JP6947832B2 - アルカリ性のミネラルイオン水を含有する電解液を有する電池、電解質活物質及び電池用電解液の製造方法 - Google Patents

アルカリ性のミネラルイオン水を含有する電解液を有する電池、電解質活物質及び電池用電解液の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は電池に関するものであり、更に詳しくは、特定のミネラルイオンを含有するアルカリ性水溶液を電解液とする電池、電解質活物質、及び、アルカリ性の電池用電解液の製造法に関するものである。
一次電池としては、古くからガルバニ電池が有名である。ガルバニ電池には、亜鉛板と銅板を電極として用い、その間の電解液として硫酸を用いたボルタ電池;亜鉛板を硫酸亜鉛水溶液中に浸し、銅板を硫酸銅水溶液中に浸したダニエル電池;等がある。更に、一次電池としては、マンガン乾電池、ふっ化黒鉛リチウム電池、二酸化マンガンリチウム電池、塩化チオニルリチウム電池、二硫化鉄リチウム電池、アルカリマンガン電池、空気亜鉛電池、酸化銀電池等が知られている。
特許文献1に係る発明は、浮き等の釣り用の電池構造体の発明であり、そこには、負極として、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛等を用い、正極として、塩化銀、塩化鉛、塩化銅、ヨウ化銅、過硫酸カリウム等を用い、その間に吸水性素材を配した電池が記載されている。
特許文献2には、負極を亜鉛、ニッケル、クロム又はアルミニウムとし、正極を金、銀、銅又はステンレスとし、電解液として、凝灰岩から溶出される硫酸イオン物質を含む液体を電気分解して得られる「硫酸イオン含有電解液」を用いた電池が記載されている。
特許文献3には、電極板を構成する金属の組み合わせとして、「二酸化鉛と鉛」又は「銅(合金)とアルミニウム(合金)」とし、正極板と負極板を向かい合わせて並べたハイブリッドバッテリーが記載されており、その電解液として、硫酸等が用いられている。
しかしながら、アルカリ水溶液を電解液として用いた電池は、ニッケル水素電池、アルカリマンガン電池があるが、電解液は強アルカリ性水酸化カリウムである。水酸化カリウムはイオン化傾向の大きい金属や金属酸化物を酸化又は溶解するため、これらの電解液を使用すると電材の寿命が短命となる。
電池の性能を向上させるためのミネラルイオン水、特定の電解液、又は、これらを含有する電解質活物質は知られていなかった。
特開2004−158209号公報 特開2010−153206号公報 特開2013−247101号公報
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、長時間にわたり安定して電力を供給する電池を提供することにあり、該電池に用いられる新規な電池用電解液や電解質活物質を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の正極と負極を用い、その間に存在する電解液として、特定の物質(イオン、化合物等)を含有するミネラルイオン水、並びに、好ましくは、「ミネラルイオン水及び灰化ミネラルイオン前駆体を担持して焼成してなる高温焼成炭素群」や、該灰化ミネラルイオン前駆体を含有するペースト状の電解質活物質を用いることによって、長時間にわたり安定して電力を供給でき、電極も汎用の金属で、特に正極は炭素板や炭素繊維等でも、簡易で低コストの電池ができることを見出して本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、負極として水素よりイオン化傾向の大きい金属体を用い、正極として導電体を用い、該負極と該正極の間に存在する電解液として、アルカリ土類金属イオンを含有するpHが12以上14以下のミネラルイオン水を含有することを特徴とする電池を提供するものである。
また、本発明は、上記電池用の電解質活物質であって、上記アルカリ土類金属イオン、及び、上記灰化ミネラルイオン前駆体を含有するペースト状のものであることを特徴とする電解質活物質を提供するものである。
また、本発明は、負極として水素よりイオン化傾向の大きい金属体を用い、正極として導電体を用い、該負極と該正極の間に存在する電解液としてpHが12以上14以下のミネラルイオン水を用いた電池用電解液の製造方法であって、
少なくとも、マグネシウム若しくはカルシウムの、酸化物、水酸化物、炭酸塩又は炭酸水素塩を水に溶解させてアルカリ土類金属イオンを含有させ、pHを調整し、生物の灰化物の水溶性成分を溶解させることを特徴とする電池用電解液の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、上記課題を解決し、長期間にわたり連続的に安定して電力(電圧と電流)を供給する電池を極めて簡易に安価に提供することができる。
本発明の電池は、電解液が気化し易い汎用の簡易なラミネート処理においても600時間以上連続して電力を供給できる。このとき、600時間を超え電力が低下したら、電解液を滴下することによって、繰り返し使用が可能である。更なる長寿命設計には機密性の高い封入処理をすれば、電解液が気化しない限り、負極である例えばアルミニウム電極が酸化しない限りいつまでも発電することが可能である。
更に、好ましくはこれらの単セル(電池)を多数積層することによって、モバイル機器、車、航空機、ロボット、家電等の電力として簡易的に利用できる。また、二酸化炭素を排出する動力に代わって、本発明の電池からの電力を利用した動力を使用すれば、環境に優しい二酸化炭素フリーの動力が得られる。
例えば、ボルタ電池の電解液は、硫酸、塩酸等の酸性水溶液である。また、食塩水等の塩の水溶液も使用可能であることが知られている。アルカリ性の水溶液を使用したものとしては水酸化カリウム水溶液が知られているが、これは急速にイオン化傾向の大きい金属を侵食・溶解させる。
本発明の電池は、電解液として特定のものを用いるために、pHが12以上14以下であっても金属電極や金属酸化物を酸化し難く、極めて簡易であるにもかかわらず、長期間にわたり連続的に安定して電力を供給できる。
また、該電解液の中に、草木灰等の「生物の灰化物」を含有させることによって、その中の微量イオン化したミネラル成分の酸化還元反応が穏やかで有効に働き、電池寿命性能を向上させることができる。
従来、必要とされてきた、オキシ水酸化ニッケル、二酸化マンガン等は、基本的に必須とはされず、「上記ミネラルイオン水及び上記灰化ミネラルイオン前駆体を担持して焼成してなる高温焼成炭素群」を使用することで、更に高性能の電池が得られる。
ただし、従来の活物質を含有させることは本発明からは排除されない。
グラファイト、グラフェン、オキシ水酸化ニッケル、二酸化マンガン、酸化スズ等の電解質活物質を、前記電解液中に分散しペースト状にすることによって、電池性能を向上させることもできる。
本発明の電池の基本的形態の一例を示す概略断面図である。 本発明の電池の形態の一例を示す概略図である。(a)平面図 (b)縦断面図
以下、本発明について説明するが、本発明は、以下の具体的形態に限定されるものではなく、技術的思想の範囲内で任意に変形することができる。
本発明は、負極として水素よりイオン化傾向の大きい金属体を用い、正極として導電体を用い、該負極と該正極の間に存在する電解液として、アルカリ土類金属イオンを含有するpHが12以上14以下のミネラルイオン水を含有することを特徴とする電池である。
更に、電解質活物質として、「上記ミネラルイオン水及び上記灰化ミネラルイオン前駆体を担持した高温焼成炭素群」を含有することが有効である。ここで、「担持した高温焼成炭素群」とは、担持させてから高温焼成した(してなる)高温焼成炭素群が含まれる。以下、同様である。
更に、アルカリ土類金属イオンを含有するペーストや、灰化ミネラルイオン前駆体を含有するペースト、更には電解液を担持させ高温焼成した炭素群との複合した電解質活物質が前記電解液に含有されていることが極めて有効で好適である。「灰化ミネラルイオン前駆体を含有するペースト」は、生物由来品の灰化物のペーストであることが好ましい。
<電池の形態>
該電池の形態は、負極1と正極2の間に電解液4を有する形態であれば特に限定はなく、汎用の乾電池のように、中心に電極があり筐体に沿って他の電極がある形態でも、平面状のものであってもよいが、図1、図2に示したように、電極が平面状又は縦型セルである形態が特に好ましい。
両電極間に、前記若しくは後記する電解質活物質を有する電解液4がある形態がより好ましい。すなわち、更に、前記若しくは後記の特定のペーストや、「上記ミネラルイオン水及び上記灰化ミネラルイオン前駆体を担持して焼成してなる高温焼成炭素群」を含有することが特に好ましい。
また、該電解液4は吸水性基材3に染みこませて使用してもよい。その場合、「電解液が含浸した部分」を挟んでいる電極の部分が正極、負極として作用する。
図1に示したように、負極1と正極2からは、そこに電気的に接合された導線5を通して電流を取り出す。導線の接合については特に限定はない。
図2(a)(b)のような形態の場合、電極板の大きさは特に限定はないが、縦若しくは横の長さとして、10mm以上100mm以下が好ましく、20mm以上70mm以下が特に好ましい。また、電極板の厚さは特に限定はないが、0.5mm以上1mm以下が特に好ましい。
また、図2(b)のような形態の場合、すなわち、電極間に吸水性基材3が存在し、該吸水性基材3に電解液4が含浸されていて、その部分が実質的な電池になっている場合、1つの電極(図2では電解液が染みこんでいる円形部分)の大きさは電極より狭く、縦、横若しくは直径の長さとして、1mm以上45mm以下が好ましく、5mm以上40mm以下がより好ましく、8mm以上35mm以下が特に好ましく、長方形でも円形でもない場合は、面積基準で上記値を換算する。
電極板や電解液部分の大きさが小さくても十分な電流値を得ることができ、電解液4の量が少なくても補水できる限り寿命が長くなる。この効果は、ミネラルイオン水としての特別な効果であり、pHが12〜14においても極めて穏やかで電極を長期間侵さない。
一方、電極板や電解液部分が大き過ぎると、構造上均一な電極間距離が保ち難い場合があり、直列につないでセルで重ねれば足りるので電極面積が広くなり電流が迷走する。また、コストアップや重量が重くなる等の問題が生じる場合がある。
電極間の距離は、良好に電力が供給できれば特に限定はないが、0.03mm以上8mm以下が好ましく、0.05mm以上3mm以下がより好ましく、0.1mm以上2mm以下が特に好ましい。電極間距離が小さ過ぎる場合は短絡するおそれがある。
両電極間の隙間接触界面周囲に絶縁体を施工することが好ましい。
<負極>
本発明の電池では、負極1において、負極1を構成する金属体から、金属陽イオンが電解液4中に放出され、電子が負極1に取り残されるために電圧・電流が発生する。従って、負極1として用いられる金属は、「水素よりイオン化傾向の大きい金属」であれば特に限定はないが、具体的には、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、リチウム、鉄、ニッケル、錫、鉛等が挙げられる。
中でも、アルミニウム又は亜鉛であることが、起電力、安定性、価格等の点から特に好ましい。合金は排除されないが、単体金属であることが電解液4の組成を変化させない等のために好ましい。また、アルミニウム線、亜鉛線等の金属線(特に好ましくはアルミニウム線)を負極に用いることで、小型化(極小セルに)することができるので好ましい。
<正極>
本発明の電池の正極2は、導電体であれば特に限定はないが、該導電体を形成する導電性物質は、銅、銀、パラジウム、金若しくは白金、又は、それらの合金が好ましい。また、グラファイト(石墨)、高温焼成炭素、炭素繊維等の炭素質であってもよい。また、これらの導電性物質の微粒子が分散された若しくはプレス圧縮された導電性の構造体であってもよく、表面に薄い酸化膜があるものでもよい。
該金属は、より好ましくは、起電力、安定性、価格(コスト)等の点から、銅若しくは銀又はその合金であり、特に好ましくはコストの理由から銅である。該炭素質は、より好ましくは、軽量、経時安定性、価格(コスト)等の点から炭素繊維である。正極に炭素繊維を用いることで、小型化(極小セルに)することができるので好ましい。
<電解液の構成、物性>
<<電解液のpH>>
本発明の電池の電解液4は、アルカリ土類金属イオンを含有するpHが12以上14以下のミネラルイオン水を含有することを特徴とする。pHは13以上14以下が特に好ましい。
このような電解液4にすると、金属を溶解する水酸化カリウム液等と異なり、安定した電力で長寿命の電池ができる。作用原理は限定されないが、電解液4をアルカリ性の「ミネラルイオン水」にすることで、更にはpHを特定範囲に調整することで、電極(表面)が安定化されると考えられる。特に、負極1の酸化還元反応による化学反応がミネラルイオンで抑制され極めて徐々には酸化還元するが溶解せず、正極2(表面)は酸化せずと考察する。
pHは、後述する「水に溶解してアルカリ土類金属イオンを与える化合物」を用いて調整することもできるし、それとは別に、「水中でアルカリ性を示す化合物」を加えて調整することも可能である。好ましくは、後述する「水に溶解してアルカリ土類金属イオンを与える化合物」、又は、「生物の灰化物よりなる灰化ミネラルイオン前駆体」で、pHを調整することが好ましい。
該pH(範囲)は、電池供給時等の初期の電解液4のpHのことを言うが、使用時の(使用開始から使用終了までの)pHが常に上記範囲に入っているような電解液4が望ましい。
<<電解液中のアルカリ土類金属イオン>>
アルカリ土類金属イオン(第2族元素のイオン)としては、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオン等が好ましいものとして挙げられる。
より好ましくは、安定した電力で長寿命の電池ができること、該イオンを含む化合物が安価である、該イオンを含む化合物が物から得られ易い、石灰岩;サンゴ石、卵の殻又は貝殻等の生物由来品から得られ易い点から、マグネシウムイオン(Mg2+)又はカルシウムイオン(Ca2+)であり、特に好ましくは、カルシウムイオン(Ca2+)である。これらのイオンは、単独で含んでいても、2種以上含んでいてもよい。
マグネシウムイオン(Mg2+)と、カルシウムイオン(Ca2+)とを含む場合は、その混合比は、Ca2+リッチなモル比がコストパフォーマンス的にも好ましく、Ca2+/Mg2+=15/15〜19/1(モル比)が特に好ましい。
上記「水に溶解してアルカリ土類金属イオンを与える化合物」(以下、カッコ内を「アルカリ土類金属イオン供給化合物」と略記する。)としては、該アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩等が挙げられる。より好ましくは、マグネシウム若しくはカルシウムの、酸化物、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩等であり、更に好ましくは、カルシウムの、酸化物、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩等であり、特に好ましくは、水酸化カルシウム(消石灰)である。また、上記を含む所謂「石灰質」と言われているものも好ましい。
電解液4中のアルカリ土類金属イオンや、電解液調製に用いるアルカリ土類金属イオン供給化合物の量は、最終的に得られた電解液4が前記pH範囲になるような量の範囲であることが好ましい。
アルカリ土類金属イオン供給化合物は、水に投入して(好ましくは空気を遮断した状態で溶解熟成させ)、要すれば熟成後濾過を行って、所望の電解液4を得ることができる。これらの化合物は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
このときの「一部溶解したアルカリ土類金属イオンペースト」を、後述の電解質活物質として又は電解質活物質の原料としても使用することが好ましい。
なお、「水に溶解してアルカリ土類金属イオンを与える化合物」のみでpHを調整し前記範囲に収めることが好ましいが、適宜、他の「水中でアルカリ性を示すイオン化合物」を加えてpHを調整することもできる。
上記アルカリ土類金属イオン供給化合物として、生物由来品を用いることが、コスト的に有利である、人体・自然に優しい等の点から好ましい。
該生物由来品としては、安価に入手できること、廃棄物として入手可能であること等から、サンゴ石;卵の殻;牡蠣殻等の貝殻;等も好ましい。
<<電解液中の生物の灰化物>>
本発明における電解液は、前記したものの他に、更に「生物の灰化物よりなる灰化ミネラルイオン前駆体」を含有することが好ましい。これらを含有すると酸化が抑制されて電極(表面)や電材活物質が安定になり、一定の安定した電力供給で長寿命の電池ができる。
なお、作用原理は限定されないが、これを含有することで、生物中の微量元素を含む化合物若しくはイオンが、電極(表面)を安定化すると考えられる。特に、負極1の過度の酸化が抑制されて徐々には酸化するが溶解せず、正極2(表面)の化学反応が抑制されると考えられた。生物中の微量元素としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、リン、亜鉛、マンガン、セレン、鉄等が挙げられる。このうち、「ミネラルイオン水」に既に含有されていた金属イオン以外の金属イオンが、更に電池性能を向上させると考えられる。
特に、上記生物がミネラル成分を多く含む原生生物又は植物であることがより好ましい。該原生生物としては、藻類、原生動物類等が挙げられ、該植物としては、種子植物等が挙げられる。
該藻類としては海藻等が好ましく、中でも、緑藻;モズク、コンブ、ワカメ、ホンダワラ、ヒジキ等の褐藻;紅藻;珪藻等がより好ましい。
該種子植物としては、チャノキ等が好ましく、中でも、それらの葉、茎、根等がより好ましい。
本発明における電解液は、生物の灰化物よりなる灰化ミネラルイオン前駆体を含有することが好ましいが、上記生物としては、草木又は海藻であることが特に好ましい。
また、上記生物又は上記生物の一部を含む廃棄物から、上記「生物」(生物の加工品、生物由来物を含む)を得ることも好ましい。
そのような廃棄物としては、茶の出し殻、根菜類加工残渣、雑草類等の種子植物由来品;褐藻等の海藻(脱塩処理がされていることが好ましい);ホンダワラ等が挙げられる。また、該廃棄物としては、菌床残渣等も挙げられる。
上記「生物」若しくは上記「生物」の一部や、上記「生物(の一部)を含む廃棄物」は、焼成して炭素になるので、本発明では、これらを、「炭素前駆体」、「生物由来の炭素前駆体」等と言う場合がある。
「生物の灰化物」は、上記生物を灰化したものであり、草木灰として入手できるものも好適に使用できる。
本発明における電解液には、「生物の灰化物の水溶性ミネラル成分」を含有することが好ましいが、該水溶性成分は、該灰化物から別途分離しておいて電解液4中に含有させてもよいが、電解液4を構成する水に投入し、熟成後に濾過して、水溶性イオン成分だけを電解液4に含有させるようにしてもよい。
<<電解液中の電解質活物質>>
上記電解液は、上記ミネラルイオン水を含有すると共に、更に電解質活物質を含有し、該電解質活物質が、上記電解液を担持した「生物由来の炭素前駆体」を焼成してなるものであることが好ましい。
上記電解液は、更に、電解質活物質として、(好ましくは「生物由来の炭素前駆体」に)、「上記ミネラルイオン水及び上記灰化ミネラルイオン前駆体を担持して焼成してなる高温焼成炭素群」を含有することが好ましい。
そして、上記高温焼成炭素群は、(上記電解液等を担持した)「生物由来の炭素前駆体」をマイクロ波励起で高温プラズマ焼成したものであることが特に好ましい。
ここで、該「担持させる電解液」としては前記したものが挙げられるが、「焼成して得られる該高温焼成炭素群」をそこに含有させて実際に電池に使用される電解液と全く同一の組成を有する電解液である必要はない。
該電解質活物質は、ミネラルイオン水を「生物由来の炭素前駆体」に担持させた状態で、高温焼成してなる高温焼成炭素群であることが更に好ましい。強アルカリ性を示す高温焼成炭素群であることが特に好ましい。ここで、「生物由来の炭素前駆体」には、茶、海藻等の生物自体も含まれるので、それら生物が高温焼成中に炭素になって(炭化して)、「高温焼成炭素群」となる形態が含まれる。上記「生物」は、「廃棄物」と読み換えることもできる。
本発明における電解液4は、通常の「アルカリ土類金属イオンを含有するpHが12以上14以下のミネラルイオン水」以外に、新たな電解質活物質として、「前記のミネラルイオン水を含むアルカリ土類金属イオンペースト」や、「『灰化ミネラルイオン前駆体を含有するペースト』、好ましくは『生物由来品の灰化物のペースト』、特に好ましくは『草木灰のペースト』」や、「前記の電解液を担持し高温焼成した炭素群」を含有することが極めて好適である。上記高温焼成した炭素群は、前記した電解液やミネラルイオン水を、前記「生物由来の炭素前駆体」に担持させた状態で高温焼成して炭素化してなるものであることが好ましい。
従来の活物質である、グラファイト、グラフェン等の電解液中に含有することも好ましく、また、必須ではないが、オキシ水酸化ニッケル、二酸化マンガン等の電解質活物質を含有することも好ましい。
上記電解液は、更に、上記ミネラルイオン水によってグラファイトを層間剥離したグラフェンを含有することが特に好ましい。
グラファイトは、グラフェンの構造が積層してなるものを言う。「グラファイト」としては、何層か積み重なって、粉末状になったものも含まれる。
グラファイト、グラフェン、オキシ水酸化ニッケル、二酸化マンガン等の電解質活物質の電解液4中の形状は粉体状であることが好ましい。
これらの電解質活物質が含有されていると、電解液4の電導性を良化させ、電極が安定化され、電池寿命が延び、電圧、電流値が長期間安定する等の効果がある。
該電解質活物質は、含有されなくてもよいが、含有される場合は、電解液全体に対して、30質量%以上70質量%以下が好ましく、60質量%以上80質量%以下がより好ましく、85質量%以上90質量%以下が特に好ましい。
該電解質活物質は、その粉体を上記ミネラルイオン水電解液で混練して電解液4中に含有させたり、電極に塗布したり、スクリーン印刷したりして使用することが好ましい。
<<電解液中の増粘剤、その他物質>>
本発明の電解液には、増粘剤を加えて増粘することも好ましい。該増粘剤としては、特に限定はないが、天然由来物が好ましく、電解液で加熱抽出し、高分子を低分子として濃厚に析出させたフコイダン、キサンタンガム等の天然多糖類が特に好ましい。
既存のカルボキシメチルセルロース(CMC)等は、通電阻害を引き起こす場合がある。
また、本発明の電解液には、電池性能を悪化させない範囲で、上記物質以外の「その他物質」を含有させることができる。
<吸水性基材>
本発明の電池は、図2(b)に概略断面図を示したように、電解液4が吸水性基材3に含浸されて負極1と正極2に挟まれていてもよい。
該吸水性基材3としては、綿、不織布、フェルト、織布、紙、貫通気泡体等が挙げられる。
該吸水性基材3の大きさは、前記した電極板や電極の大きさの範囲内であることが好ましく、吸水性基材3の厚さは、前記した電極間の距離の範囲内であることが好ましい。また、両電極間に挟まれた状態が好ましい。
<電池用電解液>
本発明は、上記した電池用に用いられる、上記した組成を有する電池用電解液でもある。本発明の電池用電解液は、本発明の上記した電池用として好適である。
<電池用電解液の製造方法>
本発明は、上記電池の上記した製造方法でもある。すなわち、負極1として水素よりイオン化傾向の大きい金属体を用い、正極2として導電体を用い、該負極1と該正極2の間に存在する電解液4としてpHが12以上14以下のアルカリ水を用いた電池用電解液の製造方法であって、少なくとも、マグネシウム若しくはカルシウムの、酸化物、水酸化物、炭酸塩又は炭酸水素塩を水に溶解させてアルカリ土類金属イオンを含有させ、pHを調整し、生物の灰化物の水溶性成分を溶解させることを特徴とする電池用電解液の製造方法でもある。
なお、限定はされないが、溶解は空気を遮断した状態で行うことが好ましい。
製造方法の好ましい範囲は、前記した通りである。また、pHの調整は、「アルカリ土類金属イオン供給化合物」に水を投入して、好ましくは空気を遮断した状態で、好ましくは12時間以上熟成(静置)し、「アルカリ土類金属イオン供給化合物」の一部又は表面層又は全部を、ミネラルイオン(アルカリ土類金属イオン)として溶解させて、pHが所望の範囲に入ったならば、それでpH調整終了とする(それでpHを調整したとみなす)ことができる。
途中及び/最後に、濾過をして電池用電解液を製造することが好ましい。
<電池の製造方法>
限定はされないが、電極間に吸水性基材3を挟み、そこに電解液4を染みこませ、電解液4の水分が気化しないように、ラミネート処理によって封入することが好ましい。寒冷地仕様では、ラミネート封入後、断熱構造にすることがより好ましい。
電解液4を再注水すれば、発電機能を繰り返すことができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
脱塩水に消石灰(水酸化カルシウム)を、液のpHが13.5以上14.0以下になるように加え、空気を遮断した状態で12時間以上熟成した後に濾過して、ミネラルイオン水よりなる電解液を得た。
図2に示したような形態の電池を作製した。負極1としてアルミニウム板(20mm×20mm×厚さ0.3mm)を用い、正極2として銅板(25mm×20mm×厚さ0.3mm)を用い、電極間には、綿フェルト(厚さ0.3mm)を挟んだ。すなわち、電極間距離を0.3mmとした。なお、電極として、0.03mm程度のアルミ箔と銅箔の電池も作製した。
上記電解液を、上記綿フェルトに染みこませ、図2に示したような電池を作製した。
負極1のアルミニウム板と正極2の銅板の間の電圧を測定したところ、0.605V電流値が0.35mAとなった。すなわち、ミネラルイオン水のみでも発電することが確認された。
このときの電極サイズは、僅かに、アルミ電極15mm×20mm、銅電極15mm×17mmであり綿フェルトのサイズは12mm×15mmと極めて小さかった。
ラミネート処理をせずに放置しても98時間程度、そのままの状態の電圧・電流値で通電し続けたが、その後、解放状態のために電解水が気化すると徐々に電圧・電流値が低下してきた。
しかし、その間隙部位に電解液を僅かに滴下すると、直ぐにその電圧・電流値が元の状態に復帰した。
実施例2
実施例1において、消石灰(水酸化カルシウム)単独に代えて、消石灰(水酸化カルシウム)と酸化マグネシウムの混合物(Ca2+/Mg2+=20/0.3(モル比))に代えて、更にpHを14にした以外は、実施例1と同様にミネラルイオン水を調製し、同様に電池を作製した。
負極1のアルミニウム板と正極2の銅板の間の電圧を測定したところ、0.803Vであった。電流値が0.8mAと向上した。
その結果、前記同様な条件下で約108時間、そのままの状態で通電し続けた。
実施例3
実施例1において、消石灰(水酸化カルシウム)単独に代えて、消石灰(水酸化カルシウム)と生石灰(酸化カルシウム)の比を「10/1(カルシウムイオンのモル比)」とし、pHを14にした以外は、実施例1と同様に電池を作製した。
電極間の電圧を測定したところ、電圧0.85V、電流値0.89mAであった。
生石灰は不純物として鉄イオンも含むから、その分、電圧・電流値が向上したと考えられた。
その結果、前記同様な条件下において、約98時間、そのままの状態で通電し続けたが気温が高くその環境下において電解液が早めに気化した。完全な機密性の高い封入処理に変えたところ、上記電圧・電流で、実施例1と同じ時間、連続した電力が得られた。
実施例4
実施例1で調製した「ミネラルイオン水からなる電解液」に、更に「生物の灰化物」として、草木灰(茶殻の灰化物、又は、ホンダワラの灰化物)を加えて12時間熟成後、濾過して不溶物を濾別した。これによって、電解液に「生物の灰化物の水溶性のナトリウム、カリウム、カルシウム、リン、亜鉛、マンガン、セレン、鉄分等の複数のイオン成分」を溶解させ、pHを12.5に調整して電解液とした。すなわち、電解液に、「生物の灰化物よりなる灰化ミネラルイオン前駆体」を含有させた。
電極間の電圧を測定したところ、茶殻の灰化物もホンダワラの灰化物も何れも、電圧1.2V、電流値が0.92mAであった。
その結果、前記同様な条件下において、113時間そのままの状態で通電し続けた。
実施例5
実施例1で調製した「ミネラルイオン水からなる電解液」に、「生物の灰化物」として、草木灰(茶殻の灰化物)を加えて、pHは少量の消石灰(水酸化カルシウム)を用いて、PH12.0に調整し、電解液を調製した。すなわち、電解液に、「生物の灰化物よりなる灰化ミネラルイオン前駆体」を含有させた。該電解液には、主にカルシウムイオン(Ca2+)とマグネシウムイオン(Mg2+)、その他カリウムイオン(K)が含有されていた。
電極間の電圧を測定したところ、電圧0.56V、電流値が1.13mAであった。
その結果、前記同様な条件下において、122時間、そのままの状態で通電し続けた。
実施例6
実施例1で調製した電解液98質量部に、高温焼成炭素群を2質量部加えて電解液を調製した。pHは14であった。
上記高温焼成炭素群は、例えば、以下のようにして得たが、具体的にはこれには限定されない。
すなわち、煎茶出し殻(「生物由来の炭素前駆体」に該当)を乾燥状態とし、乾燥質量1kgを、実施例1ないし実施例5の各実施例で調製した電解液(ミネラルイオン水を含有する)で十分に湿らせ、2時間放置後に再び乾燥させて耐熱容器に入れた。
一方、「紙素材に電解液を浸み込ませ乾燥させた乾燥物」10gをガス火で一部炭化させた。
その後、その「一部炭化させた紙」と「前記炭素前駆体である茶殻」を共に軽く混合し、マイクロ波を照射した。まず、炭化した部位から高温熱プラズマが発生すると共に、その約1000℃の熱伝導で、茶殻も炭化しながら徐々に煙を出して燃えた。煙が収まると共に茶殻自体も高温赤熱した。その赤熱状態が約2分間経過した時点で、不定形炭素である高温焼成炭素群が得られた。熱が冷めた時点で、乳鉢にて微細化して、高温焼成炭素群よりなる電解質活物質を得た。実施例1ないし実施例5の各実施例で調製した電解液で十分に湿らせたことに対応して、5種類の電解質活物質を得た。
電極間の電圧を測定したところ、何れも1.29Vであった。電流値は何れも3.1mAであった。
その結果、前記同様な条件下において約115時間、そのままの状態で通電し続けた。
実施例7
実施例1で調製した電解液97質量部に、「実施例6で用いた高温焼成炭素群」3質量部を加えて電解液を調製した。pHは14であった。
電極間の電圧を測定したところ、1.83Vであった。電流値は5.1mAであった。
その結果、前記同様な条件下において約108時間、そのままの状態で通電し続けた。
実施例8
実施例1で調製した電解液95質量部に、実施例6で用いた「実施例4で調製した電解液(ミネラルイオン水を含有する)で十分に湿らせて乾燥後炭化させて得た高温焼成炭素よりなる電解質活物質」5質量部を加えて電解液を調製した。
電極間の電圧を測定したところ、初期電圧は何れも3.6V、安定電圧は何れも1.287V、電流値は何れも8.05mAであった。
その結果、実施例1と同様の条件下において、111時間、そのままの状態で通電し続けた。
実施例9
実施例8において、「実施例6で用いた実施例4の電解液に代えて、実施例6で用いた実施例5の電解液を用いて得た電解質活物質」を用いた以外は、実施例8と同様に電池を作製し、同様に評価した。pHは14であった。
電極間の電圧、電流値を測定したところ、1.13V、11.07mAであった。
その結果、実施例1と同様の条件下において、118時間、そのままの状態で通電し続けた。
実施例10
茶殻の草木灰53.3質量部、消石灰24.4質量部、及び、実施例6と同じ「高温焼成炭素群」22.3質量部、実施例1のミネラルイオン水を適量添加し、撹拌混合して練り込み電解液を調製した。
一方、縦30mm×横35mm×厚さ0.3mmの銅板とアルミニウム板をそれぞれ1枚ずつ用意した。
該銅板の上に、上記電解液4を平均的に直径18mm、塗布厚さ1.2mmとなるよう(電極間距離1.2mm)、塗布し更に薄い綿フェルトをのせて、その中央部に電解液を滴下しその上にアルミニウム板をのせて、電解液と綿フェルトを挟み込みした状態で、両電極間をマスキングテープで止めた。
電極間の電圧を測定したところ、電圧3.58V、電流値24.74mAであった。
その結果、前記同様な条件下において約88時間、そのままの状態で通電し続けた。
<結果>
実施例の全ての電池が安定的に電力を供給できた。なお、実施例1〜8の電解液はペースト状ではなく低粘度液体であったが、実施例9、10の電解液はペースト状であった。
草木灰(生物の灰化物)の含有されていないミネラルイオン水のみからなる電解液は、pHが高いために、高電圧と高電流が得られるが、電極を侵さなかった。
草木灰(生物の灰化物)の含有されている電解液も、「ミネラルイオン水と草木灰(生物の灰化物)(灰化ミネラルイオン前駆体)とが複合された電解質活物質」を含有する電解液も、「それら電解液と高温焼成炭素群とが複合された電解液」も、pHが12以上14以下であれば(pHが14近傍でも)、高電圧と高い電流値が得られた上に電極を侵さなかった。
草木灰(生物の灰化物)の含有されている電解液は、pH12近傍でも、極めて穏やかであり、草木灰(生物の灰化物)は、過度に電極を酸化溶解させない抑制材としても機能した。
これらの基本的な機能を効果的に可変することで、要望される電池性能が確保可能である。
更に、電解液の水分が気化しない封入ラミネート処理によって、更に長寿命化が可能となった。また、電解液が経時で乾燥しても、ミネラルイオン水を再注水すれば、直ぐに発電機能を繰り返すことができた。
本発明の特定の電解液4を用いた電池は、簡便で長寿命であり、コストもかからないため、電池を製造又は使用する分野に広く利用されるものである。
1 負極
2 正極
3 吸水性基材
4 電解液
5 導線

Claims (12)

  1. 負極として水素よりイオン化傾向の大きい金属体を用い、正極として導電体を用い、該負極と該正極の間に存在する電解液として、アルカリ土類金属イオンを含有するpHが12以上14以下のミネラルイオン水を含有することを特徴とする電池。
  2. 上記電解液が含有するアルカリ土類金属イオンが、マグネシウムイオン又はカルシウムイオンである請求項1に記載の電池。
  3. 上記電解液が、更に、生物の灰化物よりなる灰化ミネラルイオン前駆体を含有する請求項1又は請求項2に記載の電池。
  4. 上記生物が、草木又は海藻である請求項3に記載の電池。
  5. 上記電解液が、上記ミネラルイオン水を含有すると共に、更に電解質活物質を含有し、該電解質活物質が、上記電解液を担持した「生物由来の炭素前駆体」を焼成してなるものである請求項1ないし請求項4の何れかの請求項に記載の電池。
  6. 上記電解液が、更に、電解質活物質として、「生物由来の炭素前駆体に、上記ミネラルイオン水及び上記灰化ミネラルイオン前駆体を担持して焼成してなる高温焼成炭素群」を含有する請求項3又は請求項4に記載の電池。
  7. 上記高温焼成炭素群が、上記「生物由来の炭素前駆体」をマイクロ波励起で高温プラズマ焼成したものである請求項6に記載の電池。
  8. 上記電解液が、更に、上記ミネラルイオン水によってグラファイトを層間剥離したグラフェンを含有する請求項1ないし請求項7の何れかの請求項に記載の電池。
  9. 請求項3ないし請求項8の何れかの請求項に記載の電池用の電解質活物質であって、上記アルカリ土類金属イオン、及び、上記灰化ミネラルイオン前駆体を含有するペースト状のものであることを特徴とする電解質活物質。
  10. 負極として水素よりイオン化傾向の大きい金属体を用い、正極として導電体を用い、該負極と該正極の間に存在する電解液としてpHが12以上14以下のミネラルイオン水を用いた電池用電解液の製造方法であって、
    少なくとも、マグネシウム若しくはカルシウムの、酸化物、水酸化物、炭酸塩又は炭酸水素塩を水に溶解させてアルカリ土類金属イオンを含有させ、pHを調整し、生物の灰化物の水溶性成分を溶解させることを特徴とする電池用電解液の製造方法。
  11. 上記「マグネシウム若しくはカルシウムの、酸化物、水酸化物、炭酸塩又は炭酸水素塩」として、生物由来品を用いる請求項10に記載の電池用電解液の製造方法。
  12. 上記生物由来品が、サンゴ石、卵の殻、又は、貝殻である請求項11に記載の電池用電解液の製造方法。
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