JPWO2019053990A1 - 骨伝導音響伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部環境への音漏れをより確実に抑制すること。【解決手段】本開示に係る骨伝導音響伝達装置は、予め生体の頭部に当接又は埋設される第1の磁性体と、前記第1の磁性体とは分離して設けられるコイルユニットと、を備え、前記コイルユニットは、前記第1の磁性体に装着可能な所定のケーシングを用いて構成されたコイルと、前記ケーシングの所定の位置に設けられた、前記コイルにより振動しない第2の磁性体と、を有し、前記コイルユニットが前記頭部に装着された状態で前記コイルに音響信号が印加されることで、前記第1の磁性体が振動する。【選択図】図4

Description

本開示は、骨伝導音響伝達装置に関する。
従来、骨伝導スピーカ又は骨伝導ヘッドフォンと呼ばれる、鼓膜を経由せずに内耳を骨伝導により振動させて、音を伝達させる装置が提案されている。このような骨伝導を用いた音響伝達装置は、騒音下において音を伝達させることが求められる場合や、例えばランニング中など、安全のために耳を塞ぎたくない場合などで特に利用されている。また、近年では、無線ヘッドフォンが普及し、音楽鑑賞のみならず、コンピュータとのインタフェースとしてのイヤフォン(例えば、ヒアラブル型のインタフェースとしての開放型イヤフォンなど)の可能性が注目されている。
このような骨伝導型の音響伝達装置として、例えば以下の特許文献1には、頭蓋骨を振動させるための振動部材を有し、かかる振動部材を頭部に接触させることで音を骨伝導により伝達させることが可能な、骨導補聴器及び骨導スピーカが開示されている。
特開2007−184722号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されているような骨伝導型の音響伝達装置は、音響信号が印加された状況下においては、頭蓋骨を振動させるための振動部材そのものが常時音を発してしまうため、利用者にのみ伝達されるべき音が外部環境に漏れてしまう可能性がある。
そこで、本開示では、上記事情に鑑みて、外部環境への音漏れをより確実に抑制することが可能な、骨伝導音響伝達装置を提案する。
本開示によれば、予め生体の頭部に当接又は埋設される第1の磁性体と、前記第1の磁性体とは分離して設けられるコイルユニットと、を備え、前記コイルユニットは、前記第1の磁性体に装着可能な所定のケーシングを用いて構成されたコイルと、前記ケーシングの所定の位置に設けられた、前記コイルにより振動しない第2の磁性体と、を有し、前記コイルユニットが前記頭部に装着された状態で前記コイルに音響信号が印加されることで前記第1の磁性体が振動する骨伝導音響伝達装置が提供される。
本開示によれば、頭蓋骨に振動を伝達するための第1の磁性体が、コイルユニットから分離した状態で生体の頭部に予め設けられており、コイルユニットが頭部に装着された状態でコイルに音響信号が印加されることで、第1の磁性体が振動する。
以上説明したように本開示によれば、外部環境への音漏れをより確実に抑制することが可能となる。
なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、又は、上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、又は、本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
骨伝導装置による音伝達の仕組みの概要を説明する説明図である。 骨伝導装置を装着した様子の一例を示す説明図である。 本開示の実施形態に係る骨伝導音響伝達システム1の構成の一例を示す説明図である。 同実施形態に係る骨伝導音響伝達装置10の構成の一例を示す断面図である。 同実施形態に係る骨伝導音響伝達装置10の装着前後の様子の一例を示す説明図である。 同実施形態に係る骨伝導音響伝達装置10の装着位置の一例を示すための説明図である。 同実施形態に係る骨伝導音響伝達装置10の構成の一例を示す断面図である。 同実施形態に係る骨伝導音響伝達装置10の構成の一例を示す断面図である。 同実施形態に係る骨伝導音響伝達装置10の装着様子の一例を示す説明図である。 同実施形態に係る骨伝導音響伝達装置10の装着様子の一例を示す説明図である。 同実施形態に係る骨伝導音響伝達装置10の装着様子の一例を示す説明図である。 同実施形態に係る骨伝導音響伝達装置10の装着様子の一例を示す説明図である。 聴覚検査結果を示したグラフ図である。 同実施形態に係る骨伝導音響伝達装置10の構成の一例を示す説明図である。 同実施形態に係る骨伝導音響伝達装置10の装着位置の一例を説明するための説明図である。 同実施形態に係る骨伝導音響伝達装置10の装着位置の一例を説明するための説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.骨伝導装置の概要
2.骨伝導音響伝達システム1の構成
3.骨伝導音響伝達装置10の構成
4.骨伝導音響伝達装置10の動作の流れ
5.動作例
6.変形例
7.適用例
<1.骨伝導装置の概要>
まず、図1及び図2を参照して、一般的な骨伝導装置について簡単に説明する。図1は、骨伝導装置による音の伝達を説明する概要図である。図2は、骨伝導装置を装着した様子の一例を示す説明図である。
音響信号に応じて骨伝導装置で発生した振動は、鼓膜を経由せずに頭蓋骨を振動させて、内耳の蝸牛管に伝達される。蝸牛管の振動は、聴覚神経により感知され、脳が振動を認識することで、利用者は、音響信号に対応する音を認識することができる。骨伝導装置を用いて良好な音響伝達を達成するには、骨伝導装置で発生した振動が頭蓋骨に適切に伝わることが重要であるため、骨伝導装置を頭部表面に密着させることが重要である。図2に示すように、骨伝導装置は、振動子をこめかみなどに当接させることで頭蓋骨を振動させるため、こめかみを挟み込むように、左右から圧力を与えて保持するヘッドセット型の構造が一般的である。骨伝導装置は、利用者が環境音を認識するために耳を塞がずに音楽等の音情報を取得する場合に用いられたり、外耳、中耳等の損傷により聴力が失われている場合の補助器具として利用されたりしている。しかし、このような骨伝導装置では、利用者の装着部位が圧迫され、長期間の使用が快適ではないことがあり、また、外観についても使用している様子が目立つことが多い。また、骨伝導装置は、頭部に接触させた装置そのものが振動するため、外部への音漏れが発生する可能性がある。
<2.骨伝導音響伝達システム1の概略構成>
(骨伝導音響伝達システム1)
次に、図3を参照して、本開示の実施形態に係る骨伝導音響伝達システム1の概略構成について説明する。図3は、本実施形態に係る骨伝導音響伝達システム1の構成の一例を示す説明図である。
本実施形態に係る骨伝導音響伝達システム1は、骨伝導音響伝達装置10と、音響信号出力部20とを備える。骨伝導音響伝達システム1は、音響信号出力部20から出力された音響信号を骨伝導音響伝達装置10で振動へと変換し、骨伝導により内耳を振動させることで、音を伝達する機能を有する。
(骨伝導音響伝達装置10)
骨伝導音響伝達装置10は、音響信号を振動に変換し、頭蓋骨を振動させる機能を有する。骨伝導音響伝達装置10は、第1の磁性体110と、コイルユニット150とを備える。音響信号出力部20から出力された音響信号は、接続部210を介して、コイルユニット150に印加される。印加された音響信号に応じて、コイルユニット150により骨伝導音響伝達装置10近傍の磁界が変化し、第1の磁性体110がかかる磁界の変化に応じて振動する。そして、第1の磁性体110の振動が頭蓋骨を経由し内耳に伝わることにより、音が伝達される。
また、骨伝導音響伝達装置10は、必要に応じて、音響信号源となる音響データを記憶する記憶部、音響信号出力部20と相互に通信可能な通信部、及び、骨伝導音響伝達装置10が動作するための電力供給部等の少なくともいずれかを有していてもよい。
第1の磁性体110は、予め生体の頭部50に当接又は埋設される。第1の磁性体110には、所定の磁力を有していれば任意のものを用いることができる。このような磁性体として、例えば、フェライト磁石、アルニコ磁石、サマリウムコバルト磁石、ネオジム磁石等の希土類磁石、フェライトボンド磁石、希土類ボンド磁石、アルニコボンド磁石が挙げられる。ネオジム磁石は、磁力が大きく、第1の磁性体110をより一層小型化できる点で好ましい。
コイルユニット150は、第1の磁性体110とは分離しており、使用されるときに頭部50に装着される。かかるコイルユニット150の詳細な構造については、以下で改めて説明する。
(音響信号出力部20)
音響信号出力部20は、例えば、音響信号を出力する機能を有する。また、音響信号出力部20は、必要に応じて、音響信号源となる音響データを記憶する記憶部、他の機器もしくは骨伝導音響伝達装置10と相互に通信可能な通信部、及び、電力供給部等の少なくともいずれかを有していてもよい。音響信号出力部20は、骨伝導音響伝達装置10に対して音響信号を出力することができればよく、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、ノートパソコン等のモバイル端末、オーディオプレーヤー、携帯音楽プレーヤー等の音響機器、テレビ、DVDプレーヤー、ブルーレイディスクプレーヤー等の映像機器が用いられてもよい。また、音響信号出力部20により出力される音響信号は、音響信号出力部20として機能する装置に応じた方法でデータが変換されていてもよいし、音響信号出力部20に取付けて用いることができるハードディスク、メモリーカード、光ディスク等の記憶メディアに応じて保存されるデータ形式が変換されてもよい。さらに、インターネットを通じて他の記憶媒体やクラウド上に保存されるデータが音響信号に変換されてもよい。
接続部210は、音響信号を骨伝導音響伝達装置10に送信する機能を有する。接続部210は、音響信号を骨伝導音響伝達装置10に送信できればよく、図3に示すような有線により、骨伝導音響伝達装置10に備えられる接続端子(図示せず)と音響信号出力部20とを接続してもよい。また、接続部210は、例えば、WLAN(Wireless Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、WUSB(Wireless USB)等の無線通信により、音響信号を骨伝導音響伝達装置10に送信するものであってもよい。かかる無線通信の通信網は、例えば、インターネット、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信であってよい。
<3.骨伝導音響伝達装置10の構成>
次に、図4を参照して、本開示の第1の実施形態に係る骨伝導音響伝達装置10の構成の一例について説明する。図4は、第1の磁性体110が頭部50に当接される場合を示しており、第1の磁性体110の頭部50に当接される面に対して垂直に骨伝導音響伝達装置10を切断したときの断面を示した図である。図4に示すように、コイルユニット150は、ケーシング152と、コイル154と、第2の磁性体156と、防振部材158とを備える。
(ケーシング152)
ケーシング152は、コイル154と、第2の磁性体156を所定の位置に配設するためのものである。図4において、ケーシング152は、複数の凹部を有しており、コイル154と第2の磁性体156とは、かかる複数の凹部にそれぞれ配設される。しかし、ケーシング152の形状は、必ずしもこのような形状でなくてもよく、コイル154と第2の磁性体156を収納可能なものであれば、任意の形状を有していてもよい。例えば、ケーシング152は、コイル154と第2の磁性体156とをそれぞれ密閉するように封入してもよい。ケーシング152の材質は、絶縁性を有する素材であることが好ましく、具体的には、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン等が例示できる。
コイル154は、音響信号出力部20から音響信号が印加されることで、第1の磁性体110を音響信号に応じた周波数で振動させる。コイル154は、音響信号を伝達する材料をケーシング152に巻きつけることで実現される。コイル154に用いられる材料は、音響信号を小さい損失で伝達する材料が好ましく、例えばエナメル銅線等が例示される。かかるコイル154は、音響信号出力部20とインピーダンスマッチングが取れるように、巻き数が調整されていることが好ましい。
第2の磁性体156は、コイルユニット150を頭部50に装着させる機能を有する。第2の磁性体156は、コイル154によって振動しないようなものである。そのため、第2の磁性体156は、例えば、コイルユニット150に固定されてもよいし、コイル154による磁界の変化では振動しないような材質のものを用いてもよい。第1の磁性体110と、第2の磁性体156とが互いに磁気的に作用することで、第1の磁性体110と、コイルユニット150との位置関係が固定される。具体的には、第1の磁性体110と第2の磁性体156との間に発生する磁力により、コイルユニット150は頭部50に装着される。第2の磁性体156の材質は、強磁性体であればよく、具体的には、フェライト磁石、アルニコ磁石、サマリウムコバルト磁石、ネオジム磁石等の希土類磁石、フェライトボンド磁石、希土類ボンド磁石、アルニコボンド磁石等の永久磁石が使用されてもよいし、マルテンサイト系ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼等の合金、あるいは、鉄、ニッケル、コバルト等の金属が、いわゆる鉄芯として使用されてもよい。第2の磁性体156は、第1の磁性体110との間に発生する磁力により、コイルユニット150が装着されるような位置にあればよく、コイルユニット150が頭部50に装着された際に、第1の磁性体110の磁界内となる位置に設けられればよい。なお、第2の磁性体156が鉄芯であり、コイル154の内部に位置する場合は、コイルユニット150を頭部50に固定する作用に加え、コイルユニット150により生じる磁界が大きくなるという作用が生じる。
防振部材158は、コイルユニット150の振動を抑制する機能を有する。防振部材158は、ケーシング152の、骨伝導音響伝達装置10を装着したときに頭部50と対向する側の面から、頭部50に向かって突出し、第1の磁性体110の側面を囲うように設けられる。さらに、防振部材158の高さh1は、ケーシング152から、第1の磁性体110の高さh2よりも高いこと、すなわち、h1>h2が成立することが好ましい。また、防振部材158の高さh1と、第1の磁性体110の高さの差分である(h1−h2)は、第1の磁性体110の振動による動きの幅に応じて、振動時に第1の磁性体110がコイルユニット150に触れないように適宜設定されることが好ましい。このような、第1の磁性体110とコイルユニット150との間に空隙が存在するような構造により、骨伝導音響伝達装置10の動作の際に、第1の磁性体110は振動して音を内耳に伝達しつつ、コイルユニット150の振動は低減し、外部に対するより高い静音性が得られる。防振部材158の素材は、コイルユニット150の振動が抑制されればよく、天然ゴム、ポリウレタン、ブチルゴム、シリコーンゴム等の任意の素材が例示される。防振部材158の素材は、密着性の観点からは、シリコーンゴムを用いることが好ましい。
上記のように、骨伝導音響伝達装置10は、頭蓋骨へ振動を伝達する第1の磁性体110が予め頭皮に固定されている。かかる第1の磁性体110と磁気的に作用する第2の磁性体156とにより、コイルユニット150が装着されるため、コイルユニット150の多少のずれによっても振動は伝達される。また、コイルユニット150の位置変化による音情報の変化は、振動子自体が振動する骨伝導装置と比較して小さい。そして、コイルユニット150の振動が抑制されることにより、外部への音漏れを抑えることが可能となる。
ここまで、骨伝導音響伝達装置10の構成について詳細に説明した。続いて、骨伝導音響伝達装置10の動作の流れについて説明する。
<4.骨伝導音響伝達装置10の動作の流れ>
図5は、同実施形態に係る骨伝導音響伝達装置10の装着前後の様子の一例であり、第1の磁性体110が生体の頭部50に当接されて、骨伝導音響伝達装置10が使用される例を示す説明図である。図5は、第1の磁性体110が頭部50に当接される場合を示しており、図4と同様に、第1の磁性体110の頭部50に当接される面に対して垂直に骨伝導音響伝達装置10を切断したときの断面を示した図である。
図5左に示すように、使用前における骨伝導音響伝達装置10は、第1の磁性体110と、コイルユニット150とは分離した状態にある。このとき、第1の磁性体110は、予め頭部50に当接されている。第1の磁性体110が頭部50に当接される方式は、第1の磁性体110が、皮膚に付着可能な素材を介して、頭部50に着脱可能に当接されることが可能な方式であれば特段制限されない。例えば、頭部50に第1の磁性体110を装着するために、第1の磁性体110を覆うように設けられる粘着テープ等の粘着体を使用して、第1の磁性体110を頭皮に固定してもよいし、接着剤等を使用してもよい。このとき、第1の磁性体110の頭部50に接する面である当接面は、皮膚に負担をかけないような素材112により被覆されてもよい。さらに、第1の磁性体110は、頭部50の皮膚への通気性を確保するための加工が施されていてもよい。例えば、第1の磁性体110を貫通するような孔が複数設けられてもよいし、当接面に凹凸加工が施されてもよい。このような、生体への影響が小さい素材で当接面が被覆されたり、第1の磁性体110が加工されたりすることで、肌荒れ等の生体にかかる負荷を低減することができる。
コイルユニット150は、図5右に示すように、骨伝導音響伝達装置10の使用の際、頭部50に当接される。このとき、第2の磁性体156が、第1の磁性体110と磁気的に作用することで、第1の磁性体110とコイルユニット150の位置関係が固定される。詳細には、第2の磁性体156が、第1の磁性体110の磁界内に位置することで、頭部50に装着される。
このようにして装着された骨伝導音響伝達装置10に対して、音響信号出力部20から接続部210を介して、音響信号が印加されることで、第1の磁性体110が振動し、第1の磁性体110の振動が内耳へと伝えられ、内耳が音響信号に応じて振動して音が伝達される。このとき、コイルユニット150は、防振部材158により振動が低減されるため、外部環境への音漏れがより確実に抑制される。
<5.動作例>
続いて、本実施形態に係る骨伝導音響伝達装置10の動作例を説明する。
(装着位置)
まず、骨伝導音響伝達装置10の装着位置について説明する。図6は、装着位置を説明するための説明図であり、頭部50を模式的に示している。骨伝導音響伝達装置10の装着位置は、第1の磁性体110の振動が適切に耳介まで伝達される部分であればよい。例えば、接着位置は、頭部50において皮膚と頭蓋骨の間に筋肉が少なく、常時装着のための目立たない箇所である、耳介近傍の乳様突起上方が好ましい。また、第1の磁性体110を耳介に設け、第1の磁性体110を配した耳介の裏側に、コイルユニット150を配設して音響信号を印加した場合でも、利用者は音を認識することができる。
(骨伝導音響伝達装置10)
次に図7及び図8を参照しながら、本実施形態に係る骨伝導音響伝達装置10の一具体例について説明する。かかる骨伝導音響伝達装置10は、音響信号出力部20と有線の接続部210により接続した。骨伝導音響伝達装置10は、第1の磁性体110として、直径10mm、高さ2mm、質量0.2gのネオジム磁石(強度M50)を用いた。
コイルユニット150は、直径17mm、高さ5mmの大きさであり、質量は2.6gである。ケーシング152は、熱溶解積層法(Fused Deposition Modeling:FDM(登録商標))を用いたStratasys社の三次元プリンタuPrint SE Plus(商標)で成形した。コイル154は、線径0.2mmのウレタン皮膜銅線を110ターン巻いたものを使用した。第2の磁性体156は、鉄心を用い、コイル154の中央に位置するようにケーシング152に埋設した(図7及び図8では図示せず。)。防振部材158は、シリコーンを用いた。
このようにして形成されたコイルユニット150を、接続部210を介して音響信号出力部20として用いたデジタルアンプに接続した。このときのコイル154の抵抗値は、音響信号出力部20の出力特性にマッチングさせており、本動作例では4.7Ωとした。
続いて、骨伝導音響伝達装置10を装着した様子を図9に示す。図9Aは、第1の磁性体110の装着位置を示した図である。図9Aに示すように、第1の磁性体110の装着位置を耳介の裏側とすることで、外部から目立たず、常時装着することが可能である。
図9Bは、第1の磁性体110を絆創膏で頭部50に固定した様子である。第1の磁性体110の装着には、皮膚接着剤を用いることも可能である。このようにして第1の磁性体110を固定することで、利用者は、入浴や就寝を含む日常生活を支障なく送ることができる。なお、磁石の人体への接着行為は、磁気治療として広く行われており、身体に対して安全に実施できるものである。
次いで、図9Cに示すように、コイルユニット150を頭部50に装着した。ケーシング152の中央に埋設された第2の磁性体156(図示せず)により、コイルユニット150が頭部50に安定して装着されており、通常の生活に支障をきたすことはない。
また、図9Dに示すようにマイクロホン220をコイルユニット150に装着することもできる。装着したマイクロホン220を用いることで、音声インタフェースを利用することが可能となる。マイクロホン220は、ダイナミック型マイク、コンデンサー型マイク、クリスタル型マイク、カーボン型マイク、骨伝導型マイク等が用いられてもよい。また、骨伝導音響伝達装置10は、音漏れが抑制されるという効果に加え、マイクロホン220に骨伝導型マイクロホンが利用されることで、非可聴つぶやき(Non−Audible Murmur、NAM)を利用することが可能となる。
(従来の音響伝達装置との比較)
続いて、表1に、常時装着による使用に関連する特徴について、本実施形態に係る骨伝導音響伝達装置10と従来の音響伝達装置について定性的にまとめた例を示す。従来の音響伝達装置の例として、イヤフォン(カナル型)、肩載せ式スピーカ、骨伝導装置、BAHA(Bone Anchored Hearing Aids)を示した。BAHAは、頭蓋骨にチタンボルトを埋設し、当該ボルトと外部の骨伝導ユニットを結合して振動を伝達する骨伝導技術である。それぞれの装置について、各特性について、好適であると考えられる場合は○、比較的適すると考えられる場合は△と記載した。判定基準は以下の通りである。
従来のカナル型イヤフォンは、耳介を塞ぐため、本来の聴覚の確保は必ずしも十分ではない。肩載せ式のスピーカも流通しているが、構造上、音声が外部に漏れるため、他人と共有する空間における常時装着には必ずしも適していない。骨伝導装置は、ヘッドセット型の構造が一般的であり、振動子を一定の圧力で皮膚に当て続けるため、圧迫感を感じるなどの装着負担が大きく、外管もカナル型イヤフォンより目立ち、常時装着には必ずしも適していない。また、BAHAでは、外科手術を要するため、用途は聴覚障害治療用に限定され、費用も高額となり、一般利用者が容易に利用できるものではない。一方で、本実施形態に係る骨伝導音響伝達装置10は、第1の磁性体110と第2の磁性体156との間の磁力により、コイルユニット150が頭部50に装着されるため、ヘッドセットやクリップ等の固定器具が不要である。さらに、コイルユニット150は振動発生機構を持たず、非常に簡便な構成となっている。このように、本実施形態に係る骨伝導音響伝達装置10は、常時装着に必要と考えられる特徴において、従来の音響伝達装置が有する課題を改善する好適なものであり、常時装着の可能性を高めることができる。
(聴覚検査実験)
上記のように試作した骨伝導音響伝達装置10の性能を評価するために、聴覚検査実験を行った。実験参加者は、次のような2つの条件で聴覚検査を受けた。一つ目は、利き耳側の耳介の裏側に骨伝導音響伝達装置10を装着し、両耳を耳栓で塞いだ状態(以下“bone条件”と記載する。)である。2つ目は、比較例であり、カナル型イヤフォンを利き耳側のみに装着し、反対側の耳を耳栓で塞いだ状態(以下“phone条件”と記載する。)である。実験参加者は、各周波数に応じて聞こえる最小限の音量をボタン押下により記録した。かかる聴力検査実験は、「日本聴覚医学会.2017.聴覚検査の実際 改訂4版.南山堂」を参考にし、通常の検査方法で実施した。検査に用いた周波数は15Hzから16000Hzの13種類であり、まず、1000Hzから順に周波数を下げて聴覚検査を行い、次に2000Hzから周波数を上げて聴覚検査を行った。実験参加者は、bone条件とphone条件とでそれぞれ2回ずつ検査を実施した。実験参加者数は6名であり、実験参加者全員が男性、年齢は24歳から39歳であった。
検査の結果を図10に示す。図10は、横軸に周波数を表示し、縦軸に聴力レベルを表示したグラフであり、実験参加者の検査の結果の平均値をプロットし、平均値の標準誤差(SE:Standard Error)をエラーバーで付したものである。図10に示されるように、bone条件とphone条件の検査結果は、いずれも似た挙動を示し、各周波数において、近い聴力レベルで実験参加者の反応が得られた。つまり、本実施形態に係る骨伝導音響伝達装置10は、通常の聴覚デバイスと比較しても充分な音響伝達性能を有するものであった。
また、本聴力検査実験において、低周波数の場合に、第1の磁性体110の振動は、音としてではなく物理的振動として認識された。実験結果によると、15Hzから44Hzの低い周波数帯域では、phone条件の標準誤差が増加している。また、同一人物での2回の反応の値が異なっている場合、あるいは回答が成されていない場合があることがわかった。一方で、bone条件の、15Hzから44Hzの低い周波数帯域における標準誤差は小さく、また、phone条件で確認されたような、同一人物での2回の反応の値が異なっていたり、回答がなされていなかったりするようなことは生じなかった。この結果は、phone条件では、実験参加者は、低い周波数帯域の振動を音としては認知できない場合があり、音を認知していないにもかかわらず、ボタンを押したのではないかと推測される。一方、bone条件ではそのような音の誤認がなく、低周波の振動を頭部50への物理的振動として感じ取られたときの振動の強さが、参加者により正しく回答されていた。
上記の結果のように、本実施形態に係る骨伝導音響伝達装置10は、可聴域の周波数に加え、可聴域外の周波数を認識する機能を有することができる。したがって、この性質により、例えば、情報を骨振動による音認識だけではなく、利用者が振動を物理的に認識することで、外部騒音等により、音を認識することが困難である環境下においても、利用者は情報を認識することが可能となる。
<6.変形例>
(第1の変形例)
上記実施形態では、第1の磁性体110が頭部50に当接される例について説明したが、図11に示すように、第1の磁性体110は頭部50に埋設されてもよい。図11は、第1の磁性体110が頭部50に埋設されて、骨伝導音響伝達装置10が使用される例を示した説明図である。音響信号出力部20から出力された音響信号が接続部210を介してコイルユニット150に伝達され、生じた磁界変化により、第1の磁性体110が振動する。第1の磁性体110を頭部50に埋設する方法及び埋設位置は、特段制限されず、コイルユニット150に音響信号が印加されたときに生じる磁界の変化に応じて、第1の磁性体110が振動し、かかる振動が内耳に伝達するように埋設されればよい。また、第1の磁性体110は、生体と免疫的に干渉しない素材114により周囲が被覆されてもよい。なお、第1の磁性体110が頭部50に埋設される場合は、防振部材158の高さh1は、第1の磁性体110が頭部50に埋設される場合、第1の磁性体110の高さh2より大きくなくともよい。
(第2の変形例)
骨伝導音響伝達装置10が、図6に示したような頭部50の左右に位置する乳様突起上方にそれぞれ同時に装着されることで、利用者は、左右の骨伝導音響伝達装置10から発する音を聞き分けられ、ステレオ音声で音像の定位を感じることが可能である。本技術では、骨伝導装置でありながらも、それぞれの骨伝導音響伝達装置10から左右の内耳までの距離が異なることにより、左右の音の聞き分けが可能であると考えられる。つまり、頭部50の右側に配設した骨伝導音響伝達装置10は、頭部の左側に配設したものと比較して、右側の内耳をより刺激しているものと考えられる。
上記のように、利用者は、必要に応じて複数の骨伝導音響伝達装置10を使用することができ、1つの骨伝導音響伝達装置10の近傍に、他の骨伝導音響伝達装置10を装着することも可能である。このとき、それぞれの骨伝導音響伝達装置10が有する磁性体が、互いの骨伝導音響伝達装置10に影響を及ぼさないようにするために、ケーシング152の一部および防振部材158は、磁界を遮断するような素材で構成されてもよい。このような構成により、他の骨伝導音響伝達装置10により生成される磁界の影響を受けて、骨伝導音響伝達装置10の誤作動が発生することを防止することができ、また、複数の骨伝導音響伝達装置10を、他の骨伝導音響伝達装置10が有する磁性体の影響を受けずに装着することができる。
骨伝導音響伝達装置10は、上記のような構成を備え、頭部50に複数配設されることで、オーディオアイコンのように空間に定位する音声情報を提示することができる。
(第3の変形例)
骨伝導音響伝達装置10は、頭部50に限られず、歯やマウスピース等の口腔内、もしくは顎等の部位に装着されてもよい。例えば、図12に示すような、第1の磁性体110A、Bとしてネオジム磁石を接着させた歯列矯正用のマウスピースを、歯に装着し、頬にあてたコイルユニット150による励起を試みたところ、内耳へ音声が伝達可能であることが確認された。このような骨伝導音響伝達装置10を口腔内で使用する場合、義歯に適用することもでき、義歯の内部に第1の磁性体110を埋設することが可能である。コイルユニット150は、電力供給装置及び無線通信装置を備えて音響信号が入力されるようにしてもよく、さらに、ケーシング152にコイル154が封入される等、口腔内環境に適するように形成されて、義歯の外部に装着されてもよい。骨伝導音響伝達装置10を歯に適用することで、第1の磁性体110の振動は皮膚による減衰を経ずに、直接頭蓋骨へ伝達することが可能である。
(第4の変形例)
本開示は、他の触覚インタフェースデバイスへの応用も可能である。触覚インタフェースは、骨伝導装置と同様、効果的に利用するためには、皮膚等の身体へ適切に接触することが重要である。しかし、現状の触覚インタフェースは、身体への適切な接触が不十分であることが多く、これにより現状の触覚インタフェースの利用性が制限されていることが多い。一方で、本技術は、第1の磁性体110として小型の磁石を用いており、磁気治療等で広く行われているように、容易に小型磁石を身体に適切に配設することができる。小型磁石と、デバイス本体とが分離されていることで、より高い装着性を有する触覚インタフェースを構成することができる。
したがって、骨伝導音響伝達装置10は、内耳に振動を伝達できないような位置に配設されてもよい。図13は、足先の爪に第1の磁性体110を配設した例である。骨伝導音響伝達装置10は、可聴域外の周波数の振動を伝達することが可能であるため、利用者はかかる振動を物理的に認識することができる。例えば、足爪に第1の磁性体110が配設され、シューズにコイルユニット150が装備されることで、振動モーターなどの機構部がなくても、触覚インタフェースを有するスマートシューズが構成可能となる。このように、本技術は、他の触覚インタフェースデバイスへも応用可能であり、複数の骨伝導音響伝達装置10を身体に装着することで、利用者は、方向等の空間情報を把握することが可能となる。
本技術は、皮膚等の身体に振動子を配するという点で、多くの触覚インタフェースと関連し、上記のように、本技術を、触覚インタフェースのデバイスとして利用することも可能である。さらに、本開示の骨伝導音響伝達装置10は、音情報を伝達できるため、通常の振動インタフェースとは大きく異なる表現能力を有する。例えば、振動インタフェースの一つであるNail Tactorsは、爪表面に複数の振動子を配し、振動の順序によって記号を伝達しようするものである。このNail Tactorsは、10種類の記号を毎秒1回の頻度で情報伝達できるとされている。他にも、皮膚への振動インタフェースによって記号を伝達する実験が数多く行われている。しかしながら、現段階では、数秒につき9種類の記号から一つを選択するタスクが実現されるレベルであり、情報インタフェースとして供されるにはまだ課題を残している。一方で、本技術は、これらと比較して、音声による情報伝達は遥かに効率的であり、認識精度も高く、情報インタフェースとして用いることが可能である。
<7.適用例>
本技術は、日常生活での音声インタフェース常時利用を可能とする。また、本技術とともに、対話アシスタントなどを利用することで、利用者は、コンピュータと常に接続し支援を受けることが可能になる。通常の携帯電話やスマートウォッチは、利用するために機器の取り出し、腕時計の操作等の必要があるが、本技術を適用することで、音声インタフェースにより日常の生活や作業を中断しないまま操作を行うことができ、いわゆるalways connectedな人間が誕生する。従来から、音響拡張現実(Audio Augmented Reality)という研究領域が存在するが、ヘッドフォンなどの使用を前提といているため、音響拡張現実の応用は、美術館の鑑賞体験拡張などに限定されている。本開示は、このような音響拡張現実に適用される。
また、本開示は、音声フィードバックによるスポーツトレーニング、いわゆるサイバネティックトレーニングなど、非言語の音声情報による支援にも利用可能である。
本開示は、音響による食体験の向上を可能にする。例えば、咀嚼音の付与により食体験が変化することが知られているものの、例えば、カナル型イヤフォンやヘッドフォンを装着して食事をすることは必ずしも快適ではない。利用者が本技術を快適に利用できるため、本技術により、音響による食体験の向上が可能となる。
身体に装着された振動子により方向などの空間情報を提示する手段として、腰に巻いたベルトに振動子を配するActive Belt、ベスト型の振動子アレイを装着するVEST(Versatile Extra−Sensory Transducer)等の装着型デバイスが存在する。本開示は、複数の骨伝導音響伝達装置10を体表に配することで、空間提示の可能性を有する。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、又は、上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
予め生体の頭部に当接又は埋設される第1の磁性体と、
前記第1の磁性体とは分離して設けられるコイルユニットと、
を備え、
前記コイルユニットは、
前記第1の磁性体に装着可能な所定のケーシングを用いて構成されたコイルと、
前記ケーシングの所定の位置に設けられた、前記コイルにより振動しない第2の磁性体と、
を有し、
前記コイルユニットが前記頭部に装着された状態で前記コイルに音響信号が印加されることで、前記第1の磁性体が振動する、骨伝導音響伝達装置。
(2)
前記第1の磁性体と、前記第2の磁性体と、が互いに磁気的に作用することで、前記第1の磁性体と前記コイルユニットの位置関係が固定される、(1)に記載の骨伝導音響伝達装置。
(3)
前記第2の磁性体は、前記コイルユニットが前記頭部に装着された際に、前記第1の磁性体の磁界内となる位置に設けられる、(1)又は(2)に記載の骨伝導音響伝達装置。
(4)
前記生体の部位に装着された際に前記第1の磁性体の側面を囲うように、前記ケーシングの前記頭部と対向する側の底面から突出して設けられる防振部材を更に備え、
前記防振部材の前記底面からの突出高さは、前記第1の磁性体の高さよりも高い、(1)〜(3)の何れか1つに記載の骨伝導音響伝達装置。
(5)
前記防振部材は、前記第1の磁性体による磁界を遮断する素材を用いて形成される、(4)に記載の骨伝導音響伝達装置。
(6)
前記コイルは、印加される前記音響信号の出力源とインピーダンスマッチングが取れるように、巻き数が調整されている、(1)〜(5)の何れか1つに記載の骨伝導音響伝達装置。
(7)
前記第1の磁性体には、皮膚への通気性を確保するための加工が施される、(1)〜(6)の何れか1つに記載の骨伝導音響伝達装置。
(8)
前記第1の磁性体は、皮膚に付着可能な素材を介して、前記頭部に着脱可能に当接される、(1)〜(7)の何れか1つに記載の骨伝導音響伝達装置。
(9)
前記第1の磁性体は、前記第1の磁性体を覆うように設けられる粘着体により、前記頭部に着脱可能に当接される、(1)〜(7)の何れか1つに記載の骨伝導音響伝達装置。
(10)
前記第1の磁性体は、生体と免疫的に干渉しない素材により周囲が被覆された状態で、生体内に埋設される、(1)〜(7)の何れか1つに記載の骨伝導音響伝達装置。
(11)
前記第1の磁性体は、ネオジム磁石である、(1)〜(10)の何れか1つに記載の骨伝導音響伝達装置。
1 骨伝導音響伝達システム
10 骨伝導音響伝達装置
20 音響信号出力部
50 頭部
110 第1の磁性体
150 コイルユニット
152 ケーシング
154 コイル
156 第2の磁性体
158 防振部材

Claims (11)

  1. 予め生体の頭部に当接又は埋設される第1の磁性体と、
    前記第1の磁性体とは分離して設けられるコイルユニットと、
    を備え、
    前記コイルユニットは、
    前記第1の磁性体に装着可能な所定のケーシングを用いて構成されたコイルと、
    前記ケーシングの所定の位置に設けられた、前記コイルにより振動しない第2の磁性体と、
    を有し、
    前記コイルユニットが前記頭部に装着された状態で前記コイルに音響信号が印加されることで、前記第1の磁性体が振動する、骨伝導音響伝達装置。
  2. 前記第1の磁性体と、前記第2の磁性体と、が互いに磁気的に作用することで、前記第1の磁性体と前記コイルユニットの位置関係が固定される、請求項1に記載の骨伝導音響伝達装置。
  3. 前記第2の磁性体は、前記コイルユニットが前記頭部に装着された際に、前記第1の磁性体の磁界内となる位置に設けられる、請求項1に記載の骨伝導音響伝達装置。
  4. 前記生体の部位に装着された際に前記第1の磁性体の側面を囲うように、前記ケーシングの前記頭部と対向する側の底面から突出して設けられる防振部材を更に備え、
    前記防振部材の前記底面からの突出高さは、前記第1の磁性体の高さよりも高い、請求項1に記載の骨伝導音響伝達装置。
  5. 前記防振部材は、前記第1の磁性体による磁界を遮断する素材を用いて形成される、請求項4に記載の骨伝導音響伝達装置。
  6. 前記コイルは、印加される前記音響信号の出力源とインピーダンスマッチングが取れるように、巻き数が調整されている、請求項1に記載の骨伝導音響伝達装置。
  7. 前記第1の磁性体には、皮膚への通気性を確保するための加工が施される、請求項1に記載の骨伝導音響伝達装置。
  8. 前記第1の磁性体は、皮膚に付着可能な素材を介して、前記頭部に着脱可能に当接される、請求項1に記載の骨伝導音響伝達装置。
  9. 前記第1の磁性体は、前記第1の磁性体を覆うように設けられる粘着体により、前記頭部に着脱可能に当接される、請求項1に記載の骨伝導音響伝達装置。
  10. 前記第1の磁性体は、生体と免疫的に干渉しない素材により周囲が被覆された状態で、生体内に埋設される、請求項1に記載の骨伝導音響伝達装置。
  11. 前記第1の磁性体は、ネオジム磁石である、請求項1に記載の骨伝導音響伝達装置。
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