JPWO2017155018A1 - Trk阻害剤抵抗性の癌治療剤 - Google Patents

Trk阻害剤抵抗性の癌治療剤 Download PDF

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JPWO2017155018A1 JP2018504574A JP2018504574A JPWO2017155018A1 JP WO2017155018 A1 JPWO2017155018 A1 JP WO2017155018A1 JP 2018504574 A JP2018504574 A JP 2018504574A JP 2018504574 A JP2018504574 A JP 2018504574A JP WO2017155018 A1 JPWO2017155018 A1 JP WO2017155018A1
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光希 塚本
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Abstract

本発明は、Trk阻害剤抵抗性の癌の治療剤を提供する。一般式(I)(式中、すべての記号は、明細書記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグは、Trk阻害剤抵抗性の癌の治療剤の有効成分として有用である。

Description

本発明は、Trk阻害剤抵抗性の癌治療剤に関する。詳しくは、一般式(I)
Figure 2017155018
(式中、全ての記号は後記と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグ(以下、本発明化合物という。)を有効成分として含有する癌治療剤に関する。
Tropomyosin receptor kinase(以下、Trkと略す。)ファミリーは、受容体型チロシンキナーゼに属し、神経成長因子(以下、NGFと略す。)の高親和性受容体であるTrkA、脳由来栄養因子(BDNF)およびニューロトロフィン(以下、NTと略す。)−4/5の高親和性受容体であるTrkB、ならびにNT−3の高親和性受容体であるTrkCに分類される。TrkA、TrkBおよびTrkCタンパクは、NTRK1、NTRK2およびNTRK3遺伝子にそれぞれコードされている。いずれのTrk受容体も、神経組織に高発現し、神経細胞の分化や機能維持に関与している(非特許文献1参照)。
一方、Trk受容体は、神経芽腫、肺癌、乳癌、膵癌、大腸癌、胃癌、肝癌、卵巣癌、前立腺癌、頭頸部癌、神経内分泌腫瘍および血液癌などの癌細胞にも発現しており、癌細胞の生存、増殖、遊走、および転移に関与する可能性が報告されている(非特許文献2〜8)。
さらに、肺癌、大腸癌、肝内胆管癌、甲状腺癌、皮膚癌、乳癌、頭頸部癌、腎癌、肉腫、脳腫瘍、唾液腺腫瘍および血液癌などの癌患者の一部から、NTRK遺伝子の3’側の一部と別遺伝子(パートナー遺伝子)の5’側の一部が融合したNTRK融合遺伝子が発見され、本融合遺伝子が癌化能を有することが確認されている(非特許文献9〜11)。
NTRK1融合遺伝子における、5’側のパートナー遺伝子は、MPRIP、CD74、RABGAP1L、TPM3、TPR、TFG、PPL、CHTOP、ARHGEF2、NFASC,BCAN、LMNAおよびTP53が報告されている。同様に、NTRK2融合遺伝子においては、QKI、NACC2、VCL、AGBL4、TRIM24、PAN3、AFAP1およびSQSTM1が、NTRK3融合遺伝子においては、ETV6、BTB1、LYNおよびRBPMSがそれぞれ、5’側のパートナー遺伝子として報告されている。これらの融合遺伝子にコードされるTrk融合タンパクは、恒常活性型のキナーゼであり、細胞内シグナルを異常に活性化することで細胞の癌化を促進する。これらのことから、Trkを阻害する薬剤は、これまでに無い新しいタイプの抗がん剤になる可能性を期待されている。実際、複数のTrk阻害剤の臨床試験が現在実施中であり、NTRK融合遺伝子陽性の癌患者において腫瘍縮小効果が認められている(非特許文献12〜14)。
しかしながら、その一方で、Trk阻害剤であるEntrectinibによる治療中に耐性を獲得したLMNA−NTRK1融合遺伝子陽性大腸癌患者が最近報告された。本耐性患者の腫瘍においては、TrkAのキナーゼドメイン内に存在する595番目のアミノ酸であるグリシンがアルギニンに変異したG595R変異体および667番目のグリシンがシステインに変異したG667Cが検出され、G595RまたはG667C変異を導入したTPM3−TrkAリコンビナント酵素に対して、上記Trk阻害剤は阻害活性を示さないことが確認されている(非特許文献15)。同様に、Entrectinibによる治療中に耐性を獲得したETV6−NTRK3融合遺伝子陽性のMASC(mammary analogue secretory carcinoma)患者においても、その腫瘍中から、TrkCのキナーゼドメイン内に存在する623番目のアミノ酸であるグリシンがアルギニンに変異したG623R変異体が検出され、G623R変異を導入したETV6−TrkCリコンビナント酵素に対して、上記Trk阻害剤は阻害活性を示さないことが確認されている(非特許文献16)。同様に、これら変異に対して上記Trk阻害剤は阻害活性を示さないまたは著しく低いことが報告されている(特許文献7)。以上から、これらの変異を来したTrkに阻害活性を有する薬剤は、NTRK融合遺伝子陽性癌患者の薬剤耐性克服に貢献することが期待される。
一方、特許文献1には、チロシンキナーゼによって調節されるヒトまたは他の哺乳類の病気を処置または予防するための方法であって、それを必要とするヒトまたは他の哺乳類へ、下記式(Ia)の化合物、その塩、その異性体、またはそのプロドラッグを投与することを含む方法が記載されている。
一般式(Ia)は、
Figure 2017155018
(式中、Aaは、次の(i)ないし(iii)などの群から選ばれ;
(i)任意にRa、ORa、ハロゲンなどの群から独立に選ばれた1〜3の置換基で置換されたフェニル;
(ii)任意にRa、ORa、ハロゲンなどの群から独立に選ばれた1〜3の置換基で置換されたナフチル;
(iii)任意にRa、ORa、ハロゲンなどの群から独立に選ばれた1〜3の置換基で置換された、O、NおよびSよりなる群から独立に選ばれた1〜3のヘテロ原子を持っている5および6員単環ヘテロアリール基;
Baは、次の(i)ないし(iii)などの群から選ばれ;
(i)任意に−La−Ma、C−C直鎖もしくは分岐アルキル、ハロゲンなどの群から独立に選ばれた1〜3の置換基で置換されたフェニル;
(ii)任意に−La−Ma、C−C直鎖もしくは分岐アルキル、ハロゲンなどの群から独立に選ばれた1〜3の置換基で置換されたナフチル;
(iii)任意に−La−Ma、C−C直鎖もしくは分岐アルキル、ハロゲンなどの群から独立に選ばれた1〜3の置換基で置換された、O、NおよびSよりなる群から独立に選ばれた1〜3のヘテロ原子を持っている5および6員単環ヘテロアリール基;
Laは、−(CHma−O−(CHla−、−(CHma−C(O)−(CHla−などの群から選ばれ、ここで変数maおよびlaは独立に0〜4から選ばれた整数であり;
Maは、次の(i)ないし(iii)などの群から選ばれ;
(i)任意にRa、ORa、ハロゲンなどの群から独立に選ばれた1〜3の置換基で置換されたフェニル;
(ii)任意にRa、ORa、ハロゲンなどの群から独立に選ばれた1〜3の置換基で置換されたナフチル;
(iii)任意にRa、ORa、ハロゲンなどの群から独立に選ばれた1〜3の置換基で置換された、O、NおよびSよりなる群から独立に選ばれた1〜3のヘテロ原子を持っている5および6員単環ヘテロアリール基;
ここでRaは、(a)水素、(b)C−Cアルキル、(c)フェニル、(d)O、NおよびSよりなる群から選ばれた1〜4のヘテロ原子を有する5〜6員の単環ヘテロアリールまたは8〜10員の二環ヘテロアリール、(e)C−Cアルキル−フェニル、および(f)O、NおよびSよりなる群から選ばれた1〜4のヘテロ原子を有するアルキル−ヘテロアリール、よりなる群から独立に選ばれ;Raは、水素でない時、任意にC−C直鎖、分岐もしくは環状アルキル、C−Cアルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、C−Cアルキルアミノ、C−Cジアルキルアミノ、ハロゲン、シアノおよびニトロよりなる群から独立に選ばれた1〜3の置換基で置換されている;基の定義を一部抜粋した。)である。
特許文献2には、一般式(Ib)
Figure 2017155018
(式中、
YbはNまたはCHであり;
Lbは、結合、−O−、−S−、−SO−、−SO−などであり;
Lbは、結合、−NHC(O)NH−、−NHC(O)−などであり;
Rbは、(i)Rb、または(ii)1つ以上のハロゲン、Rbなどで置換されていてもよいC−Cアルキルであり;
Rbは、(i)C−Cアルキル、または(ii)アリールまたはヘテロアリールであり、各々の基は、1つ以上のハロゲン、Rb、ORb、SRb、N(Rb、C(O)Rbなどで置換されていてもよく;
Rbは、水素、ハロゲン、C−Cアルキルなどであり;
Rbは、シクロアルキル、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリールであり、各々の基は、1つ以上のハロゲン、ORb、N(Rb、Rb、ORbなどで置換されていてもよく;
Rbは、シクロアルキル、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリールであり、各々の基は、1つ以上のハロゲン、水酸基、N(Rbなどで置換されていてもよく;
各々のRbは、独立して水素またはC−Cアルキルである;基の定義を一部抜粋した。)で示される化合物、または互変異性体、エナンチオマー、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、錯体、あるいはそれらのプロドラッグが、内因性ウトロフィンアップレギュレーターであることが記載されている。
特許文献3には、一般式(Ic)
Figure 2017155018
(式中、
AcおよびCcは、それぞれ独立して置換されていてもよいアリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され;
Bcは、−N(H)C(O)N(H)−および−N(H)C(O)N(H)CH−からなる群から選択され;
Xc−Xcは、C(Rc)およびNからなる群から選択され、Xc−Xcのうち少なくとも1つはNであり;
Xcは、C(Rc)(Rc)、N(Rc)、OおよびS(O)mcであり;
Rcは、置換されていてもよいヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキルからなる群から選択される;基の定義を一部抜粋した。)で示される化合物、または塩、エステル、あるいはそれらのプロドラッグが、B−Raf阻害活性であることが記載されている。
特許文献4には、一般式(Id)
Figure 2017155018
(式中、
環Cy1dは、C3〜10の単環式炭素環もしくは二環式炭素環などを表し;
1dは、ハロゲンなどを表し;
2dは、ハロゲンなどを表し;
A1dおよびA2dは、それぞれ独立して、=CR3d−などを表し;
3d、A4d、A5d、およびA6dは、それぞれ独立して、=CR4d−などを表し;
3dは、ハロゲンなどを表し;
4dは、ハロゲンなどを表し;
Ydは、酸素原子などを表し;
Zdは、
Figure 2017155018
の環を形成する炭素原子が酸素原子で置き換わった基などを表す;基の定義を一部抜粋した。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグが、Trk阻害化合物であることが記載されている。
特許文献5には、一般式(Ie)
Figure 2017155018
(式中、
環Cy1eは、C3〜10の単環式炭素環などを表し;
環Cy2eは、4〜10員の単環式複素環などを表し;
1eは、ハロゲンなどを表し;
2eは、ハロゲンなどを表し;
1eおよびA2eは、それぞれ独立して、=CR−などを表し;
3e、A4e、A5e、およびA6eは、それぞれ独立して、=CR4e−などを表し;
3eおよびR4eは、それぞれ独立して、水素原子などを表す;基の定義を一部抜粋した。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグが、Trk阻害化合物であることが記載されている。
特許文献6には、Trk阻害化合物である1−{2−[4−(2−アミノ−5−クロロ−3−ピリジニル)フェノキシ]−5−ピリミジニル}−3−[2−(メチルスルホニル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、1−{2−[4−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−3−イル)フェノキシ]ピリミジン−5−イル}−3−[2−(ピリジン−3−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、または1−(2−(1H−ピラゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(2−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)ウレアの酸付加塩およびその結晶が記載されている。
しかし、いずれの文献においても、一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグがTrk阻害剤抵抗性の癌に対して増殖抑制作用を有し得ることについて記載も示唆もされておらず、本発明化合物がこのような癌の治療剤になり得ることについて記載も示唆もされていない。
国際公開第2003/068228号パンフレット 国際公開第2010/057833号パンフレット 国際公開第2007/076473号パンフレット 国際公開第2013/161919号パンフレット 国際公開第2014/129431号パンフレット 国際公開第2016/027754号パンフレット 国際公開第2016/196141号パンフレット
アニュアル・レビュー・オブ・バイオケミストリー(Annual Review of Biochemistry)、第72巻、609−642頁、2003年 キャンサー・レターズ(Cancer Letters)、第228巻、143−153頁、2005年 クリニカル・キャンサー・リサーチ(Clinical Cancer Research)、第15巻、5962−5967頁、2009年 プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンスズ(Proceedings of the National Academy of Sciences)、第111巻、10299−10304頁、2014年 クリニカル・キャンサー・リサーチ(Clinical Cancer Research)、第7巻、105−112頁、2001年 カルシノジェネシス(Carcinogenesis)、第31巻、1939−1947頁、2010年 ラング・キャンサー(Lung Cancer)、第79巻、205−214頁、2013年 バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Biochemical and Biophysical Research Communications)、第441巻、431−437頁、2013年 ネイチャー・メディシン(Nature Medicine)、第19巻、1469−1474頁、2013年 キャンサー・ディスカバリー(Cancer Discovery)、第5巻、25−34頁、2015年 オンコ・ジーン(Onco gene)、第32巻、3698−3710頁、2013年 ジャーナル・オブ・ザ・ナショナル・キャンサー・インスティテュート(Journal of the National Cancer Institute)、第108巻、1−4頁、2016年 ジャーナル・オブ・ソラシック・オンコロジー(Journal of Thoracic Oncology)、第10巻、1670−1674頁、2015年 キャンサー・ディスカバリー(Cancer Discovery)、第5巻、1049−1057頁、2015年 キャンサー・ディスカバリー(Cancer Discovery)、第6巻、36−44頁、2016年 アナルズ・オブ・オンコロジー(Annals of Oncology)、What hides beind the MASC: Clinical response and acquired resistance to entrectinib after ETV6−NTRK3 identification in a mammary analogue secretory carcinoma (MASC)
本発明の課題は、Trk阻害剤抵抗性の癌治療剤の有効成分を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、後述の一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグが、Trk阻害剤抵抗性の癌に対し増殖抑制作用を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1] 一般式(I)
Figure 2017155018
(式中、
環Cyは、C3〜10の単環式炭素環もしくは二環式炭素環、または4〜10員の単環式複素環もしくは二環式複素環を表し、
環Cyは、4〜10員の単環式複素環または二環式複素環を表し、
は、
(1)ハロゲン、
(2)(i)ハロゲンおよび(ii)水酸基からなる群より選択される置換基で置換されていてもよい、C1〜6のアルキル基、C2〜6のアルケニル基、もしくはC2〜6のアルキニル基、
(3)1〜2個のRで置換されていてもよいC5〜6の単環式炭素環、
(4)1〜2個のRで置換されていてもよい5〜6員の単環式複素環、
(5)−S(O)m1−R
(6)−SONR
(7)−C(O)OR
(8)−NR10C(O)R11
(9)−C(O)NR1213
(10)−OR14
(11)−NR1516
(12)シアノ基、または
(13)ニトロ基を表し、
は、
(1)ハロゲン、
(2)−S(O)m2−R17
(3)−SONR1819
(4)−C(O)OR20
(5)−NR21C(O)R22
(6)−C(O)NR2324
(7)−OR25
(8)−NR2627
(9)シアノ基、
(10)ニトロ基、または
(11)(i)ハロゲン、(ii)水酸基、および(iii)オキソ基からなる群より選択される置換基で置換されていてもよいC1〜3のアルキル基を表し、
が2個である場合、Rはそれぞれ独立して同一でも異なっていてもよく、
さらに、2個のRがそれぞれ独立してC1〜3のアルキル基または水酸基であって、RがC5〜6の単環式炭素環または5〜6員の単環式複素環上の隣接する炭素原子に位置していた場合は、それらの基が一緒になって環を形成してもよく、
−R27は、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)(i)ハロゲンもしくは(ii)水酸基で置換されていてもよいC1〜6のアルキル基を表し、
18およびR19がそれぞれ独立してC1〜6のアルキル基の場合、それらの基が一緒になって環を形成してもよく、
は、
(1)ハロゲン、
(2)(i)ハロゲンもしくは(ii)水酸基で置換されていてもよいC1〜6のアルキル基、
(3)(i)ハロゲンもしくは(ii)水酸基で置換されていてもよいC3〜6のシクロアルキル基、
(4)ハロゲンで置換されていてもよいC1〜6のアルコキシ基、
(5)−NR2829
(6)3〜7員の単環式複素環、または
(7)−O−(3〜7員の単環式複素環)を表し、
28およびR29は、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)(i)ハロゲンもしくは(ii)水酸基で置換されていてもよいC1〜6のアルキル基を表し、
およびAは、それぞれ独立して、=CR−または=N−を表し、
、A、A、およびAは、それぞれ独立して、=CR−または=N−を表し、
およびRは、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲンを表し、
m1は0〜2の整数を表し、
m2は0〜2の整数を表し、
pは0〜7の整数を表し、
qは0〜7の整数を表し、
rは0〜2の整数を表す。
ただし、p、q、およびrがそれぞれ2以上の整数を表す場合、R、R、およびRは、それぞれ独立して、同一でも異なっていてもよい。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグを有効成分として含有する、Trk阻害剤抵抗性の癌の治療剤。
[2] 一般式(I)が、一般式(I−A)
Figure 2017155018
(式中、Cy1−Aは、C5〜6の単環式芳香族炭素環を表し、Cy2−Aは、5〜10員の単環式芳香族複素環または二環式芳香族複素環を表し、tは0〜4の整数を表し、その他の記号は前項の記号と同じ意味を表す。)で示される前記[1]記載の剤。
[3] 一般式(I)が、一般式(I−B)
Figure 2017155018
(式中、Cy1−Bは、C5〜6の単環式芳香族炭素環を表し、Cy2−Bは、5〜10員の単環式芳香族複素環または二環式芳香族複素環を表し、tは0〜4の整数を表し、その他の記号は請求項1記載の記号と同じ意味を表す。)で示される前記[1]記載の剤。
[4] (1)1−(2−(1H−ピラゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(2−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)ウレア、
(2)1−(2−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−(4−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
(3)1−(2−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(5−(トリフルオロメチル)−2−(3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ウレア、
(4)1−(2−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
(5)1−(2−(1H−ピラゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル−3−(6−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリジン−3−イル)ウレア、
(6)1−(2−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル−3−(6−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリジン−3−イル)ウレア、
(7)1−(6−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリジン−3−イル)−3−(2−(ピリジン−3−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
(8)1−(2−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
(9)1−(2−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(2−(4−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)ウレア、
(10)1−(2−(4−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−(ピリジン−3−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
(11)1−(2−(1H−ピラゾール−1−イル)−4−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(2−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)ウレア、
(12)1−(2−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
(13)1−(2−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
(14)1−(2−{4−[2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)−3−{5−(トリフルオロメチル)−2−[3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]フェニル}ウレア、
(15)1−{2−[4−(2−アミノ−5−クロロ−3−ピリジニル)フェノキシ]−5−ピリミジニル}−3−[4−(トリフルオロメチル)−2−ビフェニルイル]ウレア、
(16)1−{2−[4−(2−アミノ−5−フルオロ−3−ピリジニル)フェノキシ]−5−ピリミジニル}−3−[4−(トリフルオロメチル)−2−ビフェニルイル]ウレア、
(17)1−{2−[4−(2−アミノ−5−クロロ−3−ピリジニル)フェノキシ]−5−ピリミジニル}−3−[2−(4−クロロ−1H−ピラゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、
(18)1−{2−[4−(2−アミノ−5−クロロ−3−ピリジニル)フェノキシ]−5−ピリミジニル}−3−{5−クロロ−2−[3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]フェニル}ウレア、
(19)1−{2−[4−(2−アミノ−5−クロロ−3−ピリジニル)フェノキシ]−5−ピリミジニル}−3−[2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、
(20)1−(2−{4−[2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)−3−[2−(4−クロロ−1H−ピラゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、
(21)1−{2−[4−(2−アミノ−5−フルオロ−3−ピリジニル)フェノキシ]−5−ピリミジニル}−3−[2−(メチルスルホニル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、
(22)1−(2−{4−[2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)−3−[2−(メチルスルホニル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、
(23)1−{2−[4−(2−アミノ−5−クロロ−3−ピリジニル)フェノキシ]−5−ピリミジニル}−3−[2−(メチルスルホニル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、
(24)2−{[(2−{4−[2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)カルバモイル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド、
(25)1−(2−(4−(5−(アゼチジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−(ピリジン−3−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
(26)1−(2−(4−(5−(アゼチジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
(27)1−(2−(4−(5−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−(ピリジン−3−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
(28)1−(2−(4−(ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−(ピリジン−3−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
(29)1−(2−{4−[5−(ジメチルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)−3−[2−(3−ピリジニル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、
(30)1−(2−{4−[5−(ジメチルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)−3−[2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、
(31)1−{2−[4−(5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)フェノキシ]−5−ピリミジニル}−3−[2−(3−ピリジニル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、
(32)1−(2−{4−[5−(エチルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)−3−[3’−メチル−4−(トリフルオロメチル)−2−ビフェニルイル]ウレア、
(33)1−(2−{4−[5−(ジメチルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)−3−[4−(トリフルオロメチル)−2−ビフェニルイル]ウレア、
(34)1−(2−{4−[5−(ジメチルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)−3−[3’−メチル−4−(トリフルオロメチル)−2−ビフェニルイル]ウレア、もしくは
(35)1−(2−{4−[5−(ジメチルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)−3−[2’−メチル−4−(トリフルオロメチル)−2−ビフェニルイル]ウレア、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグを有効成分として含有する、Trk阻害剤抵抗性の癌の治療剤。
[5]Trk阻害剤抵抗性の癌が、NTRK陽性癌であってTrk阻害剤抵抗性の癌である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の剤。
[6]NTRK陽性癌が、NTRK融合遺伝子陽性癌である前記[1]〜[5]のいずれかに記載の剤。
[7]Trk阻害剤抵抗性の癌が、Trk阻害剤の投与によりTrk阻害剤に対する抵抗性を獲得した癌である、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の剤。
[8] Trk阻害剤抵抗性の癌が、Trk阻害剤の投与により生じたNTRK遺伝子中の変異により、Trk阻害剤に対する抵抗性を獲得した癌である、前記[1]〜[7]のいずれかに記載の剤。
[9] NTRK遺伝子中の変異がNTRK融合遺伝子中の変異である、前記[8]記載の剤。
[10] NTRK融合遺伝子中の変異がNTRK1融合遺伝子中の変異である、前記[1]〜[9]のいずれかに記載の剤。
[11] NTRK1融合遺伝子中の変異がG595Rおよび/またはG667C変異である、前記[1]〜[10]のいずれかに記載の剤。
[12] NTRK融合遺伝子中の変異が、NTRK2融合遺伝子中の変異である、前記[1]〜[11]のいずれかに記載の剤。
[13] NTRK2融合遺伝子中の変異がG639R変異である、前記[1]〜[12]のいずれかに記載の剤。
[14] NTRK融合遺伝子中の変異が、NTRK3融合遺伝子中の変異である、前記[1]〜[13]のいずれかに記載の剤。
[15] NTRK3融合遺伝子中の変異がG623R変異である、前記[1]〜[14]のいずれかに記載の剤。
[16] Trk阻害剤が、Entrectinib、LOXO−101、AZD−7451、TSR−011、Crizotinib、ASP−7269およびDS−6051bからなる群から選択される一以上の薬剤である、前記[1]〜[15]のいずれかに記載の剤。
[17] 癌が、肺癌、大腸癌、肝内胆管癌、甲状腺癌、皮膚癌、乳癌、頭頸部癌、腎癌、肉腫、脳腫瘍、唾液腺腫瘍または血液癌である前記[1]〜[16]のいずれかに記載の剤。
[18] アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗癌性抗生物質、抗癌性植物性製剤、ホルモン剤、白金化合物、トポイソメラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤、抗CD20抗体、抗HER2抗体、抗EGFR抗体、および抗VEGF抗体からなる群から選択される一以上の薬剤と併用することを特徴とする、前記[1]〜[17]のいずれかに記載の剤。
[19] EGFR阻害剤と併用することを特徴とする、前記[1]〜[18]のいずれかに記載の剤。
[20] EGFR阻害剤が、エルロチニブ、ゲフィチニブおよびアファチニブからなる群から選択される一以上の薬剤である、前記[19]に記載の剤。
[21] MEK阻害剤と併用することを特徴とする、前記[1]〜[18]のいずれかに記載の剤。
[22] MEK阻害剤が、トラメチニブおよび/またはセルメチニブである、前記[21]に記載の剤。
[23] Trk阻害剤抵抗性の癌治療のための、前記式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグの使用。
[24] Trk阻害剤抵抗性の癌の治療剤の製造のための、前記式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグの使用。
[25] 前記式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグの有効量を対象に投与することからなる、Trk阻害剤抵抗性の癌治療方法。
[26] Trk阻害剤抵抗性の癌治療における使用のための、前記式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグ。
本発明の治療剤の有効成分である一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグは、Trk阻害剤に抵抗性の癌の治療剤の有効成分として使用できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、「Trk阻害剤抵抗性の癌」としては、例えば、Trk阻害剤による治療後に病状の進行を確認した癌、Trk阻害剤の投与によりTrk阻害剤に対する抵抗性を獲得した癌、Trk阻害剤の投与により生じたNTRK遺伝子中の変異によりTrk阻害剤に対する抵抗性を獲得した癌、後述のG595R変異、G667C変異、G639R変異、およびG623R変異からなる群から選択される一以上の変異によりTrk阻害剤に抵抗性を示す癌などが挙げられる。Trk阻害剤とは、Trkタンパクに対して阻害活性を有する薬剤を示し、ある態様としては一般式(I)で示される化合物またはその塩を除くTrk阻害剤である。また別の態様としては、Entrectinib(RXDX−101)、LOXO−101、AZD−7451、TSR−011、Crizotinib、Altiratinib、ASP−7269、DS−6051bおよびVM−902からなる群から選択される一以上の薬剤である。
本発明において、「NTRK陽性癌」とは、NTRK遺伝子(NTRK1遺伝子、NTRK2遺伝子およびNTRK3遺伝子を含む。)またはTrkタンパク(TrkAタンパク、TrkBタンパク、TrkCタンパクを含む。)の発現が確認できる癌を示す。NTRK遺伝子としては、例えば、野生型および変異型の、NTRK1遺伝子、NTRK2遺伝子およびNTRK3遺伝子が挙げられる。さらに変異型のNTRK遺伝子としては、例えば、NTRK融合遺伝子(NTRK1融合遺伝子、NTRK2融合遺伝子、NTRK3融合遺伝子を含む。)などが挙げられる。「NTRK陽性癌」には、野生型NTRK遺伝子の過剰発現や変異型NTRK遺伝子の発現などにより、Trkタンパクが恒常的に活性化した癌が含まれる。
「NTRK1融合遺伝子」としては、例えばMPRIP−NTRK1、CD74−NTRK1、RABGAP1L−NTRK1、TPM3−NTRK1、TPR−NTRK1、TFG−NTRK1、PPL−NTRK1、CHTOP−NTRK1、ARHGEF2−NTRK1、NFASC−NTRK1,BCAN−NTRK1、LMNA−NTRK1およびTP53−NTRK1が挙げられる。「NTRK2融合遺伝子」としては、例えばQKI−NTRK2、NACC2−NTRK2、VCL−NTRK2、AGBL4−NTRK2、TRIM24−NTRK2、PAN3−NTRK2、AFAP1−NTRK2およびSQSTM1−NTRK2が挙げられる。「NTRK3融合遺伝子」としては、例えばETV6−NTRK3、BTB1−NTRK3、LYN−NTRK3およびRBPMS−NTRK3が挙げられる。
本発明において、「G595R変異」とは、野生型または変異型のNTRK1遺伝子において塩基の置換が引き起こされた結果、野生型TrkAタンパク(TrkA isoform2(RefSeq:NP_002320.2))の595番目のアミノ酸残基、またはこれに相当するアミノ酸残基(例えば、他のTrkAアイソフォームや変異型TrkAタンパクにおいて相当するアミノ酸残基)が、グリシンからアルギニンへと変換している変異を示す。またNTRK1融合遺伝子中のG595R変異とは、前記野生型TrkAタンパク(TrkA isoform2(RefSeq:NP_002320.2))の595番目のアミノ酸残基に相当する、TrkA融合タンパクのアミノ酸残基が、グリシンからアルギニンへと変換している変異を示す。
本発明において、「G667C変異」とは、野生型または変異型のNTRK1遺伝子において塩基の置換が引き起こされた結果、野生型TrkAタンパク(TrkA isoform2(RefSeq:NP_002320.2))の667番目のアミノ酸残基、またはこれに相当するアミノ酸残基(例えば、他のTrkAアイソフォームや変異型TrkAタンパクにおいて相当するアミノ酸残基)が、グリシンからシステインへと変換している変異を示す。またNTRK1融合遺伝子中のG667C変異とは、前記野生型TrkAタンパク(TrkA isoform2(RefSeq:NP_002320.2))の667番目のアミノ酸残基に相当する、TrkA融合タンパクのアミノ酸残基がグリシンからシステインへと変換している変異を示す。
本発明において、「G639R変異」とは、野生型または変異型のNTRK2遺伝子において塩基の置換が引き起こされた結果、野生型TrkBタンパク(TrkB isoform a(RefSeq:NP_006171.2))の639番目のアミノ酸残基、またはこれに相当するアミノ酸残基(例えば、他のTrkBアイソフォームや変異型TrkBタンパクにおいて相当するアミノ酸残基)が、グリシンからアルギニンへと変換している変異を示す。またNTRK2融合遺伝子中のG639R変異とは、前記野生型TrkBタンパク(TrkB isoform a(RefSeq:NP_006171.2))の639番目のアミノ酸残基に相当する、TrkB融合タンパクのアミノ酸残基がグリシンからアルギニンへと変換している変異を示す。当該「G639R変異」は、前述の「G595R変異」に対応するTrkBタンパクにおける変異である。
本発明において、「G623R変異」とは、野生型または変異型のNTRK3遺伝子において塩基の置換が引き起こされた結果、野生型TrkCタンパク(TrkC isoform a(RefSeq:NP_001012338.1)またはTrkC isoform b(RefSeq:NP_002521.2))の623番目のアミノ酸残基、またはこれに相当するアミノ酸残基(例えば、他のTrkCアイソフォームや変異型TrkCタンパクにおいて相当するアミノ酸残基)が、グリシンからアルギニンへと変換している変異を示す。またNTRK3融合遺伝子中のG623R変異とは、前記野生型TrkCタンパク(TrkC isoform a(RefSeq:NP_001012338.1)またはTrkC isoform b(RefSeq:NP_002521.2))の623番目のアミノ酸残基に相当する、TrkC融合タンパクのアミノ酸残基がグリシンからアルギニンへと変換している変異を示す。当該「G623R変異」は、前述の「G595R変異」に対応するTrkCタンパクにおける変異である。
本発明において、「C3〜10の単環式炭素環もしくは二環式炭素環」とは、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン、ベンゼン、ペンタレン、パーヒドロペンタレン、アズレン、パーヒドロアズレン、インデン、パーヒドロインデン、インダン、ナフタレン、ジヒドロナフタレン、テトラヒドロナフタレン、およびパーヒドロナフタレン環などである。
本発明において、「4〜10員の単環式複素環もしくは二環式複素環」とは、例えば、オキセタン、アゼチジン、ピロリジン、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピぺリジン、ピぺラジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、アゼピン、ジアゼピン、フラン、ピラン、オキセピン、チオフェン、チオピラン、チエピン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、オキサジン、オキサジアジン、オキサゼピン、オキサジアゼピン、チアジアゾール、チアジン、チアジアジン、チアゼピン、チアジアゼピン、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、インダゾール、キノリン、イソキノリン、キノリジン、プリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾジオキソ−ル、ベンゾオキサチオール、クロメン、ベンゾフラザン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、トリアゾリン、トリアゾリジン、テトラゾリン、テトラゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、パーヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、パーヒドロピリダジン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、パーヒドロアゼピン、ジヒドロジアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、パーヒドロジアゼピン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロオキセピン、テトラヒドロオキセピン、パーヒドロオキセピン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロチオピラン、テトラヒドロチオピラン、ジヒドロチエピン、テトラヒドロチエピン、パーヒドロチエピン、ジヒドロオキサゾール、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、ジヒドロイソオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、ジヒドロイソチアゾール、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、ジヒドロフラザン、テトラヒドロフラザン、ジヒドロオキサジアゾール、テトラヒドロオキサジアゾール(オキサジアゾリジン)、ジヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジアジン、テトラヒドロオキサジアジン、ジヒドロオキサゼピン、テトラヒドロオキサゼピン、パーヒドロオキサゼピン、ジヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロオキサジアゼピン、パーヒドロオキサジアゼピン、ジヒドロチアジアゾール、テトラヒドロチアジアゾール(チアジアゾリジン)、ジヒドロチアジン、テトラヒドロチアジン、ジヒドロチアジアジン、テトラヒドロチアジアジン、ジヒドロチアゼピン、テトラヒドロチアゼピン、パーヒドロチアゼピン、ジヒドロチアジアゼピン、テトラヒドロチアジアゼピン、パーヒドロチアジアゼピン、モルホリン、チオモルホリン、オキサチアン、インドリン、イソインドリン、ジヒドロベンゾフラン、パーヒドロベンゾフラン、ジヒドロイソベンゾフラン、パーヒドロイソベンゾフラン、ジヒドロベンゾチオフェン、パーヒドロベンゾチオフェン、ジヒドロイソベンゾチオフェン、パーヒドロイソベンゾチオフェン、ジヒドロインダゾール、パーヒドロインダゾール、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、パーヒドロキノリン、ジヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、パーヒドロイソキノリン、ジヒドロフタラジン、テトラヒドロフタラジン、パーヒドロフタラジン、ジヒドロナフチリジン、テトラヒドロナフチリジン、パーヒドロナフチリジン、ジヒドロキノキサリン、テトラヒドロキノキサリン、パーヒドロキノキサリン、ジヒドロキナゾリン、テトラヒドロキナゾリン、パーヒドロキナゾリン、ジヒドロシンノリン、テトラヒドロシンノリン、パーヒドロシンノリン、ベンゾオキサチアン、ジヒドロベンゾオキサジン、ジヒドロベンゾチアジン、ピラジノモルホリン、ジヒドロベンゾオキサゾール、パーヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾチアゾール、パーヒドロベンゾチアゾール、ジヒドロベンゾイミダゾール、パーヒドロベンゾイミダゾール、ジオキソラン、ジオキサン、ジオキサインダン、ベンゾジオキサン、チオクロマン、ジヒドロベンゾジオキシン、ジヒドロベンゾオキサチイン、クロマン、ピラゾロピリミジン、イミダゾピリダジン、イミダゾピリジン、ピロロピリジン、イミダゾピラジン、ピラゾロピリジン、ピラゾロピリミジン、イミダゾピリジン、およびトリアゾロピリジン環などである。
本発明において、「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素である。
本発明において、「C1〜6のアルキル基」とは、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソブチル、ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1−メチル−1−エチルプロピル、2−メチル−2−エチルプロピル、1−エチルブチル、および2−エチルブチル基などである。
本発明において、「C2〜6のアルケニル基」とは、例えば、ビニル、1−プロぺニル、2−プロぺニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、3−メチル−1−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、3−メチル−3−ブテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、および5−ヘキセニル基などである。
本発明において、「C2〜6のアルキニル基」とは、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、3−メチル−1−ブチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、および5−ヘキシニル基などである。
本発明において、「C5〜6の単環式炭素環」とは、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、およびベンゼン環である。
本発明において、「5〜6員の単環式複素環」とは、例えば、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピぺリジン、ピぺラジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、フラン、ピラン、チオフェン、チオピラン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、オキサジン、オキサジアジン、チアジアゾール、チアジン、チアジアジン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、トリアゾリン、トリアゾリジン、テトラゾリン、テトラゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、パーヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、パーヒドロピリダジン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロチオピラン、テトラヒドロチオピラン、ジヒドロオキサゾール、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、ジヒドロイソオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、ジヒドロイソチアゾール、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、ジヒドロフラザン、テトラヒドロフラザン、ジヒドロオキサジアゾール、テトラヒドロオキサジアゾール(オキサジアゾリジン)、ジヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジアジン、テトラヒドロオキサジアジン、ジヒドロチアジアゾール、テトラヒドロチアジアゾール(チアジアゾリジン)、ジヒドロチアジン、テトラヒドロチアジン、ジヒドロチアジアジン、テトラヒドロチアジアジン、モルホリン、チオモルホリン、およびオキサチアン環などである。
本発明において、「C1〜3のアルキル基」とは、メチル、エチル、n−プロピル、およびイソプロピル基である。
本発明において、「C3〜6のシクロアルキル基」とは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシル基である。
本発明において、「C1〜6のアルコキシ基」とは、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、1−メチルプロポキシ、tert−ブトキシ、イソブトキシ、ペンチルオキシ、1−メチルブトキシ、2−メチルブトキシ、3−メチルブトキシ、1,1−ジメチルプロポキシ、1,2−ジメチルプロポキシ、2,2−ジメチルプロポキシ、ヘキシルオキシ、1−メチルペンチルオキシ、2−メチルペンチルオキシ、3−メチルペンチルオキシ、4−メチルペンチルオキシ、1,1−ジメチルブトキシ、1,2−ジメチルブトキシ、1,3−ジメチルブトキシ、1−メチル−1−エチルプロポキシ、1−メチル−2−エチルプロポキシ、1,2−ジメチルブトキシ、2,2−ジメチルブトキシ、1−エチル−2−メチルプロポキシ、2−エチル−2−メチルプロポキシ、および1−エチルブトキシ基などである。
本発明において、「3〜7員の単環式複素環」とは、例えば、アジリジン、オキセタン、アゼチジン、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピぺリジン、ピぺラジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、アゼピン、ジアゼピン、フラン、ピラン、オキセピン、チオフェン、チオピラン、チエピン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、オキサジン、オキサジアジン、オキサゼピン、オキサジアゼピン、チアジアゾール、チアジン、チアジアジン、チアゼピン、チアジアゼピン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、トリアゾリン、トリアゾリジン、テトラゾリン、テトラゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、パーヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、パーヒドロピリダジン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、パーヒドロアゼピン、ジヒドロジアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、パーヒドロジアゼピン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロオキセピン、テトラヒドロオキセピン、パーヒドロオキセピン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロチオピラン、テトラヒドロチオピラン、ジヒドロチエピン、テトラヒドロチエピン、パーヒドロチエピン、ジヒドロオキサゾール、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、ジヒドロイソオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、ジヒドロイソチアゾール、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、ジヒドロフラザン、テトラヒドロフラザン、ジヒドロオキサジアゾール、テトラヒドロオキサジアゾール(オキサジアゾリジン)、ジヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジアジン、テトラヒドロオキサジアジン、ジヒドロオキサゼピン、テトラヒドロオキサゼピン、パーヒドロオキサゼピン、ジヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロオキサジアゼピン、パーヒドロオキサジアゼピン、ジヒドロチアジアゾール、テトラヒドロチアジアゾール(チアジアゾリジン)、ジヒドロチアジン、テトラヒドロチアジン、ジヒドロチアジアジン、テトラヒドロチアジアジン、ジヒドロチアゼピン、テトラヒドロチアゼピン、パーヒドロチアゼピン、ジヒドロチアジアゼピン、テトラヒドロチアジアゼピン、パーヒドロチアジアゼピン、モルホリン、チオモルホリン、およびオキサチアン環などである。
本発明において、「5〜10員の単環式芳香族複素環または二環式芳香族複素環」とは、例えば、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、アゼピン、ジアゼピン、フラン、オキセピン、チオフェン、チエピン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、オキサゼピン、オキサジアゼピン、チアジアゾール、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、インダゾール、キノリン、イソキノリン、キノリジン、プリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾフラザン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール、ピラゾロピリミジン、イミダゾピリダジン、イミダゾピリジン、ピロロピリジン、イミダゾピラジン、ピラゾロピリジン、ピラゾロピリミジン、イミダゾピリジン、およびトリアゾロピリジン環などである。
本発明において、「5〜6員の単環式芳香族複素環」とは、例えば、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、フラン、チオフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、およびチアジアゾール環などである。
本発明において、「2個のRがそれぞれ独立してC1〜3のアルキル基または水酸基であって、RがC5〜6の単環式炭素環または5〜6員の単環式複素環上の隣接する炭素原子に位置していた場合は、それらの基が一緒になって環を形成してもよく、」とは、例えば、下記の基などをさす。
Figure 2017155018
(式中、環CyはC5〜6の単環式炭素環または5〜6員の単環式複素環を表し、矢印は、環Cyへの結合を意味する。)
本発明において、「Rが−SONR1819であって、R18およびR19がそれぞれ独立してC1〜6のアルキル基の場合、それらの基が一緒になって環を形成してもよく、」とは、例えば、下記の基などをさす。
Figure 2017155018
本発明において、環Cyとして好ましくは、C5〜6の単環式炭素環または5〜6員の単環式複素環である。
本発明において、環Cyとしてより好ましくは、シクロペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、ピラン、チオピラン、ピロリジン、ピぺリジン、ピぺラジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、モルホリン、チオモルホリン、および5〜6員の単環式芳香族複素環である。
本発明において、環Cyとして次に好ましくは、ベンゼンおよび5〜6員の単環式芳香族複素環である。
本発明において、環Cyとしてなお好ましくは、ベンゼン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、フラン、チオフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、およびイソチアゾール環である。
本発明において、環Cyとしてさらに好ましくは、ベンゼン、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、およびピリダジン環である。
本発明において、環Cyとしてさらにより好ましくは、ベンゼン、ピラゾール、およびピリジン環である。
本発明において、環Cyとして最も好ましくは、ベンゼンおよびピリジン環である。
本発明において、環Cyとして好ましくは、5〜10員の単環式芳香族複素環または二環式芳香族複素環である。
本発明において、環Cyとしてより好ましくは、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、インダゾール、キノリン、イソキノリン、キノリジン、プリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾフラザン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール、ピラゾロピリミジン、イミダゾピリダジン、イミダゾピリジン、ピロロピリジン、イミダゾピラジン、ピラゾロピリジン、ピラゾロピリミジン、イミダゾピリジン、およびトリアゾロピリジン環である。
本発明において、環Cyとしてなお好ましくは、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドール、イソインドール、インドリジン、インダゾール、キノリン、イソキノリン、キノリジン、プリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾフラザン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール、ピラゾロピリミジン、イミダゾピリダジン、イミダゾピリジン、ピロロピリジン、イミダゾピラジン、ピラゾロピリジン、ピラゾロピリミジン、イミダゾピリジン、およびトリアゾロピリジン環である。
本発明において、環Cyとしてさらに好ましくは、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラゾロピリミジン、イミダゾピリダジン、イミダゾピリジン、ピロロピリジン、イミダゾピラジン、ピラゾロピリジン、ピラゾロピリミジン、イミダゾピリジン、およびトリアゾロピリジン環である。
本発明において、環Cyとしてさらにより好ましくは、ピリジン、ピリミジン、ピラゾロピリミジン、イミダゾピリダジン、イミダゾピリジン、ピロロピリジン、イミダゾピラジン、およびピラゾロピリジン環である。
本発明において、環Cyとして最も好ましくは、ピリジンおよびピラゾロピリミジン環である。
本発明において、Rとして好ましくは、(1)ハロゲン、(2)ハロゲンで置換されていてもよいC1〜3のアルキル基、(3)1〜2個のRで置換されていてもよいベンゼン環、(4)1〜2個のRで置換されていてもよい5〜6員の単環式芳香族複素環、(5)メチルスルホニル基、および(6)N,N−ジメチルスルホンアミドである。
本発明において、Rとしてより好ましくは、(1)ハロゲン、(2)メチル基、(3)トリフルオロメチル基、(4)ジフルオロメチル基、(5)モノフルオロメチル基、(6)トリクロロメチル基、(7)ジクロロメチル基、(8)モノクロロメチル基、(9)1〜2個のRで置換されていてもよいベンゼン環、(10)1〜2個のRで置換されていてもよい、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、フラン、チオフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、およびチアジアゾール環、(11)メチルスルホニル基、ならびに(12)N,N−ジメチルスルホンアミドである。
本発明において、Rとしてなお好ましくは、(1)ハロゲン、(2)メチル基、(3)トリフルオロメチル基、(4)ジフルオロメチル基、(5)モノフルオロメチル基、(6)ベンゼン環、(7)インダン環、(8)トリル基、(9)ジメチルベンゼン環、(10)1〜2個のRで置換されていてもよい、イミダゾール、トリアゾール、ピラゾール、およびピリジン環、ならびに(11)メチルスルホニル基である。
本発明において、Rとしてさらに好ましくは、(1)ハロゲン、(2)トリフルオロメチル基、(3)ジフルオロメチル基、(4)ベンゼン環、(5)インダン環、(6)トリル基、(7)ジメチルベンゼン環、(8)1〜2個のメチル基、ジフルオロメチル基、またはトリフルオロメチル基で置換されていてもよい、イミダゾール、トリアゾール、ピラゾール、およびピリジン環、ならびに(9)メチルスルホニル基である。
本発明において、Rとしてさらにより好ましくは、(1)トリフルオロメチル基、(2)ジフルオロメチル基、(3)ベンゼン環、ならびに(4)1〜2個のメチル基、ジフルオロメチル基、またはトリフルオロメチル基で置換されていてもよい、トリアゾール、ピラゾール、およびピリジン環、ならびに(5)メチルスルホニル基である。
本発明において、Rとして最も好ましくは、(1)トリフルオロメチル基、ならびに(2)1〜2個のメチル基、ジフルオロメチル基、またはトリフルオロメチル基で置換されていてもよい、トリアゾール、ピラゾール、およびピリジン環である。
本発明において、Rとして好ましくは、(1)ハロゲン、(2)ハロゲンで置換されていてもよいメチル基、および、(3)水酸基またはオキソ基で置換されていてもよいC1〜3のアルキル基である。
本発明において、Rとしてより好ましくは、メチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、アセチル基、およびヒドロキシエチル基である。
本発明において、Rとして最も好ましくは、メチル基、トリフルオロメチル基、およびジフルオロメチル基である。
本発明において、Rとして好ましくは、(1)ハロゲン、(2)ハロゲンまたは水酸基で置換されていてもよいC1〜3のアルキル基、(3)C3〜6のシクロアルキル基、(4)C1〜3のアルコキシ基、(5)アミノ基、(6)水酸基で置換されていてもよい、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、およびジメチルアミノ基、(7)3〜7員の単環式複素環、ならびに(8)−O−(3〜7員の単環式複素環)である。
本発明において、Rとしてより好ましくは、ハロゲン、メチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、モノフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、2−メチル−ヒドロキシエチル基、シクロプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、2−メチル−2−ヒドロキシプロピルアミノ基、オキセタニルオキシ基、アゼチジン環、ピロリジン環、およびピぺリジン環である。
本発明において、Rとしてなお好ましくは、ハロゲン、メチル基、シクロプロピル基、メトキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、オキセタニルオキシ基、アゼチジン環、ピロリジン環、およびピぺリジン環である。
本発明において、Rとしてさらに好ましくは、ハロゲン、メチル基、アミノ基、アゼチジン環、およびピロリジン環である。
本発明において、Rとして最も好ましくは、フッ素、塩素、メチル基、アミノ基、およびアゼチジン環である。
本発明において、Rとして好ましくは、水素およびフッ素であり、最も好ましくは、水素である。
本発明において、Rとして好ましくは、水素およびフッ素であり、最も好ましくは、水素である。
本発明において、Rとして好ましくは、ハロゲンで置換されていてもよいC1〜3のアルキル基である。
本発明において、Rとしてより好ましくは、メチル基、エチル基、およびn−プロピル基である。
本発明において、RおよびRとして好ましくは、それぞれ独立して、水素原子および水酸基で置換されていてもよいC1〜3のアルキル基である。
本発明において、RおよびRとしてより好ましくは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、および2−ヒドロキシプロピル基である。
本発明において、RおよびRとしてさらに好ましくは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、およびn−プロピル基である。
本発明において、Rとして好ましくは、水素原子、メチル基、およびエチル基である。
本発明において、R10−R16として好ましくは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、およびn−プロピル基である。
本発明において、R17として好ましくは、ハロゲンで置換されていてもよいC1〜3のアルキル基である。
本発明において、R17としてより好ましくは、メチル基、エチル基、およびn−プロピル基である。
本発明において、R18およびR19として好ましくは、それぞれ独立して、水素原子および水酸基で置換されていてもよいC1〜3のアルキル基である。
本発明において、R18およびR19としてより好ましくは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、および2−ヒドロキシプロピル基である。
本発明において、R18およびR19としてさらに好ましくは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、およびn−プロピル基である。
本発明において、R20として好ましくは、水素原子、メチル基、およびエチル基である。
本発明において、R21−R29として好ましくは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、およびn−プロピル基である。
本発明において、m1として好ましくは、2の整数である。
本発明において、m2として好ましくは、2の整数である。
本発明において、pとして好ましくは、0〜3の整数である。
本発明において、qとして好ましくは、0〜3の整数である。
本発明において、rとして好ましくは、0〜1の整数である。
本発明において、R2−aおよびR2−bは、それぞれ独立して、Rと同じ意味であり、好ましい基についてもRと同様である。
本発明において、q−aとして好ましくは、0〜1の整数である。
本発明において、q−bとして好ましくは、0〜1の整数である。
本発明において、一般式(I)として好ましくは、前記の環Cy、環Cy、R、R、R、R、R、R2−a、R2−b、m1、m2、p、q、r、t、q−a、およびq−bの各々の好ましい定義の組み合わせである。
本発明において、一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグとして好ましくは、一般式(I−A)
Figure 2017155018
(式中、Cy1−Aは、C5〜6の単環式芳香族炭素環を表し、Cy2−Aは、5〜10員の単環式芳香族複素環または二環式芳香族複素環を表し、その他の記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。
また別の態様として、一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグとして好ましくは、一般式(I−B)
Figure 2017155018
(式中、、Cy1−Bは、C5〜6の単環式芳香族炭素環を表し、Cy2−Bは、5〜10員の単環式芳香族複素環または二環式芳香族複素環を表し、その他の記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。
また別の態様として、一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグとして好ましくは、一般式(I−a)または一般式(I−b)
Figure 2017155018
(式中、環Cy2−aおよび環Cy2−bは、5〜10員の単環式芳香族複素環または二環式芳香族複素環を表し、その他の記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。
本発明において、一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグとしてより好ましくは、一般式(I−c)または一般式(I−d)
Figure 2017155018
(式中、環Cy2−cおよび環Cy2−dは、ピリジン環、ピリミジン環、ピラゾロピリミジン環、イミダゾピリダジン環、イミダゾピリジン環、ピロロピリジン環、イミダゾピラジン環、またはピラゾロピリジン環を表し、その他の記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。
また別の態様として、一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグとして好ましくは、一般式(I−e)または一般式(I−f)
Figure 2017155018
(式中、環Cy1−eおよび環Cy1−fは、ベンゼン環または5〜6員の単環式芳香族複素環を表し、その他の記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。
本発明において、一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグとしてより好ましくは、一般式(I−g)または一般式(I−h)
Figure 2017155018
(式中、環Cy1−gおよび環Cy1−hは、ベンゼン環、ピリジン環、またはピラゾール環を表し、その他の記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。
また別の態様として、一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグとして好ましくは、一般式(I−j)または一般式(I−k)
Figure 2017155018
(式中、環Cy2−jおよび環Cy2−kは、5〜10員の単環式芳香族複素環または二環式芳香族複素環を表し、環Cy1−jおよび環Cy1−kは、ベンゼン環または5〜6員の単環式芳香族複素環を表し、その他の記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。
本発明において、一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグとしてより好ましくは、一般式(I−m)または一般式(I−n)
Figure 2017155018
(式中、環Cy2−mおよび環Cy2−nは、ピリジン環、ピリミジン環、ピラゾロピリミジン環、イミダゾピリダジン環、イミダゾピリジン環、ピロロピリジン環、イミダゾピラジン環、またはピラゾロピリジン環を表し、環Cy1−mおよび環Cy1−nは、ベンゼン環、ピリジン環、またはピラゾール環を表し、その他の記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。
また別の態様として、本発明において、一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグとして好ましくは、一般式(I−i)または一般式(I−ii)
Figure 2017155018
(式中、すべての記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。
本発明において、一般式(I−i)または一般式(I−ii)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグとしてより好ましくは、一般式(I−i−a)または一般式(I−ii−b)
Figure 2017155018
(式中、環Cy1−i−aおよび環Cy1−ii−bは、ベンゼン環または5〜6員の単環式芳香族複素環を表し、その他の記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。
本発明において、一般式(I−i)または一般式(I−ii)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグとしてさらに好ましくは、一般式(I−i−c)または一般式(I−ii−d)
Figure 2017155018
(式中、環Cy1−i−cおよび環Cy1−ii−dは、ベンゼン環、ピリジン環、またはピラゾール環を表し、その他の記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。
また別の態様として、本発明において、一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグとして好ましくは、一般式(I−iii)または一般式(I−iv)
Figure 2017155018
(式中、すべての記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグある。
本発明において、一般式(I−iii)または一般式(I−iv)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグとしてより好ましくは、一般式(I−iii−a)または一般式(I−iv−b)
Figure 2017155018
(式中、環Cy1−iii−aおよび環Cy1−iv−bは、ベンゼン環または5〜6員の単環式芳香族複素環を表し、その他の記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。
本発明において、一般式(I−iii)または一般式(I−iv)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグとしてさらに好ましくは、一般式(I−iii−c)または一般式(I−iv−d)
Figure 2017155018
(式中、環Cy1−iii−cおよび環Cy1−iv−dは、ベンゼン環またはピリジン環を表し、その他の記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。
本発明において、一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグとして好ましくは、
(1)1−(2−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−(ピリジン−3−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
(2)1−(2−(4−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−(ピリジン−3−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
(3)1−(2−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
(4)1−(2−(4−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
(5)1−(2−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
(6)1−(2−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
(7)1−(2−(1H−ピラゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(2−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)ウレア、
(8)1−(2−(4−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(5−(トリフルオロメチル)−2−(3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ウレア、
(9)1−(2−(1H−ピラゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(2−(4−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)ウレア、
(10)1−(2−(4−(5−(アゼチジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−(ピリジン−3−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
(11)1−(2−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル−3−(6−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリジン−3−イル)ウレア、
(12)1−(2−{4−[6−(3−オキセタニルオキシ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)−3−[2−(3−ピリジニル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、
(13)1−{6−[4−(5−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)フェノキシ]−3−ピリジニル}−3−[2−(3−ピリジニル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、
(14)1−{2−[4−(2−アミノ−5−フルオロ−3−ピリジニル)フェノキシ]−5−ピリミジニル}−3−[2−(メチルスルホニル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、
(15)1−(2−{4−[2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)−3−[2−(メチルスルホニル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、
(16)1−{2−[4−(2−アミノ−5−クロロ−3−ピリジニル)フェノキシ]−5−ピリミジニル}−3−[2−(メチルスルホニル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、もしくは
(17)1−(5−クロロ−2−メチルフェニル)−3−(2−{4−[6−(3−オキセタニルオキシ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)ウレア、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。
また別の態様として、一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグとして好ましくは、
(1)1−(2−(1H−ピラゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(2−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)ウレア、
(2)1−(2−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−(4−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
(3)1−(2−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(5−(トリフルオロメチル)−2−(3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ウレア、
(4)1−(2−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
(5)1−(2−(1H−ピラゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル−3−(6−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリジン−3−イル)ウレア、
(6)1−(2−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル−3−(6−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリジン−3−イル)ウレア、
(7)1−(6−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリジン−3−イル)−3−(2−(ピリジン−3−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
(8)1−(2−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
(9)1−(2−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(2−(4−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)ウレア、
(10)1−(2−(4−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−(ピリジン−3−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
(11)1−(2−(1H−ピラゾール−1−イル)−4−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(2−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)ウレア、
(12)1−(2−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
(13)1−(2−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
(14)1−(2−{4−[2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)−3−{5−(トリフルオロメチル)−2−[3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]フェニル}ウレア、
(15)1−{2−[4−(2−アミノ−5−クロロ−3−ピリジニル)フェノキシ]−5−ピリミジニル}−3−[4−(トリフルオロメチル)−2−ビフェニルイル]ウレア、
(16)1−{2−[4−(2−アミノ−5−フルオロ−3−ピリジニル)フェノキシ]−5−ピリミジニル}−3−[4−(トリフルオロメチル)−2−ビフェニルイル]ウレア、
(17)1−{2−[4−(2−アミノ−5−クロロ−3−ピリジニル)フェノキシ]−5−ピリミジニル}−3−[2−(4−クロロ−1H−ピラゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、
(18)1−{2−[4−(2−アミノ−5−クロロ−3−ピリジニル)フェノキシ]−5−ピリミジニル}−3−{5−クロロ−2−[3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]フェニル}ウレア、
(19)1−{2−[4−(2−アミノ−5−クロロ−3−ピリジニル)フェノキシ]−5−ピリミジニル}−3−[2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、
(20)1−(2−{4−[2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)−3−[2−(4−クロロ−1H−ピラゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、
(21)1−{2−[4−(2−アミノ−5−フルオロ−3−ピリジニル)フェノキシ]−5−ピリミジニル}−3−[2−(メチルスルホニル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、
(22)1−(2−{4−[2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)−3−[2−(メチルスルホニル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、
(23)1−{2−[4−(2−アミノ−5−クロロ−3−ピリジニル)フェノキシ]−5−ピリミジニル}−3−[2−(メチルスルホニル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、
(24)2−{[(2−{4−[2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)カルバモイル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド、
(25)1−(2−(4−(5−(アゼチジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−(ピリジン−3−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
(26)1−(2−(4−(5−(アゼチジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
(27)1−(2−(4−(5−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−(ピリジン−3−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
(28)1−(2−(4−(ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−(ピリジン−3−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
(29)1−(2−{4−[5−(ジメチルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)−3−[2−(3−ピリジニル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、
(30)1−(2−{4−[5−(ジメチルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)−3−[2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、
(31)1−{2−[4−(5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)フェノキシ]−5−ピリミジニル}−3−[2−(3−ピリジニル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、
(32)1−(2−{4−[5−(エチルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)−3−[3’−メチル−4−(トリフルオロメチル)−2−ビフェニルイル]ウレア、
(33)1−(2−{4−[5−(ジメチルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)−3−[4−(トリフルオロメチル)−2−ビフェニルイル]ウレア、
(34)1−(2−{4−[5−(ジメチルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)−3−[3’−メチル−4−(トリフルオロメチル)−2−ビフェニルイル]ウレア、もしくは
(35)1−(2−{4−[5−(ジメチルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)−3−[2’−メチル−4−(トリフルオロメチル)−2−ビフェニルイル]ウレア、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。
本発明においては、特に指示しない限り異性体はこれをすべて包含する。例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、およびアルコキシ基などには直鎖のものおよび分枝鎖のものが含まれる。さらに、環、縮合環における異性体(E、Z、シス、トランス体)、不斉炭素の存在などによる異性体(R、S体、α、β体、エナンチオマー、ジアステレオマー)、旋光性を有する光学活性体(D、L、d、l体)、クロマトグラフ分離による極性体(高極性体、低極性体)、平衡化合物、回転異性体、これらの任意の割合の混合物、ラセミ混合物は、すべて本発明に含まれる。また、本発明においては、互変異性による異性体をもすべて包含する。
本発明においては、特に断わらない限り、当業者にとって明らかなように記号:
Figure 2017155018
は紙面の向こう側(すなわちα−配置)に結合していることを表し、記号:
Figure 2017155018
は紙面の手前側(すなわちβ−配置)に結合していることを表し、記号:
Figure 2017155018
はα−配置またはβ−配置であることを表し、記号:
Figure 2017155018
は、α−配置とβ−配置の任意の割合の混合物であることを表す。
[塩]
一般式(I)で示される化合物は、公知の方法で塩に変換される。
塩としては薬学的に許容される塩が好ましい。
塩は、水溶性のものが好ましい。
塩としては、例えば、酸付加塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、またはアミン塩などが挙げられる。
酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩のような無機酸塩、または酢酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、グルクロン酸塩、またはグルコン酸塩のような有機酸塩が挙げられる。
アルカリ金属塩としては、例えば、カリウムおよびナトリウムなどが挙げられる。
アルカリ土類金属塩としては、例えば、カルシウムおよびマグネシウムなどが挙げられる。
アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムなどが挙げられる。
アミン塩としては、例えば、トリエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ピペリジン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、リジン、アルギニン、およびN−メチル−D−グルカミンなどが挙げられる。
また、一般式(I)で示される化合物およびその塩は、任意の方法でN−オキシド体にすることができる。N−オキシド体とは、一般式(I)で示される化合物およびその塩の窒素原子が、酸化されたものを表し、具体的には、一般式(I)で示される化合物およびその塩のA、A、A、A、A、またはAが、=N−である場合に、その窒素原子が酸化されたものを表す。または、CyまたはCyが、含窒素複素環である場合に、その窒素原子が酸化されたものを表す。さらには、アミノ基が酸化されたものを表す。
一般式(I)で示される化合物およびその塩は、溶媒和物に変換することもできる。溶媒和物は非毒性かつ水溶性であることが好ましい。適当な溶媒和物としては、例えば、水、またはアルコール系の溶媒(例えば、エタノールなど)のような溶媒和物が挙げられる。
[プロドラッグ]
一般式(I)で示される化合物のプロドラッグとは、生体内において酵素や胃酸などによる反応により一般式(I)で示される化合物に変換される化合物をいう。一般式(I)で示される化合物のプロドラッグとしては、例えば、一般式(I)で示される化合物がアミノ基を有する場合、該アミノ基がアシル化、アルキル化、リン酸化された化合物(例えば、一般式(I)で示される化合物のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、アセトキシメチル化、tert−ブチル化された化合物など);一般式(I)で示される化合物が水酸基を有する場合、該水酸基がアシル化、アルキル化、リン酸化、ホウ酸化された化合物(例えば、一般式(I)で示される化合物の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物など)が挙げられ;一般式(I)で示される化合物がカルボキシ基を有する場合、該カルボキシ基がエステル化、アミド化された化合物(例えば、一般式(I)で示される化合物のカルボキシ基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、1−{(エトキシカルボニル)オキシ}エチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、1−{[(シクロヘキシルオキシ)カルボニル]オキシ}エチルエステル化、メチルアミド化された化合物など)などが挙げられる。これらの化合物はそれ自体公知の方法によって製造することができる。また、一般式(I)で示される化合物のプロドラッグは水和物および非水和物のいずれであってもよい。また、一般式(I)で示される化合物のプロドラッグは、廣川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻「分子設計」163〜198頁に記載されているような、生理的条件で一般式(I)で示される化合物に変化するものであってもよい。
さらに、一般式(I)で示される化合物を構成する各原子は、その同位元素(例えば、H、H、13C、14C、15N、16N、17O、18O、35S、36Cl、77Br、125Iなど)などで置換されていてもよい。
[本発明化合物の製造方法]
一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグは、国際公開第2014/129431号に記載された方法、国際公開第2016/027754号に記載された方法、公知の方法、これらに準ずる方法に従って製造することができる。なお、原料化合物は塩として用いてよい。このような塩としては、一般式(I)の薬学的に許容される塩として記載されたものが用いられる。
[毒性]
本発明化合物の毒性は十分に低い。本発明化合物は、例えば、肝毒性および消化管障害などを呈さず、脳移行性が低い化合物である。よって、本発明化合物は医薬品として安全に使用することができる。
[医薬品への適用]
本発明化合物は、Trk阻害剤抵抗性の癌に対して増殖抑制作用を有するため、Trk阻害剤抵抗性の癌の治療剤として有用である。
Trk阻害剤抵抗性の癌としては、乳癌、卵巣癌、大腸癌(例えば、結腸癌など)、肺癌(例えば、非小細胞肺癌など)、前立腺癌、頭頸部癌(例えば、口腔扁平上皮癌、頭頸部扁平上皮癌、咽頭癌、喉頭癌、舌癌、甲状腺癌、聴神経鞘腫など)、皮膚癌(例えば、メラノーマ(悪性黒色腫)など)、リンパ腫(例えば、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫など)、脳腫瘍、神経膠腫、下垂体腺腫、ぶどう膜悪性黒色腫、髄膜腫、胸腺腫、中皮腫、食道癌、胃癌、肝癌(例えば、肝細胞癌など)、胆管癌(例えば、肝内胆管癌など)、胆のう癌、膵臓癌、腎癌(例えば、腎細胞癌、腎盂・尿管癌など)、膀胱癌、陰茎癌、精巣癌、子宮癌、膣癌、外陰癌、悪性骨腫瘍、肉腫(例えば、軟部肉腫、軟骨肉腫、肺肉腫、骨肉腫、先天性繊維肉腫など)、血液癌(例えば、白血病など)、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫、唾液腺腫瘍、MASC(mammary analogue secretory carcinoma)、神経内分泌腫瘍、神経芽細胞腫、髄芽腫、グリア芽腫、眼網膜芽細胞腫、小腸癌、炎症性筋線維芽細胞性腫瘍、先天性中胚葉性腎腫および副腎皮質癌などが挙げられる。
本発明化合物は、
1)その化合物の予防および/または治療効果の補完および/または増強、
2)その化合物の動態・吸収改善、投与量の低減、および/または
3)その化合物の副作用の軽減のために他の薬剤と組み合わせて、併用剤として投与してもよい。
本発明化合物と他の薬剤の併用剤は、1つの製剤中に両成分を配合した配合剤の形態で投与してもよく、また別々の製剤にして投与する形態をとってもよい。この別々の製剤にして投与する場合には、同時投与および時間差による投与が含まれる。また、時間差による投与は、本発明化合物を先に投与し、他の薬剤を後に投与してもよいし、他の薬剤を先に投与し、本発明化合物を後に投与してもよい。それぞれの投与方法は同じでも異なっていてもよい。
上記併用剤により、予防および/または治療効果を奏する疾患は特に限定されず、本発明化合物の予防および/または治療効果を補完および/または増強する疾患であればよい。
本発明化合物の癌に対する予防および/または治療効果の補完および/または増強のための他の薬剤としては、例えば、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗癌性抗生物質、抗癌性植物性製剤、ホルモン剤、白金化合物、トポイソメラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤、抗CD20抗体、抗HER2抗体、抗EGFR抗体、抗VEGF抗体、プロテアソーム阻害剤、HDAC阻害剤、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、抗CTLA−4抗体、抗PD−1抗体、抗PD−L1抗体など)、免疫調整薬、およびその他の抗癌剤などが挙げられる。
アルキル化剤としては、例えば、シクロホスファミド、イホスファミド、ダカルバジン、塩酸ニムスチン、ラニムスチン、ベンダムスチン、チオテパ、およびカルボコンなどが挙げられる。
代謝拮抗剤としては、例えば、メトトレキサート、ペメトレキセド、フルオロウラシル、テガフール、テガフール・ウラシル、テガフール・ギメスタット・オタスタットカリウム、ドキシフルリジン、カペシタビン、シタラビン、塩酸ゲムシタビン、フルダラビン、ネララビン、カルモフール、および塩酸プロカルバジンなどが挙げられる。
抗癌性抗生物質としては、例えば、マイトマイシンC、塩酸ドキソルビシン、塩酸アクラルビシン、塩酸ピラルビシン、エピルビシン、クロモマイシンA3、ブレオマイシン、硫酸ペプロマイシン、およびテラルビシンなどが挙げられる。
抗癌性植物性製剤としては、例えば、塩酸イリノテカン、エトポシド、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンデシン、酒石酸ビノレルビン、ドセタキセル水和物、エリブリンメシル酸塩、およびパクリタキセルなどが挙げられる。
ホルモン剤としては、例えば、リン酸エストラムスチンナトリウム、フルタミド、ビカルタミド、酢酸ゴセレリン、酢酸リュープロレリン、クエン酸タモキシフェン、クエン酸トレミフェン、アナストロゾール、レトロゾール、エキセメスタン、メピチオスタン、酢酸メドロキシプロゲステロン、エピチオスタノール、ホスフェストロール、塩酸ファドロゾール水和物、アビラテロン、フルベストラント、およびアミノグルテチミドなどが挙げられる。
白金化合物としては、例えば、カルボプラチン、シスプラチン、ネダプラチン、およびオキサリプラチンなどが挙げられる。
トポイソメラーゼ阻害剤の例としては、例えば、トポテカンおよびソブゾキサンなどが挙げられる。
キナーゼ阻害剤としては、例えば、EGFR阻害剤であるエルロチニブ、ゲフィチニブ、アファチニブ、HER2阻害剤であるラパチニブ、BCR−ABL阻害剤であるイマチニブ、ALK阻害剤であるクリゾチニブ、マルチキナーゼ阻害剤であるレゴラフェニブ、およびダサチニブ、MEK阻害剤であるトラメチニブ、セルメチニブ、CDK4/6阻害剤として、パルボシクリブなどが挙げられる。
抗CD20抗体としては、例えば、リツキシマブ、イブリツモマブ、イブリツモマブチウキセタン、およびオクレリズマブなどが挙げられる。
抗HER2抗体としては、例えば、トラスツズマブ、トラスツズマブ・エムタンシン、およびペルツズマブなどが挙げられる。
抗EGFR抗体としては、例えば、セツキシマブおよびパニツムマブなどが挙げられる。
抗VEGF抗体としては、例えば、ベバシズマブなどが挙げられる。
プロテアソーム阻害剤としては、例えば、ボルテゾミブなどが挙げられる。
HDAC阻害剤としては、例えば、ボリノスタットなどが挙げられる。
抗CTLA−4抗体としては、例えば、イピリムマブおよびトレメリムマブなどが挙げられる。
抗PD−1抗体としては、例えば、ニボルマブおよびペンブロリズマブなどが挙げられる。
抗PD−L1抗体としては、例えば、アテゾリズマブおよびアベルマブなどが挙げられる。
免疫調整薬としては、例えば、サリドマイド、レナリドミド、およびポマリドミドなどが挙げられる。
本発明化合物と他の薬剤の質量比は特に限定されない。
他の薬剤は、任意の2種以上を組み合わせて投与してもよい。
また、本発明化合物の予防および/または治療効果を補完および/または増強する他の薬剤には、上記したメカニズムに基づいて、現在までに見出されているものだけでなく今後見出されるものも含まれる。
本発明化合物、または本発明化合物と他の薬剤の併用剤を上記の目的で用いるには、通常、薬学的に許容される担体とともに適当な医薬組成物として製剤化したうえで、全身的または局所的に、経口または非経口の形で投与される。
投与量は、年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間などにより異なるが、通常、成人一人あたり、1回につき、1mgから1000mgの範囲で、1日1回から数回経口投与されるか、または成人一人あたり、1回につき、0.1mgから100mgの範囲で、1日1回から数回非経口投与されるか、または1日1時間から24時間の範囲で静脈内に持続投与される。
もちろん前記したように、投与量は、種々の条件によって変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また範囲を越えて必要な場合もある。
本発明化合物、または本発明化合物と他の薬剤の併用剤を投与する際には、経口投与のための内服用固形剤、内服用液剤、および非経口投与のための注射剤、外用剤、坐剤、点眼剤、吸入剤などとして用いられる。
経口投与のための内服用固形剤には、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤などが含まれる。カプセル剤には、ハードカプセルおよびソフトカプセルが含まれる。また錠剤には舌下錠、口腔内貼付錠、口腔内速崩壊錠などが含まれる。
このような内服用固形剤においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質はそのままか、または賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、デンプンなど)、結合剤(ヒドロキシルプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなど)、崩壊剤(繊維素グリコール酸カルシウムなど)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸など)などと混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシルプロピルセルロース、ヒドロキシルプロピルメチルセルロースフタレートなど)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。さらにゼラチンのような吸収されうる物質のカプセルも包含される。
経口投与のための内服用液剤は、薬剤的に許容される水剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤などを含む。このような液剤においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質が、一般的に用いられる希釈剤(精製水、エタノールまたはそれらの混液など)に溶解、懸濁または乳化される。さらにこの液剤は、湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、保存剤、緩衝剤などを含有していてもよい。
非経口投与のための外用剤の剤形には、例えば、軟膏剤、ゲル剤、クリーム剤、湿布剤、貼付剤、リニメント剤、噴霧剤、吸入剤、スプレー剤、エアゾル剤、点眼剤、および点鼻剤などが含まれる。これらはひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、公知の方法または通常使用されている処方により調製される。
噴霧剤、吸入剤およびスプレー剤は、一般的に用いられる希釈剤以外に亜硫酸水素ナトリウムのような安定剤と等張性を与えるような緩衝剤、例えば塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムあるいはクエン酸のような等張剤を含有していてもよい。スプレー剤の製造方法は、例えば米国特許第2,868,691号および同第3,095,355号に詳しく記載されている。
非経口投与のための注射剤としては、溶液、懸濁液、乳濁液および用時溶剤に溶解または懸濁して用いる固形の注射剤を包含する。注射剤は、ひとつまたはそれ以上の活性物質を溶剤に溶解、懸濁または乳化させて用いられる。溶剤として、例えば注射用蒸留水、生理食塩水、植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノールのようなアルコール類などおよびそれらの組み合わせが用いられる。さらにこの注射剤は、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸、ポリソルベート80(登録商標)など)、懸濁化剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤などを含んでいてもよい。これらは最終工程において滅菌するか無菌操作法によって製造される。また無菌の固形剤、例えば凍結乾燥品を製造し、その使用前に無菌化または無菌の注射用蒸留水または他の溶剤に溶解して使用することもできる。
非経口投与のためその他の組成物としては、ひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、常法により処方される直腸内投与のための坐剤および腟内投与のためのペッサリーなどが含まれる。
他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての技術的、科学的用語、および略語は、本発明の分野に属する当業者によって普通に理解されるものと同様の意味を有する。
以下、実施例によって本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明化合物は、国際公開第2014/129431号および国際公開第2016/027754号に記載の化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグ、並びにそれらの結晶である。
また、薬理実験例3および4でEntrectinibおよびLOXO−101として用いた化合物は、以下の化合物である。
Figure 2017155018
薬理実験例:
薬理実験例1:ヒトTrkA発現細胞を用いたTrkAキナーゼ阻害活性の測定
細胞系でのTrkAキナーゼに対する阻害活性は、ヒトTrkA、およびNFAT−blaを発現させたCHO−K1細胞(CellSenserTM TrkA−NFAT−bla CHO−K1細胞、Invitrogen社)を用いて実施した。
アッセイの前日、CellSenserTM TrkA−NFAT−bla CHO−K1細胞をアッセイ培地(0.5vol%透析処理済みウシ胎児血清(Invitrogen社)、0.1mM nonessential amino acids(Invitrogen社)、1mM sodium pyruvate(Invitrogen社)、および抗生物質(100U/mL penicillin、および100μg/mL streptomycin(Invitrogen社))を含むOpti−MEM1 Reduced Serum Medium(Invitrogen社))に懸濁し、2.4×10細胞/40μL/ウェルの密度で、96ウェルクリアボトムプレート(Corning、品番:3882)に播種した。また、一部のウェルにはアッセイ培地のみを40μL/ウェル添加した(セルフリー)。アッセイ当日、96ウェルプレート(Costar社、品番:3363)に10mMの本発明化合物(DMSO溶液)を分注後、DMSOで段階希釈し、3倍公比の希釈系列を調製した。その希釈系列をアッセイ培地で100倍希釈し、10倍濃度の本発明化合物溶液(DMSO濃度1vol%)を調製した。細胞を播種したプレートに本発明化合物を5μL/ウェル添加し、5%CO、95%Air、37℃のCOインキュベーター内で30分間インキュベーションした。対照およびブランクは、本発明化合物溶液の代わりに1vol%DMSOを含むアッセイ培地を5μL/ウェル添加した。その後、プレートにNGF(マウス2.5s、天然型、Invitrogen社)を含むアッセイ培地を5μL/ウェル添加(NGFの終濃度:50ng/ml)し、5%CO、95%Air、37℃のCOインキュベーター内で5時間インキュベーションした。ブランク群には、NGFの代わりにアッセイ培地を5μL/ウェル添加した。プレートにレポーターアッセイ検出用試薬を10μL/ウェル添加した後、遮光下、室温で120分間、インキュベーションした。なお、レポーターアッセイ検出用試薬はLiveBLAzerTM−FRET B/G Loading Kit(Invitrogen社)で調製した。Analyst GT(モレキュラーデバイスジャパン株式会社)を用いて、405nmの励起光を各ウェルに掃射し、460nmおよび530nmの蛍光強度を測定した。各ウェルの時間分解蛍光共鳴エネルギー転移(TR−FRET)比は下記の数式を用いて算出した。
Figure 2017155018
460X:本発明化合物、対照あるいはブランクの460nmの蛍光強度
460F:セルフリーの460nmの蛍光強度
530X:本発明化合物、対照あるいはブランクの530nmの蛍光強度
530F:セルフリーの530nmの蛍光強度
本発明化合物のTR−FRET阻害率(%)は、下記の数式を用いて算出した。
Figure 2017155018
:本発明化合物添加時のTR−FRET比
:ブランクのTR−FRET比
:対照のTR−FRET比
本発明化合物のIC50値は、本発明化合物の各濃度における阻害率に基づく阻害曲線から算出した。
その結果、本発明化合物のIC50値は0.5μM以下であり、本発明化合物はTrkA阻害活性を有することが分かった。例えば、いくつかの本発明化合物のIC50値は下記の表に示したとおりであった。
Figure 2017155018
Figure 2017155018
薬理実験例2:Trk以外の他のキナーゼに対する酵素阻害活性試験(選択性実験)
被験物質(本発明化合物)はジメチルスルホキシドに溶解して3μMの試験濃度の100倍濃度の溶液を調整した。その溶液をさらにアッセイバッファー(20mMHEPES、0.01vol%TritonX−100、2mMDTT、pH7.5)にて25倍希釈して被験物質溶液とした。陽性対照物質もこれと同様にして陽性対照物質溶液を調整した。
アッセイバッファーにて調整した5μLの4倍濃度被験物質溶液、5μLの4倍濃度基質/ATP/金属溶液(Mg)および10μLの2倍濃度キナーゼ溶液をポリプロピレン製384ウェルプレートのウェル内で混合し、室温にて1時間反応させた。60μLのTermination Buffer(QuickScout Screening Assist MSA; Carna Biosciences)を添加して反応を停止させた。反応溶液中の基質ペプチドとリン酸化ペプチドを分離、定量した。キナーゼ反応は基質ペプチドピーク高さ(S)とリン酸化ペプチドピーク高さ(P)から計算される生成物比(P/(P+S))にて評価した。他のキナーゼとして、例えば、b−RafおよびKDRのキナーゼを用いてキナーゼ選択性実験を行った。以下の表に各々のキナーゼ酵素阻害活性試験に使用した基質、基質濃度、ATP濃度、および陽性対照物質を示した。
Figure 2017155018
全ての反応コンポーネントを含むコントロールウェルの平均シグナルを0%阻害、バックグランドウェル(酵素非添加)の平均シグナルを100%阻害とし、各被験物質試験ウェルの平均シグナルから阻害率を計算した。その結果、3μMの濃度における本発明化合物の各キナーゼに対する阻害率は以下の表に示すとおりであった。
Figure 2017155018
この結果から、本発明化合物は、TrkA以外の他のキナーゼ、例えば、b−RafおよびKDRのキナーゼに対する阻害は弱く、TrkAに対して強く阻害することが分かった。言い換えると、本発明化合物は、薬理実施例1の結果からTrkA阻害に対するIC50が0.5μM以下と強力であり、一方で、薬理実施例2の結果からTrkA以外の上記のキナーゼについては、3μMの濃度における化合物であっても0%〜約58%程度しか阻害しない。したがって、本発明化合物はTrkA阻害に対する選択性が高く、優れたキナーゼ選択性を有することが分かった。
薬理実験例3:Trk阻害剤耐性細胞株に対する増殖抑制試験
(1)EntrectinibおよびLOXO−101耐性KM12細胞株(KM12−ERおよびKM12−LR)の樹立
ヒト大腸癌細胞株であるKM12(ATCC社、品番:RBC0805)を用いて、Trk阻害剤であるEntrectinibまたはLOXO−101に対する耐性株を樹立した。10vol%の非働化済ウシ胎児血清(Fetal Bovine Serum;FBS)および1vol%のPenicillin−Streptomycin liquid(Life technologies社)を含むDMEM(Life technologies社、品番:11965)を培地として調製した。解凍したKM12を、培地に懸濁し、室温にて180gで3分間遠心分離した。上清を吸引除去後に細胞沈渣を培地にて再懸濁して全量を50mLとし225cmフラスコ(旭ガラス)に播種して、37℃、5%CO、および95%Air条件下で静置した。その後、コンフルエントの状態まで増殖したKM12を、0.25%Trypsin−EDTA(Invitrogen)を用いて浮遊させ、遠心チューブに回収後、室温にて180gで3分間、KM12を遠心分離した。細胞沈渣をDMEM培地にて懸濁後、細胞懸濁液の一部を採取し、生細胞数を計測した。細胞懸濁液の一部を225cmフラスコに播種し、培地全量を50mLにした。DMSOで溶解したEntrectinibまたはLOXO−101をDMEM培地に50μL添加し、37℃、5%CO、および95%Air条件下で静置した。以降は継代しながら薬物存在下での培養を継続した。Entrectinibの濃度は1nMから開始し、10nMまで漸増した.一方、LOXO−101は30nMで継代培養を続けた。10nMのEntrectinibまたは30nMのLOXO−101存在下で安定的に増殖するようになった細胞を凍結保存し、これらをそれぞれKM12−ERおよびKM12−LRとした。
(2)KM12、KM12−ERおよびKM12−LRに対する増殖抑制実験
KM12、KM12−ERおよびKM12−LRを用いて、本発明化合物の抗腫瘍効果を評価した。細胞は、実験に供するまでDMEM培地で継代培養された。化合物処置の前日に、0.25%Trypsin−EDTAを用いて細胞を浮遊させ、培養フラスコより遠心チューブに細胞を回収した。室温にて180gで3分間、細胞を遠心分離した後、その細胞沈渣を10mLのDMEM培地にて懸濁した。細胞懸濁液の一部を採取して、その細胞数を計測した後、3×10細胞/mLの細胞密度で細胞をDMEM培地にて懸濁し、その細胞懸濁液を調製した。96ウェル組織培養用プレート(旭ガラス)に、細胞懸濁液を100μL/ウェルで播種し、37℃、5%CO、および95%Air条件下で24時間静置した。化合物処置の当日に、10mMの本発明化合物、EntrectinibおよびLOXO−101(DMSO溶液)をDMSOで段階希釈し、3倍公比の希釈系列を調製した。その希釈系列およびDMSOを培地で100倍希釈し、10倍濃度の化合物溶液および媒体溶液を調製した。細胞を24時間静置培養した96ウェル組織培養用プレートの各ウェルに上記で調製した化合物溶液または媒体溶液を11μL/ウェルずつ添加し、37℃、5%CO、および95%Air条件下で72時間静置培養した。静置培養完了後、CellTiter−Glo Luminescent Cell Viability Assayキット(Promega社、G7571)を用いて、各ウェルの発光シグナル(相対発光単位、RLU)をマイクロプレートリーダーで測定した。媒体群(化合物濃度がゼロ(0)の媒体溶液を処置した群)の3ウェル分のRLUの平均値を算出し、下記の数式で各ウェルにおける増殖抑制率を算出した。
Figure 2017155018
各濃度における増殖抑制率に基づき、Sigmoid Emaxモデルを用いた非線形回帰分析を行うことで本発明化合物およびEntrectinibのIC50値を逆推定した。
その結果、本発明化合物は、EntrectinibおよびLOXO−101よりも低い処置濃度でKM12−ERおよびKM12−LRの増殖を抑制することが分かった。本発明化合物、EntrectinibおよびLOXO−101のIC50値は下記の表に示したとおりであった。
Figure 2017155018
薬理実験例4:TrkA G595RまたはG667C変異陽性細胞株に対する増殖抑制試験
(1)野生型TPM3−TrkAおよびG595RまたはG667C変異型TPM3−TrkA発現Ba/F3細胞株の樹立
マウスプロB細胞株であるBa/F3を用いて、野生型TPM3−TrkAおよびG595RまたはG667C変異型TPM3−TrkAを発現するBa/F3細胞株(Ba/F3 TrkA野生型、Ba/F3 TrkA G595RおよびBa/F3 TrkA G667C)を樹立した。10vol%の非働化済ウシ胎児血清(Fetal Bovine Serum;FBS)、1vol%のPenicillin−Streptomycin liquid(Life technologies社)および終濃度で10ng/mLのIL−3(BD Bioscience、品番:354040)を含むRPMI(Life technologies社、品番:11875)を培養用培地として調製した。解凍したBa/F3を、培養用培地に懸濁した。室温にて400gで3分間遠心分離し、上清を吸引除去後に細胞沈渣を培養用培地にて再懸濁した。150mm無処理ディッシュ(旭ガラス)に全量を播種して37℃、5%CO、および95%Air条件下で静置した。その後、Ba/F3は遺伝子導入されるまで、培養用培地で継代培養された。野生型TPM3−TrkAおよびG595RまたはG667C変異型TPM3−TrkAタンパクをコードするTPM3−NTRK1融合遺伝子を人工的に遺伝子合成し、pcDNA3.1ベクターへサブクローニングした。Amaxa Cell line Nucleofector Kit V(Lonza、品番:VCA−1003)の添付文書に従い、これら3種類のコンストラクトを、Nucleofector device(Lonza)を用いて、Ba/F3にそれぞれ遺伝子導入した。10vol%のFBS、1vol%のPenicillin−Streptomycin liquid(Life technologies社)、終濃度で10ng/mLのIL−3(BD Bioscience、品番:354040)および終濃度で500μg/mLのG418(Wako、品番:077−04973)を含むRPMIを選択用培地として調製し、遺伝子導入の2日後から、選択用培地でBa/F3を1週間静置培養した。その後、段階的にIL−3を除去した選択用培地で継代を繰り返した。IL−3を完全に除去した選択用培地(IL−3不含選択用培地)で数回継代した細胞を液体窒素にて保存した。
(2)Ba/F3 TrkA野生型、Ba/F3 TrkA G595RおよびBa/F3 TrkA G667Cに対する増殖抑制実験
Ba/F3 TrkA野生型、Ba/F3 TrkA G595RおよびBa/F3 TrkA G667Cを用いて、本発明化合物の抗腫瘍効果を評価した。Ba/F3 TrkA野生型、Ba/F3 TrkA G595RおよびBa/F3 TrkA G667Cは、実験に供するまで、IL−3不含選択用培地で継代培養された。増殖抑制実験の当日に、Ba/F3 TrkA野生型、Ba/F3 TrkA G595RおよびBa/F3 TrkA G667Cをディッシュより遠心チューブに回収し、室温にて400gで3分間遠心分離した。細胞沈渣を培地にて懸濁後、その細胞数を計測し、3.3×10細胞/mLの細胞密度に細胞懸濁液を調製した。10mMの本発明化合物およびEntrectinib(DMSO溶液)をDMSOで段階希釈して、3倍公比の希釈系列を調製した。その希釈系列およびDMSOを培地で100倍希釈し、10倍濃度の化合物溶液および媒体溶液を調製した。96ウェル組織培養用プレートの各ウェルに、上記で調製した化合物溶液または媒体溶液を10μL/ウェルずつ添加した。次に、上記細胞懸濁液を90μL/ウェルで播種し、37℃、5%CO、および95%Air条件下で72時間静置培養した。ブランクは細胞を含まない培地を100μL/ウェルで添加した。静置培養完了後、Cell Counting Kit−8(DOJINDO)を用いて、各ウェルの450nmの吸光度(A450)および対照波長として650nmの吸光度(A650)をマイクロプレートリーダーでそれぞれ測定し、各ウェルのA450からA650を除した値(A450−650)を算出した。各ウェルのA450−650からブランクのA450−650の平均値を除した(AΔblank)後、媒体群におけるAΔblankの平均値を算出し、各ウェルにおける増殖抑制率を下記の数式で算出した。
Figure 2017155018
各濃度における増殖抑制率に基づき、Sigmoid Emaxモデルを用いた非線形回帰分析を行うことで本発明化合物およびEntrectinibのIC50値を逆推定した。
その結果、本発明化合物は、Entrectinibよりも低い処置濃度でBa/F3 TrkA G595RおよびBa/F3 TrkA G667Cの増殖を抑制することが分かった。いくつかの本発明化合物およびEntrectinibのIC50値は下記の表に示したとおりであった。
Figure 2017155018
薬理実験例5:TrkC G623R変異陽性細胞株に対する増殖抑制試験
(1)野生型ETV6−TrkCおよびG623R変異型ETV6−TrkC発現Ba/F3細胞株の樹立
マウスプロB細胞株であるBa/F3を用いて、野生型ETV6−TrkCおよびG623R変異型ETV6−TrkCを発現するBa/F3細胞株(Ba/F3 TrkC野生型、Ba/F3 TrkC G623R)を樹立した。10vol%の非働化済ウシ胎児血清(Fetal Bovine Serum;FBS)、1vol%のPenicillin−Streptomycin liquid(Life technologies社)および終濃度で10ng/mLのIL−3(BD Bioscience、品番:354040)を含むRPMI(Life technologies社、品番:11875)を培養用培地として調製した。解凍したBa/F3を、培養用培地に懸濁した。室温にて400gで3分間遠心分離し、上清を吸引除去後に細胞沈渣を培養用培地にて再懸濁した。150mm無処理ディッシュ(旭ガラス)に全量を播種して37℃、5%CO、および95%Air条件下で静置した。その後、Ba/F3は遺伝子導入されるまで、培養用培地で継代培養された。野生型ETV6−NTRK3およびG623R変異型ETV6−TrkCタンパクをコードするETV6−TrkC融合遺伝子を人工的に遺伝子合成し、pcDNA3.1ベクターへサブクローニングした。Amaxa Cell line Nucleofector Kit V(Lonza、品番:VCA−1003)の添付文書に従い、これら3種類のコンストラクトを、Nucleofector device(Lonza)を用いて、Ba/F3にそれぞれ遺伝子導入した。10vol%のFBS、1vol%のPenicillin−Streptomycin liquid(Life technologies社)、終濃度で10ng/mLのIL−3(BD Bioscience、品番:354040)および終濃度で500μg/mLのG418(Wako、品番:077−04973)を含むRPMIを選択用培地として調製し、遺伝子導入の2日後から、選択用培地でBa/F3を1週間静置培養した。その後、段階的にIL−3を除去した選択用培地で継代を繰り返した。IL−3を完全に除去した選択用培地(IL−3不含選択用培地)で数回継代した細胞を液体窒素にて保存した。
(2)Ba/F3 TrkC野生型、Ba/F3 TrkC G623Rに対する増殖抑制実験
Ba/F3 TrkC野生型、Ba/F3 TrkC G623Rを用いて、本発明化合物の抗腫瘍効果を評価した。Ba/F3 TrkC野生型、Ba/F3 TrkC G623Rは、実験に供するまで、IL−3不含選択用培地で継代培養された。増殖抑制実験の当日に、Ba/F3 TrkC野生型、Ba/F3 TrkC G623Rをディッシュより遠心チューブに回収し、室温にて400gで3分間遠心分離した。細胞沈渣を培地にて懸濁後、その細胞数を計測し、3.3×10細胞/mLの細胞密度に細胞懸濁液を調製した。10mMの本発明化合物、Entrectinib(DMSO溶液)をDMSOで段階希釈して、3倍公比の希釈系列を調製した。その希釈系列およびDMSOを培地で100倍希釈し、10倍濃度の化合物溶液および媒体溶液を調製した。96ウェル組織培養用プレートの各ウェルに、上記で調製した化合物溶液または媒体溶液を10μL/ウェルずつ添加した。次に、上記細胞懸濁液を90μL/ウェルで播種し、37℃、5%CO、および95%Air条件下で72時間静置培養した。静置培養完了後、CellTiter−Glo Luminescent Cell Viability Assayキット(Promega社、G7571)を用いて、各ウェルの発光シグナル(相対発光単位、RLU)をマイクロプレートリーダーで測定した。媒体群(化合物濃度がゼロ(0)の媒体溶液を処置した群)の3ウェル分のRLUの平均値を算出し、下記の数式で各ウェルにおける増殖抑制率を算出した。
Figure 2017155018
各濃度における増殖抑制率に基づき、Sigmoid Emaxモデルを用いた非線形回帰分析を行うことで本発明化合物およびEntrectinibのIC50値を逆推定した。
その結果、本発明化合物は、Entrectinibよりも低い処置濃度でBa/F3 TrkC G623Rの増殖を抑制することが分かった。いくつかの本発明化合物およびEntrectinibのIC50値は下記の表に示したとおりであった。
Figure 2017155018
[製剤例]
製剤例1
以下の各成分を常法により混合した後、打錠して、一錠中に10mgの活性成分を含有する錠剤1万錠を得る。
・1−(2−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−(4−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア…… 100g
・カルボキシメチルセルロースカルシウム(崩壊剤) …… 20g
・ステアリン酸マグネシウム(滑沢剤) …… 10g
・微結晶セルロース …… 870g
製剤例2
以下の各成分を常法により混合した後、除塵フィルターでろ過し、5mlずつアンプルに充填し、オートクレーブで加熱滅菌して、1アンプル中20mgの活性成分を含有するアンプル1万本を得る。
・1−(2−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−(4−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア…… 200g
・マンニトール …… 20g
・蒸留水 …… 50L
一般式(I)の化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグは、Trk阻害剤抵抗性の癌治療剤の有効成分として有用である。

Claims (19)

  1. 一般式(I)
    Figure 2017155018
    (式中、
    環Cyは、C3〜10の単環式炭素環もしくは二環式炭素環、または4〜10員の単環式複素環もしくは二環式複素環を表し、
    環Cyは、4〜10員の単環式複素環または二環式複素環を表し、
    は、
    (1)ハロゲン、
    (2)(i)ハロゲンおよび(ii)水酸基からなる群より選択される置換基で置換されていてもよい、C1〜6のアルキル基、C2〜6のアルケニル基、もしくはC2〜6のアルキニル基、
    (3)1〜2個のRで置換されていてもよいC5〜6の単環式炭素環、
    (4)1〜2個のRで置換されていてもよい5〜6員の単環式複素環、
    (5)−S(O)m1−R
    (6)−SONR
    (7)−C(O)OR
    (8)−NR10C(O)R11
    (9)−C(O)NR1213
    (10)−OR14
    (11)−NR1516
    (12)シアノ基、または
    (13)ニトロ基を表し、
    は、
    (1)ハロゲン、
    (2)−S(O)m2−R17
    (3)−SONR1819
    (4)−C(O)OR20
    (5)−NR21C(O)R22
    (6)−C(O)NR2324
    (7)−OR25
    (8)−NR2627
    (9)シアノ基、
    (10)ニトロ基、または
    (11)(i)ハロゲン、(ii)水酸基、および(iii)オキソ基からなる群より選択される置換基で置換されていてもよいC1〜3のアルキル基を表し、
    が2個である場合、Rはそれぞれ独立して同一でも異なっていてもよく、
    さらに、2個のRがそれぞれ独立してC1〜3のアルキル基または水酸基であって、RがC5〜6の単環式炭素環または5〜6員の単環式複素環上の隣接する炭素原子に位置していた場合は、それらの基が一緒になって環を形成してもよく、
    −R27は、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)(i)ハロゲンもしくは(ii)水酸基で置換されていてもよいC1〜6のアルキル基を表し、
    18およびR19がそれぞれ独立してC1〜6のアルキル基の場合、それらの基が一緒になって環を形成してもよく、
    は、
    (1)ハロゲン、
    (2)(i)ハロゲンもしくは(ii)水酸基で置換されていてもよいC1〜6のアルキル基、
    (3)(i)ハロゲンもしくは(ii)水酸基で置換されていてもよいC3〜6のシクロアルキル基、
    (4)ハロゲンで置換されていてもよいC1〜6のアルコキシ基、
    (5)−NR2829
    (6)3〜7員の単環式複素環、または
    (7)−O−(3〜7員の単環式複素環)を表し、
    28およびR29は、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)(i)ハロゲンもしくは(ii)水酸基で置換されていてもよいC1〜6のアルキル基を表し、
    およびAは、それぞれ独立して、=CR−または=N−を表し、
    、A、A、およびAは、それぞれ独立して、=CR−または=N−を表し、
    およびRは、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲンを表し、
    m1は0〜2の整数を表し、
    m2は0〜2の整数を表し、
    pは0〜7の整数を表し、
    qは0〜7の整数を表し、
    rは0〜2の整数を表す。
    ただし、p、q、およびrがそれぞれ2以上の整数を表す場合、R、R、およびRは、それぞれ独立して、同一でも異なっていてもよい。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグを有効成分として含有する、Trk阻害剤抵抗性の癌治療剤。
  2. 一般式(I)が、一般式(I−A)
    Figure 2017155018
    (式中、Cy1−Aは、C5〜6の単環式芳香族炭素環を表し、Cy2−Aは、5〜10員の単環式芳香族複素環または二環式芳香族複素環を表し、tは0から4の整数を表し、その他の記号は請求項1記載の記号と同じ意味を表す。)で示される請求項1記載の剤。
  3. 一般式(I)が、一般式(I−B)
    Figure 2017155018
    (式中、Cy1−Bは、C5〜6の単環式芳香族炭素環を表し、Cy2−Bは、5〜10員の単環式芳香族複素環または二環式芳香族複素環を表し、tは0から4の整数を表し、その他の記号は請求項1記載の記号と同じ意味を表す。)で示される請求項1記載の剤。
  4. 一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグが、
    (1)1−(2−(1H−ピラゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(2−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)ウレア、
    (2)1−(2−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−(4−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
    (3)1−(2−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(5−(トリフルオロメチル)−2−(3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ウレア、
    (4)1−(2−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
    (5)1−(2−(1H−ピラゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル−3−(6−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリジン−3−イル)ウレア、
    (6)1−(2−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル−3−(6−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリジン−3−イル)ウレア、
    (7)1−(6−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリジン−3−イル)−3−(2−(ピリジン−3−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
    (8)1−(2−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
    (9)1−(2−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(2−(4−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)ウレア、
    (10)1−(2−(4−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−(ピリジン−3−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
    (11)1−(2−(1H−ピラゾール−1−イル)−4−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(2−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)ウレア、
    (12)1−(2−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
    (13)1−(2−(4−(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
    (14)1−(2−{4−[2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)−3−{5−(トリフルオロメチル)−2−[3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]フェニル}ウレア、
    (15)1−{2−[4−(2−アミノ−5−クロロ−3−ピリジニル)フェノキシ]−5−ピリミジニル}−3−[4−(トリフルオロメチル)−2−ビフェニルイル]ウレア、
    (16)1−{2−[4−(2−アミノ−5−フルオロ−3−ピリジニル)フェノキシ]−5−ピリミジニル}−3−[4−(トリフルオロメチル)−2−ビフェニルイル]ウレア、
    (17)1−{2−[4−(2−アミノ−5−クロロ−3−ピリジニル)フェノキシ]−5−ピリミジニル}−3−[2−(4−クロロ−1H−ピラゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、
    (18)1−{2−[4−(2−アミノ−5−クロロ−3−ピリジニル)フェノキシ]−5−ピリミジニル}−3−{5−クロロ−2−[3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]フェニル}ウレア、
    (19)1−{2−[4−(2−アミノ−5−クロロ−3−ピリジニル)フェノキシ]−5−ピリミジニル}−3−[2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、
    (20)1−(2−{4−[2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)−3−[2−(4−クロロ−1H−ピラゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、
    (21)1−{2−[4−(2−アミノ−5−フルオロ−3−ピリジニル)フェノキシ]−5−ピリミジニル}−3−[2−(メチルスルホニル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、
    (22)1−(2−{4−[2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)−3−[2−(メチルスルホニル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、
    (23)1−{2−[4−(2−アミノ−5−クロロ−3−ピリジニル)フェノキシ]−5−ピリミジニル}−3−[2−(メチルスルホニル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、
    (24)2−{[(2−{4−[2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)カルバモイル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド、
    (25)1−(2−(4−(5−(アゼチジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−(ピリジン−3−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
    (26)1−(2−(4−(5−(アゼチジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
    (27)1−(2−(4−(5−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−(ピリジン−3−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
    (28)1−(2−(4−(ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)フェノキシ)ピリミジン−5−イル)−3−(2−(ピリジン−3−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア、
    (29)1−(2−{4−[5−(ジメチルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)−3−[2−(3−ピリジニル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、
    (30)1−(2−{4−[5−(ジメチルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)−3−[2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、
    (31)1−{2−[4−(5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)フェノキシ]−5−ピリミジニル}−3−[2−(3−ピリジニル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、
    (32)1−(2−{4−[5−(エチルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)−3−[3’−メチル−4−(トリフルオロメチル)−2−ビフェニルイル]ウレア、
    (33)1−(2−{4−[5−(ジメチルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)−3−[4−(トリフルオロメチル)−2−ビフェニルイル]ウレア、
    (34)1−(2−{4−[5−(ジメチルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)−3−[3’−メチル−4−(トリフルオロメチル)−2−ビフェニルイル]ウレア、もしくは
    (35)1−(2−{4−[5−(ジメチルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]フェノキシ}−5−ピリミジニル)−3−[2’−メチル−4−(トリフルオロメチル)−2−ビフェニルイル]ウレア、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである、請求項1に記載の剤。
  5. Trk阻害剤抵抗性の癌が、NTRK陽性癌であってTrk阻害剤抵抗性の癌である請求項1から4のいずれか一項に記載の剤。
  6. Trk阻害剤抵抗性の癌が、Trk阻害剤の投与によりTrk阻害剤抵抗性を獲得した癌である、請求項1から5のいずれか一項に記載の剤。
  7. Trk阻害剤抵抗性の癌が、Trk阻害剤の投与により生じたNTRK遺伝子中の変異により、Trk阻害剤に対する抵抗性を獲得した癌である、請求項1から6のいずれか一項に記載の剤。
  8. NTRK遺伝子中の変異がNTRK融合遺伝子中の変異である、請求項7に記載の剤。
  9. NTRK融合遺伝子中の変異がNTRK1融合遺伝子中の変異である、請求項8記載の剤。
  10. NTRK1融合遺伝子中の変異がG595Rおよび/またはG667C変異である、請求項9記載の剤。
  11. NTRK融合遺伝子中の変異がNTRK2融合遺伝子中の変異である、請求項8記載の剤。
  12. NTRK2融合遺伝子中の変異がG639R変異である、請求項11記載の剤。
  13. NTRK融合遺伝子中の変異がNTRK3融合遺伝子中の変異である、請求項8記載の剤。
  14. NTRK3融合遺伝子中の変異がG623R変異である、請求項13記載の剤。
  15. Trk阻害剤が、Entrectinib、LOXO−101、AZD−7451、TSR−011、Crizotinib、ASP−7269およびDS−6051bからなる群から選択される一以上の薬剤である、請求項1から14のいずれか一項に記載の剤。
  16. 癌が、肺癌、大腸癌、肝内胆管癌、甲状腺癌、皮膚癌、乳癌、頭頸部癌、腎癌、肉腫、脳腫瘍、唾液腺腫瘍または血液癌である請求項1から15のいずれか一項に記載の剤。
  17. Trk阻害剤抵抗性の癌治療のための、一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグの使用。
  18. Trk阻害剤抵抗性の癌の治療剤の製造のための、一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグの使用。
  19. 一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグの有効量を対象に投与することからなる、Trk阻害剤抵抗性の癌治療方法。
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