JPWO2018179344A1 - プラズマ表面処理方法およびプラズマ表面処理装置 - Google Patents

プラズマ表面処理方法およびプラズマ表面処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】小さな個体の集合体からなる被処理体に対して、漏れなく確実に、しかも低コストで表面処理を行うことができる表面処理技術を提供する。【解決手段】被処理体Wを落下させる管状通路21にプラズマ化された処理ガスの噴出口33を配置する。そして、噴出口33からプラズマ化された処理ガスを管状通路21内に噴射することにより、管状通路21内に管状通路の配設方向と交差する向きの処理ガスの流れを形成させる。そして、この状態で管状通路21の上端開口部から被処理体Wを導入し、被処理体Wが管状通路21内を落下する過程で被処理体Wと処理ガスとを接触させて被処理体Wへの表面処理を行う。

Description

この発明はプラズマ表面処理方法およびプラズマ表面処理装置に関し、より詳細には、小さな個体の集合体からなる被処理体の表面処理技術に関する。
被処理体の親水性、分散性、付着性などの各種性能の向上を図る場合、被処理体に対して表面処理が行われる。
表面処理の方法としては、被処理体を電解酸化水やオゾン水などの薬液に浸漬することによって被処理体の表面を改質する方法(たとえば、特許文献1参照)、被処理体に紫外線を照射することによって被処理体の表面を改質する方法(たとえば、特許文献2参照)、被処理体にプラズマ化した処理ガスを噴き付けることによって被処理体の表面を改質する方法(たとえば、特許文献3参照)が知られている。
ところで、近年、炭素繊維のリサイクルが注目されている。炭素繊維のリサイクルでは、使用済みの炭素繊維を細かく切断又は破砕することによってチョップドファイバやミルドファイバが生成される。これらチョップドファイバやミルドファイバは、主に、合成樹脂(母材)の強化材料や導電性付与材料として用いられる。すなわち、合成樹脂の成型品を製作する際に、チョップドファイバやミルドファイバを合成樹脂に混合することにより、合成樹脂の成型品に所望の性能(たとえば、所望の強度や導電性など)が付与される。チョップドファイバやミルドファイバを母材に混合する際には、母材との親和性や分散性などの向上を図る必要があるため、事前にチョップドファイバやミルドファイバの表面処理が行われる。
また、炭素繊維のリサイクル以外の分野においても、たとえば、粉粒体やカーボンナノチューブのような微小サイズの材料を液体や合成樹脂などの他の材料と混合させる場合には、混合前にこれらの材料に対して表面処理が行われる。
特開2016−141913号公報 特開平8−188961号公報 特開2014−220056号公報
しかしながら、チョップドファイバ、粉粒体、カーボンナノチューブなどのように、個々の個体が小さい集合体を被処理体とする表面処理には以下の問題があり、その改善が望まれていた。
(1)被処理体を薬液に浸漬する方法は、被処理体を乾燥させる工程が必要になり、表面処理にかかる工程数が増える一方で、使用後の薬液を廃棄するコストがかかるなど、全体として、表面処理にかかる手間やコストが高くなるという問題がある。
(2)被処理体に紫外線を照射する方法は、たとえば、被処理体が折り重なっている場合や被処理体に複雑な凹凸がある場合などに、紫外線の照射漏れが生ずるおそれがある。すなわち、紫外線が当たらず、表面処理が行われない箇所や表面処理が不十分な箇所が発生するおそれがある。
(3)プラズマ化した処理ガスを噴きつける方法は、処理ガスの噴き付けによって被処理体が飛散・散逸するおそれがある。つまり、被処理体の飛散により、被処理体と処理ガスとの接触が不十分となり、表面処理が十分になされないおそれがある。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、小さな個体の集合体からなる被処理体に対して、漏れなく確実に、しかも低コストで表面処理を行うことができるプラズマ表面処理方法およびプラズマ表面処理装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係るプラズマ表面処理方法は、被処理体を落下させる管状通路に面して、該管状通路の配設方向に沿って処理ガスの噴出口を配置し、上記処理ガスの噴出口からプラズマ化された処理ガスを上記管状通路内に噴射することによって、上記管状通路内に管状通路の配設方向と交差する向きの処理ガスの流れを形成させつつ、上記管状通路の上端開口から管状通路内に上記被処理体を導入し、上記被処理体が管状通路内を通過する過程で上記被処理体に上記処理ガスを接触させて被処理体への表面処理を行うことを特徴とする。
そして、その好適な実施態様として、上記被処理体は、チョップドファイバであることを特徴とする。
また、他の好適な実施態様として、上記被処理体は、粉粒体であることを特徴とする。
一方、本発明に係るプラズマ表面処理装置は、被処理体を落下させる管状通路を有する管状体と、上記管状通路に面し、かつ、上記管状通路の配設方向に沿って処理ガスの噴出口が配置されたプラズマ発生装置とを備えてなり、上記噴出口から噴射されるプラズマ化された処理ガスによって、上記管状通路内に管状通路の配設方向と交差する向きの処理ガスの流れを形成させる構造を備えたことを特徴とする。
そして、その好適な実施態様として、上記プラズマ発生装置は、上記管状体を挟んで対向配置される2基のプラズマ発生装置で構成され、各プラズマ発生装置の噴出口が、正対する位置から相互に位置をずらして配置されていることを特徴とする。
また、他の好適な実施態様として、上記管状体の下端開口側に、上記管状通路内に滞留する被処理体を上記管状通路外に吸い出す吸引装置が備えられていることを特徴とする。
さらに、他の好適な実施態様として、上記管状体の下端開口側に、上記管状通路を通過した被処理体を回収する回収装置が備えられていることを特徴とする。
本発明によれば、被処理体は、プラズマ化された処理ガスと管状通路内で接触して表面処理されるので、表面処理に際して被処理体が飛散・散逸するおそれがない。しかも、管状通路内で表面処理が完結するので、少ない工程で表面処理を行うことができ、低コストでの表面処理を実現できる。
また、管状通路内に導入された被処理体は、管状通路の配設方向と交差する向きの処理ガスの流れに乗って管状通路内を旋回しながら落下するので、管状通路内での滞空時間を長くとることができる。そのため、処理ガスとの接触を十分に図ることができ、被処理体への表面処理を確実に行うことができる。また、複雑な凹凸がある被処理体に対しても漏れのない表面処理を行うことができる。
本発明に係るプラズマ表面処理装置の構造を模式的に示した正面断面図である。 同プラズマ表面処理装置の構造を模式的に示した平面断面図である。 同プラズマ表面処理装置における管状体とプラズマ発生装置の分解斜視図である。 同プラズマ表面処理装置におけるプラズマ発生装置の概略構成の一例を模式的に示した断面図である。 同プラズマ表面処理装置におけるプラズマ発生装置の電極構造の他の実施例を模式的に示した断面図であり、図5(a)は、電圧印加電極を断面半円形に構成した場合を示し、図5(b)は平行平板方式で構成した場合を示している。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1および図2は、本発明に係るプラズマ表面処理装置1の一例を示している。これらの図に示すプラズマ表面処理装置1は、小さな個体の集合体を被処理体Wとする表面処理装置である。
ここで、被処理体Wとなる小さな個体の集合体としては、個体の大きさが数mm以下の集合体、数μm以下の集合体、数nm以下の集合体、または、これら数mm乃至数nmの個体が混ざった集合体などが例示される。具体的には、たとえば、粉粒体、チョップドファイバ、ミルドファイバ、カーボンナノチューブ、顔料などが例示される。
また、プラズマ表面処理装置1で実行する表面処理の種類としては、たとえば、親水性向上、分散性向上、付着性向上、撥水化、表面還元、有機物除去、コーティングなどが例示される。
プラズマ表面処理装置1は、被処理体Wを落下させる管状通路21を有する管状体2と、管状通路21にプラズマ化した処理ガスを供給するプラズマ発生装置3とを主要部として備えるとともに、管状通路21に導入する被処理体Wを収容する被処理体収容部4と、管状通路21内に滞留する被処理体Wを管状通路21外に吸い出す吸引装置5と、管状通路21を通過した被処理体Wを回収する回収装置6とを備えている。
管状体2は、断面が略円環状の細長い中空管状の部材で構成されている。この管状体2は、図1に示すように、その内部の細長い空洞が上下方向に配設されることにより管状通路21を形成している。つまり、管状体2は、一方端の開口部が上、他方端の開口部が下になるように縦に配置される。
管状体2の側面には、プラズマ発生装置3から噴き出される処理ガスを管状通路21内に導入するためのガス導入孔22が設けられている(図3参照)。本実施形態では、このガス導入孔22は、管状通路21の配設方向(上下方向)に沿ったスリット状の長孔で構成されており、管状体2の側面を貫通して形成されている。
ここで、このガス導入孔22は、プラズマ発生装置3における処理ガスの噴出口33から噴射される処理ガスを漏れなく管状通路21内に導入できるように、プラズマ発生装置3の噴出口33の形状に合わせて形成されている。すなわち、本実施形態では、プラズマ発生装置3の噴出口33がスリット状の長孔で構成されるので、この形状に合わせて、ガス導入孔22もスリット状の長孔で構成されている。なお、本実施形態では、ガス導入孔22を1本のスリット状の長孔で構成した場合を示したが、ガス導入孔22は、たとえば、管状通路21の配設方向に沿って複数のスリット状の細孔を一列に配置することによって構成することも可能である。
また、このガス導入孔22は、管状通路21内に導入された処理ガスが、該管状通路21内で管状通路21の配設方向と交差する向きの流れ(具体的には、図2の矢符Aに示すように、管状通路21内に導入された処理ガスが渦状の流れ)を形成するように配設されている。すなわち、ガス導入孔22は、プラズマ発生装置3から導入される処理ガスの噴出方向(図2の矢符B参照)が管状通路21の中心を通らないようにその位置が決定されており(図2参照)、これによって、管状通路21内に導入された処理ガスが管状通路21内で渦状の流れを形成するようになっている。
なお、本実施形態では、プラズマ発生装置3として2基のプラズマ発生装置3,3が管状体2を挟んで対向配置される構成を採用しているので、これに伴って、管状体2におけるガス導入孔22は、各プラズマ発生装置3の噴出口33ごとにそれぞれ1本づつ設けられている。
また、管状通路21内にはプラズマ化された処理ガスが導入されることから、管状体2はガラスやセラミックスなどの絶縁性の材料で構成しておくのが好ましいが、金属など導電性を有する材料で管状体2を構成することも可能である。
プラズマ発生装置3は、図3および図4に示すように、箱型の筐体31内に、誘電体バリア放電によって処理ガスをプラズマ化させるプラズマ発生手段を収容してなるもので、筐体31の底板32にプラズマ化された処理ガスを噴き出す噴出口33が備えられている。
プラズマ発生手段は、電圧印加電極と接地電極とが一定の間隔を空けて対向配置され、これら電極の一方または双方の電極対向面がセラミックスなどの誘電体で覆われた構造とされている。そのため、電圧印加電極に高周波電圧を印加すると、両電極間に誘電体バリア放電が発生する。プラズマ発生装置3は、この放電中の電極間に処理ガスを供給することによって処理ガスをプラズマ化(プラズマ活性化)させ、プラズマ化した処理ガスを噴出口33から外部に噴射するようになっている。
ここで、プラズマ発生装置3の電極構造の一例について図4および図5に基づいて簡単に説明する。
本実施形態に示すプラズマ発生装置3では、図4に示すように、電圧印加電極34は、円筒状の外周面34aを備えた構造とされる。そして、このような構造の電圧印加電極34が、筐体31の長手方向(図3の上下方向)のほぼ全長にわたって配設されている。なお、この電圧印加電極34の外周面34aはセラミックスなどの固体誘電体で覆われている。
一方、接地電極は、筐体31の底板32が電極を兼ねる構造とされている。具体的には、底板32の電圧印加電極側の面には、電圧印加電極34の外周面34aと対応する断面円弧状の凹状溝32aが形成されており、この凹状溝32aが電圧印加電極34との電極対向面を構成するようになっている。そして、この凹状溝32aの最深部に、処理ガスの噴出口33となるスリット状の長孔が、電圧印加電極34の全長に対応して設けられている。
このように構成されたプラズマ発生装置3は、処理ガスの噴出口33が、管状体2の管状通路21に面するように、かつ、管状通路21の配設方向に沿うように配置される。すなわち、プラズマ発生装置3の噴出口33と管状体2のガス導入孔22は、両者の位置を合わせて配置される。
図5は、プラズマ発生装置3の電極構造の他の一例を示している。
図5(a)に示すプラズマ発生装置3は、図4に示すプラズマ発生装置の電極構造を改変したものである。この5(a)に示すプラズマ発生装置3では、中空円筒状の固体誘電体35内に、半円形の断面を有する電圧印加電極34を収容することにより構成されてしている。そして、接地電極を兼ねる底板32の凹状溝32aの内周面にも固体誘電体35を配置している。
図5(b)に示すプラズマ発生装置3は、電極構造としていわゆる平行平板式の電極構造を採用した場合を示している。この図5(b)に示すプラズマ発生装置3では、電圧印加電極34と接地電極36の電極対向面がともに平面で構成され、これら両電極34,36間で誘電体バリア放電が発生するように構成している。そして、この図5(b)に示す電極構造では、各電極34,36は、いずれも底板32側を薄板状に構成することで、底板32との容量結合の防止が図られている。
ところで、図4および図5に示すプラズマ発生装置3では、いずれも筐体31の底板32が電気的に接地された電磁シールド構造とされている。これは、電圧印加電極34に印加される高周波電力によって、被処理体Wが破損するのを防止するためである。特に、被処理体Wが金属や金属酸化物、炭素繊維(チョップドファイバ)のように電気的な抵抗値が大きい材質である場合、電磁シールド構造を採用しなければ、被処理体Wが発熱・破損するからである。
そして、本実施形態では、プラズマ表面処理装置1を構成するプラズマ発生装置3として、2基のプラズマ発生装置3,3が用いられており、各プラズマ発生装置3,3が管状体2を挟んで対向配置されている。具体的には、図2に示すように、各プラズマ発生装置3,3の噴出口33,33が、正対する位置から相互に位置をずらして配置されており、これによって管状通路21内に処理ガスの渦が形成されるようになっている。すなわち、各プラズマ発生装置3,3の各噴出口33,33が正対する位置から相互に位置をずらして配置されることにより、各噴出口33,33から噴射される処理ガスは、管状通路21内に渦状の流れを形成させるように作用することになる。
被処理体収容部4は、管状通路21に導入する被処理体Wを収容する箱状の容器であって、この被処理体収容部4内に収容された被処理体Wが管状通路21の上端開口部から管状通路21内に導入されるようになっている。具体的には、被処理体収容部4の底部と管状通路21の上端開口部とが管状の連通路41を介して接続されており、この連通路41を介して被処理体収容部4から管状通路21内に被処理体Wが導入される。
なお、管状通路21内への被処理体Wの導入にあたっては、被処理体Wが塊の状態で管状通路21内に導入されるのを防止するため、本実施形態では、被処理体Wを分散させる機構、たとえば、金網などの網状のふるい42が連通路41内に配設されており、被処理体Wはこのふるい42によって分散された状態で管状通路21内に導入される。
吸引装置5は、管状通路21内に滞留する被処理体Wを管状通路21外に吸い出すための装置であり、管状通路21の下端開口部側に備えられている。具体的には、吸引装置5は、装置本体51と、管状通路21の下端開口部を囲繞する回収カバー52と、該回収カバー52と装置本体51とを連通させる吸引路53とで構成されており、装置本体51による吸引によって回収カバー52内の空気を吸い出すことで、回収装置6による被処理体Wの回収を補助するようになっている。なお、この吸引装置5による吸引により、被処理体収容部4側への被処理体Wの逆流も防止される。
回収装置6は、管状通路21を通過した被処理体Wを回収するための装置であって、管状通路21の下端開口部に備えられている。本実施形態では、この回収装置6は、管状通路21の下端開口部を囲繞する袋状のフィルタ61で構成され、管状通路21から吸い出される被処理物Wがこのフィルタ61によって回収されるようになっている。
図1に示すプラズマ表面処理装置1では、このフィルタ61として3枚のフィルタを用いた場合を示している。この図示例では、3枚のフィルタ61を用いて大きさの異なる被処理体Wを選別・濾過するように構成している。すなわち、内側のフィルタ61で大きな被処理体Wを回収し、外側のフィルタ61で小さな被処理体Wを回収するようにしている。
なお、本実施形態では、フィルタ61を3枚で構成した場合を示したが、フィルタの枚数は適宜変更可能である。また、各フィルタ61で濾過する被処理体Wの大きさはすべて同じとすることも可能である。
次に、このように構成されたプラズマ表面処理装置1を用いた被処理体Wの表面処理手順について説明する。
(1)被処理体Wの表面処理にあたっては、まず、プラズマ発生装置3,3および吸引装置5を作動させる。
プラズマ発生装置3の作動により、プラズマ発生装置3の噴出口33からプラズマ化された処理ガスが噴射され、管状通路21内に導入される。これにより、管状通路21内には、上述したように、処理ガスによる管状通路21の配設方向と交差する向きの渦状の流れが形成される。なお、このときに使用する処理ガスは、被処理体Wの材質や実施する表面処理の内容などに応じて適宜選択される。たとえば、処理ガスとして、窒素(N2)ガスと空気(CDA:Clean Dry Air)の混合ガスなどが用いられる。
また、吸引装置5の作動により、管状通路21内の処理ガス等が管状通路21の下端側に吸引される。これにより、管状通路21内の処理ガスの流れは、図1の矢符Aに示すように、下向きの渦状の流れとなって管状通路21外に吸い出されるようになる。なお、この吸引装置5による吸引は、管状通路21内の処理ガスが緩やかに管状通路21外に吸い出されるようにする。つまり、プラズマ発生装置3,3から管状通路21内に導入される処理ガスの流量よりも吸引装置5によって吸引される流量がわずかに多くなるようにする。
(2)次に、被処理体収容部4から管状通路21内に被処理体Wを導入する。
被処理体収容部4から管状通路21内に導入される被処理体Wは、ふるい42によって分散されながら、管状通路21内に導入される。管状通路21内に導入された被処理体Wは、重力によって管状通路21内を落下するが、その際、管状通路21内の処理ガスの流れによって、自由落下する時よりも管状通路21内での滞空時間が延長される。
すなわち、本発明に係るプラズマ表面処理装置1の被処理体Wは、上述したように、小さな個体の集合体であることから、管状通路21内を落下する際に、処理ガスの流れに乗って管状通路21内を旋回しながら落下することになり、管状通路21内での滞空時間が自由落下時よりも長くなる。
そして、この長い滞空時間中、被処理体Wは、管状通路21内においてプラズマ化された処理ガスとの接触が図られ、これによって被処理体Wへの表面処理が施される。
しかして、管状通路21内で表面処理が施された被処理体Wは、管状通路21の下端開口部まで落下し、その後、フィルタ61によって回収される。なお、回収した被処理体Wをフィルタ61から取り出すことで、表面処理工程が完了する。
このように、本発明に係るプラズマ表面処理装置によれば、被処理体Wは、管状通路21内でプラズマ化された処理ガスと接触することによって表面処理されるので、表面処理に際して被処理体Wが飛散・散逸することがなく、無駄なく被処理体Wの表面処理を行うことができる。しかも、管状通路21内で表面処理が完結するので、少ない工程で表面処理を行うことができ、低コストでの表面処理を実現できる。
また、管状通路21内に導入された被処理体Wは、管状通路21内を旋回しながら落下するので、管状通路21内での滞空時間を長くとることができる。その結果、被処理体Wと処理ガスとの接触を十分に図ることができ、被処理体Wへの表面処理を確実に行うことができる。さらに、複雑な凹凸がある被処理体Wに対しても漏れのない表面処理を行うことができる。
また、本発明に係るプラズマ表面処理装置1では、たとえば、管状体2の長さ寸法を変更することによって、管状通路21内での被処理体Wの滞空時間(換言すれば、被処理体Wに対する表面処理の実施時間)を任意に変更することができるので、材質や形状の異なる被処理体Wに対して、適切な表面処理を行うことができる。
なお、上述した実施形態はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれらに限定されることなくその範囲内で種々の設計変更が可能である。
たとえば、上述した実施形態では、プラズマ表面処理装置1の構成として、2基のプラズマ発生装置3,3を対向配置した場合を示したが、1基のプラズマ発生装置3のみでプラズマ表面処理装置1を構成することも可能である。また、反対に、3基または4基のプラズマ発生装置3を用いてプラズマ表面処理装置を構成することも可能である。
また、上述した実施形態では、管状体2を上下方向(垂直)に配置した場合を示したが、処理ガスの流れに乗って被処理体Wが管状通路21内を落下可能であれば、管状体2を傾けて配置することも可能である。
1 プラズマ表面処理装置
2 管状体
3 プラズマ発生装置
4 被処理体収容部
5 吸引装置
6 回収装置
21 管状通路
22 ガス導入孔
31 プラズマ発生装置の筐体
32 筐体の底板
33 処理ガスの噴出口
61 フィルタ
W 被処理体

Claims (7)

  1. 被処理体を落下させる管状通路に面して、該管状通路の配設方向に沿って処理ガスの噴出口を配置し、
    前記処理ガスの噴出口からプラズマ化された処理ガスを前記管状通路内に噴射することによって、前記管状通路内に管状通路の配設方向と交差する向きの処理ガスの流れを形成させつつ、前記管状通路の上端開口から管状通路内に前記被処理体を導入し、前記被処理体が管状通路内を通過する過程で前記被処理体に前記処理ガスを接触させて被処理体への表面処理を行う
    ことを特徴とするプラズマ表面処理方法。
  2. 前記被処理体は、チョップドファイバであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ表面処理方法。
  3. 前記被処理体は、粉粒体であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ表面処理方法。
  4. 被処理体を落下させる管状通路を有する管状体と、
    前記管状通路に面し、かつ、前記管状通路の配設方向に沿って処理ガスの噴出口が配置されたプラズマ発生装置とを備えてなり、
    前記噴出口から噴射されるプラズマ化された処理ガスによって、前記管状通路内に管状通路の配設方向と交差する向きの処理ガスの流れを形成させる構造を備えた
    ことを特徴とするプラズマ表面処理装置。
  5. 前記プラズマ発生装置は、前記管状体を挟んで対向配置される2基のプラズマ発生装置で構成され、
    各プラズマ発生装置の噴出口が、正対する位置から相互に位置をずらして配置されていることを特徴とする請求項4に記載のプラズマ表面処理装置。
  6. 前記管状体の下端開口側に、前記管状通路内に滞留する被処理体を前記管状通路外に吸い出す吸引装置が備えられていることを特徴とする請求項4または5に記載のプラズマ表面処理装置。
  7. 前記管状体の下端開口側に、前記管状通路を通過した被処理体を回収する回収装置が備えられていることを特徴とする請求項4または5に記載のプラズマ表面処理装置。
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