペルフルオロアルキレン基の炭素数は、表面層の撥水撥油性がより優れる点から、1〜6が好ましい。
ペルフルオロアルキレン基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよいが、表面層の撥水撥油性により優れる点から、直鎖状が好ましい。
なお、複数のOXは、同一であっても異なっていてもよい。つまり、(OXm3は、炭素数の異なる2種以上のOXから構成されていても、炭素数が同じであっても側鎖の有無や側鎖の種類が異なる2種以上のOXから構成されていてもよい。
m3は、5以上の整数であり、5〜200の整数が好ましく、5〜150の整数がより好ましく、10〜100の整数が特に好ましい。m3が5以上であれば、表面層の撥水撥油性がより優れる。m3が上記範囲の上限値以下であれば、表面層の耐摩擦性がより優れる。
(OXm3において、炭素数の異なる2種以上のOXが存在する場合、各OXの結合順序は限定されない。たとえば、2種のOXが存在する場合、2種のOXがランダム、交互、ブロックに配置されてもよい。
(OXm3としては、表面層の撥水撥油性がより優れる点から、{(OCFm31(OCFCFm32(OCFCFCFm33(OCFCFCFCFm34}、(OCFCFm36、(OCFCFCFm37、(OCFCF−OCFCFCFCFm35(OCFCF)、(OCF−OCFCFCFCFCFm38(OCF)、(OCFCF−OCFCFCFCFCFCFm39(OCFCF)、または、(OCFCF−OCFCFCFCFm40(OCFCF)(OCFCFCF)が好ましく、{(OCFm31(OCFCFm32(OCFCFCFm33(OCFCFCFCFm34}、(OCFCF−OCFCFCFCFm35(OCFCF)、(OCF−OCFCFCFCFCFm38(OCF)、(OCFCF−OCFCFCFCFCFCFm39(OCFCF)、または、(OCFCF−OCFCFCFCFm40(OCFCF)(OCFCFCF)がより好ましく、{(OCFm31(OCFCFm32}、{(OCFm31(OCFCFCFm33}、または、(OCFCF−OCFCFCFCFm40(OCFCF)(OCFCFCF)が特に好ましい。
ただし、m31は、1以上の整数であり、m32、m33およびm34は、それぞれ0または1以上の整数であり、m31+m32+m33+m34は5〜200の整数であり、m31個のOCF、m32個のOCFCF、m33個のOCFCFCF、m34個のOCFCFCFCFの結合順序は限定されない。m36およびm37は、それぞれ5〜200の整数であり、m35、m38およびm39は、2〜99の整数であり、m40は、3〜99の整数である。
また{(OCFm31(OCFCFm32(OCFCFCFm33(OCFCFCFCFm34}において、m33およびm34が0の場合、m32/m31は、表面層の耐摩擦性がさらに優れる点から、0.1〜10が好ましく、0.2〜5.0がより好ましく、0.2〜2.0がさらに好ましく、0.2〜1.5が特に好ましく、0.2〜0.85が最も好ましい。
化合物3は、基32を2個以上有する。
−Si(Rn3 3−n3 式32
化合物3が有する基32の数は、2個以上であり、表面層の耐摩擦性が優れる点で、2〜10個が好ましく、2〜5個がより好ましく、2または3個が特に好ましい。
基32が1分子中に複数ある場合、複数ある基32は、同じであっても異なっていてもよい。原料の入手容易性や化合物3の製造容易性の点からは、互いに同じであることが好ましい。
は、1価の炭化水素基であり、1価の飽和炭化水素基が好ましい。Rの炭素数は、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましく、1または2が特に好ましい。
は、加水分解性基または水酸基である。すなわち、Lが加水分解性基である場合、Si−Lで表される基は加水分解性シリル基である。
の具体例としては、アルコキシ基、ハロゲン原子、アシル基、イソシアナート基(−NCO)が挙げられる。アルコキシ基としては、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましい。ハロゲン原子としては、塩素原子が好ましい。
としては、化合物3の製造がより容易である点から、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲン原子が好ましい。Lとしては、塗布時のアウトガスが少なく、化合物3の保存安定性がより優れる点から、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、化合物3の長期の保存安定性が必要な場合にはエトキシ基が特に好ましく、塗布後の反応時間を短時間とする場合にはメトキシ基が特に好ましい。
n3は、0〜2の整数である。
n3は、0または1が好ましく、0が特に好ましい。Lが複数存在することによって、表面層の基材への密着性がより強固になる。
n3が1以下である場合、1分子中に存在する複数のLは同じであっても異なっていてもよい。原料の入手容易性や化合物3の製造容易性の点からは、互いに同じであることが好ましい。n3が2である場合、1分子中に存在する複数のRは同じであっても異なっていてもよい。原料の入手容易性や化合物3の製造容易性の点からは、互いに同じであることが好ましい。
化合物3は、上述した単位21を含まない。化合物3が単位21を含まないとは、化合物3が実質的に単位21を含まないことを意味し、具体的には、H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl、基準:TMS)により化合物3を分析して得られる化学シフト値δについて、δ=5.0〜6.5ppmにおいて観測される全てのシグナルをH(プロトン)の個数に換算した場合に、1分子あたりの上記Hの個数の合計が1.0個以下であることを意味する。化合物3が単位21を含まず、化合物2が単位21を含むことにより、本組成物の表面張力が好適に調整され、本表面層の密着性が向上すると考えられる。
化合物3としては、化合物3の表面層の撥水撥油性および耐摩擦性により優れる点で、式3で表される化合物が好ましい。
[A−(OXm3−][−Si(Rn3 3−n3 式3
Aは、ペルフルオロアルキル基または−Q[−Si(Rn3 3−n3である。
ペルフルオロアルキル基中の炭素数は、表面層の耐摩擦性がより優れる点から、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
ペルフルオロアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
ただし、Aが−Q[−Si(Rn3 3−n3である場合、jは1である。
ペルフルオロアルキル基としては、CF−、CFCF−、CFCFCF−、CFCFCFCF−、CFCFCFCFCF−、CFCFCFCFCFCF−、CFCF(CF)−等が挙げられる。
ペルフルオロアルキル基としては、表面層の撥水撥油性がより優れる点から、CF−、CFCF−、CFCFCF−が好ましい。
Qは、(k+1)価の連結基である。後述するように、kは1〜10の整数である。よって、Qとしては、2〜11価の連結基が挙げられる。
Qとしては、本発明の効果を損なわない基であればよく、たとえば、エーテル性酸素原子または2価のオルガノポリシロキサン残基を有していてもよいアルキレン基、炭素原子、窒素原子、ケイ素原子、2〜8価のオルガノポリシロキサン残基、および、後述する式3−1A、式3−1B、式3−1A−1〜3−1A−6からSi(Rn3 3−n3を除いた基が挙げられる。
、L、n3、Xおよびm3の定義は、上述の通りである。
は、(j+g)価の連結基である。
は、本発明の効果を損なわない基であればよく、たとえば、エーテル性酸素原子または2価のオルガノポリシロキサン残基を有していてもよいアルキレン基、炭素原子、窒素原子、ケイ素原子、2〜8価のオルガノポリシロキサン残基、および、後述する式3−1A、式3−1B、式3−1A−1〜3−1A−6からSi(Rn3 3−n3を除いた基が挙げられる。
jは、1以上の整数であり、表面層の撥水撥油性がより優れる点から、1〜5の整数が好ましく、化合物3を製造しやすい点から、1が特に好ましい。
gは、1以上の整数である。ただし、Aがペルフルオロアルキル基の場合、gは、2以上の整数であり、表面層の耐摩擦性がより優れる点から、2〜4の整数が好ましく、2または3がより好ましく、3が特に好ましい。Aが−Q[−Si(Rn3 3−n3の場合には、g+kは、2以上の整数であり、2または3がより好ましく、3が特に好ましい。
化合物3は、表面層の撥水撥油性がより優れる点から、式3−1で表される化合物が好ましい。
A−(OXm3−Z31 式3−1
式3−1中、A、Xおよびm3の定義は、式3中の各基の定義と同義である。
31は、基3−1Aまたは基3−1Bである。
−Q−X31(−Q−Si(Rn3 3−n3(−R31 式3−1A
−Q−[CHC(R32)(−Q−Si(Rn3 3−n3)]−R33 式3−1B
は、単結合または2価の連結基である。
2価の連結基としては、たとえば、2価の炭化水素基(2価の飽和炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基、アルケニレン基、アルキニレン基であってもよい。2価の飽和炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状または環状であってもよく、たとえば、アルキレン基が挙げられる。炭素数は1〜20が好ましい。また、2価の芳香族炭化水素基は、炭素数5〜20が好ましく、たとえば、フェニレン基が挙げられる。それ以外にも、炭素数2〜20のアルケニレン基、炭素数2〜20のアルキニレン基であってもよい。)、2価の複素環基、−O−、−S−、−SO−、−N(R)−、−C(O)−、−Si(R−および、これらを2種以上組み合わせた基が挙げられる。ここで、Rは、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、または、フェニル基である。Rは、水素原子またはアルキル基(好ましくは炭素数1〜10)である。
なお、上記これらを2種以上組み合わせた基としては、たとえば、−OC(O)−、−C(O)N(R)−、アルキレン基−O−アルキレン基、アルキレン基−OC(O)−アルキレン基、アルキレン基−Si(R−フェニレン基−Si(Rが挙げられる。
31は、単結合、アルキレン基、炭素原子、窒素原子、ケイ素原子または2〜8価のオルガノポリシロキサン残基である。
なお、上記アルキレン基は、−O−、シルフェニレン骨格基、2価のオルガノポリシロキサン残基またはジアルキルシリレン基を有していてもよい。アルキレン基は、−O−、シルフェニレン骨格基、2価のオルガノポリシロキサン残基およびジアルキルシリレン基からなる群から選択される基を複数有していてもよい。
31で表されるアルキレン基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜10が特に好ましい。
2〜8価のオルガノポリシロキサン残基としては、2価のオルガノポリシロキサン残基、および、後述する(w+1)価のオルガノポリシロキサン残基が挙げられる。
は、単結合または2価の連結基である。
2価の連結基の定義は、上述したQで説明した定義と同義である。
31は、水酸基またはアルキル基である。
アルキル基の炭素数は、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましく、1が特に好ましい。
31が単結合またはアルキレン基の場合、hは1、iは0であり、
31が窒素原子の場合、hは1または2の整数であり、iは0または1の整数であり、h+i=2を満たし、
31が炭素原子またはケイ素原子の場合、hは1〜3の整数であり、iは0〜2の整数であり、h+i=3を満たし、
31が2〜8価のオルガノポリシロキサン残基の場合、hは1〜7の整数であり、iは0〜6の整数であり、h+i=1〜7を満たす。
ただし、hが1の場合、Aは−Q[−Si(Rn3 3−n3である。
(−Q−Si(Rn3 3−n3)が2個以上ある場合は、2個以上の(−Q−Si(Rn3 3−n3)は、同一であっても異なっていてもよい。R31が2個以上ある場合は、2個以上の(−R31)は、同一であっても異なっていてもよい。
は、単結合、アルキレン基、または、炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基であり、化合物を製造しやすい点から、単結合が好ましい。
アルキレン基の炭素数は、1〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基の炭素数は、2〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
32は、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基であり、化合物を製造しやすい点から、水素原子が好ましい。
アルキル基としては、メチル基が好ましい。
は、単結合またはアルキレン基である。アルキレン基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜6が特に好ましい。化合物を製造しやすい点から、Qは、単結合または−CH−が好ましい。
33は、水素原子またはハロゲン原子であり、化合物を製造しやすい点から、水素原子が好ましい。
yは、1〜10の整数であり、1〜6の整数が好ましい。ただし、yが1の場合、Aは−Q[−Si(Rn3 3−n3である。
2個以上の[CHC(R32)(−Q−Si(Rn3 3−n3)]は、同一であっても異なっていてもよい。
基3−1Aとしては、基3−1A−1〜3−1A−6が好ましい。
−(X32s1−Qb1−SiR3−n 式3−1A−1
−(X33s2−Qa2−N[−Qb2−Si(Rn3 3−n3 式3−1A−2
−Qa3−G(R)[−Qb3−Si(Rn3 3−n3 式3−1A−3
−[C(O)N(R)]s4−Qa4−(O)t4−C[−(O)u4−Qb4−Si(Rn3 3−n3 式3−1A−4
−Qa5−Si[−Qb5−Si(Rn3 3−n3 式3−1A−5
−[C(O)N(R)]−Qa6−Z[−Qb6−Si(Rn3 3−n3 式3−1A−6
ただし、基3−1Aが基3−1A−1である場合、式3−1におけるAは、−Q[−Si(Rn3 3−n3である。
なお、式3−1A−1〜3−1A−6中、R、L、および、n3の定義は、上述した通りである。
32は、−O−、または、−C(O)N(R)−である(ただし、式中のNはQb1に結合する)。
の定義は、上述した通りである。
s1は、0または1である。
b1は、アルキレン基である。なお、アルキレン基は、−O−、シルフェニレン骨格基、2価のオルガノポリシロキサン残基またはジアルキルシリレン基を有していてもよい。アルキレン基は、−O−、シルフェニレン骨格基、2価のオルガノポリシロキサン残基およびジアルキルシリレン基からなる群から選択される基を複数有していてもよい。
なお、アルキレン基が−O−、シルフェニレン骨格基、2価のオルガノポリシロキサン残基またはジアルキルシリレン基を有する場合、炭素原子−炭素原子間にこれらの基を有することが好ましい。
b1で表されるアルキレン基の炭素数は、1〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
b1としては、s1が0の場合は、−CHOCHCHCH−、−CHOCHCHOCHCHCH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHOCHCHCHSi(CHOSi(CHCHCH−が好ましい。(X32s1が−O−の場合は、−CHCHCH−、−CHCHOCHCHCH−が好ましい。(X32s1が−C(O)N(R)−の場合は、炭素数2〜6のアルキレン基が好ましい(ただし、式中のNはQb1に結合する)。Qb1がこれらの基であると化合物が製造しやすい。
基3−1A−1の具体例としては、以下の基が挙げられる。下記式中、*は、(OXm3との結合位置を表す。
Figure 2019203320
33は、−O−、−NH−、または、−C(O)N(R)−である。
の定義は、上述した通りである。
a2は、単結合、アルキレン基、−C(O)−、または、炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−もしくは−NH−を有する基である。
a2で表されるアルキレン基の炭素数は、1〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
a2で表される炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−または−NH−を有する基の炭素数は、2〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
a2としては、化合物を製造しやすい点から、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHOCHCH−、−CHNHCHCH−、−CHCHOC(O)CHCH−、−C(O)−が好ましい(ただし、右側がNに結合する。)。
s2は、0または1(ただし、Qa2が単結合の場合は0である。)である。化合物を製造しやすい点から、0が好ましい。
b2は、アルキレン基、または、炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間に、2価のオルガノポリシロキサン残基、エーテル性酸素原子もしくは−NH−を有する基である。
b2で表されるアルキレン基の炭素数は、1〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
b2で表される炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間に、2価のオルガノポリシロキサン残基、エーテル性酸素原子または−NH−を有する基の炭素数は、2〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
b2としては、化合物を製造しやすい点から、−CHCHCH−、−CHCHOCHCHCH−が好ましい(ただし、右側がSiに結合する。)。
2個の[−Qb2−Si(Rn3 3−n3]は、同一であっても異なっていてもよい。
基3−1A−2の具体例としては、以下の基が挙げられる。下記式中、*は、(OXm3との結合位置を表す。
Figure 2019203320
a3は、単結合、アルキレン基、または、炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基であり、化合物を製造しやすい点から、単結合が好ましい。
a3で表されるアルキレン基の炭素数は、1〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
a3で表される炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基の炭素数は、2〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
Gは、炭素原子またはケイ素原子である。
は、水酸基またはアルキル基である。Rで表されるアルキル基の炭素数は、1〜4が好ましい。
G(R)としては、化合物を製造しやすい点から、C(OH)またはSi(Rga)(ただし、Rgaはアルキル基である。アルキル基の炭素数は1〜10が好ましく、メチル基が特に好ましい。)が好ましい。
b3は、アルキレン基、または、炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子もしくは2価のオルガノポリシロキサン残基を有する基である。
b3で表されるアルキレン基の炭素数は、1〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
b3で表される炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子または2価のオルガノポリシロキサン残基を有する基の炭素数は、2〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
b3としては、化合物を製造しやすい点から、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHCHCHCHCHCHCHCH−が好ましい。
2個の[−Qb3−Si(Rn3 3−n3]は、同一であっても異なっていてもよい。
基3−1A−3の具体例としては、以下の基が挙げられる。下記式中、*は、(OXm3との結合位置を表す。
Figure 2019203320
式3−1A−4中のRの定義は、上述した通りである。
s4は、0または1である。
a4は、単結合、アルキレン基、または、炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基である。
a4で表されるアルキレン基の炭素数は、1〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
a4で表される炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基の炭素数は、2〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
t4は、0または1(ただし、Qa4が単結合の場合は0である。)である。
−Qa4−(O)t4−としては、化合物を製造しやすい点から、s4が0の場合は、単結合、−CHO−、−CHOCH−、−CHOCHCHO−、−CHOCHCHOCH−、−CHOCHCHCHCHOCH−が好ましく(ただし、左側が(RO)に結合する。)、s4が1の場合は、単結合、−CH−、−CHCH−が好ましい。
b4は、アルキレン基であり、上記アルキレン基は−O−、−C(O)N(R)−(Rの定義は、上述した通りである。)、シルフェニレン骨格基、2価のオルガノポリシロキサン残基またはジアルキルシリレン基を有していてもよい。
なお、アルキレン基が−O−またはシルフェニレン骨格基を有する場合、炭素原子−炭素原子間に−O−またはシルフェニレン骨格基を有することが好ましい。また、アルキレン基が−C(O)N(R)−、ジアルキルシリレン基または2価のオルガノポリシロキサン残基を有する場合、炭素原子−炭素原子間または(O)u4と結合する側の末端にこれらの基を有することが好ましい。
b4で表されるアルキレン基の炭素数は、1〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
u4は、0または1である。
−(O)u4−Qb4−としては、化合物を製造しやすい点から、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHOCHCHCH−、−CHOCHCHCHCHCH−、−OCHCHCH−、−OSi(CHCHCHCH−、−OSi(CHOSi(CHCHCHCH−、−CHCHCHSi(CHPhSi(CHCHCH−が好ましい(ただし、右側がSiに結合する。)。
3個の[−(O)u4−Qb4−Si(Rn3 3−n3]は、同一であっても異なっていてもよい。
基3−1A−4の具体例としては、以下の基が挙げられる。下記式中、*は、(OXm3との結合位置を表す。
Figure 2019203320
a5は、アルキレン基、または、炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基である。
a5で表されるアルキレン基の炭素数は、1〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
a5で表される炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基の炭素数は、2〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
a5としては、化合物を製造しやすい点から、−CHOCHCHCH−、−CHOCHCHOCHCHCH−、−CHCH−、−CHCHCH−が好ましい(ただし、右側がSiに結合する。)。
b5は、アルキレン基、または、炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子もしくは2価のオルガノポリシロキサン残基を有する基である。
b5で表されるアルキレン基の炭素数は、1〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
b5で表される炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子または2価のオルガノポリシロキサン残基を有する基の炭素数は、2〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
b5としては、化合物を製造しやすい点から、−CHCHCH−、−CHCHOCHCHCH−が好ましい(ただし、右側がSi(Rn3 3−n3に結合する。)。
3個の[−Qb5−Si(Rn3 3−n3]は、同一であっても異なっていてもよい。
基2−1−5の具体例としては、以下の基が挙げられる。下記式中、*は、(OXm3との結合位置を表す。
Figure 2019203320
式3−1A−6中のRの定義は、上述の通りである。
vは、0または1である。
a6は、アルキレン基、または、炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基である。
a6で表されるアルキレン基の炭素数は、1〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
a6で表される炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基の炭素数は、2〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
a6としては、化合物を製造しやすい点から、−CHOCHCHCH−、−CHOCHCHOCHCHCH−、−CHCH−、−CHCHCH−が好ましい(ただし、右側がZに結合する。)。
は、(w+1)価のオルガノポリシロキサン残基である。
wは、2〜7の整数である。
(w+1)価のオルガノポリシロキサン残基としては、下記の基が挙げられる。ただし、下式におけるRは、上述の通りである。
Figure 2019203320
b6は、アルキレン基、または、炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子もしくは2価のオルガノポリシロキサン残基を有する基である。
b6で表されるアルキレン基の炭素数は、1〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
b6で表される炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子または2価のオルガノポリシロキサン残基を有する基の炭素数は、2〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
b6としては、化合物を製造しやすい点から、−CHCH−、−CHCHCH−が好ましい。
w個の[−Qb6−Si(Rn3 3−n3]は、同一であっても異なっていてもよい。
(化合物1〜3の含有比)
化合物1〜3はそれぞれ、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本組成物における、化合物1および化合物2の含有量の合計に対する、化合物3の含有量は、保護フィルムに対する表面層の密着性と表面層の耐摩擦性とのバランスに優れる点で、質量比で0.1〜10が好ましく、0.1〜4がより好ましく、0.1〜1.5がさらに好ましく、0.25〜0.67が特に好ましい。
なお、化合物1および化合物2の両方に該当する化合物については、化合物1または化合物2の一方のみに該当するとして上記質量比を計算する。
(他の成分)
本組成物は、液状媒体を含んでいてもよい。
液状媒体の具体例としては、水、有機溶媒が挙げられる。有機溶媒の具体例としては、フッ素系有機溶媒および非フッ素系有機溶媒が挙げられる。
有機溶媒は、2種以上を併用してもよい。
フッ素系有機溶媒の具体例としては、フッ素化アルカン、フッ素化芳香族化合物、フルオロアルキルエーテル、フッ素化アルキルアミン、フルオロアルコールが挙げられる。
フッ素化アルカンは、炭素数4〜8の化合物が好ましく、たとえば、C13H(AC−2000:製品名、AGC社製)、C13(AC−6000:製品名、AGC社製)、CCHFCHFCF(バートレル:製品名、デュポン社製)が挙げられる。
フッ素化芳香族化合物の具体例としては、ヘキサフルオロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、ペルフルオロトルエン、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンが挙げられる。
フルオロアルキルエーテルは、炭素数4〜12の化合物が好ましく、たとえば、CFCHOCFCFH(AE−3000:製品名、AGC社製)、COCH(ノベック−7100:製品名、3M社製)、COC(ノベック−7200:製品名、3M社製)、CCF(OCH)C(ノベック−7300:製品名、3M社製)が挙げられる。
フッ素化アルキルアミンの具体例としては、ペルフルオロトリプロピルアミン、ペルフルオロトリブチルアミンが挙げられる。
フルオロアルコールの具体例としては、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、ヘキサフルオロイソプロパノールが挙げられる。
非フッ素系有機溶媒としては、水素原子および炭素原子のみからなる化合物、および、水素原子、炭素原子および酸素原子のみからなる化合物が好ましく、具体的には、炭化水素系有機溶媒、ケトン系有機溶媒、エーテル系有機溶媒、エステル系有機溶媒、アルコール系有機溶媒が挙げられる。
炭化水素系有機溶媒の具体例としては、ヘキサン、へプタン、シクロヘキサンが挙げられる。
ケトン系有機溶媒の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンが挙げられる。
エーテル系有機溶媒の具体例としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラエチレングリコールジメチルエーテルが挙げられる。
エステル系有機溶媒の具体例としては、酢酸エチル、酢酸ブチルが挙げられる。
アルコール系有機溶媒の具体例としては、イソプロピルアルコールが挙げられる。
本組成物が液状媒体を含む場合、液状媒体の含有量は、本組成物の全質量に対して、70〜99.99質量%が好ましく、80〜99.9質量%が特に好ましい。
本組成物が液状媒体を含み、かつ化合物1を含む場合、化合物1の含有量は、本組成物の全質量に対して、0.002〜27.3質量%が好ましく、0.06〜16.0質量%が特に好ましい。
本組成物が液状媒体を含み、かつ化合物2を含む場合、化合物2の含有量は、本組成物の全質量に対して、0.002〜27.3質量%が好ましく、0.06〜16.0質量%が特に好ましい。
本組成物が液状媒体を含む場合の化合物3の含有量は、本組成物の全質量に対して、0.001〜24.0質量%が好ましく、0.02〜8.0質量%が特に好ましい。
本組成物は、上記以外の成分を含んでいてもよい。
他の成分としては、化合物1〜化合物3の製造工程で生成した副生物、未反応の原料等
の製造上の不可避の化合物が挙げられる。
また、加水分解性シリル基の加水分解と縮合反応を促進する酸触媒や塩基性触媒等の添加剤が挙げられる。酸触媒の具体例としては、塩酸、硝酸、酢酸、硫酸、燐酸、スルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸が挙げられる。塩基性触媒の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアが挙げられる。
他の成分の含有量は、化合物1〜化合物3の合計量に対して、0〜10質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましく、0〜1質量%が特に好ましい。
〔物品〕
本発明の物品は、基材と、基材上に本組成物から形成されてなる表面層と、を有する。表面層の表面には保護フィルムが貼着されていることが好ましい。
表面層には、化合物1および化合物2からなる群より選択される少なくとも1種の化合物、ならびに化合物3の、加水分解反応および縮合反応を介して得られる化合物が含まれる。
表面層の膜厚は、1〜100nmが好ましく、1〜50nmが特に好ましい。表面層の膜厚は、薄膜解析用X線回折計(ATX−G:製品名、RIGAKU社製)を用いて、X線反射率法によって反射X線の干渉パターンを得て、この干渉パターンの振動周期から算出できる。
基材は、撥水撥油性の付与が求められている基材であれば特に限定されない。基材の材料の具体例としては、金属、樹脂、ガラス、サファイア、セラミック、石、および、これらの複合材料が挙げられる。ガラスは化学強化されていてもよい。基材は、国際公開第2011/016458号の段落0089〜0095に記載の化合物やSiO等で下地処理されていてもよい。
上記物品は、たとえば、下記の方法で製造できる。
・本組成物を用いたドライコーティング法によって基材の表面を処理して、上記物品を得る方法。
・ウェットコーティング法によって本組成物を基材の表面に塗布し、乾燥させて、上記物品を得る方法。
なお、ウェットコーティング法においては、化合物1〜化合物3を酸触媒や塩基性触媒等を用いて予め加水分解しておき、加水分解した化合物と液状媒体とを含む組成物を使用することもできる。
本組成物に含まれる、化合物1および化合物2からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と、化合物3と、のMnの差が小さい場合(好ましくはMnの差が0〜3,000、特に好ましくはMnの差が0〜2,000)、化合物1および化合物2からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と、化合物3とが均一に分布した表面層が得られる点で、ドライコーティング法を用いて表面層を形成することが好ましい。
一方で、本組成物に含まれる、化合物1および化合物2からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と、化合物3と、のMの差が大きい場合(好ましくはMnの差が2,000以上、特に好ましくMnの差が3,000以上)、化合物1および化合物2からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と、化合物3とが均一に分布した表面層が得られる点で、ウェットコーティング法を用いて表面層を形成することが好ましい。
ドライコーティング法の具体例としては、真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法が挙げられる。これらの中でも、化合物1〜3の分解を抑える点、および、装置の簡便さの点から、真空蒸着法が好適である。真空蒸着時には、鉄や鋼等の金属多孔体に本組成物を含浸させたペレット状物質を使用してもよい。
ウェットコーティング法の具体例としては、スピンコート法、ワイプコート法、スプレーコート法、スキージーコート法、ディップコート法、ダイコート法、インクジェット法、フローコート法、ロールコート法、キャスト法、ラングミュア・ブロジェット法、グラビアコート法が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお、例6〜9、11〜16および18〜19が実施例であり、例5、10、17および20が比較例である。各成分の配合量は、質量基準を示す。
〔評価方法〕
(水接触角の測定方法)
表面層の表面に置いた約2μLの蒸留水の接触角(水接触角)を、接触角測定装置(DM−500:製品名、協和界面科学社製)を用いて測定した。表面層の表面における異なる5箇所で測定し、その平均値を算出した。接触角の算出には2θ法を用いた。接触角は100度以上が良好である。
(耐摩擦性の試験方法)
表面層について、JIS L0849:2013(ISO 105−X12:2001)に準拠して往復式トラバース試験機(ケイエヌテー社製)を用い、スチールウールボンスター(♯0000)を圧力:98.07kPa、速度:320cm/分で往復させた。1000回往復させる毎に水接触角を測定し、水接触角が試験前の水接触角に対して初めて85%以下となった時点の往復回数を測定した。なお、往復回数の上限は20,000回とした。往復回数が多いほど、耐摩擦性に優れる。往復回数は5000回以上が好ましく、10,000回以上がより好ましい。
(密着性の試験方法)
アクリル系粘着層を有するポリ塩化ビニルフィルム(エレップマスキングN−380:製品名、日東電工株式会社製、テープ幅50mm)のアクリル系粘着層を表面層に貼付し、JIS K6854−1:1999(ISO 8510−1:1990)に準拠して、90度剥離試験機(日新科学社製)を用い、室温(23℃)下で100mm/分の剥離速度で、上記ポリ塩化ビニルフィルムを剥離した際の90度剥離力を測定した。剥離力が大きいほど、密着性に優れる。剥離力は250mN/50mm以上が好ましく、370mN/50mm以上がより好ましい。
〔例1〕
化合物2−Aは、以下の手順で合成した。
(例1−1)
国際公開第2013/121984号の例6−1に記載の方法にしたがい、化合物X1を得た。
化合物X1:CH−(OCFCFHOCFCFCFCH−OH、繰り返し単位数nの平均値:14
(例1−2)
50mLのナスフラスコに、例1−1で得た化合物X1の8.0g、臭化アリルの0.34g、テトラブチルアンモニウムブロミドの0.08gおよび48質量%水酸化カリウム水溶液の0.60gを入れ、混合物を80℃で5時間撹拌した。混合物を室温(23℃)まで冷却し、AC−6000(製品名、AGC社製)の10gを入れ、2回水洗した。得られた粗液をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開溶媒:AC−6000)で精製し、化合物X2の7.9g(収率98%)を得た。
化合物X2のNMRスペクトル;
H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl、基準:TMS(テトラメチルシラン)) δ(ppm):2.4(2H)、4.0(2H)、4.2(2H)、4.5(2H)、4.8(26H)、5.2〜5.4(2H)、5.8〜6.0(1H)、6.7〜6.9(14H)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、基準:CFCl) δ(ppm):−81(3F)、−84〜−85(28F)、−89〜−91(28F)、−114(2F)、−120(26F)、−122(4F)、−123(2F)、−124(2F)、−127(30F)、−145(14F)。
化合物X2:CH−(OCFCFHOCFCFCFCH−OCHCH=CH、繰り返し単位数nの平均値:14、化合物X2のMn:4,300。
(例1−3)
10mLのガラス製サンプル瓶に、例1−2で得た化合物X2の6.0g、白金/1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液(白金含有量:2質量%)の0.06g、HSi(OCHの1.01g、アニリンの0.02g、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(東京化成工業社製)の1.0gを入れ、混合物を40℃で8時間撹拌した。反応終了後、溶媒等を減圧留去し、1.0μm孔径のメンブランフィルタでろ過し、化合物2−Aの6.5g(収率100%)を得た。
化合物2−AのNMRスペクトル;
H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl、基準:TMS) δ(ppm):0.4(2H)、1.7(2H)、3.2(9H)、3.3(3H)、3.7(2H)、4. 0 (2H)、4.2 (26H)、5.5〜5.8(13H)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、基準:CFCl) δ(ppm):−84.5〜−87.0 (26F)、−90.3〜−92.2 (26F)、−120.6(24F)、−124.1(2F)、−128.0(26F)、−143.8〜−145.0(13F)。
化合物2−A:CH−(OCFCFHOCFCFCFCH−OCHCHCHSi(OCH
繰り返し単位数nの平均値:14、化合物2−AのMn:4,420。
〔例2〕
化合物3−Aは、以下の手順で合成した。
(例2−1)
国際公開第2013/121984号の例11−1〜11−3に記載の方法にしたがい、化合物Y1を得た。
化合物Y1:CF−(OCFCFOCFCFCFCF−OCFCF−OCFCFCFCF−OC(O)CF(CF)OCFCFCF、nの平均値:13、Mn:5,050。
(例2−2)
50mLの3つ口フラスコ内に、化合物Y1の9.0gおよびNHCHC(CHCH=CHの0.45gを入れ、混合物を室温(23℃)で12時間撹拌した。反応粗液をシリカゲルカラムクロマトグラフィに展開して、化合物Y2の9.4g(収率99%)を分取した。
化合物Y2:CF−(OCFCFOCFCFCFCF−OCFCF−OCFCFCF−C(O)NHCHC(CHCH=CH
nの平均値:13、Mn:4,800。
(例2−3)
100mLのテトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルコキシビニルエーテル)共重合体製ナスフラスコに、化合物Y2の5.0g、白金/1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液(白金含有量:2質量%)の0.03g、トリメトキシシランの0.36g、アニリンの0.01gおよび1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンの2.0gを入れ、混合物を室温(23℃)で8時間撹拌した。溶媒等を減圧留去し、孔径0.5μmのメンブランフィルタでろ過し、化合物3−Aの5.2g(純度99%以上、収率99%)を得た。
化合物3−AのNMRスペクトル;
H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl、基準:TMS) δ(ppm):0.75(6H)、1.3〜1.6(12H)、3.4(2H)、3.7(27H)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、基準:CFCl) δ(ppm):−55.2(3F)、−82.1(54F)、−88.1(54F)、−90.2(2F)、−119.6(2F)、−125.4(52F)、−126.2(2F)。
化合物3−A:CF−(OCFCFOCFCFCFCF−OCFCF−OCFCFCF−C(O)NH−CH−C[CHCHCH−Si(OCH、 nの平均値:13、Mn:5,400。
〔例3〕
化合物3−Bは、以下の手順で合成した。
(例3−1)
50mLの3つ口フラスコ内に、例2−1で得た化合物Y1の10.1g、ジアリルアミンの0.97g、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンの10gを入れ、混合物を室温(23℃)で8時間撹拌した。反応粗液をエバポレータで濃縮し、粗生成物の9.8gを得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィに展開して、化合物Y3の9.5g(収率99%)を分取した。
化合物Y3のNMRスペクトル;
H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl、基準:TMS) δ(ppm):4.0(4H)、5.3〜5.4(4H)、5.7〜6.0(2H)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、基準:CFCl) δ(ppm):−55.1(3F)、−82.6(54F)、−87.9(54F)、−90.0(2F)、−110.3(2F)、−124.1(2F)、−125.0(52F)。
化合物Y3:CF−(OCFCFOCFCFCFCF−OCFCF−OCFCFCF−C(O)N(CHCH=CH
nの平均値:13、Mn:4,790。
(例3−2)
100mLのテトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルコキシビニルエーテル)共重合体製ナスフラスコに、化合物Y3の5.0g、白金/1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液(白金含有量:2質量%)の0.03g、トリメトキシシランの0.36g、アニリンの0.01gおよび1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンの2.0gを入れ、混合物を室温(23℃)で8時間撹拌した。溶媒等を減圧留去し、孔径0.5μmのメンブランフィルタでろ過し、化合物3−Bの5.2g(純度99%以上、収率99%)を得た。
化合物3−BのNMRスペクトル;
H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl、基準:TMS) δ(ppm):0.6(4H)、1.8(4H)、3.4(4H)、3.6(18H)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、基準:CFCl) δ(ppm):−55.2(3F)、−82.8(54F)、−88.1(54F)、−90.2(2F)、−111.4(2F)、−124.2(2F)、−125.2(52F)。
化合物3−B:CF−(OCFCFOCFCFCFCF−OCFCF−OCFCFCF−C(O)N[CHCHCHSi(OCH
nの平均値:13、Mn:5,050。
〔例4〕
化合物1−Aは、東京化成工業社製、トリメトキシ(1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロ−n−オクチル)シラン(CF−(CF(CH−Si(OCH)を用いた。
[例5〜20]
例1〜4で得た各化合物1−A、2−A、3−A、3−Bを、表1、2に記載の割合で混合して、例6〜9、11〜16および18〜19の組成物を得た。
得られた組成物を用いて、以下のドライコーティング法にて基材の表面処理を行い、基材(化学強化ガラス)の表面に表面層が形成されてなる評価サンプル(物品)を得た。
なお、例5、10、17および20については、化合物1−A、2−A、3−A、および3−Bのうち、1種の化合物のみを用いた他は、上記の例6〜9、11〜16および18〜19の場合と同様に実施することにより、各評価サンプルを作製した。
得られた各評価サンプルを用いて、上述の評価試験を実施し、結果を表1、2に示す。
(ドライコーティング法)
真空蒸着装置(VTR−350M:製品名、アルバック機工社製)内のモリブデン製ボートに、蒸着源として表1に記載の組成物(0.5g)を配置した。真空蒸着装置内に基材を配置し、真空蒸着装置内を5×10−3Pa以下(絶対圧)の圧力になるまで排気した。上記各組成物を配置したボートを300℃になるまで加熱し、表1に記載の各組成物を基材に真空蒸着させ、厚さ10nmの蒸着膜を形成した。蒸着膜が形成された基材を、温度200℃で30分間加熱(後処理)して、厚さ10nmの表面層を形成し、評価サンプルを得た。
Figure 2019203320

Figure 2019203320
表1、2の通り、化合物1または化合物2、および、化合物3を含む組成物を用いた場合(例6〜9、11〜16および18〜19)、耐摩擦性および保護フィルムとの密着性に優れた表面層が得られることを確認した。
本発明の組成物は、撥水撥油性の付与が求められている各種の用途に用いることができる。たとえば、タッチパネル等の表示入力装置のコート;透明なガラス製または透明なプラスチック製部材の表面保護コート、キッチン用防汚コート;電子機器、熱交換器、電池等の撥水防湿コートや防汚コート;トイレタリー用防汚コート;導通しながら撥液が必要な部材へのコート;熱交換機の撥水・防水・滑水コート;振動ふるいやシリンダ内部等の表面低摩擦コート等に用いることができる。
より具体的な使用例としては、ディスプレイの前面保護板、反射防止板、偏光板、アンチグレア板、あるいはそれらの表面に反射防止膜処理を施したもの、携帯電話、携帯情報端末等の機器のタッチパネルシートやタッチパネルディスプレイ等の人の指または手のひらで画面上の操作を行う表示入力装置を有する各種機器のコート、メガネレンズ等の表面保護コート、トイレ、風呂、洗面所、キッチン等の水周りの装飾建材のコート、配線板用防水コーティング、熱交換機の撥水・防水・滑水コート、太陽電池の撥水コート、プリント配線板の防水・撥水コート、電子機器筐体や電子部品用の防水・撥水コート、送電線の絶縁性向上コート、各種フィルタの防水・撥水コート、電波吸収材や吸音材の防水性コート、風呂、厨房機器、トイレタリー用防汚コート、振動ふるいやシリンダ内部等の表面低摩擦コート、機械部品、真空機器部品、ベアリング部品、自動車等の輸送機器用部品(たとえば、外装、ガラス、ミラー、バンパー)、
工具等の表面保護コート等が挙げられる。
なお、2018年4月20日に出願された日本特許出願2018−081607号の明細書、特許請求の範囲、図面、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (12)

  1. 式1で表される化合物1、および、式21で表される繰り返し単位を含むポリ(オキシフルオロアルキレン)鎖と式22で表される基とを有する化合物2からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と、
    式31で表される繰り返し単位を含むポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖と、2個以上の式32で表される基とを有し、式21で表される繰り返し単位を含まない化合物3と、を含む、組成物。
    11−(OX)−Y−Z(R12(R13r−q 式1
    ただし、式1中、
    11は、フルオロアルキル基である。
    Xは、1個以上のフッ素原子を有する炭素数1以上のフルオロアルキレン基である。
    mは、0〜4の整数である。
    Yは、−O−、−C(O)N(R14)−もしくは−C(O)−を有していてもよいアルキレン基、単結合、−O−、−C(O)N(R14)−または−C(O)−である。前記−O−、−C(O)N(R14)−または−C(O)−を有していてもよいアルキレン基は、フッ素原子を有していてもよい。ただし、前記Yが−OCF−を含むアルキレン基である場合、前記アルキレン基中の−OCF−の数は1個である。
    14は、水素原子またはアルキル基である。
    Zは、炭素原子、ケイ素原子または窒素原子である。
    12は、水素原子、水酸基またはアルキル基である。
    13は、−L−Si(Rn13−n1である。Rは、1価の炭化水素基である。Lは、加水分解性基または水酸基である。n1は、0〜2の整数である。Lは、−O−を有していてもよいアルキレン基である。
    Zが炭素原子またはケイ素原子の場合、rは3であり、qは0〜1の整数である。Zが窒素原子の場合、rは2であり、qは0である。
    (OX) 式21
    −Si(Rn2 3−n2 式22
    ただし、式21および式22中、
    は、1個以上の水素原子を有するフルオロアルキレン基である。
    は、1価の炭化水素基である。
    は、加水分解性基または水酸基である。
    n2は、0〜2の整数である。
    (OXm3 式31
    −Si(Rn3 3−n3 式32
    ただし、式31および式32中、
    は、ペルフルオロアルキレン基である。
    m3は、5以上の整数である。
    は、1価の炭化水素基である。
    は、加水分解性基または水酸基である。n3は、0〜2の整数である。
  2. 前記式(1)におけるmが0または1である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記化合物2が式2で表される化合物である、請求項1または2に記載の組成物。
    21−[(OXm2(OX21m20]−Y−Z(R22q2(R23r2−q2 式2
    ただし、式2中、
    21は、フッ素原子を有していてもよいアルキル基、または、−Y−Z(R22q2(R23r2−q2である。
    は、1個以上の水素原子を有するフルオロアルキレン基である。
    21は、ペルフルオロアルキレン基である。
    は、単結合または2価の連結基である。
    は、炭素原子、ケイ素原子または窒素原子である。
    22は、水素原子、水酸基またはアルキル基である。
    23は、−L21−Si(Rn2 3−n2である。L21は、−O−を有していてもよいアルキレン基である。Rは、1価の炭化水素基である。Lは、加水分解性基または水酸基である。n2は、0〜2の整数である。
    m2は2以上の整数であり、m20は0以上の整数であり、m2+m20は5以上の整数である。
    が炭素原子またはケイ素原子の場合、r2は3であり、q2は0〜2の整数である。Zが窒素原子の場合、r2は2であり、q2は0〜1の整数である。
  4. 前記化合物3が式3で表される化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
    [A−(OXm3−][−Si(Rn3 3−n3 式3
    ただし、式3中、
    Aは、ペルフルオロアルキル基または−Q[−Si(Rn3 3−n3である。
    Qは、(k+1)価の連結基である。
    kは1〜10の整数である。
    は、1価の炭化水素基である。
    は、加水分解性基または水酸基である。n3は、0〜2の整数である。
    は、ペルフルオロアルキレン基である。
    m3は、5以上の整数である。
    は、(j+g)価の連結基である。
    jは、1以上の整数である。
    gは、1以上の整数である。ただし、Aがペルフルオロアルキル基の場合、gは、2以上の整数であり、Aが−Q[−Si(Rn3 3−n3の場合、g+kは、2以上の整数である。
  5. 前記化合物1および化合物2からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と、化合物3と、の数平均分子量の差が0〜3,000である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記化合物1および前記化合物2の含有量の合計に対する、前記化合物3の含有量が、質量比で0.1〜10である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. フッ素系有機溶媒、非フッ素系有機溶媒、または水を含む液状媒体を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 基材と、前記基材上に、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物から形成されてなる表面層と、を有する物品。
  9. 前記組成物からドライコーティング法により形成されてなる請求項8に記載の物品。
  10. 前記基材が、金属、樹脂、ガラス、サファイア、セラミック、石、または、これらの複合材料である、請求項8または9に記載の物品。
  11. 前記表面層の膜厚が、1〜100nmである、請求項8〜10のいずれか1項に記載の物品。
  12. 前記表面層の表面に保護フィルムが貼着されている、請求項8〜11のいずれか1項に記載の物品。
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