JPWO2019073530A1 - ナノカーボン分離装置、ナノカーボンの分離方法、ナノカーボンの回収方法 - Google Patents

ナノカーボン分離装置、ナノカーボンの分離方法、ナノカーボンの回収方法 Download PDF

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Abstract

本発明のナノカーボン分離装置(10)は、ナノカーボンを含む分散液を収容する分離槽(11)と、分離槽(11)内の上部に設けられた第1の電極(12)と、分離槽(11)内の下部に設けられた第2の電極(13)と、分離槽(11)内にて第1の電極(12)と第2の電極(13)の間に設けられた多孔質構造物(14)と、を備える。

Description

本発明は、ナノカーボン分離装置、ナノカーボンの分離方法およびナノカーボンの回収方法に関する。
単層カーボンナノチューブは、高い電子移動度を持ち、その機械的特性、電気的特性、化学的特性等から様々な分野への適用が期待されている。単層カーボンナノチューブは、半導体性と金属性の異なる性質を持つ材料が2:1の割合で含まれる混合物として合成されるため、工業的に応用するためには、性質毎に高純度かつ速やかに分離を行う必要がある。
単層カーボンナノチューブの混合物を分離する方法としては、例えば、異なる複数の電荷を持つナノカーボンミセル群に分散した、ナノカーボン材料の分散溶液と、ナノカーボン材料と異なる比重を持つ保持溶液とを、電気泳動槽内に所定の方向に積層して導入配置する工程と、積層して導入配置した分散溶液と保持溶液に、直列方向に直流電圧を印加することにより、該ナノカーボンミセル群を2以上のナノカーボンミセル群に分離する工程と、を含むナノカーボン材料分離方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、単層カーボンナノチューブを非イオン性界面活性剤溶液中へ分散した単層カーボンナノチューブ含有ミセル分散溶液に対して縦型に設置された分離槽内で直流電圧を印加し、各ミセルが全体として正電荷を有する金属性単層カーボンナノチューブの濃縮されている単層カーボンナノチューブ含有ミセル分散液層と、各ミセルが全体としては極めて弱い電荷しか有しない半導体性単層カーボンナノチューブ含有ミセル分散液の層との、少なくとも2層に分離する工程を有する単層カーボンナノチューブ分離方法であって、直流電圧が、分離槽の上部に設置された陰極と、下部設置された陽極とにより印加され、電界の向きが重力方向と平行で上方に向いている単層カーボンナノチューブ分離方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許第5541283号公報 特許第5717233号公報
しかしながら、特許文献1および2に記載の分離方法では、一度に多量の単層カーボンナノチューブの混合物を分離するために、分離槽の直径を拡大すると、直径の拡大に伴って、分離槽内において、単層カーボンナノチューブを含む分散液の対流等による擾乱が生じて、分離に時間を要するという課題があった。
本発明は、ナノカーボンの混合物の分離において、分離に要する時間を短縮する、ナノカーボン分離装置、ナノカーボンの分離方法およびナノカーボンの回収方法を提供することを目的とする。
本発明のナノカーボン分離装置は、ナノカーボンを含む分散液を収容する分離槽と、前記分離槽内の上部に設けられた第1の電極と、前記分離槽内の下部に設けられた第2の電極と、前記分離槽内にて前記第1の電極と前記第2の電極の間に設けられた多孔質構造物と、を備える。
本発明のナノカーボンの分離方法は、本発明のナノカーボン分離装置を用いたナノカーボンの分離方法であって、前記分離槽にナノカーボンを含む分散液を注入する工程と、前記第1の電極と前記第2の電極に直流電圧を印加し、前記分散液に含まれる金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを分離する工程と、を有する。
本発明のナノカーボンの回収方法は、本発明のナノカーボン分離装置を用いたナノカーボンの回収方法であって、前記ナノカーボン分離装置による分離操作が終了した後、前記多孔質構造物を、金属型ナノカーボンを多く含む領域Aと半導体型ナノカーボンを多く含む領域Bとに分割し、前記領域Aから前記金属型ナノカーボンを回収し、前記領域Bから前記半導体型ナノカーボンを回収する。
本発明によれば、ナノカーボンの混合物の分離において、分離に要する時間を短縮することができる。
第1の実施形態のナノカーボン分離装置を示す模式図である。 第1の実施形態のナノカーボン分離装置を示す模式図である。 本発明のナノカーボンの分離方法を示すフローチャートである。 第1の実施形態のナノカーボン分離装置におけるナノカーボンの回収方法を示す模式図である。 第1の実施形態のナノカーボン分離装置におけるナノカーボンの回収方法を示す模式図である。 第2の実施形態のナノカーボン分離装置を示す模式図である。 第3の実施形態のナノカーボン分離装置を示す模式図である。 第4の実施形態のナノカーボン分離装置を示す斜視図である。
本発明のナノカーボン分離装置、ナノカーボンの分離方法およびナノカーボンの回収方法の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[第1の実施形態]多孔質構造物:スポンジ
(ナノカーボン分離装置)
図1は、本実施形態のナノカーボン分離装置を示す模式図である。
本実施形態のナノカーボン分離装置10は、分離槽(電気泳動槽)11と、分離槽11内の上部に設けられた第1の電極12と、分離槽11内の下部に設けられた第2の電極13と、分離槽11内にて第1の電極12と第2の電極13の間に、分離槽11の高さ方向に沿って延在するように設けられた多孔質構造物14と、を備える。
本実施形態のナノカーボン分離装置10では、多孔質構造物14が、内部に細かな孔が無数に空いた多孔質の柔らかい物体であるスポンジからなる。
第1の電極12は、分離槽11内にて、その高さ方向の上方(分離槽11内にて、その高さの半分より上の領域、分離槽11の内底面11aとは反対側の領域)に配置されている。
第2の電極13は、分離槽11内にて、その高さ方向の下方(分離槽11内にて、その高さの半分より下の領域、分離槽11の内底面11a側の領域)に配置されている。
本実施形態のナノカーボン分離装置10において、第1の電極12が陰極、第2の電極13が陽極である。この場合、第1の電極12と第2の電極13に直流電圧を印加すると、電界の向きが分離槽11の下方から上方へ向かう。
分離槽11は、ナノカーボンを含む分散液(以下、「ナノカーボンの分散液」という。)30を収容可能な空間を有する。分離槽11は、電気泳動により、収容したナノカーボンの分散液30に分散した、ナノカーボンの分離を行うためのものである。分離槽11は、ナノカーボンの分散液30を収容できるものであれば、その形状や大きさは特に限定されない。
分離槽11は、中空管を有する容器である。分離槽11の下端は閉じられており、容器の底になっている。
分離槽11の材質は、ナノカーボンの分散液30に対して安定であり、かつ絶縁性の材質であれば特に限定されない。分離槽11の材質としては、例えば、ガラス、石英、アクリル樹脂等が挙げられる。
第1の電極12および第2の電極13としては、電気泳動に用いることができ、ナノカーボンの分散液30に対して安定なものであれば特に限定されない。第1の電極12および第2の電極13としては、例えば、白金電極等が挙げられる。
第1の電極12および第2の電極13の構造は、特に限定されず、分離槽11内において、多孔質構造物14によって区画される領域の形状や大きさに応じて適宜選択される。第1の電極12の構造は、多孔質構造物14の上部に配置され、かつ分離槽11内において、多孔質構造物14の上端の全域に拡がるように配置されるものであれば特に限定されない。第2の電極13の構造としては、多孔質構造物14の下部に配置され、かつ分離槽11内において、多孔質構造物14の下端の全域に拡がるように配置されるものであれば特に限定されない。第1の電極12および第2の電極13の構造としては、例えば、分離槽11の平面視において、円環状、円板状、棒状等が挙げられる。また、第1の電極12および第2の電極13の構造としては、多数の微細孔が均質に設けられた多孔板状が挙げられる。
多孔質構造物14をなすスポンジとしては、特に限定されない。スポンジの材質は、ナノカーボンの分散液30に対して安定であり、かつ絶縁性の材質であれば特に限定されない。スポンジは、内部に細かな孔が連続的につながり、無数に空いた多孔質体である。スポンジとしては、天然の海綿からなるもの、合成樹脂からなる人造のスポンジ等が挙げられる。また、スポンジの材質としては、次のような溶液を保持できる多孔質材料を用いることができる。多孔質材料としては、例えば、ウレタン;発泡ポリエチレン、ポリエチレン、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム、メラミン樹脂等を利用した合成スポンジ類;モクヨカイメンに代表される海面生物により産出される天然スポンジ;軽石等が挙げられる。さらに、一例を挙げるならば、空孔率98.5%であるウレタンフォーム製吸水用スポンジ(そのような例;トラスコ中山 TRUSCO 吸水スポンジ)を用いることができる。よって、スポンジからなる多孔質構造物14によって、分離槽11内が多数の領域に区画される。
多孔質構造物14の大きさ(高さ、外径、体積等)は、特に限定されず、多孔質構造物14に保持させるナノカーボンの分散液30の量に応じて、適宜調整される。
多孔質構造物14における多孔率(多孔度)は、ナノカーボンミセルが通過でき、かつ、連続的に孔がつながり、上下の電極間に対して電位勾配が形成されるならば、いかなる多孔率をとっても良い。合成スポンジにおいては、多孔質構造物14における多孔率(多孔度)は、80%以上99.9%以下であることが好ましく、90%以上99%以下であることがより好ましい。なお、合成スポンジにおいては、多孔質構造物14における多孔率が80%以上であれば、多孔質構造物14の全域において、細孔が連通し、ナノカーボン分離装置10を用いたナノカーボンの分散液30の分離において、多孔質構造物14がナノカーボンの分散液30に含まれる金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンの移動を妨げることがない。これにより、ナノカーボンの分散液30に含まれる金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを効率的に分離することができる。
多孔質構造物14の多孔率は、多孔質構造物14の総体積に対して、多孔質構造物14の細孔が占める割合である。多孔質構造物14の多孔率は、下記の式(1)で表わされる。
a1/A1×100・・・(1)
すなわち、多孔質構造物14の多孔率は、多孔質構造物14の細孔の全体積a1と、細孔を含む多孔質構造物14の全体積A1との比の百分率で表わされる。
多孔質構造物14の多孔率を求める方法としては、例えば、細孔を含む多孔質構造物14の見かけの比重d1と、含む多孔質構造物14の真の比重D1とを求め、それらの比重から、多孔質構造物14の多孔率を算出する方法が挙げられる。この方法では、下記の式(2)に基づいて、多孔質構造物14の多孔率を算出する。
(D1−d1)/D1×100・・・(2)
多孔質構造物14の細孔の大きさ、すなわち、細孔の内径は、40nm以上であることが好ましく、100nm以上であることがより好ましく、200nmよりも大きいことがさらに好ましい。また、細孔の内径は、1cm以下であることが好ましく、より好ましくは1mm以下である。
多孔質構造物14の細孔の内径が40nm以上であれば、ナノカーボン分離装置10を用いたナノカーボンの分散液30の分離において、多孔質構造物14がナノカーボンの分散液30に含まれる金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンの移動を妨げることがない。これにより、ナノカーボンの分散液30に含まれる金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを効率的に分離することができる。
なお、多孔質構造物14の細孔の形状は、不定形であり、例えば、球体状、回転楕円体状等をなしている。そのため、多孔質構造物14の細孔の内径とは、細孔が球体状をなす場合には球体の直径、細孔が回転楕円体状をなす場合には回転楕円体の長径、細孔が球体状および回転楕円体状以外の形状をなす場合にはその形状の最も長い部分の長さのこととする。
多孔質構造物14の細孔の大きさを求める方法としては、例えば、多孔質構造物14を光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡で観察し、その顕微鏡像から細孔の大きさを実測する方法等が挙げられる。
多孔質構造物14は、ナノカーボンの分散液30に含まれる金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンの分離状態を確認し易くするために、透明、乳白色半透明(裏が透けて見える白色)、乳白色(裏が透けない、透明ではない白色)であることが好ましい。金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンの分離が進行すると、金属型ナノカーボンの含有量が多いナノカーボンの分散液30は黒色となり、半導体型ナノカーボンの含有量が多いナノカーボンの分散液30は青色となる。そこで、多孔質構造物14の色を背景として、金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンの分離状態を、目視にて確認することが好ましい。
多孔質構造物14は、分離槽11内にて第1の電極12と第2の電極13の間の領域にて、その領域の高さ方向のほぼ全域にわたって延在することが好ましい。また、多孔質構造物14の外形は、分離槽11内にて第1の電極12と第2の電極13の間の領域の形状に相似の形状であることが好ましい。
本実施形態のナノカーボン分離装置10は、分離槽11内にナノカーボンの分散液30を注入する注入口(図示略)を備えていてもよい。注入口は、分離槽11にて、その高さ方向の上方(分離槽11にて、その高さの半分より上の領域、分離槽11の内底面11aとは反対側の領域)に設けられていてもよい。分離槽11の上端を開口部11bとした場合、その開口部11bが、分離槽11内にナノカーボンの分散液30を注入する注入口であってもよい。
本実施形態のナノカーボン分離装置10では、第1の電極12が陰極、第2の電極13が陽極である場合を例示したが、本実施形態のナノカーボン分離装置10はこれに限定されない。本実施形態のナノカーボン分離装置10にあっては、第1の電極12が陽極、第2の電極13が陰極であってもよい。
本実施形態のナノカーボン分離装置10によれば、第1の電極12と第2の電極13の間に、分離槽11の高さ方向に沿って延在するように設けられた多孔質構造物14を設けることにより、例えば、後述するナノカーボンの分離方法を実施する、ナノカーボンの分散液30に含まれる金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを分離する工程において、分離槽11内にて、ナノカーボンの分散液30に水平方向の流れが生じるのを抑制することができる。したがって、金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを迅速に分離することができる。よって、純度が高い金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを得ることができる。
(ナノカーボンの分離方法)
図1〜図3を用いて、ナノカーボン分離装置10を用いた、ナノカーボンの分離方法を説明するとともに、ナノカーボン分離装置10の作用を説明する。
図3は、本実施形態のナノカーボンの分離方法を示すフローチャートである。
本実施形態のナノカーボンの分離方法は、分離槽11にナノカーボンの分散液30を注入する工程(以下、「注入工程」という。)と、第1の電極12と第2の電極13に直流電圧を印加し、ナノカーボンの分散液30に含まれる金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを分離する工程(以下、「分離工程」という。)と、を有する。
本実施形態のナノカーボンの分離方法において、ナノカーボンとは、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノツイス卜、グラフェン、フラーレン等の主に炭素から構成される炭素材料を意味する。本実施形態のナノカーボンの分離方法では、ナノカーボンとして単層カーボンナノチューブが分散した分散液から、半導体型単層カーボンナノチューブと、金属型単層カーボンナノチューブと、を分離する場合について詳述する。
単層カーボンナノチューブは、チューブの直径、巻き方によって金属型と半導体型という2つの異なる性質に分かれることが知られている。従来の製造方法を用いて単層カーボンナノチューブを合成すると、金属的な性質を有する金属型単層カーボンナノチューブと半導体的な性質を有する半導体型単層カーボンナノチューブが統計的に1:2の割合で含まれる単層カーボンナノチューブの混合物が得られる。
単層カーボンナノチューブの混合物は、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブとを含むものであれば特に制限されない。また、本実施形態における単層カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ単体であってもよいし、一部の炭素が任意の官能基で置換された単層カーボンナノチューブや、任意の官能基で修飾された単層カーボンナノチューブであってもよい。
まず、単層カーボンナノチューブの混合物が、界面活性剤とともに分散媒に分散した単層カーボンナノチューブ分散液を調製する。
分散媒としては、単層カーボンナノチューブの混合物を分散させることができるものであれば特に限定されない。分散媒としては、例えば、水、重水、有機溶媒、イオン液体等が挙げられる。これらの分散媒の中でも、単層カーボンナノチューブが変質しないことから、水または重水が好適に用いられる。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤等が用いられる。単層カーボンナノチューブにナトリウムイオン等のイオン性の不純物が混入することを防ぐためには、非イオン性界面活性剤を用いることが好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、イオン化しない親水性部位とアルキル鎖等の疎水性部位とを有する非イオン性界面活性剤が用いられる。このような非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系に代表されるポリエチレングリコール構造を有する非イオン性界面活性剤が挙げられる。
このような非イオン性界面活性剤としては、下記式(1)で表わされるポリオキシエチレンアルキルエーテルが好適に用いられる。
2n(OCHCHOH (1)
(但し、n=12〜18、m=20〜100である。)
上記式(1)で表わされるポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル(商品名:Brij L23、シグマアルドリッチ社製)、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル(商品名:Brij C20、シグマアルドリッチ社製)、ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル(商品名:Brij S20、シグマアルドリッチ社製)、ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル(商品名:Brij O20、シグマアルドリッチ社製)、ポリオキシエチレン(100)ステアリルエーテル(商品名:Brij S100、シグマアルドリッチ社製)等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアラート(分子式:C6412626、商品名:Tween 60、シグマアルドリッチ社製)、ポリオキシエチレンソルビタントリオレアート(分子式:C2444、商品名:Tween 85、シグマアルドリッチ社製)、オクチルフェノールエトキシレート(分子式:C1422O(CO)、n=1〜10、商品名:Triton X−100、シグマアルドリッチ社製)、ポリオキシエチレン(40)イソオクチルフェニルエーテル(分子式:C1740(CHCH2040H、商品名:Triton X−405、シグマアルドリッチ社製)、ポロキサマー(分子式:C10、商品名:Pluronic、シグマアルドリッチ社製)、ポリビニルピロリドン(分子式:(CNO)、n=5〜100、シグマアルドリッチ社製)等を用いることもできる。
単層カーボンナノチューブ分散液における非イオン性界面活性剤の含有量は、0.1wt%以上5wt%以下であることが好ましく、0.5wt%以上2wt%以下であることがより好ましい。
非イオン性界面活性剤の含有量が5wt%以下であれば、単層カーボンナノチューブ分散液の粘度が高くなり過ぎることがなく、電気泳動によって容易に、単層カーボンナノチューブ分散液に含まれる金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを分離することができる。
単層カーボンナノチューブ分散液における単層カーボンナノチューブの含有量は、1μg/mL以上100μg/mL以下であることが好ましく、5μg/mL以上40μg/mL以下であることがより好ましい。
単層カーボンナノチューブの含有量が上記の範囲であれば、電気泳動によって容易に、単層カーボンナノチューブ分散液に含まれる金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを分離することができる。
単層カーボンナノチューブ分散液を調製する方法としては、特に限定されず、公知の方法が用いられる。例えば、単層カーボンナノチューブ混合物と界面活性剤を含む分散媒の混合液を超音波処理して、分散媒に、単層カーボンナノチューブ混合物を分散させる方法が挙げられる。この超音波処理により、凝集していた金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブが充分に分離し、単層カーボンナノチューブ分散液は、分散媒に金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブが均一に分散したものとなる。したがって、後述する電気泳動法により、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを分離し易くなる。なお、超音波処理により分散しなかった金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブは、超遠心分離により分離、除去することが好ましい。
次いで、注入工程にて、上述のように調製した単層カーボンナノチューブ分散液を、分離槽11に注入する。
これにより、単層カーボンナノチューブ分散液が、分離槽11内の多孔質構造物14に浸潤する。
また、分離槽11に単層カーボンナノチューブ分散液を注入することにより、単層カーボンナノチューブ分散液に第1の電極12と第2の電極13が接する。本実施形態では、単層カーボンナノチューブ分散液に第1の電極202と第2の電極203を浸漬した。なお、多孔質構造物14に第1の電極12と第2の電極13が接している必要はない。
次いで、分離工程にて、電気泳動法により、単層カーボンナノチューブ分散液に含まれる金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを分離する。
第1の電極12と第2の電極13に、所定時間(例えば、1時間〜24時間)、直流電圧を印加することにより、分離槽11内にて、電界を形成する。具体的には、電界の向きが分離槽11の下方から上方へ向かうように電界を形成する。この電界と、単層カーボンナノチューブの電荷とにより生じる電気泳動力により、単層カーボンナノチューブ分散液に含まれる単層カーボンナノチューブの混合物が、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブとに分離される。
非イオン性界面活性剤を含む単層カーボンナノチューブ分散液中では、金属型単層カーボンナノチューブが正電荷を有し、半導体型単層カーボンナノチューブが極めて弱い負電荷を有する。
したがって、第1の電極12と第2の電極13に直流電圧を印加すると、単層カーボンナノチューブ分散液に含まれる単層カーボンナノチューブの混合物のうち、金属型単層カーボンナノチューブが第1の電極12(陰極)側に移動し、半導体型単層カーボンナノチューブが第2の電極13(陽極)側に移動する。その結果として、単層カーボンナノチューブ分散液は、相対的に金属型単層カーボンナノチューブの含有量が多い分散液相(以下、「分散液相A」という。)と、相対的に半導体型単層カーボンナノチューブの含有量が多い分散液相(以下、「分散液相B」という。)と、分散液相Aと分散液相Bの間に形成され、相対的に金属型単層カーボンナノチューブおよび半導体型単層カーボンナノチューブの含有量が少ない分散液相(以下、「分散液相C」という。)との3相に相分離する。
言い換えれば、多孔質構造物14における第1の電極12側の領域には、金属型単層カーボンナノチューブを多く含む領域A、すなわち、分散液相Aを含む領域が形成される。また、多孔質構造物14における第2の電極13側の領域には、半導体型単層カーボンナノチューブを多く含む領域B、すなわち、分散液相Bを含む領域が形成される。
第1の電極12と第2の電極13に印加する直流電圧は、特に限定されず、第1の電極12と第2の電極13との間の距離や単層カーボンナノチューブ分散液における単層カーボンナノチューブの混合物の含有量等に応じて適宜調整される。
単層カーボンナノチューブ分散液の分散媒として、水または重水を用いた場合、第1の電極12と第2の電極13に印加する直流電圧を、0Vより大きく、1000V以下の間の任意の値とする。
例えば、第1の電極12と第2の電極13の距離(電極間距離)が30cmである場合、第1の電極12と第2の電極13に印加する直流電圧は、15V以上450V以下であることが好ましく、30V以上300V以下であることがより好ましい。
第1の電極12と第2の電極13に印加する直流電圧が15V以上であれば、分離槽11内にて、単層カーボンナノチューブ分散液のpH勾配を形成して、単層カーボンナノチューブ分散液に含まれる金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを分離することができる。一方、第1の電極12と第2の電極13に印加する直流電圧が450V以下であれば、水または重水の電気分解による影響を抑えられる。
また、第1の電極12と第2の電極13に直流電圧を印加したとき、第1の電極12と第2の電極13の間の電界は、0.5V/cm以上15V/cm以下であることが好ましく、1V/cm以上10V/cm以下であることがより好ましい。
第1の電極12と第2の電極13の間の電界が0.5V/cm以上であれば、分離槽11内にて、単層カーボンナノチューブ分散液のpH勾配を形成して、単層カーボンナノチューブ分散液に含まれる金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを分離することができる。一方、第1の電極12と第2の電極13の間の電界が15V/cm以下であれば、水または重水の電気分解による影響を抑えられる。
ところで、電気泳動法により、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブの分離を開始すると、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブが、分離槽11の高さ方向に沿って移動するとともに、分離槽11の高さ方向と垂直な方向にも移動する。これにより、単層カーボンナノチューブ分散液に、分離槽11の高さ方向と垂直な方向(水平方向)に流れが生じる。単層カーボンナノチューブ分散液に水平方向の流れが生じると、単層カーボンナノチューブ分散液を分散液相Aと分散液相Bに相分離するための時間が長くなる。特に、分離槽11の容積が大きくなるに伴って、分離槽11の内径が拡大した場合、相分離に要する時間が長くなる。そこで、本実施形態では、分離槽11内に、スポンジから構成される多孔質構造物14を設けて、分離槽11内を多数の領域に区画している。これにより、分離工程において、電気泳動法によって、分離槽11内にて、単層カーボンナノチューブ分散液を相分離する際、単層カーボンナノチューブ分散液に水平方向の流れが生じるのを抑制することができる。その結果、内径が大きな分離槽11を用いた場合にも、迅速に、多孔質構造物14における第1の電極12側の領域に分散液相Aを含む領域Aを形成し、多孔質構造物14における第2の電極13側の領域に分散液相Bを含む領域Bを形成して、単層カーボンナノチューブ分散液を分散液相Aと分散液相Bに相分離することができる。
本実施形態のナノカーボン分離装置10を用いたナノカーボンの分離方法によれば、第1の電極12と第2の電極13の間に、スポンジからなる多孔質構造物14を設けることにより、分離槽11内にて、単層カーボンナノチューブ分散液に水平方向の流れが生じるのを抑制することができる。この結果、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを迅速に分離することができる。よって、純度が高い金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを得ることができる。
なお、本実施形態のナノカーボンの分離方法では、単層カーボンナノチューブの混合物を、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブに分離する場合を例示したが、本実施形態のナノカーボンの分離方法はこれに限定されない。本実施形態のナノカーボンの分離方法は、例えば、分離槽11内にて、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブに分離した後、目的の性質を有する単層カーボンナノチューブのみを回収する、単層カーボンナノチューブの精製方法として行ってもよい。
(ナノカーボンの回収方法)
本実施形態のナノカーボンの回収方法は、本実施形態のナノカーボン分離装置10を用いたナノカーボンの分離方法による分離操作が終了した後、多孔質構造物14を、金属型単層カーボンナノチューブを多く含む領域Aと半導体型単層カーボンナノチューブを多く含む領域Bとに分割し、領域Aから金属型単層カーボンナノチューブを回収し、領域Bから半導体型単層カーボンナノチューブを回収する。
回収方法は、特に限定されず、分散液相Aと分散液相Bが拡散混合しない方法であればいかなる方法であってもよい。
本実施形態のナノカーボンの回収方法では、回収方法としては、例えば、次のような2つの方法が用いられる。
回収方法としては、例えば、図4に示すように、切断刃50を用いる方法が挙げられる。
この回収方法では、第1の電極12と第2の電極13に直流電圧を印加したまま、切断刃50により、多孔質構造物14を、その高さ方向において上下に切断して、多孔質構造物14を、金属型単層カーボンナノチューブを多く含む領域Aと半導体型単層カーボンナノチューブを多く含む領域Bに分割する。また、分割と同時に、多孔質構造物14における上側の領域Aと下側の領域Bの間に仕切り板等を挿入し、領域Aに存在する分散液相Aと、領域Bに存在する分散液相Bとをそれぞれ回収する。なお、切断刃50を仕切り板の一部として用いてもよい。
また、回収方法としては、例えば、図5に示すように、分離槽11とともに多孔質構造物14を捻る方法が挙げられる。
この回収方法では、分離槽11としては、アクリル樹脂等の樹脂から構成されるフィルムからなるものが用いられる。第1の電極12と第2の電極13に直流電圧を印加したまま、分離槽11と多孔質構造物14の高さ方向の中央部にて、分離槽11とともに多孔質構造物14を捻って、多孔質構造物14を、金属型単層カーボンナノチューブを多く含む領域Aと半導体型単層カーボンナノチューブを多く含む領域Bに分割する。そして、分割した多孔質構造物14における上側の領域Aに存在する分散液相Aと、多孔質構造物14における下側の領域Bに存在する分散液相Bとをそれぞれ回収する。
回収した分散液を、再び、分離槽11に収容し、上述と同様にして、電気泳動法により、単層カーボンナノチューブ分散液に含まれる金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを分離する操作を繰り返し実施することにより、純度が高い金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを得ることができる。
回収した分散液の分離効率は、顕微Raman分光分析法(Radial Breathing Mode(RBM)領域のRamanスペクトルの変化、Breit−Wigner−Fano(BWF)領域のRamanスペクトル形状の変化)、および紫外可視近赤外吸光光度分析法(吸収スペクトルのピーク形状の変化)等の手法により評価することができる。また、単層カーボンナノチューブの電気的特性について評価することによっても、分散液の分離効率を評価することができる。例えば、電界効果トランジスタを作製して、そのトランジスタ特性を測定することによって、分散液の分離効率を評価することができる。
本実施形態のナノカーボンの回収方法によれば、本実施形態のナノカーボンの分離方法による分離操作が終了した後、多孔質構造物14の領域Aから金属型単層カーボンナノチューブを効率的に回収することができ、多孔質構造物14の領域Bから半導体型単層カーボンナノチューブを効率的に回収することができる。
[第2の実施形態]複数の粒子の集合体
(ナノカーボン分離装置)
図6は、本実施形態のナノカーボン分離装置を示す模式図である。
なお、図6において、図1に示した第1の実施形態のナノカーボン分離装置と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態のナノカーボン分離装置100は、分離槽(電気泳動槽)11と、分離槽11内の上部に設けられた第1の電極12と、分離槽11内の下部に設けられた第2の電極13と、分離槽11内にて第1の電極12と第2の電極13の間に、分離槽11の高さ方向に沿って延在するように設けられた多孔質構造物101と、を備える。
本実施形態のナノカーボン分離装置100では、多孔質構造物101が、複数の粒子102の集合体である。
多孔質構造物101は、分離槽11内にて第1の電極12と第2の電極13の間に充填された複数の粒子102の集合体である。粒子102としては、分離槽11内に最密に充填した場合に、粒子間に隙間が生じる形状のものであれば特に限定されない。粒子102としては、例えば、球状の粒子、撒菱状の粒子、テトラポッド(登録商標)状の粒子等が挙げられる。
このような粒子102を、分離槽11内に充填することにより、粒子102同士の間に隙間が生じて、多孔質構造物101が形成される。粒子102同士の間に生じた隙間が、多孔質構造物101によって、分離槽11内が区画されてできる複数の領域に相当する。
粒子102の材質は、ナノカーボンの分散液30に対して安定であり、かつ絶縁性の材質であれば特に限定されない。粒子102の材質としては、例えば、ガラス、石英、アクリル樹脂等が挙げられる。
粒子102の分離槽11に対する充填量は、特に限定されず、分離槽11内に収容されるナノカーボンの分散液30の量(体積)に応じて適宜設定される。
粒子102は、ナノカーボンミセルが通過でき、かつ、連続的に空隙がつながり、上下の電極間に対して電位勾配が形成されるならば、いかなる構造をとっても良い。例えば、球状のセラミックボールとしたばあい、粒子102の平均粒子径は、1μm以上1cm以下であることが好ましく、10μm以上1mm以下であることがより好ましい。粒子102の平均粒子径が1μm以上であれば、分離槽11内に充填した粒子102同士の間に、後述する隙間が生じるため、ナノカーボン分離装置10を用いたナノカーボンの分散液30の分離において、多孔質構造物14がナノカーボンの分散液30に含まれる金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンの移動を妨げることがない。これにより、ナノカーボンの分散液30に含まれる金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを効率的に分離することができる。
多孔質構造物101の多孔率は、上述の多孔質構造物14の多孔率と同様に求められる。
多孔質構造物101の細孔の大きさ、すなわち、粒子102同士の間に生じた隙間の大きさは、40nm以上であることが好ましく、100nμm以上であることがより好ましく、200nmよりも大きいことがさらに望ましい。また、細孔の内径は、1cm以下であることが望ましく、より好ましくは1mm以下であることが好ましい。
多孔質構造物101の細孔の内径が40nm以上であれば、ナノカーボン分離装置100を用いたナノカーボンの分散液30の分離において、多孔質構造物101がナノカーボンの分散液30に含まれる金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンの移動を妨げることがない。これにより、ナノカーボンの分散液30に含まれる金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを効率的に分離することができる。
なお、多孔質構造物101の細孔の形状は、不定形であり、例えば、球体状、回転楕円体状等をなしている。そのため、多孔質構造物101の細孔の内径とは、細孔が球体状をなす場合には球体の直径、細孔が回転楕円体状をなす場合には回転楕円体の長径、細孔が球体状および回転楕円体状以外の形状をなす場合にはその形状の最も長い部分の長さのこととする。
多孔質構造物101の細孔の大きさは、上述の多孔質構造物14の細孔の大きさと同様に求められる。
多孔質構造物101、すなわち、多孔質構造物101を構成する粒子102は、ナノカーボンの分散液30に含まれる金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンの分離状態を確認し易くするために、透明、乳白色半透明(裏が透けて見える白色)、乳白色(裏が透けない、透明ではない白色)であることが好ましい。
本実施形態のナノカーボン分離装置100は、第1の実施形態と同様に、分離槽11内にナノカーボンの分散液30を注入する注入口(図示略)を備えていてもよい。
本実施形態のナノカーボン分離装置100では、第1の電極12が陰極、第2の電極13が陽極である場合を例示したが、本実施形態のナノカーボン分離装置100はこれに限定されない。本実施形態のナノカーボン分離装置100にあっては、第1の電極12が陽極、第2の電極13が陰極であってもよい。
本実施形態のナノカーボン分離装置100によれば、第1の電極12と第2の電極13の間に、分離槽11内に充填された複数の粒子102からなる多孔質構造物101を設けることにより、例えば、後述するナノカーボンの分離方法を実施する、ナノカーボンの分散液30に含まれる金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを分離する工程において、分離槽11内にて、ナノカーボンの分散液30に水平方向の流れが生じるのを抑制することができる。したがって、金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを迅速に分離することができる。よって、純度が高い金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを得ることができる。
(ナノカーボンの分離方法)
図6を用いて、ナノカーボン分離装置100を用いた、ナノカーボンの分離方法を説明するとともに、ナノカーボン分離装置100の作用を説明する。
本実施形態のナノカーボンの分離方法は、第1の実施形態と同様に、分離槽11にナノカーボンの分散液30を注入する工程(注入工程)と、第1の電極12と第2の電極13に直流電圧を印加し、ナノカーボンの分散液30に含まれる金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを分離する工程(分離工程)と、を有する。
注入工程にて、分離槽11にナノカーボンの分散液30を注入することにより、ナノカーボンの分散液30に第1の電極12と第2の電極13が接する。本実施形態では、ナノカーボンの分散液30に第1の電極12と第2の電極13を浸漬した。
本実施形態のナノカーボンの分離方法が、上述の第1の実施形態ナノカーボンの分離方法と異なる点は、分離槽11内に複数の粒子102を充填して多孔質構造物101を形成し、分離槽11内を複数の領域に区画する点である。これにより、本実施形態では、分離工程において、電気泳動法によって、分離槽11内にて、単層カーボンナノチューブ分散液を相分離する際、単層カーボンナノチューブ分散液に水平方向の流れが生じるのを抑制することができる。その結果、内径が大きな分離槽11を用いた場合にも、迅速に、多孔質構造物101における第1の電極12側の領域に分散液相Aを含む領域Aを形成し、多孔質構造物14における第2の電極13側の領域に分散液相Bを含む領域Bを形成して、単層カーボンナノチューブ分散液を分散液相Aと分散液相Bに相分離することができる。
本実施形態のナノカーボン分離装置100を用いたナノカーボンの分離方法によれば、第1の電極12と第2の電極13の間に、複数の粒子102の集合体からなる多孔質構造物101を設けることにより、分離槽11内にて、単層カーボンナノチューブ分散液に水平方向の流れが生じるのを抑制することができる。この結果、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを迅速に分離することができる。よって、純度が高い金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを得ることができる。
なお、本実施形態のナノカーボンの分離方法では、単層カーボンナノチューブの混合物を、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブに分離する場合を例示したが、本実施形態のナノカーボンの分離方法はこれに限定されない。本実施形態のナノカーボンの分離方法は、例えば、分離槽11内にて、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブに分離した後、目的の性質を有する単層カーボンナノチューブのみを回収する、単層カーボンナノチューブの精製方法として行ってもよい。
(ナノカーボンの回収方法)
本実施形態のナノカーボンの回収方法は、本実施形態のナノカーボン分離装置100を用いたナノカーボンの分離方法による分離操作が終了した後、多孔質構造物101を、金属型単層カーボンナノチューブを多く含む領域Aと半導体型単層カーボンナノチューブを多く含む領域Bとに分割し、領域Aから金属型単層カーボンナノチューブを回収し、領域Bから半導体型単層カーボンナノチューブを回収する。
回収方法は、特に限定されず、分散液相Aと分散液相Bが拡散混合しない方法であればいかなる方法であってもよい。
本実施形態のナノカーボンの回収方法では、回収方法としては、例えば、第1の実施形態と同様の方法が用いられる。
また、第1の実施形態と同様にして、回収した分散液を、再び、分離槽11に収容し、電気泳動法により、単層カーボンナノチューブ分散液に含まれる金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを分離する操作を繰り返し実施してもよい。
回収した分散液の分離効率は、第1の実施形態と同様にして、評価することができる。
本実施形態のナノカーボンの回収方法によれば、本実施形態のナノカーボンの分離方法による分離操作が終了した後、多孔質構造物101の領域Aから金属型単層カーボンナノチューブを効率的に回収することができ、多孔質構造物101の領域Bから半導体型単層カーボンナノチューブを効率的に回収することができる。
[第3の実施形態]電極粒子
(ナノカーボン分離装置)
図7は、本実施形態のナノカーボン分離装置を示す模式図である。
なお、図7において、図1に示した第1の実施形態のナノカーボン分離装置および図6に示した第2の実施形態のナノカーボン分離装置と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態のナノカーボン分離装置200は、分離槽(電気泳動槽)11と、分離槽11内の上部に設けられた第1の電極202と、分離槽11内の下部に設けられた第2の電極203と、分離槽11内にて第1の電極202と第2の電極203の間に、分離槽11の高さ方向に沿って延在するように設けられた多孔質構造物101と、を備える。
第1の電極202は、多孔質構造物101の最上層を構成する粒子102と、粒子102の表面に形成された金属膜103を有する電極粒子110からなる。第2の電極203は、多孔質構造物101の最下層を構成する粒子102と、粒子102の表面に形成された金属膜103を有する電極粒子110からなる。第1の電極202および第2の電極203は、複数の電極粒子110が互いに接するように配置されてなる。第1の電極202および第2の電極203を構成する電極粒子110の一部に、導線204,205が接続されている。その導線204,205は、分離槽11外に引出されている。金属膜103は、白金等の金属から構成される。金属膜103を形成する方法としては、特に限定されないが、例えば、蒸着、電解めっき、無電解めっき等が挙げられる。
本実施形態のナノカーボン分離装置200は、分離槽11の下端に、分離槽11の内底面11aに連通する注入/回収口16を備えている。注入/回収口16は、分離槽11にナノカーボンの分散液30を注入、および、分離槽11からナノカーボンの分散液30を回収するために用いられる。また、注入/回収口16は、すり合わせを有する回転式のコック17等の密閉構造を備えていてもよい。
分離槽11のうち、内底面11aをなし、注入/回収口16と連通する部分は、注入/回収口16側に向かうに従って次第に幅(径)が小さくなるテーパ形状をなしている。分離槽11の内底面11aがテーパ形状をなすことにより、分離槽11の内のナノカーボンの分散液30を、円滑に回収することができる。
分離槽11の底部の注入/回収口16を介して、例えば、ペリスタポンプ等を用いて静かにナノカーボンの分散液30の注入、および、回収を行うことにより、注入/回収時に、液面の変化に合わせて注入/回収口を移動させる必要がなく、分離槽11内部の液相界面を乱すことなく、注入/回収操作を行うことができる。また、分離槽11を高容量化した場合に、長い注入/回収ノズルを用意する必要もなく、非常に合理的である。
本実施形態のナノカーボン分離装置200では、第1の電極202が陰極、第2の電極203が陽極である場合を例示したが、本実施形態のナノカーボン分離装置200はこれに限定されない。本実施形態のナノカーボン分離装置200にあっては、第1の電極202が陽極、第2の電極203が陰極であってもよい。
本実施形態のナノカーボン分離装置200によれば、第1の電極202を、多孔質構造物101の最上層を構成する粒子102と、粒子102の表面に形成された金属膜103を有する電極粒子110からなるものとし、第2の電極203を、多孔質構造物101の最下層を構成する粒子102と、粒子102の表面に形成された金属膜103を有する電極粒子110からなるものとすることにより、分離槽11内において、第1の電極202および第2の電極203を設けるための空間を確保する必要がない。また、本実施形態のナノカーボン分離装置200によれば、第2の電極203を電極粒子110からなるものとし、多孔質構造物101を分離槽11内に充填された複数の粒子102からなるものとすることにより、粒子102と電極粒子110が自由に動くことができるため、注入/回収口16を介して、分離槽11内に注入/回収口ノズルを挿入した場合に、粒子102と電極粒子110が注入/回収口ノズルを邪魔することがない。そのため、注入/回収口16を介して、分離槽11に対するナノカーボンの分散液30の注入、および、回収をスムーズに行うことができる。また、本実施形態のナノカーボン分離装置200によれば、第1の電極202と第2の電極203の間に、分離槽11内に充填された複数の粒子102からなる多孔質構造物101を設けることにより、例えば、後述するナノカーボンの分離方法を実施する、ナノカーボンの分散液30に含まれる金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを分離する工程において、分離槽11内にて、ナノカーボンの分散液30に水平方向の流れが生じるのを抑制することができる。したがって、金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを迅速に分離することができる。よって、純度が高い金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを得ることができる。
(ナノカーボンの分離方法)
図7を用いて、ナノカーボン分離装置200を用いた、ナノカーボンの分離方法を説明するとともに、ナノカーボン分離装置200の作用を説明する。
本実施形態のナノカーボンの分離方法は、第1の実施形態と同様に、分離槽11にナノカーボンの分散液30を注入する工程(注入工程)と、第1の電極202と第2の電極203に直流電圧を印加し、ナノカーボンの分散液30に含まれる金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを分離する工程(分離工程)と、を有する。
注入工程にて、分離槽11にナノカーボンの分散液30を注入することにより、ナノカーボンの分散液30に第1の電極202と第2の電極203が接する。本実施形態では、ナノカーボンの分散液30に第1の電極202と第2の電極203を浸漬した。
本実施形態では、分離槽11内に複数の粒子102を充填して多孔質構造物101を形成し、分離槽11内を複数の領域に区画する。これにより、分離工程において、電気泳動法によって、分離槽11内にて、単層カーボンナノチューブ分散液を相分離する際、単層カーボンナノチューブ分散液に水平方向の流れが生じるのを抑制することができる。その結果、内径が大きな分離槽11を用いた場合にも、迅速に、多孔質構造物101における第1の電極202側の領域に分散液相Aを含む領域Aを形成し、多孔質構造物14における第2の電極203側の領域に分散液相Bを含む領域Bを形成して、単層カーボンナノチューブ分散液を分散液相Aと分散液相Bに相分離することができる。
本実施形態のナノカーボン分離装置200を用いたナノカーボンの分離方法によれば、第1の電極202と第2の電極203の間に、複数の粒子102の集合体からなる多孔質構造物101を設けることにより、分離槽11内にて、単層カーボンナノチューブ分散液に水平方向の流れが生じるのを抑制することができる。この結果、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを迅速に分離することができる。よって、純度が高い金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを得ることができる。
なお、本実施形態のナノカーボンの分離方法では、単層カーボンナノチューブの混合物を、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブに分離する場合を例示したが、本実施形態のナノカーボンの分離方法はこれに限定されない。本実施形態のナノカーボンの分離方法は、分離槽11内にて、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブに分離した後、目的の性質を有する単層カーボンナノチューブのみを回収する、単層カーボンナノチューブの精製方法として行ってもよい。
(ナノカーボンの回収方法)
本実施形態のナノカーボンの回収方法は、本実施形態のナノカーボン分離装置200を用いたナノカーボンの分離方法による分離操作が終了した後、多孔質構造物101を、金属型単層カーボンナノチューブを多く含む領域Aと半導体型単層カーボンナノチューブを多く含む領域Bとに分割し、領域Aから金属型単層カーボンナノチューブを回収し、領域Bから半導体型単層カーボンナノチューブを回収する。
回収方法は、特に限定されず、分散液相Aと分散液相Bが拡散混合しない方法であればいかなる方法であってもよい。
本実施形態のナノカーボンの回収方法では、回収方法としては、例えば、第1の実施形態と同様の方法が用いられる。
また、第1の実施形態と同様にして、回収した分散液を、再び、分離槽11に収容し、電気泳動法により、単層カーボンナノチューブ分散液に含まれる金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを分離する操作を繰り返し実施してもよい。
回収した分散液の分離効率は、第1の実施形態と同様にして、評価することができる。
本実施形態のナノカーボンの回収方法によれば、本実施形態のナノカーボンの分離方法による分離操作が終了した後、多孔質構造物101の領域Aから金属型ナノカーボンを効率的に回収することができ、多孔質構造物101の領域Bから半導体型ナノカーボンを効率的に回収することができる。
[第4の実施形態]
(ナノカーボンの分離方法)
図8を用いて、ナノカーボン分離装置10を用いた、ナノカーボンの分離方法を説明する。
まず、水と、非イオン性界面活性剤を溶解した水溶液に単層カーボンナノチューブの混合物を分散させた単層カーボンナノチューブ分散液と、非イオン性界面活性剤の含有量が2wt%の水溶液を調製する。
次いで、例えば、分離槽11の下端に設けられた注入/回収口(図示略)から分離槽11内へ、ペリスタポンプ等を用いて水を静かに注入する。
次いで、同様に、分離槽11内へ、単層カーボンナノチューブ分散液を注入する。
次いで、同様に、分離槽11内へ、非イオン性界面活性剤の含有量が2wt%の水溶液を注入する。
これにより、図8に示すように、第1の電極12に接する領域は水、第2の電極13に接する領域は2wt%の水溶液、中間の領域は単層カーボンナノチューブ分散液である、3層の溶液の積層構造を形成した。
このとき、第1の電極12は水のみに接し、第2の電極13は2wt%の水溶液のみに接している。また、第1の電極12および第2の電極13は単層カーボンナノチューブ分散液に接していない。
以下、第1の実施形態と同様にして、単層カーボンナノチューブ分散液に含まれる単層カーボンナノチューブの混合物を、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブに分離する。
本実施形態のナノカーボンの分離方法は、上述の第1〜第3の実施形態にも適用できる。
以上、単層カーボンナノチューブの混合物を、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブに分離する場合に適用することができる実施形態を説明したが、多層カーボンナノチューブの混合物、二層カーボンナノチューブの混合物、グラフェンの混合物等を分離する場合にも、本発明を適用することができる。
本発明のナノカーボン分離装置は、ナノカーボンの混合物の分離において、分離に要する時間を短縮することができる。
10,100,200・・・ナノカーボン分離装置、
11・・・分離槽、
12,202・・・第1の電極、
13,203・・・第2の電極、
14,101・・・多孔質構造物、
30・・・ナノカーボンの分散液、
50・・・切断刃、
102・・・粒子、
103・・・電極粒子、
110・・・電極粒子、
204,205・・・導線。

Claims (7)

  1. ナノカーボンを含む分散液を収容する分離槽と、
    前記分離槽内の上部に設けられた第1の電極と、
    前記分離槽内の下部に設けられた第2の電極と、
    前記分離槽内にて前記第1の電極と前記第2の電極の間に設けられた多孔質構造物と、を備えることを特徴とするナノカーボン分離装置。
  2. 前記多孔質構造物は、スポンジからなることを特徴とする請求項1に記載のナノカーボン分離装置。
  3. 前記多孔質構造物は、複数の粒子の集合体であることを特徴とする請求項1に記載のナノカーボン分離装置。
  4. 前記第1の電極および前記第2の電極は、前記粒子と該粒子の表面に形成された金属膜を有する電極粒子からなることを特徴とする請求項3に記載のナノカーボン分離装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のナノカーボン分離装置を用いたナノカーボンの分離方法であって、
    前記分離槽にナノカーボンを含む分散液を注入する工程と、
    前記第1の電極と前記第2の電極に直流電圧を印加し、前記分散液に含まれる金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを分離する工程と、を有することを特徴とするナノカーボンの分離方法。
  6. 前記分散液を注入する工程において、前記分離槽の下部から順に、界面活性剤の水溶液からなる層、前記分散液からなる層、水からなる層を形成し、前記第1の電極を前記水からなる層のみに接触させ、前記第2の電極を前記水溶液からなる層のみに接触させることを特徴とするナノカーボンの分離方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のナノカーボン分離装置を用いたナノカーボンの回収方法であって、
    前記ナノカーボン分離装置による分離操作が終了した後、前記多孔質構造物を、金属型ナノカーボンを多く含む領域Aと半導体型ナノカーボンを多く含む領域Bとに分割し、前記領域Aから前記金属型ナノカーボンを回収し、前記領域Bから前記半導体型ナノカーボンを回収することを特徴とするナノカーボンの回収方法。
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