JPWO2019073752A1 - 回転切削工具 - Google Patents

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JPWO2019073752A1
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祐満 宮崎
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Abstract

回転切削工具は、台金と、台金の外周に設けられた複数のPCBNチップとを備え、複数のPCBNチップは、外周先端に位置して回転軸に対して20°以上80°以下の角度θ1をなす斜め切れ刃と斜め切れ刃の回転軸方向後側に位置する外周切れ刃とを有し、外周切れ刃の回転軸方向後側の台金の回転直径は外周切れ刃の回転直径よりも小さく、斜め切れ刃の延びる方向に垂直な断面において、斜め切れ刃の切れ刃稜は半径rが30μm以下の丸みを有し、斜め切れ刃の切れ刃稜の最大高低値は20μm以下である。

Description

この発明は、回転切削工具に関する。本出願は、2017年10月12日に出願した日本特許出願である特願2017−198193号に基づく優先権を主張する。当該日本特許出願に記載された全ての記載内容は、参照によって本明細書に援用される。
従来、回転切削工具は、たとえば特開2002−144145号公報(特許文献1)に開示されている。
特開2002−144145号公報
この発明の一つの態様に従った回転切削工具は、台金と、台金の外周に設けられた複数のPCBNチップとを備える。複数のPCBNチップは、外周先端に位置して回転軸に対して20°以上80°以下の角度をなす斜め切れ刃と斜め切れ刃の回転軸方向後側に位置する外周切れ刃とを有し、外周切れ刃の回転軸方向後側の台金の回転直径は外周切れ刃の回転直径よりも小さく、斜め切れ刃の延びる方向に垂直な断面において、斜め切れ刃の切れ刃稜は半径30μm以下の丸みを有し、斜め切れ刃の切れ刃稜の最大高低値は20μm以下である。
図1は、実施の形態1に従った回転切削工具の正面図である。 図2は、図1中のIIで囲んだ部分の回転切削工具の拡大図である。 図3は、図2中の矢印IIIで示す方向から見た回転切削工具の側面図である。 図4は、図2中のIV−IV線に沿った断面図である。 図5は、実施の形態2に従った回転切削工具の一部分の正面図である。 図6は、図5中のVI−VI線に沿った断面図である。 図7は、実施の形態3に従った回線切削工具のチップの断面図である。 図8は、実施の形態4に従った回転切削工具の一部分の正面図である。 図9は、実施の形態5に従った回転切削工具の正面図である。 図10は、図9中のXで囲んだ部分の回転切削工具の拡大図である。 図11は、図10中の矢印XIで示す方向から見た回転切削工具の側面図である。 図12は、実施の形態6に従った回転切削工具の一部分の正面図である。 図13は、最大高低値の測定方法を説明するための図である。 図14は、斜め逃げ面、第2の逃げ面およびそれらの逃げ角を説明するための図である。
[本開示が解決しようとする課題]
従来の技術では、高精度の加工が困難であるという問題があった。そこでこの発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、高精度の加工が可能な回転切削工具を提供することを目的とするものである。
[本発明の実施形態の説明]
本発明の実施形態について、説明する。
実施の形態に従った回転切削工具は、主に鋳鉄、鉄系焼結合金の仕上げ孔加工用回転切削工具(PCBNリーマ)である。鋳鉄、鉄系焼結合金などの材料の加工には、刃先素材に超硬を使い、超硬ガイドパットを設けられた回転工具が使われているが、より耐久性を向上させるために、刃先素材には高い耐熱性と耐化学摩耗性を備えたPCBNが使われることもある。
従来のリーマで高精度な加工を狙う場合、超硬ガイドパッドを設けることが通常であるが、鋳鉄、鉄系焼結合金などの材料の加工においては、以下のような問題がある。
(1)切屑がガイドパット部に溶着する。アルミニウム合金のような材料の加工では、流れ型の切屑が出るが、鋳鉄、鉄系焼結合金などの加工では流れ型の切屑以外に粒状の切屑が発生し、加工面とガイドパッドの隙間に入り込み、加工面精度を悪化させる。また工具に切屑の溶着が多発する。
(2)溶着が原因で加工面あらさが悪化する。
(3)加工初期から加工面あらさがバラつきやすく、要求精度を満たさないことが頻繁に起こる。直接の原因は、食い付き切れ刃に不規則なマイクロチッピングがあるためである。
上記の問題を避けるためには、ガイドパッドを無くす必要があるが、高精度な加工ができなくなる。このような原因を考慮して、本発明者は、ガイドパッドを設けなくとも高精度な加工ができる回転切削工具について鋭意検討を行った。その結果、以下の構成を有する回転切削工具を見出した。
構成(A):切れ刃チップの素材として、立方晶窒化硼素焼結体(PCBN)を用いる。
構成(B):切れ刃チップは、2以上の複数個設ける。
構成(C):切れ刃チップとは別の超硬またはダイヤモンドなどのガイドパットは設けない。切れ刃チップに設けられる切れ刃稜の回転方向すぐ後側のマージンは設けてもよい。
構成(D):外周切れ刃の軸方向後側の台金の直径は、外周切れ刃回転直径よりも小さくする。
構成(E):先端切れ刃の少なくとも外周部は、直径方向に対して傾斜角θ1を有しており、その傾斜角θ1は回転軸に対して20〜80°とした斜め切れ刃とする。先端切れ刃全体が斜め切れ刃でも良い。
構成(F1):斜め切れ刃の切れ刃稜の断面形状は、半径rが30μm以下の円弧状(丸ホーニング)(鋭利な楔状を含む)とする。
構成(F2):構成(F1)に代えて、チャンファホーニングを設け、このチャンファ角度はすくい面に対して−5〜−25°とする。
構成(G):切れ刃稜の凹凸、すなわち切れ刃稜の最大高低値は、20μm以下とする。ホーニングを形成したものも当然20μm以下となる。
これとは別の異なる構成の回転切削工具として、本発明者は以下の構成を見出した。回転切削工具は、上記の構成(A)から(D)および(G)を備える。さらに、回転切削工具は以下の構成を備える。
構成(H):上記構成(E)の斜め切れ刃に代え、先端切れ刃と外周切れ刃の境界部にはR切れ刃(食い付き切れ刃、曲り切れ刃)を設ける。
構成(I1):曲り切れ刃の切れ刃稜の断面形状は、鋭利な楔状または半径rが11μm以下の円弧状(丸ホーニング)、とする。
構成(I2):構成(I1)に代えて、チャンファホーニングを設け、この角度はすくい面に対して−5〜−25°とする。
外周切れ刃の切れ刃稜の最大高低値は、20μm以下であってもよい。
外周切れ刃の軸方向後側の台金直径と外周切れ刃の回転直径との差は0.01mm以上であり、外周切れ刃の軸方向後側の台金の直径は外周切れ刃の回転直径の50%以上であってもよい。
チャンファ面の幅Wは0.05〜0.3mmであってもよい。
台金に溝が設けられ、溝ごとにクーラント用の孔を2本設けてもよい。
外周切れ刃の回転軸方向の長さは、2mm以上であってもよい。
切削条件は、先端外周に斜め切れ刃を設けた回転切削工具においては、周速度Vは100m/min以上300m/min以下としてもよい。先端外周に曲り切れ刃を設けた回転切削工具においては、周速度Vは100m/min以下としてもよい。
このような回転切削工具では、ガイドパッドが無くても、切れ味が良く安定して回転するため、加工面を高精度に加工できる。
鋳鉄、鉄系焼結合金などの仕上げ加工において、切れ刃のチッピングが生じにくく、しかも摩耗が少なく工具寿命を伸ばせる。
切れ刃や台金への切屑の溶着が起こらなくなるので、加工面あらさが悪化するのを防止できる。また、刃先欠損も起こりにくく、工具寿命は伸びる。
以上の効果により、超硬回転切削工具に比べて、5倍程度の工具寿命になる。
上記のような構成を採用することで、高性能な回転切削工具を得ることに関して、理論的な裏付けは必ずしも明らかではない。以下の理由により性能が向上すると考えられる。
切れ刃にPCBNを使い工具寿命を向上させるが、PCBNが主に使用される鋳鉄、鉄系焼結合金などの加工においては、粒状の切屑が発生し、切屑が加工面とガイドパッドの隙間に入るため、ダイヤモンド切れ刃が使用される用途とは異なり、超硬合金製ガイドパッドに切屑が溶着しやすい。
そのため、超硬合金製などのガイドパッドは設けず切屑の溶着を減らすとともに、外周切れ刃後方の台金直径を切れ刃直径より小さくして。加工孔内面との接触を防ぎ溶着を防止して、加工面精度を向上させる。
ガイドパッドを設けないので、加工中に工具の振れや振動が起こりやすくなるが、切れ刃を2ヶ以上とし、さらに鋭利な切れ刃により切れ味を向上させて、振れや振動を抑える。
加工中に工具の振れや振動を起こりにくくするため、切れ刃の先端外周側の食付き部に斜め切れ刃を設ける。そして、この斜め切れ刃の切れ味を向上させるために、斜め切れ刃の断面形状(切れ刃稜に垂直な面を断面とする)を切れ刃稜部分において半径rが30μm以下の円弧状(鋭利な楔状を含む)とする。
斜め切れ刃の切れ刃稜の凹凸を小さくして加工精度を向上させる。また、この凹凸を小さくしておくことで切れ刃のチッピングは生じにくくなり、長時間良好な加工精度が維持できて工具寿命は伸びる。
斜め切れ刃の切れ刃稜に、チャンファ面を設けても、上記の効果を実現できる。ただし、そのためにチャンファ面のチャンファ角度θ2はすくい面に対し−5〜−25°とする。角度が大きくなると、切削抵抗が大きくなって切れ味が悪くなるおそれがあるためである。
なお、「おそれがある」とは、僅かながらそのようになる可能性があることを示し、高い確率でそのようになることを意味するものではない。好ましくは、チャンファ面の幅Wを0.05〜0.3mmとする。
鋳鉄、鉄系焼結合金などの加工ではスラッジと呼ばれる微粒子状の切屑が部分的に発生する。このスラッジが加工面とガイドパッドの隙間に挟まることで溶着を引き起こし加工面粗さが低下する。
スラッジの大きさなど考慮すると、切屑がスムーズに流れるようにするため、台金半径を外周切れ刃半径より0.01mm以上小さくすると良い。
また、切れ刃半径の50%以上の隙間を設けると、台金直径が小さくなり工具剛性が極端に低下するため、台金直径は切れ刃直径の50%以上とする。ただし、隙間の大きさは0.5mm程度あれば十分なので、工具剛性を考慮すると隙間は0.5mm以下にするのが好ましい。
リーマ加工は加工する孔の入口で刃先に大きな負荷がかかるため、PCBN切れ刃チップのPCBN含有率を高くすることで刃先の欠損をより防止できる。食い付き部が直線状の斜め切れ刃が形成されたリーマでは、切削速度を上げることによって切屑厚みは薄くなり切削抵抗は下がるので、切削速度は高速切削である外周切れ刃の周速度Vが100〜300m/minとするのが好ましい。また、食い付き部が曲り切れ刃のリーマでは、高速切削になるほどビビリが発生するため外周切れ刃の周速度Vが100m/min以下の低めの切削速度にするのが好ましい。
クーラント穴の数を多くする、クーラント穴を大きくする、クーラント供給圧力を上げる方法などにより、クーラント供給量を大きくすることにより、切屑を効率的に排出させることも、効果を上げる上で効果的である。特に、クーラントを食い付き部(斜め切れ刃および曲り切れ刃)と外周切れ刃の2ヶ所に供給することで切屑の排出を向上させ、堆積および溶着を防止することができる。
特許文献1(特開2002−144145号公報)の回転切削工具では、本実施形態における斜め切れ刃および曲り切れ刃が開示されていない。これらの構成が重要であり、これらの構成が上記の作用効果を奏する。
この発明の一つの実施形態に従った回転切削工具は、台金と、台金の外周に設けられた複数のPCBNチップとを備え、複数のPCBNチップは、複数のPCBNチップは、外周先端に位置して回転軸に対して20°以上80°以下の角度をなす斜め切れ刃と斜め切れ刃の回転軸方向後側に位置する外周切れ刃とを有し、外周切れ刃の回転軸方向後側の台金の回転直径は外周切れ刃の回転直径よりも小さく、斜め切れ刃の延びる方向に垂直な断面において、斜め切れ刃の切れ刃稜は半径30μm以下の丸みを有し、斜め切れ刃の切れ刃稜の最大高低値は20μm以下である。
この発明の別の実施形態に従った回転切削工具は、台金と、台金の外周に設けられた複数のPCBNチップとを備え、複数のPCBNチップは、外周先端に位置して回転軸に対して20°以上80°以下の角度をなす斜め切れ刃と斜め切れ刃の回転軸方向後側に位置する外周切れ刃とを有し、外周切れ刃の回転軸方向後側の台金の回転直径は外周切れ刃の回転直径よりも小さく、複数のPCBNチップには、斜め切れ刃に隣接するように面取りされたチャンファ面が形成されており、チャンファ面はすくい面に対して−5から−25°の角度をなし、斜め切れ刃の切れ刃稜の最大高低値は20μm以下である。
この発明の別の実施形態に従った回転切削工具は、台金と、台金の外周に設けられたPCBNチップとを備え、PCBNチップは、外周切れ刃、前切れ刃ならびに外周切れ刃および前切れ刃の間に位置する曲り切れ刃とを有し、外周切れ刃の回転軸方向後側の台金の回転直径は外周切れ刃の回転直径よりも小さく、斜め切れ刃の延びる方向に垂直な断面において、曲り切れ刃の切れ刃稜は半径11μm以下の丸みを有し、曲り切れ刃の切れ刃稜の最大高低値は20μm以下である。
この発明の別の実施形態に従った回転切削工具は、台金と、台金の外周に設けられたPCBNチップとを備え、PCBNチップには、すくい面と逃げ面との間において面取りされたチャンファ面が形成されており、PCBNチップは、外周切れ刃、前切れ刃ならびに外周切れ刃および前切れ刃の間に位置する曲り切れ刃とを有し、外周切れ刃の回転軸方向後側の台金の回転直径は外周切れ刃の回転直径よりも小さく、斜め切れ刃の延びる方向に垂直な断面において、曲り切れ刃の切れ刃稜は半径11μm以下の丸みを有し、曲り切れ刃の切れ刃稜の最大高低値は20μm以下である。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に従った回転切削工具の正面図である。図1で示すように、回転切削工具1はリーマである。回転切削工具1は、台金10を有する。
台金10は長手方向に延在している。台金10の先端部にはチップ20が設けられている。台金10には溝11が長手方向に延びるように設けられている。溝11内にチップ20が配置される。
台金10は、たとえば鋼または超硬合金により構成される。台金10にロウ付けによりチップ20が固定されている。なお、この実施例では台金10に直接チップ20が固定されているが、チップ20がロウ付けによりチップ20とは別の台座に固定され、台座がロウ付けまたはボルトにより台金10に固定されていてもよい。
チップ20は、たとえばPCBN(立方晶窒化硼素焼結体)からなるPCBNチップ29と、PCBNチップ29を保持するベースとしての台座30とで構成される。
台金10にはクーラント通路12が設けられている。クーラント通路12は、台金10の長手方向に沿って台金10の内部を延びており、クーラントをPCBNチップ29と工作物との接触界面に供給するための孔13に繋がっている。台金10には、孔13に連なる開口14が設けられている。
この実施の形態では4つのチップ20が台金10に設けられるが、4より多いまたは少ない複数のチップ20が台金10に設けられてもよい。複数のチップ20は同一の円周軌道に設けられる。また、台金10の軸方向に複数段にわたり、複数のチップ20が台金10に設けられてもよい。
図2は、図1中のIIで囲んだ部分の回転切削工具の拡大図である。図2で示すように、チップ20を構成するPCBNチップ29は、前切れ刃21と、前切れ刃21に連なるように外周先端に位置する斜め切れ刃22と、斜め切れ刃22に連なる外周切れ刃23とを有する。前切れ刃21、斜め切れ刃22および外周切れ刃23で囲まれた領域がすくい面24である。
この実施の形態では、前切れ刃21は外周切れ刃23に対して略直交するように延びている。しかしながら、前切れ刃21は外周切れ刃23に対して傾斜角を有していてもよい。傾斜角は回転軸2に対して前切れ刃21がなす角度である。
斜め切れ刃22は回転軸2に対して傾斜角θ1をなしている。傾斜角θ1は、直線形状の斜め切れ刃22と延長した点線3と、回転軸2とがなす角度である。点線3と回転軸2とが交わる場合には傾斜角θ1は交差する部分の角度である。点線3と回転軸2とが交わらずねじれの位置にある場合には傾斜角θ1は点線3を平行移動させて回転軸2を交わらせたときの交差する部分の角度である。PCBNチップ29の後側に曲線状の後端25が設けられている。外周切れ刃23の外径は台金10の外径よりも大きい。
傾斜角θ1は20°以上80°以下である。斜め切れ刃22は工作物の孔を広げる働きを有する。傾斜角θ1が20°未満では斜め切れ刃22は外周切れ刃23と略平行になり、斜め切れ刃22が工作物から径方向に受ける力が大きくなり、ビビリやすくなる。傾斜角θ1が80°を超えると、斜め切れ刃22と外周切れ刃23の交点が欠けやすくなる。
PCBNチップ29と台座30との間には、ロウ材層50が設けられている。ロウ材層50以外の手段、たとえば焼結によりPCBNチップ29を台座30に固定してもよい。
PCBNチップ29は前逃げ面26、斜め逃げ面27および外周逃げ面28を有する。これらがPCBNチップ29の逃げ面となる。前逃げ面26は前切れ刃21と隣接する。斜め逃げ面27は斜め切れ刃22と隣接する。外周逃げ面28は外周切れ刃23と隣接する。
外周切れ刃23に沿って延びるように、外周切れ刃23の回転方向後側で外周逃げ面28の回転方向前側にマージンが形成されていてもよい。マージンは、回転切削において工作物と接触する部分である。外周逃げ面28は、回転切削において工作物と接触しない部分である。マージンはPCBNチップ29のみで形成されていてもよい。マージンはPCBNチップ29と台座30とで構成されていてもよい。
外周切れ刃23の回転軸2方向後側の台金10の回転直径D1(図1)は外周切れ刃23の回転直径D2(図1)よりも小さい。
図3は、図2中の矢印IIIで示す方向から見た回転切削工具の側面図である。図3で示すように、台金10のクーラント通路12から半径方向外側に向かって孔13が設けられている。孔13の先端が開口14である。開口14は前切れ刃21および斜め切れ刃22の回転方向前側に設けられる。開口14から噴出したクーラントが前切れ刃21などが工作物と接触する部分に供給される。
図4は、図2中のIV−IV線に沿った断面図である。図4で示すように、PCBNチップ29において、すくい面24と斜め逃げ面27との間が斜め切れ刃22である。図4で示す断面において、斜め切れ刃22は半径rの円弧形状である。この円弧はホーニングにより形成される。
斜め切れ刃22の延びる方向に垂直な断面において、斜め切れ刃22の切れ刃稜は半径rが30μm以下の丸みを有し、斜め切れ刃22の切れ刃稜の最大高低値は20μm以下である。
「最大高低値」は、たとえばキーエンス製マイクロスコープで500倍での観察によって測定できる。以下、最大高低値は、単に「PV値」とも記される。
図13は最大高低値の測定方法を説明するための図である。すくい面24に対して垂直な向き(図4の矢印24pで示す方向)から斜め切れ刃22の稜を見ると、図13で示すような像が得られる。斜め切れ刃22の最も外側の山の部分を結んだ直線601を基準として、直線601に平行で最も内側に位置する斜め切れ刃22の凹部を通過する直線602を引く。直線601と直線602との間の距離がPV値である。
半径rが30μmを超えると、斜め切れ刃22が鋭利でなくなり、切れ味が悪化する。PV値が20μmを超えると、工作物の表面粗さが低下して高精度の切削が困難になる。
(実施の形態2)
図5は、実施の形態2に従った回転切削工具の一部分の正面図である。図6は、図5中のVI−VI線に沿った断面図である。図5および図6で示すように、実施の形態2に従った回転切削工具1のPCBNチップ29には、面取りされて形成されたチャンファ面22aが設けられている点において、実施の形態1に従った回転切削工具1と異なる。
すなわち、回転切削工具1は、台金10と、台金10の外周に設けられた複数のPCBNチップ29とを備え、複数のPCBNチップ29は、外周切れ刃23、前切れ刃21ならびに外周切れ刃23および前切れ刃21の間に位置して回転軸2に対して20°以上80°以下の傾斜角θ1をなす斜め切れ刃22とを有する。
外周切れ刃23の回転軸2方向後側の台金10の回転直径は外周切れ刃23の回転直径よりも小さく、PCBNチップ29には、外周先端に位置する斜め切れ刃22に隣接するように面取りされたチャンファ面22aが形成されており、斜め切れ刃22の切れ刃稜の最大高低値は20μm以下である。チャンファ面22aがすくい面24に対してなすチャンファ角θ2は−5°から−25°である。チャンファ面22aの幅Wは0.05〜0.3mmであってもよい。
(実施の形態3)
図7は、実施の形態3に従った回線切削工具のチップの断面図である。図7は、図2中のIV−IV線に沿った断面図に対応する。図7で示すように、実施の形態3に従ったPCBNチップ29の斜め切れ刃22の稜は断面において半径rがほぼゼロの鋭利な形状とされている。このような斜め切れ刃22も半径rが30μm以下の丸みを有する。
(実施の形態4)
図8は、実施の形態4に従った回転切削工具の一部分の正面図である。なお、図8中のIV−IV線に沿った断面は、図4に対応する。実施の形態4に従った回転切削工具1は、台金10と、台金10の外周に設けられた複数のPCBNチップ29とを備え、複数のPCBNチップ29は、外周切れ刃23、前切れ刃21ならびに外周切れ刃23および前切れ刃21の間に位置する曲り切れ刃122とを有する。外周切れ刃23の回転軸2方向後側の台金10の回転直径は外周切れ刃23の回転直径よりも小さい。曲り切れ刃122の延びる方向に垂直な断面において、曲り切れ刃122の切れ刃稜は半径rが11μm以下の丸みを有し、曲り切れ刃122の切れ刃稜の最大高低値は20μm以下である。すくい面24内における曲り切れ刃122の半径はRである。半径Rの大きさに特に制限はない。半径Rの大きさは、前切れ刃21と外周切れ刃23とを滑らかにつなぐ寸法であればよい。曲り切れ刃122は円弧形状または楕円弧形状、または複数の曲率を有する形状であってもよい。
実施の形態1の直線状の斜め切れ刃22と比較して、外周先端の曲り切れ刃122は湾曲している。その結果、直線状の斜め切れ刃22と同様の切れ味を得るためには、半径rをより小さくする必要がある。そこで、半径rを11μmとして、より鋭利な断面とすることで、工作物への食いつきを良くして、切れ味を向上させている。
より具体的には、曲り切れ刃122で切削速度を上げるとビビリが発生しやすいため、低速加工条件が適している。低速加工の場合、切れ味が悪いと加工面が白濁する。そのため、切れ味を向上させるために、直線の斜め切れ刃より丸み半径を小さくしている。
(実施の形態5)
図9は、実施の形態5に従った回転切削工具の正面図である。図10は、図9中のXで囲んだ部分の回転切削工具の拡大図である。図11は、図10中の矢印XIで示す方向から見た回転切削工具の側面図である。
実施の形態5に従った回転切削工具1では、4つのチップ20が台金10の外周上に不均等な間隔で配置されている点において、4つのチップ20が台金10の外周上に均等な間隔で配置される実施の形態1の回転切削工具1と異なる。さらに、実施の形態5の回転切削工具1では1つの溝11に2つの開口14が設けられている。先端側の開口14が主として前切れ刃21および斜め切れ刃22にクーラントを供給し、後端側の開口14が主として外周切れ刃23にクーラントを供給する。
(実施の形態6)
図12は、実施の形態6に従った回転切削工具の一部分の正面図である。なお、図12中のVI−VI線に沿った断面は、図6に対応する。実施の形態6に従った回転切削工具1は、台金10と、台金10の外周に設けられた複数のPCBNチップ29とを備える。複数のPCBNチップ29は、外周切れ刃23、前切れ刃21ならびに外周切れ刃23および前切れ刃21の間に位置する曲り切れ刃122とを有する。外周切れ刃23の回転軸2方向後側の台金10の回転直径は外周切れ刃23の回転直径よりも小さい。PCBNチップ29には、曲り切れ刃122に隣接するように面取りされたチャンファ面122aが形成されている。チャンファ面122aはすくい面24に対して−5から−25°の角度をなし、曲り切れ刃122の切れ刃稜の最大高低値は20μm以下である。
[本発明の実施形態の詳細]
(実施例)
(1)斜め切れ刃22の検証
(1−1)傾斜角θ1の検証
実施の形態1(図1から4)の台金10にチップ20を2つ設けた複数の回転切削工具1を準備した。外周切れ刃23の回転直径は6mmとした。外周切れ刃23の後側の台金10の回転直径は5.99mmとした。すくい面24と、前逃げ面26、斜め逃げ面27および外周逃げ面28とのなす角度(刃物角)は80°とした。ホーニングで形成された丸み半径rは10μmとした。複数の回転切削工具1の各々は、下記の傾斜角θ1およびPV値を有する。
上記の回転切削工具を用いて切削加工試験を行った。切削条件は外周切れ刃23の周速度Vが200m/minとした。これは高速切削である。送り量は0.05mm/revとした。被加工物は鉄系焼結合金とした。下孔直径は5.8mmとした。取り代は直径あたり0.2mmとした。切削後の被加工物の表面粗さを下記に示す。なお、被加工物の表面粗さは表面粗さ測定機(東京精密製サーフコム)により測定した。
表2から傾斜角θ1が20°以上80°以下であれば好ましい表面粗さが得られて高精度な切削加工が可能であることが分かった。
(1−2)チャンファ角θ2の検証
実施の形態2(図5,6)の台金10にチップ20を2つ設けた複数の回転切削工具1を準備した。外周切れ刃23の回転直径は6mmとした。外周切れ刃23の後側の台金10の回転直径は5.99mmとした。すくい面24と、前逃げ面26、斜め逃げ面27および外周逃げ面28とのなす角度(刃物角)は80°とした。傾斜角θ1は45°とした。ホーニングで形成したチャンファ面22aの幅Wは0.1mmとした。複数の回転切削工具1の各々は下記のチャンファ角θ2およびPV値を有する。
上記の回転切削工具を用いて切削加工試験を行った。切削条件は外周切れ刃23の周速度Vが200m/minとした。これは高速切削である。送り量は0.05mm/revとした。被加工物は鉄系焼結合金とした。下孔直径は5.8mmとした。取り代は直径あたり0.2mmとした。切削後の被加工物の表面粗さを下記に示す。
表4からチャンファ角θ2が−5°から−25°であれば好ましい表面粗さが得られて高精度な切削加工が可能であることが分かった。
(1−3)半径rの検証
実施の形態1(図1から4)の台金10にチップ20を2つ設けた複数の回転切削工具1を準備した。外周切れ刃23の回転直径は6mmとした。外周切れ刃23の後側の台金10の回転直径は5.99mmとした。すくい面24と、前逃げ面26、斜め逃げ面27および外周逃げ面28とのなす角度(刃物角)は80°とした。傾斜角θ1は45°とした。複数の回転切削工具1の各々はホーニングで形成された下記の丸み半径rおよびPV値(μm)を有する。
上記の回転切削工具を用いて切削加工試験を行った。切削条件は外周切れ刃23の周速度Vが200m/minとした。これは高速切削である。送り量は0.05mm/revとした。被加工物は鉄系焼結合金とした。下孔直径は5.8mmとした。取り代は直径あたり0.2mmとした。切削後の被加工物の表面粗さを下記に示す。
表6から丸みの半径rが30μm以下であれば好ましい表面粗さが得られて高精度な切削加工が可能であることが分かった。
(1−4)PV値の検証
実施の形態3(図1,2,3,7)の台金10にチップ20を2つ設けた複数の回転切削工具1を準備した。外周切れ刃23の回転直径は6mmとした。外周切れ刃23の後側の台金10の回転直径は5.99mmとした。すくい面24と、前逃げ面26、斜め逃げ面27および外周逃げ面28とのなす角度(刃物角)は80°とした。傾斜角θ1は45°とした。ホーニングで形成された丸み半径rは20μmとした。複数の回転切削工具1の各々はそれらの斜め切れ刃22の切れ刃稜において下記のPV値を有する。
上記の回転切削工具を用いて切削加工試験を行った。切削条件は外周切れ刃23の周速度Vが200m/minとした。これは高速切削である。送り量は0.05mm/revとした。被加工物は鉄系焼結合金とした。下孔直径は5.8mmとした。取り代は直径あたり0.2mmとした。切削後の被加工物の表面粗さを下記に示す。
表8から斜め切れ刃22の切れ刃稜のPV値が20μm以下であれば好ましい表面粗さが得られて高精度な切削加工が可能であることが分かった。
(2)曲り切れ刃122の検証
(2−1)半径rの検証
実施の形態4(図4,8)の台金10にチップ20を2つ設けた複数の回転切削工具1を準備した。外周切れ刃23の回転直径は6mmとした。外周切れ刃23の後側の台金10の回転直径は5.99mmとした。すくい面24と、前逃げ面26、斜め逃げ面27および外周逃げ面28とのなす角度(刃物角)は80°とした。半径Rは0.3mmとした。複数の回転切削工具1の各々はホーニングで形成された下記の丸み半径rを有する。
上記の回転切削工具を用いて切削加工試験を行った。切削条件は外周切れ刃23の周速度Vが200m/minとした。これは高速切削である。送り量は0.05mm/revとした。被加工物は鉄系焼結合金とした。下孔直径は5.8mmとした。取り代は直径あたり0.2mmとした。
表10から半径rが11μm以下であれば好ましい表面粗さが得られて高精度な切削加工が可能であることが分かった。
(2−2)チャンファ角θ2の検証
実施の形態6(図6,12)の台金10にチップ20を2つ設けた複数の回転切削工具1を準備した。外周切れ刃23の回転直径は6mmとした。外周切れ刃23の後側の台金10の回転直径は5.99mmとした。すくい面24と、前逃げ面26、斜め逃げ面27および外周逃げ面28とのなす角度(刃物角)は80°とした。半径Rは0.3mmとした。ホーニングで形成したチャンファ面122aの幅Wは0.1mmとした。複数の回転切削工具1の各々は、下記のチャンファ角θ2を有する。
上記の回転切削工具を用いて切削加工試験を行った。切削条件は外周切れ刃23の周速度Vが200m/minとした。これは高速切削である。送り量は0.05mm/revとした。被加工物は鉄系焼結合金とした。下孔直径は5.8mmとした。取り代は直径あたり0.2mmとした。切削後の被加工物の表面粗さを下記に示す。
表12からチャンファ角θ2が−5°から−25°であれば好ましい表面粗さが得られて高精度な切削加工が可能であることが分かった。
さらに、曲り切れ刃122にチャンファ面122aを形成すると切削抵抗が高くなる傾向があるため、チャンファ面122aよりもホーニングによる丸み(半径rが25μm以下)を設けることが好ましいことが分かった。
(3−1)斜め切れ刃における斜め逃げ面の逃げ角の検証
実施例2の工具を基準として、斜め逃げ面27の逃げ角の異なるもので検証した。実施の形態1(図1から4)の台金10にチップ20を2つ設けた複数の回転切削工具1を準備した。外周切れ刃23の回転直径は6mmとした。外周切れ刃23の回転軸方向後側の台金10の回転直径は5.99mmとした。すくい面24と、前逃げ面26および外周逃げ面28とのなす角度(刃物角)は80°とした。ホーニングで形成された丸み半径rは10μmとした。傾斜角θ1は45°とした。複数の回転切削工具1の各々の斜め切れ刃の逃げ角は、以下の表13に示す角度を有する。なお、逃げ角が2°や3°のように小さいものについては、斜め逃げ面27の斜め切れ刃と反対側に第2の斜め逃げ面27s(図14)を形成し、この第2の斜め逃げ面27sの逃げ角は10°とした。
図14は、斜め逃げ面、第2の逃げ面およびそれらの逃げ角を説明するための図である。矢印1rで示す方向が工具回転方向であり、矢印1fで示す方向が工具送り方向であり、矢印1rで示す工具回転方向(被加工面の延在方向と平行)に対して斜め逃げ面27のなす角度が逃げ角である。斜め逃げ面27が小さいときには第2の斜め逃げ面27sを設ける。
上記の回転切削工具を用いて切削加工試験を行った。切削条件は外周切れ刃23の周速度Vが200m/minとした。これは高速切削である。送り量は0.05mm/revとした。被加工物は鉄系焼結合金とした。下孔直径は5.8mmとした。取り代は直径あたり0.2mmとした。切削後の真円度および切削前後の刃先状態を表13に示す。
評価結果のうち、真円度については、加工開始から10穴の平均値とした。真円度は、(株)東京精密製テーブル回転型CNC真円度・円筒形状測定機を用いて測定した。真円度は5μm以下であればよく、より好ましくは4μm以下である。
表13から、斜め切れ刃の逃げ角が3°以上20°以下であれば、真円度が好ましい範囲となり、かつ、寿命が長くなることが分かった。
逃げ角が大きくなると加工数増加に伴い、チッピングが発生しやすくなって切れ刃稜のPV値が大きくなり、加工精度が悪化しやすい。また、逃げ角が小さくなるとチッピングは発生しにくくなるが、切削抵抗が大きくなり加工精度が悪化しやすい。
(3−2)曲り切れ刃における逃げ面の逃げ角の検証
実施例42の工具を基準として、斜め逃げ面27の逃げ角の異なるもので検証した。実施の形態4(図4,8)の台金10にチップ20を2つ設けた複数の回転切削工具1を準備した。外周切れ刃23の回転直径は6mmとした。外周切れ刃23の回転軸方向後側の台金10の回転直径は5.99mmとした。すくい面24と、前逃げ面26および外周逃げ面28とのなす角度(刃物角)は曲り切れ刃の刃物角に合わせた同じ角度とした。半径Rは0.3mmとした。ホーニングで形成された丸み半径rは5μmとした。複数の回転切削工具1の各々の曲り切れ刃の逃げ角は、以下の表14に示す角度を有する。なお、逃げ角が2°や3°のように小さいものについては、斜め逃げ面27の曲り切れ刃と反対側に第2の斜め逃げ面27sを形成し、この第2の斜め逃げ面27sの逃げ角は10°とした。
上記の回転切削工具を用いて切削加工試験を行った。切削条件は外周切れ刃23の周速度Vが100m/minとした。これは高速切削である。送り量は0.05mm/revとした。被加工物は鉄系焼結合金とした。下孔直径は5.8mmとした。取り代は直径あたり0.2mmとした。切削後の真円度および切削前後の刃先状態を表14に示す。
評価結果のうち、真円度については、加工開始から10穴の平均値とした。真円度は5μm以下であればよく、より好ましくは4μm以下である。表14から、曲り切れ刃の逃げ角が3°以上20°以下であれば、真円度が好ましい範囲となり、かつ、寿命が長くなることが分かった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 回転切削工具、2 回転軸、3 点線、10 台金、11 溝、12 クーラント通路、13 孔、14 開口、20 チップ、21 前切れ刃、22 斜め切れ刃、22a,122a チャンファ面、23 外周切れ刃、24 すくい面、25 後端、26 前逃げ面、27 斜め逃げ面、27s 第2の斜め逃げ面、28 外周逃げ面、29 PCBNチップ、30 台座、50 ロウ材層、122 曲り切れ刃。

Claims (6)

  1. 台金と、前記台金の外周に設けられた複数のPCBNチップとを備え、
    複数の前記PCBNチップは、外周先端に位置して回転軸に対して20°以上80°以下の角度をなす斜め切れ刃と前記斜め切れ刃の回転軸方向後側に位置する外周切れ刃とを有し、
    前記外周切れ刃の前記回転軸方向後側の前記台金の回転直径は前記外周切れ刃の回転直径よりも小さく、
    前記斜め切れ刃の延びる方向に垂直な断面において、前記斜め切れ刃の切れ刃稜は半径30μm以下の丸みを有し、
    前記斜め切れ刃の切れ刃稜の最大高低値は20μm以下である、回転切削工具。
  2. 前記斜め切れ刃の逃げ角は3°以上20°以下である、請求項1に記載の回転切削工具。
  3. 台金と、前記台金の外周に設けられた複数のPCBNチップとを備え、
    複数の前記PCBNチップは、外周先端に位置して回転軸にする傾斜が変化する曲り切れ刃と前記曲り切れ刃の回転軸方向後側に位置する外周切れ刃とを有し、
    前記外周切れ刃の前記回転軸方向後側の前記台金の回転直径は前記外周切れ刃の回転直径よりも小さく、
    前記曲り切れ刃の延びる方向に垂直な断面において、前記曲り切れ刃の切れ刃稜は半径11μm以下の丸みを有し、
    前記曲り切れ刃の切れ刃稜の最大高低値は20μm以下である、回転切削工具。
  4. 前記曲り切れ刃の逃げ角は3°以上20°以下である、請求項3に記載の回転切削工具。
  5. 前記外周切れ刃の切れ刃稜の最大高低値は20μm以下である、請求項1から4のいずれか1項に記載の回転切削工具。
  6. 前記外周切れ刃の軸方向後側の前記台金の直径と前記外周切れ刃の回転直径との差は0.01mm以上であり、前記外周切れ刃の軸方向後側の前記台金の直径は前記外周切れ刃の回転直径の50%よりも大きい、請求項1から5のいずれか1項に記載の回転切削工具。
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