JPWO2018163802A1 - 液晶配向剤、液晶配向膜、液晶素子及びポリオルガノシロキサン - Google Patents

液晶配向剤、液晶配向膜、液晶素子及びポリオルガノシロキサン Download PDF

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Abstract

環状エーテル基と、環状エーテル基と反応する官能基Bとを有するケイ素含有化合物を液晶配向剤に含有させる。ケイ素含有化合物が有する官能基Bの一例は、熱により環状エーテル基と反応する官能基である。ケイ素含有化合物の一例は、シロキサン骨格を有する重合体[P]である。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2017年3月7日に出願された日本出願番号2017−43288号に基づくもので、ここにその記載内容を援用する。
本開示は、液晶配向剤、液晶配向膜、液晶素子及びポリオルガノシロキサンに関する。
液晶素子としては、TN(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型などに代表される、正の誘電異方性を有するネマチック液晶を用いる液晶素子や、負の誘電異方性を有するネマチック液晶を用いる垂直(ホメオトロピック)配向モードのVA(Vertical Alignment)型の液晶素子、IPS(In−Plane Switching)型、FFS型(Fringe Field Switching)などに代表される、ホモジニアス配向させた液晶を基板に対して平行な電界でスイッチングする横電界型の液晶素子など、各種液晶素子が知られている。
これら液晶素子は、液晶分子を一定の方向に配向させる機能を有する液晶配向膜を具備している。この液晶配向膜の作製に用いる材料としては、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリオルガノシロキサンなどが知られており、特にポリアミック酸及びポリイミドは、耐熱性、機械的強度、液晶分子との親和性に優れることなどから古くから好ましく使用されている(例えば、特許文献1〜3参照)。液晶素子の製造に際し、液晶配向膜は、これら重合体成分が有機溶媒に溶解されてなる液晶配向剤を用いて形成される。
また、特許文献4には、3官能及び4官能の加水分解性シラン化合物の混合物をシュウ酸及びアルコールの存在下に反応させて得られたポリオルガノシロキサンを含有する液晶配向剤が開示されている。同特許文献4では、かかる液晶配向剤から形成された液晶配向膜が垂直配向性及び耐熱性に優れると説明されている。
液晶素子は、従来はテレビやモバイル・タブレット等が主な市場であったが、近年、表示デバイスとしての活躍の場を広げている。液晶素子は、例えば車載装置、デジタルサイネージ、産業用など幅広い新たな用途が見出され、多種多様な場面で使用されている。
特開平4−153622号公報 特開昭56−91277号公報 特開平11−258605号公報 特開平9−281502号公報
液晶素子の新規市場は、過酷な使用環境下での耐久性が要求されることがあり、従来技術以上の高い信頼性が求められている。例えば、夏の高温下や、熱帯地域での使用を想定した場合、長時間の耐熱性(熱信頼性)が必要とされる。一方で、液晶表示パネルの表示品質は、液晶層に直接接触している液晶配向膜の寄与率が大きい。そのため、液晶配向膜としては、液晶表示パネルを高温条件に曝した場合にも、電圧保持率や駆動特性が変化しにくく、表示品質の低下が生じにくいことが必要である。
本開示は上記事情に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、熱に対する信頼性に優れた液晶素子を提供することにある。
本開示によれば、以下の手段が提供される。
<1> 環状エーテル基と、環状エーテル基と反応する官能基Bとを有するケイ素含有化合物を含有する液晶配向剤。
<2> 上記<1>の液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜。
<3> 上記<2>の液晶配向膜を具備する液晶素子。
<4> 環状エーテル基と、環状エーテル基と反応する官能基Bとを有するポリオルガノシロキサン。
本開示の液晶配向剤によれば、熱に対する信頼性に優れた液晶素子を得ることができる。
≪液晶配向剤≫
本開示の液晶配向剤は、環状エーテル基と、環状エーテル基と反応する官能基とを有するケイ素含有化合物(以下、「ケイ素含有化合物[A]」ともいう。)を含有する。ケイ素含有化合物[A]は、熱安定性の高いケイ素含有構造と自己架橋性基とを有する。以下に、本開示の液晶配向剤に含まれる各成分、及び必要に応じて任意に配合されるその他の成分について説明する。
<ケイ素含有化合物[A]>
ケイ素含有化合物[A]が有する環状エーテル基は、熱による反応性が高い点で、オキセタニル基又はオキシラニル基であることが好ましく、オキシラニル基であることがより好ましい。環状エーテル基と反応する官能基(以下、「官能基B」ともいう。)は、ポストベーク時の加熱を利用して自己架橋させるとともに、液晶配向剤の保存安定性をより良好にすることができる点で、熱により環状エーテル基と反応する官能基であることが好ましい。官能基Bは、具体的には、例えばカルボキシル基、イソシアネート基、水酸基、アミノ基、アルコキシメチル基のほか、カルボキシル基、イソシアネート基、水酸基又はアミノ基が保護基で保護された基等が挙げられる。官能基Bは、保存安定性がより良好であり、かつ加熱により環状エーテル基との反応性がより高い点で、中でも、カルボキシル基又は保護されたカルボキシル基(以下、「保護カルボキシル基」ともいう。)であることが好ましい。
保護カルボキシル基は、熱によって脱離してカルボキシル基を生成するものであることが好ましい。保護カルボキシル基の具体例としては、下記式(1)で表される構造、カルボン酸のアセタールエステル構造、カルボン酸のケタールエステル構造等が挙げられる。
Figure 2018163802
(式(1)中、R11,R12及びR13は、それぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基若しくは炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基であるか、又は、R11とR12とが相互に結合してR11及びR12が結合している炭素原子とともに炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基又は環状エーテル基を形成し、かつR13が炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基又は炭素数6〜20のアリール基である。「*」は結合手であることを示す。)
ケイ素含有化合物[A]としては、低分子シラン化合物、ポリオルガノシロキサン等が挙げられる。ケイ素含有化合物[A]が低分子シラン化合物である場合、例えば、環状エーテル基と官能基Bとを有するアルコキシシラン化合物等が挙げられる。ケイ素含有化合物[A]は、熱に対する信頼性の改善効果がより高く、また、得られる液晶配向膜の耐溶剤性が高く、液晶配向性及び電圧保持率がより良好な液晶素子が得られる点で、中でもシロキサン骨格を有する重合体、つまり、環状エーテル基と官能基Bとを有するポリオルガノシロキサン(以下、「重合体[P]」ともいう。)であることが好ましい。
<重合体[P]>
重合体[P]の合成方法は特に限定されないが、好ましい合成方法として以下の方法1〜方法3が挙げられる。
・方法1;環状エーテル基を有する加水分解性のシラン化合物(S1)を単独で、又はシラン化合物(S1)とその他の加水分解性のシラン化合物との混合物を加水分解縮合することにより、環状エーテル基を側鎖に有するポリオルガノシロキサン(以下、「ポリオルガノシロキサンE」ともいう。)を合成し、次いで、ポリオルガノシロキサンEと、アミノ基を有するカルボン酸(以下、「アミノ基含有カルボン酸」ともいう。)とを反応させて、アミノ基を側鎖に有するポリオルガノシロキサンを得て、さらに、得られたアミノ基含有ポリオルガノシロキサンとカルボン酸無水物とを反応させる方法。
・方法2;アミノ基を有する加水分解性のシラン化合物(S2)とシラン化合物(S1)との混合物、又はシラン化合物(S1)とシラン化合物(S2)とその他の加水分解性のシラン化合物との混合物を加水分解縮合することにより、アミノ基及び環状エーテル基を側鎖に有するポリオルガノシロキサン(以下、「ポリオルガノシロキサンM」ともいう。)を合成し、次いで、得られたポリオルガノシロキサンMとカルボン酸無水物とを反応させる方法。
・方法3;シラン化合物(S1)を単独で、又はシラン化合物(S1)とその他の加水分解性のシラン化合物との混合物を加水分解縮合することによりポリオルガノシロキサンEを合成し、次いで、ポリオルガノシロキサンEと、アミノ基含有カルボン酸とを反応させる方法。
これらのうち、簡便であって、しかも溶剤に対する溶解性及び耐熱性が高い重合体が得られる点で、方法1を用いることが好ましい。
シラン化合物(S1)としては、オキセタニル基又はオキシラニル基を有する加水分解性のシラン化合物を好ましく用いることができる。その具体例としては、例えば、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、(メタ)アクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル、(メタ)アクリル酸(3−メチルオキセタン−3−イル)メチル等が挙げられる。なお、シラン化合物(S1)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
シラン化合物(S2)としては、1級アミノ基又は2級アミノ基を有する加水分解性のシラン化合物を好ましく用いることができる。その具体例としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。なお、シラン化合物(S2)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
その他のシラン化合物は、シラン化合物(S1)及びシラン化合物(S2)以外のシラン化合物であり、特に限定されないが、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシラン化合物;メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のアルキル基又はアリール基含有アルコキシシラン化合物;3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトメチルトリエトキシシラン等の硫黄含有アルコキシシラン化合物;
3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等の不飽和結合含有アルコキシシラン化合物;トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物等の酸無水物基含有アルコキシシラン化合物;N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン等の窒素含有アルコキシシラン化合物、などを挙げることができる。その他のシラン化合物としては、これらの1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
アミノ基含有カルボン酸としては、例えば、3−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸、4−アミノシクロヘキサンカルボン酸、3−アミノシクロヘキサンカルボン酸、6−アミノ−2−ナフトエ酸、β−アラニン、グリシン、3−アミノシクロペンタンカルボン酸、5−アミノペンタン酸、4−アミノヒドロ桂皮酸、4−アミノフェニル酢酸、4−(アミノメチル)安息香酸等が挙げられる。アミノ基含有カルボン酸は、これらの1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
カルボン酸無水物は、酸無水物基を1個有していればよく、その余の構造は特に限定されない。カルボン酸無水物としては、例えば、トリメリット酸無水物、4−ニトロフタル酸無水物、3−ニトロフタル酸無水物、4−エチニルフタル酸無水物、4−(1−プロピニル)フタル酸無水物、4−フェニルエチニルフタル酸無水物、4−メチルフタル酸無水物、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、イタコン酸無水物、アリルコハク酸無水物、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、ホモフタル酸無水物、グルタル酸無水物、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物等が挙げられる。カルボン酸無水物は、これらの1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(加水分解縮合反応)
方法1〜方法3において、加水分解性シラン化合物を用いた加水分解縮合反応は、上記の如き加水分解性のシラン化合物の1種又は2種以上と水とを、好ましくは適当な触媒及び有機溶媒の存在下で反応させることにより行う。方法1及び方法3において、シラン化合物(S1)の使用割合は、ポリオルガノシロキサンの合成に使用する単量体の合計量に対して、5モル%以上であることが好ましく、10モル%以上であることがより好ましい。
また、方法2において、シラン化合物(S1)の使用割合は、ポリオルガノシロキサンの合成に使用する単量体の合計量に対して、5〜99モル%とすることが好ましく、10〜95モル%とすることがより好ましい。シラン化合物(S2)の使用割合は、ポリオルガノシロキサンの合成に使用する単量体の合計量に対して、0.5〜50モル%とすることが好ましく、1〜40モル%とすることがより好ましい。
加水分解縮合反応に際し、水の使用割合は、反応に使用するシラン化合物(合計量)の1モルに対して、好ましくは1〜30モルである。使用する触媒としては、例えば酸、アルカリ金属化合物、有機塩基、チタン化合物、ジルコニウム化合物などを挙げることができる。中でも、3級の有機アミン又は4級の有機アミンが好ましく、例えばトリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の3級の有機アミン:テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の4級の有機アミン、をそれぞれ挙げることができる。触媒の使用量は、触媒の種類、温度などの反応条件などにより異なり、適宜に設定されるべきであるが、例えばシラン化合物の合計量に対して、好ましくは0.01〜3倍モルである。
加水分解縮合反応に際して使用する有機溶媒としては、例えば炭化水素、ケトン、エステル、エーテル、アルコールなどが挙げられる。それらの具体例としては、炭化水素として、例えばトルエン、キシレンなどを;ケトンとして、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn−アミルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノンなどを;エステルとして、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸i−アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、乳酸エチルなどを;エーテルとして、例えばエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどを;アルコールとして、例えば1−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどを;それぞれ挙げることができる。これらのうち、非水溶性又は難水溶性の有機溶媒を用いることが好ましい。有機溶媒の使用割合は、反応に使用するシラン化合物の合計100質量部に対して、好ましくは10〜10,000質量部である。
上記の加水分解縮合反応は、例えば油浴などにより加熱して実施することが好ましい。その際、加熱温度は130℃以下とすることが好ましく、加熱時間は0.5〜12時間とすることが好ましい。反応終了後において、反応液から分取した有機溶媒層を、必要に応じて乾燥剤で乾燥した後、溶媒を除去することにより、目的とするポリオルガノシロキサンが得られる。なお、ポリオルガノシロキサンの合成方法は上記の加水分解縮合反応に限らず、例えば加水分解性シラン化合物をシュウ酸及びアルコールの存在下で反応させる方法などにより行ってもよい。
(ポリオルガノシロキサンEとアミノ基含有カルボン酸との反応(1))
方法1では、オルガノシロキサンEが有する環状エーテル基と、アミノ基含有カルボン酸のカルボキシル基とを反応させて、アミノ基を側鎖に有するポリオルガノシロキサンを得る。この反応は、好ましくは適当な触媒及び有機溶媒の存在下で行われる。
反応において使用される触媒としては、例えば有機塩基を好適に使用することができるほか、硬化促進剤を使用することができる。これらの具体例としては、有機塩基として、例えば1級又は2級の有機アミン、3級有機アミン、4級有機アミン塩などを;硬化促進剤として、例えば3級アミン、イミダゾール誘導体、有機リン化合物、4級ホスフォニウム塩、ジアザビシクロアルケン、有機金属化合物、ハロゲン化4級アンモニウム、金属ハロゲン化合物、潜在性硬化促進剤などを、それぞれ挙げることができる。潜在性硬化促進剤としては、例えば高融点分散型潜在性硬化促進剤(例えばアミン付加型促進剤など)、マイクロカプセル型潜在性硬化促進剤、アミン塩型潜在性硬化剤促進剤、高温解離型の熱カチオン重合型潜在性硬化促進剤などを挙げることができる。触媒としては、これらのうち、4級有機アミン塩又はハロゲン化4級アンモニウムを使用することが好ましい。
かかる触媒の具体例としては、4級有機アミン塩として、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどを;ハロゲン化4級アンモニウムとして、例えばテトラエチルアンモニウムブロミド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロリドなどを;それぞれ挙げることができる。触媒としては、これらのうちから選択される1種以上を用いることができる。触媒の使用割合は、ポリオルガノシロキサンEの100質量部に対して、好ましくは0.01〜100質量部であり、より好ましくは0.1〜20質量部である。
ポリオルガノシロキサンEとカルボン酸との反応において使用される有機溶媒としては、例えばケトン、エーテル、エステル、アミド、アルコールなどを挙げることができる。かかる有機溶媒の具体例としては、上記ケトンとして、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn−アミルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノンなどを;上記エーテルとして、例えばエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどを;
上記エステルとして、例えば酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、乳酸エチルなどを;上記アミドとして、例えばホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン、N−ホルミルモルホリン、N−ホルミルピペリジン、N−ホルミルピロリジン、N−アセチルモルホリン、N−アセチルピペリジン、N−アセチルピロリジンなどを;
上記アルコールとして、例えば1−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルなどを、それぞれ挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上を用いることができる。
有機溶媒の使用割合は、反応溶液中の有機溶媒以外の成分の合計質量が反応溶液の全量に占める割合として、0.1〜50質量%となる割合とすることが好ましく、5〜50質量%となる割合とすることがより好ましい。
アミノ基含有カルボン酸の使用割合は、ポリオルガノシロキサンEの側鎖に導入する官能基Bの数に応じて適宜設定されるが、官能基Bの導入による液晶素子の熱信頼性及び液晶配向膜の耐溶剤性の改善効果を十分に得る観点から、ポリオルガノシロキサンの合成に使用するシラン化合物(合計量)1モルに対して、0.005〜0.5モルとすることが好ましい。当該使用割合の下限値について、より好ましくは0.01モル以上であり、さらに好ましくは0.05モル以上である。また上限値は、より好ましくは0.4モル以下であり、さらに好ましくは0.3モル以下である。
方法1において、ポリオルガノシロキサンEとアミノ基含有カルボン酸との反応に際して、重合体に所望の機能を付与する官能基(以下、「機能性基」ともいう。)をポリオルガノシロキサンEに導入することを目的として、機能性基を有するカルボン酸(以下、「機能性基含有カルボン酸」ともいう。)を併用してもよい。アミノ基含有カルボン酸とともに機能性基含有カルボン酸を使用する場合、十分な量の機能性基の導入を可能にしつつ、アミノ基の導入が抑制されないようにするために、機能性基含有カルボン酸の合計の使用割合を、ポリオルガノシロキサンの合成に使用するシラン化合物(合計量)1モルに対して、0.05〜0.8モルとすることが好ましく、0.1〜0.7モルとすることがより好ましい。
ポリオルガノシロキサンEとアミノ基含有カルボン酸との反応は、好ましくは0〜200℃、より好ましくは50〜150℃の温度において、好ましくは0.1〜50時間、より好ましくは0.5〜20時間行われる。反応終了後においては、反応液から分取した有機溶媒層を、必要に応じて乾燥剤で乾燥した後、溶媒を除去することにより、アミノ基含有ポリオルガノシロキサンを得ることができる。
(アミノ基を有するポリオルガノシロキサンとカルボン酸無水物との反応)
方法1及び方法2では、ポリオルガノシロキサンが有するアミノ基と、カルボン酸無水物が有する酸無水物基とを反応させる。これにより、重合体[P]として、エポキシ基及びカルボキシル基を側鎖に有するポリオルガノシロキサンを得ることができる。
カルボン酸無水物の使用割合は、ポリオルガノシロキサン側鎖への官能基B(ここではカルボキシル基)の導入による液晶素子の熱信頼性及び液晶配向膜の耐溶剤性の改善効果を十分に得る観点から、ポリオルガノシロキサンが有するアミノ基(合計量)1モルに対して、0.1〜2.0モルとすることが好ましい。当該使用割合の下限値について、より好ましくは0.2モル以上であり、さらに好ましくは0.3モル以上である。また上限値は、より好ましくは1.5モル以下であり、さらに好ましくは1.2モル以下である。
上記反応は、好ましくは適当な有機溶媒中で行われる。使用される有機溶媒としては、例えば非プロトン性極性溶媒、フェノール系溶媒、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素などを挙げることができる。好ましい有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミド、m−クレゾール、キシレノール及びハロゲン化フェノールよりなる群から選択される1種以上が挙げられる。
上記反応において、反応温度は、−20℃〜100℃が好ましく、0℃〜80℃がより好ましい。反応時間は、1時間〜48時間が好ましく、2時間〜12時間がより好ましい。得られる反応溶液は、そのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、あるいは公知の単離方法を用いて、反応溶液中に含まれる重合体[P]を単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。
(ポリオルガノシロキサンEとアミノ基含有カルボン酸との反応(2))
方法3では、ポリオルガノシロキサンEが有する環状エーテル基と、アミノ基含有カルボン酸が有するアミノ基とを反応させる。これにより、重合体[P]として、エポキシ基及びカルボキシル基を側鎖に有するポリオルガノシロキサンを得ることができる。
アミノ基含有カルボン酸の使用割合は、ポリオルガノシロキサンの側鎖へのカルボキシル基の導入による液晶素子の熱信頼性及び液晶配向膜の耐溶剤性の改善効果を十分に得る観点から、ポリオルガノシロキサンの合成に使用するシラン化合物(合計量)1モルに対して、0.005〜0.5モルとすることが好ましい。当該使用割合の下限値については、より好ましくは0.01モル以上であり、さらに好ましくは0.05モル以上である。また上限値については、より好ましくは0.4モル以下であり、さらに好ましくは0.3モル以下である。
上記反応は、必要に応じて適当な触媒の存在下、適当な溶媒中で行われる。触媒としては、例えば酸化マグネシウム、酸化カルシウム、炭酸カリウム等が挙げられる。溶媒としては、アミノ基含有ポリオルガノシロキサンとカルボン酸無水物とを均一に溶解又は分解できるものが好ましく、例えばN−メチル−2−ピロリドン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。上記反応において、反応温度は−20℃〜180℃が好ましく、10℃〜120℃がより好ましい。反応時間は、1時間〜72時間が好ましく、2時間〜48時間がより好ましい。得られる反応溶液は、公知の単離方法を用いて、反応溶液中に含まれる重合体[P]を単離したうえで液晶配向剤の調製に供するとよい。
方法2及び方法3において、重合体[P]として機能性基を有するポリオルガノシロキサンを得る場合には、方法2については、アミノ基を有するポリオルガノシロキサンとカルボン酸無水物とを反応させる前に、方法3については、ポリオルガノシロキサンとアミノ基含有カルボン酸とを反応させる前に、環状エーテル基を有するポリオルガノシロキサンと、機能性基含有カルボン酸とを反応させるとよい。環状エーテル基を有するポリオルガノシロキサンと機能性基含有カルボン酸との反応条件については、方法1の説明が適用される。
方法1〜方法3の一例を以下のスキームA1,A2,B及びCに示す。方法1において、シラン化合物(S1)としてエポキシ基含有シラン化合物を用い、アミノ基含有カルボン酸として3−アミノ安息香酸を用い、カルボン酸無水物としてトリメリット酸無水物を用いた場合、以下のスキームA1(エポキシ基のβ開裂)及びスキームA2(エポキシ基のα開裂)により重合体[P]を得ることができる。
Figure 2018163802
Figure 2018163802
(スキームA1及びA2中、Lは2価の連結基であり、Rは水素原子である。)
方法2において、シラン化合物(S1)としてエポキシ基含有シラン化合物を用い、カルボン酸無水物としてトリメリット酸無水物を用いた場合、以下のスキームBにより重合体[P]を得ることができる。
Figure 2018163802
(スキームB中、Lは及びLは、それぞれ独立に2価の連結基である。)
方法3において、シラン化合物(S1)としてエポキシ基含有シラン化合物を用い、アミノ基含有カルボン酸として4−アミノ安息香酸を用いた場合、以下のスキームCにより重合体[P]を得ることができる。
Figure 2018163802
(スキームC中、Lは2価の連結基であり、Rは水素原子である。)
上記スキームA1,A2及びスキームBによれば、重合体[P]として、環状エーテル基(ここではオキシラニル基)とカルボキシル基とを有するポリオルガノシロキサン、及び環状エーテル基とアミノ基とを有するポリオルガノシロキサンを得ることができる。また、上記スキームCによれば、重合体[P]として、環状エーテル基とカルボキシル基とを有するポリオルガノシロキサンを得ることができる。
(機能性基)
重合体[P]は、適用する液晶素子の駆動モードに応じて機能性基を側鎖に有することが好ましい。例えば、液晶配向剤を垂直配向型又は水平配向型の液晶素子の製造に用いる場合、重合体[P]は、機能性基として液晶分子を配向させる配向性発現部位を有していることが好ましい。また、液晶配向剤により形成した高分子薄膜に対して光配向法により液晶配向能を付与する場合、重合体[P]は、機能性基として光配向性基を有していることが好ましい。また、液晶セルの構築後に液晶セルの外側から光照射することによって液晶分子の配向規制力を高める場合、重合体[P]は、機能性基として炭素−炭素不飽和結合を含む基を有していることが好ましい。
[配向性発現部位]
配向性発現部位は、液晶配向剤を用いて形成した高分子薄膜に対して、液晶層中の液晶分子の配向方向を制御可能な基である。なお、配向性発現部位は、光照射を行わずに液晶分子の配向を制御可能である。配向性発現部位の具体例としては、例えば下記式(3)で表される基等が挙げられる。
Figure 2018163802
(式(3)中、Rは炭素数1〜40のアルキル基、炭素数1〜40のフルオロアルキル基、炭素数1〜40のアルキル基の少なくとも1個の水素原子がシアノ基で置換された1価の基、シアノ基、ニトロ基、若しくはフッ素原子であるか、又はステロイド骨格を有する炭素数17〜51の炭化水素基である。Zは、単結合、−O−、−COO−又は−OCO−(ただし、「*」を付した結合手がR側である。)である。RIIは、シクロへキシレン基又はフェニレン基であり、環に結合する水素原子がシアノ基、ニトロ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基又は炭素数1〜3のアルキル基によって置換されていてもよい。n1は1又は2であり、n1が2であるとき、2個のRIIは互いに同一であっても異なっていてもよい。n2は0又は1である。ZIIは、単結合、−O−、−COO−又は−OCO−(ただし、「*」を付した結合手がRII側である。)である。n3は0〜2の整数であり、n4は0又は1である。ただし、n2=0かつn4=0の場合、Rは炭素数4以上である。)
上記式(3)において「−(RIIn1−」で表される2価の基としては、例えば1,4−フェニレン基、1,4−シクロへキシレン基、4,4’−ビフェニレン基、4,4’−ビシクロへキシレン基 、下記式
Figure 2018163802
(式中、「*」を付した結合手がZに結合する。)
のそれぞれで表される基などを好ましいものとして挙げることができる。
[光配向性基]
光配向性基は、光照射による光異性化反応や、光二量化反応、光分解反応、光フリース転位反応によって膜に異方性を付与する官能基である。光配向性基の具体例としては、例えばアゾベンゼン又はその誘導体を基本骨格として含むアゾベンゼン含有基、桂皮酸又はその誘導体(桂皮酸構造)を基本骨格として含む桂皮酸構造含有基、カルコン又はその誘導体を基本骨格として含むカルコン含有基、ベンゾフェノン又はその誘導体を基本骨格として含むベンゾフェノン含有基、クマリン又はその誘導体を基本骨格として含むクマリン含有基、シクロブタン又はその誘導体を基本骨格として含むシクロブタン含有構造等が挙げられる。光に対する感度が高い点や、重合体側鎖に導入しやすい点で、中でも、下記式(5)で表される桂皮酸構造含有基を有することが好ましい。重合体[P]は、下記式(5)で表される構造とともにプレチルト角発現部位を有することにより、得られる液晶素子の高速応答性を高めることができる点で好ましい。
Figure 2018163802
(式(5)中、Rはフッ素原子又はシアノ基である。a’は0〜4の整数である。a’が2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。「*」は結合手を示す。)
[炭素−炭素不飽和結合を含む基]
炭素−炭素不飽和結合を含む基としては、例えば下記式(4)で表される基等が挙げられる。
Figure 2018163802
(式(4)中、Rは、水素原子又はメチル基であり、X及びXIIは、それぞれ、1,4−フェニレン基、炭素数1〜8のアルカンジイル基であり、Zは、酸素原子、−COO−又は−OCO−(ただし、「*」を付した結合手がXIIに結合する。)であり、a、b、c及びdは、それぞれ0又は1である。ただし、cが0であってdが1であるとき、XIIは1,4−フェニレン基であり、bが0であるときcは0である。)
上記式(4)で表される基の具体例としては、例えばビニル基、アリル基、p−ビニルフェニル基、(メタ)アクリロキシアルキル基、4−((メタ)アクリロキシ)アルキル)フェニル基、((メタ)アクリロキシ)フェニル)アルキル基、4−((メタ)アクリロキシアルコキシ)フェニル基、(メタ)アクリロキシアルコキシアルキル基、6−{[6−(アクリロイルオキシ)ヘキサノイル]オキシ}ヘキシル基等が挙げられる。
重合体[P]が、機能性基を側鎖に有する重合体である場合、当該重合体は、(I)機能性基を有するモノマーを用いた重合により合成する方法、(II)重合体[P]又はその前駆体が有する環状エーテル基を利用して側鎖に導入する方法、等が挙げられる。これらのうち、簡便であって、しかも機能性基の導入率を調整しやすい点で(II)が好ましい。中でも、環状エーテル基を有するポリオルガノシロキサン(方法1及び方法3ではポリオルガノシロキサンE、方法2ではポリオルガノシロキサンM)と、官能基B及び機能性基を有する化合物(以下、「側鎖前駆体[C]」ともいう。)と、を反応させることにより製造することが好ましい。
なお、重合体[P]は、機能性基として配向性発現部位、光配向性基、及び炭素−炭素不飽和結合を含む基のうちの1種のみを有していてもよいし、複数種を有していてもよい。重合体[P]が、上記機能性基を複数種有している場合、一の機能性基と、他の機能性基とが同一の側鎖中に存在していてもよく、別個の側鎖中に存在していてもよい。また、各機能性基のすべてが単一種の重合体に含有されていてもよく、所望の機能性基のうちの一部を有する重合体と、残りの機能性基を有する重合体との混合物として使用してもよい。もちろん、重合体[P]として3種類以上の重合体を混合して使用してもよいし、同じ機能性基を有する2種類以上の重合体を混合して使用してもよい。どのような態様であってもよいから、重合体[P]は、単一物又は混合物が、全体として各機能性基を有していればよい。
重合体[P]のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1,000〜300,000であり、より好ましくは2,000〜100,000である。ただし、重合体[P]が、機能性基を有する化合物を用いて変性した変性重合体である場合には、その変性前の重合体の重量平均分子量が上記範囲であることが好ましい。Mwと、GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは5以下であり、より好ましくは4以下である。なお、液晶配向剤の調製に使用する重合体[P]は、1種のみでもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
液晶配向剤中における重合体[P]の含有割合は、得られる液晶素子の熱信頼性の改善効果を十分に得ることができる点で、液晶配向剤に含まれる全重合体100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、0.5質量部以上であることがより好ましく、1質量部以上であることがさらに好ましい。また、他の重合体を配合する場合には、重合体[P]の含有割合は、液晶配向剤に含まれる他の重合体100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましく、25質量部以下であることがより好ましく、20質量部以下であることがさらに好ましい。
<その他の成分>
本開示の液晶配向剤は、上記の如き重合体[P]を含有するが、必要に応じて、以下に示すその他の成分を含有していてもよい。
(その他の重合体)
本開示の液晶配向剤は、電気特性や液晶配向性、信頼性といった各種性能の改善効果を得るためや、コスト低減を図ること等を目的として、重合体[P]とは異なる重合体(以下、「その他の重合体」ともいう。)を含有しているとよい。その他の重合体の主骨格は特に限定されない。その他の重合体としては、例えばポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミック酸エステル、ポリアミド、重合体[P]以外のポリオルガノシロキサン、ポリエステル、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレート等を主骨格とする重合体が挙げられる。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートを含む意味である。
その他の重合体は、電気特性や、液晶との親和性、機械的強度、重合体[P]との親和性等の観点から、上記の中でも、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド、及び重合性不飽和結合を有する単量体の重合体よりなる群から選ばれる少なくとも一種の重合体(以下、「重合体[Q]」ともいう。)を用いることが好ましい。
重合体[Q]の配合割合は、液晶配向剤の調製に使用する重合体[P]100質量部に対して、100質量部以上とすることが好ましく、100〜2000質量部とすることがより好ましく、200〜1500質量部とすることがさらに好ましい。
(ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミド)
液晶配向剤に含有させるポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドは、従来公知の方法に従って合成することができる。例えば、ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させることにより得ることができる。ポリアミック酸エステルは、例えばポリアミック酸とエステル化剤(例えばメタノールやエタノール、N,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール等)とを反応させる方法等により得ることができる。ポリイミドは、例えばポリアミック酸を脱水閉環してイミド化することにより得ることができる。なお、ポリイミドは、そのイミド化率が20〜95%であることが好ましく、30〜90%であることがより好ましい。このイミド化率は、ポリイミドのアミック酸構造の数とイミド環構造の数との合計に対するイミド環構造の数の占める割合を百分率で表したものである。
重合に使用するテトラカルボン酸としては、例えば、ブタンテトラカルボン酸二無水物、エチレンジアミン四酢酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸二無水物;1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−3a,4,5,9b−テトラヒドロナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−8−メチル−3a,4,5,9b−テトラヒドロナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、2,4,6,8−テトラカルボキシビシクロ[3.3.0]オクタン−2:4,6:8−二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物等の脂環式テトラカルボン酸二無水物;ピロメリット酸二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、1,3−プロピレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)等の芳香族テトラカルボン酸二無水物、等を挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。なお、テトラカルボン酸二無水物は1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、上記重合に使用するジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン;p−シクロヘキサンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等の脂環式ジアミン;ヘキサデカノキシジアミノベンゼン、コレスタニルオキシジアミノベンゼン、ジアミノ安息香酸コレスタニル、ジアミノ安息香酸コレステリル、ジアミノ安息香酸ラノスタニル、3,6−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)コレスタン、3,6−ビス(4−アミノフェノキシ)コレスタン、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−ブチルシクロヘキサン、2,5−ジアミノ−N,N−ジアリルアニリン、下記式(8−1)〜式(8−3)
Figure 2018163802
のそれぞれで表される化合物等の側鎖型の芳香族ジアミン;p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、4−アミノフェニル−4’−アミノベンゾエート、4,4’−ジアミノアゾベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン、ビス[2−(4−アミノフェニル)エチル]ヘキサン二酸、ビス(4−アミノフェニル)アミン、N,N−ビス(4−アミノフェニル)メチルアミン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−ベンジジン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−(フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4−(4−アミノフェノキシカルボニル)−1−(4−アミノフェニル)ピペリジン、4,4’−[4,4’−プロパン−1,3−ジイルビス(ピペリジン−1,4−ジイル)]ジアニリン等の非側鎖型の芳香族ジアミン;1,3−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサン等のジアミノオルガノシロキサン、等を挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のジアミンを用いることができる。なお、ジアミンは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
液晶配向剤に含有させるポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドにつき、GPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1,000〜500,000であり、より好ましくは2,000〜300,000である。分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは7以下であり、より好ましくは5以下である。なお、液晶配向剤に含有させるポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドは、1種のみでもよく、又は2種以上を組み合わせてもよい。
(重合性不飽和結合を有する単量体の重合体)
重合性不飽和結合を有する単量体の重合体(以下、「重合体PAc」ともいう。)について、重合体PAcを構成する単量体が有する重合性不飽和結合としては、例えば(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、マレイミド基などが挙げられる。これら重合性不飽和結合を有する単量体の具体例としては、例えば、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸エステル、不飽和多価カルボン酸無水物等の(メタ)アクリル系化合物;スチレン、メチルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物;1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン等の共役ジエン化合物;N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド化合物、等が挙げられる。なお、重合性基不飽和結合を有する単量体は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
重合体PAcは、ポリ(メタ)アクリレートであることが好ましい。ポリ(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリル系化合物のみからなる重合体であってもよく、(メタ)アクリル系化合物と他の単量体とからなる重合体であってもよい。当該他の単量体としては、共役ジエン化合物、芳香族ビニル化合物、マレイミド化合物等が挙げられる。ポリ(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリル系化合物に由来する構造単位を、30質量%以上有することが好ましく、40質量%以上有することがより好ましく、50質量%以上有することがさらに好ましく、70質量%以上有することが特に好ましい。
重合に際して使用する(メタ)アクリル系化合物は特に限定されないが、その具体例としては、不飽和カルボン酸として、例えば(メタ)アクリル酸、α−エチルアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ビニル安息香酸等を;
不飽和カルボン酸エステルとして、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシブチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチルグリシジルエーテル等を;
不飽和多価カルボン酸無水物として、例えば無水マレイン酸、無水イタコン酸、シス−1,2,3,4−テトラヒドロフタル酸無水物等を、それぞれ挙げることができる。なお、(メタ)アクリル系化合物は、これらの一種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(メタ)アクリル系化合物を用いた重合反応は、ラジカル重合により行うことが好ましい。当該重合反応に際して使用する重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が好ましく用いられる。重合開始剤の使用割合は、反応に使用する単量体の合計100質量部に対して、好ましくは0.01〜40質量部である。
(メタ)アクリル系化合物の重合反応は、好ましくは有機溶媒中において行われる。当該反応に使用する有機溶媒としては、例えばアルコール、エーテル、ケトン、アミド、エステル、炭化水素化合物などが挙げられる。これらの中でもアルコール及びエーテルよりなる群から選ばれる少なくとも一種を使用することが好ましく、多価アルコールの部分エーテルを使用することがより好ましい。その好ましい具体例としては、例えばジエチレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどを挙げることができる。なお、有機溶媒としてはこれらを一種単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
(メタ)アクリル系化合物の重合反応に際し、反応温度は30〜120℃とすることが好ましく、反応時間は、1〜36時間とすることが好ましい。また、有機溶媒の使用量(a)は、反応に使用する単量体の合計量(b)が、反応溶液の全体量(a+b)に対して、0.1〜50質量%になるような量にすることが好ましい。
ポリ(メタ)アクリレートにつき、GPCで測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は、250〜500,000であることが好ましく、500〜100,000であることがより好ましく、1,000〜50,000であることがさらに好ましい。
その他の成分としては、上記のほか、例えば分子内に少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物(ただし、ケイ素含有化合物[A]に該当する化合物を除く。)、官能性シラン化合物(ただし、ケイ素含有化合物[A]に該当する化合物を除く。)、酸化防止剤、金属キレート化合物、硬化促進剤、架橋剤、界面活性剤、充填剤、分散剤、光増感剤等が挙げられる。その他の成分の配合割合は、本開示の効果を損なわない範囲で、各化合物に応じて適宜選択することができる。
(溶剤)
本開示の液晶配向剤は、重合体成分及び必要に応じて任意に配合される成分が、好ましくは有機溶媒に溶解又は分散された溶液状の組成物として調製される。使用する有機溶媒としては、例えば非プロトン性極性溶媒、フェノール系溶媒、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素等が挙げられる。溶剤成分は、これらの1種でもよく、2種以上の混合溶媒であってもよい。
使用する有機溶媒の具体例としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、1,2−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸ブチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、シクロヘキサン、オクタノール、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。なお、上記のうちアミド構造を含まない炭化水素系の溶剤は、プラスチック基材への適用や低温焼成を可能にする目的で使用することができる。
溶剤成分としては、下記式(E−1)〜式(E−5)のそれぞれで表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種であって、かつ1気圧での沸点が180℃以下である溶剤(以下、「特定溶剤」ともいう。)を使用することが好ましい。これら特定溶剤は、液晶配向剤の塗布性(印刷性)を良好にできるとともに、膜形成時の加熱を低温(例えば200℃以下)で行った場合にも液晶配向性及び電気特性に優れた液晶素子を得ることができる点で好ましい。
Figure 2018163802
(式(E−1)中、R41は、炭素数1〜4のアルキル基又はCHCO−であり、R42は、炭素数1〜4のアルカンジイル基又は−(R47−O)r−R48−(ただし、R47及びR48は、それぞれ独立に炭素数2又は3のアルカンジイル基であり、rは1〜4の整数である。)であり、R43は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。)
Figure 2018163802
(式(E−2)中、R44は、炭素数1〜4のアルカンジイル基である。)
Figure 2018163802
(式(E−3)中、R45及びR46は、それぞれ独立に炭素数1〜8のアルキル基である。)
Figure 2018163802
(式(E−4)中、R49は、水素原子又は水酸基であり、R50は、R49が水素原子の場合、炭素数1〜9の炭化水素基であり、R49が水酸基の場合、炭素数1〜9の2価の炭化水素基又は当該炭素−炭素結合間に酸素原子を有する2価の基である。)
Figure 2018163802
(式(E−5)中、R51及びR52は、それぞれ独立に炭素数1〜6の1価の炭化水素基又は当該炭素−炭素結合間に酸素原子を有する1価の基である。)
特定溶剤の具体例としては、上記式(E−1)で表される化合物として、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル等を;
上記式(E−2)で表される化合物として、例えばシクロブタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンを;
上記式(E−3)で表される化合物として、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジイソブチルケトン等を;
上記式(E−4)で表される化合物として、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、3−メトキシブタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、フルフリルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等のモノアルコールや、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール等の多価アルコールを;
上記式(E−5)で表される化合物として、例えば多価アルコールの部分エステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等の多価アルコールの部分エステル)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸t−ブチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸2−エチルヘキシル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル等を、それぞれ挙げることができる。なお、特定溶剤としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
特定溶剤の使用割合は、液晶配向剤の調製に使用する溶剤の合計量に対して、10質量%以上とすることが好ましく、20質量%以上とすることがより好ましく、50質量%以上とすることがさらに好ましい。また、特定溶剤の使用割合の上限値は、液晶配向剤の調製に使用する溶剤の合計量に対して、95質量%以下とすることが好ましく、90質量%以下とすることがより好ましく、80質量%以下とすることがさらに好ましい。
液晶配向剤における固形分濃度(液晶配向剤の溶媒以外の成分の合計質量が液晶配向剤の全質量に占める割合)は、粘性、揮発性などを考慮して適宜に選択されるが、好ましくは1〜10質量%の範囲である。固形分濃度が1質量%未満である場合には、塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜が得にくくなる。一方、固形分濃度が10質量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜が得にくく、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布性が低下する傾向にある。
≪液晶配向膜及び液晶素子≫
本開示の液晶配向膜は、上記のように調製された液晶配向剤により形成される。また、本開示の液晶素子は、上記で説明した液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜を具備する。液晶素子における液晶の動作モードは特に限定されず、例えばTN型、STN型、VA型(VA−MVA型、VA−PVA型などを含む。)、IPS(In-Plane Switching)型、FFS(Fringe Field Switching)型、OCB(Optically Compensated Bend)型、PSA型(Polymer Sustained Alignment)など種々のモードに適用することができる。液晶素子は、例えば以下の工程1〜工程3を含む方法により製造することができる。工程1は、所望の動作モードによって使用基板が異なる。工程2及び工程3は各動作モード共通である。
<工程1:塗膜の形成>
先ず基板上に液晶配向剤を塗布し、好ましくは塗布面を加熱することにより基板上に塗膜を形成する。基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリ(脂環式オレフィン)などのプラスチックからなる透明基板を用いることができる。基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In−SnO)からなるITO膜などを用いることができる。TN型、STN型又はVA型の液晶素子を製造する場合には、パターニングされた透明導電膜が設けられている基板二枚を用いる。一方、IPS型又はFFS型の液晶素子を製造する場合には、櫛歯型にパターニングされた電極が設けられている基板と、電極が設けられていない対向基板とを用いる。基板への液晶配向剤の塗布は、電極形成面上に、好ましくはオフセット印刷法、フレキソ印刷法、スピンコート法、ロールコーター法又はインクジェット法により行う。
液晶配向剤を塗布した後、塗布した液晶配向剤の液垂れ防止などの目的で、好ましくは予備加熱(プレベーク)が実施される。プレベーク温度は、好ましくは30〜200℃であり、プレベーク時間は、好ましくは0.25〜10分である。その後、溶剤を完全に除去し、必要に応じて、重合体に存在するアミック酸構造を熱イミド化することを目的として焼成(ポストベーク)工程が実施される。このときの焼成温度(ポストベーク温度)は、好ましくは80〜300℃であり、ポストベーク時間は、好ましくは5〜200分である。このようにして形成される膜の膜厚は、好ましくは0.001〜1μmである。
<工程2:配向処理>
TN型、STN型、IPS型又はFFS型の液晶素子を製造する場合、上記工程1で形成した塗膜に液晶配向能を付与する処理(配向処理)を実施する。これにより、液晶分子の配向能が塗膜に付与されて液晶配向膜となる。配向処理としては、塗膜を例えばナイロン、レーヨン、コットンなどの繊維からなる布を巻き付けたロールで一定方向に擦ることによって塗膜に液晶配向能を付与するラビング処理、基板上に形成した塗膜に光照射を行って塗膜に液晶配向能を付与する光配向処理等が挙げられる。一方、垂直配向型の液晶素子を製造する場合には、上記工程1で形成した塗膜をそのまま液晶配向膜として使用することができるが、該塗膜に対し配向処理を施してもよい。
光配向のための光照射は、ポストベーク工程後の塗膜に対して照射する方法、プレベーク工程後であってポストベーク工程前の塗膜に対して照射する方法、プレベーク工程及びポストベーク工程の少なくともいずれかにおいて塗膜の加熱中に塗膜に対して照射する方法、等により行うことができる。塗膜に照射する放射線としては、例えば150〜800nmの波長の光を含む紫外線及び可視光線を用いることができる。好ましくは、200〜400nmの波長の光を含む紫外線である。放射線が偏光である場合、直線偏光であっても部分偏光であってもよい。用いる放射線が直線偏光又は部分偏光である場合には、照射は基板面に垂直の方向から行ってもよく、斜め方向から行ってもよく、又はこれらを組み合わせて行ってもよい。非偏光の放射線の場合の照射方向は斜め方向とする。
使用する光源としては、例えば低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、重水素ランプ、メタルハライドランプ、アルゴン共鳴ランプ、キセノンランプ、エキシマーレーザー等が挙げられる。放射線の照射量は、好ましくは400〜50,000J/mであり、より好ましくは1,000〜20,000J/mである。配向能付与のための光照射後において、基板表面を例えば水、有機溶媒(例えば、メタノール、イソプロピルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノールアセテート、ブチルセロソルブ、乳酸エチル等)又はこれらの混合物を用いて洗浄する処理や、基板を加熱する処理を行ってもよい。
<工程3:液晶セルの構築>
上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚準備し、対向配置した2枚の基板間に液晶を配置することにより液晶セルを製造する。液晶セルを製造するには、例えば、液晶配向膜が対向するように間隙を介して2枚の基板を対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面とシール剤で囲まれたセルギャップ内に液晶を注入充填し注入孔を封止する方法、ODF方式による方法等が挙げられる。シール剤としては、例えば硬化剤及びスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂等を用いることができる。液晶としては、ネマチック液晶及びスメクチック液晶を挙げることができ、その中でもネマチック液晶が好ましい。PSAモード(液晶配向膜中に重合性基を有する化合物(低分子又は重合体)を含有させる場合を含む。)では、液晶セルの構築後に、一対の基板の有する導電膜間に電圧を印加した状態で液晶セルに光照射する処理を行う。
続いて、必要に応じて液晶セルの外側表面に偏光板を貼り合わせ、液晶素子とする。偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながらヨウ素を吸収させた「H膜」と称される偏光フィルムを酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板又はH膜そのものからなる偏光板が挙げられる。
本開示の液晶素子は種々の用途に有効に適用することができ、例えば、時計、携帯型ゲーム、ワープロ、ノート型パソコン、カーナビゲーションシステム、カムコーダー、PDA、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン、各種モニター、液晶テレビ、インフォメーションディスプレイなどの各種表示装置や、調光フィルム等に用いることができる。また、本開示の液晶配向剤を用いて形成された液晶素子は位相差フィルムに適用することもできる。
以下、実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本実施例において重合体の重量平均分子量Mw、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)は以下の方法により測定した。
<重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)>
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、下記条件でMw及びMnを測定した。また、分子量分布(Mw/Mn)は得られたMw及びMnより算出した。
装置:昭和電工(株)の「GPC−101」
GPCカラム:(株)島津ジーエルシー製の「GPC−KF−801」、「GPC−KF−802」、「GPC−KF−803」及び「GPC−KF−804」を結合
移動相:テトラヒドロフラン(THF)
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
<重合体の合成>
[実施例1A]
下記スキーム1に従って重合体(P−1)を合成した。
Figure 2018163802
1000ml三口フラスコに2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン100.0g、メチルイソブチルケトン500g及びトリエチルアミン10.0gを仕込み、室温で混合した。次いで、脱イオン水100gを滴下漏斗から30分かけて滴下した後、還流下で混合しつつ、80℃で6時間反応を行った。反応終了後、有機層を取り出し、これを0.2重量%硝酸アンモニウム水溶液により洗浄後の水が中性になるまで洗浄した後、減圧下で溶媒及び水を留去した。メチルイソブチルケトンを適量添加し、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサン(E−1)の50質量%溶液を得た。
500ml三口フラスコに、側鎖前駆体(ca−1)26.69g(0.3mol当量)、m−アミノ安息香酸3.09g(0.1mol当量)、テトラブチルアンモニウムブロミド2.00g、ポリオルガノシロキサン(E−1)含有溶液80g、及びメチルイソブチルケトン239gを加え、110℃で4時間撹拌した。室温まで冷却した後、蒸留水で分液洗浄操作を10回繰り返した。その後、有機層を回収し、ロータリーエバポレータにより濃縮とNMP希釈を2回繰り返し、重合体(P−1)中間体の15質量%NMP溶液を得た。この中間体溶液50gに、トリメリット酸無水物0.44g(0.1mol当量)を加えた後、NMPを用いて固形分濃度が10質量%になるように調製した後、室温で4時間撹拌することで、重合体(P−1)のNMP溶液を得た。
[実施例2A〜12A及び比較合成例1〜4]
合成に使用する化合物の種類及び量を下記表1に示す種類及び量とした以外は、実施例1Aと同様に重合を行い、重合体(P−2)〜(P−12)、(R−1)〜(R−4)の各重合体を得た。
Figure 2018163802
表1中の数値は、エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンが有するエポキシ基の数に対するカルボン酸及びカルボン酸無水物の使用割合(モル%)を表す。表1中の化合物の略称は以下の通りである。
(側鎖前駆体[C])
ca−1〜ca−5:下記式(ca−1)〜式(ca−5)のそれぞれで表される化合物
Figure 2018163802
(アミノ基含有カルボン酸)
cb−1:3−アミノ安息香酸
cb−2:4−アミノ安息香酸
(カルボン酸無水物)
an−1:トリメリット酸無水物
an−2:4−ニトロフタル酸無水物
an−3:4−エチニルフタル酸無水物
an−4:無水マレイン酸
an−5:シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物
[実施例13A]
下記スキーム2に従って重合体(P−13)を合成した。
Figure 2018163802
1000ml三口フラスコに2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン90.0g、3−アミノプロピルトリメトキシシラン7.3g、メチルイソブチルケトン500g及びトリエチルアミン10.0gを仕込み、室温で混合した。次いで、脱イオン水100gを滴下漏斗から30分かけて滴下した後、還流下で混合しつつ、80℃で6時間反応を行った。反応終了後、有機層を取り出し、これを0.2質量%硝酸アンモニウム水溶液により洗浄後の水が中性になるまで洗浄した後、減圧下で溶媒及び水を留去した。メチルイソブチルケトンを適量添加し、エポキシ基とアミノ基を有するポリオルガノシロキサン(E−2)の50質量%溶液を得た。
500ml三口フラスコに、側鎖前駆体(ca−1)26.69g(0.3mol当量)、テトラブチルアンモニウムブロミド2.00g、ポリオルガノシロキサン(E−2)含有溶液80g、及びメチルイソブチルケトン239gを加え、110℃で4時間撹拌した。室温まで冷却した後、蒸留水で分液洗浄操作を10回繰り返した。その後、有機層を回収し、ロータリーエバポレータにより濃縮とNMP希釈を2回繰り返し、重合体(P−13)中間体の15質量%NMP溶液を得た。この中間体溶液50gに、トリメリット酸無水物0.45g(0.1mol当量)を加えた後、NMPを用いて固形分濃度が10質量%になるように調製した後、室温で4時間撹拌することで、重合体(P−13)のNMP溶液を得た。
[実施例14A]
下記スキーム3に従って重合体(P−14)を合成した。
Figure 2018163802
500ml三口フラスコに、側鎖前駆体(ca−1)26.69g(0.3mol当量)、m−アミノ安息香酸3.09g(0.1mol当量)、テトラブチルアンモニウムブロミド2.00g、ポリオルガノシロキサン(E−1)含有溶液80g、及びメチルイソブチルケトン239gを加え、110℃で4時間撹拌した。室温まで冷却した後、蒸留水で分液洗浄操作を10回繰り返した。その後、有機層を回収し、ロータリーエバポレータにより濃縮とNMP希釈を2回繰り返し、エポキシ基と機能性基とを有するポリオルガノシロキサン(これを「重合体(R−1)」とする。)の15質量%NMP溶液を得た。
続いて、重合体(R−1)含有溶液50gに、酸化マグネシウム0.13g(0.1mol当量)とm−アミノ安息香酸0.44g(0.1mol当量)を加え、80℃で24時間撹拌した。室温まで冷却した後、水に注ぎ、酸化マグネシウムを溶解させた。次に、ジエチレングリコールジエチルエーテルとシクロヘキサンの混合溶液を用いて抽出し、蒸留水で分液洗浄操作を10回繰り返した。その後、有機層を回収し、ロータリーエバポレータにより濃縮とNMP希釈を2回繰り返すことにより、重合体(P−14)の10質量%NMP溶液を得た。
[合成例1]
テトラカルボン酸二無水物として1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物13.8g(70.0mmol)、ジアミンとして2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル16.3g(76.9mmol)をNMP170gに溶解し、25℃で3時間反応を行うことにより、ポリアミック酸を10質量%含有する溶液を得た。次いで、このポリアミック酸溶液を大過剰のメタノール中に注ぎ、反応生成物を沈殿させた。この沈殿物をメタノールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、ポリアミック酸(PAA−1)を得た。
[合成例2]
窒素下、200mL二口フラスコに、重合モノマーとしてメタクリル酸グリシジル16.0g(113mmol)及びメタクリル酸4.0g(46.5mmol)、ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.6g(2.4mmol)、連鎖移動剤として2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン1.0g(4.2mmol)、並びに溶媒としてNMP86.4gを加え、70℃で5時間重合することで、目的の重合体(これを「重合体(PM−1)」とする。)を得た。得られた重合体(PM−1)につき、GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは20000、分子量分布Mw/Mnは2.1であった。
[比較合成例5A]
下記スキーム4に従って重合体(PM−2)を合成した。
Figure 2018163802
攪拌子を入れた1000mLナスフラスコに3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレートを10.0g、側鎖前駆体(ca−1)を20.1g(1mol当量)、シクロペンタノンを500g、及びテトラブチルアンモニウムブロミドを1.64g(0.1mol当量)加え、110℃で4時間攪拌した。その後、反応液にシクロヘキサンを300g、シクロペンタノンを400g加え、蒸留水400gで5回分液洗浄した。その後、有機層をロータリーエバポレータにより、内容量が50gになるまでゆっくり濃縮し、途中で析出してきた白色固体を濾過により回収した。この白色固体を真空乾燥することで化合物(MI−6)を23.0g得た。
続いて、窒素下、200mL二口フラスコに、重合モノマーとして、化合物(MI−6)10.0g(16.9mmol)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート6.0g(30.5mmol)、及びメタクリル酸4.0g(46.5mmol)、ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.6g(2.4mmol)、連鎖移動剤として2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン1.0g(4.2mmol)、並びに溶媒としてNMP86.4gを加え、70℃で5時間重合することで、目的の重合体(これを「重合体(PM−2)」とする。)を得た。得られた重合体(PM−2)につき、GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは20000、分子量分布Mw/Mnは2.0であった。
<液晶表示素子の作製及び評価(1)>
[実施例1B]
1.液晶配向剤(AL−1)の調製
重合体[P]として上記実施例1Aで得た重合体(P−1)100質量部に、溶剤としてNMP及びブチルセロソルブ(BC)を加え、溶媒組成がNMP/BC=50/50(質量比)、固形分濃度が4.0質量%の溶液とした。この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過することにより、液晶配向剤(AL−1)を調製した。
2.光垂直型液晶表示素子の製造
ITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面上に、上記で調製した液晶配向剤(AL−1)を、スピンナーを用いて塗布し、80℃のホットプレートで1分間プレベークを行った。その後、庫内を窒素置換したオーブン中、230℃で1時間加熱して膜厚0.1μmの塗膜を形成した。次いで、この塗膜表面に、Hg−Xeランプ及びグランテーラープリズムを用いて313nmの輝線を含む偏光紫外線1,000J/mを、基板法線から40°傾いた方向から照射して液晶配向膜とした。同じ操作を繰り返して、液晶配向膜を有する基板を一対(2枚)作成した。
上記基板のうちの1枚の液晶配向膜を有する面の外周に直径3.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷により塗布した後、一対の基板の液晶配向膜面を対向させ、各基板の紫外線の光軸の基板面への投影方向が逆平行となるように圧着し、150℃で1時間かけて接着剤を熱硬化させた。次いで、液晶注入口より基板間の間隙にネガ型液晶(メルク社製、MLC−6608)を充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止した。さらに、液晶注入時の流動配向を除くために、これを130℃で加熱してから室温まで徐冷した。次に、基板の外側両面に、偏光板を、その偏光方向が互いに直交し、かつ、液晶配向膜の紫外線の光軸の基板面への射影方向と45°の角度をなすように貼り合わせることにより液晶表示素子を製造した。
3.液晶配向性の評価
上記で製造した液晶表示素子につき、5Vの電圧をON・OFF(印加・解除)したときの明暗の変化における異常ドメインの有無を光学顕微鏡により観察し、異常ドメインがない場合を「A」、一部に異常ドメインがある場合を「B」、全体的に異常ドメインがある場合を「C」として液晶配向性を評価した。その結果、この実施例では液晶配向性は「A」であった。
4.液晶配向膜の耐溶剤性評価
シリコーン基板上にスピンナーを用いて液晶配向剤(AL−1)を塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして、膜厚1.0μmの塗膜を形成した。得られた塗膜をホットプレート上で230℃、30分間加熱した。得られた膜をNMPに1分間浸漬した後、100℃で5分間乾燥した。浸漬前後の膜厚の変化率ΔDnmpを下記数式(1)により求め、変化率ΔDnmpにより耐溶剤性を評価した。
ΔDnmp=[((浸漬前の膜厚)−(浸漬後の膜厚))/(浸漬前の膜厚)]×100 …(1)
評価は、変化率ΔDnmpが−2%以上2%以下であった場合に「A」、−5%以上−2%未満の範囲内か又は2%よりも大きく5%以下の範囲内であった場合に「B」、5%よりも大きいか又は−5%よりも小さかった場合に「C」として行った。この実施例では耐溶剤性「A」の評価であった。
5.電圧保持率(VHR)の評価
上記で製造した液晶表示素子につき、5Vの電圧を60マイクロ秒の印加時間、167ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から167ミリ秒後の電圧保持率を測定した。測定装置は(株)東陽テクニカ製VHR−1を使用した。このとき、電圧保持率が90%以上の場合を「A」、80%以上90%未満の場合に「B」、50%以上80%未満の場合に「C」、50%未満の場合に「D」とした。その結果、この実施例では電圧保持率は「B」の評価であった。
6.熱信頼性の評価
上記で製造した液晶表示素子につき、110℃に設定したオーブンで500時間加熱した。加熱前後の電圧保持率を上記手法により測定し、加熱後の電圧保持率の低下を評価した。このとき、電圧保持率の低下が20%以下の場合に「A」、20%以上40%未満の場合に「B」、40%以上の場合に「C」とした。その結果、この実施例では熱信頼性は「A」の評価であった。
7.印刷性の評価
上記で調製した液晶配向剤(AL−1)につき、オフセット型の液晶配向膜印刷機(日本写真印刷(株)製)を用いて、ITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面に塗布し、80℃のホットプレート上で1分間加熱して溶媒を除去した後、200℃のホットプレート上で10分間加熱することにより、触針式膜厚計(ケーエルエー・テンコール(株)製)で測定した平均膜厚が800Åである塗膜を形成した。
この塗膜を倍率20倍の光学顕微鏡で観察して、印刷ムラ及びピンホールの有無を調べた。評価は、印刷ムラ及びピンホールの双方ともが観察されなかった場合を「A」、印刷ムラ及びピンホールの少なくとも一方が一部に観察された場合を「B」、印刷ムラ及びピンホールの少なくとも一方が全体的に観察された場合を「C」とした。その結果、この実施例では印刷性は「B」の評価であった。
[実施例2B〜15B及び比較例1B〜4B,7B]
配合組成を下記表2に示す通り変更した以外は実施例1Bと同じ固形分濃度で調製を行い、液晶配向剤をそれぞれ得た。また、それぞれの液晶配向剤を用いて実施例1Bと同様にして光垂直型液晶表示素子を製造するとともに、得られた液晶表示素子を用いて各種評価を行った。その結果を下記表2に併せて示した。なお、表2中、化合物[A]、その他の重合体及び添加剤の数値は、実施例1B、8B及び比較例1B、2Bについては、液晶配向剤の調製に使用した重合体成分の合計100質量部に対する各化合物の使用割合[質量部]を示し、実施例2B〜7B、9B、10B、11B〜18B及び比較例3B〜7Bについては、液晶配向剤の調製に使用したポリアミック酸(PAA−1)の合計100質量部に対する各化合物の使用割合[質量部]を示し、実施例11Bについては、液晶配向剤の調製に使用した重合体(PM−1)の合計100質量部に対する各化合物の使用割合[質量部]を示す。
<液晶表示素子の作製及び評価(2)>
[実施例16B]
1.液晶配向剤(AL−16)の調製
重合体[P]として上記実施例8Aで得た重合体(P−8)10質量部に、その他の重合体として上記合成例1で得たポリアミック酸(PAA−1)100質量部、並びに溶剤として3−メトキシ−1−ブタノール(MB)、NMP及びブチルセロソルブ(BC)を加え、溶媒組成がMB/NMP/BC=30/20/50(質量比)、固形分濃度が4.0質量%の溶液とした。この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過することにより、液晶配向剤(AL−16)を調製した。
2.光水平型液晶表示素子の製造
ITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面上に、上記で調製した液晶配向剤(AL−16)を、スピンナーを用いて塗布し、80℃のホットプレートで1分間プレベークを行った。その後、庫内を窒素置換したオーブン中、230℃で1時間加熱して膜厚0.1μmの塗膜を形成した。次いで、この塗膜表面に、Hg−Xeランプ及びグランテーラープリズムを用いて313nmの輝線を含む偏光紫外線1,000J/mを、基板法線から90°傾いた方向から照射して液晶配向膜とした。同じ操作を繰り返して、液晶配向膜を有する基板を一対(2枚)作成した。
上記基板のうちの1枚の液晶配向膜を有する面の外周に直径3.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷により塗布した後、一対の基板の液晶配向膜面を対向させ、各基板の紫外線の光軸の基板面への投影方向が水平となるように圧着し、150℃で1時間かけて接着剤を熱硬化させた。次いで、液晶注入口より基板間の間隙にポジ型液晶(メルク社製、MLC−7028−100)を充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止した。さらに、液晶注入時の流動配向を除くために、これを130℃で加熱してから室温まで徐冷した。次に、基板の外側両面に、偏光板を、その偏光方向が互いに直交し、かつ、液晶配向膜の紫外線の光軸の基板面への射影方向と90°の角度をなすように貼り合わせることにより液晶表示素子を製造した。
3.評価
上記で製造した光水平型液晶表示素子につき、上記実施例1Bと同様にして液晶配向性、耐溶剤性、電圧保持率(VHR)、熱信頼性及び印刷性を評価した。その結果を下記表2に示した。
[比較例5B]
配合組成を下記表2に示す通り変更した以外は実施例16Bと同じ固形分濃度で調製を行い、液晶配向剤をそれぞれ得た。また、それぞれの液晶配向剤を用いて実施例16Bと同様にして光水平型液晶表示素子を製造するとともに、得られた液晶表示素子を用いて実施例1Bと同様にして各種評価を行った。その結果を下記表2に示した。
<液晶表示素子の作製及び評価(3)>
[実施例17B]
1.液晶配向剤(AL−17)の調製
配合組成を下記表2に示す通り変更した以外は、上記実施例16Bと同じ固形分濃度で液晶配向剤(AL−17)を調製した。
2.PSA型液晶表示素子の製造
ITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面上に、上記で調製した液晶配向剤(AL−17)を、スピンナーを用いて塗布し、80℃のホットプレートで1分間プレベークを行った。その後、庫内を窒素置換したオーブン中で、230℃で1時間加熱して膜厚0.1μmの塗膜を形成した。同じ操作を繰り返して、液晶配向膜を有する基板を1対(2枚)作成した。
上記基板のうちの1枚の液晶配向膜を有する面の外周に直径3.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷により塗布した後、一対の基板の液晶配向膜面を対向させ、150℃で1時間かけて接着剤を熱硬化させた。次いで、液晶注入口より基板間の間隙に、ネガ型液晶(メルク社製、MLC−6608)を充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止した。さらに、液晶注入時の流動配向を除くために、これを130℃で加熱してから室温まで徐冷した。
次に、一対の電極間に周波数60Hzの交流10Vを印加し、液晶が駆動している状態で、光源にメタルハライドランプを使用した紫外線照射装置を用いて、100,000J/mの照射量にて紫外線を照射した。なお、この照射量は、波長365nm基準で計測される光量計を用いて計測した値である。その後、基板の外側両面に、偏光板を、その偏光方向が互いに直交し、かつ、液晶配向膜の紫外線の光軸の基板面への射影方向と45°の角度をなすように貼り合わせることにより液晶表示素子を製造した。
3.評価
上記で製造したPSA型液晶表示素子につき、上記実施例1Bと同様にして液晶配向性、耐溶剤性、電圧保持率(VHR)、熱信頼性及び印刷性を評価した。その結果を下記表2に示した。
[実施例18B及び比較例6B]
配合組成を下記表2に示す通り変更した以外は実施例16Bと同じ固形分濃度で調製を行い、液晶配向剤をそれぞれ得た。また、それぞれの液晶配向剤を用いて実施例17Bと同様にして液晶表示素子を製造するとともに、得られた液晶表示素子を用いて実施例1Bと同様にして各種評価を行った。その結果を下記表2に示した。
Figure 2018163802
表2中、溶剤の数値は、液晶配向剤の調製に使用した溶剤の合計量100質量部に対する各溶剤の配合割合(質量部)を表す。溶剤の略称は以下の通りである。
NMB:N−メチル−2−ピロリドン
BC:ブチルセロソルブ
MB:3−メトキシ−1−ブタノール
CPN:シクロペンタノン
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
EDM:ジエチレングリコールメチルエチルエーテル
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
以上の実施例の結果から分かるように、ケイ素含有化合物[A]を含む液晶配向剤を用いた実施例1B〜18Bによれば、熱に対する信頼性に優れた液晶表示素子が得られた。また、得られた液晶表示素子は、熱信頼性に加え、液晶配向性及び電圧保持率にも優れており、液晶配向膜の耐溶剤性及び印刷性も優れていた。これに対し、ケイ素含有化合物[A]を含まない液晶配向剤を用いた比較例1B〜7Bは、実施例のものに比べて熱信頼性が劣っていた。また、熱信頼性だけでなく、耐溶剤性、電圧保持率及び印刷性を総合的に見ても、実施例の方がバランス良く改善されていた。
本開示は、実施形態に準拠して記述されたが、本開示は上記実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。

Claims (12)

  1. 環状エーテル基と、環状エーテル基と反応する官能基Bとを有するケイ素含有化合物を含有する液晶配向剤。
  2. 前記官能基Bは、熱により環状エーテル基と反応する官能基である、請求項1に記載の液晶配向剤。
  3. 前記ケイ素含有化合物は、シロキサン骨格を有する重合体[P]である、請求項1又は2に記載の液晶配向剤。
  4. 前記重合体[P]は光配向性基を有する、請求項3に記載の液晶配向剤。
  5. 前記重合体[P]は液晶分子を配向させる配向性発現部位を有する、請求項3又は4に記載の液晶配向剤。
  6. 前記重合体[P]は炭素−炭素不飽和結合を含む基を有する、請求項3〜5のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
  7. 前記重合体[P]とは異なる重合体[Q]をさらに含有する、請求項3〜6のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
  8. 前記重合体[Q]は、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド、及び重合性不飽和結合を有する単量体の重合体よりなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項7に記載の液晶配向剤。
  9. 前記官能基Bは、カルボキシル基又は保護されたカルボキシル基である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の液晶配向剤から形成された液晶配向膜。
  11. 請求項10に記載の液晶配向膜を具備する液晶素子。
  12. 環状エーテル基と、環状エーテル基と反応する官能基Bとを有するポリオルガノシロキサン。
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