JPWO2019044042A1 - アルカリ性のミネラルイオン水を含有する電解液を有する電池、電解質活物質及び電池用電解液の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
電池の性能を向上させるためのミネラルイオン水、特定の電解液、又は、これらを含有する電解質活物質は知られていなかった。
少なくとも、マグネシウム若しくはカルシウムの、酸化物、水酸化物、炭酸塩又は炭酸水素塩を水に溶解させてアルカリ土類金属イオンを含有させ、pHを調整し、生物の灰化物の水溶性成分を溶解させることを特徴とする電池用電解液の製造方法を提供するものである。
本発明の電池は、電解液が気化し易い汎用の簡易なラミネート処理においても600時間以上連続して電力を供給できる。このとき、600時間を超え電力が低下したら、電解液を滴下することによって、繰り返し使用が可能である。更なる長寿命設計には機密性の高い封入処理をすれば、電解液が気化しない限り、負極である例えばアルミニウム電極が酸化しない限りいつまでも発電することが可能である。
本発明の電池は、電解液として特定のものを用いるために、pHが12以上14以下であっても金属電極や金属酸化物を酸化し難く、極めて簡易であるにもかかわらず、長期間にわたり連続的に安定して電力を供給できる。
ただし、従来の活物質を含有させることは本発明からは排除されない。
グラファイト、グラフェン、オキシ水酸化ニッケル、二酸化マンガン、酸化スズ等の電解質活物質を、前記電解液中に分散しペースト状にすることによって、電池性能を向上させることもできる。
更に、電解質活物質として、「上記ミネラルイオン水及び上記灰化ミネラルイオン前駆体を担持した高温焼成炭素群」を含有することが有効である。ここで、「担持した高温焼成炭素群」とは、担持させてから高温焼成した(してなる)高温焼成炭素群が含まれる。以下、同様である。
該電池の形態は、負極1と正極2の間に電解液4を有する形態であれば特に限定はなく、汎用の乾電池のように、中心に電極があり筐体に沿って他の電極がある形態でも、平面状のものであってもよいが、図1、図2に示したように、電極が平面状又は縦型セルである形態が特に好ましい。
また、該電解液4は吸水性基材3に染みこませて使用してもよい。その場合、「電解液が含浸した部分」を挟んでいる電極の部分が正極、負極として作用する。
また、図2(b)のような形態の場合、すなわち、電極間に吸水性基材3が存在し、該吸水性基材3に電解液4が含浸されていて、その部分が実質的な電池になっている場合、1つの電極(図2では電解液が染みこんでいる円形部分)の大きさは電極より狭く、縦、横若しくは直径の長さとして、1mm以上45mm以下が好ましく、5mm以上40mm以下がより好ましく、8mm以上35mm以下が特に好ましく、長方形でも円形でもない場合は、面積基準で上記値を換算する。
一方、電極板や電解液部分が大き過ぎると、構造上均一な電極間距離が保ち難い場合があり、直列につないでセルで重ねれば足りるので電極面積が広くなり電流が迷走する。また、コストアップや重量が重くなる等の問題が生じる場合がある。
両電極間の隙間接触界面周囲に絶縁体を施工することが好ましい。
本発明の電池では、負極1において、負極1を構成する金属体から、金属陽イオンが電解液4中に放出され、電子が負極1に取り残されるために電圧・電流が発生する。従って、負極1として用いられる金属は、「水素よりイオン化傾向の大きい金属」であれば特に限定はないが、具体的には、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、リチウム、鉄、ニッケル、錫、鉛等が挙げられる。
中でも、アルミニウム又は亜鉛であることが、起電力、安定性、価格等の点から特に好ましい。合金は排除されないが、単体金属であることが電解液4の組成を変化させない等のために好ましい。また、アルミニウム線、亜鉛線等の金属線(特に好ましくはアルミニウム線)を負極に用いることで、小型化(極小セルに)することができるので好ましい。
本発明の電池の正極2は、導電体であれば特に限定はないが、該導電体を形成する導電性物質は、銅、銀、パラジウム、金若しくは白金、又は、それらの合金が好ましい。また、グラファイト(石墨)、高温焼成炭素、炭素繊維等の炭素質であってもよい。また、これらの導電性物質の微粒子が分散された若しくはプレス圧縮された導電性の構造体であってもよく、表面に薄い酸化膜があるものでもよい。
該金属は、より好ましくは、起電力、安定性、価格(コスト)等の点から、銅若しくは銀又はその合金であり、特に好ましくはコストの理由から銅である。該炭素質は、より好ましくは、軽量、経時安定性、価格(コスト)等の点から炭素繊維である。正極に炭素繊維を用いることで、小型化(極小セルに)することができるので好ましい。
<<電解液のpH>>
本発明の電池の電解液4は、アルカリ土類金属イオンを含有するpHが12以上14以下のミネラルイオン水を含有することを特徴とする。pHは13以上14以下が特に好ましい。
このような電解液4にすると、金属を溶解する水酸化カリウム液等と異なり、安定した電力で長寿命の電池ができる。作用原理は限定されないが、電解液4をアルカリ性の「ミネラルイオン水」にすることで、更にはpHを特定範囲に調整することで、電極(表面)が安定化されると考えられる。特に、負極1の酸化還元反応による化学反応がミネラルイオンで抑制され極めて徐々には酸化還元するが溶解せず、正極2(表面)は酸化せずと考察する。
アルカリ土類金属イオン(第2族元素のイオン)としては、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオン等が好ましいものとして挙げられる。
より好ましくは、安定した電力で長寿命の電池ができること、該イオンを含む化合物が安価である、該イオンを含む化合物が物から得られ易い、石灰岩;サンゴ石、卵の殻又は貝殻等の生物由来品から得られ易い点から、マグネシウムイオン(Mg2+)又はカルシウムイオン(Ca2+)であり、特に好ましくは、カルシウムイオン(Ca2+)である。これらのイオンは、単独で含んでいても、2種以上含んでいてもよい。
アルカリ土類金属イオン供給化合物は、水に投入して(好ましくは空気を遮断した状態で溶解熟成させ)、要すれば熟成後濾過を行って、所望の電解液4を得ることができる。これらの化合物は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
このときの「一部溶解したアルカリ土類金属イオンペースト」を、後述の電解質活物質として又は電解質活物質の原料としても使用することが好ましい。
なお、「水に溶解してアルカリ土類金属イオンを与える化合物」のみでpHを調整し前記範囲に収めることが好ましいが、適宜、他の「水中でアルカリ性を示すイオン化合物」を加えてpHを調整することもできる。
該生物由来品としては、安価に入手できること、廃棄物として入手可能であること等から、サンゴ石;卵の殻;牡蠣殻等の貝殻;等も好ましい。
本発明における電解液は、前記したものの他に、更に「生物の灰化物よりなる灰化ミネラルイオン前駆体」を含有することが好ましい。これらを含有すると酸化が抑制されて電極(表面)や電材活物質が安定になり、一定の安定した電力供給で長寿命の電池ができる。
なお、作用原理は限定されないが、これを含有することで、生物中の微量元素を含む化合物若しくはイオンが、電極(表面)を安定化すると考えられる。特に、負極1の過度の酸化が抑制されて徐々には酸化するが溶解せず、正極2(表面)の化学反応が抑制されると考えられた。生物中の微量元素としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、リン、亜鉛、マンガン、セレン、鉄等が挙げられる。このうち、「ミネラルイオン水」に既に含有されていた金属イオン以外の金属イオンが、更に電池性能を向上させると考えられる。
該藻類としては海藻等が好ましく、中でも、緑藻;モズク、コンブ、ワカメ、ホンダワラ、ヒジキ等の褐藻;紅藻;珪藻等がより好ましい。
該種子植物としては、チャノキ等が好ましく、中でも、それらの葉、茎、根等がより好ましい。
本発明における電解液は、生物の灰化物よりなる灰化ミネラルイオン前駆体を含有することが好ましいが、上記生物としては、草木又は海藻であることが特に好ましい。
そのような廃棄物としては、茶の出し殻、根菜類加工残渣、雑草類等の種子植物由来品;褐藻等の海藻(脱塩処理がされていることが好ましい);ホンダワラ等が挙げられる。また、該廃棄物としては、菌床残渣等も挙げられる。
本発明における電解液には、「生物の灰化物の水溶性ミネラル成分」を含有することが好ましいが、該水溶性成分は、該灰化物から別途分離しておいて電解液4中に含有させてもよいが、電解液4を構成する水に投入し、熟成後に濾過して、水溶性イオン成分だけを電解液4に含有させるようにしてもよい。
上記電解液は、上記ミネラルイオン水を含有すると共に、更に電解質活物質を含有し、該電解質活物質が、上記電解液を担持した「生物由来の炭素前駆体」を焼成してなるものであることが好ましい。
上記電解液は、更に、電解質活物質として、(好ましくは「生物由来の炭素前駆体」に)、「上記ミネラルイオン水及び上記灰化ミネラルイオン前駆体を担持して焼成してなる高温焼成炭素群」を含有することが好ましい。
そして、上記高温焼成炭素群は、(上記電解液等を担持した)「生物由来の炭素前駆体」をマイクロ波励起で高温プラズマ焼成したものであることが特に好ましい。
ここで、該「担持させる電解液」としては前記したものが挙げられるが、「焼成して得られる該高温焼成炭素群」をそこに含有させて実際に電池に使用される電解液と全く同一の組成を有する電解液である必要はない。
該電解質活物質は、ミネラルイオン水を「生物由来の炭素前駆体」に担持させた状態で、高温焼成してなる高温焼成炭素群であることが更に好ましい。強アルカリ性を示す高温焼成炭素群であることが特に好ましい。ここで、「生物由来の炭素前駆体」には、茶、海藻等の生物自体も含まれるので、それら生物が高温焼成中に炭素になって(炭化して)、「高温焼成炭素群」となる形態が含まれる。上記「生物」は、「廃棄物」と読み換えることもできる。
上記電解液は、更に、上記ミネラルイオン水によってグラファイトを層間剥離したグラフェンを含有することが特に好ましい。
グラファイト、グラフェン、オキシ水酸化ニッケル、二酸化マンガン等の電解質活物質の電解液4中の形状は粉体状であることが好ましい。
これらの電解質活物質が含有されていると、電解液4の電導性を良化させ、電極が安定化され、電池寿命が延び、電圧、電流値が長期間安定する等の効果がある。
本発明の電解液には、増粘剤を加えて増粘することも好ましい。該増粘剤としては、特に限定はないが、天然由来物が好ましく、電解液で加熱抽出し、高分子を低分子として濃厚に析出させたフコイダン、キサンタンガム等の天然多糖類が特に好ましい。
既存のカルボキシメチルセルロース(CMC)等は、通電阻害を引き起こす場合がある。
また、本発明の電解液には、電池性能を悪化させない範囲で、上記物質以外の「その他物質」を含有させることができる。
本発明の電池は、図2(b)に概略断面図を示したように、電解液4が吸水性基材3に含浸されて負極1と正極2に挟まれていてもよい。
該吸水性基材3としては、綿、不織布、フェルト、織布、紙、貫通気泡体等が挙げられる。
該吸水性基材3の大きさは、前記した電極板や電極の大きさの範囲内であることが好ましく、吸水性基材3の厚さは、前記した電極間の距離の範囲内であることが好ましい。また、両電極間に挟まれた状態が好ましい。
本発明は、上記した電池用に用いられる、上記した組成を有する電池用電解液でもある。本発明の電池用電解液は、本発明の上記した電池用として好適である。
本発明は、上記電池の上記した製造方法でもある。すなわち、負極1として水素よりイオン化傾向の大きい金属体を用い、正極2として導電体を用い、該負極1と該正極2の間に存在する電解液4としてpHが12以上14以下のアルカリ水を用いた電池用電解液の製造方法であって、少なくとも、マグネシウム若しくはカルシウムの、酸化物、水酸化物、炭酸塩又は炭酸水素塩を水に溶解させてアルカリ土類金属イオンを含有させ、pHを調整し、生物の灰化物の水溶性成分を溶解させることを特徴とする電池用電解液の製造方法でもある。
なお、限定はされないが、溶解は空気を遮断した状態で行うことが好ましい。
途中及び/最後に、濾過をして電池用電解液を製造することが好ましい。
限定はされないが、電極間に吸水性基材3を挟み、そこに電解液4を染みこませ、電解液4の水分が気化しないように、ラミネート処理によって封入することが好ましい。寒冷地仕様では、ラミネート封入後、断熱構造にすることがより好ましい。
電解液4を再注水すれば、発電機能を繰り返すことができる。
脱塩水に消石灰(水酸化カルシウム)を、液のpHが13.5以上14.0以下になるように加え、空気を遮断した状態で12時間以上熟成した後に濾過して、ミネラルイオン水よりなる電解液を得た。
上記電解液を、上記綿フェルトに染みこませ、図2に示したような電池を作製した。
このときの電極サイズは、僅かに、アルミ電極15mm×20mm、銅電極15mm×17mmであり綿フェルトのサイズは12mm×15mmと極めて小さかった。
しかし、その間隙部位に電解液を僅かに滴下すると、直ぐにその電圧・電流値が元の状態に復帰した。
実施例1において、消石灰(水酸化カルシウム)単独に代えて、消石灰(水酸化カルシウム)と酸化マグネシウムの混合物(Ca2+/Mg2+=20/0.3(モル比))に代えて、更にpHを14にした以外は、実施例1と同様にミネラルイオン水を調製し、同様に電池を作製した。
その結果、前記同様な条件下で約108時間、そのままの状態で通電し続けた。
実施例1において、消石灰(水酸化カルシウム)単独に代えて、消石灰(水酸化カルシウム)と生石灰(酸化カルシウム)の比を「10/1(カルシウムイオンのモル比)」とし、pHを14にした以外は、実施例1と同様に電池を作製した。
生石灰は不純物として鉄イオンも含むから、その分、電圧・電流値が向上したと考えられた。
その結果、前記同様な条件下において、約98時間、そのままの状態で通電し続けたが気温が高くその環境下において電解液が早めに気化した。完全な機密性の高い封入処理に変えたところ、上記電圧・電流で、実施例1と同じ時間、連続した電力が得られた。
実施例1で調製した「ミネラルイオン水からなる電解液」に、更に「生物の灰化物」として、草木灰(茶殻の灰化物、又は、ホンダワラの灰化物)を加えて12時間熟成後、濾過して不溶物を濾別した。これによって、電解液に「生物の灰化物の水溶性のナトリウム、カリウム、カルシウム、リン、亜鉛、マンガン、セレン、鉄分等の複数のイオン成分」を溶解させ、pHを12.5に調整して電解液とした。すなわち、電解液に、「生物の灰化物よりなる灰化ミネラルイオン前駆体」を含有させた。
その結果、前記同様な条件下において、113時間そのままの状態で通電し続けた。
実施例1で調製した「ミネラルイオン水からなる電解液」に、「生物の灰化物」として、草木灰(茶殻の灰化物)を加えて、pHは少量の消石灰(水酸化カルシウム)を用いて、PH12.0に調整し、電解液を調製した。すなわち、電解液に、「生物の灰化物よりなる灰化ミネラルイオン前駆体」を含有させた。該電解液には、主にカルシウムイオン(Ca2+)とマグネシウムイオン(Mg2+)、その他カリウムイオン(K+)が含有されていた。
その結果、前記同様な条件下において、122時間、そのままの状態で通電し続けた。
実施例1で調製した電解液98質量部に、高温焼成炭素群を2質量部加えて電解液を調製した。pHは14であった。
すなわち、煎茶出し殻(「生物由来の炭素前駆体」に該当)を乾燥状態とし、乾燥質量1kgを、実施例1ないし実施例5の各実施例で調製した電解液(ミネラルイオン水を含有する)で十分に湿らせ、2時間放置後に再び乾燥させて耐熱容器に入れた。
一方、「紙素材に電解液を浸み込ませ乾燥させた乾燥物」10gをガス火で一部炭化させた。
その後、その「一部炭化させた紙」と「前記炭素前駆体である茶殻」を共に軽く混合し、マイクロ波を照射した。まず、炭化した部位から高温熱プラズマが発生すると共に、その約1000℃の熱伝導で、茶殻も炭化しながら徐々に煙を出して燃えた。煙が収まると共に茶殻自体も高温赤熱した。その赤熱状態が約2分間経過した時点で、不定形炭素である高温焼成炭素群が得られた。熱が冷めた時点で、乳鉢にて微細化して、高温焼成炭素群よりなる電解質活物質を得た。実施例1ないし実施例5の各実施例で調製した電解液で十分に湿らせたことに対応して、5種類の電解質活物質を得た。
その結果、前記同様な条件下において約115時間、そのままの状態で通電し続けた。
実施例1で調製した電解液97質量部に、「実施例6で用いた高温焼成炭素群」3質量部を加えて電解液を調製した。pHは14であった。
その結果、前記同様な条件下において約108時間、そのままの状態で通電し続けた。
実施例1で調製した電解液95質量部に、実施例6で用いた「実施例4で調製した電解液(ミネラルイオン水を含有する)で十分に湿らせて乾燥後炭化させて得た高温焼成炭素よりなる電解質活物質」5質量部を加えて電解液を調製した。
その結果、実施例1と同様の条件下において、111時間、そのままの状態で通電し続けた。
実施例8において、「実施例6で用いた実施例4の電解液に代えて、実施例6で用いた実施例5の電解液を用いて得た電解質活物質」を用いた以外は、実施例8と同様に電池を作製し、同様に評価した。pHは14であった。
その結果、実施例1と同様の条件下において、118時間、そのままの状態で通電し続けた。
茶殻の草木灰53.3質量部、消石灰24.4質量部、及び、実施例6と同じ「高温焼成炭素群」22.3質量部、実施例1のミネラルイオン水を適量添加し、撹拌混合して練り込み電解液を調製した。
該銅板の上に、上記電解液4を平均的に直径18mm、塗布厚さ1.2mmとなるよう(電極間距離1.2mm)、塗布し更に薄い綿フェルトをのせて、その中央部に電解液を滴下しその上にアルミニウム板をのせて、電解液と綿フェルトを挟み込みした状態で、両電極間をマスキングテープで止めた。
その結果、前記同様な条件下において約88時間、そのままの状態で通電し続けた。
実施例の全ての電池が安定的に電力を供給できた。なお、実施例1〜8の電解液はペースト状ではなく低粘度液体であったが、実施例9、10の電解液はペースト状であった。
草木灰(生物の灰化物)の含有されている電解液も、「ミネラルイオン水と草木灰(生物の灰化物)(灰化ミネラルイオン前駆体)とが複合された電解質活物質」を含有する電解液も、「それら電解液と高温焼成炭素群とが複合された電解液」も、pHが12以上14以下であれば(pHが14近傍でも)、高電圧と高い電流値が得られた上に電極を侵さなかった。
草木灰(生物の灰化物)の含有されている電解液は、pH12近傍でも、極めて穏やかであり、草木灰(生物の灰化物)は、過度に電極を酸化溶解させない抑制材としても機能した。
これらの基本的な機能を効果的に可変することで、要望される電池性能が確保可能である。
2 正極
3 吸水性基材
4 電解液
5 導線
Claims (12)
- 負極として水素よりイオン化傾向の大きい金属体を用い、正極として導電体を用い、該負極と該正極の間に存在する電解液として、アルカリ土類金属イオンを含有するpHが12以上14以下のミネラルイオン水を含有することを特徴とする電池。
- 上記電解液が含有するアルカリ土類金属イオンが、マグネシウムイオン又はカルシウムイオンである請求項1に記載の電池。
- 上記電解液が、更に、生物の灰化物よりなる灰化ミネラルイオン前駆体を含有する請求項1又は請求項2に記載の電池。
- 上記生物が、草木又は海藻である請求項3に記載の電池。
- 上記電解液が、上記ミネラルイオン水を含有すると共に、更に電解質活物質を含有し、該電解質活物質が、上記電解液を担持した「生物由来の炭素前駆体」を焼成してなるものである請求項1ないし請求項4の何れかの請求項に記載の電池。
- 上記電解液が、更に、電解質活物質として、「生物由来の炭素前駆体に、上記ミネラルイオン水及び上記灰化ミネラルイオン前駆体を担持して焼成してなる高温焼成炭素群」を含有する請求項3又は請求項4に記載の電池。
- 上記高温焼成炭素群が、上記「生物由来の炭素前駆体」をマイクロ波励起で高温プラズマ焼成したものである請求項5又は請求項6に記載の電池。
- 上記電解液が、更に、上記ミネラルイオン水によってグラファイトを層間剥離したグラフェンを含有する請求項1ないし請求項7の何れかの請求項に記載の電池。
- 請求項3ないし請求項8の何れかの請求項に記載の電池用の電解質活物質であって、上記アルカリ土類金属イオン、及び、上記灰化ミネラルイオン前駆体を含有するペースト状のものであることを特徴とする電解質活物質。
- 負極として水素よりイオン化傾向の大きい金属体を用い、正極として導電体を用い、該負極と該正極の間に存在する電解液としてpHが12以上14以下のミネラルイオン水を用いた電池用電解液の製造方法であって、
少なくとも、マグネシウム若しくはカルシウムの、酸化物、水酸化物、炭酸塩又は炭酸水素塩を水に溶解させてアルカリ土類金属イオンを含有させ、pHを調整し、生物の灰化物の水溶性成分を溶解させることを特徴とする電池用電解液の製造方法。 - 上記「マグネシウム若しくはカルシウムの、酸化物、水酸化物、炭酸塩又は炭酸水素塩」として、生物由来品を用いる請求項10に記載の電池用電解液の製造方法。
- 上記生物由来品が、サンゴ石、卵の殻、又は、貝殻である請求項11に記載の電池用電解液の製造方法。
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